JP2006503550A - タンパク質分解酵素の基質であって、細胞透過性蛍光発生性の基質及びカスパーゼ活性指標マーカーを用いた、細胞性細胞障害活性の可視化及び定量 - Google Patents

タンパク質分解酵素の基質であって、細胞透過性蛍光発生性の基質及びカスパーゼ活性指標マーカーを用いた、細胞性細胞障害活性の可視化及び定量 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞障害性Tリンパ球(CTLs)によって活性化される標的細胞の殺傷をモニターし及び定量するための非放射性アッセイを提供する。本アッセイは、アポトーシス経路の活性化及び、特にカスパーゼの活性が、細胞障害性エフェクター細胞の活性の計測を与えるという発見に基づいて予想される。ある態様では、標的細胞におけるCTLが引き起こすカスパーゼの活性化の測定は、蛍光発生性のカスパーゼの基質を特異的に切断することの計測を通して達成される。本発明は、抗原特異的にCTLが標的細胞を殺傷することを確かに検出し、そしてCTL反応を定量するために最もよく使われる標準51Cr放出アッセイに代わるより感受性が高く、より情報価値が高く、及びより安全な代替方法を提供する。本アッセイは、異なる細胞系列の初期宿主標的細胞のCTL依存的殺傷を研究するために使われうるし、リアルタイムで細胞一つのレベルで抗原特異的細胞性免疫反応を研究することを可能にする。このように、本アッセイは、感染性疾患の病原の価値ある研究ツールを提供しうるし、新しいワクチン及び免疫療法の開発を提供しうる。

Description

発明の技術分野
[0002] 本発明は、免疫学分野に関する。特に本発明は、特定の細胞又は抗原に対する細胞障害性の免疫反応を起こす細胞障害性エフェクター細胞の存在又は活性を決定するための改良されたアッセイを提供する。
関連出願へのクロスリファレンス
[0001] 本発明は、2002年1月29日に出願されたUSSN60/353,7112号に対する優先権及び利益を主張し、当該出願は、目的を問わずその全体を本明細書中に援用される。
合衆国が資金を提供する研究開発下で行われた発明に対する権利に関する宣言
[適用なし]
発明の背景
[0003] 細胞障害性Tリンパ球(CTLs)は、細胞内に病原体を含む宿主細胞及びガン化した細胞を排除する際、重要な役割を担う(Doherty and Christensen (2000) Annu. Rev. Immunol. 18: 561-592)。過去30年において、51Cr-放出アッセイは、抗原特異的細胞性細胞障害活性を定量するために使われてきた(Bunner et al.(1968) Immunology 14: 181-196)。このアッセイにおいては、放射性51Crでラベルされた標識細胞は、エフェクター細胞と4〜6時間インキュベーションされる。標的細胞の死は、次に培養上清に放出された放射活性を検出することによって計測される。
[0004] このアッセイは、比較的再現性がありそして簡単であったが、多くの欠点を有する(Doherty and Christensen (2000) Annu. Rev. Immunol. 18: 561-592)。第1に、全体の細胞性細胞障害活性は、一つの細胞レベルで標的細胞死を定量できない「溶解性単位」計算を用いて計測される。第2に、あるタイプの細胞だけ、初期に不死化した細胞系列が、十分に51Crでラベルされうる(Nociari et al.(1998)J. Immunol. Meth. 213: 157-167)ので、CTLが初期宿主標的細胞を殺すことは、直接的に研究できないことが多い。第3に、標的細胞の死は、過程全体の最後の点において計測され、そしてこのように分子及び細胞のレベルで、エフェクターと標的との間の動態学的な相互作用についてほとんど情報を与えない。第4に、クロム51放射性同位体(51Cr)を用いた慣用の放射性アッセイは、標的細胞からの多量のアイソトープの自発的な非特異的放出のためにとても大きいバックグラウンド(ノイズ)シグナルをもたらし、かつ選ばれた標的細胞における不均一なアイソトープの取り込みをもたらす。第5に、放出される放射能の強さは、細胞死の直接的な計測ではなく、むしろ膜透過性の変化及び取り込まれた細胞からのアイソトープの自発的な放出であって、細胞障害活性が細胞障害性エフェクター細胞によってもたらされる以外の過程が原因となって生じる放出である。従って、慣用のクロム放出アッセイは、明確であるが強くない細胞障害性効果を検出する際に難しさを有する。つまり、細胞性細胞障害活性によって生じるシグナルを、アッセイのバックグラウンドの放射能活性から区別することは難しい。最後に、51Crの放出を計測することは、エフェクター細胞が殺傷過程を始める及び行うとき、エフェクター細胞の細胞機能又は運命をモニターすることを可能にしない。最後に、放射性物質は、特別な免許及び扱いが必要であり、そのことは、アッセイのコスト及び複雑さを実質的に増大させる。
主要組織適合複合体(MHC)-4量体、細胞内サイトカイン検出、及びELISPOTアッセイを含む、最近発達された免疫法は、抗原特異的T細胞を列挙する感受性を大きく改良した;しかしながら、これらの新しい方法は、抗原特異的細胞性細胞障害活性の細胞溶解機能を評価しない(Altman et al. (1996) Science, 274:94-96(1996);erratum: 280:1821(1998) Cytometry 34:207-215)。抗原特異的CD8+T細胞は、ある慢性的な感染及び腫瘍において存在するが、標的細胞を溶解する抗原特異的CD8+T細胞の能力を阻止されうるということを新たなデータは示すので、全てのエフェクター細胞機能を一つの細胞レベルで計測するアッセイが必要とされる。(Appay et al.(2000) J. Exp. Med. 192: 63-75; Lee et al. (1999) Nature Med. 5: 677-685; Zajac et al.(1998) J. Exp. Med. 188: 2205-2213)
[0006] フローサイトメトリーに基づいた細胞性細胞障害活性アッセイの発展をとおして、51Cr放出アッセイの限界のいくつかに打ち勝とうという最近の試みでは、いくつかのグループは、プレラベルされた標的細胞から放出される又は保持されるフルオロクロームの量に基づいて標的細胞の死を計測し(Sheehy et al.(2001) J. Immunol. Meth. 249: 99-110; erratum: 252: 219-220(2001))、又は挿入性DNA色素を用いて、遅い段階の標的細胞の死を検出した(Lecoeur et al.(2001) J. Immunol. Meth. 253:177-187)。しかしながら、これらのアッセイのどれも、標的細胞殺傷の始まり及び実行に責任のある基本的な過程を明らかにしないし、抗原に晒されることに続いてin vivoで生成される初期の細胞性細胞障害活性の分析に適応されない。
発明の要約
[0007] 本発明は、特定の標的抗原及び/又は標的細胞に対する細胞性細胞障害反応の存在及び程度の計測を提供する新規の非放射性アッセイに関する。特に、ある態様では、本発明は、非放射性の細胞内カスパーゼ活性の指標又はレポーター分子(特に蛍光又は蛍光発生性の指標)を用いて、及び場合により一つの細胞に基づく検出器としてフローサイトメトリーを用いて決定される細胞性細胞障害活性が、驚くほど高感受性を示すという発見に関する。これらのアッセイは、例えば、慣用の放射性クロム51放出アッセイが、そういった活性を効果的に検出することに失敗するところの条件下(例えば早い時間点、又は免疫記憶活性が低いところでの抗原投与のあと過度に長い時間後)で、免疫記憶細胞の細胞障害活性を検出しうる。
[0008] 本発明は、細胞性細胞障害活性が、標的細胞(殺傷される細胞)のアポトーシス経路の活性化に先立つという驚くべき発見に関する。このように、細胞障害性エフェクター細胞(CTL、NK細胞、マクロファージ、など)で接触された標的細胞におけるアポトーシス経路の活性を検出すること(例えばカスパーゼ活性、核崩壊、グランザイムBの活性など)は、例えばマイナーな抗原に関する細胞障害活性をより高い感受性で計測することを提供する。
[0009] 本発明の非放射性アッセイは、伝統的な放射性「クロム放出」アッセイのよい代わりとなる。
[0010] ある態様では、本発明は、細胞性細胞障害活性を検出する方法を提供する。方法は、典型的に、標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションすること;そして、標的細胞において活性化されたカスパーゼの存在又は活性を検出することを含みうる。ここで、活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、活性化されたカスパーゼの存在又は活性の蛍光又は蛍光発生性指標を用いることによって検出され、そして、活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、細胞障害性エフェクター細胞が標的細胞に対し活性であるということ示す。ある態様では、好ましい細胞障害性エフェクター細胞は、非限定的に細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー細胞(NK)、及びマクロファージを含む。ある態様では、検出は、1以上の指標を、一つの細胞で検出すること(たとえば一つの細胞の画像に基づく装置の使用)を含む。ある態様では、検出は、セルソーターを用いない。ある態様では、本発明は、活性化されたカスパーゼによって生産される分解産物をその分解産物に特異的に結合する蛍光ラベルされた抗体と接触すること、及び/又は活性化されたカスパーゼの基質を、カスパーゼによって切断される前に特異的にその基質に結合する蛍光ラベルされた抗体と接触させることを含む。ある態様では、基質を、顆粒由来のアポトーシスに関わるタンパク質分解酵素によってプロセッシングされる細胞性タンパク質(例えばPARP、核ラミンなど)と接触させること含む。ある態様では、検出は、活性化されたカスパーゼを、特異的に活性化されたカスパーゼに結合する蛍光ラベルされたリガンドを含む指標と接触させることを含む。ある好ましい蛍光又は蛍光発生性リガンドは、特に活性化されたカスパーゼの基質結合サイトに結合する。ある態様では、リガンドは、PARP、核ラミン、アクチン、PKCγ、SREBP、U1-RNP、DNA-PK、G4-GDI、ハンチンチン、及びHnRNP-C1/2、から成る群から選ばれるポリペプチドのサブ配列を含み、ここでサブ配列は、活性化されたカスパーゼの基質結合サイトに特異的に結合するために十分な長さ(例えば、少なくとも1のアミノ酸、好ましくは少なくとも2のアミノ酸、より好ましくは少なくとも4,6,又は8のアミノ酸)である。好ましい活性化されたカスパーゼは、非限定的にカスパーゼ-1、カスパーゼ-2、カスパーゼ-3、カスパーゼ-6、カスパーゼ-8、及びカスパーゼ-9を含む。ある態様では、リガンドは抗体であり、当該抗体は特異的に活性カスパーゼに結合する。ある態様では、リガンドは、活性カスパーゼの基質であるポリペプチドを含む。ある好ましいリガンドは、非限定的にKDPC5GDEVDGIDGC5PKGY(配列番号:1)、KDPC5GDEVDGINGC5PKGY(配列番号:2)、KDPC5GLVEIDNGGC5PKGY(配列番号:3、KDPC5YVHDAPVGC5PKGY(配列番号:4)、KDPC5GYVHDGINGC5PKGY(配列番号:5)、KDPC5GYVADGINGC5PKGY(配列番号:6)、KDPC5IETDSGVGC5PKGY(配列番号:7)、KDPC5GLEHDGINGC5PKGY(配列番号:8)、KDPC5GDEVDGIDGC5PKGY(配列番号:9)、及びKDPC5GIEPDGC5PKGY(配列番号10)、KDPC5GIEPDGINGC5PKGY(配列番号:11)、及びKDPC5GIETDGINGC5PKGY(配列番号:12)から成る群から選ばれるアミノ酸配列を含むリガンドを含む(例えば、米国特許第6,037,137号; 5,605,809号; 5,714,342号及びPCT公報WO 01/18238号及びWO 98/37226号参照のこと)。
[0011] ある態様では、リガンドは、基質が活性カスパーゼによって切断されるとき、その蛍光シグナル又はその吸収スペクトルが変わる一つのクロモフェアに付着する。ある態様では、リガンドは、カスパーゼの基質を含み、基質のアミノ末端残基でカルボキシル末端と同じフルオロフォアに結合する。一方別の態様では、リガンドは、基質が活性カスパーゼによって分解されるとき、その蛍光シグナル又は吸収スペクトルが変わる2つのクロモフォアに結合する。クロモフォア及びリガンドは、クロモフォアがH-ダイマー、J-ダイマーを形成するように、又はどちらのダイマーも形成しないように選ばれうる。ある例では、クロモフォアは、1の非蛍光クロモフォア及びフルオロフォアを含む。ある例では、クロモフォアは、両方ともフルオロフォア及び同じ種のフルオロフォアである。ある態様では、リガンドは、活性カスパーゼの自殺阻害剤(例えば不可逆阻害剤)又は活性カスパーゼの可逆阻害剤である。ある自殺阻害剤は、非限定的にフルロメチルケトン、クロロメチルケトン、ブロモメチルケトン、及びイオドメチルケトンを含む反応性を含む。
[0012] ある態様では、リガンドは、P1'位置においてアルデヒド部分を含む。ある態様では、リガンドは、P1からP8’残基の範囲の位置でフルオロフォア又はクロモフォアを有するカスパーゼの基質を含む。基質のアミノ及び/又はカルボキシル末端残基は、ブロックされうるし又はブロックされないこともありうる。ある好ましい指標は、非限定的にフルオロセイン、フィコエリチン(Phycoerythine)、カルボキシテトラメチルローダミン、カルボキシローダミン-X、カルボキシローダミン-110、ジエチルアミノコウマリン(diethylaminocoumarin)、及びカルボシアニン(carbocyanine)色素を含むフルオロフォアを含む。指標は、フルオロフォア、クロモフォア、又は別の疎水性基(例えば、Fmoc、9-フルオレンアセチル基、1-フルオレンカルボキシル基、9-フロレンカルボキシル基、および9-フルオレン-1-カルボキシル基、ベンジルオキシカルボニル、キサンチル(Xan)、トリチル(Trt)、4-メチルトリチル(Mtt)、4-メトキシトリチル(Mmt)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル-ベンゼンスルホニル(Mtr)、メシチレン-2-スルホニル(Mts)、4,4'-ジメトキシベンジドリル(Mbh)、トシル(Tos)、2,2,5,7,8-ペンタメチル・クロマン-6-スルホニル(Pmc)、4-メチルベンジル(MeBzl)、4-メトキシベンジル(MeOBzl)、ベンジルオキシ(BzlO)、ベンジル(Bzl)、ベンゾイル(Bz)、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル(Npys)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジアキソシクロヘキシリデン)エチル(Dde)、2,6-ジクロロベンジル(2,6-DiCl-Bzl)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-Cl-Z)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(2-Br-Z)、ベンジルオキシメチル(Bom)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、シクロヘキシルオキシ(cHxO)、t-ブトキシメチル(Bum)、t-ブトキシ(tBUO)、t-ブチル(tBu)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル(TFA)及びそのようなもの)でありうる1以上の疎水基を有しうる。ある例では、指標は、標的細胞の内に存在する。ある例では、コインキュベーションは、標的細胞を溶かすことを含む。ある態様では、標的及び/又はエフェクター細胞は、組織学の切片内に存在する。ある態様では、標的細胞は、2以上の異なるカスパーゼに対し特異的なカスパーゼ指標を含む。標的細胞は、場合によりウイルス、細菌又は別の微生物に感染されうるし、及び/又は1以上の異種タンパク質を発現する。好ましい標的細胞は、非限定的に腫瘍細胞、神経細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、結合組織細胞、骨細胞、血液細胞、脊髄液由来細胞、リンパ液由来細胞、及び炎症部位由来細胞を含む。
[0013] 別の態様では、本発明は、細胞性細胞障害活性を検出する方法を提供する。方法は、標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションし、そして、標的細胞において活性化されたカスパーゼの存在及び活性を検出することを含みうる。ここで活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、細胞障害性エフェクター細胞が標的細胞に対し活性があるということを示す。好ましい細胞障害性エフェクター細胞は、非限定的に細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージを含む。検出は、本明細書中で記述され又は特許請求されるいずれの方法及び/又は指標を含みうる(例えば、上記参照のこと)。同様に、指標は、いずれのフルオロフォア、クロモフォア、リガンド、ブロック基、疎水性基、及び本明細書中で記述され又は特許請求される類似のものを含みうる。ある例では、指標は標的細胞内に存在する。ある例では、コインキュベーションは、標的細胞を溶解することを含む。ある例では、標的及び/又はエフェクター細胞は、組織学切片内に存在する。ある態様では、標的細胞は、2以上の異なるカスパーゼ特異的なカスパーゼ阻害剤を含みうる。標的細胞は、場合によりウイルス、細菌、又は別の微生物により感染されうるし、及び/又は1以上の異種タンパク質を発現しうる。好ましい標的細胞は、非限定的に、腫瘍細胞、神経細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、結合組織細胞、骨細胞、血液細胞、脊髄液由来細胞、リンパ液由来細胞、及び炎症部位由来細胞を含みうる。
[0014] 別の態様では、本発明は、細胞性細胞障害活性を検出する方法を提供する。本方法は、標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションし;そして、標的細胞においてアポトーシス経路の活性を検出することを含む。ここで、アポトーシス経路の活性は、細胞障害性エフェクター細胞が、標的細胞にたいして活性であることを示す。好ましい細胞障害性エフェクター細胞は、非限定的に細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージを含む。ある態様では、アポトーシス経路の活性を検出することは、アポトーシス経路においてタンパク質分解酵素の活性を検出することを含む。ある態様では、標的細胞は、アポトーシス経路を構成するタンパク質分解酵素(例えば活性化されたカスパーゼ)の活性を示すシグナルを提供する指標を含む。ある態様では、アポトーシス経路の活性の検出は、標的細胞においてグランザイム、カテプシンW、又はカルパインの活性又はレベルを計測することを含む。標的細胞においてグランザイム、カテプシンW、又はカルパインの活性又はレベルは、非限定的にグランザイム、カテプシンW、カルパインに特異的な抗体を用いること、キャピラリー電気泳動、質量分光法などを含む複数の方法のいずれかによって決定されうる。ある態様では、アポトーシス経路の活性の検出は、標的細胞の核断片化を計測することを含む。核断片化は、当業者に知られているたくさんの方法のいずれかによって決定されうる。ある方法は、標的細胞の核を染色することを含む。ある態様では、アポトーシス経路の活性の検出は、アネキシン-V(例えば、検出可能なラベルでラベルされたアネキシン-V)の標的細胞に対する結合を検出することを含む。ある態様では、アポトーシス経路の活性の検出は、易感染性又は損傷をうけた原形質膜を有する細胞を優先的に又は特異的に染める薬剤(例えば、PI、7-ADD、及び臭化エチジウムなど)を用いることを含む。
[0015] 本発明は、免疫記憶細胞障害性効果活性の存在を検出する方法を提供する。この方法は、標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションすることを含み、ここで、コインキュベーションの期間は、効果活性が向けられる最初の免疫原で刺激をした後、少なくとも8日(好ましくは少なくとも10日、より好ましくは少なくとも15,30,又は60日)間であり;及び/又は;細胞障害性エフェクター細胞は免疫記憶細胞である。そして、この方法は、標的細胞において活性化されたカスパーゼの存在又は活性を検出することを含み、ここで活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、活性化されたカスパーゼの存在又は活性の蛍光又は蛍光発光性の指標を用いて検出され、及び活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、免疫記憶細胞障害性エフェクター細胞が標的細胞に対して活性であるということを示す。ある例では、細胞障害性エフェクター細胞は、CD8+T細胞である。ある例では、方法は、エフェクター細胞を再刺激することを含まない。検出は、本明細書中に記述されるいずれかの方法によって(例えば、本明細書中に記述される一以上のいずれかの指標を用いて)でありうる。
[0016] さらに別の態様では、本発明は、哺乳動物において、特定抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こす能力について試験薬剤をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、哺乳動物に対し試験薬剤を投与すること;哺乳動物からエフェクター細胞を獲得すること;抗原提示する標的に対するエフェクター細胞の細胞障害活性を計測することを典型的に含む。ここで、細胞障害活性は、本明細書中で記述されるいずれかの方法及び/又は指標を用いることで計測され、エフェクター細胞の標的細胞に対する細胞障害活性は、試験薬剤が抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こすという指標である。
[0017] 本発明は、ワクチンにおいて使うための抗原を最適化する方法を提供する。この方法は、ワクチンの候補である複数の抗原を提供し;本明細書中で記述されるいずれかの方法及び/又は指標のいずれかを用いて抗原をスクリーニングし;及び抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こす抗原を選択することを典型的に含む。
[0018] 以前のワクチン接種、免疫化、又は病気へ晒されることから、哺乳動物が免疫を保持しているかを決定するために哺乳動物を試験する方法が提供される。方法は、典型的にエフェクター細胞を哺乳動物から獲得すること;及びワクチン接種、免疫化、又は病気へ晒されることによって引き起こされる免疫反応の標的である抗原を提示する標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性を計測することを含む。ここで、細胞障害活性は、本明細書中で記述された方法及び/又は指標のいずれかを用いて計測され、標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性は、ワクチン接種、免疫化、又は病気へ晒されることから動物が免疫を保持する指標となる。ある態様では、エフェクター細胞は、細胞障害性Tリンパ球(CTL)(例えば、CD8+細胞障害性Tリンパ球)。
[0019] ある態様では、本発明は、哺乳動物を試験し、哺乳動物が特定の抗原へと晒されたことがあるか決定する方法を提供する。この方法は、哺乳動物からエフェクター細胞を獲得し;そして抗原を提示する標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性を計測することを含む。ここで、細胞障害活性は、本明細書中に記述される方法及び/又は指標を用いて計測され、標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性は、動物が抗原に晒されたことがあるという指標である。
[0020] 更なる別の態様では、本発明は、動物が、ある臓器又は組織に対する細胞性免疫反応を起こすどうかを哺乳動物で試験する方法を提供する。この方法は、哺乳動物からエフェクター細胞を獲得し、そして臓器又は組織由来の標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性を計測することを含む。ここで、細胞障害活性は、本明細書中で記述される方法及び/又は指標のいずれかを用いて計測され、標的細胞に対するエフェクター細胞の細胞障害活性は、哺乳動物が、組織又は臓器に対して免疫反応を起こすだろうという指標である。ある態様では、臓器又は組織は、哺乳動物への移植のための候補である異種の臓器又は組織である。
定義
[0021] 以下の略語は、本明細書中で使われる:7-AAD、7-アミノ-アクチノマイシンD; CTL、細胞障害性Tリンパ球;FC Assay、フローサイトメトリー細胞障害性アッセイ; FCS、ウシ胎児血清; NK、ナチュラルキラー細胞; PBMC;抹消血単核細胞; PI、プロピジウム・アイオダイド; PS、ホスファチジルセリン; rIL-2、組換えヒトインターロイキン-2。
[0022] タンパク質分解酵素の「自殺阻害剤」は、実質的に不可逆的にタンパク質分解酵素に結合し、それにより上記タンパク質分解酵素の活性を阻害するリガンドである。
[0023] 免疫記憶細胞は、決められた時間点、例えば8日間を超えて、特定の細胞性細胞障害活性を示す細胞のことを指す。
[0024] 本明細書中で、効果及び/又は標的細胞について使われるとき、「コインキュベーション」という用語は、エフェクター細胞及び/又は標的細胞を緩衝液及び/又は培地に配置することを指し、ここにおいて細胞が相互作用(例えば細胞障害性反応を引き起こすことが)できる。ある態様では、コインキュベーションは、加熱、暖めること、又は細胞を特定の温度で維持すること、及び/又は細胞を継代することを含みうる。
[0025] 化学的反応性の基(例えば、ペプチド上のαアミノ基)について使われるとき、ブロックされるという用語は、官能基が実質的に化学的にもはや反応性でないということを示す。ブロックされないという用語は、基が基学的に反応性であるということを指す。
[0026] 「蛍光指標」は、指標が蛍光であることを指し、そして「蛍光発生性指標」は、修飾されたとき(例えば、その標的分子と相互作用によって)その蛍光を変化する(例えば、増加させる又は減少させる)指標のことを指す。
[0027] 「J-ダイマー」は、2のフルオロフォアのことを指し、その遷移性双極子が頭と尻尾に配置されて、励起された1重項の開烈をもたらし;基底状態と上位の励起状態との間の遷移が禁止され、そして基底状態と低位の励起状態との間の遷移が可能であると考えられる。「H-ダイマー」は、二つのフルオロフォアのことを指し、その遷移性双極子は、平行に配置されて励起された1重項の状態の開烈をもたらし;基底状態と上位の励起状態との間の遷移が可能であり、基底の状態と低位の励起状態との間の遷移が禁じられていると考えられる。
[0028] 「一つの細胞の画像に基づく装置」は、一つの細胞からの情報を可視化し及び/又は処理することを可能とする装置のことである。
[0029] 「タンパク質分解酵素結合部位」という用語は、タンパク質分解酵素によって特徴的に認識され及び切断されるアミノ酸配列のことを指すために本明細書中で使われる。タンパク質分解酵素結合部位は、タンパク質分解酵素により加水分解されるペプチド結合を含み、そしてこのペプチド結合によって結合されているアミノ酸残基は、切断部位を形成すると言われる。これらアミノ酸は、加水分解された結合のそれぞれアミノ側及びカルボキシル側の残基をP1及びP1’と名づけられる。
[0030] 「クロモフォア」は、光の吸収の原因となる基、基礎構造、又は分子である。典型的なクロモフォアは、それぞれ特徴的な吸収スペクトルをもつ。
[0031] 「フルオロフォア」は、特徴的な波長の光を吸収し、そして次に光を、最も典型的には特徴的な異なる波長で再放出するクロモフォアのことである。フルオロフォアは、当業者に良く知られており、非限定的にローダミン及びローダミン誘導体、フルオレセイン及びフルオレセイン誘導体、ランタニドイオン系列を有するクマリン及びキレート剤を含む。フルオロフォアは、吸収するが、特徴的な光を再放出しないクロモフォアと区別される。
[0032] 「蛍光発生性指標」又は「蛍光発生性組成物」は、蛍光シグナルを産生する本発明の指標(指標組成物)である。
[0033] 「タンパク質分解酵素指標」は、タンパク質分解酵素の存在又は活性を示す組成物である。さらに好ましくは、タンパク質分解酵素の指標は、タンパク質分解酵素活性の存在又は活性を指す組成物である。
[0034] 「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書中で互換性を持って用いられる。この用語は、1以上のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工化学アナログであるアミノ酸ポリマー、及び天然アミノ酸ポリマーに適用される。この用語は、アミノ酸を結合してポリペプチドを作り上げる伝統的なペプチド結合上のバリアントを含む。好ましい「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」は、そのα炭素が、ペプチド結合を通して結合されるアミノ酸の鎖である。鎖のある一方の末端(アミノ末端)における末端アミノ酸は、結合していないアミノ基を有し、一方、鎖のもう一方の末端(カルボキシル末端)における末端アミノ酸は、結合していないカルボキシル基を有する。本明細書中で使われるとき、「アミノ末端」(N-末端と省略される)は、ペプチドのアミノ末端におけるアミノ酸上の結合していないα-アミノ基のことを指すか、又はペプチド中における別のいずれかの場所におけるアミノ酸のα-アミノ基(イミノ基がペプチド結合に参加しているときのイミノ基)のことを指す。同様に、「カルボキシル末端」という用語は、ペプチドのカルボキシル末端の結合していないカルボキシル基のことを指すか、又はペプチド中の別のいずれかの場所におけるアミノ酸のカルボキシル基のことを指す。ペプチドは、非限定的にペプチドミメティクス、例えばアミド結合に対してエステルによって結合されるアミノ酸を含むいずれのポリアミノ酸を実質的に含む。
[0035] 本明細書中に記述されるポリペプチドは、好ましくはアミノ末端を左に及びカルボキシル末端を右に書かれる。本発明のペプチド成分を構成するアミノ酸は、タンパク質分解酵素切断部位について、切断部位からのカルボキシル及びアミノの両方の方向への連続的に増加する数字で、番号を付けられる。カルボキシル部位における残基は、P1’内のとき""で、又はそれらが位置する場所を示す文字及び上付き文字で書き留められる。""は、残基が、切断部位のカルボキシル側上に位置されるということを指す。
[0036] 本明細書中で使われるとき、「残基」又は「アミノ酸」という用語は、ペプチドに組み込まれるアミノ酸のことを指す。アミノ酸は、天然のアミノ酸でありうるし、他に制限がない限り、天然アミノ酸と同様に機能できる天然アミノ酸の既知のアナログを含みうる。
[0037] 「ドメイン」又は「領域」という用語は、ポリペプチドの特徴的な領域のことを指す。ドメインは、特別な構造的な姿、例えばβターン、αへリックス、又はβプリーツシートによって、特徴的アミノ酸構成成分(例えば優先的に疎水性又は親水性アミノ酸、又は繰り返しのアミノ酸配列)によって、又は折り畳まった3次元のポリペプチドの特別な領域内に局在化することによって特徴付けられうる。本明細書中で使われるとき、領域又はドメインは、近接したアミノ酸の配列で構成される。
[0038] 「タンパク質分解酵素活性」又は「タンパク質分解酵素の活性」という用語は、タンパク質分解酵素によるペプチドの切断のことを指す。タンパク質分解酵素活性は、一以上のペプチドを多くの数の小さなペプチド断片へと「消化」することを含む。特定のタンパク質分解酵素のタンパク質分解酵素活性は、特定のタンパク質分解酵素によって特徴的に認識される特定のペプチド結合部位における加水分解をもたらしうる。特定のタンパク質分解酵素は、特定の末端アミノ酸を有するペプチド断片の産生によって特徴付けられうる。
[0039] 「試験薬剤」という用語は、本明細書中で記述される1以上のアッセイにおいて選ばれる薬剤のことを指す。薬剤は、実質的にいずれかの化学化合物でありうる。一つの単離された化合物として存在しうるし、又は化学(例えばコンビナトリアル)ライブラリーのメンバーでありうる。ある特に好ましい態様では、試験薬剤は、有機低分子であろう。
[0040] 「有機低分子」という用語は、医薬において通常使われる有機分子と比較できる分子のサイズのことを指す。この用語は、生物的巨大分子(例えば、タンパク質、核酸など)を除外する。好ましい有機低分子は、約3000Daまで、より好ましくは2000Daまで、及び最も好ましくは約1000Daまでのサイズの範囲である。
[0041] 巨大分子という用語は、「大きい」分子のことを指す。生物ポリマー(例えば、タンパク質、糖タンパク質、炭水化物、脂質、多糖、及びそのようなもの)は、典型的な巨大分子である。典型的巨大分子は、約1000Daをこえる、好ましくは約2000Daを超える、より好ましくは約3000Daを超える、及び最も好ましくは約4000Da又は5000Daを超える分子量を有する。
[0042] 「生物サンプル」という用語は、本明細書中で使われるとき、生体から、生体の構成物(例えば細胞又は組織)から、及び/又はin vitro細胞培養又は組織培養から得られたサンプルのことを指す。サンプルは、いずれの生物組織又は液体(例えば血清、リンパ液、脳脊髄液、尿、痰)でありうる。生物サンプルは、生体全体、臓器、又は組織の切片、例えば組織学的目的から取られた凍結切片を含みうる。
[0043] 核酸に結合するタンパク質と核酸結合部位との相互作用、又は2つのタンパク質の相互作用、又は別の結合ペアの相互作用に関していうとき、「特異的に結合する」という用語は、分子(例えば、タンパク質及び別の生物物質)の異種集合の存在下において、結合ペアのある又は別のメンバーの存在を決定する結合反応のことを指す。このように、例えば、レセプター/リガンド結合ペアの場合においては、リガンドは、特異的に及び/又は優先的にその受容体を分子の複合体混合物の中から選ぶし、又はその逆もある。酵素は、特異的にその基質などに結合する。結合は、非限定的にイオン性相互作用、共有結合性相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス力など、を含む1以上の様々なメカニズムによって起こりうる。タンパク質分解酵素の活性型(例えばタンパク質分解酵素)に「特異的に結合する」分子は、好ましくは、タンパク質分解酵素の活性型をタンパク質分解酵素の不活性な「前」型から区別することができる。
[0044] 「結合パートナー」という用語、或いは「結合ペア」又は「同族のリガンド」のメンバーは、別の分子と特異的に結合して結合複合体、例えば抗体/抗原、レクチン/炭水化物、核酸/核酸、受容体/受容体リガンド(例えば、IL-4受容体とIL-4)、アビジン/ビオチンを形成する分子のことを指す。
[0045] リガンドという用語は、別の分子と特異的に結合する(例えば、共有結合又は非共有結合的に複合体を形成する)分子のことを指すために使われる。通常、リガンドは、受容体へと結合する可溶性分子、例えばホルモン又はサイトカインである。結合ペアのどちらのメンバーがリガンドであり、どちらのメンバーが「受容体」であるかというような決定は、広い意味の受容体が使われるとき(例えば、シグナル伝達の関連がない場合)、少し任意であることが多い。これらのケースでは、典型的に、結合ペアの2つのメンバーで小さい方がリガンドと呼ばれる。このように、例えばレクチン-糖の相互作用において、糖はリガンドであり(たとええ糖がずっと大きい分子に結合していても、認識は糖による)、タンパク質分解酵素-基質の相互作用において、基質(タンパク質分解酵素によって結合され及び/又は分解される分子)は、リガンドと考えられうる、などである。
[0046] 「標的細胞」という用語は、細胞障害性エフェクター細胞の活性が試験されるところの細胞に関する。好ましい標的細胞は、一以上の抗原を提示しうる。
[0047] 「エフェクター細胞」又は「細胞障害性エフェクター細胞」という用語は、エフェクター細胞が向けられるところの抗原をディスプレイする標的細胞を、殺すことができるか、又は直接又は間接的に死をもたらす細胞のことを指す。好ましいエフェクター細胞は、非限定的に細胞障害性Tリンパ球(CTLs)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージを含む。
[0048] フルオロフォアが分離された(例えば、溶液中で大体10μM又はそれ未満である)とき、Hダイマー形態におけるフルオロフォアの凝集蛍光が、フルオロフォアの凝集蛍光より検出出来るくらい低いならば、Hダイマーにおいて2つのフルオロフォアは、お互い消光すると言われる。H-ダイマーを構成する個々のフルオロフォアのスペクトルと比較するとき、H-ダイマーの吸収スペクトルの最大吸収は、より短波長へと遷移する最大吸収波長をしめす。対称的に、J-ダイマーを構成する個々のフルオロフォアのスペクトルと比較したとき、J-ダイマーの吸収スペクトルは、長波長に遷移する最大吸収波長を示す。H-ダイマー又は凝集体の蛍光強度は、その構成成分の蛍光強度より弱い蛍光強度を示す。一方で、J-ダイマー又は凝集体の蛍光強度は、それらの構成成分のみと同等か又はよりつよい蛍光強度を示す。H-ダイマー又はJ-ダイマー分子或いは凝集体の蛍光強度の増加又は減少は、分子のシグナルレポーター部位の指標として使われうる。好ましい態様では、フルオロフォアは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%、95%、又はさらに少なくとも99%で増加又は消光する。
[0049] 本明細書中に使われるとき、「抗体」は、免疫グロブリンの遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子の断片によって実質的にコード化される一以上のポリペプチドからなるタンパク質のことを指す。認識された免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、ε、及びμ定常領域遺伝子、並びに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子から成る。軽鎖は、κ又はλとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、又はεとして分類され、それらは次に、免疫グロブリンのクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEをそれぞれ規定する。
[0050] 典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、4量体を構成すると知られている。各4量体は、2つの同一ペアのポリペプチド鎖から構成されて、各ペアが「軽」鎖(約25kD)及び「重」鎖(約50〜70kD)とを有する。各鎖のN-末端は、主に抗原認識に責任のある約100から110又はそれより多いアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)は、それらの軽鎖及び重鎖をそれぞれ指す。
[0051] 抗体は、無傷の免疫グロブリンとして存在するし、又は様々なペプチド分解酵素によって消化されることによって産生されるの良く特徴付けられた断片として存在する。このように、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合の下で抗体を消化し、F(ab)'2、Fabのダイマーであって、それ自身がジスルフィド結合によってVH-CH1に結合する軽鎖であるFabを産生する。F(ab)'2は、穏やかな条件下で減少されてヒンジ領域においてジスルフィド結合を破壊し、それにより(Fab')2ダイマーをFab'単量体へと変換する。Fab'単量体は、実質的にヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology, W.E. Paul, ed., Raven Press, N.Y.(1993)の別の抗体断片のより詳細な記述について参照のこと。)。様々な抗体断片が、無傷の抗体を消化することの点で定義される一方で、そういったFab'断片が新規に化学的に又は組換えDNAの方法論を用いることによって合成されうるということを技術の一つが認めるだろう。このように、抗体という用語は、本明細書中で使われるとき、抗体全体を修飾することによって産生されるか又は新規に組換えDNAの方法論を用いて合成される抗体断片を含む。好ましい抗体は、一本鎖の抗体(一本のポリペプチド鎖として存在する抗体)、より好ましくは一本鎖Fv抗体(sFv又はscFv)を含み、ここで、可変重鎖及び可変軽鎖は(直接又はペプチド結合を通して)供に結合されて連続のポリペプチドと形成する。一本鎖Fv抗体は、共有結合されたVH-VLヘテロダイマーであり、このヘテロダイマーはVH-及びVLをコード化する配列であって、直接結合される又はペプチドをコード化するリンカーによって結合される配列を含む。Huston, et al., (1988) Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 85: 5879-5883。VH及びVLは、一本のポリペプチド鎖として各々結合し、VH及びVLドメインは、非共有結合で相互作用する。繊維状ファージの表面上に発現される一番目の機能的な抗体分子は、一本鎖Fv's(scFv)であるが、変わりの発現戦略もまた成功してきている。例えば、もし鎖(重鎖又は軽鎖)の一方がg3キャプシドタンパク質へと融合し、そして相補鎖が可溶性分子としてペリプラズムへと輸送されるなら、Fab分子は、ファージ上に提示されうる。2つの鎖は、同じ又は異なるレプリコン上にコード化されうる;重要な点は、各Fab分子における2つの抗体鎖が翻訳後に集合し、そしてダイマーがファージ分画に一方の鎖のg3pに対する結合を通して取り込まれるということである(例えば、米国特許第5733743号参照のこと。)。scFv抗体並びに多くの別の構造であって、天然凝集するが、化学的に分かれている抗体V領域由来の軽鎖及び重鎖のポリペプチド鎖を、抗原-結合部位の構造と実質的に類似な3次元構造におりたたまる分子へと変換させる構造は、当業者に知られている。(例えば米国特許第5,091,513号、5,132,405号、及び4,956,778号を参照のこと)。特に好ましい抗体は、ファージ上に提示された全てを含むべきである(例えば、scFv、Fv、Fab、及び、ジスルフィド結合されたFv(Reiter et al.(1995) Protein Eng. 8: 1323-1331))。
発明の詳細な説明
[0058] 腫瘍細胞及び(ウイルス、細菌、及び寄生虫を含む)細胞内感染病原体に対する特異的な宿主免疫反応の構成成分は、細胞性細胞障害活性であり、この細胞性細胞障害活性は、病原体由来の主要組織適合性複合体関連ペプチド抗原を発現する細胞の殺傷をもたらす。細胞性細胞障害活性は、細胞内感染の設定の際に致命的である。過去30年の間、多くの研究室が、細胞性細胞障害活性の役割を、主にクロム放出アッセイ(51Crアッセイ)で研究してきており、このアッセイは、細胞障害性Tリンパ球(CTLs)又は他のエフェクター細胞による標的細胞の溶解の程度を計測する。近年では、代わりの技術が発展されてきた。代わりの技術は、特定の活性化(エリスポットアッセイ、細胞内染色)の後に細胞障害性エフェクター細胞によって、又は特定のT細胞受容体(4量体)を表面に発現することによって分泌される特定のサイトカインを検出することに基づく。これらの技術は、抗原特異的T細胞活性の異なる性質又は機能を測定する。
[0059] 本発明は、生きた全部の細胞を用いて及び様々な活性化細胞内カスパーゼの活性を検出することにより、細胞性細胞障害活性(例えば、特定の抗原に対するクラス1制御性エフェクター細胞反応)が、標的細胞(殺される細胞)におけるアポトーシス経路の活性に先立つという発見に関する。それ以上に、私達は、生細胞全体に見られる細胞内酵素活性並びにプロカスパーゼの活性化の順番及びプロカスパーゼの活性化のメカニズムが、無細胞溶液酵素アッセイ又は無細胞モデルのアポトーシスシステムに基づいて観測されるものと異なりうるということを発見した。このように、細胞障害性エフェクター細胞(例えば、CTL、NK細胞、マクロファージ、など)を接触させた標的細胞におけるアポトーシス経路(カスパーゼ活性、グランザイムB、及び別の細胞障害性細胞の顆粒由来グランザイム及びタンパク質分解酵素、核凝集及びDNA断片化、核崩壊、など)の活性の検出は、別のアッセイで観測される計測に比べ、エフェクター細胞のクラス1制御性細胞性細胞障害活性のより良い計測を提供する。本発明のアッセイは、伝統的な「クロム放出」(51Cr)アッセイのよい置換えである。
[0060] 通常、本発明のアッセイは、コインキュベーション及び/又は標的細胞(例えば抗原提示細胞(APC))を細胞障害性エフェクター細胞(例えば、CTL、NK細胞、マクロファージなど)と接触すること、及び(例えば、カスパーゼ活性、グランザイム活性、核崩壊などを検出することによって)アポトーシス経路の活性を標的細胞において検出することを含み、ここで、アポトーシス経路の活性は、細胞障害性エフェクター細胞が上記標的細胞に対して活性があるということを示す。
[0061] 本発明のアッセイは、多くの数の脈絡において使用を見つける。例えば、ある態様では、このアッセイは、特別の抗原に対するクラス1制御性細胞性細胞障害活性を引き起こす能力に関し、試験薬剤(例えば、ペプチド、有機低分子、ワクチン、核酸、など)の能力を選別するために使われうる。この方法は、生体に対し試験薬剤を投与し、生体からのエフェクター細胞を獲得し、抗原を提示する標的に対するエフェクター細胞の細胞障害活性を計測することを含む。ここで、細胞障害活性は、本発明のアッセイをもちいて計測される。
[0062] 同様に、本発明のアッセイは、対象が以前のワクチン接種/免疫化からもたらされるいずれかの免疫を有するかを確かめるために使われうる。与えられたワクチンと関連する既知の抗原は、例えば、与えられた対象のサンプル細胞に存在するいずれかのエフェクター細胞及び/又は免疫記憶細胞を検出及び定量するために使われうる。いくつかのアッセイシステムでは、与えられた標的細胞は、既知のウイルス或いは遺伝子又は一まとまりの遺伝子で感染されて試験標的細胞の膜表面上に望ましい抗原が提示されるか、又は膜表面上で試験標的細胞が既知の抗原ペプチド又は抗原でパルスされうる。このアッセイを用いて、通常の大衆は、「過度に免疫化」されることから守られ、そしてそれにより、様々なワクチンの副作用に不必要に晒されることを避けられうる。この脈絡において、試験対象は、細胞性細胞障害活性アッセイにおける効果(免疫記憶細胞)又はエフェクター細胞を供給する。与えられたワクチンに関する既知の抗原は、標的細胞上に提示される。
[0063] 本発明のアッセイは、ワクチン製品の品質管理において、ロットからロットの一貫性を評価するために使われうる。
[0064] 本発明のアッセイは、特定のワクチンに対する最良の抗原又は抗原の組み合わせを特定するために使われうる。
[0065] 別の態様では、本発明のアッセイは、対象が一以上の特定の抗原に晒されたことがあるか(又は現在晒されているか)を決定するために使われうる。
[0066] 更なる別の態様では、本発明のアッセイは、対象が異種の臓器又は組織移植を拒絶するかを決定するために使われうる。
[0067] 上記の通り、本発明のアッセイは、部分的には、標的細胞において細胞性細胞障害活性が、アポトーシス経路の活性化に先立つという驚くべき発見を前提にする。このように、アポトーシス経路の活性を評価するために使われうるアッセイのいずれもが、特定の抗原又は抗原の組み合わせを提示する標的細胞に対する細胞障害性エフェクター細胞の活性を評価するために使われうる。
[0068] カスパーゼの活性が、細胞性細胞障害活性に対する特に良いマーカーであるということは、驚くべき発見であった。このように、特別の態様では、標的細胞における1以上のカスパーゼの活性が検出され、そしてエフェクター細胞(例えば、NK細胞、CTL、マクロファージ)の標的細胞に対する活性の計測を提供する。
[0069]アポトーシス経路を検出する方法は、当該技術分野の当業者によく知られており、多くのアポトーシスアッセイキットが、商業的に利用できる。ある試みでは、カスパーゼの活性化は、標識されたカスパーゼの基質を用いることによって評価されうる。このように、例えば、FITC又は別のフルオロフォアは、アミノ末端残基においてカスパーゼの基質を標識でき、又P2残基のアミノ酸側鎖(例えば、カスパーゼ-3の基質(DEVE配列、配列番号13)のバリン残基を置き換えたリジン残基、またはカスパーゼ-6の基質(VEID、配列番号:14)におけるイソロイシン残基を置き換えたリジン残基において)においていて結合されうる。この蛍光標識されたペプチド基質は、活性カスパーゼの自殺(不可逆)阻害剤又は可逆阻害剤として作用しうる。例えば、P1'位置における化学的反応性部分(たとえば、フルオロメチルケトン、クロロメチルケトン、ブロモメチルケトン、及びイオドメチルケトン)は、活性カスパーゼに対し不可逆に結合する基質を作りだすことができる。活性カスパーゼは、実質的に自殺阻害剤によって共有結合で標識され、そして標識は、活性カスパーゼの存在及び/又は量の計測を提供する。可逆性の阻害剤も同様に作用する。このように、例えば、P1'位置においてアルデヒド部位を有するカスパーゼの基質、例えばFITC-DEVD-CHO(配列番号15)は、同様に使われうる。
[0070] 抗体は、活性化されたカスパーゼ、又は別のタンパク質分解酵素、及び/又はアポトーシス経路の別の構成成分を検出するためにも使われうる。活性化されたカスパーゼの基質(切断前)に結合し、かつ次に切断後の基質に結合できない、或いは切断産物に特異的に結合するか、又は活性化された形態のカスパーゼに特異的に結合する抗体(例えば標識された抗体)は、活性化されたカスパーゼ又は活性化されたカスパーゼの活性を検出するために容易に使われうる。
[0071] カスパーゼの活性化型に特異的に結合する抗体(例えば、ポリクローナル、モノクローナル、抗体断片、一本鎖抗体)は、商業的に利用できる(例えば、BD PharMinge FITC結合モノクローナル抗体、及びアポトーシス検出キット)。ある態様では、抗体は、カスパーゼが活性化されるとき、プロカスパーゼ断片がプロセッシングする部位について新しく生成されるアミノ末端残基及び/又は新しく生成されるカルボキシル末端残基を特異的に認識する。新しく生成されたプロカスパーゼ断片(カスパーゼ活性化の残りの形態)は、カスパーゼの活性化を計測するために使われうる(検出されうる)。同様に、抗体は、別の活性アポトーシス関連タンパク質分解酵素、顆粒から放出されるタンパク質分解酵素(例えば、顆粒由来のタンパク質分解酵素、例えばグランザイムB、カテプシンW、カルパイン、及びそのようなもの)の存在を決定するために使われうる。
[0072] カスパーゼの巨大分子標的(又は別のアポトーシス関連タンパク質分解酵素の基質)の切断部位を特異的に認識する抗体又は別のリガンドは、活性カスパーゼ(又は別のタンパク質分解酵素)の存在を検出するための便利なマーカー分子でありうる。アポトーシス関連基質の切断産物を特異的に認識する別の抗体は、アポトーシス活性をアッセイするために同様に使われうる。抗体又はリガンドは、(例えばフルオロフォア又はクロモフォアで)標識されうる。基質が切断されるとき、抗体又はリガンドは、もはや結合せず、そしてそれによりタンパク質分解酵素の活性の計測を提供する。代わりに、基質の切断産物に特異的に結合する抗体又はリガンドは、タンパク質分解酵素活性を直接計測するために使われうる。カスパーゼの巨大分子生理的基質のいくつかの例は、非限定的にPARP、核ラミン、アクチン、PKCγ、SREBP、U1-RNP、DNA-PK、G4-GDI、ハンチンチン、及びHnRNP-C1/2を含む。
[0073] 別の態様では、様々なアポトーシス経路のタンパク質分解酵素の活性は、タンパク質分解酵素の指標を用いて検出される。広い様々なそういった指標は、当業者によく知られている。そういった指標は、クロモフォア又はフルオロフォアラベルに基づいたタンパク質分解酵素(カスパーゼ)基質を含み、この基質は、環状又は直鎖の、モノ、ジペプチド、トリペプチド、及びテトラペプチドから8,12,16,20,30又は31アミノ酸残基の長いペプチド基質であって、1又は2のクロモフォア又はフルオロフォア或いはクロモフォアとフルオロフォアの組合わせを付着する基質を含む。ある態様では、基質は一つのクロモフォア又はフルオロフォア(例えば、P1'残基又はP2'又はP3'からP8'残基までにおいて)有し、かつ典型的にアミノ末端残基はブロックされる。しかしながら、もしペプチドが短いなら、タンパク質分解酵素指標を含むブロックされていないペプチドは、本発明で使われうる。タンパク質分解酵素(例えばカスパーゼ)が作用するとき、新しく生成されたアミノ末端残基はもはやブロックされない。もし、クロモフォアがP1'位置に存在するなら、P1とP1'残基の間の結合の切断は、吸収スペクトルの変化、及び/又は、蛍光強度の変化をもたらすだろう。このクロモフォア部分が、P2'又はPn'位置を占めるならば、新しく生成されたアミノ末端基は、細胞内に存在するアミノペプチダーゼまたはアミノジペプチダーゼ活性に晒されるだろう。同時に、ペプチド結合が結合するクロモフォア/フルオロフォア結合は、加水分解されて吸収及び/又は蛍光の変化をもたらす。
[0074] ある指標は、Marker Gene Technologiesにより作られるらカスパーゼ指標を含む。これらの指標は、ペプチドのカルボキシ及びアミノ末端が、両方とも同じフルオロフォア(例えばローダミン110)に結合して、それにより同じフルオロフォアから干渉されない橋又はループ様構造を形成するところのペプチド(タンパク質分解酵素の基質)を典型的に含む。
[0075] 別の指標は、核共鳴エネルギー転移(FRET)システムを有するタンパク質分解酵素の基質を含み、このFRETシステムは、基質がタンパク質分解酵素により切断されるまで、消光された後者の蛍光を有する2つのフルオロフォア或いはクロモフォアとフルオロフォアを含む。ある好ましい指標は、H-ダイマー(例えば米国特許第5,605,809号、第5,714,342号、及び第6,037,137号及び国際特許出願WO9613607、WO98/37226、及びWO/01/18238及び様々な商業的試薬(Oncoimmunin,Incからの例えばPhiPhLlux(商標))を形成する同一の2重に標識された基質を含む。基質が切断されるとき、蛍光の減少をもたらすJ-ダイマーを形成する基質も考えられる。
[0076] アポトーシス経路の活性を検出するための他の試みは、核染色及び核断片化の計測、アネキシン−V(例えば、標的細胞を染色するフルオロフォア(例えば、FITC、TMR、PE、並びにCy-3,-4,-5,及び-7色素)又はクロモフォアと結合するアネキシン−V)であって、ハイスループットの様式(例えばフローサイトメトリー、プレートリーダー、など)、又は共焦点顕微鏡に容易に適応されうるアネキシン-Vでの標識を含む。
本発明の好ましい態様が、蛍光又は蛍光発生性指標を使用する一方で、ある例では(例えば、特に低い感度が受け入れられるところでは、アポトーシス経路のある構成成分の特異的検出)別の標識は使われうる。そういった標識は、非限定的に、分光学、光化学、生化学、免疫化学、電気学、光学、電気化学、又は化学的手法により検出可能な組成物のいずれかを含む。本発明における有用な標識は、標識されたストレプトアビジン接合体で染色するビオチン、磁性ビーズ(例えばDynabeads(商標))、放射線標識(例えば、3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及び通常ELISAで用いられる別のもの)、及び比色分析の標識、例えば金コロイド(例えば、直径40〜80nMの大きさの範囲における金粒子は、緑光を高効率で反射する。)又は色づけされたガラス又はプラスチック(たとえば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス)ビーズを含む。そういった標識の使用を教える特許は、米国特許第3,817,837号、第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;及び第4,366,241号を含む。
[0078] 典型的に、蛍光又は蛍光発生性標識は、低いバックグラウンドで、とても強いシグナルを与えるので好ましい。蛍光又は蛍光発生性標識は、早い走査型手法を通して、高解像度及び感受性で、光学的に検出できる。
[0079] ある態様では、検出可能なシグナルは、化学発光及び生物発光の原料によって提供されうる。化学発光原料は、化学反応により電気的に活性化され、そしてつぎに検出可能なシグナルとして働く光を放出するか又は蛍光アクセプターにエネルギーを供与する化合物を含む。代わりに、ルシフェリンは、ルシフェラーゼまたはルシジェニンと組み合わせて使われ、生物発光を提供する。
[0080] スピン標識は、不対電子スピンを有するレポーター分子によって提供され、この不対電子スピンは、電子スピン共鳴によって検出されうる。スピン標識の具体例は、有機遊離ラジカル、遷移金属複合体、特にバナジウム、銅、鉄、及びマンガン、及びそのようなものを含む。スピン標識の具体例は、酸化窒素の遊離ラジカルを含む。
[0081] 蛍光ラベルは、一種の有機分子に限るべきではなく、無機分子、有機及び/又は無機分子の多分子性混合物、結晶、ヘテロポリマー、及びそのようなものを含む。このように、例えば、ケイ素シェル内に封入されうるCdSe-CdSコア-シェル・ナノ結晶は、生物分子にカップリングするために、容易に誘導体化される(Bruchez et al.,(1998) Science, 281: 2013-2016)。同様に、高い蛍光量子点(硫化亜鉛でキャップされたカドミウムセレン化物)は、超感受性生物的検出において使われる生物分子に共有結合する。
[0082] 本明細書中で記述されるアッセイにおいて使われる標識は、広い様々な方法のいずれかに従って検出されうる。ある態様では、蛍光又は蛍光発生性試薬は、例えば蛍光光度計を用いて検出される。ハイスループットスクリーニングは、例えばセルソーター(例えばFACS)を用いて使われうる。ある態様では、しかしながら、一つの細胞の検出及び/又は画像診断を可能にする方法は、好ましい。このような方法は、当業者に良く知られており、非限定的に蛍光顕微鏡、細胞分析計、及びそのようなものを含む。このように、例えば、ある態様では、フローサイトメトリーは、一つの細胞に基づいた検出器として使われる(例えば、Amersham BioscienceのIN Cell Analyzerを用いる)。免疫記憶細胞の細胞障害活性を検出する際、慣用の放射性クロム51放出アッセイと比較して驚くほど高い感受性を示すことは、本発明の驚く発見である。
[0083] ある態様では、このアッセイは、非限定的にプラスチック又はガラスのチューブ又は培養容器、多ウェルプレート、及びそのようなものを含む、様々な標準の培養容器で行われる。
[0084] ある態様では、アッセイは、微小溶液のチャンネル内で行われうる。シグナルの検出は、光学的に許容される微小溶液チャンネル窓を通る細胞の共焦点画像、細胞の単純な蛍光画像によって達成されうる。検出される蛍光の一つの画像は、キャプチャーされ、そして一致する一つの細胞の画像は、細胞内の蛍光強度レベル決定を分析される。微小チャンネルの大きさは、検出計画を決めうる。例えば、チャンネルが、約200μm未満であるなら、標的細胞サンプルの単純な蛍光画像は、多波長下で使われうる。このように、例えば、3波長が使われ、例えば1はUV、及び2つは可視(例えば緑(488nM)及び赤(560nMより大きい)でありうる。
[0085] 顕微鏡の細胞画像分析ソフトウェア、例えばImage-Pro Plus(Media Cybernetics, Silver Spring, Maryland)を用いて、定量することができるし及び細胞数分析を行うことができる。ここで、望ましい標的細胞は同定され、そして細胞数は、細胞透過性標識(例えば、細胞透過性核染色ヘキスト色素)のUV励起によって計測される。同様のフローサイトメトリーの細胞数ヒストグラム、又はサンプル分析が行われうる。
ある態様は、隣同士に配列した2つの微小溶液チャンネルを使用し、ここで2つのチャンネルを分けるチャンネル壁は、多孔性でありかつ例えば10μm以下の大きさの粒子が通過することを可能にする膜から成る。そういった多孔性の壁は、ウイルス粒子及び細菌、及び別の病原菌が自由に通過することを可能にする。細胞を有しないこのチャンネルにおける培養液は、培養液貯蔵所を通気することによって空気に晒され、病原菌は集められそして濃縮される。この溶液は、次に、隣接した微小溶液チャンネルにおけるそういった多孔性チャンネル壁を通して、エフェクター細胞及び標的細胞サンプルが位置するチャンネルに通される。
[0087] 以下の例は非限定的に特許請求される発明を例示するために提供される。
実施例1
細胞透過性蛍光カスパーゼの基質を用いた、T細胞性細胞障害活性の可視化及び定量
[0088] T細胞受容体が、標的細胞の表面上で抗原性ペプチド-MHCクラス1複合体を認識することに続いて、細胞障害性エフェクター細胞(例えば、CTLs)は、パーフォリン及びグランザイムの定方向エキソサイトーシスを通して、又はFas/Fas リガンド(FasL)経路における「死の受容体」の連結を通して標的細胞のアポトーシスを引き起こす。両方のタイプの細胞障害性シグナルに続いて、即座に起こる出来事は、標的細胞内におけるカスパーゼのカスケードを活性化することである(Atkinson et al.(1998) J. Biol. Chem. 273: 21261-21266)。私達は、細胞透過性蛍光カスパーゼの基質の新規の種類を使って蛍光に基づいた細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイを発達させる。このアッセイは、各々の標的細胞において、CTLに引き起こされるカスパーゼ活性化を検出する(Packard et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 11640-11645; Komoriya et al. (2000) J. Exp. Med. 191: 1819-1828)。これらの薬剤は、各々のカスパーゼのタンパク質分解性切断サイトを含む18-アミノ酸ペプチドに共有結合する2つのフルオロフォアから構成される。切断されていない基質においては、分子内励起子二量体を形成するために、蛍光は消される。特定のカスパーゼによりそのペプチドが切断されるとき、フルオロフォア-フルオロフォアの相互作用が消滅して、蛍光の増加をもたらす。この蛍光は、非限定的にフローサイトメトリー又は蛍光顕微鏡を含む様々な方法によって検出されうる。CTL-標的細胞の遭遇のすぐ後、標的細胞におけるカスパーゼの活性化が起こるとすれば、無傷の標的細胞においてカスパーゼの活性化を検出することは、CTLに媒介されるアポトーシスの初期及び生物的に関連のある計測を提供する。
蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイを用いた、CTL活性の定量
[0089] 私達は、マウスリンパ性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)感染をモデルシステムとして用いて、蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイを開発した。C57BL/6マウスにアームストロング種のLCMVを感染させることは、MHCクラス-1制御性ウイルスエピトープの決められた配列に対し精力的なCTL反応を誘発し、抗原特異的CD8+T細胞の頻度は、感染後8日において最大になる(Murali-Krishna et al(1988) Immunity 8: 177-187)。私達は,最初にDEVDase(カスパーゼ-3/7)の基質、PhiPhLlux(商標)を用いて、多パラメータ・フローサイトメトリーによって、免疫優勢な核タンパク質エピトープ(NP)396-404に対するCTLの反応を計測する。標的EL4(H-2b)細胞は、蛍光プローブCellTracker Orange(CTO)で標識され、そしてNP396-404、関係のないコントロールのポリオーマウイルスペプチド中央のTタンパク質エピトープ(MT246-256)、又はペプチドなしでパルスされた。CTOラベルは、標的細胞をエフェクター細胞から区別することを可能にする。標的細胞は、次にLCMV感染後8日のマウスから直接獲得された新しい脾細胞と、50:1のエフェクター細胞対標的細胞(E:T)割合で3時間コインキュベーションされた。このインキュベーションに続いて、細胞は、PhiPhLlux(商標)で標識されて、細胞内DEVDase活性を検出した。図1パネルaに示すとおりに、ペプチドNP396-404でパルスされたうち85.2%の標的細胞(CTO+)は、DEVDase活性に対し陽性であった。一方、コントロールペプチド(図1パネルb)又はペプチドなし(図1パネルc)でパルスされたEL4細胞のバックグラウンドDEVDaseの活性は、10%程度であった。DEVDase活性は、カスパーゼ-3/7が認識するテトラペプチドのアミノ酸配列、アスパルチル-グルタニル-バリル-アスパルチル(配列番号:16)を含むカスパーゼ-3/7基質を用いることによって評価される。この基質は、OncoImmunin, Inc.から、PhiPhLlux(商標)として入手でき、そして配列KDPC5GDEVDGIDC5GPKGY(配列番号:17)を含み、米国特許第6,037137号で記述される。CTLに引き起こされる標的細胞のアポトーシスを特別に検出することは、このアッセイで評価されるように(図1d)LCMVに感染されたパーフォリンノックアウトマウスから獲得されたエフェクター細胞が、細胞殺傷を媒介できないことによってさらに確かめられる。
標的細胞において観測されるカスパーゼ活性化は、孔を形成するプロフォリンを通して、標的細胞に対し放出され導かれるタンパク質分解酵素由来の顆粒によって媒介される。
[0090] CTLに引き起こされる標的細胞のアポトーシスを特異的に検出することは、このアッセイで評価されるように(図1d)LCMVに感染されたパーフォリンノックアウトマウスから獲得されたエフェクター細胞が、細胞殺傷を媒介できないことによってさらに確かめられる。名前が示すように、パーフォリンノックアウトマウスは、孔を形成するタンパク質を有する細胞障害精細胞を全く持たなかった。それゆえ、そういった細胞は、標的細胞に顆粒由来のタンパク質分解酵素、例えばグランザイムBを「注入」することができない。パネルdは、9.7%のアポトーシス細胞を示し、これはネガティブコントロールのペプチドを有したパネルbにおいて又はペプチドが添加されていないパネルcにおいて見られる死滅した細胞のレベルと同じである。この約9から10%のバックグラウンドの細胞死又はデフォルトの細胞死レベルは、パネルaにおいてポジティブな細胞障害性サンプルの数字と比較されるべきであり、その観測された細胞死は85%を超えた。
蛍光に基づく細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイは、ウイルスで能動的に感染された標的細胞を検出できる。
[0091] 私達は、蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイを用いて、能動的にLCMVで感染された細胞に対する全CTL活性を計測した。この分析では、MC57線維芽細胞は、培養液中においてLCMVクローン13で感染され、そして標的細胞として使われた。強いLCMV-特異的CTL活性は検出され、感染された標的細胞の52.6%は殺され、一方、アポトーシスのバックグラウンドは、感染されていない標的細胞の6.45%である(図1、パネルe及びf)。
[0092] 代わりのカスパーゼのための認識及び切断配列を含む蛍光発生性基質は、強いNP396-404特異的CTL活性によって引き起こされる有意な標的細胞死を検出した。NP396-404は、LCMV抗原に対する強い抗原性エピトープであると知られる。これらの基質内に含まれたアミノ酸配列は、カスパーゼ-9(LEHDase)、カスパーゼ-8(IETDase)、又はカスパーゼ-6(VEIDase)に対する報告された切断配列を含む。(Thornberry et al. (1997) J. Biol. Chem. 272: 17907-17911)。4の薬剤は全て、強いNP396-404特異的CTL活性(図1パネルg-j)によって、引き起こされる有意な標的細胞死を検出し、ここで、コントロールペプチドでパルスされたEL4細胞におけるカスパーゼ活性のレベルは、一貫して15%未満であった(データ未掲載)。注目すべきことに、VEIDase基質で標識することは、最も明るい陽性のシグナルを与える。一方で、VEIDase+細胞の百分率は、以下で見られる、別のカスパーゼ基質で標識される百分率よりいくらか低かった。シグナルが相対的に明るいことは、アポトーシス誘導後の特定時間後において異なる活性されたカスパーゼの相対量を測る私達の初期の研究と一致する(Komoriya et al.(2000) J. Exp. Med. 191: 1819-1828)。さらに、カスパーゼ-6は、カスパーゼ活性化カスケードにおいて、カスパーゼ-8、カスパーゼ-9及びある場合にはカスパーゼ-3の下流であり、このことは、3時間のアッセイが行われたとき、プログラムされた細胞死の過程において早い時期に切断される基質を用いることで、より多くのカスパーゼ陽性細胞が明らかにされるということが予期されうる(Id)。カスパーゼ基質が晒される前の、より延長されたエフェクター細胞及び標的細胞のインキュベーションは、異なるカスパーゼ基質からのシグナルの似たようなレベルをもたらすべきであり、そして、私達は、エフェクター細胞と標的細胞を20時間インキュベーションした後に、VEIDase及びDEVDaseの基質からの蛍光シグナルとの間の有意な違いを見つけられなかった。
蛍光細胞性細胞障害活性アッセイと 51 Cr放出アッセイとの比較
[0093] 蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイを51Cr放出アッセイと直接比較するため、私達は、二つの方法を平行に用いて、LCMVペプチドのパネルに対するCTLの活性を計測した。8日の脾細胞は、異なるペプチドでパルスされたEL4標的細胞と様々なE:T割合で3時間((FCC)アッセイ)又は5時間(51Crアッセイ)インキュベートされた。この二つの方法は、異なるペプチドに特異的なCTL活性の優位な階層の同一パターンを検出した(図2パネルa及びb)。FCCアッセイは、51Cr放出アッセイより、サブドミナントエピトープNP205-212に特異的なCTL反応を検出する際に感受性が高い(図2、パネルa)。
[0094] 蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイの信頼性をさらに試験するために、私達は、FCC及び51Cr-放出アッセイの両方によって計測されるCTL活性の動力学的比較を行った。NP396-404、NP205-212、及びMT246-253は、標的EL4細胞をパルスするために使われた(図2、パネルc-e)。効果脾細胞は、EL4細胞と、25:1のE:T割合で、30分から20時間の様々な時間の長さで、インキュベーションされた。全ての時間点において、FCCアッセイは、51Cr放出アッセイがLCMVエピトープの両者に特異的なCTLsにより引き起こされる標的細胞を殺す割合より高い割合を検出した。図2、パネルCの2つのセットのデータの線形回帰分析は、カスパーゼ+標的細胞のパーセントと51Crの放出(図2、パネルf)との間の強い正の相関(γ2=0.8754)を示した。2つのアッセイにより計測される特異的細胞殺傷との間の違いは、早い時間点においてより強調される(図2、パネルc及びf)。このことは、FCCアッセイがカスパーゼの活性化を検出し、このカスパーゼの活性化はCTLに媒介されるアポトーシスにおける最も早い出来事であり、一方51Cr放出アッセイは、細胞死におけるずっと後に起こる出来事である細胞溶解を検出するという事実に一致する。まとめると、慣用の51Cr放出アッセイと比べると、FCCアッセイは、抗原特異的CTL反応を検出するためのより感受性の高くそして早い方法を提供するということを、これらの結果は示す。
蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイは、CTLが初期標的細胞を殺傷することを検出する。
[0095] 初期細胞は、不死化された細胞系列と比較して、51Crをあまり取り込まず、それゆえCTLアッセイに通常使われなかった。その結果、in vivoにおいてCTLsによって効果的に殺傷されうる細胞タイプの範囲は、大部分が未知のままであった。しかしながら、この疑問は、形質転換された又は感染された細胞が免疫除去を回避することができ、宿主内に存続できるところのガン及び慢性感染症を理解する際にカギとなる。蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイにおいて初期細胞が適切な標的細胞として使われうるかを試験するために、私達は、未処理の脾細胞をCTOで標識し、その初期細胞を特定のペプチドでパルスし、そして次に25:1のE:T割合で3時間その初期細胞を8日の効果脾細胞と培養した。PhiPhLlux(商標)標識に続いて、CD4、CD8、及びB220に対するフルオロフォアが結合したモノクローナル抗体が、標的細胞の異なるサブセットを標識するために使われた。異なる標的細胞サブセット上でゲーティング行うことによって、CD4+T細胞、CD8+T細胞、及びB220+B細胞集合におけるアポトーシス細胞の割合が計算された。初期リンパ球の3つのサブセット全ては、NP396-404ペプチドで、B細胞でパルスされたとき、アポトーシスを引き起こし、CTL細胞殺傷に対する少し高い感受性を示す(図3)。CTLに媒介される細胞殺傷に対するB細胞の高い感受性は、T細胞に比べて、MHCクラス1及び同時刺激性分子の両方を高いレベルで発現することと一致する。これらの結果は、CTL殺傷する様々な初期標的細胞サブセットに対して感受性を検出するというFCCアッセイの独特の能力を示す。
CTL細胞殺傷過程の直接的な可視化
[0096] CTL細胞殺傷過程を直接的に可視化するために、私達は、蛍光顕微鏡の能力を調査して、標的細胞におけるカスパーゼの活性化を明らかにした。特定の又はコントロールペプチドにパルスされた標的細胞は、LCMVに感染されたマウスからの8日脾細胞と混合された。NP396-404でパルスされたMC57細胞は、エフェクター細胞によって認識され、そしてアポトーシスを引き起こされた(図4、パネルa及びb)。対照的に、コントロールペプチド、MT256-253にパルスされた細胞は、標的細胞においてカスパーゼ活性化をもたらさない(図4、パネルc)。このように、エフェクター細胞と標的細胞とのあいだの細胞の接触及びそれに続く標的細胞においてCTLに引き起こされるカスパーゼ活性化は、直接蛍光顕微鏡によって可視化された。興味深いことに、エフェクター細胞は、標的細胞において、細胞と細胞との接触に続いてアポトーシスを引き起こすが、PhiPhLlux(商標)カスパーゼ基質の切断を欠くことによって明らかにされるように、エフェクター細胞はそれ自身では、接触されたときにアポトーシスを行わない。蛍光細胞性細胞障害(FCC)アッセイとエピトープ特異的MHC4量体の染色を同時に用いることを通して、私達は、現在エフェクター細胞の運命を細胞殺傷過程の間及び後をリアルタイムで調査しており、-この伝統的手法で用いられる細胞培養環境の固有の不明瞭さのために、51Cr放出アッセイを用いて知らされえなかった問題を調査している。
[0097] 要約すると、私達は、抗原特異的CTL機能を検出するため、新規の非放射性、蛍光に基づいた細胞障害活性アッセイを開発した。慣用の51Cr放出アッセイとは異なり、蛍光細胞性細胞障害活性は、様々な蛍光検出法、例えばフローサイトメトリー、並びに蛍光及び共焦点顕微鏡を用いることにより、細胞性免疫反応をリアルタイムでかつ1細胞レベルでモニタリングすることを可能にする。このアッセイは、CTLが引き起こす初期ホスト標的細胞の殺傷を研究するために使われうるし、殺傷過程の重要な生物的詳細及び殺傷過程の間の免疫エフェクター細胞の運命を評価することを可能にする。このアッセイは、サブドミナントエピトープに対する比較的弱いCTL反応、又はex vivoの免疫記憶CTL反応の低いレベルをより良く検出できる。これらの特徴は、細胞の特定分集団(例えば、腫瘍細胞又はあるウイルス感染された細胞)がCTL-に引き起こされる溶解に対抗しうるか(Ploegh(1998) Science 280: 248-253)どうか又は代わりに、細胞の特定集団が、(例えば、特定の腫瘍又は免疫学的に特権を与えられた組織を通して、又は免疫不全ウイルスにより行われる免疫回避戦略として)(Collins et al. (1998) Nature 391: 397-401))CTLエフェクター細胞そのもののアポトーシス性欠失を引き起こすかどうかを直接決定することを可能にすべきである。しかし、初期モデルとしてマウスLCMV感染モデルを用いることによって、私達は、非限定的にヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、サイトメガロウイルス、及びエプスタイン-バーウイルス、及びそのようなものを含む別の感染モデルにおいて、この新しい試みが宿種細胞免疫反応を研究するために容易に適用できるということを示した。付け加えて、ヒトNK細胞をエフェクター細胞として用いるとき、アッセイは、ヒト接着及び懸濁細胞を標的細胞として簡単に用いることができる。私達は、カスパーゼ-3/7の基質、DEVDaseの基質を、テトラペプチド、VEID、カスパーゼタンパク質分解酵素指標を含むカスパーゼ-6の基質と置き換えることができるということを示した。私達はまた、別のカスパーゼ活性指標分子が、細胞内カスパーゼ活性を直接計測することを可能にする細胞透過性蛍光カスパーゼ基質と置き換えることができるということを示した。蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイは、定量性蛍光スキャンプラットホームに容易に適用できるので、FCCアッセイはハイスループットの方法を提供して、細胞性免疫反応の基礎及び応用研究に広く適用されCTL活性を定量する。FCCアッセイの好ましい特質は、以前は実験的にアプローチすることができなかった病原菌感染、悪性及び免疫疾患に関する研究疑問に対し、新たに洞察することを可能にし、細胞性免疫反応の基礎及び応用研究において、CTL活性を定量する、実践的で有用な方法を提供する。
方法
マウス及びウイルス感染
[0098] 6-8週齢のメス 野生型 C57BL/6マウス(H2-b)をJackson Laboratories(Bar Harbor, Maine)から購入した。マウスを(R. Ahmedにより提供された)LCMV アームストロング種を2×105のプラーク形成ユニット(p.f.u.)を腹腔内(i.p.)で感染し、脾臓を感染後8日において回収した。MC57細胞をクローンの13種LCMVで感染することは、MOI=2で48時間37℃で行った。全ての動物研究は、Emory大学の動物ブロック及び使用委員会により承認された。
ペプチド合成
[0099] LCMVペプチドNP396-404(FQPQNGQFI, 配列番号:18)、GP33-41(KAVYNFATC、配列番号:19)、GP276-286(SGVENPGGYCL,配列番号:20)、NP205-212(YTVKYPNL,配列番号:21)、及びポリオーマウイルスペプチドMT246-253(SNPTYSVM, 配列番号:22)を記述されたとおり(Ruppert et al(1993) Cell 74: 929-937)に合成した。ストック溶液(40mg/ml)を、ジメチルスルフォオキシド(DMSO)中に調製した。
フローサイトメトリー蛍光細胞障害性(FCC)アッセイ
[0100] 標的細胞を、10%熱-不活性化されたFBSを含む完全RPMI1640培養液において、1×106/mlで6mlポリプロピレンチューブ(Becton Dickinson Labware, Lincoln, New Jersey)内に懸濁した。3μM CTO(Molecular Probes, Eugene, Oregon)及びウイルスペプチド(1μg/mL)の存在下において、細胞を、37℃、5% CO2インキュベーターで1時間インキュベーションした。次に細胞を一度洗い、そして1×106/mlで、完全培養液中に最懸濁した。1のエフェクター細胞懸濁液を、E:T割合に依存した様々な濃度で準備した。標的細胞懸濁液(100μL)を、エフェクター細胞(100μL)と96穴の丸底プレート内において、様々なE:T割合、様々な長さ、及び37℃で、本文及び図の説明文で記されたとおりに培養した。上清は取り除かれ、そして、細胞を1ウェルあたり75μLの指示されたカスパーゼの基質(10μM、OncoImmunin, Gaithersburg, Maryland)で30分間37℃でインキュベーションし、続いてPBSで2回洗った。もし免疫表現性の分析が必要であるなら、細胞を、100μL/ウェルのモノクローナル抗体希釈液で氷上20分間インキュベーションし、続いて2回冷えたPBSで洗った。以下のモノクローナル抗体を使用した:PerCP-抗-CD3ε(145-2C11)、APC-抗-CD8α(Ly-2)、APCanti- CD45R/B220(RA3-6B2)。全てのモノクローナル抗体は、BD Pharmingen(San Diego,California)から購入した。
フローサイトメトリー及びFACS分析
[0101] 以下の蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイでは、細胞を1ウェルあたりPBS250μLで再懸濁し、そしてサンプルをFACSCalibur flow cytometer(Becton Dickinson, San Jose, California)を用いて獲得した。切断されたカスパーゼの基質を以下の蛍光ピーク特性:λex=505nM及びλem=530nM、及びFL1チャンネルにおいて検出する。CTOを検出する。データは、FlowJo ソフトウェア(Tree Star, San Carlos, California)を用いて分析された。本文に特記されない限り、標的細胞集団においてカスパーゼ-陽性細胞の割合を以下の様に計測した;%カスパーゼ染色=[(カスパーゼ+CTO+細胞)/カスパーゼ+CTO+細胞+カスパーゼ-CTO+]×100%
蛍光顕微鏡FCCアッセイ
[0102] MC57(H−2b)細胞を24ウェル組織培養プレートの底に、1×105/ウェルで4時間接着した。エフェクター細胞をウェルへと加え(2.5×106 10%ウシ胎児血清を含む200μlのRPMI1640倍溶液)、そしてプレートを37℃で3時間インキュベーションした。PhiPhLlux(商標)(75μl/ウェル)は、上清を丁寧に取り除いた後に加えられた。37℃30分のインキュベーションの後、プレートをNikon Eclipse TE300蛍光顕微鏡(Nikon, Tokyo, Japan)を用いて試験し、そして画像は、SPOTデジタルカメラモデルSP401−115(Diganostic Instruments, Sterling Heights.)によってキャプチャーされた。
51 Cr放出アッセイ
[0103] 51Cr放出アッセイを記述したとおりに行った(Liu et al.(1999)J.Virol. 73: 9849-9857)。CTL活性は、以下の式を用いて特定51Cr放出の割合として計算された:%特定殺傷=(サンプル放出−自発放出)/(最大放出−自発放出)×100%
実施例2
伝統的なクロム放出アッセイが示さないところにおいて、細胞透過性蛍光発生性カスパーゼの基質は、免疫記憶細胞の存在を示す。
[0104] 51クロム放出アッセイを用いた、記憶CTL反応の検出は、通常5〜6日のin vitro再刺激及び培養におけるCTL前駆体の増大を必要とする。本明細書中で記述される蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイの改良された感受性で、私達は、in vitroにおける再刺激に限定して又は限定せずに免疫記憶CTL反応を検出することができるということを信じた。
[0105] この仮説を試験するために、NP396-404に特異的な免疫記憶CTL活性を直接ex vivoにおいて、蛍光細胞性細胞障害活性及び51クロム放出アッセイの両方を用いて計測された。最初のLCMV感染後32日のLCMV感染性C57BL/6マウスから獲得された新しく調製された脾細胞を様々なE/T割合で標的EL4細胞と5時間インキュベーションした。図5は、驚くべきことに、51クロム放出アッセイではなくて蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイが、25/1より高い割合のE/T割合でNP396-404特異的免疫記憶CTL活性を検出したということを示す。しかしながら、予期されるとおりに、直接のex vivo免疫記憶CTL反応は、免疫反応の効果フェーズにおけるCTL反応と比較すると、ずっと弱い(図2及び5)。再刺激の条件は、in vitro培養時間が最小である中で、免疫記憶CD8+T細胞の溶解能力を十分に活性化できるように、最適化されうる。それらが細胞内サイトカインアッセイにおいてCD4+T細胞機能を高めるために使用されるように、蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイにおいて免疫記憶T細胞を活性化させるための様々な共刺激性シグナルの能力は、評価されるだろう。
実施例3
様々な接着性及び懸濁細胞を標的細胞として用いる細胞性細胞障害活性アッセイ
[0106] 本発明の広い適用性を評価するために、私達は、接着性細胞及びさらに懸濁細胞の両者を標的細胞として用いることにより、アッセイの性能を試験した。この実験におけるエフェクター細胞は、ヒトNK細胞であった。エフェクター細胞を、5から1のとても低いエフェクター細胞と標的細胞との割合でちょうど1時間コインキュベーションすることにより獲得される殺傷割合(表1参照のこと)は、本明細書中で記述される細胞性細胞障害活性が、これらのひろく異なる細胞型、つまり接着性ヒト乳房ガン細胞、懸濁細胞のヒトジャーカット細胞及びK562細胞、並びにマウスA1.1ハイブリドーマ細胞に良く働くということを明らかに示す。
[0107] DEVDaseの基質(DEVD, 配列番号:24)よりはむしろ、VEIDaseの基質(VEID, 配列番号:23)が使われるところにおいて、代わりのアッセイが行われた。VEIDテトラペプチドアミノ酸配列を有するこのカスパーゼ-6の基質が細胞障害性細胞の顆粒-由来タンパク質分解酵素、グランザイムBによって認識されることが報告された。
[0108] 表1.様々な細胞型(接着性及び懸濁細胞)を用いた細胞性細胞障害活性。MDA-MB-468=接着性ヒト乳房ガン細胞。Jurkat=非接着性ヒト急性T細胞白血病細胞。K562=ヒト慢性骨髄白血病細胞。A1.1=非接着性マウスハイブリドーマ細胞。NK-92=ヒトNK細胞。
Figure 2006503550
実施例4
様々なアポトーシス/カスパーゼ活性マーカー及びタンパク質分解酵素指標をもちいた細胞性細胞障害活性アッセイ
[0109] 本発明のある好ましい態様は、細胞透過性蛍光タンパク質分解酵素指標分子、例えばOncoImmunin, IncのDEVDase及びVEIDaseの基質(例えば、米国特許第6,037137号参照のこと)を使用するが、別の潜在的なカスパーゼのタンパク質分解酵素指標分子は、本明細書中に記述される方法における使用に対し評価された。
[0110] ある指標は、蛍光発生性自殺基質であり、そして別の指標はビス-(Z-DEVD アミド)-ローダミン110であった。これらの指標は、参考文献としてPhiPhLlux(商標)-J1D2(VEID基質)に従い使われた。同じ標的、ジャーカット細胞及び5から1の同じE:T比が使用された。エフェクター細胞と標的細胞のコインキュベーション時間は、1時間であり、好ましいタンパク質分解酵素指標(VEIDase基質)が感受性であり、そしてアッセイ反応時間が1時間より短くなりうるということを示すため、2時間の時間点が与えられた(表2参照のこと)
[0111] ビス-(Z-DEVDアミド)-ローダミン110を用いて得られた結果は、他の二つのタンパク質分解酵素指標と比較して極端に低い。アポトーシスのマーカーとしての又は活性カスパーゼを有する細胞のマーカーとしてのフィコエリチン(phycoerythine)(PE)で標識されたアネキシンVは、パフォーマンスレベルを評価するために使われうる。原形質膜の内側脂質膜層から外側脂質膜層へホスファチジルセリンが現れることにより、アポトーシス細胞の細胞表面に結合するアネキシンVは、活性カスパーゼの存在を直接的には反映していないが、観測される殺傷%は、別のクラスのカスパーゼタンパク質分解酵素指標分子、フルオレセイン-VAD-fmkに類似しており、各々65.5%と63.2%である。
[0112] 後者のタンパク質分解酵素指標分子は、活性化されて不可逆的にカスパーゼの活性部位に結合するカスパーゼ前駆体にタグをつける。反応性官能基fmkは、他の細胞巨大分子と潜在的に交差反応しうる。それゆえ、特異的カスパーゼプローブとして実際は使われることが多いが、fmkは間接的なタンパク質分解酵素指標である。PE-アネキシンVを用いる実験では、指標分子は赤であり、上記の例で使われたオレンジ細胞追跡色素よりはむしろ緑の細胞追跡色素(Molecular Probes Inc.)が全ての標的細胞を標識するために使われる。
表2. さまざまなアポトーシス/カスパーゼ活性マーカー及びタンパク質分解酵素指標を用いた細胞性細胞障害活性アッセイ。PEは、フィコエリチンである。FMKはフルオロメチルケトンである。VAD=1文字コードのトリペプチドアミノ酸配列、つまり1-バリル-1-アラニル-1-アスパラチル(配列番号:25)。PhiPhLlux(商標)-J1D2=VEIDaseの基質。ビス-(N-CBZ-DEVD アミド)R22120=ビス-(N-CBZ-アスパラチル-グルタミル-バリル-アスパラチルアミド)ローダミン110.
Figure 2006503550
実施例5
一つの細胞に基づく蛍光細胞障害活性アッセイ
[0113] この例は、本発明の1つの細胞に基づく蛍光細胞障害活性アッセイの好ましいプロトコルを記し、この例はキットで利用できる(Oncoimmunin, Inc.のCytoxiLux(商標))。他、例えば51Cr放出に対するこのアッセイの様々な有利な点は、(1)細胞障害活性が、細胞溶解の最後の結果としてよりはむしろ、細胞死を導く基本的な生物化学過程(細胞透過性蛍光発生性カスパーゼの基質の切断)として計測されるという点、(2)多くのシステムの中で、このアッセイがより感受性が高い(例えば、このアッセイは、サブドミナントエピトープに対する比較的弱いCTL反応を検出することができる)という点、(3)フローサイトメトリー又は蛍光顕微鏡によって、細胞死は、標的細胞集団内で排他的に測られうる、(4)免疫表現型分析と多パラメーターフローサイトメモリーを組み合わせるとき、CTLに引き起こされる初期宿主標的細胞の細胞死、並びにエフェクター細胞の生理機能及び運命が、直接可視化され、モニターされうるという点、を含む。
[0114] 標的細胞は、蛍光標識され(赤)、そして細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションされる。望ましい時間点において、培養液はサンプルから取り除かれ、そして蛍光発生性カスパーゼの基質、例えばOncoimmunin, Incから獲得できる基質を含む溶液で置き換えられる。インキュベーション及び洗浄に続いて、サンプルは、フローサイトメトリー又は蛍光顕微鏡によって検出されうる。基質の切断は、死滅した細胞における蛍光の増加をもたらす。
[0115] Oncoimmunin, Inc.,から手に入れられる、CyToxiLux(商標)キットにおいて利用できる内容物を表3に掲載する。
Figure 2006503550
[0116] 培養液A=アッセイ培養液。アッセイが行われる培養液であり、つまり標的細胞及びエフェクター細胞がコインキュベーションされる培養液である。
[0117] 培養液T=標的細胞培養液。培養液A+標的細胞マーカー。この培養液は、培養液A1mlあたり1μlのバイアルTを加えることによって準備される。
[0118] このアッセイは、96ウェルプレート又はポリプロピレン製マイクロ遠心チューブを用いて行われる。エフェクター細胞とコインキュベーションされる間、96ウェルプレートへの再結合が、サンプルのロスをもたらしうるので、マイクロ遠心チューブが、培養の際接着する標的細胞に薦められる。
[0119] この例で使われるとき、洗いは、遠心し、その後に注意深く全ての液体をウェル又はチューブから取り除くことを指す。ペレットの再懸濁は、プレートのゆっくりとしたピペッティング又はチューブを指でタッピングする事によりされるべきである。ボルテックスはしてはいけない。
[0120] 標的細胞は、標的細胞をT培養液中に、2×106細胞/mlで溶解することにより調製される。もし、実験計画が、増感剤、例えばペプチドでパルスする事を含むなら、増感剤は、この段階に於いて適切に大きさをそれられたエフェクター細胞に加えられるべきである。懸濁液は、37℃で一時間インキュベーションされる。この一時間の間、エフェクター細胞は、以下の様に調製され得る。少なくとも10倍量の培養液Aは、懸濁液に加えられ、洗われる。これが2回繰り返される。標識された標的細胞は、培養液A中に2×106細胞/mlで再懸濁される。標的細胞懸濁液の100μlは、欠くアッセイウェル又はチューブに加えられる。
[0121] エフェクター細胞を適切な濃度で培養液Aに調製する。例えば、25:1の最終の効果:標的割合へするために、エフェクター細胞を5×107細胞/mlで調製する。
[0122] 標的細胞及びエフェクター細胞を以下の様にコインキュベーションする。100μlのエフェクター細胞懸濁液を標的細胞を含まない少なくとも2つのウェルに加える。100μlの培養液Aを標的のみを含むウェル及び効果のみを含むウェルに加え、全てのサンプルを最終体積200μlにした。ウェルを、適切な37℃環境、つまり、CO2を含む培養液で、CO2を含むインキュベーター内に設置することにより、望ましい時間コインキュベーションする。私達は、1〜3時間を推薦するが、正確な時間は興味のある細胞に依存する。このアッセイは、溶解する細胞よりは死んだ細胞を検出するので、与えられる細胞システムのインキュベーション時間は、51Cr放出方法論よりかなり短い時間にすべきである。
[0123]サンプルを洗い、そして標的細胞のみを含むウェル及びエフェクター細胞のみを含むウェルを75μlの染色緩衝液で再懸濁する。全てのほかのサンプルに対し、75μlのバイアルCSからの基質を添加する。これを37℃で30〜60分間インキュベーションし、次に染色緩衝液で洗い、染色緩衝液中に再懸濁する。フローサイトメトリーによる分析のために、サンプルをフローサイトメトリーチューブへと移す。
[0124] サンプルの要約:A:標的細胞;B:標的細胞+バイアルCSからの基質;C:標的細胞+エフェクター細胞+バイアルCSからの基質(複数のサンプル);C:エフェクター細胞;及びD:エフェクター細胞+バイアルCSからの基質
[125] フローサイトメトリーを以下のとおりに行う:FL1及びFL2チャンネルを初期設定するためにサンプルAを使う。サンプルAからの細胞のピークをFL1チャンネルにおいて101の近くに定めかつFL2チャンネルにおいて103の近くに定める。死んだ/死ぬエフェクター細胞は、多くの単一レーザーのフローサイトメーター上で高いFL1×FL2の集合を示しうる。この集合が、生存エフェクター細胞(低FL2)と同じ横軸上になるまで、FL2はFL1により補正する。必要があるなら、FL1チャンネルの補正をするためサンプルAを使う。残りのサンプルを試験する。
[0126] サンプルのフローサイトメトリーのデータを図6に示す。
[0127] 本明細書中で記述される例及び態様は、例示的な目的のみであるということ、並びにその様相における様々な修飾又は改変が、当業者に提案されるだろうしかつ本出願及び特許請求の範囲の意図及び範囲に含まれるべきであるということが理解される。本明細書中に引用される全ての出版物、特許、及び特許出願は、全ての目的のためにその全てを本明細書中に援用する。
[0052] 図1は、蛍光細胞性細胞障害(FCC)アッセイが強いNP396-404-特異的CTL反応を検出したということを示す。パネルa-d、CTOラベルされたEL-4細胞は、それぞれLCMVペプチドNP396-404(パネルa及びd)、コントロールのポリオーマウイルスペプチドMT246-253(パネルb)、又はペプチドなし(パネルc)でパルスされており、かつ野生型(a-c)又はLCMVで感染された後のパーフォリンノックアウトC57BL/6マウス(パネルd)から獲得される脾細胞で3時間共培養された。パネルe及びf:ウイルスに感染された標的細胞が使えるかどうかを試験するために、CTO標識されたMC57細胞であって、in vitroにおいてLCMVのクローン13種で感染された(パネルe)又は感染されていない(パネルf)MC57細胞は、8日野生型B6エフェクター細胞と共培養された。細胞透過性蛍光発生性カスパーゼの基質PhiPhLlux(商標)を、3時間のインキュベーションの後に細胞に加える。細胞は、30分後にフローサイトメトリーにより分析される。カスパーゼ+CTO+全CTO中の標的細胞+標的細胞集団の割合が示される。この実験は、3-6回の同様の実験の代表である。パネルg-j:異なる蛍光発生性カスパーゼ基質の比較。4の異なる細胞透過性蛍光発生性の基質を蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイにおいて使い、8日野生型B6エフェクター細胞において、NP396-404特異的細胞性細胞障害活性を検出する。4の基質は、以下のタンパク質分解活性を計測する:LEHDase(カスパーゼ-9;パネルg)、IETDase(カスパーゼ-8;パネルh)、DEVDase(カスパーゼ-3;パネルi)およびVEIDase(カスパーゼ-6;パネルj)。異なるカスパーゼの基質によってあらわにされたアポトーシスCTO+EL4標的細胞集団の割合は、パネルg-jにおいて示される。
[0053] 蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)及び51Cr放出アッセイによって計測されるLCMVエピトープのパネルに対し特異的なCTL活性の比較を示す。CTO又は51Cr標識されたEL4細胞は、LCMVペプチドNP396-404(黒菱形)、GP33-42(黒四角)、GP276-286(黒三角)、NP205-212(●)、又はポリオーマウイルスペプチドMT246-253(○)でパルスされ、そして次にLCMV感染後8日のC57BL/6マウスから獲得された脾細胞と共培養された。CTLによる標的細胞の殺傷は、次にPhiPhLlux(商標)(実線)又は51Cr放出アッセイ(点線)を用いて、蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイにより評価された。パネルa及びb:エフェクター細胞及び標的細胞は、様々なE:T割合で3時間(蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイ)又は5時間(51Cr-放出アッセイ)インキュベーションされた。パネルf:直線回帰分析は、パネルcのデータについて行われた。エフェクター細胞及び標的細胞は、25:1のE:T割合で、インキュベーション時間をインキュベーションされた。直線回帰分析は、パネルc-fに示されたデータに付いても行われた。データは、2つの独立した実験を示す。
[0054] 蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイにより検出される初期標的細胞のLCMV特異的CTL殺傷を示す。CTOラベルされた未処理の脾細胞をNP396-404又はMT246-253でパルスし、そして次にLCMV感染後8日のC57BL/6マウスからの脾細胞と共培養した。PhiPhLlux(商標)の添加及び30分のインキュベーションの後に、細胞をCD3、CD8、及びB220に対するモノクローナル抗体で染色する。各細胞サブセットにおけるPhiPhLlux(商標)の割合は計算され、そして各サブセットにおける割合特異的染色は、NP396-404パルスされた細胞のカスパーゼ染色の%−MT246-253パルスされた細胞のカスパーゼ染色の%、として計算される。データは、4回の独立した実験の平均値を示す(平均値±標準偏差)。
[0055] 図4は、蛍光顕微鏡を用いて直接可視化した細胞性標的細胞の殺傷を示す。パネルa-c、NP396-404(パネルa及びb)でパルスされるが、MT246-252(パネルC)でパルスされないとき、MC57標的細胞は、LCMV感染後8日のC57BL/6マウスから獲得される脾臓細胞によって認識されかつ接触され、そしてPhiPhLlux(商標)の切断によって検出されるアポトーシスを引き起こされた。拡大率:×40(パネルa及びc);×200(パネルb)。
[0056] 図5は、蛍光細胞性細胞障害活性(FCC)アッセイは、NP396-404ペプチドに対する免疫記憶細胞性細胞障害活性をより良く直接ex vivoで検出したということを示す。EL-4細胞は、CTOで標識され、NP396-404(色つき丸及び四角)又はMT246-254(白丸及び白四角)でパルスされ、そして次にLCMV感染後32日のC57BL/6マウスからの脾臓細胞でインキュベーションされた。その次にカスパーゼ-3活性(○)又はクロム放出(□)が計測された。これらのデータは、3回の同様な実験の代表である。
[0057] 図6は、本発明と一致して行われたアッセイからの見本のフローサイトメトリーのデータを示す。標的細胞(ジャーカット、K562、又はMDA-MB-468)をエフェクター細胞(NK-92、5:1のエフェクター細胞:標的細胞割合)と一緒に又は単独で37℃1時間インキュベーションし、続いてカスパーゼの基質と45分間インキュベーションする。4分円R1(各パネルの左上のパネル)は、生きている標的細胞を示し、一方4分円R2(右上)は、死んだ細胞、基質-陽性標的細胞を示す。エフェクター細胞は、下の2つの4分円を占める。生存及び死んだ標的細胞(挿入された%値)は、R1/(R1+R2)又はR2/(R1+R2)としてそれぞれ計算される。全ての細胞系列は、ATCCから購入された。

Claims (111)

  1. 細胞性細胞障害活性の検出方法であって、上記方法が以下のステップ:
    標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションし;そして
    上記標的細胞における活性化されたカスパーゼの存在又は活性を検出することを含み、ここで、上記活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、活性化されたカスパーゼの存在又は活性の蛍光又は蛍光発生性指標を用いて検出され、並びに、上記活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、上記細胞障害性エフェクター細胞が上記標的細胞に対して活性であるということを示す、前記検出方法。
  2. 前記細胞障害性エフェクター細胞が、細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージからなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞障害性エフェクター細胞は、細胞障害性Tリンパ球(CTL)である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記検出が、一つの細胞における指標を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記検出が、一つの細胞のイメージに基づく装置を利用することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記検出が、セルソーターを利用しない、請求項1に記載の方法。
  7. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼによって産生される切断産物を、上記切断産物に特異的に結合する蛍光ラベルされた抗体と、接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記検出が、活性化されたカスパーゼの基質を、上記基質が上記カスパーゼによって切断される前に、前記基質に特異的に結合する蛍光ラベルされた抗体と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記検出が、アポトーシスに関与する顆粒由来のタンパク質分解酵素によってプロセッシングされた細胞性タンパク質の基質を、接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記細胞性タンパク質が、PARP、及び核ラミンからなる群から選ばれる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼを、前記活性化されたカスパーゼに特異的に結合する蛍光ラベルされたリガンドを含む指標と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼを、前記活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合する蛍光又は蛍光発光性リガンドと接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記リガンドが、PARP、核ラミン、アクチン、PKCγ、SREBP、U1-RNP、DNA-PK、G4-GDI、ハンチンチン、及びHnRNP-C1/2から成る群から選ばれるポリペプチドのサブ配列を含み、ここで上記サブ配列は、前記活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合するために十分な長さを有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記活性化されたカスパーゼが、カスパーゼ-1、カスパーゼ-2、カスパーゼ-3、カスパーゼ-6、カスパーゼ-8、及びカスパーゼ-9から成る群から選ばれる、請求項11に記載の方法。
  15. 前記リガンドが、活性カスパーゼに特異的に結合する抗体である、請求項11に記載の方法。
  16. 前記リガンドが、活性カスパーゼの基質であるポリペプチドを含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記リガンドは、前記基質が前記活性カスパーゼによって切断されるとき、その蛍光シグナル又は吸収スペクトルが変化するところの1つのクロモフォアに結合する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記リガンドが、カスパーゼの基質を含み、そして上記基質のアミノ末端残基が、カルボキシル末端と同じフルオロフォアに結合する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記リガンドは、前記基質が前記活性カスパーゼによって切断されるとき、その蛍光シグナル又は吸収スペクトルが変化するところの2つのクロモフォアに結合する、請求項16に記載の方法。
  20. 前記クロモフォアが、H-ダイマーを形成する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記クロモフォアが、H-ダイマーを形成しない、請求項19に記載の方法。
  22. 前記クロモフォアが、両方ともフルオロフォアである、請求項19に記載の方法。
  23. 前記クロモフォアが、1の非蛍光クロモフォア及びフルオロフォアを含む、請求項19に記載の方法。
  24. 前記クロモフォアが、両方ともフルオロフォア、及び同じ種のフルオロフォアである、請求項19に記載の方法。
  25. 前記リガンドが、活性カスパーゼの自殺阻害剤である、請求項11に記載の方法。
  26. 前記リガンドが、フルロメチルケトン、クロロメチルケトン、ブロモメチルケトン、及びイオドメチルケトンから成る群から選ばれる反応性部分を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記リガンドが、カスパーゼの可逆的阻害剤である、請求項11に記載の方法。
  28. 前記リガンドが、P1'位置にアルデヒド部分を含む、請求項11に記載の方法。
  29. 前記リガンドが、P1'からP8'までの残基の範囲の位置でフルオロフォア又はクロモフォアを有するカスパーゼの基質を含む、請求項11に記載の方法。
  30. 前記基質のアミノ末端残基がブロックされる、請求項29に記載の方法。
  31. 前記基質のアミノ末端残基がブロックされていない、請求項29に記載の方法。
  32. 前記リガンドが、P1残基に結合したフルオロフォアを有するカスパーゼの基質を含む、請求項29に記載の方法。
  33. 前記指標が、フルオロセイン、フィコエリチン、カルボキシテトラメチルローダミン、カルボキシローダミン-X、カルボキシローダミン110、ジエチルアミノコウマリン、及びカルボシアミン色素から成る群から選ばれるフルオロフォアを含む、請求項1に記載の方法。
  34. 前記指標が疎水性基を有する、請求項1に記載の方法。
  35. 前記疎水性基がフルオロフォアである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記疎水性基がクロモフォアである、請求項34に記載の方法。
  37. 前記疎水性基が、Fmoc、9-フルオレンアセチル基、1-フルオレンカルボン酸基、9-フルオレンカルボン酸基、及び9-フルオレン-1-カルボン酸基、ベンジルオキシカルボニル、キサンチル(Xan)、トリチル(Trt)、4-メチルトリチル(Mtt)、4-メトキシトリチル(Mmt)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル-ベンゼンスルホニル(Mtr)、メシチレン-2-スルホニル(Mts)、4,4'-ジメトキシベンジドリル(Mbh)、トシル(Tos)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)、4-メチルベンジル(MeBzl)、4-メトキシベンジル(MeOBzl)、ベンジルオキシ(BzlO)、ベンジル(Bzl)、ベンゾイル(Bz)、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル(Npys)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジアキソシクロヘキシルイデン)エチル(Dde)、2,6-ジクロロベンジル(2,6-DiCl-Bzl)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-Cl-Z)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(2-Br-Z)、ベンジルオキシメチル(Bom)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、シクロヘキシルオキシ(cHxO)、t-ブトキシメチル(Bum)、t-ブトキシ(tBuO)、t-ブチル(tBu)、アセチル(Ac)、及びトリフルオロアセチル(TFA)から成る群から選ばれる、請求項34に記載の方法。
  38. 前記指標が、前記標的細胞内に存在する、請求項1に記載の方法。
  39. 前記コインキュベーションが、前記標的細胞を溶解することを含む、請求項1に記載の方法。
  40. 前記標的又はエフェクター細胞が、組織学的切片内に存在する、請求項1に記載の方法。
  41. 前記標的細胞が、2以上の異なるカスパーゼに特異的なカスパーゼ指標を含む、請求項1に記載の方法。
  42. 前記標的細胞が、ウイルス、細菌、又はその他の微生物で感染される、請求項1に記載の方法。
  43. 前記標的細胞が、異種タンパク質を発現する、請求項1に記載の方法。
  44. 前記標的細胞が、腫瘍細胞、神経細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、結合組織細胞、骨細胞、血液細胞、脊髄液由来細胞、リンパ液由来細胞、及び炎症部位由来細胞から成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  45. 細胞性細胞障害活性の検出方法であって、上記方法が以下のステップ:
    標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションし;そして
    上記標的細胞における活性化されたカスパーゼの存在又は活性を検出することを含み、ここで、上記活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、上記細胞障害性エフェクター細胞が上記標的細胞に対して活性であるということを示す検出
    を含む前記検出方法。
  46. 前記細胞障害性エフェクター細胞が、細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージからなる群から選ばれる、請求項45に記載の方法。
  47. 前記細胞障害性エフェクター細胞が、細胞障害性Tリンパ球(CTL)である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼにより産生される切断産物を、上記切断産物に特異的に結合する蛍光標識された抗体と接触することを含む、請求項45に記載の方法。
  49. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼを、上記活性化されたカスパーゼに特異的に結合する標識されたリガンドを含む指標と接触させることを含む、請求項45に記載の方法。
  50. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼを、活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合する標識されたリガンドを含む指標と接触させることを含む、請求項45に記載の方法。
  51. 前記リガンドが、PARP、核ラミン、アクチン、PKCγ、SREBP、U1-RNP、DNA-PK、G4-GDI、ハンチンチン、及びHnRNP-C1/2から成る群から選ばれるポリペプチドのサブ配列を含み、ここで上記サブ配列が、前記活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合するために十分な長さである、請求項49に記載の方法。
  52. 前記活性化されたカスパーゼが、カスパーゼ-1、カスパーゼ-2、カスパーゼ-3、カスパーゼ-6、カスパーゼ-8、及びカスパーゼ-9から成る群から選ばれる、請求項50に記載の方法。
  53. 前記リガンドが、検出可能な標識で標識される、請求項50に記載の方法。
  54. 前記検出可能な標識が、蛍光標識、放射性標識、酵素標識、及び比色標識から成る群から選ばれる、請求項53に記載の方法。
  55. 前記リガンドが、活性カスパーゼに特異的に結合する抗体である、請求項49に記載の方法。
  56. 前記リガンドが、活性カスパーゼの基質であるポリペプペプチドを含む、請求項50に記載の方法。
  57. 前記リガンドは、前記基質が前記活性カスパーゼによって切断されるとき、その蛍光シグナル又は吸収スペクトルが変化するところの1つのクロモフォアに結合する、請求項56に記載の方法。
  58. 前記リガンドは、前記基質が前記活性カスパーゼによって切断されるとき、その蛍光シグナル又は吸収スペクトルが変化するところの2つのクロモフォアに結合する、請求項56に記載の方法。
  59. 前記のクロモフォアが両方ともフルオロフォアである、請求項58に記載の方法。
  60. 前記クロモフォアが、両方ともフルオロフォア及び同じ種類のフルオロフォアである、請求項58に記載の方法。
  61. 前記リガンドが、活性カスパーゼの自殺阻害剤である、請求項49に記載の方法。
  62. 前記リガンドが、フルロメチルケトン、クロロメチルケトン、ブロモメチルケトン、及びイオドメチルケトンからなる群から選ばれる反応性部分を含む、請求項61に記載の方法。
  63. 前記リガンドが、カスパーゼの可逆性阻害剤である、請求項49に記載の方法。
  64. 前記リガンドが、カスパーゼの不可逆性阻害剤である、請求項49に記載の方法。
  65. 前記リガンドが、P1'位置にアルデヒド部分を含む、請求項50に記載の方法。
  66. 前記リガンドが、P1'からP8'残基までの範囲の位置において、フルオロフォア又はクロモフォアを有するカスパーゼの基質を含む、請求項50に記載の方法。
  67. 前記基質のアミノ末端残基がブロックされる、請求項66に記載の方法。
  68. 前記リガンドが、P1残基に結合するフルオロフォアを有するカスパーゼの基質を含む、請求項66に記載の方法。
  69. 前記リガンドが、カスパーゼの基質を含み、ここで上記基質のアミノ末端及びカルボキシル末端が、フルオロフォアに結合する、請求項50に記載の方法。
  70. 前記基質のアミノ末端及びカルボキシル末端が、同じフルオロフォアに結合する、請求項69に記載の方法。
  71. 前記リガンドが、カルボキシテトラメチルローダミン、カルボキシローダミン-X、カルボキシローダミン110、ジエチルアミノコウマリン、及びカルボシアニン色素から成る群から選ばれるフルオロフォアで標識される、請求項53に記載の方法。
  72. 前記リガンドが、疎水性基を有する、請求項50に記載の方法。
  73. 前記疎水性基が、Fmoc、9-フルオレンアセチル基、1-フルオレンカルボン酸基、9-フルオレンカルボン酸基、及び9-フルオレン-1-カルボン酸基、ベンジルオキシカルボニル、キサンチル(Xan)、トリチル(Trt)、4-メチルトリチル(Mtt)、4-メトキシトリチル(Mmt)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル-ベンゼンスルホニル(Mtr)、メシチレン-2-スルホニル(Mts)、4,4'-ジメトキシベンジドリル(Mbh)、トシル(Tos)、2,2,5,7,8-ペンタメチル・クロマン-6-スルホニル(Pmc)、4-メチルベンジル(MeBzl)、4-メトキシベンジル(MeOBzl)、ベンジルオキシ(BzlO)、ベンジル(Bzl)、ベンゾイル(Bz)、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル(Npys)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジアキソシクロヘキシルイデン)エチル(Dde)、2,6-ジクロロベンジル(2,6-DiCl-Bzl)、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2-Cl-Z)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(2-Br-Z)、ベンジルオキシメチル(Bom)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、シクロヘキシルオキシ(cHxO)、t-ブトキシメチル(Bum)、t-ブトキシ(tBUO)、t-ブチル(tBu)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル(TFA)から成る群から選ばれる、請求項72に記載の方法。
  74. 前記指標が、前記標的細胞内に存在する、請求項45に記載の方法。
  75. 前記コインキュベーションが、前記標的細胞を溶解することを含む、請求項45に記載の方法。
  76. 前記エフェクター細胞及び/又は前記標的細胞が、組織学的切片内に存在する、請求項45に記載の方法。
  77. 前記標的細胞が、2以上の異なるカスパーゼに特異的なカスパーゼの指標を含む、請求項45に記載の方法。
  78. 前記標的細胞が、ウイルス、細菌、又はその他の微生物で感染される、請求項45に記載の方法。
  79. 前記標的細胞が、異種タンパク質を発現する、請求項45に記載の方法。
  80. 前記標的細胞が、腫瘍細胞、神経細胞、筋肉細胞、線維芽細胞、結合組織細胞、骨細胞、血液細胞、脊髄液由来細胞、リンパ液由来細胞、及び炎症部位由来細胞から成る群から選ばれる、請求項81に記載の方法。
  81. 細胞性細胞障害活性の検出方法であって、上記方法は以下:
    標的細胞を細胞障害性エフェクター細胞とコインキュベーションし;そして
    上記標的細胞におけるアポトーシス経路の活性を検出することを含み、ここで上記アポトーシス経路の活性は、上記細胞障害性細胞が上記標的細胞に対して活性であるということを指す、前記検出方法。
  82. 前記細胞障害性エフェクター細胞は、細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びマクロファージから成る群から選ばれる、請求項81に記載の方法。
  83. 前記細胞障害性エフェクター細胞が、細胞障害性Tリンパ球(CTL)である、請求項82に記載の方法。
  84. アポトーシス経路の活性の前記検出が、アポトーシス経路におけるタンパク質分解酵素の活性を検出することを含む、請求項81に記載の方法。
  85. 前記標的細胞が、タンパク質分解酵素の活性であって、アポトーシス経路を構成する活性を示すシグナルを与える指標を含む、請求項81に記載の方法。
  86. 前記指標が、活性化されたカスパーゼの存在を同定する指標である、請求項85に記載の方法。
  87. アポトーシス経路の活性の前記検出が、前記標的細胞におけるグランザイム、カテプシンW、又はカルパインの活性又はレベルを計測することを含む、請求項81に記載の方法。
  88. 前記標的細胞におけるグランザイム、カテプシンW、又はカルパインの前記活性又はレベルが、グランザイム、カテプシンW、又はカルパインに特異的な抗体を用いることにより決定される、請求項87に記載の方法。
  89. アポトーシス経路の活性の前記検出が、前記標的細胞の核断片化を計測することを含む、請求項81に記載の方法。
  90. 核断片化の前記計測が、前記標的細胞の核を染色することを含む、請求項89に記載の方法。
  91. アポトーシス経路の活性の前記検出が、アネキシンVの標的細胞への結合を検出することを含む、請求項81に記載の方法。
  92. 前記アネキシンVが、検出可能な標識で標識される、請求項89に記載の方法。
  93. アポトーシス経路の活性の前記検出が、易感染性又は傷害性の原形質膜を有する細胞を優先的に又は特異的に染色する薬剤を用いることを含む、請求項81に記載の方法。
  94. 前記薬剤が、PI、7-ADD、及び臭化エチジウムから成る群から選ばれる、請求項92に記載の方法。
  95. 免疫記憶細胞障害性効果活性の存在の検出方法であって、上記方法が以下のステップ;
    標的細胞と細胞障害性エフェクター細胞とのコインキュベーションであって、:ここで、
    上記コインキュベーションが、効果活性が向けられるところの免疫原で初期刺激をした後少なくとも8日であり;及び/又は;
    上記細胞障害性エフェクター細胞が免疫記憶細胞であるコインキュベーション;並びに
    上記標的細胞における活性化されたカスパーゼの存在又は活性の検出を含み、ここで上記活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、活性化されたカスパーゼの存在又は活性の蛍光又は蛍光発生性指標指標を用いて検出され、上記活性化されたカスパーゼの存在又は活性は、免疫記憶細胞障害性エフェクター細胞が上記標的細胞に対して活性であるということを示す、前記検出方法。
  96. 前記接触が、前記初期刺激後少なくとも30日である、請求項95に記載の方法。
  97. 前記細胞障害性エフェクター細胞が、CD8+T細胞である、請求項95に記載の方法。
  98. 前記方法が、前記エフェクター細胞を再刺激することを含まない、請求項95に記載の方法。
  99. 前記検出が、活性化されたカスパーゼによって産生される切断産物を、上記切断産物に特異的に結合する蛍光標識された抗体と接触することを含む、請求項95に記載の方法。
  100. 前記検出が、前記活性化されたカスパーゼを上記活性化されたカスパーゼに特異的に結合する蛍光標識されたリガンドを含む指標と接触すること含む、請求項95に記載の方法。
  101. 前記検出が、カスパーゼの基質を、蛍光又は蛍光発生性リガンドであって、前記活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合するリガンドと接触することを含む、請求項95に記載の方法。
  102. 前記リガンドが、PARP、核ラミン、アクチン、PKCγ、SREBP、U1-RNP、DNA-PK、G4-GDI、ハンチンチン、及びHnRNP-C1/2から成る群から選ばれるポリペプチドのサブ配列を含み、そして上記サブ配列が、前記活性化されたカスパーゼの基質結合部位に特異的に結合するために十分な長さである、請求項105に記載の方法。
  103. 前記活性化されたカスパーゼが、カスパーゼ-1、カスパーゼ-2、カスパーゼ-3、カスパーゼ-6、カスパーゼ-8、及びカスパーゼ-9から成る群から選ばれる、請求項95に記載の方法。
  104. 哺乳動物において、特定の抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こす能力に関して試験薬剤をスクリーニングする方法であって、上記方法が以下:
    試験薬剤を哺乳動物に投与すること;及び
    前記哺乳動物からエフェクター細胞を得ること;及び
    標的を提示する前記抗原に対する前記標的細胞の細胞障害活性を計測すること
    を含み、ここで上記細胞障害活性は、請求項1又は45のいずれか1項に記載の方法を用いて計測され、上記標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性は、上記試験薬剤が、上記抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こすという指標である前記検出方法。
  105. ワクチンにおける使用のために抗原を最適化する方法であって、上記方法が以下のステップ:
    上記ワクチンの候補である複数の抗原を提供し;
    請求項104に記載の方法に従い上記抗原をスクリーニングし;そして
    上記抗原に対するクラス1制御性CTL反応を引き起こす抗原を選択すること
    を含む前記方法。
  106. 哺乳動物が、以前のワクチン接種、免疫化、又は病気に晒されることから免疫を保持するかを決定するために上記哺乳動物を試験する方法であって、上記方法が以下のステップ:
    上記哺乳動物からエフェクター細胞を獲得し;そして
    上記ワクチン接種、免疫化、又は病気に晒されることによって引き起こされる免疫反応の標的である抗原を提示する標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性を測定すること
    を含み、ここで上記細胞障害活性は、請求項1又は45のいずれか1項に記載の方法を用いて計測され、そして上記標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性は、上記動物が上記ワクチン接種、免疫化、又は病気に晒されることから免疫を保持する指標である前記方法。
  107. 前記エフェクター細胞が、細胞障害性Tリンパ球(CTL)である、請求項106に記載の方法。
  108. 前記エフェクター細胞が、CD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)である、請求項106に記載の方法。
  109. 哺乳動物が特定の抗原に晒されたことがあるかを確かめるために、上記哺乳動物を試験する方法であって、上記方法は以下のステップ:
    上記哺乳動物からエフェクター細胞を獲得し;そして
    上記抗原を提示する標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性を計測すること
    を含み、ここで、上記細胞障害活性は、請求項1又は45のいずれか1項に記載の方法を用いて計測され、そして上記標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性は、上記動物が上記抗原に晒されたことがあるという指標である前記方法。
  110. 哺乳動物が、臓器又は組織に対する細胞性免疫反応を起こすかを上記哺乳動物で試験する方法であって、上記方法が以下:
    上記哺乳動物からエフェクター細胞を獲得し;そして
    上記臓器又は組織由来の標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性を計測すること
    を含み、ここで、上記細胞障害活性は、請求項1又は45のいずれか1項に記載の方法を用いて計測され、そして上記標的細胞に対する上記エフェクター細胞の細胞障害活性は、前記哺乳動物が、上記臓器又は組織に対して免疫反応を起こすであろうという指標である前記方法。
  111. 前記臓器又は組織が、前記哺乳動物に移植するための候補である異種の臓器又は組織である、請求項110に記載の方法。
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