JP2007001449A - Steering device for vehicle and steering control method for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車の強オーバステアの防止、並びに強オーバステアに近い領域での操縦性向上を図る操舵力制御に関する。 The present invention relates to a steering force control for preventing strong oversteer of an automobile and improving maneuverability in a region close to strong oversteer.
この種の技術としては、滑り易い路面等で車両挙動が不安定となることを抑制し得るように制御を行う電動パワーステアリング装置が開示されている。後輪に発生している横方向グリップ力が限界に近づくにつれて、電動モータによりドライバの操舵をアシストする力(以下、アシスト力と称す)を減少させる。すなわち、後輪がグリップ力を失い所謂スピン(強オーバステア)しそうな状況になると、ステアリングホイールが重くなり、車両旋回方向と反対側への操舵(カウンタステア)が促され、結果として、前輪横方向グリップ力が減少することにより、車両のスピンを防止できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら上記従来技術では、アシスト力を低減させることにより車両旋回方向と反対側への操舵方向(カウンタステア方向)に操舵を促すものの、どの程度の操舵角でハンドルを止めるべきかをこの制御はドライバに教えていない。カウンタステア方向の操舵角が大きすぎると旋回外側へ軌跡が不必要に膨らむ、または逆方向に旋回が始まる可能性がある。すなわち、カウンタステア方向の操舵角は車両の挙動に応じて変化させなければならない。これをドライバは車両のヨー運動等の視覚情報に基づいて行っているが、車両運動の変化を視覚情報で判定するのには遅れが存在する。そのため、カウンタステア操作は難しいものとなる。 However, in the above prior art, although the steering force is urged in the steering direction (counter steer direction) opposite to the vehicle turning direction by reducing the assist force, this control is used to determine the steering angle at which the steering wheel should be stopped. I don't tell you. If the steering angle in the counter steer direction is too large, the trajectory may unnecessarily bulge out of the turn or the turn may start in the reverse direction. That is, the steering angle in the counter steer direction must be changed according to the behavior of the vehicle. The driver does this based on visual information such as yaw movement of the vehicle, but there is a delay in determining changes in vehicle movement with visual information. Therefore, the counter steer operation becomes difficult.
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ドライバが車両運動の変化を視覚情報で判定することなく、適切なカウンタ操舵角をドライバに教示するアシスト制御を提供することである。 The present invention has been made paying attention to the above-mentioned problem, and the object of the present invention is to perform assist control in which the driver teaches the appropriate counter steering angle to the driver without determining the change in the vehicle motion by visual information. Is to provide.
上記目的を達成するため、本発明では、操舵トルクを転舵輪側へ伝達する伝達要素内に、操舵状況と独立して操舵を妨げる方向の力を発生させる抵抗要素と、車両のステア状態を検知するステア状態検知手段と、操舵方向が車両の旋回方向と逆側のカウンタステア方向に操舵されているか判定するカウンタステア判定手段と、ステア状態検知手段が車両の所定の条件によるオーバステア傾向を示す強オーバステアを検知し、且つ操舵方向がカウンタステア方向と判定された場合には、抵抗要素が発生させる力を低減またはゼロに補正する補正手段と、を備えた。 In order to achieve the above object, in the present invention, a transmission element that transmits steering torque to the steered wheel side detects a resistance element that generates a force in a direction that hinders steering independently of the steering situation, and detects a steering state of the vehicle. Steer state detecting means, counter steer determining means for determining whether the steering direction is steered in the counter steer direction opposite to the turning direction of the vehicle, and the steer state detecting means are strong indicating an oversteer tendency due to a predetermined condition of the vehicle. Correction means for reducing or correcting to zero the force generated by the resistance element when oversteer is detected and the steering direction is determined to be the countersteer direction.
本発明の車両用操舵装置にあっては、抵抗要素が発生させる力を低減またはゼロに補正し、ドライバが車両運動の変化を視覚情報ではなく反力情報で判定できる。よって、適切なカウンタ操舵角をドライバに教示することができる。 In the vehicle steering apparatus of the present invention, the force generated by the resistance element is reduced or corrected to zero, and the driver can determine the change in the vehicle motion based on the reaction force information instead of the visual information. Therefore, an appropriate counter steering angle can be taught to the driver.
以下、本発明の車両用操舵装置を実現する最良の形態を、実施例1乃至実施例3に基づいて説明する。 Hereinafter, the best mode for realizing the vehicle steering system of the present invention will be described based on the first to third embodiments.
まず、構成を説明する。 First, the configuration will be described.
図1は車両用操舵装置を搭載した車両の全体システム図である。車両用操舵装置を搭載車両は、ハンドル1側からコラムシャフト5に入力される操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)2と、操舵トルクセンサ2よりも転舵輪10側のコラムシャフト5の回転角(以降、操舵角と称す)を検出する操舵角センサ(操舵角検出手段)3と、ドライバの操舵にアシストする力を発生させるアシストモータ(アクチュエータ)6と、車両操舵状況及び車両挙動に応じてアシストモータ6を制御するアシストコントローラ(操舵角制御手段)8とから構成されている。
FIG. 1 is an overall system diagram of a vehicle equipped with a vehicle steering device. A vehicle equipped with a vehicle steering device includes a steering torque sensor (steering torque detecting means) 2 for detecting a steering torque input to the
操舵トルクセンサ2は、ハンドル1とコラムシャフト5との間に設けられたトーションバーの捩れ量から、ハンドル1からコラムシャフト5へ入力される操舵トルクを検出する。なお、トーションバーが存在するため、ハンドル1とコラムシャフト5とはトーションバーの捩れの範囲で相対回転が可能となるので、ハンドル1の回転角と、コラムシャフト5の操舵角とは異なる値となる。そのため、操舵トルクセンサ2が検出したトルクと、ドライバがハンドル1に入力するトルクとは値が異なる。以下では、操舵トルクセンサ2が検出したトルクを操舵トルクと称し、ドライバがハンドル1に入力するトルクをドライバ入力トルクと称する。
The
アシストモータ6は、例えば、DCブラシレスモータが用いられ、モータ出力軸が減速器7を介してコラムシャフト5に連結され、コラムシャフト5に対し、ドライバの操舵力を補助するアシスト力を出力する。
For example, a DC brushless motor is used as the
ラック4は、コラムシャフト5の回転をラック&ピニオンにより車両左右方向の動きに変換し、転舵輪10を転舵させる。ラック軸力センサ9は、ラック4にかかる軸力を検出し、ラック軸力検出値をアシストコントローラ8へ出力する。
The
アシストコントローラ8は、操舵トルクセンサ2からの操舵トルク情報と、操舵角センサ3からの操舵角情報と、ラック軸力センサ9からのラック軸力情報とに基づいて、アシストモータ6のモータ指令値を制御する。
The
図2は、アシストコントローラ8の制御ブロック図である。アシストコントローラ8は車両の旋回方向と逆方向の操舵、所謂カウンタステアを検出し、フリクションフラグ出力するカウンタ制御部80と、アシストモータ6への指令信号を生成する操舵角サーボ部81と、コラムシャフト5の目標回転角である仮想ステアリング操舵角を算出する仮想ステアリングモデル部82と、ドライバ入力トルクを算出するトルク生成部(ドライバ入力トルク推定手段)83とから構成される。
FIG. 2 is a control block diagram of the
カウンタ制御部80は、車両の横滑り角速度、ドライバ入力トルク及びラック軸力等を入力して、車両が強オーバステア状態にあるか、カウンタステアであるかを判定して、後述する仮想ステアリングモデル82に入力するフリクションフラグを生成する。ここで、強オーバステアとは、車両旋回時に後輪のグリップ力が低下して旋回方向内側へ回転する方向のモーメントの増加するので、所謂スピンが生じる状態を示す。また、車両の横滑り加速度は、例えば前後G、横Gやヨーレイト等から演算よって求められるが、その演算方法については特許第3303500号広報等に記載の公知のものを用いれば良く説明を省略する。
The
操舵角サーボ部81では、制御工学の一般理論に基づき、仮想ステアリングモデル部82の出力である目標操舵角に操舵角センサ検出値が追従するようにアシストモータ6のモータ指令値が演算される。演算されたモータ指令値は、図外の電流ドライバへと出力され、電流ドライバを介してアシストモータ6に電流が供給される。
The steering
仮想ステアリングモデル部82には、ドライバ入力トルクと、ラック軸力の和を入力して、操舵角サーボ部81に出力する仮想ステアリング操舵角を演算する。図3にその一例を示す。ここでは、モデルの動特性を連続系で表しているため、積分器82a、82bは1/s(s:ラプラス演算子)で表される。また、理解を容易にするために、トルクや操舵角はすべてコラムシャフト周りに換算したものとする。乗算器82cは、入力に対し所望のステアリング慣性の逆数1/Ihを乗算した値を出力する。乗算器82dは、入力に対しChを乗算し所望のステアリング粘性を設定する。静/動フリクション信号生成部(フリクション生成手段)82eは、コラムシャフト5やラック軸4に発生する実際の静/動フリクションを模して再現するブロックである。静/動フリクション補正部82fは、カウンタ制御部80で生成したフリクションフラグが"1"のときに静/動フリクションを低減若しくはゼロにする補正を行う。スタック再現部82gは、静フリクションによりハンドル1が停止したことを再現するブロックであり、仮想モデル中の操舵角速度をゼロにセットする役割がある。
The virtual
以上の構成により、ドライバは操舵時の反力およびハンドル角の振る舞いを通して仮想ステアリングモデルの動きを味わうことができる。仮想ステアリングモデルに所望のステアリング特性を記述しておくことにより、望ましい操舵感を味わうことができる。 With the above configuration, the driver can enjoy the movement of the virtual steering model through the reaction force and the steering angle behavior during steering. By describing desired steering characteristics in the virtual steering model, a desired steering feeling can be experienced.
トルク生成部83は、仮想ステアリングモデルに入力するドライバ入力トルクを演算する。図4にその一例を示す。
The
乗算器83aは、操舵トルクtrqに操舵トルクセンサ2のねじり剛性の逆数1/Ktを乗算した値を、ねじり角trq/Ktとし、加算器83bへ出力する。
The
加算器83bは、操舵角θmと乗算器83aからのねじり角trq/Ktを加算した値をハンドル角θhとし、乗算器83cへ出力する。乗算器83cは、加算器83bからのハンドル角θhに2階微分を近似した伝達関数s2/(s2+2ζωns+ωn 2)を乗算した値をハンドル角加速度θh"とし、乗算器83dへ出力する。乗算器83dは、乗算器83cからのハンドル角加速度θh"にハンドル1のイナーシャの逆数1/Ih0を乗算した値を加算器83eへ出力する。加算器83eは、操舵トルクtrqと、乗算器83dの出力θh"×1/Ih0とを加算した値をドライバ入力トルクtrqgとし、仮想ステアリングモデル部82へ出力する。
The
次に、作用を説明する。 Next, the operation will be described.
図5は、車両が強オーバステア状態になった場合に、カウンタステアを行ったとき、及び行わなかったときの車両挙動の例を示す図である。図5(a)に示すように、実線で示す位置で車両100の後輪のグリップ力が低下し、車両が強オーバステア状態になった場合にカウンタステアを行わなかったときには、後輪に旋回方向外側に発生する横力が増加する。そのため、車両100を旋回方向内側に回転させるモーメントが増加し、点線や一点鎖線で示すように、車両100は旋回方向内側に回転してしまう。一方、図5(b)に示すように、実線で示す位置で車両100の後輪のグリップ力が低下し、車両がオーバステア状態になった場合にカウンタステアを行ったときには、後輪に旋回方向外側に発生する横力とほぼ同じ大きさの横力を前輪にも発生させることができる。このとき、図5(b)で点線及び一点鎖線に示すように、旋回軌跡は旋回方向外側に膨らんでしまうものの、車両100の旋回方向内側への回転を防ぐことができる。
FIG. 5 is a diagram illustrating an example of vehicle behavior when the counter steer is performed and when the vehicle is in a strong oversteer state. As shown in FIG. 5 (a), when the grip force of the rear wheel of the
車両が強オーバステア状態になったときには、従来の車両用操舵装置では、アシスト力を低減させることによりカウンタステアを促すものがある。しかし、従来の車両用操舵装置では、どの程度の操舵角でハンドルを止めるべきかをドライバに教えていない。カウンタステアを行うときの操舵角は大きすぎると逆方向に旋回が始まる可能性がある。また、そうでなくても旋回外側へ軌跡が不必要に膨らむことになる。また、小さすぎると車両の旋回方向内側への回転を防ぐことができない。すなわち、カウンタステアを行うときの操舵角は車両の挙動に応じて変化させなければならない。これをドライバは車両のヨー運動等の視覚情報に基づいておこなっているが、車両運動の変化を視覚情報で判定するのに遅れが存在する。そのため、カウンタステア操作は難しいものとなる。 When the vehicle is in a strong oversteer state, some conventional vehicle steering devices promote countersteering by reducing the assist force. However, in the conventional vehicle steering apparatus, the driver is not instructed at what steering angle the steering wheel should be stopped. If the steering angle during counter steering is too large, turning may start in the opposite direction. Even if this is not the case, the trajectory will unnecessarily bulge outward. On the other hand, if it is too small, the vehicle cannot be prevented from turning inward in the turning direction. That is, the steering angle when performing the counter steer must be changed according to the behavior of the vehicle. The driver does this based on visual information such as the yaw motion of the vehicle, but there is a delay in determining changes in the vehicle motion with the visual information. Therefore, the counter steer operation becomes difficult.
この問題を解決するために、車両運動の変化を反力で判定できるようにアシスト制御を行うことが考えられる。すなわち、カウンタステアにより車両が安定状態に移行した、もしくは移行する直前であることをドライバが反力で判断できれば、ドライバは安心してカウンタステアにより発生した操舵速度を略ゼロにし、定常保舵状態に移行することが可能となる。 In order to solve this problem, it is conceivable to perform assist control so that a change in vehicle motion can be determined by a reaction force. In other words, if the driver can judge from the reaction force that the vehicle has shifted to the stable state due to the counter-steer or is about to shift, the driver can safely set the steering speed generated by the counter-steer to substantially zero and enter the steady steering state. It is possible to migrate.
反力は視覚情報よりも正確にかつ迅速にドライバは検知できるため、ドライバはより速やかに適度な操舵角(以下、カウンタステア操舵角)を推察することが可能となり、車両操縦性が向上することが期待できる。 The reaction force can be detected more accurately and quickly than the visual information by the driver, so that the driver can infer an appropriate steering angle (hereinafter referred to as counter-steer steering angle) more quickly and the vehicle maneuverability is improved. Can be expected.
しかしながら、この手法実現には解決を必要とする以下の条件が存在する。 However, in order to realize this method, there are the following conditions that need to be solved.
条件1:ドライバの操舵のハンチングを誘起しないこと
図6に示すようにドライバがステアリングを操舵している状況は、ドライバ101を、アシストコントローラ102及び車両を含む操舵系を制御対象と見なすことができる。車両を含む操舵系の特性がドライバの理解できない形で変化すると、ドライバはその変化に対応できず、操舵のハンチングを誘起することも起こりえる。
Condition 1: The driver's steering hunting is not induced In the situation where the driver is steering as shown in FIG. 6, the
条件2:ドライバの操舵介入を許容すること
操舵角を強制的にカウンタステア操舵角に一致させる舵角サーボ制御は、例えば、障害物を回避する操舵を阻害しかねない。よって、レーンキープ制御で用いられる舵角サーボを単純に適用することはできない。
Condition 2: Permitting the driver's steering intervention The steering angle servo control for forcibly matching the steering angle with the countersteer steering angle may hinder steering for avoiding obstacles, for example. Therefore, the steering angle servo used in the lane keep control cannot be simply applied.
従来の車両用操舵装置を改良して、カウンタステア操舵角になった瞬間に段差状にアシスト力を大きくするとする。たしかに段差状にアシスト力が変化すれば、この時の反力変化から適切なカウンタ操舵角を推察することが可能になる(連続的にアシスト力を大きくした場合、当然ながら変化がなく、カウンタステア操舵角を推察することはできない)。これは操舵角を強制的に目標操舵角(カウンタステア操舵角)に一致させるものではないため、条件2は満たされている。しかしながら、アシスト力が大きくなる、つまり操舵が軽くなることは、カウンタステアを当て過ぎることを引き起こしかねない。また、アシスト力はドライバの操舵力に基づいて決まるものであるから、反力変化が一定ではない。このため、ドライバはこの反力変化の理由を理解できず、操舵のハンチングを誘起することも起こり得る。すなわち、条件1が満たされていない。
The conventional vehicle steering system is improved, and the assist force is increased stepwise at the moment when the countersteer steering angle is reached. Certainly, if the assist force changes stepwise, it is possible to infer an appropriate counter steering angle from the reaction force change at this time. The steering angle cannot be inferred). Since this does not force the steering angle to coincide with the target steering angle (counter steering steering angle),
そこで本実施例では、アシスト力を直接変化させてカウンタステア操舵角を教えるのではなく、コラムシャフト5やラック軸4に発生する静/動フリクションを変化させてカウンタステア操舵角を教えるようにした。また、本実施ではコラムシャフト5やラック軸4に発生する静/動フリクションを直接変化させるのではなく、仮想ステアリングモデル部82内の静/動フリクション発生部82eが出力するコラムシャフト5やラック軸4に発生する実際の静/動フリクションを模した値を、静/動フリクション補正部82fにおいて補正する。この補正された静/動フリクションを用いて仮想ステアリング操舵角を演算し、モータ指令値を算出してアシストモータ6を制御することにより静/動フリクションが変化したような効果を発生させる。
Therefore, in this embodiment, the countersteer steering angle is taught by changing the static / dynamic friction generated in the
[フリクションフラグの算出処理]
図7はカウンタ制御部80において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
[Friction flag calculation process]
FIG. 7 is a flowchart showing a flow of processing executed in the
ステップS1では、車両の横滑り角速度を読み込む。 In step S1, the side slip angular velocity of the vehicle is read.
ステップS2では、車両の横滑り角速度が所定値以上であるか否かを判定する。これにより車両が強オーバステア状態であるのかを判定する。横滑り角速度の絶対値が所定値以上の場合、強オーバステア状態であると推定する。また、この判断部分のハンチングを防止するために、一般に用いられているヒステリシス特性を持たせても良い。横滑り角速度が所定値以上の場合にはステップS3へ移行し、横滑り角速度が所定値未満の場合にはステップS5へ移行する。このステップS2は、本発明のステア状態検知手段に相当する。 In step S2, it is determined whether the side slip angular velocity of the vehicle is equal to or greater than a predetermined value. This determines whether the vehicle is in a strong oversteer state. When the absolute value of the side slip angular velocity is equal to or greater than a predetermined value, it is estimated that the vehicle is in a strong oversteer state. Moreover, in order to prevent hunting of this judgment part, you may give the hysteresis characteristic generally used. If the skid angular velocity is greater than or equal to the predetermined value, the process proceeds to step S3. If the skid angular velocity is less than the predetermined value, the process proceeds to step S5. This step S2 corresponds to the steer state detecting means of the present invention.
ステップS3では、横滑り角速度の符号から操舵のいずれの方向がカウンタステアであるか判断される。次に、ドライバ入力トルク及びラック軸力等から、ドライバの操舵がカウンタステア方向か否かを判断する。ドライバの操舵がカウンタステア方向であればステップS4へ移行し、ドライバの操舵がカウンタステア方向でなければステップS5へ移行する。このステップS3は、本発明のカウンタステア判定手段に相当する。 In step S3, it is determined which direction of steering is counter steer from the sign of the side slip angular velocity. Next, it is determined from the driver input torque, rack axial force, and the like whether or not the driver's steering is in the counter-steer direction. If the driver's steering is in the counter-steer direction, the process proceeds to step S4. If the driver's steering is not in the counter-steer direction, the process proceeds to step S5. This step S3 corresponds to the counter steer determination means of the present invention.
ステップS4では、フリクションフラグを"1"に設定し、ステップS5ではフリクションフラグを"0"に設定する。 In step S4, the friction flag is set to "1", and in step S5, the friction flag is set to "0".
[ドライバ入力トルク算出処理]
トルク生成部83によるドライバ入力トルクの算出方法を説明する。
[Driver input torque calculation processing]
A method for calculating the driver input torque by the
まず、ハンドル角の演算方法の一例を下記の式(1)に示す。操舵トルクをトーションバーのねじり剛性で除してねじり角を算出し、それと操舵角を足してハンドル角とする。
θh=θm+trq/Kt …(1)
ここで、θhはハンドル角、θmは操舵角である。trqは操舵トルク、Ktはトーションバーのねじり剛性(単位は、例えば[Nm/rad])とする。
First, an example of a method for calculating the handle angle is shown in the following formula (1). The torsion angle is calculated by dividing the steering torque by the torsional rigidity of the torsion bar, and the steering angle is added to that to obtain the handle angle.
θ h = θ m + trq / Kt (1)
Here, θ h is a steering wheel angle, and θ m is a steering angle. trq is the steering torque, and Kt is the torsional rigidity of the torsion bar (unit: [Nm / rad], for example).
続いて、式(1)により求めたハンドル角θhの2回微分でハンドル角加速度を得る。2回微分は、例えば下記の式(2)に示すような伝達関数で近似しても良い。
θh"=θh×s2/(s2+2ζωns+ωn 2) …(2)
Subsequently, the steering wheel angular acceleration is obtained by the second derivative of the steering wheel angle θ h obtained by the equation (1). The double differentiation may be approximated by a transfer function as shown in the following formula (2), for example.
θ h ”= θ h × s 2 / (s 2 + 2ζω n s + ω n 2 ) (2)
例として、ζを0.9、ωnを2×π×60[rad/s]が挙げられる。これらのパラメータは高周波のノイズ除去に関連しており、角周波数ωn以上の信号は除去されることになる。また、これを小さく設定すると、操舵感を損なう可能性があるので、両者のトレードオフを考えて設定する。 As an example, ζ is 0.9 and ω n is 2 × π × 60 [rad / s]. These parameters are related to high-frequency noise removal, and signals with an angular frequency ω n or higher are removed. If this is set to a small value, the steering feeling may be impaired.
以上から、ドライバ入力トルクは、下記の式(3)で表される。
trqg=trq+Ih0×θh" …(3)
ここでtrqgはドライバ入力トルクである。
From the above, the driver input torque is expressed by the following equation (3).
trq g = trq + Ih 0 × θ h "(3)
Where trq g is the driver input torque.
この作用により、ドライバがハンドル1に入力するトルクのみを算出することができる。
With this action, only the torque that the driver inputs to the
[仮想ステアリングモデル操舵角の演算]
図8は、アシストコントローラ8で実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、あらかじめ設定された所定周期毎に実行される。
[Calculation of virtual steering model steering angle]
FIG. 8 is a flowchart showing a flow of processing executed by the
ステップS11では、操舵角センサ3から操舵角θmを読み込み、ステップS12へ移行する。
In step S11, reads the steering angle theta m from the
ステップS12では、操舵トルクセンサ2から操舵トルクを読み込み、ステップS13へ移行する。
In step S12, the steering torque is read from the
ステップS13では、カウンタ制御部80において、フリクションフラグの演算を行い、ステップS14へ移行する。
In step S13, the
ステップS14では、トルク生成部83において、式(1)を用いてハンドル角度θhを推定し、ステップS15へ移行する。
In step S14, the
ステップS15では、トルク生成部83において、式(2)を用いてハンドル角加速度θh"を推定し、ステップS16へ移行する。
In step S15, the
ステップS16では、トルク生成部83において、式(3)を用いてドライバ入力トルクを生成し、ステップS17へ移行する。
In step S16, the
ステップS17では、仮想ステアリングモデル部82において、ステップS16で生成したドライバ入力トルクと、ラック軸力センサ9から読み込んだラック軸力等とに基づいて、仮想ステアリングモデルによる仮想ステアリング操舵角の演算を行う。このとき、静/動フリクション補正部82fでは、フリクションフラグが"0"の場合には補正を行わず、フリクションフラグ"1"の場合には、静/動フリクションを低減若しくはゼロにして仮想ステアリング操舵角の演算を行い、ステップS18へ移行する。
In step S17, the virtual
ステップS18では、操舵角サーボ部81において、実操舵角を仮想ステアリング操舵角に追従させる操舵角サーボ制御を実施し、リターンへ移行する。
In step S18, the steering
[反力の発生]
本実施例におけるカウンタ制御部80、操舵角サーボ部81、仮想ステアリングモデル部82、トルク生成部83の作用による出力は、図9の等価モデル11によって表される。ドライバは、横滑り角速度、ドライバ入力トルク、ラック軸力等の入力により操舵角の出力に応じた反力を感じることとなる。理解を容易にするため、ドライバが感じる反力を以下のように定義する。ハンドル軸周りの運動方程式によって、式(4)が得られる。
Ih*d2θ/dt2 =(ラック軸力)+(ドライバ操舵力)+(静/動フリクション) …(4)
ここで、Ihはステアリング慣性、θは操舵角、ラック軸力、ドライバ操舵力、静/動フリクションはステアリング軸周りに換算したトルクである。その他のトルクについては、ここでは省略した。ここで、ドライバが感じる反力はドライバ操舵力と等しい大きさで方向は逆であるから、(反力)= −(ドライバ操舵力)となる。よって、次の式(5)が得られる。
(反力)= −Ih*d2θ/dt2 +(ラック軸力)+(静/動フリクション) …(5)
以下では、ステアリング慣性Ihは十分に小さい仮定し、ステアリング慣性Ihをゼロに近似して説明する。
[Generation of reaction force]
The outputs of the
Ih * d 2 θ / dt 2 = (Rack axial force) + (Driver steering force) + (Static / dynamic friction)… (4)
Here, Ih is the steering inertia, θ is the steering angle, rack axial force, driver steering force, and static / dynamic friction is the torque converted around the steering axis. Other torques are omitted here. Here, since the reaction force felt by the driver is equal to the driver steering force and in the opposite direction, (reaction force) = − (driver steering force). Therefore, the following equation (5) is obtained.
(Reaction force) = -Ih * d 2 θ / dt 2 + (Rack axial force) + (Static / dynamic friction) (5)
In the following description, it is assumed that the steering inertia Ih is sufficiently small, and the steering inertia Ih is approximated to zero.
(カウンタステア切り始めの反力)
まず、ドライバがハンドル1をカウンタステア方向に切り始めた状態、つまりドライバはカウンタステア方向に操舵力を加え始めたものの、まだハンドル1が動いていない状態において、ドライバが感じる反力について説明する。ここでは、現在車両は右旋回を行っており、カウンタステア方向は左とする。また、左方向の力を正とする。
(Reaction force at the start of counter steer cutting)
First, the reaction force felt by the driver when the driver has started to turn the
ドライバがハンドル1を保舵している状態で、ドライバは次の式(6)に示す反力を感じる。
(反力)=(ラック軸力)+(静フリクション) …(6)
In a state where the driver holds the
(Reaction force) = (Rack axial force) + (Static friction) (6)
カウンタステア方向(左)に操舵し始める瞬間、操舵を阻む方向(右)に静フリクションが発生する。例えば、ラック軸力を10、静フリクションを"−5"とすると、ドライバは次の式(7)で示す反力"5"を感じる。
(反力)= 10 + (−5) = 5 …(7)
At the moment of starting to steer in the counter-steer direction (left), static friction is generated in the direction that prevents steering (right). For example, when the rack axial force is 10 and the static friction is “−5”, the driver feels the reaction force “5” expressed by the following equation (7).
(Reaction force) = 10 + (−5) = 5 (7)
横滑り角速度が所定値以上であって、ドライバがカウンタステア方向に操舵した場合、カウンタ制御部80はフリクションフラグを"1"に設定して、仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fは、静フリクションを低減若しくはゼロにする。ここで、静/動フリクション補正部82fが静フリクションの大きさを"2"低減させて、静フリクションを"−3"に設定したとすると、式(8)に示すようにドライバは反力"7"を感じる。
(反力)= 10 + (−3) = 7 …(8)
When the skid angular velocity is equal to or greater than the predetermined value and the driver steers in the counter steer direction, the
(Reaction force) = 10 + (−3) = 7 (8)
式(7)と式(8)との比較から明らかなように、本実施例の作用によってドライバが感じる反力はカウンタステア方向に大きくなり、ドライバはカウンタステア方向の操舵に誘導される。一方、カウンタステア方向と逆方向に操舵しようとした場合には、静フリクションは変化を生じないため、ドライバはカウンタステア方向と逆方向の操舵に誘導されることはない。よって、ドライバがカウンタステア方向に操舵し始めることを補助し、強オーバステアを回避することが可能となる。 As is clear from the comparison between Expression (7) and Expression (8), the reaction force felt by the driver is increased in the counter-steer direction by the operation of the present embodiment, and the driver is guided by steering in the counter-steer direction. On the other hand, when attempting to steer in the direction opposite to the counter steer direction, the static friction does not change, so the driver is not guided to steer in the direction opposite to the counter steer direction. Therefore, it is possible to assist the driver to start steering in the counter steer direction and to avoid strong oversteer.
(カウンタステア中の反力)
次にドライバがハンドル1をカウンタステア方向に動かしている状態において、ドライバが感じる反力について説明する。ここでは、現在車両は右旋回を行っており、カウンタステア方向は左とする。また、左方向の力を正とする。
(Reaction force during counter-steer)
Next, the reaction force felt by the driver when the driver is moving the
ドライバがハンドル1を動かしている状態で、ドライバは次の式(9)に示す反力を感じる。
(反力)=(ラック軸力)+(動フリクション) …(9)
While the driver is moving the
(Reaction force) = (Rack axial force) + (Dynamic friction) (9)
仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fにおいて、動フリクションの補正が行われていないときには、例えば、ラック軸力を10、動フリクションを"−4"とすると、ドライバは次の式(10)で示す反力"6"を感じる。
(反力)= 10 + (−4) = 6 …(10)
In the static / dynamic
(Reaction force) = 10 + (−4) = 6 (10)
横滑り角速度が所定値以上であって、ドライバがカウンタステア方向に操舵した場合、カウンタ制御部80はフリクションフラグを"1"に設定して、仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fは、動フリクションを低減若しくはゼロにする。ここで、静/動フリクション補正部82fが動フリクションの大きさを"2"低減させて、動フリクションを"−2"に設定したとすると、式(11)に示すようにドライバは反力"8"を感じる。
(反力)= 10 + (−2) = 8 …(11)
When the skid angular velocity is equal to or greater than the predetermined value and the driver steers in the counter steer direction, the
(Reaction force) = 10 + (−2) = 8 (11)
式(10)と式(11)との比較から明らかなように、本実施例の作用によってドライバが感じる反力はカウンタステア方向に大きくなり、ドライバはカウンタステア方向の操舵に誘導される。一方、カウンタステア方向と逆方向に操舵しようとした場合には、動フリクションは変化を生じないため、ドライバはカウンタステア方向と逆方向の操舵に誘導されることはない。よって、ドライバがカウンタステア方向に操舵し始めることを補助し、強オーバステアを回避することが可能となる。 As is clear from the comparison between Expression (10) and Expression (11), the reaction force felt by the driver is increased in the counter-steer direction by the operation of the present embodiment, and the driver is guided by steering in the counter-steer direction. On the other hand, when attempting to steer in the direction opposite to the counter steer direction, the dynamic friction does not change, so the driver is not guided to steer in the direction opposite to the counter steer direction. Therefore, it is possible to assist the driver to start steering in the countersteer direction and to avoid strong oversteer.
(カウンタステア操舵角における反力)
操舵角が適切なカウンタ操舵角に一致若しくは略一致すると、横滑り角速度が所定値以下になるので、カウンタ制御部80はフリクションフラグを"0"に設定する。仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fは、静/動フリクションの補正を終了するので、静/動フリクションは通常の値に復帰する。
(Reaction force at counter-steer steering angle)
When the steering angle matches or substantially matches the appropriate counter steering angle, the skid angular velocity becomes equal to or less than a predetermined value, so the
以下、操舵角が適切なカウンタ操舵角に一致若しくは略一致したときのドライバが感じる反力について説明する。ここでは、現在車両は右旋回を行っており、カウンタステア方向は左とする。また、左方向の力を正とする。 Hereinafter, the reaction force felt by the driver when the steering angle matches or substantially matches the appropriate counter steering angle will be described. Here, the vehicle is currently turning right and the counter-steer direction is left. The leftward force is positive.
ドライバがハンドル1を適切なカウンタ操舵角に一致させる直前には、仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fにおいて、動フリクションの補正が行われている。例えば、ラック軸力を10、動フリクションの大きさを"2"低減させて、動フリクションを"−2"に設定したとすると、式(12)に示すようにドライバは反力"8"を感じる。
(反力)= 10 + (−2) = 8 …(12)
Immediately before the driver matches the
(Reaction force) = 10 + (−2) = 8 (12)
ドライバがハンドル1を適切なカウンタ操舵角に一致させると、仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fにおいて、動フリクションの補正が行われない。例えば、ラック軸力を10、動フリクションを"−4"とすると、ドライバは次の式(13)で示す反力"6"を感じる。
(反力)= 10 + (−4) = 6 …(13)
When the driver matches the
(Reaction force) = 10 + (−4) = 6 (13)
すなわち、カウンタステアへ誘導する反力が弱まる。この反力変化により、ドライバは確実に適切なカウンタステア操舵角を感じることができ、ハンドル1を保舵状態へ移行できる。ハンドル1を保舵状態へ移行した後の静フリクションも、仮想ステアリングモデル部82の静/動フリクション補正部82fにおいて、補正が行われないのでハンドル1の保舵時のドライバが感じる反力が変化し、ドライバは適切なカウンタステア操舵角を推察することができる。
That is, the reaction force that leads to the counter steer is weakened. By this reaction force change, the driver can surely feel an appropriate counter-steer steering angle, and the
本実施例における車両用操舵装置の作用によって、前述の条件1と条件2を満たすことができる。
条件1:ドライバの操舵のハンチングを誘起しないこと
静/動フリクションはドライバが普段から体験している特性であり、その違いは理解しやすいため、ドライバのハンチング操舵を誘起することがない。また、フリクションの左右差は他の原因では現れない本実施例による作用特有のものであり、ドライバは操舵反力を通じて明確にこの反力変化を理解できることになる。よって、条件1は満たされている。
Condition 1: The driver's steering hunting should not be induced. Static / dynamic friction is a characteristic that drivers usually experience, and the difference is easy to understand, so the driver's hunting steering is not induced. Also, the left-right difference in friction is unique to the action of the present embodiment that does not appear for other reasons, and the driver can clearly understand this reaction force change through the steering reaction force. Therefore,
条件2:ドライバの操舵介入を許容すること
静/動フリクションが低減若しくはゼロに補正するのみであり、ドライバの操舵介入を妨げることにはならない。よって、条件2が満たされたことを示している。
Condition 2: Allowing driver's steering intervention Static / dynamic friction is only reduced or corrected to zero, and does not interfere with driver's steering intervention. Therefore, it shows that
上記作用により、本実施例における車両用操舵装置は、適切なカウンタ操舵角をドライバに教示することができる。 With the above-described operation, the vehicle steering apparatus in the present embodiment can teach the driver the appropriate counter steering angle.
以上、上記では静/動フリクション発生部82eにおいて再現された静/動フリクションを静/動フリクション補正部82fで補正するようにし、仮想ステアリングモデル部82から仮想モデル操舵角を出力している。操舵角サーボ部81において、この仮想モデル操舵角に応じたモータ指令値を出力して、アシストモータ6を制御することで、ドライバに静/動フリクションが変化したような反力を与えている。このように再現された静/動フリクションを補正するのではなく、ラック軸4周辺に静/動フリクションを実際に発生させる抵抗体を設けて、この抵抗体が発生させる静/動フリクションを補正するようにしても良い。
As described above, the static / dynamic friction reproduced by the static / dynamic
次に、効果を説明する。 Next, the effect will be described.
(1)車両の強オーバステアが検知され、且つドライバの操舵がカウンタステア方向であるときに、カウンタステア方向の操舵を妨げる抵抗要素である静/動フリクションを低減若しくはゼロに補正するようにした。よって、カウンタステア方向への反力が大きくなり、ドライバはカウンタステア方向へ操舵しやすくなる。
また、カウンタステア方向の操舵によって、車両の強オーバステアが検知されなくなると静/動フリクションの補正は行われなくなり、カウンタステア方向の反力は小さくなる。よって、ハンドル1の保舵時のドライバが感じる反力が変化し、ドライバは適切なカウンタステア操舵角を推察することができる。
(1) When strong oversteer of the vehicle is detected and the driver's steering is in the countersteer direction, the static / dynamic friction that is a resistance element that hinders the steering in the countersteer direction is reduced or corrected to zero. Therefore, the reaction force in the counter steer direction increases, and the driver can easily steer in the counter steer direction.
In addition, when strong oversteer of the vehicle is not detected by steering in the counter steer direction, the static / dynamic friction is not corrected, and the reaction force in the counter steer direction is reduced. Therefore, the reaction force felt by the driver during steering of the
(2)車両の強オーバステアが検知され、ドライバの操舵がカウンタステア方向であるときに、静/動フリクションを低減若しくはゼロにするようにした。よって、静/動フリクションはドライバが普段から体験している特性であり、その違いは理解しやすいため、ドライバのハンチング操舵を誘起することがない。また、フリクションの左右差は他の原因では現れない本実施例による作用特有のものであり、ドライバは操舵反力を通じて明確にフリクションによる反力変化を理解できることになる。また、静/動フリクションが低減若しくはゼロに補正するのみであり、ドライバの操舵介入を妨げることがない。 (2) When a strong oversteer of the vehicle is detected and the driver's steering is in the countersteer direction, the static / dynamic friction is reduced or made zero. Therefore, the static / dynamic friction is a characteristic that the driver usually experiences, and the difference is easy to understand, so the driver's hunting steering is not induced. Further, the left-right difference in friction is unique to the action of this embodiment that does not appear for other causes, and the driver can clearly understand the reaction force change due to friction through the steering reaction force. In addition, the static / dynamic friction is only reduced or corrected to zero, and does not hinder the driver's steering intervention.
(3)コラムシャフト5に対し、ドライバの操舵力を補助するアシスト力を出力するアシストモータ6と、ハンドル1側からコラムシャフト5に入力される入力トルクを検出する操舵トルクセンサ2と、操舵角を検出する操舵角センサ3と、操舵トルクと操舵角とからドライバがハンドルに入力したトルクであるドライバ入力トルクtrqgを算出するトルク生成部とを備えた車両用操舵装置において、コラムシャフト5やラック軸4に発生する実際の静/動フリクションを模して再現する静/動フリクション発生部82eと、コラムシャフト5の目標回転角を算出する仮想ステアリングモデル部82と、アシストモータ6を制御するアシストコントローラ8と、車両の横滑り角速度によって強オーバステアを判定するカウンタ制御部80と、カウンタ制御部80で生成したフリクションフラグが1のときに静/動フリクションを低減若しくはゼロにする補正を行う静/動フリクション補正部82fとを備えた。よって、直接、静/動フリクションを発生させるような抵抗体を新たに設けることなく、ドライバには静/動フリクションが変化したような感覚を与えることができ、違和感のない反力を発生させることができる。
(3) An
(4)静/動フリクション発生部82eでは、ハンドル1が保舵され回転していない状態においては、静フリクションを模して再現し、ハンドル1が回転している状態においては、動フリクションを模して再現するようにした。よって、ドライバに、より違和感のない現実に近いフリクションの変化を体験させることができる。
(4) The static / dynamic
まず、構成について説明する。 First, the configuration will be described.
本実施例における構成は、実施例1とアシストコントローラ8のカウンタ制御部84の構成が異なるのみであり、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
The configuration of this embodiment is different from that of the first embodiment only in the configuration of the
図10は、アシストコントローラ8の制御ブロック図である。
FIG. 10 is a control block diagram of the
カウンタ制御部84は、車両の横滑り角速度、ドライバ入力トルク及びラック軸力等を入力してフリクションフラグを生成すると共に、カウンタ制御トルクを出力する。
The
仮想ステアリングモデル部82には、ドライバ入力トルクと、ラック軸力と、カウンタ制御トルクの和を入力して、操舵角サーボ部81に出力する仮想ステアリング操舵角を演算する。
The virtual
次に作用について説明する。 Next, the operation will be described.
[フリクションフラグの算出とカウンタ制御トルクの発生処理]
図11はカウンタ制御部84において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
[Calculation of friction flag and generation of counter control torque]
FIG. 11 is a flowchart showing the flow of processing executed in the
ステップS21では、車両の横滑り角速度を読み込む。 In step S21, the side slip angular velocity of the vehicle is read.
ステップS22では、車両の横滑り角速度が所定値以上であるか否かを判定する。これにより車両が強オーバステアに入ろうとしているのかを判定する。横滑り角速度の絶対値が所定値以上の場合、強オーバステアに入ろうとしている状況であると推定する。また、この判断部分のハンチングを防止するために、一般に用いられているヒステリシス特性を持たせても良い。横滑り角速度が所定値以上の場合にはステップS23へ移行し、横滑り角速度が所定値未満の場合にはステップS26へ移行して、カウンタ制御トルクをOFFにしてカウンタ制御トルクを発生させないようにする。 In step S22, it is determined whether or not the side slip angular velocity of the vehicle is greater than or equal to a predetermined value. This determines whether the vehicle is about to enter strong oversteer. When the absolute value of the side slip angular velocity is equal to or greater than a predetermined value, it is estimated that the vehicle is about to enter strong oversteer. Moreover, in order to prevent hunting of this judgment part, you may give the hysteresis characteristic generally used. If the skid angular velocity is greater than or equal to the predetermined value, the process proceeds to step S23, and if the skid angular velocity is less than the predetermined value, the process proceeds to step S26 to turn off the counter control torque so that the counter control torque is not generated.
ステップS23では、カウンタ制御トルクをONにして、図12示すような実効値がゼロの周期性トルク信号を発生させる。図12には矩形波を示しているが、sin波を用いても良い。 In step S23, the counter control torque is turned ON to generate a periodic torque signal having an effective value of zero as shown in FIG. Although a rectangular wave is shown in FIG. 12, a sine wave may be used.
ステップS24では、横滑り角速度の符号から操舵のいずれの方向がカウンタステアであるか判断される。次に、ドライバ入力トルク、カウンタ制御トルク及びラック軸力等から、ドライバの操舵又はカウンタ制御トルクがカウンタステア方向か否かを判断する。ドライバの操舵又はカウンタ制御トルクがカウンタステア方向であればステップS25へ移行し、ドライバの操舵がカウンタステア方向でなければステップS27へ移行する。 In step S24, it is determined which direction of steering is counter steer from the sign of the side slip angular velocity. Next, it is determined from the driver input torque, the counter control torque, the rack axial force, and the like whether or not the driver's steering or counter control torque is in the counter steer direction. If the driver's steering or counter control torque is in the counter steer direction, the process proceeds to step S25, and if the driver's steering is not in the counter steer direction, the process proceeds to step S27.
ステップS25では、フリクションフラグを"1"に設定し、ステップS27ではフリクションフラグを"0"に設定する。 In step S25, the friction flag is set to “1”, and in step S27, the friction flag is set to “0”.
[保舵時の反力発生]
本実施例におけるカウンタ制御部84、操舵角サーボ部81、仮想ステアリングモデル部82、トルク生成部83の作用による出力は、図13の等価モデル12によって表される。ドライバは、横滑り角速度、ドライバ入力トルク、ラック軸力等の入力により操舵角の出力に応じた反力を感じることとなる。本実施例ではこの反力によって、適切なカウンタ操舵角へ積極的に誘導を行う。
[Reaction force generation during steering]
The outputs generated by the operations of the
例えば、右に定常旋回中であって、ドライバ入力トルクとラック軸力とが等しい場合を、つまりドライバがハンドル1を一定操舵角で保舵している場合を考える。図14は、右に定常旋回中であって、ドライバ入力トルクとラック軸力とが等しいときに入力したカウンタ制御トルクと、このカウンタ制御トルク入力時の静フリクション及び反力の発生の様子を示すグラフである。
For example, consider a case where the vehicle is turning to the right and the driver input torque is equal to the rack axial force, that is, the driver is keeping the
仮想ステアリングモデル部82に、図14(a)に示すようなカウンタ制御トルクが入力されると、演算機82eでは図14(b)に示すようなカウンタ制御トルクと反対方向であって、等しい大きさの静フリクションを再現する。しかし、ドライバ入力トルクがカウンタステア方向(左方向)に発生すると、カウンタ制御部80ではフリクションフラグが"1"に設定されるので、静フリクションは低減若しくはゼロに補正される。ここでは、図14(b)に一点鎖線で示す部分の静フリクションがゼロに補正されたとする。カウンタ制御トルクと静フリクションとをあわせると図14(c)に示すように、逆カウンタステア方向(右方向)のカウンタ制御トルクは、静フリクションによって打ち消されて、アシストコントローラ8はカウンタステア方向に反力が発生するようにアシストモータ6を制御する。
When the counter control torque as shown in FIG. 14A is input to the virtual
[転舵時の反力発生]
前述のような保舵時に、カウンタステア方向の反力が発生すると、ドライバ入力トルクが一定であればハンドル1はカウンタステア方向に回転する。ハンドル1の回転中には静フリクションではなくハンドル1の回転方向と逆側に動フリクションが発生する。図15は、カウンタ制御トルクの発生によって、ハンドル1がカウンタステア方向への回転中のときのカウンタ制御トルク、動フリクション及び反力の発生と、操舵角の様子を示したグラフである。
[Reaction force generation during turning]
When the counter-steering reaction force is generated during the steering operation as described above, the
ドライバ入力トルクとラック軸力とが等しいが、カウンタ制御トルクによってハンドル1がカウンタステア方向に操舵されている場合を考える。このとき、仮想ステアリングモデル部82には、図15(a)に示すようなカウンタ制御トルクが続けて入力される。静/動フリクション信号生成部82eでは図15(b)に示すようなハンドル1の操舵方向と逆向きであって、カウンタ制御トルクよりも小さい動フリクションを再現する。動フリクションの発生方向は、カウンタ制御トルクの発生方向に応じて変化するのではなく、ハンドル1の操舵方向と反対方向に発生する。このとき、右方向の動フリクションは、ハンドル1がカウンタステア方向(左方向)に操舵されているときに発生するので、カウンタ制御部80ではフリクションフラグが"1"に設定される。よって、動フリクションは低減若しくはゼロに補正される。ここでは、図15(b)に一点鎖線で示す部分の動フリクションがゼロに補正されたとする。カウンタ制御トルクと静フリクションとをあわせると図15(c)に示すように、カウンタステア方向のカウンタ制御トルク入力はそのまま反力として発生する。一方、逆カウンタステア方向のカウンタ制御トルク入力は、ハンドル1の操舵方向がカウンタステア方向であれば、そのまま反力として発生する。また、ハンドル1の操舵方向が逆カウンタステア方向であれば、一部は動フリクションと打ち消しあって、カウンタ制御トルク入力の値より小さな反力が発生する。
Consider a case where the driver input torque is equal to the rack axial force, but the
図15(c)は、右に定常旋回中であって、ドライバがハンドル1を一定操舵角で保舵しているときの操舵角を"0"として示した操舵角の変化である。時間0〜t1においては、反力が左に発生しているので、ハンドル1は左に操舵される。時間t1〜t2においては、慣性によりハンドル1は左に操舵され続けるが反力が右に発生するので、操舵角の変化の速さは低下する。時間t2においてハンドル1の操舵方向は逆になり、右側への操舵が始まる。時間t2〜t3においては、反力が右に発生するものの、ハンドル1は右に操舵されるので、動フリクションの発生し、反力の大きさは時間t1〜t2と比べて小さくなり、操舵角の変化の速さは時間0〜t1と比べて小さくなる。時間t3〜t4においては、慣性によりハンドル1は右に操舵され続けるが反力が左に発生するので、操舵角の変化の速さは低下する。以降、時間0〜t4の操舵角変化を繰り返し、時間t13においてカウンタステア操舵角になったとすると、カウンタ制御トルクの入力を終了する。
FIG. 15C shows a change in the steering angle when the steering angle is “0” when the driver is turning to the right and the driver is keeping the
[操舵角シミュレーション]
図16は、本実施例における作用による操舵角変化をシミュレーションした結果であって、図16(a)はフリクションフラグの状態を、図16(b)は操舵角の状態を示す。このシミュレーションは以下の条件の基に行った。
1:右方向に定常旋回中である。
2:ドライバ入力トルクとラック軸との和はゼロ(すなわち釣合い状態)。
3:時刻0[ms]で後輪が流れ始め、横滑り角速度が所定値以上になり、カウンタ制御を開始する。
4:時刻200[ms]で、横滑り角速度が所定値未満となって、カウンタ制御が終了する。
図16(b)の操舵角は、右方向に定常旋回中の操舵角を"0"とし、左方向の操舵を正として示している。
[Steering angle simulation]
FIG. 16 shows the result of simulating the change in the steering angle due to the action in the present embodiment. FIG. 16 (a) shows the state of the friction flag, and FIG. 16 (b) shows the state of the steering angle. This simulation was performed based on the following conditions.
1: Steady turning in the right direction.
2: The sum of the driver input torque and the rack shaft is zero (that is, in a balanced state).
3: The rear wheel starts to flow at time 0 [ms], the skid angular velocity becomes equal to or higher than a predetermined value, and counter control is started.
4: At time 200 [ms], the skid angular velocity becomes less than a predetermined value, and the counter control is terminated.
The steering angle in FIG. 16 (b) is shown by assuming that the steering angle during steady turning in the right direction is “0” and the left direction steering is positive.
図16(b)に示すように、ドライバ入力トルクが変化をしなくても、操舵角が適切なカウンタステア操舵角に誘導される。しかし、カウンタ制御トルクは実効値ゼロであるため、ドライバの操舵介入を妨げることにはならない。また、カウンタ制御トルクの入力が終了すると操舵角速度がゼロになるので、操舵角がカウンタステア操舵角に対してオーバシュートすることがなく、正確にカウンタ操舵角に誘導することが可能となる。 As shown in FIG. 16B, even if the driver input torque does not change, the steering angle is guided to an appropriate counter-steer steering angle. However, since the counter control torque has an effective value of zero, it does not hinder the driver's steering intervention. Further, when the input of the counter control torque is finished, the steering angular velocity becomes zero, so that the steering angle does not overshoot the counter steer steering angle and can be accurately guided to the counter steering angle.
次に、効果を説明する。 Next, the effect will be described.
(5)車両の強オーバステアが検知された場合には、実効値がゼロの正負を繰り返す周期性トルクであるカウンタ制御トルクを仮想ステアリングモデル部82に入力するようにした。よって、ドライバ入力トルクが変化をしなくても、操舵角が適切なカウンタステア操舵角に誘導される。しかし、カウンタ制御トルクは実効値ゼロであるため、ドライバの操舵介入を妨げることにはならない。また、カウンタ制御トルクの入力が終了すると操舵角速度がゼロになるので、操舵角がカウンタステア操舵角に対してオーバシュートすることがなく、正確にカウンタ操舵角に誘導することが可能となる。
(5) When a strong oversteer of the vehicle is detected, a counter control torque, which is a periodic torque that repeats positive and negative effective values, is input to the virtual
本実施例においては、アシストコントローラ8のカウンタ制御部84が横滑り角速度が所定値以上で、車両が強オーバステアに入ろうとしていると判定したときの車両の横滑り角速度が大きくなるほど、カウンタ制御トルクの振幅を大きくするようにした。
In this embodiment, the counter control torque of the
[フリクションフラグの算出とカウンタ制御トルクの発生処理]
図17はカウンタ制御部84において実行される処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
[Calculation of friction flag and generation of counter control torque]
FIG. 17 is a flowchart showing the flow of processing executed in the
ステップS31では、車両の横滑り角速度を読み込む。 In step S31, the side slip angular velocity of the vehicle is read.
ステップS32では、車両の横滑り角速度が所定値以上であるか否かを判定する。これにより車両が強オーバステアに入ろうとしているのかを判定する。横滑り角速度の絶対値が所定値以上の場合、強オーバステアに入ろうとしている状況であると推定する。また、この判断部分のハンチングを防止するために、一般に用いられているヒステリシス特性を持たせても良い。横滑り角速度が所定値以上の場合にはステップS33へ移行し、横滑り角速度が所定値未満の場合にはステップS37へ移行して、カウンタ制御トルクをOFFにしてカウンタ制御トルクを発生させないようにする。 In step S32, it is determined whether or not the side slip angular velocity of the vehicle is greater than or equal to a predetermined value. This determines whether the vehicle is about to enter strong oversteer. When the absolute value of the side slip angular velocity is equal to or greater than a predetermined value, it is estimated that the vehicle is about to enter strong oversteer. Moreover, in order to prevent hunting of this judgment part, you may give the hysteresis characteristic generally used. If the skid angular velocity is greater than or equal to the predetermined value, the process proceeds to step S33, and if the skid angular velocity is less than the predetermined value, the process proceeds to step S37 to turn off the counter control torque so that the counter control torque is not generated.
ステップS33では、車両の横滑り角速度が大きくなるほど、カウンタ制御トルクの振幅を大きくするように、カウンタ制御トルクの振幅を演算する。 In step S33, the amplitude of the counter control torque is calculated so as to increase the amplitude of the counter control torque as the side slip angular velocity of the vehicle increases.
ステップS34では、カウンタ制御トルクをONにして、ステップS33で演算した振幅であって、実効値がゼロの周期性トルク信号を発生させる。 In step S34, the counter control torque is turned ON, and a periodic torque signal having the amplitude calculated in step S33 and having an effective value of zero is generated.
ステップS35では、横滑り角速度の符号から操舵のいずれの方向がカウンタステアであるか判断される。次に、ドライバ入力トルクtrqg、ラック軸力及びカウンタ制御トルクから、ドライバの操舵又はカウンタ制御トルクがカウンタステア方向か否かを判断する。ドライバの操舵又はカウンタ制御トルクがカウンタステア方向であればステップS36へ移行し、ドライバの操舵がカウンタステア方向でなければステップS38へ移行する。 In step S35, it is determined which direction of steering is counter steer from the sign of the side slip angular velocity. Next, it is determined from the driver input torque trq g , the rack axial force and the counter control torque whether or not the driver steering or the counter control torque is in the counter steer direction. If the driver's steering or counter control torque is in the counter steer direction, the process proceeds to step S36, and if the driver's steering is not in the counter steer direction, the process proceeds to step S38.
ステップS36では、フリクションフラグを"1"に設定し、ステップS38ではフリクションフラグを"0"に設定する。 In step S36, the friction flag is set to "1", and in step S38, the friction flag is set to "0".
[操舵角シミュレーション]
図18は、本実施例における作用による操舵角変化をシミュレーションした結果であって、図18(a)はフリクションフラグの状態を、図18(b)は操舵角の状態を示す。本実施例では、実施例2で行ったシミュレーションの車両の横滑り角速度よりも大きな横滑り角速度が生じている場合におけるシミュレーションである。その他の条件については、実施例2と同様に以下の条件の基に行った。
1:右方向に定常旋回中である。
2:ドライバ入力トルクとラック軸との和はゼロ(すなわち釣合い状態)。
3:時刻0[ms]で後輪が流れ始め、横滑り角速度が所定値以上になり、カウンタ制御を開始する。
4:時刻200[ms]で、横滑り角速度が所定値未満となって、カウンタ制御が終了する。
図18(b)の操舵角は、右方向に定常旋回中の操舵角を"0"とし、左方向の操舵を正として示している。
[Steering angle simulation]
FIG. 18 shows the result of simulating the change in the steering angle due to the action in the present embodiment. FIG. 18A shows the state of the friction flag, and FIG. 18B shows the state of the steering angle. The present embodiment is a simulation in the case where a skid angular velocity larger than the skid angular velocity of the vehicle in the simulation performed in the second embodiment is generated. Other conditions were the same as in Example 2 based on the following conditions.
1: Steady turning in the right direction.
2: The sum of the driver input torque and the rack shaft is zero (that is, in a balanced state).
3: The rear wheel starts to flow at time 0 [ms], the skid angular velocity becomes equal to or higher than a predetermined value, and counter control is started.
4: At time 200 [ms], the skid angular velocity becomes less than a predetermined value, and the counter control is terminated.
The steering angle in FIG. 18 (b) is shown by assuming that the steering angle during steady turning in the right direction is "0" and the left direction steering is positive.
図18(b)では、時間200[ms]で23[deg]程度、カウンタステア方向に変化している。一方、実施例2の図16(a)では、時間200[ms]で12[deg]程度、カウンタステア方向に変化している。この作用により、車両の横滑り角速度が大きい場合にも速やかにカウンタ操舵角に誘導することができる。 In FIG. 18B, the counter steer direction changes by about 23 [deg] at time 200 [ms]. On the other hand, in FIG. 16A of the second embodiment, the counter steer direction changes by about 12 [deg] at time 200 [ms]. With this action, even when the side slip angular velocity of the vehicle is large, it is possible to promptly guide to the counter steering angle.
次に、効果を説明する。 Next, the effect will be described.
(6)車両の横滑り角速度が大きくなり、強オーバステアの程度が強いほどカウンタ制御トルクの振幅を大きくするようにした。よって、車両の横滑り角速度が大きい場合にも速やかにカウンタ操舵角に誘導することができる。 (6) The amplitude of the counter control torque is increased as the side slip angular velocity of the vehicle increases and the degree of strong oversteer increases. Therefore, even when the side slip angular velocity of the vehicle is large, the counter steering angle can be promptly guided.
以上、本発明の車両用操舵装置を実施例1乃至実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加は許容される。 As mentioned above, although the vehicle steering device of the present invention has been described based on the first to third embodiments, the specific configuration is not limited to this embodiment, and each claim of the claims Design changes and additions are allowed without departing from the spirit of the invention.
例えば、実施例1乃至実施例3では、ハンドル1と転舵輪10とを機械的に連結して、操舵トルクをアシストモータ6によって補助をする電動パワーステアリングについて述べたが、図19に示すようにハンドル1と転舵輪10とを機械的に分離した所謂ステアバイワイヤに適用しても良い。このステアバイワイヤは、電動パワーステアリングと異なり、ハンドル1側に接続される操舵軸22と、転舵輪10側に接続される転舵軸23とが分離しており、ハンドル1側に反力を発生させる反力モータ20と、転舵輪10に転舵力を発生させる転舵モータ21と、操舵トルク及び操舵角に基づいて反力モータ20及び転舵モータ21を制御するコントローラ24とを備える。アシストコントローラ24は、ハンドル1に入力されたトルクを倍増して、転舵輪10に転舵トルクを発生させるための演算を行うアシスト制御部24aと、ドライバ入力トルク演算するトルク生成部24bと、仮想ステアリング操舵角を出力する仮想ステアリングモデル24cと、反力モータにモータ指令値を出力する操舵角サーボ24dと、操舵角に対する転舵角を算出するステアリングギヤ比演算部24eと、転舵モータ21にモータ指令値を出力する転舵角サーボ24fとを備える。ステアバイワイヤ自体の具体的な作用については、すでに公知となっているので説明を省略する。
For example, in the first to third embodiments, the electric power steering is described in which the
2 操舵トルクセンサ
3 操舵角センサ
5 コラムシャフト
6 アシストモータ
8 アシストコントローラ
10 転舵輪
80 カウンタ制御部
81 操舵角サーボ部
82 仮想ステアリングモデル部
82e 静/動フリクション信号生成部
82f 静/動フリクション補正部
83 トルク生成部
2
Claims (8)
車両のステア状態を検知するステア状態検知手段と、
前記操舵方向が車両の旋回方向と逆側のカウンタステア方向に操舵されているか判定するカウンタステア判定手段と、
前記ステア状態検知手段が前記車両の所定の条件によるオーバステア傾向を示す強オーバステアを検知し、且つ前記操舵方向がカウンタステア方向と判定した場合には、前記抵抗要素が発生させる力を低減またはゼロに補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操舵装置。 In the transmission element that transmits the steering torque to the steered wheel side, a resistance element that generates a force in a direction that hinders steering independently of the steering situation;
Steer state detecting means for detecting the steer state of the vehicle;
Counter steer determination means for determining whether the steering direction is steered in a counter steer direction opposite to the turning direction of the vehicle;
When the steering state detection means detects a strong oversteer that shows an oversteer tendency due to a predetermined condition of the vehicle and determines that the steering direction is the countersteer direction, the force generated by the resistance element is reduced or reduced to zero. Correction means for correcting;
A vehicle steering apparatus comprising:
前記抵抗要素は前記操舵トルクを転舵輪側へ伝達する伝達要素内のフリクションであって、
前記補正手段は、前記フリクションを低減若しくはゼロにすることを特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to claim 1,
The resistance element is a friction in a transmission element that transmits the steering torque to a steered wheel,
The vehicle steering apparatus characterized in that the correction means reduces or eliminates the friction.
コラムシャフトに軸周りのトルクを与えるアクチュエータと、
前記コラムシャフトに入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記コラムシャフトの回転角である操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵トルクと前記操舵角とから、ドライバがハンドルに入力したドライバ入力トルクを算出するドライバ入力トルク算出手段と、
前記ドライバ入力トルクから前記コラムシャフトの目標操舵角を算出する仮想ステアリングモデルと、
前記目標操舵角に前記コラムシャフトの操舵角が追従するように前記アクチュエータの出力を制御する操舵角制御手段と、
を備え、
前記仮想ステアリングモデルは、
前記フリクションを模して再現し、フリクション信号として出力するフリクション信号生成手段と、
前記補正手段と、
を有し、
前記補正手段は、前記フリクションを低減又はゼロに補正したとき前記フリクション信号を出力することを備えたことを特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to claim 2,
An actuator for applying torque around the axis to the column shaft;
Steering torque detection means for detecting steering torque input to the column shaft;
Steering angle detection means for detecting a steering angle which is a rotation angle of the column shaft;
A driver input torque calculating means for calculating a driver input torque input to the steering wheel by the driver from the steering torque and the steering angle;
A virtual steering model for calculating a target steering angle of the column shaft from the driver input torque;
Steering angle control means for controlling the output of the actuator so that the steering angle of the column shaft follows the target steering angle;
With
The virtual steering model is
Friction signal generation means for reproducing the friction and outputting it as a friction signal;
The correction means;
Have
The vehicle steering apparatus according to claim 1, wherein the correction means outputs the friction signal when the friction is reduced or corrected to zero.
前記フリクション生成手段は、ハンドル停止時に発生する静フリクション、又は前記ハンドルが回転時に発生する動フリクションの少なくとも一方のフリクション信号を生成することを特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to claim 3,
The vehicle steering apparatus according to claim 1, wherein the friction generating means generates at least one of a friction signal generated when the steering wheel is stopped and a dynamic friction generated when the steering wheel is rotated.
前記車両の強オーバステアを検知したとき、実効値がゼロの正負を繰り返す周期性トルク信号を発生させるカウンタ制御トルク出力手段を備え、
前記仮想ステアリングモデルは、前記ドライバ入力トルクと前記周期性トルクとから前記コラムシャフトの目標操舵角を算出することを特徴とする車両用操舵装置。 In the vehicle steering device according to claim 3 or 4,
When a strong oversteer of the vehicle is detected, a counter control torque output means for generating a periodic torque signal that repeats positive and negative effective values is provided,
The virtual steering model calculates a target steering angle of the column shaft from the driver input torque and the periodic torque.
前記カウンタ制御トルク出力手段は、強オーバステアの程度が強い程、前記周期性トルクの振幅を大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to claim 5,
The counter control torque output means increases the amplitude of the periodic torque as the degree of strong oversteer increases.
前記所定の条件は、前記車両が旋回走行中に後輪がグリップ力を失い始める状態を示していることを特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to any one of claims 1 to 6,
The vehicle steering apparatus according to claim 1, wherein the predetermined condition indicates a state in which a rear wheel starts losing grip force while the vehicle is turning.
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