JP4303619B2 - 開放孔を有する金属体の処理方法および金属体 - Google Patents

開放孔を有する金属体の処理方法および金属体 Download PDF

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本発明は表面に達して開口する孔である開放孔を有する金属体の安価、確実なHIP処理方法およびこの処理方法により製造される金属体に関する。
焼結金属体などに対して高温・高圧の気体を作用させて熱間等方圧縮を施す処理(以下、HIP処理という)は、金属体に高温で静圧を作用させて金属体内部の空孔を消滅せしめ、圧密化、空孔欠陥を解消する手段として採用され、高温・高圧の接触媒体として通常使用される気体はArガス、N2 ガスなどである。
金属体内部の空孔が気体に対して流通する開放孔の場合には、金属体を金属製密閉容器に収納し、容器壁を介して金属体に周囲圧力を伝達する態様を取るのが通常である。この際、容器内は吸引−脱気されていること、金属体と容器は密着していることなどが必要条件となる。HIP処理後に密着した容器は機械加工で取り除かれて目的形状の金属体が取出される。HIP処理される金属体1個に対して金属製密閉容器の密着製缶、真空脱気−封止気密溶接、脱缶−機械加工を各々1個毎実施することが極めて大きなコスト負担となる。接合部のある複合体の製造例として、複合圧延ロ−ルの製造があり、金属粉の圧密体の製造例として、粉末ハイスのインゴットの製造がある。
金属体の空孔が内部で独立した閉塞孔だけで、気体が流通しない場合には、金属製密閉容器なしに気体中で裸のままでHIP処理される。超硬の内部欠陥改善、鋳物の内部欠陥改善などの適用例がある。この場合は、製缶、脱気−封止溶接、脱缶などのコストは全く発生しない。但し、この際は、微小な浅い開放孔は無視されて改善されない場合がある。
ガラスを接触媒体とすれば、金属体と密閉容器とを非接触で少なくとも1個を埋設収納して、HIP処理することが可能で、上記コストの観点から極めて有用である。このため、(1)金属体とガラス体を収納した金属製密閉容器を加熱し、ガラスを溶融した後に圧力を作用させる方法(特許文献1、特許文献2)、(2)ガラス粉、またはガラス粒の少なくとも1つと、開放孔がある自由形状の金属圧粉体の複数個とを、金属製密閉容器に埋設収納して加熱、加圧する方法(特許文献3)、(3)金属粉、焼結体をガラス製密閉容器に収納して、ガラスを溶融した後に加圧する方法(特許文献4)等がそれぞれ知られている。
ガラスを接触媒体とする従来のHIP処理の方法における、処理温度、圧力、時間の関係を図4に示す。焼結体などの金属体は密閉容器に埋設収納された後、例えば 1200 ℃の処理温度で、例えば 120 Pa の処理圧力を印加されてHIP処理されていた。
しかしながら、従来の方法は次のような問題があった。
上記(1)および(2)の方法では、金属体内部にガラスが浸透する場合がある。これは開口部に接触した溶融ガラスに圧力が加わると、ガラスが開放孔に浸透して、良好な結果が得られない。上記(3)の方法は、金属体に部分液相を発生させ開放孔の開口部を閉塞させる方法であるが、ガラス粉、粒の融体中で、金属体の液相を発生させて加圧すると、発生した金属融体がガラス相中に漏出し組成が変動する。また、ガラス製密閉容器は圧力で破損しやすく、HIP処理の全過程でのセラミックス粉を接触媒体とする方法(特許文献5)や、接合部開口面のある複合体に、アルミナ粉末を使用してHIP処理した複合体を形成する方法(特許文献6)も提案されているが、セラミックス粉を接触媒体とする場合は、静水圧が金属体内部に十分に伝わらず内部の空孔が完全に消滅しない場合があり、信頼性が低く実用性がなかった。
また、図4に示す従来の方法の場合、ガラスを溶融させて圧力を印加するので、焼結体などの金属体へのガラスの侵入を防止することが困難であり、製品の品質にバラツキが発生するなどの問題があった。
特開昭52−43761号公報 56-960002号公報 特開昭52−87406号公報 特開平5−271702号公報) 特開昭57−116702号公報 特開平9-25525号公報
本発明の目的は、開放孔を有する金属体を1個ごとに金属製密閉缶なしで安価に、確実にHIP処理する方法の提供である。
本発明は、ガラス粉粒体が収納された金属製容器内に、そのガラス粉粒体の粒子径よりも小さな孔口径の開放孔を有する金属体を埋設して、上記金属製容器を封止する第1工程と、上記封止された金属製容器の周囲から温度および圧力を作用させて熱間等方圧縮を施す第2工程とを備えてなる開放孔を有する金属体の処理方法であって、上記第2工程は、固体処理工程と、その後の溶融体処理工程とを含み、該固体処理工程が、上記ガラス粉粒体の加工点温度以下、500 ℃以上の温度で、圧力が 10 MPa 〜80 MPa で熱間等方圧縮する工程であることを特徴とする。
また、上記溶融体処理工程が、上記ガラス粉粒体が溶融した状態で 80 MPa をこえる圧力で熱間等方圧縮する工程であることを特徴とする。
また、第2工程の前工程として、大気圧にてガラス粉粒体を溶融させる工程を有することを特徴とする。
本発明において、加工点温度はガラス粉粒体を構成するガラスの粘度が 1×103 Pa・s になるときの温度をいう。
本発明の金属体は、上記本発明の処理方法によって製造される一部もしくは全部が粉末冶金材、または鋳物からなる金属体であることを特徴とする。
ガラスを接触媒体とするHIP処理において、ガラス粉粒体の加工点温度以下、500 ℃以上の温度で、圧力が 10 MPa 〜80 MPa で熱間等方圧縮する工程を有するので、非溶融状態のガラスで金属体開放孔の開口部を微細な開放孔であっても閉塞処理することができる。そのため、その後の溶融体処理工程において溶融ガラスが金属体の開放孔内に浸透することを確実に防止できる。
また、固体処理工程、すなわち固体状態のガラスによる処理工程と、その後の溶融体処理工程、すなわち溶融状態のガラスによる処理工程とを含むので、多孔質金属体の全体圧密化、鋳物の内部疵の解消、接合面を有する複合体の拡散接合などの処理が可能となる。さらに、固体処理工程およびその後の溶融体処理工程は連続して行なうことができる。そのため、所定の処理サイクルタイムが特段に延長になることはなく、コストの増加は殆んど無視できる。したがって金属体の開放孔の表面開口部を閉塞する処理を、安価に包含して実施することができる。
上記作用効果は、1個の金属製容器内にガラス粉と複数個の金属体をランダムに収納する場合でも得られる。本発明は少なくとも1個の金属焼結体の圧密化、複合部材の接合面部の閉塞と接合、鋳物の表面疵の圧着とそれらの内部空孔解消を一挙同時に1回の処理で行なう安価で、確実なHIP処理方法の提供である。
ガラス粉粒体を収納するための金属製容器としては、熱間等方圧縮を施す第2工程での高温・高圧に耐えうる金属の容器が使用できる。金属材としては、鋼、鉄、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。中でも鋼製容器が比較的容器の厚さを薄くすることができ、HIP処理がしやすいので好ましい。
また、容器の形状としては制約がなく、単純形状でも、あるいは供試試料の金属体形状に適合した複雑形状であってもよい。単純形状としては円筒形、立方形、球形等が挙げられる。
鋼製容器の一例として、市販されている鋼製シ−ムレス耐圧性パイプを溶接施工したものが挙げられる。この鋼製パイプはHIP処理において 1400 ℃まで加熱使用が可能である。形状の制約なしに、複数個の金属体を一個の金属製容器にランダムに埋設収納できるので、HIP処理するための装入量を増加させることができる。また、HIP処理に用いる装置内に一個の容器を装入すればよいので全体の処理コストは低減する。
金属体が埋設されるガラス粉粒体は、埋設された金属体に等方向に圧縮力を印加できるガラス粉、ガラス粒子、ガラス塊であることが好ましい。接触媒体としてガラス粉、ガラス粒、ガラス塊を使用することにより、金属体表面にそって圧力を全面にむらなく印加できる。ガラス粉粒体の最小粒子径は、金属体の開放孔の最大孔径よりも大きな粒子径である。固体処理工程において、その開放孔にガラス粉粒体が浸入しないので好ましい。
ガラス粉粒体の材質としては、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、96%シリカガラス、シリカガラス等使用できる。ただしガラスの材質により加工点温度が変わる。例えば、鉛ガラスおよびソーダ石灰ガラスの場合、約 900 〜 980 ℃、ホウ珪酸ガラスおよびアルミノ珪酸ガラスの場合、約 1200 ℃、96%シリカガラスおよびシリカガラスの場合、 1600 ℃以上となる。本発明で使用されるガラスとしてはソーダ石灰ガラスが低温で作業できるため好ましい。
なお、接触媒体として、ガラス粉粒体と無機塩類との混合物、ガラス粉粒体と機能調整のためのセラミックスとの混合物の使用もできる。
本発明において処理される開放孔を有する金属体は、金属圧粉体、金属焼結体、鋳物等が挙げられる。また、金属圧粉とセラミック粉の混合粉圧粉体が挙げられる。金属焼結体は金属粉末を混合後成形して圧粉体を作り焼結することにより得られる。
本発明の処理方法は、これら金属焼結体の圧密化、複合部材の接合面部の閉塞と接合、鋳物表面疵の圧着とそれらの内部空孔解消を同時に行なうことができる。
また、開放孔を有する金属体は、そのまま本発明のHIP処理を施すことができるが、さらに前処理として、コイニング、ショットブラスト、スェ−ジング、転造、加締め、埋金、彫金、鍛金、溶接、鍍金、溶射、蒸着などの公知の手段で、開放孔を機械的に閉塞させておけば、さらにHIP処理が容易にできる。これら公知の手段は非気密性ではあるが、簡便に前処理可能である。必要に応じて、管理可能な有限個の粗大な開放孔と、管理できない多数の微細な開放孔の夫々の種類に応じて、これらの手段を少なくとも1個選択して実施すればよい。
本発明のHIP処理方法を図1および図2を参照して説明する。図1は、HIP処理方法の全体処理工程図を、図2は固体処理工程の模式図をそれぞれ示す。
第1工程1は、ガラス粉粒体が収納された金属製容器内に、そのガラス粉粒体の粒子径よりも小さな孔口径の開放孔を有する金属体を金属製容器と非接触の状態で埋設して、脱気後、金属体が埋設された金属製容器を封止する工程である。金属体は1個、あるいは複数個をガラス粉粒体中に埋設できる。
この工程の例としては、例えば鋼製シ−ムレス耐圧性パイプの一端を溶接施工し、その中にガラス粉粒体を入れ、さらに金属焼結体をガラス粉粒体中に埋設した後、脱気してパイプの他端を封止する。ガラス粉粒体は金属体の開放孔の孔径より大きな粒径に調整することでガラス粉粒体が開放孔に侵入することを防止できる。ガラス粉粒体の粒度の調整はフルイによって容易に実施できる。封止は、溶接などにより他端を密封、吸引密封、または吸引密封と溶接密閉を同時にすることができる。
第2工程2における固体処理工程2aは、ガラス粉粒体の加工点温度以下、好ましくは 800 ℃以下、 500 ℃以上の温度で、圧力が 10 MPa 〜80 MPa で熱間等方圧縮する工程である。加工点温度以下のガラス粉粒体は、ガラスが溶融することなく固相で流動する状態であり、加工点温度をこえると粘度が低くなりすぎ開放孔にガラスが流入しやすくなる。また、圧力が 10 MPa 未満では多孔質金属体の空孔が殆んど消滅しない。約 80 MPa で通常の金属の空孔消滅が進行する。
図2に示すように、金属製容器8を図示を省略したHIP処理容器内にて矢印に表すように熱間等方圧縮することにより、金属製容器8内のガラス粉粒体7の加圧によって金属焼結体3に温度と圧力が伝播するに従い、表面の開放孔5から内部の空孔4に向かって順次消滅または閉塞する。表面の開放孔5に接触するガラス粉粒体6は、その粒子径が開放孔5よりも大きいため、開放孔5内に浸入しない。
この固体処理工程2aを経ることにより金属焼結体3の少なくとも表面の開放孔5がHIP処理の初期段階で短時間に閉塞する。このため、その後の溶融体処理工程2bにおいて溶融ガラスが開放孔5に浸透しない状態となる。固体処理工程における処理条件はガラス粉粒体7の種類、金属焼結体3の種類、態様によって異なるが、粒子径 250 〜 1000μm のソーダ石灰ガラスをガラス粉粒体7として用いて、35%銅−65%タングステン焼結体(表面開放孔の最小径が 250μm 未満)を処理する場合、固体処理温度は 500 〜 700 ℃、処理圧力は 40 〜 60 Pa 、処理時間は 10〜30 分が好ましい。
固体処理工程は、金属焼結体等が事前処理により開口部を機械的に閉塞している場合には、固体処理温度を比較的高く、ガラス粉粒体の粘度を下げた状態で行なうことができる。
なお、金属体が埋設された金属製容器を使用することなく固体処理工程を行なうことができる。その場合、HIP処理装置内に金属体を埋設して、直接加熱、加圧する。
第2工程における溶融体処理工程2bは、固体処理工程2a後に続いて、ガラス粉粒体を溶融させた状態で 80 MPa をこえる圧力で金属製容器3を熱間等方圧縮する工程である。溶融体処理工程2bにより、溶融した液相状態のガラスによって加圧して金属体3に対し完全なHIP状態を実現して、残存する内部の空孔も最終的に完全に消滅させることができる。
溶融体処理工程2bの処理条件は、例えばソーダ石灰ガラスを用いて、35%銅−65%タングステン焼結体を処理する場合、処理温度 900 ℃をこえて 1083 ℃以下、処理圧力は 100 〜 180 Pa 、処理時間は 1〜10 時間が好ましい。
第2工程における温度、圧力、時間の関係を図3に示す。図3(a)は固体処理工程2aおよび溶融体処理工程2bを経て開放孔を有する金属体をHIP処理する場合であり、図3(b)は、固体処理工程2aおよび溶融体処理工程2bの前に、別設備による真空炉にてガラス粉粒体を溶融させる工程2cを有する場合の例である。
図3(b)に示すように、機械的閉塞処理が十分になされており、開口部の先端径が 10 μm 程度の場合、大気圧にてガラス粉粒体を一旦溶融させても、溶融ガラスが開口部5への浸透を防ぐことができる。この場合、溶融ガラス7’と金属焼結体等とが均一に接触する結果、金属焼結体等の不要な変形を防ぐことができ、また、開口部5とガラス7’から発生する泡7aは溶融ガラス7’から消滅する。
溶融体処理工程2b後の金属製容器は溶切断して、内部のガラス塊を取出し、破砕して、金属体を取出す。金属体の表面に付着したガラスはショットなどにより除去する。この際、離型剤の事前の塗布はガラスの除去に有効である。除去されたガラスは再生利用が可能である。
この金属体はガラスの浸透がないので機械加工、コイニング、転造、鍛造加工などが問題なく付加できる。
実施例1〜実施例4、および、比較例1〜比較例4
(1)市販の銅粉末(平均粒子径 15 μm ) 35 重量部と、市販のタングステン粉末(平均粒子径 5 μm ) 65 重量部とをよく混合し、表1に示す条件でプレス成形して圧粉体をつくり、1200 ℃の水素気流中で焼結し、さらに機械加工でφ 10 mm x 20 mm Lの多孔質円柱状金属体を得た。得られた金属体の空孔率は重量比率であり、プレス圧力によって調整した。結果を表1に示す。金属体は目視および浸透探傷試験で検査した結果、全周、全断面で開放孔が存在するとの反応があった。開放孔の開口径は最大で 10 μm であった。
(2)上記金属体を空孔率毎に 3 個、合計 12 個と、粒子径 250 〜 1000 μm のソ−ダ石灰ガラスをφ 100 mm x 200 mm Lの金属製容器にランダムに収納し吸引脱気後、密閉溶接し、表1に示す条件で固体処理工程およびその後の溶融体処理工程を行なってHIP処理した。用いたソ−ダ石灰ガラスの粘度は 600 ℃で 1 x 109 Pa・s 、1030 ℃で 1 x 103 Pa・s 、加工点温度は 980 ℃であった。
(3)金属製容器を切断して内部のガラス塊を取出し、破砕して、金属体を取出した。このHIP処理した金属体は、目視および浸透探傷試験によりガラスの進入を調べ、不良部分を表面から研削除去し、研削除去した歩留りによって浸透の大小を判断した。結果を表1に示す。
Figure 0004303619
固体処理工程を 9.8 MPa の圧力で処理した比較例1〜4は、処理前の金属体の空孔率が大きいものほど、研削除去歩留りが低い結果となったが、固体処理工程で 49 MPa の圧力で処理した実施例1〜4は、処理前の金属体の空孔率の大小にかかわらず、研削除去歩留りがいずれも 99 %をこえ極めて良好な結果となった。以上のことから、 500 ℃以上のガラス粉粒体で金属体を加圧する固体処理工程を設けることにより、溶融ガラスの金属体中への浸透を確実に防止でき、かつ、全体を圧密化できる。
実施例5および比較例5
(1)実施例1で得られた空孔率 0 %の銅−タングステン金属体(φ 10 mm x 10 mm L)を準備した。
(2)さらに、上記金属体上に実施例1で用いた銅粉を 98 MPa でプレス成形圧着し、900 ℃真空中で焼結、機械加工して、φ 10 mm x 20 mm Lの円柱状金属複合体を得た。この複合体は目視および浸透探傷試験で検査し、銅−タングステン接合面で欠陥反応が認められた。
(3)上記複合体 12 個と粒子径 250 〜 1000 μm のソ−ダ石灰ガラスとを、φ 100mm x 200 mm L金属製容器にランダムに収納し吸引脱気後、密閉溶接し、表2に示す条件でHIP処理した。
(4)HIP処理した複合体の接合面を円周方向に切削加工し、目視および浸透探傷試験によりガラスの浸透を調べた。結果を表2に示す。
Figure 0004303619
固体処理工程を 9.8 MPa の圧力で処理した比較例5は、切削除去歩留りが平均 93 % と低く、ばらつきも 75 〜 84 % と大きい結果となった。固体処理工程で 49 MPa の圧力で処理した実施例5は、切削除去歩留りがいずれも 99 %をこえ極めて良好な結果となった。以上のことから、 500 ℃以上のガラス粉粒体で金属体を加圧する固体処理工程を設けることにより、接合面への溶融ガラスの浸透は確実に防止できることが確認できた。
実施例6および比較例6
(1)本体φ 32mm x 150 mm L、押し湯部φ 20 mm x 20 mm L の材質SUS304の砂型鋳物を製造した。
(2)さらに、押し湯部、本体部を機械加工してφ 30mm x 150 mm L の金属体を得た。目視および浸透探傷試験で検査し、押し湯部に最大幅 0.5 mm 、長さ 5 mm の残存収縮孔を確認した。
(3)上記金属体3個と粒子径 500 〜 1000 μm 径のホウ珪酸ガラス粉粒体をφ 100mm x 200 mm L 金属製容器にランダムに収納し吸引脱気後、密閉溶接し、表3に示す条件でHIP処理した。ホウ珪酸ガラスの粘度は 700 ℃で 1 × 108 Pa・s 、1200 ℃(加工点温度)で 1 × 103 Pa・s である。
(4)HIP処理した金属体の収縮孔部を目視および浸透探傷試験によりガラスの浸透を調べた。結果を表3に示す。
Figure 0004303619
固体処理工程を 9.8 MPa の圧力で処理した比較例5および6は、押し湯部の疵検査で溶融ガラスの浸透及び欠陥反応が認められた。固体処理工程で 49 MPa の圧力で処理した実施例6は、研押し湯部の疵検査で溶融ガラスの浸透および欠陥反応が認められず良好な結果となった。以上のことから、 500 ℃以上のガラス粉粒体で金属体を加圧する固体処理工程を設けることにより、開放孔は圧着解消することが確認できた。
本発明は、固体処理工程と、その後の溶融体処理工程とを含むので、溶融ガラスが金属体の開放孔内に、多数個の微細な開放孔であっても浸透するのを確実に防止することができる。このため、金属焼結体の圧密化、複合部材の接合面部の閉塞、鋳物の表面疵の圧着とそれらの内部空孔解消等に適用できる。
HIP処理方法の全体処理工程図である。 固体処理工程の模式図である。 第2工程における温度、圧力、時間の関係を示す図である。 従来法における温度、圧力、時間の関係を示す図である。
符号の説明
1 第1工程
2 第2工程
2a 固体処理工程
2b 溶融体処理工程
3 金属焼結体
4 内部の空孔
5 表面の開放孔
6 表面の開放孔に接触するガラス粉粒体
7 ガラス粉粒体
8 金属製容器

Claims (3)

  1. ガラス粉粒体が収納された金属製容器内に、前記ガラス粉粒体の粒子径よりも小さな孔口径の開放孔を有する金属体を埋設して、前記金属製容器を封止する第1工程と、
    前記封止された金属製容器の周囲から温度および圧力を作用させて熱間等方圧縮を施す第2工程とを備えてなる開放孔を有する金属体の処理方法であって、
    前記第2工程は、固体処理工程と、その後の溶融体処理工程とを含み、該固体処理工程が、前記ガラス粉粒体の加工点温度以下、500 ℃以上の温度で、圧力が 10 MPa 〜80 MPa で熱間等方圧縮する工程であり、前記溶融体処理工程が、前記ガラス粉粒体が溶融した状態で 80 MPa をこえる圧力で熱間等方圧縮する工程であることを特徴とする開放孔を有する金属体の処理方法。
  2. 前記第2工程の前工程として、前記ガラス粉粒体を溶融させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の開放孔を有する金属体の処理方法。
  3. 一部もしくは全部が粉末冶金材、または鋳物からなる金属体であって、該金属体が請求項1または請求項2記載の処理方法で製造されたことを特徴とする金属体。
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