JP2006510658A - 化学療法剤および化学予防剤としての緑茶ポリフェノールのアナログ - Google Patents

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Abstract

化学療法剤および化学的予防剤として有用な新規化合物が提供される。この化合物は、エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)のような緑茶中に生じるポリフェノールカテキンのアナログであり、そして構造式(I)を有し、ここで、R〜R11は、本明細書中に定義される。好ましいR部分は、O、S、NH、およびCHから選択され、そして例示の化合物において、Rは、Oであり、かつRは、3,4,5−置換ベンゾイルオキシ基のような三置換アロイルオキシ置換基である。薬学的組成物、ならびに化学療法および化学的予防の方法が、提供される。
【化1A】

Description

(技術分野)
本発明は、一般的に、緑茶中に生じるポリフェノールカテキンのアナログに関する。より詳細には、本発明は、カテキンの新規アナログ、(−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)、ならびに化学療法剤および化学的予防剤としてのそれらの使用に関する。
(背景)
癌は、米国における第二の主要な死因であり、これを上回るのは心疾患のみである。癌のための現在の薬理学的な処置は、癌細胞を優先的に破壊し(化学療法)、かつ健康な組織への傷害を最小限に抑える正確な用量範囲で投与される、毒性用量の化合物を利用する。癌組織への毒性効果に焦点を合わせた努力にもかかわらず、血液、胃腸管、肝臓、腎臓、および他の器官の重篤な障害のような重症もしくは生命を脅かす有害な効果が生じ得る。従って、最近の抗癌剤は、狭い治療領域を有する:治療用量と最大耐用量との間の範囲が、非常に小さい。この毒性およびほとんどの抗癌剤が静脈内投与される事実に起因して、ほとんど全ての癌化学療法は、病院もしくは診療所において投与されなければならない。最近の癌化学療法のさらなる問題点は、癌が、しばしば薬物に対して耐性を生じ、そのため疾患の再発がよく起こることである。
癌研究者らの目標は、化学療法処置の有害な効果を回避しつつ、有効な抗癌剤を開発することである。疫学は、この点に関していくつかの糸口を提供し、そして安全な抗癌剤の開発を導いている。癌の低い発生数を示す文化の習慣を調査すること、および疾患の発生数の減少の考え得る原因を調査することにより、研究者らは、その文化の人々により消費されている食物もしくは飲料が、抗癌特性を有する化合物を含むことを発見し得る。そして、抗癌特性を有するこれらの食事の化合物(dietary compound)は、それらの安全性を維持しながらそれらの抗癌効果を増強するために改変され得る。この点に関して特に興味深いのは、緑茶中に生じる特定のポリフェノールである。
特に、カテキンである(−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)、(−)−エピガロカテキン(EGC)、(−)−エピカテキン−3−ガレート(ECG)、および(−)−エピカテキン(EC)のような化合物は、癌化学的予防において関与を示唆されている。EGCGとEGCの両方は、実質的な抗癌活性を示し(EGCGは、特に強力である)、ECGおよびECは、いくらか低活性である。
Figure 2006510658
これらの天然に生じるポリフェノールを研究している研究者らは、緑茶中で、EGCGが、上記のカテキンのうちで最も豊富であるだけでなく、最も強力な化学的予防成分でもあることを決定している。数多くのインビトロおよびインビボの研究は、EGCGが、広範囲の種々の抗癌活性を有することを示している。動物実験において、経口投与されたEGCGおよび関連する緑茶ポリフェノールは、肺癌、乳癌、肝臓癌、皮膚癌、食道癌、胃癌、十二指腸癌、膵臓癌、および結腸癌の予防および処置における有効性を示している(Hirosiら(1997)Cancer Lett.112:141−147)。抗酸化剤として、EGCGは、フリーラジカルの中和、ストランド破壊および反応性酸素種により引き起こされる他の傷害からのDNAの防御(Andersonら(2001)Carcinogenesis 22:1189−1193)、ならびにヒトチトクロムP450のいくつかの発癌性基質の酸化の阻害(Mutoら(2001)Mutat.Res.479:197−202)によって、抗変異原性効果および化学的予防効果を発揮する。一般的に、EGCGは、チトクロムP450による前発癌物質の代謝活性化を阻害する。このことは、発癌に対する重要な化学的予防活性を表す(同書)。
別の提案されるEGCGの抗癌活性は、アポトーシスの誘導を含む。アポトーシスの一つのメカニズムは、EGCGの細胞表面のFasへの結合であり、これがFasを介するアポトーシスの引き金となると考えられている(Hayakawaら(2001)Biochem.Biophys.Res.Commun.285:1102−1106)。他の研究者らは、EGCGおよび他の緑茶の構成成分は、非形質転換細胞においてアポトーシスを阻害するために作用するp57の誘導を引き起こすので、正常細胞は、緑茶ポリフェノールのアポトーシス効果により影響を受けないと示唆している(Hsuら(2001)Anticancer Res.21(6A):3743−3748)。
他の抗癌メカニズムとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:トポイソメラーゼIおよびIIの阻害(Suzukiら(2001)Biol.Pharm.Bull.24:1088−1090);核因子κ−B(NFκB)の阻害であって、おそらく、IκBキナーゼ複合体の阻害を介し(Yang(2001)Mol.Pharmacol.60:528−533)、結果としてNO合成およびそれに続く発癌性亜硝酸塩の生成を抑制する、阻害;発癌性亜硝酸塩の除去(Pannalaら(1997)Biochem.Biophys.Res.Commun.232:164−168);腫瘍の転移に関するマトリックス金属プロテアーゼの阻害(Isemuraら(2000)Biofactors 13:81−85;Demeuleら(2000)Biochim,Biophys.Acta 1478:51−60);前立腺癌におけるアンドロゲンレセプターの阻害(Renら(2000)Oncogene 19:1924−1932);上皮増殖因子レセプターの過剰発現により誘導される細胞過剰増殖の阻害(Liangら(1997)J.Cell.Biochem.67:55−65);ならびに少なくとも部分的には、血管内皮増殖因子(VEGF)の誘導を抑制することによる、血管新生の阻害(Jung(2001)Br.J.Cancer 84:844−850)。
EGCGは、天然物として得られ得るか(例えば、Baileyらに対する米国特許第6,210,679号を参照のこと)、もしくはSRI International(Menlo Park、California)において最近開発されたエナンチオ選択的な合成を用いて化学的に合成され得る;Zaveri(2001)Organic Letters 3(6):843−846を参照のこと。しかし、EGCGそれ自体は、治療剤としての使用のために見込みのある候補ではない。なぜなら、EGCGは、経口投与された場合には最小限でのみ生物学的に利用可能であり、さらに、EGCGは、肝機能と深く関連しているからである。経口で与えられた場合の低い吸収によって、化学的予防的な恩恵を得るためには、一日に少なくとも8〜10杯の緑茶を飲まなければならない(EGCGは、煎じた一杯あたり約200mgの濃度で緑茶中に存在する;Mukhtarら(1999)Toxicol.Sci.52(補遺):111−117を参照のこと)。さらに、緑茶は、一杯あたり70mgのカフェインを含有し、そのため化学的予防のために十分な量を飲むことは、結果として、カフェインに関連する副作用を生じる。これらは、継続中の緑茶の臨床試験において観察されている。
何人かの研究者は、EGCG自体に固有の上記の制限を克服するEGCGのアナログを合成しようと試みている。例えば、EGCGのエナンチオマーのうち、この化合物の抗癌活性を担うものは、まだ知られていない。EGCGのエナンチオ選択的な合成が開発され、これは、別々に三つの芳香族断片を合成する工程、そして次に立体選択的な様式でそれらを組み立てる工程を包含する(LiおよびChan(2001)Organic Letters 3(5):739−741)。しかし、これらの著者は、いずれかのエナンチオマーの相対効力に関するいかなる結果も報告していない。Zaveri(2001)、前出は、EGCGの3,4,5−トリメトキシベンゾイルエステルアナログおよびその2α,3βエナンチオマーの合成を記載している。Zaveriにより記載された両方の化合物は、インビトロで乳癌細胞株の増殖を阻害することが見出されたが、これらの化合物の効能は、EGCG自体の効能よりもいくらか小さかった。
したがって、EGCGおよび他の緑茶ポリフェノールのアナログを生成するための合成ストラテジーが、これらの化合物の化学的予防効果および化学療法効果を最適化するために必要とされている。本発明は、EGCGに関する新規フラバノイドを設計するための大規模な、体系的な研究の結果であるが、それらの抗癌活性を増強し、かつ低毒性を維持するように最適化される。
(発明の要旨)
本発明は、EGCGそれ自体のような、非常に有効な抗癌剤である新規EGCGアナログに関するが、対照的に、優れた経口バイオアベイラビリティを有するEGCGにも関する。この新規化合物は、抗癌剤として公知もしくは現在考慮中の化合物についての多くの利点を提供する。例えば、本化合物は、非常に広範囲の治療領域を有し、言い換えれば、高用量でさえも毒性を生じないということを意味する。さらに、この化合物は、多くの薬物に付随する非常に多くのかつ衰弱する副作用を生じない。従って、安全性の観点から、この新規化合物は最適である。さらに、本化合物は、単純な分子構造を有し、そして簡単な合成技術を用いて容易に合成され得る。新規化合物により処方された薬学的組成物は、安定であり、かつ容易に送達され、優れたバイオアベイラビリティを提供する。
従って、本発明は、化学療法剤および化学的予防剤として有用な新規化合物を提供する。この新規化合物は、EGCGおよび緑茶中に見出される他のポリフェノールに構造的に関連するフラバノイドである。
一つの実施形態において、治療用化合物が提供され、この化合物は、構造(I)
Figure 2006510658
を有し、ここで、
、R、およびRは、水素、ヒドロキシル、アルキル、ハロ、スルフヒドリル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、かつさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかは、連結されて環式基を形成し得;
は、O、S、NR、およびCRから選択され、ここで、R、R、およびRは、水素もしくはアルキルであり;
は、アシルオキシ(アロイルオキシを含む)、スルフヒドリル、およびN(R)からなる群から選択され、ここで、Rは、同じでも異なっていてもよく、かつ上で定義されたとおりであり;
、R、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、ただし、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、一緒になって連結して、五員環、六員環、ならびに縮合五員環および/もしくは縮合六員環から選択される環式構造を形成し得、ここで、この環式構造は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族、もしくはヘテロ脂環式であり、かつ0個〜4個の非水素置換基および0個〜3個のヘテロ原子を有し;そして
10およびR11は、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、およびハロからなる群から選択され、ただし、(a)R、R、R10、およびR11が水素であり、(b)R、R、R、およびRがヒドロキシルであり、(c)Rが水素もしくはヒドロキシルであり、かつ(d)RがOである場合、(e)Rが3,4,5−トリヒドロキシベンゾイルオキシもしくは3,4,5−トリメトキシベンゾイルオキシ以外である。
別の実施形態において、化合物が提供され、この化合物は、構造式(II)
Figure 2006510658
を有し、ここで、
、R、およびRは、ヒドロキシル、アルキル、ハロ、スルフヒドリル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、そしてさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかは、連結されて環式基を形成し得;
およびRは、水素、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、ここで、R、R、R、RおよびRは、全てが同じというわけではない。
さらに別の実施形態において、ECGCアナログが提供され、ここで、このアナログは、ECGC自体に対して少なくとも一つの改変を含み、この改変は、このアナログが、製造者(Promega、Madison、WI)により提供されるプロトコルを用いる、MTTアッセイを用いて、乳癌細胞株における増殖を阻害するそれらの能力について評価される場合に、60より低いIC50を生じる。
化合物を合成するために使用される方法は、上記され、極端な反応条件および有害な溶媒の使用を回避し、そして高収率の所望の生成物を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて本明細書中で提供される新規化合物を含有する薬学的組成物を包含する。好ましくは、必ずとくわけではないが、このような組成物は、経口投薬形態であり、従って、経口薬物投与のために適切なキャリアを含有する。
さらなる実施形態において、本発明は、癌を罹患している個体を処置するための方法に関し、この方法は、本明細書中で提供される新規化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する。化学療法剤としてのそれらの一般的な有用性に加えて、この化合物はまた、化学的予防においても有用である。従って、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を患者に投与することによる、癌を予防するための方法にさらに関する。一般的に、化学的予防において、患者は、進行癌の危険性が上昇しているとして認識されている。このような患者としては、例えば、癌もしくは癌の特定の型の家系を有する患者、および遺伝学的分析を経験し、そしてそれによって遺伝的に癌もしくは癌の特定の型を発症しやすいと決定された患者が挙げられる。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(I.定義および命名法)
他に示されなければ、本発明は、特定の合成方法、アナログ、置換基、薬学的処方物、処方構成成分、投与様式などに限定されず、従って、変化し得る。本明細書中で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、そして限定的なものと解釈されないことがまた理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別のものを示すのでなければ、複数形の対象を含む。従って、例えば、
「置換基(a substituent)」との言及は、単一の置換基および同じでも異なっていてもよい二つ以上の置換基を含み、「化合物(a compound)」との言及は、異なる化合物および単一の化合物の組み合わせもしくは混合物を含み、「薬学的に受容可能なキャリア(a pharmaceutically acceptable carrier)」との言及は、二つ以上のそのようなキャリアおよび単一のキャリアを含む、などである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、数多くの用語について言及がなされ、この用語は、以下の意味を有するように定義される:
本明細書および添付の特許請求の範囲において、数多くの用語について言及がなされ、この用語は、以下の意味を有するように定義される:
本明細書中で使用される場合、句「式を有する」もしくは「構造を有する」は、限定するものと解釈されず、そして用語「含む」が一般に使用されているのと同様の方法で使用される。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど、およびシクロペンチル、シクロヘキシルなどのようなシクロアルキル基のように、必須ではないが、代表的に、1個〜24個の炭素原子を含む、分枝もしくは非分枝の飽和炭化水素基をいう。一般的に、やはり必ずというわけではないが、本明細書中のアルキル基は、1個〜18個の炭素原子、好ましくは1個〜12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキル」は、1個〜6個の炭素原子のアルキル基を意図する。「C〜Cアルキル」もしくは「低級アルキル」として同定される好ましい置換基は、1個〜3個の炭素原子を含み、そして特に好ましいこのような置換基は、1個〜2個の炭素原子を含む(すなわち、メチルおよびエチル)。「置換アルキル」は、一つ以上の置換基により置換されたアルキルをいい、そして用語「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」は、以下にさらに詳細に記載されるように、少なくとも一つの炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアルキルをいう。他に示されなければ、用語「アルキル」および「低級アルキル」は、それぞれ、直鎖、分枝、環式の、非置換、置換、および/もしくはヘテロ原子含有の、アルキルまたは低級アルキルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニル」は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニルなどのような少なくとも一つの二重結合を含む、2個〜約24個の炭素原子の直鎖、分枝、もしくは環式の炭化水素基をいう。一般に、やはり必ずというわけではないが、本明細書中のアルケニル基は、2個〜18個の炭素原子、好ましくは、2個〜12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキル」は、2個〜6個の炭素原子のアルケニル基を意図し、そして特定の用語「シクロアルケニル」は、好ましくは5個〜8個の炭素原子を有する環式アルケニル基を意図する。用語「置換アルケニル」は、一つ以上の置換基により置換されたアルケニルをいい、そして用語「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」は、少なくとも一つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルケニルをいう。別に示されなければ、用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、それぞれ、直鎖、分枝、環式、非置換、置換、および/もしくはヘテロ原子含有の、アルケニルおよび低級アルケニルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキニル」は、エチニル、n−プロピニルなどのような少なくとも一つの三重結合を含む、2個〜24個の炭素原子の直鎖もしくは分枝の炭化水素基をいう。一般的に、やはり必ずというわけではないが、本明細書中のアルキニル基は、2個〜18個の炭素原子、好ましくは2個〜12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキニル」は、2個〜6個の炭素原子のアルキニル基を意図する。用語「置換アルキニル」は、一つ以上の置換基により置換されたアルキニルをいい、そして用語「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」は、少なくとも一つの炭素原子がヘテロ原子により置き換えられているアルキニルをいう。別に示されなければ、用語「アルキニル」および「低級アルキニル」は、それぞれ、直鎖、分枝、非置換、置換、および/もしくはヘテロ原子含有の、アルキニルおよび低級アルキニルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合されるアルキル基を意図する;すなわち、「アルコキシ」基は、アルキルが上記に定義されたとおりである−O−アルキルとして表され得る。「低級アルコキシ」基は、1個〜6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図し、そして例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。本明細書中で、「C〜Cアルコキシ」もしくは「低級アルコキシ」として同定される好ましい置換基は、1個〜3個の炭素原子を含み、好ましいこのような置換基は、1個〜2個の炭素原子を含む(すなわち、メトキシおよびエトキシ)。
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、別に特定されなければ、単一の芳香族環または一緒になって縮合されるか、直接連結されるか、もしくは間接的に連結される(そのため、異なる芳香族環が、メチレン部分もしくはエチレン部分のような一般的な基に結合される)複数の芳香族環を含む芳香族置換基をいう。好ましいアリール基は5個〜20個の炭素原子を含み、特に好ましいアリール基は、5個〜14個の炭素原子含む。例示的なアリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノンなどのような、一つの芳香族環または二つの縮合もしくは連結された芳香族環を含む。「置換アリール」は、一つ以上の置換基により置換されたアリール部分をいい、そして用語「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」は、以下にさらに詳細に記載されるように、少なくとも一つの炭素原子がヘテロ原子により置き換えられるアリール置換基をいう。別に示されなければ、用語「アリール」は、非置換、置換、および/もしくはヘテロ原子含有の芳香族置換基を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アリールオキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合されるアリール基をいい、ここで、「アリール」は、上に定義されたとおりである。「アリールオキシ」基は、アリールが上で定義された−O−アリールとして表され得る。好ましいアリールオキシ基は、5個〜20個の炭素原子を含み、そして特に好ましいアリールオキシ基は、5個〜14個の炭素原子を含む。アリールオキシ基の例としては、限定ではなく、フェノキシ、o−ハロ−フェノキシ、m−ハロ−フェノキシ、p−ハロ−フェノキシ、o−メトキシ−フェノキシ、m−メトキシ−フェノキシ、p−メトキシ−フェノキシ、2,4−ジメトキシ−フェノキシ、3,4,5−トリメトキシ−フェニルなどが挙げられる。
用語「アロイル」(例えば、ベンゾイル)は、構造−(CO)−アリール(例えば、−(CO)−フェニル)を有する置換基をいい、そして用語「アリールオキシ」(例えば、ベンゾイルオキシ)は、構造−O−(CO)−アリール(例えば、−O−(CO)−フェニル)を有する置換基をいう。
用語「アラルキル」は、アリール置換基を有するアルキル基をいい、ここで、「アリール」および「アルキル」は、上で定義されたとおりである。好ましいアラルキル基は、5個〜20個の炭素原子を含み、そして特に好ましいアラルキル基は、5個〜12個の炭素原子を含む。アラルキル基の例としては、限定ではなく、ベンジル、2−フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、4−フェニル−ブチル、5−フェニル−ペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル、4−ベンジルシクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
用語「アラルキルオキシ」は、単一の末端エーテル結合を介して結合されるアラルキル基をいう。上記のように、「アラルキルオキシ」基は、−O−Alk(Ar)として示され得、ここで、「Alk」は、アルキル基であり、そして「Ar」は、アリール置換基である。好ましいアラルキルオキシ基は、5個〜20個の炭素原子を含み、そして特に好ましいアラルキルオキシ基は、5個〜12個の炭素原子を含む。アラルキルオキシ置換基は、例えば、ベンジルオキシ、2−フェノキシ−エチル、3−フェノキシ−プロピル、2−フェノキシ−プロピル、2−メチル−3−フェノキシプロピル、2−エチル−3−フェノキシプロピル、4−フェノキシ−ブチル、3−フェノキシ−ブチル、2−メチル−4−フェノキシブチル、4−フェノキシシクロヘキシル、4−ベンジルオキシシクロヘキシル、4−フェノキシ−シクロヘキシルメチル、2−(4−フェノキシ−シクロへキシル)−エチルなどが挙げられる。
用語「環式」は、置換されても置換されなくてもよく、そして/またはヘテロ原子含有の、そして単環式か、二環式か、もしくは多環式であり得る脂環式または芳香族の置換基をいう。用語「脂環式」は、芳香族環式分子に対して脂肪族環式分子をいう通常の意味で使用され、そして単環式か、二環式か、もしくは多環式であり得る。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、クロロ置換基、ブロモ置換基、フルオロ置換基、もしくはヨード置換基をいう通常の意味で使用される。
「ヘテロ原子含有アルキル基」(「ヘテロアルキル」基とも呼ばれる)もしくは「ヘテロ原子含有アリール基」(「ヘテロアリール」基とも呼ばれる)におけるような用語「ヘテロ原子含有」は、一つ以上の炭素原子が、炭素以外の原子(例えば、窒素、酸素、硫黄、リンもしくはケイ素、代表的には窒素、酸素、もしくは硫黄)により置き換えられる、分子、結合もしくは置換基をいう。同様に、用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子含有であるアルキル置換基をいい、用語「複素環式」は、ヘテロ原子含有である環式置換基をいい、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」は、それぞれ、ヘテロ原子含有である「アリール」置換基および「芳香族」置換基をいう、などである。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキルなどが挙げられる。ヘテロアリール置換基の例としては、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリルなどが挙げられ、そしてヘテロ原子含有脂環式基の例としては、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノなどである。
「置換アルキル」、「置換アリール」などにおけるような「置換」によって、上記の定義のいくつかにおいて示唆されるように、アルキル、アリール、もしくは他の部分において、炭素(もしくは他の)原子に結合された少なくとも一つの水素原子が、一つ以上の非水素置換基により置き換えられることを意味する。このような置換基の例としては、限定ではなく、以下が挙げられる:ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C〜C24アルコキシ、C〜C24アルケニルオキシ、C〜C24アルキニルオキシ、C〜C20アリールオキシ、アシル(C〜C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC〜C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C〜C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C〜C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル((−CO−)−X、ここで、Xはハロである)、C〜C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C〜C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO)、カルバモイル(−(CO)−NH)、モノ−(C〜C24アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−NH(C〜C24アルキル))、ジ−(C〜C24アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−N(C〜C24アルキル))、一置換アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH)、カルバミド(−NH−(CO)−NH)、シアノ(−C≡N)、イソシアノ(−N≡C)、シアナト(−O−C≡N)、イソシアナト(−O−N≡C)、イソチオシアナト(−S−C≡N)、アジド(−N=N=N)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH)、モノおよびジ(C〜C24アルキル)置換アミノ、モノおよびジ(C〜C20アリール)置換アミノ、C〜C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C〜C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH、ここで、R=水素、C〜C24アルキル、C〜C20アリール、C〜C24アルカリール、C〜C24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(−NO)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO−OH)、スルホナト(−SO−O)、C〜C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」をも呼ばれる)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C〜C24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C〜C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C〜C24アルキルスルホニル(−SO−アルキル)、C〜C20アリールスルホニル(−SO−アリール)、ホスホノ(−P(O)(OH))、ホスホナト(−P(O)(O)、ホスフィナト(−P(O)(O))、ホスホ(−PO)およびホスフィノ(−PH)のような官能基;ならびにヒドロカルビル部分C〜C24アルキル(好ましくは、C〜C18アルキル、より好ましくは、C〜C12アルキル、最も好ましくは、C〜Cアルキル)、C〜C24アルケニル(好ましくは、C〜C18アルケニル、より好ましくは、C〜C12アルケニル、最も好ましくは、C〜Cアルケニル)、C〜C24アルキニル(好ましくは、C〜C18アルキニル、より好ましくは、C〜C12アルキニル、最も好ましくは、C〜Cアルキニル)、C〜C20アリール(好ましくは、C〜C14アリール)、C〜C24アルカリール(好ましくは、C〜C18アルカリール)、ならびにC〜C24アラルキル(好ましくは、C〜C18アラルキル)。
さらに、上記の官能基は、特定の基が許容するのであれば、具体的に上記に列挙されたような、一つ以上のさらなる官能基もしくは一つ以上のヒドロカルビル部分によりさらに置換され得る。同様に、上記のヒドロカルビル部分は、具体的に列挙されたような一つ以上の官能基もしくはさらなるヒドロカルビル部分により、さらに置換され得る。
用語「置換」が、置換され得る基の列挙の前に現れる場合、この用語は、その基の全てのメンバーに適用すると解釈される。例えば、句「置換アルキルおよび置換アリール」は、「置換されたアルキルおよび置換されたアリール」として解釈される。
「任意の」もしくは「必要に応じて」は、続けて記載される状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、そのため、この記載は、状況が生じる場合および状況が生じない場合を含む。例えば、句「必要に応じて置換された」は、非水素置換基が、所定の原子上に存在してもしなくてもよいことを意味し、そして、従って、この記載は、非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。同様に、本明細書中の化学式において点線−−−−−により示される、句「必要に応じて存在する結合」は、結合が、存在してもしなくてもよいことを意味する。
本明細書中の分子構造において、基の特定のコンホメーションを示すための太線および点線の使用は、IUPAC様式に従う。点線により示された結合は、問題となっているその基が、描かれているように、分子の全体としての平面の下にあることを示し(「β」配置)、そして太線により示された結合は、問題となっている位置のその基が、描かれているように、分子の全体としての平面より上にあることを示す(「α」配置)。点線もしくは太線により示されていない一重結合は、どちらかの配置であり得;このような結合はまた、以下の通常の記号によっても示され得る
Figure 2006510658
本発明の化合物について言及する場合、出願人らは、用語「化合物」が、単に特定の分子実体のみではなく、その薬学的に受容可能な薬理学的に活性なアナログも含むことを意図し、このアナログとしては、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、結合体、活性な代謝産物、および他のこのような誘導体、アナログ、および関連する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、用語「処置すること」および「処置」は、症状の重症度および/もしくは頻度の減少、症状および/もしくは原因の除去、症状および/もしくはそれらの原因の発生の予防、ならびに傷害の改善もしくは矯正をいう。例えば、本発明の抗癌剤の投与による患者の処置は、化学的予防ならびに化学療法および抗血管新生を含む。
本発明の化合物の「有効量」または「治療有効量」との用語により、所望の効果を提供するための薬物または薬剤の無毒性であるが十分な量を意味する。
「薬学的に受容可能な」によって、生物学的にかもしくは別に、所望されなくはない物質を意味し、すなわち、この物質は、何らかの所望されない生物学的な影響を引き起こすことも、そこに含有されている組成物中の他の成分のいずれかとともに、有害な様式で相互作用することもなく、患者に投与される薬学的組成物に組み込まれ得る。用語「薬学的に受容可能な」が、薬学的なキャリアもしくは賦形剤を言及するために使用される場合、そのキャリアもしくは賦形剤が、毒物学的試験および製造試験の必要とされる標準を満たすこと、もしくはそのキャリアもしくは賦形剤が、米国食品医薬品局(FDA)により作成されているInactive Ingredient Guideに含まれることを意味する。「薬理学的に活性な」誘導体もしくはアナログにおける、「薬理学的に活性な」(もしくは単に「活性な」)は、親化合物およびほぼ同程度の物と同じ型の薬理学的な活性を有する誘導体もしくはアナログをいう。
(II.新規化合物)
本発明の化合物は、フラバノイドおよびそのアナログであり、構造式(I)
Figure 2006510658
を有し、
ここで、種々の置換基が以下のように定義される。
、RおよびRは、以下から選択される;水素;ヒドロキシル;アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、特にメチル;スルフヒドリル;ハロ;アルコキシ、好ましくはメトキシおよびエトキシのようなC〜Cアルコキシ、メトキシが好ましい;およびアリールオキシ、好ましくはC〜C12アリールオキシ、フェノキシが好ましい。アルコキシ置換基およびアリールオキシ置換基は、必要に応じて、ヘテロ原子含有であり、および/または、一つ以上の、代表的には一つもしくは二つの置換基により置換され得る。もちろん、いずれの置換基も、化合物の治療効力にとって不利益であるべきではないことも、それらが、その化合物が含有されている薬学的組成物の他の成分と、反応性であるかもしくは別に有害に相互作用するべきではないことも理解される。置換基としては、この節の(I)部において記載されているように、官能基、ヒドロカルビル基、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
さらに、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、連結されて環式基を形成し得、必ずというわけではないが、代表的に、五員環、六員環、ならびに縮合五員環および/もしくは縮合六員環から選択され、ここで、この環式構造は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族、もしくはヘテロ脂環式であり、かつ上記に列挙されているような0個〜4個の非水素置換基および0個〜3個のヘテロ原子を有する。例えば、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかは、結合されて低級アルキレン結合(例えば、−(CH−もしくは−(CH−)、上記のような置換基により置換された低級アルキレン結合、低級へテロアルキレン結合(例えば、−O−CH−O−、−CH−O−CH、もしくは−CH−NH−CH)を形成し、この場合、残りのR基(すなわち、RもしくはR)は、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、アリールオキシ、もしくはアラルキルオキシである。
は、O、S、NR、およびCRから選択され、ここで、R、R、およびRは、水素もしくはアルキルである。好ましくは、R、R、およびRは水素であり、そのためRは、O、S、NHもしくはCHである。最も好ましい実施形態において、Rは、Oである。
は、SH、N(R(ここで、Rは、同じでも異なっていてもよく、かつ水素、アルキル、アリール、およびアラルキルから選択される)、ならびに構造−O−(CO)−Rのエステル(すなわち、アシルオキシ基)からなる群から選択され、ここで、Rは、置換もしくは非置換のアルキル、アリール、もしくはアラルキルである。好ましいこのようなエステルにおいて、Rはアルキル、特にC〜Cアルキルもしくは置換フェニルである。一般的に、このようなアシルオキシ置換基は、2個〜32個の炭素原子、好ましくは6個〜32個の炭素原子を有する。
好ましいアシルオキシ基は、アロイルオキシ基であり、構造
Figure 2006510658
を有する基のような例があり、
ここで、R12、R13、およびR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択される。この群のうち、最も好ましい置換基は、R12、R13、およびR14が、独立して、ヒドロキシル、C〜Cアルキル(好ましくは、メチル)、およびC〜Cアルコキシ(好ましくは、メトキシ)からなる群から選択される場合である。
、R、RおよびRは、独立して、以下からなる群から選択される:水素;ヒドロキシル、アルキル、好ましくは、メチルおよびエチルのようなC〜Cアルキル、メチルが好ましい;アルコキシ、好ましくは、メトキシおよびエトキシのようなC〜Cアルコキシ、メトキシが好ましい;ならびにアリールオキシ、好ましくはC〜C12アリールオキシ、フェノキシが好ましい。RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、一緒になって連結して、五員環、六員環、ならびに縮合五員環および/もしくは縮合六員環から選択される環式構造を形成し得、ここで、この環式構造は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族、もしくはヘテロ脂環式であり、かつ0個〜4個の非水素置換基および0個〜3個のヘテロ原子を有する。RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、連結して、第一の環に「縮合」されるフェニルもしくはヘテロ芳香族環(例えば、ピリジニル、ピリミジニルなど)を形成する化合物が、好ましい。RおよびR、もしくはRおよびRの結合により形成されるフェニルもしくはヘテロ芳香族環は、同様の様式で、アントラセン系、フェナントレン系、もしくはベンゾ[h]キノリン系のような縮合三環構造を形成する。特に好ましいこのような化合物は、RおよびRが水素であり、かつRおよびRが連結されてフェニル環を形成する、α−ナフタフラバノイドである。
10およびR11は、独立して、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、およびハロからなる群から選択される。好ましくは、R10およびR11は水素である。
上記の置換基は、式(I)の化合物がEGCG自体、すなわち、(a)R、R、R10、およびR11が水素であり、(b)R、R、R、およびRがヒドロキシルであり、(c)Rが水素もしくはヒドロキシルであり、(d)RがOである場合、(e)Rが3,4,5、−トリヒドロキシベンゾイルオキシもしくは3,4,5−トリメトキシベンゾイルオキシ以外であるという条件付きで、示されているとおりに定義される。
式(I)の化合物において、二つのキラル中心によって、四種の異なるエナンチオマーが起こり得ること、そしてこの化合物が、個々のエナンチオマーの形態かもしくはエナンチオマーのラセミ混合物として存在し得ることが理解される。以下の表示において、キラル中心は、により示され、そして代替的な配置の結合は、
Figure 2006510658
により示される。
従って、四種の起こり得るエナンチオマーが、以下のように示される:
Figure 2006510658
Figure 2006510658
一般的に、必ずというわけではないが、本発明の化合物は、二種のトランスエナンチオマーのラセミ混合物である。このような混合物は、本明細書中で以下のような分子構造で示される:
Figure 2006510658
二種のシスエナンチオマーのラセミ混合物の形態の化合物は、以下の構造により示される:
Figure 2006510658
式(I)の特に好ましい化合物においては:RはOであり;Rは、エステル置換基R−(CO)−O−であり、ここで、Rは、ヒドロキシル、メチル、および、メトキシからなる群から独立して選択される置換基により、3位、4位、および5位が置換されているフェニルであり;かつRおよびR、R10およびR11は水素である。
従って、本発明の特に好ましい化合物は、構造(III)
Figure 2006510658
を有し、この構造は、(IVA)および(IVB)
Figure 2006510658
のシスもしくはトランス構造のどちらかを有する。
最も好ましい実施形態において、R、R、R、R、R、R12、R13、およびR14は、ヒドロキシル、メチル、もしくはメトキシから独立して選択され、ただし、式(I)の化合物は、EGCG自体、すなわち、(i)R、R、R、およびRがヒドロキシルであり、かつ(ii)Rがヒドロキシルである場合、(e)Rが3,4,5−トリヒドロキシベンゾイルオキシもしくは3,4,5−トリメトキシベンゾイルオキシ以外である。
本発明の化合物の特定の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2006510658
Figure 2006510658
Figure 2006510658
Figure 2006510658
Figure 2006510658
Figure 2006510658
別の実施形態において、化合物が提供され、この化合物は、式(II)
Figure 2006510658
の構造を有し、ここで:
、RおよびRは、以下からなる群から選択される:ヒドロキシル;アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、特にC〜Cアルキル、メチルが好ましい;ハロ;スルフヒドリル;アルコキシ、好ましくはメトキシおよびエトキシのようなC〜Cアルコキシ、メトキシが好ましい;およびアリールオキシ、好ましくはC〜C12アリールオキシ、フェノキシが好ましい。アルコキシ置換基およびアリールオキシ置換基は、必要に応じて、ヘテロ原子含有であり、および/または、一つ以上の、代表的には一つもしくは二つの置換基により置換され得る。上のように、いずれの置換基も、化合物の治療効力にとって不利益であるべきではないことも、それらが、その化合物が含有されている薬学的組成物の他の成分と、反応性であるかもしくは別に有害に相互作用するべきではないことも理解される。置換基としては、この節の(I)部において記載されているように、官能基、ヒドロカルビル基、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
さらに、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、連結されて環式基を形成し得、必ずというわけではないが、代表的に、五員環、六員環、ならびに縮合五員環および/もしくは縮合六員環から選択され、ここで、この環式構造は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族、もしくはヘテロ脂環式であり、かつ上記に列挙されているような0個〜4個の非水素置換基および0個〜3個のヘテロ原子を有する。例えば、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかは、結合されて低級アルキレン結合(例えば、−(CH−もしくは−(CH−)、上記のような置換基により置換された低級アルキレン結合、低級へテロアルキレン結合(例えば、−O−CH−O−、−CH−O−CH、もしくは−CH−NH−CH)を形成し、この場合、残りのR基(すなわち、RもしくはR)は、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、もしくはアリールオキシである。
およびRが、以下からなる群から選択される:水素、ヒドロキシル、アルキル、好ましくは、メチルおよびエチルのようなC〜Cアルキル、メチルが好ましい;アルコキシ、好ましくは、メトキシおよびエトキシのようなC〜Cアルコキシ、メトキシが好ましい;およびアリールオキシ、好ましくは、C〜C12アリールオキシ、フェノキシが好ましい。
さらなる実施形態において、ECGCアナログが提供され、ここで、このアナログは、ECGC自体に対して少なくとも一つの改変を含み、この改変は、このアナログが、製造者(Promega、Madison、WI)により提供されるプロトコルを用いるMTTアッセイを用いて、乳癌細胞株における増殖を阻害するそれらの能力について評価される場合に、60より低いIC50を結果として生じる。このような化合物は、式(I)および(II)の化合物のための前駆体として、そしておそらく、化学療法剤および化学的予防剤のような治療剤として有用である。
本発明の化合物は、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性な代謝産物、アナログなどの形態で投与され得るが、その塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性な代謝産物、もしくはアナログは、本文脈において、薬学的に受容可能であり、かつ薬理学的に活性である。塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性な代謝産物、アナログ、および活性な薬剤の他の誘導体は合成有機化学の当業者に公知の、そして例えば、J.March、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure、第4版(New York:Wiley−Interscience、1992)により記載されている標準の手順を用いて、調製され得る。
例えば、酸付加塩が、遊離塩基(例えば、一級アミノ基を含む化合物)から、遊離塩基の酸との反応を含む従来の方法を用いて、調製され得る。酸付加塩を調製するための適切な酸としては、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)ならびに無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)が挙げられる。酸付加塩は、適切な塩基による処理により、遊離塩基に再変換され得る。逆に、存在し得る任意の酸性部分の塩基性塩の調製は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなどのような薬学的に受容可能な塩基を用いて、同様の様式で実行され得る。エステルの調製は、ヒドロキシル基の酸塩化物のようなエステル化試薬との反応を含む。アミドは、適切なアミン試薬を用いてエステルから調製され得るか、またはそれらは、アンモニアもしくは低級アミンとの反応により、無水物もしくは酸塩化物から調製され得る。プロドラッグ、結合体、および活性な代謝産物はまた、当業者に公知もしくは関連する文献に記載の技術を用いて調製され得る。プロドラッグおよび結合体は、代表的に、個体の代謝系により改変されるまでは治療的に不活性である化合物を結果として生じる部分の、共有結合の連結により調製される。
さらに、キラル中心を含むこれらの新規化合物は、単一のエナンチオマーの形態か、もしくはエナンチオマーの混合物として存在し得る。いくつかの場合において、すなわち、本明細書中で説明されている特定の化合物に関して、キラリティ(すなわち、相対立体化学)が示される。他の場合においては、そうではなく、そしてこのような構造は、示される化合物のエナンチオマー的に純粋な形態とエナンチオマーのラセミ混合物との両方を含むことが意図される。エナンチオマー的な形態における化合物の調製は、エナンチオ選択的な合成を用いて実施され得る;あるいは、ラセミ体の形態において得られたキラル化合物のエナンチオマーは、慣習的な方法を用いて、合成後に分離され得る。
活性な薬剤の他の誘導体およびアナログは、合成有機化学の当業者に公知の標準の技術を用いて調製されても、適切な文献の参照により導かれてもよい。
本発明の化合物は、簡単な技術を用いて容易に合成され得る。好ましい合成方法としては、Zaveri(2001)Organic Letters 3(6):843−846に記載のエナンチオ選択的合成および本明細書中の図1〜4に概要を示されている合成が挙げられる。
(III.薬学的処方物および投与方法)
この新規化合物は、薬学的に受容可能なキャリアとともに、一つ以上のこの化合物から構成される薬学的処方物中に、簡便に処方され得る。代表的なキャリアおよび薬学的処方物を調製する従来の方法を開示する、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、PA:Mack Publishing Co.、1995)を参照のこと。
本発明の化合物は、経口で、非経口で、経直腸的に、膣内に、口腔内に、舌下に、鼻腔内に、吸入で、局所に、経皮的に、もしくは移植されたレザバを介して、従来の非毒性の薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤を含む投薬形態で投与され得る。本明細書中で使用される場合、用語「非経口」は、皮下、静脈内、および筋内注射を含むことを意図される。投与される化合物の量は、もちろん、特定の活性な薬物、処置される状態もしくは障害、状態もしくは障害の重症度、被験体の体重、投与様式および処方医師に公知の他の適切な因子に依存する。しかし、一般的に、投薬量は、約0.001mg/kg/日〜100mg/kg/日の範囲、より好ましくは、約0.1mg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲である。
意図された投与の様式に依存して、薬学的処方物は、好ましくは、正確な投薬量の単回投与のために適切な単位投薬形態で、例えば、錠剤、カプセル剤、キャプレット剤、液体、懸濁剤、乳剤、坐剤、顆粒剤、ペレット剤、ビーズ剤、散剤などのような、固体、半固体もしくは液体であり得る。適切な薬学的組成物および投薬形態は、薬学的処方の分野の当業者に公知の、そして適切な文書および文献(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、PA:Mack Publishing Co.、1995))に記載されている従来の方法を用いて調製され得る。
本化合物が経口で活性である場合、経口投薬形態が、一般的に好ましく、そして錠剤、カプセル剤、キャプレット剤、非水系溶剤、懸濁剤、および、もしくは、シロップ剤を含み、そしてまた、封入されていてもされていなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ剤、散剤、もしくはペレット剤も含み得る。好ましい経口投薬形態は、錠剤およびカプセル剤である。
錠剤は、標準の錠剤加工の手順および装置を用いて製造され得る。直接圧縮技術および顆粒化技術が好ましい。活性な薬剤に加えて、錠剤は、一般的に、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定化剤、界面活性剤、着色剤のような不活性な薬学的に受容可能なキャリア物質を含む。結合剤は、錠剤に粘着性質を与えるために使用され、そして、そのために、その錠剤がインタクトなままでいることを確実にする。適切な結合剤物質としては、デンプン(トウモロコシデンプンおよび前もってゼラチン化されたデンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、蝋、ならびに例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)、ならびにVeegumのような天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられるが、これらに限定されない。滑沢剤は、錠剤の製造を容易にするために使用され、粉末の流動を促進し、かつ圧力が軽減された場合の粒子キャッピング(すなわち、粒子破損)を防止する。有用な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸である。崩壊剤は、錠剤の崩壊を容易にするために使用され、そして一般的に、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ゴム、もしくは架橋されたポリマーである。充填剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロース、および微晶性セルロースのような物質ならびにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、塩化ナトリウム、およびソルビトールのような可溶性物質が挙げられる。安定化剤は、当該分野において周知なように、例として酸化反応を含む薬物分解反応を阻害もしくは遅延するために使用される。
カプセル剤がまた、経口投薬形態に好ましく、この場合、活性薬剤含有組成物は、液体もしくは固体(顆粒剤、ビーズ剤、散剤もしくはペレット剤のような粒子を含む)の形態で封入され得る。適切なカプセル剤は、硬くても軟らかくてもよく、そして一般的に、ゼラチン、デンプン、もしくはセルロース物質から作製される、ゼラチンカプセルが好ましい。二部の硬いゼラチンカプセル剤が、好ましくは、例えば、ゼラチンの帯状物などを用いて、密封される。例えば、封入薬品の調製のための材料および方法を記載している前出に引用されているRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(1995)を参照のこと。
経口投薬形態は、錠剤、カプセル剤、もしくは粒子のいずれであっても、所望される場合、延長された時間にわたる活性薬剤のゆるやかな徐放を提供するように処方され得る。一般的に、当業者に理解されるように、徐放性投薬形態は、不溶性可塑物(例えば、塩化ポリビニルもしくはポリエチレン)、または親水性ポリマーのような次第に加水分解可能な物質のマトリックス内に活性薬剤を分散させることにより、または、固体の薬物含有投薬形態をこのような物質によりコーティングすることにより処方される。徐放性コーティングもしくはマトリックスを提供するために有用な親水性ポリマーとしては、例として、以下が挙げられる:ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロースポリマー;好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなどから形成されるアクリル酸ポリマーおよびアクリル酸コポリマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび/もしくはエチルメタクリレートのコポリマー);ならびにポリビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルアセテートコポリマー、およびエチレンビニルアセテートコポリマーのようなビニルポリマーおよびビニルコポリマー。
非経口投与のための本発明に従う調製としては、滅菌された非水性の溶剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。非水性の溶媒もしくはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびトウモロコシ油のような植物油、ゼラチン、ならびにオレイン酸エチルのような注入可能な有機エステルである。非経口処方物はまた、保存剤、加湿剤、乳化剤、分散剤のようなアジュバントも含有し得る。この処方物は、滅菌剤の混合、微生物保持フィルターを通す濾過、照射もしくは加熱により滅菌される。それらはまた、滅菌注射用媒体を用いて製造され得る。
本発明の化合物はまた、従来の経皮薬物送達系を用いて、皮膚組織もしくは粘膜組織を通しても投与され得、ここで、活性薬剤は、皮膚に貼付される薬物送達デバイスとして機能する、積層構造内に含有される。このような構造において、薬物組成物は、上部の逆行させる層の下に存在する層、すなわち「レザバ」中に含有される。この積層構造は、単一のレザバを含み得るか、もしくはそれは、複数のレザバを含み得る。一つの実施形態において、このレザバは、薬物送達の間に、この系を皮膚に貼付する役割を果たす、薬学的に受容可能な接触付着物質のポリマーマトリックスを含む。あるいは、この薬物含有レザバと皮膚接触付着物は、付着物がレザバの下に存在する別々かつ異なる層として存在し、付着物は、レザバの下に存在し、この場合、レザバは、上記のようなポリマーマトリックスであり得るか、または液体もしくはヒドロゲルのレザバであり得るか、またはいくつかの他の形態を取り得る。経皮薬物送達系はさらに、皮膚透過強化剤も含有し得る。
本組成物は、一般的に、経口、非経口、もしくは経皮で投与されるが、他の投与の様式も同様に適している。例えば、投与は、好ましくは、活性薬剤に加えてココアバターもしくは坐剤蝋のような賦形剤を含有する坐剤を用いて、経直腸もしくは膣内であり得る。鼻腔内もしくは舌下の投与のための処方物はまた、当該分野で周知の標準の賦形剤を用いて調製される。本発明の薬学的組成物はまた、例えば、生理食塩水中の溶剤として、ドライパウダーとして、もしくはエアロゾルとしての吸入のためにも処方され得る。経皮投与はまた、本発明の化合物のための適切な送達経路でもある。
(IV.有用性)
本発明の化合物は、化学療法剤もしくは化学的予防剤として有用である。
この化合物は、発癌を阻害し、そしてまた、既に形質転換されている腫瘍細胞の増殖を阻害する見込みを示す。特に、本発明の化合物は、抗酸化剤として作用し、そしてDNA損傷を引き起こし得る有害なフリーラジカルの生成を阻害し得る。さらに、この化合物は、腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導し得る。さらに、この化合物は、増殖を阻害するか、もしくは癌細胞を殺傷しつつ、正常細胞に対する保護効果を提供し得る。
本化合物は、限定ではなく、以下:乳癌;結腸癌;直腸癌;肺癌;口腔咽頭癌;下咽頭癌;食道癌;胃癌;膵臓癌;肝臓癌;胆嚢癌;胆管癌;小腸癌;腎臓、膀胱、および尿路上皮を含む尿路の癌;子宮頸部、子宮、生殖細胞、および卵巣を含む女性生殖管の癌;胚および胎児の癌;前立腺、貯精嚢、精巣、および生殖細胞を含む男性生殖管の癌;甲状腺、副腎、および下垂体を含む内分泌線の癌;皮膚癌(血管腫症、黒色腫、骨もしくは軟部組織から生じる肉腫、およびカポジ肉腫を含む);ならびに脳、神経、眼、および髄膜の癌(星状細胞腫、神経膠腫、多形性グリア芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽細胞腫、神経鞘腫、および髄膜腫を含む)の原発と転移の両方の固形腫瘍および固形癌の処置において有用である。この化合物はまた、緑色腫、プラズマ細胞腫、菌状息肉腫のプラークおよび腫瘍、ならびにT細胞リンパ腫/白血病を含む白血病のような造血性悪性疾患;ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の両方を含むリンパ腫から生じる固形腫瘍の処置において有用である。この化合物は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肝臓癌、肺癌、および膵臓癌(これらの癌の薬物耐性形態を含む)の処置において、特に使用される。化学療法レジメンの効力に影響する主な問題は、化学療法薬物に曝露されると、多数の構造的に関連しない薬物および治療剤に対して耐性となる、癌細胞の進化であるので、薬物耐性癌に対する効力は、当該分野において重要な進歩を示す。
本発明が、好ましい特定のその実施形態と組み合わせて記載されるが、上記の説明および以下の実施例は、本発明の範囲を説明し、かつこれを限定しないことが意図されることが理解されるべきである。本発明の範囲内の他の局面、利益、および改変は、本発明が関連する分野の当業者に明らかである。
(V.実験)
以下の実施例は、当業者に、本明細書中で開示および特許請求されている化合物の調製および使用の方法の完全な開示および説明を提供するために記載される。数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証する努力がなされたが、いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。別に示されなければ、部は、重量部であり、温度は、℃であり、そして圧力は、大気圧であるかもしくは大気圧に近い。
Hおよび13C NMRスペクトルは、Varian Gemini 300 MHz分光計(それぞれ300MHzおよび75MHz)で記録し、そしてδ7.27ppmのクロロホルムに内部基準化する。H NMRについてのデータを、以下のように報告する:化学シフト(δppm)、多重度(br=ブロード、s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、exch=DOの添加により交換されるプロトン)、カップリング定数(Hz)、積分値、そして帰属。13Cについてのデータを、化学シフトによって報告する。IRスペクトルを、Perkin−Elmer 1610分光器において記録し、そして吸収の振動数(cm−1)によって報告する。マススペクトルを、ThermoFinnigan LCQ Duo LC/MS/MS機器および電子噴霧イオン化プローブを用いて得た。薄層クロマトグラフィーを、Analtech UniplateシリカゲルTLCプレートにおいて実施した。フラッシュクロマトグラフィーを、シリカゲル(Merck grade 9385、230−400メッシュ)を用いて実施した。逆相クロマトグラフィーを、Bakerから購入したC18逆相シリカゲルを用いて実施した。反応混合物のマイクロ波照射を、蓋をしたバイアル中でPersonal Chemistry Microwave Irradiator、Smith Creatorにおいて実施した。
2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン、3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド、3,5−ジメチルフェノールおよびメチルガレートを、Aldrich Chemical Companyから購入した。3,5−ジメトキシ−2−ヒドロキシアセトフェノンおよび3,5−ジメチル−4−ベンジルオキシ安息香酸は、Lancasterから購入した。Dess MartinペリオジナンをOmega Inc.(Canada)から購入した。テトラヒドロフランを、使用前にベンゾフェノンケチルから蒸留した。
(実施例1)
(トランス−5,7−ジヒドロキシ−2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13194)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのB環アナログ)を、スキーム1(図1)に従って以下のように合成した:
(a)2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン(1)からの4’,6’−ビスベンジルオキシ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(2)の調製:ヘキサメチルホスホロアミド(160mL)中の2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン(20g、0.12mol、140℃のオーブンで乾燥させた)および無水炭酸カリウム(50g、0.36mmol)の混合物を、ベンジルクロライド(30mL、0.26mmol)により処理し、そしてこの懸濁液を、アルゴン雰囲気下で1.5時間、90〜93℃において加熱した。次にこの混合物を冷却し、そして濾過した。この濾液を、300mLの氷冷水に添加し、そして6N HClで酸性にしてpH4にした。結果として生じた懸濁物を、70℃で1時間加熱し、そして次に4℃で16時間冷却した。沈殿した粘着性の固体を濾過して分離し、そして水で洗浄した。この固体を風乾させ、そして沸騰したメタノール/アセトン(2:1)から再結晶した。この溶液を冷却することで、オフホワイトの結晶として生成物8を得た(27.55g、収率66.5%)。
Figure 2006510658
(b)カルコン4の調製:エタノール中の10%w/v塩化カリウム溶液中のアセトフェノン2(2g、5.75mmol)および3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(1.69g、8.62mmol)の混合物を、室温で40時間攪拌した。結果として生じた溶液は、黄色固体を沈殿させ、この沈殿を、濾過により収集し、そして冷エタノールで洗浄した。この固体を、高度な減圧下で乾燥させ、第一の獲得物として2.38gの生成物4を得た。このエタノール濾液は、さらにいくらかの生成物を含有し、これを濃縮および冷却して、第二の獲得物として0.47gを得た。二つの獲得物の組み合わせた収率は、94%であった。TLC:ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル(3:1:1):Rf=0.60;
Figure 2006510658
(c)3−フラベン5の調製:テトラヒドロフラン(30mL)およびエタノール(30mL)中のカルコン4(2.94g、5.59mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(212mg、5.59mmol)を室温で添加した。この溶液を、16時間穏やかに還流しつつ攪拌し、その後、TLCにより出発物質は観察されなかった。この溶液を冷却し、そして乾燥状態までエバポレートし、そしてこの残査を、塩化メチレンに再溶解した。この有機溶液を、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてヘキサン:酢酸エチル(95:5〜80:20)による段階的な溶出を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物を溶出した。純粋な生成物を有するフラクションをプールし、エバポレートし、そして減圧下で乾燥して収量2.09gの無色の油状物質を得た(収率73%)。TLC:ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル(3:1:1):Rf=0.63;
Figure 2006510658
(d)2,3−トランス 3−フラバノール6の調製:テトラヒドロフラン(20mL)中の3−フラベン5(2.12g、4.17mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(33.35mL、33.35mmol)中の1Mのボラン溶液を、滴下漏斗により添加した。この溶液を、室温で4時間攪拌し、この間に、この溶液は、黄色から無色になった。この反応物は、残留する出発物質を示さず、そしてこの反応物を、0℃に冷却し、そして水(2mL)の滴下により反応をクエンチした。次に、3N NaOH(11.8mL、35.45mmol)および50% H(2.42mL、35.45mmol)を添加し、そしてこの溶液を65℃に1時間加熱し、そして室温で16時間攪拌させた。次に、この反応物を、酢酸エチルを用いて希釈し、そして水およびブラインを用いて洗浄した。有機層を、乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートして粗製物として2.37gの白色固体を得た。これを、ヘキサン:酢酸エチル(9:1〜7:3)により段階的に溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋な生成物を含有するフラクションをプールし、そしてエバポレートして半透明の白色固体として0.87g(49%)の6を得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(6:4):Rf=0.38;
Figure 2006510658
(e)6からのSR 13194の調製:3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸を、まず、塩化チオニル(0.99mL、13.6mmol)を有する酸(0.375g、0.85mmol)のニート溶液を65℃で3.5時間加熱することにより、酸塩化物に変換した。過剰な塩化チオニルを、エバポレートし、そして残査を、ヘキサン(2×10mL)およびベンゼン(2×10mL)により共沸した。この固体の酸塩化物を、塩化メチレンに溶解し、そしてピリジン(4mL)中のアルコール6(150mg、0.28mmol)およびDMAP(51.3mg、0.42mmol)に滴下した。この反応混合物を、室温で16時間攪拌し、その後、この反応物を、塩化メチレンを用いて希釈し、そして0.1N HCl(2×100mL)、水、飽和NaHCO水溶液およびブラインを用いて洗浄した。有機層を、エバポレートして0.497gの粗製エステルを得、これを、ヘキサン:酢酸エチル(90:10〜7:3)を用いて生成物を溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して無色の半固体として0.130g(48%)の純粋なエステル生成物を得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(6:4):Rf=0.65;
Figure 2006510658
上記のベンジル保護されたエステルをジオキサン(10mL)中に溶解し、そして炭素(70mg)上で10%Pdにより処理し、そして大気圧で水素バルーンを用いて、5時間水素付加した。次にこの混合物を、シリンジに取り付けられた先端円盤状フィルターを通して濾過した。このフィルターを、メタノールおよび酢酸エチルにより洗浄した。この濾液を、エバポレートして乾燥し、そしてこの粗製物を、HO:メタノール(90:10〜40:60)を用いて溶出するC18シリカゲルの逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。純粋な生成物を含有するフラクションを濃縮し、そして凍結乾燥して乳白色粉末として10mgの純粋なSR 13194を得た。
Figure 2006510658
(実施例2)
(シス−5,7−ジヒドロキシ−2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13195)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(また、EGCGのB環アナログ)を、スキーム1(図1)に従って以下のように合成した:
3−フラバノン7の調製:乾燥塩化メチレン(10mL)中のDess Martinペリオジナン(1g、2.295mmol)の不透明懸濁物に、塩化メチレン(10mL)中のトランス 3−フラバノール6(0.81g、1.53mmol)溶液を室温で添加した。結果として生じた紫色の溶液を、室温で4時間攪拌し、その後、この溶液を、7当量のチオスルフェートナトリウム(16.06mmol、3.98g)を含む飽和炭酸ナトリウム(60mL)溶液に注ぎ、そして10分間攪拌した。結果として生じた褐色溶液を、塩化メチレンにより抽出し、そして有機層を、水およびブラインにより洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。次に、濾過した溶液を、エバポレートして3−フラバノン7の粗製物を得、ヘキサン:酢酸エチル(95:5〜8:2)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して粘性の無色の油状物質として0.432g(53%)の純粋な生成物を得た。TLC:ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル(3:1:1):Rf=0.39;
Figure 2006510658
2,3−シス 3−フラバノール8の調製:ドライアイス浴において冷却された、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の3−フラバノン7(0.43g、0.82mmol)の溶液に、アルゴン下、シリンジにより、テトラヒドロフラン(7.39mL、7.39mmol)中のL−セレクトリドの1M溶液を添加した。次に、このドライアイス浴を取り除き、そしてこの溶液を室温で8時間攪拌させた。この反応物を、ドライアイス中で再び冷却し、そしてこれに、3N NaOH(3.55mL、10.66mmol)および50%H(0.72mL、10.66mmol)を添加した。この溶液を、室温で1時間攪拌し、そして次に酢酸エチルを用いて希釈した。有機溶液を、飽和NaHCO水溶液、水およびブラインを用いて洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートして粗製アルコールを得た。これを、ヘキサン:酢酸エチル(85:15〜7:3)により溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して緑黄色泡状固体として0.242g(52%)の純粋な生成物を得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(3:1:1):Rf=0.16;
Figure 2006510658
2,3−シス−3−フラバノール8からのSR 13195の調製:3−フラバノール8のSR 13195へのエステル化を、実施例1、(e)部にSR 13194の合成に関して記載したように、0.25g(0.57mmol)の3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸および100mg(0.19mmol)のシス 3−フラバノール8を用いて実施して、フラッシュクロマトグラフィーの後、79mg(44%)収率のベンジル保護されたエステルを得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(6:4):Rf=0.51;
Figure 2006510658
このエステルを、実施例1、(e)部に記載のように、ジオキサン(10mL)中で172mgのこのエステルおよび100mgの炭素上の10%Pdを用いて、触媒的水素付加により脱保護した。この粗製物を、逆相クロマトグラフィーにより精製して線毛状の乳白色粉末として24mgの純粋なSR 13195を得た。MS(DCI−NH):501(M+H)。
(実施例3)
(シス−5,7−ジヒドロキシ−2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−安息香酸エステル(SR 13196)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのB環およびD環のアナログ)を、スキーム1(図1)に従って以下のように合成した:
3−フラバノール8のSR 13196へのエステル化もまた、実施例1、(e)部に記載したように実施した。3,5−ジベンジルオキシ−4−メチル安息香酸(0.276g、1.08mmol)の酸塩化物を、SR 13194について記載されたように調製し、そして乾燥ピリジン中の8(142mg、0.27mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP;49.5mg、0.405mmol)の溶液に添加した。この混合物を、16時間攪拌し、そして酸塩化物(1.08mmol)を再充填し、そしてさらに18時間攪拌し、その後、全ての8は消費されていた。この反応物を、1N HCl(25mL)中に注ぎ、そして塩化メチレンにより抽出した。有機層を、水、飽和NaHCO、およびブラインにより洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートして粗製物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン:酢酸エチル(99:1)により純粋なエステルを溶出して、フラッシュクロマトグラフィー後に110mg(53%)のベンジル保護されたエステルを得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(6:4):Rf=0.53;
Figure 2006510658
このエステルを、実施例1、(e)部に記載したように、110mgのこのエステルおよびジオキサン(10mL)中の50mgの10%Pdブラックを用いて触媒的水素付加により脱保護した。粗製物を、順相フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン:酢酸エチル(9:1〜8:2)により生成物を溶出した。純粋な生成物を含有するフラクションを、エバポレートし、そして乾燥して、薄片状結晶の白色固体として53mgの純粋なSR 13196を得た。TLC:塩化メチレン:酢酸エチル(7:3):Rf=0.33;
Figure 2006510658
(実施例4)
(シス−5,7−ジヒドロキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、4−メトキシ−3,5−ジメチル−安息香酸エステル(SR 13197)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのD環アナログ)を、スキーム2(図2)に従って以下のように合成した:
(a)メチルガレート9からの3,4,5−トリベンジルオキシベンズアルデヒド12の調製:DMF(120mL)中のメチルガレート9(10g、53mmol)および炭酸カリウム(45g、320mmol)の混合物を、ベンジルブロミド(210mmol、25.7mL)により処理し、そしてアルゴン雰囲気下、24時間、40℃で攪拌した。この反応混合物を、濾過し、そしてこの濾液を乾燥状態までエバポレートした。この残査を、最低量の塩化メチレンに溶解し、そして当量のヘキサンにより希釈し、そして焼結ガラス漏斗の短いシリカゲルパッドに充填した。このシリカを、ヘキサン(300mL)により溶出して過剰なベンジルブロミドを除去し、そしてこの溶出物を捨てた。次に、生成物を、塩化メチレン:ヘキサン(1:1、300mL)、続いて塩化メチレン(500mL)により溶出し、そして溶出物を合わせ、そしてエバポレートしてオフホワイトの固体として純粋なベンジル生成物10を得た(収率100%)。
Figure 2006510658
乾燥テトラヒドロフラン(75mL)中の3,4,5−トリベンジル−メチルガレート10(10g、22mmol)の溶液に、固体リチウムアンモニウムハイドライド(1.25g、33mmol)を少しずつ添加した。この懸濁液を、加熱してアルゴン下、2時間還流した。この反応物を、0℃に冷却し、そして水の滴下により注意深くクエンチした。次にこのスラリーを、酢酸エチル/ヘキサンにより抽出した。有機溶液を、飽和ブライン、続いて無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、濾過し、そしてエバポレートして白色固体として純粋なアルコール11を得た(8.9g、収率95%)。
Figure 2006510658
0℃の塩化メチレン(200mL)中の3,4,5−トリベンジルオキシ−ベンジルアルコール11(8.9g、21mmol)の溶液に、ピリジニウムクロロクロメート(5.43g、25mmol)を、激しく攪拌しながら少しずつ添加した。冷却を停止し、そして反応物を室温で4時間攪拌した。暗褐色の懸濁液を、焼結ガラス漏斗の長いシリカゲルパットにわたって濾過し、そして純粋な生成物が溶出するまで、塩化メチレンにより溶出した。有機濾液を、エバポレートして軟らかい白色固体として純粋な生成物12を得た(8.1g、収率91.5%)。
Figure 2006510658
(b)カルコン13の調製:エタノール(400mL)中の4,6−ジベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−アセトフェノン2(15g、0.043mmol)および3,4,5−トリベンジルオキシベンズアルデヒド12(20.1g、0.047mmol)の混合物を、オーバーヘッド攪拌子およびコンデンサを取り付けられた三首フラスコに入れた。次にピペリジン(80mL)を添加し、そしてこの混合物を、加熱して24時間還流した。黄色固体が沈殿した。この反応混合物を、冷却し、そして濾過して黄色固体を得、これを冷エタノールにより洗浄し、そして乾燥して黄色固体としてカルコン13を得た(収率60%)。TLC:塩化メチレン:Rf=0.51;
Figure 2006510658
(c)3−フラベン14の調製:3−フラベン14を、3−フラベン5の合成(スキーム1)と同じ手順により、NaBH/THF/EtOHを用いて合成した。3−フラベンを、代表的に、無色の粘性の液体として50〜60%の収率で単離した。TLC:塩化メチレン:ヘキサン(8:2):Rf=0.53;
Figure 2006510658
(d)2,3−トランス 3−フラバノール15の調製:トランス 3−フラバノール14を、フラバノール6の合成(スキーム1)と同じ手順により、BH/THFを用いて合成した。トランス 3−フラバノールを、代表的に、白色固体として70%の収率で単離した。TLC:塩化メチレン:ヘキサン(8:2):Rf=0.13;
Figure 2006510658
(e)3−フラバノン16の調製:3−フラバノン16を、3−フラバノール15のDess Martin酸化により、3−フラバノン7の合成(スキーム1)についてと同様の様式で、50〜60%の収率で合成した。TLC:塩化メチレン:Rf=0.37;
Figure 2006510658
(f)2,3−シス 3−フラバノール17の調製:シス 3−フラバノール17を、3−フラバノン16のL−セレクトリド還元により、フラバノール8の合成(スキーム1)についてと同じ様式で、60〜70%の収率で調製した。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(8:2):Rf=0.27;
Figure 2006510658
(g)シス 3−フラバノール17からのSR 13197の調製:塩化メチレン(7mL)中の4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチル安息香酸(0.138g、0.53mmol)、EDC(305mg、1.59mmol)、HOBt(143.23mg、1.06mmol)、DMAP(129.50mg、1.06mmol)およびトリメチルアミン(0.185mL、1.325mmol)の溶液に、塩化メチレン(3mL)中の17(200mg、0.265mmol)の溶液を添加した。この溶液を、60時間、室温で攪拌し、その後、TLCにより出発物質フラバノールは見られなかった。この反応物を、塩化メチレン(100mL)で希釈し、そして0.1N HCl、飽和NaHCO、水およびブラインを用いて洗浄した。有機層を、乾燥し(MgSO)、そしてエバポレートして0.36gの粗製物を得、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン:ヘキサン(7:3)により純粋なフラクションとして生成物を溶出した。純粋な生成物を含有するフラクションをプールし、そしてエバポレートして0.166g(63%)収量の保護されたエステル中間体を得た。TLC:ヘキサン:酢酸エチル(6:4):Rf=0.72;
Figure 2006510658
次にSR13197を、上記の保護されたエステルから、SR 13196の合成(スキーム1)についてと同じ手順を用いて、Pdブラックを用いた触媒的水素付加により調製した。
Figure 2006510658
(実施例5)
(トランス−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13198)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのA環アナログ)を、スキーム3(図3)に従って、以下のように合成した:
(a)(2E)−1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシフェニル)−3−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)プロプ−2−エン−1−オン(19)の調製:
50mLの新しく蒸留したDMF中のNaH(1.63g、40.78mmol、鉱油中60%w/w)の懸濁物に、室温で、4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシアセトフェノン18(5g、25.50mmol)を少量ずつ添加した。全てのH放出が停止するまで、この混合物を1時間攪拌し続けた。次にトリベンジルオキシベンズアルデヒド12(13g、30.60mmol)を、一度に全て添加し、そしてこの混合物を、さらに30分間攪拌し続け、その後、この溶液は徐々に暗赤色になった。この混合物を、水により希釈すると、黄色固体が溶液から沈殿した。こうして得られた固体を濾過して分離し、そして冷メタノールにより数回洗浄し、そして減圧下(15mmHg、室温)で一晩乾燥して、14.12g(収率92%)の純粋なカルコン19を得た。
Figure 2006510658
(b)5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)−2H−クロメン(20)の調製。
3−フラベン5の合成(スキーム1)についてと同じ手順により、NaBH/THF/EtOHを用いて、3−フラベン20を合成した。塩化メチレンを用いたフラッシュクロマトグラフィーの後、52%の収率で白色固体として20を単離した。
Figure 2006510658
(c)(2,3−トランス)−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)クロマン−3−オール(21)の調製:6のために使用されたような、同じハイドロボレーション/酸化の順序により、20からフラバノール21を合成し、シリカゲルクロマトグラフィーでヘキサン中30%酢酸エチル溶出した後に、白色固体として83%の収率で、完全に2,3−トランスアルコール21のみを得た。
Figure 2006510658
(d)SR 13198の調製:ヘキサベンジルオキシ保護されたSR 13198の前駆体を、21から以下のように調製した。21(400mg、0.66mmol)、3,4,5−トリベンジルオキシ−安息香酸(585mg、1.32mmol)、EDC(761mg、3.97mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールHOBt(358mg、2.65mmol)、DMAP(323mg、2.65mmol)、トリエチルアミン(461 L、3.31mmol)および塩化メチレン(15mL)を、18〜24時間、アルゴン下、室温で攪拌し、その後、TLCにより確かめたところ、全ての出発アルコールが消費されていた。次にこの混合物を、20mLの2N HCl溶液に注ぎ、酢酸エチルにより抽出し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートした。こうして得られた粗製物を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いて、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(650mg、収率96%)を得た。
Figure 2006510658
実施例1〜4の合成について上記に記載のように、このヘキサベンジルオキシエステルの水素化分解により、水中のメタノール勾配(それぞれ、7/3から、続いて1/1、続いて3/7)を用いた逆相クロマトグラフィーの後、黄色固体として86%の収率で、所望されるポリフェノールSR 13198を得た。
Figure 2006510658
(実施例6)
(シス−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13199)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(また、EGCGのA環アナログ)を、スキーム3(図3)に従って、以下のよう合成した:
(a)5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)−2H−クロメン−3(4H)−オン(22)の調製:7の合成のために使用されたのと同じ手順を用いて、21のDess−Martinペリオジナン酸化により、3−フラバノン22を調製した。ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いた、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーの後、80%の収率で白色結晶3−フラバノン22を得た。
Figure 2006510658
(b)(2,3−シス)−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)クロマン−3−オール(23)の調製:30mLのテトラヒドロフラン中の3−フラバノン22(1.87g、3.10mmol)の溶液を、乾燥(200℃、0.2mmHgで18時間)リチウムブロミド(1.6g、18.4mmol)およびL−セレクトリド(登録商標)(25mL、25mmol、テトラヒドロフラン中の1M溶液)の冷却された(−78℃)溶液に滴下した。22の完全な添加後、ドライアイス浴を取り除き、そしてこの混合物を、室温まで温めた。この混合物を、室温でさらに15時間攪拌し、その後、TLCにより示されたところ、出発物質のほとんどがなくなっていた。この反応混合物を、氷浴中で冷却し、そして注意深く、H(水中50%、15〜20mL)および20mLのエタノールの溶液を添加することによって酸化ワークアップに供した。この混合物を、酢酸エチルおよび水により希釈し、そして通常のようにワークアップさせた。この粗製物質を、ヘキサン中30%の酢酸エチルを用いた、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そのままで結晶化されている740mgの無色油状物質(収率40%)を得た。
Figure 2006510658
(c)(2,3−シス)−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−3−イル(3,4,5−ジヒドロキシベンゾエート)SR 13199の調製:5mLの壁の厚いマイクロ波バイアルに、23(400mg、0.66mmol)、3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸(594mg、1.35mmol)、BOP試薬(1.19g、2.7mmol)、DMAP(330mg、2.7mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(575μL、3.3mmol)および1mLの新しく蒸留したDMFを充填した。このバイアルを密封し、そして単一形式(MW)Smith CreatorTMチャンバーにおいて、170℃で5分間加熱し、その後、TLCにより示されたところ、全ての出発物質を消費した。この混合物を、酢酸エチルおよびHClの1M溶液を用いて希釈した。ワークアップ後、ヘキサン中20%の酢酸エチルによりシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより、この粗製物質を精製し、無色油状物質(収率89%)として600mgのヘキサベンジルオキシ保護されたSR 13199を得た。
Figure 2006510658
上記中間体の加水分解により、SR 13199を生じた。
(実施例7)
(シス−5,7−ジメトキシ−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、4−メトキシ−3,5−ジメチル−安息香酸エステル(SR 13200)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのA環およびD環のアナログ)を、スキーム3(図3)に従って、以下のように合成した:
(a)SR 13199の合成についてと同じ手順を用いて、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチル安息香酸による23のエステル化により、SR 13200を合成した。ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィーの後、無色の粘性油状物質として95%の収率で、テトラベンジルオキシ保護されたエステルを得た。
Figure 2006510658
上記の中間体の水素化分解により、収率16%で桃色がかった白色固体のSR 13200を得た。MS(ESI、陽イオン)505(M+Na)、986(2M+Na)、1469(3M+Na)。MS(ESI、陰イオン)481(M−1)、963(2M−1)、1445(3M−1)。
(実施例8)
(トランス−5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5、−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13911)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのA環アナログ)を、スキーム4(図4)に従って、以下のように合成した:
(a)1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)エタノン(25)の調製:TiCl(1.2mL、11mmol)を、室温で、アルゴンを流入しているフラスコに入れた3,5−ジメチルフェノール24(10mmol、1.22g)にゆっくりと添加した。結果として生じた暗赤色の混合物を、室温で攪拌し、そして気体の放出が終わったら、アセチルクロライド(15mmol、1.1mL)をこの固体に添加した。結果として生じた粘性溶液を、15分間、室温で攪拌し、次に120℃に上昇させてさらに1時間、この温度で攪拌した。次に反応混合物を、室温に冷却し、塩化メチレン(30mL)を用いて希釈し、そしてHO(30mL)を用いてクエンチした。有機層を、HO(2×30mL)により洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で濃縮した。この粗製物質を、ヘキサン中5%酢酸エチルの混合物を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.38gの白色固体を得た(収率84%)。mp 58〜60℃。
Figure 2006510658
(b)(2E)−1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)−3−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)プロプ−2−エン−1−オン(26)の調製:カルコン19(スキーム3)についてと同じ手順を用いて、NaH/DMFを用いて、アセトフェノン25およびベンズアルデヒド12からカルコン26を合成した。このカルコン26を、79%の収率で黄色固体として単離した。
Figure 2006510658
(c)5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)−2H−クロメン(27)の調製:テトラヒドロフラン/メタノール(5mL/20mL)中のカルコン26(535mg、0.94mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(49mg、1.3mmol)を添加した。この溶液を、還流(60〜67℃)させ、そしてこの温度で18時間維持し、その後、全ての出発物質を消費し、そして(カルコンの還元から)非常に不安定なアリルアルコールであることが見出された極性物質を形成した。この反応混合物を冷却し、そして減圧下で溶媒をエバポレートした。この残査を、酢酸エチルおよび水により希釈した。乾燥した有機層のエバポレーションにより、粘性油状物質を得、続いてこれを、5mLの酢酸エチルに溶解した。この溶液に、触媒量の三フッ化ホウ素エーテレート(10mol%)を室温で添加した。溶媒のエバポレーションおよび塩化メチレンを用いた粗製物質のフラッシュクロマトグラフィーの後、完全な環化により、53%の収率で、白色固体として所望されるフラベン27が得られるまで、この混合物を同じ温度で一晩攪拌した。
Figure 2006510658
(d)(2,3−トランス)−5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)クロマン−3−オール(28)の調製:フラバノール28を、6について使用したのと同じハイドロボレーション/酸化の順序により合成し、ヘキサン中30%酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーの後、95%の収率で白色固体として完全に2,3−トランスアルコール28のみを得た。
Figure 2006510658
(e)SR 13911の調製:5mLの壁の厚いマイクロ波バイアル(Personal Chemistry,Inc.)に、28(400mg、0.7mmol)、3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸(616mg、1.4mmol)、BOP試薬(1.24g、2.8mmol)、DMAP(342mg、2.8mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(610μL、3.5mmol)および1mLの新しく蒸留されたDMFを充填した。このバイアルを密封し、そして170℃で5分間、単一形式(MW)Smith CreatorTMチャンバーにおいて加熱し、その後、TLCにより示されたところ、全ての出発物質を消費した。この混合物を、酢酸エチルおよびHClの1M溶液により希釈した。ワークアップ後、この粗製物質を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固体として640mgのヘキサベンジルオキシ保護されたSR 13911を得た(収率92%)。
Figure 2006510658
次にこの化合物を、1,4−ジオキサンに溶解し、そして100mgのPd/Cにより処理した。この混合物を、15〜18時間、1atmのH存在下、室温で攪拌させた。次にこの懸濁物を濾過し、溶媒をエバポレートし、そして残査を、塩化メチレン中の10%メタノールを用いて、シリカゲルでクロマトグラフィーを行い、白色固体として165mgのSR 13911を得た(収率60%)。
Figure 2006510658
(実施例9)
(シス−5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸エステル(SR 13912)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(また、EGCGのA環アナログ)を、スキーム4(図4)に従って、以下のように合成した:
(a)5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)−2H−クロメン−3(4H)−オン(29)の調製:7の合成のために使用されたDess−Martinペリオジナン酸化手順を用いて、3−フラバノン29を調製した。ヘキサン中10%酢酸エチルを用いた、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーの後、80%の収率で白色結晶3−フラバノン29を得た。
Figure 2006510658
(b)(2,3−シス)−5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリベンジルオキシフェニル)クロマン−3−オール(30)の調製:3−フラバノール23(スキーム3)について与えられたのと同じ様式で、3−フラバノン29の立体選択的L−セレクトリド還元により、シス 3−フラバノール30を合成した。ヘキサン中20%の酢酸エチルを用いた、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーの後、無色の油状物質として(収率62%)最終生成物を得た。
Figure 2006510658
(c)SR 13192の調製:SR 13912を、SR 13911について実施例8において記載されたのと全く同じ手順で合成した。ヘキサベンジルオキシ保護されたSR 13912を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィーの後、57%の収率で、無色の粘性油状物質として得た。
Figure 2006510658
この中間体の水素化分解により、上記のように、53%の収率で白色固体として所望のSR 13912を生じた。
Figure 2006510658
(実施例10)
(シス−5,7−ジメチル−2−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−3−イル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−安息香酸エステル(SR 13193)の合成)
Figure 2006510658
上記の化合物(EGCGのA環およびB環のアナログ)を、スキーム4(図4)に従って、SR 13911について実施例8に記載されたのと全く同じ手順を用いて合成した。テトラベンジルオキシ保護されたSR 13913を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたフラッシュクロマトグラフィー後、無色の粘性油状物質として83%の収率で得た。
Figure 2006510658
この中間体の水素化分解により、60%の収率で、白色固体として所望のSR 13913を得た。
Figure 2006510658
(実施例11)
(増殖阻害活性のインビトロ測定)
SR 13915、SR 13916、SR 13917、SR 13918、SR 13919、SR 13920およびSR 13921について上記の構造に従うさらなる化合物を、実施例1〜10の方法に従って調製した。
(実施例12)
(増殖阻害活性のインビトロ測定)
本発明の化合物を、二つの乳癌細胞株、MCF−7(ER+)およびMDA−MB−231(ER−)において増殖を阻害するそれらの活性について試験した。
増殖阻害アッセイを、慣習的な方法を用いて実施した。簡単には、増殖培地を含む水200μL中にウェルあたり2000細胞の密度で、24ウェルプレートに細胞を播種した。各ウェルに、溶解した試験化合物を含有する10μLのDMSOを添加した;各ウェルにおける最終DMSO濃度を、0.5%以下にした。各試験化合物を、0.4μM、2μM、10μM、および50μMの濃度でアッセイした。このプレートを、培地および試験化合物を3日に一度交換しながら、8日間インキュベートした。8日目に、Mosmannら(1983)「Rapid Colorimetric Assay for Cellular Growth and Survival:Application to Proliferation and Cytotoxicity」J.Immunol.Method.65:55−63に記載されたように、MTTアッセイにより生存細胞を測定した。各試験ウェルの575nmの光学密度を測定し、そしてコントロールウェルの575nmの光学密度と比較し、そしてこのデータを、異なる濃度での増殖阻害の百分率を計算するために使用した。IC50値(いずれの増殖阻害物質にも曝されていないコントロール細胞と比較した、結果として培養細胞の50%の増殖阻害を生じる、増殖インヒビターの濃度)を、用量反応曲線をプロットすることにより決定した。
計算したIC50値を、各化合物について四種の濃度の各々で実施された少なくとも二つの実験の平均を示す結果とともに、表1に記載する。見られ得るように、実験化合物の多くが、両方の乳癌細胞株に対する増殖阻害活性を示した。
Figure 2006510658
本発明のさらなる化合物について、MCF−7(ER+)およびMDA−MB−231(ER−)において増殖を阻害するそれらの能力を評価するために、前述の手順を繰り返した。得られた結果を、表2に示す:
Figure 2006510658
(実施例13)
(増殖阻害活性のインビトロ測定)
足場非依存性増殖阻害アッセイを、Korytynskiら(1996)「The development of an anchorage−independence assay using human lung tumor cells to screen potential chemopreventive agents」、Anticancer Res.16、1091−1094;およびSharmaら(1997)「The anchorage−independent assay as a screening tool to identify potential chemopreventive agents」、Methods Cell Sci.19,9−12に記載されるように実施した。このアッセイは、軟寒天において増殖するヒト肺腫瘍細胞(A427)細胞のコロニー形成の阻害を測定する。このアッセイにおいて、A427細胞を、試験薬剤(SR 13196、EGCGもしくは13−シス−RA)の存在下で増殖させた。コントロールサンプルは、等量のDMSOのみを用いて試験した。細胞の生存についての同時のアッセイもまた実施した。
以下の表に示されたデータから見られ得るように、SR 13196は、EGCGもしくは13−シス−RAのいずれよりもずっと大きな程度まで、コロニー形成を阻害した。試験されたSR 13196の最も高い濃度(25μM)で、腫瘍細胞の増殖の81%阻害が観察された。対照的に、同じ濃度で、EGCGおよび13−シス−RAは、それぞれ、50%および43%を抑制するのみであった。同様に、試験された最も高い濃度で、SR 13196は、11%の生存細胞のみを示し、対照的に、EGCGおよび13−シス−RAについては、それぞれ、39%および68%であった。従って、SR 13196は、インビトロでのA427細胞のコロニー形成、およびそれらの生存を阻害し、そしてこれは、用量依存的な様式である。
Figure 2006510658
a.生存フラクション=(処理OD/コントロールOD);
b.予測されるコロニー=(プレートした細胞数)(生存フラクション)(出現率)、ここで、出現率=コントロールコロニー/2.5×10の平均数;
c.%阻害=観察されたコロニー/予測されるコロニー。
図5はまた、本実施例において記載されるように、A427ヒト肺癌細胞株での足場非依存性細胞増殖阻害アッセイにおける、SR 13196およびEGCGによるコロニー形成阻害を、線図で描く。
(実施例14)
(腸管吸収のインビトロ測定)
EGCGのアナログもまた、EGCG自体と同じメカニズムで作用することを確かめるために、MCF−7細胞における細胞周期研究において、活性なアナログSR 13196を試験した。図6A〜6Cに示されるように、10 MでのSR 13196(図6B)は、細胞周期をG1に停止させ、これは、10μMでのEGCGの効果(図6C)と同様であるが、より著しかった。
(実施例15)
(腸管吸収のインビトロ測定)
Caco−2ヒト結腸腺癌細胞株は、ヒト腸管吸収の予測モデルとして受け入れられている。薬物設計の初期段階と組み合わせてこのインビトロモデルを使用することの利点は、それが、さらなる開発のための最良の前臨床候補物を見出すための、取り込みおよびバイオアベイラビリティの動物実験の必要性を回避することにより、時間および経費を削減することである。Caco−2モデルにおけるEGCGおよび本発明のアナログの腸管透過性についての結果を、表2に示す。二つの市販の放射性同位元素標識された標準物であって、その経口バイオアベイラビリティが公知である、ジアゼピンおよびガンシクロビルを同時に使用した。輸送は、透過係数P(app)として報告し、公知の標準物と比較される。
しかし、この研究におけるCaco−2モデルを用いた実験から、このモデルは、慣習的な基礎に基づいて作用することがいくらか困難であることが明らかである。さらに、この結果は、アッセイの間、基底外側のウェルからの試験化合物の回収に依存して変化し得る。これらの技術的な困難性にも関わらず、以下の表2に見られるように、EGCGは、一貫して、低い透過係数(Papp)を与えた。また、SR 13196は、EGCG自体、および試験されたいくつかの他の化合物よりも高い透過係数Pappを与えた。
Figure 2006510658
全ての薬物を100μMの濃度で使用した。実験をpH 7.4で行なった。
図1は、本発明の三つの化合物(SR 13194、SR13195、およびSR13196)の、それぞれ実施例1〜3に記載されるような段階的な合成を、概略的に説明する。 図2は、本発明のさらなる化合物、SR 13197の、実施例4に記載されるような段階的な合成を、概略的に説明する。 図3は、本発明の三つのさらなる化合物(SR 13198、SR13199、およびSR13200)の、それぞれ実施例5〜7に記載されるような段階的な合成を、概略的に説明する。 図4は、本発明の三つのさらなる化合物(SR 13911、SR13912、およびSR13913)の、それぞれ実施例8〜10に記載されるような段階的な合成を、概略的に説明する。 図5は、実施例12に記載されるように、A427ヒト肺癌細胞株における足場依存性細胞増殖阻害アッセイにおける、SR13196およびEGCGによるコロニー形成の阻害を描く。 図6A〜図6C(まとめて図6と呼ばれる)は、実施例14に記載されるように、MCF−7細胞における本発明のEGCGおよびSR13196の細胞周期研究を図示する。

Claims (47)

  1. 構造式(I):
    Figure 2006510658
    を有する化合物であって、ここで:
    、RおよびRは、水素、ヒドロキシル、アルキル、ハロ、スルフヒドリル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、かつさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、連結されて環式基を形成し得;
    は、O、S、NR、およびCRから選択され、ここで、R、R、およびRは、水素もしくはアルキルであり;
    は、SH、アシルオキシ、およびN(R)からなる群から選択され、ここで、Rは、同じでも異なっていてもよく、かつ上で定義されたとおりであり;
    、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、ただし、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、一緒になって連結されて、五員環、六員環、ならびに縮合五員環および/もしくは縮合六員環から選択される環式構造を形成し得、ここで、該環式構造は、芳香族、脂環式、ヘテロ芳香族、もしくはヘテロ脂環式であり、かつ0個〜4個の非水素置換基および0個〜3個のヘテロ原子を有し;そして
    10およびR11は、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、およびハロからなる群から選択され、
    ただし、(a)R、R、R10、およびR11が水素であり、(b)R、R、R、およびRがヒドロキシルであり、(c)Rが水素もしくはヒドロキシルであり、かつ(d)RがOである場合、(e)Rが3,4,5−トリヒドロキシベンゾイルオキシもしくは3,4,5−トリメトキシベンゾイルオキシ以外である、化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、ここで、R、R、およびRは、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、ハロ、C〜Cアルコキシ、およびC〜C12アリールオキシからなる群から選択され、そしてさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、結合されて、アルキレン、置換アルキレン、およびヘテロアルキレンから選択される2原子もしくは3原子の結合を形成し得;
    は、O、S、NH、およびCHから選択され;
    は、C〜C32アシルオキシおよびNHからなる群から選択され;
    、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜C12アリールオキシからなる群から選択されるか、またはRおよびRは、一緒になって連結されてシクロヘキシル、シクロペンチル、もしくはフェニル環を形成し、かつRおよびRは水素であるか、またはRおよびRは、一緒になって連結されてシクロヘキシル、シクロペンチル、もしくはフェニル環を形成し、かつRおよびRは水素であり;そして
    10およびR11は、独立して、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、およびハロからなる群から選択される、化合物。
  3. がOである、請求項2に記載の化合物。
  4. 、R、R10およびR11が水素である、請求項3に記載の化合物。
  5. 2β,3β−シス立体配置、2α,3α−シス立体配置、2α,3β−トランス立体配置、もしくは2β,3α−トランス立体配置、のエナンチオマー的に純粋な形態である、請求項4に記載の化合物。
  6. 2α,3β−トランスエナンチオマーおよび2β,3α−トランスエナンチオマーのラセミ混合物を含む、請求項4に記載の化合物。
  7. 2α,3α−シスエナンチオマーおよび2β,3β−シスエナンチオマーのラセミ混合物を含む、請求項4に記載の化合物。
  8. 請求項4に記載の化合物であって、ここで:
    は、構造
    Figure 2006510658
    を有するアシルオキシ置換基であり、ここで、R12、R13、およびR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、そのため、該化合物が、構造式(III)を有する、化合物。
  9. 請求項8に記載の化合物であって、ここで:
    12、R13、およびR14が、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜C12アリールオキシからなる群から選択される、化合物。
  10. 請求項9に記載の化合物であって、ここで:
    12、R13、およびR14が、独立して、ヒドロキシル、メチル、およびメトキシ、およびベンジルオキシからなる群から選択される、化合物。
  11. 構造式(II):
    Figure 2006510658
    を有する化合物であって、ここで:
    、R、およびRは、ヒドロキシル、アルキル、ハロ、スルフヒドリル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、そしてさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、連結されて環式基を形成し得;そして
    およびRは、水素、アルキル、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、ここで、R、R、R、RおよびRは、全てが同じというわけではない、化合物。
  12. 請求項11に記載の化合物であって、ここで、R、R、およびRは、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、ハロ、C〜Cアルコキシ、およびC〜C12アリールオキシからなる群から選択され、そしてさらにここで、RおよびR、もしくはRおよびRのどちらかが、結合されて、アルキレン、置換アルキレン、およびヘテロアルキレンから選択される2原子もしくは3原子の結合を形成し得;そして
    およびRが、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜C12アリールオキシからなる群から選択される、化合物。
  13. 請求項12に記載の化合物であって、ここで、R、R、およびRは、独立して、ヒドロキシル、メチル、およびメトキシから選択され;そして
    、およびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、およびメトキシから選択される、化合物。
  14. (−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)のアナログであって、ここで、該アナログが、EGCGに対して少なくとも一つの改変を含み、該改変の結果、MTTアッセイを用いて、乳癌細胞株における該アナログの増殖阻害能について該アナログを評価した場合、60より小さいIC50となる、アナログ。
  15. 請求項14に記載のアナログであって、ここで、該アナログが、EGCGに対して少なくとも一つの改変を含み、該改変の結果、MTTアッセイを用いて、乳癌細胞株における該アナログの増殖阻害能について該アナログを評価した場合、25より小さいIC50となる、アナログ。
  16. 請求項15に記載のアナログであって、ここで、該アナログが、EGCGに対して少なくとも一つの改変を含み、該改変の結果、MTTアッセイを用いて、乳癌細胞株における該アナログの増殖阻害能について該アナログを評価した場合、15より小さいIC50となる、アナログ。
  17. 以下
    Figure 2006510658
    Figure 2006510658
    Figure 2006510658
    Figure 2006510658
    Figure 2006510658
    から選択される構造式を有する化合物。
  18. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項1に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  19. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項3に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  20. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項4に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  21. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項5に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  22. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項6に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  23. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項8に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  24. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項9に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  25. 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の請求項15に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
  26. 請求項18〜25のいずれか一項に記載の組成物であって、ここで、前記薬学的に受容可能なキャリアが、経口投与に適切であり、かつ該組成物が、経口投薬形態を含む、組成物。
  27. 前記経口投薬形態が、錠剤である、請求項26に記載の組成物。
  28. 前記経口投薬形態が、カプセル剤である、請求項26に記載の組成物。
  29. 請求項18〜25のいずれか一項に記載の組成物であって、ここで、前記薬学的に受容可能なキャリアが、非経口投与に適切であり、かつ該組成物が、非経口投与可能な処方物を含む、組成物。
  30. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項1に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  31. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項3に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  32. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項4に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  33. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項5に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  34. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項6に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  35. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項8に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  36. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項9に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  37. 癌を罹患している患者を処置するための方法であって、該方法が、請求項15に記載の化合物の治療有効量を、個体に投与する工程を包含する、方法。
  38. 前記癌が、前立腺癌、子宮癌、もしくは乳癌である、請求項30〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記癌が、乳癌である、請求項38に記載の方法。
  40. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項1に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  41. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項3に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  42. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項4に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  43. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項5に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  44. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項6に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  45. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項8に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  46. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項9に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
  47. 化学的予防の方法であって、該方法が、予防有効量の請求項15に記載の化合物を、進行性の癌を発症する可能性のある患者に投与する工程を包含する、方法。
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