JP2006508185A - Cdk阻害剤及びシスプラチンを含む組合せ - Google Patents

Cdk阻害剤及びシスプラチンを含む組合せ Download PDF

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Abstract

本発明の第1の態様は、CDK阻害剤及びシスプラチンを含む組合せに関する。本発明の第2の態様は、治療における同時使用、逐次使用又は個別使用のための組合せ製剤としてのCDK阻害剤及びシスプラチンを含む医薬品に関する。第3の態様は、増殖性疾患を治療する方法であって、CDK阻害剤及びシスプラチンを対象に対して同時に、逐次に、又は個別に投与することを含む方法に関する。

Description

本発明は、癌及び他の増殖性疾患の治療に適している薬剤の組合せに関する。
哺乳類の細胞周期の開始、進行、及び終了は、細胞増殖にとって重要な様々なサイクリン依存性キナーゼ(CDK)複合体によって調節される。これらの複合体は、少なくとも触媒(CDKそれ自身)及び調節(サイクリン)サブユニットを含む。細胞周期の調節にとってより重要な複合体のいくつかには、サイクリンA(CDK1−cdc2、及びCDK2としても知られている)、サイクリンB1〜B3(CDK1)、サイクリンC(CDK8)、サイクリンD1〜D3(CDK2、CDK4、CDK5、CDK6)、サイクリンE(CDK2)、サイクリンK及びT(CDK9)並びにサイクリンH(CDK7)が含まれる。これらの複合体はそれぞれ、細胞周期の特定の段階に関与する。
CDKの活性は、他のタンパク質との一時的な会合により、及びCDKの細胞内局在性の変化により翻訳後調節される。腫瘍の発生は、CDK及びそれらの調節因子の遺伝的変化及び調節解除と密接に関係しており、CDKの阻害剤が有用な抗癌治療法である可能性を示唆している。実際、初期の結果は、形質転換細胞と正常細胞が、例えば、サイクリンA/CDK2に関する要求という点で異なること、従来の細胞毒性薬及び細胞増殖抑制剤で観察される一般的な宿主毒性のない新規の抗悪性腫瘍薬を開発することが可能になるかもしれないことを示唆している。
CDKの機能は、例えば、網膜芽細胞腫タンパク質、ラミニン、ヒストンH1、及び紡錘体の構成成分を含む特定のタンパク質をリン酸化して活性化又は不活性化することである。CDKによって媒介される触媒ステップは、ATPから巨大分子の酵素基質へのリン酸基転移反応を含む。いくつかの化合物群(例えば、N. Gray, L. Detivaud, C. Doerig, L. Meijer, Curr. Med. Chem. 1999, 6, 859に概説されている)は、CDK特異的ATP拮抗作用によって抗増殖性を有することが判明している。
ロスコビチンは、化合物6−ベンジルアミノ−2−[(R)−1−エチル−2−ヒドロキシエチルアミノ]−9−イソプロピルプリンである。ロスコビチンは、サイクリン依存性キナーゼ酵素、特にCDK2の強力な阻害剤であることが立証されている。この化合物は、現在抗癌剤として開発中である。CDK阻害剤は、細胞周期のG2/M期からの細胞の移行を遮断することが分かっている。
N. Gray, L. Detivaud, C. Doerig, L. Meijer, Curr. Med. Chem. 1999, 6, 859
治療方法を最適化するため、活性な薬剤を組み合わせて投与できることが多いことは、当技術分野においてよく知られている。
例えば、ビノレルビンとシスプラチンを組み合わせる投薬計画は、進行性非小細胞肺癌患者において、シスプラチン単独で得られる以上に生存率を改善することが文献に報告されている[Oncology News International, Vol. 7, No. 11, November 1998]。他の研究は、進行性卵巣癌の治療におけるパクリタキセルとシスプラチンの組合せ[Trent Institute for Health Services Research, Universities of Leicester, Nottingham and Sheffield, 1997, Guidance Note 97/05]、及び原発性肝癌の治療におけるシスプラチンとエピネフリンの組合せ[Oncology, Vol. 14, No. 1, January 2000]の使用を報告している。併用療法の他の例には、局所領域の頭部及び頸部癌の治療におけるシスプラチンと5−フルオロウラシル(5−FU)の使用[Hunis et al; Proc. Annu. Meet. Am. Soc. Clin. Oncol; 13: A921, 1994]、及び局所進行性又は転移性の頭部及び頸部癌の治療におけるシスプラチンとトムデックス、レボフォリン酸(livofolinic acid)及び5−FUとの使用[Clinical Cancer Research, Vol.5, Nov 1999, ISSN 1078-0432の追補として刊行されたCaponigro et al; Proceedings of the 1999 AACR NCI EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics]が含まれる。
したがって、本発明は、増殖性疾患、特に癌の治療に特に適している知られている薬剤の新たな組合せを提供することを目指している。より具体的に、本発明は、特定の薬剤を併用することに伴う驚くべきかつ予想外の効果に焦点を当てる。
第1の態様において、本発明は、CDK阻害剤及びシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグを含む組合せを提供する。
第2の態様は、薬学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤と混合された本発明による組合せを含む医薬組成物を提供する。
第3の態様は、増殖性疾患を治療するための薬物の調製における本発明による組合せの使用に関する。
第4の態様は、治療における同時使用、逐次使用又は個別使用のための組合せ製剤としてのCDK阻害剤及びシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグを含む医薬品に関する。
第5の態様は、増殖性疾患を治療する方法であって、CDK阻害剤及びシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグを対象に対して同時に、逐次に、又は個別に投与することを含む方法に関する。
第6の態様は、増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤の使用に関し、前記治療は、CDK阻害剤及びシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグを対象に対して同時に、逐次に、又は個別に投与することを含む。
第7の態様は、増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤及びシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグの使用に関する。
第8の態様は、増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤の使用に関し、そこにおいて、前記薬物は、シスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグとの併用療法に使用される。
第9の態様は、増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるシスプラチン又はその誘導体若しくはプロドラッグの使用に関し、そこにおいて、前記薬物は、CDK阻害剤との併用療法に使用される。
薬物併用の効果は、本質的に予測不可能であり、一方の薬物が他方の効果を部分的又は完全に抑制する傾向が認められることが多い。本発明は、シスプラチンとロスコビチンを組み合わせて、同時に、個別に、或いは逐次に投与しても、2剤間のいかなる有害相互作用も起こらない、という驚くべき知見に基づいている。予想外にもこのような拮抗性相互作用が存在しないことは、臨床応用にとって重要である。
好ましい実施形態において、シスプラチンとロスコビチンの組合せは、単独で投与されたどちらか一方の薬物と比較して増強された効果を生み出す。この知見の驚くべき性質は、従来技術に基づいて予想される性質とは対照的である。
以下に示す好ましい実施形態は、前述の本発明の態様すべてに適用可能である。
シスプラチン又はcis−DDPと一般に呼ばれる化合物cis−ジアンミンジクロロ白金(II)は、特に睾丸癌の治療においてクリニックで広く使用される既知の抗癌剤である。分子構造は、比較的簡単で、cis位置にある2個の塩素配位子及び2個のNH配位子からなり、中央の白金原子を囲むように四辺形の(正方形の)平面構造を形成する。シスプラチンは、電気的に中性な四配位白金錯体として存在する。しかしながら、諸研究により、二水和(活性)形体が、DNAとの結合を促進することが分かっている。
シスプラチンは、一般に、無菌食塩水溶液として血流中に静脈内投与される。血流における高い塩素濃度のため、薬物は、中性型で元のままの形を保つ。次いで、拡散によって細胞に入り、はるかに低い細胞内塩素濃度のために加水分解を受ける。加水分解は、中性分子を、両塩素配位子が水分子によって置換された活性な水和錯体に変換し、プラスに荷電した分子種を生成する。この活性形体は、DNA塩基対による求核置換を受けることができる二官能性求電子剤である。
シスプラチンは、二官能性アルキル化剤と類似した生化学的性質を有し、DNAにおいて鎖間、鎖内及び単官能性アダクト架橋を生成する。最も一般的な形態は、1,2−鎖内架橋である。このアダクトにおいて、白金は、隣接するプリン塩基のN7位と共有結合している。その結果、DNAは、巻き戻されて主溝の方へ曲げられる。他の白金−DNAアダクトには、単官能性並びに1,3−及びより遠距離の鎖内、鎖間及びタンパク質−DNA架橋が含まれる。
諸研究により、大部分のアダクトは、シトシンとの水素結合のために3個の部位を提供するグアニン残基を含み、それによってアデニンとチミン間で可能な2個の水素結合に比べてより大きな安定性につながっていることが分かっている。シスプラチン−DNAアダクトの形成は、DNA構造を歪め、複製及び転写の中断をもたらす。さらに、シスプラチン−DNAアダクトの形成は、修復タンパク質を妨害及び抑制すること、或いはヌクレオチド除去修復(NER)タンパク質、具体的にはXPAの機能を負に変化させることにより、細胞が自分自身を修復する能力を破壊する。
CDK阻害剤は、CDK2及び/又はCDK4の阻害剤であることが好ましい。CDK阻害剤は、ロスコビチン、プルバラノール(purvalanol)A、プルバラノールB、オロムシン(olomucine)及び国際公開第97/20842号パンフレット、国際公開第98/05335号パンフレット(CV Therapeutics)、国際公開第99/07705号(Regents of the University of California)に記載の他の2,6,9−三置換プリンから選択されることがより好ましい。さらに、CDK阻害剤は、ロスコビチン及びプルバラノールAから選択されることがより好ましい。さらに、CDK阻害剤は、ロスコビチンであることがより好ましい。
用語「増殖性疾患」は、本明細書において広い意味で使用され、細胞周期の制御を必要とする任意の障害、例えば、再狭窄及び心筋症などの心血管障害、糸球体腎炎及び関節リウマチなどの自己免疫疾患、乾癬などの皮膚科障害、マラリア、肺気腫及び脱毛症などの抗炎症、抗真菌、抗寄生虫障害が含まれる。これらの障害において、本発明の化合物は、アポトーシスを誘発するか、必要に応じて望ましい細胞内の静止を維持することができる。増殖性疾患は、癌又は白血病であることが好ましく、癌であることが最も好ましい。
1つの好ましい実施形態において、癌は、睾丸癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、頭部及び頸部癌、胃癌、食道癌、子宮癌、リンパ腫、肉腫、黒色腫、中皮腫又は前立腺癌である。
より好ましい実施形態において、癌は、肺癌である。
別の特に好ましい実施形態において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。さらに、癌は、IIIB/IV期非小細胞肺癌であることがより好ましい。
特に好ましい実施形態において、本発明は、CDK依存性又は感受性障害の治療における前述の組合せの使用に関する。CDK依存性障害は、1種又は複数のCDK酵素が普通以上の活性レベルであることに関係している。このような障害は、CDK2及び/又はCDK4の異常な活性レベルと関係していることが好ましい。CDK感受性障害は、CDKレベルの異常が一番の原因ではないが、主要な代謝異常の下流となっている障害である。このようなシナリオにおいて、CDK2及び/又はCDK4は、感受性代謝経路の一部であると言うことができ、したがってCDK阻害剤は、そのような障害を治療する際に活性である可能性がある。そのような障害は、癌又は白血病障害であることが好ましい。
本明細書で使用する語句「薬物の調製」には、そのような薬物の任意の調製段階における使用の他に、薬物として本発明の構成成分を直接使用する方法が含まれる。
前述のように、本発明の一態様は、治療における同時使用、逐次使用又は個別使用のための組合せ製剤としてのCDK阻害剤及びシスプラチンを含む医薬品に関する。
本明細書で使用する「同時に」は、2剤を同時に投与することを意味するために使用される。
本明細書で使用する用語「逐次に」は、組合せ調製物の構成成分が、両者が同じ時間枠内で治療的に作用することができるように、ある時間枠内に対象に対して次々に投与されることを意味する。したがって、逐次投与は、一方の薬剤を、他方の5分、10分又は数時間後に投与することを可能にするが、ただし、最初に投与した薬剤の循環半減期は、2剤が治療上有効な量で同時に存在する長さとする。構成成分の投与間の時間遅延は、構成成分の正確な性質、構成成分間の相互作用、及びそれぞれの半減期によって異なるはずである。
用語「個別」は、本明細書において、一方の薬剤と他方の投与間のギャップに意味があること、即ち、最初に投与した薬剤は、第2の薬剤が投与されたときには、治療上有効な量で血流中にもはや存在しないことを意味するために使用される。
本発明の1つの好ましい実施形態において、CDK阻害剤は、シスプラチンと逐次又は個別に投与される。
1つの好ましい実施形態において、シスプラチンは、CDK阻害剤に先立って投与される。シスプラチンは、CDK阻害剤の少なくとも1時間前に投与されることが好ましく、さらに、CDK阻害剤の少なくとも24時間前に投与されることがより好ましい。
別の好ましい実施形態において、CDK阻害剤は、シスプラチンに先立って投与される。CDK阻害剤は、シスプラチンの少なくとも4時間前に投与されることが好ましく、シスプラチンの少なくとも72時間前であることがより好ましい。
別の好ましい実施形態において、CDK阻害剤及びシスプラチンは、同時に投与される。
1つの好ましい実施形態において、CDK阻害剤及びシスプラチンはそれぞれ、個々の構成成分に関して治療上有効な量で投与される。言い換えれば、CDK阻害剤及びシスプラチンは、たとえ構成成分が、組み合わせる以外で投与される場合であっても治療上有効と考えられる量で投与される。
別の好ましい実施形態において、CDK阻害剤及びシスプラチンはそれぞれ、個々の構成成分に関して治療量以下の量で投与される。言い換えれば、CDK阻害剤及びシスプラチンは、構成成分が、組み合わせる以外で投与される場合には治療上効果がないと考えられる量で投与される。
シスプラチン及びCDK阻害剤は、相乗的に相互作用することが好ましい。本明細書で使用する用語「相乗的」は、シスプラチン及びCDK阻害剤が、2つの構成成分個々の効果を足すことから予想される効果に比べ、併用した場合により大きな効果を生み出すことを意味する。有利には、相乗的相互作用は、患者に投与されるそれぞれの構成成分についてより低い投与量を可能にし、それによって化学療法の毒性を低減し、一方で同一の治療効果を生み出しかつ/又は維持することができる。したがって、特に好ましい実施形態において、各構成成分を治療量以下の量で投与することができる。
相乗的相互作用を裏付ける証拠を、添付の実施例で詳述する。
塩/エステル
本発明の薬剤は、塩又はエステル、特に薬学的に許容できる塩又はエステルとして存在することができる。
本発明の薬剤の薬学的に許容できる塩には、それらの適切な酸付加又は塩基塩が含まれる。適切な医薬品塩の総説は、Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19 (1977)に見いだすことができる。塩は、鉱酸、例えば、硫酸、リン酸又はハロゲン化水素酸などの強無機酸;非置換又は置換(例えば、ハロゲンにより)の、1から4個の炭素原子からなる酢酸などのアルカンカルボン酸などの強有機カルボン酸;飽和又は不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸又はテレフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸;アミノ酸、例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸;安息香酸;又は非置換若しくは置換(例えば、ハロゲンにより)の、メタン−又はp−トルエンスルホン酸などの(C〜C)−アルキル−又はアリール−スルホン酸などの有機スルホン酸により形成される。
エステルは、エステル化される官能基に応じて、有機酸又はアルコール/水酸化物を用いて形成される。有機酸には、非置換又は置換(例えば、ハロゲンにより)の、1から12個の炭素原子からなる酢酸などのアルカンカルボン酸などのカルボン酸;飽和又は不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸又はテレフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸;アミノ酸、例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸;安息香酸;又は非置換若しくは置換(例えば、ハロゲンにより)の、メタン−又はp−トルエンスルホン酸などの(C〜C)−アルキル−又はアリール−スルホン酸などの有機スルホン酸が含まれる。適切な水酸化物には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機水酸化物が含まれる。アルコールには、非置換又は置換(例えば、ハロゲンにより)であってもよい、1〜12個の炭素原子からなるアルカンアルコールが含まれる。
鏡像異性体/互変異性体
また、本発明には、適切な場合には薬剤のすべての鏡像異性体及び互変異性体が含まれる。当業者は、光学的性質(1個又は複数のキラル炭素原子)又は互変異性の特性を有する化合物を見分けるはずである。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当技術分野において知られている方法により単離/調製することができる。
立体及び幾何異性体
本発明の薬剤のいくつかは、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在することがあり、例えば、1個又は複数の不斉及び/又は幾何中心を有することがあるため、2種類以上の立体異性的及び/又は幾何学的形態で存在することがある。本発明は、それらの阻害剤個々の立体異性体及び幾何異性体すべて、及びそれらの混合物の使用を企図している。特許請求の範囲で使用される用語は、これらの形態を包含するが、ただし、前記形態は、適切な機能活性(必ずしも同程度である必要はないが)を維持するものとする。
また、本発明には、薬剤又は薬学的に許容できるその塩の適切な同位体変形形態すべてが含まれる。本発明の薬剤の同位体変形形態又は薬学的に許容できるその塩は、少なくとも1個の原子が、同一の原子番号を有するが天然に通常見いだされる原子量と異なる原子によって置換されている変形形態として定義される。薬剤及び薬学的に許容できるその塩に組み入れることができる同位体の例には、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F及び36Clなどのそれぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素及び塩素の同位体が含まれる。薬剤及び薬学的に許容できるその塩の特定の同位体変形形態、例えば、H又は14Cなどの放射性同位元素が組み入れられた変形形態は、薬物及び/基質の組織分布研究において有用である。トリチウム化、即ちH、及び炭素−14、即ち14C、同位体は、調製及び検出性の容易さのため特に好ましい。さらに、重水素、即ちHなどの同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増加又は投与必要量の減少に伴う特定の治療的利点を提供するため、ある環境において好ましいことがある。本発明の薬剤の同位体変形形態及び薬学的に許容できる本発明のその塩は、一般に、適切な試薬の適切な同位体変形形態を用い、従来の手順によって調製することができる。
溶媒和物
また、本発明には、本発明の薬剤の溶媒和形態が含まれる。特許請求の範囲において使用される用語は、これらの形態を包含する。
多形
さらに、本発明は、様々な結晶状形態、多形性形態及び(無水)含水形態である本発明の薬剤に関する。医薬品産業内では、化合物は、精製及び/又は単離の方法及びそのような化合物の合成的調製において使用される溶媒をわずかに変えることにより、そのような形態のいずれでも単離できることはよく知られている。
プロドラッグ
さらに、本発明には、プロドラッグ形態としての本発明の薬剤が含まれる。そのようなプロドラッグは、一般に、ヒト又は哺乳類対象に投与された時点で修飾を逆戻りさせることができるように、1個又は複数の基が修飾された化合物である。そのような逆戻りは、通常、そのような対象において天然に存在する酵素によって行われるが、in vivoで逆戻りを行うために、そのようなプロドラッグと一緒に第2の薬剤を投与することが可能である。そのような修飾の例には、エステル(例えば、前述のいずれか)が含まれ、逆戻りをエステラーゼなどで行うことができる。他のこのような系は、当業者によく知られているはずである。
投与
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経膣、非経口、筋肉内、腹腔内、動脈内、髄腔内、気管支内、皮下、皮内、静脈内、膀胱内、経鼻、口腔内又は舌下の投与経路に適合させることができる。
経口投与のためには、圧縮錠剤、丸剤、錠剤、ジェル剤(gellules)、点滴剤、及びカプセル剤が特に使用される。これらの組成物は、1投与当たり活性成分1〜2000mg、より好ましくは50〜1000mgを含有することが好ましい。
投与の他の形態は、静脈内、動脈内、髄腔内、膀胱内、皮下、皮内、腹腔内又は筋肉内に注射することができ、滅菌又は滅菌可能な溶液から調製される液剤又は懸濁剤を含む。また、本発明の医薬組成物は、坐剤、膣坐剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、スプレー剤、液剤又は散布剤の形態であってもよい。
経皮投与の代替手段は、皮膚用パッチ剤の使用による。例えば、活性成分を、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルジョンからなるクリーム中に組み入れることができる。また、活性成分を、1〜10重量%の濃度で、必要に応じて安定剤及び保存剤と一緒に白蝋又は白軟パラフィン基剤からなる軟膏中に組み入れることができる。
注射用形態は、1投与当たり活性成分10〜1000mg、好ましくは10〜500mgを含有することができる。
組成物は、単位剤形、即ち、単位投与量、又は複数若しくは副次的単位の単位投与量を含有する個別部分の形態で製剤化することができる。
特に好ましい実施形態において、本発明の組合せ又は医薬組成物は、静脈内に投与される。
用量
当業者は、必要以上の実験なしに、対象に対して投与するための本組成物のうち1種の適切な投与量を容易に決定することができる。通常、医師は、個々の患者に最も適しているはずの実際の用量を決定するはずであり、実際の用量は、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与の方法及び時間、排泄の速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、及び個々の受けている治療法によって異なるはずである。本明細書に開示される用量は、平均的症例の例である。より高いかより低い用量範囲が適当とされる個々の場合があることは言うまでもなく、そのような用量は、本発明の範囲に含まれる。
必要に応じて、体重1kg当たり0.1〜30mg、例えば、0.1〜10mg/kg、より好ましくは体重1kg当たり2〜20mgの投与量で薬剤を投与することができる。
指針として、シスプラチンは、通常、医師の指示に従い、体表面1m2当たり50〜100mgの用量で21〜28日毎に単回投与として静脈内にゆっくりと、或いは体表面1m2当たり15〜20mgの用量で21〜28日毎に連続5日間まで毎日静脈内にゆっくりと局所投与される。用量及び投与の回数は、通常、患者の一般的病状及び引き起こされる有害作用の重症度、特に造血系、神経系及び腎系に対して引き起こされる有害作用に適応させる。
ロスコビチンは、通常、約0.05〜約5g/日、好ましくは約0.4〜約3g/日投与される。ロスコビチンは、錠剤又はカプセル剤で経口投与されることが好ましい。ロスコビチンの総一日量は、単回投与として投与するか、1日当たり2、3又は4回投与される分割用量に分けることができる。
ロスコビチンは、0.4〜3g/日の用量で経口又は静脈内として投与されることが好ましい。次いで、シスプラチンは、前述の適切な用量で最も適していると考えられる方法で投与される。シスプラチンは、ロスコビチンの投与から少なくとも24時間後に投与されることが好ましい。
本発明について、実施例により、及び以下の図を参照しながらさらに説明する。
ロスコビチンの増殖抑制活性は、PC−3前立腺細胞系に対する単層アッセイ並びにヒト胸膜中皮腫異種移植片PXF1118及びヒト肺癌異種移植片LXFA629に対する腫瘍幹細胞アッセイを用い、単独及びシスプラチンと組み合わせて測定した。
方法及び材料
化合物
CDK阻害剤(例えばロスコビチン)の保存溶液は、DMSO中で調製し、アリコートを−20℃で保存した。最終希釈液は、使用直前に培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium;Life Technologies、Karlsruhe)中で調製した。
クローン形成アッセイ
ヒト腫瘍異種移植片からの単細胞浮遊液の調製
胸腺無形成ヌードマウス(NMRI、Naval Medical Research Institute、USA、nu/nu系、発明者の飼育施設から入手)における連続継代において皮下増殖した固形ヒト癌異種移植片を無菌状態で摘出し、機械的に脱凝集させ、続いて37℃において30分間、RPMI 1640−Medium(Life Technologies)に溶かしたコラゲナーゼ(41U/ml、Sigma)、DNAse I(125U/ml、Roche)、ヒアルロニダーゼ(100U/ml、Sigma)及びディスパーゼII(1.0U/ml、Roche)と共にインキュベートした。細胞を200μm及び50μmメッシュサイズの篩に通し、無菌PBS緩衝液(life Technologies)で2回洗浄した。生細胞の割合は、トリパンブルー排除を用いNeubauer血球計算板で測定した。
培養方法
クローン形成アッセイは、Hamburger及びSalmonによって導入された改良二層軟寒天アッセイに従い、24ウェルフォーマットで行った[Alley, M.C., Uhi, C.B. & M.M. Lieber, 1982. Improved detection of drug cytotoxicity in the soft agar colony formation assay through use of a metabolizable tetrazolium salt. Life Sci. 31: 3071-3078]。底層は、0.2ml/ウェルのIscove’s Modified Dulbecco’s Medium(20%(v/v)ウシ胎児血清及び0.01%(v/v)ゲンタマイシンを添加)及び0.75%(w/v)寒天からなっていた。4×10〜8×10個の細胞を、0.4%(w/v)寒天が添加された同一培地0.2mlに加え、底層上の24マルチウェルディッシュにプレートした。細胞増殖抑制剤は、0.2mlの培地中で連続暴露(薬物オーバーレイ)によって使用した。各ディッシュは、媒体を含有する6個の対照ウェル及び6濃度で3つ1組の薬物処置群を含んでいた。培養液を加湿雰囲気中で8〜20日間37℃及び7.5%COにおいてインキュベートし、倒立顕微鏡を用いてコロニー増殖について詳しくモニターした。この期間中、in vitroの腫瘍増殖は、直径50μmを超えるコロニーの形成をもたらした。最大コロニー形成時に、自動画像解析システム(OMNICON FAS IV、Biosys GmbH)により計数を行った。評価の24時間前に、生きているコロニーを塩化2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム(1mg/ml、100μl/ウェル)の無菌水溶液で染色した[i]。
以下の品質管理基準が満たされている場合に、アッセイは十分に評価可能であると見なした:
− 24マルチウェルプレートの対照群ウェルにおける平均コロニー数が20コロニー以上であり、コロニー直径が50μmを超えていること
− 陽性対照化合物5−フルオロウラシル(5_FU)(1000μg/mlの中毒量において)は、対照の20%未満のコロニー生存率をもたらさねばならない
− 0又は2日目の初期プレートカウント数は、最終対照群カウント数の20%未満であること
− 対照群における変動係数が50%以下であること
データ評価
薬物効果は、処置プレートにおける平均コロニー数を未処置対照の平均コロニーカウント数と比較することにより得られる生存の割合(試験群対対照群値によって表される相対コロニーカウント数、T/C値[%])で表した:

コロニー形成をそれぞれ50%(T/C=50%)及び70%(T/C=30%)抑制するのに必要な薬物濃度であるIC50及びIC70値は、相対コロニーカウント数に対して化合物濃度をプロットすることにより決定した。平均IC50及びIC70値は、下式に従って算出し、


xは、特定の腫瘍モデルであり、nは、試験した腫瘍モデルの総数である。IC50又はIC70値が、調べた投与量範囲内で決定できない場合には、試験した最低又は最高濃度を計算のために使用した。
平均グラフ解析(IC−プロット)において、個々の腫瘍タイプにおける試験化合物について得られるIC70値の分布を、試験したすべての腫瘍について得られる平均IC70値に対して示す。個々のIC70値は、対数目盛り軸にバーとして表す。左へのバーは、平均値より低いIC70値を示し(より感受性の腫瘍モデルを示す)、右へのバーは、より高い値を示す(むしろ耐性の腫瘍モデルを示す)。したがって、ICプロットは、化合物の抗増殖性プロフィールの指紋に相当する。
試験手順:ロスコビチンと標準薬剤の組合せ
細胞系
6種のヒト腫瘍細胞系の特性を以下の表1に示す。

肺癌細胞系LXFA629Lは、1999年にRoth他により記載されたヒト腫瘍異種移植片から確立された[Roth T, Burger AM, Dengler W, Willmann H, Fiebig HH. Human tumor cell lines demonstrating the characteristics of patient tumors as useful models for anticancer drug screening. In: Fiebig HH, Burger AM (eds). Relevance of Tumor Models for Anticancer Drug Development. Contrib. Oncol. 1999, 54: 145-156]。ドナー異種移植片の起源は、1992年にFiebig他によって記載されている[Fiebig HH, Dengler WA, Roth T. Human tumor xenografts: Predictivity, characterization, and discovery of new anticancer agents. In: Fiebig HH, Burger AM (eds). Relevance of Tumor Models for Anticancer Drug Development. Contrib. Oncol. 1999, 54: 29-50]。
細胞系DLD1及びHT29(大腸)、並びに前立腺癌DU145及びPC3Mは、US−NCI(National Cancer Institute、USA)から入手した。
前立腺癌22RV1は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入した。
細胞は、毎週1回又は2回、ルーチン的に継代した。細胞は、培養液中で20継代以下に維持した。すべての細胞は、10%ウシ胎児血清(Sigma、Deisenhofen、Germany)及び0.1%ゲンタマイシン(Invitrogen)を添加したRPMI 1640培地(Invitrogen、Karlsruhe、Germany)中、加湿雰囲気(95%空気、5%CO)で37℃において増殖させた。
細胞増殖アッセイ
改良ヨウ化プロピジウムアッセイを用い、ヒト腫瘍細胞系の増殖に対するロスコビチンの効果を評価した[Dengler WA, Schulte J, Berger DP et al. (1995). Development of a propidium iodide fluorescence assay for proliferation and cytotoxicity assay. Anti-Cancer Drugs 1995, 6:522-532]。手短に言えば、トリプシン処理により指数増殖期の培養液から細胞を集菌し、カウントし、細胞系に応じた細胞密度(1ウェル当たり5〜12,000個の生細胞)で96ウェル平底マイクロタイタープレートにプレートした。細胞に指数増殖を再開させるための24時間回収後、培地(1プレート当たり3個の対照ウェル)又は様々な濃度の被験物質no.1(標準薬剤)を含有する培地20μlをウェルに加えた。各濃度を3つ1組でプレートした。各プレートに対し、マイクロタイタープレートの4個の区画に被験物質no.1を5濃度で4回適用した。区画1は、被験物質no.1単独用で、区画2〜4には、3つの異なる時点でそれぞれ、被験物質no.2(ロスコビチン)を適用した。4日間の連続した被験物質暴露の後、薬物を含む、又は含まない細胞培地をヨウ化プロピジウム(PI)水溶液(7μg/ml)200μlによって置換した。PIは、漏出性又は溶解した細胞膜しか通過しないため、死細胞のDNAは染色されて測定されるが、生細胞は染色されなかった。生細胞の比率を測定するため、プレートを凍結することによって細胞を透過化処理すると、すべての細胞が死滅した。プレートを解凍した後、Cytofluor4000マイクロプレートリーダー(励起530nm、発光620nm)を用いて蛍光を測定し、総細胞数に対する直接の関係を得た。増殖抑制は、処置/対照×100(%T/C)として表し、各組合せについてのIC50、IC70及びIC90値は、細胞生存度に対して化合物濃度をプロットすることによって決定した。
結果
ロスコビチンは、シスプラチンの添加に先立って(−6h、−4h、−2h)、同時に(0h)、又は後で(+2h、+4h、+6h、+24h)細胞に加えた。PCM3におけるシスプラチンと組み合わせたロスコビチンの抗腫瘍活性を以下の表2に示す。ロスコビチンは、20μMの投与量レベルで加えた。

ヒト胸膜中皮腫異種移植片PXF1118における、シスプラチンと組み合わせたロスコビチンの抗癌効果を図1Aに示す。図1Bは、ヒト肺癌異種移植片LXFA629における、シスプラチンと組み合わせたロスコビチンの抗癌効果を示している。
これらの結果は、シスプラチンと組み合わせてドセタキセルを投与することは、どちらか一方の薬物を単独で投与するのに比べて最大効果を生み出すことを示している。この効果は、2つの構成成分間の相乗的相互作用を示している。
本発明の範囲及び精神を逸脱することのない本発明の様々な修正形態及び変形形態は、当業者にとって明らかであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求項に記載の本発明を、過度にそのような特定の実施形態に限定すべきではない。実際、関連分野の当業者にとって明白である本発明を実施するために記載された様式の様々な修正形態は、本発明によって包含されることを意図している。
Aは、ヒト胸膜中皮腫(pleuramesothelioma)異種移植片PXF1118における、シスプラチンと組み合わせたロスコビチンの抗癌効果を示す図である。Bは、ヒト肺癌異種移植片LXFA629における、シスプラチンと組み合わせたロスコビチンの抗癌効果を示す図である。

Claims (29)

  1. CDK阻害剤及びシスプラチンを含む組合せ。
  2. CDK阻害剤が、CDK2又はCDK4の阻害剤である請求項1に記載の組合せ。
  3. CDK阻害剤が、ロスコビチン、プルバラノールA、プルバラノールB及びオロマウシンから選択される請求項1又は2に記載の組合せ。
  4. CDK阻害剤が、ロスコビチンである請求項1から3のいずれかに記載の組合せ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の組合せ、及び薬学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
  6. 増殖性疾患を治療するための薬物の調製における請求項1から4のいずれか一項に記載の組合せの使用。
  7. 治療における同時使用、逐次使用又は個別使用のための組合せ製剤としてのCDK阻害剤及びシスプラチンを含む医薬品。
  8. CDK阻害剤が、CDK2又はCDK4の阻害剤である請求項7に記載の医薬品。
  9. CDK阻害剤が、ロスコビチン、プルバラノールA、プルバラノールB及びオロマウシンから選択される請求項7又は8に記載の医薬品。
  10. CDK阻害剤が、ロスコビチンである請求項7から9のいずれか一項に記載の医薬品。
  11. シスプラチン及びCDK阻害剤が逐次投与される、治療における個別使用又は逐次使用のための請求項7から10のいずれか一項に記載の医薬品。
  12. 薬学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物の形態である請求項7から11のいずれか一項に記載の医薬品。
  13. 増殖性疾患の治療において使用するための請求項7から12のいずれか一項に記載の医薬品。
  14. 増殖性疾患が、癌である請求項13に記載の医薬品。
  15. 癌が、前立腺癌又は中皮腫である請求項14に記載の医薬品。
  16. 中皮腫が、肺癌である請求項15に記載の医薬品。
  17. 増殖性疾患を治療する方法であって、CDK阻害剤及びシスプラチンを対象に対して同時に、逐次に、又は個別に投与することを含む方法。
  18. CDK阻害剤が、CDK2又はCDK4の阻害剤である請求項17に記載の方法。
  19. CDK阻害剤が、ロスコビチン、プルバラノールA、プルバラノールB及びオロマウシンから選択される請求項18に記載の方法。
  20. CDK阻害剤が、ロスコビチンである請求項19に記載の方法。
  21. CDK阻害剤及びシスプラチンが、それぞれ、個々の構成成分に関して治療上有効な量で投与される請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. CDK阻害剤及びシスプラチンが、それぞれ、個々の構成成分に関して治療量以下の量で投与される請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
  23. 増殖性疾患が、癌である請求項17から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 癌が、前立腺癌又は中皮腫である請求項23に記載の方法。
  25. 癌が、肺癌である請求項24に記載の方法。
  26. 増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤の使用であって、前記治療が、CDK阻害剤及びシスプラチンを対象に対して同時に、逐次に、又は個別に投与することを含む使用。
  27. 増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤及びシスプラチンの使用。
  28. 増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるCDK阻害剤の使用であって、前記薬物が、シスプラチンとの併用療法用である使用。
  29. 増殖性疾患を治療するための薬物の調製におけるシスプラチンの使用であって、前記薬物が、CDK阻害剤との併用療法用である使用。
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