JP2006516872A - ロケーションベースサービス（ｌｂｓ）システム、移動局ｌｂｓアプリケーションの認証のための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
【解決手段】ロケーションの決定及びロケーションの開示（ｄｉｓｃｌｏｓｕｒｅ）が別個の独立した処理として扱われる、ロケーションサービスを提供するためのシステム、方法、及び装置。ロケーションの決定は、移動局のためにロケーション情報を獲得する、ネットワークエンティティの第１のセットを介して（必要に応じて）実行され得る。ロケーション情報は、任意の数のアプリケーションに対するその後の開示のためにキャッシュされ得る。ロケーションの開示は、ロケーション情報を提供するネットワークエンティティの第２のセットを介して（要求時に）実行され得る。ロケーションの決定は、認証のため、及びロケーションの決定に使用される第１のセッションキーを獲得するために、第１のセキュリティプロシージャを利用してもよい。ロケーションの開示は、認証のために、及びロケーションの開示のために使用される第２のセッションキーを獲得するために、第２のセキュリティプロシージャを利用してもよい。ローミング中の移動局については、ロケーションの決定はサービス中のネットワークを介して実行されてもよく、ロケーションの開示はホームネットワークを介して実行され得る。

Description

本発明は一般に通信に関し、より具体的にはロケーション決定を実行し、ロケーション情報をロケーションベースサービス（ＬＢＳ）アーキテクチャを介して提供するシステム、方法、及び装置に関する。

無線ユーザのロケーションを知るのが望ましいことはしばしばある。実際、それは時々必要となる。例えば、連邦通信委員会（ＦＣＣ：Ｆｅｄｅｒａｌ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ Ｃｏｍｉｓｓｉｏｎ）は、移動局（例えば、携帯電話）のロケーションが公安応答局（ＰＳＡＰ：Ｐｕｂｌｉｃ Ｓａｆｅｔｙ Ａｎｓｗｅｒｉｎｇ Ｐｏｉｎｔ）に提供されることを、当該移動局から９１１番に電話がかけられる度に要求する、エンハンスト９１１（Ｅ−９−１−１）ワイヤレスサービスの報告書及び体制を採用している。ＦＣＣの指令に加えて、ネットワークオペレータ／サービスプロバイダは、ロケーションベースサービスを使用する多様なアプリケーションをサポートし得る。そのようなサービスは、移動局のロケーションを提供する。「アプリケーション」とは、ロケーション情報から作られる特定の用途をいう。しばしば、アプリケーションは、移動局内のプロセッサか、当該移動局と通信中のワイヤレスインフラストラクチャネットワーク内に置かれたプロセッサによって実行されるコンピュータソフトウェアと共に導入される。この情報を使用するアプリケーションは、例えば、ロケーションセンシティブな広告、資産トラッキング、資産モニタリング及び回復、車両及びリソースマネジメント、パーソナルロケーションサービス等を含み得る。パーソナルロケーションサービス用アプリケーションの具体例の一部には、（１）移動局にそのロケーションに基づいてローカルマップを提供すること、（２）移動局のロケーションに基づいて設備（例えば、ホテル又はレストラン）の推薦を提供すること、及び（３）移動局の現在のロケーションから、推薦された設備への案内（ｄｉｒｅｃｔｉｏｎｓ）を提供すること、が含まれる。

現在、ロケーションベースサービス（すなわち、そのロケーションを知りたいと望む移動局、又は移動局のロケーションを望むエンティティ（ｅｎｔｉｔｙ））の使用には、サービスプロバイダへの支払いが要求される。プライバシーへの配慮を確実にするだけでなく、そのような支払いの集金ができることを確実にするために、またその他の理由から、アプリケーションを「認証する」ことが重要である。アプリケーションの認証とは、「充分な」アイデンティティ情報及び請求情報があることを確認する行為を言う。そのようなアイデンティティ情報及び請求情報には、１）請求先住所、２）要求されたロケーション情報にアクセスするための、サービスプロバイダからの認証、３）請求対象者と請求者（すなわち、サービスプロバイダ）間での、要求されたロケーション情報が提供される契約条件に関する合意、が含まれる。アイデンティティ情報及び請求情報が「充分」であるとみなされるのは、それにより、１）サービスプロバイダがロケーションベースサービス（例えば、ポジションロケーション情報の提供）を使用している当事者に対して請求及び料金の集金をすることが可能になり、かつ、２）ロケーション情報を利用可能となるであろう如何なる者のプライバシーも保護される場合である。

一般に、移動局によってアクセスされるアプリケーションは、ネットワーク内のコンポーネント（ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ）内で実行されるものである。従って、ネットワークのコンポーネントはアプリケーションを制御し得る。しかし、現在予期されているアプリケーションの中には、移動局内で実行されるアプリケーションを認可する必要があるものがある。従って、そのようなアプリケーションが認証されることを、当該アプリケーションを作動、又はポジションロケーション情報にアクセスさせる前に可能とする方法及び装置が必要とされている。

[概要]
本願は、２００３年１月３１日出願の米国仮出願第６０／４４４，２４８号、及び、２００３年２月５日出願の米国仮出願第６０／４４５，８１５号の利益を主張するものである。

ここに開示されている方法及び装置は、移動局内で実行されるアプリケーションが、モバイルポジショニングセンタ（ＭＰＣ：ｍｏｂｉｌｅ ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ）によって直接認証されることを可能とする。移動局は、通信インフラストラクチャのコンポーネントと通信するが、これは開示された方法及び装置の一実施形態によれば、セルラ通信ネットワークインフラストラクチャ内のコンポーネントである。典型的なセルラ通信ネットワークインフラストラクチャは基地局を含むが、これを介して信号が無線移動局から無線で送信、及び当該ネットワーク内で受信される。モバイルポジショニングセンタ（ＭＰＣ）は、当技術分野において周知である種々の可能な構成のうち任意の一つを使用して、基地局と結合される。ここに開示されている方法及び装置によれば、ＭＰＣは、移動局内に常駐するアプリケーションを認証する責任を負う。移動局は、基地局及び他のインフラストラクチャコンポーネントを介して通信リンク上でＭＰＣと直接通信する。移動局のユーザが、移動局内のロケーションベースサービスアプリケーションを実行しようとすると、移動局はＭＰＣとの通信リンクを確立するであろう。移動局は次に、移動局がロケーションベースサービスアプリケーションを実行する認証を求めるであろう。移動局内のアプリケーションは、そのような認証が成功である場合のみ、作動することが許可される。

本発明の様々な面及び実施形態は、以下により詳細に説明されている。

[詳細な説明]
開示されている方法及び装置は、同様の参照符号は同様の構成要素を特定する以下の図面と併せて、以下の詳細な説明から一層明確になるであろう。

図１は、開示された方法及び装置による、移動局１０１、無線通信ネットワーク１０３、モバイルポジショニングセンタ（ＭＰＣ）１０５、及び位置決定装置（ＰＤＥ：ｐｏｓｉｔｉｏｎ ｄｅｔｅｒｍｉｎｉｎｇ ｅｑｕｉｍｐｅｎｔ）ＰＤＥ１０７を含むシステム１００を説明する簡易化したブロック図である。移動局１０１は、ロケーションベースサービス（ＬＢＳ：ｌｏｃａｔｉｏｎ ｂａｓｅｄ ｓｅｒｖｉｃｅ）アプリケーションを実行することができる任意の無線装置であってよい。本明細書の目的のため、ＬＢＳアプリケーションは、任意のプログラム、アプレット、ルーチン、又は、他のそのようなコンピュータ導入アルゴリズム（ｃｏｍｐｕｔｅｒ ｉｍｐｌｅｍｅｎｔｅｄ ａｌｇｏｒｉｔｈｍ）であって、当該アプリケーションが作動している移動局のロケーション、あるいは別の移動局のロケーションを使用して情報又はサービスをユーザに提供するものを含む。そのようなＬＢＳアプリケーションは、１）ＬＢＳクライアント（すなわち、ＬＢＳサービスを要求している人物）が、適切に装備された移動局を使用している別の人物の位置を突き止めることを可能とするために、別の人物によって操作されている移動局のロケーションを識別すること、２）近くの製品又はサービスステーションの位置を突き止め、ユーザに、ＡＴＭやレストラン等の当該ステーションへの案内を提供すること、３）適切に装備された移動局を追跡すること等ができるプログラムを含む。ＬＢＳアプリケーションを実行することができる無線装置の例には、携帯電話、ワイヤレスモデム、個人情報マネージャ（ＰＩＭｓ：ｐｅｒｓｏｎａｌ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ｍａｎａｇｅｒｓ）、携帯情報端末（ＰＤＡｓ：ｐｅｒｓｏｎａｌ ｄｉｇｉｔａｌ ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）等が含まれる。

図１に示されるように、移動局１０１は、無線ネットワーク１０３と無線リンク１０２上で通信する。無線ネットワーク１０３は、無線リンク１０２上で移動局１０１から情報を受信、及び移動局１０１へ情報を送信することが可能な基地局１０４を少なくとも含む。本開示の目的のため、基地局１０４は、基地局コントローラ（ＢＳＣｓ：ｂａｓｅ ｓｔａｔｉｏｎ ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒｓ）、移動通信交換局（ＭＳＣｓ：ｍｏｂｉｌｅ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒｓ）等、簡便化のために図示されていないワイヤレスネットワーク１０３の様々な他のコンポーネントを含む。

基地局１０４は、ケーブル、マイクロ波中継装置（ｍｉｃｒｏｗａｖｅ ｌｉｎｋｓ）、衛星通信リンク等を含む任意の従来の通信媒体によって、ＭＰＣ１０５に結合されるが、これらに限定されるものではない。同様に、ＭＰＣ１０５は、任意の従来の通信媒体によって、ＰＤＥ１０７に結合される。

図２は、開示された方法及び装置による、移動局１０１の構成要素の簡易化したブロック図である。図２に示される移動局１０１は、送信機２０１、プロセッサ２０３、アプリケーションメモリ２０５、及び汎用メモリ２０７を含む。プロセッサ２０３は、一つのブロックとして示されている。しかし、プロセッサ２０３により実行されるものとして開示される機能は、提携して作動する、又は独立して動作する、別個のプロセッサの集まり（ｃｏｌｌｅｃｔｉｏｎ）によって実行されてもよいことが、当業者には理解されるべきである。従って、そのようなプロセッサの集まりは、開示された機能を実行するために連結されてもよいし、又は、それらは互いに完全に独立して動作してもよい。さらに、開示された方法及び装置の別の実施形態によれば、アプリケーションメモリ２０５及び汎用メモリ２０７を結合して、これら二つのメモリ２０５、２０７に格納されるものとして本明細書に開示される情報を格納する、単独のメモリ装置としてもよい。また別の実施形態においては、移動局１０１は、移動局１０１内で情報を格納する責任を共有する複数の付加的な独立したメモリ装置を具備し得る。

プロセッサ２０３は、プロトコルスタック（ｐｒｏｔｏｃｏｌ ｓｔａｃｋ）として提携して動作する複数の機能を有する。図３は、開示された方法及び装置の一実施形態の中で使用されるプロトコルスタックの例の概略図である。本開示の目的のため、プロトコルスタックは、一般に一つのルーチンが、別の下位レベルのルーチン又はプログラムの上に構築され、別の下位レベルのルーチン又はプログラムの機能を使用し、共に動作するプログラム指令又はルーチンの任意の組である。図３のプロトコルスタック内の第１の機能は、オペレーティングシステム３０１である。オペレーティングシステム３０１は基礎的な機能であって、その上に他の機能が構築される。つまり、オペレーティングシステム３０１は、プロセッサ２０３内で実行される他の機能によってアクセス及び使用されることが可能な機能を含む。ここに開示された方法及び装置の一実施形態によれば、オペレーティングシステム３０１は、ワイヤレス用バイナリランタイム環境（ＢＲＥＷ：Ｂｉｎａｒｙ Ｒｕｎ−ｔｉｍｅ Ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔ ｆｏｒ Ｗｉｒｅｌｅｓｓ）オペレーティングシステムである。あるいは、オペレーティングシステム３０１は、ワイヤレスアプリケーションプロトコル（ＷＡＰ）である。また別の実施形態において、オペレーティングシステムはショートメッセージサービス（ＳＭＳ）オペレーティングシステムである。また別の実施形態では、オペレーティングシステムはＪａｖａ（登録商標）オペレーティングシステム等である。Ｊａｖａ（登録商標）は、サンマイクロシステムズ社のオペレーティングシステムの登録商標である。当業者であれば、使用される特定のオペレーティングシステムは、ＬＢＳアプリケーション３０３が移動局１０１内で作動することを認証する、ここに開示された方法及び装置に直接関連しないことを認識するであろう。

一実施形態によれば、ＬＢＳアプリケーション３０３は、オペレーティングシステム３０１の上で作動する。ある例において、ＬＢＳアプリケーション３０３は、キーボードやタッチスクリーンといった従来のデータ入力装置を介して移動局のユーザから情報を受信するために、ユーザインタフェース機能にアクセス、及び、ユーザインタフェース機能を利用し得る。ＬＢＳアプリケーションはまた、液晶ダイオード（ＬＣＤ：ｌｉｑｕｉｄ ｃｒｙｓｔａｌ ｄｉｏｄｅ）ディスプレイ画面を介して、移動局のユーザに情報を提供するために、オペレーティングシステム機能にアクセス、及びオペレーティングシステム機能を利用してもよい。

ＬＢＳアプリケーションの一つの機能は、移動局ユーザに対して、移動局の位置を突き止める能力を提供し、移動局の近傍にどのような関心地点（ｐｏｉｎｔ ｏｆ ｉｎｔｅｒｅｓｔｓ）やサービスポイント（例えば、店舗、ＡＴＭ、レストラン、美術館等）があるかを判断し、移動局のロケーション及び特定のサービスステーションや関心地点のロケーションの知識に基づいて、ナビゲーション案内や地図を提供することである。

ＬＢＳアプリケーション３０３は、ポジションロケーションエンジン３０５にアクセスすることで移動局１０１の位置を突き止める。ポジションロケーションエンジン３０５は、移動局１０１のロケーションを決定することができる任意の機能であってよい。開示された方法及び装置の一実施形態において、ポジションロケーションエンジン３０５は、全地球測位（ＧＰＳ：ｇｌｏｂａｌ ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ ｓａｔｅｌｌｉｔｅ）システムのコンポーネントである。この例のポジションロケーションエンジン３０５は、移動局が（ＧＰＳ受信機ハードウェア２０２と共に）移動局１０１のロケーションを決定するためにＧＰＳ衛星から情報を受信することを可能にするＧＰＳ受信機機能を含む。

また、開示された方法及び装置の一実施形態では、ポジションロケーションエンジン３０５は補助情報（ａｉｄｉｎｇ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）を要求し、ＰＤＥ１０７から補助情報を受信する。例えば、一実施形態において、移動局は、どの衛星が「視野内（ｉｎ ｖｉｅｗ）」なのかに関する情報を要求する。ある衛星が視野内の場合、移動局１０１は当該衛星から情報を受信及び復調することができるべきである。

また、移動局１０１は、視野内の衛星のロケーションに関する情報、視野内の衛星から受信される情報を使用して移動局１０１のロケーションを算出するときに使用すべき修正率（ｃｏｒｒｅｃｔｉｏｎ ｆａｃｔｏｒｓ）についての情報、視野内の衛星から信号を受信するときに移動局１０１が直面し得るドップラーシフトの量に関する情報、及び他のそのような有用な情報を要求するかもしれない。この情報により、移動局１０１が衛星をより急速に検知及び「捕捉（ａｃｑｕｉｒｅ）」することが可能になる。衛星の捕捉とは、移動局１０１が衛星から送信された信号を受信し、移動局１０１が衛星から送信された信号上に変調された情報を解釈する準備として、受信した情報を移動局１０１内のローカルなタイミングに合わせる（ａｌｉｇｎｓ）処理を言う。ＰＤＥ１０７から補助情報を受信する処理に関する更なる論考を以下に与える。

図３はまた、ＴＣＰ／ＩＰラッパ（ｗｒａｐｐｅｒ）３０７を示す。ＴＣＰ／ＩＰラッパ３０７は、周知のＴＣＰ／ＩＰ通信プロトコルに従ってメッセージを送信及び受信するためのサポートを提供するプロトコル層である。従って、ＴＣＰ／ＩＰプロトコルに従って移動局１０１により送信されるべき情報は、ＴＣＰ／ＩＰラッパ３０７に提供される。ＴＣＰ／ＩＰラッパ３０７は次に、ＴＣＰ／ＩＰプロトコルの仕様に従って情報を適切にフォーマットし、情報が送信されるべき他の装置が移動局１０１から送信される情報を受信及び解釈できるようにする。

一旦、ＴＣＰ／ＩＰラッパ３０７が情報をフォーマットすると、フォーマットされた情報はＴＣＰ／ＩＰ層３０９に渡される。ＴＣＰ／ＩＰ層３０９は、ＴＣＰ／ＩＰプロトコル（すなわち、ＴＣＰ／ＩＰプロトコルに従って送信装置及び受信装置間で生じるハンドシェイク（ｈａｎｄｓｈａｋｅ）を構成するメッセージの要求／応答の順序付け）に従って情報を送信する。

図４は、移動局１０１内のＬＢＳアプリケーション３０３が適切に認可された場合に、開示された方法及び装置を実施するシステム１００の多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。図４の上部に渡って示されるブロックは、これらのコンポーネントの各々を表す。これらのコンポーネントは、ＬＢＳアプリケーション３０３、ポジションロケーションエンジン３０５、ＰＤＥ１０７、及びＭＰＣ１０５を含む。各コンポーネント３０３、３０５、１０７、１０５から垂直に下りているライン４０１ａ、４０１ｂ、４０１ｃ、４０１ｄは、時間の経過を表す。各コンポーネント３０３、３０５、１０７、１０５に最も近いラインのポイントは、最新の時点を表す。

最初に、ＬＢＳアプリケーション３０３は、ポジションロケーションエンジン３０５を呼び出す（ｉｎｖｏｋｅ）。ＬＢＳアプリケーション３０３からポジションロケーションエンジン３０５へ流れる矢４０３が、このステップを表す。一つの特定の実施形態では、ポジションロケーションエンジン３０５は、ｇｐｓＯｎｅ（登録商標）アプリケーションプログラムインタフェース（ＡＰＩ）である。ここに開示された方法及び装置の実施形態の中には、ＬＢＳアプリケーションが作動しようとしていることが、移動局のユーザに通知されてもよいものがあることに注意すべきである。そのような実施形態の中には、ＬＢＳアプリケーションにより実行されるべき機能を実行したいとユーザが望むことを、ユーザに確認するように要求するものがある。そのような通知及び確認が実行される場合、それはＬＢＳアプリケーションがｇｐｓＯｎｅ（登録商標）ＡＰＩを呼び出す前に実行されることが望ましい。

ポジションロケーションエンジン３０５の呼び出しに応答して、ポジションロケーションエンジン３０５は、所定の移動局／ＭＰＣ（ＭＳ−ＭＰＣ）プロトコルを使用して、ポジショニングの要求をＭＰＣ１０５に送信する。ＭＳ−ＭＰＣプロトコルに従って、移動局１０１は、ＴＣＰ／ＩＰセッションをＭＰＣ１０５と開始する。図４に示される矢４０５が、移動局１０１とＭＰＣ１０５との間の通信を表す。移動局１０１からＭＰＣ１０５へのＴＣＰ／ＩＰセッションは、オペレータによって特定されるべきポート番号とバーチャルＩＰアドレスに対して確立される。一旦ＴＣＰ／ＩＰセッションが確立されると、移動局（ＭＳ）は「ポジショニング処理開始要求（ＳｔａｒｔＰｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇＰｒｏｃｅｓｓＲｅｑｕｅｓｔ）」メッセージをＭＰＣ１０５に送信するであろう。このメッセージは多くのパラメータを含むことがある。

ここに開示された方法及び装置の一実施形態において、これらのパラメータは、コンテンツプロバイダのユニバーサルリソースロケータ（ＵＲＬ）を含む。コンテンツプロバイダは、一般的にワイヤレスネットワーク１０３の外側に存在するであろうエンティティ（ｅｎｔｉｔｙ）である。コンテンツプロバイダは、移動局１０１内で作動しようとしている特定のＬＢＳアプリケーション３０３によって必要とされる情報を提供する。例えば、アプリケーションが最寄りのレストランを見つけようとしていたならば、コンテンツプロバイダは、レストランとそのロケーションに関する情報のデータベースであろう。コンテンツプロバイダは、与えられたＵＲＬから導き出すことのできるインターネットプロトコル（ＩＰ）アドレスを使用してアクセス可能である。

ここに開示された方法及び装置の一実施形態において、ＭＰＣ１０５に送信される「ポジショニング処理開始要求」メッセージのパラメータは、アプリケーションインジケータをも含んでいる。アプリケーションインジケータは、どの特定のＬＢＳアプリケーション３０３が作動しようとしているのかを識別する。別のパラメータは、ＬＢＳアプリケーション３０３を移動局１０１上で作動させることにユーザが同意したのか否かを表す。また別のパラメータは、移動局識別値（ＭＳ＿ＩＤ）である。ＭＳ＿ＩＤは、どの移動局１０１でＬＢＳアプリケーション３０３が作動しようとしているのかを表す。

さらに別のパラメータは、移動局のポジショニング能力（ＭＳ ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ ｃａｐａｂｉｌｉｔｙ）を表す。移動局１０１は、ポジションロケーション情報を処理したり、取り扱ったりするその能力の点で異なり得るので、このパラメータは移動局１０１の能力を表す。例えば、特定の移動局１０１は、セルラ電話ネットワーク内のどのセル（すなわち、基地局）又はセルのセクタと移動局１０１が現在通信中なのかに関連する知識に基づいた位置計算を実行することのみできるかもしれない。他の移動局は、基地局１０３が移動局のロケーションを算出するのを支援することのみ可能であるかもしれない。そのような移動局は一般に、移動局支援ハイブリッドモード（ＭＳ−ａｓｓｉｓｔｅｄ ｈｙｂｒｉｄ ｍｏｄｅ）のみで作動すると言及される。他の移動局は、基地局が移動局のロケーションを算出するのを支援すること、又は、移動局それ自身内で移動局のロケーションを算出することが可能であってもよい。そのような移動局は一般に、移動局支援ハイブリッド及び移動局ベースＧＰＳ（ＭＳ−ｂａｓｅｄ ＧＰＳ）の双方の動作モードを有するものとして言及される。さらにまた、移動局には、ポジションロケーション能力を全く有さないものもあり得る。

パラメータの別の例には、セル／セクタ情報がある。セル／セクタ情報により、ＭＰＣは、ＧＰＳポジショニングではなくセル／セクタポジショニングを実行すること、又は、セル／セクタポジショニングをＧＰＳポジショニングと組み合わせて実行することを選ぶのが可能になる。本明細書に開示された方法及び装置に関連しない他のいくつかのパラメータも、ポジショニング処理開始要求メッセージ中に提供される。

ポジショニング処理開始要求メッセージ４０５の受信に応答して、ＭＰＣは、要求されているロケーションアプリケーションにこの特定のユーザがアクセスできることを保証するために認証ステップを実行する。また、ＭＰＣは、ポジションロケーションエンジン３０５が移動局１０１の位置を決定する必要があるかどうかを調べる。つまり、移動局１０１のロケーションを再計算せざるを得ないのではなく、移動局１０１のためにキャッシュされた位置（すなわち、以前に算出され、格納され、なお有効である）が使用され得る場合（ｉｎｓｔａｎｃｅｓ）がある。別の場合では、移動局１０１は、移動局１０１が通信しているセルラ通信ネットワーク内の特定のセル／セクタのロケーションの知識のみを使用しているＬＢＳアプリケーション３０３のために、充分な正確さで位置を突き止められてもよい。

ポジションロケーションの計算が、移動局１０１内のポジションロケーションエンジン３０５によりなされる必要があると決定されると、ＭＰＣ１０５は、ポジションロケーションエンジン３０５に応答する。ＭＰＣ１０５からの応答は、移動局１０１内のＬＢＳアプリケーション３０３が移動局１０１のロケーションを計算する適切な権限を有しているとＭＰＣが判断するかどうかに依存する。ＭＰＣ１０５は、ＬＢＳアプリケーション３０３が作動するのに適切な権限を有しているか、有していないかを判断する。ＬＢＳアプリケーションが移動局１０１のロケーションを計算する権限をユーザが拒否したか、ＬＢＳアプリケーション３０３に関する情報がＬＢＳアプリケーションを作動させるには不充分だとＭＰＣ１０５が判断すると、ＭＰＣ１０５はＬＢＳアプリケーションが作動する権限を有していないと判断することができる。これは、ＬＢＳアプリケーションをＬＢＳサービスにアクセスさせるのに必要な料金をユーザが支払っていない、又は、ユーザに関する情報が不完全という理由があり得る。ＬＢＳアプリケーションに作動する権限がある場合、「ポジショニング処理開始応答（ＳｔａｒｔＰｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇＰｒｏｃｅｓｓＲｅｓｐｏｎｓｅ）」メッセージ４０７がＭＰＣ１０５から移動局１０１へ送信される。以下により詳細に記載されるように、ポジショニング処理開始応答メッセージ４０７の内容に応じて、ポジションロケーションエンジン３０５はＧＰＳ「セッション」を実行するか否かを指示される。図５は、ＬＢＳアプリケーション３０３は作動することが認証されていないとＭＰＣが判断する場合のメッセージシーケンスを説明するものである。そのシーケンスの詳細は、直下に続く本文でＬＢＳアプリケーションが作動することを認証される完全なシーケンスを説明するために、更に後まで保留する。

ＧＳＰセッションは、１）移動局１０１のロケーションを計算するのに必要な衛星の捕捉、２）衛星ナビゲーショナルメッセージ（ｓａｔｅｌｌｉｔｅ ｎａｖｉｇａｔｉｏｎａｌ ｍｅｓｓａｇｅ）の復調、及び、３）移動局１０１に利用可能なＧＰＳ情報に基づいた移動局のロケーションの計算、を含む。

ここに開示された方法及び装置の一実施形態によれば、ポジショニング処理開始応答メッセージは、以下の情報を含む：
１）ポジショニング処理開始応答メッセージを定式化するのに使用される仕様の規格を表すバージョン番号；
２）ポジショニング処理開始応答メッセージの長さ；
３）移動局の位置を計算するのに使用されるべき方法を表すポジショニングステータスメッセージ。ここに開示された方法及び装置の一実施形態によれば、このメッセージ内で使用されるパラメータは：ａ）ポジションロケーションエンジンがＧＰＳを使用するかどうか、ｂ）キャッシュされた位置、ｃ）セル／セクタ情報、ｄ）ＬＢＳアプリケーションが移動局１０１のロケーションを計算するのを許可する要求をユーザが拒否したかどうか、又は、ｅ）その要求が認証されていないかどうか、を表す；
４）ＧＰＳが移動局１０１のロケーションの計算に使用されると仮定して、ＰＤＥ ＩＰアドレス；
５）ＰＤＥ１０７から遠隔の他のコンポーネントとＰＤＥ１０７が通信するのを支援するために、ＰＤＥ１０７と協力して作動するセンサインタフェースアプリケーション（ＳＩＡ：ｓｅｎｓｏｒ ｉｎｔｅｒｆａｃｅ ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ）（図示せず）によって使用されるＰＤＥポート番号；
６）移動局１０１の位置の推定値がポジショニング処理開始応答メッセージに含まれているかどうかを表す値；
７）移動局１０１のロケーションの推定値に関連付けられたＧＰＳ時間を表すタイムスタンプ；
８）米国電気通信工業会／米国電子工業会（ＴＩＡ／ＥＩＡ）標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供（Ｐｒｏｖｉｄｅ Ｌｏｃａｔｉｏｎ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ Ｍｅｓｓａｇｅ）」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供される移動局１０１の位置の緯度推定値；
９）ＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供される経度推定値；
１０）ＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供されるロケーション不確定推定値（ｌｏｃａｔｉｏｎ ｕｎｃｅｒｔａｉｎｔｙ ｅｓｔｉｍａｔｅ）；
１１）ＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供される速度推定値；
１２）ＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供されるヘディング推定値（ｈｅａｄｉｎｇ ｅｓｔｉｍａｔｅ）；
１３）ＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１−１によって、当該標準の「ロケーション応答メッセージの提供」と題されるセクションにおいて示されるフォーマットで提供される高さ推定値。

ＬＢＳアプリケーションが認証されていると判断すると、ＭＰＣ１０５は、ポジショニング処理開始応答メッセージ４０７を移動局１０１に提供するのに加えて、「ＧＰＯＳＲＥＱ」メッセージ４０９をＰＤＥ１０７に提供する。ＰＤＥ１０７に対するＧＰＯＳＲＥＱメッセージ４０９は、移動局１０１のロケーションを決定する際にＰＤＥ１０７がポジションロケーションエンジン３０５と共に機能するのを支援する情報をＰＤＥ１０７に供給する（ｓｅｅｄ）。特に、ＧＰＯＳＲＥＱメッセージ４０９は、移動局１０１が通信中の基地局１０４のロケーションに関する情報をＰＤＥ１０７に提供する。この情報により、ＰＤＥ１０７は、移動局１０１のロケーションを数マイルかそれよりも小さい範囲で決定することが可能になる。その結果、ＰＤＥ１０７は、移動局１０１内のポジションロケーションエンジン３０５に、どの衛星が視野内なのかをより容易に決定、及び、それらの衛星をはるかに速く捕捉することを支援する補助情報を最も効率的に提供することができる。

ポジションロケーションエンジン３０５は、ポジショニング処理開始要求メッセージ４０５の送信に加えて、モバイル起点の（ＭＯ：ｍｏｂｉｌｅ ｏｒｉｇｉｎａｔｅｄ）ポジションロケーションセッション４１１をＴＩＡ／ＥＩＡ標準ＩＳ−８０１に提示されたプロトコルに従って実行しようと試みるであろう。しかし、ＰＤＥ１０７がＧＰＯＳＲＥＱメッセージ４０９を受信しない限り、ＰＤＥ１０７は移動局１０１内のポジションロケーションエンジン３０５からの情報の要求に対して応答しないであろう。これについては、図５の論考において以下でより詳細に論じる。ＭＯ ＩＳ−８０１セッションは、ＰＤＥ１０７からポジションロケーションエンジン３０５へのメッセージ、及び、ポジションロケーションエンジン３０５からＰＤＥ１０７へのメッセージの双方を含む。ＭＯ ＩＳ−８０１セッションの終わりには、当該セッションが正常に完了したと仮定して、ＰＤＥ１０７は正常な完了を知らせるためにメッセージ４１３をＭＰＣ１０５に提供する。最後に、移動局１０１内のポジションロケーションエンジン３０５は、メッセージ４１５をＬＢＳアプリケーション３０３に送信するが、そこで移動局１０１のロケーションが提供される。

図５は、移動局１０１内のアプリケーションが適切に認証されない場合に、ＬＢＳアプリケーション３０３、ポジションロケーションエンジン３０５、ＰＤＥ１０７、及びＭＰＣ１０５の間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。図５に示される処理は、図４に示される処理と同様に開始する。つまり、図５において矢４０３で示されるように、ＬＢＳアプリケーション３０３は最初にポジションロケーションエンジン３０５を呼び出す。ポジションロケーションエンジン３０５は次に、ポジショニング処理開始要求メッセージ４０５を生成し、当該メッセージ４０５をＭＰＣ１０５に伝達する。しかし、図５に示される場合において、ＭＰＣ１０５は、ＰＤＥ１０７のポジションロケーションサービスへのアクセスを獲得しようとするＬＢＳアプリケーションの試みを拒否する。従って、ＭＰＣ１０５は、ＰＤＥ１０７へのアクセスが拒否されたことを表すポジショニング処理開始要求メッセージ５０１を、移動局１０１内のポジションロケーションエンジン３０５に返す。ポジションロケーションエンジン３０５は、ＬＢＳアプリケーションの要求に従って移動局１０１のロケーションを決定する充分な情報を有していないので、ポジションロケーションエンジン３０５は、ＰＤＥ１０７のサービスへのアクセスに対する拒否を表すメッセージ５０３をＬＢＳアプリケーション３０３に返す。その時点で、処理は終了し、移動局１０１のロケーションに関する情報を移動局１０１が受信するのを失敗したことに起因して、ＬＢＳアプリケーション３０３は作動を実際上（ｅｆｆｅｃｔｉｖｅｌｙ）停止する。別の実施形態では、ＬＢＳアプリケーション３０３は作動を継続し得るが、ＰＤＥ１０７により提供されるポジションロケーションサービスを使用することは不可能であろう。

図６は、移動局内のアプリケーションが適切に認証される場合に、開示された方法及び装置の別の実施形態のコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。図６に示される実施形態によれば、ポジションロケーションエンジン３０５とＰＤＥ１０７との間のインタフェースを取るのに、センサインタフェースアプリケーション（ＳＩＡ）６０１が利用される。ＳＩＡ６０１は単に、ＭＯ ＩＳ−８０１セッション６０３、６０５の期間に、ポジションロケーションエンジン３０５とＰＤＥ１０７との間の通信を中継（ｔｒａｎｓｌａｔｅ）するために存在しているに過ぎない。しかし、図４に関して上述した他の機能は全て同一である。また、ＭＯ ＩＳ−８０１セッションを実行する認証が無いので、ＳＩＡ６０１の使用は、図５に示されるメッセージのシーケンスを変更しないであろう。当業者であれば、いくつかの他の中継装置（ｉｎｔｅｒｍｅｄｉａｒｙ ｄｅｖｉｃｅｓ）を、ここに開示された方法及び装置の本質及び効果を変更することなく、本明細書に記載されたコンポーネント間に設置してもよいことを理解するであろう。

上記方法及び装置の説明は、いかなる当業者も本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義される発明を構成又は使用することを可能にすべく提供されている。これらの方法及び装置に対する多様な変形は、当業者には容易にはっきりと理解できるであろう。しかし、本明細書に定義される一般的な原理は、特許請求の範囲に記載された発明の精神又は範囲から逸脱することなく、方法及び装置の他の実施形態に適用し得る。従って、特許請求の範囲に記載された発明は、本明細書に示される方法や装置の実施形態に限定されることを意図されたものではなく、むしろ本明細書に開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広範な範囲と一致すべきものである。

開示された方法及び装置による、移動局、無線通信ネットワーク、モバイルポジショニングセンタ、及び位置決定装置の簡易化したブロック図である。 開示された方法及び装置による、移動局の構成要素の簡易化したブロック図である。 開示された方法及び装置の一実施形態の中で使用されるプロトコルスタックの例の概略図である。 移動局内のアプリケーションが適切に認可される場合の、開示された方法及び装置を実施するシステムの多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。 移動局内のアプリケーションが適切に認可されない場合の、実施するシステムの多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。 移動局内のアプリケーションが適切に認可される場合の、開示された方法及び装置の別の実施形態を実施するシステムの多様なコンポーネント間で渡されるメッセージのシーケンスを示す概略図である。

Claims (7)

1. 移動局上で作動されるアプリケーションを認証する方法であって、
   ａ．前記移動局上でアプリケーションを作動させようと試みることと、
   ｂ．前記アプリケーションの認証を要求することと、
   ｃ．モバイルポジショニングセンタ（ＭＰＣ）に前記アプリケーションの前記認証の要求を実現させるために、ＭＰＣと直接通信することと、
   ｄ．前記アプリケーションが認証される場合、前記アプリケーションが認証されることに応答して前記アプリケーションを作動させ続けるのに必要な情報を前記移動局内で受信することと、
   ｅ．前記アプリケーションが認証されない場合、前記アプリケーションが認証されないことに応答して前記アプリケーションを作動させるのに必要な少なくとも一部の情報を受信できないこと、を具備する。
2. ａ．前記アプリケーションが認証されていない場合、認証が失敗したことを表す応答メッセージを受信することと、
   ｂ．前記応答メッセージの受信に応答して、前記アプリケーションを停止させること、
   を更に具備する請求項１に記載の方法。
3. 前記移動局上で作動させようと試みられる前記アプリケーションは、要求された情報を全て受信するために前記ＭＰＣからの認証を要求する、請求項１に記載の方法。
4. 前記移動局上で作動させられるべき前記アプリケーションの前記認証は、電話通信を認証する目的で前記移動局から要求されるべき他の認証動作とは独立している、請求項１に記載の方法。
5. 作動させられるべき前記アプリケーションの前記認証は更に、他のアプリケーションを認証するために要求されるべき他の認証動作とは独立している、請求項４に記載の方法。
6. 前記ＭＰＣによる前記アプリケーションの前記認証は、前記移動局が他のコンポーネントと通信することを可能にする、請求項３に記載の方法。
7. 前記他のコンポーネントは、位置決定エンティティを含む、請求項６に記載の方法。

Images