JP2006507817A - 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子の存在および/またはレベルを決定するための遺伝子レポーターアッセイ、キット、および細胞 - Google Patents

細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子の存在および/またはレベルを決定するための遺伝子レポーターアッセイ、キット、および細胞 Download PDF

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Abstract

本発明は、商品化できる細胞、並びに遺伝子レポーターアッセイ方法および、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子の存在および/またはレベルを決定するためにこの細胞を使用するキットに関する。この細胞はその意図される目的のために十分に長い寿命を有し、その有用な寿命の終わりに、またはその使用すなわちアッセイの終わりに、すぐに細胞は細胞死を起こすようにこの細胞を処理する。

Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2002年10月4日に出願された米国仮特許第60/415,818号の優先権を主張し、その内容の全体が参照として本明細書に組み入れられる。
発明の背景
発明の分野
本発明は、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定するための遺伝子レポーターアッセイおよびキットに関する。本発明は、更に該アッセイで用いることができる細胞および該細胞を調製するための方法に関する。
従来技術の説明
細胞表面タンパク質により細胞外シグナルの細胞内伝達が可能になる。細胞表面タンパク質は真核および原核細胞に細胞外シグナルを検出し、そして最終的に細胞応答または協調する組織もしくは器官応答に至る様式で細胞内にこのようなシグナルを伝達するための手段を細胞に提供する。細胞表面タンパク質は、特異的細胞内経路を介して細胞外環境に関する情報を細胞内伝達することにより特定の刺激に対する適切な応答を誘起する。応答は即時的および一過性であり、緩慢でおよび持続性であり、またはその混合型でもよい。多様な膜表面タンパク質の配置のために、真核細胞はその環境に対して極めて鋭敏である
細胞外シグナル分子、例えばサイトカイン、成長因子、ホルモン、血管拡張物質、および神経伝達物質は、少なくとも部分的には細胞表面タンパク質との相互作用を介してその効果を奏する。例えばいくつかの細胞外シグナル分子は2次メッセンジャー、例えばcAMPのレベルの変化を介して標的遺伝子の転写に変化を引き起こす。その他のシグナルは遺伝子、例えば制御タンパク質をコードする前初期遺伝子の発現を活性化することにより遺伝子発現を間接的に変化させ、これが今度は転写制御タンパク質をコードするその他の遺伝子の発現を活性化する。その他の細胞外シグナル分子は、遺伝子の特定のセットの転写を増強する潜在的な細胞質性の転写のシグナルトランスデューサーおよびアクチベーター(STAT)タンパク質の活性化を引き起こす。
細胞表面レセプターおよびイオンチャネルは、細胞外シグナルに応答し、そしてこの多様な遺伝子発現および応答を導く事象を開始する細胞表面タンパク質に含まれる。イオンチャネルおよび表面局在レセプターは、偏在性で、そして生理学的に重要な細胞表面膜タンパク質である。これらは種々のイオンおよび化学物質の細胞内レベルの制御において中心的な役割を果たし、その多くは細胞生存性および機能に重要である。
細胞表面レセプター
細胞表面局在レセプターは、細胞外シグナリング分子に結合するか、または細胞外環境を変化させ、そしてシグナル伝達経路を介してシグナルを伝達して細胞応答を起こす膜貫通タンパク質である。多くの細胞内経路の誘導の開始工程として、細胞表面レセプターは循環シグナル分子、例えばサイトカイン、成長因子、およびホルモン等に結合する。レセプターは、構造基盤で、または誘導される経路の特定の型に基づいて分類される。これらのレセプターのクラスの中で、サイトカインレセプターのクラスには成長因子に結合し、そして固有のチロシンキナーゼ活性を有するもの、例えばヘパリン結合成長因子(HBGF)レセプター、免疫グロブリンレセプタースーパーファミリー、ヘマトポエチン/サイトカインレセプタースーパーファミリー、神経成長因子レセプタースーパーファミリー、その他のレセプターチロシンまたはセリンキナーゼおよび、各々Gタンパク質結合レセプターおよびGタンパク質と称されるグアニンヌクレオチド結合制御タンパク質を介してエフェクタータンパク質に結合するものなどがある。
サイトカインは、特定の組織内の細胞間コミュニケーション、例えば抗体およびT細胞免疫系相互作用を調整し、そして生物学的応答を変調または修飾するために提供される細胞内メッセンジャーである。これらは多面的であり、そして1つ以上の型の細胞または組織に及ぼす広範な生物学的影響を有している。サイトカインのレセプターは、概して2つのクラスにグループ分けされており、ここでクラスIサイトカインレセプターには種々のインターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15)、エリスロポエチン(EPO)、成長ホルモン(GH)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、白血病阻止因子(LIF)、および毛様体神経栄養因子(CNTF)などがあり、そしてクラスIIサイトカインレセプターにはインターフェロン(IFN)α/β、IFNγ、およびIL−10に結合するレセプター、などがある。
インターフェロンレセプター
ヒトインターフェロン(IFN)は、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列相同性に基づいて4つの異なる種:α、β、γ、およびωからなる相同ならせん状のサイトカインのファミリーである。I型IFN、α、β、およびωは、少なくとも12個の機能的なIFNα遺伝子、IFNω遺伝子、および更に遠縁のIFNβ遺伝子によりコードされる。II型IFNまたはIFNγは、非関連遺伝子によりコードされ、そして異なる細胞表面レセプター)に結合する(De Maeyerら(1988); Pestkaら、(1987); およびDiazら(1993)。
I型IFNは、レセプター結合の交差競合に対するその能力により示されるように、共通のレセプターに結合する(Pestkaら(1987); Brancaら(1981);およびMerlinら(1985))。I型インターフェロンレセプターは、すべての既知のサイトカインレセプターの中で、全部で14もの最大数の天然リガンドを有している。インターフェロンのその細胞表面レセプターへの結合は、IFNシグナリング経路で最初の、そして恐らく最も特異的な工程に相当する。
I型IFNレセプターは、2つの膜貫通糖タンパク質、IFNAR1およびIFNAR2からなり(Uzeら(1990); Novickら(1994); Lutfallaら(1995); Domanskiら(1995))、これはIFN結合の後に急速にチロシンリン酸化される(Plataniasら(1994); Constantinescuら(1994); およびAbramovichら(1994))。双方のサブユニットは、クラスIIサイトカインレセプタースーパーファミリーに属し(Bazeanら(1990); およびThoreauら(1990))、そして高親和性リガンド結合および生物学的活性の確立を必要とする(Langerら(1996)およびDomanskiら(1996))。クラスIIサイトカインレセプターは、ジスルフィド結合を形成すると考えられる保存されたシステン残基対のパターンに基づいてクラスIサイトカインレセプターから区別される。
その他のサイトカインレセプターとは対照的に、IFNAR1でもIFNAR2でもない、IFN−γレセプターは、特に単独でヘテロ二量体に匹敵する親和性でIFNαまたはIFNβに結合する。IFNAR2が、リガンド結合において顕著な役割を果たすという事実に関わらず、IFNAR1は、IFNAR2単独の親和性に相対してレセプター複合体の親和性を増加させることにより(4〜10倍)IFN結合に寄与する。IFNAR1はまた、IFNAR2単独で観察されるものに相対してリガンド結合の特性をも調節する(Cohenら(1995); Russell-Hardeら(1995); Cutroneら(1997); およびCookら(1996))。IFNAR1は、大抵その他のクラスIIサイトカインレセプターよりも大きな、2つのタンデムリピートに分けることができるジ−またはトリ−プロリンモチーフにより分けられた4個の免疫グロブリン様サブドメインからなる細胞外ドメインを有している(Novickら(1994); Lutfallaら(1992); およびUzeら(1995))。
ヒト、マウスおよびウシIFNAR1は、クローン化され、そしてヒトおよびマウス細胞において発現されている。トランスフェクトされた細胞で実施された研究により、IFNAR1はリガンド結合、IFNに対する細胞応答、およびI型インターフェロンの生物学的活性の誘起において中心的な役割を果たすことが示されている(Novickら(1994); Abramovichら(1994); Uzeら(1992); Mouchel-Vielhら(1992); Limら(1993); Clearyら(1994); Constantinescuら(1995); Hwangら(1995); Vandenbroekら(1995); およびColamoniciら(1994))。更にIFNAR1の細胞内ドメインはI型インターフェロンの核への結合により細胞表面で開始されるシグナルの伝達において重要な役割を果たすことが示されている(Basuら(1998))。IFNAR1遺伝子の標的化された破壊の結果、I型IFNに対する抗ウイルス応答の喪失に至り、これはこのレセプターポリペプチドがレセプター複合体の必須成分であり、そしてIFNAR1およびIFNAR2サブユニットの双方がIFNαおよびIFNβシグナリングに必要であることを実証している(Vandenbroekら(1995); Mullerら(1994); Fietteら(1995); Steinhoffら(1995); およびvan den Broekら(1995))。
I型インターフェロンのレセプター複合体への結合は、2つのヤヌスキナーゼ、Tyk2、JAK1を活性化し、これはチロシンリン酸化およびp48 DNA結合タンパク質であるインターフェロン応答性タンパク質9(IRF 9)と複合体を形成する2つの潜在する細胞質転写因子、STAT1およびSTAT2の活性化を媒介し、これは核に移行して特定の遺伝子転写を促進する(Fuら(1992); Schindlerら(1992); Darnellら(1994); Ihleら(1995); およびTaniguchi(1995))。Tyk2およびSTAT2の双方は、IFNAR1鎖の膜近位領域に構成的に会合するが、JAK1およびSTAT1は、IFNAR2に物理学的に会合し、そして4つすべての因子が、IFNα刺激の間に急速に活性化される(Lutfallaら(1995); Bazan(1990); Basuら(1998); Barbieriら(1994); Velazquezら(1995); Uddinら(1995); Yanら(1996a)および(1996b))。
G−結合レセプター
Gタンパク質膜貫通シグナリング経路は、3つのタンパク質:レセプター、Gタンパク質およびエフェクターからなる。Gタンパク質は、膜貫通シグナリング経路の中間物質であり、ヘテロ二量体であり、そしてα、β、およびγサブユニットからなる。Gタンパク質のファミリーの膜の中で、αサブユニットは異なっている。Gタンパク質の機能は、αサブユニットとGTPのサイクルとの関係により制御され、続いてGTPがGDPに加水分解され、そしてGDPが解離する。
Gタンパク質結合レセプターは、Gタンパク質への結合によりシグナル伝達が媒介されるレセプターの多様なクラスである。シグナル伝達は、細胞膜レセプターへのリガンド結合により開始され、これはレセプターのGタンパク質への結合を刺激する。レセプターGタンパク質相互作用は、GDPを放出し、これは特異的にGタンパク質に結合し、そしてGTPの結合を可能にし、これはGタンパク質を活性化する。活性化されたGタンパク質は、レセプターから解離し、そしてエフェクタータンパク質を活性化し、これは特異的2次メッセンジャーの細胞内レベルを制御する。このようなエフェクタータンパク質の実例には、アデニルシクラーゼ、グアニルシクラーゼ、ホスホリパーゼC他がある。
成長因子および成長因子レセプター
ポリペプチド成長因子は、その生物学的機能が成長因子と細胞表面レセプターとの相互作用および続く遺伝子発現における変化により媒介される、細胞増殖および分化のモデュレーターである。成長因子は、特定のレセプターに結合し、そしてチロシンリン酸化およびc−fos mRNA合成を誘起するようである。加えて、少なくともいくつかの成長因子、例えば血小板誘導成長因子(Yehら(1987))およびヘパリン結合成長因子−2または塩基性線維芽細胞成長因子(Boucheら(1987))は核へ移行する。
特定の成長因子との、または作用物質、例えばホルボールミリスチン酸アセタート(PMA)との相互作用による成長因子レセプターの活性化は、リン脂質−およびカルシウム活性化タンパク質キナーゼのファミリーであるタンパク質キナーゼCを活性化する。この活性化の結果、一連のプロトオンコジーン転写因子コード化遺伝子、c−fos、c−myc、およびc−junなど、プロテアーゼ、プロテアーゼインヒビター、I型コラゲナーゼおよびプラスミノーゲンアクチベーターインヒビターなど、並びに付着分子、細胞内付着分子Iなどの転写に至る。タンパク質キナーゼC活性化は、成長因子レセプターの急速なリン酸化により成長因子活性に拮抗し、それによりこれはチロシンキナーゼ活性を低下させる。成長因子および、細胞増殖および細胞成長を誘起するその他のマイトジェンは、腫瘍成長において役割を果たすと考えられており、これはしばしば成長因子およびその他の細胞外シグナルに識別可能な細胞表面レセプターを担持する。
神経成長因子(NGF)とそのレセプターとの相互作用は、例えば細胞外シグナル誘起するような一連の応答の典型である。NGFは神経堤由来知覚ニューロンの分化および成長に必要なポリペプチド成長ホルモンである。NGFはその特異的細胞表面レセプターに結合し、そして細胞体に逆輸送される(Changelianら(1989))。これは細胞内事象のカスケードを開始し、結果的に分化した表現型になる。PC12細胞は、ラット褐色細胞腫細胞系であり、NGF媒介の分化の研究にモデルとして用いられる。NGFで処理した場合、PC12細胞は、複製性の副腎クロム親和様細胞から非複製性の電気的に興奮した副交感神経ニューロン様細胞に変化する。
表現型変化と付随して、特定の遺伝子の誘導および発現がある。NGFのPC12細胞への結合は、即時的および急速な特定の遺伝子、c−fos、NGF1−AおよびNGF1−B遺伝子などの発現を誘起し、これは初期遺伝子と称される。このような初期遺伝子は転写レギュレーターをコードすると考えられている。NGF−1A遺伝子生成物は、DNA結合タンパク質に特徴的なタンデムリピートした「ジンクフィンガー」ドメインを含有し、そしてNGF1−Bタンパク質は、糖質コルチコイドレセプターファミリーのメンバーに相同であり、したがって転写のリガンド依存的モデュレーターとして機能することができる。c−fos遺伝子生成物であるFOSは、転写制御分子として機能するようである。
c−fos遺伝子および関連遺伝子
先で論じたように、c−fos遺伝子の発現の誘導は、種々の細胞表面タンパク質の活性により開始される多くの応答経路に共通な事象である。
c−fos遺伝子生成物であるFOSは、c−jun遺伝子の生成物である転写アクチベーターJUNと付随し、転写活性化複合体AP−1を形成する複合体を形成する。c−fosおよびc−junの双方の転写は、刺激後急速に、そして一過性に誘導される。誘導されたmRNAは、1〜2時間細胞質に蓄積され、ここで短命なFOSおよびJUNタンパク質が、翻訳され、そして次に核に移行して、DNA制御エレメントであるAP−1結合部位に結合するヘテロ二量体タンパク質複合体を形成する。
c−fosおよびc−jun遺伝子は、AP−1結合部位と相互作用するヘテロ二量体複合体の形成に参加するタンパク質をコードする遺伝子ファミリーのメンバーである。転写因子AP−1は、その濃度が細胞刺激で変化するいくつかのタンパク質複合体からなる。これらの複合体は7塩基コアヌクレオチド配列モチーフと特異的に相互作用し、これは正および負両方の転写制御エレメントの比較的共通した成分であることが既知であり、そしてこれは遺伝子発現の基底および誘起レベルの双方で必要とされる。
遺伝子生成物であるFOSおよびJUNは、多くの細胞性応答および環境への適応応答の根底にある標的遺伝子の制御において協働する。これらは多くの神経生理学的過程に関与する。
したがって、c−fos誘導は、別個の制御エレメントを介して作用し、そして異なって修飾する異なる第2のメッセンジャー経路に関係し、得られた遺伝子生成物であるFOSは、今度は異なって修飾されたJUNタンパク質と種々の方法で相互作用する。したがって、多数の細胞外事象はAP−1結合部位を含有するDNA制御エレメントと異なって結合できる一連のタンパク質複合体を形成する少数の誘導タンパク質の発現を誘起する。したがって、非常に多くの細胞表面タンパク質が、重複伝達経路を介して作用し、そして採集的に種々の応答を誘起する細胞外シグナルを伝達することができる。
生存細胞系においてインビボ活性に頼ることができる多くのアッセイがある。一例は、細胞系が細胞外シグナルとしてインターフェロンの存在に付された場合に、内因性インターフェロン細胞表面レセプターのシグナル伝達活性がインターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を活性化するシグナルを生み出し、これが次にルシフェラーゼ遺伝子の転写を引き起こすように、ルシフェラーゼ遺伝子または別のレポーター遺伝子に連結されたインターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を有する細胞系である。したがって、光の発生でルシフェラーゼの活性を測定でき、そしてサンプル中に存在するインターフェロンの量に関係し、そして特定の範囲にわたってインターフェロンの量に比例する(Lallemandら(1996))。
Lleonartら(1990)は、レポーター遺伝子としてヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子に連結されたI型インターフェロン誘導マウスMxプロモーターでトランスフェクトされたサルベロ細胞に基づくI型インターフェロンに対するレポーター遺伝子アッセイについて記載した。このI型インターフェロンアッセイは、I型インターフェロン誘導マウスMx1プロモーターの調節下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を担持するプラスミドでサルベロ細胞をトランスフェクトすることにより更に発展した(Canosiら(1996))。
別の型のインターフェロンレポーター遺伝子アッセイが、グリア原線維酸性タンパク質(GEAP)プロモーターおよび大腸菌(E.coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)レポーター遺伝子のレポーター遺伝子構築物でトランスフェクトされたヒトグリア芽細胞腫細胞系を用いたHammerlingら(1998)により開発された。この特定のアッセイでは、選択的および用量依存的にヒトI型またはII型のいずれかのインターフェロンによるβ−ガラクトシダーゼ発現の低下/阻止が測定される。
このようなアッセイで用いることができる細胞系の型では、一度細胞系が単一のアッセイで使用するために出荷されると、末端使用者は細胞を成長させることができ、そして次に将来のアッセイのために供給者から更なる細胞を注文する必要なく、このような細胞の独自の貯蔵品を使用するという点で、それを商品化するのに問題がある。
本明細書におけるいずれの文献の引用も、このような文献が関連する先行技術であるという承認として、または本出願のいずれかの請求の範囲の特許性に対して考慮された題材として意図されるものではない。内容に関するいかなる記載も、またはいかなる文献の日付も、出願時に出願者に利用可能な情報に基づいており、そしてこのような記載の正確性に関する承認を構成するものではない。
発明の概要
本発明の目的は、所望の細胞系を、意図される目的のために十分長い寿命を有する実質的に「1回使用」用の商業用細胞系にし、そして使用者がこの商業用細胞系を例えばアッセイにおいて使用するときはいつも、この使用者はこの商業用細胞系を供給者から購入しなければならないようにする方法を開発することである。
課題を解決するための手段
したがって、本発明は、レポーター遺伝子生成物の発現が、細胞外シグナルに応答して細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される、レポーター遺伝子構築物で形質転換された細胞を提供する。この本発明による細胞は、凍結温度を越える温度ではその能力を喪失する前にシグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えないように処理されている。このような処理された細胞は、細胞をある状態に維持することにより、または細胞分割を阻止することにより、その目的のために十分長い寿命を有する商業用の利点を獲得しており、その有用な寿命の終わりに、またはその使用の終わりにはすぐに、細胞は、例えばアポトーシスにより細胞死を起こす。
本発明は、また細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中のレベルを決定するための細胞基盤のアッセイキットを提供する。このようなキットは本発明の複数の細胞が入ったマルチプルウェルおよび試薬を伴う試験装置を含む。
更に本発明は、シグナル伝達を30日以内に喪失する本発明の細胞を調製するための方法を提供する。この方法は、宿主細胞を本発明の細胞に関して前記したレポーター遺伝子構築物で形質転換し、そして次に、処理された形質転換された細胞が、凍結温度を越える温度ではシグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず、その後シグナル伝達活性を喪失するように形質転換された細胞を処理することに関係する。
本発明の別の態様は、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定するための方法に向けられている。
本発明は、細胞外シグナルに応答する細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される1つ以上の転写調節エレメントに作動可能に連結されたレポーター遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含むレポーター遺伝子構築物で形質転換された細胞に向けられている。本発明のこの細胞は、凍結温度を越える温度では細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず、その後シグナル伝達活性を喪失するように処理されている。したがって、本発明の細胞は末端使用者により望まれる目的、例えばアッセイを実施するために細胞分割を阻止することにより、または細胞を凍結状態に維持することにより十分な寿命を有するのみならず、凍結状態で、または室温で長期間の保存および輸送を可能にするために、細胞を凍結できるか、または室温でさえ維持できるように処理されている。本発明の細胞はまた、末端使用者が更に使用できるように増殖させることができない1回使用細胞であるという供給者に対する商業上の利点を有している。その代わり、好ましくは、細胞は、キットの一部として供給者から各単回使用のために購入しなければならない。
本発明による細胞は、いかなる真核または原核細胞であってもよい。しかしながら哺乳動物および鳥類細胞が、好ましく、ヒト細胞が、最も好ましい。その他の適切な細胞には、非限定例としてはその他の脊椎動物細胞、植物プロトプラスト、真菌、および酵母細胞、並びに細菌細胞などがある。
そのシグナル伝達活性が細胞外シグナルに応答してレポーター遺伝子生成物の発現を制御する細胞表面タンパク質は、当業者に既知であるか、または当業者により同定できるいかなる細胞表面タンパク質であってもよい。細胞表面タンパク質を例示すると、非限定例としては細胞表面レセプターおよびイオンチャネルなどがある。細胞表面レセプターの非限定例には、サイトカインレセプター(例えばI型インターフェロン、II型インターフェロン、インターロイキン、成長ホルモン、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、白血病阻止因子(LIF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)等のレセプター)、成長因子レセプター、ホルモンレセプター、T細胞レセプター、抗原レセプター、補体レセプター、および神経レセプターなどがある。参照文献:J.M.CruseおよびRobert, E. Lewis、Atlas of Immunology, CRC Press, Washington, DC (1999)、これは免疫応答および免疫系相互作用に関与する多くのレセプターを開示しており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。細胞表面レセプターはまた非限定例としては、ムスカリン様レセプター(例えばヒトM2(Gen Bankアクセッション番号#M16404);ラットM3(Gen Bankアクセッション番号#M16407);ヒトM4(Gen Bankアクセッション番号#M16405);ヒトM5(Bonnerら(1988));等);神経ニコチンアセチルコリンレセプター(例えばα2、α3、およびβ2サブタイプ);ラットα2サブユニット(Wadaら(1988));ラットα3サブユニット(Boulterら(1986));ラットα4サブユニット(Goldmanら(1987));ラットα5サブユニット(Boulterら(1990));ラットβ2サブユニット(Denerisら(1988));ラットβ3サブユニット(Denerisら(1989));ラットβ4サブユニット(Duvoisinら(1989));ラットαサブユニット、βサブユニット並びにαおよびβサブユニットの組み合わせ;GABAレセプター(例えばウシα1およびβ1サブユニット(Schofieldら(1987));ウシα2およびα3サブユニット(Levitanら(1988));γサブユニット(Pritchettら(1989));β2およびβ3サブユニット(Ymerら(1989));δサブユニット(Shivers, B.D.(1989));等);グルタマートレセプター(例えばラット脳から単離されたレセプター(Hollmannら(1989));等);アドレナリン作動性レセプター(例えばヒトβ1(Frielleら(1987));ヒトα2(Kobilkaら(1987));ハムスターβ2(Dixonら(1986));等);ドーパミンレセプター(例えばヒトD2(Stormannら(1990));ラット(Bunzowら(1988));等);NGFレセプター(例えばヒトNGFレセプター(Johnsonら(1986));等);セロトニンレセプター(例えばヒト5HT1a(Kobilkaら(1987));ラット5HT2(Juliusら(1990));ラット5HTlc(Juliusら(1988));等)などがある。
イオンチャネルには、非限定例としてはカルシウムイオンチャネル(例えばヒト神経細胞α2サブユニット(国際公開公報第89/09834号参照);ウサギ骨格筋α1サブユニット(Tanabeら(1987));ウサギ骨格筋α2サブユニット(Ellisら(1988));ウサギ骨格筋βサブユニット(Ruthら(1989));ウサギ骨格筋γサブユニット(Jayら(1990));等);カリウムイオンチャネル(例えばラット脳(BK2)(McKinnon, D.(1989));マウス脳(BK1)(Templeら(1988));等);ナトリウムイオンチャネル(例えばラット脳IおよびII(Nodaら(1986));ラット脳III(Kayanoら(1988));その他)などがある。
先で論じた細胞表面タンパク質が、本発明の細胞に対して内因性であるのが好ましいことは当業者には理解される。しかしながら、例えば細胞の表面で細胞表面タンパク質の数を補うために、細胞表面タンパク質をクローン化されたDNAから発現させることができるか、または細胞表面タンパク質をクローン化されたDNAから発現させることができるが、宿主細胞に対して異種性である細胞表面タンパク質であることもまた当業者には理解される。
シグナル伝達に関して、伝達される細胞内シグナルは、細胞外シグナル、すなわち分子または環境の変化の、細胞表面に存在するレセプターまたはイオンチャネルとの特異的相互作用により阻止される。この相互作用は、細胞内事象のカスケードを始動させ、そしてその最終結果は、遺伝子生成物の発現における急速で、そして検出可能な変化であり、そしてこれは本発明の細胞においてはレポーター遺伝子生成物である。細胞外シグナルまたはエフェクター分子は、何らかの様式で特異的に細胞表面タンパク質の活性を変化させるいずれかの化合物または物質である。このようなシグナルの実例には、非限定例としてはサイトカイン(すなわちインターフェロン)、成長因子、ホルモン、エンドルフィン、神経伝達物質、アセチルコリン、および細胞分裂誘発物質、例えばホルボールミリスチン酸アセタート(PMA)ののような、細胞表面レセプターおよびイオンチャネルに結合し、そしてこのようなレセプターおよびチャネルの活性を変調させる分子などがある。例えば、アンタゴニストは、細胞表面タンパク質の活性を遮断または低下させる細胞外シグナルであり、そしてアゴニストは、細胞表面タンパク質の活性を有効化、誘起、またはそうでなければ増強する細胞外シグナルの実例である。
本発明の細胞が担持するレセプター遺伝子構築物は、転写調節エレメント/配列に作動可能に連結されたレポーター遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子である。レポーター遺伝子の転写は、これらの配列により調節される。少なくとも1つ以上のこれらの調節配列の活性は、直接的または間接的に細胞表面タンパク質により制御される。転写調節配列には、非限定例としてはプロモーターおよびプロモーターの活性を変調するその他の制御領域、例えばエンハンサー配列並びにレプレッサーおよびアクチベーター結合部位、またはプロモーターを認識するRNAポリメラーゼの活性もしくは効率を変調する調節配列、またはエフェクター分子により認識される調節配列などがあり、細胞外シグナルと細胞表面タンパク質との相互作用により特異的に誘起されるものを含む。例えば、プロモーターの活性の変調を、プロモーター領域に結合するRNAポリメラーゼを変化させることにより、あるいは、転写の開始もしくはmRNAの伸長に干渉することにより生じさせることができる。本明細書ではこのような配列を転写調節エレメントまたは配列と称する。加えて、構築物は、得られたmRNAの翻訳を変化させ、それにより発現されるレポーター遺伝子生成物の量を変化させるヌクレオチドの配列を含むことができる。
細胞表面タンパク質の活性により制御または媒介されるプロモーターは、細胞が、特定の細胞外シグナルに暴露されたときに、その作用が細胞外シグナルにより影響を受ける細胞表面タンパク質の存在のために、その活性が変化するプロモーターである。例えば、c−fosプロモーターは、特定の細胞外シグナル、例えば成長ホルモンと細胞表面タンパク質、例えば成長ホルモンレセプターとの特異的相互作用で特異的に活性化される。特に、細胞表面タンパク質によるこのようなプロモーターの制御は間接的であるが、細胞表面タンパク質の細胞外シグナルとの相互作用後数分で生じる。本明細書で用いる、作動可能な連結とは、転写調節エレメント、すなわちプロモーターが結合RNAポリメラーゼを結合し、そしてヌクレオチドコード化配列の転写を開始するその活性のために適切に位置する転写調節エレメントのヌクレオチドコード化配列への連結を意味する。したがって、プロモーターと作動可能に連結されたヌクレオチドコード化配列は、転写の方向に関してプロモーターから下流にあり、転写開始部位に関して正確な読み枠内にあり、そして転写の伸長がヌクレオチドコード化配列を介して進行するように挿入される。
その発現が迅速に、概して細胞表面タンパク質と細胞表面タンパク質の活性を変調するエフェクタータンパク質との接触後数分以内に誘起される、遺伝子の転写制御領域から適切な転写調節エレメントを得るまたは誘導することができる。このような遺伝子の実例には、非限定例としては前初期遺伝子(Shengら(1990))、例えばc−fosなどがある。前初期遺伝子は、リガンドの細胞表面タンパク質への結合時に迅速に誘起される遺伝子である。レポーター遺伝子構築物での使用に好ましい転写調節エレメントには、前初期遺伝子に由来する転写調節エレメント、前初期遺伝子のいくつかもしくはすべての特徴を呈するその他の遺伝子から誘導されるエレメント、またはそれと作動可能に連結された遺伝子がこのような特徴を呈するように構築された合成エレメントなどがある。それから転写調節エレメントが誘導される好ましい遺伝子の特徴には、非限定例としては静止細胞における低量のまたは検出不能な発現、細胞外刺激後数分以内の転写レベルでの迅速な誘起、新たなタンパク質合成の一過性および独立した誘起、続く転写の遮断が新たなタンパク質合成を必要とする、並びにこれらの遺伝子から転写されるmRNAの半減期が短いなどがある。これらの特性のすべてが存在する必要はない。
適切なプロモーターおよび転写調節エレメントには、非限定例としては血管活性腸管ペプチド(VIP)遺伝子プロモーター(cAMP応答性;Finkら(1988));ソマトスタチン遺伝子プロモーター(cAMP応答性;Montiminyら(1986));プロペンケファリンプロモーター(cAMP応答性;ニコチンアゴニスト、およびホルボールエステル;Combら(1986));ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子プロモーター(cAMP応答性;Shortら(1986));NGFI−A遺伝子プロモーター(NGF、cAMP、および血清応答性;Changelianら(1989));c−fos遺伝子から得られたまたは誘導された転写調節エレメント;並びに当業者により既知であるか、または調製され得るその他ものなどがある。
c−fosプロトオンコジーンは、FBJ骨肉種ウイルスの形質転換遺伝子の細胞性相同体である。これは正常な細胞成長および分化に関与している可能性が最も高い核タンパク質をコードする。c−fosの転写は一過性であり、成長因子により、並びにホルモン、分化特異的物質、ストレス、マイトジェン、およびその他の既知の細胞表面タンパク質のインデューサーなどのその他の細胞表面タンパク質のインデューサーにより急速に活性化される。活性化は、タンパク質合成非依存的である。c−fos制御エレメントは、転写の開始に必要なTATAボックス、基本転写のための2個の上流エレメント、並びに対称な2つの部分を有するエレメントを含み、そしてTPA、血清、EGF、およびPMAによる誘導に必要なエンハンサーを含む。c−fos mRNAキャップ部位から上流の、−317および−298の間に位置する20bpの転写エンハンサーエレメントは、血清飢餓NIH 3T3細胞における血清誘導に必須である。2個の上流のエレメントのうちの1つは−63から−57に位置し、そしてcAMP制御のためのコンセンサス配列に類似している。
特にI型および/またはII型インターフェロンが細胞外シグナルである場合の本発明の好ましい態様に関連するので、転写調節エレメントは、インターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)および/またはガンマ活性化配列(GAS)であるのが好ましい。I型インターフェロンに応答する異なるヒト遺伝子から特徴付けされた多くのISREがあり、そしてISRE に関してSTAT1/STAT2/IRF9複合体が結合するコンセンサス配列、ggraaagwGAAActg(配列番号6;大文字はコア配列を示し;下線は高度な保存を示す)が同定された(Levyら(1988))。好ましいISREは、ヒトISG15遺伝子に由来し、そしてヌクレオチド41−55がコンセンサスISRE配列に相当する配列番号5として示される。ISREはまた種間で高度に保存されている。例えばインターフェロン誘導ニワトリMx遺伝子のプロモーター領域に存在する配列は(Schumacherら(1994))霊長類において見出されたものに類似しており、そしてげっ歯類およびウシを含む哺乳動物インターフェロン応答性遺伝子のISREコンセンサス配列と一致する(Perryら(1999)の図2参照)。
II型インターフェロンに応答する遺伝子においてSTAT1ホモ二量体が結合するGASに関して、多くの選択された結合配列からコンセンサス配列、nnnsanttccgGGAAntgnsn(配列番号7;大文字はコア配列を示し;下線は高度な保存を示す)が同定された(Horvathら(1995))。
I型インターフェロン(本明細書に後記で提示する実施例参照)および/またはII型インターフェロンが細胞外シグナルである本発明の実施態様では、転写調節エレメントの好ましい組み合わせは、ISREおよび/またはGASがレポーター遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたSV40最小プロモーターを調節するインターフェロン応答性キメラプロモーターである。
そのレベルが細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子の存在および/またはレベルの測定値であるレポーター遺伝子生成物は、容易に検出できる限りRNAまたはタンパク質であってもよい。例えば、ホタルルシフェラーゼ、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、およびクラゲエクオリンは、本発明にしたがって用いられるレポーター遺伝子生成物の最も好ましい態様である。ホタルルシフェラーゼ酵素(deWetら(1987))およびクラゲエクオリン(Riderら(2003))の場合、その酵素活性の結果である光が検出され、そしてルミノメーターを用いて測定されるが、EGFPの場合、蛍光活性化細胞ソーターまたは分析器(FACS)を適切な波長で用いて、細胞において発現されたEGFPの量を検出および定量することがきる。細胞のサンプルにおいて発現されたルシフェラーゼ、エクオリン、またはEGFPの量の分布曲線は細胞が、暴露されるリガンドの量(規定の範囲内)により決定される。その他の適切なレポーター遺伝子生成物の非限定例としては、dsRED、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)(Altonら(1979))その他の酵素検出系、例えばβ−ガラクトシダーゼ、細菌性ルシフェラーゼ(Engebrechtら(1984))およびBaldwinら(1984))、アルカリ性ホスファターゼ(Tohら(1989)およびHallら(1983))、および細菌性またはヒト化β−ラクタマーゼ(Zlokarnikら(1998))などがある。
更に使用するために増殖できない1回使用細胞である本発明の細胞を提供するために、凍結温度を越える温度では、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず、その後シグナル伝達活性を喪失するような方法でレポーター遺伝子構築物で形質転換した細胞を処理する。したがって、約30日以内にシグナル伝達活性を喪失するレポーター遺伝子構築物で形質転換された細胞を調製するための方法である本発明の1つの態様によれば、細胞外シグナルに応答して細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される1つ以上の転写調節エレメントに作動可能に連結されたレポーター遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含有するレポーター遺伝子構築物で細胞を形質転換する。次いで凍結温度を越える温度では細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも1時間維持するが約30日を超えず、その後この作用を喪失するように形質転換された細胞を処理する。
本発明の1つの好ましい実施態様は、照射後、照射された細胞が、凍結温度を越える温度では細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも約7日間維持するが、約30日を超えず、その期間の後、照射された細胞は即座に細胞死を起こす(すなわちアポトーシス)ような強度および十分な時間、γ線で照射することにより形質転換された細胞を処理する。
高用量でのγ線照射は、細胞にそのシグナル伝達活性を喪失させることが既知である。幾分低い用量での照射は、細胞に複製を停止させ、そして細胞死を被らせる。本発明者は現在、複製を阻止するが、細胞死を起こす前の期間は、細胞がそのシグナル伝達活性を依然維持することを可能にする用量を決定することが可能であることを見出した。例えば、約9グレイのγ線照射により細胞が、14日間シグナル伝達活性を保持することが可能になるが、その後細胞は細胞死を起こす。しかしながら、これらの14日間は例えば、検定されるI型インターフェロンに応答するシグナル伝達活性は、非照射対照と同様に機能する。これは本明細書後記の実施例において提示するI型インターフェロンに対するルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイを用いる実験で示されている。したがって、細胞をγ線で照射することにより、本発明は、14日間の寿命を有するが、約14日の期間の後に不活性になり(細胞死を起こす)、そして末端使用者が維持し、そして繁殖させることができない、処理された細胞を提供する。
本発明の照射の実施態様にしたがって、形質転換された細胞が処理されるγ線の用量(強度および期間)は、約6〜12グレイ(Gy)であるのが好ましい。本明細書後記で提示する実施例の実験により実証されるように、細胞が、保持または貯蔵される凍結温度を超える温度が細胞の寿命に影響する。好ましくは、この温度は、室温であり、これはインターフェロン最大感受性を維持するが、本発明の商業用の1回使用細胞の貯蔵および輸送の簡略化に備えているので有利である。
本発明の第2の好ましい実施態様は、作用物質での処理後、処理された細胞が、凍結温度を越える温度では細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず、その期間の後、処理された細胞は即座に細胞死を起こすように、形質転換された細胞を抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤、例えばビンブラスチン、5−フルオロウラシル(5−Fu)、またはシスプラスチンで十分な量および十分な時間で処理する。抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤は、処理された細胞が分裂を開始するとき、処理された細胞に影響を与え、それによりアポトーシスが誘導され、そして細胞を死滅させる。したがって、抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤で処理した細胞、例えば本明細書後記の実施例で例示するルシフェラーザレポーター遺伝子構築物で形質転換されたヒト前単球細胞は、約24時間の寿命を有し、その間にシグナル伝達アッセイを実施することができ、そしてその期間の後、細胞が死亡する。24時間しか寿命を有さない細胞は、商業用という観点から望ましくないことが理解される。寿命を延長させるために、処理された細胞を即座に凍結し、その状態では、凍結および解凍の様式に依存して寿命はより長くなる。しかしながら一度解凍すると、これを24時間以内に使用しなければならず、その後これは細胞死(すなわちアポトーシス)を起こす。
細胞の凍結保存には、細胞を−80℃または約−200℃の液体窒素温度に到達するまで分あたり1℃の率で凍結する特別な凍結および解凍過程(および装置)が必要とされ、ここでは細胞を無期限に保存でき、そしてその後非常に急速に解凍しなければならないということが一般通例であることを理解すべきである。細胞の保護を助けるために、ジメチルスルホキシド(DMSO)または別の凍結保存剤もまたしばしば用いられる。細胞を抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤で処理する場合、この扱いにくい凍結保存技術で無制限の期間細胞を凍結することができ、そして次に目的、例えばシグナル伝達活性に対する遺伝子レポーターアッセイのために、解凍後24時間使用することができる。しかしながら、これは製造/加工費用が大いに上昇するので、あまり商業用に貴重な技術ではないと考えられる。
ほとんどの研究室では、−200℃の貯蔵設備、または−80℃の貯蔵設備さえも有していないので、細胞の凍結を−20℃で行うことを可能にするのは有用である。しかしながら、細胞を−20℃で凍結し、そして次に解凍する場合、細胞生存性がよくないことは既知である。本発明に至る実験の経過で、本発明者は、何ら特別な凍結もしくは解凍技術または設備を用いずに、−20℃で凍結したときでさえ、DMSOが細胞を保護することを予想外に見出した。既知の凍結保存化合物であるグリセロールは−20℃で細胞を保護するが、凍結保存に従来のグリセロールの高パーセンテージ(50%)でタンパク質リガンドが表面レセプターと相互作用するのを防御する可能性がある。しかしながら、低パーセンテージ(従来の50%よりもかなり少ない)のグリセロールを用いることができる。DMSOは、この不都合を有していない。DMSOが何ら特別な凍結もしくは解凍技術または設備を必要とせず、そして本明細書後記の実施例にて実証されるように(図11参照)、IFNに対するその感受性に不利に影響することなく、−20℃での細胞凍結を保護するというのが本発明の発見である。したがって、更にDMSOで処理すれば、抗有糸分裂およびプレアポトーシス剤で処理した後、−20℃の標準的なフリーザー温度でさえ細胞は長い寿命を達成することができ、そして一度解凍されるとこのような細胞は、すなわちシグナル伝達アッセイで、抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤で処理した結果としてそれがアポトーシスを被るまでおよそ24時間活性を維持するということが本発明の別の驚くべき発明の態様である。静止期の間および処理された細胞が、死亡し始める時間まで、細胞は生物学的活性を維持すると予測されるので、アポトーシスを誘起することにより複製の過程の間に細胞を死滅させる抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤、例えばビンブラスチン、5−FUおよびシスプラチンをこの目的で用いることができる。
したがって、本発明の第2の好ましい実施態様にしたがって、解凍後にシグナル伝達を再開するような温度および条件下で処理された形質転換された細胞を凍結する。細胞は、好ましくは−20℃と−200℃との間の温度で、更に好ましくは−80℃で凍結し、そして続いてほとんどすべての研究室で、一般に利用可能なフリーザー温度である−20℃で保存するが、細胞の凍結保存に適したその他の温度、例えば約−200℃の液体窒素温度は本発明に包含されると解釈される。細胞を凍結する前に、処理された形質転換された細胞を、凍結保存剤を含有する溶液中に再懸濁するのが更に好ましい。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、好ましい凍結保存剤であるが、解凍後の細胞の使用に干渉しない限り、水に対して高い結合親和性を有するその他の適切な凍結保存剤、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、プロパンジオール、およびホルムアミドを用いることができる。DMSOを単独で凍結保存剤として用いる場合、DMSOを含有する溶液は約10% DMSOを含有するのが好ましい。更に好ましくは、凍結保存剤として2.5% DMSOを10% グリセロールと組み合わせて用いる。
本発明の別の態様は、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中のレベルを決定するためのアッセイキットに関する。このアッセイキットは、複数の本発明の細胞(試薬として)および複数のウェルを有する試験装置を含む。好ましくは、試験装置は、マルチウェルマイクロタイタープレートであるが、サンプル中の分子のレベルを決定するためにアッセイを行うことができる複数のウェルを有するいかなる型の容器、例えばペトリ皿であってもよい。アッセイキットの構成要素または試薬として細胞が、試験装置のウェルに配置されているのが好ましいが、このような細胞は、代わりに末端使用者によりアッセイを行う直前に試験装置のウェルに分注されてもよいことは理解される。更に、キットは、サンプル中のシグナル伝達活性を活性化する分子のレベルを決定するための、意図されたアッセイを行うためのキットを用いるための指示書のセットを含むことができる。
本発明は、更にアッセイに含まれる標準物質を参照して、細胞表面タンパク質、好ましくは細胞表面レセプターのシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定するためのアッセイ方法を提供する。このアッセイ方法は、本発明の細胞を使用し、そしてその最初の工程または複数の工程として本発明によりこのような細胞を調製する方法を含むことができる。調製された細胞を本発明の好ましい実施態様にしたがって凍結する場合、次に、細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子の存在および/またはレベルを決定すべきと考えられるサンプルと細胞とのインキュベーションに進む前に細胞を解凍しなければならない。細胞をγ線で照射する1つの好ましい実施態様では、細胞を使用まで室温で維持および保存するのが好ましい。細胞は、凍結されていないので、解凍工程は不要である。インキュベーションの後、サンプル中の、調製された細胞が、担持するレポーター遺伝子構築物でコードされるレポーター遺伝子生成物の発現のレベルを決定する。本発明の方法により決定されるこの発現レベルを用いて、次に細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在を定性的に決定する、および/またはレベルを定量的に決定する。
I型インターフェロンに対する遺伝子レポーターアッセイは、本発明の最も好ましい実施態様である。レポーター遺伝子生成物は、ホタルルシフェラーゼ、クラゲエクオリン、または強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)であるのが好ましく、そしてISG15およびSV40プロモーターに由来するISREを含有するインターフェロン感受性キメラプロモーターの調節下にあるのが好ましい。このようなレポーター遺伝子構築物の実例を図1および2に示す。図1は、ISRE−lucベクターのルシフェラーゼ遺伝子レポーター構築物の略図であり(配列番号1)、ここでISG15に由来するISRE(配列番号5)は、配列番号1のヌクレオチド38−97に位置し、SV40最小プロモーターは、配列番号1のヌクレオチド103−288に位置し、そして配列番号2のアミノ酸配列を有するルシフェラーゼレポーター遺伝子のコード化配列は、配列番号1のヌクレオチド328−1980に位置する。同様に、図2は、ISRE−EGFPベクターのEGFP遺伝子レポーター構築物の略図であり(配列番号3)、ここでISG15に由来するISREは、配列番号3のヌクレオチド30−89に位置し、SV40最小プロモーターは、配列番号3のヌクレオチド95−290に位置し、そして配列番号4のアミノ酸配列を有するEGFPレポーター遺伝子のコード化配列は配列番号3のヌクレオチド358−1077に位置する。
本発明のI型インターフェロン実施態様に対する好ましい遺伝子レポーターアッセイで用いる細胞に関しては、細胞は、好ましくは哺乳動物または鳥類細胞、更に好ましくはヒト細胞、そして最も好ましくはヒト前単球細胞である。ルシフェラーゼ遺伝子レポーター構築物を含有するISRE−lucベクターを担持する好ましいヒト前単球細胞は、PIL5細胞である。アッセイの目的のための十分な寿命、および更に使用できるように増殖させることができない1回使用用であるという、商業用に所望の特性を有する商業用の細胞系を作製するために細胞を処理する。好ましくは、1)6〜12Gy、更に好ましくは約9Gyのγ放射性で照射し、そして照射後14日まで室温で保存するか、または2)抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤、例えばビンブラスチン、または5−フルオロウラシル、最も好ましくはビンブラスチンに37℃で10分間暴露し、その後40% ウシ胎児血清(FBS)および2.5% DMSO+10% グリセロールを含有する溶液に再懸濁し、そして−80℃で凍結する、のいずれかで細胞を処理する。
凍結保存中に無期限の寿命を有するが、解凍後およそ24時間で死亡する細胞を得る方法を最適化するために(しかしながら一度解凍すると、生成物は卓越した感受性、および精度、並びに選択性を有する)、このような最適化の経過において変動し得るパラメーターには:
1)FBSの濃度。例えば解凍中または抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤での処理の間、細胞を毒素から保護するための毒素吸収系として作用するので、FBSに加えて、大抵いずれの血清を用いることもできる。FBSの濃度が結果を変動させる可能性がある;
2)時間は可変である。細胞を遠心し、そして洗浄してビンブラスチンを除去する前のビンブラスチンへの暴露時間;
3)ビンブラスチンの処方は差異を生み出す。現在、Eli LllyによりVelbeのいう名称でフランスにおいて専売されている予め緩衝化された処方の可溶性ビンブラスチンを用いるのが好ましい。異なる処方は、わずかに異なるパラメーターの組み合わせが必要かもしれない;
4)ビンブラスチンの濃度;
5)ビンブラスチン処理の間の細胞濃度;
6)凍結保存剤の量または凍結保存剤の組み合わせ;
などがある。
これらのパラメーターのすべてを経験的に変動させることができ、そして凍結後に感受性および精度に関して試験した結果、解凍した後およそ24時間細胞が、生存し続けると想定される。特にPIL5細胞に関して図11〜24で示す実験で提供されるガイダンスを特に鑑みて、解凍後少なくとも1時間、好ましくは8時間の間、未処理の生存細胞と実質的に同一の感受異性を有するが、30日を越える生存性を有さない生成物に到達するために、過度な実験を行なうことなく、当業者が容易にこれを決定することができる。
本発明の最も好ましい実施態様を、アッセイを行う目的で−20℃での凍結保存およびその後の解凍に先立って、抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤である1μg/ml ビンブラスチンで37℃で10分間処理したPIL5細胞を用いるI型インターフェロンに対するルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイを実施するための手順の形態で以下に例示する。
処理されたPIL5細胞を用いるI型インターフェロンに対するルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイのプロトコール
マイクロタイターアッセイプレートの調製
1.10% ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI 1640培地中約2×10〜7×10セル/mlの濃度でPIL5細胞を水中1mg/mlから希釈した1μg/ml ビンブラスチン(Eli Lllyより予め緩衝化された処方VELBEとして市販)の新鮮溶液で37℃で10分間、空気中5% COの環境下で処理する。便宜的にCOインキュベーターを使用することができる。
2.PIL5細胞を800×gで、4℃で10分間遠心し、そして同一容量の10% FBS含有RPMI 1640培地で1回洗浄してビンブラスチンを除去する。
3.PIL5細胞を2×10セル/mlの濃度で40% ウシ胎児血清(FBS)および2.5% ジメチルスルホキシド+10% グリセロール含有RPMI 1640培地に再懸濁する。
4.細胞懸濁液を平底マイクロタイタープレートのウェルに分注してウェルあたり300,000セルにする(ウェルあたり細胞懸濁液25μlに等価)。
5.マイクロプレートを−80℃で凍結し、真空下、最上部カバーを用いてシールした。
6.続いてマイクロプレートを用時まで−20℃で保存することができる。
凍結保存アンプル/バイアルの調製
1.10% ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI 1640培地中PIL5細胞を約2×10〜7×10セル/mlの濃度で水中1mg/mlから希釈した1μg/ml ビンブラスチン(Eli Lllyより予め緩衝化された処方VELBEとして市販)の新鮮溶液で37℃で10分間、空気中5% COの環境下で処理する。便宜的にCOインキュベーターを使用することができる。
2.PIL5細胞を80×gで、4℃で10分間遠心し、そして同一容量の10% FBS含有RPMI 1640培地で1回洗浄してビンブラスチンを除去する。
3.PIL5細胞を2×10セル/mlの濃度で40% ウシ胎児血清(FBS)および2.5% ジメチルスルホキシド+10% グリセロール含有RPMI 1640培地に再懸濁する。
4.細胞懸濁液(1ml)を凍結保存バイアルに分注して−80%で凍結する。
5.続いて凍結保存バイアルを用時まで−20℃で保存することができる。
後記するアッセイ手順は、上記のように調製したマイクロタイターアッセイプレートの使用に向けられる。しかしながら末端使用者が予め分注されたアリコートとしてマイクロタイタープレートの代わりに凍結保存バイアル中の処理されたPIL5細胞を得ることを選択する場合、末端使用者は、10% FBS含有RPMI 1640で1:6に細胞を希釈した後に、処理されたPIL5細胞75μlを末端使用者が選択したマイクロタイタープレートの各ウェルに、またはその他のいくつかの容器、すなわちエッペンドルフ遠心管に分注することができ、そして以下に記載したものに類似の様式でアッセイを行う。
アッセイ手順
標準曲線の調製
1.サンプル調製物マイクロプレート(プレートA)から保護カバーを取り除く。
2.希釈物(血清不含RPMI 1640)100μlをサンプル調製物プレート(プレートA)のウェルA1〜A6およびB1〜B6に加える。
3.インターフェロン(IFN)参照調製物100μlを希釈物100μlの入ったプレートAのウェルのA1およびB1に加える。
4.マルチチャネルマイクロピペットを用いて、プレートAのウェルA1およびB1〜A6およびB6でIFN参照調製物の連続2倍希釈を行う。
サンプル調製
1.必要な場合、サンプル調製物プレート(プレートA)のウェルに希釈物100μlを加える。
2.サンプルの推定されるIFN力価が100 IU/ml以上である場合、希釈サンプルを試験すべきである。
3.サンプル調製物マイクロプレート(プレートA)のサンプルを適切に希釈する
アッセイ手順
1.最上部カバーを有する平らな表面で96ウェルPIL5アッセイマイクロプレート(プレートB)を急速に解凍する。便宜的に37℃の水浴設定を用いることができる。
2.最上部ラベルをそのままにするように注意して、保護カバーをハンドタオルペーパーで乾燥する。
3.PIL5アッセイマイクロプレート(プレートB)から保護カバーを注意深く取り外すが、最上部カバーはそのままにする。
4.マルチチャネルマイクロピペットを用いて、参照調製物の連続2倍希釈の各75μlをPIL5アッセイマイクロプレート(プレートB)のウェルA1およびB1からA6およびB6に加える。
5.希釈していない、または適切に希釈したサンプル各75μlをPILアッセイマイクロプレート(プレートA)に加える。
6.PIL5アッセイマイクロプレート(プレートB)を37℃で一晩、空気中5% COの環境下でインキュベートする。便宜的にCOインキュベーターを使用することができる。
7.マルチチャネルマイクロピペットを用いて、LUCIT PLUS(Packard Biosciences,Inc.、現在は、PerkinElmer Life Sciences,Boston,マサチューセッツ州に統合されている、カタログ番号#6016961)100μlをPIL5アッセイマイクロプレート(プレートB)の各ウェルに加える。
8.マイクロプレート・ルミノメーター(LUMICOUNT,Packard)を用いてサンプルの発光を測定する。
国際単位の計算
1.マイクロソフト(登録商標)・エクセルを用いてHuIFN−α(G−023−901−527)のNIH国際標準品IFN参照調製物の各希釈物に対する発光の読みの平均から標準曲線をプロットする。
2.標準曲線を表す方程式は、エクセル関数「曲線の補間」を用い、オプション「指数曲線」を用いて得られる。次いでこの方程式を用いて国際単位(IU)で表される各サンプルのIFN力価を計算する。
本発明は、シグナル伝達アッセイのために操作されたいかなる細胞、例えば米国特許第5,436,128号および第5,401,629号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる)に記載されるものを商品化することに向けられているが、I型インターフェロンのための遺伝子レポーターアッセイおよびこのようなアッセイで用いられる細胞の最も好ましい実施態様のために特定のおよび重要な有用性がある。例えばインターフェロン遺伝子レポーターアッセイの細胞をウイルス感染のための代理マーカーとして提供することができる。循環インターフェロンがウイルス感染の指標であることが既知であるが、循環インターフェロンは、通常細菌感染を有するヒトでは現れない。このように、ヒトが感染を有していると疑われ、そして処理が有効におよび特異的にウイルスまたは細菌感染のいずれかを標的化することができるので、感染がウイルス性または細菌性かどうかを決定したい場合、このインターフェロン遺伝子レポーターアッセイが非常に有用である。HIVの患者では、循環インターフェロンレベルが無症状期の終わりにつれて検出可能になることは既知である。したがって、疾患の進行の指標をモニター観察するインターフェロンがもう1つの有用性である。
インターフェロン遺伝子レポーターアッセイの細胞をバイオテロリズムにより引き起こされるウイルス感染を感染の可能性がある集団において検出するための代理マーカーとして用いることもできる。感染の可能性がある集団でランダム血液サンプルを採取する場合、この単純な遺伝子レポーターアッセイにより比較的早く、そして費用がかからずに、起こり得るバイオテロリズム攻撃の徴候である偏在するウイルス感染を決定することが可能になる。
更に、動物がウイルスに感染しているかを決定するために、例えばラットの腺ペスト、鳥(すなわちカラス)の西ナイルウイルス、ネコの手足口病等を検出するために、ISREの調節下でレポーター遺伝子を有するラット細胞系、ウシ細胞系、鳥類細胞系等を作製することができる。ヒトにおける西ナイルウイルスの存在を大抵のその他のウイルス感染から容易に区別することができるが、それはヒトにおいてI型インターフェロンの力価を数万または数十万単位まで容易に到達させる極わずかのウイルス感染のうちの1つだからである。
もう1つの有用性は、どれくらいの量のインターフェロンが実際に血流(すなわち舌下投与から)に入るかを知り、そしてインターフェロンの投与が自己投与である場合には、患者のコンプライアンスを決定するために、患者におけるインターフェロン治療をモニター観察することである。
別の有用性としては、細胞およびインターフェロンレポーターアッセイを用いて、末梢循環中の、もしくは別の体液、例えばRAの場合は滑液中のインターフェロンの存在により特徴付けられる自己免疫疾患、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)、I型糖尿病、多発性硬化症、乾癬、もしくはリウマチ性関節炎(RA)を検出する、または自己免疫疾患の段階を決定することができる。これらの疾患はしばしば、悪化および寛解の段階を有し、これは悪化相の直前に疾患組織内で循環インターフェロンの増加を伴って現れる。したがって、患者が悪化段階に入ろうとし、そして悪化段階を防御または改善する処理の機会を提供することができるときを、このアッセイを用いて検出することができる。
本インターフェロンレポーターアッセイは、I型インターフェロンレセプターに結合するいずれのI型インターフェロンをも認識する。しかしながら、パラレルモノクローナル抗体処理を用いることによりインターフェロンの(複数の)どのアイソタイプが検出されるかを決定することが可能である。したがって、インターフェロンの特定のアイソタイプのモノクローナル抗体は、そのインターフェロンのアイソタイプがシグナル伝達を引き起こすのを防御する。抗体の存在でシグナルが消失する場合、次いで検出される特定のインターフェロンが、その抗体が特異的であるアイソタイプであることが解る。インターフェロンの様々なアイソタイプに対する標準活性曲線は、いかなる規定のレポーター細胞系において、例えば図3で示すPIL5細胞系に関して異なる。このような標準活性曲線を規定のレポーター細胞系の各型のインターフェロンに対して作製することができる。一度インターフェロンのアイソタイプが検出されたことが解ると、このような標準曲線を用いて、サンプル中に存在するインターフェロンのレベルを正確に定量することができる。
最終的に、本発明は、概して所望の生物学的活性を有する細胞を商品化するための方法
提供する。この商品化方法は、凍結温度以上で30日を越えずに細胞が、所望の生物学的活性を維持するように細胞を処理すること、そして次に処理された細胞を、解凍後に必要とされる生物学的活性を再開するような温度および条件下で凍結することに関係する。限定された時間利用可能であるが、多重使用のために増殖および無期限に維持することはできない凍結されて処理された細胞は、続いて販売されるかまたは分注される。処理された細胞が、凍結温度を越える温度で所望の生物学的活性を少なくとも8時間維持するが約30日を越えないような十分な量および十分な時間細胞を抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤で処理するのが好ましい。細胞が凍結する温度が約−80℃であり、そして凍結に先立って、細胞を、凍結保存剤、好ましくは2.5% DMSO+10% グリセロールを含有する40% FBS含有RPMI 1640培地に再懸濁するのが好ましい。
ここで本発明を一般的に記載してきたが、説明のために提供され、そして本発明の限定を意図するものではない以下の実施例を参照することにより同一物が更に容易に理解される。
本発明者は、IFN応答性キメラプロモーターの調節下に置かれたルシフェラーゼレポーター遺伝子でトランスフェクトされたヒト細胞系の確立に基づいて、IFN活性を同定するための高度に鋭敏で、そして再現性のある方法を開発することにより、インターフェロンを定量する現行の方法の不利な点を打破した。本発明のこの方法により、バイオアッセイに必要な3〜4日ではなく、数時間内でIFN活性を決定することが可能になる。簡潔に言うと、ISG15遺伝子調節SV40最小プロモーターに由来するインターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を5849bpのISRE−lucベクターのルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流にクローン化した(図1;配列番号1)。あるいは、ISG15遺伝子調節SV40最小プロモーターに由来するISREを4412 bpのISRE− EGFPベクターの強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP−1)レポーター遺伝子の上流にクローン化した(図2;配列番号3)。ヒト前単球U937細胞をIFN制御遺伝子レポーター構築物でトランスフェクトし、そして安定したトランスフェクト体を単離し、そしてクローン化した。このようにIFN応答性キメラプロモーターの調節下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を担持するヒト細胞系PIL5を確立し、そしてIFN活性を標準的な抗ウイルスバイオアッセイ(Lallemandら(1996))よりもより迅速に、そしてより正確に決定することを可能にするアッセイの基礎を提供する。表1は標準的な抗ウイルスバイオアッセイを超える、PIL5細胞を用いるインターフェロンに対するルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイの利点を表し、そして表2はPIL5細胞を用いるインターフェロンに対するルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイと、標準的な抗ウイルスバイオアッセイとの間の、種々ウイルスによる感染の結果として生成されたインターフェロンに対する感受性に関しての比較を提示する。
Figure 2006507817
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PIL5細胞を用いる遺伝子レポーターアッセイは、高度に鋭敏であり(通常1.0 IU/ml未満のIFNαまたはIFNβを検出することができる)、再現性があり(標準誤差+/−10%)、そして広範囲の濃度にわたって(0.1〜100 IU/ml)IFN活性を検出することができる。方法はまた高度に特異的であり、そして例えば、従来の抗ウイルスバイオアッセイを用いることができない高レベルのIFNγの存在下で低レベルのI型IFN(IFNαまたはIFNβ)さえ検出することができる。方法は、低希釈では従来の抗ウイルスバイオアッセイほどに非特異的干渉に付されないので、生物学的液体、例えばヒト血清、脳脊髄液、または尿中のIFN活性の決定に理想的に適している。ヒト血清およびその他の生物学的液体はしばしば、低希釈でウイルス複製に影響して擬陽性を生じ得るIFNに無関係のウイルス複製の非特異的インヒビターを含有する。
PIL5遺伝子レポーターIFNアッセイは、I型インターフェロンレセプターに結合するいずれのI型インターフェロンも認識する。これはまた個々のIFNαサブタイプに特徴的な用量応答(標準)曲線における差異を検出する能力により、あるIFNαサブタイプと別のタイプとを区別する手段をも提供する。これは異なるウイルス感染間の区別にかなり貴重である。パラミクソウイルス、例えばセンダイは、主のIFNα1、IFNα2、およびIFNβを誘導するが、レンチウイルス、例えばHIV−1は、主にIFNα5を誘導する(Lallemandら(1996))。インターフェロンの種々のアイソタイプの各々異なる量の存在下でのPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性の標準曲線を図3に提示する。
したがって、ウイルス感染した個体からの非常に多くの臨床サンプルを分析するために実験的に用いられている生物学的液体中のIFNレベルを決定するための方法が開発されている。方法は迅速で、費用がかからず、着実であり、専門化または設備を必要とせず、そして容易に自動化される。しかしながら、厳しく限定された寿命および、それにより更なるキットを購入する必要性を失くす、顧客がPIL5細胞系を保持し、そして培養する能力のために、PIL5遺伝子レポーターアッセイは現行様式での商品化が限定される生存細胞の使用に基づく。キットの形式で商品化し易い修飾された形態のPIL5遺伝子レポーターアッセイを開発するために後記で提示する実験を行ない、ここで市販のアッセイの一部として十分長い寿命を有し、そしてその有用な寿命の終わりに、またはPIL5遺伝子レポーターアッセイにおけるその使用の終わりにすぐに処理されたPIL5細胞が、例えばアポトーシスにより細胞死を起こすようにPIL5細胞を処理する。後記のように適用された実験的アプローチは、γ線の分割照射の使用または、機能的なIFNシグナル伝達経路を保持しながら、細胞増殖を防御するため、および遅延した細胞死(すなわちアポトーシス)を誘起するための抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤の使用に基づく。
IFN感受性に及ぼすγ線照射の影響
PIL5細胞を漸増量のγ線照射(0.32〜25Gy)に付し、そして次に、その後種々の時間でI型インターフェロンの漸増量を検出するその能力に関して試験した。予備実験の結果により、0.32〜12Gyまでのγ線照射の4日後まで37℃でインキュベーションした場合、PIL5細胞は完全なIFN活性を保持し(図4)、そして6〜25 Gyまでのγ線照射に暴露された細胞集団の100%でアポトーシスが誘起される(図3)ことが示された。したがって、これらの結果により適用された実験アプローチが確認され、そして細胞を6〜12Gyの範囲内のγ線分割照射に暴露することによりPIL5遺伝子レポーターアッセイの可能性のある寿命が4日を越えて有意に延長されるが、細胞集団の100%(または6Gyでほぼ100%)アポトーシスが誘起されることが示唆された(図5および表3)。
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IFN感受性に及ぼす温度の影響
PIL5細胞を実際に、6Gyのγ線照射に暴露後、10% ウシ胎児血清含有RPMI 1640培地中、室温で13日まで保存でき、そして依然完全なIFN感受性を保持することが一連の実験の結果により確立された(図6)。ルシフェラーゼ活性を検定する前に、PIL5細胞を続いて被験サンプルまたはIFN標準物質と共に37℃でインキュベートすることが条件である。対照的に、10% ウシ胎児血清含有RPMI 1640培地中4℃でPIL5細胞をインキュベートし、続いて細胞を6Gyのγ線照射に暴露することにより細胞死を誘起したことが予想外に見出された。これは4℃で8日間だけインキュベートした後に、IFN感受性の著明な喪失を招いた(図7)。
IFN感受性に及ぼす血清濃度の影響
更なる一連の実験では、そのシグナリングがγ線照射によるアポトーシスの誘起に対抗することが既知である血清成長因子への細胞の暴露を変調させるために培養培地の血清含量を1〜10%の間で変動させた。これらの実験の結果により、PIL5細胞を1% ウシ胎児血清(図8でFBSとして示す)含有培養培地中でインキュベートする場合、10% 血清含有培養培地中よりもPIL5細胞におけるアポトーシスの誘起が更に迅速であることが示された(図8)。更に、10〜20%までの血清濃度の上昇は細胞生存性には有意に影響しなかった。
IFN感受性に及ぼす細胞濃度の影響
このPIL5 IFN遺伝子レポーターアッセイの感受性は、単純にアッセイに用いるPIL5細胞数を増やすことにより有意に上昇させることができると予測された。このようなPIL5遺伝子レポーターアッセイの超高感度(SHS)版には、生物学的液体、例えば脳脊髄液中の非常に低レベルのIFNを決定するための広範な適用が見出される。したがって、10% ウシ胎児血清含有培養培地中室温で、0.1〜1.0×10セル/mlの濃度でPIL5細胞をインキュベートした後、6Gyのγ線照射に暴露し、そして次に、その後種々の時間でIFNαの漸増量を検出するその能力に関して試験した。これらの実験の結果により、インターフェロン感受性は実際に最初は増加したが、高細胞密度でのPIL5細胞のインキュベーションにより、0.1×10セル/mlの濃度におけるよりも更に急速に、最も好ましくは培養培地中の成長因子の枯渇または毒性代謝物の生成のために、細胞死が誘起されることが示された(図9)。
IFN感受性に及ぼすアポトーシスインヒビター、酸化フェニルアルシン、およびアウリントリカルボン酸の影響
PIL5 IFNアッセイの寿命を延長させる試みにおいて、PIL5細胞を6Gyのγ線照射に付し、そして次に、アポトーシスの誘起を変調させるために漸増濃度(0、0.1、1.0、10、および100μM)のアウリントリカルボン酸またはフェニルアルシンで処理した。次いで、その後(0、5、10、15、20日等)様々な時間でIFN感受性に関して細胞を試験した。
これらの研究の結果により、漸増濃度のアウリントリカルボン酸の添加は、細胞を6Gyのγ線照射に暴露した後、PIL5遺伝子レポーターの寿命を延長しなかったことが示された(図10)。
IFN感受性に及ぼす抗有糸分裂剤での処理および続く凍結の影響
10% ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI 1640培地中、2×10セル/mlの濃度でPIL5細胞を懸濁し、そして100μM ビンブラスチンの存在下、37℃で1.0時間インキュベートした。次いで細胞を800xgで10分間遠心し、同一容量の10% FBS含有RPMI 1640培地で1回洗浄してビンブラスチンを除去し、そして40% ウシ胎児血清、10% グリセロールおよび2.5% ジメチルスルホキシド(DMSO)含有RPMI 1640培地に再懸濁した。次いで細胞懸濁液(25μlの容量中10セル)をマイクロタイタープレート(CulturePlate-96、Packard Biosciences, Inc.、現在はPerkinElmer Life Sciences, Boston、マサチューセッツ州に統合されている)のウェルに分注し、そして用時まで−20℃で保存した。次いで凍結細胞の入ったマイクロタイタープレートを−20℃のフリーザーから取り出し、好ましくは事前に37℃に設定された水浴を用いて急速に解凍し、そして試験されるサンプル75μl、または血清不含のIFN標準物質、または血清不含の陰性対照サンプルをマイクロタイタープレートのウェルに添加し、そして37℃で一晩インキュベートした。LUCLIT PLUS(Packard Biosciences, Inc.、カタログ番号#6016961、米国特許第5,283,179号;第5,641,641号;第5,650,289号;および第5,814,471号)またはルシフェリン(D−(−)−2−(6′−ヒドロキシ−2′−ベンゾチアゾリル)−Δ−チアゾリン−4−カルボン酸)を含有する類似の試薬100μl、ATP、バッファー、Mg+2、および好ましくはルシフェラーゼの活性を増強するコエンザイムA frおよびルシフェラーゼを安定化するチオール試薬/スルフヒドリル化合物をマイクロタイタープレートの各ウェルに加え、そしてプレート・リーディング・ルミノメーター(LUMICOUNT、Packard Biosciences, Inc.)でサンプルを読んだ。100μMビンブラスチンでの処理および−20℃での凍結の1か月後、PIL5細胞が、完全なIFN活性を保持することが見出された(図11)。この研究の結果により、IFN感受性を喪失せずに−20℃で少なくとも1か月の一般的な寿命を有する商業用の生存キット形式のPIL5 IFN遺伝子レポーターアッセイの開発のための方法が確立された。
最適条件を決定するために、種々のパラメーター、すなわちビンブラスチン濃度、ビンブラスチンでの処理時間、ウシ胎児血清(FBS)濃度、DMSOの存在下または不在下でのグリセロール濃度、SMSO濃度、細胞密度の凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼす影響に関する研究を行った。図12〜20参照。なぜ凍結に先立ってPIL5細胞を処理するために、より好ましい抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤として5−FUの代わりにビンブラスチンが選択されたかは、図12で示される結果からは明らかにできない。理由は、インターフェロン感受性を維持するという観点では、5−FUはビンブラスチンに優っているが、5−FUは試験した用量で細胞複製を防御するのに十分に有効であるとは見出されなかったためである。
図21および22は、処理されたPIL5細胞の凍結後のインターフェロン感受性に及ぼす細胞数の影響を示し、そして図23は解凍された処理されたPIL5細胞のインターフェロン感受性に及ぼす、マイクロタイタープレートまたは凍結保存アンプル/バイアル中のいずれかの凍結の影響に関する研究である。凍結後の処理されたPIL5細胞に対する標準インターフェロン調製物の力価測定曲線を図24で提示する。
本発明を十分に説明したので、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そして過度な実験を行なわずに、広範囲の等価のパラメーター、濃度、および条件内で同一物を実施することができることは当業者に理解される。
本発明をその具体的な実施態様に関連して記載してきたが、更なる修飾を行うことができることは理解される。本出願は、概して本発明の原理にしたがって、そして本発明が関係する当技術分野において既知になるかまたは慣例になるような、および添付の請求の範囲で後記するように実質的な特徴に適用させることができるような本開示からのこのような逸脱を含んで、本発明のいずれの変種、使用、または適用をも網羅することを意図する。
雑誌記事もしくは要約、公開されたもしくは対応する米国特許もしくは外国特許出願、発行された米国特許もしくは外国特許、またはいずれかその他の参照文献を含む、本明細書に引用したすべての参照文献は、実質的に、引用された参照文献に示されたすべてのデータ、表、図面、および本文を含むその全体が参照として本明細書に組み入れられる。加えて、本明細書に引用された参照文献内で引用された参照文献の全内容も、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
既知の方法の工程、従来の方法の工程、既知の方法または従来の方法への言及は、本発明のいかなる態様、記載、または実施態様が関連する当技術分野において開示、教示、または示唆されているという承認では決してない。
特定の実施態様の先の記載は、本発明の一般的な特性を十分に表しているので、当技術分野の技術内で知識を適用することにより(本明細書に引用された参照文献の内容を含む)、過度な実験を行なわずに、本発明の一般概念から逸脱することなく、このような特定の実施態様を種々の適用に関して容易に修飾および/または適用させることができる。したがって、このような適用および修飾は、本明細書に提示する教示および指導に基づいて、開示された実施態様の等価物の意味および範囲に含まれると意図される。当業者の知識と組み合わせて、本明細書に提示される教示および指導を考慮して当業者により解釈されるように、本明細書の表現および用語が、本明細書の表現および用語は説明目的のためであり、そして限定ではないと理解されるべきである。
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ルシフェラーゼ発現が、ISG15遺伝子および最小SV40プロモーターに由来するインターフェロン感受性応答エレメント(IRSE)を含有するキメラプロモーターの調節下にあるルシフェラーゼレポーター遺伝子構築物の略図を示す。 強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP−1)の発現がISG15遺伝子および最小SV40プロモーターに由来するIRSEを含有するキメラプロモーターの調節下にある強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP−1)レポーター遺伝子構築物の略図を示す。 各々種々の量のヒトI型インターフェロンの多様なアイソタイプの存在下でのPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性の標準曲線を示す。 種々の量のγ線照射および37℃でのインキュベーションの4日後のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 6グレイ(Gy)のγ線照射および37℃でのインキュベーションの後、種々の時間での生存PIL5細胞のパーセンテージを示すグラフである。 6(Gy)のγ線照射および室温でのインキュベーションの後、種々の時間でのPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 6(Gy)のγ線照射および4℃または室温でのインキュベーションの8日後のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 0%、1%、または10%ウシ胎児血清(FBS)含有培養培地中、6(Gy)のγ線照射および37℃でのインキュベーションの5日後のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 10%または20%ウシ胎児血清(FBS)含有培養培地中、6(Gy)のγ線照射および37℃でのインキュベーションの13日後、種々の細胞濃度のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 6(Gy)のγ線照射および室温でアウリントリカルボン酸での処理の14日後のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 10% DMSO中−20℃で1か月保存からの解凍の24時間後のPIL5細胞におけるルシフェラーゼ活性を示すグラフである。−20℃での凍結および保存の前にPIL5を種々の濃度の抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤、ビンブラスチン(Vin)または5−フルオロウラシル(5Fu)で1時間処理した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼすビンブラスチンまたは5−フルオロウラシルの影響を示すグラフである。PIL5細胞を1.0、10、または100μM ビンブラスチンで、または10、100μM、または1.0mM 5−フルオロウラシルで 37℃で1時間処理し、遠心し、そして20% ウシ胎児血清(FBS)および10% ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するRPMI1640培地50μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼすビンブラスチンの影響を示すグラフである。PIL5細胞を0.1または1.0μg/ml ビンブラスチンで37℃で10分間処理し、遠心し、そして40% FBSおよび10% グリセロールを含有するRPMI1640培地25μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼすビンブラスチン処理の時間の影響を示すグラフである。PIL5細胞を1.0μg/ml ビンブラスチンで、37℃で10、20、30、または40分間処理し、遠心し、そして20% FBSおよび10% DMSOを含有するRPMI1640培地50μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼすグリセロール濃度の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、そして40% FBSおよび5または10% グリセロールを含有するRPMI1640培地25μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼすグリセロール濃度の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、そして40% FBSおよび5、10、15、20% グリセロール、または5% グリセロールおよび5% DMSOを含有するRPMI1640培地25μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼす、DMSO存在下または不在下のグリセロールの影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、そして2.5% DMSOを伴うかまたは伴わずに、 40% FBSおよび10% グリセロールを含有するRPMI1640培地25μlに懸濁し、並びに2×10セルをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼす細胞密度の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、並びに2×10セルを40% FBSおよび10% DMSOを含有するRPMI1640培地10、25または50μlに懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートのウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼす細胞密度の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、並びに2×10セルを40% FBSおよび10% DMSOを含有するRPMI1640培地25または50μlに懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートのウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結細胞のインターフェロン感受性に及ぼす細胞密度の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、並びに2×10セルを40% FBSおよび10% グリセロールを含有するRPMI1640培地10、25、または50μlに懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートのウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結後のインターフェロン感受性に及ぼす細胞数の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、並びに0.5、1.0、または2×10セルを40% FBSおよび10% グリセロールを含有するRPMI1640培地10μlに懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートのウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結後のインターフェロン感受性に及ぼす細胞数の影響を示すグラフである。PIL5細胞を100μM ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、並びに0.5、1.0、または2×10セルを40% FBS 10μlに懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートのウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 インターフェロン感受性に及ぼす凍結保存アンプルまたはマイクロタイタープレート中の凍結の影響を示すグラフである。PIL5細胞を1.0μg/ml ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、そして40% FBS、10% グリセロールおよび2.5% DMSOを含有するRPMI1640培地に懸濁した。次いで細胞をマイクロタイター培養プレートの各ウェル(25μl/ウェル中2×10セル)に分注するか、または凍結保存アンプル(1.0ml中2×10セル)に加え、そして−80℃で凍結した。−80℃で保存し、そして続いて−20℃で保存した後、マイクロタイタープレートおよび凍結保存アンプルを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物をマイクロタイタープレート中で力価測定するか、または凍結保存アンプルの内容物(1.0ml中2×10セル)をRPMI1640培地6.5mlに希釈し、そして次に細胞懸濁液 75μlをマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。 凍結後のPIL5細胞におけるインターフェロン標準調製物の力価測定を示すグラフである。PIL5細胞を1.0μg/ml ビンブラスチンで、37℃で10分間処理し、遠心し、そして40% FBS、10% グリセロールおよび2.5% DMSOを含有するRPMI 1640培地25μlあたり2×10セルの濃度で懸濁し、そしてマイクロタイター培養プレートの各ウェルに分注し、そして−80℃で凍結した。−80℃、そして続いて−20℃で保存した後、プレートを急速に解凍し、そしてヒトIFNαの標準調製物を前記したルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイ手順で力価測定した。
【配列表】
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Claims (69)

  1. 細胞外シグナルに応答して細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される、1つ以上の転写調節エレメントに作動可能に連結されたレポーター遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含むレポーター遺伝子構築物で形質転換された細胞であって、上記シグナル伝達活性を喪失する前に凍結温度を越える温度で上記シグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず維持するように、処理されている細胞。
  2. 細胞が凍結される実質直前に、前記処理が行われている、凍結状態にある請求項1記載の細胞。
  3. 前記細胞が、前記シグナル伝達活性を喪失する前に凍結温度を越える温度では前記シグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず維持するように、抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤で処理され、そして次に凍結保存剤を含有する溶液中に再懸濁されている、請求項2記載の細胞。
  4. 前記処理された細胞が、処理され、そして次に凍結保存剤を含有する溶液中に再懸濁された実質的に直後に約−80℃で凍結されている、請求項3記載の細胞。
  5. 前記凍結保存剤が、ジメチルスルホキシド(DMSO)であり、そして前記溶液が10% DMSOを含有する、請求項4記載の細胞。
  6. 前記凍結保存剤が、2.5%ジメチルスルホキシド(DMSO)および10% グリセロールの組み合わせである、請求項4記載の細胞。
  7. 前記抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、ビンブラスチンである、請求項3記載の細胞。
  8. 前記抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、5−フルオロウラシルである、請求項3記載の細胞。
  9. 前記細胞が、前記該シグナル伝達活性を喪失する前に凍結温度を越える温度では前記シグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず維持するように、強度および十分な時間γ線で照射されている、請求項1記載の細胞。
  10. 前記凍結温度を越える温度が、室温である、請求項9記載の細胞。
  11. γ線の前記強度および時間が、6〜12Gyである、請求項9記載の細胞。
  12. 前記細胞表面タンパク質が、細胞表面レセプターである、請求項1記載の細胞。
  13. 前記細胞表面レセプターが、サイトカインレセプター、成長因子レセプター、ホルモンレセプター、神経レセプター、T細胞レセプター、抗原レセプター、および補体レセプターから選択される、請求項12記載の細胞。
  14. 前記細胞表面レセプターが、I型インターフェロンレセプターであり、そして前記細胞外シグナルが、I型インターフェロンにより提供される、請求項12記載の細胞。
  15. 前記1つ以上の転写調節エレメントが、インターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)を含む、請求項14記載の細胞。
  16. 前記ISREが、配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項15記載の細胞。
  17. 前記細胞表面レセプターが、II型インターフェロンレセプターであり、そして前記細胞外シグナルがII型インターフェロンにより提供される、請求項12記載の細胞。
  18. 前記1つ以上の転写調節エレメントが、ガンマ活性化配列(GAS)を含む、請求項17記載の細胞。
  19. 前記細胞表面レセプターが、インターフェロンレセプターであり、そして前記細胞外シグナルが、I型インターフェロンおよび/またはII型インターフェロンにより提供される、請求項12記載の細胞。
  20. 前記1つ以上の転写調節エレメントが、インターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)およびガンマ活性化配列(GAS)を含む、請求項19記載の細胞。
  21. 前記レポーター遺伝子産物が、ホタルルシフェラーゼ、細菌性ルシフェラーゼ、クラゲエクオリン、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、dsRED、β−ガラクトシダーゼ、およびアルカリホスファターゼからなる群より選択される、請求項1記載の細胞。
  22. 前記レポーター遺伝子産物が、ホタルルシフェラーゼである、請求項1記載の細胞。
  23. 前記レポーター遺伝子産物が、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)である、請求項1記載の細胞。
  24. 前記レポーター遺伝子産物が、クラゲエクオリンである、請求項1記載の細胞。
  25. 哺乳動物または鳥類細胞である、請求項1記載の細胞。
  26. ヒト細胞である、請求項25記載の細胞。
  27. ヒト前単球細胞である、請求項26記載の細胞。
  28. PIL5細胞である、請求項27記載の細胞。
  29. 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプルのレベルを決定するためのキットであって、
    複数のウェルを有する試験装置と;
    請求項1記載の複数の細胞を含有する試薬と;
    を含むキット。
  30. 前記試験装置が、マイクロタイタープレートである、請求項29記載のキット。
  31. 前記試薬が、前記試験装置のウェルに分注されている、請求項29記載のキット。
  32. 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中のレベルを決定するためのキットを使用するための指示書のセットを更に含む、請求項29記載のキット。
  33. 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子が、I型インターフェロン、II型インターフェロン、または両者である、請求項29記載のキット。
  34. 細胞外シグナルに応答して細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される、1つ以上の転写調節エレメントに作動可能に連結されたレポーター遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含むレポーター遺伝子構築物で形質転換された凍結細胞であって、実質的に凍結の直前に、細胞死を起こす前に凍結温度を越える温度では上記細胞シグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず維持する、ように処理されている凍結細胞。
  35. レポーター遺伝子構築物で形質転換され、そして約30日以内にシグナル伝達活性を喪失する細胞を調製するための方法であって、下記:
    細胞外シグナルに応答して細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性により制御される、1つ以上の転写調節エレメントに作動可能に連結されたレポーター遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含むレポーター遺伝子構築物で細胞を形質転換する工程と;
    該シグナル伝達活性を喪失前に凍結温度を越える温度では該シグナル伝達活性を少なくとも約1時間維持するが、約30日を超えず維持するように上記形質転換された細胞を処理する工程と;
    を含む方法。
  36. 該細胞が、哺乳動物または鳥類細胞である、請求項35記載の方法。
  37. 該細胞が、ヒト細胞である、請求項35記載の方法。
  38. 該ヒト細胞が、ヒト前単球細胞である、請求項37記載の方法。
  39. 該細胞表面タンパク質が、細胞表面レセプターである、請求項35記載の方法。
  40. 該細胞表面レセプターが、I型インターフェロンレセプターであり、そして該細胞外シグナルがI型インターフェロンである、請求項39記載の方法。
  41. 該レポーター遺伝子生産物が、ホタルルシフェラーゼ、細菌性ルシフェラーゼ、クラゲエクオリン、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、dsRED、β−ガラクトシダーゼ、およびアルカリホスファターゼからなる群より選択される、請求項35記載の方法。
  42. 解凍後にシグナル伝達を再開するような温度および条件下で、該処理された細胞を凍結する工程を更に含む、請求項35記載の方法。
  43. 前記処理する工程が、照射された細胞が凍結温度を越える温度では細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を少なくとも7日間維持するが、約30日を超えず維持し、この期間の後、照射された細胞が即座に細胞死を起こすような強度および十分な時間形質転換された細胞をγ線で照射する工程を含む、請求項35記載の方法。
  44. 前記照射する工程で、形質転換された細胞を約6〜12Gyのγ線で照射する、請求項43記載の方法。
  45. 凍結温度を越える温度が、室温である、請求項43記載の方法。
  46. 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定するための方法であって、下記:
    請求項43記載の方法にしたがって細胞を調製する工程と;
    細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化し、そして細胞外シグナルとして提供される分子の存在および/またはレベルを決定しようとするサンプルと共に調製された細胞をインキュベーションする工程と;
    レポーター遺伝子産物の発現のレベルを決定し、それにより細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定する工程と;
    を含む方法。
  47. 該細胞表面タンパク質が、細胞表面レセプターである、請求項46記載の方法。
  48. 該細胞表面レセプターが、I型インターフェロンレセプターであり、そして該細胞外シグナルが、I型インターフェロンである、請求項47記載の方法。
  49. 前記処理する工程が、作用物質で処理した後、処理された細胞が、凍結温度を越える温度では少なくとも1時間細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を維持するが約30日を超えず維持し、その期間の後処理された細胞が即座に細胞死を起こすように、形質転換された細胞を十分な量および十分な時間抗有糸分裂およびプロアポトーシス性の上記作用物質で処理する工程を含む、請求項35記載の方法。
  50. 解凍後にシグナル伝達を再開するような温度および条件下で、該処理された細胞を凍結する工程を更に含む、請求項49記載の方法。
  51. 前記凍結する工程を約−20℃〜約−200℃の範囲の温度で実施し、続いて細胞を約−20℃の温度で保存する、請求項50記載の方法。
  52. 前記凍結する工程を約−80℃の温度で実施する、請求項50記載の方法。
  53. 前記凍結する工程の前に、凍結保存剤を含有する溶液中に、該処理された細胞を再懸濁する工程を更に含む、請求項50記載の方法。
  54. 該凍結保存剤が、DMSOおよびグリセロールの組み合わせであり、そして溶液が2.5% DMSOおよび10% グリセロールを含有する、請求項53記載の方法。
  55. 該溶液が、RPMI培地および40% ウシ胎児血清を含む、請求項53記載の方法。
  56. 該抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、ビンブラスチンである、請求項49記載の方法。
  57. 該抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、5−フルオロウラシルである、請求項49記載の方法。
  58. 細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定するための方法であって、
    請求項50記載の方法にしたがって凍結細胞を調製する工程と;
    凍結細胞を解凍する工程と;
    細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化し、そして細胞外シグナルとして提供される分子の存在および/またはレベルを決定しようとするサンプルと共に解凍した細胞をインキュベートする工程と;
    レポーター遺伝子産物の発現のレベルを決定し、それにより細胞表面タンパク質のシグナル伝達活性を活性化する分子のサンプル中の存在および/またはレベルを決定する工程と;
    を含む方法。
  59. 該細胞表面タンパク質が、細胞表面レセプターである、請求項58記載の方法。
  60. 該細胞表面レセプターが、I型インターフェロンレセプターであり、そして該細胞外シグナルがI型インターフェロンである、請求項59記載の方法。
  61. 所望の生物学的活性を有する細胞を商品化するための方法であって、
    細胞が凍結温度を越える温度で約30日を越えずに所望の生物学的活性を維持するように細胞を処理する工程と;
    解凍後に必要な生物学的活性を再開するような温度および条件下で、該処理された細胞を凍結する工程と;
    該凍結され、処理された細胞を販売または流通させ、それにより該細胞が、限定された時間利用可能であるが、多回使用のために無期限に増殖および維持することができない工程と;
    を含む方法。
  62. 前記処理する工程が、凍結温度を越える温度では細胞が所望の生物学的活性を少なくとも8時間維持するが、約30日を越えないように細胞を処理する工程とを含む、請求項61記載の方法。
  63. 該処理された細胞を、該凍結する工程の前に、凍結保存剤の入った溶液中に懸濁する工程を更に含む、請求項62記載の方法。
  64. 該凍結保存剤が、DMSOおよびグリセロールの組み合わせであり、そして該溶液が2.5% DMSOおよび10% グリセロールを含有する、請求項63記載の方法。
  65. 該溶液が、RPMI培地および40% ウシ胎児血清を含む、請求項63記載の方法。
  66. 前記処理する工程で、細胞を、抗有糸分裂およびプロアポトーシス性である作用物質で、細胞が凍結温度を越える温度では所望の生物学的活性を少なくとも8時間維持するが、約30日を越えず維持するような十分な量および十分な時間処理する、請求項62記載の方法。
  67. 前記凍結する工程で、温度が約−80℃である、請求項61記載の方法。
  68. 該抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、ビンブラスチンである、請求項66記載の方法。
  69. 該抗有糸分裂およびプロアポトーシス剤が、5−フルオロウラシルである、請求項66記載の方法。
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