JP2006527485A - 2次以上の分布帰還型レーザにおける空間的ホールバーニングを抑制するための方法と装置 - Google Patents

2次以上の分布帰還型レーザにおける空間的ホールバーニングを抑制するための方法と装置 Download PDF

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Abstract

面発光半導体レーザは、活性層(22),この活性層に隣接して互いに向かい合うクラッド層,基板(17),および上記半導体レーザに電流を注入して少なくとも面発光の形態で出力信号を放射させる電極(12,14)を備えて真性キャビティを画成する面発光半導体レーザ構造(10)を有する。上記真性キャビティは、ストップバンドの長波長側に支配的なモードを有するように形成されている。光モードを横方向に閉じ込めるための埋め込みヘテロ構造のような構造が設けられる。2次の分布回折格子(24)は、真性キャビティに随伴し、電流がレーザ構造に注入されたとき、光特性を周期的に変更する複数の格子要素(27,28)を有する。回折格子(24)は、対向して導かれるモードを真性キャビティ内に生成するような寸法と形状に作られ、50%以上かつ90%以下のデューティサイクルを有する。真性キャビティ内に対向して導かれるモードの位相をシフトさせる手段(26)を設けて、この手段により、出力信号の近接場強度が増加するようにモードプロフィルを変更する。

Description

本発明は、概ね遠隔通信の分野に関し、詳しくは光信号に基づく遠隔通信システムに関する。本発明は、最も詳しくは、ポンプ(励起)信号およびキャリア信号を生成するための半導体ダイオードレーザなどのレーザならびにそのような光遠隔通信システムに関する。
遠隔通信の光信号源として、幾つかの異なるレーザ光源が現在利用できる。これらの光源は、ファブリ・ペロー,分布ブラッグ反射型(DBR),垂直共振器形面発光(VCSEL),分布帰還型(DFB)等の固定,切換可能または可変波長の種々の形態のレーザを含んでいる。遠隔通信用の信号キャリア光源として現在最も一般的なのは、エッジ発光屈折率結合DFBレーザであり、このレーザは、変調速度,出力,安定性,雑音および側モード抑制率(SMSR)の諸点で良好な性能を有する。この意味で、異なるレーザ発振波長をもつ低閾値の2つの縦モードを有するDFBレーザの特性を指してSMSRと言い、一方の縦モードは典型的に好ましく、他方の縦モードは好ましくない。SMSRは、好ましくないモードを抑制して、より大きな出力を好ましいモードで広がらせる尺度であるとともに、他のDWDM(稠密波長多重)チャネルの波長の好ましくないモード放射出力からのクロストークを減じる効果も有する。加えて、半導体材料とレーザの設計を適切に選択することによって、通信波長を容易に生成することができる。
しかし、エッジ発光レーザには、信号源として多くの欠点もある。主な問題は、光を単一モードファイバに結合するために大抵の場合、アイソレータと高価な非球面レンズを含めなければならないという要求により、レーザが嵩ばり実装コストが上昇することである。加えて、エッジ発光レーザは、ウェハをバーに劈開し、端面を非反射膜で覆ってからでないと、適切に検査できない。これらの行程は、時間がかかり、歩留まり損失をもたらすので、高価になる。これらの総てが、簡素で高い製造歩留まりを持ち、実装が安価で全体としてより安価な信号光源を探し求めるに至らしめた。望ましい光源は、受け入れ得る同等かそれ以上の出力特性を同時に達成しなければならない。可能な解決策の1つは、面発光DFBレーザ構造である。
通信信号源として用いるに適した面発光DFBは、単一横モードが生じるような横方向光閉じ込め構造をもつ光閉じ込め層の間に挟まれた利得活性層を備える。加えて、2次以上の分布帰還回折格子を光学モードボリューム内の何れかに備える。2次を超える高次回折格子の使用も考えられるが、本明細書では、最良の性能を示す最良例である2次の回折格子について述べる。高次の回折格子の総てが、2次の回折格子と同等の性能を示す訳ではない。最初は、対称1次DFBのスペクトラムの退化の問題を解決するために、エッジ発光DFBにおいて2次の屈折率結合回折格子を用いることが提案された。DFBレーザでは、互いに逆方向に伝搬する2つのモードが、建設的および非建設的に干渉して、ストップバンドの端で2つの1次ポテンシャル発振モードを生成する。ストップバンドは、上記2つの1次モードの間の領域で他の発振モードが生じ得ない領域と定義される。1次構造では、この2つのモードは、(レーザがキャビティの両端で対称だと仮定すると)同じ利得を有し、それ故、同程度に発振し易い。2次構造では、この2つのモードは、異なった放射損失を受け、それ故、正味利得差別機構が働く。キャビティ内で光振幅が非建設的に干渉するモードは、放射損失がより少なく、それ故、第2のモードに比べて利得閾値がより小さい。
対称1次DFBレーザにおける退化の問題避けるためのこのアプローチは、より普通の方法にとってより好ましく、一方のファセットを反射防止(AR)被膜で、他方のファセットを高反射(HR)被膜で夫々覆うことで、レーザの対称性を崩すことによって行われる。これは、HR皮膜のファセットからの反射光は、波長がかなりシフトされるので、SMSR歩留まりは改善されるが、波長歩留まりが重大な問題になるため、普通のアプローチを用いた波長の制御が難しいからである。
退化を解消することによって単一モードの歩留まりを改善する他の方法がある。1/4波長位相シフト回折格子は、AR/HR混合ファセット被覆を代替する最も普通な例であり、位相シフトが、ストップバンドの両端にある2つのモードよりも利得閾値が低い単一モード,それ故,より好ましいモードを、ストップバンドの中央(ブラッグ波長またはその極近傍)で可能にする。あまり普通でない他の代替例は、複素結合回折格子を用いることである。複素結合回折格子とは、DFBレーザの結合係数が複素数である状態を指す。複素結合回折格子は、所謂アクティブ結合(利得または損失コルゲーション)や放射場への結合が結合係数の虚数部に依存する2次以上の回折格子によって達成できる。これら各方法は、夫々の利点と欠点を有する。
上述の2次DFBレーザにおける放射損失モードの選択機構は、単一モードファイバへの結合のためには乏しい面発光近接場プロフィルをもつ発振モードに有利である。定義によれば放射損失が少ない好ましいモードは、それに応じた少ない出力を面から放射する。従って、屈折率結合2次回折格子DFBレーザを単に用いるだけでは、面発光レーザを光通信に適したものにするのに十分でない。モード選択機構として放射損失を除去しつつ、レーザ光の形状を改善するために、2次回折格子に1/4波長位相シフト領域を設けることが、Kinoshitaによって提案された(J.-I. Kinoshita 「位相シフトをもつ2次DFBレーザからの回折格子結合放射の軸プロフィル」IEEE Journal of Quantum Electronics, vol.26, pp.407-412, March 1990)。この解決策は、後述するように、面発光DFBレーザの問題全体の理解と解決が完全ではない。
遠隔通信以外の分野では、面発光DFBレーザ構造の例は、米国特許5,727,013号に見られる。この特許は、青/緑の光を発する単一ローブ面発光DFBを開示し、レーザ光を変更するために、レーザ構造内の吸収層または直接利得層に2次回折格子が設けられている。この特許は、興味深いが、(遠隔通信に関係しないため)回折格子がどのようにファイバ結合効率に影響するかを開示しない。また、この特許は、どんなパラメータが全出力とファイバ結合効率の均衡を制御するか、あるいはモードをどのように効率的に制御するかについて開示していない。最後に、この特許は、遠隔通信の波長範囲に適した面発光レーザを開示しない。
1/4波長位相シフトDFBレーザの設計に常に随伴する重要事は、勿論、空間的ホールバーニングの問題である。空間的ホールバーニングは、レーザキャビティ内の極めて不均一な光場に起因する非線形な効果である。高い注入率で、レーザキャビティ内で電場(optical field)が最も強い場所は、より速く飽和して、キャリア濃度が他の場所に比べて空乏化する。そして、このキャリアの局所空乏化は、プラズマ効果による屈折率の局所変化をもたらす。屈折率の局所変化は、レーザの性能を劣化させる非線形効果をもたらす。最も明白な徴候は、この非線形効果によって第2モードの側モード抑制率が主モードのそれに比して低下することである。より極端な動作条件では、モードホッピングが生じ得る。
空間的ホールバーニングは、2次回折格子を用いたエッジ発光および面発光レーザにおいて異なって活動し始める。エッジ発光レーザでは、設計上結合係数は比較的低く保持され、そうでなければエッジからの発光効率が低く保持されている。結合係数が低いと、キャビティに亘る電場強度が相当均一なので、ホールバーニングを軽減する助けになる。これと対照的に、面発光レーザでは、単一モードファイバへの結合を最良にするため、集中した単一ローブの電場が望まれる。種々の設計で達成できるが、最も簡単なのは、1/4波長位相シフトを組み込むことである。理論的な最良の性能もまた、面発光効率を改善し、位相シフトを覆って電場をより密に集中させるために、高い結合係数を要求する。最良の面発光設計は、電場を一箇所に密に集中させるため、同時に空間的ホールバーニングにとって最悪の事例となる。従って、発光面への電場集中を、結合と強度の目的では最大化し、ホールバーニング防止のためには最小化しなければならないという要求の本来的矛盾は、面発光DFBレーザ研究の初期から認識されていた。以上のことから、1/4波長位相シフトを用いた面発光DFBレーザの設計において、光学モードとフィールドプロフィルを制御するためには、空間的ホールバーニングの制御が最重要だと思われる。
このホールバーニング効果の緩和を試みた2つの特許は、米国特許第4,958,357号と米国特許第5,970,081号である。前者では、複雑な形状の電極が、ホールバーニングに弱い領域への強い電流注入を可能にすると思われた。この解決策は、できばえが高々部分的であり、製造と展開の双方が非常に複雑で、製造コストが高くなった。さらに、この特許は、屈折率結合回折格子に基づいていて、空間的ホールバーニングを緩和するのに、他の要因が著しく影響することを開示しない。後者も、屈折率結合回折格子に基づくが、電場強度のピークを減じるため、(回折格子の周期よりも大きいと定義される)大きい領域に亘って、位相シフトを分布させている。この方法は、実行可能だが、最良のフィールドプロフィルよりも悪いフィールドプロフィルしか生成できず、より複雑な製造手順を要求する。また、空間的ホールバーニングを緩和する他の要因についての開示がない。上記両特許は、他の決定的な緩和要因の認識や理解に欠けるため、首尾一貫しない高価で受け入れられない結果をもたらす。従って、両特許の開示内容は、商業的に実施することができない。
単一モード動作に関する限り、複雑な回折格子をもつ1/4波長位相シフトレーザを作っても何の意味もない。1/4波長位相シフトは、それ自体でモードを適切に制御するのに十分である。しかし、DFBレーザのFM応答を改善するため、Okaiは、1/4波長位相シフトDFBレーザに複素結合1次回折格子を用いる構想を初めて提案した(M. Okai, M. Suzuki, and M. Aoki, "Complex-Coupled λ/4-shifted DFB laser with a flat FM response," IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics. Vol. 1, pp.461-465, June 1995)。同位相複素回折格子は、結合係数の実部と虚部が同符号で、利得結合回折格子として通常具体化される。従って、逆位相複素回折格子は、実部と虚部の符号が逆で、損失結合回折格子として最も一般的に具体化される。Okaiは、FM応答を所望どおりに改善することに加えて、同位相1次複素回折格子が、空間的ホールバーニングを抑制する一方、逆位相複素回折格子が、空間的ホールバーニングを強め、レーザ性能を劣化させると述べている。
望まれるのは、有害な空間的ホールバーニングの問題を生じずあるいは従来の位相シフト設計に伴う複雑で部分的な解決策によらず、役に立つ量の出力を供給できる面発光レーザの構造であり、チャープの少ない戻り反射に強い面発光レーザの構造である。
本発明は、1/4波長位相シフト1次DFBレーザにおける空間的ホールバーニングを抑制する理論と物理学に関する。空間的ホールバーニングを抑制する物理学を適切に理解すると、適切なデューティサイクルをもつ1/4波長位相シフト利得結合2次回折格子が、卓越した光学モードと空間特性を有すると同時に、空間的ホールバーニングを事実上受けつけない。本発明によるレーザの設計は、空間的ホールバーニングを軽減するために指名すべき一般に複雑で無数の方法を不要にする。本発明による利得結合位相シフト2次回折格子の実験結果についても述べるが、この実験結果は、本発明の性能を実証している。
本発明の一態様は、複雑な多電極注入技術や難しい位相シフト方法を用いることなく、1/4波長位相シフト領域をもつ2次DFBレーザのホールバーニングで誘起される複モード動作を、デューティサイクルを思慮深く選択することによって、大幅に減じることができることを示すことである。この可能性は、2次回折格子が、元来複素結合回折格子であり、複素回折格子によって空間的ホールバーニング効果を大幅に減じることができるという事実に由来する。
1/4波長位相シフト2次回折格子は、かつて提案されていたが、結果が実証されているものが非常に少なかった。格子周期に対する格子歯幅の比で定義される格子のデューティサイクルは、重要な設計パラメータとして今日まで考えられたことがなかった。その理由は、空間的ホールバーニングに直接影響する設計要因が今まで完全に認識され、理解されていなかったからである。本発明によれば、特定のデューティサイクルの範囲内で、レーザの動作電流を制限し、それ故レーザの出力を制限する空間的ホールバーニングの有害な影響は、適切な設計上の選択によって当然軽減される。さらに、本発明によれば、レーザが事実上ホールバーニングを感じないように上記効果を、利得結合回折格子の設計に付加的に組み合わせることができる。従って、本発明によるレーザの設計は、モードホッピングなどの空間的ホールバーニングによる典型的な有害な影響を招くことなく、1/4波長位相シフトの利点(つまり、良好な単一モード動作およびファイバへの結合にとって良好な面発光モード形状)を有する。この設計は、同時にチャープが本来的に小さく、戻り反射光に対して極めて不感性である。
本発明の一態様では、2次回折格子は本来的に複素回折格子であるので、格子のデューティサイクルを思慮深く選択することによって空間的ホールバーニングを減じ、あるいは無くすることが可能なことが実証された。従って、屈折率結合の設計であっても、2次回折格子のデューティサイクルを適切に選択すれば、空間的ホールバーニングに対する抵抗が改善されることが判った。さらに、デューティサイクルの注意深い選択によるこの改善は、利得結合回折格子と一緒に用いられた場合、空間的ホールバーニングに対して著しい不感性を示すという付加的効果を持ち得る。逆に言えば、本発明によれば、1/4波長位相シフト損失結合回折格子は、有用な電場分布を得るに必要なデューティサイクルのせいで、損失結合の設計に本来的な空間的ホールバーニングが更に悪化するので、とくに性能が貧弱である。
本発明の目的は、遠隔通信への適用に適し、かつ、従来技術の設計に随伴する空間的ホールバーニングの問題を回避または最小化できる面発光レーザ構造を提供することである。本発明の目的は、広帯域光通信の信号範囲で用いるに適した信号を生成できる安価な光信号源を提供することである。最も好ましいこのような信号源は、従来の半導体製造技術を用いて製造でき、しかも従来技術よりも高い歩留まりを有する面発光半導体レーザである。そこで、本発明の目的は、信号源を上述の従来技術に比して安価に製造することである。
本発明の更なる目的は、このような信号源が、空間的ホールバーニングによる実施不可能な制限に遭うことなく、広帯域通信への適用に適した十分な出力と波長安定性と精度を有することである。より詳しくは、必要とされるのは、モード形状がファイバへの結合に最適化され、しかも従来の半導体技術におけるリソグラフィーおよび材料技術を用いて作れるレーザ構造である。従って、求められているのは、空間的ホールバーニングを改善してレーザから実際的な出力を発しうる手段を含んだ面発光レーザ装置である。さらに、このようなレーザ装置は、受け入れられないようなパルスの広がりがなく、最小のチャープで信号の送信と操作ができる。さらに、このレーザ装置は、戻り反射光に対して不感性を示し、光アイソレータなしで安定した性能を維持して、通信信号源として動作できる。
求められるのは、単一モード光ファイバに容易かつ効率的に結合できる信号出力を持つ半導体レーザ信号源である。このような信号源は、単一ウェハ構造上のアレイとして製造されるのが好ましく、隣接する信号吸収域や光検出器などの隣接構造と一緒に一体かつ同時に形成または製造される。
本発明の更なる特徴は、製造における効率である。アレイに配列された信号源の数が多ければ多いほど、低欠陥率製造への必要は大きくなる。従って、例えば1個当たり98%の歩留まりで製造された40個の信号アレイは、アレイ製造の歩留まりが僅か45%になる。従って、コスト効率の良いアレイ製造には、歩留まりの改善が重要である。
本発明の更なる特徴は、アレイの各信号源が、同じ波長または異なる波長で、最も好ましくは遠隔通信の信号帯域内の波長で動作するように製造されることである。さらに、このような装置は、外部の帰還回路と相俟って信号のモニタリングやメインテナンスに使える組み込み検出器を有する。
図1は、本発明による面発光半導体レーザ構造10の一実施形態の側面図であり、図2は、同じ構造の端面図である。このレーザ構造10は、例えば標準的な半導体製造技術を用いて順次積層された幾つかの層からなる。本発明にこのような周知の半導体製造技術を用いることは、本発明が、新しい製造技術を何ら必要とせずに、効率よく大量に製造されることを意味する。
この開示中の用語は、次の意味を持つ。p領域とは、電子アクセプタでドープされ、ホール(価電子帯の空孔)が支配的な電流担体である半導体の領域をいう。n領域とは、電流担体としての電子が過剰に在るようにドープされた半導体の領域をいう。出力信号とは、本発明の半導体レーザによって生成される光信号をいう。モードボリュームとは、光モードの嵩が存在、つまり顕著な光(信号)強度が存在する体積をいう。例えば、モードボリュームは、光モードエネルギの80%を取り囲む境界と解することができる。この開示の目的のため、分布回折格子とは、その回折格子からの帰還が波長の中心で発振つまりレーザ発振を強めるような干渉を生じるように、回折格子がレーザキャビティの活性利得長または吸収長と関連している回折格子をいう。
本発明の回折格子とは、交互に起こる光学的特性、最も好ましくは交互に起こる利得あるいは屈折率の効果を生じる格子要素をいう。2つの隣接する格子要素によって、格子周期が定義される。交互に起こる利得の効果とは、1つが比較的高い利得効果を、次の1つが比較的低い利得効果をもつ互いに隣接する格子要素に関して生じる利得の差をいう。本発明の比較的低い利得効果とは、小さいが正の利得値または実際の利得がない場合も含む。従って、本発明は、隣接する格子要素の間で特定の波長のみでレーザを発振させる干渉が生じるに十分な利得効果および屈折率の相対差がある限り、格子要素に関する利得効果の如何なる絶対値も包含する。本発明は、上述の交互の利得効果を確立できる活性層内の利得結合格子を含む如何なる形態の格子も包含する。
本発明による回折格子の全般的効果は、レーザ発振を2つの縦モードのうちの単一モード出力信号と呼ばれる1つの縦モードに制限することであると定義できる。本発明によれば、光ファイバに効率的に結合できるようなモード形状にレーザを更に設計するために、種々の技術が用いられる。
図1に示されるように、レーザ構造10の2つの外側の層12,14は電極である。これら電極の目的は、レーザ構造10に電流を注入できるようにすることである。電極12は、開口16を有することに留意されたい。開口16は、詳しくは後述するように、光出力信号をレーザ構造10から外へ出させる。この実施形態では開口を設けたが、発生した信号をレーザ構造10から外へ出させるように電極が少なくとも部分的に透明であれば、開口のない連続した電極を用いてもよい。開口16をもつ簡素な金属電極は、適当な結果を提供し、製造が容易で安価なので好ましいことが判明した。光出力のためのこの窓開口は、電極14(n側開口)に設けることができる。この場合、光出力により良くアクセスするために、基板の一部を本発明の真意の範囲内で除去することも考えられる。
電極14に隣接しているのは、n+InP基板またはウェハ17である。基板17に隣接するのは、好ましくはn-InPからなるバッファ層18である。次の層は、n-InGaPからなる閉じ込め層20である。4元素からなる層の一般的組成は、InxGa1-xAsy1-yであり、3元素からなる層の一般的組成は、In1-xGaxAsである。次の層は、InGaAsPまたはInGaAsからなる薄い活性量子井戸層と障壁層を交互に重ねてなる活性層22である。当業者なら解るであろうが、InGaAsPまたはInGaAsは、特定の組成域において1200nm〜1700nm以上の波長で光利得を示しうる。この範囲の波長には、1300nm帯(1270〜1320nm)、S帯(1470〜1530nm)、C帯(1525〜1565nm)およびL帯(1568〜1610nm)の各広帯域の光スペクトルが含まれる。例えばGaInNAsやInGaAlAsなどの他の半導体材料も、生成される出力信号が広帯域範囲内に入る限り本発明に含まれる。適切な材料組成(例えばInGaAs/GaAs)を用いて本発明による装置が設計できる遠隔通信にとって重要な他の波長域は、Er,YbまたはYb/Erでドープされた材料に基づく励起光増幅器およびファイバレーザにとって通例の910〜990nmの帯域である。
活性層22に続く上の層は、p-InGaAsPの閉じ込め層34である。
図1の実施形態では、活性層22および閉じ込め層34内に回折格子24が形成されている。回折格子24は、交互に設けられた高利得部27と低利得部28からなる。回折格子24は、最も好ましくは、規則正しい格子,つまり格子を横切って一定の周期を有する格子であり、既述の分布回折格子をなすような寸法と形状でもってレーザ10内に配置されている。ここで、回折格子24の周期は、1つの高利得部27の長さ32と、これに隣接する低利得部28の長さ30の和で定義される。低利得部28は、この領域で活性層の大部分または総てが除去されているので、高利得部27に比して利得が低いか利得がない。本発明によれば、回折格子は、2次回折格子、つまり、キャビティ内の導波長に等しい周期を有して出力信号が面発光の形態になる格子である。
回折格子24の中央には、少し幅の広い高利得の「歯」26からなる位相シフト手段が配置されている。この歯26は、波長の1/4の位相シフトを起こすような寸法と形状になっている。本発明は、当業者なら解るように他の形態の位相シフト手段を包含する。必要なことは、近接場強度プロフィルを変えて、2ピーク形状から、ピークが位相シフトを通常覆うように位置する単一ピーク形状に変化させるに十分な位相シフトを回折格子に与えることである。このようなモードプロフィルは、2ローブプロフィルよりもより効率的に単一モードファイバに連結されることができる。従って、モードプロフィルが結合効率を改善するように変更されるならば、位相シフトの量および位相シフトへの影響の仕方は、本発明の真意から外れることなく変えることができる。
例えば、2つのλ/8または2つの3λ/8または他の組み合わせなど全体で1/4波長位相シフトを生じる多位相シフトも含まれる。同様に、製造するのがより難しいが、連続的にチャープされた回折格子や変更ピッチ回折格子も含まれる。導波路の実効屈折率をテーパ状にすることは、キャビティ内の位相シフトを分布させる他の方法である。位相シフトの他の方法も適用できるが、これらの方法は、本来のキャビティに支配的なモードがストップバンドの長波長側に維持され、縦軸上で所望のモードが維持されるように注意深く設計されなければならないことに留意されたい。
活性層22および閉じ込め層34に続く上の層は、InPからなって回折格子を埋め込む埋め込み層35であり、この埋め込み層35の上は、p-InPバッファ層36である。p-InP層35の上には、p++-InGaAsキャップ層42を載せたp-InPクラッド層40が配置されている。
上述の如き形状の層でもって形成された半導体レーザは、当業者なら容易に解るように、活性層に形成された回折格子がレーザを信号モードにするので、予め定められた波長の出力信号を生成するように調整できる。出力信号の精密な波長は、幾つかの変数の関数であり、これらの変数は、レーザ構造の他の変数と複雑に相互関連している。例えば、出力信号の波長に影響する幾つかの変数には、回折格子の格子周期や活性層,閉じ込め層,クラッド層の屈折率(そのうちの幾つかは温度および注入電流に依存して典型的に変化する)、(層の歪,利得波長,屈折率に影響する)活性層の組成、および上述の種々の層の厚さが含まれる。他の重要な変数は、電極を介してレーザ構造に注入される電流量である。従って、本発明によれば、これらの変数を操作することによって、予め定められた極めて特定の波長を出力するレーザ構造を作ることができる。このようなレーザは、稠密波長多重(DWDM)スペクトラムを構成する個々のチャネルまたは信号成分のための信号源が望まれる通信工業において有用である。従って、本発明は、遠隔通信に適した出力,波長,帯域幅をもつ出力信号を共同して作り出す層厚,利得周期,注入電流などの種々の組み合わせを包含する。
しかし、単に所望の波長と帯域幅を得るだけでは十分でない。本発明で解決すべきより難しい問題は、2次回折格子(したがって、面発光として)から特定の所望の波長を、例えば光ファイバへの効率的な連結のために制御できるように生成することである。出力信号の空間特性は、結合効率に大きな影響を及ぼし、理想的な形状は、単一モードで単一ローブのガウス形である。面発光レーザの2つの主要なモードは、拡大2ローブモードと単一ローブモードである。前者は、光ファイバが単一ガウス型モードを持つので、大抵の遠隔通信への適用で必要となる単一モードファイバへの結合が非常に難しい。
デューティサイクルという用語は、1回折格子周期のうちの高利得を示す部分の長さの格子周期に対する比を意味する。より簡単に言えば、デューティサイクルは、回折格子24の周期のうちの高利得を示す部分と定義できる。このデューティサイクルというパラメータは、図1に示すような利得結合レーザにおいて、活性層の一部をエッチングで除去することで制御され、残った活性層の部分がデューティサイクルである。
図1において、2次分布回折格子は、利得媒体をエッチングによって格子24に形成することによって描かれていることが判る。唯一のモード(利得閾値が最低のモード)のみがレーザを発振でき、その結果、良好なSMSRをもたらす。本発明では、望ましいレーザモードは、単一ローブで形状がガウス型に近似する。出力または信号強度の形状が、出力信号の光ファイバへの結合を容易にするので、このようにしてレーザ発振モードを、より容易に光ファイバへ結合することができる。位相シフト2次活性層結合回折格子は、レーザ発振できる3つのモードを有し、そのうちの2つは、利得閾値が高く単一モードファイバへの結合効率が低く、他の1つは優勢で最低の利得閾値をもつ単一ローブモードである。上記優勢なモードは、本発明ではファイバへの最良の結合のためにレーザ構造の中央に位置する位相シフトの位置にピークを有する。
図1のレーザの側面図である図2を見ると、電極12,14は、半導体レーザ10への電圧の印加を可能にして既述のレーザ発振を促進する。さらに、阻止層38でカプセル封止された導光部によって形成された埋め込みヘテロ構造は、光モードを電流が注入される領域内に横方向に閉じ込める役目を果たすことが判る。誘電体層44は、埋め込みヘテロ構造の上方の小領域を除いて、電極12とキャップ層42の間に形成されている。この誘電体形状は、電流注入を周知の如く埋め込みヘテロ構造の近傍位置に制限する。本実施形態では、埋め込みヘテロ構造を示したが、キャリアと電場を横方向に制限するのにリッジ導波路を用いて同様の構造を作ることもできる。
1/4波長位相シフト利得回折格子における空間的ホールバーニング
1/4波長位相シフト1次回折格子における空間的ホールバーニングの抑制におけるデューティサイクルの役目を理解することは、複素回折格子を用いた1/4波長位相シフト1次DFBレーザにおいて空間的ホールバーニング効果を抑制する理論および物理学に関連している。このようなDFBレーザ構造では、電場は、位相シフトに亘ってキャビティの中央で強いピークを示す。従って、誘導放出(即ち、誘導キャリア再結合)の率はこの領域で最も高い。注入電流を増加して、放出を更に促すと、高電場領域のキャビティの中央でキャリアが枯渇する。(キャリア密度の減少に伴って屈折率が増加する)プラズマ効果により、高電場領域での屈折率が減少し、キャビティ内の屈折率を非常に不均一にする。この屈折率の変化は、ストップバンドの短波長側のモードがストップバンドの中央のモードと競争するように電場の位相を変える(中央の1/4波長位相シフトを効果的に大きくする)。1/4波長位相シフトレーザの主モードと優勢な2つの側モードを図3のAに示す。図3には、Aに示す1/4波長位相シフト回折格子に加えて、対称屈折率結合回折格子の真性モードスペクトルをBに、空間的ホールバーニング効果を含んだ対称屈折率結合回折格子をCに、対称同位相(利得結合)回折格子をDに、対称逆位相(損失結合)回折格子をEに夫々示す。
空間的ホールバーニング効果を抑えるようにキャビティを1/4波長位相シフトに設計するには、真性キャビティの概念を定義することが有用である。真性キャビティとは、回折格子から1/4波長位相シフトを除去して得られるキャビティをいう。真性キャビティのモードスペクトルは、対応する1/4波長位相シフトDFBレーザにおいて重要な役目を果たす。1/4波長位相シフトDFBレーザにおいて、空間的ホールバーニングを減じるために、対応する真性キャビティの支配的なモードは、主モードと競争する空間的ホールバーニングによるモードと均衡するようにストップバンドの側方になければならない。換言すれば、対応する真性キャビティの支配的なモードは、重要な実際の実例では、ストップバンドの長波長側になければならない。そして、このモードが、短波長側のモードを抑制して、ストップバンドの中央にある主モードと競争させないのである。1次の屈折率回折格子をもつ従来の1/4波長位相シフトDFBレーザでは、ストップバンドの短波長側のモードが主モードと競争するということに留意すべきである。図3は、考えている空間的ホールバーニングを持つ,あるいは持たない1次屈折率回折格子のモードスペクトルを、同位相活性層回折格子および逆位相活性層回折格子と比較している。図から、同位相(利得結合)回折格子は、1/4波長位相シフト構造に用いれば空間的ホールバーニングを抑制することが明らかである。逆に、逆位相(損失結合)回折格子および1/4波長位相シフト設計の屈折率結合回折格子は、真性キャビティの支配的モードがストップバンドの短波長側にあるので、空間的ホールバーニングを強めて、対応する1/4波長位相シフトレーザの性能を劣化させる。
上述の1/4波長位相シフト1次レーザにおける空間的ホールバーニングの抑制/増強の物理学的描写に基づき、本発明は、次の結果を包含する。
(1) 屈折率結合1次回折格子をもつ1/4波長位相シフトDFBレーザでは、空間的ホールバーニングの抑制機構も増強機能も期待できない。
(2) 利得結合1次回折格子をもつ1/4波長位相シフトDFBレーザでは、対応する真性キャビティは、ストップバンドの長波長側にあるモードを支持する。従って、対応する1/4波長位相シフトレーザは、空間的ホールバーニングを幾らか抑制する。
(3) 損失結合1次回折格子をもつ1/4波長位相シフトDFBレーザでは、対応する真性キャビティは、ストップバンドの短波長側にあるモードを支持する。従って、空間的ホールバーニングが増強され、対応する1/4波長位相シフトレーザの性能が劣化する。
2次回折格子における空間的ホールバーニングの抑制
ここで、2次回折格子の実施について考察する。後述する効果は、原則的には特定の高次回折格子について真実であるが、実際上および記述上の理由から、考察を2次回折格子に限定することにする。2次回折格子には、放射場(したがって面発光)およびホールバーニング問題に適用できる複素結合係数が導入される。ここで、重要な発展として、2次回折格子のデューティサイクルが空間的ホールバーニングを制御する手段として利用できることについて述べる。冒頭で述べたように、2次回折格子は複素結合構造であると認識しなければならない。この新規なアプローチを採用したとき、空間的ホールバーニングに対する回折格子のデューティサイクルの効果を考察した。ここで、デューティサイクルは、格子周期に対する格子歯幅の比と定義される。最初に述べた真性キャビティを考えるという手法を用いて、デューティサイクルを50%以下および以上として、1/4波長位相シフトで2次の屈折率結合,利得結合,損失結合の各回折格子のモードスペクトルを計算して、図4に示した。従って、図4は、次のモードスペクトルを示している。デューティサイクルが50%以上の場合のAが屈折率結合,Bが利得結合,Cが損失結合であり、デューティサイクルが50%以下の場合のDが屈折率結合,Eが利得結合,Fが損失率結合である。
図4から、1/4波長位相シフト2次回折格子においてデューティサイクルが50%以下では、真性キャビティがストップバンドの短波長側に支配的モードをもつので、対応する1/4波長位相シフトレーザは、空間的ホールバーニングの害を大きく被る。このことは、程度に大小の差はあるものの、3種の(屈折率,利得,損失)結合の総てについて真実である。他方、デューティサイクルが50%以上では、恐らく損失結合を除いて、真性キャビティがストップバンドの長波長側に支配的モードをもつので、対応する1/4波長位相シフトレーザは、空間的ホールバーニングが抑制される結果となる。
1/4波長位相シフト利得結合2次回折格子でデューティサイクルが50%以下の場合、レーザキャビティは、室温でレーザを発振できるほど十分な利得を有さない。利得が高くキャビティが長かっても、利得摂動による結合係数および放射場による結合係数が互いに相殺する傾向にあり、回折格子は、空間的ホールバーニングに関する限り有害な逆位相にさえなる。材料に要求される高利得を回避し、高結合係数により適切な近接場放射パターンを得るために、活性層中までエッチングした(利得結合)1/4波長位相シフト回折格子でデューティサイクルが50%以上のものを用いるのが好ましい。このレーザは、真性キャビティがストップバンドの長波長側でレーザを発振し(D.M.Adams, I.Woods, J.K.White, R.Finally, and D.Goodchild, "Gain-coupled DFB lasers with truncated quantum well second order graitings," Electronic Letters, vol.37, no.25, pp.1521-1522, Dec.2001)、放射場による結合係数が利得結合係数を増強するので、対応する1/4波長位相シフトレーザにおける空間的ホールバーニングは、大いに抑制される。このことは、離散した1/4波長位相シフトが、広域に亘って位相シフトを分布させることによる光空間プロフィルの劣化や複雑な電極などの極端な手段を必要とせずに、実際上の面発光レーザを作ることができることを意味する。このことは、50%以上のデューティサイクルをもつ利得結合レーザについて確実に真実であるが、同様のデューティサイクルをもつ屈折率結合レーザについても、より少なくはあるが有用な程度に真実である。
理由上の同じ方針に従って、空間的ホールバーニングが、1/4波長位相シフト損失結合2次DFBレーザにおいて特に強いことを見つけ出した。これは、50%以上のデューティサイクルに伴う大きいキャビティ損失の結果として材料に求められる高利得を避けるために、デューティサイクルは50%以下でなければならないからである。従って、空間的ホールバーニングと真性キャビティの両方が、ストップバンドの短波長側にモードがあることを支持し、空間的ホールバーニングを抑制するどころか増強する結果となる。
スペクトル線の幅の考察
利得結合2次回折格子と50%以上のデューティサイクルの組み合わせによる空間的ホールバーニングの著しい抑制は、従来の性能劣化を伴うことなく、非常に高い結合係数を可能にする。結合係数の増大は、電場の集中に加えて他の有益な効果を有する。屈折率の増大は、レーザの閾値を低下させ、少ない利得でレーザを駆動できる。従って、レーザモードに結合する自然放出が減少し、これはスペクトル線の幅を減じる手段となる。スペクトル線の幅の減少は、情報のための直接変調伝送源として用いた場合、チャープを減じ、レーザの到達長さを延ばすのに役立つ。最後に、結合係数が大きいとエッジでの電場強度が低いので、反射損失が少なくなる。この結果、異なる縦モードに結合する自然放出が互いに関連しにくくなって、レーザのスペクトル線の幅の更なる減少をもたらす(P. Szczepanski and A. Kujawski, "Non-orthogonality of the longitudinal eigenmode of a distributed feedback laser," Optics Communications, vol. 87 pp. 259-262, 1992)。
数値結果
上記モデルを裏付けるべく、1/4波長位相シフトレーザへの同位相または逆位相回折格子の影響を数値例を用いて計算した。
まず、中くらいの標準化結合係数κL=2の1/4波長位相シフトDFBレーザを考えた。ここで、κは屈折率変調による結合係数であり、Lはレーザキャビティの長さである。この結合係数は、エッジ発光レーザとして潜在的に問題となる程度まで比較的高くした点に留意されたい。このレーザは、図5に示すように、100mAのバイアスレベルでも良好に挙動した。10%利得結合(同位相)または損失結合(逆位相)を導入しても、レーザは、図6,7に示すように依然単一モードを維持した。しかし、利得結合係数の導入は、スペクトルの純粋性を改善したが(図6)、損失結合係数の導入は、レーザをして空間ホールバーニングを受け易くした(図7)。これは、短波長側のモードの強度が比較的に増加していることから明らかである。
第2の例では、標準化結合係数をκL=3に増やした。バイアス電流は、100mAのままである。この電流注入レベルで、レーザは図8に示すように単一モードである。しかし、特に短波長側に意味ありげな側モードが見られるのが興味深い。10%損失結合(逆位相回折格子)を導入すると、レーザは、図9に示すように多モード動作に移行した。従って、空間ホールバーニングは、悪いことに性能の劣化を惹起した。他方、10%利得結合(同位相回折格子)を導入すると、ストップバンドの短波長側のこの比較高いモードは、減少し、空間ホールバーニング効果は、図10に示すように著しく抑えられた。
最後に、κL=4の強い結合係数をもつレーザを考察した。図11に示すように、レーザは、100mAの注入電流で多モード動作に移行した。損失結合の場合、κL=3で問題が生じることは既に述べたので、ここでは考えない。しかし、同位相利得回折格子を用いて10%利得結合を構成すると、レーザは、図12に示すように単一モードで動作する。従って、離散型1/4波長位相シフトと50%以上のデューティサイクルをもつ2次利得結合回折格子のこの好ましい例は、結合係数が非常に高いレーザでも、閾値電流が低く、ファイバ結合に適した改善された光モードと狭いスペクトル線の幅と最良の面発光効率を有せば、空間ホールバーニングの損失を受けることなく動作することができる。
実験結果
デューティサイクルが75%の2次利得結合回折格子をもつ1/4波長位相シフトDFBレーザにおける空間ホールバーニングの抑制は、実験的に証明された。75%のデューティサイクルをもつ典型的なレーザのLI曲線を図13にプロットしたが、この図は、略20mAの閾値電流を示している。バイアス電流25mAにおけるこのレーザのスペクトルを、図14に示した。ストップバンドからみて、このレーザの標準化結合係数κLは、4以上である。典型的なDFB回折格子構造においてこのような高い結合係数で閾値電流からそれ程離れていないバイアス電流の場合、当業者は多モード動作を想定する。しかし、図15示すように、閾値電流の7倍以上の150mAというバイアス電流レベルでも、レーザは60dBに近い側モード抑制率でもって単一モードを依然維持している。これは、この設計が強い空間ホールバーニング抑制効果をもつことを実証している。
戻り反射強度
面発光2次DFBレーザの他の重要な利点は、キャビティからの放射の結合の性質のため、光路内の反射が、競争して内部キャビティを不安定化する外部キャビティを作り得ないことである。その結果、レーザは、エッジ発光DFB,外部キャビティ,VCSELなど従来設計の全レーザよりも遥かに戻り反射に対して強い。この特徴は、戻り反射光による性能劣化を防止するため光学アイソレータが通常用いられる中間距離および長距離(典型的には40kmを超える)に亘る遠隔通信において、特に重要である。
好ましい実施形態
上述の設計思想は、多くの材料系において実施できる。遠隔通信への適用にとって、好ましい材料系は、1.25〜1.65μmの範囲の波長のレーザを発生する通例の主要材料であることからInGaAsP/InPおよびAlInGaAs/InPである。しかし、窒化物からなる新たな材料系が開発されつつあり、この材料系も遠隔通信に適している。
好ましい実施形態は、所望の波長帯で利得を得るべく5〜10の量子井戸からなる適切な多重量子井戸を採用する。DFB回折格子は、(格子構成中のエッチングされていない部分の長さで定義される)デューティサイクルが50%〜90%、最良には60〜67%の矩形状の格子が好ましくはドライエッチングを用いて形成される。これは、高帰還の強い結合係数を、高い放射結合係数を伴う電場集中と均衡させる。デューティサイクルが50%に低下すると、放射結合は高いが、結合係数は0に低下する。デューティサイクルが増加するにつれ、結合係数は、デューティサイクル75%における最大値まで増加した後、デューティサイクル100%における0に減少する一方、放射結合は、デューティサイクル100%における0へ単調減少する。従って、最良域は上述の如く75%以下であり、64%では、帰還のための結合は比較的強く、光モードが局限されていると同時に、相対結合はそれ程強く低下しない。格子の深さは、標準化結合係数κLが3〜7、より好ましくは4.5〜5.5になるように選ばれる。この高い標準化結合係数は、レーザのエッジからの出力放射を最小化し、スペクトル線の幅を最小化し、FM(周波数変換)応答を最大化し、直接変換におけるチャープを最小化する。
回折格子は、ウェットエッチングで作っても効率的ではないが立派に動作し、ウェットエッチングは、典型的に三角形(または截頭台形)の格子を作る。この場合、(最も幅の広い格子部分におけるエッチングされていない部分で定義される)デューティサイクルは相対結合係数を最適化するため、典型的には40〜60%とより小さくなければならない。
レーザ装置は、リッジ導波(RWG)構造または埋め込みヘテロ接合(BH)構造のどちらかを用いて作れる。前者は、製作が容易だが、接合を温度制御するのが難しく、冷却なしで適用すると性能が劣化する。RWG構造では、リッジに電流を注入するための電極に亘って十分長い穴を開けることは、性能を劣化させるので、面発光はn側つまり基板側から最良に取り出されることは留意するに値する。これと対照的に、BH構造では、250μm長さの穴があっても電流注入が良好に維持でき、p側の上面から光を取り出せることが実証された。いずれの場合も、光学の観点からは作業性が良い。
最良の熱性能の観点からは、BH構造が好ましい。さらに、BH構造を作る場合、逆バイアスのp-n接合よりも半絶縁材料を用いて電流阻止構造を作るのが好ましい。半絶縁体の場合は、高速使用での劣化を招く寄生容量を減じながら、温度管理を強化できる。
本発明の更なる利点は、今や理解できる。本発明の製造方法は、レーザ構造の性能試験を始める前でも、ウェハから個々の要素を劈開で切り出したり、端面の仕上げをしたりレーザ構造を実装したりする必要がない。例えば、図1を参照すると、ウェハの形の作られたままの構造10に、電極12,14が作り込まれる。各構造10は、回折格子の間の互いに隣接する領域に上述の如く高抵抗域を残しつつ、適切なパターニングと蒸着によってウェハ上に電極が形成されたとき、隣接する構造から電気的に絶縁される。従って、各構造の電気的特性は、実装段階が始まる前に、ウェハ上の各回折格子構造に単に電流を注入するだけで、ウェハ上で試験することができる。こうして、欠陥のある構造は、実装段階が始まる前(劈開の前でさえ)に放棄または排除されるので、本発明のレーザ構造は、試験が始まる前に必要で複雑な実装を要する従来技術よりも遥かに安価かつ効率的であることを意味する。機能しないか誤機能するレーザ構造について従来のエッジ発光レーザの製造で必要だった劈開,実装,端面仕上げは、本発明によって無くなる。
本発明の好ましい実施形態についてのみ言及されたが、添付の請求の範囲に記載の本発明の広い真意から離れることなく種々の変更や変形が可能であることは当業者に明らかであろう。このような変更や変形の幾つかは、本明細書で既に述べられ、他は当業者に自明である。例えば、本発明の半導体レーザ構造の層について、好ましい実施形態を述べたが、受け入れられる結果をもたらす他の構造も用いることができる。このような構造は、屈折率結合または利得結合のいずれか一方または双方である。重要なのは、ストップバンドの長波長側に支配的なモードをもつ真性キャビティを有することである。
図1は、本発明による利得媒体内に1/4波長位相シフト2次回折格子をもつ面発光半導体レーザの一実施形態の側面図である。 図1の実施形態の端面図である。 図3は、種々のレーザ構造のモードスペクトルをプロットした図である。 図4A〜Cは、デューティサイクルが50%以上の回折格子によるモードスペクトルを、図4D〜Fは、デューティサイクルが50%以下の回折格子によるモードスペクトルを夫々プロットした図である 図5は、結合係数κL=2の屈折率結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図6は、結合係数κL=2の利得結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図7は、結合係数κL=2の損失結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図8は、結合係数κL=3の屈折率結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図9は、結合係数κL=3の損失結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図10は、結合係数κL=3の利得結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図11は、結合係数κL=4の屈折率結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図12は、結合係数κL=4の利得結合回折格子のモードスペクトルをプロットした図である。 図13は、本発明によるレーザの出力と注入電流の関係をプロットした図である。 図14は、本発明のレーザに閾値電流より少し大きい電流を流した場合のスペクトルを示す図である。 図15は、本発明のレーザに閾値電流より遙かに大きい電流を流した場合のスペクトルを示す図である。
符号の説明
10 面発光半導体レーザ
12,14 電極
16 開口
17 基板
22 活性層
24 回折格子
34 閉じ込め層
35 埋め込み層
40 クラッド層

Claims (30)

  1. 面発光半導体レーザにおいて、
    活性層,この活性層に隣接して互いに向かい合うクラッド層,基板,および上記半導体レーザに電流を注入して少なくとも面発光の形態で出力信号を放射させる電極を有して真性キャビティを画成し、上記真性キャビティは、ストップバンドの長波長側に支配的なモードを有するように形成された面発光半導体レーザ構造と、
    光モードを横方向に閉じ込める手段と、
    上記真性キャビティに随伴するとともに、電流がレーザ構造に注入されると、対向して導かれるモードを真性キャビティ内に生成するような寸法と形状に作られ、50%以上かつ90%以下のデューティサイクルを有して光学的特性を周期的に交互に生じさせる複数の2次の分布回折格子と、
    上記真性キャビティ内に対向して導かれるモードの位相をシフトさせて、上記出力信号のモードプロフィルおよび放射強度を変更する手段を
    備えたことを特徴とする面発光半導体レーザ構造。
  2. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記変更する手段による光特性の変更は、活性層の利得の変更と一緒になった屈折率の変更であることを特徴とする面発光半導体レーザ構造。
  3. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記変更する手段による光特性の変更は、屈折率の変更であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  4. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記デューティサイクルは、50%と90%の間であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  5. 請求項4に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記デューティサイクルは、60%と67%の間にあることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  6. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記ストップバンドの中心波長は、1.25〜1.65μmの範囲にあることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  7. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記キャビティは、5〜10の量子井戸をもつ多重量子井戸構造であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  8. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記回折格子は、ドライエッチングで作られて矩形であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  9. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記回折格子は、標準化結合係数が3〜7であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  10. 請求項7に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記回折格子は、標準化結合係数が4.5〜5.5であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  11. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記分布回折格子は、光学的に活性で活性層の利得媒体に形成されていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  12. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記面発光半導体レーザ構造は、平面図において上記回折格子を少なくとも部分的に取り囲む隣接域を更に含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  13. 請求項12に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記隣接域は、上記分布回折格子の端部に位置して一体に形成された吸収域を更に含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  14. 請求項12に記載の面発光半導体レーザにおいて、光検出器をもつ隣接域を更に含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  15. 請求項14に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記光検出器は、上記面発光半導体レーザ構造と一体に形成されていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  16. 請求項14に記載の面発光半導体レーザにおいて、検出された出力信号を所望の出力信号と比較するために、上記光検出器に接続された帰還回路を更に含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  17. 請求項16に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記出力信号を所望の特性に維持するために、入力電流を調整する調整器を更に含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  18. 請求項12に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記隣接域は、レーザが使用されるとき、上記回折格子を電気的に絶縁するに十分な抵抗もつ材料からなることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  19. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記電極の1つは、信号を放出する開口を含むことを特徴とする面発光半導体レーザ。
  20. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記横方向に光モードを閉じ込める手段は、リッジ導波構造からなることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  21. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、上記横方向に光モードを閉じ込める手段は、埋め込みヘテロ構造からなることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  22. 請求項1に記載の面発光半導体レーザのアレイにおいて、このアレイは、共通の基板上に設けられた2つ以上のレーザを含むことを特徴とする面発光半導体レーザアレイ。
  23. 請求項22に記載の面発光半導体レーザアレイにおいて、上記2以上のレーザは、異なる波長かつ異なる出力の出力信号を生成し、個々に変調できることを特徴とする面発光半導体レーザアレイ。
  24. 請求項22に記載の面発光半導体レーザアレイにおいて、上記2つ以上のレーザの夫々は、同じ波長の出力信号を生成することを特徴とする面発光半導体レーザアレイ。
  25. 面発光半導体レーザの製造方法において、
    共通のウェハ基板上に連続する層を形成して複数の真性キャビティを画成する複数の半導体レーザ構造を形成するステップであって、
    上記ウェハ基板上に第1クラッド層,活性層,第2クラッド層を形成するステップと、
    ストップバンドの長波長側に支配的なモードを有する上記真性キャビティを画成すべく、複数の2次の分布回折格子を形成するステップと、
    上記半導体レーザ構造からの出力信号のモードプロフィルを変更すべく、50%以上かつ90%以下のデューティサイクルを有する上記回折格子に位相シフタを形成するステップと、
    上記光モードを横方向に閉じ込める手段を形成するステップと、
    上記ウェハ上の各半導体構造上に電流を注入するための電極を形成するステップを
    備えたことを特徴とする面発光半導体レーザの製造方法。
  26. 請求項25に記載の面発光半導体レーザの製造方法において、上記真性キャビティに関連する複数の分布回折格子の間に隣接域を同時に形成するステップを更に含むことを特徴とする製造方法。
  27. 請求項25に記載の面発光半導体レーザの製造方法において、上記横方向に光モードを閉じ込める手段は、埋め込みヘテロ構造からなることを特徴とする製造方法。
  28. 請求項25に記載の面発光半導体レーザの製造方法において、上記横方向に光モードを閉じ込める手段は、リッジ導波構造からなることを特徴とする製造方法。
  29. 請求項25に記載の面発光半導体レーザの製造方法において、上記各回折格子の両端の上記隣接域に吸収層を形成するステップを更に含むことを特徴とする製造方法。
  30. 請求項25に記載の面発光半導体レーザの製造方法において、レーザアレイを形成すべく上記隣接域に沿って上記ウェハを劈開するステップを更に含むことを特徴とする製造方法。
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