JP2006517593A - 投薬形態物の層形状修飾方法およびそのような修飾を受けさせた投薬形態物 - Google Patents

投薬形態物の層形状修飾方法およびそのような修飾を受けさせた投薬形態物 Download PDF

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Abstract

シクロベンザプリンの調整した放出を与えるに適した投薬形態物および方法を提供する。この持続放出投薬形態物を日に1回投与すると治療的に有効な定常状態の平均血漿シクロベンザプリン濃度が得られる。本発明は、実施中に起こる層の混ざり合いを改める目的で伝統的な圧縮順を逆にすることで中心層の界面形状を修飾しかつ実施中に水和した遅延層が示す粘度の方が水和した薬剤層の粘度よりも高いままであるように中心層の組成を修飾することで放出速度を向上させる方法に関する。その結果として中心部からの放出速度がより均一になることで、より最適な上昇する放出速度がもたらされかつ一定した性能がもたらされる。

Description

本発明は薬剤の制御送達(controlled delivery)および方法、投薬形態物(dosage forms)およびデバイス(devices)に関する。詳細には、本発明は、塩酸シクロベンザプリンを制御送達するに適した方法、投薬形態物およびデバイスに向けたものである。より詳細には、本発明は、実施中に起こる層の混ざり合いを改める目的で中心層(core layers)の形状を修飾することに加えて実施中の粘度を改める目的で中心層の組成も修飾することで放出速度を向上させる方法に関する。
伝統的な浸透圧性送達デバイス(osmotic delivery devices)では、外側膜の組成を調整して投薬形態物の中に入り込む液の浸透圧を制御することで投薬形態物から放出される速度を制御することが行われている。本発明では、個々の送達パターン(delivery pattern)を更に限定する目的で、多層投薬形態物の中の中心層の拡散および粘度特性を利用するものである。圧縮の形態(geometry of compression)および中心層の組成を操作して実施中に水和された層の相対粘度を変えることで向上した放出プロファイル(release profiles)を生じさせる。
本技術には薬剤の制御放出に適した経口投薬形態物の記述が数多く存在する。短い半減期を示す特定の薬剤を送達するに適した持続放出投薬形態物がいろいろ知られてはいるが、そのような投薬形態物を用いて必ずしも全ての薬剤を適切に送達することができるとは限らない、と言うのは、溶解性、代謝過程、吸収および他の物理、化学および生理学的要因が当該薬剤および送達様式に特有であり得るからである。制御放出投薬形態物の候補品になる可能性が低いそのような薬剤の例は、長い半減期を示す薬剤、例えば三環状アミンであるシクロベンザプリンの塩酸塩などである。
同様に、シクロベンザプリンは水溶液中でも相対的に高い溶解性を示すことから、それが投薬形態物から長期間に渡って均一な放出速度で放出されるように制御するのは非常に困難である。このことは、最初のボーラス(bolus)送達に続いて起こる活性薬剤送達を所望通り遅らせた後に活性薬剤が長期間に渡って均一な割合で上昇する速度で放出されるようにしようとする本発明で明らかである。そのように活性薬剤が高い溶解性を示すことから所望の遅延がもたらされるように制御するのは困難であった。
塩酸シクロベンザプリンは急性の痛みのある骨格筋(muscoloskelatal)状態を伴う筋肉痙攣の治療で適応される。それは水およびアルコールに自由に溶解し、イソプロパノールに難溶でありそして炭化水素溶媒に不溶である。加うるに、シクロベンザプリンは有意に長い半減期(1−3日)を示す(非特許文献1)ことから、長時間送達の典型的な候補品ではない。しかしながら、副作用、例えば眠気および口渇などは血漿濃度が高いことに関係していると思われ、それによって、1日1回の即効型投薬で投与する能力が制限される。
シクロベンザプリンは、他の三環状アミン塩、例えばアミトリプチリンなどと同様に、鎮静および口渇の副作用を有することが報告されている。そのような副作用は血漿の薬剤濃度の上昇率および/または実際の濃度のいずれかが最大許容濃度(maximum tolerable concentration)(MTC)閾値を超える結果である可
能性が高いと予測される。しかしながら、治療効果を得ようとするには、最低限の薬効濃度(minimum pharmacodynamic concentration)(MPC)より高い濃度を維持する必要がある。
シクロベンザプリン送達の別の面は、投与する時にしばしば投薬形態物の薬剤充填率を高くする必要がある点にある。投薬形態物に含有させる必要のある薬剤の量は投薬形態物総重量の20%から90%の範囲であり得る。そのように薬剤充填量を高くしろと言った要求は、経口投与に適していて過度の問題無しに飲み込むことが可能な組成物を構築しかつそのような投薬形態物を加工しようとする時に問題が生じる。加うるに、そのような充填要求は、1日当たりの投薬回数が限られている、例えば投薬回数が1日に1回である投薬形態物を構築しようとする時(この目的は活性薬剤を長時間に渡って放出させようとすることにある)に問題が生じ得る。
典型的な制御放出投薬形態物には、とりわけpHに敏感な重合体を利用しかつ場合により小腸の下方部分および大腸の中のpHが高い方の領域の中で膨潤して薬剤をそのような環境の中で放出する浸透圧剤を利用した3成分薬剤配合物を記述している特許文献1が含まれる。当該薬剤を胃の中で放出するとしても非常に僅かであり、小腸の中で放出する量は相対的に最小限でありかつ報告によれば大腸の中で放出する量が約85%以上である投薬形態物が得られるようにする目的で、前記投薬形態物の追加的成分に遅延放出用被膜および腸溶性被膜を含めている。そのような投薬形態物を用いると、投与後の薬剤持続放出速度を幅広く変えることが可能になり、当該投薬形態物が胃を通り過ぎるまでの1−3時間そして当該投薬形態物が大腸の中に入って更に3時間以上経つまでは放出が始まらないようにすることができる。
本明細書に記述する典型的な持続放出シクロベンザプリン投薬形態物、そのような投薬形態物を製造する方法そしてそのような投薬形態物を用いる方法は、経口投与に適した浸透圧性投薬形態物に向けたものである。
しかしながら、本明細書に記述する如き浸透圧システムに加えて、本技術分野で公知の経口投薬形態物を用いて薬剤の持続放出を達成する他のアプローチも数多く存在する。そのようないろいろなアプローチには、例えば拡散システム、例えばリザバーデバイス(reservoir devices)およびマトリックスデバイス(matrix devices)など、可溶化システム、例えばカプセル封じされた可溶化システム(encapsulated dissolution systems)[例えば「タイニータイムピル(tiny time pills)」を包含]およびマトリックス可溶化システム、拡散/可溶化を組み合わせたシステム、そして非特許文献2に記述されている如きイオン交換樹脂システムが含まれる。そのような他のアプローチに従って機能するシクロベンザプリン投薬形態物も本明細書および本請求の範囲に示す如き薬剤放出特徴および/または血漿シクロベンザプリン濃度特徴が文字通りまたは等しくそのような投薬形態物を説明している度合で本明細書に示す開示の範囲内に包含させる。
浸透圧性投薬形態物では、一般に、少なくともある程度ではあるが液(fluid)は自由に拡散させるが薬剤も浸透圧剤1種または2種以上(存在する場合)も自由には拡散させない半透膜によって形成されている区分室(compartment)の中に液が入り込むのを推進する力を生じさせる目的で浸透圧を利用する。浸透圧システムの大きな利点は、働きがpHから独立していることで当該投薬形態物が胃腸管を通過してpH値が有意に異なるいろいろな微細環境に遭遇しても働きが長時間に渡って浸透圧的に決められた速度で継続する点にある。そのような投薬形態物の論評が非特許文献3(引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に見られる。特に、本出願の譲受人であるALZA Corporationが所有する下記の特許文献は浸透圧性投薬形態物に向けた
ものである:特許文献2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13。
膨張性層の作用によって薬剤組成物をスラリー、懸濁液または溶液として小さい出口開口部(exit orifice)から送達するデバイスが特許文献14、15、16、17、18、19、20および21に記述されている。典型的なデバイスは膨張性圧力層(expandable push layer)と薬剤層(これは半透膜で取り巻かれている)を含有する。ある場合には、前記薬剤層に、当該薬剤組成物が使用環境に放出される速度を遅らせるか或は前記半透膜と一緒になって強固な被膜(annealed coating)を形成するサブコート(subcoat)を与えている。
膨張性層の作用によって乾燥状態の薬剤組成物を大きな出口開口部から送達するデバイスが特許文献22、23および24に記述されている。これらの文献には、有益な薬剤を使用環境に送達するに適したディスペンサー(dispenser)が記述されており、それは半透性壁を含有し、この半透性壁は、この壁で形成されている区分室から乾燥した薬剤層を押し出す膨張性材料の層を含有する。前記デバイスの中の出口開口部の直径は前記壁で形成されている区分室の内径と実質的に同じである。
乾燥状態の薬剤組成物を使用環境に送達する投薬形態物は高薬剤充填率の薬剤を長時間に渡って適切に放出し得るが、その薬剤層が使用環境にさらされると結果として起こる撹拌に応じて薬剤が放出される可能性があり、これは、ある場合には制御が困難である。従って、本発明に従うように投薬形態物の中の圧力層の膨張率および出口開口部の大きさの調節によって量が決まり得るスラリーまたは懸濁液として当該薬剤を放出する方が有利であり得る。
カプセルの中に充填すべき浮揚性制御放出用薬剤粉末配合が特許文献25に記述されており、そこでは、薬剤が制御された速度で放出されるようにする目的でアルギン酸から生じさせたpH依存性重合体およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いている。そのようなカプセル配合物は錠剤配合物の特徴を模擬することを意図したものであると見られる。シクロベンザプリンおよび関連化合物を含有する本発明の投薬形態物が示す均一な放出特徴を示す配合物は全く記述されていない。
有益な薬剤を使用環境に送達するに適したディスペンサーが特許文献26および27に記述されており、そのディスペンサーは半透性壁を含有していて、前記半透性壁は、この壁で形成されている区分室から薬剤層を押し出す膨張性材料の層を含有する。そのデバイスの中の出口開口部の直径は前記壁で形成されている区分室の内径と実質的に同じである。
有益な薬剤を使用環境に送達するに適したディスペンサーが特許文献28に記述されており、それは半透性壁を含有していて、前記半透性壁は、この壁で形成されている区分室から薬剤層を押し出す膨張性材料の層を含有する。その薬剤層は担体の中に分散している個々別々の小さなピルを含有する。そのデバイスの中の出口開口部の直径は前記壁で形成されている区分室の内径と実質的に同じである。
イオノフォアを家畜に送達するに適したデバイスが特許文献29に記述されており、それは半透性外皮を含有していて、その中に前記イオノフォアを含有する組成物と担体と膨張性のある親水性層が追加的要素[これは、当該デバイスが反すう動物の第一胃−網状のう(reticular sac)の中に保持されるに充分な密度を与える]と一緒に位置する。前記イオノフォアおよび担体は貯蔵中には乾燥状態で存在しそしてその組成物が使用液環境(fluid environment of use)と接触した時点でそれは不要な液様状態に変化する。拡散および浸透圧によるポンプ輸送(osmotic
pumping)によって単位時間当たりに放出される薬剤の量を調節するに適した多種多様な出口配置が記述されており、それには、当該デバイスの末端部に位置する複数の穴およびいろいろな直径の単一出口が含まれる。
注目すべきは、中心層の拡散および相対粘度特性を利用することは従来技術に記述されていない。従来技術の浸透圧系は、長時間に渡る制御送達には有利であるが、放出速度プロファイルの中に段差(bumps)、上昇または減少をもたらす一貫性の無い送達を与える期間が存在すると言った欠点を有する。そのように段差は血漿濃度に不利な影響を与える可能性がある。本発明を用いると、送達がより均一に起こるように放出速度を修飾することができ、それによって、そのような段差を減少させることができる。これを、実施中に起こる層の混ざり合いを改める目的で中心層の形状を修飾することに加えて実施中に水和した層の相対粘度を改める目的で中心層の組成も修飾することで達成する。
この上に記述したように、特定の薬剤を送達するに適した様々な持続放出形態物が存在するが、必ずしも全ての薬剤がそのような投薬形態から適切に送達され得るとは限らない、と言うのは、溶解性、代謝過程、吸収および他の物理的、化学的および生理学的パラメーターは薬剤および送達様式に特殊であり得るからである。
上述した化合物を長期間に渡って制御放出させると同時に実施中の望ましくない放出速度上昇も低下も無い有効な投薬方法、投薬形態物およびデバイスが求められているままである。
米国特許第5,536,507号 米国特許第3,845,770号 米国特許第3,916,899号 米国特許第3,995,631号 米国特許第4,008,719号 米国特許第4,111,202号 米国特許第4,160,020号 米国特許第4,327,725号 米国特許第4,519,801号 米国特許第4,578,075号 米国特許第4,681,583号 米国特許第5,019,397号 米国特許第5,156,850号 米国特許第5,633,011号 米国特許第5,190,765号 米国特許第5,252,338号 米国特許第5,620,705号 米国特許第4,931,285号 米国特許第5,006,346号 米国特許第5,024,842号 米国特許第5,160,743号 米国特許第4,892,778号 米国特許第4,915,949号 米国特許第4,940,465号 米国特許第5,169,638号 米国特許第4,892,778号 米国特許第4,940,465号 米国特許第4,915,949号 米国特許第5,126,142号 Physician’s Desk Reference、Thompson Healthcare、第56版、572−573頁(2002) Remington’s Pharmaceutical Sciences、1990編集、1628−1685頁 SantusおよびBaker、「Osmotic drug delivery:a review of the patent literature」、Journal of Controlled Release、35(1995)、1−21
(発明の要約)
本発明は、任意の薬剤オーバーコート(drug overcoat)を持っていてもよいカプセル形状の錠剤を用いることで1日1回の投薬形態物投与でシクロベンザプリンHClを約20時間に渡って送達することを考案したものである。そのように約20時間に渡る放出は、薬剤オーバーコートによる即効型の送達が起こった後に投与してから約4時間に渡って薬剤の送達が起こらずそして最終的に中心部から薬剤が約16時間に渡って制御様式で放出されることで構成される。このような新規なプロファイルによって治療的送達(therapeutic delivery)が得られると同時に薬剤送達の遅れによって血漿濃度が副作用が低下しかつ許容度の進展(development of
tolerance)が増すに充分なほど低く保たれる。そのような送達プロファイル(delivery profile)によって、血漿濃度が高くなることなく24時間の効力が得られる。
本発明は、中心層の拡散および粘度特性を利用して薬剤放出速度の均一性をより高くしかつ遅延期間の終点と中心部からの薬剤送達の開始の境界をより明らかにすることで遅延期間をより予測することができるようにするものである。多層投薬形態物の層形状が逆になるように圧縮順を変えることで、層間の混ざり合いをより均一にする。層形状を伝統的な圧縮による形状に比べて逆にすると、薬剤送達速度がより連続的になると言った向上した送達プロファイルが達成される。特に、各層を開口部に対して凹状ではなく開口部に対して凸状にすると最適な層形状になることが分かる。従来の多層投薬形態物は、伝統的な圧縮順が用いられている結果として、送達用開口部に対して凹状である形状に頼っている。
加うるに、遅延層(delay layer)および薬剤層の構築を遅延層が所望遅延期間中に示す粘度の方が薬剤層が示す粘度よりも高いままであるように行うと、薬剤層が遅延層の中をあまりにも早期に通り抜ける度合が低下することで、薬剤が最適に放出されない期間が存在した後に薬剤が中心部から連続的かつ実質的に上昇する速度で放出されるようになり得る。あまりにも早期の通り抜けが起こると、薬剤層がその系からあまりにも早期に送達される結果として放出速度が上昇する期間中の放出速度に変動が起こる。
従来の多層製剤は、実施中に1番目の層が示す粘度の方が2番目の層が示す粘度より低いことを特徴とする。
本発明は、放出速度が上昇でも均一でも降下でもなく、むしろ複合である調整された放出速度を提供するものである。驚くべきことに、本プロファイルによって24時間に渡って有効な治療効果がもたらされると同時に当該薬剤の投与に伴う否定的な副作用が減少することを見いだした。加うるに、本明細書ではシクロベンザプリンを例示するが、本発明は、三環状アミン系抗鬱薬の種類に入る他の薬剤の送達でも同様に有利であり、そのような薬剤にはアミトリプチリン、イミプラミンおよびデシプラミンが含まれる。
本発明は、薬剤が上部胃腸(GI)管の中で放出される迅速初期ボーラス送達(rapid initial bolus delivery)に続いて薬剤の送達が約4時間に渡って遅れそして次に本投薬形態物がGI管の結腸領域の中に在る可能性がある時にゆっくりではあるが実質的に上昇する速度で放出されることを利用するものである。このようなプロファイルは、以前には、如何なる薬剤を送達する時にも用いられておらず、特にシクロベンザプリンを送達する時には用いられておらず、これは被験体の認知機能が悪化する度合を低下させるように考案したものである。
驚くべきことに、この記述する調整した放出速度によって薬剤の血漿濃度が実質的に上昇して最高濃度が生じるのは投与してから約20時間経過した時であることを見いだした。このように血漿濃度が上昇することから1日の内に起こる許容度の影響が生じる度合が低下するはずである。
本投薬形態物では、3層中心部[1番目の層を遅延層と呼び、これには薬剤を含有させず;2番目の層を薬剤層と呼び、これには薬剤、例えばシクロベンザプリンHClなどおよび賦形剤を含有させ;そして3番目の層を圧力層(push layer)と呼び、これには浸透圧剤を含有させて、薬剤を含有させない]を取り巻く半透膜を用いる。本カプセル形状錠剤の遅延層末端部に膜を貫く開口部を開ける。外側の薬剤オーバーコートを前記膜に付着させる。
前記薬剤オーバーコートは胃腸(GI)管の水性環境の中で溶解する。次に、水が前記半透膜の特性および前記中心部の成分の浸透圧によって決定される制御された速度で前記膜を通って入り込む。それによって前記圧力層が膨潤しかつ前記遅延層および薬剤層が水和を受けて粘性があるが変形し得る塊を形成する。その圧力層が膨張して前記薬剤層を押し、それが今度は前記水和した遅延層を押す。好適には、前記遅延層に続いて前記薬剤層が前記膜の中の開口部を通って水が前記中心部の中に入り込む速度と同じ速度で本系から出て行く。伝統的な系では、薬剤層が遅延層の中を通り抜ける可能性があるか或は層が不均一な様式で混ざり合うことで所望の放出速度プロファイルが変わってしまう可能性がある。GI通過中、本錠剤の生物学的に不活性な成分は無傷のままでありそして不溶な中心部成分と一緒に殻として除去される。
当該活性薬剤が水性環境の中で比較的高い溶解性を示す場合には、前記薬剤層が前記遅延層の中に混ざり合う傾向がある。本発明の圧縮順は逆であり、その結果として、薬剤層と遅延層の界面の形状は伝統的な凹状ではなく形状が開口部に対して凸状である。
加うるに、薬剤層と遅延層の相対粘度に応じていろいろな放出プロファイルが得られる。各層に最適な粘度を同定することが必須である。これらの層の最適な粘度は70cpsから350cps、好適には約84cpsから158c、より好適には約109cpsであろうことを確認した。
薬剤が所望期間に渡って送達されない好適な本送達プロファイルの遅延期間を維持するには混ざり合う度合を低くしかつ制御すべきである。このように、遅延期間全体に渡って水和した遅延層が示す粘度の方が水和した薬剤層が示す粘度より高いままである投薬形態物を作り出すのが好適であることを見いだした。そのような相対粘度にすると、あまりにも早期の混ざり合いが妨げられかつ前記薬剤層が遅延層の中に入って通り抜けることが妨げられることで遅延期間の終点と放出速度が上昇する期間が始まる時点の間の境界がより鮮明になるばかりでなく放出速度が上昇する期間の間に起こる本投薬形態物からの送達がより均一になる。
前記中心部からの送達プロファイルは、また、中心層の各々の重量および厚みにも依存する。個々の層の厚みまたは重量を増すとプロファイルのその部分の送達時間が長くなる。例えば、遅延層の厚みを厚くすればするほど中心部からの活性薬剤の送達が始まる前の遅延期間がより長くなる。
また、中心部の直径と中心部の長さの比率も重要な要因である。例えば、中心部の形状をより狭くすると隣接する層が混ざり合う期間がより短くなることで、活性薬剤の低放出速度から高放出速度に至る上昇速度がより急になるが、中心部の直径を大きくすればするほど隣接する層と層が混ざり合う界面の面積が大きくなることで上昇速度が鈍くなる。本系がカプセル形状の錠剤として示す形状が中心部からのプロファイルがいくらか上昇するプロファイルであることの責任を負っている重要な特徴である。従って、その形状はカプセル形状の錠剤と標準的な両凸形状の間で変わる可能性があり、それに付随して送達プロファイルも変わる可能性がある。
本送達系は、22.5mgの単一投薬形態物を投与してから3から4時間で約6から8ng/ml、好適には6.5ng/mlから6.9ng/mlの血漿濃度が達成されそして投与してから18時間から20時間で約8から12ng/ml、好適には9.7ng/mlから10.2ng/mlの血漿濃度が達成されるように考案したものである。約20時間経過した時にピーク濃度が生じる。他の投薬では結果として血漿濃度がほぼ直線的に変動するか、高くなるか或は低くなると予測される。
本発明は、現在の即効型投薬形態物を日に数回投与した場合に比べてもたらされる副作
用の数が少ないと同時に治療的に有効な1日1回の投薬形態物を考案したものである。本発明は下記の鍵となる2特徴を示す:送達を調整することで薬効および許容度の進展に影響を与えることと、その調整された送達によって治療効果に充分な血漿濃度が得られること。そのような調整された送達によって、MPC以上の濃度プロファイルが保持されるが、MTCを超えることはない。許容度の進展は鎮静効果[代表的な尺度、例えば指覚性(digit vigilance)などで測定した時に認知機能が悪化すること]に関係している。
本発明は、1つの面において、各層の界面が開口部に対して凸状であるような層界面形状を包含する。そのような結果は、製造中の圧縮順を伝統的な順の逆にすることで得られる。
本発明は、別の面において、実施中の遅延期間と放出期間の境界が向上するように層の組成物によって前記層の粘度を調節することを包含する。詳細には、好適には、実施中に前記遅延層が水和した時の粘度の方が薬剤層のそれよりも高くなるようにする。
本発明は、別の面において、化合物であるシクロベンザプリンを長期間に渡って調整された放出速度で放出させるに適した持続放出投薬形態物を包含する。
本発明は、別の面において、水和した薬剤層の粘度および水和した遅延層の粘度を制御することによって本投薬形態物から薬剤が送達されない遅延期間の後に均一な放出速度を維持する手段を包含する。
本発明は、別の面において、ある被験体におけるシクロベンザプリンまたはこれの薬学的に受け入れられる酸付加塩の投与に反応する状態を治療する方法を包含し、この方法は、前記化合物を長時間に渡って調整された放出速度で放出するに適合した投薬形態物を前記被験体に経口投与することを含んで成る。前記化合物は、好適には三環状アミン、より好適にはシクロベンザプリンであり、そして前記投薬形態物は浸透圧性材料を含んで成る。最も好適には、本投薬形態物を経口で日に1回投与する。
本発明は、更に別の面において、投薬形態物を包含し、これは、区分室を限定している膜[この膜の中に出口開口部を生じさせておくか或はそれが生じ得るようにし、そしてこの膜の少なくとも一部は半透性である];前記区分室の中に存在していて前記出口開口部から遠く離れた場所に位置しかつ前記膜の半透性部分と液体が連絡する膨張性層;前記出口開口部に隣接して存在する非薬剤遅延層(nondrug delay layer);および前記区分室の中に存在していて前記遅延と前記膨張性層の間に位置する薬剤層を含んで成り、ここでは、前記薬剤層に化合物であるシクロベンザプリンまたはこれの薬学的に受け入れられる酸付加塩を含有させておく。
本投薬形態物に、場合により、流動助長層(flow−promoting layer)を含めて、それを前記膜と前記薬剤層および遅延層の間に位置させてもよい。
本発明は、別の面において、シクロベンザプリンまたはこれの薬学的に受け入れられる酸付加塩の投与に反応する状態を治療する方法を包含し、この方法は、前記化合物の血漿濃度が投薬量が20mgの場合に24時間の投与期間の中の16から18時間に渡って7ng/mlから11ng/mlの範囲であるように調整されて実質的に上昇するように前記化合物を投与することを含んで成る。本投薬形態物を投与してから24時間の間、[Cmax−Cmin]/Cminで生じる商は1未満である。Cmaxが生じるのは約16時間以上経過した時、好適には約20時間の時である。
(発明の詳細な説明)
本明細書に示す下記の定義、図および典型的な開示を参照することで本発明が最良に理解されるであろう。
定義
「投薬形態物」は、薬学的に活性のある薬剤、例えばシクロベンザプリンまたはこれの薬学的に受け入れられる酸付加塩などを含んで成る薬剤組成物またはデバイスを意味し、この組成物またはデバイスは、場合により、活性のある薬剤の製造および送達で用いられる不活性な材料、即ち薬学的に受け入れられる賦形剤、例えば懸濁剤、界面活性剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、滑剤、安定剤、抗酸化剤、浸透圧剤、着色剤、可塑剤、被膜などを含有していてもよい。
「活性薬剤」、「薬剤」または「化合物」は、シクロベンザプリンまたはこれの薬学的に受け入れられる付加塩の特徴を有する薬剤(agent)、薬剤(drug)または化合物を意味する。
「薬学的に受け入れられる酸付加塩」または「薬学的に受け入れられる塩」を本明細書で互換的に用いるが、これらは、アニオンが当該塩の毒性にも薬理学的活性にも有意には貢献しない塩を意味し、このように、それらはシクロベンザプリン化合物の塩基の薬理学的相当物である。他の三環状アミン系抗鬱薬も同様に含まれるが、それの代表例がシクロベンザプリンである。塩を生じさせる目的で用いるに有用な薬学的に受け入れられる酸の例には、これらに限定するものでないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、マンデル酸、燐酸、硝酸、粘液酸、イセチオン酸、パルミチン酸などが含まれる。
「持続放出」は、環境への活性薬剤の前以て決めておいた連続放出が長時間に渡ることを意味する。
表現「出口」、「出口開口部」、「送達用開口部」または「薬剤送達用開口部」、そして他の同様な表現を本明細書で用いる可能性があるが、それらには、通路、隙間、開口部および穴から成る群から選択される員が含まれる。この表現には、また、生じさせておいた開口部、または出口開口部が生じるように物質または重合体で出来ている外側壁が侵食、溶解または滲出を起こすことで生じ得る開口部が含まれる。
薬剤「放出速度」は、1投薬形態物から単位時間当たりに放出される薬剤の量、例えば1時間当たりに放出される薬剤のミリグラム(mg/時)などを指す。薬剤投薬形態物が示す薬剤放出速度の測定を典型的にはインビトロ溶解速度として行う、即ち適切な条件下の適切な液の中で当該投薬形態物から単位時間当たりに放出される薬剤量を測定する。本明細書に記述する溶解試験では、投薬形態物をUSP Type VIIの浴インデクサー(indexer)に取り付けられている金属コイル製サンプルホルダーの中に入れて、それを37℃の恒温水浴に入れることで測定を実施した。放出速度用溶液を一定分量でクロマトグラフィー装置に注入することで、試験間隔中に放出された薬剤の量を量化する。
「放出速度検定」は、USP Type VII間隔放出装置(interval release apparatus)を用いて試験して当該投薬形態物からある化合物が放出される速度を測定するに適するように標準化した検定を意味する。この検定では一般的に受け入れられる手順に従って相当する等級の試薬を代わりに用いてもよいと理解する。
本明細書では、明瞭さおよび便利さの目的で、薬剤投与の時間をゼロ時(t=0時)そして投与後の時間を適切な時間単位、例えばt=30分またはt=2時間などとして表示する慣例を利用する。
「投与してから」特定時間の時に得た薬剤放出速度を本明細書で用いる場合、これは、特に明記しない限り、適切な溶解試験を実施してから特定時間の時に得たインビトロ薬剤放出速度を指す。ある投薬形態物の中の薬剤の指定パーセントが放出された時の時間を「T」値として表すことができ、ここで、「X」は、放出された薬剤のパーセントである。例えば、投薬形態物から放出される薬剤を評価する時に通常用いられる標準的測定は、当該投薬形態物の中の薬剤の70%または90%が放出された時の時間である。その測定値を当該投薬形態物が示す「T70」または「T90」と呼ぶ。
「即効型投薬形態物」は、投与後に薬剤を短い時間内、即ち一般に数分から約1時間の範囲内で実質的に完全に放出する投薬形態物を意味する。
「長時間放出投薬形態物(extended release dosage form)」または「制御放出投薬形態物」は、薬剤を多数時間に渡って実質的に一定の前以て決めたおいた速度で放出する投薬形態物を意味する。本発明に従う制御放出投薬形態物が示すT90値は少なくとも約16時間またはそれ以上、好適には約18時間以上である。本投薬形態物は薬剤を少なくとも約10時間、好適には12時間以上、より好適には16−20時間またはそれ以上に渡って放出する。
「持続放出投薬形態物」は、薬剤を多数時間に渡って実質的に連続的に放出する投薬形態物を意味する。本発明の持続放出投薬形態物は薬剤を少なくとも約10時間、好適には約12時間以上、より好適には約16時間以上に渡って放出する。
本発明に従う投薬形態物は、シクロベンザプリンの制御放出速度を長時間に渡って示す。
「放出速度が均一」は、中心部から1時間当たりに放出される平均速度をUSP Type VII間隔放出装置を用いて測定した時に先または後のいずれかの1時間当たりの平均放出速度から正または負に変動する度合が約30%以内、好適には約25%以内、最も好適には約10%以内であることを意味し、この場合の累積放出は25%から75%の範囲内である。
「長時間」は、少なくとも約4時間、好適には6−8時間またはそれ以上、より好適には10時間以上の連続した時間を意味する。例えば、本明細書に記述する典型的な浸透圧性投薬形態物は一般に投与後約4時間の時にシクロベンザプリンを均一な放出速度で放出し始めそしてこの上で定義した如き均一な放出速度が当該薬剤の約25%から少なくとも約75%、好適には少なくとも約85%が本投薬形態物から放出されるまでの長時間継続する。その後のさらなる数時間に渡ってシクロベンザプリンの放出が継続して起こるが、その放出速度は一般に前記均一な放出速度よりいくらか遅い。
「C」は、ある被験体の血漿の中に存在する薬剤の濃度を意味し、これを一般に単位体積当たりの質量、典型的には1ミリリットル当たりのナノグラムで表す。便利さの目的で、この濃度を本明細書では「血漿薬剤濃度」または「血漿濃度」と呼ぶ可能性があるが、これに、適切な体液または組織のいずれかで測定した薬剤濃度を包含させることを意図する。薬剤投与後にある時間が経過した時の血漿薬剤濃度をC9hまたはC24hなどのようにCtimeとして表す。
「定常状態」は、ある被験体の血漿の中に存在する薬剤の量が長時間に渡って有意には変化しない状態を意味する。一定用量の投薬形態物を一定の投薬間隔で連続的に投与した後の薬剤蓄積パターンは最終的に「定常状態」を達成し、この状態では、血漿濃度の最高値と血漿濃度の最低値が各投薬間隔内で本質的に同じである。定常状態の最大(最高)血
漿薬剤濃度を本明細書で用いる場合、これをCmaxとして表し、そして最小(最低)血漿薬剤濃度をCminとして表す。薬剤投与後に定常状態の最高血漿濃度および最低薬剤濃度が生じる時間をそれぞれTmaxおよびTminとして表す。
本分野の技術者は、個々の被験体で得る血漿薬剤濃度は薬剤の吸収、分布、代謝および排泄に影響を与える数多くの要因が患者間で異なることが原因で変わるであろうことを理解するであろう。この理由で、特に明記しない限り、本明細書では、血漿薬剤濃度データを比較しそして投薬形態物のインビトロ溶解速度とインビボ血漿薬剤濃度の間の関係を解析する目的である群の被験体から得た平均値を用いる。
驚くべきことに、13−15時間またはそれ以上、より好適には16−18時間またはそれ以上のT90値を示しかつシクロベンザプリンを長時間に渡って制御された放出速度で放出する持続放出シクロベンザプリン投薬形態物を製造することができることを見いだした。前記投薬形態物はこれを日に1回投与することで治療的に有効な定常状態の平均血漿シクロベンザプリン濃度をもたらす。
本明細書に記述する典型的な持続放出シクロベンザプリン投薬形態物、前記投薬形態物を製造する方法および前記投薬形態物を使用する方法は、経口投与に適した浸透圧性投薬形態物に向けたものである。しかしながら、本明細書に記述する如き浸透圧システムに加えて、本技術分野で公知の経口投薬形態物からの薬剤の持続放出を達成する他のアプローチも数多く存在する。そのようないろいろなアプローチには、例えば拡散システム、例えばリザバーデバイスおよびマトリックスデバイスなど、可溶化システム、例えばカプセル封じされた可溶化システム[例えば「タイニータイムピル」を包含]およびマトリックス可溶化システム、拡散/可溶化を組み合わせたシステム、そしてRemington’s
Pharmaceutical Sciences、1990版、1628−1685頁に記述されている如きイオン交換樹脂システムが含まれ得る。そのような他のアプローチに従って機能するシクロベンザプリン投薬形態物も本請求の範囲に示す如き薬剤放出特徴および/または血漿シクロベンザプリン濃度特徴が文字通りまたは等しくそのような投薬形態物を説明している度合で本請求の範囲内に包含させる。
浸透圧性投薬形態物では、一般に、少なくともある程度ではあるが液は自由に拡散させるが薬剤も浸透圧剤1種または2種以上(存在する場合)も自由には拡散させない半透性壁によって形成されている区分室の中に液が入り込むのを推進する力を生じさせる目的で浸透圧を利用する。浸透圧システムの大きな利点は、働きがpHから独立していることで当該投薬形態物が胃腸管を通過してpH値が有意に異なるいろいろな微細環境に遭遇しても働きが長時間に渡って浸透圧的に決められた速度で継続する点にある。そのような投薬形態物の論評がSantusおよびBaker著、「Osmotic drug delivery:a review of the patent literature」、Journal of Controlled Release、35(1995)、1−21に見られる。特に、本出願の譲受人であるALZA Corporationが所有する下記の米国特許は浸透圧性投薬形態物に向けたものである:米国特許第3,845,770号、3,916,899号、3,995,631号、4,008,719号、4,111,202号、4,160,020号、4,327,725号、4,519,801号、4,578,075号、4,681,583号、5,019,397号および5,156,850号。
本発明は、あまりにも早期に起こる混ざり合いを制御しかつ先行する層の中を次の層が通り抜けるのを制御することによって、層が複数備わっている系の均一な放出速度を向上させるものである。
図1は、本発明に従う投薬形態物10のカプセル形状錠剤態様を示す断面図である。この態様では、膜20によって限定されている内部区分室が、1番目の構成要素である非薬剤遅延層30と2番目の構成要素である薬剤層40と3番目の構成要素である圧力層50を有する多層圧縮中心部を含有する。
図2に、代替の標準的両凸形状錠剤を示す。図1に示した好適な態様はカプセル形状の錠剤を説明するものであるが、その錠剤の形状は他の形状であってもよく、それには、図2に示す如き標準的な両凸形状が含まれる。しかしながら、形状を変えると放出速度も変わるであろう。
実施中、投薬形態物10を経口で摂取した後、壁20を横切る浸透圧活性勾配(osmotic activity gradient)によって胃液が壁20を通って入り込むことで、遅延層30および薬剤層40が送達可能(deliverable)組成物、即ち溶液または懸濁液に変化すると同時に圧力層50の中のオスモポリマー(osmopolymer)1種または2種以上が膨潤を起こす。液が前記内部区分室の中に入り続けかつ圧力層50が膨潤し続けるにつれて、その送達可能になった遅延層30および薬剤層40が逐次的に出口60を通って放出される。遅延層30および薬剤層40の放出が起こるにつれて液が入り込み続けかつ圧力層50が膨潤し続けることで、継続した放出が推進される。このようにして、薬剤が、前以て決めておいた遅延時間の後、長時間に渡って連続かつ均一な様式で放出される。
図4に、目標が22.5mgの系(即効型オーバーコートを含有)の場合の模範的放出速度プロファイルを示す。遅延期間と放出期間の開始点と終点の境界が所望通り明確であることが分かる。
図5に血漿濃度プロファイルを示すが、このプロファイルに、目標が22.5mgの系(即効型オーバーコートを有する)の場合の模範的プロファイルを含める。濃度が所望通り均一に上昇することが分かる。
以下により詳細に記述するように、3番目の構成要素である圧力層50は、浸透圧活性成分1種または2種以上を含んで成るが、これには活性薬剤を含有させない。圧力層50に含めるそのような浸透圧活性成分1種または2種以上は、典型的に、オスマジェントおよび1種以上のオスモポリマー(このオスモポリマーは液が入り込んだ時にこれが出口60を通って有意には放出されないような膨潤を示す比較的大きな分子量を有する)を含んで成る。圧力層50の中にまた追加的賦形剤、例えば結合剤、滑剤、抗酸化剤および着色剤などを含有させておくことも可能である。そのような3番目の構成要素である層を本明細書では膨張性もしくは圧力層と呼ぶ、と言うのは、液が入り込んだ時にオスモポリマー1種または2種以上が膨潤を起こして前記2番目の構成要素である薬剤層の送達可能になった薬剤配合物を押すことで前記薬剤配合物が本投薬形態物から放出されるのを助長するからである。
遅延層30は、浸透圧活性成分を含有するが、薬剤を含有しない。この1番目の構成要素である遅延層の中の浸透圧活性成分1種または2種以上は、典型的にオスマジェント(osmagent)と1種以上のオスモポリマー(このオスモポリマーは液が入り込んだ時にこれが薬剤層40の放出と同様に出口60を通って放出されるような膨潤を示す比較的小さな分子量を有する)を含んで成る。遅延層30の中にまた追加的賦形剤、例えば結合剤、滑剤、抗酸化剤および着色剤などを含有させておくことも可能である。1番目の構成要素である層を本明細書では遅延層と呼ぶ、と言うのは、液が入り込んだ時に層が水和しそして薬剤層40が放出される前にそれが中心部からの活性薬剤の放出無しに放出されることで本投薬形態物から放出される薬剤層40の前以て決めておいた放出遅延を作り出すからである。その遅延期間全体に渡ってその水和した遅延層が示す粘度の方が水和した薬剤層が示す粘度よりも高いままであるようにすることは、その前以て決めておいた遅延
期間の間に活性薬剤が中心部から放出される量が最小限であることを確保するに役立つ。
薬剤層40は、シクロベンザプリンを、液を外部の環境から膜20経由で引き込みかつ液が入り込んだ時に送達可能な薬剤組成物が生じるようにする浸透圧活性勾配をもたらすに適するように選択した賦形剤と混ざり合った状態で含んで成る。そのような賦形剤には適切な懸濁剤(本明細書ではまた薬剤担体と呼ぶ)などおよび浸透圧活性剤、即ち「オスマジェント」などが含まれ得る。また、他の賦形剤、例えば滑剤、結合剤なども含まれ得る。
薬剤層40に更に親水性重合体である担体も含有させる。そのような親水性重合体は本薬剤組成物の中の粒子であり、これは、活性薬剤の制御された送達に貢献する。そのような重合体の代表例は、数平均分子量が100,000から750,000のポリ(アルキレンオキサイド)[ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(メチレンオキサイド)、ポリ(ブチレンオキサイド)およびポリ(ヘキシレンオキサイド)を包含];数平均分子量が40,000から400,000のポリ(カルボキシメチルセルロース)[この代表例はポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)、ポリ(ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリ(カリウムカルボキシメチルセルロース)およびポリ(リチウムカルボキシメチルセルロース)である]である。薬剤層40に、更に、本投薬形態物の送達特性を向上させる目的で数平均分子量が9,200から125,000のヒドロキシプロピルアルキルセルロース(代表例はヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロースである);そして本投薬形態物の流動特性を向上させる目的で数平均分子量が7,000から75,000のポリ(ビニルピロリドン)を含有させてもよい。そのような重合体の中で数平均分子量が100,000−300,000のポリ(エチレンオキサイド)が好適である。特に、胃の環境の中で侵食を受ける担体、即ち生物侵食性(bioerodible)担体が好適である。
薬剤層40の中に入れておいてもよい他の担体には、単独または他のオスマジェントと一緒になって使用に充分な浸透圧活性を示す炭水化物が含まれる。そのような炭水化物には単糖、二糖および多糖が含まれる。代表例にはマルトデキシトリン(即ちコーンスターチの加水分解で生じるグルコース重合体)および糖が含まれるが、そのような糖にはラクトース、グルコース、ラフィノース、スクロース、マンニトール、ソルビトールなどが含まれる。好適なマルトデキシトリンはデキストロース当量(DE)が20以下、好適にはDEが約4から約20の範囲、しばしば9−20の範囲のマルトデキシトリンである。DEが9−12のマルトデキシトリンが有用であることを確認した。
薬剤層40は、典型的に、当該担体と薬剤と他の賦形剤を1層として圧縮することで生じさせた実質的に乾燥した(水が<1重量%の)組成物である。
薬剤層40を生じさせる時、この薬剤層の加工で用いる薬剤の大きさおよび付随する重合体の大きさ、典型的には本発明の様式および方法に従う化合物を含有する中心部として用いる大きさになるように粒子を粉砕することを通して薬剤層40を生じさせてもよい。そのような粒子を生じさせる手段には、意図したミクロンの粒径をもたらす顆粒、噴霧乾燥、ふるい分け、凍結乾燥、破砕、粉砕、ジェットミリング(jet milling)、微粉砕および細断が含まれる。この過程は、大きさを小さくする装置、例えば微細粉砕製粉機(micropulverizer mill)、流体エネルギー製粉機(fluid energy grinding mill)、製粉機、ローラーミル(roller mill)、ハンマーミル(hammer mill)、アトリッション(attrition)ミル、チェイサー(chaser)ミル、ボール(ball)ミル、振動ボールミル、衝撃粉砕機(impact pulverizer)、遠心粉砕機、粗粉砕
機および微細粉砕機などを用いて実施可能である。その粒子の大きさをふるい分けで確定することができ、そのようなふるい分けには、グリズリースクリーン(grizzly screen)、フラットスクリーン、振動式スクリーン、回転式スクリーン、振とう式スクリーン、揺動式スクリーンおよび往復運動式スクリーンが含まれる。薬剤の粒子および担体の粒子を生じさせるに適した方法および装置がPharmaceutical Sciences、Remington、17版、1585−1594頁(1985);Chemical Engineers Handbook、Perry、6版、21−13から21−19頁(1984);Journal of Pharmaceutical Sciences、Parrot、61巻、No.6、813−829頁(1974)およびChemical Engineer、Hixon、94−103頁(1990)に開示されている。
場合により、界面活性剤および崩壊剤を薬剤層に用いてもよい。界面活性剤の例は、HLB値が約10−25の範囲の界面活性剤、例えばポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリオキシエチレン−4−ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレン−20−モノラウレート、ポリオキシエチレン−40−ステアレート、オレイン酸ナトリウムなどである。崩壊剤は澱粉、粘土、セルロース、アルギンおよびゴムそして架橋した澱粉、セルロースおよび重合体から選択可能である。代表的な崩壊剤には、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、クロスカルメロース(croscarmelose)、クロスポビドン(crospovidone)、澱粉グリコール酸ナトリウム、Veegum HV、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、グアーゴムなどが含まれる。
当該活性化合物を薬剤層の中に投薬形態物当たり1mgから100mg、好適には投薬形態物当たり10mg−40mgの量で入れておいてもよいが、この量は、送達期間、即ち本投薬形態物を逐次的に投与する時の投与と投与の間の期間に渡って維持すべき必要な投薬濃度に依存する。より典型的には、本投与形態物の中に入れる化合物の充填量を、化合物が当該被験体に1日当たり10mgから60mg、より一般的には1日当たり20mgから40mgの範囲で投与されるような充填量にする。一般的には、1日当たりに必要な総薬剤投与量が100mgを超える場合には、本投与形態物を同じ時に複数単位投与して必要な薬剤量にしてもよい。
本明細書に記述する筋肉弛緩活性を示す化合物の代表的な化合物として、即効型のシクロベンザプリンは典型的に10mgの出発量で投与され、1日当たり3回投与される。有効な投薬量範囲は一般に20mg/日から60mg/日であることを確かめた。
ある被験体における血漿濃度は、薬剤の許容度と臨床効果と血漿濃度の間の相互関係を決定する臨床検定で決定可能である。化合物の血漿濃度は3ng/mlから100ng/ml(1ミリリットル当たりのナノグラム)、より典型的には4ng/mlから40ng/mlの範囲であり得る。本発明は送達期間(period of delivery)の間に実質的に上昇する血漿濃度プロファイルを利用することを提供するものである。
図6に、いろいろな送達手段を用いて達成したいろいろな時間における血漿濃度を示す。この図は、個々の血漿濃度の達成に必要な時間を示している。
図7に、いろいろなシクロベンザプリン治療を行った後の認知能力に対してシクロベンザプリンが示す影響そしてシクロベンザプリンの濃度が高いことに伴う障害を示す。
本発明に従う1日1回の投与形態物の現在のところ好適な態様における薬剤層のシクロ
ベンザプリン含有量は、投薬形態物当たり10mgから40mgのシクロベンザプリンの用量である。
本発明の投薬形態物が示す中心部薬剤放出(core drug release)T90値は12時間以上、好適には16時間以上、最も好適には18時間以上であり、これはシクロベンザプリンを連続する約20時間に渡って放出する。本投薬形態物を投与してから約4時間後に中心部からのシクロベンザプリンの放出が実質的に上昇する放出速度で始まり、このように実質的に上昇する放出速度は約16時間以上の長時間継続する。好適な態様におけるそのような放出は、即効型被膜および遅延層の放出の後に起こった。
壁20の構成では、外部の液、例えば水および生物学的液などは透過するがシクロベンザプリン、オスマジェント、オスモポリマーなどは実質的に透過しないようにそれを構成させる。このように、それは半透性である。壁20を生じさせる目的で用いる選択的半透性組成物は本質的に非侵食性でありかつ本投薬形態物の寿命に渡って生物学的液に実質的に不溶なままである。
壁20を生じさせるに適した代表的な重合体には、半透性ホモ重合体、半透膜性共重合体などが含まれる。そのような材料にはセルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル−エーテルが含まれる。そのようなセルロース重合体が有するアンヒドログルコース単位の置換度(DS)は含めて0より大きい度合から3以下である。置換度(DS)は、アンヒドログルコース単位上に元々存在していたヒドロキシル基が置換基で置換されたか或は他の基に変化した平均数を意味する。そのアンヒドログルコース単位の一部または全部が基、例えばアシル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルキル、アルキルカルバメート、アルキルカーボネート、アルキルスルホネート、アルキルスルファメート、半透性重合体を形成する基などで置換されていてもよく、ここで、そのような有機部分が含有する炭素原子の数は1から12、好適には炭素原子数は1から8である。
そのような半透性組成物に、典型的に、アシル化セルロース(cellulose acylate)、ジアシル化セルロース、トリアシル化セルロース、酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルカニレート、モノ−、ジ−およびトリアルケニレート、モノ−、ジ−およびトリアロイレートなどから成る群から選択した一員を含める。典型的な重合体には、DSが1.8から2.3でアセチル含有量が32から39.9%の酢酸セルロース、DSが1から2でアセチル含有量が21から35%のジ酢酸セルロース、DSが2から3でアセチル含有量が34から44.8%のトリ酢酸セルロースなどが含まれる。より具体的なセルロース重合体には、DSが1.8でプロピオニル含有量が38.5%のプロピオン酸セルロース、アセチル含有量が1.5から7%でプロピオニル含有量が39から42%の酢酸プロピオン酸セルロース、アセチル含有量が2.5から3%で平均プロピオニル含有量が39.2から45%でヒドロキシル含有量が2.8から5.4%の酢酸プロピオン酸セルロース、DSが1.8でアセチル含有量が13から15%でブチリル含有量が34から39%の酢酸酪酸セルロース、アセチル含有量が2から29%でブチリル含有量が17から53%でヒドロキシル含有量が0.5から4.7%の酢酸酪酸セルロース、DSが2.6から3のトリアシル化セルロース、例えばトリ吉草酸セルロース、セルローストリラメート(trilamate)、トリパルミチン酸セルロース、トリオクタン酸セルロースおよびトリプロピオン酸セルロースなど、DSが2.2から2.6のセルロースジエステル、例えばジこはく酸セルロース、ジパルミチン酸セルロース、ジオクタン酸セルロース、ジカプリル酸セルロースなど、そして混合セルロースエステル、例えば酢酸吉草酸セルロース、酢酸こはく酸セルロース、プロピオン酸こはく酸セルロース、酢酸オクタン酸セルロース、吉草酸パルミチン酸セルロース、酢酸ヘプタン酸セルロースなどが含まれる。半透性重合体は米国特
許第4,077,407号から公知であり、それらの合成はEncyclopedia of Polymer Science and Technology、3巻、325−354頁(1964)、Interscience Publishers Inc.、ニューヨーク、NYに記述されている手順を用いて実施可能である。
壁20の形成に適した追加的半透性重合体には、セルロースアセトアルデヒドジメチルアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースジメチルアミノアセテート、半透性ポリアミド、半透性ポリウレタン、半透性スルホン化ポリスチレン、米国特許第3,173,876号、3,276,586号、3,541,005号、3,541,006号および3,546,142号に開示されているようにアニオンとカチオンを共沈させることで生じさせた選択的半透性架橋重合体、Loeb他の米国特許第3,133,132号に開示されている如き半透性重合体、半透性ポリスチレン誘導体、半透性ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、半透性ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド)、そして半透性壁を横切る1気圧当たりの静水圧差もしくは浸透圧差として表される液透過率が10−5から10−2(cc・ミル/cm・時・気圧)の半透性重合体が含まれる。そのような重合体は米国特許第3,845,770号、3,916,899号および4,160,020号およびHandbook of Common Polymers、ScottおよびRoff(1971)、CRC Press、クリーブランド、OHにおいて本技術で公知である。
壁20にまた流量調節剤(flux−regulating agent)を含有させることも可能である。そのような流量調節剤は、壁20を通る液の透過率または流量を調節する時の補助で添加する化合物である。そのような流量調節剤は流量を高くする作用剤または流量を低くする作用剤であってもよい。液体の流量を高くするか或は低くする作用剤を前以て選択しておいてもよい。水の如き液の透過率の顕著な向上をもたらす作用剤はしばしば本質的に親水性である一方、水の如き液の透過率の顕著な低下をもたらす作用剤は本質的に疎水性である。そのような調節剤を壁の中に混合する時には、それの量を一般に約0.01から20重量%またはそれ以上にする。そのような流量調節剤には、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどが含まれ得る。典型的な流量向上剤には、ポリエチレングリコール300、400、600、1500、4000、6000など、低分子量のグリコール、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリアミレングリコールなど、ポリアルキレンジオール、例えばポリ(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリ(1,6−ヘキサンジオール)など、脂肪族ジオール、例えば1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリコール、1,4−ヘキサメチレングリコールなど、アルキレントリオール、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオールなど、エステル、例えばエチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールブチレート、ブチレングリコールジプロピオネート、グリセロールアセテートエステルなどが含まれる。現在のところ好適な流量向上剤には、プロピレングリコールの二官能ブロック共重合体であるポリオキシアルキレン誘導体[pluronics(BASF)として知られる]の群が含まれる。代表的な流量低下剤には、アルキルもしくはアルコキシまたはアルキルとアルコキシ基の両方で置換されているフタル酸エステル、例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル、フタル酸ジメチルおよび[ジ(2−エチルヘキシル)フタレート]など、アリールフタレート、例えばフタル酸トリフェニルおよびフタル酸ブチルベンジルなど、不溶な塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウムなど、不溶な酸化物、例えば酸化チタンなど、粉末、顆粒などの形態の重合体、例えばポリスチレン、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネートおよびポリスルホンなど、エステル、例えば長鎖アルキル基でエステル化されたクエン酸エステルなど、水を実質的に透過しな
い不活性な充填材、セルロースが基になった壁を形成する材料と適合し得る樹脂などが含まれる。
そのような半透性壁組成物に、柔軟性および伸び特性を与える目的、壁20の脆さを低くする目的および引裂きに強くする目的で他の材料を含めることも可能である。適切な材料にはフタル酸エステルである可塑剤、例えばフタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、炭素数が6から11の直鎖フタル酸エステル、フタル酸ジ−イソノニル、フタル酸ジ−イソデシルなどが含まれる。可塑剤には非フタル酸エステル系可塑剤、例えばトリアセチン、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリ−イソオクチル、トリメリット酸トリ−イソノニル、酢酸イソ酪酸スクロース、エポキシ化大豆油なども含まれる。可塑剤を壁の中に含有させる場合には、その量を約0.01から20重量%またはそれ以上にする。
3番目の構成要素である圧力層50は、図1に示すように2番目の構成要素である薬剤層40と接触している層配置または図3に示すようにバリヤー層(barrier layer)55と接触している層配置の状態の膨張性組成物を含んで成る。圧力層50は、水性もしくは生物学的液を吸収して膨潤することで薬剤組成物を本デバイスの出口手段に通して押出す重合体を含んで成る。本明細書では適切な吸収特性を有する重合体をオスモポリマーと呼ぶことがあり得る。そのようなオスモポリマーは水および水性の生物学的液と相互作用して高度に膨潤または膨張、典型的には2−50倍の体積上昇を示す膨潤性で親水性の重合体である。そのようなオスモポリマーは非架橋または架橋した状態であってもよく、好適な態様では、あまりにも大きくかつ絡み合っていることで本投薬形態物から出て行くことができない重合体網状組織を形成するように少なくとも若干架橋している。このように、好適な態様における膨張性組成物は本投薬形態物の中にこれの有効寿命に渡って保持される。
液を吸収して追い出す重合体の代表例には、数平均分子量が100万から1500万のポリ(アルキレンオキサイド)[代表例はポリ(エチレンオキサイド)である]および数平均分子量が500,000から3,500,000のポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)[ここで、アルカリはナトリウム、カリウムまたはリチウムである]から選択される員が含まれる。圧力層組成物の配合で用いるに適した追加的重合体の例には、ヒドロゲルを形成するオスモポリマー、例えばCarbopol(商標)酸性カルボキシポリマー(carboxypolymer)、ポリアリルスクロース(またカルボキシポリメチレンとしても知られる)で架橋させたアクリル系(acrylic)重合体、および分子量が250,000から4,000,000のカルボキシビニル重合体、Cyanamer(商標)ポリアクリルアミド、架橋した水膨潤性インデン無水マレイン酸重合体、分子量が80,000から200,000のGood−rite(商標)ポリアクリル酸、縮合したグルコース単位で構成されているAqua−Keeps(商標)アクリレート重合体多糖、例えばジエステルで架橋させたポリグルランなどが含まれる。ヒドロゲルを形成する代表的な重合体は、Hartopに発行された米国特許第3,865,108号、Manningに発行された米国特許第4,002,173号、Michaelsに発行された米国特許第4,207,893号およびHandbook of Common
Polymers、ScottおよびRoff、Chemical Rubber Co.、クリーブランド、OHにおける従来技術で公知である。
本投薬形態物の中の薬剤層、遅延層および圧力層の中に入れてもよい適切なオスマジェント[また浸透圧性溶質(osmotic solutes)および浸透圧有効剤(osmotically effective agents)としても知られる]は、壁20を横切る浸透圧活性勾配を示すオスマジェントである。適切なオスマジェントには、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、酸性燐酸カリウム、マンニトール、尿素、イノシトール、こはく酸マグネシウム、酒石酸、ラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトール、無機塩、有機塩および炭水化物から成る群から選択される員が含まれる。
本投薬形態物の成分を製造する時に用いるに適した典型的な溶媒には、本システムで用いる材料を不利に害することのない水性もしくは不活性な有機溶媒が含まれる。そのような溶媒には、幅広い意味で、水性溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン置換溶媒、環状脂肪族、芳香族、複素環式溶媒およびこれらの混合物から成る群から選択される員が含まれる。典型的な溶媒には、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールのモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、四塩化炭素、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、水;無機塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどが入っている水性溶媒など、そしてこれらの混合物、例えばアセトンと水、アセトンとメタノール、アセトンとエチルアルコール、二塩化メチレンとメタノール、および二塩化エチレンとメタノールなどが含まれる。
図3に、薬剤層40を圧力層50から分離している任意の3番目の構成要素であるバリヤー層55を含有する3層圧縮中心部を示す。図3に示す投薬形態物10はまた内側壁90も含有する。
バリヤー層55の組成は、薬剤層40の組成に関して不活性でありかつ実質的に不透過性であり、その結果として、薬剤層40の薬剤と圧力層50の成分が混ざらないようにしている。適切な材料には、水に不溶な重合体、脂肪、脂肪酸および脂肪酸エステル(これらは周囲温度および体温で固体である)および蝋が含まれる。代表的な水不溶性重合体には、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンと酢酸ビニルの共重合体、ポリ(メタアクリル酸メチル)、アクリル系重合体、例えばEudragit(商標)LまたはEudragit(商標)Rなど、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)重合体(PLGA)、高密度ポリエチレン、ゴム、スチレンブタジエン、ポリシリコン、ナイロン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびハロゲン置換重合体が含まれる。代表的な蝋にはパラフィンワックスおよび蜜蝋が含まれる。代表的な脂肪、脂肪酸および脂肪酸エステルには、C16−C24長鎖脂肪酸、そのような長鎖脂肪酸、例えばステアリン酸およびオレイン酸などのエステル、および前記の混合物が含まれる。この上に記述した材料の混合物、例えばエチルセルロースとステアリン酸の混合物(これが現在のところ好適である)などを用いることも可能である。
内側壁90は、壁20で限定されている区分室の中に入って来る胃液を透過しかつ遅延層30、薬剤層40および圧力層50が出口60に向かって動き易くする潤滑機能も示す。内側壁90は親水性材料と賦形剤で構成可能である。外側壁20は半透性であり、胃液が前記区分室の中に入り込むことを可能にするが、前記区分室の中の中心部を構成する材料は通さない。送達可能になったシクロベンザプリン配合物は、図3の態様に関してこの上に記述したように、出口60から放出される。
内側壁90は、少なくとも前記薬剤層と半透壁の間に位置していて、遅延層30および薬剤層40の外側表面と壁20の内側表面の間の摩擦を軽減する。内側壁90は当該薬剤
組成物が前記区分室から放出されるのを助長しかつ送達期間終了時に前記区分室の中に残っている残存薬剤組成物の量を少なくし、特に分与すべき薬剤組成物のスラリー、懸濁液または溶液が分与期間中に高い粘度を示す時に残存薬剤組成物の量を少なくする。薬剤充填率が高い、即ち薬剤層の中に入っている活性薬剤が当該薬剤層の総重量(内側壁なし)を基準にして40%以上である投薬形態物では、送達期間が終了した後のデバイスの中に残り得る薬剤の残存量が多いことを観察した。ある場合には、放出速度検定で試験した時に24時間が終了した時点で投薬形態物の中に残存する量が20%以上であることも起こり得る。
内側壁90を流動助長剤、即ち外側壁20と薬剤層40の外側表面の間の摩擦力を下げる作用剤で出来ている内側コート(inner coat)として生じさせる。内側壁90は、外側壁20と薬剤層40および遅延層30の外側表面の間の摩擦力を下げると思われ、このようにして、薬剤が本デバイスからより完全に送達されることを可能にする。特に、活性化合物の価格が高い場合、そのような改良は実質的な経済的利点を与える、と言うのは、必要な薬剤が最小限の量で送達されることを確保する目的で薬剤層に薬剤を過剰に充填する必要がなくなるからである。内側壁90は圧縮された中心部の上に付着する被膜として構成可能である。
内側壁90の厚みは典型的に0.01から5mm、より典型的には0.5から5mmの厚みであってもよく、これはヒドロゲル、ゼラチン、低分子量、例えば100,000MW未満のポリエチレンオキサイド、ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロースおよびヒドロキシフェニルセルロースなど、そしてヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、そしてこれらの混合物から選択される員を含んで成る。そのようなヒドロキシアルキルセルロースは数平均分子量が9,500から1,250,000の重合体を構成している。例えば、数平均分子量が80,000から850,000の範囲のヒドロキシプロピルセルロースが有用である。そのような内側壁の調製は、上述した材料を水性溶媒または不活性な有機溶媒に入れることで生じさせた通常の溶液または懸濁液を用いて実施可能である。そのような内側壁に好適な材料には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン[ポリ(ビニルピロリドン)]、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物が含まれる。有機溶媒、特に極性有機溶媒、例えば炭素原子数が1−8の低級アルカノール、好適にはエタノールの中で調製したヒドロキシプロピルセルロースとポビドンの混合物、水性溶液の中で調製したヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物、および水性溶液の中で調製したヒドロキシエチルセルロースとポリエチレングリコールの混合物がより好適である。最も好適には、そのような内側壁はエタノール中で生じさせたヒドロキシプロピルセルロースとポビドンの混合物を含んで成る。便利には、圧縮中心部に付着させる内側壁の重量を内側壁の厚みおよび本明細書に記述する如き放出速度検定において投薬形態物の中に残存する残存薬剤と相互に関係付けてもよい。このように、製造実施中に被覆を実施している時に取り上げられる内側壁の重量を制御することで内側壁の厚みを調節してもよい。
内側壁90をサブコートとして生じさせる、即ち薬剤層と遅延層と圧力層の中の1つまたは全部を含有する錠剤複合物の上を覆うことで内側壁90を生じさせる時には、製錠過程で中心部の上に生じる表面の粗さを内側壁が満たすようにしてもよい。その結果として生じる滑らかな外側表面によって、当該薬剤を分与している時のその被覆された複合体中心部と半透性壁の間の滑りが助長され、その結果として、投与期間終了時に本デバイスの中に残っている残存薬剤組成物の量が少なくなる。内側壁90をゲル形成材料(gel−forming material)で加工すると、それが使用環境の中の水と接触した
時に、外側壁20と薬剤層40の間の滑りを助長しかつ向上させ得る粘度を有するゲルもしくはゲル様内側コートの形成が助長される。
出口開口部を除く完成投薬形態物を生じさせる目的で便利にはパンコーティング(pan coating)を用いてもよい。そのようなパンコーティングシステムでは、場合により、単層中心部の場合には薬剤層を含んで成るか或は2層中心部の場合には薬剤層と圧力層を含んで成るか或は3層中心部の場合には薬剤層とバリヤー層と圧力層を含んで成る圧縮された単一の2層もしくは3層中心部の上に適切な壁組成物を連続的に噴霧する(回転するパンの中で転がすことを伴わせて)ことで、内側壁または外側壁用の壁形成組成物を付着させる。パンコーター(pan ocater)を商業的規模で入手することができることから、それを用いる。その圧縮された中心部の被覆では他の技術も使用可能である。被覆した後の壁を強制空気オーブンの中でか或は温度と湿度が制御されているオーブンの中で乾燥させることで、製造中に用いた溶媒1種または2種以上を本投薬形態物から除去する。乾燥条件を通常は入手可能な装置、周囲条件、溶媒、被覆、被膜厚などを基にして選択する。
また、他のコーティング技術を用いることも可能である。例えば、エア−サスペンション(air−suspension)手順を用いたある技術で本投薬形態物の壁1つまたは2つ以上を生じさせてもよい。このような手順は、圧縮された単一の2層もしくは3層中心部を空気および半透性壁形成組成物の流れの中で壁が中心部に付着するまで浮遊させて転倒させることから成る。このようなエア−サスペンション手順は本投薬形態物の壁を独立して生じさせようとする時に良好に適する。そのようなエア−サスペンション手順は米国特許第2,799,241号、J.Am.Pharm.Assoc.、48巻、451−459頁(1959)および同書の49巻、82−84頁(1960)に記述されている。本投薬形態物にまたWurster(商標)エア−サスペンションコーターを用いた被覆を例えば二塩化メチレン、メタノールなどを壁形成材料用の共溶媒として用いて受けさせることも可能である。共溶媒を用いるAeromatic(商標)エア−サスペンションコーターを用いてもよい。
本発明に従う投薬形態物の製造では標準的な技術を用いるが、但し好適な圧縮手順は、以下に更に考察するように、伝統的な凹状に比べて凸状の最適な層界面形状を達成する目的で、伝統的な圧縮順とは逆の順である。例えば、湿式顆粒技術を用いて本投薬形態物の製造を行ってもよい。そのような湿式顆粒技術では、有機溶媒、例えば変性無水エタノールなどを顆粒用液として用いて当該薬剤と担体を混合する。残りの材料を顆粒用液、例えばこの上に記述した溶媒などの一部に溶解させてもよく、そして後者の調製した湿っている状態の混合物を前記薬剤混合物にこれを混合装置の中で絶えず混合しながらゆっくり加える。その顆粒用液を湿った状態の混合物が生じるまで加えた後、その湿った状態の塊である混合物を前以て決めておいたスクリーンに強制的に通して、オーブンのトレーの上に置く。この混合物を強制空気オーブンに入れて24℃から35℃で18から24時間乾燥させる。次に、その乾燥させた顆粒の大きさを合わせる。次に、この薬剤顆粒品にステアリン酸マグネシウムまたは別の適切な滑剤を加えた後、その顆粒品を製粉用ジャー(milling jars)の中に入れて、ジャーミル(jar mill)で10分間混合する。この組成物を圧縮して層にするが、この圧縮では例えばManesty(商標)プレスまたはKorsch LCTプレスを用いる。2層中心部の場合には、薬剤含有層を圧縮しそして同様に調製した圧力層組成物(含める場合)の湿っている混合物をこれが前記薬剤含有層に面するように圧縮する。3層中心部を生じさせる場合には、薬剤層組成物、遅延層組成物そして圧力層組成物の顆粒または粉末を逐次的に適切な大きさのダイスの中に入れ、この最初の2層の各々に中間的な圧縮段階を適用した後、最後の層をダイスに加えた後に最終的な圧縮段階を設けることで、3層中心部を生じさせる。そのような中間的圧縮を典型的には約50−100ニュートンの力下で実施する。最終的な圧縮段階を典
型的には3500ニュートン以上、しばしば3500−5000ニュートンの力で実施する。そのようにして圧縮した単一の2層もしくは3層中心部をドライコータープレス(dry coater press)、例えばKilian(商標)Dry Coaterプレスなどに送り込んだ後、それにこの上に記述した如き壁材料による被覆を受けさせる。好適な態様では、その圧縮順を、3層系の場合には遅延層から出発して薬剤層そして最後に圧力層の圧縮を行うことになるであろう(圧力層から出発する伝統的な順ではなく)。2層系の場合には、薬剤層の圧縮から始めた後に圧力層の圧縮を行うことになるであろう。
図13に、本発明の結果としてもたらされた層界面を示す。伝統的な圧縮順とは逆、即ち圧縮による層界面の自然な形状が出口開口部に対して凸状になるように逆に反転しており、それによって最適な性能が得られる。そのような結果は、層界面の周囲が中心部の外側周囲の所で半透膜に隣接する送達用開口部から更に離された結果である。その結果として境界層と開口部の距離がより大きくなることから中心部−膜界面の所で起こる層の水和によって生じる局所的な流れそして次に混ざり合う状態が特徴的な放出プロファイルに影響を与えるほどの大きさではなくなる。そのような影響の低下は、それ自身、図15および図16に示すように、典型的には放出プロファイルがより連続的になりかつ上昇度合がより均一になることで明らかになる。
図14に、伝統的な圧縮順によってもたらされた層界面を示す。伝統的には、多層錠剤の場合、圧力層、即ち層50の組成物を最初にプレスに加えて圧縮する。その後、このケースでは例えば薬剤層40および最後に遅延層30の圧縮を行う。このようにして、伝統的な圧縮順の結果として層間にもたらされる界面は、図14に見られるように、出口開口部に対して凹状である。
図15および図16に、圧縮順を除けば同じである代表的な投薬形態物からの放出速度を示す。本発明の逆の圧縮順の方が放出プロファイルがより均一であることから放出プロファイルの向上がもたらされることが前記図から分かるであろう。
本投薬形態物の薬剤層末端部に出口開口部を1つ以上開けた後、この投薬形態物の上を任意の水溶性オーバーコート(overcoats)[これは着色(例えばOpadry着色コーティング)または透明(例えばOpadry Clear)であってもよい]で覆うことで、完成した投薬形態物を生じさせてもよい。
別の製造では、当該薬剤および薬剤層を構成する他の材料を混合して圧縮することで固体状の層を生じさせる。この層に持たせる寸法は、この層が本投薬形態物の中で占める領域の内部寸法に相当し、かつそれの寸法はまた圧力層(含める場合)にも相当する(これらが接触している配置が生じるように)。前記薬剤および他の材料をまた溶媒と混合し、そして通常方法、例えばボールミリング、カレンダー加工、撹拌またはロールミリングなどで混合して固体または半固体形態にした後、圧縮して、前以て決めておいた形状にすることも可能である。次に、オスモポリマー組成物の層を含める場合には、それを同様な様式でそれが前記薬剤層と接触した状態で位置させる。そのような薬剤配合の層およびオスモポリマー層を加工する時、通常の2層プレス(two−layer press)技術を用いて加工可能である。遅延層が存在する3層中心部を生じさせる時にも同様な手順に従うことができる。次に、そのようにして圧縮した中心部に、この上に記述した如き内側壁材料および半透性壁材料による被覆を受けさせてもよい。
使用可能な別の製造工程は、各層用の粉末状にした材料を流動床顆粒装置内で混合することを含んで成る。その粉末状にした材料を顆粒装置内で乾式混合した後、その粉末に顆粒用液、例えば水などに入れておいたポリ(ビニルピロリドン)などを噴霧する。次に、
そのようにして被覆された粉末を前記顆粒装置の中で乾燥させる。この方法では、前記顆粒用液を添加しながらその中に存在する材料の全部を顆粒にする。その顆粒品を乾燥させた後、混合装置、例えばV−ブレンダーまたはトートブレンダー(tote blender)などを用いて滑剤、例えばステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムなどを前記顆粒品の中に混合する。次に、その顆粒品に圧縮をこの上に記述した様式で受けさせる。
本発明の投薬形態物に出口60を少なくとも1個与える。出口60は圧縮された中心部と協力して薬剤を本投薬形態物から均一に放出させる。その出口を生じさせる時期は本投薬形態物製造中または本投薬形態物が使用液環境(fluid environment
of use)の中で薬剤を送達する時であってもよい。
出口60には、生じさせておいた開口部、または外側壁からある物質または重合体が侵食、溶解または浸出を起こして出口開口部が生じることで生じ得る開口部が含まれ得る。そのような物質または重合体には、例えば半透性壁の中に入れておいた侵食性ポリ(グリコール酸)またはポリ(乳酸)など、ゼラチン状フィラメント;水で除去され得るポリ(ビニルアルコール);浸出性化合物、例えば液で除去されて孔を形成する化合物(無機および有機塩、酸化物および炭水化物から成る群から選択される)などが含まれ得る。
ソルビトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびマンニトールから成る群から選択される一員を浸出させて均一な放出をもたらす寸法を有する孔−出口開口部を生じさせることで、1個の出口または複数の出口を生じさせてもよい。
そのような出口の形状は、ある薬剤が本投薬形態物から均一に計量された投薬量で放出されるならば如何なる形状であってもよく、例えば円形、三角形、正方形、楕円形などであってもよい。
1個以上の出口が間隔を置いた関係でか或は本投薬形態物の1つ以上の表面に存在するように本投薬形態物を構築してもよい。
そのような出口開口部を生じさせる目的で前記半透性壁を貫く穴開けを用いてもよく、そのような穴開けには機械的穴開けおよびレーザーによる穴開けが含まれる。そのような出口およびそのような出口を生じさせる装置がTheeuwesおよびHiguchiの米国特許第3,916,899号およびTheeuwes他の米国特許第4,088,864号に開示されている。直径が等しい2個の出口を用いるのが現在のところ好適である。
本発明の投薬形態物は連続した期間に渡って薬剤の持続放出を示すが、そのような連続した期間は、標準的な放出速度検定、例えば本明細書に記述する検定などで測定した時に薬剤を上昇する放出速度で放出する長時間を包含する。本発明の投薬形態物を被験体に投与すると、その被験体における血漿薬剤濃度が実質的に上昇するが、その濃度は、即効型投薬形態物を用いた時に得られる濃度に比べて長時間に渡ってあまり変動しない。本発明の投薬形態物を1日1回を基に連続的に投与すると、本発明の投薬形態物は治療的に有効な上昇する血漿シクロベンザプリン濃度をもたらすと同時に定常状態の最高血漿シクロベンザプリン濃度が生じるのは投薬を行ってからある時間が経過した時であり、かつそれが示す濃度の高さは即効型シクロベンザプリン投薬形態物を1日当たり2回または3回投与した後に生じる定常状態の最高血漿シクロベンザプリン濃度よりも低い。
この上に示したようにシクロベンザプリン投薬形態物を被験体に日に1回経口投与する
方法の実施が好適である。本発明のシクロベンザプリン投薬形態物および方法を用いて、明らかに筋肉痙攣を起したか或はそのように診断される可能性のある他の病気状況および状態も治療することができる。加うるに、また、本発明の投薬形態物および方法を用いて、鬱に関連して現れるか或は現れない可能性があるがシクロベンザプリンによる治療に反応する可能性のある他の病気状況および状態も治療することができる。
本発明の投薬形態物を製造する好適な方法を以下に一般的に記述する。パーセントは全部特に明記しない限り重量パーセントである。
伝統的な圧縮順を用い、いろいろな粘度(84−158cps)のPolyox(商標)を用いた中心部配合を持たせた中心部が14mgでオーバーコートが0mgのシクロベンザプリン系
遅延層(56mg)
84.35%がPolyox(商標)WSR N−150
10.00%がNaCl
5.00%がPVP K29−32
0.50%がステアリン酸
0.10%が黒色酸化鉄
0.05%がBHT
薬剤層(93mg)
15.00%がシクロベンザプリンHCl
79.45%がPolyox(商標)WSR N−150
5.00%がPVP K29−32
0.50%がステアリン酸
0.05%がBHT
圧力層(168mg)
20.00%が塩化ナトリウム
73.70%がポリエチレンオキサイド、NF、7000K、TG
5.00%がPVP K29−32
1.00%が酸化鉄、Green PB−1581
0.25%がステアリン酸
0.05%がBHT
即効型オーバーコートを持たない投薬形態物の配合を前記のようにした結果として、図8および図9に示すように、いろいろな重合体粘度に関して放出速度プロファイルおよび累積放出速度プロファイルがもたらされた。
粘度が109cpsの中心部配合を用いた中心部が14mgでオーバーコートが6mgの20mgシクロベンザプリンHCl系
遅延層(56mg)
84.35%がPolyox(商標)WSR N−150
10.00%がNaCl
5.00%がPVP K29−32
0.50%がステアリン酸
0.10%が黄色酸化鉄
0.05%がBHT
薬剤層(93mg)
15.00%がシクロベンザプリンHCl
79.45%がPolyox(商標)WSR N−150
5.00%がPVP K29−32
0.50%がステアリン酸
0.05%がBHT
圧力層(168mg)
20.00%が塩化ナトリウム
73.70%がポリエチレンオキサイド、NF、7000K、TG
5.00%がPVP K29−32
1.00%が酸化鉄、Green PB−1581
0.25%がステアリン酸
0.05%がBHT
7/32”のLCT、Deep Concave工具が用いられているKorsch Multilayerプレスを用いて圧縮を行う前に配合に修飾を受けさせた。個々の層を168mg(圧力層)、93mg(薬剤層)および56mg(遅延層)にまで小さくした。
湿式顆粒を行う前に、20メッシュのスクリーンを用いて塩(NaCl)および酸化鉄をふるい分けしておいた[圧力層の顆粒で21メッシュのスクリーンが備わっているQuadro Comilを用いて製粉を実施する以外は手で]。あらゆる顆粒品に関して、ポビドン(povidone)の50%を水溶液(13%重量/重量)として噴霧しそして残りの50%を粉末としてバッチ(batch)に仕込んだ。顆粒工程中の損失を補う目的で薬剤を10%過剰量で用いて薬剤層の顆粒を実施した。顆粒を実施した後、その乾燥させた塊をGranumillを用いて#7メッシュのスクリーンに通した。次に、GEMCO混合装置を用いて、その製粉した塊をブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)と一緒に10分間混合しそしてステアリン酸と一緒に3分間混合した。
伝統的な圧縮順ではMultilayer Korschプレスを用いて圧縮を実施した。24”のHi−Coaterを用いてその3層中心部を膜で被覆した。被覆後、LCTレーザーを用いて中心部に開口部直径が45ミルの穴を開けた。各開口部の中心は遅延層ドームの上に位置していた。最後に、穴を開けておいた系をHotpack(商標)オーブンに入れて45℃/相対湿度45%で84時間乾燥させた後、45℃/周囲湿度で3時間乾燥させることで、被膜に残存するアセトンの濃度を低くした。次に、24”Aqueous Coaterを用いて、乾燥させた系を薬剤、着色剤および透明被膜で覆った。
即効型オーバーコートを持たせた投薬形態物の配合を前記のようにした結果として、図10および図11に示す如き放出速度プロファイルおよび累積放出速度プロファイルがもたらされた。
図1に、被験体に投与する前の本発明の2開口部カプセル形状錠剤態様を示し、この図には内部の潤滑壁に任意の外側薬剤オーバーコートおよび透明なコートを持たせてもよいことを示す。 図2に、被験体に投与する前の本発明の標準的両凸形状錠剤態様を示し、この図には任意の内側潤滑壁も示す。 図3に、被験体に投与する前の本発明の1開口部カプセル形状錠剤態様を示し、この態様では任意の内側潤滑壁およびバリヤー層も用いた。 図4に、シクロベンザプリンが22.5mgの系の場合の任意の薬剤オーバーコートおよび上昇する送達速度を用いた模範的放出速度プロファイルを示す。 図5に、模範的送達プロファイルの結果としてもたらされる予測血漿濃度時間プロファイルを示す。図5には、また、5および10mgの即効型投薬形態物を日に3回(tid)投与した場合の予測血漿濃度プロファイルも示す。本発明は、5mg(tid)による最高濃度に一般に匹敵する血漿濃度を維持するが、10g(tid)による底濃度より低い。 図6に、本発明の前提条件であるシクロベンザプリンの結腸吸収を示す。 図7に、2日目のAUC値がより高いにも拘らず検出AUCの速度は1日目に比べて低いことを立証することで本発明が鎮静効果を有することを示し、そのことは、許容度の進展を示唆している。 図8に、図1に示した一般的特徴を有するが薬剤オーバーコートを持たない代表的な投薬形態物から放出される活性薬剤であるシクロベンザプリンの放出プロファイル(時間の関数としての放出速度)をある範囲の中心部粘度に関して示す。 図9に、図1に示した一般的特徴を有するが薬剤オーバーコートを持たない代表的な投薬形態物から経時的に放出される活性薬剤であるシクロベンザプリンの累積シクロベンザプリン放出をある範囲の中心部粘度に関して示す。 図10に、図1に示した一般的特徴を有することに加えて薬剤オーバーコートを有していて中心部の粘度が109cpsの代表的な投薬形態物から放出される活性薬剤であるシクロベンザプリンの放出速度プロファイル(時間の関数としての放出速度)を示す。 図11に、図1に示した一般的特徴を有することに加えて薬剤オーバーコートを有していて中心部の粘度が109cpsの代表的な投薬形態物から経時的に放出される活性薬剤であるシクロベンザプリンの累積シクロベンザプリン放出を示す。 図12に、実施中の遅延層の粘度の方が薬剤層のそれよりも高い場合および低い場合の平均放出速度を示す。 図13に、出口開口部に対して凸状である本発明の好適な層界面形状を示す。 図14に、出口開口部に対して凹状である伝統的な圧縮方法の層界面形状を示す。 図15に、15/64”系の場合に伝統的な圧縮順に対して圧縮順を逆にした時の放出速度に対する効果を示す。 図16に、13/64”系の場合に伝統的な圧縮順に対して圧縮順を逆にした時の放出速度に対する効果を示す。

Claims (39)

  1. (a)区分室を限定していて、中に形成されているか或は形成され得る出口開口部を有し、かつ少なくとも一部が半透性である膜、
    (b)前記区分室内に存在していて前記出口開口部から遠く離れた所に位置しかつ前記膜の半透性部分と液体が連絡する膨張性層、
    (c)前記出口開口部に隣接して存在する遅延層、
    (d)前記区分室の中に存在していて前記遅延層と前記膨張性層の間に位置する薬剤層、および
    (e)前記遅延層と前記薬剤層の間に位置していて形状が前記出口開口部に対して凸状である界面境界、
    を含んで成る投薬形態物。
  2. 前記遅延層と前記薬剤層の成形が、前記薬剤層をこれの形態に圧縮する前に前記遅延層をこれの形態に圧縮する圧縮順で実施されたものである請求項1記載の投薬形態物。
  3. 前記遅延層と前記薬剤層の両方が同じ度合の水和を受けた時に前記遅延層が示す粘度の方が前記薬剤層が示す粘度よりも高い請求項1記載の投薬形態物。
  4. 等しい水飽和度合において前記遅延層が示す粘度の方が前記薬剤層が示す粘度より高い請求項1記載の投薬形態物。
  5. (a)区分室を限定していて、中に形成されているか或は形成され得る出口開口部を有し、かつ少なくとも一部が半透性である膜、
    (b)前記区分室内に存在していて前記出口開口部から遠く離れた所に位置しかつ前記膜の半透性部分と液体が連絡する膨張性層、
    (c)前記出口開口部に隣接して存在する遅延層、
    前記区分室の中に存在していて前記遅延層と前記膨張性層の間に位置する薬剤層、
    を含んで成っていて、そして
    (d)前記遅延層と前記薬剤層の両方が同じ度合の水和を受けた時に前記遅延層が示す粘度の方が前記薬剤層が示す粘度よりも高い、
    の投薬形態物。
  6. 更に前記遅延層と前記薬剤層の間に位置していて形状が前記出口開口部に対して凸状である界面境界も含んで成る請求項5記載の投薬形態物。
  7. 前記遅延層と前記薬剤層の成形が、前記薬剤層をこれの形態に圧縮する前に前記遅延層をこれの形態に圧縮する圧縮順で実施されたものである請求項6記載の投薬形態物。
  8. (a)区分室を限定していて、中に形成されているか或は形成され得る出口開口部を有し、かつ少なくとも一部が半透性である膜、
    (b)前記区分室内に存在していて前記出口開口部から遠く離れた所に位置しかつ前記膜の半透性部分と液体が連絡する膨張性層、
    (c)前記出口開口部に隣接して存在する遅延層、および
    (d)前記区分室の中に存在していて前記遅延層と前記膨張性層の間に位置する薬剤層、を含んで成っていて、
    (e)前記遅延層の最大重量成分が水性媒体に接触した時に示す粘度の方が、前記薬剤層の最大重量成分が同じ水性媒体の中で同じ度合の水和を受けた時に示す粘度よりも高い、投薬形態物。
  9. 遅延放出投薬形態物の薬剤層が遅延期間中に遅延層の中を通り抜ける度合を低くする方法であって、該投薬形態物が放出前の遅延層と薬剤層が入る区分室および前記遅延層と薬剤層の材料を放出させる出口開口部を有していて前記遅延層が前記薬剤層と前記開口部の間に位置し、
    (a)前記遅延層と前記薬剤層の構築を前記遅延期間中に前記遅延層が示す粘度の方が前記薬剤層が示す粘度よりも高いままであるように実施する、
    ことを含んで成る方法。
  10. 遅延放出投薬形態物から放出される薬剤層の放出を制御する方法であって、該投薬形態物が放出前の遅延層と薬剤層が入る区分室および前記遅延層と薬剤層の材料を放出させる出口開口部を有していて前記遅延層が前記薬剤層と前記開口部の間に位置し、
    (a)前記遅延層と前記薬剤層の構築を前記薬剤層が前記区分室から放出されるのを前記遅延層が抑制する時間の実質的な部分に渡って前記区分室内の前記遅延層の水和部分が示す粘度の方が前記区分室内の前記薬剤層の水和部分が示す粘度よりも高いままであるように実施する、
    ことを含んで成る方法。
  11. 遅延放出投薬形態物から放出される薬剤層の放出を制御する方法であって、該投薬形態物が放出前の遅延層と薬剤層が入る区分室および前記遅延層と薬剤層の材料を放出させる出口開口部を有していて前記遅延層が前記薬剤層と前記開口部の間に位置し、
    (a)前記遅延層と前記薬剤層の構築を前記遅延層が水和を受けた時にそれが示す一般的粘度の方が前記薬剤層が同じ度合の水和を受けた時にそれが示す一般的粘度よりも高いように実施する、
    ことを含んで成る方法。
  12. 所望遅延期間中に前記遅延層が示す粘度と前記薬剤層が示す粘度の間の差を前記薬剤層が前記遅延層の中を通り抜ける度合が低いに充分なほど高くする請求項9記載の方法。
  13. 前記薬剤層が前記遅延層の中をあまりにも早期に通り抜ける度合が低い請求項9記載の方法。
  14. 前記薬剤層が前記遅延層の中をあまりにも早期に通り抜ける度合が低い請求項10記載の方法。
  15. 前記薬剤層が前記遅延層の中をあまりにも早期に通り抜ける度合が低い請求項11記載の方法。
  16. 前記薬剤層が前記遅延層の中を通り抜ける速度が前記遅延層の粘度と前記薬剤層の粘度の差がほぼ等しい場合に起こる通り抜け速度よりも遅い請求項9記載の方法。
  17. 前記薬剤層が前記遅延層の中を通り抜ける速度が前記遅延層の粘度と前記薬剤層の粘度の差がほぼ等しい場合に起こる通り抜け速度よりも遅い請求項10記載の方法。
  18. 前記薬剤層が前記遅延層の中を通り抜ける速度が前記遅延層の粘度と前記薬剤層の粘度の差がほぼ等しい場合に起こる通り抜け速度よりも遅い請求項11記載の方法。
  19. 前記遅延期間後に前記薬剤層に由来する薬剤が前記投薬形態物からある期間に渡って連続的かつ実質的に上昇する速度で放出される請求項9記載の方法。
  20. 前記遅延期間後に前記薬剤層に由来する薬剤が前記投薬形態物からある期間に渡って連
    続的かつ実質的に上昇する速度で放出される請求項13記載の方法。
  21. 前記遅延期間後に前記薬剤層に由来する薬剤が前記投薬形態物からある期間に渡って連続的かつ実質的に上昇する速度で放出される請求項16記載の方法。
  22. 前記薬剤層および前記遅延層の粘度が70から350cpsの範囲である請求項9記載の方法。
  23. (a)区分室を限定していて中に形成されているか或は形成され得る出口開口部を有しかつ少なくとも一部が半透性である膜、
    (b)前記区分室内に存在していて前記出口開口部から遠く離れた所に位置しかつ前記膜の半透性部分と液体が連絡する膨張性層、
    (c)前記出口開口部に隣接して存在する遅延層、
    (d)前記区分室の中に存在していて前記遅延層と前記膨張性層の間に位置する薬剤層、を含んで成っていて、そして
    (e)前記遅延層の主成分が水性媒体に接触した時に示す粘度の方が前記薬剤層の主成分が同じ水性媒体の中で同じ度合の水和を受けた時に示す粘度よりも高い、
    投薬形態物。
  24. 前記遅延層が水性媒体の中で示す粘度が150cpsより高い請求項5記載の投薬形態物。
  25. 経口投与後に長期に渡って実質的に上昇する薬剤放出速度を示す請求項5記載の投与形態物。
  26. 更に前記遅延層と前記薬剤層の間に位置していて形状が前記出口開口部に対して凸状である界面境界も含んで成る請求項8記載の投薬形態物。
  27. 前記遅延層と前記薬剤層の成形が前記薬剤層をこれの形態に圧縮する前に前記遅延層をこれの形態に圧縮する圧縮順で実施されたものである請求項26記載の投薬形態物。
  28. 前記薬剤層がシクロベンザプリン、アミトリプチリン、イミプラミンおよびデシプラミンから成る群から選択された薬剤を含んで成る請求項1記載の投薬形態物。
  29. 前記薬剤層がシクロベンザプリンを含んで成りかつヒトに経口投与された後の血漿シクロベンザプリン濃度が投与後3から4時間で6から8ng/mlになりそして投与後8から20時間で約8から12ng/mlになる請求項1記載の投薬形態物。
  30. 遅延層と薬剤層を含んで成る投薬形態物から遅延層材料と薬剤層材料が出口開口部を通って放出される度合を制御する方法であって、遅延層を前記薬剤層と前記出口開口部の間に位置させて前記遅延層が示す粘度の方が前記薬剤層が示す粘度よりも高くなるようにすることを含んで成る方法。
  31. 遅延層と薬剤層を含んで成る投薬形態物から遅延層材料と薬剤層材料が出口開口部を通って放出される度合を制御する方法であって、遅延層を前記薬剤層と前記出口開口部の間に位置させて前記遅延層の主成分が示す粘度の方が前記薬剤層の主成分が示す粘度よりも高くなるようにすることを含んで成る方法。
  32. 前記薬剤層が三環状アミンを含んで成る請求項5記載の投薬形態物。
  33. 前記薬剤層がシクロベンザプリンを含んで成る請求項32記載の投薬形態物。
  34. 前記薬剤層がアミトリプチリンを含んで成る請求項32記載の投薬形態物。
  35. 前記薬剤層がイミプラミンを含んで成る請求項32記載の投薬形態物。
  36. 前記薬剤層がデシプラミンを含んで成る請求項32記載の投薬形態物。
  37. 遅延放出投薬形態物から薬剤層が放出される度合を制御する方法であって、該投薬形態物が放出前の遅延層と薬剤層が入る区分室および前記遅延層と薬剤層の材料を放出させる出口開口部を有していて前記遅延層が前記薬剤層と前記遅延層の間に界面が存在するように前記薬剤層と前記開口部の間に位置し、
    前記薬剤層と前記遅延層の形状を前記界面の形状が前記出口開口部に対して実質的に凸状であるように設定する、
    ことを含んで成る方法。
  38. 更に前記薬剤層と前記遅延層の形状を前記薬剤層と前記遅延層の間に界面が存在しかつ前記界面が前記出口開口部に対して実質的に凸状であるように設定することも含んで成る請求項9記載の方法。
  39. 更に前記薬剤層と前記遅延層の形状を前記薬剤層と前記遅延層の間に界面境界が存在しかつ前記界面の境界が前記出口開口部に対して実質的に凸状であるように設定することも含んで成る請求項10記載の方法。
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