JP2006500420A - ブタ筋細胞によるdna取込みを増大させるための賦形剤の使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、核酸、特に裸DNAをインビボで細胞膜を越えて送達するための新規賦形剤製剤を提供する。本発明はまた、特に遺伝子療法及び新生家畜の生存能力又は生存率向上の用途において、各種の核酸、特に正常動物に利益を供しうるタンパク質をコードする遺伝子を含有する治療剤又はDNA分子の送達及び細胞による取込みを増強するのに使用できる透過エンハンサも提供する。
Description
発明の分野:
本発明は、ブタ筋細胞によるDNA取込みを増大させるための賦形剤の使用に関する。
本発明は、ブタ筋細胞によるDNA取込みを増大させるための賦形剤の使用に関する。
発明の背景:
疾患の処置にタンパク質を治療的に使用することは、タンパク質の反復投与の必要性及びタンパク質の高コストのために制限されている。しかしながら、興味ある遺伝子を含有するプラスミドならば、体内のどこか他の場所で効果を発揮するタンパク質の合成及び分泌部位としての役割を果たす組織に送達することができる。骨格筋は、その量の多さ、血管分布及びアクセスしやすさの点から、この手法を評価するための有用なターゲットである(Blau & Springer,New England J of Medicine,333(23) 1975)。筋線維は分裂しないので、効果的な遺伝子送達ができれば長期間のタンパク質産生がもたらされる。しかしながら、筋細胞がプラスミドDNAを容易に取り込まない場合がある。この障害を克服するために、ある研究者は様々なバッファを用いて実験をし(Hartikkaら、Gene Therapy,7,2000)、別の研究者は、インビボでの筋細胞によるDNA取込みを増強するためにポロキサマーの組合せの使用について調べている(Lemieuxら、Gene Therapy,7,2000)。
疾患の処置にタンパク質を治療的に使用することは、タンパク質の反復投与の必要性及びタンパク質の高コストのために制限されている。しかしながら、興味ある遺伝子を含有するプラスミドならば、体内のどこか他の場所で効果を発揮するタンパク質の合成及び分泌部位としての役割を果たす組織に送達することができる。骨格筋は、その量の多さ、血管分布及びアクセスしやすさの点から、この手法を評価するための有用なターゲットである(Blau & Springer,New England J of Medicine,333(23) 1975)。筋線維は分裂しないので、効果的な遺伝子送達ができれば長期間のタンパク質産生がもたらされる。しかしながら、筋細胞がプラスミドDNAを容易に取り込まない場合がある。この障害を克服するために、ある研究者は様々なバッファを用いて実験をし(Hartikkaら、Gene Therapy,7,2000)、別の研究者は、インビボでの筋細胞によるDNA取込みを増強するためにポロキサマーの組合せの使用について調べている(Lemieuxら、Gene Therapy,7,2000)。
HartikkaらやLemieuxらのバッファや組合せポロキサマーは、マウスで評価が行われた。Hartikkaらがマウスで最も効果的であることを見出したバッファをブタで試験すると、DNA注射に応答してDNA取込みも発現も増大しなかった。同様に、ポロキサマーもブタ筋細胞ではDNA発現に何の効果もなかった。Lemieuxらは、WO00/47186で、いくつかの特定のポロキサマーの組合せをブタで評価している。Hartikkaらのバッファと同様、Lemieuxらのポロキサマー(WO00/47186)も、ブタ筋細胞ではDNA発現に何の効果もなかった。
エレクトロポレーションの研究によれば、SEAP(ヒト可溶性胎児アルカリホスファターゼ)、βガラクトシダーゼ、又はブタエリスロポエチン(EPO)の遺伝子を含有するプラスミドは、インビボのブタ筋細胞で発現されることが証明されている。しかしながら、プラスミドDNAをエレクトロポレーションを使わずにブタ筋細胞に直接注射しても、SEAP又はβガラクトシダーゼについては最小の応答しか得られず、ブタEPOについては全く応答しなかった。この応答欠如は、DNAが細胞膜を透過できないことに起因していた。
エレクトロポレーションに関しては現時点で商業的に実用的技術とみなされていないので、本発明は、インビボのブタ筋細胞によるDNA取込みを増強できる賦形剤を確認することを目的に始められた。本発明で様々な化学物質のクラスの賦形剤を試験した。本発明は、インビボのブタ筋細胞によるプラスミドDNAの取込み、及びそれに続く発現を増大させる賦形剤について記載する。
発明の要旨:
本発明は、インビボで細胞膜を越えてポリヌクレオチドを送達するための新規製剤を提供する。
本発明は、インビボで細胞膜を越えてポリヌクレオチドを送達するための新規製剤を提供する。
一態様において、本発明は、裸又は遊離核酸、例えばDNAと組み合わせて、これらの核酸の細胞膜横断能を促進又は増強できる、すなわちこれらの核酸の、細胞、例えばブタ筋細胞による取込みを増大できる賦形剤又は“透過エンハンサ”を提供する。
本発明によって提供される適切な透過エンハンサは、例えば、界面活性剤、細菌毒素、多糖類及びその他の透過エンハンサなどである。
本発明の製剤は、特に遺伝子療法及び新生家畜の生存率向上の用途において、様々な治療剤又はその他の分子の送達を増強し、そして該治療剤又はその他の分子の細胞による取込みを増強するのに使用できる。
本発明の製剤は、特に遺伝子療法及び新生家畜の生存率向上の用途において、様々な治療剤又はその他の分子の送達を増強し、そして該治療剤又はその他の分子の細胞による取込みを増強するのに使用できる。
一態様において、本発明は、細胞における核酸の発現を、細胞を少なくとも一つの核酸及び少なくとも一つの透過エンハンサと、該核酸の発現が増強されるように接触させることによって増強するための方法に関する。
別の態様において、本発明は、本発明の少なくとも一つの透過エンハンサと核酸を有効量投与することによって対象物を処置する方法に関する。
透過エンハンサは核酸と同時に投与される。
発明の詳細な説明:
本発明は、ポリヌクレオチド、特に裸DNAを、細胞、特にインビボのブタ筋細胞の膜を越えて送達するための新規製剤を提供する。
透過エンハンサは核酸と同時に投与される。
発明の詳細な説明:
本発明は、ポリヌクレオチド、特に裸DNAを、細胞、特にインビボのブタ筋細胞の膜を越えて送達するための新規製剤を提供する。
“裸(naked)DNA”とは、DNAが他の化学部分と事前にポリプレックス(polyplex)されていないことを意味する。“ポリプレックス”とは、DNAのような化合物に一つ以上のコポリマードメインが結合した分子複合体のことである。コポリマードメインは“送達エンハンサ”として機能し、化合物の送達を促進する。
本発明の一態様は、核酸、例えばDNA、特に裸DNAの動物細胞による取込みを、賦形剤と核酸を同時にこれらの細胞に投与することによって増大させる方法を提供する。本発明の好適な細胞はブタ筋細胞である。ブタの筋肉は、その量の多さ、血管分布及びアクセスしやすさのために有用なターゲットである。筋線維は分裂しないので、効果的な遺伝子送達ができれば長期間のタンパク質産生がもたらされる。
“賦形剤”又は“透過エンハンサ”とは、治療剤、例えば核酸のような薬剤の、細胞膜を越えての送達を増強又は増大させる製剤又は試薬のことである。好適な賦形剤は、以下に記載のような界面活性剤、細菌毒素、多糖類及びその他の透過エンハンサなどの様々な化学物質のクラスから選ばれる。
界面活性剤(surfactant又はdetergent)は、水溶液の表面張力を低下させて溶液中の分子が周囲物質とより効率的に接触できるようにし、それによってこれらの物質による取込み増強を促進する化合物である。一態様において、前記分子はプラスミドDNAであり、前記周囲物質は細胞膜である。本発明によって提供される界面活性剤は、トリトン(Triton)X−100、ドデシル硫酸ナトリウム、プルロニクス(Pluronics)(F68、P65、P84、F127、25R2、及びL62)、トゥイーン(Tween)20、及びトゥイーン80など、好ましくはトゥイーン80、更に好ましくは0.03〜0.07%の濃度のトゥイーン80であるが、これらに限定されない。
本発明によれば、細菌毒素は、細胞によるプラスミドDNAの取込みを、細胞膜を一時的に傷つけ、そこからプラスミドDNAが細胞に侵入できるようにすることによって促進する。本発明で考えている適切な細菌毒素の例は、ストレプトリシンO、コレラ毒素、及び大腸菌の組換え改変不安定性毒素(reconbinant modified labile toxin; rmLT、Tulane大学)など、好ましくは大腸菌のrmLT、更に好ましくは23〜27ug用量の大腸菌rmLTであるが、これらに限定されない。
多糖類の水溶液は、細胞膜近辺の浸透圧を破壊できるので、プラスミドDNAの細胞膜を越える効率的な移動が可能になる。本発明によって提供される適切な多糖類は、グルコース、スクロース、フルクトース、トレハロース、及びマルトースなど、好ましくはスクロース、更に好ましくは3〜7%の濃度のスクロースであるが、これらに限定されない。
本発明の透過エンハンサの例は、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びSEPAなどであるが、これらに限定されない。DMSOは、皮膚からの治療剤の吸収を増強する透過溶媒である。SEPA溶液は、本発明での使用に適した別の透過エンハンサである。SEPA溶液はこれらの名称(1,3−ジオキソラン、2−ノニル−(6Cl、7Cl、8Cl、9Cl)、2−(1−ノニル)−1,3−ジオキソラン;2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン;2−ノニルジオキソラン;デカナールエチレンアセタール;デカナール、サイクリック1,2−エタンジイルアセタール;SEPA009;SEPA−I)によっても知られ、式C12H24O2及び以下の構造を有する。本発明の好適な透過エンハンサはDMSO、更に好ましくは18〜22%の濃度のDMSOである。
本発明によれば、プラスミドDNAの取込みを増大させる賦形剤は、インビボのブタ筋細胞におけるその後の発現も増大させる。
一態様において、本発明は、核酸、特に裸DNAの、細胞における発現の増強法に関する。該方法は、本発明の組成物、例えばDNAと賦形剤の溶液を、対象物、例えばブタに投与することを含む。その結果、透過エンハンサの助けを借りて核酸は細胞に侵入し、核酸の発現が増強される。表1及び図1〜5は、核酸の発現増強法の結果を例示している。
一態様において、本発明は、核酸、特に裸DNAの、細胞における発現の増強法に関する。該方法は、本発明の組成物、例えばDNAと賦形剤の溶液を、対象物、例えばブタに投与することを含む。その結果、透過エンハンサの助けを借りて核酸は細胞に侵入し、核酸の発現が増強される。表1及び図1〜5は、核酸の発現増強法の結果を例示している。
本発明の組成物は、筋肉内注射によってインビボ投与できる。該組成物は、好ましくは溶液の形態で筋肉内注射される。適切な用量は、当該技術分野で慣例的に実践されているように経験的に決定できる。約3〜7%のスクロース、18〜22%のDMSO、0.03〜0.07%のトゥイーン80、又は23〜27μgのrmLTの用量を使用すれば、ブタ筋細胞によるDNA取込みが増大できると考えられる。
“増強された”とは、核酸、例えば(これに限定されない)、ヒト可溶性胎児アルカリホスファターゼ(SEAP)、βガラクトシダーゼ、又はブタエリスロポエチン(EPO)をコードする遺伝子を含有するプラスミドの何らかの発現が、該核酸を賦形剤の何らの透過補助なしに対象物又は細胞培養物に投与することによって観察される発現より大きいことを意味する。
“対象物(subject)”という用語は、原生生物、鳥類、は虫類、モネラ、細菌、及び好ましくは哺乳動物、特にブタを含む生体及び細胞を含む。
“処置する”、“処置すること”又は“処置”とは、状態、障害又は疾患に付随又は起因する少なくとも一つの症状が縮小又は緩和される、又は通常の条件下では予期せぬ少なくとも一つの利益が達成されることを意味する。例えば、処置は、処置を受けていない対象物と比べて、対象物における障害の一つ又はいくつかの症状の縮小又は障害の完全根絶を含みうる。本発明による処置は、正常新生家畜の生存率又は生存能力を、妊娠母畜を処置していない新生家畜の生存率と比べて増大させることによる農夫への利益又は利益提供にも向けられる。
“処置する”、“処置すること”又は“処置”とは、状態、障害又は疾患に付随又は起因する少なくとも一つの症状が縮小又は緩和される、又は通常の条件下では予期せぬ少なくとも一つの利益が達成されることを意味する。例えば、処置は、処置を受けていない対象物と比べて、対象物における障害の一つ又はいくつかの症状の縮小又は障害の完全根絶を含みうる。本発明による処置は、正常新生家畜の生存率又は生存能力を、妊娠母畜を処置していない新生家畜の生存率と比べて増大させることによる農夫への利益又は利益提供にも向けられる。
別の態様において、本発明は、遺伝性又は後天性障害を患う対象物を、本発明の少なくとも一つの透過エンハンサと核酸を有効量投与して該核酸の増強発現を確保することにより、対象物の障害又は症状を縮小又は根絶することによって処置する方法に関する。
一態様において、対象物は正常対象物である。“正常対象物”とは、遺伝性又は後天性障害を患っていない動物のことである。
別の態様において、本発明は、対象物、例えば動物対象物を、本発明の少なくとも一つの透過エンハンサと核酸を有効量投与して該核酸の増強発現を確保することにより、通常の条件下では予期せぬ利益又はより良い結果を達成することによって処置する方法に関する。“通常の条件”とは、何の処置も施されないことを意味する。例えば、そして本発明によれば、ブタEPOをコードする遺伝子を含有するプラスミドを賦形剤と共に正常妊娠ブタに投与し、母ブタの血球濃度を増加させることができる。母ブタにおける血球数の増加は酸素化の増加をもたらすので、結果的に子ブタの生存率又は生存能力が増大するだろうということが本発明によって考えられる。
別の態様において、本発明は、対象物、例えば動物対象物を、本発明の少なくとも一つの透過エンハンサと核酸を有効量投与して該核酸の増強発現を確保することにより、通常の条件下では予期せぬ利益又はより良い結果を達成することによって処置する方法に関する。“通常の条件”とは、何の処置も施されないことを意味する。例えば、そして本発明によれば、ブタEPOをコードする遺伝子を含有するプラスミドを賦形剤と共に正常妊娠ブタに投与し、母ブタの血球濃度を増加させることができる。母ブタにおける血球数の増加は酸素化の増加をもたらすので、結果的に子ブタの生存率又は生存能力が増大するだろうということが本発明によって考えられる。
透過エンハンサ又は賦形剤は核酸と同時に投与すべきである。
特に遺伝子療法及び生存率向上の用途において、各種の治療剤及びその他の分子の送達及び細胞による取込みを増強するのに使用される製剤も本発明によって提供される。
特に遺伝子療法及び生存率向上の用途において、各種の治療剤及びその他の分子の送達及び細胞による取込みを増強するのに使用される製剤も本発明によって提供される。
本発明を以下の非制限的実施例によってさらに説明する。
DNA/賦形剤の製剤:
スクロース(3〜7%)、DMSO(18〜22%)、トゥイーン80(0.03〜0.07%)、又は大腸菌組換え改変不安定性毒素(rmLT)(23〜27ug/用量)の各溶液は、所望の最終濃度で、1mg/mlの興味あるプラスミドDNAを含有するpH7.2の150mMリン酸ナトリウム中に調合できる。各溶液は、賦形剤及びプラスミドDNAをpH7.2の150mMリン酸ナトリウム中に所望濃度で溶解することによって製造できる。あるいは、製剤は、pH7.2の150mMリン酸ナトリウム中にそれらの2倍の最終濃度で準溶液として調製しておき、投与直前に等量混合してもよい。SEPA−DNA溶液は、5mg/mlの各DNA溶液1部を4部のSEPAの加えることによって調製する。
スクロース(3〜7%)、DMSO(18〜22%)、トゥイーン80(0.03〜0.07%)、又は大腸菌組換え改変不安定性毒素(rmLT)(23〜27ug/用量)の各溶液は、所望の最終濃度で、1mg/mlの興味あるプラスミドDNAを含有するpH7.2の150mMリン酸ナトリウム中に調合できる。各溶液は、賦形剤及びプラスミドDNAをpH7.2の150mMリン酸ナトリウム中に所望濃度で溶解することによって製造できる。あるいは、製剤は、pH7.2の150mMリン酸ナトリウム中にそれらの2倍の最終濃度で準溶液として調製しておき、投与直前に等量混合してもよい。SEPA−DNA溶液は、5mg/mlの各DNA溶液1部を4部のSEPAの加えることによって調製する。
表1は、様々なDNA及び賦形剤溶液の注射5日後のブタ筋肉のX−gal染色の採点結果を示す。
ブタにおける賦形剤試験:
各ブタは合計6回の注射を受けた。全ての注射とも背最長筋に投与した(片側3ヶ所ずつ)。注射は脊柱の約2.5”(インチ)側方であった。ブタの各側において、一つの部位はほぼ最後の肋骨の位置であり、他の2ヶ所は最後の肋骨から約6”及び12”頭方(鼻の方向)であった。注射部位の識別に役立つよう約1”平方の面積で剃毛した。注射は各剃毛部分の中心に皮膚表面に対して約90°の角度で行った。ブタは、自動ロック式のヘッドキャッチシュートに短時間拘束し、3mlのシリンジに取付けた1.5”長の18ゲージ針を用いて試験物質をIM(筋肉内)投与した。各試験物質(処置)は合計3ヶ所の注射部位に投与した(それぞれ異なるブタに)。各注射の合計体積は1mlであった。
ブタにおける賦形剤試験:
各ブタは合計6回の注射を受けた。全ての注射とも背最長筋に投与した(片側3ヶ所ずつ)。注射は脊柱の約2.5”(インチ)側方であった。ブタの各側において、一つの部位はほぼ最後の肋骨の位置であり、他の2ヶ所は最後の肋骨から約6”及び12”頭方(鼻の方向)であった。注射部位の識別に役立つよう約1”平方の面積で剃毛した。注射は各剃毛部分の中心に皮膚表面に対して約90°の角度で行った。ブタは、自動ロック式のヘッドキャッチシュートに短時間拘束し、3mlのシリンジに取付けた1.5”長の18ゲージ針を用いて試験物質をIM(筋肉内)投与した。各試験物質(処置)は合計3ヶ所の注射部位に投与した(それぞれ異なるブタに)。各注射の合計体積は1mlであった。
ブタは各DNA及び賦形剤溶液の投与5日後に安楽死させた。針の入射点を囲む約1”立方の組織片を切除した。これらの組織片を、皮膚に最も近い端から始めて約2〜3mmの幅の切片に90%分スライスした。スライスした組織片を、組織が完全に隠れるほど十分な量の4%パラホルムアルデヒドに入れ、4℃で3時間インキュベートした。3時間のインキュベーション期間後、固定された組織片をPBSで3回濯いだ。次に、濯いだ組織を、40μMのMgCl2、0.5mMのヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、0.05%のデオキシコレート及び0.54mg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド(X−gal)の溶液で37℃で18時間染色した。染色完了後、組織をPBS中3%DMSOで3回洗浄した。染色量は、“無染色”から“染色++++”までの主観的尺度を用い、目視観測により測定した。等級付けの基準は染色の強度及び量であった(図1〜5参照)。
結論:
5%スクロース、20%ジメチルスルホキシド、0.05%トゥイーン80及び25ug rmLT/用量のいずれかと、βガラクトシダーゼ遺伝子を含有するプラスミドDNAを含むSEPA溶液(5mg/mlの各DNA溶液1部を4部のSEPAに加えて製造)の組合せは、組織染色によって示されているようにブタ筋細胞によるDNA取込みの増強をもたらした。従って、これらの賦形剤は、インビボのブタ筋細胞において、DNA取込み、及びその結果として得られるタンパク質を特異的に増大できる。
生物材料の寄託:
以下の生物材料を1994年8月22日にAmerican Type Culture Collection,P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108に寄託し、アクセッション番号ATCC69683を付与された。
5%スクロース、20%ジメチルスルホキシド、0.05%トゥイーン80及び25ug rmLT/用量のいずれかと、βガラクトシダーゼ遺伝子を含有するプラスミドDNAを含むSEPA溶液(5mg/mlの各DNA溶液1部を4部のSEPAに加えて製造)の組合せは、組織染色によって示されているようにブタ筋細胞によるDNA取込みの増強をもたらした。従って、これらの賦形剤は、インビボのブタ筋細胞において、DNA取込み、及びその結果として得られるタンパク質を特異的に増大できる。
生物材料の寄託:
以下の生物材料を1994年8月22日にAmerican Type Culture Collection,P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108に寄託し、アクセッション番号ATCC69683を付与された。
Claims (15)
- ブタ筋細胞による核酸の取込みを増大させる方法であって、少なくとも一つの賦形剤と少なくとも一つの核酸とをブタ筋細胞に投与することを含み、該賦形剤が、ブタ筋細胞膜を横断する核酸の能力を高めるものである、方法。
- ブタ筋細胞における核酸の発現を増強する方法であって、少なくとも一つの賦形剤と少なくとも一つの核酸とを含む組成物をブタ筋細胞に投与することを含む、方法。
- 対象物を処置する方法であって、有効量の少なくとも一つの賦形剤と少なくとも一つの核酸とを投与して、対象物における前記核酸の発現を増強することを含む、方法。
- 前記賦形剤が、界面活性剤、細菌毒素、及び多糖類からなる群から選ばれる、請求項1〜3に記載の方法。
- 前記界面活性剤が、トリトンX−100、ドデシル硫酸ナトリウム、プルロニクス(F68、P65、P84、F127、25R2、及びL62)、トゥイーン20及びトゥイーン80からなる群から選ばれる、請求項4に記載の方法。
- 前記細菌毒素が、ストレプトリシンO、コレラ毒素、及び大腸菌の組換え改変不安定性毒素(rmLT)からなる群から選ばれる、請求項4に記載の方法。
- 前記多糖類が、グルコース、スクロース、フルクトース、トレハロース、及びマルトースからなる群から選ばれる、請求項4に記載の方法。
- ジメチルスルホキシド(DMSO)及びSEPAをさらに含む、請求項4に記載の方法。
- 前記対象物が、原生生物、鳥類、は虫類、モネラ、細菌、及び哺乳動物である、請求項3に記載の方法。
- 前記対象物が、処置していない対象物と比べ、処置後に縮小又は根絶される遺伝性又は後天性障害を有する、請求項3に記載の方法。
- 前記対象物がブタである、請求項10に記載の方法。
- 前記組成物が筋肉内注射によって投与される、請求項2に記載の方法。
- 前記賦形剤が、核酸又は治療剤と同時に投与される、請求項1〜3に記載の方法。
- 前記核酸が裸DNAである、請求項1〜3に記載の方法。
- 前記裸DNAが裸プラスミドDNAである、請求項14に記載の方法。
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