JP2006516660A - ペプチド含有コーティングを備えた生体医用装置 - Google Patents

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Abstract

安定したペプチドコーティングを備えた生体医用装置を提供する。このコーティングは、少なくとも1種類の潜在反応成分を反応混合物に含め、この反応混合物から医療装置を形成し、この医療装置とコーティングに有効な量のコーティングペプチドを反応させて、このコーティングペプチドを装置の表面にエステル結合またはアミド結合させて形成する。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、ペプチドでコーティングされた医療装置及びペプチドで医療装置をコーティングする方法に関する。具体的には、本発明は、抗菌ペプチドの求核部分と医療装置の表面の潜在カルボキシル酸基との反応によりエステル結合及び/またはアミド結合が生成され、これにより表面に安定した抗菌ペプチドコーティングが形成される医療装置を提供する。
発明の背景
人体に用いる装置が良く知られている。このような装置の表面の化学組成は、装置の全体の効率に作用する重要な役割を果たす。コーティングは、このような装置の所望の特性を改善するために用いられている。一例では、カテーテル、ステント、レンズ、及びインプラントを含む様々な装置には、生物学的に汚染されない表面(すなわち、細菌、タンパク質、脂質、及び細胞が付着しない表面)が必要である。コーティングは、医療装置にこのような特性を付与している。別の例では、このような装置を抗菌表面でコーティングして微生物に関連した感染を軽減することができ、利益が得られる。
装置の表面に所望の特性を付与するために様々なコーティング方法が開発されてきた。しかしながら、安定したコーティングを形成できる単純で効率的な方法が依然として要望されている。
本発明及び好適な実施形態の詳細な説明
本発明は、装置に安定した抗菌ペプチド表面コーティングを施す単純で経済的な方法を提供する。「抗菌」とは、装置表面への細菌の付着が未コーティング表面に比べて約30%またはそれ以上減少していることを指す。「生理活性」とは、表面が使用中に周囲環境に有用な特性を付与することを指す。好適な生理活性物質には、特にコンタクトレンズの場合、限定するものではないが親水性ペプチド、抗菌ペプチド、カチオンペプチド、及びアニオンペプチドなどのペプチドが含まれる。
本発明は、生体医用装置を製造する方法を提供する。この方法は、少なくとも1種類の潜在カルボキシル酸反応成分を含む反応性モノマー混合物を硬化させるステップと、この反応性モノマー混合物を硬化させて物質を生成するステップと、コーティング条件下でこの物質を求核部分を含む抗菌ペプチドコーティング成分と反応させてコーティング物質を生成するステップとを含む、これらのステップから実質的に成る、またはこれらのステップから成る。別の実施形態では、本発明は、ペプチドコーティングされた生体医用装置を含む、この生体医用装置から実質的に成る、またはこの生体医用装置から成る生体医用装置を提供する。
「生体医用装置」は、人体組織または体液と共に、或いはこれらの両方と共に使用できるようにデザインされたあらゆる装置を指す。このような装置の例として、限定するものではないが、ステント、インプラント、カテーテル、及び眼用レンズを挙げることができる。好適な実施形態では、生体医用装置は、限定するものではないが、コンタクトレンズまたは眼内レンズを含む眼用レンズである。より好ましくは、生体医用装置はコンタクトレンズである。
本発明の予期していなかった発見は、カルボン酸官能基が様々なポリマー物質に容易に取り込まれ、次いで求核コーティング成分と反応して所望の特性を有する物質を形成したことである。本発明の方法は、生成されたポリマー物質に様々なコーティングを共有結合させる簡単な方法を提供することである。本発明のコーティングは、安定しており、所望の特性を改善することができる。「安定」とは、コーティングをオートクレーブで滅菌処理しても、洗剤で洗浄しても、かつ/または生理食塩水でリンスしても生体医用装置すなわちコーティングの化学特性が実質的に変化しないことを指す。
本発明に有用な潜在反応成分の例として、限定するものではないが、化学式がR‐CO‐Lであるエステル化合物を挙げることができる。このRは、カチオン重合、アニオン重合、またはラジカル重合が可能な基を含み、Lは脱離基である。好適なR基には、最大20個の炭素原子を含むラジカル重合及び/またはカチオン重合できる一価の基が含まれる。好適なR基には、アクリラート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1‐6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1‐6アルキルアクリルアミド、N‐ビニルラクタム、N‐ビニルアミド、C2‐12アルケニル、C2‐12アルケニルフェニル、C2‐12アルケニルナフチル、またはC2‐6アルケニルフェニルC1‐6アルキルなどのフリーラジカル反応基、ビニルエーテルなどのカチオン反応基、エポキシド基、及びこれらの混合物が含まれる。特に好適なR基には、メタクリラート、アクリロキシ(acryloxys)、メタクリルアミド、アクリルアミド、及びこれらの混合物が含まれる。
好適なL基は、反応条件下で安定であり、カルボン酸基を保護し、コーティング条件下で容易に離脱する。好適なL基には、アルキルエステル、フェニルエステル、ヒドロキシパラニトロアリル、p‐ニトロフェニルエステル、N‐ヒドロキシルアミン誘導体、トシル酸エステル(tosylate esters)が含まれ、これらは全て、置換されていても置換されていなくても良い。好適なL基には、t‐ブチルエステル、2,4,5‐トリクロロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシ‐オキソ‐ジヒドロベンゾトリアジン誘導体、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、トシル酸エステル、及びこれらの組合せが含まれる。好適なL基には、ペンタフルオロフェニルエステル、トシル酸エステル、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、及びこれらの組合せが含まれる。好適な潜在反応性化合物には、ペンタフルオロメタクリレート、N‐アクリロキシスクシンイミド、及びこれらの混合物などが含まれる。
潜在反応成分が、コーティングに有効な量、モノマー混合物に含められている。コーティングポリマーに対して所望のレベルの結合部位を提供するのに十分な任意の量で十分である。好適な量は、反応成分の総重量に対して約0.01wt%〜10wt%、好ましくは約0.01wt%〜5wt%、より好ましくは約0.01wt%〜1wt%である。
潜在反応成分は、全てのレンズ材料に添加されるが、カルボン酸基を含まないレンズ材料に特に有用である。好適なレンズ材料にはシリコーンヒドロゲル(silicone hydrogels)が含まれる。シリコーンヒドロゲルの生成に有用な反応成分は、良く知られており、シリコーン含有成分、親水性成分、及びオプションのフッ素含有成分を含む。好適なシリコーン含有成分には、シリコーン含有モノマー、プレポリマー、及びマクロマーが含まれる。好適なフッ素含有成分には、フッ素含有モノマー、プレポリマー、及びマクロマーが含まれる。
好適なシロキサン含有モノマーには、3‐メタクリロキシ2‐(ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(SiGMA)、3‐メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、米国特許第4,711,943号に開示されているTRISのアミド類似体、米国特許第5,070,215号に開示されているビニルカルバメートまたはカーボネート類似体、及び米国特許第6,020,445号に記載のモノマーが含まれる。これらの特許文献は、言及することを以って開示内容の全てを本明細書の一部とする。より具体的には、3‐メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、モノメタクリロキシプロピル基を末端にもつポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、3‐メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサノン、及びこれらの組合せが、シロキサン含有モノマーに特に有用である。
好適なシロキサン含有マクロマーは、平均分子量が約5,000ダルトン〜約15,000ダルトンである。シロキサン含有マクロマーは、少なくとも1つのシロキサン基、好ましくは少なくとも1つのジアルキルシロキサン基、より好ましくは少なくとも1つのジメチルシロキサン基を含む物質である。シロキサン含有マクロマーには、ウレタン基、アルキレンまたはアルキレンオキシド基、ポリオキシアルキレン基、アリーレン基、アルキルエステル基、アミド基、カルバメート基、ペルフルオロアルコキシ基、イソシアネート基、及びこれらの組合せなどの他の成分を含むことができる。シロキサン含有マクロマーの好適なクラスは、1または複数のシロキサンと1または複数のアクリル物質またはメタクリル物質との重合によって生成される。シロキサン含有マクロマーは、基移動重合(GTP)、ラジカル重合、及び縮合反応などによって生成される。シロキサン含有マクロマーは、当分野で周知の条件を用いて、選択する成分によって1または一連のステップで生成される。特定のシロキサン含有マクロマー及びその製造方法は、物質A‐D(メタクリレート官能性シリコーンフルオロエーテルウレタン及びメタクリレート官能性シリコーンウレタン)として米国特許第5,760,100号、並びに米国特許第6,367,929号(ヒドロキシル官能性メタクリレート及びシリコーンメタクリレートのスチレン官能性プレポリマー)に開示されている。これらの特許文献は、言及することを以って開示内容の全てを本明細書の一部とする。
好適なシロキサン含有反応性プレポリマーには、詳細が米国特許第5,070,215号に開示されているビニルカルバメート官能性ポリジメチルシロキサン、及びウレタン系プレポリマーが含まれる。このウレタン系プレポリマーは、短鎖ジオール及びジイソシアネートの反応から生成される「硬質」部分と、2つの活性水素でα、ωエンドキャップされた比較的高分子量のポリマーから生成される「軟質」部分とが交互して構成されている。好適なシロキサン含有プロポリマーの具体例及びそれらの製造方法が、言及することを以ってその開示内容の全てを本明細書の一部とする米国特許第5,034,4461号に開示されている。
一般に、シロキサン含有成分は、反応成分の総重量に対して、約5wt%〜約50wt%、好ましくは約10wt%〜約50wt%、より好ましくは約15wt%〜約45wt%である。
好適なフッ素含有モノマーには、フッ素含有(メタ)アクリレート、より具体的には、例えば、2,2,2‐トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2,2’,2’,2’‐ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4‐ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8‐ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9‐ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のフッ素含有C2‐12アルキルエステルを含む。フッ素含有マクロマー及び反応性プレポリマーは、前記したフッ素含有モノマーを含むマクロマー及びプレポリマーを含む。含まれるフッ素含有成分の量は約0wt%〜約10wt%である。
本発明の反応成分は、従来のヒドロゲルの生成に用いられる任意の親水性モノマーを含むこともできる。例えば、モノマー含有アクリル基(CH2=CRCOX、Rは水素またはC1‐6アルキル、XはOまたはN)またはビニル基(‐C=CH2)を用いることもできる。別の親水性モノマーの例として、N,N‐ジメチルアクリルアミド、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、N‐ビニルピロリドン、N‐ビニル‐N‐メチルアセトアミド、N‐ビニル‐N‐エチルアセトアミド、N‐ビニル‐N‐エチルホルムアミド、N‐ビニルホルムアミド、及びこれらの組合せを挙げることができる。
上記した親水性モノマーを除いて、1または複数の末端ヒドロキシル基が重合可能二重結合を含む官能基で置換されたポリオキシエチレンポリオールを用いることができる。例として、イソシアネートエチルメタクリレート、メタクリル無水物、メタクリレート塩化物(methacryloyl chloride)、及びビニルベンゾイル塩化物などのエンドキャップ基(end-capping group)の1または複数のモル等価物と反応し、カルバメート、尿素、またはエステル基などの結合部分を介してポリエチレンポリオールに結合した1または複数の末端重合可能オレフィン基を生成する、米国特許第5,484,863号に開示されているポリエチレングリコール、米国特許第5,690,953号及び米国特許第5,304,584号に開示されているエトキシル化アルキルグルコシド、及び米国特許第5,565,539号に開示されているエトキシル化ビスフェノールAを挙げることができる。
更に別の例として、米国特許第5,070,215号に開示されている親水性ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマー、米国特許第4,910,277号に開示されている親水性オキサゾロンモノマー、及びポリデキストランを挙げることができる。
好適な別の親水性モノマーの例として、N,N‐ジメチルアクリルアミド(DMA)、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセロールメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N‐ビニルピロリドン(NVP)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、及びこれらの組合せを挙げることができる。特に、DMAを含む親水性モノマーが好ましい。追加の親水性モノマーを、反応成分の総重量に対して約0wt%〜約70wt%、より好ましくは約5wt%〜約60wt%、最も好ましくは約10wt%〜約50wt%含めることができる。
反応成分にはまた、架橋剤、光開始剤、及び可視着色剤などの別の成分が含まれる。反応成分は、希釈剤の中で互いに混合させて反応混合物にする。好適な希釈剤は、米国特許第6,020,455号に開示されている。
当分野で周知の別の成分または添加物を、反応性モノマー混合物及び/またはレンズ材料に含めることもできる。添加物には、限定するものではないが紫外線吸収化合物及びモノマー、反応性着色剤、抗菌化合物、色素、光互変化合物、放出剤、及びこれらの組合せなどが含まれる。
好適なレンズ材料には、アクアフィルコンA(aquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、及びロトラフィルコンA(lotrafilcon A)が含まれる。
コンタクトレンズの製造において反応混合物を成形するための様々な方法が知られている。その中には、遠心鋳造法(spincasting)及び固定鋳造法(static casting)が含まれる。遠心鋳造法は、米国特許第3,408,429号及び米国特許第3,660,545号に開示されており、固定鋳造法は、米国特許第4,113,224号及び米国特許第4,197,266号に開示されている。本発明のポリマーを含むコンタクトレンズの好適な製造方法は、水和レンズの最終形状を正確に制御することができ、かつ経済的なシリコーンヒドロゲルの直接成形による方法である。この方法の場合、反応混合物を、所望の最終的なシリコーンヒドロゲル(すなわち、水膨張ポリマー)の形状を有する型に入れ、次いでこの反応混合物を、モノマーが重合して所望の最終製品の形状に近いポリマーが生成される条件にさらす。次いで、このポリマー混合物を、場合によっては溶媒で処理し、次いで水で処理し、元の成形ポリマー製品の大きさ及び形状に相当類似した最終形状及び大きさを有するシリコーンヒドロゲルを生成する。この方法を用いてコンタクトレンズを製造することができ、その詳細については、言及することを以ってその開示の全てを本明細書の一部とする米国特許第4,495,313号、同第4,680,336号、同第4,889,664号、及び同第5,039,459号に開示されている。
生体医用装置は形成されると、ペプチド含有コーティングと反応する。カルボン酸と反応してエステルまたはアミドを生成できる任意のペプチド化合物をコーティングに用いることができる。好適なペプチド含有コーティングは、アルコール、第1級アミン、第2級アミン、及びチオール官能基などの1または複数の求核部分を含む。このようなペプチド含有コーティングには、このような官能基を有するペプチド及びそれらの混合物が含まれる。好適なペプチドには、アミン、アルコール、及び/またはチオール官能基を含む天然及び合成のペプチドを含む。本発明の広義の実施形態では、選択されるペプチドの配列は、ペプチドが本発明の方法に従って付着できる上記した1または複数の官能基を含むのであれば、それほど重要ではない。好適な天然カチオンペプチドには、デフェンシン、マゲイニン、及びコリシンが含まれ、特定の例には、プロタミン、メリチン、セクロピンA(Cecropin A)、及びナイシンが含まれる。プロタミンは、限定するものではないがヒトを含む様々な動物の精子から単離することができる。メリチンは、ハチ毒から単離することができる。セクロピンA及びナイシンはそれぞれ、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)及びLactoccucus Lactisから単離することができる。本発明に有用なプロタミン、メリチン、セクロピンA、及びナイシンは全て販売されている。これらのカチオンペプチド及びタンパク質は、既知の方法で製造することもできる。本発明では通常、使用するカチオンペプチドの純度は、少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約90%である。
別法では、合成ペプチド及びタンパク質を用いることができる。特定の例には、ペプチドのどこにでも存在するメリチンの15〜26のセグメントすなわちセグメントA:TLISWIKNKRKQ、及びメリチンの1〜17のセグメントすなわちセグメントB:RPRVSRRRRRRGGRRRRを含む合成ペプチドが含まれる。このペプチドは更に、ペプチドの活性を阻害したり哺乳動物細胞の毒性を誘発したりしない任意の結合基(linking group)とすることができ第3のセグメントCを含むことができる。セグメントCはまた、0〜約10個のアミノ酸のスペーサーを含む。ここで定義するアミノ酸は、化学式が‐HN‐(CR12n‐CO‐である任意の構造を指す。この式のnは1〜21の整数であり、R1及びR2は、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基、1〜2個の炭素原子を有する直鎖または分岐ヒドロキシ基、1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルチオ基、1〜3個の炭素原子を有するカルバモイル基、1〜3個の炭素原子を有するカルボキシ基、1〜4個の炭素原子及び1〜3個の窒素原子を有する第1級アミノ基及び第2級アミノ基、ベンジル、フェノール、フェニルインドール、及びN,N‐ピロールから成る群から別々に選択される。好ましくは、nは1〜10の整数であり、R1及びR2の少なくとも一方がHであり、他方が上記した群から選択される。合成ペプチドのセグメントA、B、及びCは、任意の順序で良く、部分的または全体が反復することもできる。好適な実施形態では、セグメントA及びBは末端位置であり、別の好適な実施形態では、合成ペプチドはACBまたはBCAの順序であり、セグメントCが最大5個のアミノ酸から成る。
本発明はまた、ここで例示するペプチドの保存的な変異体であるペプチドも含む。ここで用いる用語「保存的な変異体」は、少なくとも1つのアミノ酸が生物学的に類似した別の残基で置換されたポリペプチドを意味する。保存的な変異体の例として、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、システイン、グリシン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、ノルロイシン、またはメチオニンなどの1つの疎水性残基の別の疎水性残基との置換や、アルギニンとリシンとの置換またはグルタミン酸とアスパラギン酸またはグルタミンとの置換などの1つの極性残基の別の極性残基との置換を挙げることができる。互いに置換可能な中性の親水性アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン、セリン、及びトレオニンが含まれる。
ここで用いる用語「ペプチド」は、周知であって当分野のテキストブックや他の文献に記載された基本的な化学構造のポリペプチドを指す。この文脈において、ここで用いる「ペプチド」は、ペプチド結合によって直鎖状に互いに連結された2個または3個のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を指す。この「ペプチド」は、当分野で例えば、ペプチド、オリゴペプチド、及びオリゴマーとも一般に呼ばれる短鎖と、当分野で一般にタンパク質と呼ばれる様々な種類の長鎖の両方を指す。ポリペプチドは20種類の天然アミノ酸と一般に呼ばれている20のアミノ酸以外のアミノ酸を含む場合が多く、末端アミノ酸を含む多くのアミノ酸を、プロセシング及び他の翻訳後修飾などの自然のプロセスまたは当分野で周知の化学修飾法によって所定のポリペプチドで修飾できることを理解されたい。ポリペプチドで自然に起こる一般的な修飾でさえも、ここで列記するには多過ぎるが、基本的なテキストブックには記載されており、詳細はモノグラフ並びに多くの研究論文に記載されており、当業者には周知である。このポリペプチドに存在し得る既知の修飾の例として、アセチル化、アシル化、ADP‐リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル反応、共有交差結合の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ‐カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニン化などの転移RNA仲介性のタンパク質へのアミノ酸の付加、及びユビキチン結合を挙げることができる。このような修飾は、当業者には周知であり、科学文献に詳細が記載されている。特に一般的な複数の修飾、例えば、グリコシル化、脂質の付着、硫酸化、グルタミン酸残基のγ‐カルボキシル化、ヒドロキシル化、及びADP‐リボシル化が、最も基本的なテキスト、例えば、「プロテインズ‐ストラクチャー・アンド・モレキュラー・プロパティーズ(PROTEINS-STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES)」(第2版、T.E.クレイグトン(T. E. Creighton)、W.H.フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、ニューヨーク、1993年)に記載されている。これについて詳細に記載された文献が多数存在する。例えば、「翻訳後タンパク質修飾:展望と見通し(Posttranslational Protein Modifications : Perspectives and Prospects)」(ウォルド・F(Wold, F.)著、ポストトランスレーショナル・カバレント・モディフィケーション・オブ・プロテインズ(POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS)、B.C.ジョンソン(B. C. Johnson)編集、アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク、1983年、p1‐12)、メソッヅ・イン・エンザイモロジー(Meth. Enzymol.)(セイフター(Seifter)ら著、1990年、182、626‐646)、及び「タンパク質合成:翻訳後修飾及び老化(Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging)」(ラッタン(Rattan)ら著、アン・ニューヨーク・アカデミック・サイエンス(Ann. N. Y. Acad. Sci.)、1992年、663、48‐62)がある。周知の通り、そして上記したようにポリペプチドが常に直鎖ではないことを理解されたい。例えば、ポリペプチド(直鎖及び非直鎖)は、自然のプロセシング現象及び自然では起こらない人工操作による現象を含む翻訳後の現象によって形成され得る。環状ポリペプチド、分岐ポリペプチド、及び分岐環状ポリペプチドを、非翻訳自然プロセシングや、完全な合成方法によって合成することができる。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、及びアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドのどこでも可能である。実際、共有結合修飾によるポリペプチドのアミノ基またはカルボキシル基、或いは両方のブロックは、天然ポリペプチド及び合成ポリペプチドで一般的であり、このような修飾は本発明のポリペプチドでも見られる。例えば、タンパク質分解プロセシングの前に大腸菌(E.col)または他の細胞で産生されたポリペプチドのアミノ末端基はN‐ホルミルメチオニンで殆ど不変である。ペプチドの翻訳後修飾の際、NH2‐末端のメチオニン残基が欠失し得る。従って、本発明は、本発明のタンパク質のメチオニンを含むアミノ末端変異体及びメチオニンを含まないアミノ末端変異体の両方の使用を企図するものである。ポリペプチドで起こる修飾は、ポリペプチドがどのように生成されるかを示す作用である場合が多い。宿主でクローン遺伝子の発現によってポリペプチドが産生される場合、例えば、修飾の性質及び程度の多くは、宿主細胞の翻訳後修飾能力及びそのポリペプチドのアミノ酸配列に存在する修飾シグナルによって決まる。例えば、大腸菌(E.col)などの細菌宿主でグリコシル化が起こらないことは周知の通りである。従って、グリコシル化が望まれる場合は、ポリペプチドは、通常は真核細胞であるグリコシル化宿主で発現されるべきである。昆虫細胞では、哺乳動物細胞と同様に翻訳後グリコシル化が起こる場合が多く、昆虫細胞発現系が、特に、天然パターンのグリコシル化を有する哺乳動物タンパク質を効率的に発現するように開発されてきた。同様の考えが他の修飾にも当てはまる。同じ種類の修飾が、所定のポリペプチドの複数の部位で同程度また異なった程度、存在し得ることを理解されたい。また、所定のポリペプチドが様々な種類の修飾を含み得る。一般に、ここで用いる用語「ポリペプチド」は、特に、宿主細胞でのポリヌクレオチドの発現によって組換え合成されたポリペプチドに見られるような修飾などの全ての修飾を包含する。
ここで用いる「Melimine」は、T-L-I-S-W-I-K-N-K-R-K-Q-R-P-R-V-S-R-R-R-R-R-R-G-G-R-R-R-Rのアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。この配列において、Tはトレオニン、Lはロイシン、Iはイソロイシン、Sはセリン、Wはトリプトファン、Kはリシン、Nはアスパラギン、Rはアルギニン、Qはグルタミン、Pはプロリン、Vはバリン、Gはグリシンを指す。ここで用いる「L型Melimine」は、天然に存在し、上記したアミノ酸配列を含む。アミノ酸の光学異性体では、自発的な非酵素的なラセミ化が起こる。各アミノ酸のこのようなラセミ化の速度は、所定の温度やpH(保存状態)で変化し、D型の方がL型よりも迅速である。ここで用いる用語「L型ペプチドまたはD型ペプチド」はそれぞれ、pH7、温度約25℃で約99%のL型異性体またはD型異性体を含む。
L型アミノ酸は、生物系で自然に形成されるため、D型異性体は、酵素分解に対する耐性が高く、高い持続性を有し得る。この特性を利用して、立体異性体の混合物を使用して特定の用途のために所望のレベルの活性及び長寿を付与することができる。従って、長期の持続が望まれる適用例では、D型異性体が多い(約50%超、好ましくは約70%超)立体異性体混合物を用いるのが好ましい。高い抗菌活性が望まれる場合は、L型異性体が多い(約50%超、好ましくは約70%超)立体異性体混合物を用いるのが好ましい。
ここで用いる「Protattin」は、R-P-R-V-S-R-R-R-R-R-R-G-G-R-R-R-R-T-L-I-S-W-I-K-N-K-R-K-Qのアミノ配列を含むポリペプチドを指す。この配列におけるアミノ酸は上記定義と同様である。
本発明において、使用するカチオンペプチドは、通常は実質的に精製されている。
ここで用いる語句「実質的に精製された」は、タンパク質またはその生物学的に活性な部分が、そのタンパク質が由来する細胞または組織源の細胞物質または他の汚染タンパク質を実質的に含んでいないことを指し、化学的に合成される場合は原料の化学物質または他の化学物質を実質的に含んでいないことを指す。ここで用いる語句「細胞物質を実質的に含まない」は、単離するまたは組換え生成する基の細胞の細胞成分からタンパク質を分離するタンパク質の調製を含む。従って、細胞物質を実質的に含まないタンパク質は、異種タンパク質(ここでは汚染タンパク質とも呼ぶ)が乾燥重量で少なくとも約30%未満、20%未満、10%未満、または5%未満にタンパク質を調製することを含む。タンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え生成される場合は、実質的に培地を含まない、すなわち調製タンパク質の容積の約20%未満、10%未満、または5%未満の培地しか含まないのが好ましい。タンパク質が化学合成で生成される場合は、原料の化学物質または他の化学物質を実質的に含まない、すなわちタンパク質の合成に関与する原料の化学物質または他の化学物質から単離されるのが好ましい。従って、このような調製タンパク質は、目的のポリペプチド以外の原料の化学物質または化合物を乾燥重量で約30%未満、20%未満、10%未満、または5%未満しか含まない。
本発明のペプチドは、標準的なペプチド合成法を用いて化学的に合成できる。別法では、本発明のペプチドは、in vitroの翻訳及び/または転写系で合成することができる。
ポリペプチドは、従来の固相ペプチド合成プロトコルを用いて合成することができる。このような方法は当業者には周知である。固相合成法を用いたポリペプチドの製造を以下に記載するが、本発明の範囲がこの方法に限定されるものではない。合成は、任意の好適な合成樹脂上で行うことができる。好適な樹脂には、不溶性架橋ポリスチレン樹脂などが含まれる。アミノ酸は、通常はフルオレニルメトキシカルボニル基などで保護され、N‐ヒドロキシベンゾトリアゾール及びオプションのジイソプロピルカルボジイミド(DIC)で活性化されて結合が促進される。完全長のペプチドは、限定するものではないがトリフルオロ酢酸またはアンモニアで樹脂から切断され、得られた物質が、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製され、次いで、候補物質が水/アセトニトリルから凍結乾燥されて乾燥パウダーが生成される。
本発明のポリペプチドはまた、in vitro翻訳及び/または転写系で作製することもできる。このような方法は当業者には周知である。例えば、MelimineまたはProtattinをコードする合成mRNAは、限定するものではないが小麦胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物を含む様々な細胞を含まない系で効率的に翻訳することができる。別法では、T7プロモータの制御下でのMelimineまたはProtattinのコード配列を含む合成DNAを、プロメガ(Promega)が販売するTNT T7結合網状赤血球可溶化系(TNT T7 coupledReticulocyte Lysate System)などのin vitro転写及び/または翻訳系で効率的に転写及び翻訳ができる。得られたポリペプチドをここに記載した方法で精製することができる。好適なペプチド含有コーティングポリマーには、Melimine、Protattin、及びこれらの組合せが含まれる。
本発明の方法では、コーティングする表面をコーティングペプチドに任意の従来の方法で接触させる。例えば、装置を、コーティングペプチド、溶媒、及びカップリング添加物から成る溶液に入れることができる。
本発明に使用するのに適した溶媒は、生体医用装置に負に反応せずにコーティングペプチドを溶解できる非求核溶媒である。適当な溶媒の例には、限定するものではないがDMF、DMSO、酢酸エチル、DPMA、及びこれらの混合物などが含まれる。好適な溶媒にはDMF及びDPMAが含まれる。
生体医用装置を、コーティングの形成に好適な条件下で溶媒/コーティングポリマー溶液に接触させる。好適な温度は、選択した溶媒の凝固点から沸点、好ましくは約0℃〜100℃、より好ましくは約20℃〜50℃である。接触時間は、所望の範囲まで表面をコーティングするのに十分な時間にする。接触時間は、最大2日、好ましくは最大1日、最も好ましくは最大12時間である。本発明のコーティング反応では圧力はそれほど重要ではない。しかしながら、当業者であれば、温度及び圧力を上昇させれば、反応を短時間で終了させることができることを理解できよう。
カップリング添加物は、装置とコーティングとの間のアミド結合及び/またはエステル結合を容易にする任意の化合物であって、限定するものではないが、エステル交換試薬、及びその触媒などを含む。このような例として、4‐ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐3‐エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、1,3‐ジイソプロピルカルボジイミド、1,3‐ジシクロヘキシルカルボジイミド、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、クラウンエーテル、酸、塩基、酵素、及びこれらの組合せが含まれる。
コーティングポリマーのコーティングに有効な量は、所望の程度まで表面をコーティングするのに十分な量を指す。一般に、コーティング化合物またはコーティングポリマーの量は、コーティング液の約0.1wt%〜20wt%、好ましくは約0.5wt%〜10wt%、より好ましくは約0.8wt%〜約5wt%である。
接触させた後に、表面を水または緩衝生理食塩水で洗浄して関連のない(反応しなかった)ペプチド、脱離基、溶媒、及び副産物を除去する。場合によっては、ペプチドがコーティングされた表面を水中で加熱して、残ったペプチド、脱離基、及び副産物を抽出し、形成され得る脱離基複合体を確実に分解する。
本発明は、後述する例示目的の例からより明確になるであろう。以降に示す例に以下の実験を用いた。
レンズを、パーキン・エルマー・スペクトラムGX FTIRオートIMAGEシステム(Perkin-Elmer Spectrum GX FTIR AutoIMAGE System)を用いてFTIR‐ATRラインスキャン法でコーティングについて分析した。全てのラインスキャンは、レンズの中心領域において、300μm刻みで端から端まで実施した。全てのサンプルは湿潤状態で分析した。
前進接触角は以下のように測定した。各セットから少なくとも3つのサンプルを、レンズから幅約5mmの中心ストリップを切り出して保存液で平衡にして用意した。レンズ表面とホウ酸緩衝食塩水との間の湿潤力を、サンプルを食塩水に浸漬して或いは食塩水から取り出して、Wilhelmyマイクロバランスを用いて23℃で測定した。
F=2γpcosθ または θ=cos-1(F/2γp)の式を用いた。
これらの式において、Fは湿潤力、γはプローブ液の表面張力、pはメニスカスにおけるサンプルの周囲、θは接触角である。前進接触角は、サンプルを保存液に浸漬する湿潤実験から得た。それぞれのサンプルについて4回実施し、結果を平均してレンズの前進接触角を求めた。
ヘーズは次のように測定する。まず、水和検査レンズを、フラットブラックのバックグランドの上の周囲温度の透明な20mm×40mm×10mmのガラスセルの中のホウ酸緩衝食塩水に入れ、レンズセルに対して垂直方向に66度の角度で光ファイバーランプ(ティトナ・ツール・サプライ社(Titna Tool Supply Co.)の出力設定が4〜5.4で0.5インチ(12.7mm)の直径の光ガイドを有する光ファイバーライト)を用いて下から照射し、レンズのプラットフォームの14mm上に配置したカメラ(Navitar TV Zoom7000ズームレンズを備えたDVC1300C:19130RGBカメラ)でレンズセルに垂直に上方から検査レンズのイメージを撮る。EPIX XCAP V 1.0ソフトウエアを用いて検査レンズの散乱から空のセルのイメージを差し引いてバックグランドの散乱を求める。差し引かれた散乱した光のイメージを中心が10mmのレンズと一体にし、自由にヘーズ値100に設定(ヘーズ値0のレンズ設定はない)される−1.00ジオプターCSI Thin Lens(登録商標)と比較して定量分析する。5枚のレンズを分析し、その結果を平均して標準CSIレンズのパーセンテージとしてヘーズ値を算出する。
含水率を次のように測定する。まず、検査レンズを保存液に24時間浸漬する。先端がスポンジ状のスワブを用いて3枚の検査レンズのそれぞれを保存液から取り出して、保存液で湿潤化されたブロッティングワイプの上に配置する。レンズの両面をブロッティングワイプに接触させる。ピンセットを用いて検査レンズを秤量器に入れ、検査レンズの重量を測定する。後2つのサンプルのセットを用意して、上記したように重量を測定する。秤量器で3回測定し、その平均を湿重量とする。
乾燥重量は、サンプルの容器を60℃で30分間予熱された真空オーブンの中に入れて測定する。水銀圧力が少なくとも0.4インチ(10.16mm)になるまで真空をかける。次いで、真空弁及び真空ポンプを停止して、レンズを4時間乾燥させる。次いで、空気抜き弁を開けてオーブンを大気圧にする。容器を取り出して重量を測定する。含水率は以下のように求めた。
Figure 2006516660
サンプルについて含水率の平均及び標準偏差を求めて記録する。
初めのゲージ高さに下げられたロードセルを備えた移動型引張り試験機の定速のクロスヘッドを用いて弾性率を測定する。好適な引張り試験機の例として、インストロン(型番号1122)(Instron model 1122)を挙げることができる。長さが0.522インチ(約13.26mm)、耳の幅が0.276インチ(約7.01mm)、首の幅が0.213インチ(約5.41mm)のドッグボーン型サンプルをグリップの中に装着し、2インチ/分(50.8mm/分)の一定速度で引き伸ばす。サンプルの初めのゲージ長さ(Lo)と破壊された時点のサンプルのゲージ長さ(Lf)を測定する。12のサンプルのそれぞれの組成を測定し平均を求める。引張り係数を応力・歪み曲線の初めの直線部分で測定する。
次に示す例では、結合したペプチドをコール(Cole)及びラルストン(Ralston)(1994年)によって開発された方法によって定量化する。コンタクトレンズは、10%酢酸及び10%イソプロパノールに溶解した濾過された0.025%クーマシー染色液で、37℃で2〜24時間染色した。次いで、レンズを、10%酢酸及び10%イソプロパノールの中で、37℃で脱染した。次いで、レンズを、25%ピリジンで一晩抽出した。抽出した溶液を分光光度計で、ブランクとして25%ピリジンを用いて、A600で分析した。L型Melimineの定量化は、標準曲線に対して抽出物を対応させて行った。この標準曲線は、所定量のL型Melimineを半乾燥アクリルアミドゲル上にピペットで移し、上記したように抽出して作成した。この方法で、ゲルからペプチドを全量抽出することができる。

例1
周囲温度、窒素下で乾燥ボックス内に受容された乾燥容器に、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン 30.0g(0.277モル)、1M TBACB溶液 13.75ml(乾燥THF1000ml中にTBACB 386.0g)、p‐キシレン 61.39g(0.578モル)、メチルメタクリレート(開始剤に対して1.4等倍量) 154.28g(1.541モル)、2‐(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート 1892.13g(9.352モル)(開始剤に対して8.5等倍量)、及びTHF 4399.78g(61.01モル)を添加した。乾燥ボックスに、調製した上記混合物をフラスコに入れた。全てが窒素源に接続され、熱電対及びコンデンサを備え、3つの首を有する底が丸くなっているフラスコに、乾燥ボックスで調製した上記混合物を入れた。
この反応混合物を、撹拌及び窒素で排気しながら15℃に冷却した。溶液が15℃に達したら、1‐トリメチルシロキシ‐1‐メトキシ‐2‐メチルプロペン 191.75g(1.100モル)(1等倍量)を反応容器内に注入した。約62℃まで熱反応させ、残りの反応が終わるまでの間に、乾燥THF 11mlの中にTBACB 154.4gが溶けた0.40Mの溶液30mlを分注した。反応温度が30℃になり分注を開始した後、2‐(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート 467.56g(2.311モル)(開始剤に対して2.1等倍量)、n‐ブチルモノメタクリロキシプロピル‐ポリジメチルシロキサン 3636.6g(3.463モル)(開始剤に対して3.2等倍量)、TRIS 3673.84g(8.689モル)(開始剤に対して7.9等倍量)、及びビス(ジメチルアミノ)メチルシラン 20.0gを含む溶液を添加した。
この混合物を約38℃〜42℃まで熱反応させ、次いで30℃まで冷却した。この時点で、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン 10.0g(0.076モル)、メチルメタクリレート 154.26g(1.541モル)(開始剤に対して1.4等倍量)、及び2‐(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート 1892.13g(9.352モル)(開始剤に対して8.5等倍量)を含む溶液を添加し、この混合物を再び約40℃まで熱反応させた。反応温度が約30℃に低下したら、THF 2ガロン(約7.57L)を添加して粘度を下げた。水 439.69g、メタノール 740.6g、及びジクロロ酢酸 8.8g(0.068モル)を含む溶液を添加し、この混合物を4.5時間還流させて、HEMAの保護基を除去した。次いで、揮発物を除去し、トルエンを添加して水を除去し易くし、蒸気の温度が110℃になるようにした。
反応フラスコを約110℃に保ち、TMI 443g(2.201モル)及びジブチルスズジラウレート(dibutyltin dilaurate) 5.7g(0.010モル)を含む溶液を添加した。この混合物を、IRによってイソシアネートのピークを過ぎるまで反応させた。トルエンを低圧下で蒸発させて、オフホワイトの無水ろう様反応性モノマーを得た。このマクロマーを、アセトン:マクロマーの重量比が約2:1になるようにアセトンに入れた。24時間後に、水を添加してマクロマーを沈殿させ、このマクロマーを濾過し、45℃〜60℃の真空オーブンで20時間〜30時間乾燥させた。
例2
反応混合物は、20部の3,7‐ジメチル‐3‐オクタノールを含む表1に示されている割合で、表1に示されている100部の構成成分を加えて作製した。具体的には、マクロマーであるNorbloc 7966、希釈剤であるTEGDMA、HEMA、DMA、TRIS、及びmPDMSの順で琥珀色のフラスコに添加した。これらの成分を50℃〜55℃で、90分〜180分、170〜300rpmで混合した。混合しながら、青色HEMAを添加し、これらの成分を更に20分〜75分(170rpm〜300rpm、50℃〜55℃)、混合した。混合しながらPVPを添加し、更に20分〜140分(170rpm〜300rpm、50℃〜55℃)、この混合物を撹拌した。最後に、混合しながらCGI 1850(Irgacure 1850)を添加した。
Figure 2006516660
ペンタフルオロフェニルメタクリレート(OPfp)(0.5wt%)を反応混合物に添加した。この反応混合物を約10分間(または溶液が透明になり均一に混合されるまで)強く混合し、次いで、反応混合物から泡が消えるまで高真空下で脱泡した(約20分)。この反応混合物を熱可塑性コンタクトレンズ型に入れ、窒素雰囲気下、50℃でフィリップス(Philips)のTL 20W/03T蛍光灯で照射した。レンズを、Dowanol(登録商標)DPMA(アルドリッチ(Aldrich)が販売)中で型から外した。レンズを、DPMAで最大5回洗浄した。それぞれの洗浄は約120分間行った。レンズを個別に、2.5mg/mL Melimine及び0.05wt%のN,N‐ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むN,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)溶液2mLを含むバイアルに入れた。レンズ及び溶液を含むバイアルをグレーのブチルの栓で閉止し、インキュベータ・シェイカー(Incubator Shaker)で、37℃、100rpmで振盪しながら18時間インキュベートした。
インキュベーションの後に各バイアルから溶液を除去した。約9mLの新しいDMF溶媒を各バイアルに添加した。1時間後に、この溶媒を除去して再び新しいDMF溶媒を各バイアルに添加した。この処理を各1時間、合計4回実施した。4回目の溶媒の交換の後、各レンズを室温の脱イオン水の中に入れ、1時間間隔で4回洗浄した。4回目の洗浄の後、各レンズを保存液の中に入れて室温で1時間放置し、次いで121℃で30分間オートクレーブで滅菌処理した。次いで、レンズの特性を測定した。この結果を下の表2に示す。
例3
カップリング添加物をMelimine含有コーティング液に添加することを除いて、例2を繰り返した。従って、例2と全く同様に、DPMA溶媒に入れて洗浄した後のレンズをそれぞれ別々に、5mg/mL N‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含むDMF溶液3mLを含むバイアルに入れた。目盛り付きピペットを用いて、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)50μLを各バイアルに添加した。20分後に、0.05wt% N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むDMF溶液に3mg/mL Melimineが溶解した溶液1mLを目盛り付きエッペンドルフ型ピペットで各バイアルに添加した。これらのバイアルは、グレーのブチルの栓で閉止した。次いで、レンズを、インキュベータ・シェイカー(Incubator Shaker)において100rpmで振盪しながら、37℃で19時間インキュベートした。
インキュベーションの後に各バイアルから溶液を除去した。約9mLの新しいDMF溶媒を各バイアルに添加した。1時間後に、この溶媒を除去して再び新しいDMF溶媒を各バイアルに添加した。この処理を各1時間、合計4回実施した。4回目の溶媒の交換の後、各レンズを室温の脱イオン水の中に入れ、1時間間隔で4回洗浄した。4回目の洗浄の後、各レンズを保存液の中に入れて室温で1時間放置し、次いで121℃で30分間オートクレーブで滅菌処理した。次いで、レンズの特性を測定した。この結果を下の表2に示す。
Figure 2006516660
例4‐例7
Melimineコーティング液の濃度及び洗浄処理の変更を除いて例3を繰り返した。従って、例3と同様に、DPMA溶媒に入れて洗浄した後のレンズをそれぞれ別々に、5mg/mL N‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含むDMF溶液3mLを含むバイアルに入れた。目盛り付きピペットを用いて、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)50μLを各バイアルに添加した。室温で約1時間放置した後、0.05wt% N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むDMFに表3に示されている様々な濃度でmimelineコーティング液が溶解した溶液1mLを、目盛り付きエッペンドルフ型ピペットで各バイアルに添加した。これらのバイアルは、グレーのブチルの栓で閉止した。次いで、レンズを、インキュベータ・シェイカー(Incubator Shaker)において100rpmで振盪しながら、37℃で19時間インキュベートした。
インキュベーションの後に各レンズを、新しいDMF 300mL及び電磁撹拌器を含む400mLビーカーに移した。レンズをDMF中で1時間撹拌した。この処理をあと3回繰り返した(合計4回)。4回目の溶媒の交換の後、脱イオン水300mLをビーカーに入れ、レンズを脱イオン水で合計4回洗浄した。4回目の洗浄の後、各レンズを保存液を含むバイアルの中に入れ、次いで121℃で30分間オートクレーブで滅菌処理した。次いで、レンズの特性を測定した。この結果を下の表2に示す。()内は標準偏差を示す。
Figure 2006516660

Claims (35)

  1. コーティングされた生体医用装置の製造方法であって、
    少なくとも1種類の潜在反応成分を含む反応混合物から形成された生体医用装置の少なくとも一表面を、コーティングに有効な量の少なくとも1種類のペプチド含有コーティングに接触させるステップを含むことを特徴とする製造方法。
  2. 前記生体医用装置がコンタクトレンズであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記潜在反応成分が、化学式がR‐CO‐Lである少なくとも1種類のエステル化合物であり、このRがカチオン重合、アニオン重合、またはラジカル重合が可能な1つの基であり、このLが1つの脱離基であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記R基が、アクリラート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1‐6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1‐6アルキルアクリルアミド、N‐ビニルラクタム、N‐ビニルアミド、C2‐12アルケニル、C2‐12アルケニルフェニル、C2‐12アルケニルナフチル、C2‐6アルケニルフェニルC1‐6アルキル、ビニルエーテル、及びエポキシド基から成る群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記R基がメタクリレート及びアクリロキシから成る群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  6. 前記L基が、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリル、ヒドロキシパラ‐ニトロアリル、アルキルエステル、フェニルエステル、p‐ニトロフェニルエステル、N‐ヒドロキシルアミン誘導体、及びトシレートから成る群から選択され、これらの基が置換されていても置換されていなくても良いことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  7. 前記L基が、t‐ブチルエステル、2,4,5‐トリクロロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシ‐オキソ‐ジヒドロベンゾトリアジン誘導体、及び1‐ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルから成る群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  8. 前記少なくとも1種類の潜在反応化合物が、ペンタフルオロメタクリレート、N‐アクリロキシスクシンイミド、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  9. 前記潜在反応成分が、反応成分の総重量に対して約0.01wt%〜約10wt%の範囲で前記反応混合物に含められていることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  10. 前記潜在反応成分が、反応成分の総重量に対して約0.01wt%〜約5wt%の範囲で前記反応混合物に含められていることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  11. 前記潜在反応成分が、反応成分の総重量に対して約0.01wt%〜約1wt%の範囲で前記反応混合物に含められていることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  12. 前記反応混合物が、少なくとも1種類のシリコーン含有成分及び少なくとも1種類の親水性成分を含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  13. 前記ペプチド含有コーティングが、デフェンシン、マゲイニン、コリシン、及びこれらの組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  14. 前記ペプチド含有コーティングが、プロタミン、メリチン、セクロピンA(Cecropin A)、ナイシン、Melimine、Protattin、及びこれらの組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  15. 前記ペプチド含有コーティングが、プロタミン、メリチン、Melimine、Protattin、及びこれらの組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  16. 前記ペプチド含有コーティングが少なくとも1種類のカチオンコーティングを含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  17. 前記ペプチド含有コーティングが少なくとも1種類の合成ペプチドを含み、
    この合成ペプチドが、任意の順序でセグメントA、セグメントB、及びセグメントCを含み、
    前記セグメントAがT-L-I-S-W-I-K-N-K-R-K-Qの配列を有するペプチドであり、
    前記セグメントBがR-P-R-V-S-R-R-R-R-R-R-G-G-R-R-R-Rの配列を有するペプチドであり、
    前記セグメントCが、最大10個のアミノ酸から成る結合基であり、前記ペプチドの抗菌活性を阻害したり哺乳動物細胞の毒性を誘発したりせず、0〜約10個のアミノ酸のスペーサーを含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  18. 前記セグメントCが、‐HN‐(CR12n‐CO‐の化学式を有しており、
    この式において、nが1〜21の整数であり、R1及びR2がそれぞれ別々に、H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基、1〜2個の炭素原子を有する直鎖または分岐ヒドロキシ基、1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルチオ基、1〜3個の炭素原子を有するカルバモイル基、1〜3個の炭素原子を有するカルボキシ基、1〜4個の炭素原子及び1〜3個の窒素原子を有する第1級アミノ基及び第2級アミノ基、ベンジル、フェノール、フェニルインドール、及びN,N‐ピロールから成る群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記nが1〜10の整数であり、前記R1及び前記R2の少なくとも一方がHであることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  20. 前記セグメントA及び前記セグメントBが末端位置にあり、前記セグメントCが最大5個のアミノ酸を含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  21. 前記接触させるステップが、前記装置を、前記コーティングペプチド及び溶媒を含む溶液中に入れるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  22. 前記溶媒が、DMF、DMSO、酢酸エチル、DPMA、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記溶媒がDMF、DPMA、またはこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  24. 前記接触させるステップが前記溶媒の凝固点から沸点の範囲の温度を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  25. 前記接触させるステップが約0℃〜約100℃の範囲の温度を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  26. 前記接触させるステップが約20℃〜約50℃の範囲の温度を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  27. 前記接触させるステップが最大約2日間の接触時間を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  28. 前記接触させるステップが最大約12時間の接触時間を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  29. 前記溶液が更に、少なくとも1種類のカップリング添加物を含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  30. 前記カップリング添加物が、4‐ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐3‐エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、1,3‐ジイソプロピルカルボジイミド、1,3‐ジシクロヘキシルカルボジイミド、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、クラウンエーテル、酸、塩基、酵素、及びこれらの組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  31. 少なくとも1種類の潜在反応成分を含む反応混合物から形成された生体医用装置であって、
    前記装置がコーティングに有効な量の少なくとも1種類のペプチド含有コーティングでコーティングされていることを特徴とする生体医用装置。
  32. 前記生体医用装置がコンタクトレンズであることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  33. 前記潜在反応成分が、化学式がR‐CO‐Lである少なくとも1種類のエステル化合物であり、この化学式のRがカチオン重合、アニオン重合、またはラジカル重合が可能な1つの基であり、このLが1つの脱離基であることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  34. 前記反応混合物が、少なくとも1種類のシリコーン含有成分及び少なくとも1種類の親水性成分を含むことを特徴とする請求項31に記載の装置。
  35. 前記コーティングペプチドが、アルコール、第1級アミン、第2級アミン、チオール、及びこれらの組合せから成る群から選択される1または複数の求核部分を含むことを特徴とする請求項31に記載の装置。
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