JP2006500193A - エダクタ - Google Patents
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Abstract
エアギャップ(2)と、ベンチュリ(3)と、バイパスチャネル(8)と、ベンチュリの入口で生じる跳ね返りがエアギャップ(2)を通って逃げることを防止する、変形可能な多孔質体の形態の噴霧防止装置(10)とを有する、エダクタ装置(1)。噴霧防止装置(10)は、位置がずれた水噴流のエネルギーを吸収する機能も果たし、緊急流れ経路を提供することもできる。
Description
[発明の分野]
本発明は、液体を混合するエダクタ、例えば、濃縮溶液を水流に混合して濃縮溶液の所望の希釈液を供給するエダクタに関する。
本発明は、液体を混合するエダクタ、例えば、濃縮溶液を水流に混合して濃縮溶液の所望の希釈液を供給するエダクタに関する。
[発明の背景]
ホテル産業および外食産業等の多くの産業では、洗浄用に用いられるもの等の化学物質を濃縮液として購入し、使用に合わせて正しい濃度にするよう水で希釈することが一般的である。定比率供給装置は、濃縮溶液の所望の希釈液を得て、混合希釈溶液を定量供給するように設計されている。
ホテル産業および外食産業等の多くの産業では、洗浄用に用いられるもの等の化学物質を濃縮液として購入し、使用に合わせて正しい濃度にするよう水で希釈することが一般的である。定比率供給装置は、濃縮溶液の所望の希釈液を得て、混合希釈溶液を定量供給するように設計されている。
このような定量供給装置は一般に、エダクタとして知られているいわゆるベンチュリ型デバイスを用いて、濃縮溶液を水流に吸引する、すなわち引き込む。
このようなエダクタでは、通路内を高速で流れる水は、通路内の絞り流路が広がる地点で濃縮溶液を引き込む。
このような定量供給装置は通常、主供給源から直接供給される水で動作し、汚染のない給水を維持することが重要であるため、エダクタは通常、エアギャップを用いて水源への化学物質の逆流を防止する。
通常、エアギャップエダクタは、直立構成で動作する。すなわち、水噴流がエアギャップ内を鉛直下方に導かれてベンチュリ内に入り、そこで濃縮液が引き込まれる。したがって、エダクタは通常、水噴流を生成するノズルを備え、水噴流はエアギャップの下のベンチュリに向けて、ノズルの下に位置するエアギャップ内に生成される。ベンチュリは、上面に位置して水噴流を受け取る入口を有する。入口の断面積は通常噴流よりも小さいため、噴流の全ての水がベンチュリ入口に入るわけではない。例えば、直径2〜4mmの水噴流が、直径1.5〜1.8mmの入口とともに用いられる場合がある。これは、ベンチュリ内で十分な圧力が確実に生成されるのに役立つ。したがって、水の一部はベンチュリに直接入らない。この余分な水はベンチュリの頂部から回収され、ベンチュリの出口に導かれなければならない。ほとんどのエダクタには、この水がベンチュリ構造の周りを通ってベンチュリの出口において水の本流に合流することを可能にするバイパスチャネルがある。例えば、バイパスチャネルは、ベンチュリ構造の周りに外部放出管を設け、通過流空間を設けるようにベンチュリの外壁から外部放出管を離隔させることにより、形成することができる。
既知のエダクタに関連するいくつかの欠点がある。エアギャップの上のノズルにより生成される水噴流は通常、十分な速度がベンチュリの入口で生成されることを確実にするように、高速噴流となる。そのため、ベンチュリに入ることができない水の一部は、かなりの力でベンチュリの上面に接触する。これにより、大量の噴霧が生じる可能性がある。
このような面から生じる噴霧は、エアギャップに送り戻される場合がある。エアギャップは通常、外気に通じるように開いており、噴霧がエダクタ本体の外面またはその付近の面に付着する恐れがあるため、これは望ましくない。
この水が除去されなければ、水が滞留して微生物の成長または硬い水垢の形成が生じる可能性がある。エダクタの周りの表面に水が存在することは、滑りが生じる可能性も示す。深刻な場合、噴霧が原因でエダクタから実際に水が漏出する可能性がある。
エダクタの中には、ベンチュリ部の入口における跳ね返りを低減する手段を用いるものがある。WO94/04857は、エダクタのベンチュリセクションの上に中央オリフィスが位置する剛体の円盤を有するエアギャップエダクタを開示している。
US5522419は、ベンチュリの入口の上に位置する噴霧シールドを記載している。噴霧シールドは、傾斜側面を有し、ベンチュリの入口を部分的に覆うようにエアギャップの底部から延びる。
US5839474は、ベンチュリの入口の上にリブ構造が設けられたエダクタを開示している。見かけ上は、これらのリブは跳ね返った水がエアギャップに逃げ込むのを防止するのに役立つ。
US5862829は、ベンチュリのテーパ状の入口を覆うように嵌まる噴霧飛沫シールドを有するエダクタを記載している。この噴霧シールドは円錐台形形状を有する。
US5673725は、水噴流を通過させる狭い穴とシールの下面の凹部とを備える水密機構を開示している。しかしながら、この機構では側方の飛散が生じる可能性があるため、ベンチュリの上に排水口を設けて、側方に飛散した水がベンチュリを通って導かれるようにする。
このように、エアギャップに逃げ込む噴霧の量を減らすようエアギャップエダクタを適合させることが知られている。しかしながら、本発明者らの認識では、種々の動作条件下で既知の噴霧シールド機構を有するエダクタの有効性を制限するいくつかのさらなる問題がある。
長期使用の間に、例えば水噴流を生成するノズルに固形物が堆積する結果、エアギャップエダクタの水噴流の位置ずれが生じる場合がある。ノズルを通過する水は、通常は約60℃に加熱されるため、水に溶解した固形物はこのような高温では沈殿する可能性がある。沈殿物の例は石灰垢である。エダクタが使用されていない場合、埃および他の堆積物もノズルに蓄積する可能性がある。その結果、エアギャップエダクタの定期保守が必要となる。
[発明の概要]
本発明は、この現象に関連する特定の問題を突き止めた。位置がずれた噴流は、ベンチュリの入口に直接入らず、ベンチュリ入口の両側の面に衝突する。これにより、跳ね返りの問題が著しく増大する。この問題は、通常の使用時に水噴流が通過する小オリフィスを備える噴霧シールドを有するエダクタ機構、例えばWO94/04857およびUS5522419に開示されているものでは、さらに大きくなる。
本発明は、この現象に関連する特定の問題を突き止めた。位置がずれた噴流は、ベンチュリの入口に直接入らず、ベンチュリ入口の両側の面に衝突する。これにより、跳ね返りの問題が著しく増大する。この問題は、通常の使用時に水噴流が通過する小オリフィスを備える噴霧シールドを有するエダクタ機構、例えばWO94/04857およびUS5522419に開示されているものでは、さらに大きくなる。
本発明者らは、既知のエダクタに関するさらなる問題を突き止めた。ベンチュリの上面からベンチュリの出口端に余分な水を運ぶように設けられるバイパスチャネルは、特に噴流の位置がずれている場合は、高流量で受け入れる大量の水に対応するのに十分な容量を有さない場合がある。ほとんどの場合、エダクタのサイズを最小限に抑えることが望ましいため、単純に断面積が大きいバイパスチャネルを設けることは実行不可能であろう。
バイパスチャネルがベンチュリ構造と外部放出管との間の通過流空間によって設けられる場合、本発明者らは、外部放出管の内壁に沿って水が高流量で逆戻りする、すなわち上昇する可能性があることを見出した。これは、ベンチュリの入口における水の蓄積につながる可能性があり、これによりエダクタの性能が影響を受け、跳ね返り問題が増大する。逆戻りにより水がエアギャップを通って逃げる場合もあり、これは前述の理由から望ましくない。
本発明者らは、エダクタからの出口が遮断される状況でのエダクタの挙動に関するさらなる問題を突き止めた。これは、出口に固形物または化学堆積物が堆積するため、または例えば出口の下流で管またはパイプが折れ曲がっているか潰れていることによって出口経路が偶発的に絞られてしまう結果生じる場合がある。通常の使用中にエダクタの出口が遮断された場合、エダクタ内の流体圧力が上昇する可能性がある。この圧力は、エアギャップを通して流体をエダクタから出すことによって解放することができる。しかしながら、ベンチュリセクションからエアギャップまでの流体経路が不十分な場合、例えば、ベンチュリ部とエアギャップとを隔てるのに狭いオリフィスしかない場合、エダクタ内の圧力が危険なほど上昇する可能性がある。最終的には、エダクタの破裂または水および濃縮液の無制限の放出が起こる場合がある。本発明者らの理解によると、エダクタ出口が遮断された場合にエダクタの超過圧力を回避するために、ベンチュリ部からエアギャップまでの緊急流体経路を設けることが望ましい。
本発明は、上述の問題を引き起こすエダクタの構造的特徴の理解に基づいている。本発明は、既知のエダクタ機構に関連する欠点に対処し、通常の動作における、および水噴流の位置がずれている状況における、噴霧および水の漏れを最小限に抑えるための改良を提供する。本発明は、エダクタの出口で遮断が生じる状況でのこれらの問題にも対処する。
本発明の目的は、跳ね返りおよび水の逆戻りの防止を提供するとともに、噴流の位置ずれおよびエダクタ出口の遮断に関連する安全上の問題に対処することである。
したがって、本発明の第1の態様では、エアギャップと、エアギャップの下に位置するベンチュリと、エアギャップとベンチュリの入口との間に配置される多孔質の、好ましくは変形可能な噴霧ガードとを有する、エアギャップエダクタが提供される。
本明細書で用いる場合、多孔質とは、例えば一連の連続気泡によって、通過流流体経路を提供するように本体内に延びる孔を有することを意味する。本発明で用いるのに適した多孔質材料の例は、合成発泡体ならびに織布構造および不織布構造である。
多孔質噴霧シールドは、ベンチュリの入口からの跳ね返りにより生じる水分を捕獲および回収することができる大きい表面積を提供する。特に、その多孔度により、ベンチュリの入口で生じる微細な霧の回収量が高まる。エダクタがバイパスチャネルを備える場合、噴霧ガードは、バイパスチャネルで生じる噴霧も捕獲および回収することができる。
変形可能な多孔質噴霧ガードの使用に関連するさらなる利点は、水噴流の位置がずれている場合にエネルギーおよび水を安全に分散させることができることである。位置がずれた水噴流が変形可能な噴霧ガードに衝突すると、噴霧ガードの変形によって、かなりの割合の噴流エネルギーが噴霧ガードに吸収されることができる。
噴霧ガードの多孔度には、高速の噴流が噴霧ガードの表面に衝突すると水流が噴霧ガードを通過することができるというさらなる利点が見出される。したがって、噴流の位置がずれている場合、本発明は、跳ね返りを安全に低減する手段と、緊急排水口とを提供する。
この態様による本発明は、エダクタの出口が遮断された場合に噴霧ガードを介して緊急逆流路が提供されるというさらなる利点を有する。噴霧ガードが多孔性であることにより、ベンチュリセクションに超過圧力があるような状況で流体が噴霧ガードを通って大量に逆流することができる。言い換えれば、ベンチュリセクションで超過圧力が生じた場合、流体は、ベンチュリセクションからエアギャップへ、噴霧ガードの孔を通って移動することができる。さらに、噴霧ガードの変形可能な性質により、水噴流が流れている場合でも流体の超過圧力を容易に逃がすことができる。
噴霧ガードは、水噴流がベンチュリに入る際に通ることができる中央オリフィスを有することが好適である。好適には、噴霧ガードは円盤状である。オリフィスのサイズは、特定のエダクタの水噴流の直径よりもわずかに大きいように選択してよい。好ましくは、ベンチュリの入口とエアギャップとの間の唯一の直線流体経路はこのオリフィスである。これは、使用中に噴霧、特に微細な噴霧が上方に移動してエアギャップに入ることを防止するため、望ましい。
噴霧ガードは、ユーザがエダクタ機構を最適化できるように、または噴霧ガードの洗浄を可能にするように、取り外し可能かつ/または他の飛散防止装置と交換可能であってもよい。
本発明のエダクタは、ベンチュリ構造の周りに位置して、ベンチュリ入口の上に延びる外部放出管を備えてもよい。この場合、本発明の噴霧ガードは、外部放出管内のベンチュリ入口の上に位置してもよい。外部放出管は、円筒形状であることが好適であり、この場合、外部放出管の壁と噴霧ガードの壁とを密接に接触させるように、噴霧ガードも円筒外形を有してよい。このような密接な接触は、エアギャップへ噴霧が出て行くことを防止するため望ましい。
噴霧ガードの寸法は、適用されるエダクタのサイズに応じて代わる。通常は、噴霧ガードの幅、すなわち水噴流方向に垂直な方向の幅は、100mm未満である。好ましくは、噴霧ガードの幅は40mm未満である。噴霧ガードの厚さ、すなわち水噴流の流れ方向の厚さは、エダクタ機構の残りの部分の形状およびサイズに応じて選択することができる。上述のように噴流の位置がずれている場合に、多孔度が比較的低い材料でも水を貫通させねばならないため、厚さは噴霧ガードの構成材料によっても異なる。したがって、噴霧ガードの最大厚に制約が課される可能性があることになる。これとは反対に、多孔度が比較的高い材料が用いられる場合、噴霧ガードは、特に霧の形態の跳ね返った噴霧を捕獲および回収して、噴霧ガードを通過するのを防止するのに十分な厚さを有さねばならない。好ましくは、噴霧ガードの厚さは、50mm以下、より好ましくは20mm以下である。
本発明の第2の態様では、エアギャップと、エアギャップの上のノズルと、入口領域およびベンチュリを有するベンチュリ部と、ベンチュリの上の入口領域に位置する噴霧ガードとを備えるエアギャップエダクタが提供され、噴霧ガードは、ノズルからベンチュリまで水噴流を直流させる開放中央通路と、開放中央通路に加えて、噴霧ガードの下からエアギャップまで蛇行逆流経路を提供するように構成される少なくとも2つの鉛直方向にずれた飛散防止部材とを備える。
ベンチュリとエアギャップとの間に中央通路以外の直線経路がないため、この機構は噴霧防止を可能にする。前記部材による蛇行経路は、エダクタの出口の遮断によりベンチュリ内に超過圧力が生じた場合の緊急流体経路となる。
噴霧ガードは、互いに横方向に離隔して重なって位置する、少なくとも2つの離隔して鉛直方向にずれた飛散防止部材を備え、各部材は、入口領域の断面積の少なくとも一部を覆い、部材同士が鉛直方向に離隔することにより蛇行通過流経路が設けられ、中央通路を除く入口領域の断面積全体が飛散防止部材により覆われるようになる。
鉛直方向にずれた飛散防止部材は、入口領域内で、ベンチュリとエアギャップとの間の直流を防止するバッフルとして機能する。
噴霧ガードは、互いに横方向に離隔して鉛直方向にずれた3つ以上の飛散防止部材を備えてもよい。
噴霧ガードは、噴霧がエアギャップに入る可能性をさらに低減する重なり部材を備えてもよい。
噴霧ガードは、ユーザがエダクタ機構を最適化できるように、または噴霧ガードの洗浄を可能にするように、取り外し可能かつ/または他の飛散防止装置と交換可能であってもよい。
本発明の第3の態様では、エアギャップと、入口および出口を有するベンチュリ構造と、入口から出口に延びてエアギャップに通じるように開いている少なくとも1つのバイパスチャネルと、バイパスチャネルに位置し、バイパスチャネルの外壁から内側に突出するとともに下方に向いて、バイパスチャネルの外壁を上方に流れる水の向きをそらすデフレクタ要素とを備える、エダクタが提供される。
この機構は、バイパスチャネルの外壁上で逆戻りする水の向きをそらしてバイパスチャネルに戻すことにより、この水がエアギャップに逃げ込むことを防止するのに役立つ。この機構は、逆戻りする水がベンチュリに入る際に水噴流を妨害することを防止するのにも役立つ。
さらに、この機構は、バイパスチャネルで生じた跳ね返りがベンチュリ入口またはエアギャップに到達するのを防止するのにも役立つ場合がある。
バイパスチャネルの下側部分に向いているデフレクタの下面は、水平であってもよい、すなわちバイパスチャネルの下向きの水流方向に垂直であってもよい。
しかしながら、バイパスチャネルの入口に向いている下面がバイパスチャネルの外壁から下方に傾斜している場合、さらなる利点を得ることができる。デフレクタ表面が傾斜する角度は、ベンチュリおよびバイパスチャネルの幾何学的形状によって異なるが、流れ方向に対して約45°であってもよい。
デフレクタ要素は、エダクタ内のベンチュリの上に挿入することができる取り外し可能体、例えばリングにより提供されてもよい。
本発明の別の態様では、ベンチュリ構造およびバイパスチャネルを備えるエアギャップエダクタであって、バイパスチャネルの内壁が、通過流方向に延びる複数の離隔した溝を有するエアギャップエダクタを提供する。
この機構の利点は、エダクタケーシングまたは外部放出管のサイズまたは幾何学的形状を変えずに、すなわち、バイパスチャネルのサイズを拡大せずに、バイパスチャネルでの水の逆戻りの低減を行うことができることである。
溝があることにより、バイパスチャネルの内面への水の付着が高まるという効果が得られるため、バイパスチャネルの外壁から離れて水が導かれて、バイパスチャネルでの通過流の直進が促される。これにより、バイパスチャネルの効率が高まり、収容することができる水の流量が増加する。上述のように、これはバイパスチャネルでの水の逆戻りを引き起こす可能性があるため、バイパスフィルタの外壁から離れて水を導くことが有利である。
さらなる利点は、バイパスチャネルで生じる水の乱流が少なくなるため、噴霧を低減させることができることである。
溝がない表面と比較して、溝によりバイパスチャネル内壁面の表面積が増大する。溝は、溝を備える表面を流れる水が水の表面張力によって表面に引き寄せられるような幅および深さであってもよい。
好ましい機構では、バイパスチャネルは、ベンチュリ構造の外壁および外部放出管の内壁により画定される。この機構では、溝はベンチュリ構造の外面にある。溝は、ベンチュリ構造の長さのかなりの部分に沿ってベンチュリ構造の上部から延びる。
本発明の態様のいずれか1つの好ましい特徴は、他の態様のいずれにも適用することができる。本発明の態様のいずれか1つを、単独で、または他の態様のいずれかと組み合わせて実施して、跳ね返り防止および安全性能をさらに改善してもよい。
次に、本発明を添付図面を参照して単なる一例として説明する。
[実施形態の詳細な説明]
図1〜図5のそれぞれにおいて、成形プラスチック材料部品から主に形成されるエアギャップ型エダクタが示されている。各図は、エダクタの中心鉛直軸平面で主に切断されている。エアギャップ2は、開口形円筒バレル1により設けられ、開口形円筒バレル1の上には、使用時に鉛直下方に水噴流(図示せず)を供給するノズル(図示せず)のハウジング1aがある。ノズルは従来の構成であってよいため、ここでは示さない。
図1〜図5のそれぞれにおいて、成形プラスチック材料部品から主に形成されるエアギャップ型エダクタが示されている。各図は、エダクタの中心鉛直軸平面で主に切断されている。エアギャップ2は、開口形円筒バレル1により設けられ、開口形円筒バレル1の上には、使用時に鉛直下方に水噴流(図示せず)を供給するノズル(図示せず)のハウジング1aがある。ノズルは従来の構成であってよいため、ここでは示さない。
エアギャップ2の下側には放出管4があり、放出管4の内部には斜行するベンチュリ構造3が取り付けられて、それにより、ベンチュリ構造3の外壁および放出管4の内壁によって画定されるバイパスチャネル8が両側に残される(一方のバイパスチャネル8のみが図に示される)。ベンチュリ通路は、ベンチュリ構造3の頂部のナイフ状リッジの中央に入口6を有し、これは放出通路4の開口の高さよりも下にある。ベンチュリ構造3の内部は従来通りであるため、説明する必要はない。
ベンチュリ構造の側部通路5は、液体の流れが水流に引き込まれるためのものである。この下端において、ベンチュリ3を通る通路がバイパスチャネル8と再び交わる。
図1Aおよび図1Bの実施形態のエダクタ1は、多孔質発泡ポリマー材料からできている円盤状の噴霧ガード10を備え、噴霧ガード10は放出管4内のベンチュリ入口6の上に位置する。噴霧ガード4は、使用中に水噴流が通る中央オリフィス11を有する。通常の動作中は、水噴流は、エアギャップ2を鉛直下方に通って噴霧ガード10の中央オリフィス11を通り、ベンチュリ入口6に入る。ベンチュリの内部では、側部入口5を通して送出される濃縮化学物質が水流に引き込まれ、希釈された混合溶液がエダクタのベンチュリ出口7から出る。
噴霧ガード10のオリフィス11は、水噴流の直径よりもわずかに大きい直径を有する。水噴流がエダクタの上面の入口6付近に衝突することにより生じる跳ね返りは、噴霧ガード10によってエアギャップ2に逃げ込むことを妨げられる。噴霧ガードが多孔性であることにより、噴霧ガードは、放出管4で生じた噴霧、特に微細な霧を効果的に捕獲および回収することができる。
上述のように、背圧が発生した場合、噴霧ガード10は、バイパスチャネル8および/またはベンチュリ3からエアギャップへ水が逆流することを可能にする。これにより、過剰な背圧の上昇が回避される。噴霧ガードの多孔性および変形性により、位置がずれた水噴流が上方にあるノズルからエアギャップ2を渡って噴霧ガードに衝突した場合の跳ね返りも最小限に抑えられる。
図2Aおよび図2Bは、噴霧ガード20が取り外し可能な成形プラスチック体を備え、このプラスチック体が互いに鉛直方向に離隔した半円形の平板状部材22a、22bの形態の3つのオフセットバッフルを有する実施形態を示す。上方の2つの部材22aおよび22bはそれぞれ、図からわかるように水平であり、その軸に切抜部を有し、放出管4の両側から直径に沿った鉛直平面まで内側に延びて、この鉛直平面で鉛直壁23とつながる。
第3のバッフルは図では見えないが、ガード20の下端にあり、平面図では上部部材22aと同じ形状および位置であり、鉛直壁23によって中間部材22bとつながる。平面図で見ると、3つのずれた、すなわち互い違いの半円形部材は、水噴流を通すために噴霧ガード20を通って軸方向に延びる直線中央経路21を除いて、外部放出管4の断面全体を覆っている。経路21は、エアギャップ2とベンチュリ3との間の唯一の直線経路である。使用時には、3つの半円形部材の下面が、ベンチュリ入口6で生じる噴霧および霧を回収し、エアギャップ2を避けて外部放出管4に戻るように導き直す。
噴霧ガード20の上述の3つのバッフルは、ガード20の下からエアギャップ2までの水の逆流の蛇行すなわちジグザグ経路を画定し、この経路は中心軸で直線経路21と一致する。この逆流経路により、上述のように、水噴流が下方に向かって流れている間でも水が逆流して背圧を解放することができる。
図3Aおよび図3Bは、本発明の別の実施形態を示し、ここでは、扇形の水平シェルフまたはレッジ30が、放出管の、バイパスチャネル8の真上に設けられる。レッジ30は、放出管4の内壁32から鉛直中央平面に向かって途中まで延び、使用時には、管4を上昇してバイパスチャネル8に入る傾向がある逆戻りする水の向きをそらして、このような水がエアギャップ2から到達する可能性を低減する役割を果たす。この実施形態では、レッジ30は、放出管4の一体部分を形成し、外部放出管と一体に成形することにより形成することができる。
図4A、図4B、および図4Cは、図3の実施形態と同様の効果を達成するように意図されるさらなる実施形態を示す。「シルクハット状の」外形を有する取り外し可能なデフレクタリング40が、放出管4内のベンチュリ入口6の上方に、摺動嵌合として配置される。デフレクタリングは、放出管4の入口に配置するために、傾斜した環状下面44と鍔部46とを有する円筒状のリング部42を含む。下面44は、ベンチュリ構造3の頂部の高さよりも上にあり、軸方向断面で見られるように、管4の壁から離れる方向に下方に傾斜する。
使用時には、傾斜した下面44は、バイパスチャネルから逆戻りした水を管4の中心に向けて下方に導き直す役割を果たす。これは、このような水がエアギャップに逃げ込むか、または水噴流を妨害することを防ぐのに役立つ。
図5Aおよび図5Bは、本発明の例示される実施形態の全てに共通の特徴のさらなる詳細を示し、ここでは、ベンチュリ構造3の両側に、9本の平行な鉛直溝50がベンチュリ構造3の上部ウェッジ部52の下側部分からベンチュリ構造3の底部まで延びる。これらの溝は深さよりも幅の方が狭く、バイパスチャネル8に面している。溝の効果は、バイパスチャネルの内面に(上方または下方に)流れる水の量を増加させ、それにより、逆戻りにより管4の内壁を上方に流れる可能性がある量を特に減らすことである。これにより、逆戻りする水がエアギャップ2に到達する危険性が低減する。
Claims (13)
- エアギャップ(2)と、
該エアギャップの下に位置するベンチュリ(3)と、
前記エアギャップと前記ベンチュリの入口(6)との間に配置される多孔質の噴霧ガード(10)と、
を有するエアギャップエダクタ(1)。 - 前記噴霧ガードが中央オリフィス(11)を備える請求項1に記載のエアギャップ。
- 前記噴霧ガードが円盤状である請求項1または2に記載のエアギャップエダクタ。
- 前記噴霧ガードが変形可能な材料からできている先行請求項のいずれか1項に記載のエアギャップエダクタ。
- 前記噴霧ガードが取り外し可能である前記請求項のいずれか1項に記載のエアギャップエダクタ。
- エアギャップ(2)と、
該エアギャップの上のノズルと、
入口領域およびベンチュリを有するベンチュリ部(3)と、
前記ベンチュリの上の前記入口領域に位置する噴霧ガード(20)と、
を備えるエアギャップエダクタ(1)であって、該噴霧ガードが、前記ノズルから前記ベンチュリまで水噴流を直流させる開放中央通路(21)と、該開放中央通路に加えて、前記噴霧ガードの下から前記エアギャップまで蛇行逆流経路を提供するように構成される少なくとも2つの鉛直方向にずれた飛散防止部材(22a、22b)とを備えることを特徴とするエアギャップエダクタ。 - 前記噴霧ガードが、3つの互いに鉛直方向にずれた飛散防止部材を備え、該飛散防止部材の中央の飛散防止部材(22b)が、前記蛇行経路を画定するように上部の飛散防止部材および下部の飛散防止部材に対して横方向に互い違いになっている、請求項6に記載のエアギャップエダクタ。
- 前記飛散防止部材がそれぞれ、前記開放中央通路を画定するように軸方向の切抜部を有する半円形の円盤である請求項6または7に記載のエアギャップエダクタ。
- エアギャップ(2)と、
入口(6)および出口を有するベンチュリ構造(3)と、
前記入口から前記出口に延びて前記エアギャップに通じるように開いている少なくとも1つのバイパスチャネル(8)と、
該バイパスチャネルに位置し、該バイパスチャネルの外壁から内側に突出するとともに下方に向いて、前記バイパスチャネルの前記外壁を上方に流れる水の向きをそらすデフレクタ要素(30、40)と、
を備える、エダクタ。 - 前記デフレクタ要素(40)が取り外し可能である請求項9に記載のエアギャップエダクタ。
- 前記デフレクタ要素(30)が、前記バイパスチャネルと一体にできているレッジを備える請求項9または10に記載のエアギャップエダクタ。
- 前記デフレクタ要素の下面(44)が、前記バイパスチャネルの前記外壁から離れる方向に下方に傾斜している請求項9ないし11のいずれか1項に記載のエアギャップエダクタ。
- ベンチュリ構造(3)と、
該ベンチュリを迂回する流れのためのバイパスチャネル(8)と、
を備えるエアギャップエダクタ(1)であって、該バイパスチャネルの内壁が、通過流方向に延びる複数の離隔した溝(50)を備えることを特徴とするエアギャップエダクタ。
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