JP2007000747A - 水中の窒素化合物の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 これまでの生分解性プラスチックに匹敵するか、または更に効果的に水中から窒素化合物を除去することができ、しかも価格面ではより有利である水中の窒素化合物の除去方法を提供する。
【解決手段】 窒素化合物を過剰に含む水中の窒素化合物を微生物による脱窒作用により窒素に還元することにより除去する水中の窒素化合物の除去方法である。穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤を微生物の栄養源として供給する。
【選択図】 なし
【解決手段】 窒素化合物を過剰に含む水中の窒素化合物を微生物による脱窒作用により窒素に還元することにより除去する水中の窒素化合物の除去方法である。穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤を微生物の栄養源として供給する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、河川、湖沼、地下水、湧水、下水処理場からの放流水中の過剰な硝酸塩などに由来する窒素化合物を微生物による脱窒作用により窒素に還元することにより効果的に除去する水中の窒素化合物の除去方法に関する。
河川、湖沼、地下水、湧水、下水処理場からの放流水等が過剰な硝酸塩などに由来する窒素化合物で汚染された水中の当該窒素化合物は、リンとともに富栄養化の原因となり、また、多量の窒素化合物を含む土壌は、地下水や周辺水環境への硝酸塩汚染の原因となることなどから、今日、水中から窒素化合物を効率的に除去することは重要な課題となっている。
水中からの窒素化合物の除去法としては、物理化学的方法と生物学的方法とがあるが、コストや2次処理の面から後者が一般的に用いられている。かかる生物学的方法は、下記反応式に従う微生物(脱窒菌)による生物学的脱窒反応を利用するものである。
6NO3 -+5CH3OH→3N2+5CO2+7H2O+6OH-(脱窒)
6NO3 -+5CH3OH→3N2+5CO2+7H2O+6OH-(脱窒)
脱窒菌は自らも生存、繁殖していくために栄養源となる有機系炭素が必要であり、通常はメタノールや酢酸のような低分子有機化合物が使われている。しかし、これら低分子有機化合物を処理槽中に均一に混合、分散させるためには化学当量の約3倍もの量を必要とし、しかも未反応の余剰のメタノールや酢酸が環境問題となっていた。
このような問題を克服する手段として、固形有機物を用いるいわゆる固相脱窒法が知られており、固形担体として生分解性ポリカプロラクトン(以下「PCL」と略記する)等の生分解性プラスチックを添加する廃水処理方法がいくつか報告されている(特許文献1−5)。
特開2004−209364号公報
特開2004−136182号公報
特開2001−96130号公報
特開平10−165733号公報
特公平7−110359号公報
微生物による水中の窒素化合物の除去処理において、PCLの使用により、水中に過剰に存在する窒素化合物を効果的に除去することができるようになったが、より一層効果的な除去方法はなお望まれており、また、PCLの単独使用の場合は価格面で難点があることから、低価格化も望まれている。
そこで本発明の目的は、これまでの生分解性プラスチックに匹敵するか、または更に効果的に水中から窒素化合物を除去することができ、しかも価格面ではより有利である水中の窒素化合物の除去方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の植物材料から調製される処理剤を微生物の栄養源として利用することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水中の窒素化合物の除去方法は、窒素化合物を過剰に含む水中の該窒素化合物を微生物による脱窒作用により窒素に還元することにより除去する水中の窒素化合物の除去方法において、
穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤を前記微生物の栄養源として供給することを特徴とするものである。
穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤を前記微生物の栄養源として供給することを特徴とするものである。
本発明によれば、これまでの生分解性プラスチックによる処理に匹敵するか、または更に効果的に水中から窒素化合物を除去することができ、しかも価格面ではより有利である水中の窒素化合物の除去方法を実現することができる。また、水中の過剰窒素の除去に加え、農産廃棄物の処理も同時に行うことが可能であり、環境問題の解決への貢献は大である。
以下、本発明の実施の形態につき具体的に説明する。
本発明は、河川、湖沼、地下水、湧水、下水処理場からの放流水等が過剰な硝酸塩などに由来する窒素化合物で汚染された水の処理に好適に適用することができる。本発明において使用する処理剤の形態は特に制限されるものではないが、処理効率や取り扱い易さの観点から、好ましくは固形状またはゲル状に調製されたものとする。また、その形状も特に制限されるべきものではなく、処理槽の型や処理量に応じて粒状、プレート状、板状、棒状または網目状とすることができる。
本発明は、河川、湖沼、地下水、湧水、下水処理場からの放流水等が過剰な硝酸塩などに由来する窒素化合物で汚染された水の処理に好適に適用することができる。本発明において使用する処理剤の形態は特に制限されるものではないが、処理効率や取り扱い易さの観点から、好ましくは固形状またはゲル状に調製されたものとする。また、その形状も特に制限されるべきものではなく、処理槽の型や処理量に応じて粒状、プレート状、板状、棒状または網目状とすることができる。
本発明者は、穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤が所期の効果を奏し得ることを初めて見出したものである。穀物原料から調整されるされる処理剤としては古米粉またはコーン粉を、また芋類原料から調製される処理剤としてはこんにゃくまたはこんにゃくのとび粉を、更に木材原料から調製される処理剤としては、古新聞や使用済み牛乳パック等の紙またはパルプを、それぞれ好適に挙げることができる。
また、本発明者は、かかる処理剤が生分解性プラスチックと複合体を形成しているときに、より優れた窒素除去効果が得られることを突き止めた。生分解性プラスチックは、その効果の面から、好ましくは生分解性ポリエステル、特に好ましくはPCLである。なお、複合体の形態としては特に制限されるものではないが、上記処理剤が生分解性プラスチックに固定化されていることが当該処理剤の流出を防ぐ観点等から好ましい。特に処理剤が紙やパルプの場合、これら単独の使用のときはバラケてしまうので、生分解性プラスチックで固定化しておくことが特に好ましい。処理剤と生分解性プラスチックとの配合割合は処理すべき水や処理量に応じて適宜定めればよいが、処理効率およびコストの面から、好ましくはほぼ同量とする。
本発明においては、処理すべき水を前記処理剤が浸漬されている反応槽に連続的に導入することにより、効率よく水中の窒素を除去することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
(供試水の作製)
窒素成分を過剰に含む供試水として以下の組成および濃度(mg/L)の窒素源および栄養源を含む水溶液を調製した。
窒素源:NaNO3(402mg/L)
(全窒素濃度(TN)に換算すると66.3mg/Lに相当する)
栄養源:NaCl(100mg/L)
CaCl2・2H2O(50mg/L)
MgSO4・7H2O(50mg/L)
KH2PO4(50mg/L)
EDTA−Fe(6mg/L)
なお、窒素濃度は微生物の窒素除去能を知る目的で、零次反応(基質濃度に無関係である)になるように高めに設定した。
(供試水の作製)
窒素成分を過剰に含む供試水として以下の組成および濃度(mg/L)の窒素源および栄養源を含む水溶液を調製した。
窒素源:NaNO3(402mg/L)
(全窒素濃度(TN)に換算すると66.3mg/Lに相当する)
栄養源:NaCl(100mg/L)
CaCl2・2H2O(50mg/L)
MgSO4・7H2O(50mg/L)
KH2PO4(50mg/L)
EDTA−Fe(6mg/L)
なお、窒素濃度は微生物の窒素除去能を知る目的で、零次反応(基質濃度に無関係である)になるように高めに設定した。
実施例1
2Lのプラスチック製細口試薬ビンに、調製した上記供試水2Lと脱窒菌培養液30mLを入れ、均一に撹拌した後、約40mm×40mm×4mm大に裁断した市販食用こんにゃく(約100g)を入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して、脱窒反応を行った。
2Lのプラスチック製細口試薬ビンに、調製した上記供試水2Lと脱窒菌培養液30mLを入れ、均一に撹拌した後、約40mm×40mm×4mm大に裁断した市販食用こんにゃく(約100g)を入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して、脱窒反応を行った。
参考例1
また、上記市販食用こんにゃくの代わりに、50mm×50mm大に裁断した晒し木綿布(約10g)を用いた以外は実施例1と同様にして、脱窒反応を行った。
また、上記市販食用こんにゃくの代わりに、50mm×50mm大に裁断した晒し木綿布(約10g)を用いた以外は実施例1と同様にして、脱窒反応を行った。
(供試水中の窒素の定量)
反応液を採取、ろ過した後、水中の窒素濃度をブラン・ルーべ(株)製オートアナライザー(登録商標:TRAACS)を用いて測定した。なお、窒素成分としてNO3 -、NO2 -およびNH4 +が測定されるが、NO2 -とNH4 +はいずれも1.0mg/L以下の微量なため、全窒素濃度(TN)の主成分はNO3 -と考えられる。以下の実施例および参考例でも同様の定量法を用いた。
反応液を採取、ろ過した後、水中の窒素濃度をブラン・ルーべ(株)製オートアナライザー(登録商標:TRAACS)を用いて測定した。なお、窒素成分としてNO3 -、NO2 -およびNH4 +が測定されるが、NO2 -とNH4 +はいずれも1.0mg/L以下の微量なため、全窒素濃度(TN)の主成分はNO3 -と考えられる。以下の実施例および参考例でも同様の定量法を用いた。
下記の表1および図1に、実施例1および参考例1の供試水の反応前から1週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表1および図1から明らかなように、こんにゃく添加系である実施例1では、1週間反応後の水中の全窒素濃度(TN)は66.36mg/Lから0.69mg/Lにまで激減し、市販のこんにゃくは水中の窒素を効果的に除去する作用のあることが認められた。一方、晒し木綿布添加系である参考例1では、1週間反応後の窒素濃度は53.72mg/Lとなり、脱窒素効果が若干あるものの、その効果は少ないことが判明した。
なお、こんにゃく添加系の実施例1では、反応途中で多量の気泡(CO2とN2ガス)が発生したことからも、脱窒反応が容易に起こることが分かった。一方、晒し木綿布添加系の参考例1では気泡の発生はごく僅かであった。
実施例2〜4
種々の供試処理剤による供試水中の窒素除去能を評価した。
2Lのプラスチック製細口試薬ビンに、調製した上記供試水2Lと脱窒菌培養液30mLを入れ、均一に撹拌した後、夫々以下のようにして調製した供試処理剤30gを入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。
種々の供試処理剤による供試水中の窒素除去能を評価した。
2Lのプラスチック製細口試薬ビンに、調製した上記供試水2Lと脱窒菌培養液30mLを入れ、均一に撹拌した後、夫々以下のようにして調製した供試処理剤30gを入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。
実施例2では、供試処理剤としてこんにゃくゲルを作製した。先ず、通常のこんにゃく粉3gを水道水約100mLに分散し、均質なペースト状にした。その後、水酸化カルシウム150mgを約15mLの水道水に分散させ、ペーストに加え、よく混合した。これを容器ごと湯煎中で加温してゲル状のこんにゃくを作製した。
実施例3では、供試処理剤としてとび粉と通常のこんにゃくとの混合ゲルを作製した。先ず、通常のこんにゃく粉1.5gとこんにゃく作製時の副生物であるとび粉1.5gを水道水約100mLに分散し、均質なペースト状にした。その後、水酸化カルシウム150mgを約15mLの水道水に分散させ、ペーストに加え、よく混合した。これを容器ごと湯煎中で加温してゲル状のこんにゃくを作製した。
実施例4では、供試処理剤として市販の缶詰状のコーンをそのまま使用した。下記の表2および図2に、実施例2〜4の供試水の反応前から1週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表2および図2から明らかなように、供試水中の全窒素濃度は、こんにゃく単独である実施例2およびこんにゃくにとび粉を混入した実施例3では効果的に低減させることができた。また、コーンを投入した実施例4は、その効果は実施例2および実施例3に比べ劣るものの、窒素を有意に除去することはできた。
参考例2
PCLによる天然の湧水中の窒素除去能を評価した。
予め培養した脱窒菌培養液(30mL)と天然湧水2Lを2Lのポリ瓶に入れ、均一に撹拌した後、ビーズ状のPCL(20g)を入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。窒素濃度の測定は実施例1と同様にして行った。下記の表3および図3に、参考例2における天然湧水の反応前から10日間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
PCLによる天然の湧水中の窒素除去能を評価した。
予め培養した脱窒菌培養液(30mL)と天然湧水2Lを2Lのポリ瓶に入れ、均一に撹拌した後、ビーズ状のPCL(20g)を入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。窒素濃度の測定は実施例1と同様にして行った。下記の表3および図3に、参考例2における天然湧水の反応前から10日間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表3および図3から明らかなように、生分解性ポリカプロラクトンPCLを投入した参考例2では、天然である湧水に無機質の栄養源を加えることなく、そのままの状態でも容易に窒素を除去することができた。即ち、天然の湧水、地下水、河川水などは、脱窒素菌に必要なミネラルが含まれており、新たに無機化合物を添加する必要はなかった。なお、微生物膜生成に一定期間が必要であるが、いったん微生物膜が生成されるとほぼ定量的に窒素を除去することができた。
実施例5〜7
種々の供試処理剤による天然湧水中の窒素除去能を評価した。
予め培養した脱窒菌培養液(30mL)と天然湧水2Lを2Lの細口ポリ瓶に入れ、均一に撹拌した後、約40mm×40mm×4mm大に裁断し作製したゲル状こんにゃく約30g(実施例5)、こんにゃくととび粉の混合物約30g(実施例6)及び市販のコーン約50g(実施例7)を夫々入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。下記の表4および図4に、実施例5〜7の天然湧水の反応前から1週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
種々の供試処理剤による天然湧水中の窒素除去能を評価した。
予め培養した脱窒菌培養液(30mL)と天然湧水2Lを2Lの細口ポリ瓶に入れ、均一に撹拌した後、約40mm×40mm×4mm大に裁断し作製したゲル状こんにゃく約30g(実施例5)、こんにゃくととび粉の混合物約30g(実施例6)及び市販のコーン約50g(実施例7)を夫々入れ、軽く蓋をし、20℃の恒温室に保存して脱窒反応を行った。下記の表4および図4に、実施例5〜7の天然湧水の反応前から1週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表4および図4から明らかなように、こんにゃく単独である実施例5およびこんにゃくにとび粉を混入した実施例6では、天然である湧水に無機質の栄養源を加えることなく、そのままの状態でも容易に窒素を除去することができた。なお、微生物膜生成に一定期間が必要であるが、いったん微生物膜が生成されるとほぼ定量的に窒素を除去することができる。また、コーンを投入した実施例7は、その効果は実施例5および実施例6に比べ劣るものの、天然湧水中の窒素を有意に除去することはできた。
実施例8
供試処理剤としてこんにゃくを用いたときの、連続流入水方式による天然湧水中の窒素除去能を評価した。
供試処理剤としてこんにゃくを用いたときの、連続流入水方式による天然湧水中の窒素除去能を評価した。
アクリル板(1mm厚)を用いて図5の(a)および(b)に示す形状を有する反応槽1を試作した。図5の(a)は反応槽を上方から見たときの平面図であり、図5の(b)は反応槽の断面図である。この反応槽1は、流入部5から流出部6に向けて図示するように3枚の仕切り板2a、2b、2cを有しており、これら仕切り板2a、2b、2cの下部と、反応槽1の底部との間に適宜間隙を有し、この間隙を介して流入水が流入部から流出部に向けて連続的に流れる方式となっている。反応槽1の底部は、図5の(b)に示すように、平坦部3と傾斜部4とから構成されている。反応槽1は、幅5mm、長さ140mm、深さ(底から流出部まで)220mm、平坦部3の長さ80mm、傾斜部4の長さ60mmである。平坦部3には、約200gの供試処理剤10を図示するように、仕切り板2aと平坦部3との間隙よりも厚く敷き詰めて浸漬した。次いで、約50Lのポリバケツに随時補充した天然湧水をポンプで汲み上げ、流入部5より反応槽1に流速10L/dで、反応槽1の底部から上昇させ(この間に微生物による反応が起こる)、流出部6から流出させた。脱窒反応は、反応槽1を恒温室に設置し、25℃で行った。
供試処理剤10としては、実施例2と同様のゲル状こんにゃくを用いた。下記の表5および図6に、実施例8における天然湧水の反応前から5週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表5および図6から明らかなように、ゲルこんにゃくである実施例8では、天然である湧水に無機質の栄養源を加えることなく、そのままの状態で連続的に窒素を除去することができた。
実施例9〜11
供試処理剤として、PCLに固定化したこんにゃく(実施例9)、PCLに固定化したコーン(実施例10)およびPCLに固定化した古米粉(実施例11)を夫々用いた以外はいずれも実施例8と同様の連続流入水試験を実施した。なお、供試処理剤は、約180℃で溶融したPCL中に同重量の各粉末を入れ、均一に混練して、約5mm角のペレットとしたものとした。
供試処理剤として、PCLに固定化したこんにゃく(実施例9)、PCLに固定化したコーン(実施例10)およびPCLに固定化した古米粉(実施例11)を夫々用いた以外はいずれも実施例8と同様の連続流入水試験を実施した。なお、供試処理剤は、約180℃で溶融したPCL中に同重量の各粉末を入れ、均一に混練して、約5mm角のペレットとしたものとした。
下記の表6および図7に、実施例9〜11の天然湧水の反応前から5週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表6および図7から明らかなように、PCL固定化こんにゃくの実施例9、PCL固定化コーンの実施例10およびPCL固定化古米粉夫の実施例11では、天然である湧水に無機質の栄養源を加えることなく、そのままの状態で連続的に窒素を除去することができた。
実施例12〜15
実施例12および実施例13の供試処理剤として、紙(再生紙)およびクラフトパルプを夫々PCLのクロロホルム溶液(30mg/300mL)中に3分間浸漬した後、引き揚げ、減圧下で溶媒を除去したものを用いた。含浸重量は約5重量%であった。
実施例12および実施例13の供試処理剤として、紙(再生紙)およびクラフトパルプを夫々PCLのクロロホルム溶液(30mg/300mL)中に3分間浸漬した後、引き揚げ、減圧下で溶媒を除去したものを用いた。含浸重量は約5重量%であった。
実施例14および実施例15の供試処理剤として、紙およびクラフトパルプをそれぞれPCLフィルムでサンドウイッチ状にはさみ、それをさらにテフロン(登録商標)シートではさみ、90℃、150kg/cm2で10分間プレスしたものを用いた。
上記PCL含浸紙、PCL含浸パルプ、PCLコート紙、PCLコートパルプをそれぞれ用いた以外はいずれも実施例8と同様の試験を実施した。
下記の表7および図8に、実施例12〜15の天然湧水の反応前から5週間反応後までの全窒素濃度の経時変化量を示す。なお、表中の単位はmg/Lである。
表7および図8から明らかなように、PCL含浸紙の実施例12、PCL含浸パルプの実施例13、PCLコート紙の実施例14およびPCLコートパルプの実施例15では、天然である湧水に無機質の栄養源を加えることなく、そのままの状態で連続的に窒素を除去することができた。
本発明によれば、水中の過剰な窒素化合物を高効率でかつ安価に除去することができる他、廃棄物処理が問題になっている農業用の副産物などを水中の過剰の窒素化合物を除去する脱窒素菌の栄養源として利用することができる。
1 反応槽
2a、2b、2c 仕切り板
3 平坦部
4 傾斜部
5 流入部
6 流出部
10 処理剤
2a、2b、2c 仕切り板
3 平坦部
4 傾斜部
5 流入部
6 流出部
10 処理剤
Claims (9)
- 窒素化合物を過剰に含む水中の該窒素化合物を微生物による脱窒作用により窒素に還元することにより除去する水中の窒素化合物の除去方法において、
穀物、芋類および木材からなる群から選ばれる少なくとも1種の原材料から調製される処理剤を前記微生物の栄養源として供給することを特徴とする水中の窒素化合物の除去方法。 - 前記処理剤が生分解性プラスチックと複合体を形成する請求項1記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記生分解性プラスチックが生分解性ポリエステルである請求項2記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記穀物原料から調製される処理剤が、古米粉またはコーン粉である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記芋類原料から調製される処理剤がこんにゃくまたはこんにゃくのとび粉である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記木材原料から調製される処理剤が紙またはパルプである請求項2または3のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記複合体が固形状またはゲル状である請求項2〜6のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 前記複合体の形状が粒状、プレート状、板状、棒状または網目状である請求項2〜7のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
- 処理すべき水を前記処理剤が浸漬されている反応槽に連続的に導入する請求項1〜8のうちいずれか一項記載の水中の窒素化合物の除去方法。
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