JP2006517787A - ポリペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、腫瘍抑制タンパク質p53のアポトーシス活性を阻害するポリペプチドまたはその部分に関し、上記ポリペプチドの活性を妨害する作用物質を同定するスクリーニング方法を含む。

Description

本発明は、腫瘍抑制タンパク質p53のアポトーシス活性を阻害するポリペプチドまたはその部分、上記ポリペプチドの活性を妨害する作用物質を同定するスクリーニング方法、および上記活性を有する作用物質に関する。
アポトーシス、すなわちプログラム細胞死は、多細胞生物が細胞数および分化を調節するプロセスである。このプロセスは、アポトーシス活性を誘発するか、または防止する因子により調節される。アポトーシスの誘発因子としては、Bcl−2ファミリーの成員(member)、カスパーゼファミリーの成員ならびにそれらの関連因子Apaf−1およびFaddが挙げられる。カスパーゼは、タンパク質分解性切断後に活性化されるようになるプロ酵素として合成される。次に、活性カスパーゼは、アポトーシスに関連した多くの形態学的および生化学的変化を誘発する。ミトコンドリアは、チトクロームc、AIFおよびDiabloのようなアポトーシス促進(pro-apoptotic)因子の放出により活性化プロセスにおいて極めて重要な役割を果たす。ミトコンドリアからの放出は、Bcl−2ファミリーのタンパク質により制御される(例えば、Bcl−2およびBcl−x1は放出を阻害し、BaxおよびBakは放出を誘発する)。
国際公開99/53051号パンフレットは、アポトーシス促進活性を有するサイトカイン依存性タンパク質p21を開示する。p21は、骨髄系/赤血球系細胞においてサイトカイン依存性様式で発現される。これらの細胞は、成長に関してIL−3に依存性であり、IL−3の非存在下では、p21の翻訳が誘発され、その結果アポトーシスおよび細胞死をもたらす。p21は、外側のミトコンドリア膜へ移行して、アポトーシス促進活性を誘発する細胞質タンパク質である。
腫瘍抑制タンパク質もまた、アポトーシス促進活性を有する。
腫瘍抑制遺伝子は、細胞成長または分裂を阻害するように機能するタンパク質をコードし、したがって正常細胞の増殖、成長および分化の維持に関して重要である。腫瘍抑制遺伝子における突然変異は、異常な細胞周期の進行をもたらし、それにより例えばDNAが損傷を受けた場合に細胞周期を停止させる正常細胞周期チェックポイントが無視され、損傷を受けた細胞は制御不能に分裂する。腫瘍抑制遺伝子の産物は、細胞の全部分(例えば、細胞表面、細胞質、核)で機能して、損傷を受けた細胞が細胞周期(すなわち、G1、S、G2、Mおよび細胞質分裂)を通過するのを防止する。
最も熱烈な研究の対象であった腫瘍抑制遺伝子はp53であることはほぼ間違いない。p53は、転写因子として機能するタンパク質をコードし、細胞分裂周期の重要な調節因子である。p53は、SV40大型T抗原へ親和性をもって結合することが示されたタンパク質として1978年に発見された。p53遺伝子は、分子量53kDaを有する393アミノ酸ポリペプチドをコードする。p53の転写活性により調節される遺伝子は、それらの5’領域にp53認識配列を含有する。これらの遺伝子は、p53の細胞レベルが例えばDNA損傷に起因して上昇すると活性化される。p53に応答する遺伝子の例としては、mdm2、BaxおよびPIG−3が挙げられる。BaxおよびPIG−3は、p53の最も重要な機能の1つであるアポトーシスの誘発に関与する。
本発明者の同時係属中出願国際公開02/12325号パンフレットでは、本発明者等は、p53の特異的活性化因子としてASPPと称されるタンパク質ファミリーについて開示しており、野生型p53がヒト乳癌のような腫瘍において容認されるメカニズムを明らかにした。本発明者等はまた、iASPPと称されるASPPファミリーの成員の阻害剤について開示している。iASPPは発癌遺伝子であり、ASPPファミリーの最も保存される成員である。iASPPは、C.エレガンス(C. elegans)において見出される唯一のASPP様タンパク質である。ヒトiASPPと同様に、C.エレガンス相同体は、p53の重要な阻害剤として機能する。これらの見解により、ASPPファミリーの成員によるp53機能の調節は、門(phyla)にわたって進化的に保存されていることが示される。
C.エレガンスiASPPは、ヒト細胞において実施されるアッセイすべてにおいてヒトiASPPと置き換えることが可能である。さらに、相互置換研究により、C.エレガンスp53のアポトーシス機能は、ヒトASPPおよびiASPPそれぞれにより、増強または阻害されることが明らかとなっている。本発明者等はさらに、RNAiを使用して、iASPPが、C.エレガンスにおけるp53媒介性アポトーシスの重要な阻害剤であることを実証している。これらの観察すべてにより、ASPPファミリー成員によるp53の調節が進化的に保存されることが示される。p53活性の制御は、発達および腫瘍形成において極めて重要な役割を果たす。したがって、iASPPの発癌遺伝子機能の阻害は、腫瘍発現性野生型p53を処理するための重要な新たな戦略を提供することができる。C.エレガンスとヒトiASPPとの間の配列比較により、線虫とヒト配列との間の保存ドメインが明らかとなり、これがタンパク質間の機能的保存の説明となる可能性が高い。
本発明の態様によれば、ポリペプチドをコードする単離核酸分子、またはそれらの配列変異体であって、上記ポリペプチドは、図1aまたは図1bに表されるポリペプチド配列の断片であって、該断片は、以下の:
i)図1aまたは図1bに提示されるアミノ酸配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなるポリペプチド断片、
ii)図1aまたは図1bに提示されるアミノ酸配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなるポリペプチド断片であって、上記配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されたポリペプチド断片、および
iii)(i)および(ii)に定義されるようなポリペプチドであって、図1aまたは図1bに表されるポリペプチドの生物活性を実質的に保持するポリペプチド
からなる群から選択される核酸分子が提供される。
本発明の好適な実施形態において、上記核酸分子は、図1aに表される配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基から構成されるポリペプチド断片をコードする。好ましくは、上記核酸分子はヒトから単離される。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、上記核酸分子は、図1bに表される配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基から構成されるポリペプチド断片をコードする。好ましくは、上記核酸分子は線虫から単離される。好ましくは、上記線虫はカエノラブディティス(Caenorhabditis)種属である。
本発明の好適な実施形態において、上記核酸分子は、ポリペプチド、またはそれらの配列変異体をコードし、上記ポリペプチドは、図1aおよび1bに表されるアミノ酸配列により表されるポリペプチドの活性を阻害する。
本発明の好適な実施形態において、上記核酸分子はcDNAである。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、上記核酸分子はゲノムDNAである。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸分子によりコードされるポリペプチド断片またはそれらの配列変異体が提供される。
配列変異体である断片は、完全長ポリペプチドの生物活性を保持し得るか、あるいはp53における結合部位に関して競合することによりアンタゴニスト活性を有することが明らかである。概して、p53への結合に関する本発明のよるポリペプチドの特異性は、結合平衡定数により示される。p53を選択的に結合することが可能であるポリペプチドは、好ましくは少なくとも約10−1、より好ましくは少なくとも約10−1、最も好ましくは少なくとも約10−1の結合平衡定数を有する。
配列変異体、すなわち断片ポリペプチドおよび参照ポリペプチドは、任意の組合せで存在し得る1つまたはそれ以上の置換、付加、欠失、切断によりアミノ酸配列が異なり得る。好ましい変異体としては、保存的アミノ酸置換により参照ポリペプチドから変化した変異体である。かかる置換は、所定のアミノ酸を、同様の特性を有する別のアミノ酸で置換する置換である。アミノ酸の以下の非限定的なリストは、保存的置き換え(類似体)とみなされる:a)アラニン、セリンおよびトレオニン、b)グルタミン酸およびアスパラギン酸、c)アスパラギンおよびグルタミン、d)アルギニンおよびリシン、e)イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびバリン、ならびにf)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン。
本発明による機能的に等価なポリペプチドは、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基で置換された変異体、あるいは1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を含んだ変異体である。保存的置換は、脂肪族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの中であるものを別のものに置き換えること、ヒドロキシル残基SerおよびThrの相互交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnとGlnとの間の置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならびに芳香族残基PheおよびTyrの中での置き換えである。
さらに、本発明は、本明細書中に開示するポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有するポリペプチド配列、またはそれらの断片および機能的に等価なポリペプチドを特徴とする。一実施形態において、ポリペプチドは、本明細書中に例示するアミノ酸配列と少なくとも85%同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%同一性、より一層好ましくは少なくとも97%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
上述のように、本発明はまた、ある特定の実施形態では、本明細書中に開示するポリペプチドから誘導される「優性ネガティブな(dominant negative)」ポリペプチドもまた提供する。優性ネガティブなポリペプチドは、タンパク質の不活性変異体であり、細胞機構と相互作用することにより、細胞機構とのその相互作用から活性タンパク質を押しのけるか、あるいは活性タンパク質と競合し、それにより活性タンパク質の影響を低減させる。例えば、リガンドに結合するが、リガンドの結合に応答してシグナルを伝達しない優性ネガティブ受容体は、リガンドの発現の生物学的影響を低減することができる。同様に、標的タンパク質と正常に相互作用するが、標的タンパク質をリン酸化しない優性ネガティブな触媒的に不活性なキナーゼは、細胞シグナルに応答した標的タンパク質のリン酸化を低減させることができる。同様に、遺伝子の制御領域において別の転写因子またはプロモーター部位に結合するが、遺伝子転写を増加させない優性ネガティブな転写因子は、転写を増加させることなく、プロモーター結合部位を占有することにより正常な転写因子の影響を低減させることができる。
細胞における優性ネガティブなポリペプチドの発現の最終的な結果は、活性タンパク質の機能の低減である。当業者は、1つまたはそれ以上の優性ネガティブな変異ポリペプチドを創出するための標準的な突然変異誘発技法を使用して、タンパク質の優性ネガティブな変異体に関する潜在力を評価することができる。例えば、iASPPポリペプチドの本明細書中に含まれる教示の場合、当業者は、部位特異的突然変異誘発、スキャニング突然変異誘発、部分的遺伝子欠失または切断等によりiASPPポリペプチドの配列を改変させることができる。例えば、米国特許第5,580,723号明細書およびSambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989を参照されたい。次に、当業者は、選択した活性(例えば、p53結合、アポトーシスの調節)の減少に関しておよび/またはかかる活性の保持に関して、突然変異誘発したポリペプチドの集団を試験することができる。タンパク質の優性ネガティブな変異体を創出および試験する他の類似の方法は、当業者に明らかであろう。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸を含むベクターが提供される。
本発明のさらなる好ましい方法では、上記ベクターは、遺伝子発現に関して従来に適応された発現ベクターである。
通常上記適応としては(例示であり、限定の目的ではない)、細胞/組織特異的発現を媒介する転写制御配列(プロモーター配列)の供給が挙げられる。これらのプロモーター配列は、細胞/組織特異的であり、誘導的または構成的であり得る。
プロモーターは当該技術分野で認識されている用語であるが、明瞭性の目的で、単なる例示であり、限定の目的ではなく提供される以下の特徴を包含する。エンハンサー要素は、遺伝子の転写開始部位に対して5’に頻繁に見出されるシス作用性核酸配列である(エンハンサーはまた、遺伝子配列に対して3’に見出すことができるか、またはさらにはイントロン配列に位置させることができ、したがって位置非依存性である)。エンハンサーは、エンハンサーが連結される遺伝子の転写の割合を高めるように機能する。エンハンサー活性は、エンハンサー要素に特異的に結合することが知られているトランス作用性転写因子(ポリペプチド)に応答性である。転写因子の結合/活性(Eukaryotic Transcripition Factors, by David S Latchman, Academic Press Ltd, San Diegoを参照)は、多数の環境的合図に応答性であり、環境的合図としては(例示であり、限定の目的ではない)、中間代謝産物(例えば、グルコース、脂質)、環境的エフェクター(例えば、光、熱)が挙げられる。
プロモーター要素としてはまた、いわゆるTATAボックス、および転写開始の部位を選択するように機能するRNAポリメラーゼ開始選択(RIS)配列が挙げられる。これらの配列はまた、とりわけRNAポリメラーゼによる転写開始選択を容易とするように機能するポリペプチドを結合する。
適応としてはまた、選択マーカーおよび自己複製配列の提供が挙げられ、選択マーカーおよび自己複製配列はともに、真核生物細胞または原核生物宿主のいずれかにおいて上記ベクターの維持を容易にする。自律的に維持されるベクターは、エピソームベクターと称される。エピソームベクターは、これらの分子が巨大なDNA断片(30〜50kb DNA)を組み込むことができることから望ましい。このタイプのエピソームベクターは、国際公開98/07876号パンフレットに記載されている。
ベクターにコードされた遺伝子の発現を容易にする適応としては、転写終結/ポリアデニル化配列の提供が挙げられる。これにはまた、ビシストロンまたはマルチシストロン発現カセットに配列されるベクターにコードされた遺伝子の発現を最大限とするように機能する内部リボソーム侵入部位(IRES)の提供を包含する。
発現制御配列にはまた、いわゆる遺伝子座制御領域(LCR)が包含される。これらは、マウスにおけるトランスジェニック構築物としてアッセイされる場合に、連結された遺伝子に位置非依存性コピー数依存性の発現を付与する調節要素である。LCRには、隣接へテロクロマチンのサイレンシング効果から導入遺伝子を隔離する調節要素が包含される(Grosveld et al., Cell (1987), 51: 975-985)。
これらの適応は当該技術分野で既知である。一般的に発現ベクター構築および組換えDNA技法に関して非常に大量の公開文献が存在する。Sambrook et al (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory, Cold Spring Harbour, NYおよびそれら中の参照文献、Marston, F (1987) DNA Clonig Techniques: A Practical approach Vol III IRL Press, Oxford UK、DNA Cloning: F M Ausubel et al, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1994)を参照されたい。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸分子またはベクターで形質転換あるいはトランスフェクトされた細胞が提供される。
好ましくは、上記宿主細胞は、真核生物細胞、例えばバキュロウイルス発現系を用いたハスモンヨウ(Spodoptera frugiperda)種由来の細胞のような昆虫細胞である。この発現系は、ポリペプチドの翻訳後修飾が必要とされる場合に好適である。宿主細胞および細胞系は、原核生物(例えば、大腸菌)または真核生物(例えば、CHO細胞、COS細胞、酵母発現系および昆虫細胞における組換えバキュロウイルス発現)であり得る。ヒト、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギ、霊長類等のような哺乳類細胞が特に有用である。これらは幅広い多様な組織型であり得、一次細胞および細胞系が挙げられる。具体例としては、ケラチノサイト、末梢血白血球、線維芽細胞、骨髄幹細胞および胚幹細胞が挙げられる。発現ベクター類は、関連配列、すなわち上述の核酸がプロモーターに操作可能に連結されることを要する。
本発明のさらなる態様によれば、医薬品として使用するための本発明によるポリペプチドが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、医薬品として使用するための本発明による核酸が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、上記医薬品は、希釈剤、キャリアまたは賦形剤をさらに含む。
投与される場合、本発明の治療用組成物は、医薬上許容可能な調製物において投与される。かかる調節物は、医薬上許容可能な塩の濃縮物、緩衝剤、防腐剤、適合可能なキャリア、補足的免疫増強剤(例えば、アジュバントおよびサイトカイン)、および任意の他の治療剤(例えば、化学療法剤)を日常的に含有し得る。
本発明の治療薬は、注射を含む任意の従来の経路により、あるいは時間をかけた少しずつの注入により投与することができる。投与は、例えば経口、静脈内、腹腔内、筋内、腔内、皮下または経皮であり得る。抗体が治療用に投与される場合、好ましい投与経路は、肺エーロゾルによるものである。抗体を含有するエーロゾル送達系を調製する技法は、当該技術分野で既知である。概して、かかる系は、パラトープ結合容量のような抗体の生物学的特性を有意に減じない成分を利用すべきである(例えば、Sciarra and Cutie, 「Aerosols」, in Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th edition, 1990, pp 1694-1712(参照して本明細書の一部とする)を参照)。当業者は、過度の実験に頼らずに抗体エーロゾルを生産するための各種パラメータおよび条件を容易に決定することができる。本発明のアンチセンス調製物を使用する場合、ゆっくりとした静脈内投与が好ましい。
本発明の組成物は、有効な量で投与される。「有効な量」は、単独で、あるいはさらなる用量とともに、所望の応答をもたらす組成物の量である。癌のような特定の疾患を治療する場合では、所望の応答は、疾患の進行を阻害することである。これには、一時的に疾患の進行を単に遅らせることが包含され得るが、より好ましくは、永続的に疾患の進行を停止させることを包含する。これは、日常的な方法によりモニタリングすることができるか、あるいは本明細書中で論じる本発明の診断方法に従ってモニタリングすることができる。
かかる量は、当然のことながら治療される特定の状態、状態の重篤性、年齢、健康状態、大きさおよび体重を含む個々の患者のパラメータ、治療の持続期間、同時に行われる療法の性質(もしある場合)、投与の特定経路、ならびに医療従事者の知識および専門的技術内の同様の因子に依存する。これらの因子は、当業者に既知であり、単に日常的に過ぎない実験で対処することができる。個々の成分またはそれらの組合せの最大用量、すなわち適切な医療的判断に従って最高の安全な用量を使用することが一般的に好ましい。しかしながら、患者は、医療的理由、心理学的理由のために、あるいは事実上任意の他の理由のために、より低い用量または耐用用量を要求してもよいことは当業者に理解されよう。
上述の方法で使用される医薬組成物は、好ましくは滅菌してあり、患者への投与に適切な重さまたは容量のユニットで望ましい応答を生じるのに有効な量の優性ネガティブなiASPPまたは優性ネガティブなiASPPをコードする核酸を含有する。応答は、例えば本明細書中に記載するようなレポーター系により優性ネガティブなiASPP−1組成物により阻害されるシグナル伝達を決定することにより、遺伝子発現のような下流の影響を測定することにより、あるいは腫瘍の後退、疾患症状の減少、アポトーシスの調節等のようなiASPP組成物の生理学的影響を測定することにより、測定することができる。
被験体に投与される優性ネガティブなiASPPポリペプチドまたは核酸の用量は、種々のパラメータに従って、特に使用される投与様式および被験体の状態に従って選択することができる。他の因子としては、所望の治療期間が挙げられる。被験体における応答が、適用した初期の用量で不十分である場合には、より高用量(または異なるより局在化された送達経路による効果的により高い用量)を、患者の耐用性が許す程度にまで使用してもよい。
概して、優性ネガティブなiASPPの用量は、当該技術分野における任意の標準的な手順に従って、1ng〜約500mg、および10ng〜100mgの用量で配合および投与される。優性ネガティブなiASPPをコードする核酸が使用される場合、一般に1ng〜0.1mgの用量が標準的な手順に従って配合および投与される。iASPP組成物の投与に関する他のプロトコルは、当業者に既知であり、そこでは用量、注射スケジュール、注射の部位、投与様式(例えば、腫瘍内)等が上述と変化している。例えば試験の目的または獣医学的療法の目的で、ヒト以外の哺乳類へのiASPP組成物の投与は、上述と実質的に同条件下で実施される。本明細書中で使用する場合、被験体は、哺乳類、好ましくはヒトであり、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたはげっ歯類を包含する。
投与する場合、本発明の医薬調製物は、医薬上許容可能な量で、かつ医薬上許容可能な組成で適用される。「医薬上許容可能な」という用語は、活性成分の生物活性の有効性を妨害しない無毒性物質を意味する。かかる調製物は、塩、緩衝剤、防腐剤、適合性キャリアおよび任意の他の治療薬を日常的に含有する。薬に使用される場合、塩は医薬上許容可能であるべきであるが、医薬上許容可能でない塩を便宜上使用して、それらの医薬上許容可能な塩を調製してもよく、本発明の範囲から排除されない。かかる薬理学的および医薬上許容可能塩としては、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸等から調製されるものが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、医薬上許容可能な塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩)として調製することができる。
iASPP組成物は、所望であれば、医薬上許容可能なキャリアと組み合わせてもよい。本明細書中で使用する場合「薬学的に許容可能なキャリア」という用語は、1つまたはそれ以上の適合性の固体または液体充填剤、希釈剤あるいは被包性物質(これらは、ヒトへ投与するのに適している)を意味する。「キャリア」という用語は、有機または無機成分(天然または合成)を示し、それらと活性成分を組み合わせて、適用を容易にする。医薬組成物の成分はまた、本発明の分子と、互いに所望の医薬有効性を実質的に減じる相互作用が存在しないような様式で混合することが可能である。
医薬組成物は、塩中の酢酸、塩中のクエン酸、塩中のホウ酸、および塩中のリン酸を含む適切な緩衝剤を含有してもよい。
医薬組成物はまた、塩化ベンズアルコニウム、クロロブタノール、パラベンおよびチメロサールのような適切な防腐剤を任意に含有してもよい。
薬学的組成物は、単位投薬形態で便宜上提示されてもよく、医薬の技術分野で既知の方法のいずれかにより調製され得る。方法はすべて、活性剤を、1つまたはそれ以上のアクセサリー成分を構成するキャリアと会合させる工程を含む。概して、組成物は、活性化合物を、液体キャリア、微細固体キャリア、またはその両方と均質にかつ緊密に会合させた後、必要であれば生成物を成形することにより調製される。
経口投与に適した組成物は、カプセル、錠剤、ロゼンジのような別個のユニットとして提示されてもよく、それぞれが既定量の活性化合物を含有する。他の組成物としては、水性液体中または非水性液体中の懸濁液(例えば、シロップ、エリキシルまたはエマルジョン)が挙げられる。
非経口投与に適した組成物は、iASPPポリペプチドまたは核酸の滅菌水性または非水性調製物を利便性よく含み、これは好ましくは、レシピエントの血液と等張性である。この調製物は、適切な分散剤または湿潤剤および沈殿防止剤を用いて、既知の方法に従って配合され得る。滅菌注射可能調製物はまた、無毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液あるいは懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)であり得る。使用され得る許容可能な媒質および溶媒としては、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油は、溶媒または沈殿防止媒質として従来通りに使用される。この目的では、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油が使用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射可能物質の調製物で使用され得る。経口、皮下、静脈内、筋内等の投与に適したキャリア配合は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに見出すことができる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の核酸を含むトランスジェニック非ヒト動物が提供される。
本発明はまた、トランスジェニック非ヒト動物を包含する。本明細書中で使用する場合、「トランスジェニック非ヒト動物」には、生殖系細胞および/または体細胞に組み込まれた1つまたはそれ以上の外因性核酸分子を有する非ヒト動物が含まれる。したがって、トランスジェニック動物としては、相同組換えによるホモ接合性またはヘテロ接合性遺伝子崩壊を有する「ノックアウト」動物、エピソームまたは染色体に組み込まれた発現ベクター等を有する動物等が挙げられる。ノックアウト動物は、当該技術分野で既知であるように、胚幹細胞を用いた相同組換えにより調製することができる。組換えは、cre/lox系または当業者に既知の他のリコンビナーゼ系により容易とすることができる。ある特定の実施形態では、リコンビナーゼ系自体は、条件付きで、例えばある特定の組織または細胞型で、ある特定の胚または胚後期発達段階で、発現を増加または減少させる化合物の添加により誘発的にといったように発現させる。概して、かかる系で使用する条件発現ベクターは、所望の遺伝子発現パターン(例えば、時間的または空間的)を付与する各種プロモーターを使用する。条件プロモーターはまた、iASPPファミリー核酸分子に操作可能に連結して、調節様式または条件様式でこれらの核酸分子の発現を増加させることができる。iASPP活性または発現のトランス作用性ネガティブ調節因子もまた、上述の条件プロモーターに操作可能に連結させることができる。かかるトランス作用性調節因子としては、アンチセンス核酸分子、優性ネガティブな分子をコードする核酸分子、iASPP核酸に特異的なリボザイム分子等が挙げられる。トランスジェニック非ヒト動物は、iASPP発現の増加または減少を特徴とする条件に関して、診断薬または治療薬の生化学的あるいは生理学的影響を試験することに関する実験で有用である。他の用途は当業者に明らかであろう。
本発明のさらなる態様によれば、p53への上記ポリペプチドの結合を阻害する作用物質の同定のためのスクリーニング方法におけるポリペプチドまたはそれらの断片の使用が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、ポリペプチドまたはそれらの断片のp53への結合を阻害する作用物質を同定するスクリーニング方法であって、
i)
a)本発明によるポリペプチド、および
b)(a)におけるポリペプチドに関する結合部位(複数可)からなるp53ポリペプチドまたはそれらの断片
を含む調製物を形成すること、
ii)試験されるべき少なくとも1つの作用物質を供給すること、
iii)(a)におけるポリペプチドの(b)におけるポリペプチドへの結合に関して作用物質の活性を決定することと
を含む方法が提供される。
本発明の好適な方法において、上記作用物質はポリペプチドであり、好ましくはペプチドである。
本発明の好適な方法において、上記ペプチドはGPEETD、DGPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
本発明の好適な方法において、上記ペプチドの長さは、少なくとも6アミノ酸残基である。好ましくは、上記ペプチドの長さは、少なくとも7アミノ酸残基、8アミノ酸残基、9アミノ酸残基、10アミノ酸残基、11アミノ酸残基、12アミノ酸残基、13アミノ酸残基、14アミノ酸残基、15アミノ酸残基、16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基または20アミノ酸残基からなる群から選択される。代替的に、上記ペプチドの長さは、少なくとも20アミノ酸残基、30アミノ酸残基、40アミノ酸残基、50アミノ酸残基、60アミノ酸残基、70アミノ酸残基、80アミノ酸残基、90アミノ酸残基または100アミノ酸残基である。
本発明のさらなる好適な方法において、上記ペプチドは、GPEETD、DGPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなるアミノ酸配列を含む。
ペプチド作用物質のアミノ酸配列に対する修飾が、その標的配列に関してペプチドの結合および/または安定性を高めることができることは、当業者に明らかであろう。さらに、ペプチドの修飾はまた、ペプチドのin vivoでの安定性を増加させ得て、それによりiASPPのp53結合を阻害するのに必要な有効な量のペプチドを減少させる。このことは、in vivoで生じ得る望ましくない副作用を好適に減少させる。修飾としては(例示であり、限定の目的ではない)、アセチル化およびアミド化が挙げられる。あるいは、または好ましくは、上記修飾は、組換えまたは合成形態のペプチドの産生における修飾アミノ酸の使用を包含する。修飾アミノ酸としては(例示であり、限定の目的ではない)、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリシン、N−アセチルリシン、N−メチルリシン、N,N−ジメチルリシン、N,N,N−トリメチルリシン、シクロヘキシルアラニン、D−アミノ酸、オルニチンが挙げられることは、当業者に明らかであろう。他の修飾としては、ハロ(例えば、F、Br、I)、ヒドロキシもしくはC〜Cアルコキシから選択される1個、2個または3個の置換基で任意に置換されたC、CあるいはCアルキルR基を有するアミノ酸が挙げられる。
p53結合活性を保持するペプチドを環化により修飾することができることも、当業者に明らかであろう。環化は当該技術分野で既知である(Scott et al Chem Biol (2001), 8:801-815、Gellerman et al J. Peptide Res (2001), 57:277-291、Dutta et al J. Peptide Res (2000), 8:398-412、Ngoka and Gross J Amer Soc Mass Spec (1999), 10:360-363を参照)。
本発明のさらに好ましい方法では、上記アンタゴニストは、抗体または抗体結合部分である。好ましくは、上記抗体は、モノクローナル抗体またはそれらの結合部分である。
免疫グロブリンとしても知られる抗体は、通常外来分子(抗原)に対する特異性を有するタンパク質分子である。免疫グロブリン(Ig)は、一方の対が軽(L)(低分子量)鎖(κまたはλ)であり、一方の対が重(H)鎖(γ、α、μ、δおよびε)である2つ対のポリペプチド鎖から構成される構造的に関連したタンパク質のクラスであり、4つの鎖はすべて、ジスルフィド結合でともに連結されている。H鎖およびL鎖はともに、抗原の結合に寄与し、かつあるIg分子から別のIg分子へ高度に可変性である領域を有する。さらに、H鎖およびL鎖は、非可変性または定常である領域を含有する。
L鎖は2つのドメインから構成される。カルボキシ末端ドメインは、所定のタイプのL鎖間で本質的に同一であり、「定常」(C)領域と称される。アミノ末端ドメインは、L鎖間で変化し、抗体の結合部位に寄与する。その可変性のために、「可変」(V)領域と称される。
Ig分子のH鎖は、幾つかのクラス、すなわちα、μ、σ、αおよびγ(これらは、その幾つかのサブクラスが存在する)である。2つの同一H鎖およびL鎖の1つまたはそれ以上のユニットから構成される構築されたIg分子は、それが保有するH鎖からその名前を由来とする。したがって、5つのIgアイソタイプ:IgA、IgM、IgD、IgEおよびIgG(H鎖の「定常」領域における差異に基づいて4つのサブクラス、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を有する)が存在する。抗体構造およびそれらの様々な機能に関するさらなる詳細は、Using Antibodies: A laboratory manual, Cold Spring Harbour Laboratory Pressに見出すことができる。
本発明の好適な実施形態において、上記断片はFab断片である。
本発明のさらに好ましい実施形態では、上記抗体は、F(ab’)、Fab、FvおよびFd断片、ならびにCDR3領域を含む抗体からなる群から選択される。
好ましくは、上記断片は、単鎖抗体可変領域(scFV’s)またはドメイン抗体である。ハイブリドーマが特異的なモノクローナル抗体に関して存在する場合、RT PCRにより上記ハイブリドーマから抽出したmRNAからscFV’sを単離することは、十分に当業者の知見の範囲内である。あるいは、ファージディスプレイスクリーニングは、scFV’sを発現するクローンを同定することを請け負うことができる。ドメイン抗体は、抗体の最小結合部分(およそ13kDa)である。この技術の例は、米国特許6,248,516号明細書、米国特許6,291,158号明細書、米国特許6,127,197号明細書、およびEP0368684号明細書(これらはすべて、それらの全体が参照により援用される)に開示されている。
修飾抗体または変異抗体と参照(reference)抗体は、1つまたはそれ以上の置換、付加、欠失、切断(これらは任意の組合せで存在し得る)によりアミノ酸配列が異なり得る。好ましい変異体としては、保存的アミノ酸置換により参照ポリペプチドから変化しているものである。かかる置換は、所定のアミノ酸を類似の特性を有する別のアミノ酸で置換することである。アミノ酸の以下の非限定的リストは、保存的置き換え(類似)とみなされる:a)アラニン、セリンおよびスレオニン、b)グルタミン酸およびアスパラギン酸、c)アスパラギンおよびグルタミン、d)アルギニンおよびリシン、e)イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびバリン、ならびにf)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン。増強された生物活性を示す変異体が最も好ましい。
好ましくは、上記抗体はヒト化抗体またはキメラ抗体である。
キメラ抗体は、ヒト抗体の不変または定常領域とともに抗体の可変領域を含有する組換え方法により産生される。
ヒト化抗体は、ヒト抗体の定常(C)領域および可変(V)領域由来のフレームワーク領域の両方と抗体の相補性決定領域(CDR)を組み合わせる組換え方法により産生される。
キメラ抗体は、マウスまたはラット抗体のV領域すべてがヒト抗体C領域と組み合わせられた組換え抗体である。ヒト化抗体は、げっ歯類抗体V領域由来の相補性決定領域をヒト抗体V領域由来のフレームワーク領域と融合させた組換えハイブリッド抗体である。ヒト抗体由来のC領域もまた使用される。相補性決定領域(CDR)は、V領域の変動の大部分が制限されている抗体の重鎖および軽鎖の両方のN末端ドメイン内の領域である。これらの領域は、抗体分子の表面にあるループを形成する。これらのループは、抗体と抗原との間の結合表面を提供する。
非ヒト動物由来の抗体は、外来抗体に対する免疫応答および循環からのその除去を誘起する。組換えハイブリッド抗体内のげっ歯類(すなわち、外来)抗体の量が減じられている一方で、ヒト抗体領域が免疫応答を誘起しないため、キメラ抗体およびヒト化抗体はともに、ヒト被験体に注射されると減じられた抗原性を有する。このことが、より弱い免疫応答および抗体のクリアランスの減少をもたらす。これは、ヒト疾患の治療において治療用抗体を使用する場合に明らかに望ましい。ヒト化抗体は、より少ない「外来」抗体領域を有するように設計され、したがってキメラ抗体よりも免疫原性が低いと考えられる。
本発明のさらなる態様によれば、線虫から単離される単離核酸分子であって、図1bにより表されるような核酸配列をハイブリダイズする核酸分子が提供される。
本発明の好適な実施形態において、上記核酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。好ましくは、上記線虫は、カエノラブディティス(Caenorhabditis)種属である。
本発明のさらなる態様によれば、図1bに表されるようなアミノ酸を含む単離ポリペプチドであって、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されるポリペプチドが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、有効量のポリペプチドあるいは核酸、あるいは本発明のベクターを投与することを含む動物の治療方法であって、上記有効量は、p53のアポトーシス活性を誘発する方法が提供される。
本発明の好適な方法において、上記治療は癌治療である。
本発明の一態様によれば、GPEETD、DGPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドが提供される。
本発明の好適な実施形態において、上記ペプチドの長さは、少なくとも6アミノ酸残基である。好ましくは、上記ペプチドの長さは、少なくとも7アミノ酸残基、8アミノ酸残基、9アミノ酸残基、10アミノ酸残基、11アミノ酸残基、12アミノ酸残基、13アミノ酸残基、14アミノ酸残基、15アミノ酸残基、16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基または20アミノ酸残基からなる群から選択される。代替的に、上記ペプチドの長さは、少なくとも20アミノ酸残基、30アミノ酸残基、40アミノ酸残基、50アミノ酸残基、60アミノ酸残基、70アミノ酸残基、80アミノ酸残基、90アミノ酸残基または100アミノ酸残基である。
本発明のさらなる好適な実施形態において、上記ペプチドは、GPEETD、DGPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなるアミノ酸配列を含む。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による少なくとも1つのペプチドおよび少なくとも1つの抗癌剤を含む医薬組成物が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、上記抗癌剤は、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、シタラビン、メルカプトプリン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、タキソール、L−アスパラギナーゼ、G−CSF、エトポシド、コルヒシン、メシル酸デフェロキサミン、およびカンプトテシンからなる群から選択される。
本発明のさらにより好ましい態様によれば、本発明によるペプチドおよび少なくとも1つの抗体またはそれらの活性結合部分を含む複合体が提供される。
本発明の好ましい実施形態では、上記抗体または断片は、細胞特異的抗体である。好ましくは、上記細胞は癌細胞である。
本発明によるペプチドおよび細胞、好ましくは癌細胞を特異的に結合する抗体の複合体は、上記ペプチドの細胞へのターゲッティングを可能にする。通常、複合体は、内部移行され、細胞内にペプチドを放出して、ペプチドをその標的に送達する。抗体およびペプチドの複合体を形成する手段は当該技術分野で既知であり、例えば、二官能性架橋剤(これらは、ヘテロ二官能性であってもホモ二官能性であってもよい)の使用を包含する。架橋剤は還元性であり、それにより上記ペプチド(複数可)の放出を容易にする。癌特異的細胞マーカーは当該技術分野で既知である。例えば、腫瘍拒絶抗原前駆体。これらとしては(例示であり、限定の目的ではない)、MAGE、BAGE、GAGEおよびDAGEファミリーの腫瘍拒絶抗原が挙げられる。Schulz et al Proc Natl Acad Sci USA, 1991, 88, pp991-993(参照して本明細書の一部とする)を参照されたい。
本発明の態様によれば、有効な量の本発明によるペプチドを投与することを含む、動物、好ましくはヒトの治療方法が提供され、ここでは上記動物は、アポトーシスの誘発から利益を得る。
本発明のさらなる態様によれば、有効な量の本発明による組成物を投与することを含む、動物、好ましくはヒトの治療方法が提供され、ここでは上記動物は、アポトーシスの誘発から利益を得る。
本発明の好適な方法において、上記治療は癌治療である。
ここで、本発明の実施形態を、単なる例示として以下の図面を参照して記載する。
材料および方法
細胞培養、抗体およびプラスミド
Saos−2、MCF−7およびU2OS細胞を、10%FCS、100IU/mlペニシリン−ストレプトマイシンおよび2mM グルタミンを補充したDMEM中で成長させた。抗p53抗体DO−1およびDO−13はモノクローナル抗体であるのに対して、CM−1は、p53に特異的なウサギポリクローナル抗体である。V5および9E10エピトープは、それぞれマウスモノクローナル抗体V5および9E10により認識される。マウスモノクローナルPC−10は、PCNAタンパク質に特異的である。CD20Leuは、細胞表面マーカーCD20(Becton Dickinson)に特異的なFITC結合モノクローナル抗体である。ASPP1およびASPP2に対するマウスおよびウサギ抗体はこれまでに記載されていた。iASPP(ペプチドRLQPALPPEAQSVPELEE)に対するマウスおよびウサギ抗体は、Harlow and Lane13により記載されているように産生した。この研究で使用する発現プラスミドはすべて、CMV極初期プロモーターにより駆動される。ASPP1、iASPPおよびCe−iASPPは、V5エピトープで標識する一方で、Ce−p53は、9E10エピトープで標識する。
DNAトランスフェクション
トランスフェクションミックスは、2.5M CaClで沈殿させた1×HBS緩衝液(280mM NaCl、10mM KCl、1.4mM NaHPO・2HO、12mM グルコース、39mM HEPES、pH6.9〜7.3に調整)中の所定のDNAを含んでいた。トランスフェクションミックスを細胞に滴下して、DMEMを用いて6時間後に洗い流した。洗浄の16〜24時間後に、ルシフェラーゼアッセイおよびウェスタンブロット用にはレポーター溶解緩衝液(Promega)中に、あるいはウエスタンまたは免疫沈降手順用にはNP40溶解緩衝液中に細胞を溶解させた。
トランス活性化アッセイ
転写アッセイ用に、5×10個のSaos−2細胞を、6cm皿中でトランスフェクションの24時間前に平板培養した。プラスミドDNAの様々な組合せを、以下の量を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションアッセイはすべて、レポータープラスミド1μgを含有する。野生型ヒトp53 50ng、C.エレガンスp53を発現するプラスミド100ng、ASPP2 4μgまたはASPP1 8μg、ヒトiASPP 5μgまたはCe−iASPP 7.5μgを示されるように使用した。トランスフェクション後、洗浄の16〜24時間後に細胞をレポーター溶解緩衝液(Promega, WI, USA)中に溶解させて、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega, WI, USA)を用いてアッセイした。特定のレポーターの活性倍数を、ベクター単独の活性を超えるトランスフェクトしたプラスミドの活性により決定した。ASPPによるp53トランス活性化活性の増加倍数は、各アッセイで使用したプロモーターに関してp53単独の活性で除算したASPPと組み合わせた活性p53により得られた。
細胞形質転換アッセイ
Biowhittakerから入手したラット胚線維芽細胞(REF)を、90mm皿中で50%集密にまでDMEM中で成長させた。次に、これまでに記載されているように14、細胞を形質転換した。簡潔に述べると、EJ ras 6.6 2μg、pCE(E1A) 2μg、pCB6−16E 5μg、野生型ヒトp53 5μg、ヒトもしくはC.エレガンスiASPP 1μgまたは5μgを示されるようにREFSにトランスフェクトした。細胞すべてを、同量のneo遺伝子を発現するプラスミドDNAでトランスフェクトした。次に、トランスフェクトした細胞を、400μg/mlのG418で選択し、形質学的に形質転換されたコロニーを、トランスフェクションの3〜4週後にスコア付けした。
フローサイトメトリー
FACS分析用に、10個のSaos−2細胞を、10cm皿中でトランスフェクションの24〜48時間前に平板培養した。次に、細胞をCD20を発現するプラスミド 2μgでトランスフェクトした。CD20発現は、トランスフェクションマーカーとして使用した。トランスフェクションは、示されるように、ヒトp53 1μgまたはCe−p53 4μg、ASPP1およびASPP2 10μg、Bax 2μg、アンチセンスiASPP 15μg、ヒトiASPP 7.5μg〜10μgまたはCe−iASPPプラスミド 7.5μgから構成されていた。トランスフェクションの36時間後、接着細胞および浮遊細胞をともに、4mM EDTA/PBSを使用して収集し、FITC結合抗CD20抗体CD20Leuで染色した。各実験に関して、細胞の一皿を、CD20なしで対照ベクターのみでトランスフェクトした。その後、これらの細胞は、CD20プラスミドとともに同時トランスフェクトした場合と同条件下にて抗体CD20Leuで染色し、ネガティブ対照として使用した。CD20プラスミドの発現を欠如した細胞を使用して、CD20ポジティブ(したがって、トランスフェクトした)細胞のゲーティング(gating)を可能にするように基線を設定した。抗体CD20Leuで染色した後、細胞を固定して、ヨウ化プロピジウムで染色した。CD20を発現する細胞すべてのDNA含有量を、記載されているように15フローサイトメーター(Becton Dickson)を用いて分析した。
タンパク質生化学
ウェスタンブロッティング用に、単層で成長させた細胞を、1×PBSで洗浄して、NP40溶解緩衝液(1% Nonidet P40、50mM トリス(pH8.0)、150mM NaCl、1mM EDTA(pH8.0))またはルシフェラーゼレポーター溶解緩衝液のいずれかに溶解させた。細胞抽出物のタンパク質濃度は、BioRadタンパク質タンパク質アッセイ系(BioRad)を用いて標準曲線に対して決定した。抽出物15〜100μgを5×試料緩衝液と混合して、SDS−PAGEゲル上に載せた。ゲルをProtranニトロセルロース膜上へ湿潤転写して、得られたブロットを1×PBS中の10%再構成粉乳中でブロックした。続いて、ブロットを、組織培養培地中であるいは未希釈ハイブリドーマ上清として調製した一次抗体とともにインキュベートして、適切な二次HRP結合抗体(Dako)とともにインキュベートした。各段階間で、ブロットを、TBST(10mM トリス(pH8.0)、150mM NaCl、0.5%Tween20)の繰り返し交換により洗浄した。ブロットを、ECL基質溶液(Amersham Life Science)の使用に続いて、ハイパーフィルムに感光させた。
免疫沈降用に、細胞をNP40溶解緩衝液中に氷上で30分間溶解させ、プロテインGビーズにより4℃で1時間予め清浄化した。タンパク質濃度を決定して、抽出物1000μgを、プロテインGビーズに予め結合させた抗体とともに4℃にて4時間インキュベートした。ビーズをNP40溶解緩衝液で二度、およびNET緩衝液(50mM トリス(pH8.0)、150mM NaCl、1mM EDTA(pH8.0))で二度洗浄した。IPビーズを5×試料緩衝液と混合して、SDS−PAGEゲル上へ載せた。
in vitro翻訳およびin vitro免疫沈降
ASPPファミリーの成員およびp53をin vitro翻訳させて、TNT T7 Quick連結転写/翻訳系(Promega)を用いて35S−メチオニンで標識した。図1Eに示した実験に関して、iASPPのin vitro翻訳した溶解産物15μl、30μlおよび45μlを、p53およびASPP2に加えて添加した。ウサギ抗p53抗体CM1を用いて、非標識p53の存在を検出した。
図6Aに関して、ヒトiASPP溶解産物(非標識)5〜10μlを、in vitro翻訳したCe−p53を含有する溶解産物15μlとともにインキュベートした。タンパク質の混合物を、30℃で1時間同時翻訳させた。次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)200μlをタンパク質の混合物に添加して、回転輪上で4℃でさらに1時間インキュベートした。プロテインGアガロースビーズ上に固定化した抗V5抗体を結合反応に添加して、回転輪上で4℃で16時間インキュべートした。次に、ビーズをPBSで洗浄した。結合したタンパク質を、SDSゲル試料緩衝液中で放出させて、10%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により分析した。Ce−p53は、オートラジオグラフィで検出し、ヒトiASPPは、ウェスタンブロット後の抗V5抗体により検出した。残りの図に関しては、タンパク質を35S−メチオニンで標識し、示した抗体を用いた上述のように免疫沈降させた。結果は、オートラジオグラフィを用いて可視化させた。
35 S−メチオニンおよび 35 S−システインによる細胞のin vivo標識
トランスフェクトしたプラスミド(図1Aおよび図2Cに示されるように)の非存在下または存在下でのU20S細胞をPBSで洗浄し、続いてメチオニンおよびシステインをともに欠如したDMEM中で250μci/mlの35S−メチオニンおよび250μciの35−システインとともに37℃で2時間インキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄した後、収集した。図2Cに関して、トランスフェクションの24時間後に、細胞を、35S−メチオニンおよび35S−システインで2時間in vivo標識した。CD20を発現する細胞(トランスフェクトした細胞)をFITC結合抗CD20抗体で染色した。次に、ビオチン結合抗FITC抗体を細胞ペレットに添加して、インキュベーション後に、細胞をストレプトアビジン結合磁性ビーズと混合して、CD20発現細胞を単離した。続いて、細胞をNP40溶解緩衝液を用いて溶解し、マウス抗iASPP抗体によりタンパク質を免疫沈降させた。免疫沈降物をNET緩衝液で洗浄して、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィで分離した。
細胞固定
細胞の単層を30mm皿で成長させて、1×PBSで洗浄させた。細胞を4%パラホルムアルデヒド1mlで15分間固定させた後、1×PBSで洗浄した。1×PBS中の0.2%トリトン−X100 1mlを使用して、細胞を2分間透過処理して、これを1×PBSの3回洗浄により洗い流した。一次抗体を適切な濃度にて組織培養培地中で調製し、皿に3時間添加した。皿を1×PBSで洗浄し、抗ウサギTRITC(テトラメチルローダミンイソチオシアネート)または抗マウスFITC(フルオレセインイソチオシアネート)のいずれかの二次抗体を製造業者が推奨した希釈(Sigma, UK)にて組織培養培地中で調製し、皿に1時間添加した。細胞を1×PBS中で洗浄して、風乾させた。Citifluor遮蔽剤(Citifluor, UK)を細胞の表面に1滴として適用し、最上部上にカバースリップを配置させた。カバースリップの最上部上に浸漬油1滴により、Zeiss Axiophot蛍光顕微鏡を用いて免疫複合体を可視化させた。抗体9E10およびV5を用いて、それぞれエピトープ標識Ce−p53(9E10)、ヒトiASPP(V5)およびCe−iASPP(V5)の発現を検出した。ヒトp53は、DO.1抗体により検出した。
Ce−p53およびCe−iASPP cDNAのクローニング
Ce−ape−1(iASPP)およびCe−cep−1(p53)の完全コード領域を保有するcDNAを、Promegaアクセスキットを用いてRT−PCRにより生成し、ベクターpCR4−TOPO(Invitrogen)にクローニングし、配列決定した。次に、C.エレガンスp53およびiASPPを、それぞれ9E10およびV5のエピトープとフレームで哺乳類発現ベクターpcDNA3にサブクローニングした。完全長Ce−ape−1は、SL1にトランススプライシングされていると予測される(Y. Kohara、未公開)。
RNA干渉(RNAi)および細胞死アッセイ
RNAiは、確立された手順(Fire et al., 1998、Timmons and Fire, 1998)を用いて摂食またはマイクロインジェクションにより実施した。RNAiによるCe−iASPPおよびCe−p53活性を排除するために、まずN2動物をCe−iASPP RNAi摂食(feeding)にさらした。続いて、20F1動物を摂食プレートから取り出して、Ce−p53 dsRNAを注射し、別個のCe−iASPP dsRNA摂食プレートに戻した。Ce−iASPPを摂食させた動物(Ce−p53 dsRNAの+/−注射)のF2子孫をSYTO12で染色して、アポトーシス死を記載されているように12にスコア付けした。したがって、動物はすべてCe−iASSP摂食RNAiにさらしているため、2つの群で検出されるアポトーシス細胞死の平均数におけるいずれの差異も、Ce−p53 dsRNA注射に起因する可能性が高い。
iASPPは、ASPPファミリーの最も保存的な成員である
配列分析により、C.エレガンスp53遺伝子であるcep−1は、p53ファミリーの遠い成員であるが、ASPPに重要な残基およびDNA結合活性は保存されているようであることが示されている3、4。したがって、本発明者等は、ASPP相同体に関するC.エレガンスゲノムを研究し、F46F3.4が、ASPPファミリーの3つすべての成員に対して有意な配列相同性を有するタンパク質をコードする唯一のC.エレガンス遺伝子であることを見出した。F46F3.4に相当する遺伝子は、ape−1(RNAi)により産生される突然変異体表現型に基づいてape−1(アポトーシスエンハンサーのため)と呼ばれている(以下参照)。しかしながら、タンパク質産物は、以後Ce−iASPPと称する。Ce−iASPPは、769個のアミノ酸から構成され、配列比較により、Ce−iASPPのC末端が他のASPP成員と最も保存された領域であることが明らかである(図7)。ASPP2のC末端はp53と相互作用することがこれまでに示された。さらに、この相互作用に関与する1つだけ除いたすべて(7つのうち6つ)の残基が、iASPPおよびCe−iASPPの両方で保存されている。総合すると、これらの結果により、Ce−iASPPはヒトおよびC.エレガンスp53の両方と相互作用する可能性があることが示唆された。このことを、共免疫沈降によりin vitroで試験した。図8Bに示されるように、Ce−iASPPは、ヒトおよびCe−p53の両方と相互作用する。Ce−p53とCe−iASPPとの間の相互作用は、相互免疫沈降によりさらに確認した(図8B、右側のパネル)。
Ce−iASPPは、他のASPPファミリーの成員に見出される特徴的なアンキリン反復およびSH3ドメインを含有し、ヒト細胞の細胞質および核中で発現される(図8C)。ヒトiASPPの発現は、主に核であるが、細胞質染色もまた検出可能である。ヒトおよびC.エレガンスp53はともに、トランスフェクトしたヒト細胞の核で主として発現される(図8C)。ASPPおよびiASPPは、それぞれp53のアポトーシス機能を正および負に調節することができるため、本発明者等は、p53の活性に対するCe−iASPPの影響を試験した。Ce−iASPPを哺乳類細胞中でヒトp53と同時発現させると、それは、おそらく内因性ASPP機能を阻害することによりp53のトランス活性化およびアポトーシス機能のわずかな減少をもたらした。しかしながら、ASPP1またはASPP2の存在下では、Ce−iASPPの同時発現は、ASPP1またはASPP2が、ヒトiASPPと同程度にまでp53のトランス活性化およびアポトーシス機能を刺激するのを防止した(図8D)。さらに、ヒトおよびC.エレガンスiASPPの、アポトーシスを阻害する能力は、それらがともに同条件下でBax誘発アポトーシスを阻害しなかったため、p−53依存性である(図8E)。iASPPの、p53の活性を阻害する能力は、p53の発現の減少に起因しない(図8F)。ヒトiASPPと同様に、Ce−iASPPもまた発癌活性を有する。Ce−iASPPの発現は、rasおよびE1Aのトランスフォーミング活性を高めた。さらに、Ce−iASPPの発現は、野生型ヒトp53のサプレッサー機能を阻害した(図8G)。これらの結果により、Ce−iASPPは、ヒトASPPのオルソログよりもヒトiASPPのオルソログである可能性が高いことが実証される。また、Ce−iASPPの、p53を阻害する能力は、ASPPファミリーのタンパク質によるp53アポトーシス機能の調節が進化的に保存されることを示唆する。
ASPPファミリーのタンパク質によりp53の調節は進化的に保存される
ヒトp53とC.エレガンスp53との間の限定された配列類似性のために、Ce−p53が哺乳類細胞中でアポトーシスを誘発することができるかどうかは明らかではないが、ASPPと接触するCe−p53残基のほとんどが保存されている。Ce−iASPPが、ヒトiASPPと類似した様式でヒトp53の活性を阻害する場合、これは、ASPPファミリーによるp53の調節が進化的に保存されていることを論じる。このことはさらに、Ce−p53の活性が、ASPPファミリーのタンパク質により調節の影響を受けやすいことを示唆する。これらの問題に対処するために、Ce−p53を、同時免疫沈降によりヒトASPPファミリーの成員とin vitroで相互作用するその能力に関して試験した。図6Aに示されるように、Ce−p53は、ASPP2およびiASPPと相互作用する。Ce−p53の発現は、ヒトp53に類似した効率で、ヒト細胞においてアポトーシスを誘発した。意外にも、ヒトASPP、特にヒトASPP2の発現は、Ce−p53の、アポトーシスを誘発する能力を、ヒトp53に類似した程度にまで有意に高め、ヒトiASPPの発現はまた、Ce−p53のアポトーシス機能を阻害した(図6B)。さらに、ヒトおよびC.エレガンスiASPPはともに、同程度にまでCe−p53誘発アポトーシスを阻害した(図6C)。Ce−p53の、p53標的遺伝子プロモーター(例えば、Bax−luc)をトランス活性化する能力もまた試験して、ヒトp53の能力よりもかなり低いことが見出された。興味深いことに、ASPP2とCe−p53の同時発現は、Ce−p53のトランス活性化の機能のわずかではあるが検出可能な増加をもたらし、ヒトASPPファミリーが、ヒトp53と類似した様式でCe−p53を調節することができることを示した(図6D)。ASPP2によるCe−p53のトランス活性化機能のわずかな増加は、mdm2プロモーター上では観察されない。これらの結果すべてが、ヒトp53とC.エレガンスp53との間で保存された残基は、p53のアポトーシス機能にとっておよびASPPファミリーにより調節されるべきp53にとって極めて重要かつ十分であることを示唆する。
iASPPは、in vivoでのp53の進化的に保存された阻害剤である
ヒトp53と同様に、C.エレガンスp53の最も重要な機能の1つは、DNA損傷に応答して生殖細胞においてアポトーシスを誘発するその能力である3、4。ヒトまたはC.エレガンスiASPPの同時発現が哺乳類細胞系においてp53のアポトーシス機能を阻害することができるということを踏まえて、本発明者等は、Ce−iASPPの発現が、アポトーシスによる死からC.エレガンス生殖細胞を同様に保護し得ると仮定した。この問題は、RNA媒介性干渉(RNAi)を用いてin vivoで対処した。内因性Ce−iASPPの欠乏により、アポトーシスを受けた生殖細胞数が増加し、Ce−iASPPの正常機能が、アポトーシスを阻害することを示した(図9A、レーン1および5、6)。Ce−iASPPの欠乏により引き起こされる生殖細胞アポトーシスの増大は、RNAiがC.エレガンスCED−3カスパーゼを欠如している突然変異体において実施された場合に、検出されず、コアのアポトーシス機構がこのプロセスに関与していることを示した(図9A、レーン3および4)。本発明者等はまた、Ce−iASPPの主要な役割がCe−p53のアポトーシス促進活性を阻害することであり、アポトーシス促進活性は通常遺伝毒性ストレスに応答して刺激される3、4という仮定に関するさらなる支持を得た。まず、Ce−iASPPの欠乏後にアポトーシスを受けたC.エレガンス生殖細胞数の増加が、RNAiにより、Ce−p53を同時に欠乏させることにより廃止されることを見出した(図9A、レーン5、6および8を比較せよ)。さらに、RNAiによるCe−iASPPとCe−p53の両方の欠乏により、アポトーシスは完全に排除されなかったが、代わりにアポトーシスを受けた生殖細胞数が野生型生理学的レベルにまで回復した。第二に、野生型の虫(worms)を100Gy IRに暴露させた後に検出されるアポトーシス生殖細胞死数の増加が、100Gy IRへの暴露の存在または非存在下でRNAiによるCe−iASSPの欠乏後に観察されるよりも上回らなかった(図9A、レーン2および7)。これらの結果は、iASPPがC.エレガンスにおいてp53機能の重要な阻害剤であることを明らかに実証するが、本発明者等は、遺伝的ノックアウトにより、Ce−iASPPがさらなる活性を有することが明らかとなり得るという可能性を排除することができない。ASPPファミリーによるp53の調節は高度に保存されるため、iASPPはまた、ヒトを含む他の生物においてp53の重要な阻害剤である可能性が高い。
ここで、本発明者等は、iASPPが、これまでのところで同定されたp53の最も系統学的に保存された阻害剤であり、またASPPファミリーの最も進化的に保存された成員であることを示す。意外にも、ASPPファミリーの成員の、p53のアポトーシス機能を調節する能力は、C.エレガンスとヒトとの間で保存されている。このことは、p53のアポトーシス機能が、細胞周期停止を誘発するその能力よりも保存されている可能性が高いことを論じており、これは、C.エレガンスおよびショウジョウバエp53の両方の異所性発現がアポトーシスを誘発するが、細胞周期停止を誘発しないことを示す最近の観察3、4、7、8と一致する。C.エレガンスでは、p53媒介性アポトーシスが、生殖細胞のフィデリティを維持する際に重要な役割を示すようであり、これがDNA損傷を被る可能性がある3、4。興味深いことに、p53の最も重要な腫瘍サプレッサー機能もまた、アポトーシスを誘発するその能力と関連している。したがって、ASPPファミリーの成員であるp53の進化的に保存された調節因子は、腫瘍形成において重大な役割を果たすはずである。
腫瘍性タンパク質iASPP
iASPPは、完全長ASPPよりもN末端切断ASPP2突然変異体53BP2とより高い配列類似性を共有する。iASPPの発現は、p53のアポトーシス機能を阻害した。53BP2と同様に、p53のアポトーシス機能に対するiASPPの最も顕著な影響は、ASPPの競合物質として作用するその能力により媒介される。しかしながら、C.エレガンスでは、iASPPは、ヒトASPPファミリーに対して相同性を有する唯一の遺伝子である。したがって、iASPPは、C.エレガンスにおいてp53のアポトーシス機能を直接阻害する。同様のメカニズムはまた哺乳類細胞においても適用され得る。これと一致して、iASPPアンチセンスRNAは、U2OSおよびMCF7細胞においてアポトーシス細胞の3〜5倍増加を誘発した。この後者のモデルでは、ASPPは、iASPPがp53に課した負の影響を取り除くことによりp53のアポトーシス機能を刺激することができる。iASPPアンチセンスRNAがシスプラチン処理したU2OSおよびMCF7細胞においてアポトーシスの有意な増加をもたらすことができないことは、シスプラチンが、ASPPの活性を増加させることによりp53のアポトーシス機能を刺激するという事実に起因し得る。このことは続いて、ASPPアンチセンスRNAの発現が、シスプラチンにより誘発されるアポトーシスに対する顕著な阻害効果を生み出したことの理由を説明し得る。また、この条件下で、iASPPの抗アポトーシス機能は最も顕著である。したがって、p53のアポトーシス機能は、iASPPにより負に調節され、ASPPにより正に調節される。これらの2つの対抗するシグナル間の競合が、p53のアポトーシス状態、最終的には細胞運命を決定することができる。iASPPがASPPの優性ネガティブな調節因子またはp53の直接的な阻害剤として作用するかどうかに関わらず、p53の結合に関するiASPPとASPPとの間の競合は、p53のアポトーシス機能に重要である。このモデルと一致して、ASPP2と複合体形成したp53の割合の変化がDNA損傷に応答して見られた。iASPPおよびASPPと複合体形成したp53の割合は、死または生存を誘発するシグナルにより調節される可能性が高い。
p53の阻害剤であるiASPPは、ヒトパピローマウイルスおよびアデノウイルスのras+E7またはE1Aのような発癌遺伝子のトランスフォーミング活性を高めるが、ras+突然変異体p53を高めない。これは、E7およびE1Aがp53依存性アポトーシスを誘発することが知られているため特に興味深い。E7およびE1AはRbの腫瘍サプレッサー機能を結合し、それを不活性化することができるのに対し、それらの発癌性機能は、p53依存性アポトーシスを活性化するそれらの能力に起因して大いに減少される。E7およびE1Aにより誘発されるアポトーシスを阻害することができるタンパク質は、E7およびE1Aの発癌性機能を高める。したがって、優性ネガティブなp53突然変異体と同様に、iASPPは、p53のアポトーシス機能を阻害することによりE7およびE1Aの発癌性機能を刺激することが可能であった。iASPPが、本明細書に記載する実験条件下でREFを形質転換させるのにrasと同時に作動させる際に突然変異体p53、p53H175またはp53L173ほど活性でなかったことに注目することは重要である。理由の一部としては、アッセイにおいて、iASPPの発現レベルが低いことに起因するものであった(データは示していない)。しかしながら、iASPPおよび突然変異体p53のトランスフォーミング活性における差異はまた、突然変異体p53の他の既知の活性により引きこされる可能性があり、これは、p53の単純な優性ネガティブな阻害剤として作用するその能力と無関係である。それにもかかわらず、UVおよびシスプラチンの細胞障害性効果に対して細胞耐性を付与する能力により、iASPPの過剰発現が野生型p53を発現するヒト腫瘍において選択されることが示唆された。これと一致して、iASPP発現は、野生型p53を発現するヒト乳癌において増加される。高レベルのiASPPを発現する腫瘍の大部分(8つのうち7つ)はまた、野生型p53および正常レベルのASPPを発現し、iASPPがin vivoでASPPの阻害剤であることを示す。本発明者等のこれまでの研究により、ASPP1およびASPP2の発現レベルが、野生型p53を発現するヒト乳癌の60%においてダウンレギュレートされることが示された。総合すると、ASPPファミリーの成員の異常発現は、検査したヒト乳癌のほぼ80%を示す。ASPPファミリーの成員は、異なる染色体上に位置される3つの異なる遺伝子によりコードされる(データは示していない)。本発明者等は、ASPPのダウンレギュレーションを示すヒト乳癌の頻度が、iASPPの発現増加を示すものよりもかなり高い理由を理解していない。しかしながら、ASPPファミリーの成員の発現パターンは、種々のタイプのヒト腫瘍において変化することが可能である。改変したASPP発現を伴う腫瘍の割合もまた、様々な腫瘍タイプで異なる。それにもかかわらず、iASPPの発癌性機能を阻害することにより、野生型p53を発現する腫瘍を治療するための重要な新規戦略を提供することができる。
ASPPファミリーによるp53の進化的に保存された調節
配列比較により、ヒトとC.エレガンスのiASPPアミノ酸配列との間に38%の同一性が存在し、アンキリン反復およびSH3ドメイン内では相同性は78%程度と高い(ヒトiASPPの残基154〜227およびCe−iASPPの残基557〜630で、55/74残基が類似している)ことが明らかである。p53と接触しているiASPP残基のほとんどが保存されている。ヒトとC.エレガンスのiASPPとの間の構造的保存は、ヒト細胞においてp53機能を調節するそれらの能力により反映される。ヒトiASPPと同様に、C.エレガンスiASPPは、細胞系においてヒトp53と相互作用して、ヒトp53のトランス活性化およびアポトーシス機能を阻害する。ASPP/p53調節の保存は、ヒト細胞におけるC.エレガンスp53の研究においてさらに実証される。ヒトとC.エレガンスのp53との間の配列相同性が非常に限定されている(タンパク質レベルで13.7%同一性)ということに注目することは興味深く、かつ重要なことである。2つの種間のp53相同性の最高レベルは、非常に限定された領域でおよそ50%である(残基9/18残基が類似している)。しかしながら、結晶構造から同定された10ASPP2接触残基のほとんどが、ヒトとC.エレガンスのp53との間で保存される(8残基のうち5残基が保存されている)。C.エレガンスp53の、in vivoでヒトASPPファミリーの成員と相互作用する能力は、これらの保存残基の重要性を強調する。意外にも、C.エレガンスp53は、ヒト細胞において非常に効率よくアポトーシスを誘発する。ヒトp53に類似して、C.エレガンスp53のアポトーシス機能は、ヒトASPPおよびiASPPによりそれぞれ正および負に調節される。これらの結果により、p53のアポトーシス機能が、ヒトとC.エレガンスのp53との間で限定された配列相同性にも関わらず保存されることが初めて実証される。ヒトとC.エレガンスのp53との間で保存される数個の重要な残基は、ASPPファミリーの成員がin vitroおよびin vivoの両方でp53のアポトーシス機能を調節するのに十分である。
C.エレガンスp53は、ヒトp53と比較して、BaxおよびPIG3のようなヒトp53標的遺伝子をトランス活性化するわずかな能力を示した(データは示していない)。Baxが多くの場合にアポトーシス中のp53標的遺伝子であるとしても、p53誘発性アポトーシスに必要とされる唯一の標的遺伝子ではない。p53は、20個を超えるアポトーシス促進性遺伝子をトランス活性化することが知られており、これらのアポトーシス促進性遺伝子のいずれも、p53誘発性アポトーシスにおいて必須であることが今のところ証明されていない。ヒトゲノムには4000個を超える推定上のp53標的遺伝子が存在し、それらの多くがアポトーシス促進性遺伝子である11。Ce−p53が、ヒトp53と同程度効率よくこれらの他のヒトp53標的遺伝子のいくつかをトランス活性化し得ることが可能である。不運にも、本発明者等が試験したものはいずれも、今のところこのカテゴリーに属さない。Ce−p53によるヒト細胞におけるヒトBax−lucレポーターのトランス活性化はあまり強力ではないが、ASPPの同時発現が、Baxのプロモーター上のCe−p53のみのトランス活性化機能を刺激したが、mdm2上のCe−p53のトランス活性化機能を刺激しなかったことに注目することは重要である。ASPP作用のこのパターンは、ヒトp53に見られるのと類似している。あるいは、Ce−p53は、その転写活性に無関係にアポトーシスを誘発し得る。ヒトp53は、転写依存性経路および転写非依存性経路の両方を通じてアポトーシスを誘発することが知られている12。Ce−p53がヒト細胞においてどのようにアポトーシスを誘発するかにかかわらず、ヒトASPPファミリーのタンパク質が類似した様式でCe−p53およびヒトp53の両方のアポトーシス機能を調節するということが最も顕著かつ重要な事実である。Ce−iASPPもまた、ヒト細胞で実施されるアッセイすべてにおいて、ヒトiASPPと完全に置き換えることが可能である。これらの結果は、ASPPファミリーによるp53機能の調節が虫からヒトへ保存されることを強く論じている。p53とASPPファミリーとの間の関連は、ASPPファミリーによるp53の調節が、癌療法のための新規戦略を開発する際に今度のターゲットとすべきであることを示唆する。野生型p53を発現する腫瘍は、ASPPの活性を増強し、iASPPの活性を取り除くことにより治療に感作され得る。
化学療法薬は、ASPPファミリーのタンパク質機能を改質させるようである
ヒト腫瘍の50%が野生型p53を維持するため、癌を治療するためのアプローチの1つは、腫瘍細胞においてp53を再活性化して、アポトーシスを誘発することであり得る。実際に、化学療法剤および放射線療法剤は、DNA損傷を発生し、それが腫瘍細胞において機能性p53を活性化することができる。しかしながら、これらの薬物により影響を受ける経路は様々であり、腫瘍細胞は、生存を可能にするための防御的戦略を展開することができる。すでに記載されているように、ASPP1およびASPP2は、アポトーシス促進性遺伝子のプロモーター上でp53のDNA結合およびトランス活性化機能を刺激することによりp53のアポトーシス機能を特異的に高める(Samuels-Lev et al., 2001)のに対して、iASPPは、p53の非常の保存された阻害剤である(Bergamaschi et al., 2003)。総合すると、このことは、ASPPファミリーのタンパク質の機能は、化学療法剤により影響される可能性があり、次いでそれは、続くp53アポトーシス応答を変化させ、したがって癌治療において使用される薬剤の有効性で役割を果たす。
具体的に、化学療法薬が、ASPPの活性を調整することによりDNA損傷を受けた細胞系においてより効果的となり得るという仮定を調査するために実験を行った。
化学療法剤を用いて、細胞系において誘発されたアポトーシスがp53発現レベルと直接相関するかどうかを調査した。U−2OSおよびMCF7細胞を、Pig3プロモーター(Pig3−luc 17量体)でトランスフェクトし、様々な化学療法薬(ドキソルビシン、シスプラチン、エトポシド、コルヒシン、メシル酸デフェロキサミン(DFO)、ダウノルビシン、カンプトテシンおよび5’フルオロウラシル)で処理した。
ルシフェラーゼレベルを24時間後にアッセイした(図13)。結果により、ルシフェラーゼにより測定されるような薬物誘発性アポトーシスは、p53タンパク質レベルで直接相関しなかった(例えば、ドキソルビシン応答とシスプラチン応答を比較せよ)ことが示され、p53だけでは、アポトーシス促進性遺伝子の活性化を担わないことを示す。ASPPタンパク質は、様々な化学療法薬に直接応答して、Pig3活性化とp53タンパク質発現レベルとの間に観察される相違を与えることが可能である。
ASPPが当該プロセスにおいて役割を果たすかどうかを試験するために、短干渉RNA(si−RNA)(Elbashir et al., 2001)およびアンチセンスRNAを用いて、ASPP遺伝子発現をノックダウンした。si−RNAを生成するための配列を、pSuperプラスミドにクローニングした(Brummelkamp et al., 2002)。アポトーシス促進性遺伝子の応答は使用した薬物に応じて異なっていたため、ドキソルビシンおよびシスプラチンの両方をU−2OS細胞で試験した。Pig3−ルシフェラーゼは、アンチセンスまたはsi−iASPPのいずれかと一緒にトランスフェクトした(図14Aおよび図14B)。結果により、アンチセンスASPP1またはアンチセンスASPP2はともに、ドキソルビシンによるPig3−ルシフェラーゼの誘発を減少する(図14A)が、iASPPに関するアンチセンスまたはsi−RNAは減少を引き起こさなかったことが示される。p53に関するsi−RNAは、ドキソルビシン応答を防止した(図14A)。対比して、アンチセンスASPP1またはアンチセンスASPP2は、Pig3プロモーターのシスプラチン誘発に対してわずかに影響したが、iASPPに関するsi−RNAは、有意な増加を引き起こした。また、p53に関するsiRNAはシスプラチン応答を防止した。
これらのデータは、内因性p53活性がU−2OS細胞においてASPP1およびASPP2と共同してドキソルビシンにより誘発されたが、シスプラチンに応答して内因性p53活性はiASPPにより抑制されたことを示すと解釈することができる。これらの異なる影響は、ASPPまたはiASPP活性に対する薬物の調整の影響に起因し得る。
iASPP/p53結合の崩壊は、アポトーシスを高めることができ、また癌療法で潜在的に使用され得る
合成分子とのp53/iASPP相互作用を阻害することにより、p53陽性のストレスをかけた細胞においてp53媒介性アポトーシスを導くことができる。
p53はiASPPのC末端部分に結合することが知られており、特異的接触アミノ酸を図10に示す。iASPP/p53結合を阻害し、かつアポトーシス促進性遺伝子に対する影響を試験するために、特定のiASPP配列を含有する3つの異なるペプチドを設計した(図10)。3つのペプチドは、Tat配列およびFITCに連結された。
最初に、ペプチドを、p53を活性化するためのUV照射を用いて、Baxプロモーターのp53トランス活性化に対するそれらの影響を試験した(図11)。Baxプロモーターのルシフェラーゼ活性は、対照ペプチドによりほんのわずか影響を受け、対照ペプチドは、iASPPとp53の相互作用に影響を及ぼすはずはない。しかしながら、ペプチド3、ペプチド6またはペプチド7の添加が、50μMペプチドを使用して、レポーター活性の約2倍増加を引き起こした。ペプチドによっては、100μMであまり活性でないものもあった。
Pig3−ルシフェラーゼレポーターを用いた研究を続けた。Pig3遺伝子は、Baxと異なる様式でp53によりトランス活性化される。Baxは従来の転写ドメインによりトランス活性化される(El-Deiry et al., 1992)(Bourdon et al., 1997)のに対して、p53は、反復配列(TGYCC)(ここで、Y=CまたはT)によりPig3プロモーターに結合する(Polyak et al., 1997)。反復数は、母集団内で多様である(Contente et al., 2002)。10回または17回の反復を含有する2つのレポーターは、それらの間で応答して差異が存在する場合に使用された。考慮すべき他の変数は、時間およびペプチド濃度、ならびにp53およびiASPPが主として核タンパク質であるため細胞中でのペプチドの位置である。
第二世代のペプチドをこの実験用に使用した。これは、標識を除いてこれまでのペプチドと一致している。これらのペプチドを、9つのアルギニン残基で標識し、9つのアルギニン残基は、ペプチドに細胞へのより良好な浸透を与えると考えられる(Lindsay, 2002)。この場合では、ASPP2配列からのペプチド7が包含され(図10を参照)、種々の対照ペプチド(Yap)を使用した。細胞をシスプラチンで処理して、ペプチドを2つの異なる濃度(25μMおよび50μM)で12時間適用し、結果を図15に示す。結果において幾らか変動性が見られるにもかかわらず、P3−iASPPまたはP7−iASPPペプチドは、対照Yapペプチドおよびシスプラチン処理で見られる応答を上回ってレポーター活性において実質的な増加を示し、化学療法中に誘発されるアポトーシスを、iASPPペプチド阻害剤の使用により高めることができることを示唆した。
Figure 2006517787
ヒトiASPPの核酸配列である。 C.エレガンスのiASPPの核酸配列である。 ヒトiASPPのアミノ酸配列である。 C.エレガンスのiASPPのアミノ酸配列である。 FITC標識ペプチド(3a)DGPEETDおよび(3b)TTLSDGは細胞を浸透することができることを示す。 FITC標識ペプチド(3a)DGPEETDおよび(3b)TTLSDGは細胞を浸透することができることを示す。 様々なペプチド、特にDGPEETDとのインキュベーション後のp53によるBaxプロモーターの刺激を示す。 ペプチドDGPEETDの存在下でのDNAのUV損傷後のヒト腫瘍細胞系U2SOにおけるp53トランス活性化の刺激を示す。 C.エレガンスiASPPとp53の相互作用を示す様々な実験を示す。 C.エレガンスiASPPとヒトiASPPとの間の相同性比較を示す。 C.エレガンスiASPPとp53の相互作用を示すさらなる実験を示す。 C.エレガンスiASPP発現に対するRNAiの影響を示す。 iASPP中のp53接触部位を示す。 Bax−Lucレポーターのトランス活性化レベルに対するペプチドの影響。細胞をBaxレポーター遺伝子でトランスフェクトし、UV(20J/m2)に暴露させた。ペプチドを、示したような2つの異なる濃度で培地中に24時間添加した。 12時間のPig3レポーター活性に対するペプチドの影響を示す。トランス活性化させた細胞を、2つの濃度でArg標識ペプチドを含有する培地を用いて成長させた。左の棒グラフは、25μMの濃度でのトランス活性化活性を表し、第2の棒グラフは、50μMの濃度を用いた場合である。p9の代わりに、ここではYapペプチを対照ペプチドとして使用する。対照を除いて、細胞をシスプラチン(3μg/ml)で処理した。 p53誘発アポトーシスに対する様々な化学療法薬の影響を示す。 図14aは、抗癌剤ドキソルビシンの活性と組み合わせた、ASPP1、ASPP2もしくはiASPPのアンチセンスまたはsi−RNAの影響を示す。14bは、抗癌剤シスプラチンの活性と組み合わせた、ASPP1、ASPP2もしくはiASPPのアンチセンスまたはsi−RNAの影響を示す。 ASPP1、ASPP2およびiASPPに対する、シスプラチンと組み合わせた阻害性ペプチドの活性を示す。

Claims (54)

  1. ポリペプチドをコードする単離核酸分子、またはそれらの配列変異体であって、前記ポリペプチドは、図1aまたは図1bに表されるポリペプチド配列の断片であって、該断片は、
    i)図1aまたは図1bに提示されるアミノ酸配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなるポリペプチド断片、
    ii)図1aまたは図1bに提示されるアミノ酸配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなるポリペプチド断片であって、前記配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されたポリペプチド断片、および
    iii)(i)および(ii)に定義されるようなポリペプチドであって、図1aまたは図1bに表されるポリペプチドの生物活性を実質的に保持するポリペプチド
    からなる群から選択される核酸分子。
  2. 前記分子は、図1aに表される配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなる断片をコードする、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 前記分子は、ヒトから単離される、請求項2に記載の核酸分子。
  4. 前記分子は、図1bに表される配列のおよそ残基128〜224由来のアミノ酸残基からなる断片をコードする、請求項1または2に記載の核酸分子。
  5. 前記分子は、線虫から単離される、請求項4に記載の核酸分子。
  6. 前記線虫は、カエノラブディティス(Caenorhabditis)種属である、請求項5に記載の核酸分子。
  7. 前記分子は、ポリペプチド、またはそれらの配列変異体をコードし、前記ポリペプチドは、図2に表されるアミノ酸配列により表されるポリペプチドの活性を阻害する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の核酸分子。
  8. 前記核酸分子はcDNAである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の核酸分子。
  9. 前記核酸分子はゲノムDNAである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の核酸分子。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸分子によりコードされるポリペプチド断片またはそれらの配列変異体。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸を含むベクター。
  12. 前記ベクターは発現ベクターである、請求項11に記載のベクター。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸分子、または請求項11または12に記載のベクターで形質転換またはトランスフェクトした細胞。
  14. 医薬品として使用するための請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸。
  15. 医薬品として使用するための請求項10に記載のポリペプチド。
  16. 希釈剤、キャリアまたは賦形剤をさらに含む、請求項14または15に記載の核酸またはポリペプチド。
  17. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸分子を含むトランスジェニック非ヒト動物。
  18. 前記ポリペプチドのp53への結合を阻害する作用物質の同定のためのスクリーニング方法における請求項10に記載のポリペプチドまたはそれらの断片の使用。
  19. ポリペプチドまたはそれらの断片のp53への結合を阻害する作用物質を同定するスクリーニング方法であって、
    i)
    c)本発明によるポリペプチド、および
    d)(a)におけるポリペプチドに関する結合部位(複数可)からなるp53ポリペプチドまたはそれらの断片
    を含む調製物を形成すること、
    ii)試験されるべき少なくとも1つの作用物質を供給すること、
    iii)(a)におけるポリペプチドの(b)におけるポリペプチドへの結合に関して前記作用物質の活性を決定することと
    を含む方法。
  20. 前記作用物質はポリペプチドである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ポリペプチドはペプチドである、請求項19に記載の方法。
  22. 前記ポリペプチドは、抗体またはそれらの結合部分である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記断片はFab断片である、請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記Fab断片は、F(ab’)、Fab、FvおよびFb断片、ならびにCDR3領域からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記抗体はヒト化されている、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記抗体はキメラ抗体である、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の方法。
  28. 線虫から単離される単離核酸分子であって、図1bにより表されるような核酸配列をハイブリダイズし、p53の阻害剤をコードする核酸分子。
  29. 前記分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする、請求項28に記載の核酸分子。
  30. 前記線虫は、カエノラブディティス(Caenorhabditis)種属である、請求項28または29に記載の核酸分子。
  31. 図2bに表されるようなアミノ酸を含む単離ポリペプチドまたは変異ポリペプチドであって、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾され、かつp53の阻害剤である単離ポリペプチドまたは変異ポリペプチド。
  32. 有効量の請求項10に記載のポリペプチドを投与することを含む動物の治療方法であって、前記有効量は、p53のアポトーシス活性を誘発する方法。
  33. 有効量の請求項1ないし9のいずれか1項に記載の核酸分子、あるいは請求項11または12に記載のベクターを投与することを含む動物の治療方法であって、前記有効量は、p53のアポトーシス活性を誘発する方法。
  34. 前記治療は、癌治療である、請求項32または33に記載の方法。
  35. DGPEETD、GPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチド。
  36. 前記ペプチドの長さは、少なくとも6アミノ酸残基である、請求項35に記載のペプチド。
  37. 前記ペプチドの長さは、少なくとも7アミノ酸残基、8アミノ酸残基、9アミノ酸残基、10アミノ酸残基、11アミノ酸残基、12アミノ酸残基、13アミノ酸残基、14アミノ酸残基、15アミノ酸残基、16アミノ酸残基、17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基または20アミノ酸残基からなる群から選択される、請求項35に記載のペプチド。
  38. 前記ペプチドの長さは、少なくとも20アミノ酸残基、30アミノ酸残基、40アミノ酸残基、50アミノ酸残基、60アミノ酸残基、70アミノ酸残基、80アミノ酸残基、90アミノ酸残基または100アミノ酸残基である、請求項35に記載のペプチド。
  39. DGPEETD、GPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるアミノ酸配列からなる請求項35に記載のペプチド。
  40. 前記ペプチドは、複数のアルギニン残基をさらに含む、請求項35ないし39のいずれか1項に記載のペプチド。
  41. 前記複数のアルギニン残基は、少なくとも2アルギニン残基長、3アルギニン残基長、4アルギニン残基長、5アルギニン残基長、6アルギニン残基長、7アルギニン残基長、8アルギニン残基長、9アルギニン残基長または10アルギニン残基長である、請求項40に記載のペプチド。
  42. 医薬品として使用するためのDGPEETD、GPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるペプチド。
  43. DGPEETD、GPEETD、TTLSDG、AEFGDE、またはPRNYFGからなる群から選択されるペプチドを含む医薬組成物。
  44. 前記組成物は、キャリア、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項43に記載の医薬組成物。
  45. 請求項35ないし42のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチドおよび少なくとも1つの抗癌剤を含む医薬組成物。
  46. 前記抗癌剤は、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、シタラビン、メルカプトプリン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、タキソール、L−アスパラギナーゼ、G−CSF、エトポシド、コルヒシン、メシル酸デフェロキサミン、およびカンプトテシンからなる群から選択される、請求項45に記載の医薬組成物。
  47. 前記抗癌剤はシスプラチンである、請求項46に記載の医薬組成物。
  48. 前記抗癌剤はドキソルビシンである、請求項46に記載の医薬組成物。
  49. 請求項35ないし42のいずれか1項に記載のペプチドおよび抗体またはその結合部分を含む複合体。
  50. 前記抗体またはその結合部分は、細胞特異的抗体である、請求項49に記載の複合体。
  51. 前記抗体は、癌細胞特異的抗体である、請求項49または50に記載の複合体。
  52. 動物、好ましくはヒトの治療方法であって、前記動物は、有効量の請求項35ないし41のいずれか1項に記載のペプチドを投与することを含むアポトーシスの誘発から利益を得る方法。
  53. 動物、好ましくはヒトの治療方法であって、前記動物は、有効量の請求項43ないし48のいずれか1項に記載の組成物、または請求項49ないし51のいずれか1項に記載の複合体を投与することを含むアポトーシスの誘発から利益を得る方法。
  54. 前記治療は、癌治療である、請求項52または53に記載の方法。
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