JP2006315633A - Steering control device for vehicle and method therefor - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用操舵制御に関し、特に運転者の操舵トルクをアシスト制御するパワーステアリング機構の制御に関する。 The present invention relates to vehicle steering control, and more particularly to control of a power steering mechanism that assists and controls steering torque of a driver.
従来、運転者の操舵トルクをアシストする技術として、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、電動パワーステアリング機構の電動モータにより電動アシスト量を算出する際、車速と操舵速度に応じてアシスト量を決定している。
しかしながら奔出願人は、鋭意研究の結果、特許文献1の技術を備えた車両において、例えば高車速時に、運転者は主に操舵トルク入力で運転しており、操舵トルク入力に対する車両挙動の周波数特性におけるダンピングが良い方が、運転者にとって扱い易い操舵特性になることに着目した。この技術思想に基づいて、高車速時に高周波操舵トルクが入力された場合の特性を検証した結果、操舵トルクと操舵角のダンピング特性が悪化する領域を見出した。すなわち、運転者は車両を操舵する際、目視により前方の角度関係を認識し、その角度関係を通常運転時の経験値等に基づいて筋力、すなわちトルクに変換してステアリングホイールを操舵する。このとき、操舵トルクの周波数や車両特性によって、運転者が認識している操舵トルクと操舵角の特性とは異なる特性となる場合があることを見出した。この現象は、操舵角のオーバーシュート等を招く虞があった。また、アクティブステアシステム等を備えた車両にあっては、操舵角に補助舵角を付与し、車両の特性を走行状況に応じて適宜変更するため、操舵角に発生する影響を無視できないという問題があった。
However, as a result of earnest research, the Applicant has, in a vehicle equipped with the technology of
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、走行状況に応じて運転者の操舵トルクを最適にアシストすることで、車両挙動の安定化を図ることが可能な車両用操舵制御装置を提供することにある。 The present invention has been made paying attention to the above problems, and the object of the present invention is to stabilize the vehicle behavior by optimally assisting the driver's steering torque in accordance with the driving situation. Another object of the present invention is to provide a vehicle steering control device.
上記目的を達成するため、本発明の車両用操舵制御装置では、運転者の操舵トルクに基づいてアシストトルクを付与するパワーステアリング手段を備えた車両用操舵制御装置において、操舵トルクに応じた理想操舵角を算出する理想操舵角推定値算出手段と、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなる目標特性を設定する目標特性設定手段と、前記操舵トルクと前記理想操舵角に基づいて、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、前記目標特性となるように、前記アシストトルクを制御する過渡アシストトルク制御手段と、を備えたことを特徴とする。 In order to achieve the above object, in the vehicle steering control device of the present invention, in the vehicle steering control device provided with power steering means for applying assist torque based on the steering torque of the driver, ideal steering according to the steering torque is achieved. An ideal steering angle estimated value calculating means for calculating an angle; a target characteristic setting means for setting a target characteristic that the vehicle behavior or the steering angle characteristic with respect to the steering torque becomes smaller as the steering torque frequency increases; the steering torque and the steering torque; Transient assist torque control means for controlling the assist torque so that the vehicle behavior or the characteristic of the steering angle with respect to the steering torque becomes the target characteristic based on the ideal steering angle.
よって、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなるようにアシストトルクが付与されるため、操舵角のオーバーシュート等を回避することが可能となり、車両挙動の安定化を図ることができる。また、アシストトルクが操舵トルクと理想操舵角に基づいて制御されるため、過渡アシストトルク制御手段は、実際の車両特性に係わる閉ループ系を構成することがない。よって、パワーステアリング手段において操舵角に基づく実際の車両特性と理想操舵角に基づく車両特性とがずれたとしても、制御系の発散を防止することができる。 Therefore, the assist torque is applied so that the characteristic of the vehicle behavior or the steering angle with respect to the steering torque becomes smaller as the frequency of the steering torque becomes higher. Therefore, it is possible to avoid overshooting of the steering angle, etc. Stabilization can be achieved. Further, since the assist torque is controlled based on the steering torque and the ideal steering angle, the transient assist torque control means does not constitute a closed loop system related to actual vehicle characteristics. Therefore, even if the actual vehicle characteristic based on the steering angle and the vehicle characteristic based on the ideal steering angle are deviated in the power steering means, the divergence of the control system can be prevented.
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。 DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS The best mode for realizing a vehicle steering control apparatus according to the present invention will be described below based on an embodiment shown in the drawings.
[車両制御システムの構成]
図1は実施例1の車両制御システムを表すシステム構成図である。実施例1の車両には、車速を検出する車速センサ1と、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ2と、運転者の操舵角を検出する操舵角センサ7とが設けられている。
[Configuration of vehicle control system]
FIG. 1 is a system configuration diagram illustrating a vehicle control system according to the first embodiment. The vehicle of the first embodiment is provided with a
また、運転者の操舵トルクをパワーモータ31によりアシストするパワーステアリングユニット30と、運転者の操舵角に対して前輪4aの舵角を加算・減算制御可能な前輪操舵ユニット40と、後輪5aの舵角を制御可能な後輪操舵ユニット50とが搭載されている。
Further, the
パワーステアリングユニット30は、アシストコントローラ3と、このアシストコントローラ3の指令に基づいて作動するパワーモータ31から構成され、車両前方に配置されている。前輪操舵ユニット40は、前輪コントローラ4と、この前輪コントローラ4の指令に基づいて作動する前輪アクチュエータ41から構成され、車両前方のインストルメントパネル下方に配置されている。後輪操舵ユニット50は、後輪コントローラ5と、この後輪コントローラ5の指令に基づいて作動する後輪アクチュエータ51から構成され、車両後方の後輪近傍に配置されている。
The
車速センサ1,トルクセンサ2,アシストコントローラ3,操舵角センサ7及び後輪コントローラ5には、通信制御ポートが設けられ、CAN通信線100により接続されている。このCAN通信線100の通信速度は、10msec毎に各コントローラから出力されるデータを送受信可能に構成されている。
The
尚、CAN通信線内には、各コントローラから出力されたセンサ信号等が一定周期、または某かのイベント発生毎に出力され、必要なコントローラのみが必要な情報を受け取るように構成されている。 In the CAN communication line, sensor signals and the like output from each controller are output at regular intervals or every event occurrence, and only a necessary controller receives necessary information.
前輪コントローラ4,後輪コントローラ5には、通信制御ポートが設けられ、CAN通信線200により接続されている。このCAN通信線200の通信速度は、1msec毎に各コントローラから出力されるデータを送受信可能に構成されている。尚、上述したように、後輪コントローラ5には、2つの通信制御ポートが設けられ、CAN通信線200とCAN通信線100の両方に接続されている。
The
〔パワーステアリングシステム〕
実施例1の車両には、運転者の操舵トルク、操舵角速度及び車速に基づいて第2ステアリングシャフトに定常アシストトルクを付与すると共に、後述する過渡アシストトルクを付与するパワーステアリングシステムが搭載されている。このパワーステアリングシステムは、低速CAN通信線100に接続され、車速センサ1、操舵角センサ7、前輪コントローラ4及び後輪コントローラ5から各種信号を送受信する。
[Power steering system]
The vehicle of the first embodiment is equipped with a power steering system that applies a steady assist torque to the second steering shaft based on the driver's steering torque, steering angular speed, and vehicle speed, and also applies a transient assist torque described later. . This power steering system is connected to a low-speed
パワーモータ31は、ピニオンに接続された第2ステアリングシャフト外周に固定されたウォームホイールとウォームギヤを介して接続されている。パワーモータ31の駆動により、運転者の操舵トルクが演算により設定された所望の値となるように、アシストトルクを付与する。
The
パワーモータ31には、パワーモータ31の回転角を検出する回転角センサが設けられ、アシストコントローラ3に出力される。アシストコントローラ3内には、各種センサ値に基づいて演算された目標アシストトルクを算出するアシストトルク算出部301と、パワーモータ31の制御量を回転角センサの検出値に基づいて制御するトルク制御部302と、パワーモータ31に対して電流値を出力するドライバ部303が設けられている。
The
〔4輪アクティブステアシステム〕
実施例1の車両には、ある車速で運転者がある操舵角を発生させた場合には、操舵フィーリングや車両特性としてこの程度のヨーレイトと横加速度を達成するのが最適であるという理論に基づき、前後輪に補助舵角が付与される4輪アクティブステアシステムが搭載されている。すなわち、ヨーレイトセンサや横加速度センサ等によるフィードバック制御系では、運転者の操舵意図を反映したものではなく、実際に発生した車両挙動に基づいて制御を開始するため、応答遅れを生じると共に、運転者の操舵意図に沿った最適な車両特性を得られない。そこで、操舵角と車速に対しフィードフォワード制御によって車両挙動が発生する前に前後輪補助舵角が設定され、素早い応答を確保している。
[4-wheel active steering system]
In the vehicle of the first embodiment, when a driver generates a certain steering angle at a certain vehicle speed, it is optimal to achieve such a yaw rate and lateral acceleration as steering feeling and vehicle characteristics. Based on this, a four-wheel active steering system in which auxiliary steering angles are given to the front and rear wheels is mounted. In other words, the feedback control system using a yaw rate sensor, a lateral acceleration sensor, or the like does not reflect the driver's steering intention, but starts control based on the actually generated vehicle behavior. The optimal vehicle characteristics in line with the steering intention of the vehicle cannot be obtained. Therefore, before and after the vehicle behavior is generated by feedforward control with respect to the steering angle and the vehicle speed, the front and rear wheel auxiliary steering angles are set to ensure a quick response.
(前輪操舵ユニットの構成について)
前輪アクチュエータ41は、ステアリングホイールとラック&ピニオン機構との間のステアリングシャフト上に設けられている。ステアリングシャフトはステアリングホイールに接続された第1ステアリングシャフトと、ピニオンに接続された第2ステアリングシャフトから構成され、前輪側モータ42の駆動により、第1ステアリングシャフトの回転角に対する第2ステアリングシャフトの回転角を加減算可能に制御する。尚、この前輪アクチュエータは周知の技術であるため、説明を省略する。
(Configuration of front wheel steering unit)
The
前輪側モータ42には、前輪側モータ42の回転角を検出する前輪側モータ回転角センサ43が設けられ、前輪コントローラ4に出力される。前輪コントローラ4内には、目標舵角に対する前輪側モータ42の駆動量を演算する演算部401と、前輪側モータ42の制御量を前輪側モータ回転角センサ43の検出値に基づいてフィードバック制御するサーボ制御部402と、前輪側モータ42に対して電流値を出力する前輪側ドライバ403が設けられている。
The front
(後輪操舵ユニットの構成について)
後輪アクチュエータ51は、左右後輪5aの間に設けられている。左右後輪5aは平行リンクにより連結され、このリンクの一辺を後輪側モータ52により車幅方向に移動させると、平行リンクの弾性変形によって後輪5aに舵角が発生する。尚、この後輪アクチュエータは周知の技術であるため、説明を省略する。
(Configuration of rear wheel steering unit)
The
後輪側モータ52には、後輪側モータ52の回転角を検出する後輪側モータ回転角センサ53が設けられ、後輪コントローラ5に出力される。後輪コントローラ5内には、目標舵角に対する後輪側モータ52の駆動量を演算する演算部501と、後輪側モータ52の制御量を後輪側モータ回転角センサ53の検出値に基づいてフィードバック制御するサーボ制御部502と、後輪側モータ52に対して電流値を出力する後輪側ドライバ503と、操舵角センサ7により検出された操舵角と車速に基づいて前後輪の目標舵角を演算する目標値演算部504が設けられている。前輪コントローラ4は、この前輪の目標舵角に基づき、前輪側モータ42を制御する。
The rear
(4輪アクティブステア制御構成)
CAN通信線100に接続された後輪コントローラ5では、CAN通信線100に接続された操舵角センサ7からの操舵角情報、及びCAN通信線100に接続された車速センサ1からの車速情報を受信し、目標値演算部504において、この2つの値に基づく目標前輪舵角と目標後輪舵角を演算する。目標前輪舵角は後輪コントローラ5からCAN通信線200を介して前輪コントローラ4に出力される。
(4-wheel active steering control configuration)
The
前輪コントローラ4では、受信した目標前輪舵角となるように前輪側モータ42を駆動する。このとき、サーボ制御部402及び前輪側ドライバ403では、前輪側モータ回転角センサ43の検出値及び電流センサ等の値に基づいて1msec毎に制御量が演算され、200μsec毎に前輪側モータ42に出力する。このような処理は、マルチタスク処理等によって実行され、CPUの処理能力に応じて適宜割り付けられる。
The
後輪コントローラ5では、演算した目標後輪舵角となるように後輪側モータ52を駆動する。このとき、サーボ制御部502及び後輪側ドライバ503では、後輪側モータ回転角センサ53の検出値及び電流センサ等の値に基づいて1msec毎に制御量が演算され、200μsec毎に後輪側モータ52に出力する。
The
また、前輪4a及び後輪5aの補助舵角は、タイヤの向きを直接変更する制御であり、言い換えると、タイヤと路面との間に発生するタイヤ力の主に横力をアクチュエータにより直接制御することとなる。このとき、各アクチュエータにフェール等が発生すると、車両の挙動(特に旋回状態)に直接影響を与える虞があるため、常にフェールチェックを実行する必要がある。そこで、前輪コントローラ4では、CAN通信線200を介して後輪側のフェール関連情報(例えばアクチュエータ信号等)を複数回送受信し、目標値演算部504により新たな目標値が演算されるまでの間、常に監視する。同様に、後輪コントローラ5では、CAN通信線200を介して前輪側のフェール関連情報(例えばアクチュエータ信号等)を複数回送受信し、目標値演算部504により新たな目標値が演算されるまでの間、常に監視する。
The auxiliary steering angles of the
図2は上記車両のシステムを表す車両モデルである。ドライバが操舵トルクを入力すると、ステアリングホイールが回転運動を行う。この回転運動によって発生する操舵角が目標値演算部504に入力され、操舵角及び車速等に基づいて目標前後輪舵角が演算される。この目標前後輪舵角に基づいて、前輪操舵ユニット(401,402,403)及び後輪操舵ユニット(501,502,503)により前輪側モータ42及び後輪側モータ52に駆動指令が出力される。
FIG. 2 is a vehicle model representing the vehicle system. When the driver inputs the steering torque, the steering wheel performs a rotational motion. The steering angle generated by the rotational motion is input to the target
運転者の操舵トルクと前輪側モータ42のモータトルクが加算されたトルク値がアシストトルク算出部301に入力されると共に、アシストトルク算出部301によって算出されたアシストトルクが加算された合計トルクがラック&ピニオン機構に伝達される。この合計トルクは、ラック&ピニオン機構により回転トルクからラック軸を軸方向に移動させる推力変換が行われ(図2中kは推力変換係数を表す)、ラック軸の並進運動により前輪が転舵することで前輪実舵角が発生する。尚、前輪実舵角が発生する際には、路面からスリップ角に応じて変化する操舵反力トルクが作用する。この操舵反力トルクについては後述する。
A torque value obtained by adding the steering torque of the driver and the motor torque of the front
図3はアシストトルク算出部301の構成を表す制御ブロック図である。アシストトルク算出部301は、トルクセンサ2により検出された操舵トルク、車速及び操舵角速度等に基づいて定常アシストトルクを算出する定常アシストトルク制御部311と、車両の走行状況に応じて後述するトルク−操舵角特性が目標特性となるように、操舵トルクと操舵反力トルクに基づいてアシストトルクを制御する過渡アシストトルク制御部312から構成されている。
FIG. 3 is a control block diagram showing the configuration of the assist
図4は過渡アシストトルク制御部312の構成を表す制御ブロック図である。過渡アシストトルク制御部312内には、理想操舵角推定値を算出する理想操舵角推定値算出部312aと、この理想操舵角推定値に基づいて仮想補助舵角を推定する仮想補助舵角推定値算出部312bと、2輪モデルに基づく操舵反力トルク推定値Trk(s)を算出する操舵反力トルク推定値算出部312cと、2輪モデルに基づいて操舵トルクに対する操舵角の実特性を算出する実特性算出部312dと、2輪モデルに基づいて操舵トルクに対する操舵角の目標特性を算出する目標特性算出部312eから構成されている。
FIG. 4 is a control block diagram showing the configuration of the transient assist
以下、過渡アシストトルク算出を下記式(1)に示す。
(式1)
Tassist(s)=Tdr(s)・〔{Ref(s)/(k×Strg(s))}−1〕+Trk(s)
Tassist(s):過渡アシストトルク量
Tdr(s):定常アシスト込みのドライバの操舵トルク
Trk(s):操舵反力トルク
Ref(s):操舵トルクから操舵角への目標伝達関数
Strg(s):ラック軸推力から操舵角の伝達関数
k:トルクからラック軸力への変換係数
である。
Hereinafter, the transient assist torque calculation is shown in the following formula (1).
(Formula 1)
Tassist (s) = Tdr (s) ・ [{Ref (s) / (k × Strg (s))} − 1] + Trk (s)
Tassist (s): Transient assist torque
Tdr (s): Steering torque of driver with steady assist
Trk (s): Steering reaction torque
Ref (s): Target transfer function from steering torque to steering angle
Strg (s): Transfer function of steering angle from rack shaft thrust
k: Conversion coefficient from torque to rack axial force.
ドライバ入力トルクTdr(s)はパワーステアリングシステムが有するトルクセンサ2を用いることによって検知でき、k×Strg(s)は操舵系各部品のイナーシャ、マス・ダンピングなどの諸元によって算出することが可能である。
Driver input torque Tdr (s) can be detected by using the
図5は定常アシストトルクが付与された位置から、前輪実転舵角が発生するまでの間を目標前輪舵角特性Ref(s)に置き換えた対応関係を表す図である。ここで、目標前輪舵角特性Ref(s)を制御系で一般的な(0次/2次)伝達関数で規定すると、下記式(2)により表される。
(式2)
Ref(s)=(Gain×ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2)
ζ:目標減衰係数
ωn:目標固有振動数
Gain:操舵トルク−前輪実舵角の実特性定常ゲイン
である。
FIG. 5 is a diagram showing a correspondence relationship in which the period from the position where the steady assist torque is applied until the actual front wheel turning angle is generated is replaced with the target front wheel steering angle characteristic Ref (s). Here, when the target front wheel rudder angle characteristic Ref (s) is defined by a general (0-order / second-order) transfer function in the control system, it is expressed by the following equation (2).
(Formula 2)
Ref (s) = (Gain × ω n 2 ) / (s 2 + 2ζω n s + ω n 2 )
ζ: target damping coefficient ω n : target natural frequency
Gain: Steering torque minus actual characteristic steady gain of front wheel actual steering angle.
ζ・ωnは車両により任意に適した値に設定することが可能であり、Gainは実特性算出部312dにおいて、車両モデルを基に、以下の式(3)により表される。
(式3)
Gain[rad/Nm]=k[1/m]/(Gain_betaf_4WAS・Gain_Frk)
Gain_betaf_4WAS:単位操舵角あたりの前輪スリップ角ゲイン
Gain_Frk :単位前輪スリップ角あたりのラック反力ゲイン[N/rad]
である。
ζ · ωn can be set to an arbitrarily suitable value depending on the vehicle, and Gain is expressed by the following equation (3) in the actual
(Formula 3)
Gain [rad / Nm] = k [1 / m] / (Gain _betaf_4WAS・ Gain _Frk )
Gain _betaf_4WAS : Front wheel slip angle gain per unit steering angle
Gain _Frk : Rack reaction force gain per unit front wheel slip angle [N / rad]
It is.
Gain_Frkは車速に対する依存性がなく車両諸元により求まり、下記式(4)により表される。
(式4)
Gain_Frk=((CP1[N/rad]×CT[m])/(NAL[m]×NAL効率))×2(2輪分)×SAT係数
CP1:前輪一輪分のコーナリングパワー
CT:キャスタートレール
NAL:ナックルアーム長
NAL効率:ナックルアームリンク効率
SAT係数:セルフアライニングトルク係数
である。
Gain_Frk is not dependent on the vehicle speed and is determined by vehicle specifications and is expressed by the following equation (4).
(Formula 4)
Gain _Frk = ((CP1 [N / rad] x CT [m]) / (NAL [m] x NAL efficiency)) x 2 (for 2 wheels) x SAT coefficient
CP1: Cornering power for one front wheel
CT: Caster rail
NAL: Knuckle arm length
NAL efficiency: knuckle arm link efficiency
SAT coefficient: Self-aligning torque coefficient.
Gain_betaf_4WASは下記式(5)により表される。
(式5)
Gain_betaf_4WAS={(Ratio_AFS)/N}−A
A=(Lf/Vx)・(Ratio_AFS×Gain_yaw_front+Ratio_RAS×Gain_yaw_rear)
+(1/Vx)・(Ratio_AFS×Gain_Vy_front+Ratio_RAS×Gain_Vy_rear)
Gain_yaw_front:単位操舵角ヨーレイトゲイン
Gain_yaw_rear:単位後輪舵角ヨーレイトゲイン
Gain_Vy_front:単位操舵角横速度ゲイン
Gain_Vy_rear:単位後輪舵角横速度ゲイン
Ratio_AFS:単位操舵角あたり前輪舵角
Ratio_RAS:単位操舵角あたり後輪舵角
Lf:車両重心と前車軸間の距離
Vx:車速
である。
Gain_betaf_4WAS is expressed by the following equation (5).
(Formula 5)
Gain _betaf_4WAS = {(Ratio _AFS ) / N} −A
A = (Lf / Vx) ・ (Ratio _AFS × Gain _yaw_front + Ratio _RAS × Gain _yaw_rear )
+ (1 / Vx) ・ (Ratio _AFS × Gain _Vy_front + Ratio _RAS × Gain _Vy_rear )
Gain _yaw_front : Unit steering angle yaw rate gain
Gain _yaw_rear : Unit rear wheel rudder angle yaw rate gain
Gain _Vy_front : Unit steering angle lateral speed gain
Gain _Vy_rear : Unit rear wheel rudder angle lateral speed gain
Ratio _AFS : Front wheel steering angle per unit steering angle
Ratio _RAS : Rear wheel rudder angle per unit steering angle
Lf: Distance between vehicle center of gravity and front axle
Vx: Vehicle speed.
Ratio_AFSやRatio_RASは車速毎の4輪アクティブステア制御によって決定される値であり、図6のRatio_AFSと車速の関係を表すマップ、及び図7のRatio_RASと車速の関係を表すマップに示すように、車速に対応したマップとして予め保持しておいてもよいし、後輪コントローラ5から通信により各Ratioを得るようにしてもよく、特に限定しない。また、前後輪舵角に対するヨーレイトゲインや横速度ゲインは、車両特性と車速により2輪モデルを用いて決定される特性である。よって、式(3)のGainは定数もしくは車速依存式により構成されることから、Gain自体を図8に示すGainと車速の関係を表すマップに示すように実特性算出部312dに車速依存マップとして保有しておいても良い。
Ratio _AFS and Ratio _RAS is a value determined by the four-wheel active steering control for each vehicle speed, shown in the map representing map, and Ratio _RAS and speed relationship of FIG. 7 showing the relationship Ratio _AFS and the vehicle speed in FIG. 6 Thus, it may be stored in advance as a map corresponding to the vehicle speed, or each Ratio may be obtained from the
上述したように、目標前輪舵角特性Ref(s)は、入力された操舵トルクに対する理想的な操舵角を表している。そこで、理想操舵角推定値算出部312aでは、入力された操舵トルクに基づいて、目標前輪舵角特性Ref(s)により理想操舵角を算出する。 As described above, the target front wheel steering angle characteristic Ref (s) represents an ideal steering angle with respect to the input steering torque. Therefore, the ideal steering angle estimated value calculation unit 312a calculates the ideal steering angle based on the target front wheel steering angle characteristic Ref (s) based on the input steering torque.
仮想補助舵角推定値算出部312bでは、理想操舵角に基づいて、上述した4輪アクティブステアシステムの制御ロジックを用いて仮想補助舵角推定値を算出する。
The virtual auxiliary rudder angle estimated
操舵反力トルク推定値算出部312cでは、4輪アクティブステア制御を行うことを考慮した2輪モデルにおいて、仮想補助舵角推定値算出部312bにより算出された前後輪補助舵角を用いることで、前輪スリップ角を推定し、前輪スリップ角と操舵反力トルクが略比例関係にあることから操舵反力トルク推定値Trk(s)を算出する。
The steering reaction force torque estimated
実特性算出部312dで求められたGainを基に、目標特性算出部312eにおいて式(1)の計算を行い、必要な過渡アシストトルクを求めることが可能となる。この求められた過渡アシストトルクに通常の定常トルクを加えたトルクがパワーステアリングシステムによって補償すべきトルクとなる。
Based on the gain obtained by the actual
(論理構成)
すなわち、過渡アシストトルク制御部312では、下記の論理構成に基づいて設定されている。
(ステップ1)運転者の操舵トルクが検出されると、その操舵トルクに応じた理想的な操舵角が得られるように過渡アシストトルク制御が行われる。よって、結果として得られる実際の操舵角は理想操舵角(もしくはそれに近しい値)となることを前提とできる。
(ステップ2)次に、実際の操舵角が理想操舵角となったときには、4輪アクティブステア制御ロジックを参照することによって、どの程度の補助舵角が与えられるか(仮想補助舵角推定値)が分かる。
(ステップ3)この仮想補助舵角推定値を用いれば、車両に発生するであろうスリップ角ひいては操舵反力トルクが算出できる。
(Logical configuration)
That is, the transient assist
(Step 1) When the steering torque of the driver is detected, transient assist torque control is performed so that an ideal steering angle corresponding to the steering torque is obtained. Therefore, it can be assumed that the actual steering angle obtained as a result is an ideal steering angle (or a value close thereto).
(Step 2) Next, when the actual steering angle becomes the ideal steering angle, how much auxiliary steering angle is given by referring to the four-wheel active steering control logic (virtual auxiliary steering angle estimation value) I understand.
(Step 3) By using this virtual auxiliary rudder angle estimated value, it is possible to calculate the slip angle and the steering reaction torque that will occur in the vehicle.
上記各ステップは、言い換えると、過渡アシストトルク制御部312は、操舵トルクのみに基づいて車両に発生する現象を全て推定し、その推定された車両状態に応じてアシストトルクを決定しており、実際の車両特性に係わる閉ループ系(例えば操舵角センサや各種アクチュエータ駆動量等をフィードバックして参照する系)を構成することがない。
In other words, in each of the above steps, the transient assist
〔本願の課題に対する考察1〕
ここで、本願発明が課題としている現象について説明する。図9は比較例1の特性を表す図である。この比較例1では、運転者の操舵トルク,車速に基づいてアシストトルクを付与するパワーステアリングシステムを搭載した車両を用いた。図9は、この比較例1における車両の操舵トルク周波数に対する操舵角/操舵トルクのゲイン特性を表す。図9に示すように、操舵トルク周波数の特定領域において、車速の上昇と共に操舵トルクに対して操舵角が急激に大きくなる。操舵トルク入力に対する車両挙動のダンピングを良くすることは、操舵トルク入力に対する操舵角のダンピングを良くすることと同意である。なぜなら、操舵角から車両挙動が発生し(車両2輪モデルの運動方程式)、車両挙動から操舵トルクが決まるからである(操舵系の運動方程式)。
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Here, the phenomenon which the invention of this application makes a subject is demonstrated. FIG. 9 is a diagram illustrating the characteristics of the first comparative example. In Comparative Example 1, a vehicle equipped with a power steering system that applies assist torque based on the driver's steering torque and vehicle speed was used. FIG. 9 shows the gain characteristic of the steering angle / steering torque with respect to the steering torque frequency of the vehicle in the first comparative example. As shown in FIG. 9, in the specific region of the steering torque frequency, the steering angle increases rapidly with respect to the steering torque as the vehicle speed increases. Improving the damping of the vehicle behavior with respect to the steering torque input is equivalent to improving the damping of the steering angle with respect to the steering torque input. This is because the vehicle behavior is generated from the steering angle (the equation of motion of the vehicle two-wheel model), and the steering torque is determined from the vehicle behavior (the equation of motion of the steering system).
運転者が操舵トルクを付与すると、操舵角は操舵トルクと路面から操向輪に作用する操舵反力トルク、操舵系に作用するフリクション等の釣り合い関係によって操舵角が決定される。このとき、車速の上昇に伴い操向輪に作用するスリップ角特性が変化すると、このスリップ角特性は路面から作用する操舵反力トルクと相関があり、操舵反力トルクの低下を招く。よって、操舵角のオーバーシュート等を招く虞があった。 When the driver applies steering torque, the steering angle is determined by a balance relationship between the steering torque, the steering reaction torque acting on the steered wheel from the road surface, the friction acting on the steering system, and the like. At this time, if the slip angle characteristic acting on the steered wheels changes as the vehicle speed increases, the slip angle characteristic correlates with the steering reaction force torque acting from the road surface, and the steering reaction force torque is reduced. Therefore, there is a risk of causing an overshoot of the steering angle.
そこで、車両モデルを用いて路面反力を推定し、この値に基づいて理想の操舵トルク-操舵角相関を得られるようにアシストトルクを制御することで、操舵角のオーバーシュートを抑制し、安定した車両挙動を得ることとした。 Therefore, the road surface reaction force is estimated using a vehicle model, and the assist torque is controlled so that the ideal steering torque-steering angle correlation can be obtained based on this value. It was decided to get the vehicle behavior.
ここで、実施例1に記載の車両には、4輪アクティブステアシステムが搭載されており、前輪実転舵角を運転者の操舵角に係わらず物理的に変更可能であるため、この前輪操舵ユニットを利用して上記オーバーシュートを回避することを考える。図10は、通常の4輪アクティブステア制御による前輪実転舵角と、前輪アクチュエータ41の制御ゲインを調整し、オーバーシュートの発生を抑制する補正を行った場合における、4輪アクティブステア制御による前輪実転舵角の変化を表すタイムチャートである。図10に示すように、上記補正を行った場合には、仮に舵角のオーバーシュートが発生したとしても、アクチュエータ等の応答ゲインを低く補正しているため、オーバーシュートを抑制できる。
Here, the vehicle described in the first embodiment is equipped with a four-wheel active steering system, and the front wheel actual steering angle can be physically changed regardless of the steering angle of the driver. Consider using a unit to avoid the overshoot. FIG. 10 shows the front wheel by the four-wheel active steering control when the front wheel actual steering angle by the normal four-wheel active steering control and the control gain of the
しかしながら、図11に示すように、この補正が行われたまま通常の操舵を行った場合には、操舵角の変化に対して制御ゲインが遅れてしまい、目標とする前輪実転舵角を得ることができない。上述したように、4輪アクティブステアシステムでは、運転者の操舵角に応じて最適なヨーレイトと横加速度を制御するものであり、この応答遅れは許容できない。また、特定の領域で制御を切り換えることも考えられるが、そもそも運転者の意図により素早い操舵(オーバーシュート)が行われているのか、操舵反力トルク不足によって操舵角のオーバーシュートが発生しているかを判別するのは困難である。また、制御の切り換えは、切り換えタイミング及び復帰タイミングの設定が困難であり、必ずしも有効な手段とは言えない。すなわち、前輪操舵ユニットを利用して操舵角のオーバーシュートを抑制することはできない。 However, as shown in FIG. 11, when normal steering is performed with this correction being performed, the control gain is delayed with respect to the change in the steering angle, and the target actual front wheel turning angle is obtained. I can't. As described above, in the four-wheel active steering system, the optimum yaw rate and lateral acceleration are controlled in accordance with the steering angle of the driver, and this response delay is unacceptable. In addition, it is conceivable to switch control in a specific region, but whether the steering is over quickly due to the driver's intention or whether the steering angle overshoot is caused by insufficient steering reaction torque Is difficult to determine. In addition, it is difficult to set the switching timing and the return timing for switching the control, which is not necessarily an effective means. That is, it is not possible to suppress the overshoot of the steering angle using the front wheel steering unit.
以上の検証結果から、パワーステアリングシステムによりアシストトルクを補正する過渡アシストトルク制御を導入することとした。ここで、過渡アシストトルク制御は、上述したように車両モデルから路面反力を推定しているため、車両モデルが走行状況に応じて変化する4輪アクティブステアシステム搭載車では、前輪実転舵角や後輪舵角を考慮する必要がある。そこで、これら前輪実転舵角や後輪舵角を考慮(理想操舵角推定値算出部312a,仮想補助舵角推定値算出部312b等)し、過渡アシストトルク制御に反映させることで、車両システムに応じた過渡アシストトルク制御を達成している。
From the above verification results, it was decided to introduce transient assist torque control for correcting assist torque by the power steering system. Here, since the transient assist torque control estimates the road surface reaction force from the vehicle model as described above, the front wheel actual turning angle is not used in a vehicle equipped with a four-wheel active steering system in which the vehicle model changes according to the traveling state. And the rear wheel rudder angle must be taken into account. Therefore, the vehicle system is considered by considering these actual front wheel turning angle and rear wheel steering angle (ideal steering angle estimated value calculation unit 312a, virtual auxiliary steering angle estimated
尚、この車両モデルの考慮が成されないときは、やはり正確なスリップ角の推定が行えず、それに伴い路面反力推定も不十分となる。すなわち、単にコンベンショナルな車両に適用する過渡アシストトルク制御を4輪アクティブステアシステム搭載車に適用しても、適正な制御が行えないことを意味している。 In addition, when this vehicle model is not taken into account, the slip angle cannot be estimated accurately, and accordingly, the road surface reaction force estimation becomes insufficient. In other words, even if the transient assist torque control that is simply applied to a conventional vehicle is applied to a vehicle equipped with a four-wheel active steering system, it means that proper control cannot be performed.
図12は高車速時において、実施例1の4輪アクティブステアシステムと過渡アシストトルク制御を備えた車両の車両特性と、過渡アシストトルク制御無しの車両特性とのシミュレーション結果を表すタイムチャートである。その時の操舵トルクに対する操舵角の周波数応答は、図14の実線特性となり、ダンピングが良くなることが分かる。操舵トルクは、ある一定のトルクがステップ入力されるものとし、この操舵トルクの入力に対する車両挙動を示す。 FIG. 12 is a time chart showing simulation results of vehicle characteristics of a vehicle equipped with the four-wheel active steering system and transient assist torque control according to the first embodiment and vehicle characteristics without transient assist torque control at high vehicle speeds. The frequency response of the steering angle with respect to the steering torque at that time becomes the solid line characteristic of FIG. 14, and it can be seen that damping is improved. As the steering torque, a certain constant torque is step-inputted, and the vehicle behavior with respect to the input of the steering torque is shown.
図12に示すように、操舵トルクがステップ入力されると、過渡アシストトルク制御無しの車両にあっては、アシストトルクが若干与えられ、また、路面からの操舵反力トルクが小さいことに起因して操舵角がオーバーシュートする。このオーバーシュートにより、操舵角に応じて目標前後輪舵角を設定する4輪アクティブステアシステムでは、前輪側では操舵角に応じて減算制御が行われ、後輪側では操舵角に応じて同相制御が行われる。このとき、ヨーレイト及び横加速度には、オーバーシュートが発生し、車両の安定性が十分とは言えない。 As shown in FIG. 12, when the steering torque is step-inputted, in a vehicle without transient assist torque control, the assist torque is slightly applied, and the steering reaction force torque from the road surface is small. The steering angle overshoots. In this four-wheel active steering system that sets the target front and rear wheel steering angles according to the steering angle, subtraction control is performed according to the steering angle on the front wheel side, and in-phase control is performed according to the steering angle on the rear wheel side. Is done. At this time, overshoot occurs in the yaw rate and lateral acceleration, and it cannot be said that the stability of the vehicle is sufficient.
これに対し、過渡アシストトルク制御を備えた車両では、操舵トルクのステップ入力が与えられると、路面からの操舵反力トルクが小さいことが演算により分かっており、逆向きのアシストトルクが付与される。すなわち、運転者の操舵トルクをアシストする側ではなく、抵抗を与える側に付与される。これにより、操舵角のオーバーシュートが抑制され、所望のヨーレイト及び横加速度が得られていることが分かる。 On the other hand, in a vehicle having transient assist torque control, it is known by calculation that a steering reaction force torque from the road surface is small when a step input of steering torque is given, and a reverse assist torque is applied. . That is, it is applied not to the side that assists the driver's steering torque but to the side that provides resistance. Thereby, it can be seen that the overshoot of the steering angle is suppressed and the desired yaw rate and lateral acceleration are obtained.
本発明では、操舵トルク入力に対する車両挙動の理想形を実現することを狙いとする。つまり、人間−自動車系を考慮した場合、高速走行時において運転者は主に操舵トルクを入力として車両運動を制御しているといわれており、操舵トルクに対する車両挙動(横加速度やヨーレイト)のゲインを周波数に関係なく力を一定に保つことにより、人間にとって扱い易い車両になるはずである。 The present invention aims to realize an ideal form of vehicle behavior with respect to steering torque input. In other words, in consideration of the human-automobile system, it is said that the driver mainly controls the vehicle motion by inputting the steering torque during high-speed driving, and the gain of the vehicle behavior (lateral acceleration and yaw rate) with respect to the steering torque. By keeping the force constant regardless of the frequency, the vehicle should be easy to handle for humans.
そこで、実際の操舵トルクに対する車両挙動をみると、車両の操舵トルク入力に対する車両挙動の周波数特性は、図9に示すように、高速になると所定周波数におけるダンピングが悪化するという問題がある。 Therefore, looking at the vehicle behavior with respect to the actual steering torque, the frequency characteristic of the vehicle behavior with respect to the steering torque input of the vehicle has a problem that the damping at a predetermined frequency deteriorates at a high speed as shown in FIG.
したがって、実施例1では、過渡的な操舵トルクが検出されたとき、例えば、レーンチェンジを行い操舵トルクが変化した場合に、切り過程(操舵トルクが増加)では操舵トルクの変化方向の略逆側へアシストトルクが発生することで操舵トルクが増加し、戻し過程(操舵トルクが減少)でも操舵トルクの変化方向の略逆側へアシストトルクが発生することで操舵トルクが減少する構成になっているので、同じ車両挙動が発生しても操舵トルク変化が大きくなり、操舵トルクに対する車両挙動のゲインを低下させる。その結果、図13に示すダンピングが改善され、運転者へ違和感を与えることなく、良好な操舵フィーリングが得られる。 Therefore, in the first embodiment, when a transient steering torque is detected, for example, when the lane change is performed and the steering torque is changed, in the turning process (steering torque is increased), the direction of change of the steering torque is substantially opposite. When the assist torque is generated, the steering torque increases, and even in the returning process (the steering torque decreases), the assist torque is generated substantially in the opposite direction of the change direction of the steering torque so that the steering torque decreases. Therefore, even if the same vehicle behavior occurs, the change in the steering torque increases, and the gain of the vehicle behavior with respect to the steering torque is reduced. As a result, the damping shown in FIG. 13 is improved, and a good steering feeling can be obtained without causing the driver to feel uncomfortable.
また、操舵トルクの入力周波数が高くなると、逆アシストトルクの出力を大きくするため、高速走行時におけるレーンチェンジ等の早い操舵に対して、逆方向のアシスト量が多くなり、ステアリングホイールが重くなる。よって、運転者の急操舵を防止でき、車両操舵量に対する車両挙動、すなわち、ステア特性をアンダーステアとすることができるため、車両の走行安定性を向上できる。 Further, when the input frequency of the steering torque is increased, the output of the reverse assist torque is increased, so that the amount of assist in the reverse direction is increased with respect to quick steering such as lane change during high speed traveling, and the steering wheel becomes heavy. Therefore, the driver's sudden steering can be prevented, and the vehicle behavior with respect to the vehicle steering amount, that is, the steering characteristic can be made understeer, so that the running stability of the vehicle can be improved.
このような構成にすることにより、操舵トルク入力に対する操舵角や車両挙動のダンピングが良くなり、周波数に関係なくゲインの上昇を防ぐことができる。 With such a configuration, damping of the steering angle and vehicle behavior with respect to the steering torque input is improved, and an increase in gain can be prevented regardless of the frequency.
〔本願の課題に対する考察2〕
次に、本願のもう一つの課題について説明する。図14は実施例1の過渡アシストトルク制御部312を備えた車両特性と、過渡アシストトルク制御部に実際の車両特性に係わる閉ループ系(操舵角センサ及び各種アクチュエータ駆動量等をフィードバックして過渡アシストトルク制御を行う系)を構成した比較例2の車両特性のシミュレーション結果を表すタイムチャートである。実施例1及び比較例2の両者において、車両モデル内に設定された前輪一輪分のコーナリングパワーCP1の車両モデル設定値(基準値Cp)が、実際の車両特性と一致している場合と、実際の車両特性が車両モデル設定値の基準値Cpより1%小さい場合(すなわち不一致の場合)のシミュレーション結果を示す。操舵トルクは、ある一定のトルクがステップ入力されるものとし、この操舵トルクの入力に対する車両挙動を示す。
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Next, another problem of the present application will be described. FIG. 14 shows a vehicle characteristic including the transient assist
(比較例2のシミュレーション結果について)
図14に示すように、操舵トルクがステップ入力されると、車両モデルが一致しているときには、操舵角がある値に収束し、安定な状態となる。これに対し、車両モデルが不一致の場合は、アシストトルクの加算側への発散により操舵角、前輪補助舵角、後輪補助舵角、ヨーレイト及び横加速度の全てにおいて発散している。
(Regarding the simulation result of Comparative Example 2)
As shown in FIG. 14, when the steering torque is step-inputted, when the vehicle models match, the steering angle converges to a certain value and becomes stable. On the other hand, when the vehicle models do not match, the steering torque, the front wheel auxiliary rudder angle, the rear wheel auxiliary rudder angle, the yaw rate, and the lateral acceleration diverge due to the divergence to the assist torque addition side.
すなわち、比較例2のように閉ループ系を備えた場合には、まず、操舵角が検出され、操舵反力トルクの推定が行われ、実車両と車両モデルが不一致の場合は、操舵反力トルク推定値が実際の車両特性よりも大きく算出される。この場合、過渡アシストトルクは操舵反力トルク推定値に打ち勝つように算出されるため、アシストトルク過多となり、操舵を助長する、すなわち操舵角が大きくなる。すると、その大きくなった操舵角に基づいて上記演算が再度行われると、操舵反力トルクは常に小さめに推定されるため、操舵角が発散してしまう。一般に、フィードバック制御では、例えば舵角を制御するときに、舵角を検知する閉ループを作るため、収束性がよい。しかしながら、比較例2のフィードバック制御は、制御対象がトルクであるのに対し、舵角をフィードバックしており、トルクから舵角に変換する車両モデルがずれると発散する虞があった。 That is, when a closed loop system is provided as in Comparative Example 2, first, the steering angle is detected, and the steering reaction torque is estimated. If the actual vehicle and the vehicle model do not match, the steering reaction torque is The estimated value is calculated larger than the actual vehicle characteristics. In this case, since the transient assist torque is calculated so as to overcome the estimated steering reaction torque, the assist torque is excessive, and the steering is promoted, that is, the steering angle is increased. Then, when the above calculation is performed again based on the increased steering angle, the steering reaction torque is always estimated to be small, and the steering angle diverges. In general, in feedback control, for example, when the steering angle is controlled, a closed loop for detecting the steering angle is created, so that convergence is good. However, in the feedback control of the comparative example 2, the control target is torque, but the steering angle is fed back, and if the vehicle model for converting the torque to the steering angle is deviated, there is a risk of divergence.
(実施例1のシミュレーション結果について)
図14に示すように、操舵トルクがステップ入力されると、車両モデルが一致しているときには、操舵角がある値に収束し、安定な状態となる。一方、車両モデルが不一致の場合は、基本的に過渡アシストトルク制御に必要な値を全て推定しているため、車両モデルが1%ずれたとしても、単に過渡アシストトルクが1%小さくなるだけである。
(About the simulation result of Example 1)
As shown in FIG. 14, when the steering torque is step-inputted, when the vehicle models match, the steering angle converges to a certain value and becomes stable. On the other hand, if the vehicle models do not match, basically all the values necessary for the transient assist torque control are estimated, so even if the vehicle model deviates by 1%, the transient assist torque is simply reduced by 1%. is there.
すなわち、実施例1の場合には、まず、操舵トルクが検出され、この操舵トルクから理想操舵角を算出し、この理想操舵角から仮想補助舵角推定値を算出し、この仮想補助舵角推定値から操舵反力トルクの推定が行われ、実車両と車両モデルが不一致の場合は、操舵反力トルク推定値が実際の車両特性よりも大きく算出される。この場合、過渡アシストトルクは操舵反力トルク推定値に打ち勝つように算出されるため、アシストトルク過多となり、操舵を助長する、すなわち操舵角が大きくなる。しかしながら、次の過渡アシストトルク制御の演算周期では、やはり操舵トルクから算出された理想操舵角を用いているため、その大きくなった操舵角が過渡アシストトルク制御に反映されることはない。よって、車両モデルにずれがあったとしても、制御対象をトルクとして操舵トルクを用いて制御しているため、操舵角に影響を与えることなく安定した操舵トルク-操舵角特性を得ることができることが分かる。 That is, in the case of the first embodiment, first, the steering torque is detected, the ideal steering angle is calculated from the steering torque, the virtual auxiliary steering angle estimated value is calculated from the ideal steering angle, and the virtual auxiliary steering angle estimation is performed. If the actual vehicle and the vehicle model do not match, the steering reaction force torque is estimated to be larger than the actual vehicle characteristic. In this case, since the transient assist torque is calculated so as to overcome the estimated steering reaction torque, the assist torque is excessive, and the steering is promoted, that is, the steering angle is increased. However, since the ideal steering angle calculated from the steering torque is also used in the calculation cycle of the next transient assist torque control, the increased steering angle is not reflected in the transient assist torque control. Therefore, even if there is a deviation in the vehicle model, since the control target is controlled using the steering torque as the torque, a stable steering torque-steering angle characteristic can be obtained without affecting the steering angle. I understand.
以上説明したように、実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。 As described above, in the vehicle steering control apparatus according to the first embodiment, the following effects can be obtained.
(1)操舵トルクに応じた理想操舵角を算出する理想操舵角推定値算出部312aと、この理想操舵角と車両モデルを用いて操向輪に作用する操舵反力トルクを推定する操舵反力トルク推定値算出部312cと、運転者の操舵トルクに対する操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど操舵角が小さくなる目標特性を設定する目標特性算出部312eと、操舵反力トルクと操舵トルクに基づいて、操舵トルクに対する操舵角の特性が、目標特性となるように、アシストトルクを制御する過渡アシストトルク制御部312とを備えた。よって、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなるようにアシストトルクが付与されるため、操舵角のオーバーシュート等を回避することが可能となり、車両挙動の安定化を図ることができる。また、アシストトルクが操舵トルクと理想操舵角に基づいて制御されるため、過渡アシストトルク制御部312は、実際の車両特性に係わる閉ループ系を構成することがない。よって、操舵角に基づく実際の車両特性と過渡アシストトルク制御における車両モデル特性とがずれたとしても、このずれがアクティブステアシステムに影響を与えることがなく、制御系の発散を防止することができる。
(1) An ideal steering angle estimated value calculation unit 312a that calculates an ideal steering angle according to the steering torque, and a steering reaction force that estimates the steering reaction force torque acting on the steered wheels using the ideal steering angle and the vehicle model. A torque estimation
(2)理想操舵角に基づいて前輪及び/又は後輪の仮想補助舵角を算出する仮想補助舵角推定値算出部312bを設け、操舵反力トルク推定値算出部312cは、仮想補助舵角及び車両モデルに基づいて操向輪に作用する操舵反力トルクを推定した。よって、実際に4輪アクティブステアシステムによって車両に与えられている補助舵角を用いることなく、より正確に車両モデルを設定することができる。
(2) A virtual auxiliary steering angle estimated
(3)理想操舵角推定値算出部312aは、目標特性算出部312eにおいて用いる目標特性Ref(s)と操舵トルクに基づいて理想操舵角を算出した。よって、理想操舵角推定値算出用のロジックを別途設けることなく、理想操舵角を算出することができる。また、目標特性算出部312eと同じロジックに基づいて算出することで、得ようとする特性と理想とする特性とが一致し、より安定した過渡アシストトルクを付与することができる。
(3) The ideal steering angle estimated value calculation unit 312a calculates the ideal steering angle based on the target characteristic Ref (s) and the steering torque used in the target
(4)実施例1では、過渡アシストトルク制御部312内に目標値演算部504と同じ制御ロジックを搭載し、その制御ロジックに基づいて仮想補助舵角推定値を算出したが、この構成に限らず、この目標値演算部504を、過渡アシストトルク制御部312と共用してもよい。具体的には、理想操舵角が算出された後、この理想操舵角を目標値演算部504に出力し、その出力結果を操舵反力トルク推定値算出部312cに受け取るように構成してもよい。これにより、過渡アシストトルク制御部312内のロジックを軽減することができる。
(4) In the first embodiment, the same control logic as the target
次に、実施例2について説明する。図15はリアアクティブステアシステムとパワーステアリングシステムを搭載した車両の全体構成を表すシステム図である。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。 Next, Example 2 will be described. FIG. 15 is a system diagram showing the overall configuration of a vehicle equipped with a rear active steering system and a power steering system. Since the basic configuration is the same as that of the first embodiment, only different points will be described.
リアアクティブステアシステムでは、運転者の操舵角及び車速に応じて、前輪の操舵角に対し、同相制御もしくは逆相制御を行うことで車両のヨーレイトもしくは横加速度を制御するものである。ここで、制御対象としては、実施例1の場合は前輪と後輪であったのに対し、実施例2では後輪のみであるため、目標後輪舵角の算出に際しては、ヨーレイトベースの目標値生成制御もしくは横加速度ベースの目標値生成制御ロジックが搭載される。 In the rear active steering system, the yaw rate or lateral acceleration of the vehicle is controlled by performing in-phase control or reverse-phase control on the steering angle of the front wheels according to the steering angle and vehicle speed of the driver. Here, the control target is the front wheel and the rear wheel in the first embodiment, but only the rear wheel in the second embodiment. Therefore, in calculating the target rear wheel steering angle, the yaw rate-based target is calculated. Value generation control or lateral acceleration based target value generation control logic is installed.
具体的には、低車速領域においては、逆相制御を行うことで、車両の回頭性確保、即ちヨーレイトを積極的に発生させる。中車速領域においては、初期応答性確保のため一瞬だけ逆相制御を行い、その後適宜同相制御を行うことで、回頭性を確保しつつ車両安定性を確保する。高車速領域においては、同相制御を行うことで、車両の安定性重視、即ちヨーレイトを抑制する。尚、低速領域、中速領域、高速領域の制御を全て行うシステムとしてもよいし、選択的に制御を行うシステムとしてもよく特に限定しない。 Specifically, in the low vehicle speed region, the reverse phase control is performed to positively generate the turning ability of the vehicle, that is, the yaw rate. In the middle vehicle speed region, the reverse phase control is performed for a moment to ensure the initial response, and then the in-phase control is appropriately performed, thereby ensuring the vehicle stability while ensuring the turnability. In the high vehicle speed region, the stability of the vehicle, that is, yaw rate is suppressed by performing in-phase control. The system may be a system that controls all of the low speed region, the medium speed region, and the high speed region, or may be a system that performs selective control, and is not particularly limited.
〔過渡アシストトルク制御部の構成〕
次に、過渡アシストトルク制御部の構成について、実施例1と異なる点について説明する。
[Configuration of transient assist torque controller]
Next, differences between the transient assist torque control unit and the first embodiment will be described.
ドライバ入力トルクTdr(s)はパワーステアリングシステムが有するトルクセンサ2を用いることによって検知でき、k×Strg(s)は操舵系各部品のイナーシャ、マス・ダンピングなどの諸元によって算出することが可能である。
Driver input torque Tdr (s) can be detected by using the
次に、目標前輪舵角特性Ref(s)を制御系で一般的な(0次/2次)伝達関数で規定すると、下記式(2-1)により表される。
(式2-1)
Ref(s)=(Gain×ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2)
ζ:目標減衰係数
ωn:目標固有振動数
Gain:操舵トルク−前輪実舵角の実特性定常ゲイン
である。
Next, when the target front wheel steering angle characteristic Ref (s) is defined by a general (0th / secondary) transfer function in the control system, it is expressed by the following equation (2-1).
(Formula 2-1)
Ref (s) = (Gain × ω n 2 ) / (s 2 + 2ζω n s + ω n 2 )
ζ: target damping coefficient ω n : target natural frequency
Gain: Steering torque minus actual characteristic steady gain of front wheel actual steering angle.
ζ・ωnは車両により任意に適した値に設定することが可能であり、Gainは実特性算出部312dにおいて、車両モデルを基に、以下の式(3-1)により表される。
(式3-1)
Gain[rad/Nm]=k[1/m]/(Gain_betaf_4WAS・Gain_Frk)
Gain_betaf_RAS:単位操舵角あたりの前輪スリップ角ゲイン
Gain_Frk :単位前輪スリップ角あたりのラック反力ゲイン[N/rad]
である。
ζ · ωn can be arbitrarily set to a value appropriate for the vehicle, and Gain is expressed by the following equation (3-1) in the actual
(Formula 3-1)
Gain [rad / Nm] = k [1 / m] / (Gain _betaf_4WAS・ Gain _Frk )
Gain _betaf_RAS : Front wheel slip angle gain per unit steering angle
Gain _Frk : Rack reaction force gain per unit front wheel slip angle [N / rad]
It is.
Gain_Frkは車速に対する依存性がなく車両諸元により求まり、下記式(4-1)により表される。
(式4-1)
Gain_Frk=((CP1[N/rad]×CT[m])/(NAL[m]×NAL効率))×2(2輪分)×SAT係数
CP1:前輪一輪分のコーナリングパワー
CT:キャスタートレール
NAL:ナックルアーム長
NAL効率:ナックルアームリンク効率
SAT係数:セルフアライニングトルク係数
である。
Gain_Frk is not dependent on the vehicle speed and is determined by vehicle specifications and is expressed by the following equation (4-1).
(Formula 4-1)
Gain_Frk = ((CP1 [N / rad] x CT [m]) / (NAL [m] x NAL efficiency)) x 2 (for 2 wheels) x SAT coefficient
CP1: Cornering power for one front wheel
CT: Caster rail
NAL: Knuckle arm length
NAL efficiency: knuckle arm link efficiency
SAT coefficient: Self-aligning torque coefficient.
Gain_betaf_RASは下記式(5-1)により表される。
(式5-1)
Gain_betaf_RAS={1/N}−A
A=(Lf/Vx)・(Gain_yaw_front+Ratio_RAS×Gain_yaw_rear)
+(1/Vx)・(Gain_Vy_front+Ratio_RAS×Gain_Vy_rear)
Gain_yaw_front:単位操舵角ヨーレイトゲイン
Gain_yaw_rear:単位後輪舵角ヨーレイトゲイン
Gain_Vy_front:単位操舵角横速度ゲイン
Gain_Vy_rear:単位後輪舵角横速度ゲイン
Ratio_RAS:単位操舵角あたり後輪舵角
Lf:車両重心と前車軸間の距離
Vx:車速
である。
Gain_betaf_RAS is expressed by the following equation (5-1).
(Formula 5-1)
Gain _betaf_RAS = {1 / N} −A
A = (Lf / Vx) ・ (Gain _yaw_front + Ratio _RAS × Gain _yaw_rear )
+ (1 / Vx) ・ (Gain _Vy_front + Ratio _RAS × Gain _Vy_rear )
Gain _yaw_front : Unit steering angle yaw rate gain
Gain _yaw_rear : Unit rear wheel rudder angle yaw rate gain
Gain _Vy_front : Unit steering angle lateral speed gain
Gain _Vy_rear : Unit rear wheel rudder angle lateral speed gain
Ratio _RAS : Rear wheel rudder angle per unit steering angle
Lf: Distance between vehicle center of gravity and front axle
Vx: Vehicle speed.
Ratio_RASは車速毎のリアアクティブステア制御によって決定される値であり、図16のRatio_RASと車速の関係を表すマップに示すように、車速に対応したマップとして予め保持しておいてもよいし、後輪コントローラ5から通信によりRatio_RASを得るようにしてもよく、特に限定しない。また、前後輪舵角に対するヨーレイトゲインや横速度ゲインは、車両特性と車速により2輪モデルを用いて決定される特性である。よって、式(3-1)のGainは定数もしくは車速依存式により構成されることから、Gain自体を図17のGainと車速の関係を表すマップに示すように、実特性算出部312dに車速依存マップとして保有しておいても良い。
Ratio_RAS is a value determined by the rear active steering control for each vehicle speed, and may be stored in advance as a map corresponding to the vehicle speed as shown in the map showing the relationship between Ratio_RAS and vehicle speed in FIG. The Ratio_RAS may be obtained from the
理想操舵角推定値算出部312aでは、入力された操舵トルクに基づいて、目標前輪舵角特性Ref(s)により理想操舵角を算出する。 The ideal steering angle estimated value calculation unit 312a calculates the ideal steering angle based on the target front wheel steering angle characteristic Ref (s) based on the input steering torque.
仮想補助舵角推定値算出部312bでは、理想操舵角に基づいて、上述したリアアクティブステアシステムの制御ロジックを用いて仮想補助舵角推定値を算出する。
The virtual auxiliary rudder angle estimated
操舵反力トルク推定値算出部312cでは、リアアクティブステア制御を行うことを考慮した2輪モデルにおいて、仮想補助舵角推定値算出部312bにより算出された後輪補助舵角を用いることで、前輪スリップ角を推定し、前輪スリップ角と操舵反力トルクが略比例関係にあることから操舵反力トルク推定値Trk(s)を算出する。
The steering reaction force torque estimated
実特性算出部312dで求められたGainを基に、目標特性算出部312eにおいて式(1)の計算を行い、必要な過渡アシストトルクを求めることが可能となる。この求められた過渡アシストトルクに通常の定常トルクを加えたトルクがパワーステアリングシステムによって補償すべきトルクとなる。
Based on the gain obtained by the actual
図19は、高車速時において、実施例2に対応するリアアクティブステア制御と過渡アシストトルク制御を備えた車両の車両特性と、比較例3として過渡アシストトルク制御無しのリアアクティブステア制御を備えた車両の車両特性と、比較例4として過渡アシストトルク制御とリアアクティブステア制御を車両モデルの補正を行わず単に組み合わせた車両の車両特性とのシミュレーション結果を表すタイムチャートである。操舵トルクは、ある一定のトルクがステップ入力されたものとし、この操舵トルクの入力に対する車両挙動を示す。尚、比較例3,4のリアアクティブステア制御においては、車両モデルを考慮しないRatio_RAS *として図17に示す特性を用いた。 FIG. 19 shows vehicle characteristics of a vehicle having rear active steering control and transient assist torque control corresponding to Example 2 at high vehicle speeds, and rear active steering control without transient assist torque control as Comparative Example 3. 10 is a time chart showing simulation results of vehicle characteristics of a vehicle and vehicle characteristics of a vehicle that is simply a combination of transient assist torque control and rear active steering control as Comparative Example 4 without correcting the vehicle model. As for the steering torque, it is assumed that a certain torque is step-inputted, and shows the vehicle behavior with respect to the input of the steering torque. In the rear active steering control of Comparative Examples 3 and 4, the characteristics shown in FIG. 17 are used as Ratio_RAS * that does not consider the vehicle model.
図19に示すように、操舵トルクがステップ入力されると、比較例3にあっては、アシストトルクが若干与えられ、また、路面からの操舵反力トルクが小さいことに起因して操舵角がオーバーシュートする。このオーバーシュートにより、操舵角に応じて目標後輪舵角を設定するリアアクティブステアシステムでは、後輪側で操舵角に応じて同相制御が行われる。このとき、リアアクティブステア制御により操舵角に応じて後輪舵角が発生するものの、前輪側においてオーバーシュートした操舵角によって、ヨーレイト及び横加速度には、オーバーシュートが発生し、車両の安定性が十分とは言えない。 As shown in FIG. 19, when the steering torque is step-inputted, in Comparative Example 3, the assist torque is slightly applied, and the steering angle is reduced due to the small steering reaction torque from the road surface. Overshoot. In the rear active steering system in which the target rear wheel steering angle is set according to the steering angle by this overshoot, in-phase control is performed on the rear wheel side according to the steering angle. At this time, although the rear wheel steering angle is generated according to the steering angle by the rear active steering control, overshoot occurs in the yaw rate and the lateral acceleration due to the steering angle overshooted on the front wheel side, and the stability of the vehicle is reduced. That's not enough.
また、比較例4にあっては、過渡アシストトルク制御を行う場合にリアアクティブステア制御を考慮しないため、実際にはリアアクティブステア制御によってスリップ角の発生が抑制されているものの、操舵角に応じたスリップ角が発生していると誤認識し、過渡アシストトルクとして過大な反力が与えられる。よって、操舵角の発生が過剰に抑制され、逆にヨーレイト及び横加速度が不十分となり、運転者の意図と異なる車両挙動となる虞がある。 Further, in Comparative Example 4, since the rear active steering control is not considered when performing the transient assist torque control, the generation of the slip angle is actually suppressed by the rear active steering control, but depending on the steering angle. It is mistakenly recognized that a slip angle has occurred, and an excessive reaction force is given as a transient assist torque. Therefore, the generation of the steering angle is excessively suppressed, and conversely, the yaw rate and the lateral acceleration are insufficient, which may cause a vehicle behavior different from the driver's intention.
これに対し、実施例2の車両では、操舵トルクのステップ入力が与えられると、路面からの操舵反力トルクが小さいことが演算により分かっており、また、リアアクティブステア制御の影響によって、発生するスリップ角が小さめに発生することが適正に推定できる。よって、このスリップ角に応じた逆向きのアシストトルクが付与される。すなわち、運転者の操舵トルクをアシストする側ではなく、適度に抵抗を与える側に付与される。これにより、操舵角のオーバーシュートが抑制され、所望のヨーレイト及び横加速度が得られていることが分かる。 On the other hand, in the vehicle of the second embodiment, when a step input of the steering torque is given, it is known by calculation that the steering reaction torque from the road surface is small, and is generated due to the influence of the rear active steering control. It can be appropriately estimated that the slip angle is generated to be small. Therefore, reverse assist torque according to the slip angle is applied. That is, it is applied not to the side that assists the driver's steering torque but to the side that provides moderate resistance. Thereby, it can be seen that the overshoot of the steering angle is suppressed and the desired yaw rate and lateral acceleration are obtained.
また、実施例2においても、実施例1と同様に、車両モデルの車両特性が実際の車両特性とずれた場合であって、実施例1で説明したのと同じ論理によって操舵角の発散を防止できるのは言うまでもない。 Further, in the second embodiment, similarly to the first embodiment, when the vehicle characteristics of the vehicle model deviate from the actual vehicle characteristics, divergence of the steering angle is prevented by the same logic as described in the first embodiment. Needless to say, you can.
1 車速センサ
2 トルクセンサ
3 アシストコントローラ
4 前輪コントローラ
5 後輪コントローラ
7 操舵角センサ
30 パワーステアリングユニット
31 パワーモータ
40 前輪操舵ユニット
50 後輪操舵ユニット
1
Claims (5)
操舵トルクに応じた理想操舵角を算出する理想操舵角推定値算出手段と、
操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなる目標特性を設定する目標特性設定手段と、
前記操舵トルクと前記理想操舵角に基づいて、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、前記目標特性となるように、前記アシストトルクを制御する過渡アシストトルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操舵制御装置。 In a vehicle steering control device including power steering means for applying assist torque based on a steering torque of a driver,
An ideal steering angle estimated value calculating means for calculating an ideal steering angle according to the steering torque;
A target characteristic setting means for setting a target characteristic in which the characteristic of the vehicle behavior or the steering angle with respect to the steering torque decreases as the frequency of the steering torque increases;
Based on the steering torque and the ideal steering angle, transient assist torque control means for controlling the assist torque so that a vehicle behavior or a characteristic of the steering angle with respect to the steering torque becomes the target characteristic;
A vehicle steering control device comprising:
前輪及び又は後輪補助舵角を付与するアクティブステア手段と、
前記理想操舵角に基づいて前輪及び/又は後輪の仮想補助舵角を算出する仮想補助舵角算出手段と、
を設け、
前記過渡アシストトルク制御手段は、前記仮想補助舵角に基づいて過渡アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 The vehicle steering control device according to claim 1,
Active steering means for providing front and / or rear wheel auxiliary steering angles;
Virtual auxiliary rudder angle calculating means for calculating a virtual auxiliary rudder angle of front wheels and / or rear wheels based on the ideal steering angle;
Provided,
The vehicle steering control device, wherein the transient assist torque control means controls a transient assist torque based on the virtual auxiliary steering angle.
前記理想操舵角推定値算出手段は、前記目標特性算出手段の目標特性と操舵トルクに基づいて理想操舵角を算出することを特徴とする車両用操舵制御装置。 The vehicle steering control device according to claim 1 or 2,
The ideal steering angle estimated value calculating means calculates an ideal steering angle based on the target characteristic and steering torque of the target characteristic calculating means.
前記アクティブステア手段は、運転者の操舵角に応じてフィードフォワード制御により所望の車両特性を得るように補助舵角を算出する算出部を有し、
前記仮想補助舵角算出手段は、前記算出部と共用したことを特徴とする車両用操舵制御装置。 The vehicle steering control device according to claim 2 or 3,
The active steering means includes a calculation unit that calculates an auxiliary steering angle so as to obtain a desired vehicle characteristic by feedforward control according to a steering angle of a driver,
The virtual auxiliary steering angle calculation means is used in common with the calculation unit.
を備えた車両用操舵制御方法において、
操舵トルクに応じた理想操舵角を算出し、この理想操舵角と操舵トルクに基づいて、操舵トルクに対する車両挙動または操舵角の特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなるように、前記アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御方法。
Power steering means for applying assist torque based on the steering torque of the driver;
In a vehicle steering control method comprising:
An ideal steering angle corresponding to the steering torque is calculated, and based on the ideal steering angle and the steering torque, the assist torque is such that the vehicle behavior or the characteristic of the steering angle with respect to the steering torque becomes smaller as the frequency of the steering torque becomes higher. The vehicle steering control method characterized by controlling.
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