JP2006349131A - 二重ジンバル位置補償付き防振機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ELシェルの回転角に拘わりなく常にELシェルとペイロード部との相対位置関係を一定に維持する二重ジンバル位置補償付き防振機構を提供する。
【解決手段】外側ジンバル1はAZ回転機構2、EL回転機構3、ELシェル4、ELシェル4内の上下に支持される防振機構5、防振機構5間に支持されるリアクション部6を備え、リアクション部6には支柱14及びピボット15によりペイロード部22が保持される。防振機構5は上部プレートと下部プレート間に2本で1組のV字形をなす3組のバネユニット21が伸縮自在のパラレルリンクを形成している。バネユニット21にはリニアモータで進退駆動されるリニアアクチュエータと位置センサが組み込まれ、制御系により位置センサの出力に応じてリニアモータが駆動されてリンク長が伸縮することにより防振機構5の姿勢がフィードバック制御される。
【選択図】図1
【解決手段】外側ジンバル1はAZ回転機構2、EL回転機構3、ELシェル4、ELシェル4内の上下に支持される防振機構5、防振機構5間に支持されるリアクション部6を備え、リアクション部6には支柱14及びピボット15によりペイロード部22が保持される。防振機構5は上部プレートと下部プレート間に2本で1組のV字形をなす3組のバネユニット21が伸縮自在のパラレルリンクを形成している。バネユニット21にはリニアモータで進退駆動されるリニアアクチュエータと位置センサが組み込まれ、制御系により位置センサの出力に応じてリニアモータが駆動されてリンク長が伸縮することにより防振機構5の姿勢がフィードバック制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、航空機・船舶・車両等の移動体に搭載する撮像システムにおけるカメラを2軸で任意の方向に指向制御し且つ視軸を安定化する二重ジンバル位置補償付き防振機構に関する。
一般に、撮像システムにおけるカメラのジンバル(支持回転台装置)では、EL(elevation:仰角)軸回りの回転つまり上下方向の回転と、このEL軸と直行するAZ(azimuth:方位)軸回りの回転つまり水平方向の回転が可能な2軸ジンバルによりカメラ視軸の指向と安定化が行われる。
ところで、航空機・船舶・車両等の移動体に搭載する撮像システムでは、移動体への取付部から振動、衝撃、慣性荷重といった外乱を受ける。このため、長焦点のカメラを搭載する装置で且つ高精度な安定化を得る構造として等方性防振機構が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
この特許文献1の等方性防振機構によれば、ベースにアジマス機構を介してアジマス軸回りに回転可能に取り付けられた外側フレームと、この外側フレームにエレベーション機構を介してエレベーション軸回りに回転可能に取り付けられた内側フレームとからなるアウタジンバル内に、防振要素ストラットを用いた防振モジュールを配した2重構造とし、その防振モジュールに連結する支持部材のペイロード部に、インナジンバルとしての機器搭載フレームを支持し、この機器搭載フレームの中心にカメラを配置して、カメラに加わる機械的な振動外乱を除去して、カメラの指向を精密制御する構造となっている。
この特許文献1の等方性防振機構によれば、ベースにアジマス機構を介してアジマス軸回りに回転可能に取り付けられた外側フレームと、この外側フレームにエレベーション機構を介してエレベーション軸回りに回転可能に取り付けられた内側フレームとからなるアウタジンバル内に、防振要素ストラットを用いた防振モジュールを配した2重構造とし、その防振モジュールに連結する支持部材のペイロード部に、インナジンバルとしての機器搭載フレームを支持し、この機器搭載フレームの中心にカメラを配置して、カメラに加わる機械的な振動外乱を除去して、カメラの指向を精密制御する構造となっている。
また、同様な撮像システムに用いられるものとして、外側ジンバルのペイロード部の支柱をEL回転軸方向に配置して、防振機構全体で位置補正を行う構成の安定化支持台装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2004−232688号公報([0018]〜[0034]、図2、図3、図4、図5)
特開平11−223528号公報([0016]〜[0030]、図1、図2)
ところで、特許文献1の等方性防振機構では、バネ要素を利用した防振要素ストラットを用いているが、バネ要素を利用した防振機構のペイロード部では、バネは支えている物体に重力や加速度が作用して生まれる荷重により撓み、その撓む方向も力が作用する方向に等しいといった特性を有する。
そのため、通常の設計では、ペイロード部に加速度が加わると、ELシェル(EL回転機構の保護外殻)内壁とペイロード部の間の空間距離に狭い場所と広い場所といった不均一を生じてしまう。すなわち、ペイロード部に保持されるカメラのELシェル内における位置に偏りが生じてしまう。
そのようなELシェル内におけるカメラの位置の偏りが大きくなると、カメラがELシェル内壁に接触したり、内部の配線に接触したりする。そうすると、カメラや配線が破損したり、更にはカメラの指向を精密に制御することができなくなる。
従って、機構設計する上で、カメラ等の内部搭載装置がELシェル内壁に衝突して破損することがないように、防振のみならず自重での撓み量を加算した過大な空間距離を、カメラを保持するペイロード部とELシェル内壁との間に確保しなければならなくなる。
そうすると、ジンバル全体の構造が大きくなり、また重量も増大して、ジンバルの小型化における制約となって好ましくない。
これに対して、特許文献2の安定化支持台装置は、上記の問題を解決するものとされているが、それでも、例えばペイロード部がカメラの視軸回りに傾斜を成すような特定の傾きが生じると、やはりペイロード部とジンバル内壁の間の空間距離が不均一になってしまう。すなわちカメラの位置に偏りが生じてしまうという問題がある。
これに対して、特許文献2の安定化支持台装置は、上記の問題を解決するものとされているが、それでも、例えばペイロード部がカメラの視軸回りに傾斜を成すような特定の傾きが生じると、やはりペイロード部とジンバル内壁の間の空間距離が不均一になってしまう。すなわちカメラの位置に偏りが生じてしまうという問題がある。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、EL回転機構の回転角に拘わりなく常にELシェル内壁とペイロード部との相対位置関係を一定に維持し、常に両者の距離空間を最適に維持する二重ジンバル位置補償付き防振機構を提供することである。
本発明の二重ジンバル位置補償付き防振機構は、左右回転軸を安定させる機構をELシェルに内蔵した二重シンバル位置補償付き防振機構において、ペイロード部の上下に配置されたパラレルリンク式の防振機構のバネユニットと、該バネユニット内に配設されたリニアアクチュエータと、を備え、上記ELシェルの回転角に応じて予め設定されている電力を上記リニアアクチュエータに供給して上記バネユニットに補助推力を加えることにより該バネユニットのリンク長の伸縮を抑制し、上記ELシェルに対する上記ペイロード部の相対位置を一定に維持するように制御するように構成される。
この二重ジンバル位置補償付き防振機構は、例えば、上記バネユニットのリンク長をセンサで計測し、該センサの計測結果に基づき上記リニアアクチュエータへの電力供給をフィードバック制御することにより、上記ELシェルに対する上記ペイロード部の相対位置を任意に制御するように構成される。
また、上記左右回転軸を安定させる機構は、例えば、カメラをEL(elevation:仰角)/AZ(azimuth:方位)の二軸で任意に指向させ、カメラ搭載用のペイロード部を防振し且つ姿勢を安定させる機構として構成される。
本発明によれば、先ず第1に、ELシェルの姿勢角が変わってペイロード部に作用する重力が防振機構にかかる方向が変わった場合においても、バネユニットの伸縮を抑えることが出来、ペイロード部とELシェルとの相対位置関係を常に一定に維持することが可能となる。
次に、上記の構成に加え、バネユニットの長さを検出するセンサを配し、その信号をフィードバックすることにより、防振機構のパラレルリンク長を制御可能な構造とすることで、重力以外の加速度に起因する防振機構の撓みに対しても補償が可能となる。
このように、EL回転機構の回転角に拘わりなく常にELシェル内壁とペイロード部との相対位置関係を一定に維持し、常に両者の距離空間を最適に維持する二重ジンバル位置補償付き防振機構を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における外側ジンバルの概略の構成を示す図である。同図に示すように、外側ジンバル1は、AZ回転機構2、EL回転機構3、ELシェル4、防振機構5、リアクション部6を備えている。
AZ回転機構2は、回転支持軸7、モータ収納部8、EL回転機構支持部9からなり、回転支持軸7を介して不図示の移動体ベースに回転可能に取り付けられている。モータ収納部8には、モータの他に、角度センサ等が内蔵されている。そして、回転出力側にEL回転機構支持部9が取り付けられている。EL回転機構支持部9は円筒の帽子状を成す部材である。
EL回転機構3は、シェル支持部11、EL回転軸12からなる。このEL回転機構3も、シェル支持部11内に、モータ、角度センサ等を内蔵している。EL回転軸12は、シェル支持部11内のモータに係合して回転駆動される。
このEL回転機構3のシェル支持部11及びEL回転軸12を介して、上記のELシェル4が、EL回転機構支持部9に対してEL回転軸12回りに回転可能に取り付けられている。
ELシェル4は、球状のボールの対向する側面をつぶした形状をしており、そのつぶれた形状の側面を、EL回転機構3のシェル支持部11によて支持されている。このELシェル4の内部には、2軸(AZ回転機構/EL回転機構)の動きを検出するレートセンサや角度センサが備えられている。
これらのセンサ信号を用いてAZ回転機構2とEL回転機構3を制御することで、移動体の動揺に対して、ELシェル4内に配置されるカメラの指向方向を安定化したり指向方向の変更を行うことができるようになっている。
さらに、ELシェル4の内部には、EL回転軸12に直交するシェル軸方向の上下に、防振機構5が2個対称に配置されている。上下2つの防振機構5は、詳しくは後述するが、外側プレートによって、それぞれELシェル4の内側上下に位置固定されている。
この2つの防振機構5それぞれの内側プレート13に両端を固定されて、リアクション部6の支柱14が配置されている。支柱14の中央部は、屈曲した形状に形成され、その屈曲した凹部の支柱14の中心軸に対応する位置にピボット15が形成されている。ピボット15は、後述するペイロード部のペイロードフレームを位置決めして支柱14に固定するためのものである。
図2は、上記防振機構5の外観斜視図である。なお、同図はシェル軸方向の上に配置される防振機構5を示しているが、シェル軸方向の上に配置される防振機構5も図2の天地を逆にした同一のものである。
図2に示すように、防振機構5は、円形でやや大径の内側プレート16と、同じく円形で内側プレート16よりもやや小径の外側プレート17を備えている。内側プレート16には、その円周に沿って、ELシェル4内に配設される諸部材を固定するためのボルトを通すため、又は内側プレート16を軽量化するための複数の孔18が設けられている。
また、外側プレート17には、防振機構5をELシェル4の上又は下の内壁に位置固定するためのボルト19が外側に向けて突設されている。
そして、これら内側プレート16と外側プレート17との間には、伸縮自在のパラレルリンクとしてのバネユニット21が配設されている。
そして、これら内側プレート16と外側プレート17との間には、伸縮自在のパラレルリンクとしてのバネユニット21が配設されている。
バネユニット21は、2つでV字形を形成して、このV字形の3組が、各プレートの円周に沿って配置されている。これら合計6本のバネユニット21は、詳しくは後述するが、それぞれリニアアクチュエータを構成している。
そして、これら6本の伸縮自在のバネユニット21による6本のリンクの伸縮によって、6自由度の防振機構が形成されている。
図3(a),(b),(c) は、防振機構5の撓みとELシェル4とペイロード部の間の空間距離について説明するためのELシェル4内部の模式的断面図である。なお、同図(a),(b),(c) には、図1及び図2に示した構成と同一構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。また、図1では図示を省略した、ペイロード部22も示している。
図3(a),(b),(c) は、防振機構5の撓みとELシェル4とペイロード部の間の空間距離について説明するためのELシェル4内部の模式的断面図である。なお、同図(a),(b),(c) には、図1及び図2に示した構成と同一構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。また、図1では図示を省略した、ペイロード部22も示している。
図3(a) は、ELシェル4内部の基準状態として、無重力・無負荷時における状態を示している。なお、図1に示した外側ジンバル1のAZ回転機構2の回転支持軸7は、図3(a) において、ピボット15を通るZ軸方向に配置されており、同じく図1に示した外側ジンバル1のEL回転機構3のEL回転軸12は、図3(a) において、ピボット15を通るY軸方向に配置されている。
すなわち、EL回転機構3は、図3(a),(b),(c) において、ELシェル4に対して紙面手前側と向こう側に配置されている。
また、ペイロード部22は、特には図示しないが、ピボット15により位置決めされ支柱14に位置固定されたペイロードフレームに、XYZの3軸回りにそれぞれ回転自由な3軸のインナ軸を介して支持された内側ジンバルとしての機器搭載部で構成されている。
また、ペイロード部22は、特には図示しないが、ピボット15により位置決めされ支柱14に位置固定されたペイロードフレームに、XYZの3軸回りにそれぞれ回転自由な3軸のインナ軸を介して支持された内側ジンバルとしての機器搭載部で構成されている。
機器搭載部(ペイロード部22)には、可視カメラ又はIRカメラ(赤外線暗視カメラ)が搭載される。図3(b),(c) にはカメラの視軸を、矢印aで示している。
なお、図3(b) は、図3(a) に示すELシェル4と同じ状態を示している。この図3(b) は、図3(c) と比較のために、図3(a) に矢印aのカメラ視軸を書き加えて再掲したものである。
なお、図3(b) は、図3(a) に示すELシェル4と同じ状態を示している。この図3(b) は、図3(c) と比較のために、図3(a) に矢印aのカメラ視軸を書き加えて再掲したものである。
上記の、ペイロード部22には、特には図示しないが、カメラ視軸の動きを検出するためのレートセンサや角度センサが備えられている。また、ペイロード部22の周囲には複数のリニアモータが配置され、これにより、ペイロード部22の姿勢を制御する構成となっている。
図3(a),(b) の構成で、もし、防振機構部に本発明の二重ジンバル位置補償付き防振機構がなく単にバネと空圧シリンダのみの従来型の防振機構である場合の撓みとELシェル4とペイロード部22の間の空間距離について説明する。
図3(b) において、ELシェル4のEL回転角(Y軸(図3(a) 参照)を中心とした回転角)が0度の状態から、カメラ視軸を変更するために、図1に示した外側ジンバル1を搭載した移動体が、図3(c) の矢印bで示すように「−90度」方向に急旋回をした、又は、移動体の姿勢はそのままで、EL回転機構3の回転駆動によりELシェル4が「−90度」の急回転をしたものとする。
そうすると、ペイロード部22に加わる慣性に引かれて防振機構に撓みが生じ、ELシェル4とペイロード部22の間の空間距離23aと23bに不均一が生じる。実機では、上記の広くなった空間距離23aを例えば20mmとすると、他方の狭くなった距離空間23bはおよそ7mm程度となる。
このようにELシェル4の回転によって、より狭くなった空間距離23bに、周辺装置や配線が在った場合、これらの周辺装置や配線にペイロード部22のカメラ等が衝突して、いずれか又は双方に損傷を引き起こす。
本発明の図2に示した防振機構5は、上記のようなELシェル4の回転によって生じる虞のあるELシェル4とペイロード部22の間の空間距離の不均一の発生を解消するものである。
図4は、図2に示した防振機構5の外側と内側のプレートの円周に沿ってV字形で3組、合計6個が配置されるバネユニット21の構成を示す外観図である。図4に示すように、バネユニット21はリニアアクチュエータ24と螺旋バネ25からなる。
リニアアクチュエータ24は、本体シリンダ26、出力軸27、本体シリンダ閉鎖側端部(図の右側)に固設された本体側バネ座28、出力軸外側端部に固設された出力軸側バネ座29、本体側バネ座28から本体シリンダ26の軸方向に延設された本体側ピロボール係合部31、及び出力軸側バネ座29から軸方向に延設された出力軸側ピロボール係合部32からなる。
上記の螺旋バネ25は、本体シリンダ26及び出力軸27に外嵌し、本体側バネ座28と出力軸側バネ座29間に介装される。
また、本体側ピロボール係合部31と出力軸側ピロボール係合部32には、それぞれ中央のボール孔にピロボール33が滑動自在に嵌入している。ピロボール33には支持軸挿通孔34が形成されている。
また、本体側ピロボール係合部31と出力軸側ピロボール係合部32には、それぞれ中央のボール孔にピロボール33が滑動自在に嵌入している。ピロボール33には支持軸挿通孔34が形成されている。
これら2個のピロボール33の支持軸挿通孔34と支持軸挿通孔34との長さ(距離)Lが、バネユニット21のリンク長である。
バネユニット21は、上記リニアアクチュエータ24の本体側ピロボール係合部31と出力軸側ピロボール係合部32それぞれのピロボール33を介して、図2に示した外側プレート17と内側プレート16の支持部に回動自在に係合する。
バネユニット21は、上記リニアアクチュエータ24の本体側ピロボール係合部31と出力軸側ピロボール係合部32それぞれのピロボール33を介して、図2に示した外側プレート17と内側プレート16の支持部に回動自在に係合する。
この構成において、リニアアクチュエータ24の出力軸27は、詳しくは後述する電機子機構により、本体シリンダ26に対して図の両方向矢印cで示すように進退する。
図5は、上記のバネユニット21すなわちリニアアクチュエータ24と、防振機構5の外側プレート17及び内側プレート16との係合状態を、出力軸側ピロボール係合部32を例にとって説明する図である。なお、図5は、図4を矢印d方向に見た図である。
図5は、上記のバネユニット21すなわちリニアアクチュエータ24と、防振機構5の外側プレート17及び内側プレート16との係合状態を、出力軸側ピロボール係合部32を例にとって説明する図である。なお、図5は、図4を矢印d方向に見た図である。
図5に示すように、ピロボール係合部32のピロボール33には、図4に示した支持軸挿通孔34に支持軸35が挿通されている。支持軸35の両端部は、2本の支柱36それぞれの一方の端部に固定されて支持されている。
そして、2本の支柱36の他方の端部は固定板37に固定されている。固定板37は、例えばボルト等により、防振機構5の内側プレート16と外側プレート17に固定される。これにより、図2に示した防振機構5が完成する。
図6は、上記のリニアアクチュエータ24の内部構成の例を模式的に示す断面図である。図6に示すように、リニアアクチュエータ24は、本体シリンダ26内に、リニアガイド38、電機子39、界磁鉄心41、マグネット42、スペーサ43、螺旋バネ44、及び圧力センサ45を配置されている。
本例のリニアアクチュエータ24は、その駆動にリニアモータを使用している。リニアモータの要素としては、上記の電機子39、マグネット42、界磁鉄心41により構成され、両側励磁形の界磁構造をとっている。
上記のリニアアクチュエータ24の構造において、リニアガイド38は、出力軸27に外嵌する円環状の部材からなり、出力軸27の円周部を支持し、図4の両方向矢印cで示したように進退する出力軸27の軸つまり界磁鉄心41の軸が中心からぶれることのないように案内する。
電機子39は、界磁鉄心41を挟んで対称形に、本体シリンダ26の内壁の対向する面に、それぞれ対向して配置された複数のコイルからなる。これら複数のコイルは不図示の複数の配線に接続され、後述する制御系からの制御により、バネユニット21のそのときどきのリンク長の状態に適した所定位相の所定量の電力が選択的に通電される。
界磁鉄心41は、出力軸27の外径よりも細い外径を有する丸又は角棒状の界磁鉄心であり、出力軸27の軸上に延在するように出力軸27の内側端部に連結されている。
マグネット42は、界磁鉄心41の電機子39に対向する外周面に配置され、対向する一面ごとに、スペーサ43を挟んで複数個(図6に示す例では4個)配置されている。これら4個のマグネット42は、電機子39方向に向く面がN極に着磁されているものとS極に着磁されているものとが交互に配置されている。
マグネット42は、界磁鉄心41の電機子39に対向する外周面に配置され、対向する一面ごとに、スペーサ43を挟んで複数個(図6に示す例では4個)配置されている。これら4個のマグネット42は、電機子39方向に向く面がN極に着磁されているものとS極に着磁されているものとが交互に配置されている。
また、マグネット42と電機子39との間には、磁力により互いに吸着する作用が働いている。したがって、界磁鉄心41が、いずれか一方の電機子39側に吸着されてしまわないように、マグネット42と電機子39との間には、所定のギャップ46が形成されている。上記のリニアガイド38は、このギャップ46を維持するために配置されている。
電機子39の複数のコイルに制御系から所定位相の所定量の電力が選択的に供給されて電機子39が励磁されることにより、ギャップ46中に可変速の移動磁界が発生する。
他方、界磁鉄心41とマグネット42によって生成される界磁磁束は界磁鉄心41を貫通する界磁を形成している。
他方、界磁鉄心41とマグネット42によって生成される界磁磁束は界磁鉄心41を貫通する界磁を形成している。
この界磁と電機子39によるギャップ46中の移動磁界との作用により、界磁鉄心41が電機子39側の移動磁界に同期して軸方向に進退駆動され、これにより、界磁鉄心41と一体な出力軸27が本体シリンダ26に対して進退する。
この出力軸27の進退量すなわちリニアアクチュエータ24の変位量は、上記の圧力センサ45と螺旋バネ44とで構成される変位検出機能によって検出される。
螺旋バネ44は、上記の界磁鉄心41の出力軸27と反対側の端部と、本体シリンダ26の閉鎖側端部の内壁に固設れた圧力センサ45との間に介装されている。
螺旋バネ44は、上記の界磁鉄心41の出力軸27と反対側の端部と、本体シリンダ26の閉鎖側端部の内壁に固設れた圧力センサ45との間に介装されている。
この螺旋バネ44の押圧力の強弱に基づく圧力センサ45の出力と、出力軸27の進退量との関係は、データテーブルとして予め制御系のメモリに保持されている。
このように、本実施の形態では、バネユニット21にリニアアクチュエータ24を内蔵し、螺旋バネ25による従来のバネ力に加えて、電気的にリニアアクチュエータ24に軸方向の推力を与えることにより、バネユニット21の全長(リンク長L)を可変としている。
このように、本実施の形態では、バネユニット21にリニアアクチュエータ24を内蔵し、螺旋バネ25による従来のバネ力に加えて、電気的にリニアアクチュエータ24に軸方向の推力を与えることにより、バネユニット21の全長(リンク長L)を可変としている。
このリニアアクチュエータ24の軸方向の推力の作用により、重力などの加速度により生じるバネユニット21の伸縮を抑制することができ、防振機構5の姿勢変化による影響の補償が可能となる。
図7は、リニアアクチュエータ24の軸方向の推力を制御する制御系の構成ブロック図である。図7に示すように、リニアアクチュエータ24の制御系は、加算器47、制御器48、アンプ49、リニアモータ51、制御負荷52、及び位置センサ53からなる。
制御器48は、CPUを含む論理部及び通電回路であり、加算器47から入力する信号に基づいて、アンプ49を介してリニアモータ51を進退駆動する。
リニアモータ51は、図6に示した電機子39、界磁鉄心41、マグネット42及びスペーサ43により構成されている。
リニアモータ51は、図6に示した電機子39、界磁鉄心41、マグネット42及びスペーサ43により構成されている。
制御負荷52は、制御の対象となる負荷、すなわちリニアアクチュエータ24の軸方向の推力を制御する要因となる負荷であり、移動体の旋回またはEL回転機構3からの駆動によるELシェル4の回転に基づく重力およびその他の外来加速度である。
位置センサ53は、上記制御負荷52による防振機構5の姿勢変化を検出するためのものであり、ここでは6本のバネユニット21の本体シリンダ26内にそれぞれ配設された圧力センサ45のことを言い換えている。
これら6個の位置センサ53の出力は、加算器47に順次入力される。図3(a) に示したELシェル4の無重力・無負荷時の基準状態では、6個の位置センサ53の出力は、いずれも「0」として加算器47に入力されるように設定されている。
上記の加算器47には、6個の位置センサ53の出力と共に、個々のリニアモータ51を進退駆動する電力(位相、流量を含む)を指令する位置指定の信号が順次入力する。図3(a) に示したELシェル4の無重力・無負荷時の基準状態では、位置指令で指示される電力は「0」である。
ELシェル4が回転すると、そのELシェル4の回転角に対応して予め設定されている電力を指示する信号が位置指令として加算器47に入力される。
加算器47は、位置センサ53から入力される信号と位置指令とを加算して制御器48に出力する。
加算器47は、位置センサ53から入力される信号と位置指令とを加算して制御器48に出力する。
6個の位置センサ53の出力と、これらの位置センサ53に個々に対応する位置指令とに基づく制御器48による6回1組の電力出力制御は、加算器47への入力が平衡状態となって加算器47からの出力が「0」となるまで繰り返される。
尚、この場合、制御帯域を低く設定して中・高周波振動に対しては答しない(螺旋バネの防振機能のみに依存する)ようにすることで、防振性能への影響を抑えることができる。
このように、防振機構をELシェル内の上下に配置してELシェル内のスペース効率およびレイアウトの自由度を向上させた上で、防振機構のバネユニットにリニアモータを組み込み、バネユニットのリンク長をアクティブに変更可能な構造とし、リンク長センサによりELシェルとペイロード部の空間距離の不均一を検出してリンク長を可変するフィードバック制御系を構成することによって、ELシェルとペイロード部との位置関係をELシェル回転角に拘わらず一定とする機構が実現する。
これにより、防振機構5の姿勢変化による重力の影響のみならず、移動本体の旋回・加速等のあらゆる外来加速度の影響を排除して、ペイロード部とELシェルとの相対位置関係を一定に制御することができる。。
また、本構成により、ジンバル搭載の移動本体が移動中に、外側ジンバル1が受ける移動本体からの振動外乱や空力外乱がペイロード部20へ伝わることを防止し、且つペイロード部20に装着されるカメラの視軸を高精度に安定化することが出来るようになる。
1 外側ジンバル
2 AZ回転機構
3 EL回転機構
4 ELシェル
5 防振機構
6 リアクション部
7 回転支持軸
8 モータ収納部
9 EL回転機構支持部
11 シェル支持部
12 EL回転軸
13 内側プレート
14 支柱
15 ピボット
16 内側プレート
17 外側プレート
18 孔
19 ボルト
21 バネユニット
22 ペイロード部
23a、23b ペイロード部とELシェル内壁の空間距離
24 リニアアクチュエータ
25 螺旋バネ
26 本体シリンダ
27 出力軸
28 本体側バネ座
29 出力軸側バネ座
31 本体側ピロボール係合部
32 出力軸側ピロボール係合部
33 ピロボール
34 支持軸挿通孔
35 支持軸
36 支柱
37 固定板
38 リニアガイド
39 電機子
41 界磁鉄心
42 マグネット
43 スペーサ
44 螺旋バネ
45 圧力センサ
46 ギャップ
47 加算器
48 制御器
49 アンプ
51 リニアモータ
52 制御負荷
53 位置センサ
2 AZ回転機構
3 EL回転機構
4 ELシェル
5 防振機構
6 リアクション部
7 回転支持軸
8 モータ収納部
9 EL回転機構支持部
11 シェル支持部
12 EL回転軸
13 内側プレート
14 支柱
15 ピボット
16 内側プレート
17 外側プレート
18 孔
19 ボルト
21 バネユニット
22 ペイロード部
23a、23b ペイロード部とELシェル内壁の空間距離
24 リニアアクチュエータ
25 螺旋バネ
26 本体シリンダ
27 出力軸
28 本体側バネ座
29 出力軸側バネ座
31 本体側ピロボール係合部
32 出力軸側ピロボール係合部
33 ピロボール
34 支持軸挿通孔
35 支持軸
36 支柱
37 固定板
38 リニアガイド
39 電機子
41 界磁鉄心
42 マグネット
43 スペーサ
44 螺旋バネ
45 圧力センサ
46 ギャップ
47 加算器
48 制御器
49 アンプ
51 リニアモータ
52 制御負荷
53 位置センサ
Claims (3)
- 左右回転軸を安定させる機構をELシェルに内蔵した二重シンバル位置補償付き防振機構において、
ペイロード部の上下に配置されたパラレルリンク式の防振機構のバネユニットと、
該バネユニット内に配設されたリニアアクチュエータと、
を備え、
前記ELシェルの回転角に応じて予め設定されている電力を前記リニアアクチュエータに供給して前記バネユニットに補助推力を加えることにより該バネユニットのリンク長の伸縮を抑制し、前記ELシェルに対する前記ペイロード部の相対位置を一定に維持するように制御することを特徴とする二重シンバル位置補償付き防振機構。 - 前記バネユニットのリンク長をセンサで計測し、該センサの計測結果に基づき前記リニアアクチュエータへの電力供給をフィードバック制御することにより、前記ELシェルに対する前記ペイロード部の相対位置を任意に制御することを特徴とする請求項1記載の二重シンバル位置補償付き防振機構。
- 前記左右回転軸を安定させる機構は、カメラをEL(elevation:仰角)/AZ(azimuth:方位)の二軸で任意に指向させ、カメラ搭載用のペイロード部を防振し且つ姿勢を安定させる機構であることを特徴とする請求項1記載の二重シンバル位置補償付き防振機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005179137A JP2006349131A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 二重ジンバル位置補償付き防振機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005179137A JP2006349131A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 二重ジンバル位置補償付き防振機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006349131A true JP2006349131A (ja) | 2006-12-28 |
Family
ID=37645197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005179137A Pending JP2006349131A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 二重ジンバル位置補償付き防振機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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- 2005-06-20 JP JP2005179137A patent/JP2006349131A/ja active Pending
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