JP2006516669A - ニトロキシド媒介重合のための開環アズラクトン開始剤 - Google Patents

ニトロキシド媒介重合のための開環アズラクトン開始剤 Download PDF

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Abstract

ニトロキシド媒介ラジカル重合のための開始剤が記載されている。開始剤はテレケリック(コ)ポリマーを提供するためにアズラクトン部分または開環アズラクトン部分を有する。

Description

本発明はニトロキシド媒介ラジカル重合(NMP)プロセスのための開始剤を提供する。
従来のラジカル重合プロセスにおいて、重合性中間体がなくなるか、または不活性にされる時に重合は終わる。ラジカルの発生は本質的に不可逆である。従来のラジカル重合によって生成したポリマーの分子量および多分散性(分子量分布)を制御して、非常に均一で明確に規定される生成物を達成することはしばしば難しい。末端官能性ポリマー、ブロックコポリマー、スター(コ)ポリマーおよび他の新規トポロジーの調製のような特殊用途において必要な信頼度でラジカル重合プロセスを制御することもしばしば難しい。
制御されたラジカル重合プロセスにおいて、ラジカルは可逆的に発生し、不可逆的な連鎖移動および連鎖停止は存在しない。原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的な付加切断連鎖移動(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)およびイニファータのような4種の主要な制御されたラジカル重合法があり、各方法は利点および欠点を有する。
ニトロキシド媒介ラジカル重合(NMP)は、単純で用途が広く効率的な制御されたラジカル重合プロセスと表現されてきた。例えば、C.J.ホーカー(C.J.Hawker)ら著「ニトロキシド媒介リビングラジカル重合による新規ポリマー合成(New Polymer Synthesis by Nitroxide Mediated Living Radical Polymerizations)」,Chemical Reviews,2001,頁3661−3688を参照されたい。NMPプロセスは、モノマーの存在下でポリマーラジカルを生成させるために、開始剤としてアルコキシアミンを用いる。
予測可能な分子量および狭い分子量分布(低い「多分散性」)を有するテレケリック(コ)ポリマーを提供するラジカル重合プロセスが必要とされている。多様な生成物を提供するのに十分に融通がきくが、制御された構造(すなわち、制御されたトポロジー、組成など)を非常に均一な生成物に提供するのに必要な程度に制御できるラジカル重合プロセスが更に必要とされている。反応性末端基、特に求電子性末端基を通して更なる重合または官能化を始めることができるテレケリック(コ)ポリマーを提供する制御されたラジカル重合プロセスが更に必要とされている。
一態様において、本発明は、式I
Figure 2006516669
(式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル(arenyl)基、アリール基、シアノ基、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
3およびR4は独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
各nは0または1であり、
qは0または1であり、
mは0〜20である)
の化合物を含むニトロキシド媒介ラジカル重合プロセスのための開始剤を提供する。
本発明は、式Iの開始剤の開環反応生成物および1個以上の求核性基を有する脂肪族化合物などの反応性化合物を含む開始剤も提供する。こうした開始剤は一般式II
Figure 2006516669
(式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリル、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
3およびR4はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−、−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
各nは0または1であり、
qは0または1であり、
mは0〜20であり、
ZはO、SまたはNR6であり、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
5は有機部分または無機部分であり、pの原子価を有し、R5は式R5(ZH)pの一官能性化合物またはポリ官能性化合物の残基である)
を有する。
本発明の開始剤は、予測可能な分子量および狭い分子量分布を有する(コ)ポリマーを提供する。有利なことには、開始剤は、第1の末端反応性基および更なる官能化のために用いてもよい第2の末端反応性基を有する新規多反応性付加ポリマーを提供する。本発明は、末端官能化(テレケリック)(コ)ポリマー、ブロックコポリマー、スター(コ)ポリマー、グラフトコポリマーおよび櫛型コポリマーの調製において有用な制御されたラジカル重合プロセスを更に提供する。本プロセスは、これらの(コ)ポリマーに制御されたトポロジーおよび組成を提供する。
本発明において得られる分子量および官能基に対する制御によって、塗料、表面改質、エラストマー、シーラント、潤滑剤、顔料、パーソナルケア組成物、複合材、インキ、接着剤、水処理材料、ヒドロゲル、画像形成材料およびテレケリック材料などの用途のために多くの新規トポロジーを有する多くの材料を合成することが可能になる。
もう一つの態様において、本発明は、1種以上のオレフィン系不飽和モノマーを重合する方法であって、式Iのアズラクトン開始剤または式IIの開環アズラクトン開始剤を用いて1種以上のオレフィン系不飽和モノマーを付加重合することを含む方法を提供する。
エンドポイントによる数値範囲の列挙が当該範囲に包含されるすべての数および端数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)を含むことは理解されるべきである。
すべての数およびその端数が「約」という用語によって修飾されるとみなされることが理解されるべきである。
本明細書において用いられる「単数形(a)」が単数と複数の両方を包含することが理解されるべきである。
本明細書において用いられる一般的な定義は本発明の範囲内で以下の意味を有する。
「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、s−ペンチルおよびシクロヘキシルなどの直鎖または分枝、環式または非環式の炭化水素基を意味する。アルキル基は、例えば1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子または最も好ましくは1〜6個の炭素原子を含む。
「アリール」という用語は、6〜12個の炭素原子を有する1個の環または2個の縮合環からなることが可能である芳香族化合物からの1個の水素原子の除去後に残る1価残基を意味する。
「アレーニル」という用語は、6〜26個の原子を有するアルキル基とアリール基の両方を含む炭化水素のアルキル部分からの水素原子の除去後に残る1価残基を意味する。
「アズラクトン」という用語は、式Iの2−オキサゾリン−5−オン基および2−オキサゾリン−6−オン基(nはそれぞれ0および1である)を意味する。
「複素環式基」または「複素環」という用語は、5〜12個の環原子およびS、Nおよび非ペルオキシ酸素から選択された1〜3個のヘテロ原子を有する1個の環または2個の縮合環を有する脂環式化合物または芳香族化合物からの1個の水素原子の除去後に残る1価残基を意味する。有用なヘテロ環には、アズラクトニル、ピロリル、フラン、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、それらの水素添加誘導体および部分水素添加誘導体が挙げられる。
「多官能性(multifunctional)」という用語は1個を上回る同じ官能性反応性基の存在を意味する。
「多反応性(multireactive)」という用語は2種の異なる官能性反応性基の2個以上の存在を意味する。
「ポリ官能性(polyfunctional)」という用語は多反応性および多官能性を含む。
「分子量」という用語は、特に明記がないかぎり数平均分子量(Mn)を意味する。
「(コ)ポリマー」という用語はホモポリマーおよびコポリマーを意味する。
「(メタ)アクリレート」という用語はメタクリレートとアクリレートの両方を意味する。
本発明は、制御されたラジカル重合プロセスのための式I
Figure 2006516669
の新規開始剤および式II
Figure 2006516669
の対応する開環した開始剤を提供する。
式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリル、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
3およびR4はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−、−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
各nは0または1であり、
qは0または1であり、
mは0〜20であり、
ZはO、SまたはNR6であり、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
5は有機部分または無機部分であり、pの原子価を有し、R5は式R5(ZH)pの一官能性化合物またはポリ官能性化合物の残基である。
有機ニトロキシド部分−ON(R22は、熱エネルギーに曝されるとC−O結合でホモリシスにより開裂してラジカルを形成する一切のヒンダード有機ニトロキシドの残基を含んでもよい。ヒンダード有機ニトロキシド部分は一般式
Figure 2006516669
(式中、
7はアルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基、アリール基であり、
8およびR9は独立してH、またはアルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基、アリール基であり、
7およびR8またはR8およびR9は合一して環状炭素構造を形成してもよく、
7、R8またはR9の各々は、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、チオ基、セレノ基およびそれらの組み合わせによって置換されてもよい)
の部分である。米国特許第6,472,486号明細書を参照することが可能である。この特許は本明細書に引用して援用する。
有用な有機ニトロキシドには、
Figure 2006516669
が挙げられる。
式Iの開始剤は、図示したような一般化スキームを用いて調製してもよく、ここで、「Az」は、式Iの側鎖アズラクトン部分を意味し、構造の詳細は分かりやすくするために省いている。
Figure 2006516669
スキームIにおいて、ビニルアズラクトンは最初にラジカル開始剤で処理されて、図示した過渡的なアズラクトンラジカルを形成する。このラジカルは式ON(R22(前述したもの)の有機ニトロキシドによって捕捉されうるか、または追加のビニルアズラクトンでオリゴマー化して、複数の側鎖アズラクトン基を有するオリゴマーラジカルを生成させうる。その後、このオリゴマーラジカルは有機ニトロキシドによって捕捉されて、式Iのオリゴマー開始剤を形成しうる。ここで、(式Iに関して)Xはラジカル開始剤の残基であり、mは1〜20であり、Xに隣接する(CH2qに関するqは1である。オリゴマー化度は、オレフィン結合の置換に応じて異なる。式Iに関して、R1がHである化合物は容易にオレフィン化する。しかし、R1がアルキル基である場合、化合物は、より容易にオリゴマー化しない。従来のあらゆるオリゴマー化プロセスのように、生成物は一定範囲の分子量およびオリゴマー化度を含む。従って、数値mは、生成物の平均オリゴマー化度を反映して非整数値であってもよい。
初期アズラクトンラジカルを発生させるために光開始剤または熱開始剤を含む従来のあらゆるラジカル開始剤を用いてもよい。オリゴマー化度は、開始剤の量、温度および濃度によって制御することが可能である。一実施形態において、開始剤は光開始剤であり、例えば、約250nm〜約450nm、より好ましくは約351nmの波長でUV線によって活性化することが可能である。有用な光開始剤には、例えば、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、置換ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノンならびに置換アルファ−ケトールが挙げられる。市販されている光開始剤の例には、「イルガキュア(Irgacure)」(登録商標)819および「ダロキュア(Darocur)」(登録商標)1173(両方ともニューヨーク州ホーソンのチバ・ガイギー(Ciba−Geigy Corp.(Hawthorne,NY))から入手できる)、「ルサン(Lucern)」TPO(登録商標)(ニュージャージー州パーシパニーのバスフ(BASF(Parsippany,NJ)から入手できる)およびチバ・ガイギー(Ciba−Geigy Corporation)から入手できる「イルガキュア(Irgacure)」(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−1−エタノン)が挙げられる。
適する熱開始剤の例には、過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウリル、過酸化シクロヘキサン、過酸化メチルエチルケトン、ヒドロペルオキシド、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシドおよびクメンヒドロペルオキシドなどの過酸化物、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、2,2−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)およびt−ブチルパーベンゾエートが挙げられる。市販されている熱開始剤の例には、「バゾ(VAZO)」(登録商標)64(2,2’−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)および「バゾ(VAZO)」(登録商標)52を含む商品名「バゾ(VAZO)」でデュポン・スペシャルティ・ケミカル(DuPont Specialty Chemical)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE))から入手できる開始剤およびペンシルバニア州フィラデルフィアのエルフ・アトケム・ノースアメリカ(Elf Atochem North America(Philadelphia,PA))製の「ルシドール(Lucidol)」(登録商標)70が挙げられる。
開始剤は、ビニルアズラクトンのオリゴマー化を促進するために有効な量で用いられ、その量は、例えば開始剤のタイプ、およびビニルアズラクトンの分子量に応じて異なる。開始剤は、ビニルアズラクトン100部を基準にして約0.001重量部〜約1重量部の量で用いることが可能である。
スキームIIにおいて、ハロゲン置換アズラクトンはジチオカルバメート塩で処理してハロゲン化物(Hal)を置換して、描いたジチオカルバメート−置換アズラクトンを形成する。これは、有機ニトロキシドの存在下で光エネルギーで処理して、過渡的なアズラクトンラジカルを発生させ、そのラジカルは有機ニトロキシドによって捕捉されて、モノマー開始剤を生成させる。ここで、式Iに関して、qは0であり、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリルまたはアシル基である。アズラクトンの調製に関する更なる詳細は、「ポリアズラクトン(Polyazlactones)」,「ポリマー科学および工学エンサイクロペディア(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」,11巻、第2版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons),頁558〜571(1988)において見ることができる。あるいは、描かれたハロゲン化物化合物は、指示された有機ニトロキシドにATRP法によって転化してもよい。
有用なアズラクトン開始剤には、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006516669
式IIの開環アズラクトン化合物は、以下で示すように式Iのアズラクトンカルボニルへの式R5(ZH)pの化合物の求核性付加によって製造してもよい。以下のスキームIIIにおいて、R5は、式Iのアズラクトン部分と反応できる1個または複数個の求核性−ZH基を有する原子価pの無機基または有機基である。R5(ZH)pは水であってもよい。R1、R3〜R5、ON(R22、X、Q、Z、n、qおよびpは式IおよびIIで定義された通りである。簡略化のために、オリゴマー開始剤の反復単位を示していない。
Figure 2006516669
有機である場合、R5はpの原子価を有するとともに求核性基−置換化合物の残基R5(ZH)p(式中、Zは−O−、−S−または−NR6であり、ここで、R6はH、アルキル、シクロアルキルまたはアリール、複素環式基、アレーニルであることが可能であり、pは少なくとも1、好ましくは少なくとも2である)である高分子または非高分子の有機基であってもよい。有機部分R5は、1価または多価のヒドロカルビル主鎖(すなわち、1〜30個の炭素原子および任意に酸素、窒素または硫黄の0〜4個のカテナリーヘテロ原子を有する脂肪族化合物およびアリール化合物)、ポリオレフィン主鎖、ポリオキシアルキレン主鎖、ポリエステル主鎖、ポリオレフィン主鎖、ポリアクリレート主鎖またはポリシロキサン主鎖から好ましくは選択されて、20,000までの分子量を有する。無機である場合、R5は表面上に1個または複数個の−ZH基を有するシリカ、アルミナまたはガラスなどの金属酸化物または非金属酸化物を含んでもよい。
一実施形態において、R5は、1〜30個の炭素原子を有する非高分子の脂肪族、脂環式、芳香族またはアルキル−置換芳香族部分を含む。もう一つの実施形態において、R5は、側鎖または末端の反応性−ZH基を有するポリオキシアルキレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレートまたはポリシロキサンポリマーを含む。有用なポリマーには、例えば、ヒドロキシル、チオールまたはアミノ末端ポリエチレンあるいはポリプロピレン、ヒドロキシル、チオールまたはアミノ末端ポリ(アルキレンオキシド)およびヒドロキシエチルアクリレートポリマーおよびコポリマーなどの側鎖反応性官能基を有するポリアクリレートが挙げられる。
5(ZH)pの官能基の性質に応じて、縮合反応を行うために触媒を添加してもよい。通常、第一アミン基は、式Iのアズラクトン基による縮合の有効な速度を達成するために触媒を必要としない。トリフルオロ酢酸、エタンスルホン酸およびトルエンスルホン酸などの酸触媒は、ヒドロキシル基および第二アミンと合わせて有効な触媒である。
化合物R5(ZH)pに関して、pは少なくとも1であるが、好ましくはpは少なくとも2である。ポリ官能性化合物の多−ZH基は同じかまたは異なってもよい。多官能性化合物は式Iのアズラクトン化合物と反応して式II(式中、pは少なくとも2である)のポリ官能性開始剤を生成させてもよい。こうしたポリ官能性開始剤は、グラフト(コ)ポリマーおよびスター(コ)ポリマーならびに他の有用なトポロジーの調製を可能にする。
式R5(ZH)pの有用なアルコールには、脂肪族および芳香族のモノアルコールおよびポリオールが挙げられる。有用なモノアルコールには、メタノール、エタノール、オクタノール、デカノールおよびフェノールが挙げられる。本発明において有用なポリオールには、1〜30個の炭素原子、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する脂肪族または芳香族のポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,2−オキシジエタノール、ヘキサンジオール、ポリ(ペンチレンアジペートグリコール)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(カプロラクトンジオール)、ポリ(1,2−ブチレンオキシドグリコール)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールアミノメタン、エチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールおよびトリペンタエリトリトールが挙げられる。「ポリオール」という用語は、ポリオールとジイソシアネートまたはポリイソシアネートの反応生成物(ポリオール対−NCOのモル比は1:1)あるいはポリオールとジカルボン酸またはポリカルボン酸の反応生成物(ポリオール対−COOHのモル比は1:1)などの上述したポリオールの誘導体も含む。
式R5(ZH)mの有用なアミンには、脂肪族および芳香族のモノアミンおよびポリアミンが挙げられる。いかなる第一アミンまたは第二アミンも用いてよい。但し、第一アミンは第二アミンより好ましい。有用なモノアミンには、例えば、メチル−エチル−、プロピル−、ヘキシル−、オクチル−、ドデシル−、ジメチル−、およびアニリンが挙げられる。「ジアミンまたはポリアミン」という用語は、少なくとも2個の非第三アミン基を含む有機化合物を意味する。脂肪族、芳香族、脂環式およびオリゴマーのジアミンおよびポリアミンはすべて本発明の実施化において有用と考えられる。4,4’−メチレンジアニリン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンおよびポリオキシエチレンジアミンは有用なジアミンまたはポリアミンのクラスを代表する。今挙げたものなどの多くのジアミンおよびポリアミンは市販されており、例えば、テキサス州ヒューストンのハンツマン・ケミカル(Huntsman Chemical(Houston,TX))から入手できるものである。好ましいジアミンまたはポリアミンには、脂肪族ジアミンあるいは脂肪族ジアミンまたはポリアミン、より詳しくは、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびドデカンジアミンなどの2個の第一アミノ基を有する化合物が挙げられる。
式R5(ZH)mの有用なチオールには、脂肪族および芳香族のモノチオールおよびポリチオールが挙げられる。有用なアルキルチオールには、メチルチオール、エチルチオールおよびブチルチオール、ならびに2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−メルカプトブタノール、メルカプトウンデカノール、2−メルカプトエチルアミン、2,3−ジメルカプトプロパノール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−クロロエタンチオール、2−アミノ−3−メルカプトプロピオン酸、ドデシルメルカプタン、チオフェノール、2−メルカプトエチルエーテルおよびペンタエリトリトールテトラチオグリコレートが挙げられる。有用な可溶性高分子量チオールには、ポリエチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、モートン・チオコール(Morton Thiokol Inc.(ニュージャージー州トレントン(Trenton,NJ))によって供給されるLP−3(登録商標)樹脂、プロダクツ・リサーチ・アンド・ケミカル(Products Research & Chemical Corp.)(カリフォルニア州グレンデール(Glendale,CA))によって供給される「パーマポル(Permapol)」P3(登録商標)樹脂および2−メルカプトエチルアミンとカプロラクタムの付加体などの化合物が挙げられる。
本発明は、式Iのアズラクトン開始剤が式R5(ZH)p(式中、pは少なくとも2である)の多反応性化合物または多官能性化合物によって開環されているスキームIIIで示されたような多官能性開始剤を提供する。こうした多官能性開始剤は、分枝(コ)ポリマー、スター(コ)ポリマーおよびグラフト(コ)ポリマーならびに他のトポロジーを製造するために用いてもよい。最初に式Iの開始剤を用いてモノマーを重合して少なくとも一端でアズラクトン基を有するポリマーを生成させ、そして、後でポリマーを式R5(ZH)p(式中、pは少なくとも2である)のポリ官能性化合物と反応させることによっても、こうした(コ)ポリマーを調製してもよいことも明らかであろう。
オリゴマー開始剤の反復単位をスキームIIIで示していないけれども、多官能性化合物R5(ZH)pの−ZH基が同じオリゴマー上の多側鎖アズラクトン基または異なるオリゴマー上のアズラクトン基と反応して、架橋された組成物を形成できることは認められるであろう。更に、式IIに描かれた多R5基が、その多ZH基が同じオリゴマー上の隣接アズラクトン基と反応する同じR5基であってもよいことが認められるであろう。
もう一つの実施形態において、多官能性開始剤は、複数の開始剤部分を表面上に有する固体担体を含んでもよい。こうした開始剤−官能化担体は、(式IIに対応する)以下の一般構造を有する。
Figure 2006516669
式中、X、R1、ON(R22、R3、R4、X、Z、q、pおよびnは式IIのために前に記載された通りであり、SSはR5に対応する固体担体である。分かりやすくするために、オリゴマー開始剤の反復単位は式IVに示していない。固体担体材料は、固体表面上で重合を行うために式Iの開始剤分子が共有結合できる官能基を含む。有用な官能基には、−ZHに対応するヒドロキシル官能基、アミノ官能基およびチオ官能基が挙げられる。
固体担体材料(SS)は有機または無機であることが可能である。固体担体材料は、固形物、ゲル、ガラスなどの形を取ることが可能である。固体担体材料は、例えば、複数の粒子(例えば、ビーズ、ペレットまたは微小球)、繊維、膜(例えば、シートまたはフィルム)、ディスク、環、チューブまたはロッドの形態を取ることが可能である。好ましくは、固体担体材料は複数の粒子または膜の形を取る。固体担体材料は、膨潤性または非膨潤性および多孔質または非孔質であることが可能である。
担体材料(SS)は、従来の固相合成において使用できる高分子材料であることが可能である。担体材料は、固相合成の過程中に起きる合成反応において用いられる溶媒または他の成分に一般に不溶性であるように選択される。使用可能な既存担体材料の例は、G.B.フィールズ(G.B.Fields)ら、Int.J.Peptide Protein Res.,35,161(1990)およびG.B.フィールズ(G.B.Fields)ら著「合成ペプチド(Synthetic Peptides)」:「ユーザーズガイド(User’s Guide)」,G.A.グラント(G.A.Grant)編,頁77〜183,ニューヨーク州ニューヨークのW.H.フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Co.(New York,NY))(1992)に記載されている。担体材料は、ポリスチレン、ポリアルキレン、ナイロン、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタンなどの有機高分子材料の形態を取り、ヒドロキシル、アミノまたはチオール置換基を表面上に有する。既存担体材料について、好ましい担体材料はポリスチレンである。
開始剤は、エチレン系不飽和モノマーの制御されたラジカル重合のために用いてもよい。重合してもよいエチレン系不飽和モノマーの例には、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートおよび他のアルキルメタクリレートなどの(メタ)アクリレート、また、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを含む官能化(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、フマル酸(およびエステル)、イタコン酸(およびエステル)、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニルおよび弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、不飽和アルキルスルホン酸または不飽和アルキルスルホン酸誘導体、2−ビニル−4,4−ジメチルアズラクトン、および(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体が挙げられる。こうしたモノマーの混合物を用いてもよい。
本重合において、開始の量および相対割合は、ニトロキシド媒介ラジカル重合(NMP)を行うのに効果的な量および相対割合である。濃度および量は、得られるポリマーの所望の分子量によって一般に決定される。従って、開始剤の量は、開始剤濃度が10-4M〜1M、好ましくは10-3〜10-1Mであるように選択することが可能である。あるいは、開始剤は、モノマーを基準として10-4:1〜10-1:1、好ましくは10-3:1〜5×10-2:1のモル比で存在することが可能である。
本重合は、塊状でまたは溶媒中で行うことが可能である。好ましくは有機である溶媒は、開始剤および重合性モノマーの溶解を助けるため、および加工助剤として用いることが可能である。好ましくは、こうした溶媒はアズラクトン基と反応性ではない。少量の溶媒中で開始剤の濃縮溶液を調製して重合性組成物の調製を単純化することが有利な場合がある。
適する溶媒には、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、グライム(ジメトキシエタン)、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどの環式エーテル、アルカン、シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、アセトニトリル、ブチロラクトンおよびバレロラクトンなどのラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンなどのケトン、テトラメチレンスルホン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、ブタジエンスルホン、メチルスルホン、エチルスルホン、プロピルスルホン、ブチルスルホン、メチルビニルスルホン、2−(メチルスルホニル)エタノールおよび2,2’−スルホニルジエタノールなどのスルホン、ジメチルホルムアミドなどのアミド、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートなどの環式カーボネート、酢酸エチル、「メチル・セロソルブ(Methyl Cellosolve)」(登録商標)および蟻酸メチルなどのカルボン酸エステル、ならびに塩化メチレン、ニトロメタン、アセトニトリル、グリコールスルフィット、こうした溶媒の混合物ならびに超臨界溶媒(CO2など)の他の溶媒が挙げられる。本重合は、既知の懸濁重合プロセス、乳化重合プロセスおよび沈殿重合プロセスにより行ってもよい。
重合反応は、開始剤中のニトロキシド基の反応性をモノマーと調和させることにより、そして休止化学種、例えば休止ポリマー鎖における結合破壊および結合形成のエネルギーと遷移金属化学種を調和させることにより制御してもよい。開始剤とモノマーの反応性の調和は置換基のラジカル安定化作用に応じてある程度異なる。開始剤およびモノマー上の置換基のこうした調和は、典型的には、開始剤およびモノマーの相対反応性の有益なバランスを提供する。
重合は、20〜200℃、好ましくは100〜160℃、最も好ましくは100〜140℃の温度で行ってもよい。但し、温度は用いられる特定の有機ニトロキシドの反応性に応じて異なる。反応は、モノマーの少なくとも10%(好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも90%)をポリマーに転化するのに十分な時間の長さにわたり行うのがよい。反応時間は、典型的には数分から5日、好ましくは30分から3日、最も好ましくは1〜24時間である。
重合は、0.1〜100気圧、好ましくは1〜50気圧、最も好ましくは大気圧(密封容器内で行われる場合、圧力は直接的に測定可能でない場合があるけれども)の圧力で行ってもよい。窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを用いてもよい。
必要ならば、アズラクトン開始剤を機構IまたはIIのいずれかにより調製し、その後モノマーを添加する「ワンポット」合成を用いてもよい。典型的には、開始剤はモノマーの重合を行うために必要な温度より低い第1の温度で生成させ、その後、温度を上げる。従って、開始剤は、20〜100℃の範囲の温度で調製し、モノマーを添加し、温度を100〜200℃に上げる。更に、開始剤は、開始剤の調製を行うのに十分であるが、モノマーの重合を行うのには低すぎる第1の温度でモノマーの存在下で調製してもよく、その後、温度を、モノマーの重合を行うために上げる。
必要ならば、従来のラジカル開始剤を促進剤として重合性混合物に添加してもよい。
本発明の方法により得られる(コ)ポリマーは、(前述したように)1種以上のラジカル(共)重合性モノマーの重合済み単位、ON(R22から誘導された基から選択された第1の末端基および式IまたはIIの開始剤から誘導された第2のアズラクトン末端基を含むテレケリック(コ)ポリマーと表現してもよい。
こうした(コ)ポリマーは一般式Az−(M1x(M2x(M3x・・・(MΩx−ON(R22を有する。
式中、ON(R22は有機ニトロキシド部分から誘導され、
1〜MΩはそれぞれ平均重合度xを有するラジカル(共)重合性モノマー単位から誘導された重合済みモノマー単位であり、
各xは独立しており、
Azはアズラクトン基または開環アズラクトン基である。
ポリマー生成物は、更なる重合を開始させるためにポリマーの第1の末端で官能基「ON(R22」を保持するか、または更なる官能化のために用いてもよい。ポリマー生成物は、第2の末端で開始剤のアズラクトン部分または開環アズラクトン部分のいずれかを更に含み、それは必要に応じて更に反応するか、または官能化することが可能である。2個の末端部分が異なる官能基および反応性を有するので、各末端は独立して官能化してもよい。
式Iの開始剤を用いる場合、第2の末端基「Az」は式
Figure 2006516669
(式中、R1、R3、R4、Q、X、n、qおよびmは式Iに関して前に定義された通りである)
のアズラクトン基の残基を含む。
あるいは、式IIの開始剤を用いる時、第2の末端基「Az」はアズラクトン基の開環残基
Figure 2006516669
(式中、R1、R3、R4、R5、Z、Q、X、n、qおよびmは式IIに関して前に定義された通りである)
を含む。再び、式VIに関して描かれたR5基は、R5(ZH)pの同じ分子または異なる分子から誘導してもよい。
末端「−ON(R22」基は末端「Az」基とは独立して官能化してもよい。例えば、R2がヒドロキシル基などの反応性基を含む場合、この反応性基は、カルボン酸、カルボン酸無水物またはカルボン酸塩化物などの求電子体と反応して、カルボン酸エステルを生成させることが可能である。アルコキシアミン基を他の官能基に転化する追加の方法は技術上知られており、Macromol.,第34巻、頁3856−3862,2001を参照することが可能である。
本発明は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、多ブロックコポリマー、スターコポリマー、傾斜コポリマー、ランダム過分枝コポリマーおよび樹枝状コポリマー、ならびにグラフトコポリマーまたは「櫛形」コポリマーを調製する新規プロセスを包含する。コポリマーのこれらの異なるタイプの各々を以下で記載する。
NMPが「リビング」重合または「制御された」重合であるので、NMPは望みに応じて開始し終了することが可能である。従って、一実施形態において、一旦第1のモノマーが初期重合工程で消費されると、その後、第2のモノマーを添加して、第2の重合工程において成長するポリマー鎖上に第2のブロックを形成させることが可能である。同じかまたは異なるモノマーによる追加の重合を行って、多ブロックコポリマーを調製することが可能である。後続のポリマー工程は重合の第1の工程と同じ開始剤系を用いてもよいか、あるいは後続のモノマーの異なる反応性を反映させるか、または「調和」させるために、もう1種を選択してもよい。
NMPがラジカル重合であるので、ブロックを本質的にいかなる順序でも調製することが可能である。逐次重合工程がイオン重合において必要であるように最小安定化ポリマー中間体から最高安定化ポリマー中間体に流れなければならないブロックコポリマーの調製に必ずしも限定されない。従って、ポリアクリロニトリルブロックまたはポリ(メタ)アクリレートブロックを最初に調製し、その次に、スチレンブロックまたはブタジエンブロックをポリアクリロニトリルブロックまたはポリ(メタ)アクリレートブロックに結合するなどの多ブロックコポリマーを調製することが可能である。
更に、連結基は、本ブロックコポリマーの異なるブロックを接続するために必須ではない。逐次のブロックを形成させるために単純に逐次のモノマーを添加することが可能である。更に、本NMPプロセスによって製造された(コ)ポリマーを最初に単離し、その次に、(成長するポリマー鎖の反応性を新たなモノマーと「調和」させるために)異なる開始剤/触媒系を用いてポリマーを追加モノマーと反応させることも可能である(場合によって有利である)。こうした場合、末端「ON(R22」基を有する生成物ポリマーは、追加のモノマーの更なる重合のための新たな開始剤として機能する。新規開始剤がポリマーの末端で反応性基「Az」を提供するので、2個のポリマーブロックを接続するために連結基を用いてもよい。例えば、一実施形態において、本発明により調製され1端で式Vのアズラクトン基を有するポリマーは、求核性末端基を有する第2のポリマーブロックと反応することが可能である。
ランダムコポリマーは本発明の開始剤を用いて製造することが可能である。こうしたコポリマーは、用いられるモノマーの各々の約0〜100重量%の範囲内で2種以上のモノマーを用いてもよい。生成物コポリマーは用いられるモノマーのモル量およびモノマーの相対的な反応性の関数である。
本発明はグラフトコポリマーまたは「櫛形」コポリマーも提供する。ここで、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオ基などの求核性官能側基を有する第1の(コ)ポリマーが提供される。有用な「コ」ポリマーの例には、ヒドロキシエチルアクリレート「コ」ポリマーが挙げられる。次に、第1の(コ)ポリマーの反応性官能基は式Iのアズラクトン開始剤と反応して、側鎖の開環開始剤部分を有する(コ)ポリマーを生成させ、反応生成物は式II(式中、R5は第1の(コ)ポリマーの残基である)の構造を有する。その後、この生成物(コ)ポリマーを開始剤として用い前述したモノマーを重合して、櫛形(コ)ポリマーを製造してもよい。あるいは、第1の(コ)ポリマーを本発明のテレケリック(コ)ポリマーと反応させてもよく、それよって反応性「Az」末端基は第1の(コ)ポリマーの反応性側基と反応する。
傾斜コポリマーまたは勾配付コポリマーは、添加される2種以上のモノマーの割合を制御することによりNMPを用いて製造することが可能である。例えば、第1のモノマーの第1のブロックまたはオリゴマーを調製することが可能であり、その後、第1のモノマーと第2の異なるモノマーの混合物を例えば第1のモノマー対第2のモノマー1:1〜9:1の割合で添加することが可能である。すべてのモノマーの転化が完了した後、第1のモノマー−第2のモノマー混合物の逐次添加は第1のモノマー対第2のモノマーの割合が異なる後の「ブロック」を提供することが可能である。従って、本発明は、2種以上のラジカル(共)重合性モノマーから得られるコポリマーであって、モノマーの相対的な反応性比および重合中のモノマーの瞬間濃度に基づいてアズラクトン末端から反対末端までポリマー鎖の長さに沿って異なる組成を有するコポリマーを提供する。
特に注記がない限りすべての試薬はアルドリッチ(Aldrich)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Mliwaukee,WI))から購入し、引渡し状態で用いた。アルミナカラム(これもアルドリッチ(Aldrich)によって供給されたもの)に通すことにより重合性試薬の禁止剤を使用前に除去した。溶媒はニュージャージー州ギブスタウンに所在するEMサイエンス(EM Science(Gibbstown(NJ))から購入した。
Figure 2006516669
調製例1
2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸の調製
Figure 2006516669
2−アミノイソ酪酸(52.08g、0.51モル)、水酸化ナトリウム(20.20g、0.51モル)、水(200ml)およびクロロホルム(50ml)の攪拌している混合物を−12℃に冷却した。クロロホルム(150ml)中の2−ブロモプロピオニルブロミド(100g、0.46モル)を15分にわたり混合物に添加した。次に、反応混合物を放置して室温に暖め、その後、混合物を濾過して、沈殿した固形物を単離した。固形物を高温トルエン(700ml)と組み合わせ、その後、この混合物を放置して冷却した。白色固形物を濾過によって単離し、真空下で乾燥させて、77.60g(収率70%)の2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸を得た。
調製例2
2−(2−ジエチルチオカルバモイルスルファニルプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸の調製
Figure 2006516669
アセトン(100ml)中の2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸(5.00g、0.021モル)の溶液にナトリウムジエチルチオカルバメート三水和物(4.80g、0.021モル)を添加した。混合物を室温で17時間にわたり攪拌し、その後、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残留物をアセトン(10ml)に溶解させた。その後、この溶液を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、5.00g(収率78%)の2−(2−ジエチルチオカルバモイルスルファニルプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸を黄色固形物として得た。
調製例3
2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸の調製
Figure 2006516669
ガラスジャー内の2−(2−ジエチルチオカルバモイルスルファニルプロピオニルアミノ)−2−メチルプロピオン酸(4.00g、0.0132モル)、TEMPO(2.04g、0.0132モル)および酢酸エチル(35ml)の混合物を窒素ガスで20分にわたりパージした。その後、ジャーを密封し、混合物に350mn紫外線ランプ(マサチューセッツ州ダンヴァーズのオスラム・シルバニア(Osram Sylvania(Danvers,MA))から入手できる「シルバニア(Sylvania)」350ブラックライト(Blacklight)F15T8/350BL)を65時間にわたり照射した。その後、混合物を真空下で濃縮し、ジエチルエーテル(50ml)で希釈した。固形物を濾過によって単離し、真空下で乾燥させて、1.75g(収率42%)の2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸を得た。
実施例1
4,4−ジメチル−2−[1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−エチル]−4H−オキサゾール−5−オン(AzTEMPO)の調製
Figure 2006516669
2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸(0.50g、0.0016モル)、トリエチルアミン(0.16g、0.0016モル)およびアセトン(5ml)の攪拌された混合物にクロロ蟻酸エチル(0.17g、0.0016モル)を添加した。2時間後、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をヘキサン(5ml)と混合し、溶液を沈殿固形物からデカントした。デカントした溶液を真空下で濃縮して、0.30g(収率64%)の4,4−ジメチル−2−[1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−エチル]−4H−オキサゾール−5−オン(AzTEMPO)を黄色油として得た。
実施例2
アズラクトン官能性オリゴマー開始剤の調製
マグネチックスターラー、N2入口および出口、凝縮器および熱電対が装着された三口丸底フラスコ内でVDM(1.1g、0.0079モル)およびモノTEMPO(0.2g、0.0077モル)をトルエン(1.3g)に溶解させた。混合物を攪拌し、窒素ガスで30分にわたりフラッシュし、その後、油浴により4時間にわたり110℃に加熱した。
実施例3
30分にわたりトルエンを通して窒素ガスを通気することにより脱酸素化されていたトルエン(10g)中のスチレン(10g、0.096モル)の溶液を実施例2の反応混合物に添加した。混合物を130℃で16時間にわたり攪拌し、その後、ゲル透過クロマトグラフィによって分析した。反応は、11,200のMnおよび1.24の多分散性を有するポリマーを得た。理論Mnは14,400であった。得られたポリマー上のアズラクトン基の存在を定性的に実証するために、三官能性アミン(トリス(2−アミノエチル)アミン)をポリマーに添加した。この反応は、不溶性架橋ポリマーを生成させ、かくして、ポリスチレンがオリゴマーアズラクトン開始剤に連結され、鎖端上のアズラクトン基が穏和な求核性試薬に向けて反応性であったことを実証している。
実施例4〜5
AzTEMPOを用いるスチレンの制御された重合
スクリューキャップガラスバイアルに表で示した量のスチレンおよびAzTEMPOを投入した。トルエンを計算量で添加して、固形物25重量%であった溶液を得た。30分にわたり溶液を通して窒素ガスを通気することにより溶液を脱酸素化した。その後、バイアルに蓋を付け、油浴内で16時間にわたり130℃に加熱し、その時間後、バイアルを開け、生成物をゲル透過クロマトグラフィによって分析した。結果を以下の表に示している。
Figure 2006516669
実施例6
N−{2−[ビス−(2−{2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−エチル)−アミノ]−エチル}−2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]プロピオンアミドの調製
Figure 2006516669
テトラヒドロフラン(2.0ml)中のトリス(2−アミノエチル)アミン(0.032g、0.00022モル)の溶液をAzTEMPO(0.20g、0.00067モル)と組み合わせ、溶液を室温で30分にわたり攪拌した。溶液を真空下で濃縮して、残留物をもたらし、それをヘキサンで滴定し、濾過した。得られた白色粉末を真空下で乾燥させて、0.12g(収率51%)の生成物を得た。
実施例7
N−{2−[ビス−(2−{2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−エチル)−アミノ]−エチル}−2−メチル−2−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−プロピオニルアミノ]プロピオンアミドを用いるスチレンの重合
実施例6の開始剤を用いてスチレンの3腕スターポリマーを調製した。トルエン中の開始剤(開始剤0.0253g、0.000024モル)の30重量%溶液をスチレンと混合した。30分にわたり溶液を通して窒素ガスを通気することにより溶液を脱酸素化し、その後、130℃に加熱した。24時間後、溶液を放置して室温に冷却し、ポリマーをメタノールの添加により溶液から沈殿させた。ポリマーをゲル透過クロマトグラフィによって分析し、16,256g/モルのMnおよび1.18のPDIを有することが判明した。モノマーの40%が反応において転化したことが重量分析により決定された。
実施例8
直鎖スチレンポリマーと三官能性アミンの反応によってスチレンの3アームスターポリマーを調製した。AzTEMPO(0.196g、0.00066モル)およびスチレン(13.696g、0.132モル)をトルエン(13.9g)中で混合した。30分にわたり溶液を通して窒素ガスを通気することにより溶液を脱酸素化し、その後、130℃に加熱した。16時間後、溶液を放置して室温に冷却し、得られたポリマーをゲル透過クロマトグラフィによって分析した。数平均分子量は20,611g/モルであることが判明した。溶液を攪拌しながら、トルエン中のトリス(2−アミノエチル)アミン(0.033g、0.000226モル)の1重量%溶液を2分割で添加した。アミンの各部分の添加後に、生成物をゲル透過クロマトグラフィによって分析した。第1の部分の添加後、生成した3アームポリマーは、50,061g/モルのMnを有することが判明し、このポリマー生成物の相対量はアミンの第2の部分の添加後に増加した。

Claims (13)


  1. Figure 2006516669
    (式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリル、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
    1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
    ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
    3およびR4はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
    Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    各nは0または1であり、
    mは0〜20であり、
    qは0または1であり、
    ZはO、SまたはNR6であり、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    5は有機部分または無機部分であり、pの原子価を有する)
    の化合物を含む制御されたラジカル重合開始剤。
  2. mは0であり、qは0であり、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリルまたはアシル基である、請求項1に記載のモノマー開始剤。
  3. mは1〜20であり、Xはラジカル開始剤の残基であり、qは1である、請求項1に記載のオリゴマー開始剤。
  4. 前記R5Z基は式R5(ZH)pの化合物から誘導され、ここで、R5はpの原子価の無機基または有機基であり、−ZHは、OH、SHまたはNHR6から選択され、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基である、請求項1に記載の開始剤。
  5. 前記R5基は、1〜30個の炭素原子を有する非高分子の脂肪族部分、脂環式部分、芳香族部分またはアルキル置換芳香族部分を含む、請求項1に記載の開始剤。
  6. 前記R5基は、側鎖または末端の反応性−ZH基を有するポリオキシアルキレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレートまたはポリシロキサンポリマーを含む、請求項1に記載の開始剤。
  7. 1種以上のオレフィン系不飽和モノマーを付加重合する方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の開始剤を用いて1種以上のオレフィン系不飽和モノマーを付加重合することを含む方法。
  8. 1種以上の追加のオレフィン系不飽和モノマーを用いる第2の重合工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 1種以上のラジカル(共)重合性モノマーの重合済み単位、
    第1の開環アズラクトン末端基、および
    有機ニトロキシドの残基である第2の末端基、
    を含むテレケリック(コ)ポリマー。
  10. ラジカル(共)重合性モノマーから得られる単位の2個以上のブロックを含み、ブロックコポリマーが第1の末端でアルラクトン残基および第2の末端で有機ニトロキシドの残基を有する、請求項9に記載の(コ)ポリマー。
  11. 2種以上のラジカル(共)重合性モノマーから得られる重合済み単位を含み、コポリマーがモノマーの相対反応性比および重合中のモノマーの瞬間濃度に基づいてアズラクトン末端から反対末端までポリマー鎖の長さに沿って変化する組成を有する、請求項9に記載の(コ)ポリマー。
  12. 構造
    Az−(M1x−ON(R22
    (式中、ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
    1は平均重合度xを有するラジカル(共)重合性モノマー単位から誘導されたモノマー単位であり、
    Azは、式
    Figure 2006516669
    (式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリル、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
    1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
    3およびR4はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
    Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−、から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    各nは0または1であり、
    mは0〜20であり、
    qは0または1であり、
    ZはO、SまたはNR6であり、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    5は有機部分または無機部分であり、pの原子価を有する)
    の開環アズラクトン基である)
    を有する、請求項9に記載の(コ)ポリマー。
  13. 構造Az−(M1x(M2x−(M3x・・・(MΩx−ON(R22
    (式中、ON(R22は有機ニトロキシドの残基であり、
    1〜MΩはそれぞれ平均重合度xを有するラジカル(共)重合性モノマー単位から誘導されたモノマー単位のポリマーブロックであり、
    各xは独立しており、
    Azは、式
    Figure 2006516669
    (式中、XはH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基、アリール基、ニトリル、アシル基またはラジカル開始剤の残基であり、
    1はH、アルキル基、シクロアルキル基、複素環式基、アレーニル基またはアリール基であり、
    3およびR4はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル基、アリール基、アレーニル基から選択されるか、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素と一緒になって炭素環を形成し、
    Qは共有結合、(−CH2−)o、−CO−O−(CH2o−、−CO−O−(CH2CH2O)o−、−CO−NR6−(CH2o−、−CO−S−(CH2o−から選択された連結基であり、ここで、oは1〜12であり、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    各nは0または1であり、
    mは0〜20であり、
    qは0または1であり、
    ZはO、SまたはNR6であり、ここで、R6はH、アルキル基、シクロアルキル基、アレーニル基、複素環式基またはアリール基であり、
    5は有機部分または無機部分であり、pの原子価を有する)
    の開環アズラクトン基である)
    を有する、請求項9に記載の(コ)ポリマー。
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