JP2006503574A - 疾患の状態に関するマーカーとしてのa3ar - Google Patents
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Abstract
本発明は、疾患(例えば、癌)を、A3アデノシンレセプターの発現レベルの変化を非疾患のコントロールの発現レベルと比較して決定することにより検出する方法に関する。
Description
本発明は、診断の分野に関し、特に疾患状態に関連する生物学的マーカー(診断に使用される)に関する。
以下に説明する事項は、先行技術のリストである。このリストは本発明の技術分野における現在の技術水準を説明するために適切であると考えられる。本明細書中のこれらの文献の認定は、以下の文献リストの括弧内の数字を示すことによりなされる。
(1) Olah M. E. and Stiles G.L. The role of receptor structure in determining adenosine receptor activity, Pharmacol. There., 85: 55-75 (2000) ;
(2) Poulsen S. A. and Quinn R. J., Adenosine receptors: new opportunities for future drugs. Bioorg. Med. Chem., 6 : 619-641 (1998);
(3) Fang X. et al. Phosphorylation and inactivation of glycogen synthase kinase 3 by protein kinase A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97: 11960-11965 (2000) ;
(4) Fishman, P., et al., Involvement of Wnt Signaling Pathway in IB-MECA Mediated Suppression of Melanoma Cells, Oncogene 21: 4060-4064 (2002);
(5) Ferkey, D. M., and Kimelman, D. GSK-3: New Thoughts on an Old Enzyme, Dev. Biol., 225: 471-479 (2000);
(6) Bonvini, P., et al. Nuclear beta-catenin displays GSK-3beta-and APC- independent proteasome sensitivity in melanoma cells, Biochim. Biophys. Acta, 1495: 308-318 (2000);
(7) Olah, M. E. and Stiles, G. L, The role of receptor structure in determining adenosine receptor activity, Pharmacol. Ther., 85: 55-75 (2000)。
(2) Poulsen S. A. and Quinn R. J., Adenosine receptors: new opportunities for future drugs. Bioorg. Med. Chem., 6 : 619-641 (1998);
(3) Fang X. et al. Phosphorylation and inactivation of glycogen synthase kinase 3 by protein kinase A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97: 11960-11965 (2000) ;
(4) Fishman, P., et al., Involvement of Wnt Signaling Pathway in IB-MECA Mediated Suppression of Melanoma Cells, Oncogene 21: 4060-4064 (2002);
(5) Ferkey, D. M., and Kimelman, D. GSK-3: New Thoughts on an Old Enzyme, Dev. Biol., 225: 471-479 (2000);
(6) Bonvini, P., et al. Nuclear beta-catenin displays GSK-3beta-and APC- independent proteasome sensitivity in melanoma cells, Biochim. Biophys. Acta, 1495: 308-318 (2000);
(7) Olah, M. E. and Stiles, G. L, The role of receptor structure in determining adenosine receptor activity, Pharmacol. Ther., 85: 55-75 (2000)。
A3アデノシンレセプターは、Gi-タンパク質関連の細胞表面レセプターのファミリーに属する。レセプター活性化は、そのインターナリゼーションを、そしてアデニル酸シクラーゼ活性、cAMP形成、およびプロテインキナーゼA(PKA)発現の引き続く阻害を誘導し、多様なシグナル伝達経路のイニシエーションを生じる(1,2)。PKAは、触媒サブユニット PKAcを含有する。これはcAMPでの活性に際して親分子から解離する。最近の研究は次の事項を実証している、その事項とはPKAcがGSK-3βをリン酸化および不活性化することである(3)。
最近、次の事項が示された。その事項とは、A3ARに対する安定なアゴニストである、1-デオキシ-1-[6[[(3-インドフェニル)メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフラ-ヌロナミンデ(IB-MECA;1-deoxy-1-[6 [ [ (3-iodophenyl) methyl] amino]-9H-purine-9-yl]-N-methyl-β-D-ribofura-nuronaminde)が、GSK-3βおよびβ-カテニン(Wntシグナル伝達経路の重要なコンポーネント)の発現を変化させることである。結果的にそれにより、細胞周期進行遺伝子、c-mycおよびサイクリンD1、の発現の阻害を生じる(4)。
本発明は、次の驚くべき所見に基づくものである。その所見とは、癌細胞において、A3アデノシンレセプター発現のレベルが、非癌性細胞(例えば、前記癌細胞が入手された同じ被験者から入手された)と比較して増加していることである。この所見により、A3アデノシンレセプター発現レベルを、疾患状態(disease state)の診断手段として使用することに関して道が開かれる。
従って、その側面の1つにより、本発明は、被験者における疾患状態を検出する方法に関し、該方法は:
(a)前記被験者から、疾患状態にあると疑われる細胞のサンプルを入手することと(obtaining);
(b)前記サンプル細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルと、前記被験者の正常細胞(normal cells)におけるA3AR発現のレベルである、又はA3AR発現に関する標準参照レベル(standard reference level)(該レベルは正常状態の指標である)である、コントロールレベルとを比較することと;を含む、ここで前記コントロールおよび前記サンプルされた細胞の間のレベルにおける差は、前記疾患の状態の指標(indicative)である。
(b)前記サンプル細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルと、前記被験者の正常細胞(normal cells)におけるA3AR発現のレベルである、又はA3AR発現に関する標準参照レベル(standard reference level)(該レベルは正常状態の指標である)である、コントロールレベルとを比較することと;を含む、ここで前記コントロールおよび前記サンプルされた細胞の間のレベルにおける差は、前記疾患の状態の指標(indicative)である。
上記の方法は、定性的(qualitative)またはバイナリー(binary)である;即ち、人物が疾患を有するか否かを指摘する。前記方法を、一部の例では、定量的な様式で使用して、疾患状態の重症度を評価してもよい;即ち、疾患の状態を有していると疑われる、サンプルされた細胞における、A3アデノシンレセプター発現レベルと、A3AR発現のコントロールレベル(正常細胞における発現レベル、または発現標準参照である)との間の差が大きいほど、疾患はより重篤である。
従って、別の側面によると、本発明は、被験者における疾患状態の重症度を決定するための方法に関し、該方法は:
(a)前記被験者から、疾患状態にあると疑われる細胞のサンプルを入手することと(obtaining);
(b)前記のサンプルされた細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞におけるA3AR発現のレベルと、A3ARのレベルの規定キャリブレーション曲線(predetermined calibration curve)とを比較することと(前記キャリブレーション曲線の値は前記疾患状態の重症度と相関している)、それによって被験者の疾患状態の重症度を決定することと、を含む。
(b)前記のサンプルされた細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞におけるA3AR発現のレベルと、A3ARのレベルの規定キャリブレーション曲線(predetermined calibration curve)とを比較することと(前記キャリブレーション曲線の値は前記疾患状態の重症度と相関している)、それによって被験者の疾患状態の重症度を決定することと、を含む。
さらに別の側面によると、本発明は次の事項に関する。その事項とは、A3AR発現レベルの決定を利用(utilizing)して、特定の被験者が、A3ARモジュレーター(A3ARアゴニストおよびA3ARアンタゴニスト、典型的にはA3ARアゴニスト)による治療上の処理に適しているかどうかを、試行および予想することである。係る処理の例は、A3ARアゴニスト(例えば、IB-MECAまたはC1-IB-MECA)の、癌または炎症性の疾患に対する投与である。
どの患者が、A3ARモジュレーター(特に、A3ARアゴニスト)での処理に反応する可能性が高いかを、事前に(a priori)予測することが望ましい場合に、細胞(疾患状態にあると疑われる)が、コントロールと有意に異なるレベルでA3ARを発現するかどうかを決定するために、上記の方法を使用することが可能である。
肯定的な答えの場合に、前記患者が、A3ARモジュレーター(特に、A3ARアゴニスト)での処理に反応する可能性が高いことを予測し得る。
肯定的な答えの場合に、前記患者が、A3ARモジュレーター(特に、A3ARアゴニスト)での処理に反応する可能性が高いことを予測し得る。
従って、本発明は次の方法に関する。即ち、被験者が、A3ARアゴニストの投与によって、疾患状態の治療上の処理に反応することを期待し得るかどうかを決定するための方法であって、該方法は:
(a)前記被験者から、前記疾患状態に関連する細胞のサンプルを入手することと;
(b)前記サンプルにおける、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルとコントロールレベルとを比較することと(該コントロールレベルは、前記被験者の正常細胞におけるA3AR発現のレベルであるか、又は、正常状態の指標である、A3AR発現に関する標準参照レベルである);を含み、ここで前記コントロールレベルとサンプルされた細胞のレベルとの間の差は、前記被験者がA3ARアゴニストの投与による治療上の処理に反応する可能性が高いことの指標である。
(b)前記サンプルにおける、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルとコントロールレベルとを比較することと(該コントロールレベルは、前記被験者の正常細胞におけるA3AR発現のレベルであるか、又は、正常状態の指標である、A3AR発現に関する標準参照レベルである);を含み、ここで前記コントロールレベルとサンプルされた細胞のレベルとの間の差は、前記被験者がA3ARアゴニストの投与による治療上の処理に反応する可能性が高いことの指標である。
本明細書中に使用される「疾患状態(disease state)」の用語は、A3AR関連のシグナル伝達経路が関与することが既知である(または実験的に見出された)、任意の疾患状態を意味する。本発明によると、係る疾患は、前記疾患の治療が細胞周期のモジュレーション(増加または減少の何れか)を必要とするような、細胞増殖の異常な及び望まれない比率に関連し得る。
過剰な増殖により特徴付けられる、増殖性疾患(Proliferative diseases)には、全てのタイプの癌;および特に全てのタイプの固形腫瘍;皮膚の増殖性疾患、および血管の過剰形成により特徴付けられる疾患(例えば、レスチノーシス(restinosis))を含まれるが、これらに限定されない。細胞の望まれない死により特徴付けられる、変性疾患(Degenerative diseases)には、神経変性の(neurodegenerative)又は神経外傷性の(neurotraumatic)疾患;例えば、アルツハイマー病、前頭葉変性(frontal lobe degeneration)、好銀性顆粒病(argyrophilic grains disease)、または亜急性硬化性松果体脳炎(sebacute scleroting panecephalitis);神経外傷性疾患、例えば、急性発作(acute stroke)、精神分裂病(schizophrenia)、または躁鬱病(manic depression);自己免疫性疾患(関節リウマチ(RA)、クローン病(CD)、および多発性硬化症(MS)を含んでいる;非インシュリン依存性糖尿病(インシュリンII型糖尿病)、等々が含まれる。
過剰な増殖により特徴付けられる、増殖性疾患(Proliferative diseases)には、全てのタイプの癌;および特に全てのタイプの固形腫瘍;皮膚の増殖性疾患、および血管の過剰形成により特徴付けられる疾患(例えば、レスチノーシス(restinosis))を含まれるが、これらに限定されない。細胞の望まれない死により特徴付けられる、変性疾患(Degenerative diseases)には、神経変性の(neurodegenerative)又は神経外傷性の(neurotraumatic)疾患;例えば、アルツハイマー病、前頭葉変性(frontal lobe degeneration)、好銀性顆粒病(argyrophilic grains disease)、または亜急性硬化性松果体脳炎(sebacute scleroting panecephalitis);神経外傷性疾患、例えば、急性発作(acute stroke)、精神分裂病(schizophrenia)、または躁鬱病(manic depression);自己免疫性疾患(関節リウマチ(RA)、クローン病(CD)、および多発性硬化症(MS)を含んでいる;非インシュリン依存性糖尿病(インシュリンII型糖尿病)、等々が含まれる。
好ましい態様によると、前記疾患は、腫瘍、好ましくは固形腫瘍であり、同様に自己免疫疾患、例えば、RA、MS、およびCDである。
「固形腫瘍(solid tumors)」の用語は、癌腫(carcinomas)、肉腫(sarcomas)、腺腫(adenomas)、およびニューロン起源の癌、および事実上、造血細胞(hematopoeitic cells)に由来しない任意のタイプの癌を意味し、特に関連するものは:癌腫、肉腫、腺腫、肝細胞性の癌腫(hepatocellular carcinoma)、肝細胞性癌腫(hepatocellularcarcinoma)、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌腫、甲状腺癌腫、ガングリオン芽腫(ganglioblastoma)、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、コンドロサルコーマ(cohndrosarcoma)、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫(lymphagiosarcoma)、骨膜腫(synovioama)、ユーイング腫瘍、レイミオサルコーマ(leimyosarcoma)、ラブドセリオサルコーマ(rhabdotheliosarcoma)、結腸癌腫、膵臓癌、胸部癌(breast cancer)、卵巣癌、前立腺癌、扁平細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、腎臓細胞癌腫、血腫、胆管癌腫、メラノーマ、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウイルムス腫瘍、頚部癌、精巣腫瘍、肺癌腫、肺小細胞癌(small lung carcinoma)、膀胱癌腫、上皮性癌腫、神経膠腫、アストロサイオーマ(astrocyoma)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、エペンディノーマ(ependynoma)、松果体腫、網膜芽細胞腫、多発性骨髄腫、直腸癌腫、甲状腺癌、頭部および頚部の癌(head and neck cancer)、脳の癌(brain cancer)、末梢神経系の癌、中枢神経系の癌、神経芽細胞腫、エドメトリウム(edometrium)の癌、同様に全ての上記の転移である。本発明に基づいて、次の事項が示された。その事項とは、A3ARの発現の増加が、原発性腫瘍部位のみならず、その転移性部位にも見出すことができることである。
「疾患状態にあると疑われる細胞(cells suspected of being in a disease state)」の用語は、細胞、組織サンプル、または細胞コンポーネント(例えば、細胞性の膜または細胞性のコンポーネント)を意味する(これらは疾患を証明すると疑われるものである)。例えば、前記疾患がタイプXの癌である場合、前記細胞は、形質転換していると疑われる癌(胸部、大腸、皮膚、肝臓、肺、細胞、など)の組織の細胞である。前記疾患が癌である場合、形質転換されていると疑われる細胞は、「疑わしい(suspicious)」細胞を入手するための既知の方法(例えば、バイオプシー、針バイオプシー、など)により入手し得る。疾患状態にあるとの疑いは、多様なイメージング(NMR、MR、スキャンニング、超音波、メモグラフィック(memographic))、病理学的な又は組織学的な技術により、提起されるだろう。
例えば、前記疾患が乾癬である場合、前記細胞は皮膚細胞である。別の例によると、前記疾患が自己免疫疾患である場合、前記細胞は免疫系の細胞または免疫系により攻撃される組織(RAのケースでは滑膜、MSにおいては神経細胞、など)などであり得る。
前記細胞は、当該技術分野において周知の手段(例えば、血液を抜くことによる、組織バイオプシー、針バイオプシー、組織吸引、などによる)により入手し得る。
「A3AR」の用語は、アデノシンA3レセプター(タンパク質)及びその断片(これは例えば、前記細胞の外部表面に存在する細胞外断片であってもよい)を意味し、同様にA3ARレセプターのmRNAまたは前記mRNAの断片を意味する。
「前記細胞におけるA3ARのレベルを検出する(detecting the level of A3AR in said cells)」の用語は、タンパク質、または細胞中のタンパク質のフラグメント(サイトゾル、膜における、または前記細胞の任意の細胞内コンポーネントにおける)の存在を検出するための、当該技術分野において既知の任意の技術、同様にmRNAレベル(完全なmRNAのフラグメントを含む)の検出のための技術を意味する。
タンパク質のレベルを検出するための方法は、以下を含み得る:細胞のタンパク質内容物(protein contents)を抽出すること、又は細胞の膜から又はサイトゾルから、例えば、技術分野における現在の技術水準の、溶解の、消化の、分離の、分画の、および精製の技術を用いることにより、タンパク質のフラグメントを抽出すること、および、細胞のタンパク質性の内容物(クルードな内容物または精製した内容物)をウエスタンブロット上で分離すること、そして次にA3ARタンパク質またはA3ARタンパク質フラグメントの存在を技術分野において既知である様々な同定技術により検出すること。
例えば、ゲル上で分離された内容物は、適切な分子量マーカーと共にタンパク質同定技術を用いること、またはラベルされた成分に付着させた適切な検出成分(例えば、ラベルされた抗体、ラベルされたレシチン、A3ARレセプターに対するラベルされたアゴニストまたはアンタゴニスト)を用いることにより同定し得る。前記検出は、特異的な認識因子(recognition agents)のA3ARに対するインサイチュー結合によるものであってもよい(インサイチューで「細胞上」に存在する場合、または、組織での細胞上に存在する場合でさえも)。そして係る因子は、ラベルされたA3ARアゴニスト、例えば、ラベルされたIB-MECA;ラベルされたA3ARアンタゴニスト MG132、A3ARに対する抗体、例えば、詳細な例に記載されたものなどでよく、そして次に認識成分(recognition moieties)の存在をマーカーの性質に適した技術を用いて検出する。
例えば、ゲル上で分離された内容物は、適切な分子量マーカーと共にタンパク質同定技術を用いること、またはラベルされた成分に付着させた適切な検出成分(例えば、ラベルされた抗体、ラベルされたレシチン、A3ARレセプターに対するラベルされたアゴニストまたはアンタゴニスト)を用いることにより同定し得る。前記検出は、特異的な認識因子(recognition agents)のA3ARに対するインサイチュー結合によるものであってもよい(インサイチューで「細胞上」に存在する場合、または、組織での細胞上に存在する場合でさえも)。そして係る因子は、ラベルされたA3ARアゴニスト、例えば、ラベルされたIB-MECA;ラベルされたA3ARアンタゴニスト MG132、A3ARに対する抗体、例えば、詳細な例に記載されたものなどでよく、そして次に認識成分(recognition moieties)の存在をマーカーの性質に適した技術を用いて検出する。
前記認識因子が蛍光ラベルされている場合、前記検出を、共焦点顕微鏡を用いること、および前記レセプターに結合したラベルされた成分のレベルを直接的に観察することにより実施し得る。前記認識因子が放射性ラベルされた場合、前記レベルは、細胞中の放射性ラベルのレベルを決定することにより決定し得る。
A3AR発現レベルの決定は、mRNAレベル(または完全なmRNAのフラグメント)の決定をも含んでいてもよい。例えば、前記検出は、細胞を含有しているサンプルにおけるRNAの検出に関する当該技術分野で使用される任意の方法によるものであってもよく、例えば、検出可能なプローブ、例えば、検出可能な成分(蛍光性の、放射性の、色素性の成分など)を含有している相補的な配列でのインサイチュー ハイブリダイゼーションを用いる方法である。このようなインサイチュー ハイブリダイゼーションにおけるケースにおいて、前記RNAを細胞から抽出する必要はなく、必要なことは細胞を多孔性にする処理を施すことである。しかしながら、微小な量のRNAを検出するために十分に感受性のある、多様な増幅方法が好ましい。かかる方法には、PCR、RT-PCR、インサイチュー PCR、インサイチュー RT-PCR(「ネステッド」 PCR、およびネステッド RT-PCRをも参照する、全ての前記のもの)、LCR(リガーゼ連鎖反応)、および3SR(self sustained sequence replication)が含まれる。好適な態様に基づいて、RT-PCRおよびネステッドRT-PCRが使用される。増幅産物は、当該技術において使用される方法(例えば、ゲル上での分離および適切なラベルされたプローブを用いた検出による)によって同定される。
前記サンプルは、細胞膜、細胞膜から抽出されたタンパク質、細胞全体、細胞のサイトゾル内容物、被験者から入手した組織サンプル(パラフィン包埋した組織サンプルを含む)、サイトゾルから取得したタンパク質、または核またはサイトゾルから取得したmRNAであってもよい。
疾患状態の細胞におけるA3AR発現のレベルを、コントロール発現レベルと比較すべきである。このコントロールレベルは、同じ被験者から入手した非疾患細胞(non-diseased cells)の同じ細胞性のコンポーネントから(好ましくは、疾患状態にあると疑われる細胞が入手された、同じ組織から)取得された同じ分子(例えば、タンパク質、タンパク質フラグメント)のレベルとして規定されてもよい。例えば、疾患の細胞が疑われる腫瘍部位(例えば、イメージング技術によって疑われる)から取得された胸部癌細胞である場合には、前記コントロールは、腫瘍部位以外の部位から(好ましくは腫瘍部位に隣接して取得された細胞から)取得された胸部細胞におけるA3AR発現のレベルであってもよい。或いは、前記コントロールのA3ARレベルは、例えば、複数の正常被験者から入手された、(疾患の細胞と同じタイプの)細胞のプールにおいてA3AR発現レベルを決定することにより、正常コントロールから取得されてもよい。
「レベルにおける差(a difference in the level)」の用語は、任意の統計学的に有意な差を意味し得る。或いは、「閾値差(threshold difference)」は、診断された複数の疾患のサンプルにおける平均レベルと、診断された複数の非疾患のコントロールサンプルにおける平均レベルとの間の差を決定することにより決定され得る。前記閾値差よりも大きい差は、処理とコントロールとの間の「レベルにおける差」として考慮される、そして前記閾値差よりも小さい差は、「レベルにおける差」として考慮されない。
本発明に基づいて、コントロール細胞(同じ被験者から、または標準健常コントロールから入手された非疾患の細胞)と比較した際の、疑われた疾患の細胞におけるA3ARの発現のレベル間の任意の差(統計学的に有意な、又は上記に記載の閾値差を用いることによる)は、疾患の状態の存在の指標である。典型的には、本発明と一致して、A3ARのレベルにおける増加(コントロールと比較した)は、増殖性疾患(例えば、癌)、他の増殖性疾患(例えば、乾癬)、または血管関連の疾患(例えば、レスチノーシス)、炎症性疾患(例えば、RA、CD、またはMS)の存在の指標である。
時折(At times)、疾患の重症度を、特に疾患を有している陽性と既に診断された患者において決定することが望まれる。係るケースにおいて、A3AR発現のレベルは、前もって準備されたキャリブレーション曲線との比較によって、定量すべきである。係るキャリブレーション曲線は、A3AR発現のレベル(これは上記で議論した、A3ARタンパク質のレベル、タンパク質フラグメント、またはmRNAレベルなどであってもよい)を決定することにより準備される;該A3AR発現は、疾患の重症度を様々なレベルで有していると、疾患の重症度の関数として、例えば、疾患、腫瘍重量、転移の出現、転移の数、死亡率(入手された後の一定期間保存されたスライドからの)の等級の関数として、陽性に診断された(他の手段、例えば、医師による、組織学的な技術などによる)患者の複数から入手された細胞に存在する。キャリブレーション曲線の調製に関する、疾患の重症度は、多様な許容される方法(例えば、病理学的な技術による)により決定されてもよい。
例えば、X1〜X2/1,000,000細胞の間のタンパク質コンテンツレベルは、グレード1の癌の指標として規定し得る、より高いタンパク質コンテンツのY1〜Y2/1,000,000細胞は、グレード2の癌の指標として規定し得る、など。キャリブレーション曲線は、発現レベルを、疾患のグレード、腫瘍サイズの関数としてプロットし得る(疾患が原発性又は転移性の腫瘍かどうかなど)。係るキャリブレーション曲線が準備された後に、特定の個体から入手されたA3AR発現のレベルを、キャリブレーション曲線における対応する値と比較して、疾患の重症度の特定の評価を取得することが可能である。
本発明と一致して、感受性を増加し、偽陽性/偽陰性の結果を減少させるために、本発明の方法を用いることにより、付加的な腫瘍マーカーと共に(好ましくは組織特異性の腫瘍マーカーと共に)癌を検出することができる。
係る腫瘍マーカーの例は:CEA、CK19、CK20、c-Met、MAGE-A3、b-ヒト線毛性腺刺激ホルモン、GaINAc-T、CK18、ムチン-1(MUC-1)、および癌胎児抗原(breasrおよび結腸に関する):EWS-FL11EWS(Ewing肉腫に関して、pNET's);ERG、PAX3-FKHR、FAX7-FKHR(肺胞横紋筋芽細胞肉腫に関して);前立腺特異的な抗原(PSA)、前立腺膜特異的な抗原(前立腺癌);チロシン水酸化酵素、PGP9.5(神経芽細胞腫に関して)、チロシナーゼ、PG6 9.5.MAGE(メラノーマに関して)、α-フェトプロテイン、アルブミン(肝細胞腫に関して);サイトケラチン(上皮性細胞)である。
実験手順
材料および方法
IB-MECAおよびMRS1523を、RBI/シグマ(Natick, MA, USA)から購入した。両方の試薬に関して、10mMのストック溶液をDMSO中に調製し、そして更にRPMI培地中に希釈した。
材料および方法
IB-MECAおよびMRS1523を、RBI/シグマ(Natick, MA, USA)から購入した。両方の試薬に関して、10mMのストック溶液をDMSO中に調製し、そして更にRPMI培地中に希釈した。
細胞培養のためのRPMI、ウシ胎児血清(FBS)、および抗生物質を、Beit(Haemek, Haifa, イスラエル)から入手した。
ウサギのポリクローナル抗体(マウスおよびヒトのA3ARに対する)を、業者(Santa Cruz Biotechnology Inc., Ca, USA)から購入した。
マウスおよびヒトのサイクリンD1(Upstate, NY)、A2Bアデノシンレセプター、Cy3-抱合型の抗ヤギIgG、およびフルオレッセイン抱合型の抗ウサギIgGに対する、ウサギのポリクローナル抗体を業者(Chemicon, Ca)から購入した。
A3ARタンパク質の同定
ウエスタンブロット分析
A3ARタンパク質の発現のレベルを検出するために、ウエスタンブロット分析を実施した。細胞を、氷冷の溶解緩衝剤(TNN緩衝剤、50mM Tris緩衝剤 pH=7.5、150mM塩化ナトリウム、NP 40)に移した。細胞片を、遠心分離10min、7500xgにより除去した。上清をウエスタンブロット分析に利用した。タンパク質濃度を、Bio-Radタンパク質アッセイ色素試薬を用いて決定した。等しい量のサンプル(50μg)を、12%ポリアクリルアミドゲルを用いた、SDS-PAGEにより分離した。分離したタンパク質を、次にニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell, Keene, NH, USA)に電気転写した。
膜を、1%ウシ血清アルブミンでブロックし、A3AR一次抗体(希釈1:1000)で24h時間、4℃でインキュベーションした。ブロットを次に洗浄し、二次抗体で1h、室温でインキュベーションした。
バンドを、BCIP/NBT発色キット(プロメガ, Madison, Wl, USA)を用いて記録した。異なる図に示したデータは、少なくとも3つの異なる実験の代表である。
ウエスタンブロット分析
A3ARタンパク質の発現のレベルを検出するために、ウエスタンブロット分析を実施した。細胞を、氷冷の溶解緩衝剤(TNN緩衝剤、50mM Tris緩衝剤 pH=7.5、150mM塩化ナトリウム、NP 40)に移した。細胞片を、遠心分離10min、7500xgにより除去した。上清をウエスタンブロット分析に利用した。タンパク質濃度を、Bio-Radタンパク質アッセイ色素試薬を用いて決定した。等しい量のサンプル(50μg)を、12%ポリアクリルアミドゲルを用いた、SDS-PAGEにより分離した。分離したタンパク質を、次にニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell, Keene, NH, USA)に電気転写した。
膜を、1%ウシ血清アルブミンでブロックし、A3AR一次抗体(希釈1:1000)で24h時間、4℃でインキュベーションした。ブロットを次に洗浄し、二次抗体で1h、室温でインキュベーションした。
バンドを、BCIP/NBT発色キット(プロメガ, Madison, Wl, USA)を用いて記録した。異なる図に示したデータは、少なくとも3つの異なる実験の代表である。
A3AR mRNAの同定
ノーザンブロット分析
トータルRNA(Total RNA)を、細胞からTri-試薬(シグマ, Saint-Louis)を利用して取得した。サンプルを、次に2回フェノールに供した。クロロホルム抽出し、クロロホルムで洗浄した。RNAを、ナトリウム酢酸塩/エタノール(エタノールで洗浄後)、次に変性させ、1.1%ホルムアルデヒドアガロースゲル中で分離し(25μg/レーン)、Hybond-N膜に転写した。マウスのA3AR cDNAクローン(TAA3I.S)(Kathia Ravid博士から供給された)からの390bp EcoRI断片を、ランダムプライム合成(random-primed synthesis)で調製した。プローブを、RNAブロット分析において、ハイブリダイゼーション温度の42℃で50%ホルムアミドの存在下で使用した。
ノーザンブロット分析
トータルRNA(Total RNA)を、細胞からTri-試薬(シグマ, Saint-Louis)を利用して取得した。サンプルを、次に2回フェノールに供した。クロロホルム抽出し、クロロホルムで洗浄した。RNAを、ナトリウム酢酸塩/エタノール(エタノールで洗浄後)、次に変性させ、1.1%ホルムアルデヒドアガロースゲル中で分離し(25μg/レーン)、Hybond-N膜に転写した。マウスのA3AR cDNAクローン(TAA3I.S)(Kathia Ravid博士から供給された)からの390bp EcoRI断片を、ランダムプライム合成(random-primed synthesis)で調製した。プローブを、RNAブロット分析において、ハイブリダイゼーション温度の42℃で50%ホルムアミドの存在下で使用した。
実施例1:結腸細胞 vs. 正常細胞におけるA3ARタンパク質発現レベルの決定
サンプルを、結腸癌腫および乳癌の患者からのバイオプシーの間に取得した。図1Aは、癌患者の免疫組織化学のスライドを示し、切片は病理学者により正常(上部)または癌性(底部)であると同定された。図1Aに示される連続的な切片から取得した細胞の内容物が抽出され、A3ARはウエスタンブロット分離され、そしてA3ARはA3AR抗体および標識抗ウサギIgG抗体を用いて同定された。図1Bに認められるとおり、腫瘍細胞は、同じ被験者から入手された正常細胞よりも、有意に高いレベルのA3ARタンパク質発現を示した。図2は、3人の異なる結腸癌患者に関して同じ結果を示しており、3つ全てのケースにおいて、A3AR発現のレベルが患者の癌細胞において正常細胞と比較して高かった。
サンプルを、結腸癌腫および乳癌の患者からのバイオプシーの間に取得した。図1Aは、癌患者の免疫組織化学のスライドを示し、切片は病理学者により正常(上部)または癌性(底部)であると同定された。図1Aに示される連続的な切片から取得した細胞の内容物が抽出され、A3ARはウエスタンブロット分離され、そしてA3ARはA3AR抗体および標識抗ウサギIgG抗体を用いて同定された。図1Bに認められるとおり、腫瘍細胞は、同じ被験者から入手された正常細胞よりも、有意に高いレベルのA3ARタンパク質発現を示した。図2は、3人の異なる結腸癌患者に関して同じ結果を示しており、3つ全てのケースにおいて、A3AR発現のレベルが患者の癌細胞において正常細胞と比較して高かった。
実施例2:胸部癌細胞 vs. 正常細胞におけるA3ARタンパク質および発現レベルの決定
病理学者により同定された胸部癌細胞は、被験者から、隣接する組織からの正常な胸部癌細胞と共にバイオプシーにより取得された。2つのタイプのタンパク質コンテンツを、ウエスタンブロット上での分離像により、標識抗体を用いて同定した。
病理学者により同定された胸部癌細胞は、被験者から、隣接する組織からの正常な胸部癌細胞と共にバイオプシーにより取得された。2つのタイプのタンパク質コンテンツを、ウエスタンブロット上での分離像により、標識抗体を用いて同定した。
結果を図3に示す。認められるとおり、胸部腫瘍細胞は、隣接する正常細胞と比較して、有意に高いレベルのA3ARタンパク質発現を発現していた。
実施例3:胸部癌患者 vs. 正常細胞におけるA3AR mRNA発現レベルの決定
患者の胸部における癌性(cancerous)であると疑われる領域からのサンプルを、針バイオプシーを用いて取得した。サンプルを、正常および胸部癌細胞を記録する病理学者に送った(図4A)。RT-PCRを、図4Aと示される連続切片から取得した、腫瘍細胞および正常細胞で実施した。そして増幅産物をノーザンブロットにより分離し、適切な分子量マーカーを用いて同定した。結果を図4Bに示す。認められるとおり、胸部腫瘍細胞において、正常細胞と比較して有意に高かった。このことは、発現レベルのmRNAおよびタンパク質の決定の双方を用いることにより検出できることを示す。
患者の胸部における癌性(cancerous)であると疑われる領域からのサンプルを、針バイオプシーを用いて取得した。サンプルを、正常および胸部癌細胞を記録する病理学者に送った(図4A)。RT-PCRを、図4Aと示される連続切片から取得した、腫瘍細胞および正常細胞で実施した。そして増幅産物をノーザンブロットにより分離し、適切な分子量マーカーを用いて同定した。結果を図4Bに示す。認められるとおり、胸部腫瘍細胞において、正常細胞と比較して有意に高かった。このことは、発現レベルのmRNAおよびタンパク質の決定の双方を用いることにより検出できることを示す。
実施例4:結腸癌および胸部癌の患者から取得されたサンプルにおける、A3ARタンパク質およびmRNAレベルの同時検出
結腸および胸部癌患者から取得された正常および癌性細胞は、病理学者によって同定された。細胞サンプルは、各組織から取得された。
A3ARタンパク質レベルを、腫瘍および癌性細胞から、ウエスタンブロットの次に抗体での同定を用いることによって決定した。RNAレベルを、RT-PCR増幅の次にノーザンブロットでの分離を用いることにより決定した。結果を図5に示す。認められるとおり、胸部および結腸癌の双方の癌性状態を、癌細胞における高いレベルのA3ARタンパク質発現またはA3AR mRNA発現を検出することにより決定した(非癌細胞におけるレベルと比較して)。
結腸および胸部癌患者から取得された正常および癌性細胞は、病理学者によって同定された。細胞サンプルは、各組織から取得された。
A3ARタンパク質レベルを、腫瘍および癌性細胞から、ウエスタンブロットの次に抗体での同定を用いることによって決定した。RNAレベルを、RT-PCR増幅の次にノーザンブロットでの分離を用いることにより決定した。結果を図5に示す。認められるとおり、胸部および結腸癌の双方の癌性状態を、癌細胞における高いレベルのA3ARタンパク質発現またはA3AR mRNA発現を検出することにより決定した(非癌細胞におけるレベルと比較して)。
実施例5:原発性および転移性のメラノーマにおけるA3AR mRNAレベルの検出
病理学者によりメラノーマ細胞と同定された細胞は、原発性のメラノーマ部位から取得された。また、癌性細胞は、二次性のメラノーマ部位から取得された。加えて、病理学者によって正常と同定された細胞は、同じ患者から取得された。
病理学者によりメラノーマ細胞と同定された細胞は、原発性のメラノーマ部位から取得された。また、癌性細胞は、二次性のメラノーマ部位から取得された。加えて、病理学者によって正常と同定された細胞は、同じ患者から取得された。
メラノーマの初代細胞、転移細胞、および正常細胞のmRNA内容物を、RT-PCRを用いて増幅し、そしてノーザンブロットで分離した。結果を図6に示す。認められるとおり、初代および転移性の双方の腫瘍は、正常細胞よりも高いレベルのA3AR mRNAを発現していた、このことは本発明の方法が転移性癌の検出に適切であることを指摘している。
本発明を理解し、そしてそれを実際にどのように実施するかを理解するために、いくつかの好適な態様が、本願に添付される図面を参照して、非限定的な例としてのみ記載した。図面には以下の事項が記載されている。
Claims (19)
- 被験者の疾患状態を検出する方法であって、
(a)前記被験者から、前記疾患状態にあると疑われる細胞のサンプルを入手することと;
(b)前記サンプル細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルとコントロールレベルとを比較することと(前記コントロールレベルは、同じ被験者の正常細胞におけるA3AR発現のレベルであるか、又は正常状態の指標である、A3AR発現に関する標準参照レベルである);を含み、前記コントロールおよび前記サンプルされた細胞の間のレベルにおける差は、前記疾患の状態の指標である方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記差が、前記コントロールレベルと比較した、A3AR発現レベルのレベルにおける増加である方法。
- 請求項2に記載の方法であって、前記疾患状態が増殖性に関連する疾患状態である方法。
- 請求項3に記載の方法であって、前記疾患が腫瘍である方法。
- 請求項4に記載の方法であって、前記腫瘍が固形腫瘍である方法。
- 請求項3に記載の方法であって、前記疾患が自己免疫疾患である方法。
- 被験者の疾患状態の重症度を決定するための方法であって:
(a)前記被験者から、前記疾患状態にあると疑われる細胞のサンプルを入手することと;
(b)前記サンプル細胞における、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現の状態を検出することと;および
(c)前記細胞におけるA3AR発現のレベルと、A3ARのレベルの規定キャリブレーション曲線(predetermined calibration curve)とを比較することと(前記キャリブレーション曲線の値は前記疾患状態の重症度と相関している)、それによって被験者の疾患状態の重症度を決定することと;
を含む方法。 - 請求項7に記載の方法であって、前記疾患状態が増殖性の疾患状態である方法。
- 請求項8に記載の方法であって、前記疾患状態が腫瘍である方法。
- 請求項9に記載の方法であって、前記腫瘍が固形腫瘍である方法。
- 請求項8に記載の方法であって、前記疾患状態が自己免疫疾患である方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記A3AR発現レベルが、サンプルされた細胞におけるA3ARタンパク質、またはA3ARタンパク質フラグメントのレベルを検出することにより決定される方法。
- 請求項7に記載の方法であって、前記A3AR発現レベルが、サンプルされた細胞におけるA3ARタンパク質、またはA3ARタンパク質フラグメントのレベルを検出することにより決定される方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記A3AR発現レベルが、サンプルされた細胞におけるA3AR mRNAのレベルを検出することにより決定される方法。
- 請求項7に記載の方法であって、前記A3AR発現レベルが、サンプルされた細胞におけるA3AR mRNAのレベルを検出することにより決定される方法。
- 被験者が、A3ARアゴニストまたはA3ARアンタゴニストの投与により、疾患状態の治療上の処理に反応する高い可能性を有するかどうかを、決定するための方法であって、該方法は:
(a)前記被験者から、前記疾患状態に関連する細胞のサンプルを入手することと;
(b)前記サンプルにおける、A3アデノシンレセプター(A3AR)の発現のレベルを検出することと;および
(c)前記細胞における前記A3AR発現のレベルとコントロールレベルとを比較することと(該コントロールレベルは、前記被験者の正常細胞におけるA3AR発現のレベルであるか、又は、正常状態の指標である、A3AR発現に関する標準参照レベルである);を含み、前記コントロールとサンプルされた細胞との間のレベルの差は、前記被験者がA3ARアゴニストまたはA3ARアンタゴニストによる治療上の処理に反応する可能性が高いことの指標である方法。 - 請求項16に記載の方法であって、レベルにおける差が、コントロールと比較した、サンプルされた細胞におけるA3AR発現のレベルにおける増加である方法。
- 請求項16に記載の方法であって、前記疾患状態が癌である方法。
- 請求項18に記載の方法であって、前記疾患状態が自己免疫疾患である方法。
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