JP2006507226A - 薬剤、化粧品、または食品組成物の抗酸化剤として使用可能なラクトン化合物およびその調製法 - Google Patents

薬剤、化粧品、または食品組成物の抗酸化剤として使用可能なラクトン化合物およびその調製法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定のラクトン化合物を提供すること。
【解決手段】本発明の対象は、薬剤または化粧品組成物において、あるいは食製品において、抗酸化剤として使用可能な特定のラクトン化合物であり、該化合物はその上に二つのラクトン単位がグラフトされたナフタレン環を含有する。

Description

本発明は、抗酸化剤組成物、特に薬剤、化粧品、または食品組成物の製造のための抗酸化剤として使用可能な特殊なラクトン化合物に関する。
本発明はまた、かかる化合物の調製法に関する。
本発明の全般的な分野は、したがって、抗酸化剤の分野である。
抗酸化剤は、多数の病理、特に、たとえば炎症性疾患,心臓血管疾患、または糖尿病といった、オキシダントストレスから結果として生じる病理に関与する非常に反応性の高い分子、フリーラジカルを捕捉する特徴的な性質を有する。
したがって、ある抗酸化剤、特に、マクロファージおよび単球におけるTNF−αのような前炎症性サイトカインの生産の阻害を可能にする抗酸化剤は、その抗炎症活性のために使用されてよい。
抗酸化剤はまた、フリーラジカルの蓄積によって引き起こされることが可能な、細胞死またはアポトーシスという遺伝的プログラムを制限することによって、細胞を防御することにも関係してよい。
いくつかの天然起源の抗酸化剤はまた、癌に対するその作用についても評価の対象となってきた。ジャング(M. Jang)らによる論文(非特許文献1)においては、レスベラトロール、ブドウから抽出された抗酸化剤フィトアレキシンが、動物モデルにおいて癌に対する予防活性を示すものとして記述されている。エバハート(M.V. Eberhardt)らによる論文(非特許文献2)は、非癌細胞系で検査されたリンゴ抽出物が、これらの細胞に対して同様に抗増殖活性をインビトロで引き起こすことを証明している。
最後に、フィンケル(T. Finkel)らによる論文、(非特許文献3)に公開された研究などはまた、オキシダントストレスと細胞加齢との間の関係を証明している。結果として、特にしわの出現の原因となるフリーラジカルを捕捉することを目的として、化粧品組成物の中に抗酸化剤を取込むことを予想することが可能である。
Cancer Chemoprotective Activity of Resveratrol, a natural product derived from grapes 、Science、1997年、第275巻、p.218−220 Antioxydant Activity of Fresh Apple、Nature、2000年、第405巻、p.903−904 Oxydants, oxidative stress and the biology of ageing、Nature、2000年、第408巻、p.239−247
本発明の目的は特定のラクトン化合物を提供することであり、そのいくつかは新規であって、薬剤、化粧品、および食品組成物といった抗酸化組成物の製造のための抗酸化剤として特に効率的な方法で用いられることが可能である。
本発明の目的はまた、本発明にしたがってラクトン化合物を調製する方法を提供することである。
したがって本発明は、第1の目的に従って、式(I)、
Figure 2006507226
[式中、
、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
はH、−OH、または−ORを表し、RはH、R、−CO、または−CO−NHR10を表すか、またはRおよびRが一緒に−O−CO−を形成し、
およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
10はRか、または基−(CH−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]
に相当する化合物およびこれらの化合物の塩であり、
およびRが一緒に基−OCO−を形成し、R、R、R、およびRがHを表し、RおよびRが−OHを表す化合物、およびこの化合物に対応する二カリウム塩、
およびRが一緒に基−O−CO−を形成し、RおよびRが−OCHを表し、RおよびRが−CHを表し、RおよびRがHを表す化合物、
、R、およびRが−O−CHを表し、Rが−COCHを表し、RおよびRがCHを表し、RおよびRがHを表す化合物、
を除く化合物、に関する。
上記のように、本発明はまた、前文に定義されたような化合物に対応する可能な塩も含む。
塩という表現は、先行する本文および以下の本文において、式(I)の化合物の不安定なプロトン上の無機塩基の作用から結果として生じるイオン化合物を意味するものと理解される。
したがって、本発明の化合物においてRがHを表すとき、対応する塩は以下の形状にあり、
Figure 2006507226
本発明の化合物においてRがHを表すとき、対応する塩は以下の形状にあり、
Figure 2006507226
上記の二つの塩の形状について、記号AはNa、Kといったアルカリ金属、またはアンモニウム陽イオンNH を表すことが可能である。
第一の除外された化合物については、カリウムの二塩は特に、下文の式(XII)によって表されるものであることが明記される。
本発明によれば、先行する本文および下文において、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基という表現は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル,ブチル,イソブチル、またはt−ブチル基といった不飽和炭化水素基を意味するものと理解されることが明記される。
式(I)において、RおよびRが一緒に基、−O−CO−を形成するとき、化合物は以下の式(II)、
Figure 2006507226
[式中、R、R、R、R、R、およびRは前文に示されたものと同様の定義に相当する]に相当する。これらの化合物は、特にラクトン環をもつ中央の環状単位の存在のおかげで、特に有効な抗酸化力によって特徴づけられる。
式(I)において、RおよびRはまた、水素原子のような、同じかまたは異なるラジカルを独立して形成してもよい。実例として、以下の式(III)、
Figure 2006507226
[式中、R、R、R、R、およびRはHを表し、RおよびRはCHを表し(上記の式ではMeで示されている)、Rは−OCHを表す(上記の式では−OMeで示されている)]の化合物が挙げられてよい。
基R9については、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、実例としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、またはt−ブチル基が挙げられてよい。
本発明の対象はまた、以下の式(I)
Figure 2006507226
[式中、
、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
はH、−OH、または−ORを表し、RはH、R、−CO、または
−CO−NHR10を表すか、またはRおよびRが一緒に−O−CO−を形成し、
およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
10はRか、または基、−(CH−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]
の化合物およびこれらの化合物の塩を調製する方法であり、
前記方法は、連続的に以下の式(IV)、
Figure 2006507226
[式中、
、R、およびRは前文に示されたものと同様の定義を有しており、
11およびR12は独立して−B(OR13)(OR14)または−Sn(R15を表し、
13およびR14は、同じかまたは異なっており、Hまたは1〜7個の炭素原子からなるアルキル基を表すか、またはR13とR14は一緒に、直鎖または分枝アルキレン基を形成し、
15はメチルまたはブチル基を表す]
の化合物を、以下の式(V)、
Figure 2006507226
[式中、
、R、R、R、およびRは、前文に示されたものと同様の定義に相当し
Xは脱離基を表す]
の化合物と反応させることにある段階であって、
前記反応が、塩基および、白金またはパラジウムを主成分とする触媒の存在下に行なわれる段階と、
任意に、式(I)の化合物に対応する塩を取得することを意図した処理の段階とを含む。R13およびR14が一緒に直鎖または分枝アルキル基を形成するとき、この基は、たとえば、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−C(CH−C(CH−、−CH(Ph)−CH−CH(Ph)−といった基のように、2から3個の炭素原子を含み、Phはフェニル基を表す。
好ましくは、脱離基Xは、F、Cl、Br、Iといったハロゲン、トリフラート−O−SOCF、nが1から8までの範囲の整数である式−O−SO−(CF−CFの基から選ばれる。
本発明によれば、白金またはパラジウムを主成分とする触媒は、式(IV)の化合物と、式(V)の化合物との間のカップリング反応が得られるように選択される。好ましくはこの触媒は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム PdCl(PPhまたはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム Pd(PPhといった、白金またはパラジウム錯体である。
本発明によれば、本方法の状況において使用される塩基は、たとえばNaOH、Ba(OH)、NaCO、KCO、CsCO、KPO、CHCOONa、CHCOOK、CHONa、CHCHONa、およびトリエチルアミンのようなアミンから選ばれる塩基である。
対応する塩の取得のために意図された任意の段階は、式(I)の化合物が取得されれば、この生成物を、たとえば無機塩基をそれと反応させることによって処理することにある。したがって、RがHを表するとき、水酸化カリウム溶液による処理は、対応するカリウムの二塩、他ならぬカリウムジカルボキシラートを得ることを可能にする。
本発明による方法が、反応条件に対し感受性である官能基を保護する段階を任意に含んでよいことが注目されるべきであり、これらの官能基は次いで前記方法の終わりに脱保護される。このような保護および脱保護の段階は、当業者の能力の範囲内の段階である。
さらに詳細な方法においては、式(I)の化合物の調製法は以下の方法で行なわれてよい。
第1の段階においては、式(IV)および(V)に相当する試薬は、不活性ガス雰囲気に、非プロトン性溶媒、たとえばテトラヒドロフラン(THF)中で、上記の適当な触媒と混合される。
次に、反応混合物をホモジナイズした後、塩基、たとえば炭酸水素ナトリウムが投入される。
反応混合物は次に、激しく撹拌しつつ、適当な時間、還流下に加熱される(すなわち式(I)の化合物の生成に必要な期間であり、薄層クロマトグラフィーのような通常の技術によって反応の進行をモニターすることが可能である)。
反応混合物は次に水を添加することによって処理される。水相は有機溶媒、たとえばジクロロメタンで抽出される。有機相は合わされ、乾燥され、次いで濃縮される。得られた生成物は、カラムクロマトグラフィーのような通常の技術により最終的に精製される。
本発明の化合物の調製法は、式(IV)および(V)の化合物を用いており、それらは市販のものでよく、あるいは本発明を実行する前に調製されてもよい。
したがって、R11およびR12が−B(OR13)(OR14)を表している式(IV)の化合物は、式(VI)、
Figure 2006507226
[式中、
、R、およびRは前文に示されたものと同様の定義を有し、
Yは、同じかまたは異なっており、たとえば、フッ素、塩素、臭素,ヨウ素、トリフラート−O−SO−CFといったハロゲンから選ばれる脱離基を表す]
のナフタレン由来の化合物を、以下の式、
Figure 2006507226
[R1314は前文に示されたものと同様の意味を有する]
の一つに相当するホウ素化合物と反応させることにより得られてよく、
前記反応は、塩基および、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムまたは、dppfが1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを意味するPdCl(dppf)のような、白金またはパラジウムを主成分とする触媒の存在下に行なわれる。
式(V)の化合物は、その部分だけは、以下の連続した段階、
a) 以下の式(VII)、
Figure 2006507226
[R、R、R、およびRは前文に示されたものと同様の定義を有する]
の酢酸フェニルの、塩基性媒体中での、式RO−CH−CO−OAlk[Rは前文に示されたものと同様の定義に相当し、Alk基は1から20個までの炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基である]のアルキルα−アルコキシ酢酸との反応であり、その最後には以下の式(VIII)、
Figure 2006507226
の化合物が得られ、
b)化合物(VIII)の、塩基性媒体中での、式(R16SiHal[R16は1から4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基であり、HalはF、Cl、Br、Iのようなハロゲンである]のシリル化された化合物との反応であり、その最後には以下の式(IX)、
Figure 2006507226
のジシリル化された化合物が得られ、
c)化合物(IX)の、塩化オキサリル(ClCO)との環化反応であり、最終的に以下の式(X)
Figure 2006507226
の化合物が得られ、
d)化合物(X)の、ラクトン環の−OHとの反応によって脱離基Xを形成することが可能な試薬との反応であり、最終的に式(V)の化合物が得られる、
を含む方法により得られてよい。
実例として、この脱離基Xはハロゲン、トリフラート−O−SO−CF、または式−O−SO−(CF−CF[nは1から8までの範囲の整数である]の基から選ばれてよい。
上記の式において、記号
Figure 2006507226
によって表された結合が、問題になっている化合物がそれらの様々な異性体の形状で存在可能であることを意味することに注目されるべきである。
したがって、a)の段階においては、反応は塩基性の媒体中で行なわれており、この媒体は化合物(VII)の−CO基に関してα位に位置する−CH−基を脱プロトン化するためのものである。この塩基性媒体は、たとえばリチウムジイソプロピルアミド(またはLDA)溶液でよい。このようにして形成された反応種は、アルキルα−アルコキシ酢酸と融合され、生成物(VIII)を生じる。b)およびc)の段階は、化合物1,3−ビス(トリアルキルシロキシ)−1,3−ブタジエン(IX)を合成し、続いて環化することにあるが、ランジャー(Langer)による、出版物「Domino Reaction of 1,3-bis(trimethysilyloxy) 1,3-diens with Oxalyl Chloride : General and Stereoselective Synthesis of γ-Alkylidenebutenolides」、ランジャー(P. Langer )ら、Chem. Eur. J.、2000年、第6巻,第7号、p.3204−3214」において明確に述べられたものなどの研究から応用されている。
最後に、段階d)は当業者の能力の範囲内の任意の反応タイプによって考慮されてよく、前記反応は−OH基を、トリフラート、またはフルオロアルキルスルホネート−SO−(CF−CF[nは1から8までの範囲の整数である]のような官能基に転換することを可能にする。
実例としては、脱離基Xがトリフラート基(OTfによって記号化される)であるとき、式(V)の化合物の参照5a形成部分と呼ばれる化合物は、以下の特有の反応図に従って合成されてよい。
Figure 2006507226
この特有の合成図によれば、トリフラート(5a)は、ピリジンのような塩基の存在下に、対応するアルコール(X)からトリフリック酸無水物(TfO)を用いた処理により調製される。アルコール(X)は、適当に置換された1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ブタジエン(9a)の、塩化オキサリルとの、メチルトリフラートにより触媒される反応に由来する。この環化反応、および1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ブタジエン(9a)の調製は、前文に述べたものと同様に、ランジャーによる研究から応用される。1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ブタジエン(9a)のβ−ケトエステル(VIII)先駆体は、対応する酢酸フェニル(VII)から形成されるリチウムエノレートの、メチルα−アルコキシ酢酸との反応によって得られる。
本発明者らは、驚いたことに、第1の目的において定義されたような化合物(I)、および除外された化合物もまた、抗酸化剤組成物の製造のための有効な抗酸化剤として使用されてよいことを発見した。
したがって、本発明の対象はまた、以下の式(I)およびその塩の、抗酸化剤である
Figure 2006507226
[式中、
、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
はH、−OH、または−ORを表し、RはH、R、−CO、または
−CO−NHR10を表すか、またはRおよびRが一緒に−O−CO−を形成し、
およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
10はRか、または基−(CH)a−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]。
とRが一緒に−O−CO−を形成するとき、抗酸化剤は前文に定義された式(II)の化合物のものと同様の化学構造を有する。
式(II)のこのような化合物の中では、二酸の形状にあるノルバジオンが挙げられてよく、それに関してRおよびRは−OHを表し、RおよびRは一緒に−O−CO−を形成し、R、R、R、およびRはHを表す。二酸の形状にあるノルバジオンは、以下の式(XI)により表されてよい。
Figure 2006507226
本発明の抗酸化剤の中ではまた、二カリウム塩の形状にあるノルバジオンも挙げられてよく、したがってそれは以下の式(XII)(これには二つの形状、(a)および(b)があってよい)によって表されてよい。
Figure 2006507226
ノルバジオンは、現在までに二種の真菌類から抽出されている天然生成物である。それは、「Pigments from the cap cuticle of the Bay Boletus」、(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.)、1984年、第23巻、第6号に記述されているような、ごく一般大衆向けの食用種である、ゼロコムス・バディウス(Xerocomus badius)の傘の色素の一つからなる。
それはまた、「A naphtalenoid pulvinic acid derivative from the Fungus Pisolithus Tinctorius」」という表題の論文、(Phytochemistry)、1985年、第24巻、第6号、p.1351−1354によって示されたように、コツブタケ(Pisolithus tinctorius)においても見いだされている。
ノルバジオンは、これらの菌類からニカリウム塩の形状(式XII)で抽出され、塩酸溶液を用いた処理により、対応する二酸(式XI)へ転換されてよい。
本発明者らは驚いたことに、ノルバジオンの抗酸化活性を証明した。
それらの特に有効な抗酸化活性により、式(I)の抗酸化剤は抗酸化剤組成物,特に薬剤組成物、化粧品組成物、または食品組成物のための抗酸化剤組成物の製造において使用されることが可能である。
したがって本発明は、少なくとも一つの、前文に定義されたような本発明による抗酸化剤と、製薬上許容される賦形剤とを含んでなる薬剤組成物に関する。
製薬上許容される賦形剤という表現は、抗酸化剤と同時に個体へ投与されてよく、かつ望ましくない影響を及ぼさない賦形剤を意味するものと理解される。
このような薬剤組成物は、オキシダントストレスから結果として生じる疾患の治療のために使用されてよい。
したがって、本発明の薬剤を含んでなるこれらの薬剤組成物は、炎症性疾患、特にアレルゲンとの反応において、結果としてサイトカインの産生を生じる疾患の治療のために使用されてよい。
たとえば、二酸の形状(式XI)または(式XII)にあるノルバジオンを含んでなる薬剤組成物は、リポサッカライドのようなアレルゲンによって感染された宿主において、サイトカインTNF−αおよびIL−10の産生の低減に向けて、線量依存性の方式で貢献しており、そのことは、本発明の抗酸化剤組成物が抗炎症性活性を示すことを証明している。
これらの薬剤組成物はまた、細胞におけるフリーラジカルの蓄積に続くアポトーシスに対し、前記細胞を保護する効果をもたらすべく使用されてよい。
したがってこれらの組成物は、フリーラジカルの産生を誘導する電離放射線に暴露された生きた細胞または生物を、予防的または治療的に処置するために使用されてよい。
結果として、これらの組成物は、電離放射線(たとえば、放射性物質によって汚染された領域から発するもの)または紫外線の、前記放射線を受けた細胞に対する影響を打消すことが可能であるが、それはこれらの組成物中に取入れられた本発明による抗酸化剤が、これらの生きた細胞または生物に対する前記放射線の作用によって形成されるラジカルを捕捉するからである。
これらの組成物はまた、フリーラジカルの産生を誘導する薬の副作用を阻害するためにも用いられてよい。結果としてこれらの組成物は、シスプラチンの場合のように、その副作用によってオキシダントストレスを生じるような薬の細胞毒性を弱めることが可能である。
言換えれば、本発明は、炎症性疾患の治療を目的とした薬剤組成物の製造のための、前文に定義されたような抗酸化剤の使用に関する。
本発明は、電離放射線に暴露された、生きた生物の治療を目的とした薬剤組成物の製造のための、前文に定義されたような抗酸化剤の使用に関する。
本発明は最終的に、フリーラジカルの産生を誘導する薬の副作用を阻害することを目的とした薬の製造のための、前文に定義されたような抗酸化剤の使用に関する。
本発明によれば、治療という表現は、予防的であってよいが治癒的であってもよい処置を意味するものと理解される。
上記のような本発明による抗酸化剤を取入れたこれらの組成物の活性についてのさらなる詳細は、本明細書の詳細な部分において明確に述べられるであろう。
本発明の対象はまた、本発明による抗酸化剤の少なくとも一つを取入れている化粧品組成物である。
このような化粧品組成は、局所皮膚への使用を目的とした、クリーム、オイルといった種々の形状において提供されてよく、抗酸化剤の役割は、化粧品組成物が適用される皮膚表面においてフリーラジカルを捕捉することである。本発明による組成物はこのように、特にフリーラジカルの蓄積によって引き起される皮膚の加齢のプロセスを遅らせることに貢献する。
最後に、本発明の対象は、本発明による抗酸化剤の少なくとも一つを含んでなる食品組成物である。本発明による抗酸化剤は特に、オイルおよびバターといった、それらが古くなるにつれてフリーラジカルを産生する可能性のある食品組成物において、添加物として使用されてよい。
薬剤、化粧品、または食品組成物に入ってもよい特に有効な抗酸化剤は、前文に定義されたような、式(XI)または(XII)の薬剤に相当する。
本発明の他の利点および特徴は、以下の、単なる例として制限することなく示された記載を、添付の図面を参照して読めば、さらに明らかになるであろう。
実施例1〜5は、二酸または二塩の形状にあるノルバジオンの抗酸化特性を例証している。
実施例6は、これもまた抗酸化活性を示す式(III)の化合物の全合成の実例を例証する。
実施例1
ノルバジオンの抗酸化活性の評価
ノルバジオンの二カリウム塩の抗酸化活性の評価は、インビトロでのスクリーニングによって行なわれた。
この試験は、種々の抗酸化剤の存在下に様々なオキシダントストレスを受けたチミジンの分解をモニターすることに基づいており、それらは本発明による二カリウム塩のノルバジオン(図1〜3ではNor−Bと呼ばれる)および以下の抗酸化剤、図1〜3におけるケルセチン(1)、フィセチン(2)、ミリセチン(3)、カテキン(4)、7−ヒドロキシ−4−メチル−8−ニトロクマリン(5)、トロロックス(6)である。
抗酸化剤の存在下で、チミジンはその抗酸化剤の性質に応じて多かれ少なかれ有効に保護される。抗酸化剤の効力は、残りのチミジンをいわゆる「競合」ELISA型の免疫酵素検定法の助けを借りて検定することにより定量される。このELISA検定は、検定の終わりに残存しているチミジンと酵素(アセチルコリンエステラーゼ)で標識されたチミジンとの間で、固相に付着されたチミジン特異モノクローナル抗体への結合について競合を引き起すことにある。洗浄の後、結合した酵素は5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(エルマン(Ellmann)の試薬と呼ばれる)を使い、かつアセチルコリンの存在下での比色検出法により定量される。
三つのシリーズの試験、
- 第一のシリーズは、セシウム137によって誘導されるガンマ線照射(3時間30分)に続いて残存するチミジンを検定することにあり、試験開始時に存在する前記チミジンの濃度は15μM、抗酸化剤濃度は12μMであり(図1)、
- 第二のシリーズは、5mMのHの存在下における254nm(1.75J/cm)での紫外線照射に続いて残存するチミジンを検定することにあり、試験開始時に存在する前記チミジンの濃度は70μM、抗酸化剤濃度は100μMであり(図2)、
- 第三のシリーズは、化学的なオキシダントストレス(フェントン試薬 0.35mMFeSO/EDTA、35mMH存在下)を受けた残存チミジンを検定することにあり、試験開始時に存在する前記チミジンの濃度は70μM、抗酸化剤濃度は20μMである(図3)、
が使用された。
これらの試験の結果は、第一シリーズについては図1に、第二シリーズについては図2に、また第三シリーズについては図3に、各々一緒にまとめられている。
図1〜3はノルバジオンが最良の抗酸化剤能をもつことを明確に示しており(後者は、オキシダントストレスの作用の後に残存するチミジンのパーセントを測定することにより定量され、%が図1〜3のグラフのy軸上に表されている)、たとえば、茶またはワインから得られ、その強力な抗酸化剤特性で評判のケルセチン(1)に比較して、また他の通常の抗酸化剤(2)、(3)、(4)、(5)、および(6)に比較されている。
実施例2
ノルバジオンの抗炎症能の評価
この実施例では、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの抗酸化剤活性によって誘導される、抗炎症性の生物学的作用が、アレルゲン性リポサッカライドによる処理を通じて単球型細胞によって産生されるサイトカインを検出することにより証明される。このリポサッカライドは、グラム陰性細菌の外膜上に局在するエンドトキシンである。それは特に、感染された宿主の単核細胞(単球、ミクロファージ)による前炎症性サイトカインの産生を刺激する。
もし試験生成物が存在する状態でサイトカインの産生に変化が証明されるなら、そのことから、この生成物が抗炎症性活性をもつことが推測される。
この試験は以下の方式で行なわれる。健康な供与者からのヒトの血液細胞(「末梢血流量単核球」をPBMCと呼ぶ)は、増加する濃度(10−8Mから10−5Mまで)の二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンとともに、5μg・ml−1の濃度のウマ流産菌(Salmonella abortus equi)のリポ多糖による同時の活性化を用いて、または用いずに、24穴培養皿中で、5%COおよび95%空気の加湿された雰囲気下に、37℃において24時間インキュベートされる。インキュベートの後上清は除去され、試験が行われるまで−20℃に貯蔵される。
さらに明確には、試料中に存在するサイトカインの検出は、「サンドイッチ」タイプのサイトメトリーによるELISA検定によって測定される。(FL−3の発光波長が650nmの、各々異なる量の蛍光色素で標識されている6つの異なるタイプの)ポリスチレンの微粒子(ビーズ)は、二つのサイトカインTNFα、IL−2、IL−10の一つに特異的な抗体に結合される。Ab−PS型抗体はこのようにして取得される。インキュベーションの間に、試料中に存在するサイトカインはAb−PS抗体へ結合する。捕捉されたサイトカインは、約585nmのFL−2の波長において発光するフィコエリトリンに結合された、各々のサイトカインに特異的な二つの抗体(Ab−PE)を用いた直接的に行なわれる免疫試験により検出される。過剰のAb−PEを洗浄した後、サイトカインの存在はフローサイトメトリーにより測定される。
蛍光は、六つのFL−3の蛍光強度に基づき、またFL−2の波長に基づき測定される。FL−3の蛍光の強さは、試料中に存在する各サイトカインの量を測定することを可能にする(標準曲線との比較において)。
さらに、この技術に関する情報は、クック(Cook)らによる論文、Journal of Immunological Methods、2001年、第245巻、p.109−118において入手可能である。
これらの試験の結果は、図4および5に一緒にまとめられており、それらは%で示されたパーセント応答(すなわち生成物が添加されなかった対象を通じて観察された量に比べた、観察されたサイトカインの量)を、前記図において[Nor−A]または[Nor−B]と書かれた、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの濃度(nMで)の関数として示している。
二酸の形状(Nor−A)の形状にあるノルバジオン(図4)か、または二カリウム塩の形状(Nor−B)にあるノルバジオン(図5)の存在下で、試験は、サイトカインTNF−αおよびIL−10の産生における有意な線量依存性の減少を示しており、そのことはノルバジオンの抗炎症性の効果を証明している。
実施例3
電離放射線に暴露された細胞の防護におけるノルバジオン活性の評価
この試験は、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの存在下または非存在下に、電離放射線で処理された細胞の生存を、ミトコンドリアのようなある細胞内小器官用の選択的な指標を用いて測定することにある。
二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの試料は、RDM4細胞培養物(AKRマウスリンパ腫)に対し、濃度を増しつつ(0.12から20μg/mlまで)、照射の2時間前に添加される。このことは、細胞を含有しているマクロテストプレートを、15MVのX線に8Gyで暴露することによって行なわれる。
生きている細胞の数は、6日目に、ウプツィブルー(Uptiblue)試験(細胞のミトコンドリア活性を測定することにある)によって測定される。ウプツィブルー試薬(レアズリン(reazurin)、商標アラマーブルー(ALAMAR BLUE)でも販売)は、着色された酸化還元指示薬である。レアズリン(青色かつ非蛍光性)は、生きた細胞によりレゾルフィン(桃色かつ蛍光性)に還元される。
実験的には、ウプツィブルー(培養液中で1/4に希釈された)は、200μlのウェルあたり20μlの量で細胞に添加される。37℃において4時間のインキュベーションの後、蛍光は蛍光マイクロプレートリーダー(フルオロライト(Fluorolite)1000、ダイネックス(Dynex))を使って530nmの波長における励起後に、590nmの波長において測定された。蛍光強度は生細胞の数に比例する。それは「任意の蛍光単位(arbitrary fluorescence unit)」として表される。この値は、装置の設定(特に電圧)およびバックグラウンドのノイズ(細胞を含有していないがウプツィブルーを含有しているウェルによって発せられる蛍光による)に依存する。後者は実験値から差引かれる。
この試験の結果は図6に一緒にまとめられており、それは生細胞数の定量を可能にする観察された蛍光を表しており、前記蛍光は二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの濃度[Nor−A]または[Nor−B](μg/mlで)の関数として、グラフのy軸上の任意の蛍光単位(A.F.U)として表されている。この図では、ノルバジオン濃度の関数としての生細胞数に大きな増加が観察される。
しかしながら、20μg/mlのノルバジオン濃度からは、この値はかなり減少する。
したがってこのことから、二塩または二酸の形状にあるノルバジオンは電離放射線に対し、有意かつ線量依存性の方式で細胞を防御することが推測される。
照射なしでは、ノルバジオンはたとえ20μg/mlであっても、RDM4細胞の成長および生存率に影響しない。
実施例4
シスプラチンの作用を受けた細胞の防御におけるノルバジオンの活性の評価
この検査は、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの存在下に、シスプラチンで処理された細胞の生存を測定することにある。
ヒトの甲状腺癌K細胞は、二酸または二カリウム塩の形状にある単一濃度のノルバジオン(20μg/ml)の存在下に、96穴平底プレートにおいて培養される。2時間後、遺伝毒性剤、シスプラチンが濃度を増して(12から100μmまで)培養液に添加される。2日後細胞数は、細胞タンパク質の量を定量するスルホローダミンB(SRBと呼ばれる)試験により測定される。
スルホローダミンB(SRBと呼ばれる)は、細胞タンパク質に対し静電的に結合するアニオン染料である。この試験は、新規の抗癌剤の細胞毒性および分子標的活性の評価のために頻繁に用いられる。
この技術に関するさらなる情報は、パパジシス(Papazisis)らによる論文「Optimization of the sulforhodamine B colorimetric assay」,(J. Immunol. Meth)、1977年、第208巻、p.151−158において入手可能である。
この試験の結果は図7に一緒にまとめられており、(任意の蛍光単位として表された)SRBの添加後に観察された蛍光を、シスプラチン濃度(μMで)の関数として表している。
この図では、シスプラチンの細胞毒性が、二塩(曲線a)または二酸(曲線b)のノルバジオンの存在により、シスプラチンの細胞毒性がノルバジオンの不在下に評価された場合(曲線cおよびd)と比較して非常に著しく減衰することを観察することができる。
シスプラチンに対して細胞を防御するためのこの活性は、ノルバジオンの抗酸化活性からの結果である。
実施例5
ラット大動脈環に対するノルバジオンの影響
この実施例の目的は、ラット大動脈環に対する二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの抗酸化活性を示すことである。
これらのシリーズの試験は、ラット大動脈環に対するノルバジオンの抗酸化活性を証明する。
第一のシリーズの試験では、ラット大動脈環は超酸化物を発生するピロガロールを受けるが、これらのラジカルはラット大動脈環の収縮を誘導し、このような環の収縮速度がノルバジオンの不在下に測定される。
第二の例においては、上記と同様の条件の下で同じ操作が、今度はノルバジオンの存在下に繰返される。
これらの結果は一緒に図8にまとめられており、ノルバジオンの不在下(曲線a)および100μMの濃度のノルバジオンの存在下(曲線b)における、ピロガロール[Pyr](μM)濃度の関数としての、環の血管収縮率C(g)を表している。
曲線(a)は曲線(b)の上に位置することが観察され、ピロガロールによって発生されたフリーラジカル反応性の酸化された化学種をノルバジオンが捕捉するという事実から、ピロガロールによって引き起こされる大動脈環収縮がノルバジオンの存在下に抑制されることを意味している。
第二のシリーズの試験では、ラット大動脈環は、NOラジカルを発生しラット大動脈環の弛緩を誘導するSYN−1(3−モルホリノシドノンイミン、3−morpholinosydnonimine)を受け、これらの環の弛緩率が測定される。ノルバジオンの存在下で、環の弛緩率が上記と同様の条件下に測定される。結果は図9に示されており、環の血管弛緩率R(%)を、ノルバジオンの不在下(曲線a)および存在下(100μM)(曲線b)において、Sin−1の濃度[Sin−1](μM)の関数として表している。
曲線(a)は曲線(b)の下に位置することが観察され、このことは、ノルバジオンがNOラジカルを部分的に捕捉することから、SYN−1によって引き起こされる大動脈環の弛緩がノルバジオンの存在下に低減されることを意味している。
実施例6
式(III)の化合物の調製
この実施例は、式(III)の化合物の調製の実施例を提示している。
Figure 2006507226
この化合物は、式(I)の化合物の一般的な定義と一致しており、R、R、R、R、およびRはHを表し、RおよびRは−CHを表し、Rは−OCHを表す。
この化合物の合成は、以下の反応スキームに相当し、
Figure 2006507226
式(III)の分子の形成のためのいわゆる「スズキ」カップリンブがそれに続き、該カップリングには化合物(4a)の合成が先行する。
Figure 2006507226
H NMRおよび13C NMR結果の化学シフトが記号δで表され、かつppmで表されていることが明示される。
a)化合物(8a)の調製
100mlの二口フラスコ内で、4−メトキシフェイルアセテート(7a)(4.7ml)、29.6mmol、2eq)はTHF(15ml)中に溶解され、混合物は−70℃あたりまで冷却される。ヘプタン中のリチウムジイソプロピルアミドの2M溶液(15ml、30mmol、2eq)が注射器を用いて滴下添加され、混合物は−70℃あたりにおいて1時間保持される。メチルメトキシアセテート(1.5ml、15mmol、1eq)が注射器により添加され、混合物は徐々に室温までもどしつつ5時間にわたって反応するべく放置される。飽和塩化アンモニウム溶液による加水分解の後、水相はジクロロメタンで3回抽出され、MgSO上で乾燥され、濾過される。蒸発の後、オレンジ色の油が得られ、シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出液、ペンタン/酢酸エチル:8/2)により分析される。2.93gの生成物がこのようして得られる。外見、黄色の固体、m.p.:44℃、収率:77%)。
H NMR(CDCl):δ=3.37(s、3H、OMe);3.75(s,3H、OMe);3.81(s、3H、COMe);4.06および4.10(AB、JAB=17.1 Hz、2H、CH);4.90(s、1H、CH);6.91(d、J=8.5Hz、2H、Ph);7.26(d、J=8.5 Hz、2H、Ph)。
13C NMR(CDCl):δ=52.5;55.2;59.3;59.8;69.6;113.6;114.2;123.7;130.6;132.0;159.5;169.0;202.0。
IR(KBr、cm−1):1612;1741;2836;2960;3113;3434。
元素分析(%):C1316の計算値:C=61.90;H=6.39;実測値 C=62.03;H=6.44。
b)化合物(9b)の調製
前文で調製された縮合産物(8a)(5.65g;22.4mmol;1eq)は、100mlの丸底フラスコ内でTHF(47ml)中に溶解される。トリエチルアミン(3.7ml;26.6mmol;1.2eq)および次に塩化トリメチルシリル(3.7ml;29mmol;1.3eq)が注射器を用いて添加された。白色沈殿物の形成が直ちに観察される。混合物は室温において一晩反応するべく放置される。THFの蒸発の後、残渣はペンタン中に取出される。形成された沈殿物は焼結ガラス上で、次にミリポア5μm上で濾過され、ペンタンですすがれる。蒸発の後、7.28gのオレンジ色の油が得られる。
得られたモノシリル化された誘導体(7.27g;22.4mmol;1eq)は、100mlの丸底フラスコ内に置かれ、THF(33ml)中に溶解される。混合物は−70℃あたりまで冷却される。ヘプタン中のLDA(リチウムイソプロピルアミド)の2M溶液(11.2g;22.4mmol;1eq)が注射器を用いて滴下添加され、混合物は−70℃あたりにて1時間保持される。塩化トリメチルシリル(3.4ml;26.7mmol;1.2eq)が注射器により添加され、混合物は3時間かけて室温にもっていかれる。THFの蒸発後,残渣はペンタン中に取出され、形成された白色沈殿は焼結ガラス上で、次いでミリポア5μm上で濾過される。濃縮の後、8.52gのオレンジ色の油が得られる。収率=95%。この試料中には二つの幾何異性体が存在する。
H NMR(CDCl)δ:=0.04(s、9H、OSiMe主要異性体);0.05(s、9H、OSiMe微量異性体);0.28(s、9H、OSiMe微量異性体);0.30(s、9H、OSiMe主要異性体);3.46(s、3H、OMe主要異性体);3.49(s、3H、OMe微量異性体);3.51(s、3H、OMe微量異性体);3.56(s、3H、OMe主要異性体);3.80(2s、2*3H、OMe微量異性体およびOme主要異性体);5.62(s、1H、CH主要異性体);5.95(s、1H、CH微量異性体);6.83(d、J=8.5 Hz、2H、Ph);7.24−7.31(m、2H、Ph)。
c)化合物(10a)の調製
1lの三口フラスコ内で、前文で調製されたビスシリル化誘導体(9b)(8.52g;21.4mmol;1eq)はジクロロメタン(400ml)中に溶解され、混合物は−70℃あたりまで冷却される。塩化オキサリル(2.5ml;28.6mmol;1.3eq)が注射器により添加され、媒体はオレンジになる。ジクロロメタン(120ml)中のトリメチルシリルトリフラート(1.2ml;6.6mmol;0.3eq)溶液が滴下漏斗を用いて1時間かけて注入される。冷浴はドライアイスで充満され、反応媒体が一晩かけて非常にゆっくりと室温にもどされるようにする。飽和NaCl溶液による加水分解の後、混合物はジクロロメタンで3回抽出され、MgSO上で一晩乾燥され、濾過および濃縮される。7.95gの茶色の固体が回収される。シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ペンタン:1/1)の後、3.53gの生成物(5’)が得られる。外観:黄色固体、m.p.=160℃、収率:54%、異性体(E)。
H NMR(CDCl):δ=3.85(s、3H、OMeまたはCOMe);3.87(s、3H、COMeまたはOMe);4.16(s、3H、OMeフェニル);6.96−9.99(m、2H、Ph);7.47−7.50(m、2H、Ph)。
13C NMR(アセトン−d)δ:=52.3;55.2;59.8;113.5;114.5;124.6;130.6;131.7;139.9;143.3;160.4;164.5;167.3。
IR(KBr、cm−1):1667;1731;3239;3295。
元素分析(%):C1514:計算値C=58.82;H=4.61;実測値C=59.7;H=4.92。
d)化合物(5b)の調製
250mlの丸底フラスコ内で、前文で調製されたアルコール(10a)(3.24g;10.6mmol;1eq)はジクロロメタン中(100ml)に懸濁され、混合物は−70℃あたりまで冷却される。ピリジン(2.2ml;27mmol;2.5eq)および次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.2ml;13mmol;1.2eq)が注射器により添加される。6時間にわたって室温にもどした後、混合物は加水分解され、水で3回洗浄され、MgSO上で乾燥され、濾過および濃縮される。シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン)の後、3.14gのトリフラート(VI)が単離される。外観:黄色固体、m.p.=93℃、収率:68%、異性体(E)。
H NMR(CDCl)δ:=3.85(s、3H、OMe);3.90(s、3H、OMe);4.29(s、3H、OMe);6.94(d、J=9.2 Hz、2H、Ph)。
13C NMR(CDCl):δ=53.1;55.5;61.1;114.6;116.4;120.6;122.6;129.4;131.4;135.7;155.8;161.3;166.1。
質量[m/z(%)]:456(100)(M+NH );439(11)(M+1)。
IR(KBr、cm−1):1604;1643;1667;1733;1744;1783;1802;2961。
e)化合物(4a)の調製
1,7−ジヒドロキシナフタレン由来のビストリフラート(157mg;0.98mmol)、ピナコールボラン(0.44ml;3mmol)、PdCl(44mg;0.06mmol)、トリエチルアミン(0.84ml;6mmol)、およびあらかじめ 脱気されたジオキサン(8ml)は50mlの二口フラスコ内に投入され、アルゴン雰囲気下に置かれる。混合物は還流下に2時間、撹拌しながら加熱される。20mlの水を用いた加水分解の後、水相はジクロロメタンで3回抽出される。有機相は合わされ、MgSO上で乾燥され、濾過および濃縮される。シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン:酢酸エチル:8/2)は、104mgのホウ素含有誘導体の単離を可能にする;収率:43%。
H NMR(CDCl):δ=1.43および1.49(2s、各々12H、Me);7.55(t、1H、J=6.7 Hz、 g);7.88(m、2H);7.97(d、1H、J=6.7 Hz);8.09(d、1H、J=6.7 Hz);9.31(s、1H)。
13C NMR(CDCl):δ=24.8;83.6;126.9;128.2;125.7;127.2;129.8;130.1;130.9;134.7;136.0;136.5。
f)最終化合物(III)の調製
前文で調製されたトリフタラート(5b)(214mg;0.488mmol;2.1eq)、1,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ナフタレン(89mg;0.234mmol;1eq)(4b)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(19mg;0.003mmol;0.1eq)および20mlのあらかじめ脱気されたTHFは、50mlの二口フラスコ内へ投入され、アルゴン雰囲気下に置かれる。2Mの炭酸水素ナトリウム水溶液(4.8ml)が添加される。混合物は還流下に3時間加熱される。30mlの水による加水分解の後、水相はジクロロメタンで3回抽出される。有機相は合わされ、MgSO上で乾燥され、濾過および濃縮される。シリカカラム上でのクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン:酢酸エチル:6/4)は、104mgの化合物( )の単離を可能にする。外観:黄色固体。収率:63%。
H NMR(CDCl):δ=3.63(s、3H、エノール性OMe);3.80(s、3H、フェノール性OMe);3.86;3.87;3.90;3.92(4s、各々3H、フェノール性OMe、COMe);6.94−6.99(m、4H、CHCOMe);7.57−7.59(m、2H);7.66−7.74(m、5H);7.90(s、1H);7.96−7.99(m、2H)。
13C NMR(CDCl):δ=52.6;55.2;60.6;61.5;103.4;106.5;114.1;116.9;123.2;125.9;126.5;127.3;127.5;128.7;129.3;130.1;130.6;130.7;131.3;133.1;139.4;139.5;160.3;163.0;164.0;166.8;168.0。
元素分析(%):C403212についての計算値:C=68.18;H=4.58;実測値C=68.03;H=4.83。
図1、2、および3は、通常の抗酸化剤と比較した、二ナトリウム塩の形状にあるノルバジオンの抗酸化活性を例証したグラフであり、前記抗酸化活性は、放射性の(図1では137Csまたは、図2では紫外線により放射されるγ線)、あるいは化学的な性質の(図3)オキシダンドストレスを受けたチミジンの分解をモニターすることによって示されている。 図4および5は、アレルゲンに暴露された細胞による、あるサイトカインの産生を測定することにより、二酸の形状(図4)または二カリウム塩の形状(図5)にあるノルバジオンの抗炎症作用を例示しているグラフである。 図6は、電離放射線に暴露された細胞に対する、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの防御活性を例示しているグラフである。 図7は、シスプラチンの活性に暴露された細胞に対する、二酸または二カリウム塩の形状にあるノルバジオンの防御活性を例示しているグラフである。 図8は、ラット大動脈環の血管収縮C(g)(gはグラムを意味する)を、ノルバジオンなしで、および100μMのノルバジオンの存在下における、ピロガロールの濃度[Pyr](μM)の関数として表しているグラフである。 図9は、ラット大動脈環の血管弛緩R(%)を、ノルバジオンなしで、および100μMのノルバジオンの存在下における、Sin−1の濃度[Sin−1](μM)の関数として表しているグラフである。

Claims (17)

  1. 以下の式(I)、
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
    はH、−OH、または−ORを表し、RはH、R、−CO、または
    −CO−NHR10を表すか、またはRおよびRが一緒に−O−CO−を形成し、
    およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
    は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
    10はRか、または基−(CH−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]
    に相当する化合物およびこれらの化合物の塩であり、
    およびRが一緒に基−OCO−を形成し、R、R、R、およびRがHを表し、RおよびRが−OHを表す化合物、およびこの化合物に対応する二カリウム塩、
    およびRが一緒に基−O−CO−を形成し、RおよびRが−OCHを表し、RおよびRが−CHを表し、RおよびRがHを表す化合物、
    、R、およびRが−O−CHを表し、Rが−COCHを表し、RおよびRがCHを表し、RおよびRがHを表す化合物、
    を除く化合物。
  2. およびRが一緒に基、−O−CO−を形成し、前記化合物が以下の式(II)、
    Figure 2006507226
    [式中、R、R、R、R、R、およびRは請求項1に示されたものと同様の定義に相当する]
    に対応する、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の式(III)に相当する化合物。
    Figure 2006507226
  4. 以下の式(I)、
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
    はH、−OH、または−ORを表し、RはH、R、−CO、または
    −CO−NHR10を表すか、またはRおよびRが一緒に−O−CO−を形成し、
    およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
    は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
    10はRか、または基、−(CH−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]
    の化合物およびこれらの化合物の塩を調製する調製法であり、
    前記調製法が、以下の式(IV)、
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、およびRは請求項1に示されたものと同様の定義を有しており、
    11およびR12は独立して−B(OR13)(OR14)または−Sn(R15を表し、
    13およびR14は、同じかまたは異なっており、Hまたは1〜7個の炭素原子からなるアルキル基を表すか、またはR13とR14が一緒に、直鎖または分枝アルキレン基を形成し、
    15はメチルまたはブチル基を表す]
    の化合物を、以下の式(V)、
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、R、R、およびRは、請求項1に示されたものと同様の定義に相当し、
    Xは脱離基を表す]
    の化合物と反応させることにある段階であって、
    前記反応が、塩基および、白金またはパラジウムを主成分とする触媒の存在下に行なわれる段階と、
    任意に、式(I)の化合物に対応する塩を取得することを意図した処理の段階とを、連続的に含む調製法。
  5. 前記白金を主成分とする触媒が、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである、請求項4に記載の調製法。
  6. 11およびR12が−B(OR13)(OR14)を表している式(IV)の中間化合物が、式(VI)、
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、およびRは請求項1に示されたものと同様の定義を有し、
    Yは、同じかまたは異なっており、脱離基を表す]
    のナフタレン由来の化合物を、以下の式、
    Figure 2006507226
    [R1314は請求項4に示されたものと同様の意味を有する]
    の一つに相当するホウ素化合物と反応させることにより調製され、
    前記反応が塩基および、白金またはパラジウムを主成分とする触媒の存在下に行なわれる、請求項4または5記載の調製法。
  7. 中間化合物(V)が、以下の段階の連続、
    a) 以下の式(VII)、
    Figure 2006507226
    [R、R、R、およびRは請求項1に示されたものと同様の定義を有する]
    の酢酸フェニルの、塩基性媒体中での、式RO−CH−CO−OAlk[Rは請求項1に示されたものと同様の定義に相当し、Alk基は1から20個までの炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基である]のアルキルα−アルコキシ酢酸との反応であり、その最後には以下の式(VIII)、
    Figure 2006507226
    の化合物が得られ、
    b)化合物(VIII)の、塩基性媒体中での、式(R16SiHal[R16は1から4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基であり、HalはF、Cl、Br、Iのようなハロゲンである]のシリル化された化合物との反応であり、その最後には以下の式(IX)、
    Figure 2006507226
    のジシリル化された化合物が得られ、
    c)化合物(IX)の、塩化オキサリル(ClCO)との環化反応であり、最終的に以下の式(X)
    Figure 2006507226
    の化合物が得られ、
    d)化合物(X)の、ラクトン環の−OHとの反応によって脱離基Xを形成することが可能な試薬との反応であり、最終的に式(V)の化合物が得られる、
    によって調製される、請求項4〜6のいずれかに記載の調製法。
  8. 以下の式(I)およびその塩の、抗酸化剤
    Figure 2006507226
    [式中、
    、R、R、およびRは同じかまたは異なっており、H、−OH、または−ORを表し、
    はH、−OH、または−ORを表し、
    はH、R、−CO、または−CO−NHR10を表すか、
    または、
    およびRが一緒に−O−CO−を形成し、
    およびRは、同じかまたは異なっており、HまたはRを表し、
    は、1から20個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を表し、
    10はRか、または基−(CH−NH−(CH−NHを表し、aおよびbは同じかまたは異なっており、2から4までの範囲の整数である]。
  9. とRが一緒に−O−CO−を形成し、以下の式(II)、
    Figure 2006507226
    [R、R、R、R、R、およびRは、請求項8に示されたものと同様の定義を有する]
    に相当する、請求項8に記載の抗酸化剤。
  10. 、R、R、およびRが水素原子に相当し、RおよびRは−OHを表し、前記化合物が以下の式(XI)、
    Figure 2006507226
    に対応する、請求項8に記載の抗酸化剤。
  11. 請求項10の式(XI)の化合物の二カリウム塩に相当し、前記二塩が以下の式(XII)、
    Figure 2006507226
    に相当する(a)および(b)の二つの形状において存在する、請求項8に記載の抗酸化剤。
  12. 少なくとも一つの、請求項8〜11のいずれかに記載の抗酸化剤と、製薬上許容される賦形剤とを含んでなる薬剤組成物。
  13. 少なくとも一つの、請求項8〜11のいずれかに記載の抗酸化剤を含んでなる化粧品組成物。
  14. 少なくとも一つの、請求項8〜11のいずれかに記載の抗酸化剤を含んでなる食品組成物。
  15. 炎症性疾患の治療を目的とした薬剤組成物の製造のための、請求項8〜11において定義されたような抗酸化剤の使用。
  16. フリーラジカルの産生を誘導する電離放射線に暴露された生体の治療を目的とした薬剤組成物製造のための、請求項8〜11において定義されたような抗酸化剤の使用。
  17. フリーラジカルの産生を誘導する薬の副作用を阻害することを目的とした薬剤組成物の製造のための、請求項8〜11において定義されたような抗酸化剤の使用。
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