JP2006525961A - 末端ジエン基を有するシクロスポリン「a」アナログの調製のためのプロセス - Google Patents

末端ジエン基を有するシクロスポリン「a」アナログの調製のためのプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2006525961A
JP2006525961A JP2006504961A JP2006504961A JP2006525961A JP 2006525961 A JP2006525961 A JP 2006525961A JP 2006504961 A JP2006504961 A JP 2006504961A JP 2006504961 A JP2006504961 A JP 2006504961A JP 2006525961 A JP2006525961 A JP 2006525961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
dichloromethane
iii
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006504961A
Other languages
English (en)
Inventor
ジーン−マイケル アダム,
マーク エイベル,
シーサラマン ジャヤラマン,
Original Assignee
アイソテクニカ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アイソテクニカ インコーポレイテッド filed Critical アイソテクニカ インコーポレイテッド
Publication of JP2006525961A publication Critical patent/JP2006525961A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/64Cyclic peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/645Cyclosporins; Related peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/12Preparation of carboxylic acid amides by reactions not involving the formation of carboxamide groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/0803Compounds with Si-C or Si-Si linkages

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、式IのシクロスポリンAアナログの調製のための新たなプロセスに関し、この方法は、a)保護化シクロスポリンAアルデヒドを、アリル金属試薬でアリル化する工程、およびb)工程a)で得られた化合物を式IのスクロスポリンAアナログに変換する工程を包含する。特に、上記アリル試薬は、トリメチルシリル−アリルホウ酸エステル、またはアルミニウムもしくはチタンを含むトリメチルシリル−アリル有機金属化合物である。

Description

本発明は、式IのシクロスポリンAアナログ:
Figure 2006525961
の調製のための新たなプロセスに関する。
ならびに、本発明は、その調製のための(1つまたは複数の)このプロセスのための中間体に関する。
式IのシクロスポリンAアナログは、1−アミノ酸残基における修飾以外は、シクロスポリンAと構造的に同一である。このアナログは、WO99/18120および米国特許仮出願第60/346,201号に開示されている。本明細書中では以降、このアナログを(E)−ISA247と呼ぶ。
Tetrahedron Letters,Vol.22,No.29,p2751−2752,1981は、本発明のプロセスの中間体のうちの1つ(すなわち、ピナコール(E)−1−トリメチルシリル−1−プロペン−3−ボロネート)、およびこれを使用するアリル化プロセスを開示する。
Tetrahedron Letters,Vol.36,No.10,pl583,1995は、タートレート修飾化(E)−γ−(トリメチルシリル)アリルボロネートを使用するアリル化プロセスを開示する。
第一の局面において、本発明は、式IのシクロスポリンAアナログ:
Figure 2006525961
の調製のためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を包含する:
a−i)式IIの化合物:
Figure 2006525961
を式IIIの化合物:
Figure 2006525961
であって、Rは、水素、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである、物質、および/またはRが水素の場合、式IIIの化合物の三量体である、化合物
でアリル化する工程であって、
式IIにおいて、Pgは保護基であり、そして点線は、化合物の残りが式Iの化合物の構造と同じ構造を有することを意味する、工程;
あるいは
a−ii)式IIの化合物を式IVの化合物:
Figure 2006525961
でアリル化する工程であって、ここでRは、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである、工程;
あるいは
a−iii)式IIの化合物を式Vの化合物:
Figure 2006525961
でアリル化する工程;
あるいは
a−iv)式IIの化合物を式VIの化合物:
Figure 2006525961
でアリル化する工程;
あるいは
a−v)式IIの化合物を式VIIの化合物:
Figure 2006525961
でアリル化する工程;
あるいは
a−vi)式IIの化合物を、以下:
i)アリルトリメチルシランとブチルリチウムとを反応させてトリメチルシリルアリルリチウムを形成する工程;
ii)トリメチルシリルアリルリチウムとホウ酸トリイソプロピルもしくはホウ酸トリメチルとを反応させ、次いで水で後処理(aqueous work up)を行う工程、
を包含するプロセスより得られた反応混合物でアリル化する工程;
または
a−vii)式IIの化合物を、トリメチルシリルアリルリチウムと塩化ジエチルアルミニウムとの反応により得られた反応混合物でアリル化する工程、
または
a−viii)式IIの化合物を、トリメチルシリルアリルリチウムとチタンテトライソプロポキシドもしくはチタンクロロトリイソプロポキシドとの反応により得られた反応混合物でアリル化し、
式XIの化合物:
Figure 2006525961
を形成する工程であって、
ここでPgは上で定義されたものである、工程;
ならびに
b)式XIの化合物を式IのシクロスポリンAアナログに変換する工程。
第2の局面において、本発明は、上記のプロセスのための中間体を提供する。
第3の局面において、本発明は、これらの中間体の調製のためのプロセスを提供する。
また、上で定義された(以下において(i)といわれる)プロセスに含まれる、以下のプロセスが好ましい:
(ii)(i)のプロセスであって、ここで工程(b)は、以下:
b−i)式XIの化合物を、酸性条件下で式XIIの化合物:
Figure 2006525961
に変換する工程であって、
ここでPgは、(i)で定義されたものである、工程;および
b−ii)式XIIの化合物のPgO基をヒドロキシル基に変換する工程、
によって行われる、プロセス。
(iii)Pgがアセチル基である、(i)または(vi)のプロセス。
(iv)工程a−i)、工程a−ii)または工程a−vi)が、タートレートの存在下で行われる、(iii)のプロセス。
(v)工程a−i)、工程a−ii)もしくは工程a−vi)が、ジクロロメタンまたはトルエン中で行われる、(iii)のプロセス。
(vi)工程a−iii)が、BF・EtO、蟻酸、酢酸、またはタートレートエステルの存在下で行われる、(iii)のプロセス。
(vii)工程a−iii)が、水/ジクロロメタンまたは水/トルエン中で行われる、(vi)のプロセス。
(viii)工程a−iii)および工程b−i)が、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中、およびBF・EtOの存在下で行われる、(vi)のプロセス。
(ix)工程a−iii)が、酢酸および/もしくは蟻酸;または酢酸および/もしくは蟻酸と、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選択される1つまたは2つの共溶媒との混合物中で行われる、(vi)のプロセス。
(x)工程a−iii)が酢酸中で行われ、そして工程b−i)が反応混合物への蟻酸の添加により行われる、(ix)のプロセス。
(xi)工程a−iii)および工程b−i)が、蟻酸または酢酸/蟻酸中で行われる、(ix)のプロセス。
(xii)工程a−iv)が、水/ジクロロメタンまたは水/トルエン中で行われる、(i)または(ii)のプロセス。
(xiii)工程a−iv)および工程b−i)が、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはトルエン中で、およびBF・EtOの存在下で行われる、(iii)のプロセス。
(xiv)工程a−v)が、BF・EtOの存在下で行われる、(iii)のプロセス。
(xv)工程a−v)および工程b−i)が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、またはトルエン中、およびBF・EtOの存在下で行われる(xiv)のプロセス。
(xvi) 工程a−v)が、蟻酸または酢酸の存在下で行われる、(iii)のプロセス。
(xvii)工程a−v)およびb−i)が、蟻酸または酢酸/蟻酸中で行われる、(xvi)のプロセス。
(xviii)工程a−v)およびb−i)が、酢酸/蟻酸と、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから選択される共溶媒との混合物中で行われる、(xvii)のプロセス。
(xix)共溶媒が、酢酸イソプロピルである、(xviii)のプロセス。
(xx)工程a−v)が酢酸中で行われ、そして工程b−i)が反応混合物への蟻酸の添加により行われる、(xvi)のプロセス。
(xxi)工程a−vii)が、トリメチルシリルアリルリチウムと塩化ジエチルアルミニウムとの反応により調製された反応混合物での式IIの化合物のアリル化により行われる、(iii)のプロセス。
(xxii)工程a−iii)が、トリメチルシリルアリルリチウムとチタンテトライソプロポキシドまたはチタンクロロトリイソプロポキシドとの反応により調製された反応混合物での式IIの化合物のアリル化により行われる、(iii)のプロセス。
本明細書および特許請求の範囲中で使用される以下の用語は、以下の意味を有する:
本明細書中で使用される場合、「Ca〜bアルキル」は、a〜b個の炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状のアルキル残基を示す。従って、例えば、「C1〜8アルキル」は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状のアルキル残基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert−ブチル)を意味する。
「C3〜8シクロアルキル」とは、3〜8個の環炭素の、飽和一価環式炭化水素基(radical)(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル)をいう。
「保護基」とは、分子中の反応基に結合された場合にその反応性をマスク、減少または防止する、原子基をいう。保護基の例は、T.W. GreenおよびP.G. Futs,Protective Groups in Organic Chemistry,(Wiley,第2版 1991)、ならびにHarrisonおよびHarrisonら,Compendium of Synthetic Organic Methods,第1〜8巻(John Wiley and Sons,1971〜1996)に見出され得る。
本明細書中で表される構造式において、破線の結合:
Figure 2006525961
は、置換基が紙の平面の下にあることを表し、そしてくさび形結合:
Figure 2006525961
は、置換基が紙の平面の上にあることを表す。
本明細書および特許請求の範囲中で使用される以下の略語は、他で特に明記しない限り、以下の意味を有する:
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
DMSO ジメチルスルホキシド
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
TMEDA テトラメチルエチレンジアミン
TMS テトラメチルシラン
TMS− トリメチルシリル
Et エチル
Me メチル
iPr イソプロピル
Bu ブチル
Ac アセチル
RT 室温
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
MS 質量分析
TLC 薄層クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴分光法
2D−COSY 2次元相関分光法
2D−TOCSY 2次元全相関分光法
HSQC ヘテロ核単量子コヒーレンス(Heteronuclear Single Quantum Coherence)
Cryst. 結晶化
Cpd 化合物
min. 分
h 時間。
本発明のプロセスで使用される出発物質および試薬は、供給業者(例えば、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wisconsin,USA)、Bachem(Torrance,California,USA)、Emka−ChemieまたはSigma(St.Louis,Missouri,USA),Maybridge(Dist:Ryan Scientific,P.O.Box 6496,Columbia,SC 92960)、Bionet Research Ltd.,(Cornwall PL32 9QZ,UK)、Menai Organics Ltd.,(Gwynedd,N.Wales,UK)、Butt Park Ltd.,(Dist.Interchim,Montlucon Cedex,France)、Fluka(CH−9471 Buchs,CH)、Acros Organics(B−2440 Geel,BE))のいずれかから市販されているか、または以下の参考文献に示される手順のような当業者に公知の方法により調製される:Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,第1〜17巻(John Wiley and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,第1〜5巻および補遺(Elsevier Science Publishers,1989)、Organic Ractions,第1〜40巻(John Wiley and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,1992)、ならびにLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)。
反応の出発物質および中間体は、所望の場合、従来技術を使用して単離および精製され得、その技術としては、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない。このような物質は、従来の手段(物理的定数およびスペクトルデータが挙げられる)を使用して特徴付けられ得る。
式Iの化合物は、スキームAに例示されるように調製される。アリル化試薬として本明細書中で言及されるアリル金属試薬もまた、一般的な意味でとられ、そして金属部分がホウ素に基づくが、金属それ自体ではない試薬を包含し得る。
Figure 2006525961
(Pgは、保護基であり、点線は、化合物の残りが式Iの化合物の構造と同じ構造を有することを意味し、Rは、水素、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルであり、そしてRが水素の場合、式IIIの化合物はその三量体を含み、そしてRは、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである)。
工程a)において、式IIの保護されたシクロスポリンAアルデヒドは、式III、IV、V、VI、VII、VIIIなどのγ−シリル化アリル金属試薬によりアリル化され、式XIのβ−シリルホモアリル型アルコールジアステレオマーの混合物を形成する(アリル金属およびアルデヒドのアリル化の一般的な考察については、「Allyl Organometallics」におけるW.R.Roush,Comprehensive Organic Synthesis,Pergammon Press,第2巻,1〜53頁;「Selective Reactions Using Allylic Metals」におけるY.Yamamoto,N.Asao,Chemical Reviews 1993,93,2207〜2293頁を参照のこと)。β−シリルアルコールフラグメントの、相対的なアンチ立体配置またはシン立体配置の制御は、アルデヒドアリル化工程を行うことに使用されるアリル金属試薬および条件に依存する(γ−シリル置換アリル金属試薬の一般的な考察については、「Silylallyl Anions in Organic Synthesis:A Study in Regio−and Stereoselectivity」におけるT.H.Chan,Chemical Reviews 1995,95,pl279−1292を参照のこと)。このアルコールは、スキームBに示されるように、多くの場合、イス様6員環遷移状態(チンメルマン−トラックスラー(Zimmerman−Traxler)遷移状態とも呼ばれる)を経て形成すると考えられる。
Figure 2006525961
このような遷移状態において、アルデヒド側鎖は、好ましくは、1,3−ジアキシャル立体相互作用を最小限にするために、シュードエカトリアル(pseudo equatorial)配置をとる。従って、β−シリルアルコールフラグメントの相対立体配置は、アリル金属試薬のC−C二重結合の立体配置により決定される。
従って、トランス−γ−シリル化アリル金属試薬またはシス−γ−シリル化アリル金属試薬の使用は、それぞれ、主に、アンチ−β−シリルアルコール異性体またはシス−β−シリルアルコール異性体をもたらすはずである。このことは、一般的に、例えば、アリル−ホウ素試薬、アリル−チタン試薬およびアリル−アルミニウム試薬について適用できる。
この規則に対する例外は、例えば、γ−シリル化トリアルキルアリルスズ試薬がルイス酸条件下でアルデヒドに添加される場合の、機構が異なり、そして反応が主にシンβ−シリルアルコール異性体を提供する場合に見出される。
工程b)において、式XIのβ−シリルアルコールは、式Iの(E)−ISA247に変換される。
工程b)は、スキームCに例示されるように行われ得る。
Figure 2006525961
(Pgおよび点線は、上で定義されたような意味を有する)。
工程b−i)において、式XIのβ−シリルアルコールは、ピーターソン(Peterson)脱離を起こし(ピーターソン脱離の一般的な考察については、「The Peterson Reaction」におけるD.J.Ager,Synthesis 1984,p384−397およびこの中に記載された参考文献を参照のこと)、そして内部二重結合が生成される(すなわち、β−シリルアルコール部分からのシラノールの脱離が起こる)。
高度な二重結合異性体の純度を達成することを考慮すると、アリル化−ピーターソン脱離の順番の成功は、β−シリルアルコール部分の相対的なアンチ立体配置またはシン立体配置の選択的導入に依存する。
実際に、ピーターソン脱離は立体特異的であることが公知である。シン異性体がスキームDに例示される条件と同じ条件下で他の二重結合異性体を生成する場合、アンチ異性体は1つの異性体二重結合を提供する。
Figure 2006525961
(Pgおよび点線は、上で定義されたような意味を有する)。
アンチ異性体は、酸性ピーターソン脱離条件下でトランス二重結合を与えるはずだが、他方シン異性体は、シス二重結合を与える。この反応は、ヒドロキシル基およびシリル基が脱離の前にアンチ立体配座である機構を介して進行する。
ピーターソン脱離が塩基性条件下で行われる場合、この状況は反対となり、その場合は、反応は、脱プロトン化ヒドロキシル基および脱プロトン化シリル基が脱離の前にシン立体配座である機構を介して進行する。
従って、基本的には、β−シリルアルコール部分のシン相対立体配置もしくはアンチ相対立体配置のいずれかの形成を制御することにより、または酸性ピーターソン脱離条件もしくは塩基性ピーターソン脱離条件のいずれかを使用することにより、いずれかの二重結合異性体が達せられ得る。
本発明において、トランス−γ−シリル化アリル金属試薬は、式IIの保護されたシクロスポリンAアルデヒドをアリル化して、式XIのアンチβ−シリルアルコールジアステレオマーの混合物を形成するために使用される。従って、ピーターソン脱離は酸性条件下で行われ、トランス二重結合を形成する。
酸性促進反応のための代表的な酸としては、硫酸、蟻酸、塩酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、および種々のルイス酸が挙げられ得る。好ましい酸は、硫酸、蟻酸、メタンスルホン酸およびBF・EtOであり、特に硫酸、蟻酸、およびBF・EtOである。
この工程は、−70℃〜50℃の反応温度で行われ得る。蟻酸について好ましい温度範囲は、0℃〜50℃であり、より好ましくは20℃〜40℃である。硫酸およびメタンスルホン酸について好ましい温度範囲は、0℃〜40℃であり、より好ましくは20℃〜30℃である。BF・EtOについて好ましい温度範囲は、−80℃〜50℃であり、好ましくは−80℃〜25℃であり、特に好ましくは−80℃〜0℃である。
E−アセチル−ISA247は、MTBE中での結晶化(例えば、ジクロロメタンからMTBEへの溶媒交換を介する)、またはMeOH/水混合物中での結晶化によって精製され得る。
工程b−ii)において、保護基が取り外され、炭素上の官能基がアルコールに戻る。利用される条件および試薬は、使用される保護基に依存し、これは、当業者に公知である。アシル基(R’C(O)−;ここでR’は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和一価炭化水素基(radical)、または3〜6個の炭素原子の分枝鎖状飽和一価炭化水素基(radical)である)(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル)は、好ましくは、保護基として使用され得る。上記保護基がアセチル基である場合、この保護基は、例えば、メタノールおよび水中でKCOでの処理によって取り外され得る。これらの条件下、ジエンフラグメントの異性体純度は維持される。従って、E−ISA247の二重結合異性体純度は、E−アセチル−ISA247の二重結合異性体純度を反映する。保護基を取り除くために使用され得る、炭酸カリウム以外の塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、およびカリウムアルコキシドが挙げられる。
(アリルホウ素試薬による(E)−ISA247の合成)
(式IIIまたは式IVのγ−シリル化アリルホウ素試薬によるアリル化(工程a−iおよび工程a−ii))
一般的に、過剰の式IIIまたは式IVの試薬が、アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル化を、受容可能な時間内で完了させるために必要である。より多い変換およびより速い速度が、活性化試薬(例えば、タートレートエステルおよび/またはジクロロメタン)を(共)溶媒として使用することにより達成される。ボロン酸の一般的な挙動に従って、式IIIaの試薬は、環式三量体(ボロキシン)またはオリゴマーの形態で潜在的に存在し得る(ボロン酸のこのような挙動の例については、「Design of Bronsted Acid−Assisted Chiral Lewis Acid(BLA)Catalysts for Highly Enantioselective Diels−Alder Reactions」におけるK.Ishihara,H.Kurihara,M.MatsumotoおよびH.Yamamoto,Journal of the American Chemical Society 1998,120,p6920−6930を参照のこと)。ホウ酸トリイソプロピルが式IIIaの粗試薬の溶液の調製のために使用される場合、式IIIaの試薬はまた、ジイソプロピルボロネートエステル(B(OiPr)から生成したイソプロパノール由来の、TMS−CH=CH−CH−B(OiPr))、および混合誘導体(例えば、TMS−CH=CH−CH−B(OH)(OiPr))を含み得る。この溶液は、精製せずにアリル化試薬として使用され得る。
あるいは、式IIIaの試薬の溶液は、好ましくは酸(例えば、硫酸、塩酸、酢酸、好ましくは酢酸)の存在下で、有機溶媒/水混合物(例えば、ジクロロメタン/水混合物、トルエン/水混合物、酢酸エチル/水混合物、THF/水混合物、クロロホルム/水混合物、好ましくはジクロロメタン/水混合物)中での式Vの錯体の加水分解により生成され得る。ここに記載したように調製された式IIIaの試薬のジクロロメタン溶液でのアセチル−シクロスポリンAアルデヒドのアリル化は、2当量程度の少ないの試薬を使用して、高い変換が達成され得る。この場合において、イソプロピル誘導体は、いうまでもなく存在しない。
(タートレート活性化なし)
トルエンは、これらの反応のための溶媒として使用され得るが、顕著な溶媒効果が、これらの反応で観察された。アリル化は、極性の非配位溶媒中で、好ましくはジクロロメタン中で、最も良好に行われる。
タートレート添加物が省略される場合、アリル化は、好ましくは、粗ボロン酸の濃縮溶液(>10%、好ましくは約50%濃度)を使用してジクロロメタン中で行われる。
式III(ここで、Rは、水素、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルであり、そして/またはRが水素の場合、式IIIの三量体)の好ましい試薬は、Rが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルもしくはベンジルであり、より好ましくはRが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルもしくはブチルであり、さらに好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、もしくはブチルであり、特に好ましくは水素である試薬である。アリル化は、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、THF、トルエン、クロロホルムまたはジクロロメタン)中で行われ、好ましくは、酢酸エチル、トルエンまたはジクロロメタン中で行われ、より好ましくはトルエンまたはジクロロメタン中で行われ、特に好ましくはジクロロメタン中で行われる。
例えば、式IIIの試薬による(E)−ISA247の合成は、スキームEに例示されるように行われ得る。
Figure 2006525961
(Rおよび点線は、上で定義されたような意味を有する)。
10当量の約50%のボロン酸溶液を含むジクロロメタン中での、アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル化は、RTにおいて60分以内に95%を超える変換に達し、そしてアンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマー(XI’)の混合物をもたらす。ピーターソン脱離は、0℃〜RTで、硫酸を含むTHF中での粗アリル化生成物に対する水での後処理後に行われ得る。あるいは、ピーターソン脱離は、THFおよび硫酸の添加によりアリル化反応混合物に対して直接起こり得る。水で後処理および結晶化は、(E)−アセチル−ISA247(XII’)をもたらす。
(E)−アセチル−ISA247(XII’)の加水分解は、(E)−ISA247(I)を生じる。
(タートレート活性化あり)
スキームFに示されるように、乾燥剤の存在下でのタートレートエステル(例えば、L−(+)−ジメチルタートレート)の添加は、インサイチュで対応するボロン酸エステル(文献で公知の試薬クラスであり、非常に高いアリル化反応性を示す)を生成することにより式IIIaのボロン酸を活性化する。次いで、この反応は、部分的にまたは主に、生成したボロン酸エステルを経て進行し、アリル化の速度を高める、。
Figure 2006525961
(Rは、C1〜8アルキルであり、好ましくはC1〜6アルキルであり、より好ましくはメチル、エチルまたはイソプロピルであり、特に好ましくはメチルである)。
式IVの試薬でのアリル化は、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、THF,トルエン、クロロホルムまたはジクロロメタン)中で行われ、好ましくは酢酸エチル、トルエンまたはジクロロメタン中で行われ、より好ましくはトルエンまたはジクロロメタン中で行われ、特に好ましくはジクロロメタン中で行われる。
例えば、式IVの試薬による(E)−ISA247の合成は、スキームGに例示されるように行われる。
Figure 2006525961
(点線は、上で定義されたような意味を有する)。
乾燥剤(例えば、モレキュラシーブまたは硫酸マグネシウム(好ましくは硫酸マグネシウム))の存在下で式IIIaのボロン酸の溶液とL−(+)−ジメチルタートレートとを混合することによる、式IVa’の試薬の生成は、11B NMR分析およびH NMR分析により証明される。
0℃〜RTの温度(好ましくは0℃)でのL−(+)−ジメチルタートレートの添加によりインサイチュで活性化される、アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のボロン酸試薬でのアリル化は、アンチβ−シリルアルコールジアステレオマー(XI’)の混合物を与える。水での後処理後、THF中で硫酸でのピーターソン脱離が続き、後処理および結晶化の後、(E)−アセチル−ISA247(XII’)を与える。アセチル保護基の加水分解は、(E)−ISA247(I)をもたらす。
タートレート活性化ありかまたはなしで、粗ボロン酸溶液の使用を包含する反応が中性pHまたは酸性pH(3と7との間、好ましくは5と6との間)で行われるべきであることを注意すべきである。実際に、pHが7を超える場合、式XVのビニルシランと同定される、かなりの量の副生成物が形成される。EtNアミンがpH9〜10に達するように添加される場合の試験反応(タートレート活性化をしないで行われる)は、(MS、H NMR、COSY、TOCSYおよびHSQCのNMR実験で証明されるように)ビニルシラン生成物XVのほとんど排他的な形成をもたらす。このような効果は、全体的に予測されなかった。
Figure 2006525961
(点線は、上で定義したような意味を有する)。
(式Vのγ−シリル化アリルホウ素試薬のアリル化(工程a−iii))
活性化なしでは、式Vのジエタノールアミン錯体は、RTではジクロロメタンまたはTHFのような非プロトン性溶媒中でアセチル−シクロスポリンAアルデヒドと反応しない。しかし、式Vの錯体は、ボロン酸に対応する安定な供給源を表す。
水/有機溶媒(例えば、酢酸エチル、THF、ジクロロメタンまたはトルエン、好ましくは酢酸エチル、ジクロロメタンまたはトルエン、より好ましくはジクロロメタン)中で、好ましくは酸(例えば、硫酸、塩酸または酢酸、好ましくは酢酸)の存在下で、混合物が処置される場合、例えば、スキームHに示されるように、ジエタノールアミン錯体Vは、加水分解され、そして反応性ボロン酸を遊離し、これは次いで、好ましくはRTで、アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)と反応し得る。
Figure 2006525961
このような条件下でのアセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル化は、アンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマー(XI’)の混合物を与える。水相の廃棄後、溶媒は、THFに交換され、そして硫酸が添加され、ピーターソン脱離を行う。水で後処理および結晶化は、(E)−アセチル−ISA247(XII’)を与える。続いての加水分解は、(E)−ISA247(I)をもたらす。あるいは、水で後処理の後に粗アンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの単離が行われ、続いて標準的な条件(THF中の濃硫酸)下でピーターソン脱離が行われ、E−アセチル−ISA247を与える。
例えば、式Vの錯体による(E)−ISA247の合成は、スキームIに例示されるように行われ得る。
Figure 2006525961
(点線は、上で定義したような意味を有する)。
アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル金属化もまた、非水性条件下で、式Vの錯体により直接的に起こり得る。実際に、プロトン性溶媒(例えば、カルボン酸)が特に有効である。溶媒混合物は、酢酸および/もしくは蟻酸、または酢酸および/もしくは蟻酸と共溶媒(例えば、ジクロロメタンおよびTHF)との組み合わせであり得る。アリル化は、酢酸中、RTと35℃との間で最も良好に行われる。これは、アンチβ−シリルアルコールジアステレオマー(XI’)の混合物を与える。これらの中間体は、言うまでもなく、単離され得るが、ピーターソン脱離は、1つの容器中での反応混合物への酸(例えば、蟻酸、硫酸またはメタンスルホン酸、好ましくは蟻酸)の添加により行われ得る。水で後処理および結晶化は、(E)−アセチルISA247(XII’)をもたらす。続いての加水分解は、(E)−ISA247(I)を与える。
蟻酸が十分な量でアリル化のために使用される溶媒混合物中に存在する場合、ピーターソン脱離は、1つの容器中で起こり得、直接的に(E)−アセチル−ISA247をもたらす。
別の代替法は、ルイス酸(例えば、BF・EtO)の存在下でアセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)への式Vの錯体の添加を行うことにある。例えば、BF・EtOでの反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはTHF)中で、−40℃〜RTの範囲にある温度で行われ得る。これらの条件下、アリル化の後にピーターソン脱離が直接的に続き得、予測された(E)−アセチル−ISA247(XII’)をもたらす。
(式VIのγ−シリル化アリルホウ素試薬によるアリル化(工程a−iv))
2相性の水/有機溶媒、好ましくは水/ジクロロメタン混合物または水/トルエン混合物、より好ましくは水/ジクロロメタン混合物中で、RTで、アリルトリフルオロボレートVIとアセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)とを反応させることは、アンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマー(XI’)の混合物を与える。水相が排出された後、0℃〜RTの温度でTHFおよび硫酸の添加によりピーターソン脱離が行われ、(E)−アセチル−ISA247(XII’)を与える。ピーターソン脱離はまた、アンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの単離後に、標準的な条件(THF中の硫酸)下で行われ得、E−アセチル−ISA247を与える。
アリル化はまた、ルイス酸により促進され得る。この場合では、アリル化およびピーターソン脱離は、インサイチュで起こり得る。例えば、−70℃での、ジクロロメタン中アセチル−シクロスポリンAアルデヒド(XII’)の溶液中のアリルトリフルオロボレートVIの懸濁液(2当量)への過剰なBF・EtOの添加は、60分の反応および水で後処理後、(E)−アセチル−ISA247(I)を与える。この反応のための溶媒は、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、THF、またはトルエン、好ましくはジクロロメタン)である。
(式VIIのγ−シリル化アリルホウ素試薬のアリル化(工程a−v))
この試薬でのアルデヒドのアリル化は、ゆっくりと進行すること(RTで1日〜数日)が文献から公知である。従って、溶媒(例えば、THF、ジクロロメタン、トルエン、DMFおよびDMSO)中での、過剰の式VIIの試薬(5〜10当量)でのアセチル−シクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル化は、RTでゆっくりと進行する。
加熱、大過剰の試薬の使用、または高濃度は、アセチルシクロスポリンAアルデヒドのアリル化の速度を高め得たが、より良好な代替法が溶媒の適切な選択により見出された。
カルボン酸(例えば、蟻酸または酢酸)は、アリル化の速度を劇的に高めると見出された。例えば、酢酸中で行われる場合、アセチルシクロスポリンAアルデヒド(II’)のアリル化は、5時間以内、RTで、2当量の式VIの試薬を使用して、95%を超える変換に到達し、β−シリルアルコール(XI’)を与える。蟻酸のさらなる添加は、ピーターソン脱離を進行させる。(E)−アセチル−ISA247(XII’)は、中間体β−シリルアルコールの相対的なアンチ立体化学的配置を確認する、抽出物の後処理後に得られる。ピーターソン脱離はまた、アンチβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの単離後に、標準的な条件(THF中の硫酸)下で行われ得、(E)−アセチル−ISA247を与える。
蟻酸または好ましくは酢酸と蟻酸との組み合わせ(例えば、約1:1 v/v)もまた、効果的な溶媒である。この場合では、アリル金属化およびそれに続くピーターソン脱離は、1つの容器中で起こり得る。酢酸と蟻酸との組み合わせ(例えば、約1:1 v/v)中では、アセチル−シクロスポリンAアルデヒドのアリル化、およびそれに続くピーターソン脱離は、60分以内、RTで、1.5当量の試薬を使用して、90%を超える変換に到達する。水での抽出物の後処理および結晶化は、(E)−アセチル−ISA247(XII’)を与える。
酢酸と、蟻酸と、適切な共溶媒との混合物もまた、使用され得る。ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル、好ましくは酢酸イソプロピルが、共溶媒として使用され得る。反応性の低下は、共溶媒を使用する場合に観察され得るが、これは、反応温度を上昇することにより補償され得る。
メタノール水溶液中でのアセテート保護基のKCOでの加水分解は、(E)−ISA247(I)を与える。
例えば、式VIの試薬による(E)−ISA247の合成は、スキームJに例示されるように行われ得る。
Figure 2006525961
酢酸および蟻酸のようなカルボン酸溶液中で使用される場合、式VIIの試薬の上昇した活性の起源は、これらの溶媒の高い極性および低い錯化能力に由来し得る。別の効果は、プロトン化によるアルデヒドのカルボニル基の活性化によるアリル化の酸性触媒を与えるような、これらの溶媒の能力に見出され得る。
式VIIの試薬のアセチルシクロスポリンAアルデヒド(II’)への付加は、−70℃〜0℃の温度で、トルエン、THFまたはジクロロメタン中、好ましくはトルエンまたはジクロロメタン中、好ましくはジクロロメタン中で、ルイス酸(例えば、BF・EtO)により促進され得る。アルキル化反応下で、ピーターソン脱離がまた起こり、そして抽出物の水で後処理の後に(E)−アセチル−ISA247(XII’)が得られ得る。
(アリルチタン試薬による(E)−ISA247の合成)
THF中で、−80℃〜0℃の温度で、好ましくは−80℃〜−30℃の温度で、より好ましくは−80℃〜−50℃の温度で、特に好ましくは−80℃〜−60℃の温度で行われる、トリメチルシリルアリルリチウムとチタンジクロロジイソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシドまたはチタンクロロトリイソプロポキシド、好ましくはチタンテトライソプロポキシドまたはチタンクロロトリイソプロポキシドとから調製されたγ−トリメチルシリルアリルチタン試薬と、アセチル−シクロスポリンAアルデヒドとの反応は、水で後処理後、ジアステレオマーのアンチβ−シリルアルコールXI’の混合物を与える。標準的な条件下(THF中のHSO)でのピーターソン脱離は、E−アセチル−ISA247(XII’)をもたらす。
(アリルアルミニウム試薬による(E)−ISA247の合成)
THF中で、−80℃〜0℃の温度で、好ましくは−80℃〜−30℃の温度で、より好ましくは−80℃〜−50℃の温度で、特に好ましくは−80℃〜−60℃の温度で行われる、トリメチルシリルアリルリチウムと二塩化エチルアルミニウムまたは塩化ジエチルアルミニウム、好ましくは塩化ジエチルアルミニウムとから調製されたγ−トリメチルシリルアリルアルミニウム試薬とアセチル−シクロスポリンAアルデヒドとの反応は、水で後処理後、ジアステレオマーのアンチβ−シリルアルコールXI’の混合物を与える。標準的な条件下(THF中のHSO)でのピーターソン脱離は、E−アセチル−ISA247(XII’)をもたらす。
(γ−シリル化アリル金属試薬の調製)
アリル金属化工程に必要とされるγ−シリル化アリル金属試薬は、脱プロトン化、適切な金属試薬でのトラッピングにより、および必要に応じて、金属の残りの適切なリガンドによるさらなる錯化により、対応するアリルシランから最も良好に生成される。得られた試薬は、その試薬の安定性およびプロセスに依存して、インサイチュで使用され得るか、または単離および保存され得る。
他のシリル−置換アリルシランが明らかに使用され得てきたが、トリメチルシリル誘導体は、最少量の廃棄物をもたらす。実際に、シリルフラグメントは、ピーターソン脱離の際に失われる。
アリルシランの脱プロトン化のための多くの条件が文献で刊行されてきたが、これらの条件は、通常、共溶媒または共試薬(例えば、HMPA、TMEDAもしくはカリウムt−ブトキシド)と組み合わせたかまたは組み合わせていない有機溶媒(一般的にTHF)中で、−100℃〜RTの範囲にある温度で、n−ブチルリチウム(またはsec−異性体およびtert−異性体)を使用する(例えば、「Silylallyl Anions in Organic Synthesis:A Study in Regio−and Stereoselectivity」におけるT.H.Chan,Chemical Reviews 1995,95,p1279−1292;「Silafunctional compounds in organic synthesis.33.Metalated allylaminosilane:a new,practical reagent for the stereoselective.alpha.−hydroxyallylation of aldehydes to erythro−1,2−diol skeletons」におけるKohei Tamao,Eiji Nakajo,およびYoshihiko Ito,Journal of Organic Chemistry 1987,52,pp957−958;「Silicon in Synthesis.10.The(Trimethylsilyl)allyl Anion:A β−Acyl Anion Equivalent for the Conversion of Aldehydes and Ketones into γ−Lactones」におけるE.EhlingerおよびP.Magnus,Journal of the American Chemical Society 1980,102,pp5004−5011;「The Regioselectivity of 1,3−Disubstituted Allylmetal Species Towards Electrophiles:1−(Trimethylsilyl)alk−2−enylpotassium Compounds」におけるM.Schlosser,L.Franzini,Synthesis 1998,pp707−709;「Ring−opening of oxiranes by silyl−substituted allyl anions.A regiochemical chameleon」におけるE.SchaumannおよびA.Kirschning,Tetrahedron Letters 1988,29,pp4281−4284を参照のこと)。
スキームKに例示されるように、アリルトリメチルシランは、THF中で、0℃〜35℃の範囲にある温度で、好ましくは0℃と25℃との間の温度で、30分〜3時間までで、n−ブチルリチウムにより脱プロトン化される。これは、トリメチルシリルアリルリチウム中間体を生成する。この中間体は、おそらくは、溶液中に、トランス立体配置のリチウムのπ−アリル錯体として存在する(「Silylallyl Anions in Organic Synthesis:A Study in Regio−and Stereoselectivity」におけるT.H.Chan,Chemical Reviews 1995,95,p1279−1292;「Polar Allyl Typer Organometallics as Key Intermediates in Regio−and Stereocontrolled Reactions:Conformational Mobilities and Preferences」におけるM.Schlosser,O.Desponds,R.Lehmann,E.MoretおよびG.Rauschschwalbe,Tetrahedron 1993,49,pl0175−10203)。次いで、このアニオンは、通常−80℃〜−60℃の温度で、求電子性金属源によりトラップ(遷移金属化)され、対応するトランス−アリル金属試薬を生成する。金属の残りに依存して、これらの試薬は、インサイチュでアルデヒドと反応されるか、または後の使用のために単離され得る。これはまた、アリル化用の試薬を活性化するためにか、またはこれらの単離を可能にするために、適切な試薬の添加により別の錯体に変化され得る。
Figure 2006525961
(MおよびM’は、金属およびそのリガンドを含む金属性フラグメントである)。
(アリルホウ素試薬の調製)
(式IIIaのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
式IIIaの粗ボロン酸の溶液は、アリルメチルシランの脱プロトン化、求電子性ホウ素試薬でのトラッピング、および水で後処理の後に得られる。アリルトリメチルシランの脱プロトン化は、ブチルリチウムを含むTHF中で、0℃と35℃との間で、好ましくは0℃と25℃との間で、30分〜3時間、行われる。求電子性ホウ素試薬は、ホウ酸トリアルキル(例えば、ホウ酸トリイソプロピルまたはホウ酸トリメチル、好ましくはホウ酸トリイソプロピル)である。トリメチルシリルアリルリチウム中間体のホウ酸トリイソプロピルでのトラッピングは、−80℃と−20℃との間で、好ましくは−60℃より下で、30分〜2時間行われる。トリメチルシリルアリルリチウム中間体のホウ酸トリメチルでのトラッピングは、−80℃と−60℃との間で、30分〜2時間行われる。
アリルボロン酸が不安定であり、従って、粗ボロン酸が溶液中に維持されることが公知である(「The Addition of γ−(Trimethylsilyl)allylboronates to Imines」におけるP.G.M.WutsおよびY.−W.Jung,Journal of Organic Chemistry 1991,56,p365−372(化合物9の調製についての実施例中のコメントを参照のこと);「Asymmetric Synthesis Using Diisopropyl Tartrate Modified(E)−and(Z)−Crotylboronates;Preparation of the Chiral Crotylboronates and Reactions with Achiral Aldehydes」におけるW.R.Roush,K.Ando,D.B.Powers,A.D.PalkowitzおよびR.L.Halterman,Journal of the American Chemical Society 1990,112,6339(参考文献17を参照のこと))。濃縮溶液(>10%濃度、例えば、約50%濃度)は、RTにおいて安定でなく、分解してしまう。この濃縮溶液は、素早く使用されるべきである。必要に応じて、この濃縮溶液は、最高5℃で保存されるべきである。ボロン酸の一般的な挙動に従って、式IIIaのボロン酸はまた、本質的に、環式三量体(ボロキシンとも呼ばれる)またはオリゴマーの形態で存在し得る。ホウ酸トリイロプロピル由来のイソプロパノールもまた、(プロセスに依存して)存在し得るので、(混合された)イソプロピルホウ素エステル(TMS−CH=CH−CH−B(OH)(OiPr)および/またはTMS−CH=CH−CH−B(OiPr))もまた、存在し得る。実際に、等容積のCDClで希釈された式IIIaのホウ素試薬の濃縮溶液(約50%)のH NMR分析および11B NMR分析は、いくつかのボロネート種の存在を示すが、逆相HPLC分析は、主にボロン酸を示す(HPLC条件下で、オリゴマー、二量体および三量体は、加水分解され、そしてボロン酸に変換されるべきである)。
あるいは、式IIIaの試薬の溶液は、有機溶媒/水混合物(例えば、ジクロロメタン/水混合物、トルエン/水混合物、酢酸エチル/水混合物、THF/水混合物、クロロホルム/水混合物、好ましくはジクロロメタン/水混合物)中で、好ましくは酸(硫酸、塩酸、酢酸、好ましくは酢酸)の存在下で、式Vの錯体の加水分解により調製され得る。
式IIIaのγ−シリル化アリル金属試薬の調製は、例えば、スキームLに例示されるように行われる。
Figure 2006525961
(式IVのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
式IVのボロネート試薬(ここで、Rは、C1〜8アルキル、好ましくはC1〜6アルキル、より好ましくはメチル、エチルもしくはイソプロピル、特に好ましくはメチルである)は、乾燥剤(例えば、モレキュラシーブまたは硫酸マグネシウム、好ましくは硫酸マグネシウム)の存在下で、式IIIaのホウ素試薬を、必要とされるタートレートエステルで処理することにより調製される。
11B NMR分析およびH NMR分析により証明されるように、式IVa’の試薬は、乾燥剤(例えば、モレキュラシーブまたは硫酸マグネシウム、好ましくは硫酸マグネシウム)の存在下で、式IIIaのボロン酸の溶液とL−(+)−ジメチルタートレートとを混合することにより調製される。
(式IIIのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
この試薬は、乾燥剤(例えば、モレキュラシーブまたは硫酸マグネシウム、好ましくは硫酸マグネシウム)の存在下で、式IIIaのホウ素試薬を、必要とされるアルコールで処理することにより調製され得る。式IVの好ましいボロネート試薬(ここで、Rは、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである)は、Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルもしくはベンジルであり、より好ましくはRが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルもしくはブチルであり、さらに好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、もしくはブチルであり、特に好ましくはRがメチル、エチル、プロピル、もしくはブチルであり、特に好ましくはRがメチルである、試薬である。
(式Vのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
式IIIaの粗ボロン酸の溶液(上で記載された調製物)に、ジエタノールアミンが添加される。ヘプタンへの溶媒交換および結晶化は、式Vのジエタノールアミン錯体を固体として与える。錯体の11B NMR分析によって証明されるように(BF・EtO(外部基準)に対して、δ=11ppm)、この試薬の特別な特徴は、ジエタノールアミンフラグメントの窒素の孤立電子対とホウ素原子との間の相互作用の存在(すなわち、ホウ素原子による窒素原子の錯化)である。
例えば、式Vのγ−シリル化アリル金属試薬の調製は、スキームMに例示されるように行われる。
Figure 2006525961
(式VIのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
Figure 2006525961
一般的に、水/メタノール溶媒混合物中、アリルトリフルオロボレートカリウム塩は、対応するボロン酸を3当量のKHFで処理することにより調製される(例えば、「Diastereoselective Allylation and Crotylation Reactions of Aldehydes with Potassium Allyl−and Crotyltrifluoroborates under Lewis acid Catalysis」におけるR.A.Batey,Synthesis 2000,pp990−998を参照のこと)。しかし、これらの手順の、式VIのトリフルオロボレートの調製への直接的な適用は、反応混合物の酸性pHに起因する前脱ホウ素化(protodeborylation)を介して、実質的な量のアリルトリメチルシランの形成をもたらす。
この副反応を回避するために、修飾がなされる。従って、スキームOに例示されるように、ボロン酸のメタノール溶液は、RTで、フッ化物供給源としての2当量のKHFで処理される。この懸濁液は、RTで60分間撹拌される。残留有機塩は、濾過により取り除かれる。トリフルオロホウ酸塩VIのメタノール性溶液は、減圧下で濃縮され、そして生成物は0〜5℃で結晶化される。トリフルオロホウ酸塩VIは、濾過により単離され、そして減圧下で乾燥される。
必要とされるボロン酸溶液は、水/ジクロロメタン混合物中、酢酸のような酸の存在下で、式Vのジエタノールアミン錯体を加水分解することにより調製される。水相は廃棄され、そして溶媒がジクロロメタンからメタノールへ交換される。
あるいは、ジエタノールアミン錯体Vは、出発材料として直接的に使用され得る。トリフルオロホウ酸塩VIが調製され得るが、結晶化は起こらない。
(式VIIのγ−シリル化アリルホウ素試薬)
式IIIaの粗ボロン酸溶液(上に記載された調製物)に、ピナコールが添加される。この反応混合物は、室温で撹拌され、次いで、減圧下で濃縮される。このピナコール複合体VIIは次いで、低圧下で蒸留され得るか、または直接的にアリルメタル化工程に用いられ得る。式VIIのピナコール複合体の調製は、例えば、スキームOに示されるように実施される。
Figure 2006525961
あるいは、1−トリメチルシリルアリルリチウムの捕獲は、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(dioxaborolane)を用いて実施され、水溶性検定の後、式VIIのピナコールボロネートに直接的に誘導し得る。
あるいは、上記の試薬は、室温でブチルリチウムを用いたアリルトリメチルシランの脱プロトン化、トリ−イソプロピルボレートを用いたアリルリチウム(allylithium)中間体のクエンチ(−80℃〜−20℃の間、好ましくは−80℃〜−30℃の間)、ピナコールの添加、次いで水溶性検定によって調製され得る。
(アリルチタン試薬の調製)
(トリメチルシリル)アリルチタン試薬は、上に記載されるようにトリメチルシリルアリルリチウムを形成するためのアリルトリメチルシランの脱プロトン化、および−80℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−30℃、より好ましくは−80℃〜−50℃、とりわけ−80℃〜−60℃の温度で、この中間体とチタンジクロロジイソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシドまたはチタニウムクロロトリイソプロポキシド、好ましくはチタンテトライソプロポキシドまたはチタニウムクロロトリイソプロポキシドとの反応を介してインサイチュで調製される。生じたチタン試薬は、保護されたシクロスポリンAアルデヒドのアリル化のためにインサイチュで用いられる。これら試薬の推定される構造は、以下:
Figure 2006525961
に示される。
(アリルアルミニウム試薬の調製)
(トリメチルシリル)アリルアルミニウム試薬は、上に記載されるようにトリメチルシリルアリルリチウムを形成するためのアリルトリメチルシランの脱プロトン化、および−80℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−30℃、より好ましくは−80℃〜−50℃、とりわけ−80℃〜−60℃の温度で、この中間体とジエチルアルミニウムクロリドのようなジアルキルアルミニウムクロリドとの、またはエチルアルミニウムジクロリドのようなアルキルアルミニウムジクロリドとの、好ましくはジエチルアルミニウムクロリドとの反応を介してインサイチュで調製される。生じたアルミニウム試薬は、保護されたシクロスポリンAアルデヒドのアリル化のためにインサイチュで用いられる。
これら試薬のうちの一つの推定される構造は、以下:
Figure 2006525961
に示される。
(保護されたシクロスポリンAアルデヒドの調製)
式IIの保護されたシクロスポリンAアルデヒドは、スキームPに示されるように調製され得る。
Figure 2006525961
(点線は、上に定義されるような意味を有する)。
工程c−i)において、保護基は、式XIIIのシクロスポリンAに導入され、1−アミノ酸残基の側鎖のβ位置でヒドロキシル基を保護する。保護基は、有機合成において周知であり、刊行物Protecting Groups in Organic Synthesis(Sheffield Academic Press,Sheffield,England,1999)、24〜25ページの「The Protection of Alcohols」第2章にJ.R.Hansonによって考察されている。Hansonは、ヒドロキシル基をエステルまたはエーテルのいずれかに変換することによってどのようにヒドロキシル基を保護するのかを教唆する。酢酸エステルはおそらく、ヒドロキシル基を保護するために最も頻繁に用いられる化学的性質の型である。酢酸基を導入するために用いられ得る広範な条件がある。これらの試薬および溶媒としては、無水酢酸およびピリジン;無水酢酸、ピリジンおよびジメチルアミノピリジン(DMAP);無水酢酸および酢酸ナトリウム;無水酢酸およびトルエン−p−スルホン酸、塩化アセチル、ピリジンおよびDMAP;ならびにケテンが挙げられる。DMAPは、無水物から高反応性N−アシルピリジウム塩を形成するので、有用なアシル化触媒である。
例えば、シクロスポリンAのβ−アルコールは、塩化アセチル、酢酸エチルまたはその組合せとシクロスポリンA(XIII)を反応させることによって酢酸塩として保護され、化合物(アセチルシクロスポリンA)を形成する。別の例において、β−アルコールは、無水酢酸への求核付加を受け、アセチルシクロスポリンAおよび酢酸を形成する。これらの反応は、過剰な無水酢酸が溶媒として作用する場合、ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下において実施され得る。
アセチルシクロスポリンAの調製は、上記文献内で十分に確立されているが、当業者は、酢酸エステル以外の保護基が、シクロスポリンAの1−アミノ酸残基のβ−アルコールを保護するために用いられ得ることを理解する。これらの保護基は、安息香酸エステル、置換安息香酸エステル、エーテル、およびシリルエーテルを含み得る。特定の反応条件下において、酢酸保護基は、脱離および加水分解のような望ましくない副反応を生じる傾向がある。安息香酸エステル、エーテルおよびシリルエーテルはしばしば、これらの同一の反応条件下でこのような副反応に対してより耐性であるので、酢酸の代わりにこのような保護基を採用することがしばしば都合が良い。
工程c−ii)において、式XIVの保護されたシクロスポリンAは、式IIの保護されたシクロスポリンAアルデヒドへ変換される。
この工程は、例えば、酸化剤としてオゾンを用いて、続いて還元剤を用いて検定することによって実施され、保護されたシクロスポリンAアルデヒド(II)を形成し得る。オゾン分解工程は、約−80℃〜0℃の範囲の温度で実施される。オゾン分解の間に用いられる溶媒は、メタノールのような低級アルコールであり得る。還元剤は、トリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリエチルアミンのようなトリアリキルアミン、アルキルアミノスルフィド、チオ硫酸塩またはジメチルスルフィドのようなジアルキルスルフィドであり得る。還元剤としてトリブチルホスフィンを用いて作業する場合、当業者は、この反応が、用量制御されることを知っている。
さらに、保護されたシクロスポリンAアルデヒド(II)は、アセトキシアセトンまたはジアセトキシアセトンのようなケトン存在下において、モノ過硫酸塩(monopersulfate)、好ましくはオキソンを用いて、アセチルシクロスポリンAのような保護されたシクロスポリンA XIVを保護されたシクロスポリンAエポキシドへ変換することによって調製され得る。この工程は、アセトニトリルおよび水のような反応条件下で不活性である有機溶媒内で実施される。エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩が、存在し得る任意の重金属イオンを捕獲するために添加される。このエポキシ化反応は、好ましくはpH7以上で実施される。このエポキシ化反応に続いて、酸性条件下で、過ヨウ素酸または過ヨウ素酸塩を用いてエポキシドの酸化的開裂が生じる。必要に応じて、酸化および酸化的開裂は、検定手順において組み合わされ得る。これらの反応は、「A C Symmetric Chiral Ketone for Catalytic Asymmetric Epoxidation of Unfunctionalized Olefins」(J.Am.Chem.Soc.,Vol.118,491〜492ページ(1996))および「Novel Cyclic Ketones for Catalytic Oxidation Reactions」(J.Org.Chem.,Vol.63,9888〜9894ページ(1998))においてDanYangらによって考察されている。
ルテニウムベ−スの酸化剤の使用は、「A Greatly Improved Procedure for Ruthenium Tetroxide Catalyzed Oxidations of Organic Compounds」(J.Org.Chem.,Vol.46,No.19,3736〜3738ページ(1981))にH.J.Carlsenらによって考察されている。Carlsenらは、従来的に、ルテニウム金属の費用が、触媒手順の開発のための動機を与え、最も一般的な触媒手順は、化学量論的な酸化剤として過ヨウ素酸塩または次亜塩素酸塩が用いられたことを教唆する。これらの研究者は、ルテニウムの従来的な使用を用いた反応過程の間、触媒活性の減少を見出した。研究者らは、これがカルボン酸の存在によるものであると仮定した。この反応混合物へのニトリル(特にアセトニトリル)の添加によって、CCl/HO/IOシステムにおけるアルケンの酸化的開裂の速度および程度が顕著に増強されることを見出した。
例えば、保護されたシクロスポリンAアルデヒド(II)は、アセトニトリルおよび水の混合物中に保護されたシクロスポリンA(XIV)(例えば、アセチルシクロスポリンA)を溶解し、次いで最初に過ヨウ素酸ナトリウム、次に塩化ルテニウム水和物を添加することによって、保護されたシクロスポリンA(XIV)(例えば、アセチルシクロスポリンA)から産生され得る。このアルデヒド(II)は、酢酸エチルを用いて抽出され得る。
以下の調製および実施例を、当業者が本発明をより明瞭に理解することおよび実施することを可能にするために与える。これらは、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではなく、単にその実例およびその代表としてみなされるべきである。
大部分の実施例は、アセチル−シクロスポリンAアルデヒド上のアリル化−ピーターソン脱離順序を提供しているが、他の保護基が、原則として用いられ得る。もちろん、これは、反応条件とのこれら保護基の適合性および(E)−ISA247を提供するためにこれら保護基を効率的に除去する可能性によって限定される。
(実施例1)
(i)式III:(E)−3−(トリメチルシリル)アリルボロン酸の粗ボロン酸溶液の調製)
20g(169.8mmol、1当量)のアリルトリメチシラン(Fluka 06073)を、室温で140mlの乾燥THF(Fluka87368)に溶解した。106.1ml(169.8mmol、1当量)のヘキサン(Acros 181270100)中1.6Mのブチルリチウム溶液を、温度を20℃と25℃との間に維持しながら10分で添加した。30分間の反応後、生じた黄色〜オレンジ色の溶液を、−70℃まで冷却した。40.24ml(169.8mmol、1当量)のトリイソプロピルボレート(Fluka 92085)を、温度を−60℃以下に保ちながら、10分で添加した。−74℃にての30分間の反応後、この冷溶液を、170mlの1M HCl水溶液に注いだ。このpHを、1M HCl水溶液のさらなる添加(この特定の場合は、26ml)によってpH7〜8に調節した。80mlのジクロロメタンを、抽出のために添加した。この水相を分離し、80mlのジクロロメタンを用いて再抽出した。この有機相を、150mlの飽和NaCl水溶液を用いて連続的に洗浄し、混合し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で約40mlに濃縮した。この溶液の重量を、ボロン酸の約50%溶液(出発物質のアリルトリメチルシランに基づく)を得るためにジクロロメタンの添加によって53.6gに調節した。
(ii)アセチル−シクロスポリンAアルデヒドのアリル化)
20g(16.23mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドを、室温で100mlのジクロロメタンに溶解した。25.66g(81.15mmol、5当量)の予め調製したボロン酸溶液(約50%の濃度)を、一度に添加した。反応の転換を、HPLCを用いてモニターした。反応は室温で、1〜3時間内で完了した。β−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの約85:15混合物を得た。
(iii)ピーターソン脱離)
ピーターソン脱離を、上記の反応混合物に直接的に実施した。
20mlのTHFを、添加し、そしてこの反応混合物を、0℃まで冷却した。2.7ml(48.69mmol、3当量)の濃硫酸を添加した。この温度を、室温まで上昇させた。反応完了後(約1時間)、100mlの水を添加した。この有機相を分離し、50mlの水で2回洗浄した。この水相を、50mlのジクロロメタンを用いて連続的に再抽出した。合わせた有機相を、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして30℃において減圧下で濃縮した。生じた白色の泡を、250mlのMTBEに再溶解し、数分後、結晶化が、始まった。室温での15分間の撹拌そして0℃〜2℃にての2時間の撹拌の後、この懸濁液を、濾過した。この結晶を、50mlの冷MTBE(−20℃)を用いて洗浄し、減圧下で40℃〜50℃にて乾燥させ、98%を超える異性体純度(400MHzHNMR)の白色粉末として19.2gの(E)−アセチル−ISA247を与えた。
(E)−アセチル−ISA247を、室温でジクロロメタン中にその固体を溶解し、(MTBEを添加し、減圧下で40℃においてこの溶液をその半分の容量に濃縮し、この操作を2回〜3回繰り返すことによって)この溶媒をMTBEに交換することによって再結晶化させ得る。この溶液を、室温まで冷却し、次いで結晶化を、数分以内に開始させる。この懸濁液を、室温で2時間撹拌し、そして0℃にて30分間撹拌する。(E)−アセチル−ISA247の結晶を、濾過後に単離し、MTBEで洗浄し、減圧下で40℃において乾燥させる。
(iv)加水分解)
E−アセチル−ISA247の加水分解は、(HPLCで)99.5%の二重結合異性体純度の(E)−ISA247を与えた。
(実施例2)
(i)式IIIa IIIa:(E)−3−(トリメチルシリル)アリルボロン酸の粗ボロン酸溶液の調製)
6.67ml(40.56mmol、10当量)のアリルトリメチシランを、室温で33.3mlの乾燥THFに溶解した。25.35ml(40.56mmol、10当量)のヘキサン中1.6Mのブチルリチウム溶液を、温度を14℃と16℃との間に維持しながら、5分で添加した。室温での60分間の反応後、生じた黄色〜オレンジ色の溶液を、−70℃まで冷却した。9.614ml(40.56mmol、10当量)のトリイソプロピルボレートを、−65℃よりも低い温度を保持しながら、10分で添加した。−70℃にての60分間の反応後、この冷溶液を、35mlの1M HCl水溶液(pH=7〜8)に注いだ。この反応混合物を、30mlのジクロロメタンを用いて抽出した。この水相を、分離し、そして30mlのジクロロメタンを用いて再抽出した。この有機相を、30mlの飽和NaCl水溶液を用いて連続的に洗浄し、合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過しそして減圧下で約50mlまで濃縮した。
(ii)式IVa’((R,R)−2−[(E)−(3−トリメチルシリル−アリル)]−[1,3,2]ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステル)のホウ素試薬の生成およびアセチル−シクロスポリンAアルデヒドのアリル化)
4.88g(40.56mmol、10当量)の硫酸マグネシウム二水和物を、撹拌しながら添加し、その後7.23g(40.56mmol、10当量)のL−(+)−ジメチルタートレートを添加した。室温での2時間の撹拌後、この懸濁液を、0℃まで冷却し、そして5g(4.056mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドを、一度に添加した。この反応を、HPLCでモニターした(3時間後約90%の転換)。0℃にての17時間の撹拌後、この懸濁液を、濾過し、この濾液を、50mlの半飽和NHCl水溶液、50mlの半飽和NaHCO水溶液および50mlの半飽和NaCl水溶液を用いて洗浄した。この水相を、50mlのTHFで再抽出し、廃棄した。合わせた有機相を、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃にて濃縮し、淡黄色の油としてβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの約75:25の混合物を11.1g与えた。
(iii)ピーターソン脱離))
粗製のβ−トリメチルシリルアルコールジアステレオマー混合物(11g、最大4.056mmol)を、25mlのTHFに溶解した。0.679ml(12.16mmol、3当量)の濃硫酸を、温度を20℃と25℃との間に維持しながら滴下した。室温において2時間後、50mlの半飽和NaCl水溶液、を添加した。生じた混合物を、50mlのMTBEを用いて2回抽出した。この有機相を、50mlの半飽和NaCl水溶液を用いて洗浄し、合わし、NaSOで乾燥させ、そして減圧下で40℃にて濃縮した。生じた粗E−アセチル−ISA247を、20mlのジクロロメタンに再溶解し、減圧下で濃縮した。この粗製の生成物を、60mlのMTBEに溶解した。10分以内にこの結晶化が、始まった。この懸濁液を、さらに室温で15分間、−10℃にて2時間撹拌した。この結晶を、濾過によって単離し、20mlの冷MTBE(−20℃)を用いて洗浄し、減圧下で乾燥させ、NMRで約98%の異性体純度の3.6gの(E)−アセチル−ISA247を与えた。
(実施例3)
(i)式Vのジエタノールアミン複合体:2−(E−(3−トリメチルシリル−アリル))−[1,3,6,2]ジオキサアザボロカン(dioxazaborocane)の調製)
50g(424.5mmol、1当量)のアリルトリメチルシランを、反応槽に充填させ、その後150mlのTHFを充填させた。この無色透明の溶液に、温度を20℃と26℃との間に維持しながら、165.1ml(445.7mmol、1.05当量)のヘプタン中2.7Mのブチルリチウム溶液を15分間にわたって滴下した。室温での2時間の反応後、このオレンジ色の溶液を、−78℃まで冷却した。105.7ml(445.8mmol、1.05当量)のトリイソプロピルボレートを、温度を−60℃よりも低く維持しながら、20分間かけて滴下した。−70℃にて1時間後、この反応混合物を、250mlの2M水性塩酸(chlorhydric acid)溶液へ注いだ(pH5〜6を生じる)。10分間の撹拌後、この水相を、分離し、廃棄した。42.2g(403.3mmol、0.95当量)のジエタノールアミンを、有機相へ添加した。この溶液を、室温で60分間撹拌した。750mlのヘプタンを、添加した。この二相性エマルジョンを、減圧下で40℃において、一部濃縮した(約750mlの溶液を蒸留した)。白色の沈殿物が現れ、そしてこの懸濁液を、室温で2時間懸濁した。この懸濁液を、濾過した。この白色固体を、125mlのヘプタンを用いて洗浄し、減圧下で一晩40℃にて乾燥させ、式Vのジエタノールアミン複合体を85.7g得た。
Figure 2006525961
(ii)アリル化)
7.375g(32.46mmol、2当量)の式Vのジエタノールアミン複合体、20g(16.23mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドおよび80mlのジクロロメタンを、室温で反応槽に充填した。40mlの水および2.79ml(48.69mmol、3当量)の酢酸を、撹拌しながら添加した。10分間の撹拌後、透明な二相性混合物を得た。この反応物を、HPLCでモニターした。
(iii)ピーターソン脱離))
一晩の反応後、この有機相を、分離し、この水相を、廃棄した。この有機相に50mlのTHFを添加した。この溶液を、減圧下において30℃にてその半分の容量まで濃縮した。100mlのTHFを、添加し、そしてこの溶液を、80mlまで濃縮した。この容量を、THFを用いて100mlに調整し、そしてこの溶液を、0℃〜2℃まで冷却した。1.812ml(32.46mmol、2当量)の濃縮硫酸、5℃よりも低い温度を維持しながら、5分間かけて滴下した。添加後、この反応冷却槽を、取り外し、この温度を、室温まで上げた。4時間の反応後、40mlの水を、添加し、その後、20mlのMTBEを、添加した。この水性の層を、分離し、廃棄した。この有機相を、40mlのNaHCO3aq、20mlの飽和NaClaq、40mlの飽和NaClaqを用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下において40℃にて濃縮した。この粗E−アセチル−ISA247を200mlのMTBEに再溶解し、数分以内に、結晶化が開始した。室温で15分間および0℃にて2.5時間の後、この懸濁液を、濾過し、この結晶を、50mlのMTBEを用いて洗浄し、減圧下において50℃にて乾燥させ、白色粉末として18.45gの(E)−アセチル−ISA247(NMRで98%を超える異性体純度)を生じた。
(iv)加水分解)
この粗製の生成物を、加水分解し、99%の異性体純度の(E)−ISA247を生じた。
(実施例4)
(i)アリル化)
実施例3、i)に記載される方法によって得られる式Vのジエタノールアミン複合体の10.02g(44.1mmol、2当量)およびアセチル−シクロスポリンAアルデヒドの30g(22.05mmol、1当量)を、反応槽内に充填した。36mlの酢酸を、室温で添加した。透明の溶液を、室温での15分間の撹拌後に得た。この反応を、HPLCでモニターした。
(ii)ピーターソン脱離)
室温での約6時間の反応後、60mlのギ酸を、温度を30℃よりも低く維持しながら添加した。この透明な淡黄色溶液を、室温で一晩撹拌した。18mlのジクロロメタンおよび300mlのMTBEを添加し、その後180mlの10%NaCl水溶液を添加した。この水性の相を、分離し、廃棄した。この有機相を、180mlの水、300mlの2M水性NaOHおよび90mlの水を用いて洗浄した。この有機相を、減圧下で室温において濃縮した。この結晶化を開始させ、そしてこの懸濁液を、300mlのMTBEの添加によって希釈し、約330mlまで濃縮した。室温で3時間および0℃〜2℃にて1時間撹拌した後、この白色懸濁液を、濾過した。この結晶を、50mlのMTBEを用いて洗浄し、減圧下において50℃にて乾燥させ、NMRで98%を超える二重結合異性体純度の白色粉末として、27.4gの(E)−アセチル−ISA247を得た。
(iii)加水分解)
この生成物を、加水分解し、HPLCで99.6%の二重結合異性体純度の(E)−ISA247を生じた。
(実施例5)
1g(0.82mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドを、10mlのジクロロメタンに溶解し、その後、実施例3、i)に記載される方法によって得られる式Vのジエタノールアミン複合体の369mg(1.62mmol、2当量)を溶解した。この混濁液を、−40℃まで冷却した。180μl(369mmol、2当量)の三フッ化ホウ素エーテラートを、温度を−40℃よりも低く維持しながら添加した。−40℃において1時間の後、この冷却槽を、取り外し、反応混合物を、室温まで温めた。室温における50分間の反応の後、15mlの5%水性NaHCO溶液を添加した。この水性の相を、分離し、15mlのジクロロメタンを用いて再抽出した。この合わせた有機相を、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下において40℃にて濃縮し、白色の泡状物として95%を超える二重結合異性体純度(NMR)の(E)−アセチル−ISA247を0.99g生じた。
(実施例6)
(i)式VIIのピナコール複合体:4,4,5,5−テトラメチル−2−(E−(3−トリメチルシリル−アリル))−[1,3,2]ジオキサボロランの調製)
20g(169.8mmol、1当量)のアリルトリメチルシランを、60mlのTHFに溶解した。69.18ml(186.8mmol、1.1当量)のヘプタン中2.7Mブチルリチウム溶液を、温度を20℃と26℃との間に維持しながら、10分間かけて滴下した。室温において2時間の反応の後、この黄色溶液を、−78℃まで冷却した。42.26ml(178.3mmol、1.05当量)のトリイソプロピルボレートを、温度を−65℃よりも低く維持しながら、10分間かけて滴下した。1時間の反応後、この反応混合物を、100mlの2M水性塩酸溶液へ注いだ(pH6〜7を生じる)。20mlのジクロロメタンを添加し、この水相を、分離し、廃棄した。この有機相を、MgSOで乾燥させ、濾過し、約100mlまで濃縮した。20.48g(169.8mmol、1.0当量)のピナコールを、添加し、生じた溶液を、室温で18時間撹拌した。この反応混合物を、減圧下で40℃において濃縮し、生じた油を、0.2mbar圧力下で43℃〜50℃において蒸留し、37.2gの無色の油を生じた。
(ii)ワンポットアリル化/ピーターソン脱離)
20g(15.06mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドおよびi)で得られた5.427g(22.59mmol、1.5当量)のピナコール複合体および30mlの酢酸を、室温で撹拌しながら反応容器に充填させた。30mlのギ酸を、温度を20℃〜22℃の間に維持しながら、水槽を冷却しつつ、添加した。室温での2時間の反応の後、12mlのジクロロメタンおよび200mlのMTBEを添加し、その後120mlの10%NaCl水溶液を添加した。この水相を、分離し、廃棄した。この有機相を、120mlの水、204mlの2M水溶性NaOH溶液および60mlの水を用いて洗浄した。この有機相を、30℃において、結晶化が、開始するまで濃縮した。200mlのMTBEを添加し、この懸濁液を、約220mlまで濃縮した。室温で2時間および0℃〜2℃にて1時間の撹拌の後、この懸濁液を、濾過した。この固体を、30mlのMTBEを用いて洗浄し、減圧下で50℃において乾燥させ、(NMRで)98%を超える二重結合異性体純度の白色粉末として、18gの(E)−アセチル−ISA247を生じた。
(iii)加水分解)
この生成物を、加水分解し、HPLCで99.7%の二重結合異性体純度の(E)−ISA247を生じた。
(実施例7)
2g(1.623mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドおよび実施例6、i)に記載される方法によって得られた779.8mg(3.246mmol、2当量)のピナコールボロネートを、20mlのジクロロメタンに溶解した。この溶液を、−70℃まで冷却し、1.28ml(10.22mmol、6.30当量)の三フッ化ホウ素エーテラートを添加した。−70℃において30分間の後、この反応混合物を、徐々に0℃まで温め、反応を、0℃にて継続させた。20mlの水を、添加した。この有機相を分離し、20mlの5%水溶性NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、白色の泡状物として95%を超える二重結合異性体純度(NMR)の2.1gの(E)−アセチル−ISA247を得た。
(実施例8)
(i)アリルトリフルオロボレート試薬:カリウムB−(E−(3−トリメチルシリル−アリル))−トリフルオロボレートの調製)
実施例3、i)に記載される方法によって得られた5g(21.35mmol、1当量)のジエタノールアミン複合体、20mlのジクロロメタン、20mlの水および2.44ml(42.70mmol、2当量)の酢酸を、室温で撹拌しながら反応容器に充填させた。30分間の撹拌の後、この水相を、分離し、廃棄した。20mlのメタノールを、有機相へ添加し、この溶液を、減圧下で40℃において5ml〜10mlまで濃縮した。40mlのメタノールを添加し、その後3.34g(42.70mmol、2当量)のKHFを添加した。室温での60分間の撹拌の後、残存する固体を濾過し、廃棄した。この濾過物を、減圧下で40℃において約25mlまで濃縮した。この溶液を、0℃〜2℃まで冷却し、この白色懸濁液を得た。0℃〜2℃において30分間の後、この懸濁液を濾過し、この固体を、冷メタノール(−20℃)を用いて洗浄し、減圧下で40℃において乾燥させ、3.4gの白色粉末を生じた。
Figure 2006525961
(ii)アリル化)
2g(1.623mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドを、10mlのジクロロメタンに溶解した。10mlの水を、添加し、その後i)において得られる735mg(3.246mmol、2当量)のトリフルオロボレートを添加した。室温での2時間の撹拌の後、この有機相を、分離し、この水相を、廃棄した。
(iii)ピーターソン脱離)
5mlのTHFを、この有機相へ添加し、そしてこの溶液を、0℃〜2℃まで冷却した。181μl(3.246、2当量)の濃硫酸を添加した。この反応混合物を、室温まで温めた。一晩の撹拌の後、20mlの水を添加した。この水性の層を、分離し、廃棄した。この有機相を、20mlの5%NaHCO水溶液を用いて洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、(NMRで)98%を超える二重結合異性体純度の白色の泡状物として2gの(E)−アセチル−ISA247を得た。
(実施例9)
2g(1.623mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドおよび実施例8、i)に記載される方法によって得られた735mg(3.246mmol、2当量)のトリフルオロボレートおよび20mlのジクロロメタンを、反応容器に充填させた。この懸濁液を、−70℃まで冷却し、1.28ml(10.22mmol、6.3当量)の三フッ化ホウ素エーテラートを添加した。−70℃において60分間の後、20mlの水を添加した。この有機相を、分離し、20mlの5%水溶性NaHCO溶液を用いて洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、白色の泡状物として98%を超える二重結合異性体純度(NMR)の2.0gの(E)−アセチル−ISA247を生じた。
(実施例10)
(i)アリルチタン試薬によるアリル化)
2.67ml(16.23mmol、10当量)のアリルトリメチルシランを、6mlのTHFに溶解した。10.14ml(16.23mmol、10当量)のヘキサン中1.6Mブチルリチウム溶液を、温度を14℃〜20℃の間に維持しながら、滴下した。26℃において30分間の後、このオレンジ色の溶液を、−75℃まで冷却した。4.8ml(16.23mmol、10当量)のチタンテトライソプロポキシドを、温度を−68℃よりも低く維持しながら、10分間かけて滴下した。−77℃において1時間の後、6mlのTHFの溶液中2g(1.623mmol、1当量)を、温度を−72℃よりも低く維持しながら滴下した。この反応混合物を、−76℃にて2時間攪拌した。この温度を、徐々に−40℃まで上げ、この撹拌を、−40℃にてさらに2時間継続した。この反応混合物を、32.5mlの1M HCl水溶液および20mlのMTBEからなる混合物へ注いだ。16.2mlの1MHCl水溶液および25mlの水を添加した。この水性の層を、分離し、25mlのMTBEを用いて再抽出した。この有機相を、30mlの0.5MHCl水溶液を用いて洗浄し、混合し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、白色の泡状物としてジアステレオマーの抗β−トリメチルシリルアルコールの粗製の混合物を2.26gを生じた。
(ii)ピーターソン脱離)
この粗製の生成物を、11.15mlのTHFに溶解し、268μlの濃硫酸を添加した。この反応混合物を、33℃にて1.5時間加熱し、次いで室温まで冷却した。22mlの水を添加し、この反応混合物を、22mのMTBEを用いて抽出した。この水相を、11mlのMTBEを用いて再抽出した。この有機層を、11mlの水を用いて洗浄し、混合し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、ベージュ色の粉末として1.89gの粗製の(E)−アセチル−ISA247を得た。この粗製の生成物を、室温で20mlのMTBEに再溶解した。この結晶化を、数分以内に開始した。この懸濁液を、室温で30分間攪拌し、−10℃にて45分間攪拌し、濾過した。この固体を、冷MTBEを用いて洗浄し、減圧下で40℃において乾燥させ、約98%の二重結合異性体純度(NMR)の白色粉末として(E)−アセチルISA247を1.02g得た。
(実施例11)
(i)アリルチタン試薬によるアリル化)
1.87g(15.85mmol、10当量)のアリルトリメチルシランを、室温で20mlのTHFに溶解した。5.87ml(15.85mmol、10当量)のヘプタン中2.7M溶液のブチルリチウムを、温度を16℃と20℃との間に保持しながら、5分間かけて滴下した。室温での1時間の攪拌の後、この黄色〜オレンジ色の溶液を、−76℃まで冷却した。10mlのTHF中4.22g(15.85mmol、10当量)のチタニウムクロロトリイソプロポキシドの溶液を、温度を−60℃よりも低く維持しながら、4分間かけて滴下した。生じた茶色から赤色の溶液を、−75℃にて30分間攪拌した。10mlのTHF中2g(1.585mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドの溶液を、温度を−60℃よりも低く維持しながら、5分間かけて滴下した。−75℃において30分間の後、この冷却槽を取り除き、この温度を、約15分間かけて−10℃まで上げた。この反応混合物を、40mlのMTBEおよび35mlの2M HCl水溶液からなる二相性混合物を添加した。この水性の層を、分離し、廃棄した。この有機層を、24mlの1M HCl水溶液、15mlの10% NaCl水溶液、15mlの半飽和性NaCl水溶液を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、凝固した油として抗β−トリメチルシリルアルコールジアステレオマー粗製の混合物を2g得た。
(ii)ピーターソン脱離)
この粗製の生成物を、室温で8mlのTHFに溶解した。この溶液を、0℃〜5℃まで冷却し、200μlの濃硫酸を滴下した。この温度を、室温まで上げ、そしてこの反応混合物を、10時間攪拌した。40mlのMTBEおよび15mlの水を添加した。この水相を、分離し、廃棄した。この有機相を、15mlの5%NaHCO水溶液、15mlの半飽和性NaCl水溶液を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、1.8gの粗E−アセチル−ISA247を生じた。この粗製のジエンを、20mlのジクロロメタンに溶解した。20mlのMTBEを添加し、そしてこの溶液を、減圧下で40℃においてその半分の容量まで濃縮した。この最後の二つの操作を、この溶媒を、ジクロロメタンからMTBEへ交換するために三回繰り返した。この溶液を、室温まで冷却し、この結晶化を、数分以内に開始させた。この懸濁液を、室温で2時間攪拌し、そして0℃にて30分間攪拌した。この懸濁液を、濾過した。この固体を、15mlのMTBEを用いて洗浄し、減圧下で40℃において乾燥させ、白色粉末として、95%を超える二重結合異性体純度(NMR)の1.1gのE−アセチル−ISA247を生じた。
(実施例12)
(i)アリルアルミニウム試薬によるアリル化)
1.87g(15.85mmol、10当量)のアリルトリメチルシランを、室温で20mlのTHFに溶解した。ヘプタン中2.7Mのブチルリチウム溶液を5.87ml(15.85mmol、10当量)5分間かけて、温度を20℃と25℃との間に維持しながら滴下した。室温での1時間の攪拌の後、この黄色〜オレンジ色の溶液を、−75℃まで冷却した。8.6ml(15.85mmol、10当量)のトルエン中塩化ジエチルアルミニウムの25%溶液を、10分間かけて温度を−55℃よりも低く維持しながら添加した。生じた無色透明の溶液を、−75℃にて30分間攪拌した。10mlのTHF中2g(1.585mmol、1当量)のアセチル−シクロスポリンAアルデヒドの溶液を、温度を−60℃よりも低く維持しながら、5分間かけて滴下した。−75℃において30分間の後、この冷却槽を、除去し、この温度を、15分間かけて−10℃まで上げた。この反応混合物を、40mlのMTBEおよび35mlの1M HCl水溶液からなる二相性混合物へ(冷水槽を10℃に冷却しながら)徐々に添加した。この水性の層を、分離し、廃棄した。この有機相を、35mlの1M HCl水溶液、25mlの水、25mlの飽和NaCl水溶液を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、凝固した油として、抗β−トリメチルシリルアルコールジアステレオマーの粗製の混合物を2g生じた。
(ii)ピーターソン脱離)
この粗製の生成物を、室温で10mlのTHFに溶解した。この溶液を、0℃〜5℃まで冷却し、200μlの濃硫酸を滴下した。この温度を、室温まで上げ、そしてこの反応混合物を、一晩攪拌した。40mlのMTBEおよび15mlの水を、添加した。この水相を、分離し、廃棄した。この有機相を、15mlの水、15mlの5%NaHCO水溶液、15mlの半飽和性NaCl水溶液を用いて洗浄し、濾過し、減圧下で濃縮し、1.8gの粗E−アセチル−ISA247を生じた。この粗製のジエンを、35mlのMTBEに再溶解した。この結晶化を、数分以内に開始した。この懸濁液を、室温で2時間攪拌し、0℃にて30分間攪拌した。この懸濁液を、濾過した。この固体を、15mlのMTBEを用いて洗浄し、減圧下で40℃において乾燥させ、白色粉末として95%を超える二重結合異性体純度(NMR)のE−アセチル−ISA247を1g生じた。
(実施例13)
(式IIIa:(E)−3−(トリメチルシリル)アリルボロン酸のボロン試薬溶液の調製)
実施例3−i)で調製したような式Vのジエタノールアミン複合体の2g(8.8mmol、1当量)を、16mlのd−ジクロロメタン(重水素化ジクロロメタン)に溶解した。759μl(13.2mmol、1.5当量)の酢酸を、添加し、その後、4mlの水を添加した。この二相性混合物を、室温で20分間攪拌し、淡黄色の透明の二相性混合物を生じた。攪拌を停止し、この水相を、分離し、廃棄した。この有機相(16ml容量)を、11B NMRおよびHNMRによって証明されるような式IIIaのボロン酸溶液に構成した。
Figure 2006525961
(実施例14)
(式IVa’:(R,R)−2−[(E)−(3−トリメチルシリル−アリル)]−[1,3,2]ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステルのボロン試薬溶液の調製)
実施例13に記載されるように調製した、式IIIaのボロン酸溶液の4ml(2.2mmol、1当量)に、396mg(2.2mmol、1当量)のL−(+)−ジメチルタートレートおよび265mg(2.2mmol、1当量)の硫酸マグネシウム二水和物を添加した。この懸濁液を、室温で40分間攪拌し、濾過した。この濾過物を、NMRで分析し、一致した11B NMRシグナルおよびHNMRシグナルの出現によって証明されるような式IVa’のボロネートエステルを主要生成物として含有することを示した。
Figure 2006525961
(実施例15)
(E−アセチル−ISA247のE−ISA247への加水分解)
15g(11.94mmol、1当量)のE−アセチル−ISA247を、室温で270mlのメタノールに溶解した。60mlの水中14.85g(107.5mmol,9当量)の炭酸カリウム溶液を、温度を27℃よりも低く維持しながら添加した。この白色懸濁液を、30℃まで加熱した。この反応を、HPLCでモニターした。反応の22時間後、メタノールを、減圧下で40℃においてエバポレートさせた。この残渣を、150mlの酢酸エチルに吸収した。この水相を、分離し、廃棄した。この有機相を、45mlのクエン酸の5%水溶性溶液および45mlの半飽和性NaCl水溶液を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で40℃において濃縮し、15.1gのE−ISA247を生じた(85%アッセイ)。分取用HPLCのようなクロマトグラフ技術によって、精製を実施し得る。
(実施例16)
(i)式VII:4,4,5,5−テトラメチル−2−(E−(3−トリメチルシリル−アリル))−[1,3,2]ジオキサボロレンのピナコール複合体の調製)
100gのアリルトリメチルシラン(1当量)を、リアクター1内に充填させ、その後300mlのTHFを入れた。この溶液を、10℃〜15℃まで冷却し、ヘキサン中2.5Mのブチルリチウム溶液の374ml(1.1当量)を、温度を25℃よりも低く維持しながら(約30分間かけて)添加した。20℃〜25℃において1時間〜2時間の後、この黄色〜オレンジ色の溶液を、−50℃まで冷却した。173gのトリイソプロピルボレート(1.05当量)を、温度を−40℃よりも低く維持しながら(約30分間〜45分間かけて)滴下した。この滴下漏斗を、25mlのTHFを用いて洗浄した。−50℃〜−40℃において30分間〜1時間の後、100mlのTHF中102.4gのピナコール(1当量)溶液を、温度を−30℃よりも低く維持しながら添加した。この滴下漏斗を、25mlのTHFを用いて洗浄した。−50℃〜−30℃において30分間の後、リアクター1の内容物を、攪拌しながら、61.2gのAcOH(1.2当量)および250mlの水(リアクター2に含まれる)の混合物へ、温度を0℃〜25℃の間に維持しながら注いだ。リアクター1を、50mlのTHFで洗浄した。
攪拌を、リアクター2内で停止し、この水相を、分離し、廃棄した。この有機層を、250mlの水を用いて洗浄した。この有機相を、約500mlまで濃縮した(Ti=20℃〜40℃、150mbar〜200mbar)。500mlのトルエンを、添加し、この有機相を、500mlまで濃縮した(Ti=40℃〜50℃、Tj=50℃、150mbar〜40mbar)。500mlのトルエンを、添加し、この有機相を、一定の容量まで濃縮し(Ti=40℃〜50℃、Tj=50℃、150mbar〜10mbar)、90%を超える産量で粗製のピナコール複合体を生じた。この複合体は、アリル化−ピーターソン脱離配列に直接的に用いられ得るか、または減圧下で蒸留され得る(Ti=約65℃、Tdest=約50℃、P=0.05mbar〜0.15mbar)。
(ii)ワン−ポットアリル化−ピーターソン脱離)
40gのアセチル保護CsA−アルデヒドを、フィード管内に充填させ、その後80mlの酢酸イソプロピル内に入れた。この懸濁液を、リアクターへ移した。このフィード管を、50mlの酢酸を用いて洗浄し、リアクターへ移した。次いで透明の溶液を、得た。ピナコール複合体(1.25〜1.5当量)を、添加した。この透明の溶液を、40℃まで加熱した。50mlのギ酸を、添加した。HPLC分析によって証明されるように、アリル化およびピーターソン脱離の完了後(約15時間〜20時間後)、246mlの酢酸イソプロピルを、添加した。この反応混合物を、200mlの水、300gの2M KOH水溶液(必要であれば、さらなるKOH溶液を用いて、この水相のpHを、pH5〜pH8に設定する)および200mlの5%水性ギ酸アンモニウムを用いて二回洗浄した。この有機相を、約120mlまで濃縮し(Ti=約40℃、約200mbar)300mlのメタノールを用いて希釈した。この有機相を、約120mlまで濃縮し(Ti=約40℃、200mbar)、240mlのメタノールを用いて希釈した(Ti=約40℃、200mbar)。この有機相を、約280mlまで濃縮した。130mlの水を、20℃〜25℃にて、約60分間かけて添加した。生じた白色の懸濁液を、室温で60分間攪拌した。この固体を、濾過によって単離し、52mlの水/メタノール混合物を用いて2回洗浄し、減圧下で(T=50℃)一定の重量になるまで乾燥させ、E−アセチル−ISA247(約35g)を生じた。

Claims (28)

  1. 以下の式IのシクロスポリンAアナログ:
    Figure 2006525961
    を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、
    a−i)式IIの化合物:
    Figure 2006525961
    を式IIIの化合物:
    Figure 2006525961
    であって、Rは、水素、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである、化合物、および/またはRが水素の場合、該式IIIの化合物の三量体である、化合物
    でアリル化する工程であって、
    式IIにおいて、Pgは保護基であり、そして点線は、化合物の残りが式Iの化合物の構造と同じ構造を有することを意味する、工程;
    あるいは
    a−ii)式IIの化合物を式IVの化合物:
    Figure 2006525961
    でアリル化する工程であって、ここでRは、C1〜8アルキルもしくはC3〜8シクロアルキルである、工程;
    または
    a−iii)式IIの化合物を式Vの化合物:
    Figure 2006525961
    でアリル化する工程;
    あるいは
    a−iv)式IIの化合物を式VIの化合物:
    Figure 2006525961
    でアリル化する工程;
    あるいは
    a−v)式IIの化合物を式VIIの化合物:
    Figure 2006525961
    でアリル化する工程;
    あるいは
    a−vi)式IIの化合物を、以下:
    i)アリルトリメチルシランとブチルリチウムとを反応させてトリメチルシリルアリルリチウムを形成する工程;
    ii)トリメチルシリルアリルリチウムとホウ酸トリイソプロピルもしくはホウ酸トリメチルとを反応させ、次いで水で後処理を行う工程、
    を包含するプロセスにより得られた反応混合物でアリル化する工程;
    あるいは
    a−vii)式IIの化合物を、トリメチルシリルアリルリチウムと塩化ジエチルアルミニウムとの反応により得られた反応混合物でアリル化する工程、
    または
    a−viii)式IIの化合物を、トリメチルシリルアリルリチウムとチタンテトライソプロポキシドもしくはチタンクロロトリイソプロポキシドとの反応により得られた反応混合物でアリル化し、
    式XIの化合物:
    Figure 2006525961
    を形成する工程であって、
    ここでPgは上で定義されたものである、工程;
    ならびに
    b)式XIの化合物を式IのシクロスポリンAアナログに変換する工程、
    を包含する、プロセス。
  2. 請求項1に従うプロセスであって、ここで工程b)が以下:
    b−i)式XIの化合物を、酸性条件下で式XIIの化合物:
    Figure 2006525961
    に変換する工程であって、
    ここでPgは、請求項1で定義されたものである、工程;および
    b−ii)式XIIの化合物のPgO基をヒドロキシル基に変換する工程、
    によって行われる、プロセス。
  3. Pgがアセチル基である、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 工程a−i)、工程a−ii)または工程a−vi)が、タートレートの存在下で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  5. 工程a−i)、工程a−ii)もしくは工程a−vi)が、ジクロロメタンまたはトルエン中で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  6. 工程a−iii)が、BF・EtO、蟻酸、酢酸、またはタートレートエステルの存在下で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  7. 工程a−iii)が、水/ジクロロメタンまたは水/トルエン中で行われる、請求項6に記載のプロセス。
  8. 工程a−iii)および工程b−i)が、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中、およびBF・EtOの存在下で行われる、請求項6に記載のプロセス。
  9. 工程a−iii)が、酢酸および/もしくは蟻酸;または酢酸および/もしくは蟻酸と、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選択される1つまたは2つの共溶媒との混合物中で行われる、請求項6に記載のプロセス。
  10. 工程a−iii)が酢酸中で行われ、そして工程b−i)が反応混合物への蟻酸の添加により行われる、請求項9に記載のプロセス。
  11. 工程a−iii)および工程b−i)が、蟻酸または酢酸/蟻酸中で行われる、請求項9に記載のプロセス。
  12. 工程a−iv)が、水/ジクロロメタンまたは水/トルエン中で行われる、請求項1または2に記載のプロセス。
  13. 工程a−iv)および工程b−i)が、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはトルエン中で、BF・EtOの存在下で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  14. 工程a−v)が、BF・EtOの存在下で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  15. 工程a−v)および工程b−i)が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、またはトルエン中で、およびBF・EtOの存在下で行われる、請求項14に記載のプロセス。
  16. 工程a−v)が、蟻酸または酢酸の存在下で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  17. 工程a−v)および工程b−i)が、蟻酸または酢酸/蟻酸中で行われる、請求項16に記載のプロセス。
  18. 工程a−v)および工程b−i)が、酢酸/蟻酸と、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチル、および酢酸イソプロピルから選択される共溶媒との混合物中で行われる、請求項17に記載のプロセス。
  19. 共溶媒が、酢酸イソプロピルである、請求項18に記載のプロセス。
  20. 工程a−v)が酢酸中で行われ、そして工程b−i)が反応混合物への蟻酸の添加により行われる、請求項16に記載のプロセス。
  21. 請求項3に記載のプロセスであって、工程a−vii)が、トリメチルシリルアリルリチウムと塩化ジエチルアルミニウムとの反応により調製された反応混合物での式IIの化合物のアリル化により行われる、プロセス。
  22. 請求項3に記載のプロセスであって、工程a−viii)が、トリメチルシリルアリルリチウムとチタンテトライソプロポキシドまたはチタンクロロトリイソプロポキシドとの反応により調製された反応混合物での式IIの化合物のアリル化により行われる、プロセス。
  23. 以下の式IIIaの化合物:
    Figure 2006525961
    および/またはその三量体の調製のためのプロセスであって、
    該プロセスは、式Vの化合物と水とをジクロロメタン中で反応させる工程を包含する、プロセス。
  24. 式Vの化合物:
    Figure 2006525961
  25. 式Vの化合物の調製のためのプロセスであって、該プロセスは、以下:
    i)アリルトリメチルシランとブチルリチウムとを反応させて、トリメチルシリルアリルリチウムを形成する工程;
    ii)トリメチルシリルアリルリチウムとホウ酸トリイソプロピルまたはトホウ酸リメチルとを反応させる工程;
    iii)水で後処理を行う工程;および
    iv)iii)で形成された化合物とジエタノールアミンとを反応させて、式Vの化合物を形成する工程、
    を包含する、プロセス。
  26. 式VIの化合物:
    Figure 2006525961
  27. 式VIの化合物の調製のためのプロセスであって、該プロセスは、以下:
    i)式Vの化合物と水とを反応させて、式IIIaの化合物:
    Figure 2006525961
    を形成する工程、および
    ii)工程i)で得られた反応混合物の分離有機相の溶媒をメタノールに交換する工程、
    iii)工程ii)で得られた式IIIaの化合物の溶液とKHFとを反応させて、式VIの化合物を形成する工程、
    を包含する、プロセス。
  28. 式IVaの化合物:
    Figure 2006525961
JP2006504961A 2003-04-08 2004-04-02 末端ジエン基を有するシクロスポリン「a」アナログの調製のためのプロセス Withdrawn JP2006525961A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP03007921 2003-04-08
PCT/EP2004/003504 WO2004089960A2 (en) 2003-04-08 2004-04-02 Process for preparation of cyclosporin “a” analogues having a terminal diene group

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006525961A true JP2006525961A (ja) 2006-11-16

Family

ID=33155122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006504961A Withdrawn JP2006525961A (ja) 2003-04-08 2004-04-02 末端ジエン基を有するシクロスポリン「a」アナログの調製のためのプロセス

Country Status (18)

Country Link
US (1) US20040220091A1 (ja)
EP (1) EP1613646A2 (ja)
JP (1) JP2006525961A (ja)
KR (1) KR20050119200A (ja)
CN (1) CN1798759A (ja)
AU (1) AU2004228159A1 (ja)
BR (1) BRPI0409734A (ja)
CA (1) CA2521116A1 (ja)
CO (1) CO5680450A2 (ja)
EC (1) ECSP056091A (ja)
MA (1) MA27831A1 (ja)
MX (1) MXPA05010794A (ja)
NO (1) NO20054478L (ja)
RU (1) RU2005130508A (ja)
TN (1) TNSN05255A1 (ja)
TW (1) TW200505946A (ja)
WO (1) WO2004089960A2 (ja)
ZA (1) ZA200507980B (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6859799B1 (en) 1998-11-30 2005-02-22 Gemstar Development Corporation Search engine for video and graphics
US7103906B1 (en) 2000-09-29 2006-09-05 International Business Machines Corporation User controlled multi-device media-on-demand system
US7650621B2 (en) 2000-10-11 2010-01-19 United Video Properties, Inc. Systems and methods for providing storage of data on servers in an on-demand media delivery system
US7493646B2 (en) 2003-01-30 2009-02-17 United Video Properties, Inc. Interactive television systems with digital video recording and adjustable reminders
AU2004222306A1 (en) * 2003-03-17 2004-09-30 Albany Molecular Research, Inc. Novel cyclosporins
CA2575280C (en) * 2004-07-29 2012-08-14 Amr Technology, Inc. Novel processes for stereoselective synthesis of trans isatx 247
US8086575B2 (en) 2004-09-23 2011-12-27 Rovi Solutions Corporation Methods and apparatus for integrating disparate media formats in a networked media system
JP2008514701A (ja) * 2004-09-29 2008-05-08 エーエムアール テクノロジー インコーポレイテッド シクロスポリンアルキン類似体およびそれらの薬学的使用
US7511013B2 (en) * 2004-09-29 2009-03-31 Amr Technology, Inc. Cyclosporin analogues and their pharmaceutical uses
JP2008515886A (ja) * 2004-10-06 2008-05-15 エーエムアール テクノロジー インコーポレイテッド シクロスポリンアルキンおよびそれらの医用薬剤としての有用性
KR100780718B1 (ko) 2004-12-28 2007-12-26 엘지.필립스 엘시디 주식회사 도포액 공급장치를 구비한 슬릿코터
US8607287B2 (en) 2005-12-29 2013-12-10 United Video Properties, Inc. Interactive media guidance system having multiple devices
US9681105B2 (en) 2005-12-29 2017-06-13 Rovi Guides, Inc. Interactive media guidance system having multiple devices
US7696165B2 (en) 2006-03-28 2010-04-13 Albany Molecular Research, Inc. Use of cyclosporin alkyne analogues for preventing or treating viral-induced disorders
US7696166B2 (en) 2006-03-28 2010-04-13 Albany Molecular Research, Inc. Use of cyclosporin alkyne/alkene analogues for preventing or treating viral-induced disorders
US20090019492A1 (en) 2007-07-11 2009-01-15 United Video Properties, Inc. Systems and methods for mirroring and transcoding media content
ES2667945T3 (es) 2007-10-08 2018-05-16 Aurinia Pharmaceuticals Inc. Composiciones oftálmicas que comprenden inhibidores de calcineurina o Inhibidores de mTOR
US8601526B2 (en) 2008-06-13 2013-12-03 United Video Properties, Inc. Systems and methods for displaying media content and media guidance information
FR2934997B1 (fr) * 2008-08-14 2010-09-24 Minakem Derives cyclopropyl-et cyclobutyl-dioxazaborocanes ou dioxazaborecanes
AU2010259184B2 (en) 2009-06-09 2015-08-13 Aurinia Pharmaceuticals Inc. Topical drug delivery systems for ophthalmic use
US9014546B2 (en) 2009-09-23 2015-04-21 Rovi Guides, Inc. Systems and methods for automatically detecting users within detection regions of media devices
JP6144627B2 (ja) 2010-12-15 2017-06-07 コントラヴィア ファーマシューティカルズ、インク. アミノ酸1および3で修飾されたシクロスポリン類似体分子
US8805418B2 (en) 2011-12-23 2014-08-12 United Video Properties, Inc. Methods and systems for performing actions based on location-based rules
AR090964A1 (es) 2012-05-09 2014-12-17 Novartis Ag Proceso para la elaboracion de undecapeptidos ciclicos
US9674563B2 (en) 2013-11-04 2017-06-06 Rovi Guides, Inc. Systems and methods for recommending content
US20190224275A1 (en) 2017-05-12 2019-07-25 Aurinia Pharmaceuticals Inc. Protocol for treatment of lupus nephritis
EP4201952A1 (en) 2021-12-21 2023-06-28 Curia Spain, S.A.U. Process for the controlled synthesis of voclosporin

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2059558T3 (es) * 1987-06-17 1994-11-16 Sandoz Ag Ciclosporins y su uso como productos farmaceuticos.
WO1998048791A1 (en) * 1997-04-30 1998-11-05 The Regents Of The University Of California Synthesis of discodermolide and analogs
ATE423130T1 (de) * 1997-10-08 2009-03-15 Isotechnika Inc Deuterierte cyclosporin-analoga und ihre verwendung als immunmodulierende agenzien
DE10143979A1 (de) * 2001-09-07 2003-03-27 Clariant Gmbh Verfahren zur Herstellung von Bisallylboranen und nicht-aromatischen Boronsäuren
DK1436321T3 (da) * 2001-10-19 2006-11-13 Isotechnika Inc Syntese af cyclosporinanaloger
ES2310604T3 (es) * 2001-10-19 2009-01-16 Isotechnika, Inc. Mezclas de analogos de ciclosporinas y su uso como agentes inmunomoduladores.

Also Published As

Publication number Publication date
CO5680450A2 (es) 2006-09-29
KR20050119200A (ko) 2005-12-20
BRPI0409734A (pt) 2006-05-09
ECSP056091A (es) 2006-03-01
NO20054478L (no) 2005-10-17
TW200505946A (en) 2005-02-16
AU2004228159A1 (en) 2004-10-21
US20040220091A1 (en) 2004-11-04
MA27831A1 (fr) 2006-04-03
CN1798759A (zh) 2006-07-05
TNSN05255A1 (en) 2007-07-10
RU2005130508A (ru) 2006-06-27
WO2004089960A3 (en) 2005-01-06
CA2521116A1 (en) 2004-10-21
ZA200507980B (en) 2006-11-29
NO20054478D0 (no) 2005-09-28
WO2004089960A2 (en) 2004-10-21
EP1613646A2 (en) 2006-01-11
MXPA05010794A (es) 2005-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006525961A (ja) 末端ジエン基を有するシクロスポリン「a」アナログの調製のためのプロセス
Lachance et al. Allylboration of carbonyl compounds
Journet et al. Radical cyclization of (bromomethyl) dimethylsilyl propargyl ethers. Regio-, chemo-and stereoselectivity.
Llerena et al. Synthesis of variously substituted allenediynes and their cobalt (I)-mediated [2+ 2+ 2] cycloaddition reactions
JP2003521546A (ja) 3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン−2−オンの合成
Wu et al. Metal-free synthesis of gem-silylboronate esters and their Pd (0)-catalyzed cross-coupling with aryliodides
Matsuhashi et al. The Palladium-Catalyzed Cross-Coupling Reaction of Organosilicon Compounds with Allylic Carbonates or Diene Monoxides.
Brook et al. Stable silene geometric isomers
US6867323B2 (en) Cross-coupling reaction of organosilicon nucleophiles
Fromont et al. Reactivity of N-phenyl silylated ketenimines with electrophilic reagents
JP2021533188A (ja) マンノース誘導体の製造方法
JP3021496B2 (ja) オレフィン性化合物のメタセシス生成物の製造方法及びそれに使用する触媒
Yamaguchi et al. Regioselective Preparation of Allylgermanes.
KR100541590B1 (ko) 설퍼펜타플루오라이드 화합물 및 이의 제조 및 사용 방법
US6444825B1 (en) Process for the preparation of an oxazolidinecarboxylic acid which is useful for preparing therapeutically active taxoids
Thibonnet et al. Stereoselective access to functionalized β-γ unsaturated acids
CN105254657A (zh) 金属催化不对称1,4-共轭加成反应产生前列腺素和前列腺素类似物
Tamborski et al. Certain reactions of 2-bromo-3, 4, 5, 6-tetrafluorophenyllithium
Boucley et al. Stereoselective addition of organomanganese reagents to chiral acylsilanes and aldehydes
Chen et al. Prostaglandins and congeners. 27. Synthesis of biologically active 16-halomethyl derivatives of 15-deoxy-16-hydroxyprostaglandin E2
Hill et al. Ring cleavage rearrangements of 2-bicyclo [3.2. 0] heptyl and related Grignard reagents
Bunce et al. A selective method for oxygen deprotection in bistrimethylsilylated terminal alkynols
Jankowski et al. The reaction of trimethylsilyl ethylene oxide with α-sulfonyl anions and α, α-sulfonyl dianions. A method for stereocontrolled synthesis of (E)-and (Z)-allylic alcohols
Landais et al. Studies on the Mercury‐Desilylation of Chiral Cyclopropylmethylsilanes‐A Stereocontrolled Access to Carba‐Sugars
Amedio Jr et al. A Practical Preparation of Methyl 4-(Trimethylsilyl)-benzoate: An Intermediate in the Synthesis of SDZ 63135

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605