JP2006510329A - 印刷媒体の認証システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、コピー検出及び他の用途のためにドキュメントに埋め込まれた補助的信号を使用する方法を説明する。ある用途において、補助的信号は、コピー操作に応答して異なる仕方で変化する特性をもつ印刷構造のセットから選択されたエレメントのアレイとして形成される106。埋め込まれた補助的信号を保有する印刷構造のこれら特性変化は、自動的に検出できる。補助的データが検出される程度は、コピーをオリジナルから区別するために1つ以上の他のメトリックと組み合わせて使用される検出メトリックを形成する。種々様々な用途に対して像置き換えドキュメントに丈夫な及び脆弱な透かしが使用される。デジタル透かしは、種々の印刷ドキュメントの認証においてオンボード仲介物として働く。最終的に、デジタル透かしを使用して、像形成システムに使用されるスキャナの品質を管理する上で助けとする。

Description

関連出願データ
本出願は、次の米国プロビジョナル特許出願、即ち2002年11月28日に出願された第60/430,014号、2003年1月15日に出願された第60/440,593号、2003年4月30日に出願された第60/466,926号、2003年6月2日に出願された第60/475,389号、及び2003年11月17日に出願された「Machine Readable Security Features for Printed Objects」(出願人ドケット第P0907号)の利益を請求する。
本発明は、偽造検出と、認証のために印刷物に埋め込まれるシグナリングと、デジタル透かしとに係る。
背景及び概要
デジタル像形成及び印刷技術の進歩は、デスクトップパブリッシングを著しく改良したが、認識ドキュメント、銀行券、小切手等の有価及び価値ドキュメントを不法に偽造するための低コスト技術を偽造者に与えることにもなった。偽造をより困難にする技術は多数あるが、コピーを迅速且つ正確に検出できる技術が要望される。好ましくは、これらの技術は、価値ドキュメントを取り扱うための既存のプロセスと一体化されねばならない。例えば、小切手のような価値ドキュメントの場合には、今日存在する標準的な印刷及び確認プロセス内に一体化されるコピー検出技術が要望される。更に、デジタルの領域で紙の小切手が次第に走査されて処理されるようになるにつれて、偽造防止技術もこの領域へ移行する必要がある。
自動コピー検出の1つの有望な技術は、デジタル透かしである。デジタル透かしは、物理的又は電子的媒体を変更して、隠れたマシン読み取り可能なコードを媒体に埋め込むプロセスである。媒体は、埋め込まれたコードがユーザに見えないか又はほとんど見えないが、自動検出プロセスにより検出できるように変更することができる。最も一般的なデジタル透かしは、像、オーディオ信号及びビデオ信号のような媒体信号に適用される。しかしながら、これは、ドキュメント(例えば、ライン、ワード又はキャラクターシフトを介して)、ソフトウェア、多次元グラフィックモデル、及びオブジェクトの表面テクスチャを含む他の形式の媒体オブジェクトにも適用できる。
価値ドキュメントの場合には、デジタル透かしは、コピー検出のために印刷オブジェクトに適用することができる。ある用途では、デジタル透かし技術は、補助的データを保有する価値ドキュメントにデザイングラフィック、特徴部又はバックグランドパターンを生成するのに使用できる補助的データ埋め込み方法へと一般化することができる。これらのより一般的なデータ埋め込み方法は、補助的データを隠れて保有するが必ずしも見えないものではない印刷可能な像特徴部を生成する。それらは、印刷されたオブジェクトを認証し且つオリジナルからコピーを区別するのに使用される隠れた信号を保有する、見た目に楽しいグラフィックス又は控え目なパターンを生成する融通性を与える。
ドキュメントのための補助的データ埋め込みシステムは、通常、2つの一次要素、即ちホストドキュメント像に補助的信号を埋め込むエンコーダと、ドキュメントから埋め込まれた補助的信号を検出して読み取るデコーダとを有する。エンコーダは、ホスト信号における印刷されるべき像を微妙に変更するか、又は補助的データを保有する像を発生することにより、補助的信号を埋め込む。読み取り要素は、ドキュメントから走査された疑わしい像を分析して、補助的信号が存在するかどうか検出し、もし存在すれば、それに保有された情報を抽出する。
多数の特定のデジタル透かし及びそれに関連した補助的データ埋め込み技術が印刷媒体に対して開発されている。読者は、この分野の文献に馴染み深いものと考える。媒体信号に目に見えないデジタル透かしを埋め込み且つ検出するための特定の技術が、本譲受人の米国特許第6,614,914号及び第6,122,403号に詳述されている。
この開示は、ドキュメントに埋め込まれた補助的信号を使用してコピーを検出するための方法を述べている。補助的信号は、コピー操作に応答して異なる仕方で変化する特性をもつ1セットの印刷構造から選択されたエレメントのアレイとして形成される。埋め込まれた補助的信号を保有する印刷構造の特性のこれらの変化は、自動的に検出することができる。例えば、これらの変化は、埋め込まれた補助的信号を多かれ少なかれ検出できるようにする。補助的データが検出される程度は、1つ以上の他のメトリックと組み合わされてオリジナルからコピーを区別するのに使用される検出メトリックを形成する。コピー操作に応答して異なる仕方で変化する印刷構造の特性のセットは、例えば、カラーのセット(異なる形式のインクを含む)、変化するドット利得を有するドット構造又はスクリーンのセット、異なるエイリアシング効果をもつ構造のセット、等々を含む。
本発明の1つの態様は、印刷オブジェクトの像を分析して、印刷像がコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法にある。この方法は、マシン読み取り可能な補助的信号が像に埋め込まれたかどうか決定するステップであって、補助的信号は、コピー操作に応答して変化する2つ以上の印刷構造のセットを使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにするステップと、マシン読み取り可能な補助的信号の評価に基づいて、印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップとを備えている。
一実施形態において、印刷構造のセットは、コピー操作に応答して異なる仕方で変化する第1カラー及び第2カラーを含む。これらカラーの少なくとも一方は、プリンタ又はスキャナのガマットから外れたインクカラーに対応する。
別の実施形態において、2つのカラーのルミナンスの差がコピー操作に応答して変化する。
更に別の実施形態において、印刷構造のセットは、第1ドット利得特性を有する第1印刷構造と、第2ドット利得特性を有する第2印刷構造とを備え、第1印刷構造は、コピー操作に応答して、第2印刷構造よりドット利得に対する影響を受け易い。
別の実施形態において、印刷構造のルミナンスの差は、印刷構造のドット利得に対する影響され易さの差のために、コピー操作に応答して変化する。
更に別の実施形態において、印刷構造のセットは、第1エイリアシング特性を有する第1印刷構造と、第2エイリアシング特性を有する第2印刷構造とを備え、第1印刷構造は、第2印刷構造とは異なる仕方でエイリアシングを生じる。
本発明の別の特徴は、デジタル透かしを入れる方法にある。この方法は、第1コントラストで像に第1デジタル透かしを埋め込むステップと、第1コントラストとは異なる第2コントラストで像に第2デジタル透かしを埋め込むステップとを備えている。第1及び第2のデジタル透かしは、異なる仕方で歪み、第1透かしと第2透かしとの間の相対的な歪みの1つ以上のメトリックを測定できるようにする。
一実施形態では、像がドキュメントに印刷され、1つ以上のメトリックを使用して、ドキュメントがコピー操作を受けたときにそれを決定する。
本発明の更に別の態様は、像置き換えシステムである。この方法は、印刷ドキュメントをデジタル像に変換するためのドキュメントスキャナであって、デジタル像がトランザクションにおいて印刷像に置き換わるものとして使用されるようなドキュメントスキャナと、デジタル像からデジタル透かしを読み取って、デジタル像を、印刷ドキュメントに関連したメタデータに持続的にリンクするためのデジタル透かしリーダーとを備えている。
一実施形態では、ドキュメント像は小切手であり、トランザクションは金融機関の間での小切手決済トランザクションである。
更に別の態様は、像置き換えシステムである。このシステムは、印刷ドキュメントをデジタル像に変換するためのドキュメントスキャナであって、デジタル像がトランザクションにおいて印刷像に置き換わるものとして使用されるようなドキュメントスキャナと、デジタル像からデジタル透かしを読み取って、印刷ドキュメントが偽造であるかどうか検出するのに使用される1つ以上のコピー検出メトリックを抽出するためのデジタル透かしリーダーとを備えている。
別の態様は、ドキュメント認証システムである。このシステムは、ドキュメントの像を捕獲するための像形成装置と、デジタル透かしを抽出するためのデジタル透かしリーダーとを備え、デジタル透かしは、ドキュメント上の他の認証特徴部に対する埋め込まれた仲介物として働き、これは、どの特徴部が存在するか指示したり又は認証特徴部に対して1つ以上の認証操作をトリガーしたりすることを含む。一実施形態では、ドキュメントは小切手を含む。別の実施形態では、ドキュメントは識別文書を含む。説明上、識別文書は、広く定義され、例えば、クレジットカード、銀行カード、テレホンカード、パスポート、運転免許証、ネットワークアクセスカード、従業員バッジ、デビットカード、セキュリティカード、ビザ、入国審査ドキュメンテーション、国内IDカード、市民カード、社会セキュリティカード、セキュリティバッジ、証明書、識別カード又はドキュメント、有権者登録カード、警察IDカード、国境横断カード、法定計器又はドキュメンテーション、セキュリティ許可バッジ及びカード、銃許可証、贈答品証明書又はカード、ラベル又は製品パッケージ、会員カード又はバッジ、等々を含むことができる。又、「ドキュメント」、「カード」及び「ドキュメンテーション」という語は、本特許文書全体にわたり交換可能に使用される。又、識別ドキュメントは、「IDドキュメント」と称されることもある。
別の態様は、印刷ドキュメント上のホットスポットを分析することにより印刷ドキュメントを認証するためのシステム及びその関連方法にある。これらのホットスポットは、偽造により変更され易いエリアでよい。これらのスポットをチェックする1つの方法は、2つの異なるスポットにおけるフォントを比較するか、又は1つのエリアのフォントを予想されるフォントと比較することにより、特定の特性をもつ所定のフォントをチェックすることである。別の方法は、スポットにわたって分散されたデジタル透かしのような埋め込まれた補助的データ信号を測定して、それが劣化されたか又は除去されたか決定し、ひいては、ドキュメントの不正行為を指示することである。
別の態様は、機密ドキュメント(例えば、認識及び金融ドキュメント)を像形成するのに使用されるシステムのような像形成システムの品質を管理するシステム及びその関連方法にある。1つの解決策は、光学的に読み取り可能な補助的信号をドキュメント上の像に埋め込み、次いで、ドキュメントが像形成システムに通されるときにそのシステムにおいてその信号を読み取って、像形成システムが適切に校正されているかどうか決定することである。この形式の像形成システム校正信号を埋め込み及び読み取るための種々の新規な方法が開示される。
別の態様は、ドキュメントをオンライン又はオフライン照合するためのMICR、デジタル透かし及び磁気指紋読み取りをこれらの特徴と一体化するシステム及びその関連方法にある。
別の態様は、印刷オブジェクトに埋め込まれた信号を使用してオブジェクトの認証を容易にするためのシステム及びその関連方法にある。埋め込まれた信号の1つの形態は、丈夫なデジタル透かしである。他の埋め込まれたデータキャリアも使用できる。認証システムは、埋め込まれた信号の情報を使用して、オリジナルとコピーを区別するのに使用されるパラメータを保有する。これらパラメータは、分類器に使用されるメトリックをセットするのに使用する情報、分類器に対するトレーニングセット情報、ドキュメントがオリジナル又はコピーと考えられるときを指定するためのスレッシュホールド又は他の基準、等を含んでもよい。又、これらパラメータは、チェックされるべきドキュメント形式及び関連セキュリティ特徴部、並びにそれら特徴部の位置を指定することもできる。
別の態様は、ベイズの最至近隣接部及び特徴部サーチ方法のような、分類器を使用して印刷オブジェクトのオリジナルとコピーとを区別するためのシステムにある。又、別の態様は、メトリックとこれら分類器との種々の組合せを使用するもので、丈夫な及び/又は脆弱なデジタル透かしを含む印刷クオリティのメトリック及び埋め込まれた信号に基づくメトリックを備えている。
又、本明細書に説明する方法により生成される印刷オブジェクトも、発明である。これら印刷オブジェクトは、本明細書に説明した信号埋め込み及び印刷構造生成方法の種々の組合せを使用して生成されてもよい。
更に別の態様及び特徴は、添付図面を参照した以下の詳細な説明から明らかとなろう。
詳細説明
以下、オリジナルからコピーを区別するための種々の自動技術について説明する。
「補助的信号の発生、埋め込み及び検出」
図1は、認証のために印刷媒体に印刷を行なう補助的データ信号を発生するためのプロセスを示す。このプロセスは、米国特許出願第09/503,881号及び米国特許第6,122,403号に説明されたある実施形態のデジタル透かし発生と同様である。価値ドキュメントに対するコピー検出用途では、デジタル透かし信号の構造を設計する際にしばしば大きな融通性が生じる。というのは、ドキュメントのアートワークに融通性があると共に、固定の既存のホスト像においてデジタル透かしを隠す必要がないからである。むしろ、信号は、データが埋め込まれたそれ自身の像をそれ自体形成するグラフィック又はバックグランドパターンのような特定の控え目のスタイル及び構造を有するように設計することができる。一実施形態では、信号の構造が、長さの変化する線の集合として現われるが、信号は、他の構造(例えば、異なるハーフトーンスクリーン画素、変化する線巾、変化するドットサイズ及び形状、等)で形成されてもよい。
補助的データ信号は、メッセージを保有する。このメッセージは、1つ以上の固定部及び可変部を含んでもよい。固定部は、これを使用して、検出を容易にし、偽の肯定を回避し、更に、印刷物の認証メトリックとしてエラー測定を可能にする。可変部は、種々の情報、例えば、独特の識別子(例えば、データベース内の関係データを指示するように働く)、認証情報、例えば、印刷オブジェクトにおけるデータ又は特徴部メトリック(又は同一のハッシュ)、及び他のメッセージ要素の関数として計算されたエラー検出情報を保有することができる。
図1の補助的信号発生器は、メッセージに対してエラー補正コード化(100)を実行し、それをより丈夫なものにする。これは、例えば、ブロックコード(例えば、BCHコード)、畳み込みコード、ターボコード、M−ary変調、及びこれらコード化方法の組合せ(例えば、連結コード)を含む。次いで、信号発生器は、エラー補正コード化メッセージをキャリア信号と共に変換する(102)。その一例は、それを擬似ランダムシーケンスにわたり、乗算、XOR又は畳み込みにより拡散することである。例えば、エラー補正コード化信号の各エレメントは、キャリア信号のN個の対応エレメントにわたって拡散される。
ある形式の幾何学的同期信号が、この段階又はその後の段階において、補助的信号と共に形成されてもよい。その一例は、空間周波数ドメイン、畳み込みドメイン及び/又は相関ドメインのような変換ドメインに検出可能な位置合わせピークを有するように信号を形成することである。
信号発生プロセスの一部分として、補助的信号発生器は、信号のエレメントをターゲット印刷オブジェクトの空間的位置へマップする(104)。これらの位置は、図3に示す小さなアレイのような長方形アレイのタイル状パターン又は他の何らかの幾何学的パターンを形成する。このマッピングを使用して、補助的信号を、畳み込み、自己相関、周波数(例えば、FFT大きさ)又は他の何らかの変換ドメインに検出可能なエネルギーピークを発生するブロック又は他の形状のパターンへと構成することができる。これらの検出可能なエネルギーピークは、幾何学的同期信号として使用されてもよい。更に、このパターン上に補助的信号を複製することにより、このプロセスに固有の繰返しを使用して、メッセージの丈夫さを向上させ(補助的データリーダーに使用される一形式の繰り返しコードとして)、且つそれが繰り返される印刷文書の小さな抜粋においてメッセージを検出可能とすることができる(例えば、切り取りに対して丈夫な)。
この点において、補助的信号は、各空間的位置に2進値又は多レベル値(即ち3つ以上の2進状態)のアレイを含む。説明を簡単にするために、これらの位置を埋め込み位置と称する。図3は、埋め込み位置のアレイの一例を示し、補助的信号の2進値が各位置にマップされている。信号が多レベルである場合には、必要に応じて2進信号を発生するようにスレッシュホールド処理できる。
次いで、信号発生器は、各埋め込み位置に対して印刷構造を選択する(106)。埋め込み位置における信号値を、希望の印刷構造に対するインデックスとみなすことができる。この印刷構造は、考えられる印刷構造のセットから選択されてもよい。2進状態に対する1つの簡単なセットは、インクドット、線又は他の形状の有無である。図4は、例えば、2進値1が線構造の存在へとマップされ、一方、2進値0が線構造の不存在へとマップされる場合を示している。2進状態の他の例は、例えば、図5に示すように、カラー1(例えば、インク1を使用)における構造と、カラー2(例えば、インク2を使用)における構造とを含む。
別の実施例は、図6に示すように、ドットパターン又はハーフトーンスクリーン1における第1構造と、ドットパターン又はスクリーン2における第2構造とである。特定の実施例として、1つの印刷構造は、600ドット/インチ(dpi)拡散ディザのトーンを使用して作られ、一方、他の構造は、150線スクリーンのトーンを使用して作られる。走査時に同じグレー値を有する埋め込み位置(例えば、サイズ50埋め込み位置/インチの)におけるこれら印刷構造の各々に対してピクセル8ビットピクセル値を見出すことができる。しかしながら、ドット利得の差のために、印刷構造は、コピー中に生じるその後の印刷発生後に異なるグレー値を有する。これら2つの異なる印刷構造は、図3に示すように、埋め込み位置における2進値に基づいて埋め込み位置へとマップすることができる。このプロセスは、コピーのためにドット利得作用の前にはルミナンスの差がないが、ドット利得の後はルミナンスの差が大きくなる信号を生成する。2つの形式の印刷構造の間に生じるルミナンスのこのシフトは、埋め込まれた信号をコピーにおいては検出可能にするが、オリジナルでは検出不能のままである。
より多くの実施例は、エイリアシング特性1を有する構造と、エイリアシング特性2を有する構造とを含む。異なるカラー又はドット利得の場合と同様に、コピーによるエイリアシング特性の差は、埋め込み位置の見掛けを変更することになり、埋め込まれた信号の検出性を良くするか又は悪くするかのいずれかである。
以下に詳細に説明するように、これらの構造は、コピー操作に応答して発散又は収斂するルミナンス、強度又は他の何らかの特性のような測定可能な値をもつように選択することができる。これら構造上の特徴を組み合わせて、発散又は収斂を更に急激なものにすることができる。更に、これら特徴の組合せを使用して、埋め込み位置において複数の補助的信号状態を表わしてもよい。
図4に示す実施例は、線の連続性を変化させることにより線の像において補助的信号が保有されるので、線連続性変調と時々称される。例えば、補助的信号は、対応する埋め込み位置の値がゼロである場所で線を選択的に切断することにより線の像に埋め込まれる。
各埋め込み位置に対して希望の印刷構造を選択した後に、印刷の準備がなされた像が得られる。印刷構造は、紙やプラスチック等の基板に像を印刷するのに使用されるプリンタの形式に適合し得るフォーマットで設計及び指定されてもよい。多くのプリンタは、像又は他のデータを、RIP又はラスタ像処理と称されるプロセスにおいて特定のプリンタで印刷するのに適合する像へフォーマットすることを必要とする。このRIPは、入力像を、プリンタハードウェアに適合し得る印刷構造のアレイで構成された像へと変換する。これらの印刷構造は、線スクリーン、ハーフトーンドット(クラスター化ドット)、ディザマトリクス、エラー拡散により生成されたハーフトーン像、等を含んでもよい。本発明の実施形態は、RIPと一体化されて、埋め込み位置ごとに希望の印刷構造を有する印刷用にフォーマットされた像を生成することができる。或いは又、RIPプロセスが不必要となるか又はバイパスされるように、印刷用に準備するよう設計されてもよい。
ブロック106において印刷構造を選択するのとは別に、補助的信号発生器は、補助的信号を埋め込むべきホスト像の印刷構造に対する変化を指定する値のアレイを発生してもよい。例えば、図3における値のアレイは、対応する埋め込み位置における印刷構造のルミナンスを増加すべきか減少すべきかを指定してもよい。印刷されるべき印刷構造を指定するのではなく、ブロック104からの補助的信号が、既存の像に補助的データを埋め込むように既存の像の印刷構造に対する変化を指定してもよい。この方法は、希望の印刷構造を選択することにより補助的データを保有する像を設計するか、又は必要に応じて印刷構造に希望の変化をなすことにより既存の像に補助的データを埋め込むという融通性を有する。例えば、補助的信号は、同じインクドット、線又は形状密度で印刷を行なうが、埋め込み位置でそのカラーを変更することを指示することができる。別の実施例として、補助的信号は、同じカラーで印刷を行なうが、その密度を変更することを指示することもできる。更に別の実施例として、補助的信号は、埋め込み位置当たり同じカラー及び全体的インクカバレージで印刷を行なうが、埋め込み位置内で異なる数又はサイズのインク形状を使用することを指示することもできる。
ブロック108において、プリンタは、それにより得られる像を基板に印刷する。これは、印刷ドキュメントを形成する(110)。「ドキュメント」という語は、一般に、機密ドキュメント、識別ドキュメント、銀行券、小切手、パッケージ等、或いはコピー検出に関連した他の形式の印刷物を含む様々な印刷オブジェクトを包含する。
図1の最下部は、一般に、補助的信号を検出すべく設計するアクティビティの形式を示す。認証ドキュメントは、介在するコピー操作をもたないことが予想され、むしろ、認証走査プロセス112へ直接入力される。この認証走査プロセスは、支払のアクセスが与えられるとき又はスポットチェックがなされるときのように任意のポイントにおいて印刷ドキュメントを認証するために行うことができる。対照的に、コピーは、認証走査112の前に、走査114及び印刷116サイクルとして一般的に示された介在するコピー操作を受ける。この走査印刷サイクル114−116は、コピーマシンにおいて一体化された走査及び印刷或いは個別の走査及び印刷操作で行なわれてもよい。
コピー操作は、幾つかの観点で印刷像変更をなすことが予想され、図2のコピー検出プロセスは、これらの変更を検出するように設計される。このプロセスは、これらの変更を検出する2つの主たる方法を有する。1.上述したように像に発生されて印刷される補助的信号に対する変更を測定する。2.印刷像における他の特徴部に、その印刷像の像走査から測定可能な変更を行う。ここに示すように、これら特徴部は、例えば、特定の仕方でエイリアシングを生じたり色やドット利得がシフトしたりする構造のように、コピーにより検出可能な変更をもつ印刷構造を含む。これら特徴部は、補助的信号と重畳し得る。というのは、補助的信号は、上述したように、埋め込み位置におけるこれら印刷構造から構成できるからである。
認証プロセスは、印刷像の認証走査でスタートする(120)。この走査のクオリティは、実施形態により変化する。あるケースでは、100から300dpiのような特定の解像度での8ビット/ピクセルグレースケール値である。他のケースでは、2進像である。補助的信号及び他のコピー検出特徴部のパラメータは、それに応じて設計される。
補助的信号を抽出するプロセスがブロック122から128に示されている。補助的信号リーダーは、補助的信号の同期信号を検出することにより始動する。例えば、同期信号の変換ドメインピークを検出し、それらを既知の同期パターンに相関させて、回転、スケール及び並進移動を計算する(補助的信号の原点)。このプロセスは、例えば、米国特許第6,614,914号及び第6,122,403号に説明されている。
図2に示すように、補助的信号、又はより詳細には、同期信号成分の検出を、コピー検出のためのメトリックの1つとして使用することができる。1つのこのようなメトリックは、同期パターン及び既知のパターンを相関させることにより計算された相関スペースにおける最大相関値であり、又、別のメトリックは、この相関スペースにおける最大相関ピークと1つ以上の低い相関ピークとの相対的値である。
補助的データからメッセージを抽出する際の次のステップは、信号エレメントを推定することである(124)。リーダーは、像値の同期アレイを探索し、各埋め込み位置における補助的信号の値を推定する。例えば、補助的信号が、ルミナンスを隣接位置に対して上下に調整することにより埋め込まれた場合には、リーダーは、当該埋め込み位置のルミナンスをその近隣と比較することにより補助的信号エレメントの値を予想する。
次いで、リーダーは、キャリアで逆の変換を行って、エラー補正エンコードエレメントの推定値を得る(126)。拡散キャリアの場合には、リーダーは、N個の埋め込み位置からの補助的信号推定値の貢献を累積して、エラー補正エンコードエレメントの推定値を形成する。次いで、リーダーは、それにより得られる信号に対してエラー補正デコードを実行して、埋め込まれたメッセージを抽出する(128)。次いで、このメッセージを使用して、図2においてコードメトリックと称される更に別のコピー検出メトリックを与えることができる。1つのこのような実施例は、ブロック128のエラー補正デコーダへの入力を、完全に再構成されたエラー補正エンコードメッセージと比較することである。これは、メッセージのエラー検出部分を使用してメッセージにエラーがないことを確認し、次いで、その確認されたメッセージにブロック100を再適用することにより達成することができる。これは、抽出された補助的信号におけるビットエラーをコピー検出メトリックとして測定する方法の一例に過ぎない。より多くの実施例が、米国特許出願公告第US2003−0177359A1号及び第US2002−0099943A1号に説明されている。
埋め込まれた補助的信号に基づくメトリックに加えて、リーダーは、印刷オブジェクトにおける他の特徴部に基づくメトリックも計算する(130)。幾つかの実施例は、ある構造のエイリアシングの分析、コピー操作に応答して予想し得る仕方で変化するある構造の周波数ドメイン分析、コピー又はスワップ操作によるフォントの変化を検出するための印刷オブジェクトのフォントの分析、等々を含む。これら全てのメトリックは分類器132へ入力され、該分類器は、これらメトリックが、全体としてみたときに、コピーに対応する領域にマップされるか、又はオリジナルに対応する領域にマップされるかを決定する。
分類器の1つの形式は、コピー及びオリジナルのトレーニングセットに基づいて公式化されたベイジアン(Bayesian)分類器である。このトレーニングセットは、オリジナルに対するメトリック(オリジナルを表わすメトリックスペースの領域)及びコピーに対するメトリック(コピーを表わすメトリックスペースの領域)のクラスターに基づいて領域を定義できるようにする種々様々な既知のオリジナル及びコピーを含む。トレーニングプロセスは、各コピー及びオリジナルに対するメトリックを計算し、それらを多次元メトリックスペースへマップする。次いで、コピー及びオリジナルのメトリックのクラスターを中核としてコピー及びオリジナルの領域を各々形成する。
動作に際し、分類器は、状態が未知であるドキュメントから測定されたメトリックをマップする。これらメトリックがマップされる領域に基づいて、分類器は、ドキュメントをコピー又はオリジナルとして分類する。更に別のドキュメント区別が望まれる場合には、より多くの領域をメトリックスペースに生成することができる。
システム全体について以上に説明したが、補助的信号を埋め込むために使用できるか、又はコピー検出特徴部を生成するために独立して使用できる印刷構造の多数の特定の形式について以下に説明する。
図3は、最初に述べたように、ドキュメント上の埋め込み位置へマップされる補助的信号の2進表示である。この信号を生成する1つの方法は、デジタル透かし発生プロセスを使用することである。
1つのこのようなプロセスは、デジタル透かしを中間レベルグレー値のブロックに埋め込み、埋め込み位置当りの2進値に対する結果をスレッシュホールド処理し、次いで、その埋め込み位置における補助的信号値に基づいて埋め込み位置当りの希望の印刷構造及び特性(例えば、線構造、スクリーン、カラー等)を挿入することである。
図4の線連続性方法のケースでは、2進値が線構造の有無に対してマップされる。それとは別に、補助的信号の2進状態を表わすために、図5に示す2つのカラーを使用して、カラー1の線構造又はカラー2の同じ線構造がある。更に別のやり方は、補助的信号の2進状態を表わすために図6に示す2つのカラーを使用したスクリーン1又はスクリーン2である(同じカラー又は異なるカラー)。それに関連した別の実施例は、異なるラスタ化スタイルを異なる印刷構造に使用することである。例えば、一方がクラスター化ドットによるもので、他方が拡散でよい。偽造は、通常、拡散ディザのような特定形式のRIPを用いる装置を使用するので、これら2つの印刷構造間の相違は、コピー操作に応答して変化する。異なる印刷構造及び特性を組合せて使用して、埋め込み位置当たり2つ以上の埋め込み状態を表わすことができる。
上述したように、これらの印刷構造がコピー操作に応答する仕方の相違で、埋め込まれたデジタル透かしが読み易くなったり読み難くなったりする。コピー操作の後に検出し易くなるデジタル透かしに対して「発生期(nascent)透かし」という語を使用する。コピー操作の後に検出し難くなる透かしに対して「脆弱な(fragile)透かし」という語を使用する。印刷構造の可変応答は、発生期又は脆弱な透かしのような埋め込まれたマシン読み取り可能な信号を構成するための有用なツールであるが、埋め込まれた信号とは別に、測定可能な特徴部メトリックとして使用することもできる。例えば、それらは、図2のブロック130及び分類器への入力において測定される個別の印刷特徴部として使用することもできる。
次のセクションでは、多数の印刷構造について一般的に説明する。それらは、埋め込まれた信号エレメント及び独立した印刷特徴部として使用されてもよい。
「カラー」
図5を参照して上述したように、幾つかのカラーがコピー操作に対して異なる仕方で応答するのを、印刷構造においてコピー検出特徴部として使用することができる。特別な走査又は印刷操作のようなコピー操作に応答した一対のカラー間の差の変化を測定することで、この作用を利用することができる。あるケースでは、この差は、ゼロから、ある測定可能な非ゼロ量までである(例えば、差の値で保有される発生期埋め込み信号を出現させる)。他のケースでは、この差は、ある非ゼロ量からゼロまでである(例えば、差の値で保有される脆弱な埋め込み信号を消失させる)。
コピー検出にカラーを使用する1つの仕方は、1つ以上の印刷構造に使用するためのインクをガマットから外れて選択することである。カラーガマットとは、カラーの範囲を定義する。異なるカラー機構(例えば、RGB及びCMY)は、一般に、独特のカラーガマットを含む。このようなカラー機構は、重畳するカラーガマット(又は範囲)と、独特の(又はガマットから外れた)カラー範囲とをほぼ確実に有する。
典型的なコピー操作に使用される捕獲装置(例えば、RGBスキャナ)のカラーガマット内には入らないが、認証スキャナ(例えば、全色性スキャナ)のガマット内に入るインク又は染料を選択することができる。RGBスペースに対するガマットから外れたCMYKスペースにおけるあるダークブルー及びバイオレットで印刷されたドキュメントについて考える。スキャナは、CMYKドキュメントを走査するときに、通常、RGBスペースにおいて像を走査する。RGB走査は、変換においてダークブルー及びバイオレットを失う。
この解決策は、偽造に使用されるプリンタのカラーがマットにも拡張される。偽造者によりおそらく使用されるCMYKプリンタの典型的なガマットに入らないインクを選択することができる。
別の解決策は、1つ以上の印刷構造に対してメタメリックインクを使用することである。これらのインクは、異なる形式のスキャナ及び/又は照明条件に対して異なって見え、それ故、スキャナの出力に検出可能な差を招く。認証スキャナの出力と偽造者のスキャナの出力との間の差は、コピーとオリジナルとの間の検出可能な差となる。従って、これらのインクは、印刷構造に使用するための候補である。
別の解決策は、一対のカラーの一方に異なる量のブラックを混合することである。これらの差に対して優れた感度をもつ認証スキャナは、典型的なRGBスキャナよりも更に正確にカラーの差を表わす。コピー操作に応答したこれら2つのカラー間のルミナンスの差の変化が、印刷構造に対する別のコピー検出特徴部となる。
別の解決策は、一方のカラーが白黒像走査において持続するが、他方は持続しないような一対のカラーを使用することである。この場合も、コピー操作に応答したこれらカラー間の差の変化が、印刷構造に対する別のコピー検出特徴部となる。
「ドット利得」
前記説明では、図6を参照して、一対の印刷構造間のドット利得の変化をコピー検出特徴部としていかに使用できるかを示した。この作用は、印刷像のグレースケール及び2進像走査において測定することができる。
前記実施例では、コピーによる2つの印刷構造のドット利得の差が、2つの構造の測定可能なルミナンス差にいかに対応するかを説明した。このルミナンス差を使用して、発生期又は脆弱な埋め込み信号をルミナンス差値で保有させることができる。又、これを他の印刷構造に使用することもできる。
グレースケール像では、ルミナンスのこのシフトは、グレーレベル値をシフトさせる。2進像では、グレーレベルは、黒及び白に対してスレッシュホールド処理される。従って、白に対して一度スレッシュホールド処理されたある2進ピクセルは、今度は、黒に対してスレッシュホールド処理される。このシフトは、可変グレースケール値を伴う勾配のストリップを使用して測定することができる。この勾配が黒に対してスレッシュホールド処理されるポイントは、ドット利得によりシフトする。
ルミナンスのシフトを検出するために多数の異なる構造を構成することができる。これらは、次のものを含む。
− 勾配エリア及び色調エリア(一定のトーン)。
− ドット利得の影響が大きい勾配及びドット利得の影響が小さい勾配を含む勾配対。
− 黒及び白に変換されたときに、ドット利得によるルミナンスのシフトが、周波数ドメインにおいて検出可能なシフトのパターン(例えば、周波数ドメインにおいて検出可能なピークを形成する周期的関数)を生成するように、多数の勾配対が印刷される。
− ドット利得によるルミナンスシフトの影響を受ける勾配を、コピー操作にも敏感なインクと結合して、ドット利得のみ又はカラー作用のみを使用する場合より検出し易い加算的シフト作用を発生することができる。
第1の例示的技術は、オリジナル対コピードキュメントにおけるドット利得の差を利用する。オリジナルドキュメントは、第1スクリーン及び第2スクリーンにおけるエリアが印刷される。ドット利得は、一方のスクリーンのドットの方が他方より大きな作用を受けるために、これらエリアのドット利得の差がオリジナルとコピーとの間を区別する。これらドット利得の差を使用して、コピーにおいてマシン読み取り可能となる隠れた信号を保有することができる。
この技術の変形は、均質トーンのエリア及び勾配トーンのエリアを使用することを含む。この場合も、これらのエリアが、ドット利得に対して異なる感度をもつ異なるスクリーンを使用して印刷される場合に、コピー操作中に生じるドット利得は、これらのエリアに異なる仕方で影響する。
第1及び第2スクリーンのエリアは、ドキュメント位置へのスクリーン形式の空間的マッピングを指定するシークレットキーに基づいてドキュメント全体にわたりランダムに分布させることができる。
「エイリアシング作用」
ある印刷構造のエイリアシングは、それら印刷構造に対するコピー検出特徴部を与える。偽造に使用される典型的なプリンタは、ある形式の印刷構造を正確に再現することができない。というのは、これら構造は、スクリーニング又はディザすることが困難だからである。1つのこのような構造は、カーブした線、又はカーブした線のセット(例えば、同心円)である。図7及び10は、カーブした線の構造のセットを示す幾つかの例である。
これらのカーブした構造は、異なる角度でスクリーニング又はディザすることが困難である。その結果、偽造ドキュメントにおいて線が不鮮明になる。この作用は、周波数ドメインにおいて観察することができる。これらの線構造は、密接に離間されるのが好ましい(例えば、相当に高い周波数内容をもつ)。
あるケースでは、比較的低い解像度で走査される像に対してコピー検出リーダーを実施しなければならない。このような制約が与えられると、高い周波数内容は、オリジナル及びコピーの両方においてエイリアシングを生じ勝ちになる。しかしながら、コピーは、エイリアシングが発生する周波数ドメインのエリアでは、オリジナルほどのエネルギーをもたない。これは、図7から12に示す技術を使用して検出することができる。
図7及び10は、線構造の例を示すことに注意されたい。図8及び10は、それに対応する周波数ドメインの表示である。最後に、図9及び図12A−Cは、エイリアシングを生じると予想されるエネルギーを測定するのに使用するためのマスク(白のエリア)を示す。このエイリアシングのエリアにおけるエネルギーの量は、オリジナルからコピーを区別するために他のメトリックと共に使用できるメトリックを形成する。
これら線構造は、線連続性変調を使用して補助的信号を線構造に埋め込むことにより、埋め込みシグナリング方法(発生期又は脆弱な透かしのような)と結合することができる。埋め込み位置は、埋め込まれた信号の状態を表わすために、線の存在・対・不存在として、又は1つのカラーの線・対・その上の異なるカラーの線として表わすことができる。
埋め込まれた信号の別の使用は、エイリアシング作用を測定するのに使用される印刷構造を探索し且つ整列するためにそれが与える幾何学的同期を使用することである。
埋め込まれた信号が線構造で保有される場合には、周波数メトリックを使用して、線構造に生じるエネルギーピーク及び/又はエイリアシング作用を測定し、コピーとオリジナルを区別することができる。例えば、図4の水平線構造は、垂直方向にエイリアシングを生じさせ、これは、周波数ドメインにおいて測定することができる。これらの線構造は、周波数ドメインにおいてピークを形成する。ラジアル周波数メトリックを使用して、これらピークをオリジナル及びコピーにおいて分類し(例えば、平均ラジアルエネルギーの正規化された比を比較することにより)、次いで、これらメトリックの分離に基づいてオリジナルとコピーを区別することができる。
「周波数ドメイン特徴部」
周波数ドメインにおいてエイリアシング作用を測定するのに加えて、線構造又は形状のような他の構造を周波数ドメインにおいて測定することができる。更に、これらの構造をカラー又はドット利得作用と結合して、コピー検出メトリックを導出することができる。
一実施例では、線構造がカラーの対と結合される。1つの線構造は、第1カラーを有し、ピーク又はピークのセットのような検出可能な周波数ドメイン特徴部へと変換される。第2の線構造は、第2カラーを有し、異なるピーク又はピークのセットのような異なる周波数ドメイン特徴部へと変換される。これらピーク間の関係を測定することにより、カラーの差のシフトを周波数ドメインにおいて測定することができる。
別の実施例は、周波数大きさドメインにおいて既知の位置にピークのセットを形成する埋め込まれた信号の同期信号のような特徴部を使用することである。2つ以上の異なるカラーを使用して2つ以上のこれら信号を埋め込むことができる。次いで、各々のピークを検出して互いに比較し、コピー操作中に発生するカラーのシフトが検出される。
「圧縮作用」
認証のための走査像が圧縮されると予想される場合には、JPEG圧縮のような圧縮に対して可変の影響を受けるある印刷特徴部を設計することができる。コピー及びオリジナルが圧縮に応答する仕方の相違を検出して、別のメトリックとして使用することができる。
「付加的な埋め込み信号メトリック」
付加的な改善策として、埋め込み信号の状態の1つ(例えば、図3に示す埋め込み位置における0状態)を形成する印刷構造には、ドキュメント上の位置の関数として変化するグレーレベル値を与えることができる。コピーにより発生するシフトは、グレーレベルに異なる仕方で影響し、従って、埋め込み信号の検出ゾーンを変化させる。埋め込み信号のこれらの変化する検出ゾーンを測定して、更に別のメトリックとして使用することができる。
「他の特徴部の分析」
フォントのような付加的な印刷特徴部を使用して、コピーを検出することができる。再現するのに困難な特殊なフォントを使用することができる。フォントの変化を測定して、付加的な印刷特徴部メトリックとして使用することができる。
更に、ドキュメントの異なる部分におけるフォント形式の差を比較して、不正エントリーを検出することができる。小切手や他の金融証券の場合には、あるホットスポットが、他の静的なエリアより変更を受け易い。これらは、小切手の名前、金額及び日付を表わすテキストのようなエリアを含む。図13は、2つの異なるエリアのフォントを比較してそれらが一致することを確保する実施例を示す。もし一致しない場合には、小切手の不正手段を介してフォントがおそらく改変されている。
「システム設計」
このセクションでは、デジタル透かし及び他のセキュリティ特徴部を使用して、疑わしい印刷オブジェクトの走査像に基づき印刷オブジェクトの真偽を分析するシステム設計について説明する。このシステムでは、ドキュメントに印刷される像は、丈夫なデジタル透かし、1つ以上の他の透かし(例えば、脆弱な透かし及び可変高さペイロードの透かし)、及び他のセキュリティ特徴部を保有する。ある用途では、これらの特徴部は、ドキュメントのブランクバージョンが印刷されるときや、その後に、そのブランクドキュメントに可変データが印刷されるときのような異なる時間に、ドキュメントに印刷される。ドキュメントを認証するために、リーダーは、疑わしいドキュメントから捕獲されたデジタル像を分析し、ある認証メトリックを測定し、更に、それらメトリックに基づいてドキュメントをオリジナル又は偽造(或いは偽造の形式)として分類する。更に、このシステムは、補充的データキャリア、即ち丈夫な透かしを使用して、ドキュメントを分類する上で助けとなる補助的情報を運搬する。
丈夫な透かしは、低解像度の走査及び2進白黒像への変換を含む印刷及び走査の発生に生き残るように設計される。これは、分類器を設定するための補助的なデータを保有する。この分類器のデータは、例えば、次のものを含む。
1.ドキュメント形式の識別(これは、対応するセキュリティ特徴部、対応するメトリック、及びメトリックのスレッシュホールド(例えば、ドキュメントデザインテーブルに対するインデックス)を暗示的に運搬できる)。
2.ドキュメントにおけるセキュリティ特徴部の識別(例えば、インクの形式、勾配、周波数ドメイン特徴部、アートワーク、等を含む)。
3.ドキュメントにおけるセキュリティ特徴部の位置の識別(例えば、ドキュメント上の目に見えるマーキング又は構造のようなある基準位置、或いは丈夫な透かしにより与えられるある目に見えない方向ポイントに対する)。
4.分類器により使用されるメトリックの識別。
5.分類器により使用されるメトリックのスレッシュホールド又は他のパラメータの識別。これらスレッシュホールドは、オリジナル及び異なる形式の模造品(写真複写機、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、等により作られた模造品)のようなドキュメントのカテゴリー間を区別するのに使用される。
6.分類器形式の識別(例えば、分類器形式のルックアップテーブルに対するインデックス)。
7.分類器に対してセットされるトレーニングデータの識別。
このシステムでは、丈夫な透かしは、像の幾何学的同期を与える。この同期は、回転、空間的スケーリング及び並進移動を補償する。又、これは、他の特徴部を配置できるところの基準点を与える。
丈夫な透かしは、ドキュメントの表側、裏側又は両側に印刷されてもよい。これは、バックグランド像の一部分を形成し、その上に、テキストのような他の像を印刷することができる。これは、ドキュメントに印刷されたグラフィックデザインロゴ又は他のアートワークのような他の像内に隠されてもよい。これは、バックグランド全体を占有してもよいし、又はバックグランドの一部分だけを占有してもよい。IDドキュメント、有価証券及び小切手のような価値ドキュメントの場合に、丈夫な透かしは、ドキュメントに印刷された像に保有される他の透かしに対して幾何学的及び他のパラメータ基準情報を与えることができる。例えば、丈夫な透かしは、この丈夫な透かしと共に印刷されるか又は後で追加される大容量の可変メッセージ保有透かしに対して幾何学的基準を与えることができる。
ある用途では、可変メッセージ保有の透かしは、ドキュメントに印刷される他の可変データに関するデータも保有する。該他のデータは、予め印刷されたフォーム(例えば、払受人、金額及び日付の部分がブランクになった小切手)に後で印刷されることが多いので、大容量の可変メッセージ保有透かしは、可変テキスト情報が印刷されるときにドキュメントに印刷される。例えば、小切手の場合には、小切手に印刷される可変情報、例えば、金額、払受人及び日付は、後で追加され、このデータ又はそのハッシュは、大容量の透かしに埋め込まれて、可変情報と同時に印刷される。
線連続性変調マークは、この可変データを保有するのに使用されてもよい。これは、ペイロード容量を増加するために、幾何学的同期成分を含んではならない。この同期情報は、どこかに保有することができる。このマークは、丈夫さを改善するためにおそらくエラー補正コード化された可変メッセージ情報を保有するだけでよい。又、線構造それ自体は、回転及びスケール情報を与えるのに使用することもできる。リーダーは、線構造の方向から回転を推論すると共に、線構造の間隔の頻度からスケールを推論する。ドキュメントのどこかに印刷された丈夫な透かしを使用し、及び/又は透かしペイロード内のスタートコード又は既知のメッセージ部分を使用して、データの原点又は並進移動を見つけることができる。
或いは又、小切手に印刷される可変テキストデータに対応する可変データを保有するために、ドキュメント表面にブランクのままにされたエリアに、別の大容量マーク又はデジタル透かしが印刷されてもよい。認証のために、小切手に印刷される可変データ・対・大容量マークに蓄積されるデータの変化をチェックするように、2つを比較することができる。
ドキュメントの両面に丈夫な透かしを使用すると、少なくとも2つの付加的な偽造検出特徴部が与えられる。第1に、ドキュメント(例えば、小切手又は他の価値ドキュメント)の両面に丈夫な透かしが存在することで、その真偽が確認される。第2に、表面及び裏面の丈夫な透かし間の幾何学的な位置合わせで、真偽の別の指示が与えられる。より詳細には、真偽を確認するには、各側の丈夫な透かしの幾何学的同期により計算される幾何学的基準点が希望のスレッシュホールド内になければならない。
又、丈夫な透かしは、ドキュメント上のあるホットスポットの改変を検出するための付加的なメトリックも与えることができる。例えば、丈夫な透かしが小切手全体にわたりブロックで繰り返しタイル張りされている小切手について考える。払受人の名前、金額及び日付のような幾つかのホットスポットにおいて小切手に可変データが印刷されたときには、この印刷がホットスポットにおける丈夫な透かしの検出を減少させる。これらホットスポットの不正改変(例えば、金額を変更するための)は、これらホットスポットにおける透かしの測定を更に減少させる。リーダーは、小切手改変の尺度としてこれらエリアにおける丈夫な透かし信号を測定するように設計することができる。
又、丈夫な透かしは、ドキュメントに関する付加的な可変情報、例えば、プリンタ、発行者、ドキュメントID、バッチID、等を保有してもよい。又、小切手又は有価証券の場合に、この透かしは、最大許容値又は金額を指示する量を保有してもよい。ポイント・オブ・セール位置、ソーター又は他の小切手決済位置にあるリーダーは、ドキュメントが支払又は振替のために提示されたときにこの最大金額を越える値を無効とみなす。又、丈夫な透かしは、ジョブ番号、プリンタ又は日付を保有してもよい。このデータは、場違い又は古過ぎの小切手、ひいては、無効であるか又は更なる分析が合図される小切手を識別するのに使用されてもよい。
丈夫な透かしは、特殊な特性を有するインクで印刷されるデザインアートワーク等に含まれてもよい。その一例は、丈夫な透かしを読み取るためにドキュメントの温度調整を必要とするサーマルインクである。特定の温度で透かしを読み取れないことが、有効性の追加指示となり得る。
図14は、丈夫な透かしから抽出された情報をいかに使用して、時間と共に分類器を設定し且つ適応させるかを示すシステム図である。このシステムでは、多数のドキュメントスキャナが現場に配備される。これらは、ポイント・オブ・セール(POS)位置、ドキュメントソーター、又はドキュメント取り扱いチェーン内の他の位置に配置することができる。これらスキャナの各々は、ネットワークを経てサーバー及びマスタートレーニングセットデータのデータベースに相互接続され、その各々に捕獲されたデータをログすると共に、それを使用して分類器を適応させることができる。
図14の上部において、リーダー1は、ドキュメントから捕獲されたデジタル像の分析を示すように展開されている。デジタル像は、セキュリティ特徴部(おそらくデジタル透かし等を含む)と、丈夫な透かしとを含む。デジタル透かしリーダーは、そのメッセージペイロードを含む丈夫な透かしを抽出する。このペイロードは、他の情報の中でも、評価されるべき特徴部セット(F)を指示するテーブルへのインデックスと、適当なスレッシュホールドのようなその特徴部セットのためのパラメータ(P)と、分類器により使用されるべきトレーニングデータセットへのインデックスとを与える。トレーニングセットデータは、ローカルトレーニングセットデータベースに記憶される。このデータベースは、分類器を設計するのに使用されるトレーニングセットデータで初期化される。更に、トレーニングセットは、システムがより多くのドキュメントに遭遇するときに時間と共に適応されてもよい。これは、システムを新たな形式の偽造に適応させて、動作中に実際のデータに基づいて弁別を微同調できるようにする。更に、分類器を、認証分析に影響するスキャナ又は他のシステム要素の動作特性に適応させることができる。
適当な特徴部セット、パラメータ及びトレーニングデータを選択すると、リーダーは、特徴部分析を行なって、走査像の適当な位置において特徴部を測定し、それら測定値を分類器へ通す。分類器は、その動作を、ドキュメントに対して選択されたメトリック及びトレーニングセットの形式に適応させる。次いで、ドキュメントをオリジナル又は偽造(又は特定形式のコピー)として分類する。
上述したように、このシステムは、多数の向上した能力を発揮する。第1に、分類器は、時間と共に更新又は変更することができる。例えば、分類データ(特徴部の測定及びそれに対応する分類結果を含む)は、分類形式ごとに別々にログすることができ、又、トレーニングデータは、適切に信頼できると思われるこの分類データを含むように更新することができる。信頼できるトレーニングデータの母集団が成長するにつれて、分類器は、より有効となり、時間と共に適応するようになる。トレーニングデータは、ドキュメント形式ごとに最新の結果及び/又は最も信頼し得る結果をベースとすることができる。例えば、トレーニングデータは、ドキュメント形式ごとに最後の1000個の信頼し得る検出に基づいて常時更新することができる。
又、スキャナの動作特性を時間と共に追跡することもでき、スキャナの性能の変化に基づいて分類器を適応させることができる。これは、分類器が時間に伴うスキャナの減衰を補償できるようにする。新たなデータが発生されたときには、トレーニングデータを更新し、最も現在のスキャナ性能並びにオリジナル及び偽造品に関する最新のデータに対してそれを現在のものとすることができる。
偽アラーム率を減少するために、好ましくは、トレーニングデータを、信頼のある分類データで更新しなければならない。更に、誤って分類されるが後でシステムにおいて検出されるドキュメントは、それに対応するデータ分類をトレーニングセットから除去することもできるし、又はシステムを補正するように更新することもできる。
メトリックがオリジナル又は偽造の分類へ明確にマップされない幾つかのドキュメントは、これをシステムにログして、フォローアップを合図することができる。このフォローアップ分析は、分類器において別のドキュメントカテゴリーを生成するか、或いは各ドキュメント形式に対するメトリックの選択をより細かくして、オリジナルと偽造をより有効に区別できるようにする。更に、フォローアップが合図されたドキュメントは、更に別の認証プロセス、例えば、より解像度の高いスキャナで走査するプロセスへ送り込んで、高解像度走査でしか検出できないセキュリティ特徴部をチェックすることができる。
より時間をかけて、分類結果を更に分析し、偽造の形式を示すサブカテゴリーへと細分化することができる。例えば、偽造の形式は、ドキュメントを偽造するのに使用されるプリンタの形式に基づいて分類することができる。又、これらドキュメント形式を分析するのに使用される特徴部及びパラメータのセットを時間と共に適応させてもよい。例えば、特定のメトリックがより有効な区別を与えることを学習でき、従って、リーダーは、そのメトリックを分析して、そのメトリックに依存する分類器を使用するように適応させることができる。
図示されたように、トレーニングデータは、ローカル装置特有に保つことができ及び/又は全ての装置(例えば、ポイント・オブ・セールスキャナのグループ又はソータースキャナのグループ)間で共有することができる。全てのスキャナからのデータをグループ編成することで、各ドキュメント形式に対して分類器を適応させ且つ精巧なものにさせるところのより大きな母集団が生成される。これは、異なる発行者及びプリンタからの異なる形式の小切手について特に言えることである。
「偽造検出のためのより多くの分類器」
偽造検出の問題は、特定のドキュメントの真偽に関して信頼性のある自動的な判断を行なうことを導く。単一メトリックの検出された性能からこのような判断を行うこともできる。通常、このようなメトリックは、偽造プロセスにより導入される単一の物理的パラメータへの変化に関連したものとなり、従って、他の技術により生じる偽造には無防備となる。或いは又、頻繁に見られることであるが、単一の検出メトリックからの結果は、システムの性能要求を個々に満足する結果を与えないが、2つ以上のメトリックの結合からの結果は、完全に満足なシステムを生じさせる。このような状態の一実施例が図15に示されている。
図15には、グルーン及びブルーのデータポイントで示された2つのクラスからのサンプルに対して2つの検出メトリックが互いにプロットされている。主たるグラフの各軸に沿った小さなグラフに見られるように、各メトリックにより生じる結果は、オリジナル及び偽造の分布を分離する上で特に有用でなく、両メトリックは、非常に多数の誤った検出及び偽のアラームを与える。しかしながら、線Aに沿って空間を区切るか、或いは空間を回転して単一のスレッシュホールドを使用することにより、2つのクラスを容易に分離できることが明らかである。
多次元の母集団を2つ以上のクラスに分割する自動的な方法を分類技術として使用することを説明する。分類器を使用して母集団を2つのクラスのみに分離するときには、その結果がこれらクラスに対する分析器として使用されてもよい。分類器のタスクは、各クラス(オリジナル及び偽造)から得られるデータサンプルからのメトリックの振舞いを学習し、次いで、この知識を使用して、未知の新たなドキュメントをオリジナル又は偽造として分類することである。以下、異なる形式の分類器について説明する。見込み又はベイジアン分類器は、k最至近隣接部(k Nearest Neighbor)(kNN)と称される非パラメータ分類器を有するものとして実施された。
[ベイジアン分類器]
この分類器は、簡単なベイジアン方法に基づくものである。これは、テストオブジェクトから確率クラスターの中心までの統計学的「距離」を計算し、オブジェクトがそのクラスターに属する見込みを近似する。テストオブジェクトを分類するために、分類器は、オブジェクトがどのクラスターに最も近いか見出し、オブジェクトをそのクラスに指定する。現在の設計では、3つのクラス(オリジナル、ゼログラフィック、及びインクジェット印刷)が使用されている。オブジェクトがゼログラフィック又は印刷として分類される場合には、それが「コピー」としてユーザに報告される。
前記方法を実現するには、クラスクラスターとテストオブジェクトとの間の統計学的距離を計算する仕方が必要である。この方法は、各クラスに対する平均及び標準偏差に基づき、簡単な距離を使用する。N個のメトリックを使用するときには、各クラスは、平均(M1、M2、M3、・・・MN)のベクトルと、標準偏差(S1、S2、S3、・・・SN)のベクトルとによって表わされる。この距離は、次のように計算される。
Figure 2006510329
更に複雑な分類技術が存在するが、この方法は、小切手認証分類問題に対して有用であることが分かっている。計算は、実際の距離ではなく、各クラスターの基礎的な確率分布が単一のピークを有し且つ対称的である場合に、クラスにおける相対的な見込みを近似する。
テストオブジェクトを分類するためには、各クラスへの距離を計算しなければならないので、分類器は、各々の平均及び標準偏差を知らねばならない。分類器は、これらの値がロードされると共に、トレーニング及びテストプロセスにより確認されている。トレーニングに際して、入手できるデータの一部分を使用して、分類器へロードされる値が決定される。次いで、残りのデータを使用して、オリジナルを偽造から区別するための分類器の能力がテストされる。
[kNN分類]
k最至近隣接部(kNN)分類器は、基礎的データの分布に関する仮定に依存しない非パラメータ分類器である。kNN分類器は、インスタンスベースの学習に依存する。分類されるべき新たなデータサンプルに対して、トレーニングセットからこのサンプルへのk個の最至近サンプルが識別される。これらの最至近サンプルは、ユークリッド距離又は重み付けされたユークリッド距離のような距離尺度を使用して識別される。次いで、新たなサンプルは、k個の最至近サンプルにほとんどのインスタンスを有するクラスに指定される。kに対する適当な値は、交差確認(cross-validation)方法(トレーニングセットのランダムサブセットにおいて分類器を動作させる)により選択することができる。実験では、メトリックの正規化セット(各メトリックに対して同様のダイナミックレンジを得るように正規化されたメトリック)に対するユークリッド距離の尺度でk=5を使用した。
kNN分類器の利点は、非直線的で、非パラメータ性で、且つ任意のデータ分布を許容することである。kNN分類器は、多モード分布の存在中でも充分に機能できる。又、ローカル情報(最至近サンプル)を使用するので、適応性分類器とすることができる。更に、実施は簡単である。
kNNの欠点は、データの分布が充分定義され且つそれがガウス的である場合には、ベイズの分類器に対して準最適となることである。又、これは、多量の無関係で且つノイズ性の特徴部の影響を受け、それ故、特徴部選択プロセスから利益を得ることができる。その実施は簡単であるが、特徴部及びトレーニングセットの数が非常に大きい場合には計算経費が高いものとなる。しかしながら、これは、並列実施には適している。
[特徴部サーチアルゴリズム]
特徴部を組み合わせることにより、分類器は、単一特徴部を使用する分類器に勝る性能を発揮することができる。これは、特徴部が統計学的に独立しているか又はほぼそのようである場合に、特に言えることである。理想的には、分類器に含まれる特徴部が多いほど、性能が良くなる。実際には、オーバートレーニングとして知られている現象のために、このようにはならない。分類器は、データの限定セットにおいてトレーニングされ且つテストデータの異なる(及び通常は非常に大きな)セットにおいて使用されるので、これら2つのセット間で特徴部の統計学的分布に不一致があると、分類器の性能が悪いものとなる。これらの分布における不一致の見込みは、小さなトレーニングセットの方が、大きなトレーニングセットの場合より高くなり、且つ多数の特徴部を使用する分類器は、少数の特徴部を伴う分類器より、この不一致に対してより敏感となる。その最終的な結果として、多数の特徴部を伴う分類器を高い信頼性で設計するには、大きなトレーニングセットが必要になる。多数の特徴部を伴う分類器をトレーニングするのに小さなトレーニングセットを使用するときには、オーバートレーニングの結果となり、即ち分類器は、トレーニングデータによりモデリングされた統計学的情報に対して非常に良好に機能するが、トレーニングセットの統計学的情報はテストセットの統計学的情報に一致しない。
トレーニング及びテストセットが与えられたときに、分類器に対して最良に機能する特徴部セットを見出すには、特徴部の各々の考えられる組み合せの中で徹底的にサーチすることが必要となる。多くのケースでは、選択すべき多数の特徴部があり、従って、この徹底的なサーチタスクは、計算上複雑なものになる。この複雑さを減少するために、準最適なハイアラーキーサーチを使用して、サーチの複雑さを下げる。特徴部は、3つのグループにグループ分けされる。グループ1は、密接に関連した透かしメトリックを含み、グループ2は、透かしエリアの周波数内容を表わす特徴部を含み、更に、グループ3は、他の(非透かし)セキュリティ特徴部から派生する特徴部を含む。準最適なサーチは、グループ1からの特徴部のみを使用して最良に機能する分類器を、更に、グループ2からの特徴部のみを使用して最良に機能する分類器を見出すことにより、開始する。サーチアルゴリズムの第2ステップでは、考えられる組み合せの中から最良の分類器が見つけられる。このステップは、考えられる分類器設計のサブセットをサーチすることを必要とする。この2ステップアルゴリズムを構成する上での目標は、最も密接に関連した特徴部のセットの中で最適化を行なう第1ステップを使用して、第2ステップにおける繰り返し作用を最小にすることであった。各々のサーチプロセスにおいて、性能の等しい多数の分類器がある場合には、オーバートレーニング作用を最小にするために、最も少数の特徴部を伴う分類器が選択された。これらサーチは、誤った検出の確率及び偽のアラームの確率の重み付けされた和を最小にした。この重み付けは、誤った検出に対して偽のアラームの重みを2倍にした。
「二重コントラスト透かし」
二重コントラストデジタル透かしの目的は、透かしのコントラストがオリジナルに対して変更された偽造を識別することである。この技術は、特定のコントラスト範囲を各々占有する2つの別々のデジタル透かしを使用することを含む。例えば、一方の透かしは、コントラストの低い見掛けを有し、他方の透かしは、コントラストの高い見掛けを有する。
以下に述べるように、2つの透かしの相対的な強度は、オリジナルと偽造との間の区別を与える。これは、偽造タスクを困難なものにする。というのは、偽造者は、両透かしのコントラストを正確に再現しなければならないか、又はそれらの相対的な強度が不変のままであるようにそれらを変更しなければならないからである。両透かしのコントラストの正確な再現は、普段の偽造ツール(デスクトップスキャナ、プリンタ、カラー複写機、白黒複写機)では困難である。というのは、それらは、一般に、コントラストを高めて透かしの一方を向上させる傾向があるからである。その結果、他方の透かしがしばしば抑制される。検出器にアクセスせずに透かしの相対的な強度を維持することは困難である。
透かしは、互いの干渉が減少されるようにデザインされる。減少された干渉を確保するために、空間周波数、構造及びカラーのような観点(例えば、上述したような)が、コントラストに加えて使用される。
[コントラスト]
2つの透かしは、それらのコントラスト範囲内で大きな分離をもつことが意図される。一方の透かしは、低いコントラスト範囲を占有し、他方の透かしは、高いコントラスト範囲を占有する。低いコントラスト範囲に対して考えられる1つの選択は、セキュリティプリンタにより首尾良く印刷して検出スキャナにより検出することのできる最低のコントラスト範囲である(透かし強度が与えられると)。同様に、プリンタ及び検出スキャナの選択に対して高いコントラスト範囲を決定することができる。
偽造中のコントラストの向上は、次のケースの1つを生じ得る。
1)高コントラスト透かしのコントラストが高くなり且つ低コントラスト透かしのコントラストが低くなるようにコントラストが伸ばされる。
2)高コントラスト透かしのコントラストが向上され、一方、低コントラスト透かしは、不変である。
3)低コントラスト透かしのコントラストが向上され、そのコントラスト範囲を、高コントラスト透かしのコントラスト範囲に効果的に近づける。
前記の各ケースにおいて、2つの透かしの一方が向上され、検出器においては、これは、通常、検出される透かし強度が高いことを意味する。前記は、グレースケール変更カーブ(又はガンマ補正)が直線的でないか、又はダイナミックレンジを保存しないかのいずれかであると仮定する。
[空間周波数]
像又はドキュメントに複数の透かしがあるときには、それらが互いに干渉して、各透かしの検出性を悪くする。例えば、2つの透かしが、周波数ドメインにピークのアレイを含む同じ同期信号を有するが、そのペイロードが異なる場合には、同期信号の強度は強化されるが、2つのペイロードは互いに干渉し、同期信号ノイズにより影響される。各透かしがそれ自身の同期信号及びペイロードを有する場合には、各々が互いに干渉することになる。
交差透かし干渉を減少するためには、透かしを空間周波数において分離させることが望ましい。この周波数分離を達成する1つの仕方は、2つの透かしを異なる解像度で埋め込むことである。この方法は、甚だしい干渉を生じることなく、両透かしが同じ形式であることを許す。
コピー検出テストの場合に、低コントラストの透かしが50wpiで埋め込まれる一方、高コントラストの透かしが100wpiで埋め込まれた。像の解像度及び検出スキャナの解像度に基づいて他の解像度が適当なこともある。異なる解像度で埋め込む付加的な利点は、合成された透かしの同期信号におけるピークがより広い周波数範囲をカバーすることである。これは、オリジナルと偽造との間により有効な弁別メトリックを導くことができる。
[構造]
設計構造は、透かしの特徴部間に分離を得ると共にコントラスト範囲の差を強調するための手段を与える。これら構造は、オリジナルと偽造との間に大きな弁別性を生じるように好都合に利用することができる。
コピー検出テストの場合に、低コントラスト透かしは、バックグランドの色合いパターンのように見えるソフトな希薄な構造に含まれる。高コントラストの透かしは、個別の線パターンの見掛けを与えるLCM(線連続性変調)に含まれる。一実施例が図16に示されている。これら2つの構造は、2つの主たる目的を満足することが意図される。第1の目的は、LCMの線が像の優勢パターンに見えねばならないことである。従って、偽造者は、LCMの線をバックグランドの色合いより正確に再現し易いであろう。第2の目的は、低コントラストのバックグランド色合いの透かしがLCMの線より大きな構造エレメントをもたねばならないことである。これは、バックグランドのコントラストを向上した場合にバックグランド色合いが小さなLCM線構造に打ち勝つようにする。
[カラー/インク]
カラーは、二重コントラスト透かしの有効性を更に改善するための重要な属性として使用できる。例えば、ガマットから外れたカラーを有するインクを設計構造に対して使用することができる。このようなカラーをCMYK等価値で再現すると、透かしのコントラストに影響が生じ、従って、弁別性が改善される。
二重コントラスト技術の主たる利点は、両透かしを同じインクで印刷できることである。これは、位置合わせを誤る問題を回避する。この場合に、ガマットから外れたインクを使用するだけで充分である。
高い位置合わせ精度をもつ印刷環境では、二重コントラスト技術を複数のインクと共に使用して、偽造プロセスをより困難なものにする上で助けとすることができる。この場合に、2つの透かしの各々は、異なるインクで印刷される。インクは、そのCMYK等価値がオリジナルのインクとは異なるコントラスト範囲関係を有するように選択することができる。
[二重コントラスト透かしからのメトリック]
図17は、コピー検出のために二重コントラスト透かしからのメトリックを評価するプロセスの一例を示す図である。この技術は、本明細書で既に説明したメトリックを利用することができる。最初の実験の場合に、使用した相関メトリックは、例えば、相関強度、重み付けされた相関、検出値、及びメッセージレベルSNRを含む。
検出器は、像において2回動作され、1回目は、高コントラスト、高解像度の透かしを検出するためにWPIを100にセットして行い、次いで、低コントラスト、低解像度の透かしを検出するためにWPIを50にセットして行なう。各動作は、ターゲットとする透かしのコアからメトリックのセットを発生する。コアは、各動作中にいずれか(又は両方)の透かしを検出できるので、ターゲットとする透かしだけを読み取るようにシステムを設計できることに注意されたい。これは、検出された同期信号(1つ又は複数)のスケールパラメータを観察し、次いで、スケール1の同期信号を使用するように各動作を制約するだけで達成できる。
検出器コアからの出力は、2つの透かしを抽出するために、2回の動作の各々からN個で、2N個のメトリックのセットである。これら2N個のメトリックは、分類器構成に入力特徴部として直接使用することができる。この場合に、分類器は、2回の動作を通して得た同じメトリック間の関係と、メトリックにわたる関係も学習する。別の解決策は、相対的メトリックの新たなセットを得ることである。これらメトリックの知識を使用して、オリジナルと偽造との間の差にハイライトを当てる相対的メトリックを案出することができる。これは、分類器の設計及びタスクを簡単化することができる。
[実験設定]
二重コントラスト透かしの設計は、100wpiの1つのLCM透かし(高コントラスト)と、50wpiの1つのソフトな希薄な透かし(低コントラスト)とで構成される。この設計は、ガマットから外れたオレンジであるPanatone1595を使用して印刷された。
幾つかの例示的メトリックは、次のように計算される。
相関強度正規化差(CSND)=abs(CS−CS)/CS*10
このメトリックは、同期信号におけるピークの全数当りの、同期信号内で検出されたピークの数、に基づくものである。
重み付け相関正規化差(WCND)=abs(WC−WC)/WC*5
このメトリックは、CSと同様であるが、周波数で重み付けされ、中間周波数範囲における同期信号のピークに焦点を置いている。
検出値比(DVR)=DV/DV
このメトリックは、同期信号の最大相関値の、次の最大候補に対する相対的メトリックに基づくものである。
PRAM比(PRAMR)=PRAM/PRAM
このPRAMメトリックは、実際の透かしメッセージに対するエラー補正前の生の透かしメッセージペイロードの比較である。
署名レベルSNR差(SNRD)=abs(SNR−SNR
これは、透かしメッセージ値に基づくという点でPRAMメトリックと同様であるが、その尺度は、透かしメッセージ信号の標準偏差を使用して信号対ノイズメトリックに変換される。
前記説明において、abs(.)は、絶対値演算を示し、添え字H及びLは、高コントラスト及び低コントラストの透かしを各々意味する。
「像置き換えワークフローにおけるデジタル透かしの適用」
[はじめに]
小切手裁断法(Check TruncationAct)の採用に伴い、銀行業界は、彼等の場所で小切手のデジタル像を処理し送信するときに物理的な小切手を破棄することが許される。電子バージョンの使用を望まない又は使用できない金融機関又は顧客により小切手の物理的形態が必要とされるときを除いて、小切手の像がその後の全ての処理に使用される。
捕獲された像から生成されたときの小切手の物理的形態を、像置き換えドキュメント(IRD)と称する。IRDは、オリジナル小切手の同じ法的保護及び資格が与えられ、従って、オリジナル小切手と同じ形態の不正行為を受けると共に、おそらく、IRD管理/発生システム自体を襲撃する新たな形式の不正行為のための媒介物になり易い。
[ワークフロー]
図18は、オリジナル小切手を処理し、像を生成し、最終的に、IRDを生成する異なる機能的ステップを示す図である。アイテムの処理中に、種々の機関の間で多数のIRDが発生され得ると共に、以前のIRDを像形成することからIRDが形成され得ることは、注目に値する。
[IRDへのデジタル透かしの適用]
デジタル透かしは、IRDへの3つの主たるカテゴリーの襲撃を阻むのに使用できる。
1.再発生
オリジナル小切手の再発生より見込みは低いが、依然可能性はあり、標準的なオフィス用印刷ハードウェアで一般的な紙にIRDが形成されれば、容易に行える。
デジタル透かしは、IRDに入れることができ、これは再発生されることがない。
2.コピー
この形式の襲撃は、IRDに対してあり得る。それをいかに形成するか考えると、偽造者は、セキュリティ特徴部(オフィス装置で一般的な紙に形成される)を再生するための特殊な努力を払うすべがない。
脆弱な透かしを使用して、IRDが複製されたかどうか決定することができる。IRDが印刷される場合には、上述したコピー検出メトリック及びそれに関連した透かし構造をこの目的で使用することができる。小切手がデジタルドメインに保持される場合には、米国特許出願公告US2003−0149879A1号に開示されたように、ほんの僅かな改変でも検出する脆弱な透かし技術を使用して、IRDの不正変更を検出して位置決めすることができる。
3.データ改変
オリジナル小切手と同様に、IRDのデータを改変することができる。このような襲撃に対して保護するために、目に見えるバーコードやデータ保有シール構造を使用する技術が現在提案されている。これらの技術は、バーコード又はシール構造に限定され、又、隠れたものではない。
透かしは、IRDに関連した全ての当該データを含むことができる。
透かしは、別の非隠れ特徴と一体に機能して、データを確認するか又は他のセキュリティ特徴それ自体を確認し、それらが不正変更されたものでないことを保証する。例えば、一方が、他方に依存するデータを保有することができ、例えば、ペイロードは、同じであるか、又は機密機能及びキープロトコル、デジタル署名、機密ハッシュ、等により数学的に関係付けられる。
透かしは、IRDに対して予想される3つの主たる形式の襲撃に対して役割を果たし得るが、システム自体においても役割を果たすことができる。小切手、オリジナルIRD又はその後のIRDが像形成されるたびに、それがある形態で像データベースに記憶される。これらデータベースは、巨大なものであり、金融トランザクションシステム(構成銀行、及びPOSで像形成する顧客も)全体にわたって分布されている。
システムのボリューム及び異種性から、メタデータを像に確実にアタッチすることは困難である。又、像及び関連メタデータの完全性を確保することも必要である。
これらの挑戦/要望は、インターネットを経て像を収集して配布する専門のストックハウスと同様である。従って、デジタル権利の管理に対するデジタル透かしの全ての適用は、IRDワークフローにも適用される。例えば、米国特許第6,122,403号は、像の所有者及び他の権利に関するメタデータに像を持続的にリンクする方法を説明している。このメタデータは、機密ハッシュ等のIRDを認証する情報、又はIRDをいかに使用し、処理し又は転送するか支配する1組のルールを含むことができる。
最終的に、以前のIRDから発生された像に基づいてその後のIRDを発生する能力は、潜在的な透かし解決策に新たな要求を課する。これは、その後のIRDの発生プロセスに関連した再現プロセスに生き残ると共に、金融機関により使用されるIRD再現プロセスと偽造者により使用されるIRD再現プロセスとの間を潜在的に区別する能力である。これらの再現プロセスを介して生き残るように設計された丈夫な透かしは、誰/何が、いつ、どこで、IRDを処理したか、及び行なわれた処理の形式、を含むIRDの処理経過を追跡するメタデータへ持続的にリンクするように使用できる。更に、上述したデジタル透かしを含むコピー検出特徴部を使用して、異なる形式の再現操作を検出することができる。
「デジタル偽造防止オンボード仲介部(DACOM)アーキテクチャー」
このセクションでは、デジタル透かしをオンボード仲介部としていかに使用して、印刷ドキュメントの認証に使用するかを説明する。この実施例では、特に、小切手のデジタル透かしのDACOM用途を示すが、これは、銀行券、証券、スタンプ、クレジット及びデビットカード、等の価値ドキュメント、及び旅行ドキュメント、運転免許証、会員カード、会社バッジ、等の識別ドキュメントを含む他の機密ドキュメントにも適用される。
幾つかの定義から説明を始める。
定義:
改変 − 初めからドキュメントに入力されるか、又は消去、化学的洗浄等によりオリジナルから変更されるかに関わらず、捏造された情報を伴う本物の株券を使用すること。
コピー − ゼログラフィック複写機、又は他の再現装置を使用してフラットベッド又はドラム型スキャナによりドキュメントを複製すること。
再発生−スクラッチから新たなドキュメントを作成すること。再発生は、オリジナルのデザインを作成し直すように試みてもよいし、又は小切手の場合には、完全に新しいデザインでもよい。例えば、捏造者は、オリジナルの会社小切手のデザインではなく、本物の小切手としてパスできる信用できるデザインである会社の支払小切手を作成することがある。
ポイント・オブ・セール(POS) − MICRリーダー、小切手スキャナ(MICR読み取り能力だけをもたない像形成装置でよい)、又は会計情報のキーコード(キーボード又はキーパッドを経て)により電子的な確認が行なわれる。
バンク・オブ・ファースト・デポジット(BFD) − BFDは、POSにおいて行なわれるのと同様のやり方で小切手を確認するか、又は中容量から大容量のスキャナ/ソーターを使用してタスクを実行することができる。
小切手決済ハウス − 大容量のスキャナ/ソーターを使用して決済ハウスにおいて小切手を確認する。
法律施行法的確認 − 特殊目的のデジタルツールを使用して、法的施行の筋書きにおいてドキュメントを検査し確認することができる。
ファースト・ティアー・セキュリティ特徴部 − ドキュメントの素人ユーザでも最低限の教育又は全く教育せずに(例えば、彫り込み印刷の触感で)セキュリティ特徴部を検査することができる。
セカンド・ティアー・セキュリティ特徴部 − 限定されたトレーニングの使用及び分析を必要とする特徴部。この分野の専門家がこの特徴部を使用することができる。この特徴部が、その存在及び状態を確かめるために装置を必要とする場合、装置は低廉で且つ使用し易く、銀行の出納係がもつようなものである。
[はじめに]
有効なセキュリティアーキテクチャーは、慣習的に、システムの各レイヤーに冗長な特徴部を使用する複数のセキュリティレベルに依存する。小切手の不正行為を阻むためのシステムは、小切手が異種ネットワークの装置及び使用筋書きを介して流れ、その全てが不正行為を排除する役割を果たすように複雑さが付加された同一ティアー型解決策を必要とする。
各々の使用筋書き及び襲撃の形式に対して、個々の確認プロセスがある。例えば、POS(POS像形成装置を使用する)において再発生の確認を実行するツールは、高速分類環境に使用されるものとは異なるが、おそらくそれに関連しており、その差は、像形成装置の利用性、解像度、カラー深さ、必要な判断時間、及び悪い判断の許容レベルに基づく。従って、独特の確認プロセスを各々有する3つの基本的な襲撃形態及び4つの基本的な使用筋書きでは、異なるセキュリティ特徴又はその変形を使用できる12個の筋書きがある。
結局、小切手確認の真に丈夫なシステムは、単一の特徴部ではなく多数の特徴部を探索できるものであり、そのうちの幾つかがデジタル透かしであってもよいし、なくてもよい。例えば、再発生に対するデジタル走査チェックは、既知の良い小切手の特性(バックグランドカラー、ロゴの配置、等)を探索し、一方、コピーに対する走査は、印刷メトリックの変化をサーチするものでよい。
[デジタル偽造防止オンボード仲介部(DACOM)]
複数のデジタル確認特徴部を伴うドキュメントが与えられると、1つの個々のドキュメントから次のドキュメントへ特徴部を追跡し且つ確認するための多数の解決策が存在する。
1.各特徴部を追加してシリアルに処理することができ、各特徴部売主は、それら自身の確認インフラストラクチャーを開発するか、又は既存の確認インフラストラクチャーに新たなプロセスとして一体化することを本質的に必要とする。これは、概念的には可能であるが、特に多数のデジタル特徴部が使用されることのある世界では、極端に効率の悪い解決策であると思われる。
2.集中型データベースを使用して、オンボード特徴を追跡すると共に、ドキュメントのアカウント番号に基づいてアクセスすることができる。換言すれば、データベースは、小切手がブルーのバックグランド、ミクロ印刷、コピー検出透かし、及びデータ確認透かしを有することを指示してもよい。小切手を処理するデジタルシステムは、特徴部を走査するか、又はPOSにおいて、特徴部が存在すべきであることを事務員に警告することができる。
3.重要なデータベース情報又はデータベースにリンクするために使用される情報を保持する2Dバーコード又は他の記号ベースの技術をドキュメントに追加することができる。この解決策は、視覚的な影響と襲撃し易さに基づき現在まで排除されている。
4.丈夫な透かしは、デジタル不正防止特徴部に関連したメタデータ、又は不正な特徴部の中央データベースにアクセスするのに使用されるリンクメッセージのいずれかを保持することができる。
このケースは、ドキュメントデザインに関する基本的な情報及び存在するデジタル偽造防止特徴部を露呈し得るある形式の仲介システムを強制すると思われる。更に、このケースは、仲介システムがリモートではなくドキュメントに存在すべきであるようにすることができる。デジタル透かしの特定の利点について述べないが、オンボード仲介部(DACOM−デジタル偽造防止オンボード仲介部)のケースは、次の通りである。
1.特徴部確認のシリアルな追加は、インフラストラクチャーにとって高価であり、特徴部の採用を遅らせる。例えば、ドキュメントに使用されるデジタル偽造防止特徴部は全部で12あるが、1つのドキュメントにおける平均数は3であると仮定する。所与の確認ポイントにおいて、確認装置は、a)どれがドキュメントにあるか知らずに、12個の特徴部の各々をサーチしなければならないか、又はb)ドキュメント上にあるかもしれない多数の特徴部を無視するかのいずれかである。
2.情報のリモートデータベース記憶は、多数の異なる当事者から到来する構造に関するアクセス及び合意でデータベースを管理することを必要とする。更に、定義により数百万の位置からアクセスできるデータベースは、データが犯罪のための財宝蒐集となるので、膨大なセキュリティリスクを表わす。最終的に、データベースは、確認のたびにリモートアクセスを強制し、多くの組織にとって不可能又は受け入れられないオーバーヘッドとなる。
3.オンボード仲介は、切断されたリモートリーダー環境で機能することができる。
4.オンボード仲介それ自体は、仲介部を伴わないドキュメントは偽とみなされるので、セキュリティレベルとして働くことができる。
[DACOMとしてのデジタル透かし]
デジタル透かしを仲介部として使用するための特定のケースは、次の通りである。
1.デジタル透かしは、冗長に埋め込まれ(例えば、小切手の全面又はドキュメント像にわたり)、バーコードやシールのような高度に分離された特徴部よりも高い生き残り性を与える。
2.MICR及びアカウント番号とは異なり、デジタル透かしを改変することが著しく困難となる。
3.デジタル透かしは、バーコードとは異なる潜在的により受け容れられる視覚的影響をドキュメントに及ぼす。
4.潜在的に除去可能又は転送可能であるが、この襲撃は、システムの知識と、典型的な小切手偽造に今日使用される以上の高い熟練度レベルの両方を必要とする。
[提案されたDACOMアーキテクチャー]
DACOMアーキテクチャーは、4つの信号レベルを含むことができる。
1.信号レベル1 − DACOM存在
2.信号レベル2 − DACOM確認
3.信号レベル3 − DACOMデータ読み取り
4.信号レベル4 − トリガーされた他の特徴部
信号レベル1は、MICR番号線又はアカウント番号ルックアップ上の位置のような外部トリガーをもつ必要がある。MICR解決策は、付加的なデータベースルックアップを必要としないので、好ましい。
信号レベル2は、デジタル透かしに対する読み取りを必要とする。首尾良い読み取りそれ自体は、再発生された小切手がDACOMをもつことはあり得ないので、第1の認証レベルとして働く。
信号レベル3は、ドキュメント上になければならない特徴部を識別するためのDACOMペイロードのデコードと、これもドキュメントに関連しているリンク情報とを付随する。
信号レベル4は、確認されているドキュメントに関連した付加的なプロセスをトリガーする。例えば、2Dバーコード(改変をチェックするための)のサーチ及びデコードは、この点においてトリガーされてもよい。これは、特徴部を他のやり方ではトリガーできないと言えないまでも、ドキュメント内の特徴部を、それが存在すると分かっているところでサーチするのがより効果的であると言える。
[DACOMプロトコル]
DACOMプロトコルは、次のフィールドの1つ以上をスタート点として含むことのできる拡張可能なプロトコルを備えているのが好ましい。
Figure 2006510329
[DACOM検出アーキテクチャー]
検出アーキテクチャーは、DACOM透かし検出器、状態マシン、及び1つ以上の検出特徴部モジュール、の3つの基本的成分で構成される。各成分は、異なる供給者からのものでよく、特定の検出環境(高速、POS、等)に対して同調することができる。図19は、ドキュメント上のデジタル透かしを認証のためのオンボード仲介部として使用するアーキテクチャーを示す図である。
[像形成ワークフローへのDACOM一体化]
図19に示すアーキテクチャーは、既存の像形成ワークフローにおいて多数の異なる場所に一体化されてもよい。小切手のためのこのようなワークフローの一実施例が図20に示されている。高レベルにおいては、小切手処理像形成システムは、次の成分(及びサブ成分)を含む。
1.像形成装置(リアルタイムで動作する)
a.像センサ(CCD、等)。
b.像形成制御ロジック。センサを制御するための低レベルロジックは、センサからのクロックデータ、自動利得制御、等の多数の機能を実行できる。
c.リアルタイム像エンハンスメント。高速像形成装置の場合に、これは、補正回転、又はある小切手特徴部をハイライト状態にするためのダイナミックコントラストアルゴリズムを含んでもよい。
2.像サーバー(像をリアルタイムで受け取ってもよく、又、オフライン処理を許す)
a.像及びそれに関連したメタデータを記憶するための像データベース。
b.データベースのオフライン分析又は質問。
3.金融トランザクションネットワーク
a.種々の構成金融機関とそれらの顧客との間でクレジット及びデビットを転送するのに使用される相互接続されたシステムのネットワーク。
DACOM検出システムは、種々の像形成ワークフロー内又はその全体にわたって広げられたモノリシック又は分散型のいずれかのシステムとして実施することができる。
更に、システムの使用は、小切手に限定されず、むしろ、ドキュメントを処理し、より詳細には、認証するのに使用される像形成システムに使用することができる。別の実施例は、デジタル透かし、バーコード、磁気ストライプ、ホログラム、スマートカード、RF ID、等のセキュリティ特徴部のレイヤーを通常有する識別文書である。DACOM透かしは、リーダーシステムが、これら全ての特徴部の認証を整合できるようにすると共に、次のバイオメトリック情報ソース、即ちドキュメントから導出されるバイオメトリック情報(例えば、カード上の顔面像、又はカード上のマシン読み取り可能なコードのバイオメトリック情報)、ドキュメントの持参人からリアルタイムで導出されるバイオメトリック情報、及びバイオメトリックデータベースから抽出されるバイオメトリック情報の中で、データベース検索や、データベース認証動作や、バイオメトリック確認のような他のアクションをトリガーできるようにする。
「MICRリーダーとの一体化」
デジタル透かしの読み取りは、既存のリーダー装置内に一体化することができる。小切手及び金融ドキュメントの場合に、1つのこのような装置は、MICR像形成装置である。別の装置は、磁気ストライプリーダーである。ポイント・オブ・セール用途では、マグテックからのMICR像形成装置のようなMICR像形成装置を像捕獲装置(例えば、CCDセンサアレイ)に一体化させ、像を捕獲して、そこからデジタル透かしを抽出することができる。このような像形成装置は、例えば、固定焦点面スキュー補正像センサである。
付加的な機能として、リーダーには、マグネプリント(Magneprint)と称されるセキュリティ特徴部を抽出するように適応される磁気ストライプリーダーを装備することもできる。このマグネプリント特徴部は、特定の磁気ストライプの独特の「指紋」である。一実施形態において、これは、磁気ストライプから抽出された指紋情報をカードに関連付けるデータベースに問合せするのに使用される情報を保有する。カードとストライプ指紋との間のこの関連性は、カード関連ドキュメントの場合には、カード発行時に登録することができる。
合成DWM、MICR及びマグネプリントリーダーは、ドキュメントのオンライン又はオフライン認証及び確認を実行する。この読み取り及び確認は、ポイント・オブ・セールターミナルで実行することができる。オフライン確認(外部データベースを参照しない確認)は、共有メッセージ情報、又は機能的に関連したメッセージ情報(例えば、一方が他方のハッシュ、一方が他方のチェック和、等)により、デジタル透かし、マグネプリント及び/又はMICRの間で情報を交差チェックすることにより実行される。透かし、MICR及び/又はマグネプリント情報間に所定の関係又は相互依存性が維持されない場合には、リーダーは、ドキュメントを無効とみなす。オンライン確認は、比較のための付加的な情報に対してデータベースエントリーをインデックするようにMICR、マグネプリント及び/又は透かしを使用して実行されてもよい。
MICR/磁気ストライプ/デジタル透かし像形成装置は、バーコードリーダー、スマートカードリーダー、レーザーリーダー(例えば、ホログラム又はKinegram(登録商標)埋め込み情報用の)のような他のリーダー装置と一体化されてもよい。像形成は、整列されて照明される直線走査要素にわたってカードを移動させるか、或いは充分な解像度の収束像形成アレイにより実行することができる。
「像形成システムの品質を管理するためのデジタル透かし」
本出願人の米国特許出願公告第US2002−0076084A1号には、デジタル透かしを使用して、デジタル透かしメトリックの使用により特定のビデオ又はドキュメントチャンネルの品質を測定することが説明されている。この特定の方法は、小切手のようなドキュメントに使用される像形成システムに関して特に適用されてもよい。小切手裁断法の出現に伴い、小切手ドキュメントの像捕獲の品質及び均一さの重要性が高まりつつある。デジタル透かしメトリック、特に、本書に説明する透かしメトリックの幾つかを使用して、像形成システムの品質を監視すると共に、所定の動作範囲内に入らないスキャナを検出して適切に校正するよう確保することができる。
従来、校正は、像形成システムにテスト像を通すことにより実行されている。しかしながら、品質メトリックに関連したデジタル透かしを使用すると、テストパターンのみに依存する必要はもはやない。小切手の場合には、品質測定に使用される標準的な埋め込みデジタル透かしを各々有する任意の小切手デザインを作成することができる。システム内では、透かし検出器が、小切手像に埋め込まれたデジタル透かしから抽出されるメトリックに基づいて小切手像の品質を測定する。
像の品質を測定するための方法は様々なものがある。1つの方法は、スキャナの変調伝達関数を測定するように同調されるよう透かし信号を設計することである。1つの特定の実施例は、透かしを使用して、スキャナの周波数応答が所定の範囲を外れたときにそれを検出できるようにすることである。特に、透かしの周波数特性、例えば、同期信号のピーク又は他の周波数ドメイン属性を測定して、ピーク先鋭さの変化、及び欠落ピーク又は欠落透かし信号エレメントを検出することである。同様に、透かしメッセージペイロードを異なる周波数に冗長に埋め込むことができると共に、各周波数におけるペイロード回復の量をメトリックとして使用して、スキャナの周波数応答を測定すると共に、それが範囲から外れたかときに検出することができる。
別の解決策は、デジタル透かしを使用してトーン応答を測定することである。スキャナは、ガンマ補正等のために非直線的トーン応答を有する傾向がある。トーンレベルは、ある所定の範囲、例えば、0−127及び128−255のレベルへと量子化することができる。従って、デジタル透かし信号は、これら範囲に対して異なるトーンレベルに、例えば、第1範囲に対してレベル64に及び第2範囲に対して192に集中するように量子化されるか、又はひいては、ドキュメントのホスト像の特徴部を量子化することができる。これらトーンレベルにおける透かしの歪は、スキャナが特定のトーン領域のダイナミックレンジをいかに歪ませるか指示する。1つの特定の実施形態では、デジタル透かし又は透かし入り像は、種々のトーン範囲に個別のヒストグラムピークを有するように生成される。あるスレッシュホールドを越えるこれらピークの歪は、スキャナが範囲から外れていて再校正の必要があるという指示である。
デジタル透かしは、この形態のスキャナ品質メトリックを保有して測定することができると共に、スキャナを更新する必要があるときにそれを指示できるという効果を与える。
「より多くの発生期及び脆弱な透かし」
改良された透かし技術を提供するようにカラーコントラスト特性を向上させ又は強調解除することができる。一実施形態では、強調器(例えば、光学フィルタ、光源、等)を使用して、所定のカラーチャンネルを強調する。所定のカラーチャンネルに隠れた透かしは、強調により見分け易くなる。別の実施形態では、強調器を使用して、オリジナルにおける所定のカラーチャンネルを強調解除する(又はそのコントラストを洗い落とし即ち下げる)が、複写機又はプリンタの特性のために、強調器で見たときにカラーコントラストはコピーにおいては顕著である。
1つの発明である発生期透かしは、上述したカラー技術の上に構築される(前記で、コピー操作の後により検出し易くなるデジタル透かしを含ませるとして「発生期」透かしを説明したことを想起されたい)。
「典型的」な偽造筋書きの簡単な説明から始める。偽造者は、典型的に、オリジナルカラードキュメントをRGBスキャナで走査し、オリジナルカラードキュメントの捕獲像を形成する。次いで、偽造者は、おそらく、捕獲されたカラードキュメントをデジタルでマッサージした後に、その捕獲されたカラードキュメントを、カラープリンター、例えば、プロセスカラー(例えば、CMY又はCMYK)プリンタを使用して印刷する。
本発明は、例えば、前記典型的な偽造筋書きに基づいて作られたコピーにおいてより検出し易くなるデジタル透かしを提供する。
本発明で選択されるいわゆる「スポットカラー」は、そのプロセスカラー(例えば、CMYK又はCMY)等価値がスポットカラーに対してガマットから外れている。換言すれば、スポットカラーは、プロセスカラーガマットの外側にある。従って、そのスポットカラーに最も近いプロセスカラー等価値(例えば、CMYK等価値)が、スポットカラーに対する見分けられるカラーシフトを明示する。
1つのここに示すスポットカラーは、図21に近似されたスペクトル特性を含むインクで実現される。(もちろん、それと適宜交換できる異なる特性をもつ多数のインクが存在する。従って、図21は、説明上示されたものに過ぎない。)
本発明では、スポットカラーのスペクトル特性(図21)にほぼ一致する(例えば、それと同様の形状を有する)伝達特性(図22)を含むフィルタ(例えば、光学フィルタ)が提供される。個々には、特定のスポットカラーインク及びフィルタの特性(又は伝達形状)は、著しく顕著ではない。しかしながら、重要なことは、フィルタがインクのスペクトル特性に一致する(又はそれを近似する)ことである。
フィルタを通してスポットカラーインクを見るときには、スポットカラーインクは、例えば、白のバックグランドに対して見分けられない。本質的に、干渉フィルタがスポットカラーインクの伝達と干渉する(例えば、そのコントラストを洗い落とし即ち下げる)。従って、白いバックグランドに対してフィルタで見たときに、スポットカラーは実質上視覚的に認知できない。
本発明においてスポットカラーインクを使用してデジタル透かしを埋め込む場合には、オリジナル印刷ドキュメントでは、フィルタを通して見たときに、スポットカラーを一般に検出できない。
しかしながら、図22の同じフィルタでコピー又は偽造を見たときには、透かしを検出することができる。コピーは、典型的に、プロセスカラー(例えば、CMY又はCMYK)を使用して発生されることを想起されたい。又、オリジナルスポットカラーが、プロセスカラーガマットの外側であるように選択された場合には、スポットカラーに最も近いプロセスカラー等価値がスポットカラーに対するカラーシフトを明示する。このプロセスカラーは、図23に示すようなスペクトル応答を含む。フィルタのスペクトル応答(図22)が、プロセスカラー近似(図23)にもはや一致せず、例えば、フィルタが近似のコントラストを「洗い落とし」即ち下げることがなく、むしろ、近似が、例えば、白いバックグランドに対して顕著なコントラストを含むので、コピーにおけるCMYK近似は、フィルタで見たときに目に見えるようになる。従って、プロセスカラー近似を経てコピーに透かしが表示された場合には、フィルタを通して見たときに(例えば、モノクロセンサで)、透かしを見ることができる。従って、本発明により発生期透かしが提供される。(本発明では、図23のプロセスカラー等価値は、選択されたスポットカラーに対してプロセスカラーインクで可能となる最良のスペクトル一致の1つを表わすことに注意されたい。)
図24を参照すれば、本発明により、光学アッセンブリ90(例えば、レンズ及び像形成センサを含む)に、光学フィルタ92が設けられる。例えば、光学フィルタは、図22に近似された伝達特性をもつ干渉フィルタ又はノッチフィルタを含んでもよい。これらフィルタは、多数の他の売主の中でも、例えば、米国マサチューセッツ州ウェストフォードに本部を置くバー・アソシエイツを含む種々の売主から入手できる。光学アッセンブリは、モノクロセンサ又はCCDカメラを含んでもよい。オリジナル、又はオリジナルのコピーは、光学フィルタ92が取り付けられた光学アッセンブリ90を経て像形成される。この像は、例えば、デジタル透かし検出ソフトウェアにより分析される。このソフトウェアは、電子処理回路で実行するためにメモリに記憶することができる。透かしのコントラストは、コピーでは検出されるが、透かしは、オリジナルでは、実質上未検出となる。
「例えば、線連続性変調(LCM)に適用される発生期透かし」
LCM透かしについては、図3及び4を参照して説明した。本発明のスポットカラー/フィルタ発生期透かしは、LCMベースの透かしにも適用できる。図25を参照し、本発明により、LCM透かしを、選択されたスポットカラーインクで形成する。(スポットカラーの持ち上がった部分は、第1の信号状態(例えば、2進1)を表わし、且つフラットな信号エリアは、第2の信号状態(例えば、2進0)を表わす。カラーを適用することで、第1状態が搬送され、一方、第2の信号状態は、カラーの不存在で搬送される。スポットカラーは、その最も近いプロセスカラー近似に対してガマットから外れるのが好ましい。LCM発生期透かしは、整合した干渉フィルタ(例えば、光学フィルタ)を通して見たときには、認知できない(又はおそらく、かすかに認知できるだけである)。しかしながら、これとは対照的に、LCM発生期透かしは、プロセスカラーコピーでは、認知でき且つマシン読み取り可能である。
実施例 − Pantone(登録商標)246
別の実施例を、図26−28を参照して説明する。所定のスポットカラーインクを使用してLCMデジタル透かし信号がオリジナルドキュメントに埋め込まれる。この実施例では、スポットカラーインクは、Pantone(登録商標)246スポットカラーである。(もちろん、本発明のこの態様と適当に交換できる他のスポットカラーは多数存在する。従って、この実施例及び他の特定の実施例は、本発明をこれに限定するものではない。)Pantone(登録商標)246スポットカラーは、図27aに近似されたスペクトル応答を含む。この実施例における本発明の強調器は、ノッチフィルタ(図26a)を備えている。より詳細には、ノッチフィルタは、約48nmのノッチを含む。図26aのノッチフィルタと共に広帯域光源を使用するのが好ましく、その結果、図26bに示す特性が得られる。この広帯域照明では、Pantone(登録商標)246の染料は、図26bのノッチフィルタが染料の伝達性に一致するので、低い吸収性を含む。Pantone246に最も近いプロセスカラー(PC)等価値(PC246スペクトル応答については図27aを参照)は、PC246がブルー及びレッドについて高い吸収性を有し且つ照明がプロセスカラーの伝達性に一致しないので、比較的高い吸収性をもつことになる。
Pantone246で印刷され、広帯域光源で照明され且つ図26bに示すようなノッチフィルタで見られる透かしは、比較的低コントラストの像を生じ、例えば、透かし信号は、白いバックグランドに比して比較的低いコントラストを含む(図28aを参照)。しかしながら、透かしを含むオリジナルの印刷ドキュメントがプロセスカラーで偽造され、その偽造が広帯域光源で照明されてノッチフィルタ(図26b)で見られたときには、比較的高コントラストの像が生じる(図28b)。従って、オリジナルと偽造との間に良好なコントラスト分離を得ることができる。(オリジナルにおいて透かしを若干検出できるケースを図28に意図的に示す。図26aのマシン読み取りは、透かしを検出できるが、おそらく、所定のコントラスト又はメトリックレベル以下である。ある実施形態では、透かしを検出できないか、又はかすかに検出できるだけで、信頼性のあるマシン読み取りを生じない。)
偽造者がスポットカラーインクの濃度を下げて透かしの読み取りを回避させる(ひいては、おそらく偽造が実際にはオリジナルであると透かし検出器を騙す)のを阻止するために、テキスト、記号又はマシン読み取り可能なコードをオリジナルに追加して、オリジナルドキュメント内の所定のエリア内で人間の観察者にテクスチャ(例えば、透かしの色合い)、テキスト又は記号が見えるようにすることができる。
LCMベースの透かし入れ技術を使用するものとして本発明の幾つかの技術を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。実際に、本発明のカラーコントラスト技術は、他の多数の形式のデジタル透かし及びステガノグラフィック信号隠しにも適用できる。
「2つのスポットカラーインクを使用する脆弱な透かし」
単一チャンネル透かし
図29を参照すれば、本発明により、2つ以上のスポットカラーインクを使用していわゆる脆弱な透かしが提供される。上述したように、ここでは、コピー操作の後に検出性が悪くなる透かしを「脆弱な透かし」と称する。
スポットカラー1及びスポットカラー2を選択するときには、ある程度の慎重さが必要である。その基準は、カラー1及びカラー2のプロセスカラー(PC)等価値がほぼ視覚的に等しいか又は少なくとも非常に近いというものでなければならない。実際には、スポットカラー1及びスポットカラー2が視覚的に等しいこと以上に、プロセスカラー等価値がほぼ等しいことの方が重要である。
本発明では、カラー1及びカラー2をオリジナルドキュメントにおいて合成する。1つのスポットカラー(例えば、カラー1)のスペクトル応答に整合されたフィルタが設けられる。整合された干渉フィルタを通してオリジナルドキュメントを見たときには、干渉フィルタがカラー1のコントラストを洗い落とし即ち下げるので、視覚的に認知し得るのはカラー2だけである。従って、カラー2のチャンネルを通して透かし信号(例えば、LCM信号)を搬送することができ、これは、オリジナルドキュメントにおいて検出可能である。
透かしは、コピーにおいては検出性が悪くなる。2つのスポットカラーを選択した理由は、それらのプロセスカラー等価値が接近しているためであることを想起されたい。フィルタは、カラー1チャンネルのプロセスから近似に整合されない。2つのプロセスカラーは、視覚的に同様であるから、カラー1のプロセスカラー近似と、カラー2のプロセスカラー近似は、フィルタを通して見たときにほぼ同じコントラスト特性を有する。カラー1チャンネル及びカラー2チャンネル両方からの反射光は、白のバックグランドに対してほぼ同じコントラストを有する。従って、透かしは、全く不可能でないまでも、検出が困難である。
異なるカラーチャンネルにおける複数の透かし
ある実施形態では、カラー1チャンネル及びカラー2チャンネルの各々に1つづつ、2つの透かしを搬送する(例えば、1つは脆弱で、1つは発生期)。このケースでは、好ましくは、カラー1が、例えば、干渉フィルタ又は照明を伴う図26bのノットフィルタに整合され、透かしがオリジナルでは検出性が悪いが偽造ではより顕著に現れる(例えば、発生期透かし)ようにする。カラー2は、そのスペクトル応答が、選択されたフィルタの伝達特性に逆に関係するように選択される。従って、カラー2の透かしは、オリジナルでは高いコントラストを与える(例えば、フィルタを通して見たときに透かしを検出できる)が、偽造では実質的に消失する(コントラストがほとんどないように見える)。透かしは、それらを互いに区別する助けとして、異なるメッセージ及び/又はオリエンテーション成分を含むことができる。透かしは、オリジナルドキュメント上の同じ空間エリアにおいてインターリーブ又は配置することができる。同じ空間領域に出現する透かしと消失する透かしを組み合せると、偽造者が走査像のカラーコントラストを変更して透かしを出現又は消失させるよう試みる襲撃と戦うことになる。偽造においてコントラストを上げることは、両カラーにおいて透かしを出現させる傾向となり、従って、少なくともカラー1における透かしの存在が偽造を知らせる。同様に、偽造においてコントラストを下げることは、両カラーにおいて透かしを消失させる傾向となり、従って、少なくともカラー1における透かしの不存在が偽造を知らせる。
実施例 − Panton7488
図30及び31を参照して、更に別の実施例を説明する。ここでは、ノッチフィルタ(例えば、図26bを参照)とほぼ逆の関係をもつスペクトル応答(図30a)を伴うスポットカラーが選択される。(この選択されたスポットカラーは、上述した逆のカラー2に対応する。)例えば、Pantone7488が選択される。このノッチフィルタ/照明では、Pantone7488インクは、照明が染料の伝達性の逆であるから、高い吸収性を有する。これに対して、Pantone7488に最も近いプロセスカラー(PC)等価値は、PC7488がブルー及びレッドにおいて高い伝達性を有するので(図30bを参照)、比較的低い吸収性を含む。Pantone7488で印刷されて、図26bのノッチフィルタで見られる透かしは、比較的コントラストの高い像を生じさせ(図31aを参照)、例えば、オリジナルにおいて透かしを検出できる。しかしながら、オリジナルがプロセスカラーインクで偽造され、プロセスカラーインクが照明されて図26bのノッチフィルタで見られるときには、比較的コントラストの低い像が生じる(図31bを参照)。従って、Pantone7488を使用して、偽造において検出性の低い脆弱な透かしを生成するときには、オリジナルと偽造との間に良好な分離を得ることができる。(コピーにおいて透かしを若干検出できるケースを図31bに意図的に示している。図31bのコピーのマシン読み取りは、透かしを検出できるが、おそらく、所定コントラスト又はメトリックレベルより低いものである。ある実施形態では、透かしを検出できないか、又はかすかに検出できるだけで、信頼性のあるマシン読み取りを生じない。)
目に見えるマーク
或いは又、カラー1チャンネル及びカラー2チャンネルに2つのノイズパターンを使用して、人間が読めるマークを印刷することができる。2つのノイズパターンは、例えば、カラー1で「コピー」及びカラー2で「オリジナル」というテキストを表示するように設計されるのが好ましい。マークは、通常に見る条件のもとでは認知できないのが好ましい。適当な強調器(例えば、干渉フィルタ、ノッチフィルタ又はLED照明)を通してオリジナルドキュメントを見ると、カラー2は高いコントラストを示し、カラー1は低いコントラストを示す。従って、「オリジナル」というパターンが見える。強調器を通してドキュメントのプロセスカラー偽造を見ると、カラー2が低いコントラストを示し、カラー1が高いコントラストを示す。従って、「コピー」というパターンが見える。別の実施形態では、テキストに代わって、例えば、バーコード(一次元又は二次元バーコードのような)、マーク(カラー偽造チャンネルを経て「X」、及びカラーオリジナルチャンネルを経て「√」のような)、又はオリエンテーション起点、といった記号が与えられる。
「照明でコントラストを与える」
前記技術の幾つかは、カラーコントラストを強調するためのフィルタを使用する。これらのフィルタは、透かし信号の検出を助けるためにカラーコントラストをしばしば強調又は強調解除する。フィルタに代わって、選択的な照明を介してカラーコントラストを強調することができる。
和が希望のスペクトル応答を近似するように所定の相対的強度をもつ発光ダイオード(LED)のセットを使用して干渉(又はコントラスト向上)スペクトル応答を達成するための選択的照明が本発明により与えられる。カラーLEDのセットを使用して任意のスペクトル分布を近似することができる。3つのLED(レッド、グリーン及びブルー)を、カラーテレビジョンディスプレイの燐光体と同様に使用して、希望のスペクトル分布(又はカラー)を近似することができる。スペクトル分布、特に、カラーをCMYKガマットの外側に正確にもっていくために、非常に多数のLEDを使用することができる。実際に任意の染料に対するスペクトル分布を正確に再生成するには、帯域巾〜50nmで400から700nmの可視範囲をカバーする6個のLEDで充分である(図32を参照)。6個のLED原色の重み付けされた和を使用して、整合されている染料のスペクトル分布を正確に再生成する。特定の染料を正確に整合するのに必要な重み付けは、例えば、重みを変えると共に、測定された染料スペクトルに対して最小2乗適合を使用することにより、予め計算される。より広いカラーガマットに及ぶと共に、CMYKガマットの外側のカラーをより正確に整合し得る6個のLED(レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、シアン及びブルー)で良好な近似が得られる。同じリーダーを使用していかなるカラーの偽造も検出できるように、LEDのセットは、必要なスペクトル分布に整合するように電子的に制御することができる。
ある実施形態では、透かしは、所定の照明に関する情報を含む。透かしリーダーは、最初に透かしを検出するためにドキュメントを白色光で照明する。回復された透かし(例えば、透かしペイロード)を使用して、最適なLED照明に対する相対的な重み付けを探索し、検出されつつあるカラーに整合するようにLED照明が変更される。次いで、前記と同様の仕方で偽造を検出することができる。
「OVI及び蛍光インクと共に搬送される透かし」
本発明では、デジタル透かしと、いわゆる光学的可変インク(即ちOVI)及び蛍光インクとを好都合に結合することができる。OVIは、観察角度又は照明角度を変えたときに異なる仕方で色を変えるか又は光を反射する小薄片、金属小板又は他の材料を含む。OVI印刷は、視野角と共に現われたり消えたりし、又、薄片又は小板のために色又は光が変化するので、写真複写することができない。OVI特徴部(例えば、シルクスクリーンプロセスを経て印刷された)を含む小切手、識別ドキュメント又は銀行券は、OVI特徴部を認知するためにはOVI材料に対応する角度で見なければならない。
独特の蛍光(又は放出)特性をもつ蛍光インク及び染料が最近出現した。これら特性のあるものは、可変蛍光又は放出減衰時間を含む。例えば、第1インクは、比較的短い減衰時間を含み(図35a)、これに対して、第2インクは、比較的長い減衰時間を有する(図35b)。典型的な減衰時間は、1マイクロ秒未満から、数秒以上まで変化し得る。光学的センサ(例えば、CCDスキャナ)及びマイクロプロセッサを使用して、このようなインク及び染料からの減衰放出を測定する。他の光学的捕獲装置(カメラ、デジタルカメラ、光学フィルタ式レセプター(例えば、IR又はUVをピックアップするための)、ウェブカメラ、等)を、CCDスキャナと適当に交換することができる。測定された減衰放出を、予想される放出減衰時間と比較して真偽を決定するか、或いは予想される減衰時間を使用して、インクの減衰率に対応する検出ウインドウを確立する。これらインク及び蛍光材料は、例えば、米国マサチューセッツ州ボストンのホトセキュアから入手できるもので、SmartDYE(登録商標)という商品名で販売されている。他の特徴部は、あるスペクトルで活性化されたときに別のスペクトルで活性化、伝達又は放出するインク(例えば、「交差スペクトルインク」)を含んでもよい。例えば、交差スペクトルインクは、IR又はUVスペクトルで照明されたときに可視スペクトルの蛍光を発生し得る。或いは、別の蛍光インクは、UVスペクトルで照明されたときにIRスペクトルで放出してもよい。このようなインクは、例えば、ホトセキュアや、米国カリフォルニア州ロスアンジェルスのガンズインクアンドサプライカンパニーから入手できる。もちろん、前記又は同様の放出特性を示す他のインク又は材料を適当に交換することができる。
ここに示す第1の実施形態では、OVIを使用して、LCM透かしを好都合に向上させる。補助的信号の2進表示が、例えば、図33aに示すように与えられる。2つのインクは、図33aの信号をLCM形態で搬送するが、標準(例えば、従来の)インクは、2進1を表わし(図33bに実線で示す)、又、光学的可変インク(OVI)のインクは、2進0を表わす(図33bに点線で示す)。OVIインクは、標準インクのカラー又はコントラストに一致又はそれを近似するように選択される。従って、第1の角度で見たときには、LCM構造は、実線として見え(図33c)、補助的信号を隠す。しかしながら、第2の(異なる)角度で見たときには、LCM構造は、切断部(図33d)即ち異なるカラーを含むように見え、補助的信号をマシン検出のために露呈させる。OVIは、第2の視野角においてカラーを変化させる(即ち消えるか又は認知し難くする)ので、セグメント化が生じる。OVIインクが第2の視野角でカラーを変化させる場合には、例えば、上述したようにフィルタ又は選択された照明でカラーコントラストを強調させることができる。もちろん、LCM透かしを伴うOVIの効果を説明したが、本発明の技術は、他の形式の透かしにも適用できることが明らかであろう。例えば、別の実施形態では、補助的成分を表わすために、線に代わって、他の構造(例えば、カラー、スクリーン、形状、等)も提供される。又、他の実施形態では、OVIインクを印刷して2進1を搬送する一方、従来のインクを使用して2進0を表わす。
ここに示す第2の実施形態では、線セグメントの少なくとも幾つか(2進1を表わす)が、蛍光インクで搬送される(以下、「蛍光1」と称される)。残りの線セグメントは、従来のインク(例えば、周囲光又は通常の照明条件のもとで見える)で搬送される。蛍光1の幾つかを表わす線セグメントは、適当なUV又はIR照明で検出可能となるが、この適当なUV又はIR照明がないと、それに気付かないままである。「検出可能」という語は、可視スペクトル検出(例えば、可視光線走査による)と、非可視スペクトル検出(例えば、赤外線又は紫外線走査)との両方を含む。図34aは、点線が蛍光1を表わすLCM透かしを示す。点線は、適当な周波数帯域において検出できない不存在励起である(例えば、点線は、UV又はIR光線に露出されたときしか蛍光を発しない)。適当なUV又はIR照明がないと、LCM透かしが第1の補助的信号を搬送する(例えば、図34bでは、休眠点線をもたない第1信号を搬送する)が、蛍光1がUV又はIR光線で活性化されたときにはLCM透かしが第2の補助的信号(例えば、図34c)を与えるようなケースを考える。第2の補助的信号は、従来のインク及び蛍光インクの両方からの成分を含む。(従来のインク及び蛍光インクは、2進0を同様に表わすことができる。)
第1の信号は、「パブリック」信号として使用することができ、一方、第2信号は、「プライベート」信号である。パブリック信号は、一般的に公衆にアクセスでき(例えば、可視光線走査及び公然と利用できる検出ソフトウェアを介して)、一方、プライベート信号は、適切なUV走査及び/又は検出でしか利用できない。パブリック信号は、プライベート信号の予想される存在を通知することもできる。(この通知は、例えば、パブリック信号がプライベート暗号キーに基づいて処理された後にのみ機密となり得る。)もちろん、本発明では、図34に示す線セグメントに代わって他の構造(例えば、カラー、異なる形状、等)を使用することもできる。あるケースでは、蛍光1は、予想できる蛍光減衰率を含む。インク減衰率は、更に別のセキュリティの手掛りとして任意に測定されるか、或いは減衰率に対応する検出ウインドウ内でストローブされ測定される。従って、第2信号の検出は、インクの蛍光の減衰率に限定することができる。
「発明の結合」
前記説明及び特許請求の範囲に詳述された発明の結合及び態様に加えて、前記開示の考えられる幾つかの発明の結合は、次のものを含む。
A1.印刷オブジェクトの像を分析して、印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法において、
像に埋め込まれたマシン読み取り可能な補助的信号を分析するステップであって、この補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、マシン読み取り可能な信号が更に検出可能となるように特性の収斂を生じさせるステップと、
前記マシン読み取り可能な補助信号の評価に基づいて、印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
A2.前記印刷構造は第1スポットカラーを含む、A1の結合。
A3.前記スポットカラーは、プロセスカラーインクを使用してコピー操作により近似される、A2の結合。
A4.前記スポットカラーは、プロセスカラーインクに対してガマットから外れたスポットカラーインクに対応する、A3の結合。
A5.前記プロセスカラーインクは、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを含む、A4の結合。
A6.前記プロセスカラーインクはブラックインクを更に含む、A5の結合。
A7.前記特性は相対的コントラストを含む、A3の結合。
A8.前記プロセスカラーインクはスポットカラーより相対的に高いコントラストを与える、A7の結合。
A9.前記プロセスインクは、強調されたときにスポットカラーにより与えられる第2コントラストに対して、同様に強調されたときに第1コントラストを与える、A7の結合。
A10.前記像は強調器により捕獲される、A7の結合。
A11.前記強調器は干渉フィルタを含む、A10の結合。
A12.前記強調器は選択的照明を含む、A10の結合。
A13.前記強調器はコントラスト向上器を含む、A10の結合。
A14.前記結合A1−A13に記載された方法のいずれか1つを実行するための命令を含むコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
B1.印刷オブジェクトを分析して、その印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法において、
伝達特性を含む強調器で印刷オブジェクトを像形成するステップであって、印刷オブジェクトは、強調器の伝達特性と逆の関係にされたスペクトル応答を含む第1カラーでそこに埋め込まれた第1のマシン読み取り可能な補助的信号を含み、印刷オブジェクトは、更に、そこに埋め込まれた第2のマシン読み取り可能な補助的信号を含み、この第2の補助的信号は、強調器の伝達特性に対応するスペクトル応答を含む第2カラーで埋め込まれるようなステップと、
前記第1のマシン読み取り可能な補助的信号及び前記第2のマシン読み取り可能な補助的信号の少なくとも一方の検出に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
B2.前記印刷オブジェクトは、前記第1のマシン読み取り可能な補助的信号が所定のレベルで検出可能であるときにオリジナルであると決定される、B1の結合。
B3.前記印刷オブジェクトは、前記第2のマシン読み取り可能な補助的信号が所定レベルで検出可能であるときにコピーであると決定される、B1の結合。
B4.前記印刷オブジェクトは、前記第1のマシン読み取り可能な補助的信号が所定のレベルで検出可能であり、且つ前記第2のマシン読み取り可能な補助的信号が所定のスレッシュホールド未満で検出不能及び検出可能の少なくとも一方であるときに、オリジナルであると決定される、B1の結合。
B5.前記第1カラーは第1スポットカラーを含み、更に、前記第2カラーは第2の異なるスポットカラーを含む、B1の結合。
B6.前記第1スポットカラー及び第2スポットカラーの各々をプロセスカラーインクで近似する操作によりコピーが形成される、B5の結合。
B7.強調器は干渉フィルタを含む、B6の結合。
B8.強調器は選択的照明を含む、B6の結合。
B9.強調器はカラーコントラスト向上器を含む、B6の結合。
B10.前記結合B1−B9に記載された方法のいずれか1つを実行するための命令を含むコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体。
C1.印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法であって、印刷オブジェクトは、第1カラーでそこに埋め込まれた第1のマシン読み取り可能な補助的信号を備え、第1カラーは第1のスペクトル応答を含み、印刷オブジェクトは、更に、第2カラーでそこに埋め込まれた第2のマシン読み取り可能な補助的信号を備え、第2カラーは、第2の異なるスペクトル応答を含むような方法において、
印刷オブジェクトの捕獲された像における白のバックグランドに対して前記第1カラー及び第2カラーのコントラストを強調するステップと、
前記第1のマシン読み取り可能な補助的信号及び第2のマシン読み取り可能な補助的信号の少なくとも一方の検出読み取りに基づいて、前記像がオリジナル印刷オブジェクトの像に対応するかオリジナル印刷オブジェクトのコピーに対応するか決定するステップと、
を備える方法。
C2.前記第1カラーは第1スポットカラーを含み、前記第2カラーは第2スポットカラーを含む、C1の結合。
C3.前記第1スポットカラー及び第2スポットカラーのプロセスカラー近似によりコピーが作られ、前記第1スポットカラー及び第2スポットカラーの少なくとも一方は、プロセスカラーインクに対してガマットから外れたものである、C2の結合。
C4.前記第1スポットカラーはガマットから外れたものであり、更に、前記第1スポットカラーのコントラストを強調し、コピーにおける第1補助的信号のプロセスカラーインク近似に比して、オリジナルにおける第1のマシン読み取り可能な補助的信号の検出性を低くする、C3の結合。
C5.前記第2スポットカラーもガマットから外れたものであり、更に、前記第2スポットカラーのコントラストを強調し、コピーにおける第2補助的信号の同様に強調されたプロセスカラーインク近似に比して、オリジナルにおける第2のマシン読み取り可能な補助的信号の検出性を良くする、C4の結合。
D1.印刷オブジェクトを分析して、その印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法において、
伝達特性を含む強調器で印刷オブジェクトを像形成するステップであって、印刷オブジェクトは、強調器の伝達特性と逆の関係にされたスペクトル応答を含む第1カラーでそこに埋め込まれた第1の像を含み、印刷オブジェクトは、更に、そこに埋め込まれた第2の像を含み、この像は、強調器の伝達特性に対応するスペクトル応答を含む第2カラーで埋め込まれるようなステップと、
前記第1像及び第2像の少なくとも一方の視覚的検出に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
D2.前記第1像及び第2像は、強調器の作用がないと視覚的に認知できない、D1の結合。
E1.印刷オブジェクトの像を分析して、その印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法において、
第1のマシン読み取り可能な補助的信号及び第2のマシン読み取り可能な補助的信号の少なくとも一方が像に埋め込まれるかどうか決定するステップであって、第1の補助的な信号は第1の印刷構造を使用して埋め込まれ、且つ第2の補助的な信号は第2の印刷構造を使用して埋め込まれ、第1及び第2の印刷構造は、コピー操作に応答して変化し、この変化は、印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにするステップと、
マシン読み取り可能な補助信号の評価に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
E2.前記第1印刷構造は第1スポットカラーを含み、前記第2印刷構造は第2スポットカラーを含む、E1の結合。
E3.コピー操作は、プロセスカラーインクでの第1スポットカラーの第1近似と、プロセスカラーインクでの第2スポットカラーの第2近似とを含む、E2の結合。
E4.前記特性は相対的コントラストを含む、E3の結合。
E5.前記第1近似は、前記第1スポットカラーのスペクトル応答に整合されたフィルタで像形成したときに前記第1スポットカラーに比してコントラスト収斂の向上を与える、E4の結合。
E6.前記第1近似は、前記第1スポットカラーのスペクトル応答に整合された照明で像形成したときに前記第1スポットカラーに比してコントラスト収斂の向上を与える、E4の結合。
E7.前記第2近似は、前記第2スポットカラーのスペクトル応答に逆に整合されたフィルタで像形成したときに前記第2スポットカラーに比してコントラスト発散を与える、E5の結合。
E8.前記第2近似は、前記第2スポットカラーのスペクトル応答に逆に整合された照明で像形成したときに前記第2スポットカラーに比してコントラスト発散を与える、E5の結合。
F1.マシン読み取り可能な補助的信号で印刷ドキュメントをマークするための方法において、
第1インクで第1の構造セットを印刷するステップであって、第1の構造セット内の各構造は第1の補助的信号レベルを搬送し、更に、第1インクは第1カラーを含むようなステップと、
第2の異なるインクで第2の構造セットを印刷するステップであって、第2の構造セット内の各構造は第2の補助的信号レベルを搬送し、更に、第2インクは第2カラーを含み、第1カラー及び第2カラーは互いに検出可能なコントラストを含むものであるステップと、
を備え、前記第1構造及び第2構造が協働して、第2の構造セットに対する第1の構造セットの選択的配置によりマシン読み取り可能な補助的信号を与えるようにする方法。
F2.前記第1の構造セットは線構造を含む、F1の結合。
F3.前記第2の構造セットは線構造を含み、前記第2の構造セットに対する第1の構造セットの選択的配置においてコントラストを検出できる、F1の結合。
G1.マシン読み取り可能な信号を含む印刷ドキュメントにおいて、
第1インクで搬送される第1セットの印刷構造と、
光学的可変インクで搬送される第2セットの印刷構造と、
を備え、第2セットの印刷構造は、第1セットの印刷構造と協働するように設けられていて、第1の観察角度では第1セットの印刷構造及び第2セットの印刷構造が第1の視覚的に認知可能な特徴部を与えるように見え、更に、
第2の観察角度では第2セットの印刷構造が観察し難く見え、第1セットの印刷構造及び第2セットの印刷構造が第2の視覚的に認知可能な特徴部を与えるように協働し、この第2の視覚的に認知可能な特徴部はマシン読み取り可能な信号を含むような印刷ドキュメント。
G2.前記第1の視覚的に認知可能な特徴部は複数の線構造を含む、G1の印刷ドキュメント。
G3.前記第2の視覚的に認知可能な特徴部は、線構造に複数の切断部を含む複数の線構造を備える、G2の印刷ドキュメント。
G4.前記切断部は、第2の観察角度で光学的可変インクが見えることによる、G3の印刷ドキュメント。
G5.複数の切断部を線に含む複数の線構造が複数ビットの補助的信号を搬送する、G3又はG4の印刷ドキュメント。
G6.前記第1の視覚的に認知可能な特徴部はカラーで構成される、G1の印刷ドキュメント。
G7.前記第2の視覚的に認知可能な特徴部は、変化するカラー又はカラーコントラストの選択的エリアを含むカラーで構成される、G6の印刷ドキュメント。
G8.前記変化するカラー又はカラーコントラストは、第2の観察角度で光学的可変インクが見えることによる、G7の印刷ドキュメント。
G9.変化するカラーコントラストの選択的エリアを含むカラーは複数ビットの補助的信号を搬送する、G7又はG8の印刷ドキュメント。
G10.前記第1の視覚的に認知可能な特徴部は複数ビットの補助的信号を搬送しない、G5又はG9の印刷ドキュメント。
G11.前記印刷ドキュメントは、識別ドキュメント、小切手、銀行券、製品パッケージ、ラベル及び法律ドキュメントの少なくとも1つを含む、G1−G10のいずれか1つの印刷ドキュメント。
H1.第1のマシン読み取り可能な信号及び第2のマシン読み取り可能な信号を含む印刷ドキュメントにおいて、
第1インクで搬送される第1セットの印刷構造であって、第1インクが周囲光線で視覚的に認知できるような第1セットの印刷構造と、
蛍光インクで搬送される第2セットの印刷構造であって、蛍光インクが、所定の非可視光線に露出されるのに応答して検出可能となるような第2セットの印刷構造と、
を備え、第1セットの印刷構造は、第1のマシン読み取り可能な信号を搬送し、更に、第1セットの印刷構造及び第2セットの印刷構造は、少なくとも所定の非可視光線への露出で第2のマシン読み取り可能な信号を集合的に搬送するようにされた印刷ドキュメント。
H2.前記所定の光線は紫外線及び赤外線の少なくとも1つを含む、H1の印刷ドキュメント。
H3.前記第2のマシン読み取り可能な信号は、可視光線走査データから検出可能である、H1及びH2のいずれか1つの印刷ドキュメント。
H4.前記第2のマシン読み取り可能な信号は、蛍光インクの傾向減衰により限定された検出ウインドウを含む、H1−H3のいずれか1つの印刷ドキュメント。
H5.前記第1セットの印刷構造及び前記第2セットの印刷構造は、少なくとも所定の非可視光線及び周囲光線への露出で第2のマシン読み取り可能な信号を集合的に搬送するH1−H4のいずれか1つの印刷ドキュメント。
I1.マシン読み取り可能な補助的データを印刷オブジェクトに埋め込むための方法において、
線構造より成る像を形成するステップと、
像における線構造の連続性を変化させることにより補助的なマシン読み取り可能なメッセージを像に埋め込むステップと、
を備えた方法。
I2.前記I1の方法により生成される像を有形のオブジェクトに印刷することにより形成される印刷オブジェクト。
I3.前記像は固定であり、更に、前記補助的なメッセージを像に埋め込むために前記固定像において線構造の連続性を変化させることにより前記像が変更される、I1の結合。
I4.前記像は、前記線構造が前記補助的メッセージを保有するように、変化する連続性をもつ線構造を選択することにより形成される、I1の結合。
I5.前記線構造の連続性は、前記線構造において異なる印刷構造を選択することにより変更される、I1の結合。
I6.前記異なる印刷構造は異なるカラーを含む、I5の結合。
I7.前記異なる印刷構造は異なるドット利得特性をもつ印刷構造を含む、I5の結合。
I8.前記異なる印刷構造は異なるエイリアシング特性をもつ印刷構造を含む、I5の結合。
I9.前記異なる印刷構造は異なるコントラスト特性をもつ印刷構造を含む、I5の結合。
I10.前記線構造は、コピー操作に応答して変化する特性であって、該特性の変化を自動的に検出することにより、線構造をもつオリジナル印刷オブジェクトをコピーから区別できるようにする特性を有する、I1からI9の結合。
J1.印刷オブジェクトの像を分析して、印刷像がコピーであるかオリジナルであるかを決定する方法において、
マシン読み取り可能な補助的信号が像に埋め込まれたかどうか決定するステップであって、この補助的信号は、コピー操作に応答して変化する2つ以上の印刷構造のセットを使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにするステップと、
前記マシン読み取り可能な補助信号の評価に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
J2.前記印刷構造のセットは、コピー操作に応答して異なる仕方で変化する第1カラー及び第2カラーを含む、J1の方法の結合。
J3.前記カラーの少なくとも1つは、プリンタ又はスキャナのガマットから外れたインクカラーに対応する、J2の方法の結合。
J4.前記2つのカラーのルミナンスの差はコピー操作に応答して変化する、J2の方法の結合。
J5.前記印刷構造のセットは、第1ドット利得特性を有する第1印刷構造と、第2ドット利得特性を有する第2印刷構造とを含み、第1印刷構造は、第2印刷構造より、コピー操作に応答してドット利得の影響をより大きく受ける、J1の方法の結合。
J6.前記印刷構造のルミナンスの差は、前記印刷構造のドット利得に対する影響の差によりコピー操作に応答して変化する、J1の方法の結合。
J7.前記印刷構造のセットは、第1エイリアシング特性を有する第1印刷構造と、第2エイリアシング特性を有する第2印刷構造とを含み、第1印刷構造は、第2印刷構造とは異なる仕方でエイリアシングを生じる、J1の方法の結合。
J8.前記補助的信号は、線構造の連続性を変化させることにより埋め込まれる、J1の方法の結合。
J9.1つの印刷構造は第1カラーの線セグメントを含み、別の印刷構造は別のカラーの線セグメントを含む、J8の方法の結合。
J10.印刷線に沿って前記第1カラーと第2カラーとの間で変化させることにより異なるカラーの線セグメントが配列される、J9の方法の結合。
J11.前記評価は、前記印刷構造における変化を検出するための周波数ドメインメトリックの評価を含む、J1の方法の結合。
J12.前記周波数ドメインメトリックはラジアル周波数ドメインメトリックである、J11の方法の結合。
J13.前記周波数ドメインメトリックは印刷構造のカラーの変化を評価するのに使用される、J11の方法の結合。
J14.前記J1の方法の結合を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
J15.印刷オブジェクトに印刷されるべき像を生成する方法であって、この像は、印刷像がコピーであるかオリジナルであるか決定するのに使用されるものである方法において、
マシン読み取り可能な補助的信号を像に埋め込むステップであって、この補助的信号は、コピー操作に応答して変化する2つ以上の印刷構造のセットを使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにするステップと、
疑わしい印刷オブジェクトの走査像から収斂又は発散を検出するメトリックを生成して、その疑わしい印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備えた方法。
J16.前記J15の方法の結合を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
J17.印刷オブジェクトの像を分析して、印刷像がコピーであるかオリジナルであるかを決定するための方法において、
マシン読み取り可能な補助的信号が像に埋め込まれたかどうか決定するステップであって、前記補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにし、更に、前記印刷構造は、コピー操作に応答して変化するカラーを含むものであるステップと、
前記マシン読み取り可能な補助信号の評価に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
J18.前記補助的信号は線構造の連続性を変化させることにより埋め込まれる、J17の方法の結合。
J19.前記J17の方法の結合を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
J20.印刷オブジェクトに印刷されるべき像を生成する方法であって、この像は、印刷像がコピーであるかオリジナルであるかを決定するのに使用されるものである方法において、
マシン読み取り可能な補助的信号を前記像に埋め込むステップであって、前記補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにしするステップと、
疑わしい印刷オブジェクトの走査像から収斂又は発散を検出するためのメトリックを生成して、前記疑わしい印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
を備える方法。
J21.前記J20の方法の結合を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
「結論考察」
特定の実施形態を参照して技術の原理を図示して説明したが、この技術は、多数の他の異なる形態でも実施できることが明らかであろう。
上述した方法、プロセス及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、或いはハードウェアとソフトウェアの組合せで実施されてもよい。例えば、補助的データのエンコードプロセスは、プログラム可能なコンピュータ又は特殊目的のデジタル回路で実施されてもよい。同様に、補助的データのデコードは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、或いはソフトウェアとファームウェアとハードウェアの組合せで実施されてもよい。上述した方法及びプロセスは、システムのメモリ(電子、光学又は磁気記憶装置のようなコンピュータ読み取り可能な媒体)から実行されるプログラムで実施されてもよい。
上述した実施形態における要素及び特徴の特定の組合せは一例に過ぎず、これら技術と、本書及び前述の特許文書における他の技術との交換及び置き換えも意図される。
認証のために印刷媒体に印刷を行なう補助的データ信号を発生するためのプロセスを示す図である。 埋め込まれた補助的信号から導出されたメトリック及び印刷特徴部メトリックを使用して印刷オブジェクトを認証するためのプロセスを示す図である。 補助的データ信号の一例を2進形態で示す図である。 図3の補助的信号を、線構造のような異なる形式の印刷構造へいかにマップして、補助的信号を印刷像へ埋め込むことができるか示す図である。 コピー操作に異なる仕方で応答する印刷構造の特性のセットの一例を示す図で、セットが2つの異なるカラー、即ちカラー1及びカラー2を含む場合を示す図である。 コピー操作に異なる仕方で応答する印刷構造の特性のセットの別の例を示す図で、セットが、単位面積当たり同様のインクカバレージの結果として同様のグレーレベルを有する2つの異なる形式のスクリーンを含むが、小さなドットをもつ構造が、より大きなドット利得を有する場合を示す図である。 カーブした線構造を含むコピー検出のための印刷特徴部の一例を示す図である。 図7の特徴部の周波数ドメイン変換を示す図である。 周波数ドメインにおける図7の印刷特徴部のエネルギーを測定するのに使用されるマスクを示す図である。 カーブした線構造を含むコピー検出のための印刷特徴部の別の例を示す図である。 図10の特徴部の周波数ドメイン変換を示す図である。 周波数ドメインにおける印刷特徴部のエネルギーを測定するのに使用されるマスクを示す図である。 周波数ドメインにおける印刷特徴部のエネルギーを測定するのに使用されるマスクを示す図である。 周波数ドメインにおける印刷特徴部のエネルギーを測定するのに使用されるマスクを示す図である。 ドキュメント上の2つ以上の異なる位置における特徴部を比較することによりドキュメントを認証する方法を示す図である。 丈夫な透かしから抽出された情報を使用して分類器を設定するドキュメント認証のためのシステムを示す図である。 1つ以上の形式の偽造からオリジナルを見分けるのに使用される分類器を示すのに使用される図である。 二重コントラストの透かしの一例を示す図である。 二重コントラストの透かしからのメトリックを評価するためのリーダーシステムに使用される方法を示す図である。 像置き換えドキュメントを処理するシステムを示す図で、デジタル透かしをこのようなシステムにいかに一体化できるかを示す図である。 ドキュメント上のデジタル透かしを認証のためのオンボード仲介物として使用するアーキテクチャーを示す図である。 ドキュメント像形成システムを示す図で、図19のアーキテクチャーをこのようなシステムにいかに一体化できるかを示す図である。 サンプルスポットカラーに対するスペクトル応答を示す図である。 図21のスポットカラーに整合されたフィルタの伝達特性を示す図である。 プロセスカラーに対するスペクトル応答を示す図である。 像形成環境のブロック図である。 単一カラーチャンネルのための線連続性変調形式透かしを示す図である。 ノッチフィルタの伝達特性を示す図である。 図26aのノッチフィルタでの広帯域照明を示す図である。 スポットカラー(Pantone(登録商標)246)に対するスペクトル応答を示す図である。 スポットカラー(Pantone(登録商標)246)のプロセスカラー近似に対するスペクトル応答を示す図である。 オリジナルにおける発生期透かしの相対的検出性を示す図である。 偽造における図28aの発生期透かしの相対的検出性を示す図である。 2色チャンネル透かし技術に対する線連続性変調を示す図である。 スポットカラー(Pantone(登録商標)7488)に対するスペクトル応答を示す図で、照明を伴う図26bのノッチフィルタにほぼ逆に関係しているスペクトル応答を示す図である。 図30aのスポットカラー(Pantone(登録商標)7488)プロセスカラー近似に対するスペクトル応答を示す図である。 オリジナルにおける脆弱な透かしの相対的検出性を示す図である。 偽造における図16aの脆弱な透かしの相対的検出性を示す図である。 一次照明ソースのセットに対する相対的強度を示す図である。 2進形態の補助信号を示す図である。 光学的可変インクを使用して線連続性変調透かしを向上させるところを示す図である。 光学的可変インクを使用して線連続性変調透かしを向上させるところを示す図である。 光学的可変インクを使用して線連続性変調透かしを向上させるところを示す図である。 交差スペクトルインクを伴う異なる補助的信号の搬送を示す図である。 交差スペクトルインクを伴う異なる補助的信号の搬送を示す図である。 交差スペクトルインクを伴う異なる補助的信号の搬送を示す図である。 比較的短い蛍光減衰時間を示すグラフである。 比較的長い蛍光減衰時間を示すグラフである。
符号の説明
100・・・エラー補正コード化、102・・・キャリアでの変換、104・・・空間位置へのマッピング、106・・・印刷構造の選択、108・・・印刷、110・・・印刷ドキュメント、112、114・・・走査、116・・・印刷、120・・・印刷像の走査、124・・・信号エレメントの推定、126・・・ECCエレメントの推定、128・・・エラー修正デコード、130・・・特徴メトリックの測定、132・・・分類器

Claims (14)

  1. 印刷オブジェクトの像を分析して、印刷像がコピーであるかオリジナルであるかを決定するための方法において、
    マシン読み取り可能な補助的信号が像に埋め込まれたかどうか決定するステップであって、前記補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにし、更に、前記印刷構造は、コピー操作に応答して変化するカラーを含むものであるステップと、
    前記マシン読み取り可能な補助的信号の評価に基づいて、前記印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
    を備える方法。
  2. 前記補助的信号は、2つ以上の印刷構造のセットを使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記印刷構造のセットは、コピー操作に応答して異なる仕方で変化する第1カラー及び第2カラーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カラーの少なくとも一方は、プリンタ又はスキャナのガマットから外れたインクカラーに対応する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記印刷構造のセットは、第1ドット利得特性を有する第1印刷構造と、第2ドット利得特性を有する第2印刷構造とを備え、前記第1印刷構造は、コピー操作に応答して、前記第2印刷構造よりドット利得の影響を受け易い、請求項1に記載の方法。
  5. 前記印刷構造のセットは、第1エイリアシング特性を有する第1印刷構造と、第2エイリアシング特性を有する第2印刷構造とを備え、前記第1印刷構造は、前記第2印刷構造とは異なる仕方でエイリアシングを生じる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記補助的信号は線構造の連続性を変化させることにより埋め込まれる、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記異なるカラーの線セグメントは、印刷線に沿って前記第1カラーと第2カラーとの間で変化させることにより配列される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記評価は、前記印刷構造の変化を検出するための周波数ドメインメトリックの評価を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記周波数ドメインメトリックはラジアル周波数ドメインメトリックである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記周波数ドメインメトリックを使用して印刷構造のカラーの変化を評価する、請求項8に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
  12. 印刷オブジェクト上に印刷されるべき像を生成する方法であって、前記像は、印刷像がコピーであるかオリジナルであるか決定するのに使用されるものである方法において、
    マシン読み取り可能な補助的信号を前記像に埋め込むステップであって、前記補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにし、更に、前記印刷構造は、コピー操作に応答して変化するカラーを含むものであるステップと、
    疑わしい印刷オブジェクトの走査像からの収斂又は発散を検出するためのメトリックを生成して、前記疑わしい印刷オブジェクトがコピーであるかオリジナルであるか決定するステップと、
    を備える方法。
  13. 請求項12に記載の方法を実行するための命令が記憶された記憶媒体。
  14. オブジェクトに印刷された像と、
    前記像におけるマシン読み取り可能な補助的信号であって、該補助的信号は、コピー操作に応答して変化する印刷構造を使用して埋め込み位置に埋め込まれ、前記変化は、前記印刷構造の特性の発散又は収斂を生じさせて、前記マシン読み取り可能な信号が多かれ少なかれ検出可能となるようにし、前記印刷構造は、コピー操作に応答して変化するカラーを含み、更に、前記収斂又は発散をマシンで検出して、印刷オブジェクトがオリジナルかコピーかを自動的に区別できるようにするマシン読み取り可能な補助的信号と、
    を備えた印刷オブジェクト。
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