JP2006512905A - ポリ(adp−リボース)ポリメラーゼ(parp)の活性を減少させる化合物を検定する方法 - Google Patents

ポリ(adp−リボース)ポリメラーゼ(parp)の活性を減少させる化合物を検定する方法 Download PDF

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Abstract

ある化合物又は薬剤がポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかまたは阻害し得るかどうかを決定する新規かつ有用な方法が本明細書中で提供される。

Description

本発明は、ある化合物又は薬剤がPARPの活性を減少させるかまたは阻害し得るかどうかを決定する新規かつ有用な方法に関する。
虚血は非常に有害な状態であり、そしてそれは発作、心臓発作、高血圧などのような広範な種々の心臓血管系の問題に関係する。結果、虚血の治療は心臓血管疾患に関連がある問題を改善し、そしてそのような疾患を患う患者に、生活の質の向上を提供する。虚血のメカニズムは明らかでないが、身体中のタンパクの活性に関係することが認められた。そのようなタンパクの1つは、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)と呼ばれる酵素である。PARPはDNA修復に関係している核酵素である。より詳しくは、損傷を受けたDNAによるその活性化において、PARPはNAD+からタンパク受容体のグルタメート、例えばヒストンへのADPリボース単位の移送を触媒する。次いで、PARPは追加のADP−リボース単位を基質に追加し、その基質においてADPリボース鎖を形成する。しかし、PARPの活性は細胞NAD+、およびしたがってエネルギー通貨、例えばATPを減少させると考えられている。その結果、細胞死および虚血が生じる。さらに、虚血は本質的にフリーラジカルによって広範囲のDNA損傷を起こし、次にPARPの更なる活性化を生じる。その結果、破壊のサイクルが形成され、被験者への実質的な損傷をもたらす。従って、PARPを減少させるかまたは阻害することが見出された化合物または薬剤は、虚血または虚血に関連した他の心臓血管疾患、例えば発作、心臓発作等の治療における適用を直ちに有し得る。
大きな化合物ライブラリから強力な酵素阻害剤をスクリーニングすることは、薬物として最終的に市場で販売され得る化合物または薬剤を同定する最も一般的なアプローチの1つである。しかし、従来のスクリーニングフォーマットは資源の制限に最大の要求が負わされ、これには個々の化合物供給、精製された酵素産生および人的資源が含まれる。したがって、小型化検定の開発がこの課題を軽減するために追求された。しかし、これまでにそのような検定を実行する公知の方法は本質的に欠点を有した。
例えば、従来の濾過に基づく方法、シンチレーション検定およびELISA型検定は、多数の洗浄工程、放射性同位元素(これは処分するのに費用がかかる)、高価な試薬、複数の洗浄工程、高い検定の変動またはこれらの欠点の組み合わせを含む。さらに、そのようなこれまでに公知の方法は、小型化された超高速スループットスクリーニングプログラムに適用することが非常に困難である。
したがって、必要とされるものは、PARPの活性を調節、および特に減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤を同定する新規かつ有用な方法である。
また必要とされるものは、化合物または薬剤がPARPを減少させるかまたは阻害するかどうかを決定する方法であり、ここで該方法は、方法を実施するために多数の洗浄工程または危険な放射性同位元素の使用を必要としない。
また、必要であるものは、PARPの活性を調節、および特に減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤を同定する方法であり、ここで該方法は高速スループット型において実行され得る。そのような方法によって、当業者が迅速かつ安価に多くの化合物を検定することができるようになる。
本明細書中の任意の参考文献の引用は、該参考文献が本出願に「従来技術」として使われるという承認と解釈されるべきでない。
本発明に従って、放射性同位元素を利用せず、多数の洗浄工程を必要とせず、そしてインビトロ、インビボ、細胞ベースの方法、または分離された方法で実施され得る、化合物または薬剤を、PARPの活性を減少させるかまたは阻害するそれらの能力について評価する新規かつ有用な方法を提供する。さらに、本発明の方法は、高速スループット方法で容易に実行され得る。
広く本発明は、化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメレラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法に及ぶ。そのような方法において、PARP、検定されるべき化合物または薬剤および基質試薬溶液を含む混合物が、インキュベートされる。基質溶液は、NAD+、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+、タンパク、例えば受容体基質として作用することができるヒストン、および補因子としてのDNAを含む。DNAは、本発明の方法が実行される媒質中で見出される内因性DNAであるか、あるいはPARPを活性化するために添加され得る。インキュベーションの期間後、混合物および対照混合物(下記)は、蛍光標識が蛍光を発する波長を有する平面偏光で照射される。混合物ならびに対照混合物の蛍光偏光が測定され、そして比較される。対照混合物の蛍光偏光値未満である混合物の蛍光偏光値は、化合物または薬剤がPARPの活性を減少させるかまたは阻害することを示す。
さらに、本発明は、本明細書中に記載されるように、化合物または薬剤がPARPの活性を減少させるかまたは阻害するかどうか決定する方法に及び、ここでそのような方法のインキュベーション工程は少なくとも約10分の持続期間を有する。より詳しくは、インキュベーション工程の持続期間は、約10分から少なくとも2、3またはさらに4時間まで変動することができる。
多数の蛍光標識が本発明の方法に適用される。特定の例としては、フィコエリトリン(PE)、テキサスレッド(TR)、ローダミン、遊離のランタノイド系塩、キレート化されたランタノイド系塩、BODIPY(Molecular Probes)、ALEXA(Molecular Probes)またはCyDye(Amersham Biotech)が挙げられるが、特にこれらに制限されない。当然、蛍光発光の波長と同様に、利用される平面偏光の波長は使用される蛍光標識によって変化する。特定の例において、利用される蛍光標識はテキサスレッド(TR)である。それゆえに、平面偏光の波長は590nmである、そして発光の波長は620nmである。
更に、本発明の方法で、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+は、ADPリボース基および蛍光標識が結合されるリンカー分子を含んでもよい。本明細書中で適用されるリンカー分子の例としては、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタノン酸、8−アミノカプリル酸、Fmoc−アミノカプロン酸、1つまたはそれ以上のβ−アラニン、イソチオシアネート基、スクシンイミジルエステル、スルホナールハロゲン化物、カルボジイミド、およびC6スペーサーアーム:−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−が挙げられるが、特にこれらに限定されない。具体例において、蛍光標識はテキサスレッドであり、そしてADPリボース基および蛍光標識を結合するリンカーはC6スペーサーアームである。
さらに、本発明は化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかまたは阻害するかどうか決定する方法に及び、ここで該方法は以下の工程:
(a) 混合物を少なくとも約10分間インキュベートし、ここで混合物は
(i) 活性化したPARP酵素;
(ii) 化合物または薬剤;および
(iii) NAD+、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
を含む、工程;
(b) 工程(a)の混合物および対照混合物を、蛍光標識が蛍光を発する波長を有する平面偏光で照射し、そして工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光値を測定する工程;および
(c) 工程(b)の計測値を比較する工程
を含む。対照混合物の蛍光偏光計測の値未満である値を有する混合物の蛍光偏光値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害することを示す。
さらに、本発明は化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかまたは阻害するかどうかを決定する方法に及び、ここで該方法は以下の工程:
(a) 以下を含む混合物:
(i) 活性化されたPARP酵素;
(ii) 化合物または薬剤;および
(iii) NAD+、テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
をインキュベートする工程;
(b)工程(a)の混合物および対照混合物を590nmの波長を有する平面偏光で照射し、そして620nmの波長で工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
(c) 工程(b)の計測値を比較する工程
を含む。対照混合物の蛍光偏光計測の値未満の値を有する混合物の蛍光偏光値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す。
さらに、本発明は化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法に及び、該方法は以下の工程:
(a) 混合物を少なくとも約10分間インキュベートし、ここで該混合物は
(i) 活性化されたPARP酵素;
(ii) 化合物または薬剤;および
(iii) NAD+、テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
を含む、工程;
(b) 工程(a)の混合物および対照混合物を590nmの波長を有する平面偏光で照射し、そして620nmの波長で工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
(c) 工程(b)の計測値を比較する工程
を含む。混合物の蛍光偏光値が対照混合物の蛍光偏光値未満であることは、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す。
したがって、PARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤の能力を評価する有用かつこれまで未知の方法を提供することが本発明の態様である。そのような化合物または薬剤は、被験者において虚血、発作または別の種類の心臓血管疾患を治療することに適用し得る。
PARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤の能力を評価する方法
を提供することが本発明の別の態様であり、ここでそのような方法は面倒で時間がかかる洗浄工程、放射性同位元素の使用または高価な試薬の使用を必要としない。
インビボ、インビトロ、細胞ベースまたは分離された様式で実施され得る、PARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤の能力を評価する方法を提供することが、本発明のさらに別の態様である。
高速スループット方法で実行されることができる、PARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤の能力を評価する方法を提供することが本発明のなおさらに別の態様である。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の図面および詳細な説明を参照することでよりよく理解されるだろう。
本発明は、驚いたことに、そして予想外に、蛍光偏光をPARP酵素の活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤を同定するために利用し得る発見に基づく。結果として、充分なエネルギー準位、例えばATPが細胞に存在し、そして虚血、発作または他の種類の心臓血管疾患がうまく治療され得る。PARPが触媒する反応が図式的に図1に示される。
広く、本発明は化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法に及び、該方法は以下の工程:
(a) 以下を含む混合物:
(i) 活性化されたPARP酵素;
(ii) 化合物または薬剤;および
(iii) NAD+、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
をインキュベートする工程;
(b) 工程(a)の混合物および対照混合物を、蛍光標識が蛍光を発する波長を有する平面偏光で照射し、そして工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光値を測定する工程;および
(c) 工程(b)の計測値を比較する工程
を含み、ここで対照混合物の蛍光偏光値未満である混合物の蛍光偏光値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す。
本願明細書および添付の請求の範囲の全体にわたって使用される多数の用語および表現は、下記で定義される。したがって:
本明細書中で使用される、用語「化合物」または「薬剤」は現在公知の、または後に発見される任意の組成物をいう。本願明細書に適用される化合物または薬剤の例は、有機化合物(例えば人工、天然に存在および光学活性のもの)、ペプチド(人工、天然に存在および光学活性なもの、すなわちDまたはLアミノ酸のいずれか)、炭水化物、核酸分子などを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「酵素」は生体分子、例えばタンパク質またはRNAをいい、これは特異的な化学反応を触媒する。これは触媒された反応の平衡に影響しない。それどころか、酵素は活性のエネルギーを低下させることにより、反応速度を高める。
本明細書中で使用される場合、用語「コファクター」は、酵素活性のために必要である物質、例えば無機イオン、補酵素、核酸分子などをいう。具体例において、補因子はDNAである。本発明の方法が細胞ベースの方法で実行されている場合、DNAは天然に存在、すなわち内因性でよい。あるいは、DNAはPARPを活性化するために混合物に添加されてもよ
い。
本明細書中で使用される場合、用語「活性化したPARP」は補因子DNAの存在下にあるPARPをいう。前述したように、DNAは細胞または細胞の溶解物内に内在的に存在してもよい。本発明の方法がDNAが天然に存在しない条件下で実施される場合、DNAはPARPを活性化するために添加することができる。
本明細書中で使用される場合、用語「基質」は酵素が作用する組成物をいう。基質は酵素が特定の部分の切断を触媒するその種の名前である「ドナー基質」、または酵素がその特定の部分の結合を触媒する種である「受容体基質」である。具体例において、NAD+はドナー基質であり、ヒストンは受容体基質であり、そしてその特定の部分はNAD+のADPリボース基である。PARPは、ADPリボース基のNAD+からヒストンのグルタミン酸残基までの移送を触媒する。
本明細書中で使用される場合、用語「蛍光標識」は、特定の光の波長で照射される場合に蛍光を発する化学物質をいい、ここでその化合物を、直接関心のある化合物に結合するか、あるいは、次に関心のある化合物に結合されるリンカーに結合する。本発明の方法に適用される蛍光標識の例は、フィコエリトリン(PE)、テキサスレッド(TR)、ローダミン、遊離のランタノイド系塩、キレート化されたランタノイド系塩、BODIPY、ALEXA、CyDyeなどを含むが、特に制限されるものではない。本発明の方法に適用される特定の蛍光標識は、テキサスレッドである。
本明細書中で使用される場合、用語「追跡子」は、検定される化合物または薬剤を含む混合物に添加される検出可能に標識された部分をいう。化学的に、標識を除けば、それはドナー基質からレセプタ基質へ移動される部分と同じである。結果として、追跡子およびドナー基質から切断された部分は、受容体基質と結合するために競合する。この競合および蛍光偏光計測へのその影響は、以下に記載される。具体例において、「追跡子」は蛍光標識、例えばテキサスレッドを伴うADPリボース基を有するNAD+である。蛍光標識はNAD+のADPリボース基に直接結合されてもよく、あるいはADPリボース基および蛍光標識の両方がリンカーに結合されてもよい。
本明細書中で使用される場合、用語「リンカー」および「リンカー分子」は取り換えて使用されてもよく、そして蛍光標識および関心のある化合物、例えばNAD+のADPリボース基が結合される化学物質部分をいう。本発明に適用されるリンカーの特定の例は、ほんの少し例を挙げれば、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタノン酸、8−アミノカプリル酸、Fmoc−アミノカプロン酸、1つまたはそれ以上のβ−アラニン、イソチオシアネート基、スクシンイミジルエステル、スルホナールハロゲン化物、C6スペーサーアームまたはカルボジイミを含む。本発明に適用されるリンカーの特定の例は、C6スペーサーアームである。
本明細書中で使用される場合、用語「対照混合物」は、この対照混合物が化合物または薬剤を含まないことを除いて、検定される化合物または薬剤を含む混合物と同じ量で、同じ試薬、細胞等を含む混合物をいい、そして検定される化合物または薬剤を含む混合物と同じ方法で処理される。
蛍光偏光
蛍光偏光は、分子間の相互作用を研究するために使用される技術である。この技術の原理は、評価される分子のサイズに依存している。特に、蛍光分子が特定の波長の平面偏光で照射される場合、分子中の基底状態の電子は励起状態に活性化される。約4〜5ナノ秒後、これらの励起された電子はそれらの基底状態に減衰する。分子が蛍光シグナルを放出
するのはこの減衰の間である。蛍光偏光においてこの蛍光発光は、この分子が励起状態の全体にわたり定常状態のままの場合だけ検出され得る。分子が励起状態の間に移動するかまたは回転する場合、蛍光発光は蛍光分子の電子を励起する偏光面とは異なる偏光面にある。その結果、蛍光発光は検出されない。分子が小さければ小さいほど、その移動および回転が大きいほど、よく認められる。したがって、小さい分子はより大きい分子よりかなり小さいFPシグナルを生じ、それは励起期間の間に比較的定常状態のままである。それは、蛍光偏光が利用する分子の特性である。リガンドおよびそのレセプタに関する蛍光偏光検定において、追跡子、すなわち蛍光標識で標識されたリガンド、およびリガンドが結合するレセプタは溶液中に置かれる。次いでリガンドおよび追跡子は互いに競合してレセプタに結合する。それからこの溶液を平面偏光で照射し、次いでシグナルを検出する。それほど未標識のリガンドが溶液に存在しない場合、存在する大多数のレセプタは追跡子と結合する。レセプタは(リガンドと比較して)大きい分子であり、従って溶液中で非常にゆっくり回転するので、シグナルは標識の蛍光から得られるだろう。対照的に、大量の未標識リガンドが存在する場合、そのときは大多数のレセプタがレセプタより速く回転するリガンドと結合する。その結果、追跡子により生じる蛍光シグナルは、少しでも生じる場合、レセプタに結合された追跡子により生じる以前に得られたシグナルよりかなり小さい。それは、当業者がリガンドが存在するかどうか決定し得るこれらのシグナルとその濃度間の差である。本発明において、リガンドはNAD+から切断されるADPリボース基であり、そしてレセプタはヒストンである。PARP酵素、検定される化合物または薬剤、および蛍光標識を伴うADPリボース基を有するNAD+を含む追跡子を、共に混合する。評価される化合物または薬剤がPARPの活性を減少させるかまたは阻害する場合、大多数の蛍光標識されたADPリボース基はNAD+に結合されたままであり、それは(相対的なスケールにおいて)ヒストンよりずっと小さい分子である。しかし、対照混合物において、NAD+から標識されたADPリボース基を取り、そしてそれらの基をヒストンに結合させることを触媒する上記酵素は含まれない。したがって、対照混合物は比較的大きいFP測定値を有するだろう。結果的に、化合物または薬剤がPARPの活性を減少させる場合、その混合物のFP測定値は対照のFP測定値に満たない。それゆえ、本発明の方法は当業者が、評価される特定の化合物または薬剤がPARPの活性を減少させるかどうか決定することを容易に可能とする。
蛍光偏光は、ミリポラリゼーション単位、すなわちmPにおいて測定される。それは方程式:
P=Iv−Ih/Iv+Ih (I)
(ここでIvおよびIhはそれぞれ蛍光垂直強度および蛍光水平強度である)
によって算出される。蛍光寿命および分子の回転相関時間は、ペラン方程式:
Figure 2006512905
(式中、
Figure 2006512905
は定常状態の偏光度であり、
Figure 2006512905
はフルオロホアの初期限界偏光度(initial limiting polarization)であり、τfは蛍光寿命であり、τcは分子の回転相関時間である)
にて説明されるように、蛍光偏光を測定する際の素因子である。球状分子について、τc
τc=Vhη/kT (III)
(式中、ηは環境の粘度であり、そしてTは温度である)
のように水和分子体積(Vh)に関連する。図2は球状分子量の関数としての蛍光偏光における蛍光寿命のシミュレーションされた効果を示す。シミュレーションによって示されるとおり、小さいドナー基質を標識するために短い寿命の蛍光追跡子、例えばフルオレセインまたはローダミン(テキサスレッド)を使用することにより、追跡子を伴う化学物質部分の、より大きなサイズの別の塊への移送が、蛍光偏光の変化によりモニタされ得る。分子移送がない場合、蛍光追跡子は速く回転し、従って発光は減極される。大きい分子への追跡子の移送において、蛍光追跡子はフルオロホアの寿命の間、相対的に定常のままであり、従って発光は程度の高い偏光を有する(図5に示されるスキーム)。非球状分子について、FP値は図1において予測された値からはずれ得るが、しかしFP、τfおよびVh間の相対関係は保たれる。
条件
前述したように、本発明の方法はインビボ、インビトロ、または分離された形態で実施され、ここで全ての試薬、酵素、基質などは事前に分離され、そして緩衝液(例えばTRIS、TRIS HCl、HEPEsまたは生理学的条件(すなわち生理的pH、温度など)下のリン酸緩衝液において、または細胞ベースのマナーにおいて維持した。特定の例において、本発明の方法の条件は、テキサスレッドで標識された4.0 nMのNAD+、標識のない100μMのNAD+、0.025mg/mlのヒストン、1mMのDTT、0.1mg/mlのDNA、50mMのTRIS、pH 8.0、5mMのMgCl2、10μMの試験化合物、7%グリセロールを含んでよく、酵素濃度はバッチに依存した(0.5〜2μg/mL)。総反応体積:6.5μl。反応温度:加湿チャンバ中、22℃。反応時間:2時間。しかし、これらの条件は本発明の方法を実行するための条件の一例でしかない。ルーチンの実験室技術および知識を使用する当業者は、容易にこのような条件を変更でき、そしてうまく本発明の方法を実行することができる。
PARPの活性を減少させるかまたは阻害する候補化合物または薬剤についてのライブラリの検索
従来、有用な特性を有する新しい化学物質実体は、いくつかの望ましい特性または活性を有する化学化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定し、そのリード化合物の変種を作製し、そしてそれらの変種化合物の特性および活性を評価することによって得られる。しかし、現在の傾向は薬物発見の全ての態様に関して時間的尺度を短縮することである。迅速かつ効率よく多数を試験する性能のために、高速スループットスクリーニング(HTS)法が従来のリード化合物同定方法に取って替わっている。
具体例において、高速スループットスクリーニング法は、多数の潜在的治療化合物(候補化合物)を含むライブラリを提供することに関係する。このとき、そのような「コンビナトリアル化学物質ライブラリ」は本発明の方法によりスクリーニングされ、所望の特徴的活性を示すライブラリ構成メンバ(特定の化学物質種またはサブクラス)を同定する。したがって、同定される化合物は従来の「リード化合物」として役立つことができ、またはそれ自体、潜在的または実際の治療剤として使用され得る。
コンビナトリアル化学物質ライブラリ
コンビナトリアル化学物質ライブラリは、新規な化学化合物リードの生成を助ける好適な手段である。コンビナトリアル化学物質ライブラリは、いくつかの化学的「ビルディングブロック」例えば試薬を合わせることによる化学合成または生物学的合成のいずれかによって得られる多様な化学化合物のコレクションである。例えば、ポリペプチドライブラリのような線形コンビナトリアル化学物質ライブラリは、与えられた化合物長(すなわちポリペプチド化合物のアミノ酸の数)に関してあらゆる可能な方法において化学的ビルディングブロックと呼ばれるアミノ酸のセットを合わせることにより形成される。何百万もの化学化合物が、化学的ビルディングブロックの上記コンビナトリアル混合で合成され得る。例えば、あるコメンテーターが、100の交換可能な化学的ビルディングブロックの合成性コンビナトリアル混合により、1億の四量体化合物または100億の五量体化合物の理論上の合成を生じることを観察した(Gallop他. (1994) 37(9): 12331250)。
コンビナトリアル化学物質ライブラリの調製は当業者に周知である。上記コンビナトリアル化学物質ライブラリは、ペプチドライブラリを含むがこれに限定されるものではない(例えば米国特許第5,010,175号, Furka (1991) Int. J. Pept. Prot. Res., 37: 487-493, Houghton他. (1991) Nature, 354: 84-88を参照)。ペプチド合成は、本発明による使用のために構想および意図されるアプローチだけでは決してない。化学的多様性ライブラリを得るための他の化学反応が使用されてもよい。そのような化学反応は以下を含むが、特に限定されない:ペプトイド(PCT公開番号WO 91/19735, 1991年12月26日)、コードされたペプチド(PCT公開WO 93/20242, 1993年10月14日)、ランダムなバイオオリゴマー(PCT公開WO 92/00091, 1992年1月9日)、ベンゾジアゼピン(米国特許第5,288,514号)、ダイバーソマー、例えばヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド(Hobbs他., (1993) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90: 69096913)、ビニロガスポリペプチド(Hagihara他. (1992) J. Amer. Chem. Soc. 114: 6568)、βDグルコースの足場による非ペプチド性ペプチド模倣物(Hirschmann他., (1992) J. Amer. Chem. Soc. 114: 92179218)、小さい化合物ライブラリの類似有機合成(Chen他. (1994) J. Amer. Chem. Soc. 116: 2661)、オリゴカルバメート(Cho,他., (1993) Science 261:1303)および/またはペプチジルホスホナート(Campbell他., (1994) J. Org. Chem. 59: 658)。通常、Gordon他., (1994) J. Med. Chem. 37:1385, 核酸ライブラリ、ペプチド核酸ライブラリ(例えば米国特許第5,539,083号を参照)、抗体ライブラリ(例えばVaughn他. (1996) Nature Biotechnology, 14(3): 309-314およびPCT/US96/10287を参照)、炭水化物ライブラリ(例えばLiang他. (1996) Science, 274: 1520-1522、および米国特許第5,593,853号を参照)、および小さい有機分子ライブラリ(例えばベンゾジアゼピン, Baum (1993) C&EN, 1月18日, 第33頁, イソプレノイド 米国特許第5,569,588号、チアゾリジノンおよびメタチアザノン米国特許第5,549,974号、ピロリジン米国特許第5,525,735号および5,519,134号、モルホリノ化合物米国特許第5,506,337号、ベンゾジアゼピン米国特許第5,288,514号等を参照)を参照。
コンビナトリアルライブラリの調製のための装置は市販されている(例えば357 MPS, 390 MPS, Advanced Chem Tech, Louisville KY., Symphony, Rainin, Woburn, MA., 433A Applied Biosystems, Foster City, Calif., 9050 Plus, Millipore, Bedford, MAを参照)。
多数の周知のロボット装置もまた、溶液相の化学反応のために開発されている。これらの装置は、武田薬品工業株式会社(大阪、日本)によって開発された自動合成装置のような自動ワークステーションおよび化学者により実施される手動合成操作を模倣するロボットアームを利用した多くのロボット装置(Zymate II, Zymark Corporation, Hopkinton, Mass.; Orca, HewlettPackard, Palo Alto, Calif.) を含む。任意の上記装置が本発明による使用に適当である。本明細書中で議論されるように作動し得るようなこれらの装置に対する変更の本質および実施は、当業者に明らかである。更に、多数のコンビナトリアルライブラリはそれ自体市販される(例えばComGenex, Princeton, N.J.; Asinex, Moscow, Ru; Tripos, Inc., St. Louis, MO.; ChemStar, Ltd, Moscow, RU; 3D Pharmaceuticals,
Exton, PA.; Martek Biosciences, Columbia, MD等を参照)。
化学物質ライブラリの高速スループット検定
当然、蛍光偏光法を使用する本発明の方法は、高速スループットスクリーニングに確実に従う。高速スループットスクリーニングシステムが市販である(例えばZymark Corp., Hopkinton, MA; Air Technical Industries, Mentor, OH; Beckman Instruments, Inc. Fullerton, CA; Precision Systems, Inc., Natick, MA等を参照)。これらの系は、一般的に全てのサンプルおよび試薬のピペット操作、液体の分配、時限式のインキュベーションおよび検定に適当な検出器におけるマイクロプレートの最終的な記録を含む全体の手順を自動化する。これらの可変な系は高度の融通性およびカスタム化に加え、高速スループットおよび速いスタートアップを提供する。このような系の製造業者は種々の高速スループットのために詳細なプロトコルを提供する。したがって、例えばZymark社は、遺伝子の転写、リガンド結合などの調節を検出するためのスクリーニング系を説明する技術的な報告を提供する。
本発明は以下の非制限的な実施例を参照することによりよりよく理解することができ、これは本発明の例示として提供される。以下の例は本発明の特定の実施態様をより十分に例示するために提示される。しかし、本発明の幅広い範囲を制限することとしては決して解釈されるべきでない。
化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ酵素(PARP)の活性を減少させるかまたは阻害するかどうかを決定する新規かつ有用な方法が、本願明細書において提供される。PARPはDNA修復に通常関係している核酵素である。損傷を受けたDNAによる活性化に対して、PARPはADPリボース単位をNAD+からタンパク受容体のグルタメートに移送し、そして続いてさらにADP−リボース単位をその第一のADP−リボースに加え、ADP−リボース鎖の伸長を生じさせる。さらに、PARPは細胞NAD+およびしたがってエネルギー通貨ATPを減少させることによる虚血または神経毒性発作における細胞死に関与していることが意味されている。従って、PARPの活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤は、そのような状態を治療することに応用されるだろう。
本願明細書に記載される本発明の具体例において、蛍光追跡子、テキサスレッドは、NAD+に共有結合される。この追跡子の化学構造は、図4に示される。
タンパク基質(ヒストンおよびPARPそれ自体)へのテキサスRed−ADPリボースの移送は、蛍光偏光法によって蛍光追跡子の回転速度によってモニタされ得る。検定は、タンパク基質に対する蛍光標識されたADPを移送するための酵素を阻害する試験化合物の能力を測定する。
材料
この実施例で用いられる材料およびそれらを得たベンダー、ならびにそれらのカタログ番号が下記表に記載される:
Figure 2006512905
使用される試薬:
図6のアミノ酸配列(配列番号1)をコードするPARPバキュロ・ウイルスが、sf(9)細胞を感染させるために使用された。PARPが発現された後、これを、40〜70%のアンモニアサルフェートの切断、次いで25%(v/v)グリセロールを含むTRIS緩衝液中の再懸濁により、部分的に精製した。
蛍光標識を伴うADPリボース基を有するNAD+追跡子の調製
本発明の方法のこの例において、追跡子は蛍光標識としてテキサスレッドを利用する。しかし、前述したように多数の蛍光標識が本発明の方法に応用される。しかし、蛍光を発する標識を生じさせるために使用される平面偏光の波長は、蛍光を発する特定の標識を生じさせるために公知の波長を有さなければならない。さらに前述したように、蛍光標識およびADPリボース基は、各々に直接結合されてもよいし、またはその代わりに、それら両方を結合するリンカーが使用されてもよい。この実施例において使用される追跡子の化学構造が、図4に示される。追跡子を生じる方法が以下に示される:
テキサスレッドスクシンイミジルエステル(Molecular Probes)を、乾燥塩化メチレン中のNAD+(Sigma Chemicals)溶液に添加した。反応物を暗闇で24時間、窒素下で撹拌した。精製を調節剤として0.05%のTFAを含む水/アセトニトリル勾配を使用した逆相HPLCクロマトグラフィにより実施した。
他の試薬
使用される他の試薬を下記の表に示す:
Figure 2006512905
条件:
4.0nMのテキサスレッドで標識されたNAD+、100μMの未標識NAD+、0.025mg/mlのヒストン、1mMのDTT、0.1mg/mlのDNA、50mMのトリス、pH 8.0、5mMのMgCl2、10μMの化合物または薬剤、7%グリセロール、酵素濃度はバッチに依存。総反応体積:6.5μl。反応温度:加湿チャンバ中22℃。反応時間:2時間。
手順:
本発明の方法を、1536ウェルブラックプレートにおいて手動で実行した。
しかし、前述したように本発明の方法は、容易に自動化されることができ、そして高速スループット方法で実行され得る。
この方法では、基質試薬3.0μlに、下記のように130μMの化合物または対照化合物0.5μlを添加した。それから、酵素試薬3.0μlおよび反応緩衝液3.0μlをウェルに添加した。次いでこの混合物を室温で約2時間インキュベートさせた。当然、対照混合物が化合物または薬剤を含まないことを除いては同一の対照混合物を調製した。
インキュベーション後、この混合物および対照混合物を、590nmの波長を有する平面偏光で照射し、そして混合物および対照混合物の蛍光偏光を590nmの励起波長および620nmの発光波長にセットした蛍光フィルタを使用して測定した。計測は、蛍光偏光(FP)モードにおいて蛍光偏光プレートリーダーにより行った。次いでこれらの2つの計測値を比較し、化合物または薬剤を含んでいる混合物の蛍光偏光値が対照の計測値未満かどうか決定した。このような所見は、対照混合物中の酵素は正確に機能するが、検定される化合物または薬剤を含んでいる混合物中の酵素は活性の減少を示すことを表す。その結果、検定される化合物または薬剤はPARP活性を減少させ、したがって、心臓血管疾患、虚血、発作などを治療する際に適用することができる。
対照化合物による方法の評価
本発明の方法が正しく機能することを確認するために、該化合物を化合物または薬剤と
して、すなわち対照化合物として、1,5−イソキノリン−ジオールを使用して実施した。これは379nmのIC50を有する。この対照の構造が以下に示される:
Figure 2006512905
上記手順をSigma Chemicals から購入したイソキノリン−1,5−ジオールを使用して実行した(Saint Louse, Mo., catalog number I-138)。これらの実験の結果が図3に示される阻害曲線で示される。この図の阻害曲線は、本発明の方法がPARPの活性を減少させるかまたは阻害する化合物または薬剤を容易に同定することができることを図式的に示す。
結論
本発明の方法においてPARPの公知の阻害剤を使用して得られたデータは、本発明がPARP活性を減少させる能力について化合物を評価する簡単で、速い、そして正確な方法を提供し、そしてさらに複数の洗浄または放射性同位元素を必要としないことを明らかに証明する。その上、本発明の方法は、非常に短期間に何千もの化合物または薬剤を評価するための高速スループット方法で容易に使用され得る。
本発明は、本願明細書に記載される具体的な実施態様によって範囲が制限されることはない。実際に本願明細書に記載されている変更に加えて本発明の種々の変更は、前述の説明および添付の図面から当業者に明らかである。そのような変更は添付の請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
全ての核酸またはポリペチドについて与えられる塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、および分子量または分子質量値はおおよそであり、そして説明のために提供されることが更に理解されるべきである。
種々の刊行物が本願明細書に引用され、その開示はそれらの全体において参照により加入される。
PARPにより触媒される化学反応の模式図である。ADPリボース基はNAD+から切断され、それからタンパク受容体基質のグルタメート残基に結合される。本発明の方法において、タンパク受容体基質はヒストンである。それから、PARPは追加的なADPリボース基のグルタメートに結合されたADPリボース基への結合を触媒し、鎖を生じさせる。 分子量の関数としての蛍光偏光(FP)における蛍光寿命のシミュレーションされた効果。 PARPの公知の阻害剤であるイソキノリン−1,5−ジオールを使用した阻害曲線のグラフ。本発明の方法によって得られたこのデータは、本発明の方法により化合物または薬剤がPARPの活性を減少させるかどうかを決定できることを証明する。 蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+の化学構造である。 本発明の方法のFPインプリメンテーションの原理の模式図。 実施例において使用されるPARP酵素のアミノ酸配列(配列番号:1)。

Claims (25)

  1. 化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法であって、以下の工程:
    (a) 以下を含む混合物:
    (i) 活性化されたPARP酵素;
    (ii) 化合物または薬剤;および
    (iii) NAD+、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
    をインキュベートする工程;
    (b) 工程(a)の混合物および対照混合物を、蛍光標識が蛍光を発する波長を有する平面偏光で照射し、そして工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
    (c) 工程(b)の計測値を比較する工程
    を含み、ここで対照混合物の蛍光偏光計測値未満である混合物の蛍光偏光計測値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す、上記方法。
  2. インキュベートする工程(a)が少なくとも約10分の継続時間を有する、請求項1記載の方法。
  3. インキュベートする工程(a)が約10分から少なくとも約2時間の範囲にわたる継続時間を有する、請求項2記載の方法。
  4. 蛍光標識がフィコエリトリン(PE)、テキサスレッド(TR)、ローダミン、遊離のランタノイド系塩、キレート化されたランタノイド系塩、BODIPY、ALEXA、またはCyDyeを含む、請求項1記載の方法。
  5. 蛍光標識がテキサスレッド(TR)である、請求項4記載の方法。
  6. 平面偏光の波長が590nmである、請求項5記載の方法。
  7. 化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法であって、以下の工程:
    (a) 混合物を少なくとも約10分間インキュベートし、ここで該混合物は
    (i) 活性化されたPARP酵素;
    (ii) 化合物または薬剤;および
    (iii) NAD+、蛍光標識で標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
    を含む、工程;
    (b) 工程(a)の混合物および対照混合物を、蛍光標識が蛍光を発する波長を有する平面偏光で照射し、そして工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
    (c) 工程(b)の計測を比較する工程
    を含み、ここで対照混合物の蛍光偏光計測値未満である混合物の蛍光偏光計測値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す、上記方法。
  8. 蛍光標識がフィコエリトリン(PE)、テキサスレッド(TR)、ローダミン、遊離のランタノイド系塩、キレート化されたランタノイド系塩、BODIPY、ALEXA、またはCyDyeを含む、請求項7記載の方法。
  9. 蛍光標識がテキサスレッド(TR)であり、そして平面偏光の波長が590nmである、請求項8記載の方法。
  10. インキュベートする工程が約10分から少なくとも約2時間の範囲にわたる継続時間を有する、請求項1記載の方法。
  11. テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+がADPリボース基及びテキサスレッドが結合するリンカー分子を含む、請求項9記載の方法。
  12. リンカー分子が、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタノン酸、8−アミノカプリル酸、Fmoc−アミノカプロン酸、1つまたはそれ以上のβ−アラニン、イソチオシアネート基、スクシンイミジルエステル、スルホナールハロゲン化物、カルボジイミド、およびC6スペーサからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
  13. リンカー分子がC6スペーサである、請求項12記載の方法。
  14. 化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法であって、以下の工程:
    (a) 以下を含む混合物:
    (i) 活性化されたPARP酵素;
    (ii) 化合物または薬剤;および
    (iii) NAD+、テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
    をインキュベートする工程;
    (b)工程(a)の混合物および対照混合物を590nmの波長を有する平面偏光で照射し、そして工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
    (c) 工程(b)の計測値を比較する工程
    を含み、ここで対照混合物の蛍光偏光計測値未満の値を有する混合物の蛍光偏光計測値は、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す、上記方法。
  15. インキュベートする工程が少なくとも約10分の継続時間を有する、請求項14記載の方法。
  16. インキュベートする工程が約10分から少なくとも約2時間の範囲にわたる継続時間を有する、請求項15記載の方法。
  17. テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+がADPリボース基及びテキサスレッドを結合するリンカー分子を含む、請求項15記載の方法。
  18. リンカー分子が、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタノン酸、8−アミノカプリル酸、Fmoc−アミノカプロン酸、1つまたはそれ以上のβ−アラニン、イソチオシアネート基、スクシンイミジルエステル、スルホナールハロゲン化物、カルボジイミド、およびC6スペーサからなる群より選択される、請求項17記載の方法。
  19. リンカー分子がC6スペーサである、請求項18記載の方法。
  20. インキュベートする工程が少なくとも10分の継続時間を有する、請求項19記載の方法。
  21. インキュベートする工程が約10分から少なくとも約2時間の範囲にわたる継続時間を有
    する、請求項20記載の方法。
  22. 化合物または薬剤がポリ(ADP−リボース)−ポリメラーゼ(PARP)の活性を減少させるかどうか決定する方法であって、以下の工程:
    (a) 混合物を少なくとも約10分間インキュベートし、ここで該混合物は
    (i) 活性化されたPARP酵素;
    (ii) 化合物または薬剤;および
    (iii) NAD+、テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+、DNAおよびヒストンを含む基質試薬溶液
    を含む、工程;
    (b) 工程(a)の混合物および対照混合物を590nmの波長を有する平面偏光で照射し、そして620nmの波長で工程(a)の混合物および対照混合物の蛍光偏光を測定する工程;および
    (c) 工程(b)の計測値を比較する工程
    を含み、ここで混合物の蛍光偏光計測値が対照混合物の蛍光偏光計測値未満である値を有することは、化合物または薬剤がPARP酵素の活性を減少させることを示す、上記方法。
  23. テキサスレッドで標識されたADPリボース基を有するNAD+がADPリボース基及びテキサスレッドを結合するリンカー分子を含む、請求項22記載の方法。
  24. リンカー分子が、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタノン酸、8−アミノカプリル酸、Fmoc−アミノカプロン酸、1つまたはそれ以上のβ−アラニン、イソチオシアネート基、スクシンイミジルエステル、スルホナールハロゲン化物、カルボジイミド、およびC6スペーサからなる群より選択される、請求項23記載の方法。
  25. リンカー分子がC6スペーサである、請求項24記載の方法。
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