JP2007002329A - 金属固着体処理方法および複合金属体 - Google Patents
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Abstract
ガラスを接触媒体として用いても金属固着体の合わせ目の隙間にガラスが侵入することを防止することができる処理方法およびその方法で製造される複合金属体を提供する。
【解決手段】
少なくとも 2 種以上の金属製部材を組み合わせて固着処理をして一体化された金属固着体をガラス粉粒体中に埋設し、その後上記ガラス粉粒体を溶融・冷却することにより包摂処理を施す第1工程と、該ガラスの外周から高温、高圧の気体を作用させて上記固着体に熱間等方圧縮処理を施す第2工程とを備えてなる、金属固着体処理方法であって、上記第2工程は、ガラス固化体処理工程と、その後のガラス溶融体処理工程とからなり、上記ガラス固化体処理工程は、500℃以上、上記ガラスの加工点温度以下の温度、10 MPa以上、80 MPa 以下の圧力で熱間等方圧縮処理を施す工程であり、複合金属体はこの方法で製造される。
【選択図】 図1
Description
金属カプセル法は、容器材を気密溶接して形成した容器に部材を組み合わせて挿入する操作と容器の脱気・気密封止処置およびガス漏洩試験からなる。容器の気密性はHIP処理の成否を決めるので、気密溶接と脱気・気密封止処置およびガス漏洩試験は厳密に行ない、ガス透過性の欠陥、連通孔などは溶接で完全に閉塞される。脱気処置は、容器内を通常は真空度、1×10-1KPa(略10-3気圧)以下で吸引・保持する操作によってなされる。容器内への部材の挿入は、組み合わせた形状の確保と部材間および容器との間の密着状態を確保した態様でなされる。費用削減のために部材と容器材は大部分が円柱または方柱形状で設計し機械加工で製作される。合わせ目の隙間−空疎の幅は、機械加工による部材同士を密着させて組み合わせた状態において、通常は略 50μm〜10μm である。
複合金属体一個毎に、密閉容器製作、容器との密着加工、脱気・気密封止、ガス漏洩試験、脱缶加工などを実施することは多大の費用を必要とするが、材料特性の異なる部材を一体化して機能性を高めた複合金属体が上記の費用を許容して製造される。複合化ロ−ルや複合化シリンダ−が実用例である。
しかしながら、セラミックス粉を接触媒体とする方法は、合わせ目の隙間にセラミックス粉が侵入することは防止できるが、圧力が等方的に伝わらず空疎や孔が完全になくならず、処理の信頼性が低く実用性がなかったという問題がある。
しかし、ガラス溶融体を接触媒体とする方法は圧力の等方的伝搬は実現するが、被処理体が部材を組み合わせた合わせ目のある金属体の場合には、合わせ目の隙間にガラスが侵入する問題があるので実施されないことが知られている(例えば、特許文献3参照)。ただし、金属圧粉体のガラス溶融体を接触媒体とするHIP処理において、圧粉体密度が 50%以上であれば、ガラスは被処理体内部に侵入しないことが知られている(特許文献5参照)。
ここで、金属製部材を組み合わせて固着処理をして一体の金属固着体を形成するとは、後述の図2に示す組み合わせ態様で部材を当接して固着処理をし、部材間を固定して形状が維持される状態にすることをいう。また、加工点温度とはガラスの粘性が1×103 Pa・s になる温度をいう。
上記ガラス溶融体処理工程は、上記ガラスが溶融体の状態で 80 MPa をこえる圧力で熱間等方圧縮処理を施す工程であることを特徴とする。
上記金属製部材の1個または全部が開放孔を有する部材であることを特徴とする。
上記開放孔を有する金属製部材は粉末冶金材または鋳物の部材であることを特徴とする。
ガラス溶融体の進入が表層に限られて芯部の孔が消滅して閉塞する理由は、被処理体自体の内部の圧力伝播によると推察される。さらに、ガラスが非溶融体―固化体であって粘性が高い場合には、その侵入は開放孔の孔口部近傍に留まり孔口の直下部と深部は閉塞することもわかった。
加圧下において、ガラス固化体を金属体の開放孔外に留めつつ、孔口部を優先して閉塞させる条件は、ガラスの粘性、孔口径、金属の特性などの関係で決まると推測される。したがってHIP処理前に機械的操作で、開放孔の孔口径を予め小さくしておき、かつ、被処理体が金属固着体の場合には合わせ目の隙間の開口幅を同様に狭くしておけば、被処理体の内部へのガラス溶融体の侵入を防止することができると考え、種々確認試験を繰り返し、本発明を完成するに至った。本発明はこのような知見に基づくものである。
第1工程10の固着処理によって部材同士が固定され、ガラス固化体処理工程に至るまで金属固着体の形状が保持される。同時に、部材間の合わせ目にはガラス固化体の侵入なしに隙間の開口部が閉塞する状態が整う。続いて、金属固着体をガラスで包摂して外周から高温、高圧気体を作用させる状態にする。
第2工程11のHIP処理はガラス固化体処理工程11aと、ガラス溶融体処理工程11bとからなる。ガラス固化体処理工程11aにおいて、金属固着体の合わせ目の外にガラス固化体を留めた状態でHIP処理を施し、合わせ目の隙間の開口5(図3)を処理工程の初期段階で優先的に閉塞する。続いて、ガラス溶融体処理工程11bにおいて、隙間4(図3)の深部の空疎と孔を溶融体のHIP処理により消滅させて隙間全体を完全に閉塞させる。このようにして、合わせ目のある金属固着体のガラスを接触媒体とするHIP処理において、ガラスの侵入なしに合わせ目の隙間を閉塞させて全体を緻密に一体化することができる。圧縮の全過程が等方性であるので金属固着体の不要の変形を抑制することができる。得られた複合金属体はガラスの侵入がないので切削加工、塑性加工および溶接が可能である。
第2工程である熱間等方圧縮処理工程11のガラス固化体処理工程11aは、ガラスの加工点温度以下、好ましくは 500℃以上〜800℃以下で、圧力 10 MPa 以上、好ましくは 80 MPa 以下で処理する工程である。圧力の等方的伝播にはガラス固化体の粘性流動が必要であり、500℃以上で加圧することが好ましい。また、該処理温度は被処理体金属の塑性流動も活発化し開口の閉塞を促進する。
固化体処理温度が加工点温度をこえて実施されると粘性が低くなり過ぎてガラスが隙間に流入しやすくなる。また、圧力が 10 MPa 未満では隙間の開口の閉塞が進行しない。10 MPa 以上で閉塞が進行するが、80 MPa をこえると得られる複合金属体に不要の変形が発生しやすくなる。
固化体処理工程における処理条件は、ガラスの種類、部材の金属の種類、組み合わせ態様などによるが、例えばソーダ石灰ガラスを用いて銅部材を含む金属固着体を処理する場合、ガラス固化体処理温度は 500〜700℃、処理圧力 40〜60 MPa、処理時間は 0.1〜1 時間が好ましい。該処理はHIP処理の全体時間に特段の延長をもたらさない。固化体内での金属固着体の圧縮は等方性であって、合わせ目3の不測の開口、乖離、剥離の発生を防止する。
第2工程のガラス溶融体処理工程11bは、固化体処理工程に続いて、ガラス溶融体の状態で 80 MPa をこえる圧力で処理を施す工程である。該工程により、金属固着体の合わせ目の隙間深部の空疎と孔を完全に消滅させる。溶融体処理工程の処理条件は、例えばソーダ石灰ガラスを用いて銅部材を含む金属固着体を処理する場合、処理温度は 980〜1083℃、処理圧力 100〜180 MPa、処理時間は 1〜10 時間が好ましい。該工程は従来法のHIP処理条件に準じてなされる。
本発明において、少なくとも 2 種以上の部材を組み合わせて固着処理をして一体の金属固着体を形成するとは、図2に示す態様で部材1を組み合わせて、固着処理をして部材間が離間しないように固定する操作をいう。固着処理は必須であって、圧着、圧入、加締め、圧接、溶接、焼き嵌めなどの公知の機械的加圧固着手段で行ない、同時に、その機械的作用で合わせ目の隙間の開口幅を狭くするかまたは閉口させる。合わせ目3とは形成された金属固着体2の部材同士が当接する部位をいう。
図3に示すように、合わせ目の隙間4とは当接した部材間の空疎をいう。図3(a)に示すように隙間の開口5は隙間の外郭をいい、開口幅6はと開口部分の幅をいう。図3(b)に示すように、開放孔7とは部材自体にある表面に達して開口する状態の孔をいい、開放孔の孔口8の孔口径9は開放孔の外郭の径をいう。
本発明に用いる金属製部材は図2の態様で組み合わせる。また、図2(d)に示すように嵌め合いで組み合わせる場合は内部に嵌挿する部材の数を増加できる。また、図2(e)に示すように内部および外部の部材の全長は同一でなくてよい。部材に代えて内部に嵌挿した部材間の空間に粉末をそのまま充填してもよい。
さらに、固着処理に続いて、開口幅と閉口状態を修整するために公知の金属加工的手段で閉口処理を施してもよい。公知の手段とは、コイニング、スエージング、転造、ショット、埋金、鍛金、調金、メッキ、蒸着、溶射、金属粉体塗装などの塑性加工を含む手段である。金属フォイルで包んでもよい。閉口処理においては気密性の付与は不要である。固着処理と閉口処理を同一操作に含めてもよい。閉口処理は部材自体にある同様の開口幅の溝、割れ目、疵、および、同様の孔口径の開放孔の開口幅や孔口径にも有効である。必要に応じて、金属固着体の管理可能な隙間の開口と管理できない微細な開放孔の孔口の種類に応じてこれらの手段を少なくとも一種以上選択し、開口幅や孔口径を可及的に略 10μm 以下にする。閉口処理によって、金属固着体の合わせ目の隙間の閉塞と部材自体にある溝、疵および開放孔の閉塞を一挙同時に一回のHIP処理で行なうことができる。開放孔のある粉末冶金材、表面疵のある鋳物材を部材とする金属固着体の処理に好適である。閉口処理をすれば初期的・優先的閉塞がさらに確実になり固化体処理温度を上昇させることができる。
金属固着体をガラス固化体層に密着させて加圧する処理態様であれば、ガラスカプセル法で障害となる加圧時のワレも発生しない。ガラスカプセル法ではワレを防止するために溶融体状態で加圧を開始する必要がある。続いて、前記の容器をそのままで用いるか、いったん別容器中に移してHIP処理炉に装入し、ガラス固化体処理と溶融体処理とを施す。一個のHIP処理容器に複数個の金属固着体を装入することができる。ガラス浴中に浸漬する操作において、金属固着体が複数個の場合は金属網、コイル、ケージなどを間に介挿してガラス粉粒中に分散させて埋設してもよい。さらに、該処置は固化体処理において金属固着体相互を隔離し、容器内全体で個々の金属固着体に対する加圧の等方性を維持する。
図4は包摂処理の模式図である。図4(a)は、ガラス粉粒体13が溶融して単層化する図である。図4(b)は、ガラス溶融体中の独立した泡が消滅して開口部の空間―付着泡が残る図である。図4(a)に示すように、加熱操作で金属製容器12内のガラス粉粒体13は溶融し、ガラス溶融体は単層化し、固化体で金属固着体を密着して包摂した状態になる。図4(b)に示すように、ガラス溶融体中の独立した泡が消滅し、合わせ目の開口と溶融体表面とが形成する空間の泡−付着泡が最後に残留する。従って、ガラス溶融体中の独立した泡が消滅した段階において、溶融体は金属体表面に密着した状態で開放孔や隙間の外に留まる。独立した泡の消滅は目視で容易に確認できる。続く固化体処理工程でガラス固化体層14を介して金属固着体に圧力が伝播し、固化体は合わせ目の外に留まりつつ開口が閉塞する。
図5(b)に示すように、機械的閉塞処理が十分になされており、減圧下の包摂処理であればガラス溶融体の金属固着体の合わせ目の隙間への侵入を制御することができる。金属固着体合わせ目の隙間の開口部に付着泡が残留し、ガラス浴中の泡は消滅する。この場合、ガラス溶融体が金属固着体に一様に密着して接触する結果、ガラス固化体処理の際の金属固着体の不要な変形や不測の開口を防ぐことができる。さらに、ガラス固化体状態で加圧することにより合わせ目の隙間の開口を初期的・優先的に閉塞し、続く溶融体処理で深部の空疎と孔を閉塞して全体を緻密化する。該処理において、固化体処理後は温度と圧力を同時に上昇させる(いわゆる、同時昇温昇圧条件)ことができる。80Mpa を超える圧力まで昇圧した後昇温させて(いわゆる、昇圧先行条件)、ガラス溶融体によるHIP処理をする場合では、ガラスの浸入はないが変形が多くなる。
複合金属体はHIP処理後に容器からガラスを溶融するか、あるいは割って取り出し、破砕して分別する。付着するガラスはショットなどで取り除く。ソルト処理でもよい。
金属固着体を包摂したガラス層の気密性を補完する場合や、装置機器の汚染対策などの必要がある場合に金属製容器を気密封止してHIP処理を施してもよい。
ガラスの機能調整のために別材質のガラス、酸化物、セラミクッス、無機塩類を混合することが有効である。
包摂処理において、減圧下であれば不活性ガスの雰囲気でガラスを溶融してもよい。
HIP処理後の破砕されたガラスは再利用が可能である。
上記の作用効果は、一回でHIP処理する金属固着体が複数個の場合でも得られるが、少なくとも一個の金属固着体を処理する場合にも有効である。
(1)実施例1として、部材1は銅材(JIS TPC)を、部材2はステンレス材(JIS SUS304L)を旋盤加工でΦ20×L20 の形状とした。これらの部材は浸透探傷試験で全面に反応はなかった。部材が当接する面の表面粗さ−表面性状許容限界値はRz 1.0μm(JIS B0031)である。部材1と部材2を突き合わせて全荷重 5000 kgf で加圧して押さえ、TIG点溶接(溶接棒 市販SUS304L系)を合わせ目で 4 箇所実施してΦ20×L40 の金属固着体を得た。図6に形状を示す。合わせ目の隙間には 0.01 mm の隙間ゲージ(JIS B7524)が入らなかった。(2)該金属固着体 5 個を粒径 250〜1000μm のソーダ石灰ガラス粉粒を収納したΦ100×L200 鋼管製容器(片端にJIS SS400板を当てTIG溶接)中に埋設した。該容器を真空炉中で真空度 1×10-2 KPa、温度 1000℃で 0.5 時間加熱、静置し、冷却した。容器内のガラスは単層化し、金属固着体はガラス固化体層で包摂された。泡の消滅を目視で確認した。該容器をそのままHIP炉に挿入し固化体処理と溶融体処理によるHIP処理した。処理条件は表1による。(3)比較例1として同様の金属固着体 5 個を非固化体処理条件で昇温昇圧して(固化体処理相当工程を請求範囲外の低圧下で、加工点温度を超える温度にまで昇温して)保持し、続いて溶融体処理によるHIP処理を施した。処理条件は表1による。(4)得られた複合金属体をフライス加工で 2 等分縦断して浸透探傷試験でガラスの侵入を調べた。結果を表1に示す。
表1に示すように、非固化体処理条件の比較例1の場合にはガラスが複合金属体の全数で合わせ目の表層に侵入した。
(1)実施例2として、部材1は 35%銅―65%タングステン材を旋盤加工でΦ20×L20 の形状とした。当接面の表面粗さ−表面性状許容限界値はRz 2.0 である。この部材は浸透探傷試験で全面に反応はなかった。部材2として部材1上に銅粉(平均粒度 15μm )を圧力 588 MPa で一軸プレス成形圧着し、Φ20×L40 の金属固着体を得た。合わせ目は密着した。銅部2の開放孔の孔口径は略 10μm 以下であることを光学顕微鏡で確認した。この金属固着体は浸透探傷試験で銅部と合わせ目で全面に反応があった。銅部2の圧粉体密度は 89%であった。図6に形状を示す。(2)該金属固着体 5 個を粒径 250〜1000μm のソーダ石灰ガラスを収納した容器中に埋設し、実施例1と同様に処理した。処理条件は表1による。(3)比較例2として同様の金属固着体 5 個を非固化体処理条件で昇温昇圧して保持し、溶融体処理によるHIP処理を施した。処理条件は表1による。(4)得られた複合金属体をフライス加工で 2 等分縦断して浸透探傷試験でガラスの侵入を調べた。結果を表1に示す。
表1に示すように、非固化体処理条件の比較例2の場合にはガラスが複合金属体の全数で合わせ目の表層に侵入した。銅部の表層にもガラスが複合金属体の全数で侵入した。
(1)実施例3として、部材1はステンレス材(JIS SUS410L)を旋盤加工で外径Φ20.05,+0.03-0、内径 15.01,+0.02-0×L40 の形状とし、部材2は高速度鋼(JIS SKH51)を旋盤加工で外径Φ15.00,+0-0.02×L40 の形状とした。当接面の表面粗さ−表面性状許容限界値はRz 2.0 である。これらの部材は浸透探傷試験で全面に反応はなかった。部材1と部材2を嵌め合わせ、両端部を全荷重 5000 kgf で外径Φ20.00,+0.02-0 にダイス圧入加締め、Φ20×L40 の複合金属体を得た。図6に形状を示す。両端の隙間は目視および拡大鏡で調べて密着して閉口していることを確認した。(2)この金属固着体 5 個を粒径 250〜1000μm の硼珪酸ガラスを収納した容器中に埋設し、前記実施例1と同様に処理した。処理条件は表1による。(3)比較例3として同様に加締めた金属固着体 5 個を非固化体処理条件で昇温昇圧して保持し、続いて溶融体処理によるHIP処理を施した。さらに、比較例4として同様の金属固着体 5 個を加締めなしで、片端1箇所を合わせ目でTIG点付け溶接し固化体処理と溶融体処理によるHIP処理を施した。図6に形状を示す。処理条件は表1による。(4)得られた複合金属体をフライス加工で 2 等分縦断して浸透探傷試験でガラスの侵入を調べた。結果を表1に示す。
表1に示すように、加締めがあって非固化体処理条件の比較例3の場合にはガラスが複合金属体の全数で合わせ目の表層に侵入した。加締めなしの比較例4の場合には固化体処理をしても複合金属体の全数で合わせ目の表層にガラスが侵入した。
(1)実施例4として、部材1は 13%Co超硬材を、部材2は 6%Co超硬材を研磨加工で外径Φ20.00, +0-0.01×L20 の形状とした。当接面の表面性状許容限界値はRz 0.5 である。これらの部材は浸透探傷試験で全面に反応はなかった。部材3として旋盤加工で銅材(JIS TPC)を外径Φ25.05,+0.03-0、内径 20.01,+0.02-0×L5 の形状とした。当接面の表面性状許容限界値はRz 2.5 である。(2)部材1と部材2を突合せ、銅部材3を前記突合せの合わせ目に対して等分に配接して嵌め合わせ、銅部材の全長を全荷重 1000 kgfで外径Φ25.00,+0.02-0 にダイス圧入加締めた。図6に形状を示す。隙間は目視および拡大鏡で調べて密着して閉口していることを確認した。この金属固着体 5 個を粒径 250〜1000μm のソーダ石灰ガラスを収納した容器中に埋設し、前記実施例1と同様に処理した。処理条件は表1による。(3)比較例5として同様に加締めた金属固着体 5 個を非固化体処理条件で昇温昇圧して保持し、続いて溶融体処理によるHIP処理を施した。さらに、同様の金属固着体 5 個を加締めなしで、ステンレス網(SUS304L系、目開き 106μm、線径 71μm )で包んで固縛して固化体処理と溶融体処理によるHIP処理を施した。図6に形状を示す。処理条件は表1による。(4)得られた複合金属体の銅部を研削除去し浸透探傷試験でガラスの侵入を調べた。結果を表1に示す。
表1に示すように、非固化体処理条件の比較例5の場合にはガラスが超硬部と銅部の合わせ目の表層に侵入し、超硬と超硬の合わせ目相当部に浸透探傷試験で反応があった。加締めなしでステンレス網で包んだ比較例6の場合には固化体処理と溶融体処理を含むHIP処理をしても超硬部と銅部の合わせ目にガラスが侵入し、超硬と超硬の合わせ目にもガラスが侵入した。
また、このため、複合金属体の圧密化、複合部材の接合面部の閉塞、鋳物の表面疵の圧着とそれらの内部空孔解消等に適用でき、この方法により合わせ目の全面にわたり隙間の空疎と孔が消滅して一体化した全外周に缶材部がない複合金属体を得ることができ、金属焼結体の圧密化、複合部材の接合面部の閉塞、鋳物の表面疵の圧着とそれらの内部空孔解消等に利用できる。
また、部材として一部がセラミックス、セラミックス−金属基複合材からなる金属固着体にも適用できる。この場合、ガラスと反応性のある部材は金属固着体の内部に配接してHIP処理する。
2 金属固着体
3 合わせ目
4 隙間
5 開口
6 開口幅
7 開放孔
8 孔口
9 孔口径
10 第1工程
11 第2工程
11a固化体処理工程
11b溶融体処理工程
12 金属製容器
13 ガラス粉粒体
14 ガラス固化体
Claims (5)
- 少なくとも 2 種以上の金属製部材を組み合わせて固着処理をして一体化された金属固着体をガラス粉粒体中に埋設し、その後前記ガラス粉粒体を減圧下で溶融して冷却することにより包摂処理を施す第1工程と、該ガラスの外周から高温、高圧の気体を作用させて前記固着体に熱間等方圧縮処理を施す第2工程とを備えてなる、金属固着体処理方法であって、
前記第2工程は、ガラス固化体処理工程と、その後のガラス溶融体処理工程とからなり、前記ガラス固化体処理工程は、500℃以上、前記ガラスの加工点温度以下の温度、10 MPa 以上、80 MPa 以下の圧力で熱間等方圧縮処理を施す工程であることを特徴とする金属固着体処理方法。 - 前記ガラス溶融体処理工程は、前記ガラスが溶融体の状態で 80 MPa をこえる圧力で熱間等方圧縮処理を施す工程であることを特徴とする請求項1記載の金属固着体処理方法。
- 前記金属製部材の1個または全部が開放孔を有する部材であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金属固着体処理方法。
- 前記開放孔を有する金属製部材は、粉末冶金材または鋳物の部材であることを特徴とする請求項3記載の金属固着体処理方法。
- 少なくとも 2 種以上の金属製部材からなる複合金属体であって、
前記金属製部材が、請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の金属固着体処理方法で処理されたことを特徴とする複合金属体。
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