JP2006507807A - ウイルス感染および腫瘍抑制に関与する哺乳動物遺伝子 - Google Patents

ウイルス感染および腫瘍抑制に関与する哺乳動物遺伝子 Download PDF

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Abstract

本発明は、ウイルス、細菌または寄生物の増殖に対して用いられる細胞遺伝子を同定する方法を提供する。ウイルス、細菌または寄生物の感染に関与する核酸、およびウイルス、細菌または寄生物の感染を減少または防止する方法がまた、本発明により提供される。本発明は、特定の機能に関与する遺伝子から核酸を同定し、単離するための選択プロセスと共に「ジーントラップ」法を利用する。具体的には、本発明は、ウイルス感染に必須であるが、細胞の生存には必須でない細胞遺伝子を単離する手段を提供し、腫瘍の進行を抑制する細胞遺伝子を単離する方法を提供する。

Description

本出願は、米国仮特許出願番号60/377,136(2002年5月2日出願)(これは、その全内容が、本明細書中に参考として援用される)に対する優先権を主張する。
(背景)
(発明の分野)
本発明は、ウイルス、細菌もしくは寄生物の増殖、または、腫瘍の進行に対して用いられる細胞遺伝子を同定する方法を提供する。従って、本発明は、ウイルス、細菌もしくは寄生物の感染に関連する遺伝子あるいはこの感染を減少または防止する方法、および、腫瘍の進行を抑制するための方法に関する。本発明はまた、さらなるこのような遺伝子をスクリーニングするための方法に関する。
(背景技術)
種々のプロジェクトが、種々の動物(特に、ヒト)のゲノムを単離および配列決定することに向けられている。しかし、多くの方法論は、機能が結びつかないか、または示唆しないヌクレオチド配列を提供し、こうして、このようなデータの直接的な有用性を限定する。
対照的に、本発明は、特異的なプロセス(すなわち、ウイルス感染、細菌もしくは寄生物、または腫瘍の進行)に関与する核酸、そして、さらに、これらのプロセスに対する処置に有用な核酸のみをスクリーニングする方法を提供する。なぜなら、この方法によって、細胞に非必須でもある核酸のみが単離されるためである。このような方法は非常に有用である。なぜなら、これらは、単離された遺伝子の各々に機能を帰し、こうして、単離された核酸が、種々の特定の方法および手順において直接利用され得るためである。
例えば、本発明は、ウイルス感染に対して用いられるが、細胞に対しては必須ではない遺伝子産物をコードする核酸を単離する方法を提供する。腸および肝臓におけるウイルス感染は、ヒトの罹患率および死亡率の有意な原因である。このような感染の分子メカニズムを理解することにより、その処置および制御における新しいアプローチをもたらす。
ウイルスは、種々の型の感染を確立し得る。これらの感染は、一般に、溶解性または持続性として分類され得るが、いくつかの溶解性感染が、持続性であると考えられる。一般に、持続性の感染は、2つの範疇に分類される:(1)慢性(増殖性)感染、すなわち、感染性ウイルスが存在し、従来の生物学的方法により回収され得る感染、および(2)潜伏性感染、すなわち、ウイルスゲノムが細胞内に存在するが、幹先生ウイルスは一般に、再賦活の断続的な発症の間を除いては産生されない、感染。持続性は一般に、増殖性および潜伏性感染の両方のステージを含む。
溶解性感染はまた、全細胞の小さな画分のみが感染される条件下で持続し得る(くすぶり型(循環型)感染)。わずかな感染細胞がウイルスを放出して殺傷されるが、子孫のウイルスが再び、全細胞のうちの少ない数にのみ感染する。このようなくすぶり型感染の例としては、マウスにおける乳酸デヒドロゲナーゼウイルス(Mahy,B.W.J.,Br.Med.Bull.41:50−55(1985))および、ヒトにおけるアデノウイルスの感染(Porter,D.D.pp.784−790 Baron,S.編 Medical Microbiology 第2版(Addison−Wesley,Menlo Park,CA 1985))の持続が挙げられる。
さらに、ウイルスは、いくつかの細胞型については溶解し得るが、他の細胞型については溶解し得ない。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、単球/マクロファージよりもT細胞に対してより溶解性であり、従って、細胞死をもたらし得るT細胞の増殖性の幹線をもたらし、他方では、HIV感染した単核食細胞は、細胞溶解を伴わず、かなりの時間、ウイルスを産生し得ることを証拠が示す(Klatzmannら、Science 225:59−62(1984);Koyanagiら、Science 241:1673−1675(1988);Sattentauら、Cell 52:631−633(1988))。
ウイルス感染に対する従来の処置としては、特定のウイルス由来のタンパク質(例えば、HIVプロテアーゼまたは逆転写酵素)向けの医薬品、または組換え(クローン化)免疫調節因子(宿主由来)(例えば、インターフェロン)が挙げられる。しかし、現在の方法は、抗ウイルス剤を無効にする、高い率のウイルス変異を含む、いくつかの制限および欠点を有する。免疫調節剤について、制限された有効性、制限する副作用、特異性の欠如は全て、これらの薬剤の全体的な適応性を制限する。現在の抗ウイルス剤および免疫調節剤での成功の割合はまた、期待外れである。
本発明は、一方または両方の対立遺伝子において中断される場合に細胞の生存に必須でないが、ウイルスの複製に必要とされる遺伝子を単離することに焦点をあてる。焦点をあてる。このことは、一方の対立遺伝子のノックアウトが、細胞にウイルス抵抗性の表現型を与え得る場合に、用量効果で生じ得る。治療的介入のための標的として、これらの細胞内遺伝子産物(タンパク質、タンパク質の部分(グリコシル化を含むがこれらに限定されない改変酵素、脂質修飾因子[ミリオレート(myriolate)など])、脂質、転写エレメントおよびRNA調節分子を含む)の阻害が、深在性の毒性副作用を有する傾向が少なくなり得、そして、ウイルスの変異が、「ブロック」を克服して、首尾よく複製する傾向を少なくする。
本発明は、増殖のためにウイルスに必要よされる細胞遺伝子に取り組むことによって、ウイルス感染に対して試みられた治療的処置の以前の方法に、有意な改善を提供する。従って、本発明はまた、ウイルス感染に必須の細胞遺伝子を阻害することによってウイルスを処置する方法を提供することによって、ウイルス感染の処置に対する画期的な治療的アプローチを提供する。元々検出される手段によると、これらの遺伝子は、細胞の生存に必須ではないため、これらの処置方法は、以前の方法で見出されているような被験体に対する深刻な有害作用なしに、被験体において用いられ得る。本発明はまた、ウイルス感染した細胞が、血清中の因子に依存して生存するという驚くべき発見を提供する。従って、本発明はまた、この血清の生存因子を阻害することによってウイルス感染を処置するための方法を提供する。最後に、これらの発見はまた、培養物中におけるこの血清生存因子を除去、阻害または崩壊させることによって、細胞培養物からウイルス感染した細胞を除去し、その結果、非感染細胞が選択的に生存する、新規な方法を提供する。
本明細書中で提供される方法はまた、細菌感染および/または寄生物感染に対しても用いられ得る。具体的には、同じ方法が用いられるが、寄生物または細菌がウイルスと置き換えられる。
腫瘍抑制遺伝子の選択は、癌の治療的処置のための新しい標的の発見において、重要な領域になっている。「形質転換された」表現型を抑制し得る特異的な遺伝子によって、細胞が、細胞周期へと無差別に入ることが制限されるという発見のために、かなりの時間が、このような遺伝子の発見に投資された。これらの遺伝子のいくつかとしては、横紋筋肉腫(Rb)に関する遺伝子およびp53(アポトーシス関連)をコードする遺伝子が挙げられる。本発明は、形質転換されていない細胞から、形質転換された表現型を有する細胞株を選択し、そして、悪性表現型に関与するか、または、悪性表現型を抑制し得る遺伝子を、これらの細胞から単離するための、ジーントラップを用いる方法を提供する。従って、単離プロセスの性質により、機能が単離された遺伝子と関連付けられる。瞬時に腫瘍抑制遺伝子またはオンコジーンを選択する能力は、癌を処置または予防するプロセスにおけるユニークな標的を提供し得、そして、癌の診断試験のためのユニークな標的さえ提供し得る。
(発明の詳細な説明)
本発明は、特定の機能に関与する遺伝子から核酸を同定し、単離するための選択プロセスと共に「ジーントラップ」法を利用する。具体的には、本発明は、ウイルス感染に必須であるが、細胞の生存には必須でない細胞遺伝子を単離する手段を提供し、腫瘍の進行を抑制する細胞遺伝子を単離する方法を提供する。
本発明はまた、ウイルス感染した細胞が、生存のために血清中に存在する少なくとも1つの因子に依存し、一方で、非感染細胞はこの依存性を示さないという中心的な発見を提供する。この中心的な発見は、いくつかの方法において、本発明において利用されている。第一に、「血清生存因子」の阻害は、非感染細胞の集団から、持続的にウイルス感染した細胞を根絶するために利用され得る。この因子の阻害は、本明細書中にさらに説明されるように、被験体におけるウイルス感染を処置するのに用いられ得る。さらに、組織培養物における血清生存因子の阻害または除去が、ウイルス複製に必要とされるが、非感染細胞が生存するためには必須ではない細胞遺伝子の検出を可能にする。本発明はさらに、このような細胞遺伝子、ならびに、このような遺伝子の機能を阻害することによってウイルス感染を処置する方法を提供する。
本明細書中で使用される場合、「複製」および「感染」は、細胞におけるウイルスの成功のためのプロセスのいずれか(例えば、感染、増殖、複製および溶解)を含み得る。
さらに、本発明はまた、腫瘍の進行に利用される細胞遺伝子を単離するための方法を提供する。
本発明は、その過剰発現が、ウイルスの増殖および/または複製の阻害に関連する細胞遺伝子を提供する。
本発明の方法は、細胞におけるウイルスの増殖には必須であるが、細胞が生存するのには必須でない、いくつかの細胞遺伝子を提供する。これらの遺伝子は、ウイルスによる溶解性および持続性の感染に重要である。これらの遺伝子は、レトロウイルスジーントラップベクターで細胞を感染させ、ジーントラップ事象(すなわち、ベクターが挿入されて、その結果、プロモーターを欠くマーカー遺伝子が挿入され、結果として、細胞のプロモーターが、マーカー遺伝子(すなわち、機能遺伝子に挿入されたもの)の転写を促進する)が生じた細胞について選択し、細胞に血清を枯渇させ、選択された細胞を血清の枯渇を継続しつつ、選択したウイルスで感染させ、そして、血清を戻して添加し、目に見えるコロニーを出現させることによって単離され、このコロニーを、限界希釈によってクローニングすることによって作製したジーントラップライブラリーにより単離した。レトロウイルスジーントラップベクターに挿入された遺伝子は、次いで、レトロウイルスジーントラップベクターに特異的なプローブを用いて、コロニーから単離された。従って、この方法により単離された核酸は、遺伝子の単離された部分である。さらに、この方法を利用して、その過剰発現が、ウイルス感染または腫瘍増殖を妨げるいくつかの細胞遺伝子が単離され、そして、この方法は、これらの遺伝子の過剰発現によって、ウイルス感染または腫瘍の増殖/抑制を処置する方法を提供する。
本発明は、本発明のジーントラップ法により中断されたゲノム配列を提供することによって、ウイルス複製に必要とされるか、または、悪性表現型を担う遺伝子のゲノム遺伝子座を同定する。中断された遺伝子座の配列を提供することにより、中断される遺伝子を同定する。従って、本発明は、本発明のジーントラップベクターにより中断される遺伝子座の遺伝子を提供する。中断される遺伝子を同定することによって、本発明は、遺伝子および、抗ウイルス療法のための標的としてのその産物の両方を提供する。
抗ウイルス療法または抗癌療法のための標的としては、本発明は、調節配列のいくつかの例(例えば、転写因子)を提供する。いくつかの場合において、転写因子の中断が、ウイルスの増殖に直接的な影響を有する。他の場合において、転写因子の中断は、その制御下にある遺伝子の転写または翻訳に影響を及ぼすことによって、ウイルスの増殖に影響を及ぼす。本発明のベクターにより中断される転写因子により制御される複数の遺伝子経路の例(例えば、CTCF経路)が、本明細書中に提供される。
従って、本発明は、細胞におけるウイルスの増殖には必須であり、細胞の生存には必須ではない細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを、血清含有培地中で増殖している細胞培養物に移す工程、(b)マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)培養培地から血清を除去する工程、(d)ウイルスで細胞培養物を感染させる工程、および(e)マーカー遺伝子が挿入される細胞遺伝子を、生存している細胞から単離し、それによって、細胞におけるウイルスの増殖には必須であり、細胞の生存には必須ではない遺伝子を同定する工程、を包含する。本発明はまた、細胞におけるウイルスの増殖に用いられ、細胞の生存には非必須の細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを、血清含有培地中で増殖している細胞培養物に移す工程、(b)マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)培養培地から血清を除去する工程、(d)ウイルスで、細胞培養物を感染させる工程、および(e)マーカー遺伝子が挿入される細胞遺伝子を、生存している細胞から単離し、それによって、細胞におけるウイルスの増殖には必須であるが、細胞の生存には必須ではない遺伝子を同定する工程を包含する。任意の選択された細胞型(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞)において、血清の枯渇が選択に必要であるかどうかは容易に決定され得る。血清の枯渇が必要でない場合、血清の枯渇は、この工程から除外され得る。
従って、本発明は、細胞におけるウイルスの増殖に必須であり、細胞の生存には必須ではない、細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを、血清含有培地中で増殖している細胞培養物に移す工程、(b)マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)ウイルスで、細胞培養物を感染させる工程、および(d)マーカー遺伝子が挿入される細胞遺伝子を生存細胞から単離し、それによって細胞におけるウイルス増殖に必須であるが、細胞の生存には必須ではない遺伝子を同定する工程を包含する。本発明はまた、細胞におけるウイルスの増殖に必須であり、細胞の生存には必須ではない、細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを、血清含有培地中で増殖している細胞培養物に移す工程、(b)マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)ウイルスで、細胞培養物を感染させる工程、および(d)マーカー遺伝子が挿入される細胞遺伝子を、生存している細胞から単離し、それによって、細胞におけるウイルスの増殖に用いられ、細胞の生存には必須ではない遺伝子を同定する工程を包含する。
あるいは、培養培地から血清を除去する代わりに、増殖するためにウイルスにより必要とされる血清因子が、例えば、この因子に特異的に結合する抗体の投与により、阻害され得る。さらに、培養物中に、持続的に感染した細胞が存在しないか、またはわずかに存在すると考えられる場合、血清枯渇の工程は、除外され得、そして、細胞を、その細胞型のための通常の培地中で増殖させ得る。従って、この方法は、ウイルスが、選択した細胞に対して溶解性(lylytic)である場合、血清生存因子とは無関係に使用され得る。血清枯渇が用いられる場合、血清枯渇は、培養物がウイルスで感染された後、一定期間、継続され得る。次いで、血清が培養物に戻され得る。いくつかの他の方法が因子を不活性化するのに用いられる場合、この因子は、新しい血清を培養物に戻す前に、中止されるか、不活性化されるか、または、(例えば、抗因子抗体を除去して(例えば、その抗体に対して結合する抗体を用いて))除去され得る。生存する細胞は、ウイルスの増殖に必須の遺伝子内に不活性化する挿入を有する変異体である。次いで、挿入を有する遺伝子が、マーカー遺伝子配列を有する配列を単離することによって単離され得る。この変異プロセスは、野生型の機能を妨害する。変異遺伝子は、低いレベルで通常の産物を産生し得るか、これらの細胞において通常は見出されない通常の産物を産生し得るか、通常の産物の過剰産生を生じ得るか、いくつかの機能を有する変更された産物であって、他の産物ではない産物を産生し得るか、または、遺伝子の機能を完全に妨害し得る。さらに、この変異は、機能を有するが、決してタンパク質に翻訳されないRNAを妨害し得る。例えば、α−トロポミオシン遺伝子は、細胞調節において非常に重要であるが、決してタンパク質に翻訳されない3’RNAを有する(Cell 75 pg 1107−1117,12/17/93)。
本明細書中で使用される場合、「細胞の生存に必須ではない」細胞遺伝子は、研究における予防的用途または治療的用途のために、ウイルスの複製が阻害されることを可能にする少なくとも所定の期間、片側または両側対立遺伝子の中断が、細胞を生存可能にするための遺伝子を意味する。「ウイルスの増殖に必須の」遺伝子は、ウイルスが増殖するためのいくつかの方法において、直接または間接的のいずれかで必要である、タンパク質またはRNAのいずれかである遺伝子産物(分泌されたか、または分泌されていない)を意味し、従って、この遺伝子産物(すなわち、機能的に利用可能な遺伝子産物)の不在下では、ウイルスを含む細胞の少なくともいくらかが死ぬ。例えば、このような遺伝子は、細胞周期調節タンパク質、液胞水素ポンプに影響を及ぼすタンパク質、もしくは、タンパク質の折り畳みおよびタンパク質の改変(リン酸化、メチル化、グリコシル化、ミリスチン化、もしくは他の脂質部分、または、酵素プロセシングを介するタンパク質のプロセシングを含むがこれらに限定されない)に関与するタンパク質をコードし得る。このような遺伝子のいくつかの例が本明細書中で例示され、ここで、単離された核酸のいくつかが、例えば、液胞H+ATPase、αトロポミオシン、gas5遺伝子、ras複合体、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI mRNA、およびカルサイクリンのような遺伝子に対応する。
細胞に感染し得る任意のウイルスが、この方法に使用され得る。ウイルスは、研究が所望される特定の感染に依存して選択され得る。しかし、多くのウイルスが、生存のために同じ細胞遺伝子に依存し、従って、1つのウイルスを用いて単離された細胞遺伝子が、他のウイルスに対する治療のための標的としても使用され得ることが、本発明によって意図される。溶解性感染を用いて分類され得るか、または、(その細胞株が、全体的には溶解性でない場合)複数のラウンドの自動感染によって選択され得る全てのウイルスは、同じライブラリーにおける複数ラウンドの選択を用いることによって、PI細胞に対して分類され得る。このプロセスの間、PI細胞への挿入物は、中断された遺伝子が、PI状態の確率に重要である限り、ランダムであるはずである。感染に抵抗性である、選択された他の遺伝子が、細胞中に存在するはずであり、従って、このプロセスは、複数ラウンドの選択が達成され得るように、自動選択により促進される。
任意の細胞遺伝子が、本明細書中に示される方法を用いて、(すなわち、一般に、細胞において遺伝子またはその遺伝子産物を阻害し、所望のウイルスがその細胞中で増殖し得るか否かを決定することによって)、任意の所望のウイルスに対する適合性について試験され得る。ウイルスのいくつかの例としては、以下が挙げられる:HIV(HIV−1およびHIV−2を含む);パルボウイルス;パピローマウイルス;SARS(重篤急性呼吸器症候群)ウイルス;ハンタウイルス;インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザA、BおよびCウイルス);A〜G型の肝炎ウイルス;カリシウイルス;アストロウイルス;ロタウイルス;コロナウイルス(例えば、ヒト呼吸器コロナウイルス);ピコルナウイルス(例えば、ヒトライノウイルスおよびエンテロウイルス);エボラウイルス;ヒトヘルペスウイルス(例えば、HSV−1〜9)(帯状疱疹ウイルス、エプスタイン−バーウイルスおよびヒトサイトメガロウイルスを含む);ヒトサイトメガロウイルス;ヒトアデノウイルス;ハンタウイルス;動物については、上記に列挙されるヒトウイルスのいずれかに対する動物の対応物である、動物レトロウイルス(例えば、サル免疫不全ウイルス、鳥類免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ウマ感染性貧血ウイルス、ヤギ関節炎脳炎ウイルスまたは、ビスナウイルス)。
本発明の方法は、細菌を同定し、標的化するのに用いられ得る。標的化され得る細菌の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Listeria(sp.)、Mycobacterium tuberculosis、Rickettsia(全ての型)、Ehrlichia、Chylamida。本発明によって標的化され得る細菌のさらなる例としては、以下が挙げられる:
Figure 2006507807
本発明の方法は、寄生物を同定し、標的化するのに用いられ得る。標的化され得る寄生物の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:Cryptosporidium、Plasmodium(全ての種)、American trypanosomes(T.cruzi)。さらに、本発明の方法内で意図される原虫および菌種の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
Figure 2006507807
本発明の細胞遺伝子を含む核酸は、上記の方法により、そして、実施例に示されるようにして単離された。本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74または配列番号75、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号176、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号241、配列番号242、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号332、配列番号333、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号409、配列番号410、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428(このリストは、簡潔のために、本明細書中で何回か配列番号リスト1として称される)に示されるヌクレオチド配列を含む核酸を含む。このように、これらの核酸は、配列表に示される各配列番号に示されるヌクレオチドに加えて、その分子のいずれかの末端にさらなるヌクレオチドを含み得る。このようなさらなるヌクレオチドは、当該分野で公知であるような任意の標準的な方法(例えば、組換え法および合成法)によって付加され得る。本発明により意図される配列表の任意のエントリーに示されるヌクレオチド配列を含むこのような核酸の例としては、例えば、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ベクター内に置かれた核酸;核酸に、特に、機能的な様式(すなわち、mRNAまたはタンパク質が産生され得る様式)で連結された1つ以上の調節領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化部位)を有する核酸;遺伝子のさらなる核酸を含む核酸(例えば、その遺伝子のより大きいか、または、全長のゲノム配列、部分長または全長cDNA、部分長RNAまたは全長RNA)。このようなより大きい核酸を作製および/または単離することは、以下にさらに説明され、当該分野で周知かつ標準的である。
本発明はまた、配列番号1〜428(配列番号リスト1)に示されるヌクレオチド配列、ならびに、このような遺伝子の各々の対立遺伝子改変体およびホモログを含む遺伝子によりコードされるタンパク質をコードする核酸を提供する。この遺伝子は、以下に説明され、当該分野で公知かつ標準的である標準的な方法を用いて容易に得られる。本発明はまた、これらの遺伝子または配列番号リスト1に列挙する任意の配列に示される核酸の任意の固有のフラグメントを意図する。本発明の遺伝子のフラグメントの例は、その配列が、配列番号リスト1(配列番号1〜428)に示される配列のいずれかで示される、核酸である。固有であるために、このフラグメントは、他の公知の配列から区別するのに十分なサイズでなければならず、コンピュータデータベース(例えば、GenBank)の任意の核酸フラグメントをこの核酸のヌクレオチド配列と比較することによって、最も容易に決定される。このような比較検索は、当該分野で標準的である。代表的には、プライマーまたはプローブとして有用な固有のフラグメントは、配列の特異的なヌクレオチド含量に依存して、少なくとも約20〜約25ヌクレオチド長である。さらに、フラグメントは、例えば、少なくとも約30、40、50、75、100、200または500ヌクレオチド長であり得る。核酸は、その意図される目的に依存して、一本鎖または二本鎖であり得る。
本発明は、さらに、配列番号1〜428(配列番号リスト1)に示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子の調節領域を含む核酸を提供する。機能的にレポーター遺伝子に連結されるこのような調節領域を含む構築物がさらに提供される。このようなレポーター遺伝子構造物は、その配列が上記または配列番号リスト1に列挙される配列のいずれかに示される核酸を含む遺伝子の発現に影響を及ぼす化合物および組成物についてスクリーニングするために用いられ得る。
配列表に示される核酸は、代表的には、遺伝子フラグメントである;全コード配列、ならびに、各フラグメントを含む全遺伝子は、両方、本明細書中で意図され、そして、配列表に提示されるヌクレオチド配列を考慮して、標準的な方法によって容易に得られる(例えば、Sambrookら Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版 Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989;DNA cloning:A Practical Approach,Volumes IおよびII,Glover,D.M.編 IRL Press Limited,Oxford,1985を参照のこと)。ゲノム遺伝子全体を得るために、簡単に言えば、その配列が、上記に示される配列のいずれかに示される核酸、または、そのより小さいフラグメントが、高ストリンジェンシーな条件下で、ゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして利用され、そして。単離されたクローンが配列決定される。従って、一旦ゲノム遺伝子座が本発明の方法によって中断され、中断された遺伝子の部分配列が得られると、当業者は、部分配列を含む全遺伝子を単離する方法が分かり、従って、その調節領域を含む、遺伝子の全長配列を入手する。例えば、一旦新規なクローンの配列が決定されると、以前のフラグメントに存在しない、新規なクローンの部分から、ライブラリーに対してハイブリダイズし得る、プローブが作製され得、この遺伝子のフラグメントを含むより多くのクローンを単離し得る。この様式において、組織化された様式でこのプロセスを繰り返すことによって、染色体に沿って「歩く」ことができ、最終的には全遺伝子に対するヌクレオチド配列を入手し得る。同様に、本発明の部分または、オープンリーディングフレームを含むゲノムライブラリーから入手したさらなるフラグメントを用いて、cDNAライブラリーをスクリーニングして、この遺伝子の全コード配列を含むcDNAを入手し得る。必要な場合、上記のようにスクリーニングを繰り返すことにより、複数のクローンから完全な配列を入手し得る。次いで、単離体を配列決定して、ジデオキシヌクレオチド配列決定法のような標準的な手段によってヌクレオチド配列を決定し得る(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989を参照のこと)。
本発明の遺伝子は、ラットから単離された;しかし、任意の所望の種(好ましくは、ヒトのような哺乳動物)におけるホモログが、提供されるか、またはヒトライブラリー(ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー)を、本明細書中の配列表に記載される核酸またはそのフラグメントの配列を含むプローブでスクリーニングし、そして好ましくは比較的高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でこのプローブと特異的にハイブリダイズする遺伝子を単離することによって、容易に得られ得る。例えば、高塩条件(例えば、6×SSCまたは6×SSPE中)および/または高温のハイブリダイゼーションが使用され得る。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、代表的に、所定の鎖長についてのT(分子の半分がそのパートナーから解離する融解温度)より5℃〜20℃低い。当該分野において公知であるように、ハイブリダイズする領域のヌクレオチド組成は、ハイブリッドの融解温度を決定する要因である。例えば、20マーのプローブについては、推奨されるハイブリダイゼーション温度は、代表的に、約55〜58℃である。さらに、ラット配列を利用して、ラットタンパク質の一部についてのアミノ酸配列を決定し、そしてその特定の動物におけるホモログのアミノ酸配列をコードするための最適化されたコドン使用法を有するプローブを選択することによって、任意の種の動物におけるホモログについてのプローブを考案し得る。任意の単離された遺伝子が、その遺伝子を配列決定してその遺伝子が本明細書中にその遺伝子を構成するとして列挙されるヌクレオチド配列を含むことを決定することによって、標的遺伝子として確認され得る。任意のホモログが、その機能によって、ホモログとして確認され得る。ホモログはまた、ラット配列を、容易に利用可能なデータベース上の他の種由来の配列と比較することによって、得られ得る。例えば、ラット配列は、ホモログを得るために、マウス配列と比較され得る。次いで、この比較から得られたホモログは、さらなるホモログを得るために、ヒト配列または他の哺乳動物の配列と比較され得る。ラット配列はまた、データベース上のヒト配列または任意の他の哺乳動物配列と、直接比較され得る。
相同領域において、配列表の配列番号1〜配列番号428までに記載されるヌクレオチド配列を含む遺伝子によってコードされるタンパク質をコードする核酸のエキソンの領域、またはそのホモログに対して、98%、95%、90%、85%、80%、70%、60%、または50%の相同性、あるいはそれより大きい相同性を有する、任意の所望の種(好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒト)由来の核酸が、本発明によってさらに意図される。相同領域において、配列表の配列番号1〜配列番号418までのいずれかに記載されるヌクレオチド配列を含む核酸のエキソンの領域、またはそのホモログに対して、98%、95%、90%、85%、80%、70%、60%、または50%の相同性、あるいはそれより大きい相同性を有する、任意の所望の種(好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒト)由来の核酸が、本発明によってまた意図される。これらの遺伝子は、合成され得るか、またはホモログを単離するために使用されるのと同じ方法によって、所望であれば、所望の相同性が低下するのに従って、そしてさらに、変動性が検索される任意の領域のG−CまたはA−Tの豊富さに依存して、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーを低下させて、得られ得る。本発明の遺伝子のいずれかまたはそのホモログの対立遺伝子改変体が、上記プロトコルに従って、さらなるライブラリーをスクリーニングすることによって、容易に単離および配列決定され得る。合成遺伝子を作製する方法は、米国特許第5,503,995号、およびそこに引用される参考文献に記載されている。
本発明の任意の選択されたタンパク質をコードする核酸は、そのタンパク質を機能的にコードする任意の核酸であり得る。例えば、機能的にコードするためには、すなわち、核酸が発現されることを可能にするためには、核酸は、例えば、外因性または内因性の発現制御配列(例えば、複製起点、プロモーター、エンハンサー)、および必要な情報プロセシング部位(例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライシング部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター配列)を含み得る。好ましい発現制御配列は、メタロチオネイン(metallothionine)遺伝子、アクチン遺伝子、免疫グロブリン遺伝子、CMV、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルスなどに由来するプロモーターであり得る。発現制御配列は、核酸が内部に配置される細胞における機能性について選択され得る。選択されたタンパク質をコードする核酸は、選択されたタンパク質のアミノ酸配列に基づいて容易に決定され得、そして明らかに、多くの核酸が、任意の選択されたタンパク質をコードする。
本発明は、さらに、ストリンジェントな条件下で、本明細書中に列挙される任意の配列(すなわち、配列番号1〜配列番号428のいずれか)に記載されるヌクレオチド配列を含む遺伝子によってコードされるタンパク質をコードする核酸と選択的にハイブリダイズする核酸を提供する。このハイブリダイゼーションは、特異的であり得る。ハイブリダイズする核酸と、この核酸がハイブリダイズする配列との間の相補性の程度は、少なくとも、無関係のタンパク質をコードする核酸とのハイブリダイゼーションを排除するために十分であるべきである。従って、本発明のタンパク質コード配列の核酸と選択的にハイブリダイズする核酸は、ストリンジェントな条件下で、異なる無関係のタンパク質についての核酸とは選択的にハイブリダイズせず、そしてその逆もまたそうである。代表的に、選択的ハイブリダイゼーションを達成するための、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、高イオン強度の溶液(6×SSCまたは6×SSPE)での、T(分子の半分がそのパートナーから解離する融解温度)より約12〜25℃低い温度でのハイブリダイゼーション、引き続く、洗浄温度がハイブリッド分子のTの約5℃〜20℃低いように選択された温度および塩濃度の組み合わせでの洗浄を包含する。この温度および塩濃度は、フィルター上に固定された参照DNAのサンプルが標識された目的の核酸にハイブリダイズされ、次いで異なるストリンジェンシーの条件下で洗浄される、予備実験において、実験的に容易に決定される。ハイブリダイゼーション温度は、代表的に、DNA−RNAハイブリダイゼーションおよびRNA−RNAハイブリダイゼーションについて、より高い。洗浄温度は、当該分野において公知であるように、選択的ストリンジェンシーを達成するために、上記のように使用され得る。(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989;Kunkelら,Methods Enzymol.1987.154:367,1987)。任意の所定の核酸に選択的にハイブリダイズする核酸フラグメントが、例えば、さらなるハイブリダイゼーション方法または増幅方法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR))のためのプライマーおよび/またはプローブとして、使用され得る。DNA:DNAハイブリダイゼーションのために好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6×SSCまたは6×SSPE中約68℃(水溶液中)、引き続く68℃での洗浄であり得る。
本発明は、さらに、本明細書中に記載されるヌクレオチド配列のいずれか(すなわち、配列番号1〜配列番号428のいずれか)を含む遺伝子によってコードされるタンパク質をコードする核酸によってコードされるタンパク質を提供する。このタンパク質は、いくつかの手段のいずれかによって、容易に得られ得る。例えば、遺伝子のコード領域のヌクレオチド配列が、翻訳され得、次いで、対応するポリペプチドが、標準的な方法によって、機械的に合成され得る。さらに、遺伝子のコード領域が、発現または合成され得、得られるポリペプチドに特異的な抗体が、標準的な方法によって惹起され得(例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1988を参照のこと)、そしてタンパク質が、抗体との選択的ハイブリダイゼーションによって、他の細胞タンパク質から単離され得る。このタンパク質は、タンパク質精製の標準的な方法(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989を参照のこと)によって、所望の程度まで精製され得る。本発明の任意のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのアミノ酸配列は、核酸配列から推定され得るか、あるいは単離されたかまたは組換え的に産生されたタンパク質を配列決定することによって、決定され得る。
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書中で交換可能に使用され、そしてアミノ酸のポリマーをいい、そして全長タンパク質およびそのフラグメントを包含する。本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、「a」は、それが使用される文脈に依存して、1つ以上を意味し得る。アミノ酸残基とは、そのペプチド結合におけるポリペプチドの化学的消化(加水分解)の際に形成されるアミノ酸である。本明細書中に記載されるアミノ酸残基は、好ましくは、L異性体形態である。しかし、所望の機能的特性がポリペプチドによって維持される限り、D異性体形態の残基が、任意のLアミノ酸残基と置き換えられ得る。標準的なポリペプチドの命名法(J.Biol.Chem.,243:3552−59(1969)に記載され、そして米国特許法施行規則第1.822条第(b)項において承認されている)が、本明細書中で使用される。
当業者によって理解されるように、本発明はまた、アミノ酸配列または他の特性において、わずかなバリエーションを有するポリペプチドを包含する。アミノ酸置換は、公知のパラメータによって、中性であるように選択され得る(例えば、Robinson WE JrおよびMitchell WM.,AIDS 4:S151−S162(1990)を参照のこと)。このようなバリエーションは、天然に、対立遺伝子改変体として(例えば、遺伝的多型に起因して)生じ得るか、または人の介在によって(例えば、クローニングされたDNA配列の変異誘発によって)産生され得る(例えば、誘導された点変異体、欠失変異体、挿入変異体、および置換変異体)。アミノ酸配列における小さい変化(例えば、保存的アミノ酸置換、小さい内部欠失または挿入、および分子の末端における付加または欠失)は、一般的に好ましい。置換は、例えば、Dayhoffらのモデル(Atlas of Protein Sequence and Structure 1978,Nat’l Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.)に基づいて設計され得る。これらの修飾は、アミノ酸配列の変化を生じ得るか、サイレント変異を提供し得るか、制限部位を修飾し得るか、または他の特定の変異を提供し得る。同様に、このようなアミノ酸の変化は、ポリペプチドおよびタンパク質をコードする、異なる核酸を生じる。従って、代替の核酸もまた、このような修飾によって意図される。
本発明はまた、本発明の核酸を含む細胞を提供する。タンパク質をコードする核酸を含む細胞は、代表的に、DNAを複製し得、そしてさらに、代表的に、コードされるタンパク質を発現し得る。細胞は、原核生物細胞(特に、多量の核酸を産生する目的で)であっても真核生物細胞(特に、哺乳動物細胞)であってもよい。細胞は、好ましくは、コードされるタンパク質を発現し、その結果、得られる産生されたタンパク質が、哺乳動物タンパク質のプロセシング修飾を有する目的で、哺乳動物細胞である。
本発明の核酸は、任意の選択された手段によって、特に、化合物の送達の目的および標的細胞に依存して、細胞内に送達され得る。多くの送達手段が、当該分野において周知である。例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈澱、マイクロインジェクション、カチオン性リポソームまたはアニオン性リポソーム、および核への送達のための核局在シグナルペプチドと組み合わせたリポソームが、当該分野において公知であるように、利用され得る。
本発明はまた、ウイルス増殖のために必要な、本発明の方法によって産生された、変異された細胞遺伝子、およびこれらの変異体を含む細胞もまた有用であり得ることを意図する。これらの変異された遺伝子およびこれらを含む細胞が、本明細書中に記載される方法に従って、標準的な方法を使用して、単離および/または産生され得る。
本明細書中に記載される配列は、小さい配列の誤りを含み得ることが、認識されるべきである。このような誤りは、例えば、記載される配列由来の種々のプローブを使用する、上記ハイブリダイゼーション手順を使用し、その結果、コード配列が再単離および再配列決定されることによって、補正され得る。
実施例に記載されるように、本発明は、特定の持続的にウイルス感染された細胞の生存のために必要な、血清中に存在する「血清生存因子」の発見を提供する。この因子の単離および特徴付けは、この因子がタンパク質であり、約50kDと100kDとの間の分子量を有し、低pH(例えば、pH2)での不活性化およびクロロホルム抽出に耐え、約5分間にわたる低イオン強度溶液(例えば、約10mM〜約50mM)中での煮沸によって不活性化されることを示した。従って、本発明は、約50kDと100kDとの間の分子量を有する、精製された哺乳動物血清タンパク質を提供し、このタンパク質は、低pHでの不活性化に耐え、そしてクロロホルム抽出による不活性化に耐え、煮沸されると不活性化され、そして低イオン強度の溶液中で不活性化され、そして持続的にレオウイルスで感染された細胞を含む細胞培養物から除去される場合に、持続的にレオウイルスで感染された細胞の生存を選択的に実質的に防止する。上記物理的特徴に合う因子は、この因子を血清を含有しない培地(これは以前には、持続的にウイルス感染された細胞の生存を支持し得なかった)に添加し、そして推定因子を添加されたこの培地が持続的にウイルス感染された細胞(特に、レオウイルスで持続的に感染された細胞)をここで支持し得るか否かを決定することによって、容易に確認され得る。本明細書中において使用される場合、「精製」タンパク質とは、およその分子量が決定され得るために少なくとも十分な純度のタンパク質を意味する。
タンパク質のアミノ酸配列は、標準的な方法によって明らかにされ得る。例えば、そのタンパク質に対する抗体が惹起され得、そして発現ライブラリーをスクリーニングするために使用されて、そのタンパク質をコードする核酸配列を得ることができる。次いで、この核酸配列は、単に、対応するアミノ酸配列に翻訳される。あるいは、タンパク質の一部分が、標準的なアミノ酸配列決定方法(アミノ末端配列決定)によって、直接配列決定され得る。次いで、このアミノ酸配列が、そのアミノ酸配列の一部分に対する全ての可能なコード配列を含む核酸プローブのアレイを作製するために使用され得る。このプローブのアレイは、cDNAライブラリーをスクリーニングして、コード配列の残りの部分、従って、最終的に、対応するアミノ酸配列を得るために、使用される。
本発明はまた、さらなる血清生存因子を検出および単離する方法を提供する。例えば、任意の既知の血清成分がウイルス増殖のために必要であるか否かを決定するために、この既知の成分は、培養培地において阻害され得るか、またはこの培養培地から除去され得、そして持続的に感染された細胞が生存しないかどうかを決定することによって、ウイルス増殖が阻害されるか否かが観察され得る。この因子を戻して添加し得(すなわち、阻害を除去し得)、そしてこの因子がウイルス増殖を可能にするか否かを決定し得る。
さらに、他の未知の血清成分もまた、ウイルス増殖のために必須であることが見出され得る。血清は、種々の標準的な手段によって分画され得、そして画分が、無血清培地に添加されて、因子が、以前には血清を欠くことによって阻害されていたウイルスの増殖を可能にする反応中に存在するか否かを決定し得る。次いで、この活性を有する画分が、この因子が他の成分を比較的含まなくなるまで、さらに分画され得る。次いで、この因子が、標準的な方法(例えば、サイズ分画、変性および/または種々の手段による不活性化など)によって、特徴付けられ得る。好ましくは、一旦、因子が所望の精製レベルまで精製されると、この因子は、無血清培地中の細胞に添加されて、この因子が、無血清培地単独では与えなかった場合、ウイルスが増殖することを可能にする機能を与えることが確認される。この方法は、任意の所望のウイルスに対する特定の因子についての要件を確認するために、繰り返され得る。なぜなら、任意の1つのウイルスによって必要とされることが見出された各血清因子はまた、多くの他のウイルスによって必要とされ得るからである。一般に、ウイルスがより密接に関連し、そしてウイルスの感染様式がより類似するほど、1つのウイルスによって必要とされる因子が他のウイルスによって必要とされる可能性がより高くなる。
本発明はまた、本出願人らの発見を利用して、ウイルス感染を処置する方法を提供する。本明細書中に記載される方法の任意の被験体は、ウイルスに依存して、任意の動物、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト、獣医学的動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジまたはウシ)、または実験室動物(例えば、マウス、ラット、ウサギまたはモルモット))であり得る。
本発明は、被験体におけるウイルス感染を減少または阻害し、これによって処置する方法を提供し、この方法は、この被験体に、阻害量の、本明細書中に記載される血清タンパク質の機能を阻害する組成物を投与する工程を包含し、これによって、ウイルス感染を処置する。この血清タンパク質は、すなわち、約50kDと100kDとの間の分子量を有する血清タンパク質であり、これは、低pHでの不活性化に耐え、そしてクロロホルム抽出による不活性化に耐え、煮沸される場合に不活性化され、そして低イオン強度溶液中で不活性化され、そして持続的にウイルスで感染された細胞を含む細胞培養物から除去される場合に、ウイルスで持続的に感染された細胞の少なくともいくらかの生存を防止する血清タンパク質である。この組成物は、例えば、血清タンパク質を特異的に結合する抗体、または血清タンパク質を機能的にコードする遺伝子によってコードされるRNAを結合するアンチセンスRNAを含有し得る。
被験体におけるウイルス感染を減少または阻害する方法は、本明細書中においてウイルス増殖に関連すると同定された遺伝子(例えば、配列番号1〜428)(または遺伝子座)の1つを標的とするベクターを使用し得る。この方法は、この配列に標的化されたベクターの投与を必要とし、これによって、ベクターは、その遺伝子を破壊し得、これによって、破壊された遺伝子に依存するウイルス増殖を阻害し得る。このベクターは、ベクターの投与の際に挿入変異または欠失変異が標的部位において起こるように、相同配列を含むことによって、標的化され得る。
選択された処置されるべき被験体を感染し得る任意のウイルスが、本発明の方法によって処置され得る。上記のように、本発明の方法によって、任意の1つのウイルスの増殖のために必要であることが見出された、任意の血清タンパク質または生存因子が、他の多くのウイルスの増殖のために必要であることが見出され得る。任意の所定のウイルスについて、血清タンパク質または因子は、本明細書中に記載される方法によって、増殖のために必要とされることが確認され得る。レオウイルス、哺乳動物病原体、およびラット細胞系を使用する実施例によって同定された細胞遺伝子は、他のウイルス感染に対する一般的な適用性を有し、これらのウイルス感染としては、公知のヒト病原体および発見されるべきヒト病原体の全てが挙げられ、これには、以下が挙げられるが、それらに限定されない:ヒト免疫不全ウイルス(例えば、HIV−1、HIV−2);パルボウイルス;パピローマウイルス;ハンタウイルス;SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスインフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザA型ウイルス、インフルエンザB型ウイルス,およびインフルエンザC型ウイルス);A型〜G型肝炎ウイルス;カリチウイルス;アストロウイルス;ロタウイルス;コロナウイルス(例えば、ヒト呼吸コロナウイルス);ピコルナウイルス(例えば、ヒトライノウイルスおよびエンテロウイルス);エボラウイルス;ヒトヘルペスウイルス(例えば、HSV−1〜9);ヒトサイトメガロウイルス;ヒトアデノウイルス;エプスタイン−バーウイルス;ハンタウイルス;動物については、上に列挙される任意のヒトウイルスに対する動物対応物、動物レトロウイルス(例えば、サル免疫不全ウイルス、トリ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ウマ感染性貧血ウイルス、ヤギ関節炎脳炎ウイルス、またはビスナウイルス)。
組成物のタンパク質阻害量は、例えば、種々の量を細胞または被験体に投与し、次いで、被験体の血液の体積または体重に従って、タンパク質を阻害するために有効な量を調節することによって、容易に決定され得る。タンパク質に結合する組成物は、推定結合タンパク質をタンパク質ゲル上に流し、そしてそのタンパク質の、ゲルを通る移動の変化を観察することによって、容易に決定され得る。タンパク質の阻害は、任意の所望の手段(例えば、持続的に感染された細胞を維持するために使用した完全培地にインヒビターを添加し、そして細胞の生存率を観察すること)によって決定され得る。この組成物は、例えば、血清タンパク質を特異的に結合する抗体を含有し得る。抗体による特異的結合とは、この抗体が、血清からその因子を選択的に除去するために使用され得るか、またはその因子の生物学的活性を阻害し得、そしてラジオイムノアッセイ(RIA)、バイオアッセイ、または酵素結合イムノソルベント(ELISA)技術によって容易に決定されることを意味する。
細胞内病原体の繁殖と関連する細胞遺伝子の同定は、転写、翻訳、プロセシング、またはタンパク質機能(リン酸化、グリコシル化、タンパク質−タンパク質相互作用など)のレベルでの、効果的な標的化を可能にする。各々の例が存在する。これらの多くは、ウイルスタンパク質またはそれらの未翻訳DNA、またはRNAを目的とする。宿主においてよりも病原体において、より大きい遺伝的不安定性が存在するので、これらの標的は、変異をより受けやすく、そして治療アプローチの影響から逃れやすい。標的が変異体である場合に条件的に致死ではない場合、宿主標的は、より安定であるようであり、従って、より実用的であり得る。本特許において採用されるアプローチにおいて利用される選択のプロセスは、変異が作製された後の細胞増殖に依存するので、治療の標的は、変異体である場合、致死ではないようである。従って、この組成物は、例えば、アンチセンスRNA、または血清タンパク質をコードする遺伝子によってコードされるRNAを特異的に結合するsiRNA(小さい干渉性RNA(siRNA))を含有し得る。アンチセンスRNAは、標準的な方法(例えば、Antisense RNA and DNA,D.A.Melton編,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1988))によって、合成および使用され得る。
ANNEXIN Iタンパク質、ANNEXIN IIタンパク質およびANNEXIN IIIタンパク質をコードする核酸に対するアンチセンス分子が提供され、そして標的化タンパク質の発現を阻害するために使用され得る。当業者によって理解されるように、アンチセンス分子とは、発現が阻害されるタンパク質をコードするかまたはこのタンパク質の発現のために必要な核酸配列に相補的であるか、または部分的に相補的である、オリゴヌクレオチドである。例えば、これらのタンパク質の発現を阻害するために使用され得るアンチセンス分子としては、特定のタンパク質をコードする核酸に相補的な任意のオリゴヌクレオチドが挙げられる。例えば、ANNEXIN Iの発現を阻害するためには、配列番号65(これに限定されない)に相補的であるか、または部分的に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、ANNEXIN I発現を阻害するために使用され得る。特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、認識できるレベルで持続する二重鎖を形成し得、これによって、選択された条件下で、標的化された遺伝子の発現を減少させ得る。ANNEXIN Iタンパク質発現を標的化するアンチセンスの例としては、配列番号65の相補体または配列番号65の相補体の一部を含むオリゴヌクレオチドが挙げられ得る。ANNEXIN Iタンパク質についてのこのようなアンチセンス分子の特定の例としては、
Figure 2006507807
が挙げられる。同様に、ANNEXIN IIタンパク質の発現を阻害するためには、ANNEXIN IIタンパク質の発現を阻害するアンチセンス分子は、ANNEXIN IIタンパク質をコードする核酸に相補的な任意のオリゴヌクレオチドを含み得、これには、配列番号41が挙げられるが、これに限定されない。ANNEXIN IIタンパク質についてのこのようなアンチセンス分子の特定の例としては;
Figure 2006507807
が挙げられる。
同様に、ANNEXIN IIIタンパク質の発現を阻害するためには、ANNEXIN IIIタンパク質の発現を阻害するアンチセンス分子は、ANNEXIN IIタンパク質をコードする核酸に相補的な任意のオリゴヌクレオチドを含み得、これには、配列番号188が挙げられるが、これらに限定されない。ANNEXIN IIIタンパク質についてのこのようなアンチセンス分子の特定の例としては;
Figure 2006507807
が挙げられる。
同様に、任意の他のタンパク質コード遺伝子(例えば、IGF2BP 5プロテアーゼ(prss11)遺伝子であるが、これに限定されない)については、アンチセンス分子は、当業者によって、ANNEXIN Iタンパク質、ANNEXIN IIタンパク質、およびANNEXIN IIIタンパク質について上に説明されたように設計され得る。例えば、使用されるアンチセンス分子は、長さが14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、20ヌクレオチド、22ヌクレオチド、24ヌクレオチド、26ヌクレオチド、28ヌクレオチド、30ヌクレオチド、34ヌクレオチド、38ヌクレオチド、42ヌクレオチド、50ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、または90ヌクレオチドより大きくあり得る。使用されるアンチセンス分子は、長さが150ヌクレオチド、125ヌクレオチド、100ヌクレオチド、90ヌクレオチド、80ヌクレオチド、70ヌクレオチド、60ヌクレオチド、50ヌクレオチド、42ヌクレオチド、38ヌクレオチド、34ヌクレオチド、30ヌクレオチド、28ヌクレオチド、26ヌクレオチド、24ヌクレオチド、22ヌクレオチド、20ヌクレオチド、18ヌクレオチド、17ヌクレオチド、16ヌクレオチド、または15ヌクレオチドより短くあり得る。アンチセンス分子は、標的化された遺伝子の標的配列とのミスマッチまたは非ワトソン−クリック塩基対合を含み得る。ミスマッチの数は、0ヌクレオチド、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、12ヌクレオチド、14ヌクレオチド、16ヌクレオチド、18ヌクレオチド、または20ヌクレオチドより大きくあり得る。ミスマッチの数は、20ヌクレオチド、18ヌクレオチド、16ヌクレオチド、14ヌクレオチド、12ヌクレオチド、10ヌクレオチド、9ヌクレオチド、8ヌクレオチド、7ヌクレオチド、6ヌクレオチド、5ヌクレオチド、4ヌクレオチド、3ヌクレオチド、2ヌクレオチド、または1ヌクレオチドより小さくあり得る。アンチセンス分子の配列におけるミスマッチのレベルは、塩基対の全数の0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、または7%より大きくあり得る。アンチセンス分子の配列におけるミスマッチのレベルは、塩基対の全数の10%、7%、5%、4%、3%、2%、または1%より小さくあり得る。さらに、アンチセンス配列は、本明細書中に記載されるような相補的配列または部分的相補的配列に対応する配列に加えて、その分子の5’末端または3’末端のいずれかにおけるさらなる連続配列を含み得る。例えば、アンチセンス分子は、標的配列に相補的ではないさらなる配列に連結され得る。
他の実施形態において、アンチセンスとは異なる様式で機能するオリゴヌクレオチドが使用され得る。例えば、干渉RNAとして使用されるRNA(例えば、siRNA)が、コードされるタンパク質(これの発現が阻害または減少される)の配列に基づいて設計され得る。得られる干渉RNAは、アンチセンス分子の様式と類似の様式で使用されて、特定のタンパク質(例えば、本明細書中で記載されるもの、特に、表2に示されるもの、およびこれらのヒトホモログであるが、これらに限定されない)の発現を減少または阻害し得る。RNA干渉の現象、およびサイレンス遺伝子発現におけるその使用に関する、以下の参考文献が、その教示について、特に、遺伝子、推定遺伝子、または潜在的遺伝子のサイレンスな発現を、RNA分子で細胞をトランスフェクトまたは形質転換することによる方法に関する教示について、本明細書中に援用される:
Figure 2006507807
効果的な治療の例としては、以下が挙げられる。
CCR5は、siRNAに対する標的を有する。CCR5は、HIVがマクロファージ細胞株に入るために必要な、共レセプター(細胞遺伝子産物)である(Qin XF,An DS,Chen IS,Baltimore D.,Inhibiting HIV−1 infection in human T cells by lentiviral−mediated delivery of small interfering RNA against CCR5,Proc Natl Acad Sci U S A 2003 Jan 7;100(1):183−8)。約21ヌクレオチド長の二本鎖RNAは、特定の遺伝子の発現を減少させるための強力な試薬として認識される。これらを、ウイルス感染に対して細胞を保護するための試薬として使用するためには、siRNAを初代細胞に導入するための効果的な方法が必要とされる。ここで、本発明者らは、HIV−1共レセプター(CCR5)に対するsiRNAをヒト末梢血Tリンパ球に導入するための、レンチウイルスベースのベクターの構築の成功を記載する。高力価のベクターショックを用いて、末梢血Tリンパ球の40%より多くが形質導入され得、そして強力なCCR5−siRNAの発現が、選択の非存在下で2週間の期間にわたる、細胞表面でのCCR5発現の10倍までの阻害を生じた。対照的に、別の主要なHIV−1共レセプターであるCXCR4の発現は、影響を受けなかった。重要なことに、siRNAによるCCR5発現のブロッキングは、CCR5親和性HIV−1ウイルス感染からの、リンパ球集団に対するかなりの保護を提供し、感染された細胞を3分の1〜7分の1に低下させた;CXCR−4親和性ウイルスによる感染に対する最小の効果のみが、観察された。従って、本発明者らの研究は、siRNAのレンチウイルスベクター媒介性送達の、HIV−1および他のウイルス性疾患の処置のための細胞内免疫の一般的手段としての可能性および潜在性を実証する。
インフルエンザA型に対するウイルス標的:Ge Q,McManus MT,Nguyen T,Shen CH,Sharp PA,Eisen HNおよびChen,J.(Proc Natl Acad Sci U S A 2003 Mar 4;100(5):2718−23,RNA interference of influenza virus production by directly targeting mRNA for degradation and indirectly inhibiting all viral RNA transcription)は、インフルエンザA型ウイルスが、ヒト気道において広範に広がる感染を引き起こすが、既存のワクチンおよび薬物治療は、価値が制限されることを開示する。ここで、本発明者らは、ウイルスゲノムの保存された領域に特異的な短い干渉性RNA(siRNA)が、細胞株と胚含有鶏卵との両方におけるインフルエンザウイルス産生を強力に阻害し得ることを示す。この阻害は、siRNA二重鎖における機能的アンチセンス鎖の存在に依存し、このことは、ウイルスmRNAが、RNA感染の標的であることを示唆する。しかし、ヌクレオキャプシド(NP)またはRNAトランスクリプターゼ(PA)の成分に特異的なsiRNAは、対応するmRNAのみでなく、ビリオンRNAおよびその相補的RNAの蓄積を廃止した。これらのsiRNAはまた、他のウイルスRNAの蓄積を広範に阻害したが、細胞RNAを阻害しなかった。この知見は、新たに合成されたNPタンパク質およびPAタンパク質が、インフルエンザウイルスの転写および複製のために必要とされ、そしてヒトにおけるインフルエンザ感染の予防および治療としての、siRNAの開発のための基礎を提供することを明らかにする。
本出願は、KLF6の破壊を示す。Yoon HS,Chen XおよびYang VW(J Biol Chem 2003年1月24日;278(4):2101−5、Kruppel−like factor 4 mediates p53−dependent G1/S cell cycle arrest in response to DNA damage)は、関連タンパク質KLF4に対するsiRNA有効性を示す。腫瘍サプレッサーp53は、DNA損傷後のゲノム完全性の維持のために必要とされる。p53が機能する1つの機構は、細胞周期のG(1)期とS期との間での移行におけるブロックを誘導することである。以前の研究は、Kruppel様因子4(KLF4)遺伝子が、DNA損傷後に活性化されること、およびこのような活性化がp53に依存することを示す。さらに、KLF4の強制発現によって、G(1)/S停止が引き起こされる。本発明の研究は、DNA損傷に応答したp53依存性細胞周期停止プロセスを媒介する際のKLF4の必要条件を調べる。本発明者らは、p53対立遺伝子についてヌルである(−/−)結腸癌細胞株HCT116のG(1)集団が、野生型p53(+/+)を有する細胞と比較してγ照射後に破壊されたことを示す。照射したHCT116 p53−/−細胞のKLF4の条件的発現は、G(1)細胞集団を、照射したHCT116 p53+/+細胞において見られたレベルと類似したレベルに戻した。逆に、KLF4に特異的な小さい干渉性RNA(siRNA)でのHCT116 p53+/+細胞の処理は、γ照射後のG(1)期の細胞数を、未処理のコントロールまたは非特異的siRNAで処理した細胞と比較して有意に減らした。各々の場合、KLF4レベルの上昇または低下は、それぞれ、条件的誘導またはsiRNA阻害に起因して、p2l(WAF1/CIP1)のレベルの上昇または低下を伴った。本発明者らの研究の結果は、KLF4が、DNA損傷後の細胞周期のG(1)/S進行を制御する際のp53の必須のメディエーターであることを示す。
一旦遺伝子が公知になると、本アプローチを用いて、ヒト(および他の動物)を疾患から保護し得る(Olson KE,Adelman ZN,Travanty EA,Sanchez−Vargas I,Beaty BJおよびBlair CD,Developing arbovirus resistance in mosquitoes,Insect Biochem Mol Biol 2002 Oct;32(10):1333−43)。節足動物媒介ウイルスによって引き起こされる疾患は、ますます重要となる公共の健康問題であり、そして病原体の伝達を制御するために新規方法が必要とされる。本明細書に記載される研究の基礎となる仮説は、Aedes aegypti蚊の遺伝子操作が、デング熱ウイルスをヒト宿主に伝達するその能力を大いにかつ永続的に低減し得ることである。近年の重要な知見は、ここで、本発明者らが遺伝子制御仮説を試験することを可能にする。本発明者らは、相同なウイルスの複製および伝達を除去するために、蚊の中腸および唾液腺において発現され得る、ウイルスゲノム由来のRNAセグメントを同定した。本発明者らは、培養蚊細胞中のウイルス由来のエフェクターRNAの一過性発現および遺伝性発現が、ウイルス複製(eplication)をサイレンシングし得ることを実証し、そしてRNA媒介抵抗性の機構を特徴付けた。本発明者らは、現在、蚊活性プロモーターからエフェクターRNAを発現する転移因子を用いた形質転換によって、ウイルス抵抗性蚊系統を開発している。
IGF2(本発明の方法において破壊した遺伝子のうちの1つ)の標的化は、肝臓の癌において良好な結果を生じた(Yao X,Hu JF,Daniels M,Shiran H,Zhou X,Yan H,Lu H,Zeng Z,Wang Q,Li T,Hoffman AR,A methylated oligonucleotide inhibits IGF2 expression and enhances survival in a model of hepatocellular carcinoma,J Clin Invest 2003年1月1日1(2):265−73)。IGF2は、肝細胞腫瘍形成に関連付けられているマイトジェン性ペプチドである。遺伝子発現のサイレンシングは、シトシン−グアニン(CpG)ジヌクレオチドでのシトシンメチル化としばしば関連しているで、本発明者らは、IGF2プロモーターP4を含む領域と相補的な、メチル化されたオリゴヌクレオチド(MON1)を、その場所でDNAメチル化を誘発して、IGF2 mRNAレベルを低下させる試みにおいて設計した。MON1は、IGF2 mRNA蓄積をインビトロで特異的に阻害したが、一方、同じ配列を有するがメチル化シトシンを有さないオリゴヌクレオチド(ON1)は、IGF2 mRNA量に対して影響を有さなかった。MON1処理は、IGF2プロモーターhP4の領域におけるデノボDNAメチル化の特異的誘導をもたらした。ヒトの肝細胞癌(HCC)細胞株由来の細胞Hep 3Bは、ヌードマウスの肝臓に移植されて、大きな腫瘍の増殖をもたらした。MON1で処置した動物は、生理食塩水またはIGF2 mRNAレベルをインビトロで変えなかった短縮型メチル化オリゴヌクレオチドで処置された動物と比較して、顕著に長い生存を有した。この研究は、メチル化されたセンスオリゴヌクレオチドがIGF2遺伝子の後成的な変化を誘導するために用いられ得ること、およびIGF2 mRNA蓄積の阻害がHCCのモデルにおける強化された生存をもたらし得ることを実証する。
本発明の方法は、ウイルス感染を処置するための化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、細胞内でのウイルスの繁殖のために必要であるがその細胞の生存のために必要でない遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞にこの化合物を投与する工程、および生成された遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、この遺伝子産物の減少または除去は、この化合物がウイルス感染を処置するためのものであることを示す。本発明の方法はまた、ウイルス感染を処置する際に有効な化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、細胞内でのウイルスの繁殖のために必要であるがその細胞の生存のために必要でない遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞にこの化合物を投与する工程、および生成された遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、この遺伝子産物の減少または除去は、この化合物が、ウイルス感染を処置するために有効であることを示す。この細胞遺伝子は、例えば、本明細書中に提供される任意の遺伝子であり得る、すなわち、配列表1における配列のいずれかにおいて記載されるヌクレオチド配列を含む遺伝子またはこのような遺伝子を得るために本明細書中で提供される方法を用いて得られる任意の他の遺伝子のいずれかであり得る。遺伝子産物のレベルは、任意の標準的手段によって(例えば、そのタンパク質に特異的な抗体を用いた検出によって)測定され得る。遺伝子産物のレベルは、この化合物と接触していないコントロール細胞中の遺伝子産物のレベルと比較され得る。遺伝子産物のレベルは、この化合物の添加前の同じ細胞中の遺伝子産物のレベルと比較され得る。機能の活性は、任意の標準的手段によって(例えば、産物への基質の変換を測定する酵素アッセイ、または例えば核酸へのタンパク質の結合を測定する結合アッセイによって)測定され得る。関連したところでは、この遺伝子の調節領域は、レポーター遺伝子へと機能的に連結され得、そして化合物は、このレポーター遺伝子の阻害についてスクリーニングされ得る。このようなレポーター構築物は、本明細書中に記載されている。
その活性/機能が測定され得、そして本明細書中に開示される、遺伝子産物の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:トリステトラプロリン(ヒトのZFP−36)、6−ピルボイル−テトラヒドロプテリンシンターゼ、真核生物DnaJ様タンパク質、ID3(DNA結合インヒビター3)、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(mGAT−1)、切断刺激因子(CSTF2)、TAK1結合タンパク質、ヒトのジンク転写因子ZPF207、Dlx2、Smad7(Mad関連タンパク質)、およびP糖タンパク質(mdr1b)。この活性は、この化合物と接触していないコントロール細胞中の活性またはこの化合物の添加前の同じ細胞中の活性と比較され得る。
本発明はまた、ウイルス感染を処置または予防する際に有効な化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、配列表1の核酸もしくはその任意のホモログを含む細胞遺伝子、または表1もしくは表2さもなければ本願で特定される遺伝子の遺伝子産物とこの化合物とを接触させる工程、およびこの遺伝子産物の機能を検出する工程を包含し、この機能の減少または除去は、化合物が、ウイルス感染を処置または予防するために有効であることを示す。これらの方法において利用され得る遺伝子産物の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:トリステトラプロリン(ヒトのZFP−36)、6−ピルボイル−テトラヒドロプテリンシンターゼ、真核生物DnaJ様タンパク質、ID3(DNA結合インヒビター3)、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(mGAT−1)、切断刺激因子(CSTF2)、TAK1結合タンパク質、CTCF、ヒトのジンク転写因子ZPF207、Dlx2、Smad7(Mad関連タンパク質)、およびP糖タンパク質(mdr1b)。この活性は、この化合物と接触していないコントロール細胞中の活性またはこの化合物の添加前の同じ細胞中の活性と比較され得る。
本発明は、血清の不存在下で第1期間の間生存し得る動物細胞培養由来のウイルスに持続して感染している細胞を選択的に除去する方法を提供し、この方法は、この細胞培養物を、血清の不存在下で、持続的に感染した細胞が血清なしでは生存できない第2期間の間繁殖させ、それにより、細胞培養物から、このウイルスに持続的に感染した細胞を選択的に除去する工程を包含する。第2期間は、第1期間より短いべきである。従って、血清を標準培養培地組成からある期間にわたって(例えば、血清含有培地を培養容器から除去し、細胞をリンスし、そして無血清培地をこの容器に添加し戻すことにより)簡便に除去し得、次いで血清飢餓期間の後、血清を培養培地に戻し得る。あるいは、血清飢餓工程の代わりに、培養物由来の血清生存因子を阻害し得る。さらに、代わりに、ウイルス−因子相互作用を妨害し得る。このようなウイルス除去法は、培養細胞がウイルスを含まないままであることを確実にするために、培養細胞について定期的に実施され得る。血清除去の期間は、非常に変化し得、代表的範囲は、約1日間〜約30日間であり;好ましい期間は約3日間〜約10日間であり得、そしてより好ましい期間は約5日間〜約7日間であり得る。この期間は、血清なしで特定の細胞が生存する能力ならびにウイルス(例えば、レオウイルス(これは、約24時間の生活環を有し、細胞の3日間の飢餓が劇的な結果を提供する))の生活環に基づいて選択され得る。
さらに、期間は、飢餓の間細胞を継代することによっても短縮され得る;一般に、継代数を増やすことは、培養物からのこのウイルスの完全なクリアランスを得るために必要とされる血清飢餓(または血清因子阻害)の時間を低減し得る。継代の間、細胞は代表的に、血清に短時間(代表的に約3時間〜約24時間)曝露される。この曝露は、細胞を取り外すために使用されるトリプシンの作用を停止させるとともに、この細胞が別の増殖周期に入るのを刺激して、この選択プロセスを補助する。従って、飢餓/血清サイクルは、選択的効果を最適化するために繰り返され得る。他の標準的培養パラメータ(例えば、培養物のコンフルエンシー、pH、温度など)は、血清飢餓(または血清生存因子阻害)の必要とされる期間を変更するために変動し得る。この期間は、血清を様々な期間にわたって単に除去し、そして各試験した時間において、この培養物を感染細胞の存在について(例えば、血清の非存在下で生存する能力によって、そして細胞中のウイルスを標準的ウイルス力価測定および免疫組織化学的技術によって定量化することにより確認され得る)試験し、次いでどの血清欠乏時期にウイルス感染細胞が除去されたかを検出することによって、任意の所定のウイルス感染について容易に決定され得る。持続的に感染した細胞の除去を依然として提供する、より短い期間の血清剥奪が用いられることが好ましい。さらに、飢餓、次いで血清の添加、および培養物中に残っているウイルス量の決定のサイクルは、事実上感染した細胞が培養物中に残らなくなるまで繰り返され得る。
従って、本発明の方法は、細胞を継代すること、すなわち、細胞培養物を第1容器から第2容器へと移植することをさらに包含し得る。このような移植は、ウイルスに感染した細胞の生存の選択的欠乏を促進し得る。移植は、数回繰り返され得る。移植は、組織培養の標準的な方法(例えば、Freshney,Culture of Animal Cells,A Manual of Basic Technique,第2版,Alan R.Liss,Inc.,New York,1987を参照のこと)によって達成される。
本発明の方法は、細胞培養物から、ウイルスに持続的に感染した細胞を選択的に除去する方法をさらに提供し、この方法は、細胞培養物を、約50kDと約100kDとの間の分子量を有する機能的形態の血清タンパク質の非存在下で繁殖させる工程を包含し、この血清タンパク質は、低pH中での不活化に耐え、クロロホルム抽出による不活化に耐え、煮沸した場合に不活化し、低イオン強度溶液中で不活化し、レオウイルスに持続的に感染した細胞を含む細胞培養物から除去した場合に、レオウイルスに持続的に感染した細胞の生存を実質的に予防する。この機能的形態が存在しないことは、いくつかの標準的手段のうちのいずれかにより(例えば、このタンパク質を、それに選択的な抗体に結合することにより(血清を細胞に添加する前または後のいずれかでこの抗体を血清中で結合すること;前である場合、この血清タンパク質は、例えば、この抗体をカラムに結合し、そしてこの血清をカラムに通過させ、次いでこの残存タンパク質を含まない血清を細胞に投与することによって、血清から除去され得る)、このタンパク質を不活化する化合物を投与することにより、またはこのウイルスとこのタンパク質との間の相互作用を妨害する化合物を投与することにより)達成され得る。
従って、本発明は、血清含有培地中で繁殖させた細胞培養物から、ウイルスに持続的に感染した細胞を選択的に除去する方法を提供し、この方法は、この血清中で、約50kDと約100kDとの間の分子量を有するタンパク質を阻害する工程を包含し、この血清タンパク質は、低pH中での不活化に耐え、クロロホルム抽出による不活化に耐え、煮沸した場合に不活化し、低イオン強度溶液中で不活化し、レオウイルスに持続的に感染した細胞を含む細胞培養物から除去した場合に、レオウイルスに持続的に感染した細胞の生存を実質的に予防する。あるいは、このウイルスとこの血清タンパクとの間の相互作用は、持続的にウイルスに感染した細胞を選択的に除去するために破壊され得る。
何らかの形態の持続感染が可能な任意のウイルスは、本発明の除去方法を利用して、血清タンパク質を除去すること、血清タンパク質を阻害すること、さもなければ血清タンパク質を妨害すること(例えば、本明細書中で例示されたもの)を含め、そしてまた、本発明の方法によって、ウイルス増殖に必要であるが細胞には必須ではないことが見出される、任意の細胞遺伝子由来の遺伝子産物を除去すること、この遺伝子産物を阻害すること、さもなければこの遺伝子産物を妨害することを含め、細胞培養物から除去され得る。例えば、DNAウイルスまたはRNAウイルスが標的とされ得る。選択されたウイルスに感染した細胞が、血清の除去によって培養物から選択的に除去され得るか否かは、そのウイルスに許容性の細胞から血清を飢餓させる(または血清生存因子を阻害する)こと、選択されたウイルスを細胞に添加すること、血清をその培養物に添加すること、および感染した細胞が死ぬか否かを観察することにより(すなわち、生存細胞中でのウイルスのレベルを、このウイルスについて特異的な抗体を用いて力価測定することにより)、容易に決定され得る。
血清の不存在下で一定期間にわたって維持され得る任意の動物細胞の培養物(すなわち、代表的に、血清中の培養物中で増殖および維持される任意の細胞)は、本発明の方法を利用して、ウイルス感染から精製され得る。例えば、初代培養物ならびに確立された培養物および細胞株が用いられ得る。さらに、培養され得かつ血清の非存在下で一定期間維持され得る、任意の動物由来の細胞培養物およびその動物中の任意の組織型または細胞型が用いられ得る。例えば、代表的に、感染性ウイルスに感染した(特に、持続して感染した)組織由来の細胞の培養物が用いられ得る。
特許請求の範囲において用いられる場合、「血清の非存在下」とは、持続的にウイルス感染した細胞が生存しないレベルにあることを意味する。代表的に、閾値レベルは、培地中の約1%の血清である。従って、約1%、約0.75%、約0.50%、0.25%、0.1%または血清なしのような、約1%以下の血清が用いられ得る。
本明細書中で用いられる場合、ウイルスに持続的に感染した細胞を「選択的に除去する」とは、ウイルスに持続的に感染した細胞の実質的に全てが、ウイルスに感染した細胞の存在が除去手順が実施された直後の培養物中で検出できないように、殺傷されることを意味する。さらに、「選択的に除去する」とは、ウイルスに感染していない細胞がこの方法によって一般的に殺傷されないことを包含する。一部の生存細胞は、ウイルスを依然として生成し得るがそのレベルはより低く、一部は、このウイルスによって死がもたらされる経路が欠損していてもよい。代表的に、実質的に全てが殺傷されるべきである、ウイルスに持続的に感染した細胞については、培養物中のウイルス含有細胞のうちの約90%より多く、より好ましくは95%未満、約98%未満、約99%未満または約99.9%未満の細胞が殺傷される。
本発明の方法はまた、任意の遺伝子の調節領域を含む核酸を提供する。このような調節領域は、上記の通りに単離および配列決定されたゲノム配列から単離され得、そしてその種の調節領域に特有の、観察される任意の特徴によって、およびこの遺伝子のコード領域についての開始コドンへのそれらの関連によって、同定され得る。本発明はまた、レポーター遺伝子に機能的に連結された調節領域を含む構築物を提供する。このような構築物は、慣用的なサブクローニング法によって作製され、そして調節領域がマーカー遺伝子の蒸留にサブクローニングされ得る多くのベクターが利用可能である。マーカー遺伝子は、マーカー遺伝子産物の検出の容易さのために選択され得る。
それゆえ、本発明の方法はまた、ウイルス感染を処置するための化合物のスクリーニングの方法を提供し、この方法は、上記の構築物のうちのいずれかを含む細胞にこの化合物を投与する工程、および生成されるレポーター遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、この構築物は、配列表1中の配列のいずれかに記載されるヌクレオチド配列を含む遺伝子のうちの1つの調節領域を含み、この調節領域は、レポーター遺伝子に機能的に連結されており、このレポーター遺伝子産物の減少または除去は、この化合物がウイルス感染を処置するためのものであることを示す。この方法によって検出される化合物は、調節領域を単離した遺伝子の転写を阻害し、従って、被験体を処置する際に、この遺伝子によって生成される遺伝子産物の産生を阻害し、従って、ウイルス感染を処置する。
いくつかの遺伝子は、レトロウイルス挿入の本発明の方法によって破壊された場合、その遺伝子産物の過剰発現をもたらし、そしてこの過剰発現は、ウイルス複製を阻害した。特に、実施例に記載されるように、本発明の方法を利用することにより、CTCFの配列を含むゲノム遺伝子座(6BE72_rEと称されたクローン(配列番号2))が破壊され、そしてこのことは、IGF2の過剰発現をもたし、このことは、ウイルス複製の減少をもたらした。それゆえ、本発明は、IGF2を過剰発現することによりウイルス複製を減少または阻害する方法を提供する。本発明はまた、CTCF遺伝子を破壊することによって、またはCTCF遺伝子の遺伝子産物を阻害することによって、IGF2の発現を増加させる方法を提供する。IGF2についてのヒトゲノム配列は、公に利用可能なGenBankデータベースにおいて登録番号NT_033238によって見出され得る。GenBank登録番号NT_03328によって利用可能なこの配列は、この参照により、その全体が、本明細書中に参考として援用される。IGF2についてのヒトmRNA配列もまた、GenBankにおいて登録番号NM_00612の下で見出され得る。GenBank登録番号NM_00612によって入手可能な配列は、この参照により、その全体が本明細書中に参考として援用される。CTCFについてのヒトmRNA配列は、 GenBankにおいて、登録番号NM_080618の下で見出され得る。GenBank登録番号NM_00612によって入手可能なこの配列は、この参照により、その全体が本明細書中に参考として援用される。ヒト染色体位置16q2l−q22.3に位置するCTCFについてのヒトゲノム配列は、GenBankにおいて、登録番号NT_010478の下で見出され得る。GenBank登録番号NT_010478によって入手可能なこの配列は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
別の例では、本発明の方法は、別のクローン(研究室での名称14_7#2(配列番号115))を同定した。このクローンは、Mgat−1によってコードされるN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIの過剰発現をもたらす。N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIの過剰発現は、ウイルス複製の減少をもたらした。
破壊されると別の遺伝子の過剰発現をもたらす遺伝子が一旦見出されると、過剰発現される遺伝子が、直接的に(すなわち、過剰発現される遺伝子を介して)または間接的に(すなわち、元々破壊された遺伝子(またはその遺伝子産物)を介して)またはその過剰発現される遺伝子と関連した別の遺伝子(またはその遺伝子産物)を介して、調節され得る。例えば、当業者は、IGF2の過剰発現をもたらす化合物を投与し得る。この化合物は、IGF2遺伝子、IGF2 mRNAまたはIGF2タンパク質と相互作用し得る。この化合物はまた、CTCF遺伝子、CTCF mRNAまたはCTCFタンパク質と相互作用して、IGF2発現を増加させ得る。この化合物はまた、IGF2経路に関与する他の遺伝子、mRNAまたはタンパク質と相互作用して、IGF2発現の増加をもたらし得る。
従って、本発明は、ウイルス感染を処置する際の有効性について化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、その過剰発現がウイルスの繁殖を阻害するがその細胞の生存を防止しない遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞にこの化合物を投与する工程および生成される遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、この遺伝子産物の増加は、化合物が、ウイルス感染を処置するために有効であることを示す。代表的に、増加は、この化合物が存在しない場合に生成される遺伝子産物に対する、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%またはより多くの増加である。
本発明は、被験体におけるウイルス感染を低減または阻害する方法をさらに提供し、この方法は、この被験体に、配列表のいずれかの配列に示される核酸もしくはそのホモログを含む遺伝子、または表1もしくは表2さもなければ本願で特定される遺伝子によってコードされる遺伝子産物の発現または機能を阻害する量の組成物を投与し、それにより、ウイルス感染を処置する工程を包含する。この組成物は、例えば、この遺伝子によってコードされるタンパク質を結合する抗体を含み得る。この組成物はまた、この遺伝子によってコードされるタンパク質についてのレセプターを結合する抗体を含み得る。このような抗体は、標準的方法により、選択されたタンパク質に対して惹起され得、そしてポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかであり得るが、モノクローナルが好ましい。あるいは、この組成物は、この遺伝子によってコードされるRNAを結合するアンチセンスRNAを含み得る。さらに、この組成物は、この遺伝子によってコードされるRNAを結合するアンチセンスRNAを機能的にコードする核酸を含み得る。他の有用な組成物は、当業者に容易に明らかである。
本発明はまた、被験体におけるウイルス感染を処置する方法を提供し、この方法は、その過剰発現がウイルス複製を低減または阻害する遺伝子の発現を増加させる組成物の処置有効量をこの被験体に投与する工程を包含する。代表的には、発現における増加は、この組成物が存在しない場合に生成される遺伝子産物に対する、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%またはより多くの増加である。
本発明はさらに、被験体におけるウイルス感染を低減または阻害する方法を提供し、この方法は、被験体由来の選択された細胞において、配列表1に列挙された配列またはそのホモログのいずれかに記載の核酸を含む内因性遺伝子を、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない遺伝子形態またはこの遺伝子の低減した量の機能的遺伝子産物を生成する遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、およびこの細胞をこの被験体中に再配置し、それにより、被験体中の細胞のウイルス感染を低減する工程を包含する。この細胞は、感染が低減、防止または阻害されるべき、特定のウイルスの代表的標的細胞に従って選択され得る。いくつかのウイルスについての好ましい細胞は、造血細胞である。選択された細胞が造血細胞である場合、感染が低減または阻害され得るウイルスとしては、例えば、HIV(HIV−1およびHIV−2を含む)が挙げられ得る。
本発明はまた、被験体におけるウイルス感染を低減または阻害する方法を包含し、この方法は、(例えば、被験体または同種供給源由来の)選択された細胞において、その過剰発現がウイルス複製の阻害を引き起こす、配列表1に記載の核酸またはそのホモログを含む内因性遺伝子を、この遺伝子を内因性遺伝子よりも高いレベルで発現する遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、およびこの細胞をこの被験体中に配置または再配置する工程を包含する。代表的には、より高いレベルは、変異していない内因性遺伝子よりも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、300%、400%、500%またはより多くである。この細胞は、感染が低減、防止または阻害されるべき、特定のウイルスの代表的標的細胞に従って選択され得る。いくつかのウイルスについての好ましい細胞は、造血細胞である。選択された細胞が造血細胞である場合、感染が低減または阻害され得るウイルスとしては、例えば、HIV(HIV−1およびHIV−2を含む)が挙げられ得る。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが当業者に明らかである。
本発明はさらに、被験体におけるウイルス感染抵抗性を増大させる方法を提供し、この方法は、(例えば、被験体または同種供給源由来の)選択された細胞において、その発現の阻害または低減がウイルス感染抵抗性を引き起こす、配列表1に記載の核酸を含む内因性遺伝子をエキソビボで変異させる工程であって、この内因性遺伝子は、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない変異した遺伝子形態または低減した量のこの遺伝子の機能的遺伝子産物を生成する遺伝子形態へと変異される工程、およびこの細胞をこの被験体中に配置し、それにより、この被験体における細胞のウイルス感染抵抗性を増大させる工程を包含する。このウイルスはHIVであり得る(特に、この細胞が造血細胞である場合)。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが、当業者に明らかである。
本発明はまた、被験体におけるウイルス感染を低減または阻害する方法を提供し、この方法は、被験体由来の選択された細胞において、(a)血清含有培地中で増殖している細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)この培養培地から血清を除去する工程、(d)この細胞培養物にこのウイルスを感染させる工程、および(e)生存細胞から、マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を単離する工程を含む方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない変異した遺伝子形態またはこの遺伝子の低減した量の機能的遺伝子産物を生成する変異した遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、ならびにこの細胞を被験体中に再配置し、それにより被験体中の細胞のウイルス感染を低減する工程を包含する。従って、この変異した遺伝子形態は、例えば、有効量の機能的タンパク質もmRNAも生成できない遺伝子形態または機能的タンパク質もmRNAも生成できない遺伝子形態であり得る。このウイルスがHIVである方法が実施され得る。この方法は、ウイルスが有害な結果を伴って感染し得る任意の選択された細胞において実施され得る。例えば、この細胞は、造血細胞であり得る。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが当業者に明らかである。
本発明はさらに、被験体におけるウイルス感染抵抗性を増大させる方法を提供し、この方法は、被験体由来の選択された細胞において、(a)血清含有培地中で増殖している細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)この培養培地から血清を除去する工程、(d)この細胞培養物にこのウイルスを感染させる工程、および(e)生存細胞から、マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を単離する工程を含む方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない変異した遺伝子形態またはこの遺伝子の低減した量の機能的遺伝子産物を生成する遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、ならびにこの細胞を被験体中に再配置し、それにより被験体中の細胞のウイルス感染を低減する工程を包含する。このウイルスは、HIVであり得る(特に、この細胞が造血細胞である場合)。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが、当業者に明らかである。
本発明はまた、被験体におけるウイルス感染を低減または阻害する方法を提供し、この方法は、被験体由来の選択された細胞において、(a)血清含有培地中で増殖している細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)この細胞培養物にこのウイルスを感染させる工程、および(d)生存細胞から、マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を単離する工程を含む方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない変異した遺伝子形態またはこの遺伝子の低減した量の機能的遺伝子産物を生成する変異した遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、ならびにこの細胞を被験体中に再配置し、それにより被験体中の細胞のウイルス感染を低減する工程を包含する。従って、この変異した遺伝子形態は、例えば、有効量の機能的タンパク質もmRNAも生成できない遺伝子形態または機能的タンパク質もmRNAも生成できない遺伝子形態であり得る。このウイルスがHIVである方法が実施され得る。この方法は、ウイルスが有害な結果を伴って感染し得る任意の選択された細胞において実施され得る。例えば、この細胞は、造血細胞であり得る。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが当業者に明らかである。
本発明はさらに、被験体におけるウイルス感染抵抗性を増大させる方法を提供し、この方法は、被験体由来の選択された細胞において、(a)血清含有培地中で増殖している細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、(c)この細胞培養物にこのウイルスを感染させる工程、および(d)生存細胞から、マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を単離する工程を含む方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、この遺伝子の機能的遺伝子産物を生成できない変異した遺伝子形態またはこの遺伝子の低減した量の機能的遺伝子産物を生成する遺伝子形態へと、エキソビボで変異させる工程、ならびにこの細胞を被験体中に再配置し、それにより被験体中の細胞のウイルス感染を低減する工程を包含する。このウイルスは、HIVであり得る(特に、この細胞が造血細胞である場合)。しかし、多くの他のウイルス−細胞組合せが、当業者に明らかである。
さらに、本発明は、腫瘍の進行において利用される細胞遺伝子の単離のための方法を提供する。本発明は、細胞中の悪性表現型を抑制し得る細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)軟寒天またはMatrigel中で充分に増殖できない細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、および(c)軟寒天またはMatrigel中で増殖し得る、選択された細胞から、マーカー遺伝子が挿入された細胞遺伝子を単離し、それにより、細胞中の悪性表現型を抑制し得る遺伝子を同定する工程を包含する。この方法は、任意の選択された非形質転換細胞株を用いて実施され得、これらのうちの多くが当該分野で公知である。
本発明はさらに、細胞中の悪性表現型を抑制し得る細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、(a)非形質転換細胞の細胞培養物中に、機能的プロモーターを欠く選択的マーカー遺伝子をコードするベクターを移入する工程、(b)このマーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、および(c)選択および形質転換された細胞から、このマーカー遺伝子が挿入される細胞遺伝子を単離し、それにより、細胞中の悪性表現型を抑制し得る遺伝子を同定する工程を包含する。非形質転換表現型は、当該分野におけるいくつかの標準的方法(例えば、例示される、軟寒天において増殖できないことまたはMatrigelにおいて増殖できないこと)のうちのいずれかによって決定され得る。
本発明はさらに、細胞の悪性表現型を抑制し得る細胞遺伝子を同定する方法を提供し、この方法は、以下(a)非形質転換細胞の細胞培養物に、機能性プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを移す工程、(b)マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、および(c)選択され、かつ形質転換された細胞から、マーカー遺伝子が挿入された細胞遺伝子を単離し、それによって細胞内で悪性表現型を抑制し得る遺伝子を同定する工程を包含する。非形質転換表現型は、当該分野のいくつかの標準的な方法(例えば、軟寒天上で増殖できないこと、あるいはMatrigel上で増殖できないことが例証される)のいずれかによって決定され得る。この方法は、任意の選択された非形質転換細胞株(その多くは当該分野で公知である)を使用して実施され得る。
本発明はさらに、細胞で悪性表現型を抑制する化合物をスクリーニングする方法を提供し、この方法は、細胞内の悪性表現型の確立に関与する遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞に化合物を投与する工程を包含し、産生された遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、遺伝子産物の減少または除去は、悪性表現型を抑制するために効果的な化合物を示唆する。産生された遺伝子産物のレベルまたは量の検出は、タンパク質のレベルまたは量について、当該分野の標準的ないくつかの方法(例えば、タンパク質ゲル、抗体に基いたアッセイ、標識RNAの検出)のいずれかにより、直接的にかまたは間接的に測定され得、そして、特異的な遺伝子産物に基いて選択され得る。
本発明はさらに、被験体の細胞で、悪性表現型を抑制する方法を提供し、この方法は、以下:配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82または配列番号83、配列番号92、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号119、配列番号177、配列番号206、配列番号240、配列番号243、配列番号247、配列番号321、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号408、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414もしくはこれらのホモログに示される核酸を含む遺伝子またはその過剰発現が細胞の悪性表現型の抑制に関与していることが本発明の方法によって見出され、それによって悪性表現型を抑制する任意の遺伝子(例えば、本出願を通して、本明細書で「X」と呼ばれる任意のクローン)によってコードされる遺伝子産物の発現または機能を阻害する量の組成物を被験体に投与する工程を包含する。例えば、組成物は、遺伝子によってコードされるタンパク質に結合する抗体を含み得る。別の例として、組成物は、遺伝子によってコードされるタンパク質に対するレセプターに結合する抗体を含み得る。組成物は、遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを含み得る。さらに、組成物は、遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを機能的にコードする核酸を含み得る。
本発明はさらに、被験体の細胞で悪性表現型を抑制する方法を提供し、この方法は、その過剰発現が細胞内の悪性表現型の抑制に関与する遺伝子産物の発現を増加する量の化合物を被験体に投与する工程を包含する。遺伝子産物は、本発明のベクターによる上流の遺伝子の破壊によって下流の遺伝子の過剰発現が生じる遺伝子の産物であり得、下流遺伝子の過剰発現が形質転換表現型を示す。例えば、組成物は、インヒビター(例えば、COX2酵素の低分子インヒビター)であり得る。
本発明の診断薬剤または治療薬剤は、治療もしくは診断を、選択した部位に処置する多くの標準的手段または機能実体型を投与する標準的手段のいずれかにより、被験体または動物モデルに投与され得る。例えば、薬剤は、筋肉内注射、腹腔内注射、局所注射、経皮注射などにより、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与)され得る。薬剤は、例えば、カチオン性リポソームとの複合体として、もしくはアニオン性リポソーム中にカプセル化されて投与され得る。組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて種々の量の選択された薬剤を含み得、さらに所望の場合、他の医薬の薬剤、薬学的薬剤、キャリア、アジュバント、希釈液などを含み得る。非経口投与は、使用される場合、一般的に注射により特徴付けられる。注射剤は、従来の形態(溶液もしくは懸濁液、注射する前の液体中の溶液もしくは懸濁液に適した固体形態、または懸濁液のいずれかとして)で調製され得る。投与様式に依存して、薬剤は、被験体内での分解を避けるために(例えば、カプセル化などにより)最適化され得る。
投薬量は、投与様式、処置される疾患または状態および個々の被験体の状態に依存するが、抗ウイルス性薬剤または抗癌剤の投与のため、およびそれらに使用される代表的な投薬量である。投薬量はまた、投与される組成物(例えば、タンパク質または核酸)にも依存する。このような投薬量は、当該分野で公知である。さらに投薬量は、処置される特定の疾患または条件に対する代表的な投薬量に従って調節され得る。さらに、標的細胞型の培養細胞物におけるウイルス力価は、インビボでの標的細胞に対する投薬量を最適化するために使用され得、そして、可変の投薬量からの形質転換は、標的細胞型がモニタリングされ得るように、同一細胞型の培養細胞において達成され得る。多くの場合、単回用量は、十分であり得るが、所望の場合、用量は、繰り返され得る。投薬量は、副作用を引き起こすほど大きくてはならない。一般的に、投薬量は、患者の年齢、状態、性別および疾患の程度によって変化し、当業者によって決定され得る。投薬量はまた、いかなる合併症の事象においても、個々の医師によって調節され得る。
被験体の細胞への投与に関して、組成物は、一旦被験体内に投与されると、当然のことながら被験体の体温に調整する。エキソビボでの投与に関して、組成物は、細胞の生存度を維持する任意の標準的な方法により(例えば、培養培地(標的細胞に適切である)に添加し、この培地を直接細胞に添加することにより)投与され得る。当該分野で公知であるように、この方法で使用される任意の培地は、細胞を生存不可能にしないために、水性かつ非毒性であり得る。加えて、培地は、所望の場合、細胞の生存度を維持するために標準的栄養分を含み得る。インビボでの投与に関して、複合物が、例えば、患者由来の血液サンプルもしくは組織サンプル、または薬学的に受容可能なキャリア(例えば、生理食塩水および緩衝生理食塩水)に添加され得、当該分野で公知の任意のいくつかの手段により投与され得る。投与の例としては、非経口投与(例えば、標的細胞を有する組織または器官への血管供給を介した局所的な灌流を含む静脈内注射またはエアロゾルの吸入による)、皮下もしくは筋肉内注射、例えば、皮膚外傷および皮膚損傷への局所投与、例えば、被験体への移植および後の移植のために調製された骨髄細胞への直接トランスフェクション、ならびに被験体へ後に移植される器官への直接トランスフェクションが挙げられる。さらなる投与方法としては、経口投与(特に組成物がカプセル化される場合)または直腸投与(特に組成物が、坐剤形態である場合)が挙げられる。薬学的に受容可能なキャリアとしては、生物学的に、またはその他の点で、望ましくないものではない任意の物質、すなわち、なんらかの好ましくない生物学的効果を誘導しないか、またはそれが含まれる薬学的組成物の他の任意の成分と有害な様式で相互作用しない選択された複合物と一緒に、個体に投与され得る物質が挙げられる。
具体的には、(例えば、器官または腫瘍の局所的な灌流によって)インビボでの特定の細胞型が標的化される場合、標的組織由来の細胞は、生検され、複合体の組織への取り込みに対する最適投薬量は、本明細書で記載されるように、そして、当該分野で公知であるように、インビトロで決定され得、濃度および時間の長さを含むインビボでの投薬量を最適化する。あるいは、同一の細胞型の培養細胞物もまた、インビボでの標的細胞に対する投薬量を最適化するために使用され得る。
エキソビボまたはインビボ使用でのいずれかに関して、複合体は、任意の有効濃度で投与され得る。有効濃度は、ウイルス感染の減少、阻害もしくは予防、または形質転換した細胞の表現型の減少もしくは阻害を生じる量である。
核酸は、いくつかの手段の内のいずれかで投与され得、その手段は、使用したベクター、器官または組織を標的化する場合、その器官もしくは組織および被験体の特徴によって選択され得る。核酸は、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、生理食塩水)中で所望される場合、全身に(例えば、静脈内に、動脈内に、経口的に、非経口的に、皮下に)投与され得る。核酸はまた、直接注射により器官に投与され得、また注射により標的組織に供給する血管に投与され得る。肺または気管の細胞の感染に関して、核酸は、気管内に投与され得る。核酸はさらに、局所的に、経皮的になどで投与され得る。
核酸またはタンパク質は、組成物中で投与され得る。例えば、組成物は、他の医薬の薬剤、薬学的薬剤、キャリア、アジュバント、希釈剤などを含み得る。さらに、組成物は、ベクターに加えて、脂質(例えば、リポソーム(例えば、カチオン性リポソーム(例えば、DOTMA、DOPE、DC−コレステロール)またはアニオン性リポソーム)を含み得る。リポソームはさらに、所望の場合、特定の細胞の標的化を促進するタンパク質を含み得る。ベクターおよびカチオン性リポソームを含む組成物の投与は、標的器官への求心性血液に投与され得るかまたは気道の標的細胞への気道へ吸入され得る。リポソームについては、例えば、Brighamら、Am.J.Resp.Cell Mol Biol.1:95〜100(1989);Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 84:7413〜7417(1987);米国特許第4,897,355号を参照のこと。
核酸を含むウイルスベクターに関しては、組成物は、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、リン酸緩衝生理食塩水または生理食塩水)を含み得る。ウイルスベクターは、標的細胞によって、当該分野で公知なように選択され得る。例えば、アデノウイルスベクター、特に複製能力のないアデノウイルスベクターは、その広い宿主範囲のために、多数の細胞のいずれを標識するのにも利用され得る。多くの他のウイルスベクターが、利用可能であり、その標的細胞は、公知である。
(細胞培養物からのウイルス感染細胞の選択的除去)
10%ウシ胎仔血清を補充した高グルコースDulbecco改変イーグル培地中で、ラット腸細胞株−1細胞(RIE−1細胞)を標準的に培養した。実験を開始するために、レオウイルスで持続的に感染した細胞をコンフルーエンス近くまで培養し、次いで、培地を除去し、細胞をPBSで洗浄し、血清を補充していないフラスコ培地に戻すことにより、培養培地から血清を除去した。代表的に、血清含有量は、1%以下まで減少した。細胞を数日間または約1ヶ月間血清を枯渇させ、静止状態にするかまたは増殖を停止する。次いで、静止細胞に10%血清を含む培地を添加し、細胞の増殖を刺激する。細胞がいずれかの感染性ウイルス(ホモジェナイズされた細胞のmlあたり1感染ウイルスの感受性)を含有するか否かを確証するために使用する免疫組織学的技術によって、生存する細胞は、持続的に感染細胞ではないことが見出される。
(細胞ゲノムDNAの単離)
(ジーントラップライブラリー)
10細胞あたり1レトロウイルスより少ない割合で、RIE−1細胞をレトロウイルスベクター(U3 ジーントラップ)で感染させることにより、ライブラリーを作製する。U3ジーントラップレトロウイルスが、能動的に転写された遺伝子内に組み込む場合、U3ジーントラップレトロウイルスがコードするネオマイシン抵抗性遺伝子も転写され、これにより、抗生物質ネオマイシンに対する抵抗性を細胞に与える。ジーントラップ事象を有する細胞は、ネオマイシンに曝露されても生存し得るのに対して、ジーントラップ事象を有さない細胞は、死滅する。ネオマイシン選択を生存する種々の細胞を、次いで、ジーントラップ事象のライブラリーとして増殖させる。このようなライブラリーは、後の同定のための遺伝子をタグ化する転写活性細胞プロモーターに由来するレポーター遺伝子を発現する特性を有する、任意のレトロウイルスベクターとともに産生され得る。
(レオウイルス選択)
レオウイルス感染は代表的には、RIE−1細胞に対して致死性であるが、持続的な感染細胞の発生を生じ得る。これらの細胞は、感染性レオウイルス粒子を産生する間、増殖し続ける。細胞にレオウイルス抵抗性を与えるジーントラップ事象の同定に関しては、持続的に感染した細胞が、除去されなければならないか、またはそれらは偽陽性として計数される。本発明者らは、レオウイルスで持続的に感染し、継代し、低密度でプレートしたRIE−1細胞が、血清の枯渇に対してほとんど抵抗性がないことを見出した。従って、本発明者らは、レオウイルス感受性細胞とレオウイルスで持続的に感染される細胞の両方に対して選択するRIE−1ジーントラップライブラリーのスクリーニングのためのプロトコルを開発した。
1.RIE−1ライブラリー細胞をコンフルーエンス近くまで増殖し、次いで、血清を培地から除去する。細胞を、数日間血清を枯渇させ、静止状態にするかまたは増殖を停止する。
2.細胞当たり10レオウイルスより大きい力価で、ライブラリー細胞をレオウイルスで感染させ、血清の枯渇をさらに数日間継続する。
3.感染細胞を継代(感染細胞を3〜6時間血清に曝露するプロセス)し、次いで、さらに数日間血清を枯渇させた。
4.生存する細胞を次いで、血清の存在下で、明らかなコロニーが発生するまで増殖させ、その時点で限界希釈によりクローニングする。
(培地:高グルコースDulbecco改変イーグル培地(DME/HIGH))
Hyclone Laboratories カタログ番号SH30003.02)
(ネオマイシン)
U3ジーントラップレトロウイルスを有さなかった細胞に対して選択するために、抗生物質を使用した。本発明者らは、SigmaからのGENETICIN(カタログ番号G9516)を使用した。
(ラット腸細胞株−1細胞(RIE−1細胞))
これらの細胞は、Dr.Ray Duboisの研究室(VAMC)に由来する。それらは代表的に、10%ウシ胎仔血清を補充したDulbecco改変イーグル培地で培養する。
(レオウイルス)
血清型1または血清型3のいずれかの研究室株を使用する。それらは、もともとBernard N.Fields(死去した)の研究室から入手した。これらのウイルスは、詳細に記載されている。
(レトロウイルス)
本明細書に使用されたU3ジーントラップレトロウイルスは、Dr.Earl Ruley(VAMC)によって開発され、ライブラリーを、彼により示唆される一般的プロトコルを使用して作製した。
(血清)
ウシ胎仔血清 Hyclone Laboratories カタログ番号 A−1115−L
(ウイルス感染に必要な遺伝子)
単離したいくつかの配列の特徴としては、以下が挙げられる:
配列番号1:ラットの小腔のH+ATPaseのゲノム配列(遺伝子産物の活性の化学的な阻害は、インフルエンザウイルスおよびレオウイルスに対する抵抗性を生じる)
配列番号2:ラットのαトロポミオシンゲノム配列
配列番号3:マウスおよびラットのgas5遺伝子のラットのゲノム配列(細胞周期調節遺伝子)
配列番号4:マウス、ヒトのras複合体のp162のラットのゲノム配列(細胞周期調節遺伝子)
配列番号5:マウス、ヒトのN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼI mRNAに類似(細胞内のゴルジ領域に位置する酵素;ウイルスを含むDNAの一部として見出された)
配列番号6:マウス、ヒトのカルサイクリンに類似、逆相補体(細胞周期調節遺伝子)
配列番号7:LOCUS AA254809 364bpのmRNA EST DEFINITION mz75a10.r1 Soaresマウスリンパ節NbMLN Mus musculus cDNAクローン719226 5’に類似した配列を含む
配列番号8:No SW:RSP1_MOUSE Q01730 RSP−1 PROTEINに類似した配列を含む
配列番号9:gb|U25435|HSU25435ヒト転写リプレッサー(CTCF)mRNA、完全cds、長さ=3780の5’UTRを含む
配列番号38:レトロウイルス起源のcDNAに類似
配列番号50:トラップされたAYU−6遺伝的エレメント。
(悪性表現型を抑制する細胞遺伝子の単離)
発明者らは、形質転換していない細胞(RIE−1親株)の母集団から形質転換した表現型(潜在的に腫瘍細胞である)を有する細胞株の選択に、遺伝子トラップ方法を使用した。親細胞株であるRIE−1細胞は、軟寒天上で増殖する能力またはマウスに腫瘍を産生する能力を有さない。以下のジーントラップでは、細胞を、軟寒天上で増殖する能力についてスクリーニングした。これらの細胞を、クローニングし、ゲノム配列を、レトロウイルスベクター配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号92、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号119、配列番号177、配列番号206、配列番号240、配列番号243、配列番号247、配列番号321、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号408、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414の5’または3’から得た。研究室表示(Lab Designation)で、「x」と名付けられた全てのクローンは、本出願全体にわたって、腫瘍発達に関与する代表的な遺伝子を示す。全ての細胞株は、腫瘍細胞株であるかのようにふるまい、またマウスに腫瘍を誘導する。
細胞株の内、二つは、プロスタグランジン合成酵素遺伝子IIまたはCOX2の増強された発現に関連する。上流遺伝子のレトロウイルス標的化による遺伝子機能の破壊は、下流の遺伝子産物、COX2の発現の増強につながることが示された。COX2酵素の低分子インヒビターが添加された場合、形質転換した表現型の復帰が生じた。COX2遺伝子は、ヒトの前悪性腺腫において増加が見出され、ヒト結腸癌において過剰発現が見出された。COX2発現のインヒビターはまた、腫瘍の増殖を停止する。細胞株の1つであるx18(配列番号177)は、EST(dbest)データベースで示される遺伝子を破壊していた。
(配列番号76):>02−X18H−t7..、gb|W55397|W55397 mb13h04.r1 Life Tech マウス脳 Mus 1.0e−114に同一。x18はまた、見出される同一のESTを含むベクターから配列決定された。(配列番号77):>x8_b4_2..。(配列番号78):>x7_b4..。(配列番号79):>x4−b4..。(配列番号80):>x2−b4..。(配列番号81):>x15−b4..。(配列番号82):>x13−re..、逆相補体。(配列番号83):>x12_b4..。
提供された核酸配列が単離される遺伝子のそれぞれは、腫瘍抑制遺伝子を示す。配列が、配列番号76に示される核酸を含む遺伝子以外の破壊された遺伝子の機構は、現在は未知の形質転換された表現型を抑制し得る。しかし、それぞれは、公知の遺伝子に対応するゲノム配列がない潜在的に固有である腫瘍抑制遺伝子を示す。腫瘍抑制遺伝子を迅速に選択する能力は、癌の処置または予防のプロセス(診断試験に対して強力な)で、固有の標的を提供し得る。
(全長ゲノム遺伝子の単離)
本発明の単離された核酸(その配列は、配列番号1〜配列番号418のいずれかに示される)またはその小さいフラグメントを、検出可能な標識で標識し、高ストリンジェンシーな条件下(すなわち、ハイブリダイゼーションを引き起こすために高塩濃度および高温で、ならびに、温度5〜20℃で洗浄する)で、ラットのゲノムライブラリー(λファージライブラリーまたは酵母人工染色体ベクターライブラリー)をスクリーニングするためのプローブとして使用する。クローンを単離し、標準的サンガージデオキシヌクレオチド配列決定法により配列決定する。一旦新規クローンの全長配列が決定すると、それは、プローブ配列と一緒に並べられ、プローブ配列に対するその相対的な向きを決定する。結合したゲノム配列のどちらかの末端それぞれの配列を使用して2番目および3番目のプローブを設計する。これらのプローブを使用して、ライブラリーをスクリーニングし、新規クローンを単離し、それを配列決定する。これらの配列を、前に入手した配列と一緒に並べ、どちらかの末端配列に対応する新規プローブを設計し、全長遺伝子が単離され、位置づけされるまで、この全体のプロセスを繰り返す。配列の1つの末端が、いかなる新規クローンも単離し得ない場合、新規ライブラリーがスクリーニングされ得る。全長配列は、5’末端の調節領域および3’末端のポリアデニル化シグナルを含む。
(cDNAの単離)
オープンリーディングフレームを含む単離された核酸(その配列は、配列番号1〜配列番号418のいずれかに示される)もしくはその小さなフラグメントまたはゲノムライブラリーから得たさらなるフラグメントは、検出可能な標識によって標識され、本発明のフラグメントの一部を、cDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使用する。ラットのcDNAライブラリーは、ラットのcDNAを入手し、ヒトcDNAライブラリーは、ヒトcDNAを入手する。繰り返しスクリーニングを上記のように使用し得、必要な場合、いくつかのクローンから遺伝子の全長コード配列を入手する。単離体を次いで、配列決定し、例えば、ジデオキシヌクレオチド配列決定方法のような標準的方法によりヌクレオチド配列を決定し得る。
(血清生存因子の単離および特徴づけ)
血清枯渇に対する抵抗性の欠如は、血清に存在する血清因子(生存因子)を持続的に感染した細胞の獲得した依存性のためである。持続的に感染した細胞に対する血清生存因子は、50kDと100kDの間の分子量を有し、低pH(pH2)での不活性化およびクロロホルム抽出に抵抗性である。5分間煮沸することにより、および低イオン強度溶液(10〜50mM)中では、不活性化する(全体の血清(50〜100kD画分)から一旦断片化する)。
因子を、30kd〜100kdのサイズを取り除く求心性分子カットオフフィルター(MilliporeおよびAmnicon)および50kdの分子を取り除く透析チューブを使用するサイズ分画により、血清から単離した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動および銀染色を使用して、生じたすべての物質が、50kd〜100kdの間であることを確定し、初期単離物の多様性を確認した。イオン交換クロマトグラフィーおよびヘパリン硫酸塩吸着カラムを使用し、その後HPLCにより、さらなる精製を行った。HClを使用して種々のpH条件に対して血清画分(30〜100kd 画分)のpHを調節し、生物学的活性の評価の前に、pHをpH7.4に再調節した後で、活性を確定した。活性を含む画分を低イオン強度溶液で種々の時間透析し、培地に対して、画分を透析することにより生物学的活性を決定する前に、生理的条件に対するイオン強度を再調整することにより、低イオン強度感受性を確定した。クロロホルム抽出の後、水性溶液中で、生物学的活性を維持した。このことは因子が脂質ではないことを示唆している。30〜100kdの画分を100℃の水浴に5分間置くと、生物学的活性を失った。
(単離された核酸)
単離したタグ化したゲノムDIASを、サンガージデオキシヌクレオチド配列決定を使用して標準的方法により配列決定した。これらの核酸のヌクレオチド配列は、本明細書に配列番号1〜428(配列番号リスト1)として示す。配列を、コンピューターデータバンクにかけて、相同性検索を行なった。「6b」配列(ゲノムライブラリー6、フラスコbから得た)のいくつかに対する配列(すなわち、配列番号37、38、39、42、61、65、66,69)は、公知の遺伝子、αトロポミオシンに一致し、他のいくつかは、小胞−H−ATPaseに一致した。これらの配列は、急性および持続的なウイルス感染に関連し、それら(すなわちαトロポミオシンおよび小胞−H−ATPase)を含む細胞遺伝子は、上記の方法を用いたウイルス感染に対する薬物処理の標的になり得る。これらの遺伝子は、特に、対立遺伝子の一方もしくは両方の破壊が、生存可能な細胞を生じるので、治療標的になり得る。
(単離された核酸に対するタグの同定)
ベクターでタグ化されたゲノム配列(例えば、U3ジーントラップベクター)に、その配列が、単離された突然変異細胞のゲノムライブラリーに対応する数字およびライブラリーの固有のメンバーを示す文字を与える。同一の数字および文字を有する1つより多い配列は、遺伝子を「タグ化した」ベクター挿入部分の周囲のゲノムから得た複数の固有の配列を示す。このようなゲノム配列は、ベクターに基いた、配列決定が、3’〜5’または5’〜3’に生じるプライマーを使用して得る。前者の場合、ベクターが挿入される遺伝子の向きを回復するために、ベクタープライマーに由来する配列は、逆になり、相補的であるに違いない。このような逆の相補的な配列は、「rE」と呼ばれる。5’〜3’に生じるプライマー(すなわち、プライマーは、ベクターの3’末端にある)に由来するゲノム配列決定の場合、由来する配列は、破壊された遺伝子に存在するような配列であるので、変化は必要ない。このような配列は、B4と呼ばれる。相同性は、ネガティブ鎖上に明白に示さない限り、以下の各ゲノム配列が、正向きであることを示す。例として、配列番号110は、ポジティブ鎖上に新規のポリペプチドをコードする核酸配列を含み、それに対して、ネガティブ鎖は、フェリチンをコードする。
さらなる遺伝子に対する配列番号および研究室表示は、以下に示す本発明の方法を使用して同定した。
Figure 2006507807
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(ウイルス感染に必要な遺伝子の特性)
本発明の方法は、IGF2転写物(研究室表示6BE72_rE(配列番号2))を調節するインプリンティング遺伝子(例えば、IFG2r(研究室表示L192b3E##13−rE(配列番号143)およびCTCF(父性的にインプリントされた))を同定した。
また、ウイルス抵抗性に関して選択された120クローンの内、6遺伝子(16細胞クローン)は、別のライブラリーから1回より多く選択された。カルサイクリンは、10回選択された。カルサイクリンに加えて、他のクローンは、1回より多く破壊された。選択されたウイルスと、比率の試験による無作為の挿入事象との間の統計的差は、p<5×10−5である。
データはまた、HSV−1レポーター発現が、2つの細胞クローンで増強されることを示した。S100A6(研究室表示3_2_13_rE(配列番号192))およびAnnexinII(研究室表示7A7’−rE(配列番号102))は、これらのクローンで破壊された配列である。これらは、同一の経路の一部であり、互いに結合し得る。
本発明はまた、その産物が、結合により関連する遺伝子を同定した。例えば、研究室表示6B37H(配列番号65)は、破壊されたanxI遺伝子を有する。研究室表示6B60(配列番号237)は、破壊されたTPM1遺伝子を有する。研究室表示7A7’−rE(配列番号102)は、破壊されたanxII遺伝子を有する。研究室表示3_2_13(配列番号192)は、破壊されたS100A6遺伝子を有する。研究室表示32_3_2#1E(配列番号84)は、破壊されたcam2遺伝子を有する。研究室表示L24_5_3BE(配列番号199)は、破壊されたTUSP遺伝子を有する。研究室表示31_3_15#1(配列番号159)は、破壊されたfkbp8遺伝子を有する。研究室表示24_9_3#2(配列番号164)は、破壊されたcpr8遺伝子を有する。
データはまた、変異体細胞クローンでは、破壊された遺伝子の発現レベルが変化し得ることを示した。例えば、S100A6クローン(研究室表示3_2_13_rE(配列番号192))では、S100A6の発現は減少する。別のクローンでは、P162(eif3s10)(研究室表示12PSA#6_rE(配列番号4))の発現が増加する。なお別のクローンでは、TPM1(研究室表示6b60_Lac(配列番号237))の発現は、転写物の大きさを変化している。
全体的に、本発明の方法により破壊された遺伝子は、様々であり、タンパク質ファミリーのいくつかの部類に属する。本発明は、DNA結合タンパク質(znf207、HP1−BP74、HAT1);RNA結合タンパク質(zpf36、eif−3、CSTF);代謝酵素(小胞H+ATPase[16kDaおよび31kDa]、GnT−1[N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(N−acetylglucosaminaltransferase)]);レトロトランスポゾン(嚢内Aエレメントラットレトロウイルス配列);細胞表面/マトリックスタンパク質(α−トロポミオシン(TPM1));シグナル伝達タンパク質(TAK1およびsmad−7);および分子輸送タンパク質(gm130、m6p/igf2r、アネキシンI、アネキシンII、アネキシンIII、カルサイクリン、JWA,ERBIN、ABCカセット[mdr1]およびDnaJを提供する。
(実施例II IGF2経路における遺伝子の同定)
ウイルス感受性遺伝子に対する体系的なスクリーニングを行なうために、レトロウイルス誘導性細胞溶解に対して抵抗性の腸上皮細胞(BlayおよびBrown(1985a);BlayおよびBrown(1985b))を選択する遺伝子包括アプローチが開発された。選択されたレオウイルス抵抗性クローンの1つは、CTCF転写調節因子に挿入された変異のために、インスリン成長因子−2(IGF2)(Bellら(2000))を過剰発現する。IGF2の過剰発現は、レオウイルス感染に対する抵抗性に関して十分であることが見出された。さらに、選択されたクローンは、軟寒天上で増殖するその能力によって形質転換された細胞表現型を示した。従って、IGF2シグナル伝達経路における機能獲得変異は、溶解性ウイルス感染に対して抵抗性を与え、発癌に強力に寄与する。
プロモータートラップベクターによる無作為変異形成によりつくられたRIE−1細胞のライブラリーを、溶解性レオウイルス感染後の生存株を選択するために使用した。RIE−1細胞を、本明細書に記載されるU3NeoSV1ジーントラップシャトルベクターを使用して変異誘発し、生じた、変異した細胞のライブラリーをレオウイルス血清型1/Lang、MOI=35で感染させ、溶解性感染に対して抵抗性のクローンを選択した。レオウイルス1型感染の後作製した、持続的に感染した(PI)細胞(Ahmed(1977))は、血清生存因子を必要とすることが見出された。PI細胞は、RIE−1細胞が、溶解性感染に対する抵抗性を獲得した非遺伝的機構を提供するので、PI生存株を除去するために、レオウイルス抵抗性クローンを血清を含まない培地で選択した。
単離されたクローンは、レオウイルス抗原を示さず、プラークアッセイで評価した場合、感染性ウイルスを産生しなかった。このことは、これらのレオウイルス抵抗性クローンが、PIではないことを示唆している。各ウイルス抵抗性クローン中のU3NeoSV1プロウイルスに隣接する3個のゲノムDNAの領域を、プラスミドレスキューにより単離し、配列決定した。結局、130個の単離されたクローンの内、62%の隣接する配列は、公知または推定上の遺伝子に一致し、さらに23%は、発現遺伝子配列断片の公共のデータベース(dbEST)に示されるかまたは非重複配列(nr)であった。公知または推定遺伝子に一致する90個のクローンから、8個の遺伝子が、1回以上示された。多くの破壊された遺伝子は、公知または推定の機能を有し、いくつかは、同一のまたは関連した経路で機能することが公知である。3つの遺伝子が、インスリン成長因子−2(IGF2)シグナル伝達経路、すなわち、IGF2/マンノース−6−リン酸レセプター(IGF2/mpr)10、11、インスリン成長因子結合タンパク質(IGFBP)5プロテアーゼ(prss11)12およびCTCF遺伝子13、14(クローン6b72)と関連していた。CTCFは、母系のIGF2遺伝子発現を差次的に抑制するのに対して、インプリンティングされた父系遺伝子は、CTCF結合部位のメチル化のために抑制を回避する。
ウエスタンブロット分析によって評価すると、6b72細胞におけるCTCFタンパク質のレベルは約50%減り、これは、1つの対立遺伝子の混乱と一致した。ノーザンブロットによって評価すると、減弱するCTCF発現は1GF2転写物の増加と関係していた。さらに、2つの産物を、IGF2コード配列に隣接するプライマーを用いるRT−PCRによって、6b72細胞から増幅した。第1の産物は、ラットIGF2配列(Genbank登録番号X17012)と同一であったのに対し、第2の産物は、エキソン3の上流に位置する他の選択的スプライシングレセプターに、エキソン2の差次的スプライシングによる14のさらなるヌクレオチドを含んだ。代替的な転写物は、いかなる公知のタンパク質にも相同でない60のアミノ酸残基に追加したEペプチドの最初の11のアミノ酸からなる異常タンパク質をコードする。6b72クローンのIGF2の発現増加がレオウイルスの感染に対する細胞抵抗と関係しているかどうかを試験するために、RIE−1および6b72細胞を、レオウイルス1型(MOI=10)で感染させた。レオウイルスの力価の約90%の減少が、感染後24時間で、RIE−1細胞と比較して6B72クローンの感染から得られ(4.5×10 対 5.1×10)、これは、48時間維持された。さらに、レオウイルス1型の高い力価への暴露後、6b72細胞の生存の劇的な差異があった。IGF2がレオウイルスでの細胞溶解に対する抵抗の所有物を与えるかどうか決定するために、IGF2遺伝子およびそのスプライス改変体を過剰発現する細胞クローンを作製した。細胞は、レオウイルスでの溶解感染に抵抗するそれらの能力について試験した。RIE−1細胞におけるスプライス改変体IGF2でなく、野生型の過剰発現が、レオウイルスの感染に対する細胞の抵抗性を100倍以上増加させた。しかし、スプライス改変体IGF2が6b72細胞にトランスフェクトされた場合、感染を持続させる6b72細胞の能力が消された。逆方向のIGF2遺伝子の過剰発現は、感染に抵抗する6b72細胞の能力にわずかな変化を生じた。これらの研究は、6b72細胞における増加したIGF2発現が、レオウイルス感染による溶解に抵抗するそれらの能力と関係しており、そして、スプライス改変体IGF2がIGF2の効果をブロックするドミナントネガティブなアイソフォームをコードすることを示唆する。IGF2ゲノムインプリンティングの緩みに関するIGF2の過剰発現が、腫瘍の形成に関与することを示唆する、集積した証拠が存在する。6b72細胞が、野生型細胞と比べてその細胞周期の速度が異なるかどうかを決定するために、本発明者らは、MTS/PMSの取り込みを試験した。細胞周期に変化がないことが見出された(データ示さず)。RIE−1細胞は、軟寒天中で増殖する能力を有さず、げっ歯類における侵襲性の腫瘍を形成する能力についての代替物である6、15。中断されたCTCF遺伝子を有する6B72細胞が、軟寒天中で増殖する能力を生じることが見出された。IGF2がこの表現型を与えるかどうかを決定するために、IGF2野生型およびその遺伝子改変体でトランスフェクトした細胞を試験した。IGF2遺伝子を過剰発現する6b72細胞は、軟寒天中で増殖することが見出された。スプライス改変体IGF2、またはアンチセンスIGF2の強制発現は、軟寒天中で増殖する6b72細胞の能力を抑止する。こうして、改変体IGF2は、このアッセイにおいて、IGF2のトランスドミナントインヒビターとして機能するようである。最終的に、理解されるように、親RIE−1細胞においてスプライス改変体IGF2遺伝子を過剰発現することと関連する表現型はなかった。軟寒天中で増殖する能力は、IGF2経路に変異を含む他のレオウイルス抵抗性クローンの特性でない。従って、中断されたIGF2レセプター(IGF2/mpr)またはIGF2BP 5プロテアーゼ(prss11)遺伝子を有する細胞クローンが、軟寒天中で増殖しなかった。アネキシンII(anxa2)は、サイトメガロウイルスの複製に関与し16、インシュリンおよびインシュリン成長因子−1レセプターに結合する17。中断されたanxa2を有するクローンは、本発明者らのライブラリーで見出され、そしてまた、軟寒天中で増殖しなかった。従って、IGF2または関連した経路において中断する遺伝子を含むクローンにおいてさえ、軟寒天において増殖する能力は、レオウイルスに抵抗する細胞の一般的な特性ではない。
挿入変異誘発は、選択可能な細胞表現型に関する遺伝子を同定するためのアプローチを提供する。本研究において、レオウイルスの溶解性感染に抵抗性の1クローンが、CTCF転写調節因子に挿入されたプロウイルスを含み、IGF2を過剰発現した。CTCF結合モチーフは、多くの遺伝子に存在し、この遺伝子とては、以下が挙げられる:IGF218/H1919およびc−myc20。しかし、レオウイルス抵抗性について選択された他の3クローンは、IGF2経路に変異を含み、ウイルス抵抗におけるIGF2の役割が、さらに研究された。親のRIE−1細胞におけるIGF2遺伝子の強制過剰発現は、溶解性レオウイルス感染に対する細胞抵抗性を付与するのに十分であった。推定すると、挿入物がIGFシグナル伝達経路における他の遺伝子に影響を与えることが、複数の遺伝子における変異が、共通の経路に作用することによって、同じ表現型に影響を及ぼし得ることを示唆する。
ウイルスの侵入、分解、転写、翻訳および再梱包が共通の特徴を共有するので、共通の細胞経路が、他のウイルスファミリーによる感染に影響を与えることが可能である。本研究は、まず、IGF2遺伝子発現とウイルス感染との間の直接的な関係を示す。
本明細書中に提示されるデータはまた、IGF2発現のレベルが、軟寒天中で増殖する細胞の能力と相関し、侵襲性の細胞増殖の確立に対する代理物であることを示唆する。さらに、本発明は、成熟ホルモンの全配列を実質的に共有するが、E−エピトープの大部分を欠く、新規な58のドミナントネガティブな改変体を定義した。
(取り込み変異誘発およびレオウイルス抵抗性クローンの選択)
レオウイルスの溶解性の感染と干渉し得る遺伝子を同定するために、ジーントラップレオウイルスシャトルベクター(U3NeoSV1)を用い、変異したラット腸(RIE−1)細胞を産生した。変異したRIE−1細胞のライブラリーを、作製し、その後、ベクター(感染の多重度<0.1)で感染させ、G418硫酸塩(0.7mg/ml)(Clontech,Palo Alto,CA)、1mg/mlを含有する培地中で選択した。20の変異体RIE−1細胞ライブラリー(各々が、104の独立したU3neoSV 1ベクターの挿入物からなる)を作製し、各変異事象が約103の兄弟細胞の亜系統により反復されるまで、増やした。これらの細胞を、低密度で播種し、これらが静止状態になるまで3日間無血清培地中でインキュベートし、1細胞あたり30プラーク形成単位(pfu)の感染多重度にてレオウイルス血清型1で一晩感染させた。感染した細胞をトリプシンではがし、10%ウシ胎仔血清(FBS)(Hyclone Laboratories,Inc.,Logan,Utah)を含有するDMEM培地を添加し、この細胞を再び付着させた。4〜6時間後、培地を無血清培地で置き換えて、数個の細胞のみがプラスチック製のフラスコに付着していることが顕微鏡で観察されるまで、数日間インキュベートした。選択に生き残った細胞を10% FBSを含有する培地中で、細胞培養プレートに移し、細胞をDNAの抽出と凍結のために分けた。
(遺伝子取り込みにより中断された遺伝子の同定)
レオウイルス感染に生き残ったクローンにおいて、ベクターで中断された遺伝子を同定するために、U3NeoSV1のシャトルベクター特性を用いた。レオウイルスの溶解性感染に抵抗性のクローンにおいてU3NeoSV1プロウイルス挿入物に隣接するゲノムDNAの領域を、プラスミドレスキューによりサブクローニングして、配列決定した。配列決定は、自動配列決定機(ABI 3700 DNA Analyzer,Applied Biosystems、Foster City,CA)を用いて行い、得られた結果を、パブリックドメイン(BLAST nr、estおよびhgts)で利用可能なデータベースと比較した。データベース中の配列に偶然適合する可能性は、種族間の保存とマッチの長さによって変化する。特徴付けられた遺伝子とのマッチは、可能性スコアがp<10−5である場合に、有意であると見なし、非反復配列を含まなかった。示したように、同定された実質的に全ての遺伝子が、p<10−10を有するマウス、ラットまたはヒトの遺伝子配列とマッチした。
(IGF2発現を、ノーザンブロットハイブリダイゼーションにより評価した)
Trizole試薬(Gibco/BRL)を用いて全RNAを培養細胞から単離した。5mgのRNAを1.2%アガロースゲルで分離し、ニトロセルロース膜に移した。膜を、全長IGF2 cDNAおよびβ−アクチンcDNAに対応するランダムプライム標識した(Strategene)プローブとハイブリダイズさせた。
(IGF2 cDNAの単離および発現)
逆転写酵素PCR(RT−PCR)を用いて、ラットIGF2 cDNAを得た。Trizole試薬(Life Technologies,Rockville,DM)を用いてRIE細胞および6B72細胞から全RNAを抽出した。1mgの全RNAでRTを実施した(PTC−100 プログラム可能なThermal Controller,MJ Research.Inc,Watertown,MA)。ラットの配列に従って、1対のプライマーを設計した:
CTTCCAGGTACCAATGGGGATC(前向き)(配列番号429)およびTTTGGTTCACTGATGGTTGCTG(逆向き)(配列番号430)。500bp のDNAを、以下の条件下で増幅した:95℃(1分);95℃(30秒)、60℃(30秒)および68℃(3分)の40サイクル;68℃10分;4℃。
(イムノブロッティング分析)
細胞をPBSで洗浄し、SDS Lamelli緩衝液に溶解した。タンパク質濃度を、bicinchoninc酸タンパク質アッセイ(Sigma,St.Louis,MO)を使用して決定した。20mgのタンパク質抽出物を10%のSDS−PAGEの各レーンにロードし、100Vで実行した。22Vで一晩、4℃にて、タンパク質をニトロセルロース膜に移した。膜を、TBST(50mMトリス(pH 7.5)、150mM NaCl、0.05% Tween 20)で3回洗浄し、室温にて、1時間ブロッキング緩衝液(TBSTおよび5% 無脂肪粉ミルク、pH 7.5)中でインキュベートした。次いで、膜を、4℃にて、一晩、ブロッキング緩衝液中で、抗マウス、CTCF(1:500、BD Transduction Laboratries)およびb−アクチン(1:3000、Sigma))とインキュベートした。3回洗浄した後、次いで、膜を、室温にて1時間、ヤギ抗マウス二次抗体(1:20,000,Jackson ImmunoResearch Laboratories,West Grove,Pennsylvania)と共にインキュベートし、その後、15分間×3回洗浄した。免疫複合体を化学発光試薬(Renaissance,DuPont NEN,Boston,MA)を添加して可視化し、膜をKodak XAR−5フィルム(Eastman Kodak Co.,Rochester,NY)に露光した。
(トランスフェクション)
細胞を半分のコンフルーエンスまで培養し、野生型および改変体IGF2タンパク質を発現するプラスミドを、SuperFect Reagent(Qiagen,Inc.Valencia,CA)を用いて、製造業者のプロトコルに従って、RIEおよび6B72細胞にトランスフェクトした。48時間後に、トランスフェクトした細胞を、1:10で、ハイグロマイシン(選択培地)含有培地中に所定の濃度で継代し、100%のトランスフェクトされていない細胞を殺傷した(150mg/ml)。クローンが生じるまで、細胞を選択培地中で維持した。
(軟寒天コロニー形成アッセイ)
二重層の海洋性プラークアガロースを、1.6%アガロース溶液 1:1および2×培地の50:50混合物からなる最下層で作製した。最下層を4時間置き、次いで、2×培地、1.6%ストックアガロース、および、最終濃度5000細胞/mlの細胞を含む1×培地からなる50:25:25溶液をコニカルチューブ内でボルテックスし、2mlを各ウェルに添加した。上部層を30分間室温で置き、プレートを37℃、5% CO2インキュベーターにて7〜10日間インキュベートし、顕微鏡によりコロニーの形成を確認した。
(細胞増殖アッセイ)
RIE−1、6b72、またはIGF2をトランスフェクトしたRIE−1もしくは6b72細胞を、96ウェルプレートに、5×104細胞で播種し、37℃、5%CO2にてインキュベートした。播種後4、6、18、48時間後に、MTS/PMS 20ml/ウェル(CellTiter 96 Aquerous Non−Radioactiver Cell Proliferation Assay、Promega、Madison、WI)を2時間インキュベートし、次いで、吸光度を490nmで測定した。各条件セットを、三連で繰り返した。
(実施例III)
(T.cruzi)
本発明の方法は、哺乳動物細胞のTrypanosoma cruzi感染の病因に関与する細胞遺伝子を同定した。T.cruziは、とりわけ筋肉細胞および上皮細胞を含む多くの細胞に感染する。挿入突然変異を利用して、T.cruziの感染サイクルに必要な遺伝子をコードするDNAを含むDNAの領域を規定する、位置的配列タグを単離した。T.cruziの複製において機能的な役割がある遺伝子の特徴付けのプロセス中に、T.cruziおよびレオウイルスの両方の複製にとって必須である1つのPSTを見出した。
シャーガス病は、中南米における何百万もの人々を冒している。Trypanosoma cruzi(シャーガス病を引き起こす原虫)は、それが哺乳動物細胞に侵入し得る前に、哺乳動物細胞に付着しなければならない。宿主が、昆虫ベクターによって運ばれる侵襲性のトリポマスティゴートによってか、または輸血の間に感染される場合、疾患が獲得される。輸血関連のシャーガス病の場合が、米国において報告されており、ここでは、疾患は一般的でない。米国では、100,000人を超える感染者が存在していると見積もられ、増加する数に直面することが示唆されている。トリポマスティゴートは、哺乳動物宿主細胞膜に付着して侵入し、無鞭毛体として細胞内で増殖する。次いで、これらの細胞から放出されるトリポマスティゴートに形質転換され、隣接する細胞に感染し、そして、体内で広がる。
本発明の方法は、ジーントラップレトロウイルスを用いて、T.cruzi感染に抵抗性のラット腸上皮細胞(RIE−1)の細胞変異クローンを選択するのに用いられた。この目的のために、ネオマイシンおよびアンピシリン耐性遺伝子マーカーを含むレトロウイルスベクター(U3ジーントラップ)でRIE−1細胞を無作為に変異誘発した。ジーントラップされたRIE−1細胞のライブラリーを、1細胞あたり20寄生物の比で、高度に侵襲性のT.cruziトリポマスティゴート、クローン20Aに感染させた。野生型RIE−1細胞のコントロール単層をまた、同じ密度のT.cruziに感染させた。T.cruzi感染の複数サイクルの後、細胞株を、そのT.cruzi感染に対して抵抗性である能力について選択し、次いで、G418(哺乳動物細胞に細胞毒性であるネオマイシンアナログ)に対して抵抗性であるその能力について選択した。これらの細胞株を、限界希釈によりクローン化し、さらなる研究のために、A:11:4:C5およびC:8:2:B4という名の2つのクローンを選択した。A:11:4:C5およびC:8:2:B4クローンが、非常に少ないトリパノソーマ(trypanosomas)を放出し、一方で、野生型のRIE細胞が、多くのトリパノソーマを放出することが見出された。A:11:4:C5およびC:8:2:B4クローンならびに、野生型RIE−1細胞のT.cruziでの感染の動力学は、野生型RIE−1細胞において見られる高いレベルの感染と比べて、劇的に低い数のこれらの細胞内の細胞内寄生物によって示唆されるように、変異体クローンA:11:4:C5およびC:8:2:B4がT.cruzi感染を支持しないことを示唆する。A:11:4:C5およびC:8:2:B4クローンに見られる低いT.cruzi感染のこのパターンは、1〜5日で観察されるラット腸上皮細胞におけるT.cruziの感染のサイクルの間に一定である。2つの細胞クローンのさらなる分析が、寄生物感染サイクルのブロックが、変異細胞への寄生物の結合後に生じることを示す。変異細胞への寄生物の結合が、親細胞への寄生物の結合に類似することが示された。しかし、各細胞株への寄生物の侵入は、減少した。別の変異細胞株について、侵入は、親細胞に類似したが、寄生物が、ファゴリソソームから放出される能力は、劇的に影響された。
この仮説を検証するために、ジーントラップベクターの特徴を、各クローンからのレスキューされたプラスミドを誘導するために操作した。EcoRIレスキューおよびBamHIレスキューにより得られた抵抗性(R)クローンは、10kb以上のDNAを表す2つのプラスミドを与えた。下流配列は、識別され、NIHのラットゲノム配列決定プロジェクトのために、ジーンバンクに寄託されたいくつかのラットEST配列と有意な同一性を有した。
第2のクローンは、野生型細胞株と比較して、細胞内のT.cruzi感染に対するその定量的抵抗性に基づいて、最も抵抗して(MR)示される。このクローンからレスキューされたゲノム配列は、プロテインホスファターゼpp2a B’調節性サブユニット遺伝子に対して有意な相同性を有する、ほぼ4.5kbである。いくつかの異常のため、MR細胞株をサブクローニングし、そして、50のクローンのプールから、MR−6C2を選択した。そして、再び、プラスミドレスキューを行うと、pp2a B調節性サブユニットと同一性を有する配列を得た。逆転写に続くヒトのpp2a B調節性サブユニットホモログから設計されるプライマーを使用する、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によって、本発明者らは、RIE野生型細胞株がpp2a B’調節性サブユニットを発現する一方で、MR−6C2クローンが平行した実験の産物を増幅しないことを示し得た。これらのデータは、この遺伝子が選択されたクローンにおいてもはや発現されないことを示す。
いくつかの他のクローンが、分離された。これらのうちの1つ(8B 1)は、細胞表面への寄生物の減弱する結合の表現型を有する。プラスミドレスキューによって、一連のゲノムDNAは分離され、そして、このゲノムDNAは、ラットレクチン様酸化LDLレセプター遺伝子(LOX−1)に100%の相同性を有する。Lac(5’の遠位)およびNeo(ベクターに隣接した5’)プライマーによって配列決定される場合、1.6kbのゲノムフラグメントは100%の同一性を与える。挿入は、報告された配列19の塩基#6120に存在する。本発明者らのゲノムフラグメントは、5’をプロモーター位置(#4774)のTATAボックスの直前に、EcoRl部位まで広げる。この位置的配列タグ(PST)は、この制限部位の位置の公開された報告と一致している。クローンの分析は、挿入が第一エキソンの後のイントロンの配列に起こったことを示し、そして、レスキューされた配列は、第一エキソンによって寄与されるコード配列を含むようである。第一エキソンは、エキソン1およびプロモーター領域についてのラットゲノムDNAのnts4800−4937で見出される。ベクターはnt 6122に存在し、そして、レポーター遺伝子はLOX−1遺伝子と同じ鎖から転写されると予測される。LOX−1遺伝子は、3.75kbであり、下流エキソンの組織化は、データベースに報告されていない。
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酸化的に改変された低密度リポタンパク質(Ox−LDL)によって引き出される内皮細胞の機能不全または活性化は、アテローム性動脈硬化症の病因に関係した。血管内皮細胞は、マクロファージスカベンジャーレセプターを含まない推定のレセプター媒介性経路によってOx−LDLを内在化して、分解する(MSR1;153622を参照)。Ox−LDLレセプターをコードする遺伝子を識別するために、Sawamuraら(1997)は、ウシ大動脈の内皮細胞から誘導されたcDNA発現ライブラリーを用いて哺乳動物細胞をトランスフェクトし、そして、標識したOx−LDLの取り込みについてアッセイした。それらはOx−LDLレセプターをコードするcDNAを回復し、そして、このレセプターを、レクチン様Ox−LDLレセプター−1(LOX1)と称した。免疫蛍光研究は、ウシLOX1が、細胞表面で発現されることを示した。Sawamuraら、(1997)はウシLOX1 cDNAを用いてヒトの肺cDNAライブラリーをスクリーニングすることによってLOX1のヒトのホモログをコードするcDNAをクローニングした。ヒトLOX1を安定して発現する細胞は、標識されたOx−LDLの取り込みを示した。予測された273−アミノ酸ヒトLOX1タンパク質は、ウシLOX1と72%同一である。その構造は、C型レクチン(例えばCD94(KLRD1)およびNKR−P1(KLRB1))の構造と類似している。ノーザンブロット分析は、ヒトLOX1が種々の組織の2.8kbのmRNAとして発現され、胎盤において最も豊富な発現があったことを明らかにした。
Yamanakaら(1998)は、LOX1が脈管の豊富な器官において発現されるが、リンパ球では発現されないことを決定した。Yamanakaら(1998)は、LOX1遺伝子がほぼ15kbにわたり、6のエキソンから成ることを見出した。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、LOX1遺伝子を12p12−p13にマッピングした。ここで、ナチュラルキラー細胞レセプターの遺伝子がクラスターを形成している。
(Erlichia)
本発明の選択方法を、市販されている高感受性の細胞株、DH82細胞(ATCCから入手した)と共に用いた。細胞を本発明のベクターに感染させ、そして、変異細胞のライブラリーを作製した。変異細胞ライブラリーを、感染した個体由来の研究室のサンプルから得たErhlichia chaffeensis、Arkansas株で選択した。生存細胞を、感染試薬に再び暴露し、1:100でナイーブ細胞に感染させた[ナイーブ細胞の感染は、細胞−細胞の接触感染のために、感染した細胞の存在を必要とする]。単一細胞のクローンは、約1〜3000の固有の挿入のライブラリー由来であった。このクローンは、中断されたfastK遺伝子を有する。
親の細胞は、Ehrlichia chaffeensisの感染の課程の間、アポトーシスに感受性であるが、変異細胞は感受性でない。しかし、化学的に誘導したアポトーシスが、変異細胞クローン(抗脈管新生薬物に感受性である)において保存される。マクロファージ特異的なプロモーターおよびエンハンサーならびにヒトfastK遺伝子を用いて、発現カセットを作製した。Ehrlichia感受性の表現型は、その適切な方向(正方向)にトランスジーンを発現する細胞において意図され得ることが見出された。負の方向で発現されたトランスジーンは、レシピエントとして用いられる変異細胞クローンを有する表現型を有さなかった。
Figure 2006507807
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(ウイルス感染のために必要な遺伝子のさらなる特性)
表1は、本発明の方法を利用して、得られた全ての配列のリストを提供する。この表は、左から右に、研究室表示を提供する。そして、遺伝子が3の公的に利用できるデータベース(BLAST nr、estおよびhgts)で見つかる研究室表示配列、ヒトの染色体場所(利用できるならば)およびいかなるマッチも含む。データベースマッチは、染色体場所指定後の3本の列にすぐ現れる。表2は、研究室表示sおよび付加的情報を本発明の方法を利用して分離される多数のクローンに提供する。さらに、識別された遺伝子の説明は、以下の表2に提供される。
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本発明の方法を利用して単離された2つの配列(研究室表示 10_2A_3_12−rE(配列番号17)および研究室表示 14A13E_rE(配列番号114))は、GATA結合タンパク質4をコードする配列を含み、かつヒト遺伝子マップの遺伝子座8p23.1−p22に位置付けられる。
GATA結合タンパク質は、種々の細胞型において遺伝子発現および分化を制御する構造的に関連する転写因子の一群である。このDNA結合タンパク質のファミリーのメンバーは、多くの遺伝子のプロモーターにおいて重要なシスエレメントである「GATA」モチーフとして公知の、共通配列を認識する。Arceciら(1993)は、保存ジンクフィンガードメインに基づくプライマーを用いて6.5日齢の胚ライブラリーをスクリーニングすることによって、マウスGATA4 cDNAをクローン化した。50−kDの予測タンパク質は、2つのジンクフィンガー含み、そして細胞培養物中で発現した場合、適切なレポーター構築物を活性化した。GATA4は、アポトーシスと関連付けられるが、任意のウイルスまたは感染症と関連付けられることは今まで知られていなかった。
別の配列(研究室表示 10_3A_2_lac(配列番号213))は、プロテインホスファターゼマグネシウム依存性、1A、αイソ型;PPM1Aをコードする配列を含み、かつ第14染色体に位置付けられる。このタンパク質はまた、プロテインホスファターゼ2C、αイソ型;PP2CA PP2C−αとして公知である。2AE JNK結合タンパク質JNKBP1様マウス染色体2 8031390..8107228〜343 28484974 LOC241298に関連付けられる。
PPM1Aは、真核生物における細胞のストレス応答の調節のために必須の、セリン/スレオニンプロテインホスファターゼである。ラットPp2c−αをプローブとして用いてヒト奇形癌cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、Mannら(1992)は、ヒト対応物であるPPM1Aをクローン化し、これをPP2C−αと称した。PPM1A cDNAは、ウサギPp2c−αと99.7%アミノ酸同一性を共有する予測382個のアミノ酸のペプチドをコードする。
p38(600289)およびJNK(601158を参照のこと)ストレス活性化MAPKカスケードをネガティブに調節するプロテインホスファターゼを同定するための遺伝子スクリーニングにおいて、Takekawaら(1998)は、324個のアミノ酸のペプチドをコードするPP2C−α cDNA(最初、彼らはMC4と称した)を得た。この著者らは、MC4がPP2C−αの選択的スプライシング産物であると仮定した。彼らがPP2C−α−1(382個のアミノ酸)およびPP2C−α−2(324個のアミノ酸)と称した2つのタンパク質は、そのC末端が異なる。ノーザンブロット分析は、それぞれ、PP2C−α−1およびPP2C−α−2に対応する、2.8−kbの転写物および4.4−kbの転写物を検出した。どちらの転写物も、心臓、胎盤、骨格筋、および膵臓において高いレベルで発現され、そして4.4−kbの転写物(PP2C−α−2)は、脳において検出された。
免疫組織化学分析を使用して、Dasら(1996)は、ストレス活性化経路の脱リン酸成分における役割と一致する哺乳動物細胞の細胞質および核の両方において、PPM1Aを検出した。
哺乳動物細胞においてPPM1Aを発現させることによって、Takekawaら(1998)は、PPM1Aがストレス応答性p38およびJNK MAPKカスケードの活性化を阻害することを実証した。彼らのインビボおよびインビトロでの観察は、PPM1Aが、ストレス応答性MAPKカスケード中のMAPKK(MKK6(601254)およびSEK1(601335))およびMAPK(p38)を脱リン酸かつ不活性化することを示した。同時免疫沈降アッセイを使用して、この著者らは、PPM1Aがp38と直接的に相互作用することを示した。MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)カスケードは、MAPK−MAPKキナーゼ(MAPKK)およびMAPKKキナーゼ(MAPKKK)からなる、一般的な真核生物のシグナル伝達モジュールである(Takekawaら、2Calpha inhibits the human stress−responsive p38 and JNK MAPK pathways EMBO J 1998 Aug 17;17(16):4744−52 0)。脱リン酸は、MAPKKおよびMAPKの両方の活性化のために必須であるため、プロテインホスファターゼは、MAPKカスケードを介するシグナル伝達の重要な調節因子である可能性が高い。ストレス応答性p38およびJNK MAPKカスケードをネガティブに調節するプロテインホスファターゼを同定するために、本発明者らは、活性化過剰の酵母変異体を使用して、そのp38およびJNK経路と類似性を共有する酵母HOG1 MAPK経路をダウンレギュレートする遺伝子について、ヒトcDNAをライブラリーをスクリーニングした。このスクリーニングにおいて、ヒトプロテインホスファターゼ2Cα型(PP2Cα)は、酵母におけるHOG1経路をネガティブに調節することが見出された。さらに、哺乳動物細胞中で発現した場合、PP2Cαは、環境的ストレスにおよって誘導されるp38およびJNKカスケードの活性化を阻害した。インビボおよびインビトロの両方での観察は、PP2Cαが、ストレス応答性MAPKカスケード中のMAPKK(MKK6およびSEK1)およびMAPK(p38)を脱リン酸かつ不活化したことを示した。さらに、PP2Cαおよびp38の直接的相互作用は、同時免疫沈降アッセイによって実証された。この相互作用は、細胞がストレスで刺激された場合、または触媒的に不活性なPP2Cα変異体が使用された場合にのみ観察された。このことは、脱リン酸形態のp38のみがPP2Cαと相互作用することを示唆する。
Dasら(1996)は、彼らがPP2Cと称したPPM1Aの結晶構造を決定した。その構造は、αヘリックスで周囲を囲まれ、2つのマンガンイオンが結合する中央のβサンドイッチで構成される触媒性ドメインを有する、新規のタンパク質ひだ(fold)を明らかにした。この著者らは、タンパク質構築物および推定触媒性機構は、タンパク質セリン/スレオニンホスファターゼのPP1ファミリー、PP2Aファミリー、およびPP2Bファミリーと類似であると主張した。
Ofekら(Cell Cycle Regulation and p53 Activation by Protein Phosphatase 2Calpha,J Biol Chem 2003 Apr 18;278(16):14299−305)は、プロテインホスファターゼ2C(PP2C)が、原核生物および真核生物の両方におけるストレス応答および増殖関連経路を調節する広い範囲の基質を脱リン酸することを言及する。彼らは、主要な哺乳動物のイソ型であるPP2Cαgが、細胞増殖を阻害し、かつp53経路を活性化することを実証する。293細胞クローンにおいて、そのクローンにおけるPP2Cα発現は、PP2Cα過剰発現がG(2)/M細胞周期停止およびアポトーシスを導くテトラサイクリン誘導性プロモーターによって、調節される。さらに、PP2Cαは、内因性p53およびp53応答性遺伝子p21の発現を誘導した。PP2Cαによるp53経路の活性化は、内因性p53を有する細胞、ならびに外因性p53を用いてトランスフェクトされたp53の存在しない細胞の両方において生じた。PP2Cαの誘導は、結果として、p53タンパク質の全体的なレベルの増加ならびにp53転写活性の増大を生じた。酵素的に不活性なPP2Cα変異体が過剰発現された場合、これらの効果のいずれも検出されなかったため、PP2Cαの脱リン酸活性が、記載される現象のために必須である。p53は、PP2Cα指向性細胞周期停止およびアポトーシスにおいて重要な役割を果たす。それは、ヒト乳頭腫ウイルスE6によるヒト293細胞におけるp53発現の摂動が、細胞生存における有意な増加を導くためである。p53活性化におけるPP2Cαの役割が、議論される。
別の配列(研究室表示 10_3bE_rE(配列番号15))は、真核生物翻訳開始因子4−γ,3(EIF4G3)をコードする配列を含む。
哺乳動物真核生物翻訳開始因子4G(eIF4G)は、eIF4E(133440)、eIF4A(602641を参照のこと)、eIF3(602039を参照のこと)、および40Sリボソームとの相互作用を介して、43S前開始複合体をmRNAへ補充することについての原因となるようである、足場ポリペプチドである。eIF4DI(600495)を参照のこと。Gradira(1998)は、ヒトおよびウサギeIF4GIと相同なタンパク質をコードする部分ヒトcDNAを同定した。さらなるライブラリーをスクリーニングすることによって、この著者らは、彼らがeIF4GIIと称した新規のタンパク質の完全なコード領域に相当するcDNAを単離した。予測1,585個のアミノ酸のeIF4GIIタンパク質は、eIF4GIに対して46%同一である。ウエスタンブロットにおいて、両方のeIF4Gタンパク質が、約220kDに移動した。インビトロアッセイを使用して、Gradiら(1998)は、eIF4GIと同様に、eIF4GIIが、ピコルナウイルスライノウイルス2A(プロ)によって切断されたことを示した。ウエスタン分析および同時免疫沈降実験は、eIF4GIIが、eIF4E、eIF4A、およびeIF3と直接的に相互作用することを実証した。eIF4GIIは、ライノウイルス2A(プロ)を用いて前処理された網状赤血球溶解物におけるキャップ依存性翻訳を復元し、内因性eIF4Gを切断する。このことは、この著者らが、eIF4GIIがeIF4GIの機能的相同体であると結論付けるように導いた。ノーザンブロット分析は、eIF4GIIが、5.2−kbのmRNAおよび6.0−kbのmRNAとして遍在的に発現されることを明らかにした。Imatakaら(1998)は、eIF4GIおよびeIF4GIIのいずれのN末端領域も、PABP(604679)に結合することを実証した。eIF4Gは、ポリオウイルスに関連付けられる(Irurzunら)。
他の配列(研究室表示 10_4b_4−rE(配列番号7)および10_3b_2−rE(配列番号13))は、KLHL6タンパク質をコードする配列を含み、かつこれらの配列は染色体3q27.3に位置付けられる。このタンパク質は、上記のgata4タンパク質と同一のドメインを有する。
別の配列(研究室表示 10_4A_8_rE(配列番号3))は、gas5タンパク質をコードする配列を含み、かつこの配列は染色体位置1q23.3に位置付けられる。マウスのgas5遺伝子は、元々は、細胞周期の増殖停止期における優先的な発現に基づいて単離された(Baroneら)。この遺伝子は、12のエキソンを含み、それらのエキソンから2つの選択的にスプライシングされた転写物が最初に同定された。つい最近、ヒトgas5遺伝子およびマウスgas5遺伝子の両方が、それらのイントロン配列中に、リボソームRNAのプロセシングに関与する核内低分子RNAとの相同体を含むことが報告された。本明細書中で、本発明者らは、2つの新規の選択的スプライシングマウスgas5mRNAの発現パターンの同定および分析において、それらのmRNAが、明確なオープンリーディングフレーム(ORF)を含まないことを報告する。gas5 cDNAから推論される推定アミノ酸配列に対して生成される抗体の使用では、本発明者らは、培養された細胞またはマウス組織抽出物中にいかなるGas5タンパク質も検出できなかった。ましてや、推定ORFが最初の13個のアミノ酸の後の終止コドンによって妨げられることが明らかにされた(このことに相当してVV領域が遺伝子F9LとA38Lとの間に位置される、またはこのことはVV領域が遺伝子F9LとA38Lとの間に位置されることに相当する)ラットgas5遺伝子をクローニングおよび配列決定することによって、gas5遺伝子がタンパク質をコードし得ないという決定的な証拠が得られた。末端の13kbp内において、共直線性が乱れ、そして複数のポックスウイルス遺伝子相同体が欠けるまたはより低いパーセンテージのアミノ酸同一性を共有する。これらの相違のほとんどは、ウイルス毒性および宿主域に関係してあり得る機能を有する遺伝子および遺伝子ファミリーに関係する。3つのオープンリーディングフレーム(SPV018、SPV019およびSPV020)は、SWPVについて固有である。系統分析、ゲノム組織、およびアミノ酸同定は、SWPVが、カプリポックスウイルスランピースキン病ウイスルと最も密接に関連付けられ、次いでヤタポックスウイスルヤバ様病ウイルスおよびレポリポックスウイルスと関連付けられることを示す。SWPVの遺伝子相補体は、ChordopoxvirinaeサブファミリーのSuipoxvirusをより良く規定し、そして将来的な遺伝子比較のための基準を提供する。
別の配列は(研究室表示 12CX#6_rE(配列番号50))は、zfp−36をコードする配列を含む。推定ジンクフィンガータンパク質トリステトラプロリン(TTP)をコードする遺伝子であるzfp−36は、種々の増殖因子によって線維芽細胞において急速に誘導される。最近の遺伝子ノックアウト実験は、TTP欠乏性マウスが関節炎、悪液質、および自己免疫(すべてが過剰の腫瘍壊死因子αによって明らかに媒介される)を発症したことを示した。Laiらは、Zfp−36の完全な血清誘導能が、プロモーター中の要素を必要とすること;さらに、単一のイントロンの除去が、血清誘導性TTP発現を著しく阻害することを示した。Laiらはまた、イントロンの無関係な配列との置換、あるいはイントロンのうちの95%を除去するがスプライシング部位は保持すること、各々が、結果として完全な血清誘導性発現のうちのそれぞれ約45%および約19%の維持を生じたことを示した。さらに、イントロン配列塩基対601−655の欠失は、TTPの血清誘導性発現を65%まで減少させた。配列塩基対618−626は、転写因子Sp1に特異的に結合した;この結合モチーフの変異体は、TTP発現を70%まで減少させた。このことは、このモチーフに結合するSp1が、Zfp−36の血清誘導に寄与することを示唆する(Laiら)。
別の配列(研究室表示 12CXY#7_rE(配列番号62))は、プロテアーゼセリン11またはPRSS11をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、HTRA;E.coli HTRAの相同体;HTRA;HTRA1として公知であり、そして染色体位置10q25.3−q26.2に位置付けられる。
インスリン様増殖因子(IGF;147440を参照のこと)は、膨大な数の細胞型の増殖および分化を刺激する。その増殖因子の作用は、IGF、2 IGFレセプター(例えば、147370)、7つの異なるIGF結合タンパク質(IGFBP;146730を参照のこと)、およびIGFBPを切断するいくつかのプロテアーゼのうちの少なくとも2つの異なる形態を含む、成分の複雑な系によって媒介されかつ調節される。
ZumbrunnおよびTrueb(1996)は、ヒトタンパク質についてのL56と名付けたcDNAをクローン化し、そのcDNAはIGFシグナル伝達系の一部であるようであった。予測されたタンパク質は、51kDの分子質量を有する480個のアミノ酸のポリペプチドをコードする。ZumbrunnおよびTrueb(1996)は、PRSS11が、分泌のシグナル配列、IGFBP結合ドメイン、およびセリンプロテアーゼドメインを含むことを見出した。セリンプロテアーゼドメインは、特定の細菌性セリンプロテアーゼと最も類似している。ノーザンブロット分析によって、ZumbrunnおよびTrueb(1996)は、PRSS11が、種々のヒト組織において発現され、胎盤において最も強く発現されることを示した。
Huら(1998)もまた、PRSS11をクローン化した。推定480個のアミノ酸のタンパク質は、ウシ、モルモット、およびウサギのタンパク質と98%同一である。それは、保存されたKazal型セリンプロテアーゼモチーフを有するMAC25(IGFBP7;602867)に相同なN末端、ならびにC末端PDZドメインを含む。半定量的なRT−PCRおよびイムノブロット分析は、コントロールと比較して骨関節炎軟骨中のPRSS11について約7倍の増加を示した。機能的分析および変異分析は、PRSS11が位置328でのセリンの存在に依存するセリンプロテアーゼであることを示した。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーションを使用して、ZumbrunnおよびTrueb(1997)は、PRSS11遺伝子を10q25.3−q26.2に位置付けた。
別の配列(研究室表示 12PSA#6−rE(配列番号4))は、真核生物翻訳開始因子3θをコードする配列を含む。このタンパク質はまた、EIF3−θ、p180サブユニット、EIF3、p170サブユニット、細胞質タンパク質p167、CentrosominBのマウス相同体として公知である。この配列は、染色体位置10q26に位置付けられる。
真核生物翻訳開始因子(EIF)は、mRNAからタンパク質合成を始める。650kDでのEIFは、EIFで最も大きい。Johnsonら(1997)によると、EIF3は、いくつかの役割(40Sリボソームサブユニットおよび他のEIFに結合することを含む)に関係し、おそらく40Sサブユニットへの最初の結合、そしてその後のAUG開始コドンの同定のために因子を整列させる。EIF3タンパク質合成開始因子は、少なくとも8つのサブユニットからなり、その最大のものはp180である。
別の配列(研究室表示 12_3B#2_Lac(配列番号218))は、ユビキチン活性化酵素E1CまたはUBE1Cをコードする配列を含む。このタンパク質はまた、S.Cerevisiae、ユビキチン活性化酵素3の相同体、UBA3として公知である。この配列は、ヒト染色体座位3p14に位置付けられる。
ユビキチン(191320)は、E1(ユビキチン活性化)酵素、E2(ユビキチン接合)酵素、およびE3(ユビキチン連結)酵素からなる複数の酵素系によって、標的タンパク質に共有結合される。Osakaら(1998)は、ユビキチン様タンパク質であるNEDD8(603171)が、ユビキチン化に類似の様式でタンパク質に接合されることを見出した。彼らは、APP−BP1(βアミロイド前駆タンパク質結合性タンパク質−1)が、ウサギ網状赤血球溶菌液中のNEDD8に結合し得ることを見出した。しかし、APP−BP1がE1酵素のN末端ドメインのみに対して類似性を示すので、本発明者らは、APP−BP1が、E1酵素のC末端領域に対して類似性を示すタンパク質と相互作用する必要があると推論した。配列データベースを検索することによって、Osakaら(1998)は、酵母Uba3のヒト相同体であるUBA3をコードするcDNAを同定した。予測された442個のアミノ酸のUBA3タンパク質は、酵母Uba3と43%配列同一性を有する。インビトロでは、UBA3は、APP−BP1と複合体を形成し、かつNEDD8とチオエステル架橋を形成する。Osakaら(1998)は、APP−BP1/UBA3複合体が、NEDD8の活性化についてE1様酵素として機能することを示唆した。
別の配列(研究室表示 12_4B#7rE(配列番号21))は、ロタマーゼ(rotamase)、シクロフィリンAまたはシクロスポリンA結合性タンパク質としても公知の、ペプチジル−プロリルシス−トランスイソメラーゼA(PPIASE)をコードする配列を含む。このタンパク質は、染色体位置9q31.3に位置付けられる。
ヒヨコマメシクロフィリン様抗菌類タンパク質(CLAP)と称されるタンパク質は、ヒヨコマメ(Cicer arietinum)の種から単離された。ヒヨコマメCLAPは、18kDaの分子量およびシクロフィリンと相同なN末端配列によって特徴付けられた。そのタンパク質は、Affiゲルの青色ゲルでのアフィニティークロマトグラフィー、およびCM−セファロースでのイオン交換クロマトグラフィーを含む手順を用いて単離された。Rhizoctonia solani、Mycosphaerella arachidicolaおよびBotrytis cinereaを含む真菌の増殖にに対する阻害効果に加えて、そのタンパク質は、ヒト免疫不全症ウイルス−1逆転写酵素を阻害する能力を有した。ヒヨコマメCLAPは、レクチン活性およびリボヌクレアーゼ活性を備えなかったが、ウサギ網状赤血球溶菌液系における翻訳を弱く阻害した。そのタンパク質は、マウス脾細胞による3H−チミジン取り込みを刺激した。
シクロフィリンAは、免疫抑制シクロスポリンA(CsA)の標的であり、酵母からヒトまで保存される単一の固有の遺伝子によってコードされる。病原真菌Cryptococcus neoformansにおいて、2つの相同な連鎖遺伝子であるCPA1およびCPA2が、2つの保存されたシクロフィリンAタンパク質をコードすることが見出された。シクロフィリンA突然変異がほとんど他の表現型にCsA抵抗を与えない、Saccharomyces cerevisiaeとは対照的に、シクロフィリンA突然変異は、C.neoformansにおいて劇的な表現型を与えた。Cpa1シクロフィリンAタンパク質およびCpa2シクロフィリンAタンパク質は、細胞増殖、細胞交接、細胞毒性およびCsA毒性において共有の役割を果たす。Cpa1タンパク質およびCpa2タンパク質はまた、種々の機能を有する。Cpa1変異体は、39℃で生存不能であり、毒性について減衰するのに対して、Cpa2変異体は、39℃で生存可能であり完全に有毒である。Cpa1 Cpa2二重変異体は、増殖および毒性において合成的欠陥を示した。シクロフィリンA活性部位変異体は、周囲でCpa1 Cpa2変異体の増殖を復元したが、より高い温度では復元しなかった。このことは、シクロフィリンAのプロリルイソメラーゼ活性が、インビトロでの機能を有することを示唆した。
別の配列(研究室表示 12_L24_5_3−Lac(配列番号283))は、HCKおよびKIAA0255としても公知の、造血細胞キナーゼをコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座20q11−q12に位置付けられる。この遺伝子はまた、この領域におけるネガティブな鎖を崩壊し、そして未知の遺伝子を崩壊させる。
ヒトSRC(190090)を表すcDNAクローンについての調査の間に、Quintrellら(1987)は、SRCに類似のタンパク質−チロシンキナーゼをコードするようである、以前に認知されていない遺伝子に遭遇した。Zieglerら(1987)は、異なる経路によって同一の遺伝子を見出した。この遺伝子の発現は、特定の造血細胞に限定され得、特に骨髄性の系統、特に好中球および単核細胞の細胞において顕著である。従って、Quintrellら(1987)は、造血細胞キナーゼとして遺伝子HCK(「ヒック(hick)」と発音される)と称した。彼らは、HCKについてのほとんどまたはすべてのmRNA、HCKによってコードされるタンパク質の推定アミノ酸配列、および種々の造血細胞間でHCKから転写されるRNAの分布を表す、cDNAクローンのヌクレオチド配列を記載した。分類された染色体のスポット−ブロット分析およびインサイチュハイブリダイゼーションによって、Quintrellら(1987)は、HCK遺伝子を20q11−q12に割り当てた。この領域は、いくつかの急性骨髄性白血病および骨髄増殖性障害の中間部欠失によって影響を受けるため、彼らは、HCKに対する損傷がこれらの状態の発病学に寄与し得ることを示唆した。
別の配列(研究室表示 L24_5_2BE−rE(配列番号208))は、肝細胞核因子3−β(HNF3B)(Kaestnerら)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座20p11に位置付けられる。
Deleuzeら(1994)は、胎生期の腸の派生物における胚形成の間の肝臓核因子3−βの発現パターン、およびAGSが位置するヒト第20染色体とシンテニーな領域におけるマウス染色体2(Avrahamら、1992)に対する肝臓核因子3−βの局在化を理由に、アラジル症候群(AGS;118450)のための候補遺伝子として、肝臓核因子3−βを調査した。彼らは、AGSの欠失の事例において、その遺伝子が欠失されないことを見出した。欠失細胞におけるHNF3B遺伝子の存在は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによる蛍光ではなく、サザンブロットハイブリダイゼーションによって確立された;従って、第20染色体に対するヒト遺伝子の割り当ては、相同性のみに基づいた。
Minchevaら(1997)は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションを使用して、HNF3B遺伝子をヒト染色体20p11に位置付けた。
別の配列は、Discs Large5のショウジョウバエ相同体;DLG5をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、胎盤DLGおよび前立腺DLGならびにPDLGとして公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座10q23に位置付けられる。
ショウジョウバエdiscs large(dlg)遺伝子の脊椎動物相同体は、MAGUK(膜関連グアニル酸キナーゼ)ファミリーのメンバーである。MAGUKタンパク質は、PDZモチーフ、SH3ドメイン、およびグアニル酸キナーゼ(GUK)相同性の領域を含む。PDZドメインおよびGUKドメインの両方は、タンパク質−タンパク質相互作用に関与すると考えられる。ショウジョウバエdlgに関係する配列についてESTデータベースを検索することによって、Nakamuraら(1998)は、新規のヒト相同体をコードするcDNAを同定した。ノーザンブロット分析が、9.4−kbの転写が胎盤および前立腺、ならびにいくつかの他の組織において高度に発現されることを明らかにし、このことが、この著者らをその遺伝子をPDLG(胎盤および前立腺DLG)と称するように導いた。甲状腺においてさらなる8.8−kb PDLG mRNAが検出された。予測された859個のアミノ酸のPDLGタンパク質は、3つのPDZドメイン、1つのSH3ドメイン、および1つのGUK領域を含む。PDLGは、DLG1(601014)およびショウジョウバエdlgに対して、それぞれ、45%同一性および40%同一性である。ヒト前立腺組織および種々の細胞株の抽出物に関するウエスタンブロット分析は、PDLGが105kDの見かけの分子量を有することを示した。免疫蛍光法実験は、PDLGが細胞膜および細胞質に局在化し、正常な前立腺組織の腺上皮細胞では発現されるが前立腺細胞株では発現しないことを示した。酵母ツーハイブリッドスクリーンを使用して、Nakamuraら(1998)は、PDLGが、パルミトイル化された赤血球膜MAGUKタンパク質であるp55(MPP1;305360)のGUKドメインと相互作用することを決定した。この著者らは、PDLGおよびp55が、細胞膜でヘテロマーMAGUK複合体を形成し、そして種々の細胞内分子をクラスター形成し、上皮細胞の構造を維持する役割および細胞外シグナルを膜および細胞骨格に伝達する役割を果たすことを示唆した。
独立して、Nagaseら(1998)は、DLG5 cDNAであるKIAA0583を同定した。照射ハイブリッド分析によって、彼らは、DLG遺伝子を第10染色体に位置付けた。同様の技術を使用して、Nakamuraら(1998)は、DLG5遺伝子の座位を10q23に洗練した。
別の配列(研究室表示 L28AP_rE(配列番号172))は、転写伸長因子B、3またはTCEB3をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、ElonginAおよびElongin、110−KDとして公知である。この配列は、染色体座位1p36.1に位置付けられる。
真核生物の転写およびmRNA合成は、転写の開始段階および伸長段階の両方でRNAポリメラーゼIIの活性を調節する一連の一般の転写因子の協調作用によって、部分的に制御される複雑な生化学プロセスである。Asoら(1995)は、いくつかの一般の開始因子(TFIIA(600520を参照のこと)、TFIIB(189963)、TFIID(313650を参照のこと)、TFIIE(189962を参照のこと)、およびTFIIH(189972を参照のこと)を含む)およびいくつかの補助タンパク質(例えば、TAF;600475を参照のこと)が、真核生物の細胞において同定され、RNAポリメラーゼIIのプロモーターへの選択的結合を促進しかつ転写の基礎レベルを支持することが見出されていることに着目した。
Asoら(1996)は、ヒト相同体をコードする完全長のcDNAを記載した。予測された722個のアミノ酸のタンパク質は、ラットタンパク質と84%相同性を共有する。ヒトcDNAのオープンリーディングフレームと、以前に特徴付けされたラットcDNAのオープンリーディングフレームとの比較は、それらがヌクレオチド配列において84%保存されていることを示した。
Duanら(1995)およびKibelら(1995)は、von Hippel−Lindau腫瘍サプレッサー遺伝子産物(193300)の腫瘍抑制活性が、TCEB2およびTCEB1に結合し、転写伸長を阻害するその能力の関数であることを示唆する結果を報告した。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、Asoら(1995)は、TCEB3遺伝子を1p36.1に位置付けた。彼らは、この領域がいくつかの悪性の形態における欠失を有することを示唆していると指摘した。
別の配列(研究室表示 14A7rE(配列番号113))は、Mothers抗Decapentaplegic、またはジョウジョウバエ、相同体、7またはMADH7をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、SMA関連タンパク質7およびMAD関連タンパク質7;SMAD7として公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座18q21.1に位置付けられる。
元々はショウジョウバエにおいて同定されたMADタンパク質は、トランスフォーミング増殖因子βレセプターファミリー(例えば、TGFBR1;190181)のシグナル伝達経路の必須成分である。複数の可溶化刺激および生体力学的刺激に供された培養された内皮細胞におけるディファレンシャルディスプレイ方法を使用して、Topperら(1997)は、MADH7をコードするヒト内皮細胞cDNAを単離し、それをSMAD7と呼んだ。予測された426個のアミノ酸のMADH7タンパク質は、他のMADタンパク質に存在するC末端推定リン酸化部位を欠いており、このことは、MADH7タンパク質が明確に調節され得ることを示唆する。ヒト組織におけるインサイチュハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学分析は、MADH7が脈管内皮において主に発現されることを示した。本発明者らは、MADH7およびMADH6(602931)が内皮細胞において複合体を形成し得ることを証明した。MADH7は、流体の機械的な力によって培養された血管内皮において誘導され、インビトロでの体液刺激および生体力学的刺激の両方に関して内皮遺伝子発現を調節する能力を有した。
Kavsakら(2000)は、E3ユビキチンリガーゼSMURF2(605532)が、SMAD7と本質的に関連することを見出した。SMURF2は核であるが、SMAD7への結合が活性化TGFBRへの輸出および補充を誘導し、このことが、プロテアソームの経路およびリソソームの経路を経たレセプターの劣化およびSMAD7の劣化を引き起こした。SMAD7の発現を刺激するγ−インターフェロン(IFNG;147570)は、SMAD7−SMURF2複合体形成を誘導し、そしてTGFBR代謝回転を増加した。このことは、SNAD7またはSMURF2発現をブロックすることによって安定化される。さらに、レセプターにSMURF2の補充を妨害されたSMAD7変異体は、それらの阻害活性に障害を生じた。これらの研究は、劣化についてTGFBRを標的とするE3ユビキチンリガーゼ複合体におけるアダプタとして、SMAD7を規定した。
Lallemandら(2001)は、安定してSMAD7を発現する細胞が、TGFB(190180)、TNFA(191160)、血清離脱、または細胞接着(anoikis)の損失によって誘発されるアポトーシスに対する感受性を増加されたことを示した。SMAD7は、NFKB(164011)活性を減少させ、増加されたアポトーシスについての機構を提供した。安定なRAS(190020)の発現は、NFKBのSMAD7抑制およびアポトーシスのSMAD7増強を抑制した。
体細胞ハイブリッド分析によって、Topperら(1997)は、MADH7遺伝子をヒト第18染色体に位置付けた。FISHによって、Roijerら(1998)は、その局在を18q21.1に洗練した。
別の配列(研究室表示 14C_2E/rE(配列番号126))は、シグナル認識粒子である19−KD(SRP19)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座5q21−q22に位置付けられる。
シグナル認識粒子(SRP)は、小胞体(ER)に対するタンパク質の標的化を媒介する、リボヌクレオタンパク質複合体である。その複合体は、7S(または7SL)RNAおよび6つの異なるタンパク質(SRP9(600707)、SRP14(600708)、SRP19、SRP54(604857)、SRP68(604858)、およびSRP72(602122))からなる。そのタンパク質は、単量体(SRP19およびSRP54)またはヘテロ二量体(SRP9/SRP14およびSRP68/SRP72)として7S RNAに結合される。SRP9およびSRP14は、7SのAluドメインを構成し、一方、他の4つのタンパク質は、Sドメインに属する。SRPは、タンパク質サブユニットに関係付けられ得る少なくとも3つの別個の機能(シグナル認識、翻訳阻止、およびドッキングタンパク質との相互作用によるER膜標的化)を有する。
抗SRP19プローブを用いる肝臓cDNAライブラリーのスクリーニングによって、Lingelbachら(1998)は、144個のアミノ酸のタンパク質をコードするヒトSRP19 cDNAを単離した。配列分析は、SRP19が、2つのグリシン残基によって割り込まれる非常に基本的なC末端ドメインの7つのリジン残基を含むことを示した。ノーザンブロット分析は、HeLa細胞における0.9kbの転写物の発現を明らかにした。SDS−PAGE分析は、SRP19が、大きさではイヌのSRP19と同一の19−kDタンパク質として発現されることを示した。機能分析は、SRP19タンパク質がイヌの膵臓において7SL RNAに結合することを決定した。
腺種様のポリポーシス大腸菌(APC;175100)を有する患者においてJoslynら(1991)によって同定された、100〜260kbの2つのネスト化欠失において、Grodenら(1991)は、第5染色体における約100kbの幅の3つの遺伝子を同定した。これらのうちの1つは、DP1(125265)であり;第2は、APC(175100)における変異体で、彼らによりDP2.5と呼ばれる遺伝子であった。第3は、SRP19の配列と同一の配列を有することが見出された遺伝子であった。SRP19は、5つのエキソンを有し、かつDP1とDP2.5との間にあることが示された。Horiiら(1993)は、APC遺伝子内だけでなくAPC遺伝子と隣接するSRP19遺伝子との間での選択的スプライシングの発生を考察した。
Wildら(2001)は、SRP RNAのヘリックス6における第1の結合部位を有する複合体におけるヒトSRP19についての1.8Åの解像度の結晶構造を報告し、その構造は、異常なGGAGテトラループによって閉じられたステム−ループ構造からなっていた。タンパク質−RNA相互作用は、いかなる直接的なタンパク質−塩基接触もなしに、広げられた深い方の溝およびそのテトラループの特異的認識によって媒介され、そして高度に順序づけられた水分子の複雑な網目を含む。Wildら(2001)は、結晶学的データおよび生化学データに基づいて、SRP19、SRP54、およびSRP RNAを含む、SRP核の集合体のモデルを提案した。
別の配列(研究室表示 14C_24_#6_Lac(配列番号47))は、FER−1、C.elegans、相同体様3;FER1LL3をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、ミオフェーリン(myoferlin)またはMYOFとして公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座10q23.32に位置付けられる。
肢帯筋ジストロフィー2B座位(LGMD2B;253601)の遺伝子産物であるジスフェーリン(dysferlin)(DYSF;603009)は、Caenorhabditis elegans fer−1に対する相同性を有する膜関連タンパク質をコードする。ジスフェーリンにおける変異を有するヒトは、近位筋肉および遠位筋肉の両方に影響を及ぼす筋肉虚弱が発生する。著しいことに、LGMD2B患者におけるその表現型は高度に可変的であるが、DYSFにおける変異の型はこの表現型の可変性を説明しない。電子データベース検索を通して、Davisら(2000)は、彼らがミオフェーリンと名付けたジスフェーリンに対して、高度に相同的なタンパク質を同定した。ミオフェーリンのオープンリーディングフレームは、2,061個のアミノ酸のタンパク質が予測した。ノーザンブロット分析によって、この著者らは、心筋において高度に発現されかつ骨格筋ではより低い程度である、7.5−kbミオフェーリンmRNA転写物を観察した。しかし、ミオフェーリンに対して生じる抗体は、心筋と骨格筋の両方においてミオフェーリン(分子量230kD)の大量発現を示した。細胞内において、ミオフェーリンは、細胞膜に関連付けられるが、ジスフェーリンとは異なり、ミオフェーリンはまた核膜と関連付けられる。フェーリンファミリーメンバーは、C2ドメインを含み、そしてこれらのドメインは、カルシウム媒介性膜融合現象において役割を果たす。このことを調査するために、Davisら(2000)は、ジストロフィンを欠き、かつその筋肉が退化と再生の反復ラウンドを実施されたmdxマウスにおける、ミオフェーリンの発現を研究した。彼らは、mdx骨格筋における膜でのミオフェーリンのアップレギュレーションを見出した。Davisら(2000)は、筋ジストロフィーおよび心筋症についての候補遺伝子として、あるいはおそらく筋ジストロフィー表現型の修飾物質であるとして、ミオフェーリン(MYOF)を示唆した。
別の配列(研究室表示 14_7#2E−rE(配列番号5および配列番号115))は、α−1,3−@マンノシル−糖タンパク質β−1,2−N−アセチルグルコサミンイルトランスフェラーゼまたはMGAT1をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、GlcNAc−TI、MGAT、UDP−N−アセチルグルコサミン:α−3−D−マンノシドβ−1,2−N−アセチルグルコサミンイルトランスフェラーゼI(GLCT1)として公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座5q35に位置付けられる。
100個以上の異なるグリコシルトランスフェラーゼが、タンパク質結合性オリゴ糖および脂質結合性オリゴ糖の合成に関与すると考えられている。これらのうちの1つである、UDP−N−アセチルグルコサミン:α−3−D−マンノシドβ−1,2−N−アセチルグルコサミンイルトランスフェラーゼI(GlcNAc−TI;EC 2.4.1.101)は、ハブリッドN−グリカンおよび複合体N−グリカンの合成のために必須の内側ゴルジ酵素である。KumarおよびStanley(1989)は、Lec1 チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞変異体において欠損するグリコシル化の相補性によってN−アセチルグルコサミンイルトランスフェラーゼIをコードする、ヒト遺伝子を同定した。Kumarら(1990)は、その遺伝子をクローン化した。そのcDNAの全体的な特徴および推測されるタンパク質配列(445個のアミノ酸)は、II型膜貫通タンパク質である他のゴルジトランスフェラーゼの代表的なものであった。Hullら(1991)は、GlcNAc−TIについての単一の2.5−kbエキソンを含む18kbの幅の、2つの重複するゲノムDNAクローンを単離した。そのエキソンは、5−プリン非翻訳領域、完全なコード配列(1,335塩基、445アミノ酸)、および完全な3−プリン非翻訳領域のほとんどを含む。サザンブロット分析は、その遺伝子(GLCT1で表される)が、ヒトゲノムにおいて単一の複製物の状態で存在することを示し、そしてヒト−ハムスター体細胞ハイブリッドの研究は、その遺伝子が第5染色体に位置されることを示した。Pownallら(1992)は、マウス遺伝子Mgat1の配列が、ヒト相同体およびウサギ相同体に関して高度に保存され、かつ単一のタンパク質コード化エキソンとして存在することを実証した。彼らは、多座種間戻し交配の分析によって、その遺伝子を、IL3(147740)をコードする遺伝子と密接に関連するマウス第11染色体に位置付けた。従って、ヒト遺伝子は、IL3と同一の領域(すなわち、5q23−q31)内にあり得る。Kumarら(1992)は、インサイチュハイブリダイゼーションによって、その遺伝子を5q31.2−q31.3に位置付けた。Tanら(1995)は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、MGAT1遺伝子が5q35に位置付けられることを報告した。彼らは、放射活性インサイチュハイブリダイゼーションと比較された蛍光分析の卓越した精度に起因して、Kumarら(1992)の知見が有する矛盾を考慮した。Shows(1999)は、1992年の報告(Kumarら、1992)において使用された技術よりも感度のよいFISH技術を使用することによって、彼およびその共同研究者が、MGAT1遺伝子の5q35への割り当てを確認したと主張した。
別の配列(研究室表示 19_9BE_rE(配列番号123))は、切断刺激因子、3−prime pre−RNA、サブユニット2、64−KD(CSTF2)をコードする配列を含む。この配列は、ヒト染色体Xq21.33に位置付けられる。
mRNAのポリアデニル化は、3つの切断刺激因子(CSTF1、600369;CSFT2、およびCSTF3、600367)を含む複数のタンパク質因子を必要とする複雑なプロセスである。64−kDのタンパク質であるCstF2は、N末端領域におけるリボヌクレオタンパク質(RNP)型RNA結合ドメインを含む(Takagakiら、1992)。E.coliにおいて発現されるCstF2タンパク質は、ポリアデニル化シグナル配列(AAUAAA)を含むRNAに対して架橋され得る。
1つのCSTFサブユニット(CSTF−64)の濃度は、B細胞の活性化の間に増加し、このことは、膜結合形態から分泌形態まで、IgM重鎖mRNA発現を転換するのに十分である(Takagakiら、1996)。この観察を拡大するために、TakagakiおよびManley(1998)は、ニワトリB細胞株DT40中で内因性CstF−64遺伝子を分裂させ、そしてそれを調節可能な導入遺伝子で置換した。著しいことに、CstF−64濃度における10分の1の減少は、細胞増殖には顕著に影響しなかったが、IgM重鎖mRNAの蓄積を、特にかつ劇的に減少させた。さらなる減少は、G0/G1期における可逆的な細胞回転停止を引き起こしたが、欠乏はアポトーシス的な細胞死の結果を生じた。
別の配列(研究室表示 1A_A549_6−rE(配列番号310))は、Ret Fingerタンパク質2(REP2)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、LEU5として公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座13q14.3に位置付けられる。
B細胞慢性リンパ性白血病は、しばしば網膜芽腫遺伝子(RB1;180200)と座位D13S25(Liuら、1993;Liuら、1995)との間の染色体13q14上における、領域の損失と関連付けられる。このことは、腫瘍サプレッサー遺伝子が、この領域内に位置され得ることを示唆する。最小の欠失領域に相当するコスミドコンティーグを構築し、プレ−Bリンパ球cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、Kapanadzeら(1998)は、いくつかのクローンを単離し、そのうちの1つは、予測される407個のアミノ酸のタンパク質であるRFP2をコードするORFを含み、彼らはそれをLEU5と呼んだ。RFP2は、RING型のジンクフィンガードメインを含み、そしてRETフィンガータンパク質(RFP;602165)および腫瘍サプレッサー遺伝子BRCA1(113705)と有意な相同性を共有する。Kapanadzeら(1998)は、RFP2遺伝子を最小の欠失領域の境を接するD13S272の近隣に位置付けた。
別の配列(研究室表示 31_3_5_rE(配列番号158))は、ジンクフィンガータンパク質207(ZNF207)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座6p21.3に位置付けられる。
Pahlら(1998)は、彼らがZNF207と称したタンパク質をコードするヒト血管平滑筋細胞cDNAを単離した。予測される478個のアミノ酸のタンパク質は、ほぼ20%のプロリン残基で構成され、かつN末端よび2 C2H2ジンクフィンガーモチーフでの強力な核局在化シグナルを含む。ノーザンブロット分析は、ZNF207が遍在的に発現されることを明らかにした。
蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、Pahlら(1998)は、ZNF207遺伝子を6p21.3に位置付けた。Rasooly(1999)は、ZNF207配列が第17染色体(AC005899)由来のクローン化領域内に含まれることに着目した。
別の配列(研究室表示 21_5_7E_Lac(配列番号137))は、DNA結合3のインヒビター(ID3)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、HEIR1として公知であり、そしてその配列は、遺伝子マップの遺伝子座1p36.13−p36.12に位置付けられる。
Ellmeierら(1992)は、染色体1p36特異的CpG島の分子クローニングによって、ヘリックス−ループ−ヘリックス(HLH)タンパク質をコードする新規のヒト遺伝子を単離した。最初にHEIR1と命名されたID3遺伝子は、神経芽細胞一致欠失領域である1p36.2−p36.12に局在化された。その予測されたタンパク質は、マウスHLH462タンパク質に対して95.8%同一であり、かつマウスIdおよびショウジョウバエemcタンパク質に対して明確な相同性を有した。その遺伝子は、成体の肺、腎臓、および副腎髄質において高度な存在量で発現されたが、成体の脳においては発現されなかった。神経芽細胞についての最初の標的である副腎髄質における顕著なHEIR1発現にもかかわらず、12個の神経芽細胞誘導細胞株のうち10個は、非常に低いレベルのHEIR1 mRNAを示した。低いHEIR1発現は、HMYC(164840)の過剰発現を有する腫瘍細胞株において、一般に見出されるが、高いHEIRレベルを示す2つの細胞株は、NMYCを過剰発現しなかった。その2つの遺伝子の相互に排他的な発現はまた、発達したマウス組織、特に前脳神経外胚葉におけるインサイチュハイブリダイゼーションによって見出される。Ellmeierら(1992)は、特にHEIR1発現が、神経芽細胞の過半数において減少され、これらの腫瘍および肺発育においてHEIR1とNMYC発現との間の逆相関が示唆されると結論付けた。
Deedら(1994)は、ID3遺伝子と、先祖遺伝子からの進化と合致する高度に保存されたタンパク質コード化遺伝子組織を示す、ID1(600349)およびID2(600386)との比較を報告した。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションのためにID3のYACクローンを使用することによって、彼らは、ID3遺伝子を1p36.1に位置付けた。Whiteら(1995)は、神経芽細胞研究(NBSを参照のこと;256700)によって明らかにされた異型接合性の損失(LOH)領域の外側に、ID3があるという理由で、神経芽細胞サプレッサー遺伝子についての候補としてID3を排除し得た。
Idタンパク質は、転写因子のDNA結合を妨げることによって、細胞分化を調節し得る。Lydenら(1999)は、マウスにおけるId1およびId3の標的化分裂が、細胞周期における神経芽細胞の早熟性放出および神経特異的分化マーカーの発現を生じることを実証した。Lydenら(1999)は、Id1+/−とId3+/−マウスとを交配した。任意の組合わせにおいて1〜3つのId対立遺伝子を欠く子孫は、野生型と識別不能であったが、4つすべてのId対立遺伝子を欠く動物は産まれなかった。Id1−Id3ダブルノックアウトマウスは、前脳における血管奇形を示し、かつ神経外胚葉において血管の枝分かれおよび出芽の欠如を示した。脳および腫瘍における血管形成が、内皮細胞による無血管組織の侵襲を必要とするように、Lydenら(1999)は、腫瘍の異種移植片の増殖を支持する能力について、Idノックアウトマウスを試験した。3つの異なる腫瘍が、Id1+/−Id3−/−マウスにおいて増殖させるおよび/または転移させるのに失敗し、かつ存在した任意の腫瘍増殖は、微弱な血管新生および広範な壊死を示した。Lydenら(1999)は、Id遺伝子が、胚におけるニューロンの分化のタイミングおよび血管系の侵襲性を維持するために必要とされることを結論付けた。Id遺伝子が、成体において非常に低いレベルで発現されることを理由に、彼らは、抗血管形成剤の設計のために魅力的な標的を作製する。Lydenら(1999)はまた、Id1−Id3ダブルノックアウトマウスにおける早熟性のニューロンの分化が、ID1またはID3が、マウスの発生の間に陽性に作用するbHLHタンパク質に関して、正確に時間の決まった発現および活性化をブロックすることを必要とされることを示す、と結論付けた。
Panら(1999)は、Id3欠乏性マウスが顕在的な異常性を有さないが、欠落した体液性免疫を有することを見出した。T細胞依存性抗原またはT細胞非依存性抗原を用いての免疫化の後、それぞれ、Id3−欠乏性マウスの応答が減弱され、かつ重度に損なわれた。T細胞増殖性応答はインタクトであるようだが、IFNGamma発現は損なわれ得る。B細胞増殖における欠損は、Id1の異所性発現によって救助され得る。
ID3は、Eタンパク質(例えば、E2A(147141))のインヒビターである。ノーザンブロット分析およびウエスタンブロット分析によって、Keeら(2001)は、マウスにおいてトランスフォーミング増殖因子β(190180)が、Bリンパ球前駆体における一過性Id3発現を急速に誘導することを示した。この誘導は、SMAD(602932を参照のこと)転写因子経路の活性化に関与する。
別の配列(研究室表示 31_3_6_2_Lac(配列番号248))は、FK506結合タンパク質8(FKBP8)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、FK506結合タンパク質である38−KD(FKBP38)としても公知である。
FKBPは、免疫抑制剤FK506についての細胞内レセプターである。FKBP/FK506複合体は、T細胞活性化の間に重要なシグナル伝達分子として機能するカルシウム依存性およびカルモジュリン(例えば、CALM1;114180)依存性セリン/スレオニンホスファターゼである、カルシニュリン(例えば、PPP3CA;114105)を阻害することによってその免疫抑制効果を及ぼす。FKBPの保存された領域に基づいてJurkat細胞cDNAおよび縮重オリゴヌクレオチドを使用するPCRによって、Lamら(1995)は、FKBP8をコードするcDNAを同定した。推定355個のアミノ酸のFKBP8タンパク質は、他の公知のヒトFKBPと26〜28%のアミノ酸配列同一性を共有する。FKBP8は、推定のロイシンジッパードメイン、3単位不完全テトラトリコペプチド反復(TPR)ドメイン、および推定のカルモジュリン結合ドメインであるFKBP12(FKBP1A;186945)と、33%同一なN末端ドメインを含む。ノーザンブロット分析は、試験されたヒト組織すべてにおいて、単一な約1.35−kb〜2.4−kbのFKBP8転写物を検出し、それは脳において最も高度に発現された。
別の配列(研究室表示 31_3_9−rE(配列番号135))は、LPS誘導性IL−6産生を増強する核IκBタンパク質である、MAILをコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座3q21.3に位置付けられる。
Kitamuraらは、「リポ多糖類によって誘導されるアンキリン反復を有する分子」(MAIL)と名付けられたアンキリン反復ファミリーの新規のメンバーを同定し、かつ特徴付けた。MAILのC末端部分は、IκBファミリーと高度な配列相同性を共有する。マウスへのリポ多糖類(LPS)の腹腔内注射は、種々の組織において、特に脾臓、リンパ節、および肺において、急速に(0.5時間未満)MAIL mRNAを誘導した。異所的に発現されたMAILは、核に局在化され、かつSwiss 3T3細胞におけるLPS誘導性mRNA発現およびインターロイキン(IL)−6の分泌が著しく増強された。これらの知見は、MAILが、核IκBタンパク質のうちの1つであり、かつIL−6産生の活性化剤であることを示した。
別の配列(研究室表示 34X23_1−rE(配列番号149))は、カスパーゼ補充ドメイン含有タンパク質4(CARD4)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、NOD1タンパク質(NOD1)としても公知である。この配列は、遺伝子マップの遺伝子座7p15−p14に位置付けられる。
哺乳動物におけるAPAF1(602233)および寄生虫におけるCed4は、N末端カスパーゼ補充ドメイン(CARD)、中心に配置されたヌクレオチド結合ドメイン(NBD)、およびAPAF1に関してはWD40の繰り返しからなるC末端調節ドメインで構成される、細胞内タンパク質のファミリーのメンバーである。APAF1 WD40繰り返しは、ミトコンドリア損傷についての調節ドメインとして作用し、このことは、APAF1オリゴメリゼーション、およびカスパーゼ−9(CASp9;602234)のプロドメインとの同種親和性CARD−CARD相互作用を通じて最終的なアポトーシスを引き起こす。
CARDモチーフをコードする配列について所有されるESTデータベースを検索し、続いて、内皮細胞cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、Bertinら(1999)は、CARD4をコードしているcDNAを得た。推定された953−アミノ酸CARD4タンパク質は、N末端CARDモチーフ、NBD、および異なるAPAF1、そのC末端において10個のタンデムなロイシンリッチな反復を含む。ノーザンブロット分析は、成体心臓、脾臓および肺、ならびに多数の癌細胞株および胎児の組織での4.5kbの転写物の大量の発現を明らかにした。胸部、前立腺および脳cDNAライブラリーをスクリーニングするベイト(bait)としてCARD4のCARDドメインを用いている酵母2−ハイブリッド分析、ならびに同時免疫沈降分析は、RICKのCARDを有する優先相互作用を示した(RIPK2;603455)。ルシフェラーゼリポータ分析法は、APAT1ではなく、CARD4のCARDドメインが強力に、濃度依存的な方法で、JUN N末端キナーゼ(601158を参照のこと)でなく、核因子κ−B(164011を参照のこと)の活性化を誘発することを示した。
類似した方法を使用して、Inoharaら(1999)は、CARD4をクローン化し、そして特徴づけ、それをNOD1と呼んだ。ノーザンブロット分析は、NOD1の広い発現を検出した。インサイチュハイブリッド形成分析は、1日にNod1の比較的制限された発現(15.5マウス胚)を示した。共焦鏡検は、NOD1がサイトゾルタンパク質であることを証明した。共免疫沈降分析は、NOD1が優先して、CARDを含んでいるプロカスパーゼまたは死エフェクタドメイン(DED)、RICK、そして、CLARP(CFLAR;603599)、ならびにそれ自体と相互作用し、しかし、RAIDD(CRADD;603454)、APAF1(NIK(604655))または他のCARD−またはDEDを含有するタンパク質と、相互作用しないことが分かった。機能分析は、LRRでなく、NOD1のCARDおよびNBDが、他のカスパーゼまたはCLARPでなく、CASP9によって誘発されるアポトーシスを増強することを示した。CARDが、CASP9を結合および活性化させるために、ならびにアポトーシスを促進するために、NOD 1にとって重要であるとわかった。Inoharaら(1999)はまた、NOD1がNFKB活性化のRICKと相互作用することを観察した。
ゲノム配列分析によって、Inoharaら(1999)は、NOD1遺伝子が7pl5−pl4に7コードエキソンおよび7非コードエキソンおよびマップを含むことを決定した。
別の配列(研究室表示 34X23_rE(配列番号152))は、mdr1bまたはmdr1をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、Abcb1bとして公知である。この配列は、ヒトの染色体位置7q21.1に対してマップする。
Songら、「Identification and characterization of a hepatoma cell−specific enhancer in the mouse multidrug resistance mdr1b promoter」 J Biol Chem., 270(43):25468−74) (10月27日,1995)は、多薬剤耐性/P−糖タンパク質遺伝子mdr1b(mdr1)およびmdr1a(mdr3)の発現が肝臓癌形成の間、上昇することを証明する。mdr1b遺伝子発現の調節を調査するために、それらは、肝癌細胞および非肝癌細胞のさまざまな5’−mdr1b隣接配列を含んでいるリポーター構築物の一時的なトランスフェクション発現アッセイを使用した。彼らは、そのヌクレオチド−233〜−116が優先して方向−およびプロモーター内容から独立した方法でマウス肝癌細胞株においてリポーター遺伝子の発現を増強したことを見出した。肝癌細胞および非肝癌細胞から調製された核抽出物を使用しているDNase Iフットプリンティングは、−205〜−186ヌクレオチド(部位A)、−181〜−164ヌクレオチド(部位B)、−153〜−135ヌクレオチド(部位C)、および−128〜−120(部位D)で4つのタンパク質結合部位を同定した。さらなる分析から、部位B単独がエンハンサー機能のための主要部分を演じる間、組み合わされた部位AおよびBが完全なエンハンサー活性を与えたことが明らかになった。部位特異的変異誘発結果も、これらの結果を支持した。オリゴヌクレオチド競争物を使用しているゲル遅延実験により、部位Bが優位な結合タンパク質を含むことが明らかになった。これは、mdr遺伝子座の細胞型に特有のエンハンサーを示している第1の報告であった。肝臓癌形成の間のmdr1b遺伝子の活性化におけるこのエンハンサーの役割は、著者によって考察される。
Hsuら、「Differential overexpression of three mdr gene family members in multidrug−resistant J774.2 mouse cells.Evidence that distinct P−glycoprotein precursors are encoded by unique mdr genes」 J Biol Chem,15;264(20):12053−62,(1989年7月)は、多剤耐性表現型の特質が集合的にP−糖タンパク質と呼ばれている130〜180kDaの一体膜ホスホグリコタンパク質の一系統の過剰生産であることを示す。遺伝子に特異的なハイブリダイゼーションプローブは、マウスP−糖タンパク質cDNAの3つの種類から誘導された。これらのプローブは、3つの異なるが密接に関連したmdr遺伝子(mdr1a、mdr1bおよびmdr2)の差示的増幅および/または転写活性化を、独立して選択された多剤耐性J774.2マウス細胞株で明らかにした。mdr1aおよびmdr1bの過剰発現が、一般に、それぞれ、120−kDaまたは125kDaのP糖タンパク質前駆体のいずれかの差示的過剰生産と相関すると見出された。この同じ相互関係は、mdr1bからmdr1aへの遺伝子発現の切り換えが、125−kDaから120kDaのP糖タンパク質前駆体への切り換えになったビンブラスチンに対する耐性について段階的選択の過程の間、単一の細胞株において観察された。これらの発見は、独特なP糖タンパク質のアイソフォームをコードする異なったmdr遺伝子の差示的過剰発現が多剤耐性表現型の多様性を生成する可能な機構であることを示唆する。
別の配列(研究室表示 34X24_126−rE(配列番号148))は、MITOGEN−ACTIVATED PROTEIN KINASE KINASE KINASE 7 INTERACTING PROTEIN 1(MAP3K7IP1)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、TAK1−BINDING PROTEIN 1またはTAB 1として公知である。この配列は、Geneマップ遺伝子座Chr.22にマップする。
Shibuyaら(1996)は、酵母2−ハイブリッドシステムを使用して、TAK1(602614)と相互作用する脳cDNAコードタンパク質を同定した。それらは、それらがTAB1(TAK1−結合タンパク質−1)と呼んだ予測された504−アミノ酸タンパク質をコードしている遺伝子を回収した。ノーザンブロットにおいて、TAB 1は、試験される全ての組織の3.5kbのmRNAとして表された。
Shibuyaら(1996)は、酵母細胞および哺乳動物細胞の両方で、TAB1が直接的な相互作用によってTAK1のキナーゼ活性を活性化させたことを発見した。それらは、哺乳動物細胞において、TAB1のC−末端68アミノ酸がTAK1の結合および活性化のために十分であり、一方、N末端418アミノ酸が増殖因子−β(TGFB;190180)誘導遺伝子発現を形質転換するドミナントネガティブなインヒビターとして作用することを示した。TAK1がTGFBシグナリング経路において、MAPKKKとして機能するので、Shibuyaら(1996)は、TAB1が、TGFBレセプターとTAK1との間で重要なシグナリング中間体であり得ることを示唆した。
p38−α(MAPK14;600289)を用いる胃腸気管組織のイースト2−ハイブリッドスクリーンをベイトとして使用して、Geら(2002)は、TAB1をコードしている複数のクローンを単離した。免疫沈降およびGSTプルダウン分析は、TAB1が、TNF(191160)を有する処理を行うかまたは行わず、他のMAPKではなく、p38αと相互作用することを示した。イムノブロット分析は、TAB1およびp38−αの同時発現が、MAP2Kのドミナントネガティブな形態(例えば、MAP2K3;602315)およびTAK1の存在で、p38−αの自己リン酸化を増強することを示した。TAB1の位置373と418との間のアミノ酸が、p38−αのリン酸化のために必要であるとわかった。TLR2(603028)の発現によってインヒビターの存在下または非存在下でのp38−αリン酸化が生じたのに対して、TLR4(603030)の刺激の後のp38−αリン酸化は、変異体TAB1によって阻害され得、これは、p38−αの活性化が、TAB1に従属するかまたは独立し得ることを示唆した。イムノブロット分析は、TRAF6(602355)−TAB1−p38−α複合体の形成を検出した。これらの複合体の形成は、リポポリサッカリドによる刺激によって増強され得た。Geら(2002)は、TAB1のような非酵素的なアダプタータンパク質によるp38αの活性化が、細胞内のシグナリングを調整する際のキナーゼカスケードと並列に作動している重要な代わりの活性化経路であり得ると結論した。
International Radiation Hybrid Mapping Consortiumは、TAB1遺伝子を染色体22(WI−18691)にマップした。
別の配列(研究室表示 36_5_2_6−rE(配列番号150))は、BROMODOMAIN−CONTAINING PROTEIN 2(BRD2)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、FEMALE STERILE HOMEOTIC−RELATED GENE 1、MOUSE HOMOLOG OF FSRG1(RING3)として公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座6p2l.3にマップする。
染色体6p2l.3でのヒトの主組織適合性複合体(MHC)クラスII領域の新規な遺伝子の検索において、Okamotoら(1991)およびBeckら(1992)は、これらをRING3(「RING」は、実際に興味のある新規な遺伝子の頭字語である)と呼んだ遺伝子を同定した。マッピングおよびゲノムシークエンシングに基づいて、RING3は、遺伝子HLA−DNA(142930)とHLA−DMA(142855)との間にクラスII領域の中央に位置した。クラスII領域にコードされる全ての他の遺伝子とは対照的に、RING3は、配列比較に基づいて免疫系と関連する明らかな機能を有さなく見えた。しかし、Drosophila雌性不妊ホメオ遺伝子(fsh)遺伝子に対する著しい配列類似性は、保存された生物学的機能をRING3に示唆した。DenisおよびGreen(1996)は、RING3産物が、事実、信号伝達に関係するマイトジェン活性核キナーゼであること、および、それが白血病の特定の種類においてアップレギュレートされるということを発見した。RING3の系統発生についてより研究する目的で、Thorpeら(1996)は、さらに、異なる種のホモログを識別し、それらの遺伝子構造を決定した。RING3の機能分析は、Nomuraら(1994)によるヒトのRING3の第2の非MHCリンクしたコピーを見つけることによって、さらに複雑になった。これは、ORFX(601541)として、それらによって参照された。ORFX cDNA配列から誘導されるPCRプローブを使用して、Thorpeら(1996)は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション分析によってORFXを9q34にマップした。いくつかの他のMHC関連の遺伝子は、9qの同じ領域にマップすることが報告された。
別の配列(研究室表示 3_2_13rE(配列番号192))は、S100 CALCIUM−BINDING PROTEIN A6(S100A6)をコードしている配列を含む。このタンパク質は、また、カルサイクリンとして公知である。この配列を、遺伝子マップ座1q21にマップする。
カルサイクリンは、最初は、同族のRNAが成長を調整すると分かっており、そして、その配列がS−100タンパク質、カルシウム結合タンパク質の配列ならびにチロシンキナーゼのための主要細胞基質のサブユニットにに強い類似点を示したcDNAクローン(2A9)として規定された。全長cDNAを使用して、Ferrariら(1987)は、カルサイクリン遺伝子全体および広範囲な隣接配列を単離した。彼らは、カルサイクリン遺伝子が単一コピーに存在して、3のエキソンを有することを発見した。インサイチュハイブリダイゼーションによって、彼らは、CACY遺伝子が1q21−q25セグメントに位置すると決定した。Mus spretusおよびMus musculus dornesticusの種間の戻し交雑の結合研究によって、Seldin(1989)は、Cacy遺伝子がマウス第3染色体に置かれることを証明した。CACYについてのcDNAプローブを使用して、van Heyningenら(1989)およびDorinら(1990)は、遺伝子が、CAGA(S100A8;123885)およびCAGB(S100A9;123886)を同時に分離し、これは、1q12q21に位置したことを示した。
ヒトの1q21−q23の物理的マップを作ることの間、Oakeyら(1992)は、CACY遺伝子がそのセグメント(SPTA1(182860)に対する基部)の動原体性端にあると決定した。
Schaferら(1995)は、S100カルシウム結合タンパク質をコードする9個の異なる遺伝子が局所化され得る1q21からYACを単離した。S100遺伝子のクラスター化された組織は、染色体上のそれらの物理的配置に基づく新規な論理的命名法の導入を可能にし、S100A1(176940)がテロマーに最も近く、S100A9が、セントロメアに最も近い。新規な命名法において、CACYは、SA100A6になった。
RhoGEFは、さまざまなシグナル伝達カスケードにおいて重要な役割を果たし、癌および精神薄弱のようなヒトの状態に関係する(Thiesenら、「Isolation of two novel human RhoGEFs, ARHGEF3 and ARHGEF4, in 3p13−21 and 2q22」 Biochem Biophys Res Commun, 273(1):364−9:2000年6月24日)。ヒトのニューロンのテラトカルシノーマライブラリのスクリーニングと組み合わされるデータベース検索は、2つの新しいRhoGEF、ARHGEF3およびARHGEF4(HGMW認可の記号)を同定した。3561のヌクレオチドの広く発現されたARHGEF3転写は、NET1に相同性を有する526のアミノ酸のポリペチドをコードする。ARHGEF4遺伝子は、720のアミノ酸残基に翻訳される、3665ヌクレオチドと4000ヌクレオチドの2つの転写物を生成する。ARHGEF4の発現は、脳に制限され、そして、コードされたタンパク質はコリビスチン(collybistin)に対する相同性を示す。ゲノムクローンのFISH分析は、3p13−21に対するARHGEF3および2q22に対するARHGEF4にマップした。2000 Academic Pressで著作権で保護する。
別の配列(研究室表示 49_RA2_A−rE(配列番号311))は、HETEROGENEOUS NUCLEAR RIBOPROTEIN L;HNRPLをコード化している配列を含む。
異種核リボ核タンパク質(hnRNP)複合体は、hnRNAおよびそれらの関連するタンパク質を含む構造である。hnRNPは、mRNA合成および成熟に直接関係している。それらのタンパク含有量は2つの主要なカテゴリからなる:共通構造特徴を有する3の関連した主な種のファミリー(いわゆるA1−A2、B1−B2、C1−C2コアタンパク質)、ならびにD〜Uと指定されたポリペプチドのより多くの異種の集団。HeLa細胞のhnRNAと関連する、34,000〜120,000Daの分子質量範囲の20を超える異なる主要ポリペチドがある。2の異なった、約68kDタンパク質(L(HNRPL)およびMと指定された)の一組はこれらの一つである。タンパク質をRNAにUV架橋することおよびRNase消化の前後での沈降分析によって、Pinol−Romaら(1989)は、HNRPLに対するモノクローナル抗体を用いて、HNRPLがhnRNP複合体と安定して関係していることを証明した。彼らはまた、HNRPLが1〜3の未確認の離散的な非核小体構造および外側のhnRNP複合体で、HNRPLが核液に存在することを示した。著者は、さまざまな脊椎動物のHNRPLを検出して、HNRPLがnewt N. viridescensのlampbrush染色体上の大部分の発生期の転写物と関係していることを発見した。Pinol−Romaら(1989)は、hnRNPに対する抗体を含んでいる血清を用いてHeLa細胞cDNA発現ライブラリーをスクリーニングし、cDNAをコードしているHNRPLを単離した。ノーザンブロット分析は、HeLa細胞の約2.3kbのHNRPL転写物を検出した。予測された558−アミノ酸タンパク質は、グリシンおよびプロリンリッチであり、60,187Daの算出分子量を有する。HNRPLは、約80のアミノ酸の2つのセグメントを含み、各々、互いに、そして、他のhnRNPおよびsnRNPタンパク質のリボヌクレオタンパク質共通配列型RNA結合ドメインにわずかに関連がある。
別の配列(研究室表示 6B37H_T7(配列番号65))は、ANNEXIN A1(ANXA1)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、ANNEXIN I(ANX1)、LIPOCORTIN I(LPC1)およびCALPACTIN IIとして公知である。この配列は、Geneマップ遺伝子座9q11−q22にマップされる。
グルココルチコイドの抗炎症性作用は、一群のタンパク質の誘導に帰された。そして、集合的に、リポコルチン(ホスホリパーゼA2を阻害する)と呼ばれていた。これらのタンパク質は、これらの共通前駆体、アラキドン酸、ホスホリパーゼA2によってホスホリピドの加水分解を必要とするプロセスの放出を阻害することによって、炎症、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの強力なメディエーターの生合成を制御すると考えられる。リポコルチン様タンパク質は、単核細胞、好中球、腎臓延髄細胞および他の細胞型から分離された。支配的な活性形態は、40,000の見かけの相対的な分子量を有する。部分的に精製されたリポコルチンは、ステロイドの作用に擬態し、さまざまなインビボでのモデル系の抗炎症作用を媒介する。精製されたラットリポコルチンからのアミノ酸配列情報を使用して、Wallnerら(1986)は、ヒトリポコルチンについてのcDNAをクローンし、E.coliにおいて遺伝子を発現した。それらは、LPCがホスホリパーゼA2の強力なインヒビターであることを確認した。リポコルチンIは、アネキシンの一系統に帰属する。それは約35,000〜40,000の分子質量を有する構造的に関連したタンパク質である。彼らは、形質膜のサイトゾルな表面に優先してあるホスホリピドにCa(2+)に依存した結合を受ける。この系統の個々のタンパク質は、さまざまな目的をもつ調査者によって発見され、種々の名前を与えられた(Kaplanら、1988)。
Cromtonら(1988)は、タンパク質のリポコルチン/カルパクチンファミリーを調べた。Pepinskyら(1988)は、彼らがリポコルチンIII、リポコルチンVおよびリポコルチンVIと呼んだ3つのタンパク質の特徴を記載した。リポコルチンIIIおよびIVは、明らかに同一である。Shohatら、(1989)は、その家族性地中海熱(FMF;249100)患者は、リポコルチン遺伝子のうちの1に対する変異対立遺伝子のホモ接合であるという仮説を進めた。
Waltherら(2000)は、ANXAIがヒトの好中球においてホルミルペプチドレセプタ(FPR;136537)で作用することを示した。ANXAIの固有のN−末端ドメインから誘導されるペプチドは、用量依存的様式でFPRリガンドとして役立ち、そして異なるシグナル伝達経路を誘発する。おそらく炎症性の状況で見つかる低いペプチド濃度は、マイトジェン活性プロテインキナーゼ経路を完全に活性化させることのないCa(2+)一時的現象を誘発する。これによって、化学誘引物質チャレンジの方へ好中球のトランス内皮の移動および好中球の除感作の特定の抑制が生じる。これらの知見は、ANXA1ペプチドを新しい、内因性のFPRリガンドと確認して、ANXAI媒介された抗炎症性効果の機械学の基礎を決めた。
Huebnerら(1987、1988)は、染色体インサイチュハイブリダイゼーションおよびcDNAクローンを使用している体細胞ハイブリッドでの分離比分析によってANXA1遺伝子を9q11−q22にマップした。
Horlickら(1991)は、Lipo1のための重なり合うマウスゲノムクローンを単離した。マウスの遺伝子は、約17kbにわたって、346のアミノ酸残基のタンパク質をコード化している13のエキソンに分けられる。組換近交系の分析によって、それらは、Lipo1が第19染色体に置かれることを示した。Horlickら(1991)はマウスLipo1とLipo2との間の遺伝子構造の類似性を指し示し、そして、それらが最近の進化の祖先を有することを示唆した。
別の配列(研究室表示 6B60_Lac(配列番号237))は、TROPOMYOSIN 1(TPM1)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、TROPOMYOSIN、SKELETAL MUSCLE ALPHA(TMSA)として公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座15q22.1にマップする。
Tropomyosinsは、ミオフィブリルおよびストレスファイバのアクチンフィラメントと関連する35〜45kDの遍在するタンパク質である。脊椎動物において、4つの公知のトロポミオシン遺伝子が、組織特異的様式で発現されて、選択的スプライシング機構によって調節される多様なアイソフォームについてコードする(Lees−MillerおよびHelfman、1991)。脊椎動物のαトロポミオシン遺伝子は、15のエキソンからなる;5個のエキソンは、全ての転写物で見出されるが、一方、10個のエキソンは、あるいは、異なるα−トロポマイオシンRNAにおいて使用される(Lees−MillerおよびHelfman、1991)。横紋筋のアイソフォームは、心臓および骨格筋の組織の両方において発現される。
MacLeodおよびGooding(1988)は、cDNAクローンを骨格筋α−トロポマイオシンの完全タンパク質−コード配列を含むヒトの骨格筋ライブラリーから単離した。培養されたヒト繊維芽細胞において、TMSA遺伝子が、選択的mRNA−スプライシング機構を用いてα−トロポマイオシンの骨格筋タイプおよび平滑筋タイプの両方をコードすることが見出された。
Eyreら(1995)は、TPM1遺伝子の配列タグ化部位(STS)を開発し、そして、遺伝子のゲノムクローンを含んでいる一部分を分離するためにそれを使用した。このクローンを使用して、それらは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって15q22にTPM1を局所化した。放射ハイブリッドのPCRによって、Tisoら(1997)は、TPMI遺伝子をより正確に15q22.1にマップした。Schleefら(1993)は、異種間戻し交雑を用いてマウスホモログ(Tpm−1)を第9染色体のd−se領域にマップした。
Brownら(2001)は、トロポマイオシン分子の結晶構造を記載した。それらの結果は、筋収縮の調節でのトロポマイオシンの役割にとって重要であるようである2本鎖の高次コイルの軸性の登録、対称性および立体配座の変動性上の中心的なアラニンのクラスターの影響を明らかにした。
ヒトのTPM1遺伝子と3型家族性肥厚性心筋症(CMH3;115196)(以前に、15q2にマップされた)との間の結合を評価するために、Thierfelderら(1994)は、短いタンデム反復染色体の多型(STR)を同定した。θ=0.0での6.94の複合最大の2ポイントのlodスコアは、2つのファミリーにおけるCMH3へのTPM1マーカーの連結のために得られた。点変異は、連鎖研究において使用される2つのファミリーのそれぞれにおいて同定された:一方において、asp175〜asn(191010.0002)および他方においてglul80〜gly(191010.0001)。Watkinsら(1995)はTPM1遺伝子の変異がCMHのまれな原因であると結論し、約3%のケースを説明した。これらの変異は、心臓トロポニンT遺伝子(TNNT2;191045)と同様に、比較的穏やかで時々無症状の肥大であるが、突然死の高発生率で特徴づけられる。従って、遺伝的試験は、このグループにおいて特に重要であり得る。
Blanchardら(1997)は、機能的なマウスα−トロポミオシンノックアウトを作るために、胚性幹細胞および胚盤胞媒介されたトランスジェネシスの遺伝子標的化を使用した。ホモ接合体のマウスは、胎児日9.5と13.5との間で子宮内で死に、αトロポミオシン、RNAを欠いていた。ヘテロ接合体は、αトポロマイシンmRNAレベルのほぼ50%の減少を有するが、α−トロポミオシンタンパク質の減少を有さなかった。筋原線維超微細構造または収縮作用の違いは、発見されなかった。著者らは、マウスがmRNAの減少にもかかわらず筋原線維トロポミオシンのレベルを維持する調節機構を有すると仮定した。さらに、彼らは、ヒトおよびマウスの心筋が類似すると仮定し、αトロポミオシンのための単一の単不足(haploinsuffiviency)が、ヒト3型肥大性心筋症(115196)において見られる病原的な変化を引き起こさず、そしてタンパク質化学量論の変化が、筋節に組み込む際に筋原線維組織を破壊する毒ポリペチドを産生し得ることを結論づけた。
Muthuchamyら(1999)は、部位特異的変異によって、ミスセンス変異asp175〜をasn(191010.0002)を導入することによって、CMH3のトランスジェニックマウスモデルを構築した。この変異は、心臓トロポニンT結合領域に起こる。トランスジェニックCMH3マウスは、心筋の機能損傷の重要なインビボおよびインビトロの証拠で示した。疾患のヒト形態において報告されるように、トランスジェニックの心筋の組織学的分析は、可変的なミオサイト無秩序および肥大を示した。
(対立遺伝子改変体)
.0001心筋症、家族性肥厚,3[TPM1,GLU180GLY]15q(115196)に連結された家族性肥厚心筋症の形態を罹患する家族性MZのメンバーにおいて、Thierfelderら(1994)は、ヘテロ接合状態のTPM1遺伝子のエキソン5のヌクレオチド595で、A−からGへの移行を同定した。置換は、コドン180をGAGからGGGに変えて、負に荷電されたグルタミン酸残基を中性のグリシン残基と交換することを予測した。
.0002心筋症、家族性肥厚,3[TPM1,ASP175ASN]15q(115196)に連結される家族性肥大性心筋症の形態に罹患したファミリーMIのメンバーにおいて、Thierfelderら(1994)は、GACからAACにコドン175を変えたヌクレオチド579で、GからAへの移行のヘテロ接合性を見出した。置換は、罹患した個体に存在する変異した対立遺伝子が、無影響の個体で見出される負に荷電したアスパラギン酸残基の代わりに中性のアスパラギン残基をコードすると予測した。
Watkinsら(1995)は、D175N変異が本当に肥大性心筋症の原因となるかまたは多型だけであるかどうか調査した。その理由は、α−トロポミオシン遺伝子の2つの同定された変異のいくらかの特徴が、CMHのための他の疾患遺伝子の変異の特徴と対比されるからである。β心臓ミオシン重鎖遺伝子(MYH7;160760)および心臓トロポニンT遺伝子と異なって、α−トロポミオシン遺伝子は遍在して発現され、それでも、疾患表現型は、心筋に限られている。Watkinsら(1995)は、asp175からasnへのミスセンス変異が発端者および2人の罹患した子孫に存在するが、発端者の3つの同胞のいずれでも存在しなかったことを発見した。両親が死亡者であったが、4つの親の染色体のハプロタイプは再構築され得た。(ハプロタイプは、35cMの範囲にわたっている10の隣接多型の遺伝子内染色体多型の使用をした。)1つの親染色体は、2つの子孫に移された:1つは、asp175からasn変異(影響を受けた発端者)を有し、そして1つは、TPM1変異が欠如していた臨床的に無影響の同胞を有する。このように、asp175からasnへの変異は、新規に起こるにちがいなかい。
.0003 心筋症、家族性肥厚,3[TPM1,VAL95ALA]Karibeら(2001)は、肥厚性心筋症(115196)に罹患した多数のメンバー有する大きい中南米のファミリーを記載した。彼らは、TPM1で新しいval95からala(V95A)への変異を見出し、疾患表現型を分離した。この変異は、MYH7(160760.0010、160760.0012、160760.0001)の特定の突然変異を有しているいくらかのCMH1系統に示されるように、同じ穏やかな程度の左心室肥大と関係していた。浸透は、異常な心エコー図に基づいて53%と推定された;しかし、通常の心エコー図および通常のECGを有する2の突然変異キャリアは、研究時にそれらの中間の30年だけにおいてあった。浸透はECGによって正確に評価され得なかった。これは、次のことの故である。6人の年上の変異陰性家族のメンバーは、軽微なT波変化があった。この家族の累積的な生残率は、40年に73%の+/−10%、および60年に32%+/−13%であった。変異体の発現および細菌系の制御トロポミオシンは、この変異の機能的な評価を可能にした。カルシウム結合および異常なミオシンサイクリングの増加が、観察された;両方とも、疾患発病学の重要な誘因であると考えられた。
別の配列(研究室表示 6b3_rE(配列番号1)は、ATPアーゼ、H+TRANSPORTING、LYSOSOMAL(ATP6L)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、ATPase,H+TRANSPORTING、LYSOSOMAL、16−KDとして公知である。この配列を、マップ遺伝子座16p13.3にマップする。
常染色体の優性多発性嚢胞腎疾患(173900)のための候補遺伝子を分離する試みにおいて、Gillespieら(1991)は、16p13.3から多くのCpGの豊富な島を同定し、この領域は、PKD1(601313)変異の部位を含むとして遺伝的に規定された。これらの島のうちの1つに隣接したゲノム断片は、cDNAを4つの推定膜貫通ドメインを有する155−アミノ酸ペプチドをコードするHeLa細胞および培養された嚢状の上皮から分離するために用いた。対応する転写物は、試験される全ての組織で見出されたが、脳および腎臓で最も豊富だった。推定されたアミノ酸配列は、液胞H(+)−ATPaseのプロトンチャネルの一部であると考えられている16kDプロテオリピド構成要素に、93%の類似性があった。変異したプロトンチャネルは、嚢胞性疾患の発病学に関係し得る。しかし、影響を受けた人の両方の対立遺伝子に対応するcDNAのシークエンシングが、推定されたアミノ酸配列の違いを明らかにしなかった。さらに、転写物サイズおよび量は、嚢胞腎において変わらなかった。
注記:ABCRは、マウスの本発明者らの細胞株において発現されない再編成された遺伝子である。この遺伝子はChar4の隣にある:P.chabaudiマラリア耐性QTL 4−ならびに未知の機能のいくつかの遺伝子。マウスの染色体3 60.81−61.19cMは、最も近い齧歯類の標識である。隣にあるヒト遺伝子は、PARG1;LOC163462;およびLOC163463である。
別の配列(研究室表示 6BE72_rE(配列番号2))は、CCCTC−BINDING FACTOR(CTCF)にコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、TRANSCRIPTIONAL REPRESSOR CTCFとして公知である。
Filippovaら(1996)は、ヒトのCTCF(CCCTC−結合因子)cDNAクローンを単離および分析した。それらは、ヒトのCTCFタンパク質が11個のジンクフィンガードメインを含み、例外的に高度に保存され、そして、トリCTCFアミノ酸配列と93%の同一性を共有することを示した。それは、ニワトリ、マウスおよびヒトのMYC(190080)オンコジーンのプロモーター近位領域の調節配列と特異的に結合する。CTCFは、異種のDNA結合ドメインに移動可能な2つの転写リプレッサドメインを含む。1つのCTCF結合部位(マウスおよびヒトのMYC遺伝子において保存される)は、主なP2プロモーターのすぐ下流に見出される。マウス細胞およびヒト細胞からの核抽出物のゲルシフトアッセイは、CTCFがこの配列に対する支配的な要因結合であることを示した。P2−近位CTCF結合部位の変異分析および一過性共トランスフェクション実験は、CTCFがヒトのMYC遺伝子の転写リプレッサーであることを証明した。100%の配列同一性がトリおよびヒトのCTCFタンパク質のDNA結合ドメインにあるにもかかわらず、ニワトリおよびヒトのMYCプロモーターのCTCFによって認識される調節配列は明らかにそらされる。接触ヌクレオチドを変異させることは、ヒトのMYC遺伝子のP2プロモーターに対するCTCF結合が、ニワトリMYC遺伝子のCTCF結合部位に存在しない多くのユニークな接触DNAベースを必要とすることを確認した。さらに、タンパク分解性保護アッセイは、更にいくつかのCTCFジンクフィンガーが、ニワトリ部位よりヒトのCTCF結合部位を接触することに関係していることを示した。連続して欠失されたジンクフィンガードメインを利用するゲルシフトアッセイは、CTCFジンクフィンガー2〜7がニワトリMYCプロモーターへの結合に関係していることを示し、一方、フィンガー3〜11が、ヒトのプロモーターに対するCTCF結合を媒介することを示した。ジンクフィンガー使用のこの柔軟性は、「多価の」転写因子であるCTCFを明らかにする。ノーザンブロット分析は、ヒトのCTCF遺伝子が約4kbの転写物として遍在して発現されることが明らかになった。
Bellら(1999)は、ヒト細胞のエンハンサー−ブロッキング活性に必要かつ充分であるニワトリβ−グロビンインスレーターの42bp DNAフラグメントを同定した。彼らは、この配列(FII)が、CTCFのための結合部位であることを示し、そして、これらのCTCF結合部位は、検討される脊椎動物エンハンサブロッキング要素の全てに存在した。Bellら(1999)は、CTCFによる方向エンハンサブロッキングが脊椎動物の遺伝子調節の保存される構成要素であることを示唆した。
BellおよびFelsenfeld(2000)ならびにHarkら(2000)は、CTCFがH19(103280)とIGF2(147470)との間の非メチル化刷込み(imprinted)コントロール領域(ICR)内で、エンハンサブロッキングに必須ないくつかの部位に結合することを独立して示した。Harkら(2000)は、CTCF結合が、ICRのDNAメチル化によって廃止されることを証明した。CTCF結合部位の範囲内のCpGのメチル化は、インビトロでCTCFの結合を除去し、そしてこれらの部位の欠失は、インビボでエンハンサー−ブロッキング活性の喪失を生じ、それによって、遺伝子発現を可能にする。このCTCFに依存するエンハンサー−ブロッキング要素は、インスレーターとして作用する。BellおよびFelsenfeld(2000)は、それがIGF2の刷込みを制御すること、および、このインスレーターの活性が、父性対立遺伝子の特定のDNAメチル化によって、母性対立遺伝子に制限されることを示した。BellおよびFelsenfeld(2000)は、DNAメチル化が、遺伝子プロモーターへのエンハンサー境界の調整によってエンハンサアクセスを調節することによって、遺伝子発現を制御し得ることを結論づけた。
DM1遺伝子座のCTG繰り返しの展開によって、2つの隣接遺伝子、DMPK(605377)およびSIX5(600963)の発現を変えることによって、そして、繰り返しを含有するRNAの毒作用で、筋強直性ジストロフィーが生じる。Filippovaら(2001)は、CTG繰り返しに隣接し、DMPKとSIX5との間のインスレーターエレメントを形成する2のCTCF結合部位を同定した。これらの部位のメチル化は、CTCFの結合を妨げ、これは、先天性筋強直性ジストロフィーのDM1遺伝子座メチル化がインスレーター機能を崩壊させることを示す。さらにまた、CTCF結合部位は、いくつかの他の遺伝子座でCTG/CAG繰り返しと関係している。Filippovaら(2001)は、CTG/CAG繰り返しの一般の役割を、ヒトゲノムの多重サイトでインスレーターエレメントの要素として示唆した。
Chaoら(2002)は、インスレーターおよび転写因子CTCFをマウスのX染色体選択のための候補トランス作用性要因として同定した。選択/刷込みセンターは、エンハンサー−ブロッキングアッセイにおいて機能する直列型のCTCF結合部を含む。インビトロ結合は、CpGメチル化によって減少し、非CpGメチル化を含むことによって廃止される。Chaoら(2002)は、Tsix(300181)およびCTCFが一緒にX失活のための調節可能な後成的発現スイッチを決めると仮定した。マウスのTsixは、40を超えるCTCFのモチーフを含み、そして、ヒト配列は、10を超えて有する。点−プロット分析は、非常に相同なDXPas34の連続した頭−尾配置の繰り返しを示した。
別の配列(研究室表示 7A10_1−rE(配列番号41))は、DELETED IN AZOOSPERMIA−LIKE(DAZL)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、DAZLAまたはDELETED IN AZOOSPERMIA HOMOLOGまたはDAZHまたはSPGYLAとして公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座3p24にマップする。この遺伝子は、本発明の方法を利用しているネガティブ鎖から崩壊させた。
ほとんどまたは全てのY−染色体遺伝子が、一度、X染色体と共有されたと広く考えられている。DAZ遺伝子(400003)(「無精子症において欠失する」として名付けられる)は、AZF(ヒトのY染色体無精子症因子(415000))の候補である。Saxenaら(1996)は、ヒトの第3染色体上のAZF領域および機能的なDAZホモログ(それらによってDAZHを象徴した)においてクラスター化されたDAZ(DNA配列において99%より高い同一性)の多数のコピーを報告した。全遺伝子ファミリーは、生殖細胞において発現されるようであった。
配列分析は、Y染色体DAZクラスターが(1)Yへの常染色体の遺伝子の転位;(2)移行された遺伝子内のエキソンの増幅および剪定;そして、(3)改変された遺伝子の増幅によって、霊長類進化の間、起こることを示した。Saxenaら(1996)はこれらの結果が性染色体進化の一般的な図に疑問を呈すると述べ、常染色体繁殖遺伝子の獲得がY染色体進化の重要なプロセスであったことを示唆した。ヒトゲノムの放射ハイブリッドマップ上の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)および位置ぎめによって、DAZH遺伝子を3p24にマップした(Saxenaら(1996))。Saxenaらは、DAZHがDAZ遺伝子ファミリーの創始メンバーであることを示唆した(1996)。
Shanら(1996)は、cDNAプローブSPGY1を有する異なる精巣ライブラリーをスクリーニングすることによって、DAZ遺伝子と相同なヒト常染色体遺伝子をクローニングした。この遺伝子(彼らによりSPGYLAと指定された)は、FISHによって第3染色体にマップされた。Shanら(1996)は、SPGYLA cDNA配列とDAZおよびSPGY1のcDNA配列との比較が2つの顕著な違いを明らかにすることを報告した。SPGYLAがわずか1つの72bp配列サブユニットだけを含むので、72bp配列ユニット(DAZは、繰り返す)の直列型の繰り返し構造はSPGYLAにおいて欠失している。このサブユニットの下流に、特異的な130bp配列ドメインが存在している。このドメインは、また、マウスDazla遺伝子(マウス第17染色体にコードされた)においても、そして、ショウジョウバエ遺伝子「ブール(boule)」にも存在するが、DAZには存在しない。Shanら(1996)は、SPGYLAが男性の性腺だけにおいて表されるRNA結合タンパク質をコードすることを証明した。
Yenら(1996)は、DAZcDNAクローンを有する精巣に特異的なライブラリーのスクリーニングによって、マウスDazla遺伝子のヒト遺伝子ホモログの単離を報告した。彼らが単離した遺伝子は、DAZで見出された7つの繰り返しの1つのみが含まれており、マウスDazla遺伝子に高度な相同を示し、染色体3p24にマップした。
RBMおよびDAZ/SPGYは、RNA結合のモチーフを含んでいるタンパク質をコードするY染色体に配置される遺伝子の2つのファミリーであり、両方とも候補ヒト精子発生遺伝子として記載された。どちらの遺伝子ファミリーも、ヒトの男性の精子発生にとって重要なことを示さなかったが、ショウジョウバエのDazlaホモログは、精子発生のために重要であった(Eberhartら、1996)。Dazlaに対してウサギにおいて惹起されるポリクローナル抗体およびマウスにおけるノックアウト技術を用いて、Ruggluら(1997)は、Dazlaタンパク質が雌生殖細胞および雄生殖細胞(核RBMタンパク質と異なった)において細胞質であることを証明した。Dazla遺伝子の混乱は生殖細胞の損失および配偶子産生の完全な欠如につながり、そして、Daz1aが生殖細胞の分化にとって重要であることを証明した。
常染色体DAZLAおよびYにリンクされたDAZイントロン配列の比較(Agulnikら(1998))によって、雄から雄への突然変異率の比率のための新しい形態を誘導した;彼らは、α(m)=4であることを見つけた。
第3染色体上の単一コピー遺伝子DAZL1は、RNA結合可能性を有する精巣に特異的なタンパク質をコードする。Y染色体DAZホモログは、ヒトおよび高等な霊長類に限定される。DAZが働き得る高等な霊長類の精子発生に独特の機能を調査し、機能的な保存の程度を決定することにより遺伝子の機能的な状態を評価するために、Sleeら(1999)はDazlヌルマウスの生殖不能表現型(これは、重症生殖細胞減少および成熟分裂の失敗によって特徴づけられる)を補足するために225kbのYACに含まれるヒトDAZ遺伝子の能力を試験した。DAZトランス遺伝子が導かれる場合、Dazl−/−マウスは不妊症のままだったが、組織学的検査は変異体表現型の部分的かつ可変的なレスキュー、すなわち、成熟分裂のパキテン期に細精管および生存の生殖細胞数の顕著な増加としての明示を明らかにした。DAZ遺伝子産物の精子発生の役割の限定的な証明を構成すると共に、これらの発見はDAZとDAZL遺伝子との間の高度な機能的保存を確認し、それらが避妊介入の単一の目標を構成し、無精子症の男性のDAZL1遺伝子の治療的なアップレギュレーションの可能性を増加することができることを示唆する。
他の配列(研究室表示 7A10_1−rE(配列番号41))は、ANNEXIN A2(ANXA2)をコードしている配列を含む。このタンパク質はまた、公知のANNEXIN II(ANX2)、LIPOCORTIN II;LPC2;LIP2、ANNEXIN II PSEUDOGENE 1,INCLUDED、ANX2P1、INCLUDED ANX2P2、INCLUDED ANX2P3、INCLUDEDである。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座15q2l−q22をマップする。
Annexin II(SRCオンコジーン(190090)によってコードされるチロシンキナーゼの主要細胞基質)は、Ca(2+)依存リン脂質のアネキシンファミリーおよび膜結合タンパク質に属する。長期の骨髄培養において形成される高度に精製されたヒトの骨破壊様多核細胞(MNC)から発生するcDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることによって、Takahashiら(1994)は、MNC形成を刺激した候補クローンを同定した。配列分析は、このcDNAがアネキシンIIをコードすることを示した。さらなる研究が、ANX2が破骨細胞形成および骨吸収(この分子について以前に未知の機能)を強化するオートクライン因子であることを示唆する結果を生じた。
Spanoら(1990)は、リポコルチンII(LIP2)をコードしている遺伝子および3つの偽遺伝子のヒトゲノムのクローンを単離して、特徴づけた。LIP2遺伝子は、少なくとも40kb長であって、13のエキソンから成る。3つの偽遺伝子は、レトロポゾンの代表的特徴を示す。Spanoら(1990)は、Huebnerら(1988)によって発表されるデータと共に、LIP2遺伝子が第15染色体に配置されると結論づけた実験を報告した。これらの3つの偽遺伝子は、第4染色体、第9染色体および第10染色体に割り当てられた。LIP1遺伝子(151690)およびLIP偽遺伝子の第9染色体上の共存は、偶然であるとみなされた。Richardら(1994)は、ヒト第15染色体の物理的マップ、発現マップおよび遺伝子マップの統合を示した。これらのマップは領域IV(すなわち15q2l−q22)にANXA2遺伝子を配置し、従って、以前の定位を確認した。
(偽遺伝子)体細胞ハイブリッド分析およびインサイチュハイブリダイゼーションでのcDNAの使用により、Huebnerら(1987、1988)はLPC2A(LIP2P1)座を4q21q31にマップした。Spanoら(1990)は、第4染色体にマップするリポコルチンII様遺伝子がレトロポゾンの代表的特徴を有する偽遺伝子(ANX2P1)であるという証拠を提示した。
体細胞ハイブリッド分析およびインサイチュ染色体ハイブリダイゼーションのリポコルチンcDNAによって、Huebnerら(1987、1988)は、LPC2Bを第9染色体にマップした。従って、LPC1およびLPC2Bは、シンテニックである。LPC2Bは、ABL(189980)の近位に位置する。カルパクチンIは、リポコルチンIIの同義語である。Spanoらは第9染色体にマップするリポコルチンII様遺伝子がレトロポゾンを代表する特徴を有する偽遺伝子(ANX2P2)であるという証拠を提示した(1990)。ゲノムデータベース(GDB)は9p13として領域の場所を与えた。
Huebnerら(1987,1988)は、リポコルチンIIC(LPC2C)遺伝子を10q2l−q22にマップした。Spanoらによれば、第10染色体にマップするリポコルチンII様遺伝子は、第15染色体に配置される機能的なリポコルチンII遺伝子に関連があるレトロポゾンの構造を有する偽遺伝子(ANX2P3)である(1990)。
他の配列(研究室表示 10_46−4−Lac(配列番号214))は、DNAJ、E.COLI、HOMOLOG OF、SUBFAMILY A、MEMBER 1;DNAJA1をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、HEAT−SHOCK PROTEIN(DNAJ−LIKE 2);HSJ2 HEAT−SHOCK 40−KD PROTEIN 4;HSPF4,HDJ2およびHSDJとして公知である。Dnaja1は、2つの他の遺伝子:LOC158188およびLOC158187に重なる。遺伝子dnajlは、また、本発明において崩壊する。DNAJA1は、負鎖から離れる。
E.coliヒートショックタンパク質DNAJは、タンパク質の折畳み、タンパク質分解、リン酸化およびファージの複製に関係した。ヒトの内皮細胞および単核細胞によって特に反応するモノクローナル抗体を有するヒトの臍静脈内皮細胞cDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることによって、Chellaiahら(1993)はHSJ2をコードしているcDNAを単離し、これらはHDJ2と名付けられた。予測された397−アミノ酸HSJ2タンパク質はDNAJと32%同一であり、N末端領域において最も高い同一性を有する。S.cerevisiaeにおいて公知のDNAJホモログの中で、HSJ2はYDJ1と最も同一であり、それはミトコンドリアおよび小胞体への特定のタンパク質の輸送に関与し得る。
他の配列(研究室表示 12_3B#2_Lac(配列番号218))はJWAを含み、これは、負鎖において、UBE1C:ユビキチン活性化酵素E1C(UBA3ホモログ、酵母)に続く。E1(ユビキチン−活性化酵素)様複合体のサブユニット;はNEDD8を活性化させて、そして、ecursorタンパク質結合タンパク質−1を分解するためのHs−cullin−4A(Cul4A)を標的化し、ウサギ網状赤血球溶菌液のNEDD8と結合することができる。しかし、APPBP1がE1酵素のN末端ドメインだけに類似性を示した時から、著者はそれがE1sのC末端の領域に類似性を示しているタンパク質と相互に作用しなければならないと結論した。配列データベースを検索することによって、Osakaら(1998)は、UBA3(酵母Uba3のヒトホモログ)をコードしているcDNAを同定した。予測された442−アミノ酸UBA3タンパク質は、43%の配列同一性を酵母Uba3と共有する。インビトロで、UBA3は、APPBP1との複合体およびNEDD8とのチオエステル結合を形成した。Osakaらは、APP−BP1/UBA3複合体がNEDD8の活性化のためのElのような酵素として機能することを示唆した(1998)。
他の配列(研究室表示 12_3B#8−rE(配列番号107))は、APRATAXIN(APTX)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、FLJ20157として公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座9p13.3にマップする。
APTX遺伝子は、ヒスチジン三つ組(HIT)スーパーファミリーのメンバーをコードし、このメンバーに、ヌクレオチド結合活性およびジアデノシンポリホスフェートヒドロラーゼ活性が、起因している。APTX遺伝子は、運動失調症眼失行症(208920)の変異体である。
眼球運動の失行症、運動失調症−眼球運動失行症症候群(208920)を有する初期の発症運動失調症が、9p13にマップする。Dateらは、臨床症状が常染色体性劣性遺伝、発病年令前半、フリートライヒ運動失調症(FRDA;229300)様臨床症状および低蛋白血症によって特徴づけられた一団の日本の患者を識別した(2001)。FRDA座への結合は、除外された。彼らは、これらの患者の障害が運動失調症−眼球運動失行症症候群と同じ座(9p13)にリンクすることを確認した。彼らは、候補領域を狭くして、原因となる遺伝子としてヒスチジン三つ組スーパーファミリーの部材をコードしている新規な遺伝子を識別した。その産物はアパラタキシン(aprataxin)と呼ばれ、遺伝子記号はAPTXである。多くのHITタンパク質(例えば、FHIT、601153;HINT、601314)が識別されたが、アパラタキシンは、第一に異なった表現型に連結された。
同型接合性マッピングならびにポルトガルおよび日本の創始ハプロタイプ研究によって、Moreiraら(2001)は、運動失調症−眼球運動失行症症候群の遺伝子変異体を9p13.3上に2−cM間隔で局在化した。彼らは、重要な間隔を300−kB領域まで減少させ、APRX遺伝子における変異を識別し、この遺伝子は、FLJ20157 (GenBank AK000164)と識別された。
(代替的転写の発現)
Moreiraらは、エキソン3の選択的スプライシングから生じているAPTXの2の主なmRNA種を識別した(2001):168のアミノ酸およびエキソン3のATGコドンの短い形態、そして、さらなるエキソン3の5プライム部分の中でさらなる115ヌクレオチドを有する長い形態から生じて、別の174のアミノ酸およびエキソン1の第1のATGコドンの追加を生じる。Moreiraら(2001)およびDateら(2001)は、転写の長い形態および短い形態の両方に従って変異体を番号付けた。
Moreiraらは、RT−PCRによって、APTX遺伝子が遍在して発現されることを証明した(2001)。少量に存在するより短いフレームを移された形については、長い転写は、ヒトの細胞株で見つかる主な形である;肝臓組織は、2つの転写の等しい量を有する。ノーザンブロット分析によって、Dateら(2001)は、長さ2kbの形態の遍在する発現および1.35kbの短い形態の制限された発現を示した。
Dateらは、相同検索によって、aprataxinの両方の形が高度に保存されたHITモチーフ(His−X−His−X−His−X−X、ここでXが、疎水性アミノ酸である)(HITタンパク質のための基本的モチーフ)を有することを示した(2001)。HITタンパク質は、以下の2の分岐に分類された:動物および真菌類だけで見つかる壊れやすいHITタンパク質ファミリーおよび全ての細胞寿命の代表を有する古代のHITヌクレオチド結合タンパク質(HINT)ファミリー。
系統樹分析法は、aprataxinがHITタンパク質スーパーファミリーの第3の部材であることを示した。眼球運動の失行症および低蛋白血症を有する初期の発症運動失調症患者で見つかる突然変異は、高度に保存されたアミノ酸を含んだ。
Dateら(2001)およびMoreiraら(2001)は、運動失調症−眼球運動失行症の原因としてのAPRX遺伝子の突然変異を識別した。Dateらは挿入または欠失突然変異が小児期発症を有する重篤の表現型を生じると述べ(2001)、一方val89からglyへの(606350.0004)およびpro32からleuへの(606350.0002)ための化合物を有する血統において、ミスセンス突然変異は比較的遅い発病年令を有する中程度の表現型を生じた;発症年令は、25才であった。
.0001眼球運動の失行症および低蛋白血症を有する初期の発症運動失調症[APTX、1−BP INS、167T] Dateら(2001)は、EAOH(208920)を有する3つの血統の罹患者がヌクレオチド167(167delT;短い形態の第1のATGコドンから始まっているヌクレオチド番号)の後のTの同型接合の挿入を有したことを発見した。これは、早まった停止を有するフレームシフトを生じる。これらの3つのファミリーの影響を受けた個体は、同型接合だった;3つの他の血統の影響を受けるメンバーには、異なる突然変異と合わせて異型接合状態の突然変異があった。それらの患者の中で、Moreiraらは日本の創始ハプロタイプが同じ突然変異と関係していることを発見した(2001)。これらのハプロタイプを彼らは遺伝子の長い転写による689insTと呼んだ。
.0002 眼球運動の失行症および低蛋白血症を有する初期の発症運動失調症[APTX,PRO32LEU]EAOH(208920)とファミリーである、Dataら(2001)により見出された第2の最も一般的な突然変異は、CからTへの転移であり、pro32からleuへのアミノ酸変化を生じる。この変異体は、HITタンパク質の全てのサブファミリーの中で高度に保存されるプロリン残基を取り除く。Moreiraら(2001)は、この突然変異をAPTX遺伝子の長い転写によるPRO206LEUと称した。
.0003 眼球運動の失行症および低蛋白血症を有する初期の発症運動失調症[APTX、1−BP DEL、318T]、1つの血統においてDateらは、EAOH(208920)を有する部材が318delT単一ヌクレオチド欠失についての同型接合であり、早まった停止を有するフレームシフトを結果として生じると述べた(2001)。3つの血統(167insT(606350.0001)、P32L(606350.0002)および318delT)において突然変異は、異型接合状態の化合物に存在した。
.0004.眼球運動の失行症および低蛋白血症を有する初期の発症運動失調症[APTX、VAL89GLY]EAOH(208920)を有するファミリーにおいて、Dateら(2001)は、影響を受けた部材がヒスチジン三つ組の高度に保存された疎水性アミノ酸のうちの1つを含んでいるval89からglyへの(V89G)ミスセンス突然変異を有すると述べた。HITモチーフがリン酸塩結合ループの一部を形成するにつれて、V89G突然変異は多分リン酸塩−結合活性に影響を及ぼす。
他の配列(研究室表示 L195BIE_rE(配列番号138)は、GENERAL TRANSCRIPTION FACTOR IIE POLYPEPTIDE 1(GTF2EI)をコードしている配列を含む。
真核生物タンパク質コード遺伝子からの転写の開始は、RNAポリメラーゼII(PolII;180660を参照のこと)および、転写因子の幹部を必要としている複雑なプロセスである。これらの因子は、それらの機能に基づいて2つのクラスに分けられることができる:全てのPollf遺伝子の転写のために必要である一般の因子および発現を調節するために必要である配列特異的の因子。一般の転写因子およびPolIIは、コアプロモータ要素と相互作用することによって、転写開始点の近くで特定の多タンパク質複合体を形成する。最も一般的なコアエレメントはTATAボックスである。そして、転写開始部位またはイニシエーターエレメントの上流25−30bpに代表的に位置する。コアプロモーターエレメントの近位または遠位に位置するDNA配列エレメントに結合する配列特異的転写因子が、転写を劇的に強化または抑制することができる。識別された一般的な転写因子は、TFIIA、TFIIB(189963)、TFIID(313650)、TFIIE(189964をまた参照のこと)、TFIIF(189968、189969)、TFIIG/JおよびTFIIH(189972)である。ヒトTFIIEは、相対分子質量56,000と34,000の2のサブユニットを含む。TFIIEの構造は、2つのαサブユニットおよび2つのβサブユニットのヘテロテトラマーであるように見え、両方のサブユニットが最適に再構成された基礎レベル転写のために必要である。Petersonら(1991)は、一般の転写因子ILEの両方のサブユニットのためのヒトcDNAクローンを単離した。精製した組換えタンパク質を使用して、Petersonらは、両方のサブユニットが、安定なプレイニシエーション複合体を形成し、インビトロでの基礎レベルの転写およびSp1活性化された(189906)転写を再構成するのに重要であることを見出した。Ohkurnaら(1991)はまた、TF2E1遺伝子をクローニングして、細菌σ因子に配列類似性を示し、転写開始の調節の直接的間係を示唆した。
RNAポリメラーゼIIによる高いレベルの遺伝子転写は、転写開始および再開(reinitiation)の高い率に依存する。開始はプロモーターに完全な転写機械の補充、アクチベータによって容易になるプロセスおよびクロマチン再モデル化因子を必要とする。再開は、異なる経路を介して起こると考えられる。開始の後、転写機械のサブセットはプロモーターで残り、第2の転写複合体のアセンブリのためのプラットフォームを形成する。Yudkovskyらは、転写因子TF11D、TFIIA(600520を参照のこと)、TF11H、TFIIEおよびMediator(602984を参照のこと)を含む酵母における再開中間体の単離を記載した(2000)。この中間体は、機能的な再開複合体の形成のための足場として作用し得る。この鋳型の形成は、ATPおよびTFIIHに依存している。酵母において、鋳型は、Gal4−AHでない、アクチベータGal4−VP16の存在下で、安定化し、高レベルの転写を促進するいくつかのアクチベータおよび媒介物のための新しい役割を提案する。
別の配列研究室表示 est_L24_5_3BE_rEa(配列番号359)は、TUSPをコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座6q25−q26にマップする。
ずんぐりした肥満症表現型の原因である変異した遺伝子は、位置決めクローニングにより同定される(Kleynら、‘‘Identification and characterization of the mouse obesity gene tubby:a member of a novel gene family’’Cell 85(2):281−90 April 19,1996)。スプライスドナー部位中の単一の塩基変化は、成熟肥満(tub)mRNA転写における単一のイントロンの誤った保持を生じる。この突然変異の結果は、24のイントロンでコードされたアミノ酸を有するカルボキシ末端の44アミノ酸の置換である。通常の転写は、視床下部(体重調節に関与する脳の領域)において非常に発現されるように見える。相対的に多くの選択的スプライシング産物におけるバリエーションが、同系のマウス株の間で観察され、イントロン長多型と相関しているように見える。この肥満の対立遺伝子は、以前に報告されたマウス第7染色体における食餌誘導肥満症定量的特性座についての候補である。
別の配列(研究室表示 L191B2E#1(配列番号85))は、REPLICAN PROTEIN A3,14−KD(RPA3)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、RPA14またはREP3として公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座7p22をマップする。
Umbrichtら(1993)は、HeLa細胞cDNAライブラリーからヒトRPAの14−kDサブユニットをクローニングした。RPA3遺伝子は、121アミノ酸の遺伝子をコードするオープンリーディングフレームを有する692塩基対配列を有することが見出された。推測されたアミノ酸配列は、酵母RPAの小さなサブユニットに対する限定された類似性のみを示した。げっ歯類−ヒトハイブリッド細胞株由来のゲノムDNAのPCR増幅を使用して、Umbrichtら(1993)は、第7染色体にヒトREPA3遺伝子をマップした。第7染色体の体細胞ハイブリッドのサザン分析およびPCR増幅により、そして蛍光インサイチュハイブリダイゼーションにより、Umbrichtら(1994)は、RPA3を7p22にマップした。RPA1(179835)およびRPA2(179836)をまた、参照のこと。
別の配列は、REPLICATION SEQUENCE A1,70−KD(RPA−1)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、RPA70またはREPA1として公知である。この配列を、遺伝子マップ遺伝子座17p13.3にマップする。
複製タンパク質A(RPA)は、ヒト細胞から単離された3−サブユニット一本鎖DNA結合タンパク質であり、パポバウイルスSV40のインビトロ複製のために重要であることが、見出されてきた。Erdileら(1991)は、70−kDaサブユニットをコードするcDNAの配列を報告した。ヒトタンパク質の70−kDサブユニットに対して向けられるモノクローナル抗体と反応したE.coli中の70−kDaタンパク質の産生に向けられた。細菌から精製された組換えサブユニットは、完全RPA複合体の結合活性に匹敵する一本鎖DNA結合活性を示した。これは、DNAポリメラーゼα−プライマーゼの活性を刺激する際に完全複合体へ置換し得るが、インビトロSV40 DNA複製における完全複合体へ置換し得ず、これは、他のサブユニットについての重要な機能的役割を示唆する。げっ歯類−ヒト細胞株由来のゲノムDNAのPCR増幅を使用して、Umbrichtら(1993)は、第17染色体に対して70−kDaサブユニットに対する遺伝子をマップした。同じ方法により、第1染色体および第7染色体それぞれに対する32−kDa(179836)サブユニットおよび14−kDa(179837)サブユニットについての遺伝子をマップした。第17染色体フラグメントを含む体細胞ハイブリッドおよび放射ハイブリッドのPCR増幅の組み合わせを使用して、Umbrichtら(1994)は、RPA1を17p13.3にマップした。
GomesおよびWold(1996)は、RPA70の一連の欠失を構築し、タンパク質の機能を探求した。彼らのデータは、RPA70が、以下の3機能性ドメインから構成されることを示した:一本鎖DNA結合またはSV40複製に必要とされないN末端ドメイン、中心DNA結合ドメイン、およびサブユニット相互作用に重要なC末端ドメイン。
増大する一連の証拠が、mRNAの折り畳みが、mRNAスプライシングおよびプロセシング、ならびに翻訳コントロールおよび翻訳調節のような生物学的事象の多様な範囲に影響する。mRNAの構造が、そのヌクレオチド配列およびその環境によって決定されるために、Shenら(1999)は、mRNAの折り畳みが、一本鎖ヌクレオチド多型(SNP)により影響され得るか否かを試験した。彼らは、2つのヒトmRNA:アラニル−tRNAシンセターゼ(601065)および複製タンパク質A、70−kDサブユニットのコード領域におけるSNPと結合したmRNA二次構造における顕著な違いを報告した。mRNAのSNP含有フラグメントの酵素的プロービングが、SNPから離れた14または18のヌクレオチド部位にて開裂パターンにおける顕著な対立遺伝子の差を明らかにし、単一ヌクレオチドバリエーションが、異なるmRNA折りたたみ(fold)を生じ得ることを示唆する。RPA70mRNAにおける異なる対立遺伝子構造に相補的であるが、SNP自体までは延びない、オリゴデオキシリボヌクレオチドを使用することにより、SNPが内因性ヒトRPA70mRNAにおける隣接部位の接近しやすさにおける対立遺伝子に特有の効果を発揮することを見出した。この結果が、mRNAの構造的多様性を介する一般的な遺伝的バリエーションの寄与を示し、mRNA構造についてのSNPの効果、そして究極的には、生物学的機能についての以前の考えよりもより広い役割を示唆した。
Nakayamaら(1999)は、内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)遺伝子のプロモーター領域における、−786T−C変異(163729.0002)が、遺伝子の転写を減少し、冠状動脈痙攣性狭心症および心筋梗塞に強く関連すると報告した。Miyamotoら(2000)は、RPA1が、HeLa細胞由来の核抽出物中の変異体対立遺伝子に特異的に結合すると決定した。ヒト臍静脈内皮細胞において、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用するRPA1発現の阻害は、変異したプロモーター配列によって駆動される転写を回復したが、RPA1の過剰発現はさらに、これを減少した。−786T−C変異を保有する個体間での血清亜硝酸−硝酸レベルは、変異を有さない個体間より有意に低かった。本発明者らは、RPA1が、明らかに、冠状動脈疾患の発症に関連するeNOS遺伝子転写の−786T−C変異が関連する減少における抑制遺伝子として機能すると結論付けた。
別の配列(研究室での名称L192B3E#13_rE(配列番号143)は、インスリン様増殖因子2レセプター(IGF2R)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、インスリン様増殖因子II、マンノース6−ホスフェートレセプターに対するレセプター、カチオン非依存性のMIPRまたはCIMPRとしても公知である。この配列は、遺伝子マップ遺伝子座6q26にマッピングされる。
インスリン様増殖因子II(147470)は、インスリンおよびIGF Iと構造的相同性を有するポリペプチドホルモンである。IGF IIは、単離された細胞において広範な生物学的応答を刺激し得るが、これらの応答は、インスリンレセプターおよびIGF Iレセプター(147670,147370)によって媒介されるようである。IGF IIに対するレセプターはまた、マンノース6−ホスフェートに対するレセプターであることが見出され、これは、リソソーム酵素の標的化に関連する(MacDonaldら,1988;Roth,1988;Tongら,1988)。精製されたヒトIGF2レセプターおよびラットIGF2レセプターは、マンノース6−ホスフェートレセプターに対する抗体およびマンノース6−ホスフェートと相互作用する。Oshimaら(1988)は、MPRIに対する全長cDNAをクローニングし、配列決定した;7,473ヌクレオチドは、2,491アミノ酸のタンパク質をコードすることが見出された。このアミノ酸配列は、以下を含んだ:40アミノ酸の推定シグナル配列および134〜167アミノ酸の15の相同性反復配列からなる細胞質外ドメイン、23アミノ酸の膜貫通領域ならびに164アミノ酸の細胞質ドメイン。予測される分子サイズは、270kDより大きかった。報告されたIGF2Rの構造(Morganら,1987)と比較すると、MPRIは、ヌクレオチドレベルでは99.8%の同一性およびアミノ酸レベルでは99.4%の同一性を示すことが見出された。cDNA配列決定によって、Laureysら(1988)は、カチオン非依存性マンノース6−ホスフェートレセプターおよびIGF2レセプターが同一であることを示した。
SzebenyおよびRotwein(1994)は、マウスIgf2r遺伝子をクローニングし、特徴付けた。彼らは、それが93kb長であり、48のエキソンを有し、2,482アミノ酸の予測されるタンパク質をコードすることを見出した。
Laureysら(1988)は、インサイチュ染色体ハイブリダイゼーションのために、クローニングしたcDNAを使用して体細胞ハイブリッドDNAのサザンブロットをプローブして、ヒトIGF2R遺伝子を6q25−q27にマッピングした。対応するマウス遺伝子を第17染色体にマッピングした。カチオン依存性マンノース6−ホスフェートレセプター(MPRD;154540)は、第12染色体によってコードされる。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションによって、Raoら(1994)は、IGF2R遺伝子の6q26への割り当てを狭めた。
Acquatiら(1994)は、動原体末端にプラスミノーゲン−アポリポタンパク質(a)遺伝子ファミリーおよびテロメア末端にIGF2Rを含む6qのテロメア領域由来の2−Mb YACを記載した。約350kbは、遺伝子のPLG/LPAクラスターの最も近いメンバー由来のIGF2Rを分離した。
MPRDまたはMPRIのいずれかにおける変異は、ムコリピドーシスに類似する臨床的な障害を生じ得る(252500,252600)。Waheedら(1988)は、M6PおよびIGF2の結合部位が、このレセプターの異なるセグメント上に位置することを示した。Kiessら(1988)は、IGF2レセプターおよびカチオン非依存性マンノース6−ホスフェートレセプターが同じタンパク質であるが、この2つのリガンドに対する結合部位は別個であるという生化学的証拠を提示した。マンノース6−ホスフェートレセプターのようなその外観において、IGF2レセプターは、リソソーム酵素上のマンノース6−ホスフェート残基に結合し、これらをリソソームに輸送する(KornfeldおよびMellman,1989)。
マウス胚は、母系染色体に由来するII型レセプターの転写物を産生するが、父系染色体に由来するII型レセプターの転写物は産生しない。このことにより、この遺伝子座を欠失しているヘテロ接合性のマウスは、父系対立遺伝子を消失している場合でも正常に発生するが、母系対立遺伝子を消失している場合には初期の発生の間に死ぬことの理由が説明される。トランスジェニックマウスの研究(Barlowら、1991)により、Igf2r遺伝子の父系インプリンティング、すなわち1対立遺伝子性の発現が示されている。Igf2r遺伝子は、マウス第17染色体上のT関連母系効果遺伝子座(Tme)に位置している。IGF2遺伝子および2型レセプターの遺伝子が逆にインプリンティングされることは、おそらく偶然の一致ではない(DeChiaraら、1991)。HaigおよびGraham(1991)は、逆にインプリンティングされた遺伝子は、母系対立遺伝子からのIGF2の過剰な産生の究極的には有害である効果を制御するように機能するということを提案している。この示唆はHaigおよびWestoby(1989)のモデルに基づいている。このモデルでは、ゲノムインプリンティングの進化は、雌はその生涯の間に1つよりも多くの雄によって子を出産するという交配システム、および子は受精後の栄養の大部分を1つの親(通常は母)から受け、従って、他の雄が父である子と競合するという親によるケアについてのシステムの両方を有する生物において予想されることが提唱されている。厳格には、個体の交互作用が母系の親族および父系の親族について非対称である場合にはいつでも、インプリンティングは可能である。
マウスにおいては、M6P/IGF2R遺伝子は母系でインプリンティングされている(Barlowら、1991)が、ヒトでは、インプリンティングは多型的形質であるようである(Xuら、1993;Kalscheuerら、1993;Ogawaら、1993)。従って、マウスおよびインプリンティングされている任意のヒトは、この遺伝子を不活性化するにはただ1つの変異が必要なだけであるので、肝細胞癌腫に対して大きな感受性を有し得る。De Souzaら(1995)は、M6P/IGF2Rタンパク質は循環中に正常に存在するので、血漿中の変異レセプターは肝臓腫瘍の検出の役に立ち得ることを記載した。さらに、彼らは、肝臓腫瘍細胞の形質膜上の変異したレセプターは、治療的薬剤および診断的薬剤を肝臓腫瘍に標的化するための表面抗原を提供し得ることを述べた。
セリンプロテイナーゼであるグランザイムB(GZMB;123910)は、細胞傷害性T細胞による標的細胞のアポトーシスの迅速な誘導のために重要である。GZMBはパーフォリン非依存的な様式で細胞に入る。このことから細胞表面レセプターの存在が予測される。Motykaら(2000)は、このレセプターがIGF2Rであるという証拠を提示した。GZMB−IGF2R相互作用を阻害することによりGZMBの細胞表面への結合、取りこみ、そしてアポトーシスの誘導が防止された。重要なことに、IGF2Rの発現は、インビトロでの標的細胞の細胞傷害性T細胞媒介性のアポトーシス、およびインビボでの同種異系細胞の拒絶にとって必須であった。
カチオン非依存性のマンノース6リン酸受容体およびカチオン依存性(154540)のマンノース6リン酸受容体の両方の細胞質ゾル中の尾部は、酸性クラスター−ジロイシンシグナルを有し、このシグナルは、トランスゴルジネットワークからエンドソーム−リソソーム系への分配を導く。Puertollanoら(2001)は、これらのシグナルがゴルジ局在タンパク質、γ−ear含有タンパク質、およびARF結合タンパク質(GGA1(606004);GGA2(606005);GGA3(606006))のVHSドメインと結合することを見出した。これらのレセプターおよびGGAは、同じ環状小胞状キャリア上にゴルジ体ネットワークを残す。ドミナントネガティブなGGA変異体は、これらのレセプターのトランスゴルジネットワークからの脱出を阻止する。Puertollanoら(2001)は、GGAはマンノース6リン酸レセプターのトランスゴルジネットワークへの分配を媒介するようであると結論付けた。
Zhuら(2001)は、GGA2のVHSドメインが、カチオン非依存性マンノース6リン酸レセプターの細胞質ゾル中の尾部の酸性クラスター−ジロイシンモチーフに結合することを見出した。このモチーフ中に変異を有するレセプターは、リソソーム酵素の分配に欠陥がある。GGA2のヒンジドメインはクラスリンに結合し、このことは、GGA2が荷物分子とクラスリン被覆ビヒクルアセンブリとの間の結合因子であり得ることを示唆する。従って、Zhuら(2001)は、カチオン非依存性マンノース6リン酸レセプターに結合しているGGA2は、リソソーム酵素の標的化にとって重要であると結論付けた。
家畜のクローン体作製およびインビボでの胚培養は、生じる仔ヒツジおよび仔ウシのいくつかの異常なサイズにより有害な影響を受けている。「巨大子症候群」(LOS)に関連する複数の異常により、これらの技術の適用が制限されている。ヒトおよびマウスにおける同様の胎児の過剰成長により、1つの親対立遺伝子からのみ発現されるいくつかのインプリンティングされた遺伝子(IGF2Rを含む)の発現の変化が生じ得る。クローン体作製または非生理学的な胚培養環境により、初期の胚発生の間(この期間に多くの対立遺伝子特異的インプリンティングが確立または維持される)のインプリンティングされた遺伝子の不適切な後成改変が生じ得る。Youngら(2001)により、胎児のメチル化およびヒツジIGF2Rの発現の減少が示され、このことは、着床前胚手順がインプリンティングされた遺伝子における後成変化には弱いかもしれないことを示唆する。これは、発生中胚手順における後成診断スクリーニングの潜在的有効性を強調する。
3つのインプリンティングされた母系で発現されるタンパク質をコードする遺伝子(IGF2R;SLC22A2,602608;SLC22A3,604842)を含む400kbの領域についての両方向性サイレンサーは、3.7kbの配列に位置することが、標的化欠失により示されている。この配列はまた、インプリンティングされた父系で発現される非コードAir RNA(604893)についてのプロモーターも含む。Airの発現は、父系対立遺伝子上の3つの遺伝子の全ての抑制と相関するが、Air RNAは、アンチセンス方向でこれらの遺伝子のただの1つとしか重複していない。RNA転写物の96%を切断する、ポリアデニル化シグナルの挿入により、Sleutelsら(2002)は、Air RNAがサイレンシングに必要であることを示した。切断されたAir対立遺伝子は、インプリンティングされた発現およびAirプロモーターのメチル化を維持するが、父系染色体上のIGF2R/SLC22A2/SLC22A3遺伝子クラスターのサイレンシングの完全な消失を示す。Sleutelsら(2002)は、非コードRNAはゲノムインプリンティングにおいて活発な役割を果たしていると結論した。
マンノース6−リン酸/インスリン様増殖因子IIレセプターは、リソソーム酵素の細胞内移動、潜在的な増殖阻害因子、トランスフォーミング増殖因子βの活性化、およびIGF2(腫瘍中でしばしば過剰産生されるマイトジェン)の分解において機能する。De Souzaら(1995)は、ヒト肝細胞腫瘍の70%が、6q26のM6P/IGF2R遺伝子座でヘテロ接合性(LOH)の損失を有することを実証した。別のレポートでは、De Souzaら(1995)は、LOHを有するヒト肝細胞癌の残りの25%の対立遺伝子において点変異を同定した、変異スクリーニングを記載した。1つの変異は、イントロン(マウスのイントロン40に対応する)内の選択的スプライシング部位を生じ、短縮型レセプターを生じ;他の2つ(147280.0001、147280.0002)は、有意なアミノ酸置換を生じた。これらの変異は、M6P/IGF2R遺伝子がヒト肝臓癌発生における腫瘍抑制因子として機能するという証拠を著者らに提供した。
Souzaら(1996)は、IGF2R遺伝子がそのコード配列内で多くのマイクロサテライト反復を含むことを報告した。彼らは、複製/修復エラー陽性であった、研究した92例の胃腸管腫瘍のうちの12例において、この遺伝子におけるマイクロサテライト不安定性を実証した。変異は、6例の分化程度の低い腫瘍において生じていた。これらは、IGF2RまたはTGFBR2(190182)変異の不一致を示す。IGF2RまたはTGFBR2変異を有する研究した31例の胃腸管病変のうち、90%(28例)が、
これらの遺伝子の一方または他方において変異を含んだが、両方の遺伝子ともには変異を含まなかった。Souzaら(1996)は、これらの変異の1つを除く全てが、IGF2Rコード配列のヌクレオチド4089−4096にわたる8−ポリデオキシグアニン領域内に生じていることを実証した。1例の胃腺癌において、変異は、ヌクレオチド6169−6180にわたるポリCT領域において生じていた。これらの変異は全て、マイクロサテライト領域内に1bpまたは2bpの欠失または挿入を含み、これらは、フレームシフトおよび成熟前停止コドンを下流に生じた。Souzaら(1996)は、TGFBR2遺伝子がまた、そのコード領域内にマイクロサテライト不安定性を生じていることを示した。彼らはさらに、IGF2R遺伝子およびTGFBR2遺伝子が、彼らが分析した胃腸管腫瘍の90%においてこれらのいずれかの遺伝子のみに変異が生じていることから、同じ腫瘍発生経路において連続した点を含むことを示した。
癌におけるヒトM6P/IGF2Rの刷り込み状態およびこの遺伝子座でのヘテロ接合性の損失の遺伝子分析を容易にするために、Killianら(2001)は、M6P/IGF2R単一ヌクレオチド多型(SNP)について、米国人および日本人集団をスクリーニングした。彼らは、ヒトにおける選択下にあり得る、M6P/IGF2Rのリガンド結合ドメインにおける9個の新しい遺伝子内SNPおよび3個のアミノ酸改変体を同定した。
IGF2R遺伝子の父性発現がマウスの発生初期に必要か否かを決定するために、Lauら(1994)は、胚性幹(ES)細胞における標的化変異誘発によって破壊し、その後のマウス生殖系列への変異の導入によってこの遺伝子を破壊したマウスを誘導した。Lauら(1994)は、父系由来の非機能性IGF2Rを遺伝したマウス胚が生存し、成体へと正常に発生するが;母系から同じ変異対立遺伝子を遺伝したほとんどのマウスの多くが、心不全の結果、誕生時に死亡したことを見出した。母系からの変異対立遺伝子を遺伝するマウスは、その組織においてIGF2Rを発現せず、正常な同胞より25〜30%長く、循環中のIGF2およびIGF結合タンパク質のレベルが高く、そして尾にわずかなねじれを生じる。この過成長の知見は、IGF2の母性刷り込みの緩和が、Beckwith−Wiedemann症候群の特徴において役割を果たすという示唆を支持し得る(130650)(Feinberg,1993)。
(対立遺伝子改変体)
(選択実施例)
.0001 肝細胞癌、体細胞性[IGF2R,GLY1449VAL]
De Souzaら(1995)は、IGF2R遺伝子の1つの対立遺伝子におけるCからAへの変換を見出し、これは、この遺伝子産物におけるgly1449からvalへのアミノ酸置換を生じる。この変異は、ヘテロ接合性の損失(LOH)によって判断される他方の対立遺伝子の欠失を示す腫瘍において見出された。
.0002 肝細胞癌、体細胞性[IGF2R,GLY1464GLU]
De Souzaら(1995)は、IGF2R遺伝子の1つの対立遺伝子におけるGからAへの変換を見出し、これは、この遺伝子産物におけるgly1464からgluへのアミノ酸置換を生じる。この変異は、ヘテロ接合性の損失(LOH)によって判断される他方の対立遺伝子の欠失を示す腫瘍において見出された。
別の配列(研究所番号L24_4_2BE_rE(配列番号200))は、末梢低下ホメオボックス2(DLX2)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、TES1として公知であり、この配列は、遺伝子地図座2q32にマッピングされる。
前脳発生に関与する遺伝子を単離するために、Porteusら(1992)は、cDNAライブラリーのサブトラクティブハイブリダイゼーションを使用して、マウス妊娠期15日の終脳において優先的に発現されている遺伝子によってコードされるcDNAを富化した。前脳発生の調節のための候補である遺伝子を見出す試みにおいて、サブトラクトcDNAライブラリーを、このホメオボックスに相同なプローブでスクリーニングし、保存されたモチーフが、よく発生を制御する転写調節因子において見出された。ホメオドメインをコードする新規のcDNA(Tes1と名付けた)が同定された。その配列は、Tes1がホメオドメインコード遺伝子の「末梢低下」ファミリーのメンバーであることを示した。これらのホメオドメイン内のアミノ酸相同性によって関連される、このファミリーの公知のメンバーは、Tes1、Dlx1(マウス遺伝子)およびDll(Drosophila melanogaster遺伝子)である。Ozcelikら(1992)は、マウスおよびヒトにおけるTes1遺伝子の染色体位置を決定した。Tes1はDlx遺伝子ファミリーの1つのメンバーであるので、この遺伝子座の遺伝子記号を、DLX2(ヒト)およびDlx2(マウス)とした。体細胞ハイブリッド株のサザン分析によって、彼らは、このヒト遺伝子座を染色体2cen−q33に割り当て、マウス遺伝子座を第2染色体に割り当てた。EcoRI二形性を、このマウスの組換え近交系株マッピングのために使用した。この結果は、マウス第2染色体上のHox4クラスター近くにDlx2遺伝子を配置した。
Qiuら(1995)は、マウスDlx2遺伝子のゲノム構造についての情報を利用し、遺伝子ターゲティング実験を行い、トランスジェニックマウスにおける使用のためにマウス胚性幹細胞のDlx2遺伝子に欠失を作製した。彼らは、ヘテロ接合性マウスが正常であり、ホモ接合性マウスが誕生時に死亡したことを報告した。変異体マウスは、嗅球のニューロン内の改変された分化、ならびに近位の第1および第2鰓弓から形成される脳神経堤由来骨格構造の異常形成(これは、口蓋裂を生じる)を有した。
McGuinnessら(1996)は、ヒトDLX2遺伝子のDNA配列を報告し、これをマウス遺伝子と比較した。配列分析は、ヒトDLX2遺伝子が3つのエキソンと2つのイントロンを有することを示した。ヒトDLX2タンパク質の推定配列は、ヒトおよびマウスのDLX2タンパク質が92%同一であることを示す。ヒトDLX2タンパク質は、330アミノ酸長を有し、一方、マウスDLX2タンパク質は、332アミノ酸を有する。イントロンは、63〜71%の同一性を有する。ヒトおよびマウスのDLX2遺伝子において同定されたドメインは、ホメオドメインおよびいくつかの転写因子に相同な短いストレッチを含む。McGuinessら(1996)は、ヒトDLX2遺伝子の配列の利用能が、異常発生におけるDLX2のヒト変異をスクリーニングするためのPCR分析の使用を容易にすることを示した。
別の配列(研究所番号seq1b_lac(配列番号267))は、ジンクフィンガータンパク質7(ZNF7)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、KOX4としても公知である。この配列は、遺伝子地図座8q24にマッピングされる。
反復されたジンクフィンガードメインにおける配列類似性に基づいて、Laniaら81990)は、2つのヒトcDNAクローンを同定し、特徴づけ、ZNF7およびZNF8と名付け、これら両方は、潜在的なフィンガー様核酸結合モチーフを含むタンパク質をコードした。推定686アミノ酸ZNF7タンパク質は、15個のジンクフィンガードメインを含み、これらは、タンパク質の約70%を含む。ノーザンブロット分析は、ZNF7が種々のヒト細胞株において2.8kbおよび3.3kbのmRNAとして発現されることを明らかにした。
インサイチュハイブリダイゼーションによって、Laniaら(1990)は、ZNF7を8q24に位置づけ、ZNF8を20q13に位置づけた。Brayら(1991)は、同様に、蛍光プローブ検出を用い染色体インサイチュ抑制ハイブリダイゼーションによって8qterにマッピングした。Brayら(1991)は、ZNF7と名付けたゲノム遺伝子座が、T細胞ライブラリーから以前に単離された30個のジンクフィンガータンパク質コードcDNA(KOX1−KOX30)のセット(Thiesen、1990)のKOX4に対応することを示した。彼らは、ヒトゲノムが、コンセンサスhis/cys(H/C)結合領域を有する多くの(おそらく数百個の)ジンクフィンガー遺伝子を含むと結論づけた。Huebnerら(1993)は、げっ歯類/ヒト体細胞ハイブリッドの分析およびインサイチュハイブリダイゼーションによってZNF7の8q24への割り当てを確認した。彼らは、ZNF7がMYC遺伝子座(190080)にテロメリックであることを示した。
別の配列(研究所番号L197B3E−rE(配列番号135))は、BCL2様1(BCL2L1)をコードする配列を含む。
Boiseら(1993)は、BCL2関連遺伝子(彼らは、BCLXと名付けた)を単離し、それが、プログラムされた細胞死(アポトーシス)のBCL2非依存性調節因子として機能し得ることを示した。選択的スプライシングが、2つの別々のBCLX mRNAを生じた。より大きいmRNAのタンパク質産物(BCLXL)は、BCL2とサイズおよび推定構造において類似した。IL3依存性細胞株へ安定にトランスフェクトした場合、それは、少なくともBCL2と同様に、増殖因子撤退時に細胞死を阻害した。予期せぬことに、より小さいmRNA種(BCLXS)は、BCL2の能力を阻害し、増殖因子枯渇細胞の生存を増強するタンパク質をコードする。インビボにおいて、このより小さいBCLX mRNAは、発生中のリンパ球のような高いターンオーバー数を生じる細胞において高レベルで発現された。対照的に、BCLXの大きい形態が、成体脳のような長期生存の有糸分裂後細胞を含む組織で見出された。これらのデータはともに、BCLXがプログラム細胞死の陽性調節および陰性調節の両方において重要な役割を果たすことを示唆する。Boiseら(1993)は、BCLXが脊椎動物の進化において高度に保存されていることを見出した。Vander Heidenら(1997)は、多くの種々のアポトーシス性および壊死性の刺激が進行性のミトコンドリア膨潤および外側のミトコンドリア膜の破裂を誘導することを、Jurkat細胞において観察した。外側のミトコンドリア膜の不連続性は、膜内空間からサイトゾルへのチトクロムc再分布を生じ、その後、ミトコンドリア内膜分極を生じた。ミトコンドリア膜タンパク質BCLXは、アポトーシス刺激因子で処理された細胞において、これらの変化を阻害し得た。さらに、BCLX発現細胞は、減少したミトコンドリア膜ポテンシャルを維持することによって、増殖因子の停止またはストラウロスポリン(straurosporine)処理に適合する。BCLX発現はまた、酸化的リン酸化を阻害する因子に応答してミトコンドリアの膨張を防止する。Vander Heiden ら(1997)に対するこれらのデータは、BCLXが、ミトコンドリアの電気的ホメオスタシスおよび浸透圧ホメオスタシスを調節することによって、細胞生存を促進することを示唆した。
Silvaら(1998)は、真性赤血球増加症を有する患者由来の赤血球細胞(263300)が、エリスロポイエチンなしで、インビトロで生存したことを見出した。この知見は、通常はBCLXを発現しない成熟赤芽球においてでさえ、BCLXタンパク質の発現と関連した。大きなBCLX mRNAは、エリスロポイエチン非依存性赤血球において検出される優勢な形態であった。彼らは、BCLXの調節解除された発現が、真性赤血球増加症における赤血球系細胞のエリスロポイエチン非依存性生存に寄与し得、それによりこの障害の病因に寄与すると結論付けた。Moliternoら(1998)は同時に、真性赤血球増加症を有する患者由来の血小板によるトロンボポイエチンレセプター(MPL;159530)の不十分な発現を報告した。
細胞へのアポトーシスシグナルの導入の間、細胞のミトコンドリアの膜の透過性の変化が存在し、これは細胞質へのアポトーシスタンパク質シトクロムCの移動を引き起こし、次いで、カスパーゼとして公知の死駆動性タンパク質分解性タンパク質を活性化する(147678を参照のこと)。BCL2ファミリーのタンパク質(この膜は、抗アポトーシス性またはアポトーシス促進性であり得る)は、アポトーシスの間にこのミトコンドリア膜の透過性を制御することによって細胞死を調節する。Shimizuら(1999)は、組換えアポトーシス促進性タンパク質のBax(600040)およびBak(600516)が、VDACの開放を促進し、一方、抗アポトーシス性タンパク質のBCLXLは、VDACに直接結合することによってこれを閉鎖することを示す。BaxおよびBakは、シトクロムcをリポソームからVDACを通過させるが、通過はBCLXLによって妨げられない。これと一致して、変異酵母由来のVDAC1欠失ミトコンドリアは、膜電位のBax/BAK誘導性の損失およびシトクロムcの放出を示さず、この両方はBCLXLによって阻害された。Shimizuら(1999)は、BCL2ファミリーのタンパク質が、ミトコンドリア膜電位およびアポトーシスの間のシトクロムcの放出を調節するためにVDACに結合すると結論付けた。
FUS関連タンパク質およびTLSも同じようである;
Uranishiら(「Involvement of the pro−oncoprotein TLS(translocated in liposarcoma)in nuclear factor−kappa B p65−mediated transcription as a coactivator」J Biol Chem 20;276(16):13395−401,Apr.2001)は、脂肪肉腫(TLS)における転移(FUSとも呼ばれる)が、酵母ツーハイブリッドスクリーンを使用して、転写因子核因子κB(NF−κB)のp65(RelA)サブユニットの相互作用分子であることを証明する。本発明者らは、インビトロにおけるプルダウンアッセイ(pull−down assay)およびインビボで培養された細胞の免疫共沈降実験、その後のウエスタンブロットによって、TLSとp65との間の相互作用を確認した。TLSは、元々、ヒト脂肪腫性粘液腫における染色体転移から生じるCHOPとの融合タンパク質の一部として同定された。TLSは、TFIID複合体の形成に関与し、RNAポリメラーゼIIに関連することが示されている。しかし、転写調節におけるTLSの役割は、未だ、明確には解明されていない。本発明者らは、TLSが、生理学的刺激因子(例えば、主要壊死因子α、インターロイキン−1β、およびNF−κB誘導キナーゼの過剰発現)によって誘導されるNF−κB媒介性トランス活性化を促進することを見出した。TLSは、細胞内付着分子−1遺伝子およびインターフェロンβ遺伝子のNF−κB依存性プロモーター活性を増大した。これらの結果は、TLSがNF−κBの同時活性化因子として働き、そしてNF−κB媒介性トランス活性化における中心的な役割を果たすことを示唆する。
進化的に保存された多面的COP/DET/FUSタンパク質の群は、最初、アラビドプシスにおける光形態形成を抑制する能力によって規定された(Suzukiら「Arabidopsis COP10 is a ubiquitin−conjugating enzyme variant that acts together with COP1 and the COP9 signalosome in repressing photomorphogenesis」Genes Dev16(5):554−9,March 1,2002)。この調節は、光形態形成を促進する重要な細胞調節因子の分解を標的化することによって媒介されることが提唱された。これらの中で、COP1およびCOP9シグナロソーム(signalosome)が、ユビキチンリガーゼ(E3)および必須E3モジュレータとしての役割を果たすと仮定された。本明細書で、本発明者らは、COP10がユビキチン結合体化酵素(E2)改変タンパク質(UEV)と類似のタンパク質をコードすることを報告する。COP10は、核タンパク質複合体の一部であり、COP1およびCOP9シグナロソームの両方と直接相互作用し得る。本発明者らのデータは、COP10が潜在的なE2活性を規定し、従って、多面的COP/DET/FUS群のタンパク質がタンパク質ユビキチン化経路を規定するという作業仮説を確認する。
別の配列(研究室表示 8C5__rE(配列番号46))は、アミノペプチダーゼ、ピューロマイシン感受性(NPEPPS)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、PSAおよびメタロプロテイナーゼ MP100(MP 100)としても公知である。この配列は、遺伝子マップ位置17p21にマッピングされる。
アミノペプチダーゼは、ペプチド基質のN末端由来のアミノ酸を加水分解するエキソペプチダーゼの群である。ピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼ(EC3.4.11.14)は、亜鉛メタロプロテアーゼに特徴的なグルジンシン(gluzincin)基の亜鉛結合ドメインを含む(605896を参照のこと)。
Toblerら(1997)は、マウスPSA cDNAをプローブと使用して、ヒト胎児脳cDNAライブラリー由来のPSAをクローニングした。彼らは、翻訳が2つの可能な開始コドンの2番目で開始され、SDS−PAGEによって99kDの分子量を有する推定875アミノ酸タンパク質を生じることを証明した。PSAは、グルジンシンアミノペプチダーゼで保存された亜鉛結合モチーフを含み、マウスタンパク質と98%の配列同一性を共有する。ノーザンブロット分析は、4.8kb転写物の遍在性の発現を検出し、これは脳において最も高レベルで発現される。成体ヒト脳切片のインサイチュハイブリダイゼーションによって、発現は、皮質および小脳のニューロンの細胞質に局在した。トランスフェクトされたHeLa細胞の免疫蛍光局在化を使用して、Toblerら(1997)は、PSAが核周辺細胞質に局在し、糸状染色パターンを示すことを見出した。Bauerら(2001)は、ヒト骨格筋ライブラリー由来のPSA cDNAをクローニングした。ノーザンブロット分析は、それぞれ、4.8kbおよび4.2kbの主要な転写物および少量の転写物を検出した。
Huberら(1999)は、PSAが、元々、Schonleinら(1994)によりヒト脳由来のβセクレターゼ候補物として単離されたメタロプロテアーゼMP100と同一であることを決定した。
Huberら(1999)は、βアミロイド前駆体タンパク質と、共存し、そしてPSAを、βアミロイド前駆体タンパク質と免疫共沈降させ得た(104760);しかし、PSAは、同時トランスフェクトされた細胞におけるアミロイド−βペプチドの生成を増加させなかった。ノーザンブロット分析ではなく、RT−PCRによって、Bauerら(2001)は、PSAが、ビタミンD刺激後のヒト白血病細胞においてアップレギュレートされることを見出した。
Thompsonら(1999)は、PSA遺伝子が、約40kbにわたる23個のエキソンを含むことを決定した。彼らは、活性部位モチーフが、エキソン9とエキソン10との間で分割されていることを見出した。5プライム隣接領域の分析は、この遺伝子が、TATAボックスを欠き、GCリッチであり、かつ5つの推定SP1(189906)結合部位を含むことを示した。
FISHによって、Bauerら(2001)は、PSA遺伝子を第染色体17q21にマッピングした。Osadaら(1999)は、マウスPsa遺伝子を第11染色体上のシンテニー相同性領域にマッピングされた。
別の配列(研究室表示 70A_rE(配列番号188))は、アネキシンA3(ANZA3)をコードする配列を含む。このタンパク質はまた、アネキシンIII(ANX3)およびリポコルチンIIIとしても公知である。この配列は、遺伝子マップ位置4p21にマピングする。
アネキシンは、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質のファミリーである。このファミリーは、少なくとも10個の異なるメンバーから構成され、これらのメンバーの各々は、最初にリポコルチン/アネキシンIにおいて同定された4または8コピー数の80アミノ酸反復単位を含む。アネキシンIIIは、先に、イノシトール、1,2−環状ホスフェート2−ホスホヒドロラーゼ(EC3.1.4.36)(イノシトールホスフェート代謝の酵素)として、そしてまた胎盤抗凝固タンパク質III、リポコルチンIII、カルチミジン(calcimedin)35−α、および多量の好中球細胞質タンパク質として同定された。成熟アネキシンIIIタンパク質は、322のアミノ酸を含み、そして他のアネキシンと同様に、複数の4コピー数の70〜80アミノ酸反復単位を含む。増幅されたゲノムDNAおよびλ期の6ゲノムクローンから直接遺伝子を特徴付けることにより、Taitら(1993)は、転写領域が58kbにわたり、そして0.3〜19.1kbの範囲の12個のイントロン、および53から374ベースの範囲の13個のエキソンを含むことを決定した。ノーザンブロットは、試験された全ての組織において、約1.7kbを有する1つのmRNA種を示した。
Taitら(1991)は、ヒト−げっ歯類ハイブリッドパネルのPCR分析によって、ANXA3遺伝子を4q21(q13−q22)に位置決めし、cDNAプローブを用いる同じパネルのゲノムサザンブロット分析によって、およびcDNAプローブとのインサイチュハイブリダイゼーションによって、確認した。
別の配列(研究室表示 6BSA #12−rE(配列番号39)は、ADAM10をコードする配列を含む。この配列は、ヒト染色体位置15q21.−q2にマッピングされる。
Lannら(「Purification of ADAM 10 from bovine spleen as a TNF α convertage」FEBS Lett 400(3):333−5,Jan 6,1997)は、ウシ脾臓膜からTNFαコンバターゼの特徴を有するプロテアーゼを精製した。この精製されたタンパク質のペプチド配列決定によって、これはADAM10(Genbank登録番号Z21961)と同定される。このメタロプロテアーゼは、組換えプロTNFα基質を切断して成熟TNFαにし、そして合成ペプチド基質を切断して、インビトロで成熟TNFαアミノ末端を生成し得る。この酵素は、MMPのヒドロキサメート(hydroxamate)インヒビターに対して感受性であるが、ホスホルアミドン(phosphoramidon)に対して非感受性である。さらに、クローン化されたADAM10は、プロセシング中のインコンピテント細胞株においてプロTNFαのプロセシングを媒介する。
研究室表示 6b65は、再配置されたベクターであり、タグ部位はptpl1に存在し得、配列はabcr(親細胞または変異体において発現しないabca4)に存在し、そして染色体位置1p22.1−p21にマッピングされる。本発明者らは、他のrho関連遺伝子を分裂させた。PTLP1関連RhoGAP1(GTP活性化タンパク質)は、ras関連GTP結合タンパク質のRhoサブファミリーのメンバーを活性化し、システインリッチドメインを有する。
別の配列(研究室表示 4AE5 rE(配列番号64))は、膜貫通4−ドメイン、サブファミリーA、膜8B(MS4A8B)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップ位置11q12−q13にマッピングされる。
MS4Aファミリーのタンパク質は、構造類似性、アミノ酸配列相同性および染色体位置を共有する。これらは、N末端およびC末端の細胞質領域に隣接する4つの高度に保存された膜貫通ドメインを含む。
CD20(MS4A1;112210)のホモログのデータベース検索によって、LiangおよびTedder(2001)は、MS4A8BをコードするcDNAを得た。推定250アミノ酸タンパク質は、そのマウスホモログに63%同一である。PCR分析は、3つのB細胞株由来のcDNAにおけるMS4A8Bの弱い発現を検出した。
ゲノム配列分析によって、LiangおよびTedder(2001)は、MS4A2(147138)およびMS4A3(606498)と同じ領域で、MS4A8B遺伝子を染色体11q12−q13にマッピングした。
Rho GTPaseは、Gタンパク質結合レセプターを通して作用する細胞外刺激因子によって開始される多数の細胞プロセスにおいて機能的役割を果たす。コードされたタンパク質は、Gタンパク質と複合体を形成しえ、そしてRho依存性シグナルを刺激し得る。このタンパク質は、NET1Aタンパク質と類似している。
Rhoグアニンヌクレオチドは、第3因子(RhoGEF)を交換し、シグナル伝達カスケードにおいて機能し得る。
別の配列(研究室表示 42_8#3_rE(配列番号324))は、ARHGEF3をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップ位置3p21−p13にマッピングされる。
RhoGEFは、種々のシグナル伝達カスケードにおいて重要な役割を果たし、そして癌および精神遅滞のようなヒトの状態に関連する(Thiesenら「Isolation of two novel human RhoGEF,ARHGEF3 and ARHGER4,in 3p13−21 and 2q22」 Biochem Biophys Res Commun;273(1):364−9,Jun 24,2000)。データベース検索は、ヒトニューロン奇形癌ライブラリーのスクリーニングと組合わせて、2つの新規のRhoGEFである、ARHGEF3およびARHGEF4(HGMWの承認された記号)を同定した。広範に発現された3561ヌクレオチドのARHGEF3転写物は、NET1に対して相同性を有する526アミノ酸のポリペプチドをコードする。ARHGEF4遺伝子は、720アミノ酸残基に翻訳される3665ヌクレオチドおよび4000ヌクレオチドの2つの転写物の2つの転写物を生成する。ARHGEF4の発現は、脳に限定され、そしてそのコードされたタンパク質は、コリビスチン(collybistin)に対して相同性を示す。ゲノムクローンのFISH分析は、ARHGEF3を3p13−21にマッピングし、ARHGEF4を2q22にマッピングした。2000 Academic Press版。
別の配列(研究室表示 34X25 23 rE(配列番号153))は、ホスホジエステラーゼ4B、cAMP特異的(PDE4B);マウスchr42377737..2727820をコードする配列を含む。このタンパク質は、ダンス(dunce)様ホスホジエステラーゼE4(以前は、DPDE4)としても公知である。この配列は、遺伝子マップ位置1p31にマッピングされる。
ヒトリンパ球B細胞株由来のRNAおよびPDE IVメンバーBプローブを使用して、ObernolteRA(1993)は、3.8kbのcDNAを単離した。1つの大きなオープンリーディングフレームは、ラットPde4bに対して92.9%の同一性を有する564アミノ酸タンパク質を予測し、ヌクレオチドレベルでは、その同一性は、86.3%であった。彼らは、Liviら(1990)によってヒト単球から単離された関連のcDNAクローンが、ラットPde4A(600126)のヒトホモログであることを決定した。サザンブロット分析は、別個の遺伝子がこれらの2PDE IVファミリーメンバーをコードすることを示した。
Hustonら(1997)は、新規のヒト(+その同族ラット)のPDE4Bスプライス改変体をクローニングし、そしてその活性を、この遺伝子座由来の2つの他のスプライス改変体と比較した。ヒトPDE4B遺伝子およびラットPDE4B遺伝子の両方から生成されるmRNAの選択的スプライシングは、特有のN末端領域を有する長いスプライス改変体および短いスプライス改変体を生成した。これらの選択的スプライシングされた領域は、アイソフォームの最大触媒活性における変化、ロリプラムによる阻害に対するその感受性、および粒子画分との相互作用の様式を決定することが示唆された。
Milatovichら(1994)は、体細胞ハイブリッド株のサザン分析と蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)とを組合わせることによって、PDE4B遺伝子をヒト1p31にマッピングした;彼らは、組換え同系(RI)マウス株のサザン分析によって、マウスホモログを第4染色体に割当てた。ヒト染色体またはラット染色体のいずれかを分離する体細胞ハイブリッドの使用によって、Szpirerら(1995)は、PDE4B遺伝子をヒト第1染色体およびラット第5染色体にマッピングした。
Xuら(2000)は、1.77Åの分解に対するホスホジエステラーゼ4B2Bの触媒ドメインの3次元構造を決定した。活性部位が同定され、そして2つの金属原子のクラスターを含む。Xuら(2000)は、この構造が作用機構および特性の基礎を示唆し、ホスホジエステラーゼファミリーのメンバーの構造援助薬物設計のためのフレームワークを提供すると結論付けた。
Galeらは、健常なボランティアにおけるホスホジエステラーゼ(PDE)4インヒビターであるV1129Aの経口投与後の薬物動態的プロフィールおよび薬力学的プロフィールを記載している(Br J Clin Pharmacol 2002 Nov;54(5):478−84)。これらの目的は、健常な男性ボランティアにおける新規のPDE4インヒビターV11294A(3−(3−シクロペプチルオキシ−4−メトキシベンジル)−6−エチルアミノ−8−イソプロピル−3Hプリン塩酸塩):これは、V1129A(300mg)またはプラセボの単回経口絶食用量を受けた8人の健常なボランティアにおける二重盲目的な、単回用量の、無作為化クロスオーバー研究である。血液サンプルを、V1129Aの血漿濃度の決定のために、経口投薬の0.5、1、2、2.5、3、4、6、9、12、18および24時間後に採取した。血液サンプルをまた、全血中の単核細胞増殖および腫瘍壊死因子(TNF)の放出に対するV1129Aの効果を評価するために、投薬の3時間前および投薬の24時間後に採取した。結果:300mgのV1129Aの単回経口投薬の後、V1129Aおよびその活性代謝産物であるV10332の血漿濃度は、それぞれ、2.63+/−0.79時間および5.9+/−2.3時間後に、Cmax(ng ml−1;平均+/−s.d.;それぞれ、1398+/−298,1000+/−400)に達した。V11294AおよびV10332について、t1/2は、それぞれ、9.7+/−3.9および9.5+/−1.7時間であり、そしてAUC(0、無限)は、それぞれ、18100+/−6100ngおよび18600+/−8500ngml−1hであった。投薬の3時間目、V11294AおよびV10332(3−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−8−イソプロピル−3H−プリン−6−イルアミン)の血漿濃度は、それぞれ、1300+/−330ngml−1および860+/−300ngml−1であり、それぞれ、TNFの放出および増殖の阻害についてのインビトロIC50の7倍および3倍であった。V11294Aでの処置により、接種の3時間後(P<<0.001)および24時間後(P<<0.05)で、リポポリサッカリド(LPS)誘導性TNF放出は有意に減少した。LPSの最大以下濃度(4ng ml−1)に応答して放出されるTNFの量(pmol ml−1)は、プラセボ処置後に有意には変化しなかった(処置前:681+/−68 対 投薬後3時間:773+/−109、P=0.27)。逆に、V11294Aでの処置後に放出されるTNFの量の有意な減少が存在した(処置前:778+/−87 対 投薬3時間後:566+/−72、P=0.02)。フィトヘマグルチニン(PHA)は、薬物投与の前の全血における[3H]チミジンの取り込みを刺激した。V11294Aは、3時間目で、PHA誘導性の増殖を阻害した(P<<0.05)。有害な反応は、V11294Aの単回経口投与の後には観察されなかった。結論:健常なボランティアに1回経口投与された300mg用量のV11294Aは、エキソビボで炎症細胞の活性化を阻害するのに適切な血漿濃度を生じ、これは、いかなる有害な反応も伴うことなく、少なくとも24時間持続する。
別の配列は、糖質コルチコイドレセプター(GCCR)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップ位置5q31にマッピングされる。
Vingerhoedsら(1976)は、コルチゾール耐性の事例を報告した。高レベルのコルチゾール(クッシング症候群の徴候を伴わない)、デキサメタゾンに対する視床下部−下垂体−副腎軸の耐性、および糖質コルチコイドレセプターの親和性欠失は、障害を特徴付けた。Chrousosら(1982)は、Vingerhoedsら(1976)によって報告されたファミリーを再び研究した。おそらくホモ接合性である男性は、電解質コルチコイド過剰を有し、高血圧、低カリウム血症、および代謝性アルカローシスを生じる。この男性の兄弟の一人であって、重篤な高血圧を有し、そして54歳で脳血管の偶発症候で死亡した人もまた、ホモ接合性であり得る。別の兄弟および彼の息子は、明らかにヘテロ接合性であった;彼らは、24時間わずかに上昇した平均血漿コルチゾールレベルを示し、そして尿を含まないコルチゾールを上昇させた。Lipsettら(1986)は、Vingerhoedsら(1976)によって元々報告された4世代ファミリーの追跡調査を提供した。糖質コルチコイド耐性の常染色体優性遺伝が、明確に実証された。Lipsettら(1986)は、糖質コルチコイドレセプターにおける変異が原因であるが、他の説明が求められ得ると考えた。このファミリーにおける1つのホモ接合体は発端であった。上昇した血漿コルチゾールレベルおよび上昇した尿を含まないコルチゾールを有する他の人は、ヘテロ接合性を示した。この発端者は、16世紀前に起こった血縁を有するファミリーに由来した。二親ファミリーは、多世代にわたって密接に近接して生存している。このコルチゾール耐性は、おそらく、まだ記載されていない処置可能な高血圧の最も稀な原因である。糖質コルチコイドレセプターが減少した罹患した母親および息子は、Iidaら(1985)によって報告された。
Bronnegardら(1986)は、上昇した24時間の平均血漿コルチゾールレベルおよび増加した遊離尿コルチゾールによって示されるようなコルチゾールに対するレセプター媒介性耐性を有する女性を記載した。血漿ACTH濃度は正常であったが、彼女は、デキサメタゾンによる副腎抑制に対して耐性であった。クッシング症候群の徴候はなかった。この患者は、著しい疲労の症状を有していた。閉経が、43歳で生じていた。この患者のただ一人の子供(息子、29歳)は、不可解な疲労の期間を有し、このことにより彼は、学校および仕事をせず自宅にいた。この母親がわずか30分しか働けなくなる究極の疲労に起因して、アディソン病が疑われたが、高コルチゾン症(hypocortisolism)よりも、尿コルチゾール値の上昇が見出された。Bronnegardら(1986)は、コルチゾールに対する末端器官(end−organ)非感受性が、減少した濃度またはレセプターのリガンド親和性に起因することを見出した。むしろ、この女性および彼女の息子が、増加したコルチゾールレセプターの熱不安定性を示し、精巣性女性化症候群を有する患者におけるアンドロゲンレセプターを伴う現象もまた観察された(30068)。
Lambertsら(1986)は、多毛、軽い男性化および月経困難症を有する26歳の女性におけるコルチゾール耐性を記載した。かれらは、この異常性は、常染色体優性であると考えた。なぜなら、彼女の父親および二人の兄弟がが、デキサメタゾンに対して通常は抑制しない血漿コルチゾール濃度の上昇を有していたからである。高血圧も低カリウムアルカローシスもなかった。この発端者は、男性型頭皮禿頭症を有した。Nawataら(1987)は、糖質コルチコイド耐性の症状を有する27歳の女性を研究した。彼女は、最初は、高い血漿ACTHレベルおよび血清コルチゾールレベル、上昇した尿コルチゾール分泌、デキサメタゾンを用いる副腎抑制に対する耐性、およびコンピュータ断層撮影法および新地グラフィーによる両側副腎肥大に基づいて、クッシング病を有すると考えられた;しかし、彼女は、クッシング症候群の臨床的徴候も症状も有さなかった。研究室の研究によって、この患者の糖質コルチコイド耐性は、糖質コルチコイドに対するレセプターの親和性の減少、およびGCCR複合体のDNAへの結合の減少に起因することを示した。
(コルチコトロフィノマス(Corticotrophinomas))
コルチゾール耐性は、GRL遺伝子における遺伝的異常によって引き起こされ得るので、Huizengaら(1998)は、コルチゾールに対するコルチコトロピノマスの非感受性もまたデノボGRL変異によって引き起こされるか否かを調査した。1つのサイレント点変異を除いて、彼らは、Cushing病に罹患する22人の患者からの白血球またはコルチコトロピノマスにおけるGRL遺伝子の変異を同定しなかった。22人の患者のうち、18人は、少なくとも1つの多型において異型接合であり、18人のうち6人は、腫瘍DNAにおいて異型接合の損失(LOH)を有した。彼らは、GRL遺伝子座におけるLOHがCushing病に罹患する患者の下垂体腺腫において比較的頻繁な現象であり、このことにより、ACTH分泌に対するコルチゾールの阻害性フィードバック作用に対して腺腫細胞の相対的耐性が説明され得ると結論付けた。
コルチゾール耐性の例は公知であり;モルモットは「コルチコ耐性(corticoresistant)」種である(Vingerhoedsら、1976)。
2種の新世界の霊長類である、リスザルおよびキヌザルは、糖質コルチコイドホルモン過剰の生理学的証拠はないが、顕著に上昇した血漿コルチゾールレベルを有する。Chrousosら(1982)は、それらの視床下部−下垂体−副腎の軸は、デキサメタゾンによる抑制に対して耐性があることを示した。彼らは、新世界および旧世界のサルの循環する単球および培養した皮膚線維芽細胞における糖質コルチコイドレセプターを研究し、このレセプター含有量は全ての種で同じではないが、2種の新世界種は、デキサメタゾンに対して顕著に減少した結合親和性を有することを見出した。予想される変異は、旧世界および新世界の霊長類の分岐後(約6000万年前)でかつ2種の新世界種の転換前(1500万年前)に生じたに違いない。糖質コルチコイドレセプターの親和性欠損を有するヒトにおける障害と新世界のサルの障害との間の差は、重症の形態のヒト疾患において、ナトリウム保持コルチコイド(コルチコステロンおよびデオキシコルチコステロン)が数倍にも上昇し、高血圧および低カリウム血症アルカローシスを発生することである。鉱質コルチコイドの過剰生成は、新世界のサルでは生じないが、恐らく副腎皮質のコルチコトロピン過剰刺激に起因する。
糖質コルチコイドホルモンは、他の種類のステロイドホルモンと同様に、特異的細胞質レセプターと複合体化し、次いで、核に移行し、クロマチン上の特定の部位に結合することによってそれらの細胞作用を発揮する。糖質コルチコイドレセプターは、単離され、詳細に研究された最初の転写因子であった(MullerおよびRenkawitz,1991)。糖質コルチコイドレセプター(GCCR)は、遺伝子発現に非常に重要である。それは、94kDaのポリペプチドであり、1つの方法によると、別個のステロイド結合ドメインおよびDNA結合ドメインを有すると考えられる。Weinbergerら(1985)は、発現クローニング技術を使用して、ヒト糖質コルチコイドレセプターcDNAを選択した。
Hollenbergら(1985)は、ヒト糖質コルチコイドレセプター(以降、hGRと表す)をコードするcDNAを同定した。これらのDNAは、777(α)および742(β)アミノ酸の2つのタンパク質形態が予想され、これらは、それらのカルボキシ末端で異なる。これらのタンパク質は、DNA結合ドメインを規定し得るシステイン/リジン/アルギニンリッチ領域を含む。
Weinbergerら(1985、1987)は、彼らがクローニングした糖質コルチコイドレセプターが、オンコジーンのerb−Aファミリーに関連することを指摘した(190120および190160を参照のこと)。erbオンコジーンファミリーのクローニングされたメンバーは、糖質コルチコイドレセプターのDNA結合ドメインへの強い関連性を示した。GRLの短い領域は、Drosophilaの特定のホメオティックタンパク質と相同であった。Carlstedt−Dukeら(1987)は、ラットの肝臓GCRタンパク質のドメイン構造を分析した。特有のトリプシン性切断によって規定されるステロイド結合ドメインは、残基518の領域におけるドメイン境界を有するCOOH末端タンパク質に対応した。キモトリプシン性切断部位を有する領域によって規定されるDNA結合ドメインは、残基410〜414の領域にその境界を有するステロイド結合ドメインに隣接していた。
選択的スプライシングによって生成される糖質コルチコイドレセプターの2つのアイソフォームのうち、GR−αは、リガンド活性化転写因子であり、これは、ホルモン結合状態において、特定の糖質コルチコイド応答エレメント(GRE)DNA配列への結合による糖質コルチコイド−応答性遺伝子の発現を調節する。対照的に、GR−βは、糖質コルチコイドに結合せず、転写的に不活性である。Bambergerら(1995)は、GR−βが濃度依存性様式で糖質コルチコイド応答性レセプター遺伝子に対するホルモン活性化GR−αの作用を阻害できること実証した。その阻害効果は、GRE標的部位への競合に起因すると思われる。RT−PCR分析は、複数のヒト組織においてGR−β mRNAの発現を示したので、GR−βは、生理学的にも病理学的にも糖質コルチコイド作用の関連する内因性インヒビターであり得、糖質コルチコイドに対する組織の感受性の規定に関与し得る。
Rouxら(1996)は、NR3C1のリガンド結合ドメインのC末端部分におけるスレオニンへのイソロイシン747の変異が、トランス活性化に対するリガンドの特異性を変更することを見出した。天然の糖質コルチコイド(例えば、コルチゾールまたはコルチコステロン)は、完全に不活性であったが、デキサメタゾンのような合成ステロイドは、I747T変異体NR3Cl媒介性トランス活性化を効率的に刺激した。コルチゾールがI747Tを活性化できないことについての基礎は、核レセプターリガンド結合ドメインの正準3次元構造から予測された。なぜなら、イソロイシン747は、リガンド結合ポケットに寄与する残基に近接しているからである。
オリゴヌクレオチド特異的変異誘発を使用して、Lindら(1996)は、残基736のセリン(Cys736からSer)およびスレオニン(Cys736からThr)による機能的置換を見出した。Cys736からセリンのタンパク質は、トランス活性化アッセイで試験した全てのホルモンに対する減少した感受性、および減少したホルモン結合親和性を示した。トランス活性化アッセイでのホルモンに対する感受性とホルモン結合親和性との間の対応はまた、Cys736からThrのタンパク質についても観察された。本発明者らは、Cys736の非常に保存的な置換(セリンおよびスレオニンを含む)は、異なる糖質コルチコイドステロイドホルモン間を区別するホルモン結合に対して多用な効果を引き起こすと結論付けた。
Diamondら(2000)は、種々の細胞型において、糖質コルチコイドが、アンドロゲンレセプター(AR;313700)またはハンチントン(HD;143100)由来の拡張したポリグルタミンポリペプチドの凝集および核局在化を特定の遺伝子発現の調節を介して上方調節および下方調節し得ることを示した。野生型糖質コルチコイドレセプターおよびC末端欠失誘導体は、これらのポリペプチドの凝集および核局在化を抑制したが、GCRのDNA結合ドメインおよびN末端内での変異は、この活性を廃止した。驚くべきことに、GCR N末端内の転写調節ドメインの欠失は、拡張したポリグルタミンタンパク質の凝集および核局在化を顕著に増加した。従って、拡張したポリグルタミンタンパク質の凝集および核局在化は、十分に特徴付けられた転写レギュレーターであるGCRによって調節され得る調節された細胞プロセスである。この知見は、ポリグルタミン拡張疾患の分子病原性および選択的神経変性を研究するためのアプローチを示唆する。
(糖質コルチコイドレセプターβ)
Oakleyら(1996)は、GR−βの発現、生化学的特性、および生理学的機能を試験した。彼らは、GR−βメッセージが、広範な組織分布を有することを見出した。GRL遺伝子は、10個のエキソンからなると以前に報告されている(EncioおよびDetera−Wadleigh、1991)が、Oakleyら(1996)は、以前はエキソン−9−α、イントロンJおよびエキソン9−βとして同定されたGRL配列が約4.1kbの1つの大きな末端エキソン(エキソン9)を含み、GRL遺伝子が、10個のエキソンではなく9個のエキソンに組織化されていることを示唆した。彼らは、GR−βが、主に、ホルモン処置とは独立するトランスフェクト細胞の核に存在することを実証した。Oakleyら(1996)は、ドミナントネガティブ活性が内因性GR−αレセプターを有する細胞で生じること示した。さらに、彼らは、GR−α活性の抑制が、単純なプロモーターであるpGRE2CATと共に生じることを実証した。このことは、その発現が糖質コルチコイド応答性プロモーターの一般的な現象であり、GRE−媒介性転写が実際に阻害されたことを示す。
コルチコステロイドは、心臓構造に対して特異的な効果を有し、鉱質コルチコイドレセプターおよび糖質コルチコイドレセプター(それぞれ、MRおよびGR)によって媒介される特異的な機能を有する。アルドステロンおよびコルチコステロンは、ラットの心臓で合成される。それらがまた、ヒト心臓血管系においても合成され得るか否かを見るために、Kayes−WandoverおよびWhite(2000)は、ステロイド形成性酵素についての遺伝子ならびにGR、MR、および11−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD11B2;218030)(これは、MRの特異性を維持する)についての遺伝子の発現を試験した。ヒトサンプルは以下に由来した:左心房および右心房、左心室および右心室、大動脈、尖、心室内隔壁、および房室結節、ならびに全成人および胎児の心臓。RT−PCRを使用して、CYP11A(118485)、CYP21(201910)、CYP11B1(202010)、GR、MRおよびHSD11B2をコードするmRNAを、心室(これは、CYP11B1を発現しなかった)を除く全てのサンプルにおいて検出した。CYP11B2(124080)mRNAは、大動脈および胎児心臓において検出されたが、成人心臓のいずれの領域でも検出されなかった。そしてCYP17(202110)は、いずれの心臓サンプルにおいて検出されなかった。ステロイド形成性酵素遺伝子発現のレベルは、代表的に、副腎において0.1%レベルであった。本発明者らは、これらの知見が、正常な成人ヒト心臓におけるコルチゾールまたはアルドステロンではなく、コルチコステロンおよびデオキシコルチコステロンに対するオートクラインまたはパラクラインの役割と一致すると結論付けた。
好中球は、Tリンパ球よりも糖質コルチコイドに対して非常に感受性が低い。免疫蛍光分析、ウエスタンブロット分析、およびRNAブロット分析を使用して、Stricklandら(2001)は、GR−αおよびGR−βは、単核細胞および好中球の両方において発現され、好中球でのGR−αより幾らか多くGR−βが発現することを示した。好中球のIL8(146930)刺激により、好中球におけるGR−αではなくGR−βの発現の有意な増加が生じた。ヒト好中球とは違って、マウス好中球は、GR−βを発現しない。マウス好中球へのGR−βのトランスフェクションは、デキサメタゾンに曝露される場合、細胞死率の有意な減少をもたらす。Stricklandら(2001)は、好中球におけるGR−βの高構築性の炎症促進性(proinflammatory)サイトカイン誘導性アップレギュレーションが、炎症の糖質コルチコイド処置の間のそれらの生存を増強させると結論付けた。彼らは、この知識が新規な抗炎症性戦略の発展に役立ち得ると提唱した。
(糖質コルチコイドレセプターγ)
Riversら(1999)は、GCCRの新規な改変体であるGR−γを記載し、ここで、選択的スプライシングの結果として、3つの塩基はエキソン3および4とは別にイントロンから保持される。これらの3つの塩基は、このレセプターのDNA結合ドメインにおけるさらなるアミノ酸(アルギニン)をコードする。この部位でのアルギニンの挿入は、GRによりGR−αの48%までに転写活性を減少することが以前に示されている(Rayら、1996)。異なる組織由来のcDNAの分析は、GR−γが比較的高いレベルで広範に発現されることを示した(全GRのうち3.8%〜8.7%)。
Gehringら(1984、1985)は、ヒトリンパ球細胞株(これは、糖質コルチコイド感受性であり、野生型特性の糖質コルチコイドレセプターを含む)とマウスリンパ球細胞株(これは、異常なDNA結合を呈する変異体レセプターに起因して糖質コルチコイドによる溶解に耐性がある)とのハイブリッドの研究によって第5染色体に対するGRLのマッピングを達成した。
Weinbergerら(1985)は、第5染色体を含む種々の転位を有する体細胞性ハイブリッド細胞のパネルと組み合わせてcDNAクローンを使用し、GCCRを5ql1−q13に割り当てた。しかし、FranckeおよびFoellmer (1989)は、GRL遺伝子が5q31−q32に位置することをインサイチュハイブリダイゼーションにより実証した。この新たな割り当ては、同じ領域にマッピングするDNAマーカーへの結合に一致し(Giuffraら,、1988)、そしてまた、ヒト/マウス競合マッピングデータに一致する。ファミリー結合研究について、Giuffraら(1988)は同様に、GRL遺伝子座が第5染色体の長腕の末端に向かって位置すると結論付けた。
Hollenbergら(1985)は、第5染色体のみを含むハイブリッド細胞株のサザン分析により、第5染色体への糖質コルチコイドレセプター遺伝子の割り当てを確認した。さらに、2つのフラグメント(EcoRIおよびHind III)を全ヒトDNAにおいて見出したが、ハイブリッド株においては見出さなかった。これらをマッピングするために、Hollenbergら(1985)は、二重レーザー蛍光活性化細胞ソーターおよびスポットブロッティングを使用した。これにより、第5染色体への割り当てが確認され、さらに、第16染色体上でのhGR配列を示した。第16染色体への割り当てを、ヒト第16染色体を含むマウス赤白血病細胞株由来のDNAのサザン分析により確認した。彼らは、αおよびβレセプタータンパク質の両方が恐らく、第5染色体上の単一の遺伝子によってコードされ、選択的スプライシングによって生成されると結論付けた。さらに、彼らは、第16染色体上の遺伝子は、少なくともヌクレオチド570と1,640との間で、糖質コルチコイドレセプター遺伝子に対して相同性を有すると結論付けた。これは、関連するステロイド、プロセッシングされた遺伝子または偽遺伝子、またはGRL遺伝子を有するドメインを共有する他の機能を有する遺伝子に対するレセプター遺伝子であり得る。138060を参照のこと。
Theriaultら(1989)は、ヒト第5染色体q31へヒトGRL遺伝子を局在化するために、ビオチン化cDNAプローブを用いるインサイチュハイブリダイゼーションを使用した。この割り当てを、平衡化した相互転座(5;8)(q31;q13)を有する個体由来の染色体に対するハイブリダイゼーションによって確認した。部分的第5染色体を保持する体細胞ハイブリッドを研究するための第5染色体結合DNAプローブおよび5qの後天性欠失を有する患者由来の臨床サンプルを使用して、Huebnerら(1990)は、このGRL遺伝子がCSF2 (128960)に対してテロメア性(telemeric)であり、ECGF(131220)の付近のCSF1R(164770)/PDGFRB(173410)に対して動原体性であると結論付けた。
Huizengaら(2000)は、生化学的かつ臨床的コルチゾール耐性を有する5人の患者を記載する。彼らは、レセプター数もしくはリガンド親和性の変化、および/またはデキサメタゾンがマイトジェン誘導性細胞増殖を阻害する能力を見出した。これらの患者における臨床状況および生化学的状況に至る分子欠損を調査するために、彼らは、PCR−SSCP配列分析を使用して、GCCR遺伝子をスクリーニングした。これらの患者においてGCCR遺伝子変化は見出されなかった。本発明者らは、GCCRタンパク質へのリガンド結合により開始し、最終的に糖質コルチコイド応答性遺伝子の発現の調節またはレセプター後欠損(postreceptor defect)または他の核因子との相互作用を生じる事象のカスケードのどこかでの変化は、これらの患者におけるコルチゾール耐性の病理学的基礎を形成すると結論付けた。
多くの細胞型における炎症性応答は、NF−κ−B(164011)および糖質コルチコイドレセプターの反対の作用によって協調的に調整される。Websterら(2001)は、HeLaS3細胞(これは、糖質コルチコイドおよびアイソフォームの両方を内因的に発現する)において、GR−α mRNAでは1.5倍の増加およびGR−β mRNAでは2.0倍の増加をもたらす、GCCRプロモーターに対する腫瘍壊死因子(TNF)応答性NF−κ−B DNA結合部位5−プライムの同定を報告した。しかし、TNF−α(19LI60)処置は、GR−αよりGR−βタンパク質アイソフォームの定常状態レベルを不相応に増加させ、GR−βをドミナントの内因性レセプターアイソフォームにした。同様の結果が、TNF−αまたはインターロイキン−1(IL−1;147760を参照のこと)でのヒトリンパ球の処置後に観察された。GR−βタンパク質発現の増加は、糖質コルチコイド耐性の発生に相関した。
(動物モデル)
Pepinら(1992)は、糖質コルチコイドレセプターmRNAの3−プライム非コード領域に相補的なアンチセンスRNAにより、神経組織においてドミナント的に糖質コルチコイドレセプター能力および機能が減少されたトランスジェニックマウスを開発した。Montkowskiら(1995)は、このトランスジェニックマウスが、ストレスに応答して深在性の行動変化および上昇した血漿コルチコトロピン濃度を有することを実証した。モクロベミド(モノアミンオキシダーゼA型のインヒビター(309850))による処置は、このマウスモデルにおける行動欠損を逆転させた。
糖質コルチコイドレセプターは、DNA結合依存性機構およびDNA結合非依存性機構の両方を介して転写に影響し得るので、Reichardtら(1998)は、Cre/lox.P系を使用する遺伝子標的化による糖質コルチコイドレセプターへのArg458からThrの点変異を誘導することによって、これらの作用モデルを分離しようとした。この変異は、二量化を害し、それゆえにGRE依存性トランス活性化を害するが、他の転写因子とのクロストークを必要とする機能(例えば、AP−1駆動性遺伝子のトランス抑制)は、インタクトのままである。GR−/−マウスとは対照的に、これらの変異体(GR−dimと称する)は育成可能であり、糖質コルチコイドレセプターのDNA結合非依存性活性のインビボでの関連性を明らかにした。GR−dim/dimマウスは、共同的DNA結合による遺伝子転写をトランス活性化する能力を喪失しているが、糖質コルチコイドレセプターの機能を抑制する機能は保持している。さらに、副腎髄質の発達および機能は、これらのマウスにおいては害されない。
糖質コルチコイドレセプターは、DNA調節エレメントとの相互作用により直接的に、そして他の転写因子とのクロストークにより間接的に標的遺伝子の転写を制御する。種々の刺激(ストレスを含む)に応答して、糖質コルチコイドは、代謝応答、内分泌応答、免疫応答、および神経系応答を調整し、そして転写の適切なプロファイルを確実にする。脳において、糖質コルチコイドレセプターは、感情的行動、認知機能、および習慣性の状態を調節すると考えられている。これらの局面は、機能的糖質コルチコイドレセプターの非存在下では研究され得ない。なぜなら、マウスにおけるGRl1遺伝子の不活性化は、誕生時に致死性を引き起こすからである。従って、Troncheら(1999)は、Cre/loxP組換え系を使用して、この遺伝子の組織特異的変異を作製した。これにより、彼らは、選択した組織において糖質コルチコイドレセプター機能を喪失する生存可能な成体マウスを育成することができた。神経系における糖質コルチコイドレセプター機能の喪失は、視床下部−下垂体−副腎の軸の調節を害し、Cushing症候群において観察される糖質コルチコイドを連想させる症状に至る糖質コルチコイドレベルの増加を生じた。神経系における糖質コルチコイドレセプターの条件付き変異誘発は、感情的行動における糖質コルチコイドレセプターシグナル伝達の重要性についての遺伝的証拠を提供した。なぜなら、変異動物は、ストレスに対して損なわれた行動応答を示し、減少した不安を示したからである。
マウス哺乳動物腫瘍ウイルスレポーターエレメントおよび緑色蛍光タンパク質により標識された糖質コルチコイドレセプターの形態の並列アレイを使用して、McNallyら(2000)は、生存マウス細胞において応答エレメントへのレセプターの標的化を観察した。光退色実験は、ホルモン占有レセプターが、クロマチンと核細胞質区画との間で迅速な交換を受けることの直接的な証拠を提供した。従って、McNallyら(2000)は、調節タンパク質とクロマチンにおける標的部位との相互作用が、考えられていたよりも動力学的プロセスであると結論付けた。
0001.糖質コルチコイド耐性、家族性[NR3C1、ASP641VAL]
Vingerhoedsら(1976)によって初めに報告され、Chrousosら(1982、1983)およびLipsettら(1985)によって研究された家系において、Hurleyら(1991)は、3つの罹患したメンバー由来の糖質コルチコイドレセプターを配列決定した。ヌクレオチド2054における変化は、アミノ酸残基641におけるバリンのアスパラギン酸での置換を予測した。この祖先は同型接合であったが、他の関連するものは、この変異について異型接合であった。この点変異は、このレセプターのステロイド結合ドメインに存在した。
0002.糖質コルチコイド耐性、家族性[NR3C1、IVS6DS、4−BP DEL]
オランダ家系の3人の罹患したメンバー全てにおいて、Karlら(1993)は、1つのNR3C1対立遺伝子が、エキソンの最後の2塩基およびイントロン6の最初の2ヌクレオチドに作用するドナースプライシング部位を除去した4bp欠失を有したことを見出した。父および5人中3人の子供は罹患していた。罹患したメンバーは、コルチゾール過多症(hypercortisolism)を有し、正常な糖質コルチコイドレセプターの約半分であった。この発端者は、コルチゾール過多症を有する娘であった。さらに、発端者において、彼女の罹患した兄弟のうちの1人、および彼女の罹患した姉妹のうちの1人において、Karlら(1993)は、エキソン2(G1220)のコドン363におけるアスパラギンからセリンへの単一のヌクレオチド置換を見出した。トランスフェクション研究は、このアミノ酸置換が、糖質コルチコイドレセプターの機能を変化させないことを示した。この家族でのヌル対立遺伝子の存在は、共存するアンドロゲン過多症を犠牲にする増加したコルチゾール産生によって明らかに補正された。
0003.糖質コルチコイド耐性、細胞性[NR3C1、LEU753PHE]
AshrafおよびThompson(1993)は、2つの糖質コルチコイド耐性細胞株がLeu753からPhe変異に対して半接合であることを示した。両方は、この変異に対して異型接合である野生型細胞株由来であり;これらの耐性細胞株は、正常な対立遺伝子の喪失を経験していた。
0007.糖質コルチコイドレセプター多型[NR3CI、ASN363SER]
Koperら(1997)は、ヌクレオチド1220位(AAT〜AGT)に位置する多型を同定し、これは、NR3C1タンパク質のコドン363におけるアスパラギンからセリンの変化を生じる。Huizengaら(1998)は、この多型が糖質コルチコイドに対する変化した感受性に関連するか否かを調査した。216人の年配の人のグループにおいて、彼らは、PCR/SSCP分析によってAsp363からSerの多型に対して13人の異型接合を同定した。従って、彼らは、研究した集団の6.0%で多型を見出した。Huizengaら(1998)は、この多型を保有する個体は、臨床的に健常であるが、コルチゾール抑制およびインスリン応答の両方に対して、外因的に投与された糖質コルチコイドに対してより高い感受性を有すると結論付けた。Huizengaら(1998)は、変異した対立遺伝子に対する生涯にわたる曝露が、血圧に対して何ら作用を伴わない腰椎における増加した体重指数および低下した骨鉱質密度を伴い得るを推測した。
Dobsonら(2001)は、英国の北東に住む欧州起源の集団において、363S対立遺伝子と冠状動脈心疾患および真性糖尿病に対する危険因子との間の関連を調査した。135人の男性および240人の女性からの血液サンプルを363対立遺伝子状態について特徴付けた。363S対立遺伝子の全体の頻度は、3.0%;23の異型接合(7人の男性および16人の女性)であったが、363S対立遺伝子は同定されなかった。これらのデータは、女性ではなく男性において363S対立遺伝子と増加したウェストからヒップ比との有意な関連性を示した。この対立遺伝子は、血圧、体重指数、血清コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質および高密度リポタンパク質コレステロールレベル、またはグルコース耐性状態とは関連がなかった。本発明者らは、このGR多型が男性における中心性肥満に寄与し得ると結論付けた。
別の配列は、メチオニンアミノペプチダーゼ様1に類似するMetapl1LOC 165470をコードする配列を含む。
別の配列は、TCF4:転写因子4をコードする配列を含む。
TCF4は、転写因子4(塩基性ヘリックス−ターン−ヘリックス転写因子)をコードする。このタンパク質は、Ephrussi−ボックス(「E−ボックス」)結合部位(「CANNTG」)を認識する−これは、免疫グロブリンエンハンサーにおいて最初に同定されたモチーフである。TCF4は、前B細胞においてドミナント的に発現されるが、他の組織においても見出される。TCF4は、複数の転写産物を産生することが知られている;しかし、この完全な構造は、bアイソフォームをコードする転写産物についてのみ知られているので、それは、本明細書中で表される改変体である。
別の配列は、免疫グロブリン転写因子2(ITF2)をコードする配列を含む。この配列は、遺伝子マップ座18q2l.1にマッピングされる。
Comeliussenら(1991)は、マウス白血球ウイルスSL3のエンハンサーにおける糖質コルチコイド応答エレメント(GRE)のモチーフに結合する核タンパク質のファミリーを同定した。このモチーフは、Ephrussi,またはE,ボックスににおいて見出されるものと類似していた(141141を参照のこと)。Comeliussenら(1991)は、このファミリーを「SL3−3エンハンサー因子2に対するSEF2」と名づけた。彼らは、ヒト胸腺細胞由来のこれらのタンパク質であるSEF2−1Bの1つをコードする遺伝子をクローニングした。Corneliussenら(1991)は、SEF2−113遺伝子が、他の塩基性へリックス−ループ−へリックス(bHLH)転写因子に対して相同性を有する667アミノ酸ポリペプチドをコードすることを見出した。Corneliussenら(1991)は、複数の関連するmRNA種が、異なるスプライシングの結果であると推定されることを見出した。
Henthornら(1990)は、免疫グロブリン重鎖エンハンサーのmu−E5モチーフおよび軽鎖エンハンサーにおいて見出されるκ−E2モチーフに結合するヘリックス−ループ−へリックス転写因子を同定し、これを「免疫グロブリン転写因子2」に対するITF2を指定した。ITF2は、推定される623アミノ酸タンパク質をコードする(Henthornら、1990)。
Pschererら(1996)は、ソマトスタチンレセプター2(SSTR2;182452)のプロモーター領域を単離し、新規な開始因子エレメントを同定した。マウス脳cDNA発現ライブラリーおをスクリーニングすることによって、Pschererら(1996)は、SSTR2開始因子エレメントのEボックスに結合する転写因子(彼らは、SEF2と名付けた)を単離した。配列決定により、この因子がヒトSEF2−lBのマウスホモログであったことが明らかとなった。DNA結合研究は、基礎的な転写因子TFIIB(131963)が、SEF2との物理的相互作用を介してSSTR2開始因子エレメントにテザーされ得ることを実証した。ノーザンブロッティングにより、SEF2−lBが、ヒト成人組織および胚性組織(心臓、脳、胎盤、骨格筋、および肺を含む)において発現されることが明らかとなった。
二極性障害についての候補遺伝子としての多型CTG反復についての探索において、Breschelら(1997)は、ゲノムヒト第18染色体特異的ライブラリーをスクリーニングし、18q21にマッピングされたCTG(24)反復を有する1.6kbクローンを同定した。この拡張は、SEF2のイントロンに位置した。この反復は、二極性被験体および84%の観察された異型接合性を有するコントロール被験体の両方において高度に多型性であった。CTG(2100)までの拡張が可能であったが、明らかな異常な表現型とは関連がなかった。この反復の位置を放射ハイブリッドマッピングおよび結合分析によって決定した。マウスSef2−1遺伝子の分析は、これが、22エキソンを含み、多くのイントロンが10kb長より長いことを示した。
別の配列は、CRYZ:クリスタリン、ζ(キノンレダクターゼ)をコードする配列;LOC348462を含む。この配列は、遺伝子マップ座lp3l−p22にマッピングされる。CRYZに関連する2つの配列;研究室での名称RA5A−re(配列番号317)−lq2l.2 シナプトタグミン(synaptotagmin)XI;および研究室での名称RA513−re(配列番号316)−lp31.1が存在する。2つの遺伝子:CRYZおよびLOC348462が存在し、cryzは、両方の開始点に座する。
クリスタリンは、2つの分類:分類群に特異的(すなわち酵素)および偏在性に分けられる。後者のクラスは、脊椎動物の眼レンズの主要なタンパク質を構成し、レンズの透明性および反射率を維持する。前者のクラスはまた、系統発生的に制限されているクリスタリンとも呼ばれる。この遺伝子は、分類分特異的クリスタリンタンパク質をコードし、このタンパク質は、他の公知のキノンレダクターゼとは異なるNADPH−依存性キノンレダクターゼを有する。この遺伝子は、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を欠くが、類似性によって、鉛含有アルコールデヒドロゲナーゼファミリーのメンバーと考えられる。他の哺乳動物種とは違って、ヒトにおいてレンズ発現は低い。1つの偽遺伝子が存在することが知られている。
α、β、およびγクリスタリンファミリー(これらは、全ての脊椎動物の眼内レンズに存在する)に加えて、他のクリスタリンの数が、系統発生的に制限された群からのレンズ中に多量に存在することが見出されている。これら「分類群特異的」クリスタリンのほとんどは、非レンズ状組織中の酵素的レベルでまた存在するピリジンヌクレオチド依存性オキシドレダクターゼである。レンズクリスタリンとしてのこの新たな機能の獲得は、一般的に遺伝子複製を伴わず、かつ、明らかに酵素の触媒的な役割に影響を与えずに生じる。ζ−クリスタリン/キノンレダクターゼは、モルモットのレンズ中の主要なタンパク質として最初に記載され(Huangら、1987)、ここで、この遺伝子の変異は、遺伝性白内障に関連する(Rodriguezら、1992)。これは後に、ラクダのレンズ中に多量に存在し(Garlandら,1991)、多様な種の多くの非レンズ状組織中に酵素的レベルで存在することもまた見出された。モルモットおよびラクダのレンズにおいて、レンズは、全水溶性タンパク質の約10%を含む。Gonzalezら(1994)は、ヒトζ−クリスタリン遺伝子およびそのプロセッシングされた偽遺伝子を単離および特徴付けた。この機能的遺伝子は、9つのエキソンから構成され、約20kbにわたる。この遺伝子の5−プライム隣接領域は、GおよびCが豊富であり(58%)、TATAボックスおよびCAATボックスを欠く。モルモット遺伝子の以前の分析により、2つの異なるプロモーター(一方は、高いレンズ特異的発現の原因であり、他方は、多くの組織における酵素的レベルでの発現の原因である)の存在が明らかになった。モルモット遺伝子を用いる比較分析は、モルモットにおけるレンズ中での高発現の原因であるプロモーターを含む約2.5kbの領域が、ヒト遺伝子には存在しないことを示した。
ヒト/マウス体細胞ハイブリッドのサザン分析によって、Heinzmannら(1994)は、ヒト第1染色体へCRYZ遺伝子を割り当て、蛍光インサイチュハリブリダイゼーションによって1p31−p22への割り当てを領域に分けた。彼らはまた、5つのRFLPを同定した。
別の配列(研究室での名称RA3_A_rE.txt(配列番号317))は、HM13をコードする配列;組織適合性(マイナー)13を含む。この配列は、遺伝子マップ座20q11.21にマッピングされる。
シグナルペプチドペプチダーゼ、すなわちSPPは、それらが前タンパク質から切断された後に、幾つかのシグナルペプチドの膜内タンパク質分解を触媒する。ヒトにおいて、SPP活性は、免疫系によって認識されるシグナル配列由来ヒトリンパ球抗原−Eエピトープを生成し、C型肝炎ウイルスコアタンパク質をプロセッシングするのに必要である。Weihofenら(2002)[PubMed 12077416]は、プレセニリン型アスパラギン酸プロテアーゼ(OMIMにより供給された)に特徴的な配列モチーフを有するポリトピック膜タンパク質としてヒトSPPを同定した。
本出願全体を通じて、種々の刊行物が参照されている。これらの刊行物のそれらの全体における開示およびこれらの刊行物に引用される参考文献は、本発明が関連する最新技術の状態をより完全に記載するために本出願において参考として援用される。本明細書中に記載されたタンパク質の配列を含む参照、参考文献はまた、本出願全体を通じて引用される。これらの参考文献およびこれらの参考文献に含まれる配列はまた、本明細書中に記載される遺伝子配列、染色体位置、この遺伝子の構造的特性および機能的特性、ならびに遺伝子産物を記載する目的で、本明細書中で参考として援用される。
(参考文献)
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Claims (46)

  1. 配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、配列番号243、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号332、配列番号333、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号408、配列番号409、配列番号410、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428に示されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
  2. 請求項1に記載の核酸の対立遺伝子改変体またはホモログ。
  3. 配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、配列番号243、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号332、配列番号333、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号408、配列番号409、配列番号410、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428に示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子によってコードされるタンパク質をコードする、単離された核酸。
  4. 請求項1、2または3に記載の核酸を含む、宿主細胞。
  5. ストリンジェントな条件下で、請求項1、2または3に記載の核酸と選択的にハイブリダイズする、核酸。
  6. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも50%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  7. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも60%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  8. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも70%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  9. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも80%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  10. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも90%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  11. 請求項1、2または3に記載の核酸と、少なくとも95%の相同性を有する領域を、エキソン内に有する、核酸。
  12. 請求項1、2、3、5、6、7、8、9、10または11に記載の核酸によってコードされる、タンパク質。
  13. 配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、配列番号243、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号332、配列番号333、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号408、配列番号409、配列番号410、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428に示されるヌクレオチド配列を含む遺伝子の調節領域を含む、核酸。
  14. レポーター遺伝子と機能的に連結されている、請求項13に記載の調節領域を含む、構築物。
  15. 細胞におけるウイルスの増殖に必須の細胞遺伝子と、細胞の生存に非必須の細胞遺伝子とを同定する方法であって、該方法は、
    (a)血清含有培地中で増殖する細胞培養物に、機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを移す工程、
    (b)該マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、
    (d)該細胞培養物を該ウイルスに感染させる工程、および
    (e)該マーカー遺伝子が挿入された細胞遺伝子を、生存細胞から単離し、それによって、細胞におけるウイルスの増殖に必須の遺伝子と、細胞の生存に非必須の遺伝子とを同定する工程
    を包含する、方法。
  16. 被験体におけるウイルス感染を減少または阻害する方法であって、該方法は、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、配列番号243、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号311、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号332、配列番号333、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号408、配列番号409、配列番号410、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428に示される核酸、またはこれらのホモログを含む遺伝子によってコードされる遺伝子産物の発現または機能を阻害する、一定量の組成物を該被験体に投与し、それによって、該ウイルス感染を処置する工程、を包含する、方法。
  17. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるタンパク質に結合する抗体を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるタンパク質に対するレセプターに結合する抗体を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを機能的にコードする核酸を含む、請求項16に記載の方法。
  21. 被験体におけるウイルス感染を減少または阻害する方法であって、エキソビボで、該被験体由来の選択された細胞において、示される核酸またはそのホモログを含む内因性遺伝子を、該遺伝子の機能的遺伝子産物を産生し得ない変異遺伝子にか、または、該遺伝子の機能的遺伝子産物の減少した量を産生する変異遺伝子に変異させる工程、および、該被験体内で細胞を置き換え、それによって、該被験体内の細胞のウイルス感染を減少させる工程を包含する、方法。
  22. 前記細胞が造血細胞である、請求項21に記載の方法。
  23. 被験体におけるウイルス感染を減少または阻害する方法であって、エキソビボで、該被験体由来の選択された細胞において、請求項15に記載の方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、該遺伝子の機能的遺伝子産物を産生し得ない変異遺伝子にか、または、該遺伝子の機能的遺伝子産物の減少した量を産生する変異遺伝子に変異させる工程、および、該被験体内で細胞を置き換え、それによって、該被験体内の細胞のウイルス感染を減少させる工程を包含する、方法。
  24. 前記ウイルスがHIVである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記細胞が造血細胞である、請求項23に記載の方法。
  26. 被験体におけるウイルス感染抵抗性を増加させる方法であって、エキソビボで、該被験体由来の選択された細胞において、請求項15に記載の方法によって単離された核酸を含む内因性遺伝子を、該遺伝子の機能的遺伝子産物を産生し得ない変異遺伝子にか、または、該遺伝子の機能的遺伝子産物の減少した量を産生する変異遺伝子に変異させる工程、および、該被験体内で細胞を置き換え、それによって、該被験体における細胞のウイルス感染を減少させる工程を包含する、方法。
  27. 前記ウイルスがHIVである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記細胞が造血細胞である、請求項26に記載の方法。
  29. ウイルス感染の処置における有効性について、化合物をスクリーニングする方法であって、細胞におけるウイルスの複製には必須であるが、細胞の生存には必須でない遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞に、該化合物を投与する工程、および、産生された遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、該遺伝子産物の減少または消失は、該ウイルス感染の処置に有効な化合物を意味する、方法。
  30. 前記細胞遺伝子が、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号241、配列番号242、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、配列番号263、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、配列番号269、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、配列番号275、配列番号276、配列番号277、配列番号278、配列番号279、配列番号280、配列番号281、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、配列番号303、配列番号304、配列番号305、配列番号306、配列番号307、配列番号308、配列番号309、配列番号310、配列番号314、配列番号312、配列番号313、配列番号314、配列番号315、配列番号316、配列番号317、配列番号318、配列番号319、配列番号320、配列番号321、配列番号322、配列番号323、配列番号324、配列番号325、配列番号326、配列番号327、配列番号332、配列番号333、配列番号337、配列番号338、配列番号339、配列番号340、配列番号341、配列番号342、配列番号343、配列番号344、配列番号345、配列番号346、配列番号347、配列番号348、配列番号349、配列番号350、配列番号351、配列番号352、配列番号353、配列番号354、配列番号355、配列番号356、配列番号357、配列番号358、配列番号359、配列番号360、配列番号361、配列番号362、配列番号363、配列番号364、配列番号365、配列番号366、配列番号367、配列番号368、配列番号369、配列番号370、配列番号371、配列番号372、配列番号373、配列番号374、配列番号375、配列番号376、配列番号377、配列番号378、配列番号379、配列番号380、配列番号381、配列番号382、配列番号383、配列番号384、配列番号385、配列番号386、配列番号387、配列番号388、配列番号389、配列番号390、配列番号391、配列番号392、配列番号393、配列番号394、配列番号395、配列番号396、配列番号397、配列番号398、配列番号399、配列番号400、配列番号401、配列番号402、配列番号403、配列番号404、配列番号405、配列番号406、配列番号407、配列番号409、配列番号410、配列番号415、配列番号416、配列番号417、配列番号418、配列番号419、配列番号420、配列番号421、配列番号422、配列番号423、配列番号424、配列番号425、配列番号426、配列番号427、配列番号428に示される核酸、またはそのホモログを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞遺伝子が、請求項15に記載の方法によって同定される遺伝子である、請求項29に記載の方法。
  32. ウイルス感染を減少または阻害するための化合物をスクリーニングする方法であって、請求項14に記載の構築物を含む細胞に、該化合物を投与する工程、および産生されたレポーター遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、該レポーター遺伝子産物の減少または消失が、該ウイルス感染を減少または阻害するための化合物を意味する、方法。
  33. 細胞における悪性表現型を抑制し得る細胞遺伝子を同定する方法であって、該方法は、
    (a)軟寒天中でよく増殖し得ない細胞培養物に、機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを移す工程、
    (b)該マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、および
    (c)該マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を、寒天中で増殖し得る選択された細胞から単離し、それによって、細胞における悪性表現型を抑制し得る遺伝子を同定する工程、
    を包含する、方法。
  34. 細胞における悪性表現型を抑制し得る細胞遺伝子を同定する方法であって、該方法は、
    (a)非形質転換細胞の細胞培養物に、機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターを移す工程、
    (b)該マーカー遺伝子を発現する細胞を選択する工程、および
    (c)該マーカー遺伝子が挿入されている細胞遺伝子を、選択され、かつ形質転換された細胞から単離し、それによって、細胞における悪性表現型を抑制し得る遺伝子を同定する工程
    を包含する、方法。
  35. 細胞における悪性表現型を抑制するための化合物をスクリーニングする方法であって、該細胞において悪性表現型の確立に関与する遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞に、該化合物を投与する工程、および、産生された遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、該遺伝子産物の減少または消失は、該悪性表現型を抑制するために有効な化合物を意味する、方法。
  36. 被験体の細胞における悪性表現型を抑制する方法であって、配列番号240、配列番号243、配列番号247、配列番号321、配列番号328、配列番号329、配列番号330、配列番号331、配列番号334、配列番号335、配列番号336、配列番号408、配列番号411、配列番号412、配列番号413、配列番号414に示される核酸、またはそのホモログを含む遺伝子によってコードされる遺伝子産物の発現または機能を阻害する、一定量の組成物を、該被験体に投与し、それによって悪性表現型を抑制する工程を包含する、方法。
  37. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるタンパク質に結合する抗体を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるタンパク質に対するレセプターに結合する抗体を含む、請求項36に記載の方法。
  39. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを含む、請求項36に記載の方法。
  40. 前記組成物が、前記遺伝子によってコードされるRNAに結合するアンチセンスRNAを機能的にコードする核酸を含む、請求項36に記載の方法。
  41. 被験体におけるウイルス感染を処置する方法であって、その過剰発現がウイルスの複製を減少または阻害する遺伝子の発現を増加する、治療有効量の組成物を、該被験体に投与する工程を包含する、方法。
  42. ウイルス感染の処置に有効な化合物をスクリーニングする方法であって、その過剰発現がウイルスの複製を阻害するが、細胞の生存を妨げない遺伝子産物を機能的にコードする細胞遺伝子を含む細胞に、該化合物を投与する工程、および、産生された該遺伝子産物のレベルを検出する工程を包含し、該遺伝子産物の減少が、ウイルス感染の処置のために有効な化合物を意味する、方法。
  43. 前記過剰発現した遺伝子がIGF2である、請求項41に記載の方法。
  44. 前記組成物がCTCFのインヒビターである、請求項41に記載の方法。
  45. 前記組成物が、配列番号211〜428からなる群から選択される配列の群から選択されるヌクレオチド配列を含む遺伝子を中断するように標的化されたベクターである、請求項16または36に記載の方法。
  46. 前記組成物が、機能的プロモーターを欠く選択マーカー遺伝子をコードするベクターである、請求項16または36に記載の方法。
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