JP2007003437A - 粘度測定用スプーン - Google Patents

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Abstract

【課題】医療や介護のベッドサイドや調理現場で、極めて容易に流動性食品の粘度を測定するための器具を開発することである。
【解決手段】スプーンの掬い部に切り込みを入れた本発明の粘度測定用スプーンにより、粘性のある液体を掬い、スプーン上に残る該液体量を測定することにより、医療や介護のベッドサイドや調理現場で、非常に簡便に該液体の粘度を調べることができる。本発明の粘度測定用スプーンによれば、粘度1,000〜15,000mPa・sの液体の粘度を、臨床上必要な精度で規定することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、粘度測定用スプーンに関するものであり、詳しくは、医療や介護のベッドサイドや調理現場で、複雑な装置を用いることなく、極めて容易に流動性食品の粘度を測定するためのスプーンに関するものである。
嚥下機能が低下した人が、お茶や水等の非常に粘度が低い食品を摂取した場合、それらが誤って気管に流れ込むこと(誤嚥という)によりむせたり、食品が肺のなかで腐敗して肺炎を引き起こすケースが多く見られる。そこで、嚥下機能が低下した人に非常に粘度が低い食品を摂取させる場合、とろみ調整食品や澱粉等(以下とろみ剤という)を添加して、適度な粘性を付与してから食べさせるのが一般的である。
とろみ剤によって飲み物等に粘性を付与する際には、とろみ剤の添加量を適宜調整して、患者の摂食・嚥下能力に応じた粘度に調整する必要がある。粘度の調整が不適切な場合、たとえば粘度が低すぎると誤嚥を防ぐ効果が無く、高すぎると高粘度化した食品が喉に張り付いたり、詰まったりして危険である。したがって、医療・介護スタッフは、その患者に適した粘度を把握し、情報として共有しておく必要がある。
ところで、溶液の粘度の測定は、一般に回転粘度計、オストワルド粘度計、キャノンフェンスケ粘度計等で行うが、いずれも精密で壊れやすい機器であることから、医療や介護のベッドサイドや調理現場での使用は困難である。
そこで、病院や介護施設、および在宅医療・介護の現場では、粘度を規定するための方法として、ポタージュ状、ヨーグルト状、蜂蜜状、ジャム状等のように、その粘度に近い一般的な食品の名称をもって規定することが多い。しかし、この方法による粘度の規定は、測定者の粘度に対する知覚の差や、一般的な食品の粘性に対する認識の違いにより、客観性に極めて乏しい点に問題がある。
これを解決する手段として、これまでに同心円法、30度斜面法、針入り式などの精密な計測機器を用いない簡易的な粘度測定方法が考案されているが、再現性に難があったり、手間がかかったり、また専用装置が必要等の理由から普及には至っていないのが実情である。
本発明が解決しようとする課題は、医療や介護のベッドサイドや調理現場で、極めて容易に流動性食品の粘度を測定するための器具を開発することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者は、スプーンの掬い部に切り込みを入れることにより流動性食品の粘度測定が容易にできることを見出し、本発明を完成した。
つまり本発明は以下からなる。
1.掬い部に切り込みを入れたことを特徴とする、粘度測定用スプーン。
2.切り込み幅が一定である、前項1に記載の粘度測定用スプーン。
3.掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み幅が2mm以上5mm以下であることを特徴とする、前項1または2に記載の粘度測定用スプーン。
4.切り込みの形状が、掬い部先端部から掬い部深部に向けて斜めに切り込みを入れた楔形状である、前項1に記載の粘度測定用スプーン。
5.切り込みに一定の間隔で階段状の突起部分を持たせたことを特徴とする、前項1または4に記載の粘度測定用スプーン。
6.掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み先端部の幅が5mm以上10mm以下、切り込み最深部の幅が4mm以下であることを特徴とする、前項1、4および5のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
7.掬い部の長さ40mm以上60mm以下、幅25mm以上40mm以下、深さ5mm以上10mm以下、切り込みの長さが20mm〜30mmであって、切り込み先端部の幅が6mm以上8mm以下、切り込み最深部の幅が3mm以下であることを特徴とする、前項1、4および5のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
8.切り込みに一定の間隔で目盛りを付したことを特徴とする、前項1〜7のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
9.粘度1,000〜15,000mPa・sの液体の粘度を測定することができる、前項1〜8のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
10.掬い部を液状食品の摂取に適した形状にしたことを特徴とする、前項1〜9のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
11.前項1〜10のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーンの柄の反対側に切り込みを入れていないスプーンの掬い部を接合したことを特徴とするスプーン。
12.前項1〜10のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーンに切り込みを入れていないスプーンを両スプーンの柄部で結合したことを特徴とするスプーン。
本発明の粘度測定用スプーンには、極めて容易にかつ高い再現性で、流動性食品の粘度を測定することができるという利点がある。さらに、本発明の粘度測定用スプーンは、他の粘度測定法に使用される器具に比較して、安価であり、一般の食器と同じ取り扱い(洗浄、保管)が可能であり、取り扱いが容易であるという利点がある。
本発明の粘度測定用スプーンは、一般的なスプーン様の形状であればよく、容器内の液体を攪拌するのに適しており、掬った液体をそのまま口に運べる形状であればさらに好ましい。掬い部の輪郭形状は任意に設定することができ、より好ましくは液状食品の口への取り込みに適した形状にすることもできる。
本発明の一態様として、例えば、掬い部の左右いずれか一方側のみを長くして左右非対称形としたり、掬い部の先端を鋭く尖らせたり、柄に対して掬い部を略直角方向に屈曲形成したりすることが挙げられる。掬い部を左右非対称形とした場合は、食品を掬い挙げやすくなる。また、掬い部の先端を鋭くとがらせることにより、柔らかい固形物を突き刺しやすくなる。さらに、柄に対して掬い部を略直角に屈曲形成した場合は、スプーンを正しく握ることができない人でも、柄をつかみ掬い部を口元に移動させ易い。本発明の別の態様は、掬い部を標準の長径より長くし、掬い部の外方部に切り込みをいれて粘度測定に用い、掬い部の内方部に凹み部を設けて液状食品の溜め部とする。このことで、粘度測定と液状食品の摂取が同時に行える。
本発明の粘度測定用スプーンは、図2に示されるように、長尺の柄と、先端に切り込みを入れ該柄に連接された掬い部から構成される。該掬い部は柄と一体成形とせず、柄の部分を別体に形成して、掬い部に対して螺着、嵌合、接着等により組み付けることとしてもよい。
本発明の粘度測定用スプーンにおいて、掬い部の切り込みの形状は測定する粘度の範囲により適宜調整することができる。当業者は、切り込み先端部及び最深部の幅、並びに角度、掬い部の幅、長さ、深さ等を調整して、所望の粘度測定用に調整可能である。
切り込みの形状の一例として、図2に示すような一定の幅の切り込み、すなわち切り込み先端部幅と切り込み最深部幅が一定である切り込みの形状が挙げられる。当該切り込み幅が一定の本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み幅が2mm以上5mm以下、より好ましくは切り込み幅が3mm以上4mm以下である粘度測定用スプーンが好適に例示される。
また、切り込みの形状の一例として、図1および3に示すような掬い部先端部から掬い部深部に向けて斜めに切り込みを入れた楔形状の切り込みが挙げられる。また、切り込みの形状の一例として、図4に示すように、楔形状の切り込みに階段状の突起部分を持たせることができる。切り込みの形状が楔形状である場合、前記の切り込み幅が一定の粘度測定用スプーンに比べ、より広い粘度範囲を計測することができる。
本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み先端部の幅が5mm以上10mm以下、切り込み最深部の幅が4mm以下である粘度測定用スプーンが好適に例示される。
さらに、本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ40mm以上60mm以下、幅25mm以上40mm以下、深さ5mm以上10mm以下、切り込みの長さが20mm〜30mmであって、切り込み先端部の幅が6mm以上8mm以下、切り込み最深部の幅が3mm以下である粘度測定用スプーンが好適に例示される。
また、本発明の粘度測定用スプーンは、図1〜4に示すように、切り込み部分に一定間隔の目盛りを付すことが望ましい。該目盛りは粘度測定のための目安となる。該目盛りの間隔は粘度を測定する液状食品の種類、目的等により適宜調整することができる。さらに、目盛りを設けるのではなく、所望粘度範囲を表示するマーカーとなる目印を点、矢印、色付等所望の手段を応用することで適用可能である。
このように形成した本発明の粘度測定用スプーンは、次のように用いる;1)粘度を付与したい液状食品に、とろみ剤を投入し、本発明の粘度測定用スプーンで攪拌する、2)攪拌により粘度がでてきた時点で、粘度測定用スプーンで液体を掬う、3)粘度測定用スプーンからの液体のこぼれ落ちが収まった時点で、または、掬ってから一定の時間経過後に、粘度測定用スプーン上に残っている液体の輪郭に対応する目盛りを読む。
このように、本発明の粘度測定用スプーンは、液状食品にとろみ剤を溶かす、という、液状食品に粘度を付与するために必ず行う操作の中で粘度を測定できるので、短時間で容易に粘度を簡便に測定することができる。本発明で使用するとろみ剤は液状食品に粘度を付与するものであれば特に限定されないが、例として、市販とろみ調整食品、ネオハイトロミール((株)フードケア製)、トロメイク(明治乳業(株)製)、トロメリンS((株)三和化学研究所製)等が挙げられる。
切り込み幅が一定である本発明の粘度測定用スプーンによる測定範囲は、1000〜10000mPa・sであり、より好ましくは2000〜8000mPa・sである。また、切り込みの形状が楔形状である本発明の粘度測定用スプーンによる測定範囲は、1,000〜15,000mPa・sであり、より好ましくは2,000〜10,000mPa・sである。本発明の粘度測定用スプーンによれば、医療や介護の現場で必要十分な精度で測定することができ、具体的には、2,000、4,000、6,000、8,000、及び10,000mPa・sを区別する精度で粘度を測定することができる。
本発明の粘度測定用スプーンは、適度な強度、衛生性を備えていればよく、プラスチック等の合成樹脂材料、金属材料、または木材等により形成される。
本発明の粘度測定用スプーンの柄の、切り込みが入った掬い部とは反対側に、切り込みが入っていない通常のスプーンの形状の掬い部を設けることにより、切込みを入れた掬い部を用いて食品の粘度を調整し、通常のスプーンの形状の掬い部で該食品を掬って摂取することができるようになる。
また、切り込みが入っていない通常のスプーンの形状の掬い部を有するスプーンを、本発明の粘度測定用スプーンの柄の上部又は下部に同じ向きで重ね、両スプーンの柄に穴を開け、ボルトを通しナットに固定することもできる。さらにまた、本発明の粘度測定用スプーン、及び掬い部に切り込みが入っていない通常のスプーンの柄端部に穴を開け、該穴にリングを通して両スプーンを一体化することもできる。
このことにより、切り込みが入った粘度測定用スプーンで粘度を調整した食品を、該スプーンに柄で固定されている、切込みが入っていない掬い部を有するスプーンにより摂取することが可能となる。なお、無論、これらは一体成型により、容易に調製できる。
実施例
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ50mm、幅35mm、深さ9mm、肉厚1mm、全長160mmの合成樹脂製スプーンに、掬い部の切り込み先端部幅8mm、切り込み最深部幅0.5mm、切り込みの長さ28mmの楔形状の切り込みを入れたスプーン(図1)を使用した。
飲料水に様々な量のとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、本発明の粘度測定用スプーンで、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量を観察した(図1)。さらに、粘度計(ビスコベーシックプラス、FUNGI LAB S.A社製)により各液体の粘度を測定した。
<結果>
図1に示すように、本発明の粘度測定用スプーン上に残った液体の量が多くなればなるほど、粘度計により測定した粘度は高くなることがわかった。
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ50mm、幅35mm、深さ9mm、肉厚1mm、全長160mmの合成樹脂製スプーンに、掬い部の切り込み先端部幅3mm、切り込み最深部幅3mm、切り込みの長さ25mmの切り込みを入れたスプーン(図5)を使用した。該スプーンの掬い部深部における切り込みの先端から約6mm間隔で目盛りを付し、切り込みの掬い部深部側から先端部に向かって目盛り1、2、3とした
飲料水に様々な量のとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、本発明に係る粘度測定用スプーン(図5)で、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量を観察した。さらに、粘度計(ビスコベーシックプラス、FUNGI LAB S.A社製)により各液体の
粘度を測定した。
<結果>
図6のグラフに示すように、本発明の粘度測定用スプーンの目盛りと粘度計により測定した粘度の対数値は、ほぼ比例関係にあることがわかった。
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ50mm、幅35mm、深さ9mm、肉厚1mm、全長160mmの合成樹脂製スプーンに、掬い部の切り込み先端部幅7mm、切り込み最深部幅3mm、切り込みの長さ25mmの楔形状の切り込みを入れたスプーン(図7)を使用した。該スプーンの掬い部深部における切り込みの先端から3.5mm間隔で目盛りを付し、切り込みの掬い部深部側から先端部に向かって目盛り1、2、3、4、5、6、先端部を7とした。
飲料水に様々な量のとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、本発明に係る粘度測定用スプーン(図7)で、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量を観察した。さらに、粘度計(ビスコベーシックプラス、FUNGI LAB S.A社製)により各液体の粘度を測定した。
<結果>
図8に示すように本発明の粘度測定用スプーンの目盛りと粘度計により測定した粘度の対数値は、ほぼ比例関係にあることがわかった。また、とろみ剤を溶かす操作と粘度測定の操作が一連であり、操作が簡便であり、粘度測定後、掬った液体をそのまま口に運ぶことが可能であった。さらに、実施例2で用いた切り込み幅が一定である粘度測定用スプーンと比較して、実施例3で用いた切り込みの形状が楔形状である粘度測定用スプーンは、より広い粘度を計測できることがわかった。
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、実施例3で用いたスプーンと同じものを用いた。
飲料水に様々な濃度(濃度1、2、3、及び4%)となるようにとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、本発明に係る粘度測定用スプーンで、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量をスプーンの切り込み部分に付した目盛りにより測定した。粘度測定用スプーンの目盛り値は測定を3回行い、その平均値を算出した。さらに、物性測定機(クリープメーター、(株)山電製)により各液体の硬さ応力を測定した。
<結果>
図9のグラフに示すように、本発明の粘度測定用スプーンの目盛りとテクスチャー測定での硬さ応力の対数値はほぼ比例関係にあることがわかった。また、図9の表に示すように、どの測定試料においても測定値の再現性は良かった。
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、実施例3で用いたスプーンと同様のものを用いた。但し、掬い部の切り込み先端幅および最深部幅を、(1)切り込み先端部幅6mm、最深部幅3mm、(2)切り込み先端部幅8mm、最深部幅3mm、または(3)切り込み先端部幅6mm、最深部幅1mmとしたスプーンを使用した。また、各スプーンは掬い部深部における切り込みの先端から約5mm間隔で目盛りを付し、切り込みの掬い部深部側から先端部に向かって目盛り1、2、3、4、先端部を5とした。
飲料水に様々な量のとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、上記粘度測定用スプーンで、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量を観察した。さらに、粘度計(ビスコベーシックプラス、FUNGI LAB S.A社製)により各液体の粘度を測定した。
<結果>
図10に示すように、切り込み先端部幅6mm、最深部幅3mmとした場合には、低い粘度から高い粘度まで、粘度の違いを鋭敏に測定できることがわかった(図10、グラフ●)。切り込み先端部幅が8mmだと、かなり粘度が高い(固い)ものも落ちてしまい、結果的に精度が落ちることがわかった(図10、グラフ△)。また、切り込み最深部幅が1mmだと、かなり粘度が低い(柔らかい)ものでも落ちないので、結果的に精度が落ちることがわかった(図10、グラフ×)。したがって、2000〜10000mPa・sを精度良く計測するためには、実施例3の形状のスプーンでは、切り込み先端部幅は6mm、最深部幅は3mmが好ましいことがわかった。
<方法>
本発明の粘度測定用スプーンとして、掬い部の長さ50mm、幅35mm、深さ9mm、肉厚1mm、全長160mmの合成樹脂製スプーンに、掬い部の切り込み先端部幅7mm、切り込み最深部幅3mm、切り込みの長さ25mm、切り込み先端部から約5mmの間隔で階段状の突起部分を設けた形状のスプーン(図4)を使用した。該スプーンの掬い部深部における切り込みの先端から約5mm間隔で目盛りを付し、切り込みの掬い部深部側から先端部に向かって目盛り1、2、3、4、先端部を5とした。
飲料水に様々な量のとろみ剤(ネオハイトロミール、(株)フードケア製)を添加し、本発明に係る粘度測定用スプーン(図4)で、室温にて約1分間攪拌し、そのまま3分間静置した後、該スプーンで液体を掬い、該スプーン上に残った液体の量を観察した。さらに、粘度計(ビスコベーシックプラス、FUNGI LAB S.A社製)により各液体の粘度を測定した。
<結果>
図11のグラフに示すように、本発明の粘度測定用スプーンの目盛りと粘度計により測定した粘度の対数値は、ほぼ比例関係にあることがわかった。
上記に述べたように、本発明の粘度測定用スプーンによれば、極めて簡便に流動性食品の粘度を測定し、調整することが可能となり、簡便性が必要とされる医療や介護の分野において非常に有用な発明である。
粘度測定用スプーンで粘性液体を掬い、該スプーン上に残った粘性液体の量と、粘度計による測定値を示す。(実施例1) 切り込み幅が一定である、本発明の粘度測定用スプーンの模式図を示す。 切り込みの形状が楔形状である、本発明の粘度測定用スプーンの模式図を示す。 切り込みに一定の間隔で階段状の突起部分を持たせたことを特徴とする、本発明の粘度測定用スプーンの模式図を示す。 切り込み幅が一定である、本発明の粘度測定用スプーンの一例を示す。(実施例2) 各種とろみ剤濃度の液体における、粘度測定用スプーンによる目盛りの読みと、粘度計により測定した粘度の相関性を示す。(実施例2) 切り込みの形状が楔形状である、本発明の粘度測定用スプーンの一例を示す。(実施例3、実施例4) 各種とろみ剤濃度の液体における、粘度測定用スプーンによる目盛りの読みと、粘度計により測定した粘度の相関性を示す。(実施例3) 各種とろみ剤濃度の液体における、粘度測定用スプーンによる目盛りの読みと、テクスチャー測定での硬さ応力の相関性を示す。(実施例4) 各種とろみ剤濃度の液体における、粘度測定用スプーンによる目盛りの読みと、粘度計により測定した粘度の相関性を示す。(先6−奥3mm)は切り込み先端部幅6mm、最深部幅3mmを、(先8−奥3mm)は切り込み先端部幅8mm、最深部幅3mmを、(先6−奥1mm)は切り込み先端部幅6mm、最深部幅1mmを示す。(実施例5) 各種とろみ剤濃度の液体における、粘度測定用スプーンによる目盛りの読みと、粘度計により測定した粘度の相関性を示す。(実施例6)
符号の説明
1.粘度測定用スプーン
2.掬い部
3.柄部
4.切り込み
5.目盛り
6.階段状突起部
W1.切り込み先端部幅
W2.切り込み最深部幅
W3.階段状突起部幅
L1.掬い部長さ
L2.切り込み長さ
L3.目盛り間隔長さ
L4.掬い部幅
L5.掬い部深さ
D.最深部



Claims (12)

  1. 掬い部に切り込みを入れたことを特徴とする、粘度測定用スプーン。
  2. 切り込み幅が一定である、請求項1に記載の粘度測定用スプーン。
  3. 掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み幅が2mm以上5mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の粘度測定用スプーン。
  4. 切り込みの形状が、掬い部先端部から掬い部深部に向けて斜めに切り込みを入れた楔形状である、請求項1に記載の粘度測定用スプーン。
  5. 切り込みに一定の間隔で階段状の突起部分を持たせたことを特徴とする、請求項1または4に記載の粘度測定用スプーン。
  6. 掬い部の長さ20mm以上80mm以下、幅10mm以上50mm以下、深さ3mm以上15mm以下、切り込みの長さが10mm〜50mmであって、切り込み先端部の幅が5mm以上10mm以下、切り込み最深部の幅が4mm以下であることを特徴とする、請求項1、4および5のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
  7. 掬い部の長さ40mm以上60mm以下、幅25mm以上40mm以下、深さ5mm以上10mm以下、切り込みの長さが20mm〜30mmであって、切り込み先端部の幅が6mm以上8mm以下、切り込み最深部の幅が3mm以下であることを特徴とする、請求項1、4および5のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
  8. 切り込みに一定の間隔で目盛りを付したことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
  9. 粘度1,000〜15,000mPa・sの液体の粘度を測定することができる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
  10. 掬い部を液状食品の摂取に適した形状にしたことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーン。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーンの柄の反対側に切り込みを入れていないスプーンの掬い部を接合したことを特徴とするスプーン。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粘度測定用スプーンに切り込みを入れていないスプーンを両スプーンの柄部で結合したことを特徴とするスプーン。

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