JP2007001923A - N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質 - Google Patents

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Abstract

【課題】血管傷害部位の平滑筋細胞、心筋細胞や骨格筋芽細胞に存在するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質、その部位へこのタンパク質を介して特異的に薬物を輸送でき簡便に製造できる薬物輸送剤およびカチオン性樹脂遺伝子複合体を提供する。
【解決手段】摘出された細胞に添加されたN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有化合物へその糖鎖基を介して結合している複合タンパク質を、該細胞から抽出後、該糖鎖基を、該複合タンパク質から解離させたものである。薬物輸送剤、カチオン性樹脂遺伝子複合体は、N−アセチルグルコサミン類を有し、それへこの細胞中の該タンパク質が結合するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、傷害を受けた血管平滑筋細胞や心筋細胞等の中に存在するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質、このタンパク質に特異的に結合する薬物輸送剤およびカチオン性樹脂遺伝子複合体に関するものである。
動脈硬化や血栓形成により冠状動脈血管が狭窄している虚血性心疾患の患者に、血管へバルーンやステントを挿入して狭窄部位を押し広げるインターベーション治療が施される。
その際にバルーンやステントが狭窄部分で擦れ血管内皮細胞を剥離させて、傷害を与えてしまう。その結果、血管で炎症を引き起こしたり、その傷害部位の内皮下にある平滑筋細胞や心筋細胞の異常な増殖による内膜肥厚や新たな血栓形成を引き起こして血管を再び狭窄させたりする。そのため、抗炎症や肥厚防止や血栓防止等のための薬物の徐放性製剤が塗布されたコイルを、この部位に挿入して、再狭窄等を防止するという、煩雑で患者の負担の大きな処置を施さなければならない。
このような治療の際に血管傷害部位へ特異的にこれらの薬物を輸送させることができる簡便なシステムが望まれている。薬物輸送システムとして、非特許文献1に、糖鎖導入ドラッグデリバリー材料であるネオ糖タンパク質とリポソームとの複合体が記載され、また非特許文献2に、肝細胞に特異的な遺伝子輸送剤であるポリエチレンイミンとアラビノガラクタンとの複合体が記載されている。しかし、これらは血管傷害部位への特異性がない。
Noboru Yamazaki, Yoshifumi Jigami, Hans-Joachim Gabius, and Shuji Kojima, Trends in Glycoscience and Glycotechnology, Vol.13, No.71, pp.319-329 (May 2001) M.Nogawa, T.Ishihara, T.Akaike, and A.Maruyama, S.T.P.Pharma Sciences,Vol.11, No.1, pp97-102 (2001)
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、血管傷害部位の平滑筋細胞や心筋細胞、骨格筋芽細胞やヘパトーマ細胞に存在するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質、その部位へこのタンパク質を介して特異的に薬物や遺伝子を輸送でき、簡便に製造できる薬物輸送剤およびカチオン性樹脂遺伝子複合体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、摘出された細胞に由来しており、該細胞に添加されたN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有化合物へその糖鎖基を介して結合している複合タンパク質を、該細胞から抽出後、該糖鎖基を、該複合タンパク質から解離させたものであることを特徴とする。
このタンパク質は、血管内皮細胞に存在せず、この内皮細胞が剥離された血管傷害部位の内皮下で増殖している平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋芽細胞(C2C12)、ヘパトーマ細胞(HepG2)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、cos細胞に存在する。
このタンパク質は、あたかも鍵穴に鍵が嵌まるように、N−アセチルグルコサミン糖鎖基を認識して相互作用し、水素結合等により結合する。
請求項2に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、該化合物が、N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有樹脂化合物および/またはN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物であることを特徴とする。
請求項3に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、該化合物が、N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物であり、該化合物へその糖鎖基を介して結合している該複合タンパク質が、該抽出後に添加されたアビジンコーティングビーズのアビジン基と、このアビジン基に結合する該化合物のビオチン基とを介して、該ビーズと一体化していることを特徴とする。
このタンパク質が含まれる細胞は、ラットやヒトのような哺乳類から摘出されたものであることが好ましい。
このタンパク質が含まれる細胞は、N−アセチルグルコサミン糖鎖基を含有する樹脂化合物が含まれた培地で予め培養されていることが好ましい。この樹脂化合物は、糖鎖基を介して前記タンパク質へ相互作用して結合する結果、生成した複合タンパク質を有する細胞のみが培地に粘着する。それ以外の細胞は、洗浄によって培地から除去される。また、細胞の培養によって、細胞中のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質も増加するので、純粋なこのタンパク質を、大量かつ簡便に得ることができるようになる。
これらの細胞は、引き続き、N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物が含まれた培地で培養されていることが好ましい。このビオチン化合物も糖鎖基を介して前記複合タンパク質へ相互作用して結合する。細胞から複合タンパク質を抽出した後に添加されるアビジンコーティングビーズのアビジン基と、この化合物のビオチン基とが結合する結果、複合タンパク質をビーズに固定することができる。ビーズは濾別により取出される。ビーズに固定された複合タンパク質から糖鎖基を解離させると、N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が簡便に得られる。
前記のN−アセチルグルコサミン糖鎖基は、N−アセチルグルコサミン基や、それが2〜6個結合したキトポリオース基が挙げられる。
請求項4に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、非イオン性界面活性剤により該抽出がなされたことを特徴とする。
非イオン性界面活性剤は、例えばTriton X−100(Aldrich社製;登録商標)、NP−40(株式会社同人化学研究所製;商品名)が挙げられる。
請求項5に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、イオン性界面活性剤により該解離させたことを特徴とする。
イオン性界面活性剤は、例えばドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。
請求項6に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、該解離させた後、電気泳動により精製されたことを特徴とする。
単離されたN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質の分子量は、約75kダルトンである。
同じく前記の目的を達成するためになされた請求項7に記載の薬物輸送剤は、コロイド粒子の表面からN−アセチルグルコサミン類が露出され、またはコロイド粒子表面にコーティングされたアビジン類を介してN−アセチルグルコサミン類が結合されており、該N−アセチルグルコサミン類へ請求項1に記載の該細胞中の該N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が結合することを特徴とする。
この薬物輸送剤は、それに含まれるN−アセチルグルコサミン類と、平滑筋細胞等に存在するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質とが、相互作用して水素結合等により結合する結果、これらの細胞に特異的に集積される。しかし、このタンパク質は、例えばラット肝細胞に存在しないので、この薬物輸送剤はこの細胞に集積されない。
請求項8に記載の薬物輸送剤は、該コロイド粒子が、生体分解性樹脂粒子、合成樹脂粒子、またはリポソームであることを特徴とする。
薬物輸送剤は、このコロイド粒子を0.5〜2.0%含有していることが好ましい。
コロイド粒子は、粒子径5〜500nmのいわゆるナノ粒子であることが好ましい。5nm未満であると、生体中で速やかに排泄されてしまい、一方500nmを超えると生体中の異物として排除されてしまう。約200nmであると、特に血管傷害部位の細胞間に生じた間隙や血管内で露出した平滑筋細胞に取り込まれ易い。
生体分解性樹脂粒子は、例えば懸濁させたポリ乳酸粒子が挙げられる。合成樹脂粒子は、平均粒径約200nmのポリスチレンビーズが挙げられる。リポソームは、例えば脂肪やリン脂質でできた直径50〜200nmのものが挙げられる。
請求項9に記載の薬物輸送剤は、該コロイド粒子中に、蛍光剤、造影剤または治療剤が含有されていることを特徴とする。
例えば薬物輸送剤は、投与されると、血液循環により血管傷害部位に到達する。すると薬物輸送剤が有するN−アセチルグルコサミン類と、血管傷害部位に露出した血管平滑筋細胞中のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質とが相互作用して引き寄せあい、この細胞に付着したり侵入したりする。その後、蛍光剤、造影剤または治療剤が薬物輸送剤のコロイド粒子表面から滲出して放出され、細胞に吸収され、蛍光させたり造影させたり薬効を発現したりする。
蛍光剤は、例えば生細胞染色用色素Calcein−AM(株式会社同人化学研究所製;商品名)が挙げられる。造影剤は、例えば核磁気共鳴画像診断用ガドリニウム化合物が挙げられる。治療剤は、例えば血管内皮細胞増殖促進剤、血管平滑筋細胞増殖抑制剤、抗炎症剤、抗癌剤、抗リウマチ剤が挙げられる。
請求項10に記載の薬物輸送剤は、該N−アセチルグルコサミン類が、N−アセチルグルコサミン、キトビオース、キトトリオース、キトテトラオース、キトペンタオース、またはキトヘキサオースであることを特徴とする。
同じく前記の目的を達成するためになされた請求項11に記載のカチオン性樹脂遺伝子複合体は、N−アセチルグルコサミン類が結合したカチオン性樹脂と、プラスミドとが並んで複合体を形成しており、それに請求項1に記載の該細胞中の該N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が結合することを特徴とする。
このカチオン性樹脂遺伝子複合体は、プラスミドのDNA二重螺旋構造が有するアニオン部位に、N−アセチルグルコサミン糖鎖基を有するカチオン性樹脂のカチオン部位が静電的に相互作用し、互いに並んだものである。
この複合体は、N−アセチルグルコサミン類の存在により、細胞中のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質と相互作用し、これらの細胞へ取り込まれ易くなっている。
プラスミドは、例えば傷害を受けた血管内皮の増殖を促進したり、血管平滑筋細胞の増殖を抑制したりする因子のDNAであり、より具体的には市販のLacZ遺伝子であるβ−ガラクトシダーゼプラスミド(クロンテック社製)、血管内皮増殖因子(VEGF)プラスミド、繊維芽細胞増殖因子(FGF)プラスミドが挙げられる。
請求項12に記載のカチオン性樹脂遺伝子複合体は、該カチオン性樹脂がポリエチレンイミンであることを特徴とする。
請求項13に記載のカチオン性樹脂遺伝子複合体は、該N−アセチルグルコサミン類が、N−アセチルグルコサミン、キトビオース、キトトリオース、キトテトラオース、キトペンタオース、またはキトヘキサオースであることを特徴とする。
N−アセチルグルコサミン類は、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBHCN)存在下、還元的アミノ化反応により、ポリエチレンイミンへ結合させたものである。
本発明のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋芽細胞、ヘパトーマ細胞等に特異的に存在する。
本発明の薬物輸送剤や遺伝子複合体は、N−アセチルグルコサミン基を有しているので、このタンパク質を有する細胞へ選択的に集積させることができる。そのため、血管傷害部位、感染症や悪性腫瘍や動脈硬化やリウマチ等の血管病変部位、細胞再生部位へ集中的に薬物を到達させたり遺伝子を導入させたりすることができ、薬効の増強や、副作用の軽減を図ることができる。また薬物輸送剤は徐放性を有するので、薬効を長期間持続させることができる。薬物輸送剤や遺伝子複合体は、生体適合性が高く安全である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1に、本発明を適用するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質を単離、同定した例を示す。
(実施例1)
(1)N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有樹脂化合物として、キトビオースがN−アセチルグルコサミン末端で結合したビニル系樹脂PV−GlcNAc(生化学工業株式会社製;商品名)を用いた。これの100μg/mLを培地96穴プレート(グライナー社製;商品名)にコートし、その上にラット血管平滑筋細胞またはラット胎仔心筋細胞を播種し、4℃で60分間インキュベーションを行なった。この樹脂と、それのキトビオース基を介してN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質とが結合する結果、このタンパク質を有する細胞が、培地に接着した。この培地を生理食塩水またはリン酸緩衝液で洗浄すると、このタンパク質を有しないために培地に接着できなかった細胞が取り除かれた。この培地をテトラゾリウム塩で染色し、イソプロパノールで過剰の色素を溶出させて脱色すると、生細胞が黄色から青色へ着色された。それの吸光度を570nmで測定したところ、図1に示すように極めて高い値を示し、PV−GlcNAcが、血管平滑筋細胞と心筋細胞とのいずれのタンパク質にも結合していると確認できた。
なお、このことは、血管平滑筋細胞へのPV−GlcNAcの接着が、0.1〜1.0MのN−アセチルグルコサミンの添加によって濃度に依存して阻害されたことからも明らかである。また、血管平滑筋細胞へのPV−GlcNAcの接着は、Ca2+の添加によっても阻害されないことからカルシウム非依存性であることが確認された。
(2)N−アセチルグルコサミンとビオチンとをHydrazide存在下反応させた。得られたN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物を直ちに、細胞が接着している前記の培地へ加え、1〜2時間放置した。これにより細胞中で、この化合物のN−アセチルグルコサミン糖鎖基がさらに結合した複合タンパク質が形成された。
非イオン性界面活性剤として4%NP−40を含む細胞溶解液に細胞を溶解することにより、複合タンパク質を、細胞から抽出した。
アビジンコーティングビーズとしてアビジン−アガロース(シグマ社製;Avidin agarose)を添加して攪拌した。そのアビジン基を介し複合タンパク質中のビオチン基に結合することによって複合タンパク質と一体化しているビーズを、濾別して取出した。
一体化したビーズに、イオン性界面活性剤として2%ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬社;Sodium Dodecylsulfate)を添加して攪拌すると、複合タンパク質からN−アセチルグルコサミン糖鎖基が解離し、遊離の粗N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が得られた。
この粗タンパク質の一部について、7.5%ドデシルドデシル硫酸ナトリウム−アクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行い、クマシーブリリアントブルー(CBB)で染色すると、その電気泳動パターン写真を示す図2のように主スポットが認められた。
そのスポットの位置に相当する電気泳動ゲルのバンドを切出し、抽出処理することにより、精製されたN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が単離された。
飛行時間型質量分析法(TOF−MS)により、このタンパク質の分子量を測定したところ、75kダルトン(kD)であった。
次に、N−アセチルグルコサミン糖鎖以外の糖鎖の認識タンパク質について検討した例を比較例1に示す。
(比較例1)
実施例1のPV−GlcNAcに代えて、ラクトースがガラクトース末端で結合したビニル系樹脂PV−LA、マンノビオースがマンノース末端で結合したビニル系樹脂PV−Man、カルボキシル化ラクトースが結合したビニル系樹脂PV−LACOOH、グルコースが結合したビニル系樹脂PV−G、マルトースがグルコース末端で結合したビニル系樹脂PV−MA、ラミナリビオースがグルコース末端で結合したビニル系樹脂PV−Lam、メリビオースがガラクトース末端で結合したビニル系樹脂PV−MEA、セロビオースがグルコース末端で結合したビニル系樹脂PV−CA、開環グルコースが結合したビニル系樹脂PV−GA(いずれも生化学工業株式会社製;商品名)を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、吸光度を測定したところ、図1に示すように、いずれも極めて低い値を示し細胞中のタンパク質に結合していないことが確認された。
実施例2に、本発明を適用するN−アセチルグルコサミン類を有するポリ乳酸コロイド粒子である薬物輸送剤の調製例を示す。また比較例2に、本発明を適用外のガラクトースを有するポリ乳酸コロイド粒子である薬物輸送剤の例を示す。
(実施例2)
ポリ乳酸10mgと、PV−GlcNAcの2mgと、蛍光剤Calcein−AMの0.25mgとを水中で懸濁し、表面からN−アセチルグルコサミン類が露出しCalcein−AMが含有されているポリ乳酸コロイド粒子を含むコロイドを調製した。これを、ラット心筋株化細胞(H9C2a)およびラット心筋細胞に夫々添加してから培養した後、蛍光顕微鏡で観察したところ、何れの細胞にも蛍光発光が認められ、細胞に薬物輸送剤が到達していると確認された。
(比較例2)
比較のため、実施例2のPV−GlcNAcに代えてPV−LAを用いたこと以外は実施例2と同様にしてラクトースでコートされた薬物輸送剤を調製した。しかし、蛍光顕微鏡で観察してもラット心筋株化細胞およびラット心筋細胞のいずれにも蛍光発光が認められず、細胞に薬物輸送剤が到達していないと確認された。
実施例3および4に、本発明を適用するN−アセチルグルコサミン類を有するポリスチレンビーズの薬物輸送剤の例を示す。また、比較例3に本発明を適用外のラクトースを有するポリスチレンビーズの薬物輸送剤の例を示す。
(実施例3)
キトビオースとビオチンとをHydrazide存在下、反応させてキトビオース−ビオチン結合体を合成した。これと、アビジンがコーティングされ蛍光剤のフルオロセイン イソチオシアネート(FITC)が含有された直径200nmのポリスチレンビーズFluoSphheres Neutrr Avidin labeled microspheres(Molecular Probes社製;商品名)とを攪拌して、キトビオース−ビオチン結合体のビオチン基にビーズのアビジン基が結合してできた薬物輸送剤のコロイドを調製した。このコロイド20μLにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)0.2mLを加え懸濁液を得た。
マウスの右大腿動脈にワイヤーを挿入して機械的に血管内膜に傷害を与えることにより、内皮細胞が剥れて平滑筋細胞が血管内腔に露出している血管傷害モデルを作製した。このモデルは、傷害を受けたままマウスを飼育すると、平滑筋細胞が異常増殖し、血管が再狭窄するというものである。
傷害を与えた直後に、この懸濁液を、尾静注により投与した。投与後、24時間経過してからその血管を摘出し、蛍光顕微鏡で観察したところ、傷害部位の血管平滑筋細胞に蛍光発光が認められ、この細胞に薬物輸送剤が到達していると確認された。
なお、ワイヤーにより傷害を受けていないマウスを対照として用い、同様に観察したが、血管内の細胞に蛍光発光が認められず、細胞へ薬物輸送剤が到達していないと確認された。
(実施例4)
キトビオースに代えてキトヘキサノースを用いたこと以外は、実施例3と同様にして薬物輸送剤のコロイドを調製し、マウスに投与したところ、実施例3と同様に血管の平滑筋細胞に蛍光発光が認められ、この細胞に薬物輸送剤が到達していると確認された。
(比較例3)
比較のため、実施例3のようなN−アセチルグルコサミンの二糖であるキトビオースに代えて、ガラクトースとグルコースとの二糖であるラクトースを用いたこと以外は、実施例3と同様にして薬物輸送剤を調製し、マウスに投与したところ、血管の平滑筋細胞に蛍光発光が認められず、細胞に薬物輸送剤が到達していないと確認された。
実施例5に、本発明を適用する別なN−アセチルグルコサミン類である五糖のキトペンタオースを有するポリスチレンビーズの薬物輸送剤の例を示す。また、比較例4に本発明を適用外の五糖のマルトペンタオースを有するポリスチレンビーズの薬物輸送剤の例を示す。
(実施例5)
実施例3のキトビオースに代えてキトペンタオースを用いたこと以外は、実施例3と同様にして薬物輸送剤のコロイドの懸濁液を調製した。マウスの心臓の冠動脈にバルーンカテーテルを挿入し、冠動脈をバルーンカテーテルごと結紮し、30分間の虚血後、結紮を解き、再灌流を行ない、バルーンカテーテルで血管を押し広げる心筋梗塞モデルとして、虚血再灌流モデルを作製した。虚血再灌流直後に、この懸濁液を尾静注により投与した。投与後、24時間経過してからその血管を摘出し、蛍光顕微鏡で観察したところ、傷害部位の血管平滑筋細胞に蛍光発光が認められ、この細胞に薬物輸送剤が到達していると確認された。
(比較例4)
比較のため、実施例5のようなN−アセチルグルコサミンの五糖であるキトペンタオースに代えて、同じく五糖であるがN−アセチルグルコサミン糖鎖を有しないマルトペンタオースを用いたこと以外は、実施例5と同様にして薬物輸送剤を調製し、マウスに投与したところ、血管の平滑筋細胞に蛍光発光が認められず、細胞に薬物輸送剤が到達していないと確認された。
実施例6に、本発明を適用するカチオン性樹脂遺伝子複合体の例を示す。
(実施例6)
ポリエチレンイミン(PEI)(シグマ社;polyethrenimine)と、キトビオースとを、非特許文献2に記載の方法に準じ、NaBHCN存在下、還元的アミノ化反応をさせて、キトビオース結合ポリエチレンイミン(PEI−GlcNAc-GlcNAc)を合成した。
トランスファクションさせる前に、予めラット心筋細胞またはラット心筋株化細胞(H9C2)を培地に播種した。
LacZ遺伝子であるβ−ガラクトシダーゼプラスミドの1μgと、カチオン性キャリアであるキトビオース結合ポリエチレンイミンとのモル比1:2の混合物を、pH7.4の10mMのN-[2-Hydroxyethyl]piperazine-N'-[2-ethanesulfonic acid](Hepes)と5%グルコースとの10 mM Hepes buffer, 5% glucose(HBG)液の10μLに加えた。混合物を、最終濃度10%のウシ胎児血清(FBS)含有培養液で100μLに希釈してから、細胞に添加した。1時間インキュベートした後、新たな10%FBS含有培養液に替え、さらに3日間インキュベートし、細胞へカチオン性樹脂遺伝子複合体を導入した。これにXgal染色を施し、Chlorophenol red-β-galactopyranoside (CPRG)を基質とするβ−ガラクトシダーゼアッセイによりβ−ガラクトシダーゼ発現量を測定した。その結果を図3に示す。なお、図3の縦軸のβ−ガラクトシダーゼ発現量は、吸光度で示されている。
(比較例5)
比較のため、実施例6のキトビオース結合ポリエチレンイミンに代えて、その原料であるポリエチレンイミンを用いたこと以外は、実施例5と同様にして、細胞へカチオン性樹脂遺伝子複合体を導入し、β−ガラクトシダーゼ発現量を測定した。その結果を図3に示す。
図3から明らかな通り、実施例6のキトビオース基を有するカチオン性樹脂遺伝子複合体が導入された細胞は、キトビオース基を有しないカチオン性樹脂遺伝子複合体が導入された細胞よりも、β−ガラクトシダーゼ発現量が約2倍も多くなっていた。N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質と相互作用して引き寄せられた結果、細胞中に多量に取り込まれたからであると推察される。
本発明のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質は、平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋芽細胞、ヘパトーマ細胞に特異的に存在するので、これらの細胞への選択的な薬物輸送の薬剤の探索やメカニズムの解明に有用である。
本発明の薬物輸送剤は任意の形態での投与が可能な医薬品として、また遺伝子複合体はトランスフェクション試薬として、虚血性心疾患治療に対するインターベーション治療後の血管傷害部位、心筋梗塞部位、感染症等の血管病変部位、細胞再生部位の細胞近傍へ集中的かつ安全に、薬物を輸送したり遺伝子を導入したりするために用いられる。
本発明を適用するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質と、各種糖鎖含有ビニル系樹脂との結合の有無を示すグラフである。
本発明を適用するN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質の電気泳動パターン写真である。
本発明を適用するN−アセチルグルコサミン類が結合したカチオン性樹脂遺伝子複合体が導入された細胞と、N−アセチルグルコサミン類が結合していないカチオン性樹脂遺伝子複合体が導入された細胞とのβ−ガラクトシダーゼ発現量を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 摘出された細胞に添加されたN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有化合物へその糖鎖基を介して結合している複合タンパク質を、該細胞から抽出後、該糖鎖基を、該複合タンパク質から解離させたものであることを特徴とするN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  2. 該化合物が、N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有樹脂化合物および/またはN−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  3. 該化合物が、N−アセチルグルコサミン糖鎖基含有ビオチン化合物であり、該化合物へその糖鎖基を介して結合している該複合タンパク質は、該抽出後に添加されたアビジンコーティングビーズのアビジン基と、このアビジン基に結合する該化合物のビオチン基とを介して、該ビーズと一体化していることを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  4. 非イオン性界面活性剤により該抽出がなされたことを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  5. イオン性界面活性剤により該解離させたことを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  6. 該解離させた後、電気泳動により精製されたことを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質。
  7. コロイド粒子の表面からN−アセチルグルコサミン類が露出され、またはコロイド粒子表面にコーティングされたアビジン類を介してN−アセチルグルコサミン類が結合されており、該N−アセチルグルコサミン類へ請求項1に記載の該細胞中の該N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が結合することを特徴とする薬物輸送剤。
  8. 該コロイド粒子が、生体分解性樹脂粒子、合成樹脂粒子、またはリポソームであることを特徴とする請求項7に記載の薬物輸送剤。
  9. 該コロイド粒子中に、蛍光剤、造影剤または治療剤が含有されていることを特徴とする請求項7に記載の薬物輸送剤。
  10. 該N−アセチルグルコサミン類が、N−アセチルグルコサミン、キトビオース、キトトリオース、キトテトラオース、キトペンタオース、またはキトヘキサオースであることを特徴とする請求項7に記載の薬物輸送剤。
  11. N−アセチルグルコサミン類が結合したカチオン性樹脂と、プラスミドとが並んで複合体を形成しており、それに請求項1に記載の該細胞中の該N−アセチルグルコサミン糖鎖認識タンパク質が結合することを特徴とするカチオン性樹脂遺伝子複合体。
  12. 該カチオン性樹脂がポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項11に記載のカチオン性樹脂遺伝子複合体。
  13. 該N−アセチルグルコサミン類が、N−アセチルグルコサミン、キトビオース、キトトリオース、キトテトラオース、キトペンタオース、またはキトヘキサオースであることを特徴とする請求項11に記載のカチオン性樹脂遺伝子複合体。
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