JP2006348906A - 送液装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ部、バルブ部の構造及び機能をできるかぎり単純化させ、電気化学的原理を用いて微量な流体を制御して送液する高度に集積化した送液装置を実現する。
【解決手段】参照極・対極用基板1、電解液蓄積板2、作用極用基板、隔膜4、及び流路用基板5が順次重ねられ、参照極・対極用基板1は、その表面に参照極10と作用極13が形成されており、電解液蓄積板2は、開口部8を有し、この開口部8内に電解液9が蓄積されており、作用極用基板5は、貫通孔12を有し、その内面に作用極13が形成されており、隔膜4は、貫通孔12に面する部分がダイアフラム状に膨張可能であり、流路用基板5には、微小流路6と貫通孔12に対応し、隔膜4が膨張して入り込める断面凹形のバルブ孔14及びポンプ孔が形成されている
【選択図】図1

Description

本発明は、微量な流体を制御して送液する送液装置に関するものであり、特に、本発明は、高度に集積化した送液装置に関するものである。
近年、微小化学分析システム(μTAS)あるいはLab−on−a−Chipの研究が活発に行われている。これは従来の分析システムあるいは化学実験室を手のひらに乗る程度まで微小化しようとするものである。
システムを微小化すると、次のような効果が期待できる。
(1)サンプル、試薬量の微量化
(2)応答の高速化
(3)ハイスル−プット化
その用途はさまざまであるが、これらの微小システム上では、微量な流体を制御して送液することが必要となる。したがって、すべての要素が集積化された送液機構の実現が期待されている。
ところで、従来、機械的なマイクロポンプ・バルブの研究は既に1980年代より進められているが、これらを集積化した高度な送液装置の構築はこれまでほとんど成功していない。これは、構造的に高度な集積化が難しいところに原因があるものと思われる。
このため、微小流路中に溶液を導入、送液したい場合には、市販のマイクロシリンジポンプを利用しているケースが多い。
また、比較的複雑な微小流路中を送液する手段としては、電気浸透流を利用するものがあり、DNAなどを対象としたキャピラリー電気泳動に用いられている。これは主に石英ガラス中に形成された微小流路末端の液溜めに電極を挿入し、数百Vから数千Vの高電圧を印加して微小流路中の溶液を移動させるものである。
電気浸透流に関連して、例えば下記の特許文献1には、電気泳動を抑え、電気浸透によりキャピラリーに試料を注入する電気泳動装置の試料注入装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開平5−142918号公報
上記従来型のマイクロポンプ、マイクロバルブでは、前述のとおり、構造的に高度な集積化が難しいという問題があるが、さらに、駆動電圧も少ないものでも数十Vで、それに伴い消費電力も問題になっていた。また、機械的ポンプを用いる場合には、流路が微小化すればするほど抵抗が増大するため、特に機械的ポンプでは送液が困難になるという問題があった。
そして、上記市販のマイクロシリンジポンプは、基礎研究等、目的によってはこれで十分な場合もあるであろうが、マイクロシリンジポンプを用いると携帯性が損なわれてしまう。また、マイクロシリンジポンプは非常に高価であり、最も安価なものでも1セット20万円もする。
また、上記電気浸透流を利用するポンプは構造的には極めて単純で、複雑な流路ネットワーク中での送液も容易であるが、高電圧を必要とするところが問題となる。また、これに伴い、消費電力も無視できない。
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とするものであり、ポンプ、バルブの構造及び機能をできるかぎり単純化させることであり、電気化学的原理を用いて微量な流体を制御して送液する高度に集積化した送液装置を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、順次重ねられた、参照極・対極用基板、電解液蓄積板、作用極用基板、隔膜、及び流路用基板を備え、微少量の液体を送液する送液装置であって、前記参照極・対極用基板は、その表面に参照極と作用極が形成されており、前記電解液蓄積板は、前記参照極と作用極が内側に入る開口部を有し、該開口部と前記参照極・対極用基板で囲むスペース内に電解液が蓄積されており、前記作用極用基板は、該基板の板厚方向に貫通する貫通孔を有し、少なくとも該貫通孔の内面に作用極が形成されており、前記隔膜は、柔軟性のある材料で形成され、前記貫通孔に面する部分がダイアフラム状に膨張可能であり、前記流路用基板は、前記隔膜側の内面に微小流路が形成されているとともに、該内面に前記貫通孔に対応し、前記隔膜が膨張して入り込める断面凹形の孔が形成されていることを特徴とする送液装置を提供する。
前記作用極は、白金黒電極であることが好ましい。
前記断面凹形の孔は、バルブ又はポンプを構成するバルブ孔又はポンプ孔として適用される。
前記貫通孔は、隔膜方向に開いた形状であることが好ましい。
前記ポンプ孔の貫通孔が複数個形成されていることが好ましい。
前記参照極は銀/塩化銀から形成されており、前記電解液中に一定濃度の塩化物イオンを含むことが好ましい。本発明で、「参照極は銀/塩化銀から形成され」は、銀と塩化銀から形成されている意味である。
前記流路基板は、シリコーンゴムから形成されていることが好ましい。
前記電解液蓄積板と作用極用基板との間に、親水性多孔質膜が設けられている構成としてもよい。
上記構成から成る本発明によれば、微量の液を送液するための流路、バルブ及びポンプが、単純な構造で、且つ高密度に集積することができ、しかも、電気化学的原理を用いて微量な流体を制御することができる。この結果、コンパクトで携帯性にすぐれ、操作性にすぐれた、各分野の研究等に有用な送液装置が得られる。
本発明に係る送液装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
(基本的な構成、作用)
本発明に係る送液装置では、ポンプ、バルブの駆動に電気化学的に生成、消滅させる気泡を用いる。気泡は過熱等の手段でも形成することができるが、電気化学的反応を利用すれば、より効率良く行うことができる。このような気泡は、導入するサンプル溶液を電気分解することでも生成、消滅することが可能であるが、これではサンプル溶液にダメージを与える。
そこで、本発明に係る送液装置では、柔軟性のある隔膜でサンプル溶液と電気分解を起こす電解液を分離することとした。また、微小流路中にバルブやポンプを多数形成する構造では、電気分解を起こす作用極とその他の必要な電極(参照極、対極)が同一基板上にあると、配線数の増加等、レイアウトが煩雑になる。そこで、本発明では、作用極とその他の必要な電極(参照極、対極)を、別々の基板上に設けた構成を特徴とする。
図1〜3は、本発明に係る送液装置の実施例を説明する図である。図3は、この実施例の送液装置の全体構成を示す図であるが、まず、図1、2によって、本発明に係る送液装置の特徴とする基本的な構造を説明する。図1及び図2は、それぞれ送液装置の一部断面図であり、図1は、送液装置のバルブを構成する部分(バルブ部)の断面図であり、図2はポンプを構成する部分(ポンプ部)の断面図である。
図1、2に示すように、送液装置は、その構成要素を大きく把握すると、駆動モジュールと、流路用基板とから成る。駆動モジュールは、順次、積み重ねられた、参照極・対極用基板1と、電解液蓄積板2と、作用極用基板3と、柔軟性のある隔膜4とを備えている。流路用基板5は、その内面に微少量の液を送液のための溝状の微小流路6が形成されている。
バルブ部:
図1は、バルブ部7(送液装置のバルブを構成する部分)を示す図である。バルブ部7では、図1(a)に示すように、電解液蓄積板2に開口部8が形成され、この開口部8内に電解液9が蓄積(収容)されている。この開口部8内において、参照極・対極用基板1の上面に参照極10と対極11が形成されている。
作用極用基板3には、流路用基板5に向けて拡開した逆ピラミッド形、逆円錐形等の貫通孔12が形成されている。この貫通孔12の内面には作用極13が形成されている。この作用極13と参照極10には、これら両極の間に電圧が印加されて電位差が生じるが、電流は流れないようにする回路(図示しない。)が、接続されている。そして、作用極13と対極11には、これら両極の間に電圧が印加され、電流が流れるようにする回路(図示しない。)が接続されている。
隔膜4は、柔軟性のある材料、例えば、シリコーンゴム等の材料で形成され、ダイアフラムとしての機能を奏する。この隔膜4は、貫通孔12に面する部分は、ダイアフラムの動作と同様に、膨張可能となるように、若干、緩みをもって形成されている。
流路用基板5は、その下面に微小流路6が形成されている。図1に示すように、貫通孔12に対向する部分(バルブに対応する部分)は、膨張した隔膜4が入り込めるような寸法の円、矩形等の形状で断面凹形のバルブ孔14が形成されている。
以上の構成の送液装置のバルブ部7の作用は次のとおりである。作用極13と参照極10間、及び作用極13と参照極10間、に電圧を付与しない時には、図1(a)に示すように、隔膜4はほぼ平坦な状態である。このような状態では、バルブ部7は閉じることなく、微小流路6を流れる液がバルブ部7を通過する。
作用極13と参照極10間、及び作用極13と対極11間に電圧を加え、電位差を付与すると、作用極13と対極11間には電流が流れ、電解液9中に電気分解が生じ、図1(b)に示すように、水素の気泡15が発生し、貫通孔12からバルブ孔14内を上昇する。すると、隔膜4を膨張させてバルブ孔14を閉塞し、バルブ部7を閉じる。
(変形例)
図1(c)は、本発明の送液装置のバルブ部7の変形例を示す図である。この変形例は、図1(a)、(b)に示す構成とほぼ同じであるが、電解液蓄積板2と作用極用基板3との間に微細孔を有する親水性多孔質膜16(微細な透過孔を有するフィルター膜)を配置した構成を特徴とする。親水性多孔質膜16としては、例えばニトロセルロース膜、アセチルセルロース膜などを用いることができる。親水性多孔質膜16を設けることにより、より効果的に下部への気泡の流入を抑えることができる。
ポンプ部:
図2は、送液装置のポンプ部17(送液装置のポンプを構成する部分)を示す図である。図2(a)に示すように、バルブ部7と同様に電解液蓄積板2に開口部8が形成され、この開口部8内に電解液9が蓄積(収容)されている。この開口部8内において、参照極・対極用基板1の上面に参照極10と対極11が形成されている。
なお、図1、2では、説明の都合上、バルブ部7及びポンプ部17にそれぞれ対応して、電解液蓄積板2に、開口部8、参照極10及び対極11を設けたが、実際、製造する場合は、構成を簡単とするために、図3に示すように、バルブ部7とポンプ部17に共通して、開口部8、参照極10及び対極11を設ける。
ポンプ部17では、作用極用基板3には、流路用基板5に向けて拡開した逆ピラミッド形、逆円錐形等の貫通孔12が複数個、縦横にマトリクス状に形成されている。なお、ポンプ部17において作用極用基板3に貫通孔12が複数個、縦横にマトリクス状に形成されている構成は、図3に示す。ところで、図2では貫通孔12の数は図3より少ないが、これは、構造を簡単にして説明するためであり、あくまでも説明の都合上である。
各貫通孔12の内面には、バルブ部7と同様に、作用極13が形成されている。この作用極13と参照極10には、これら両極間に電圧を印加し電位差を生じさせる回路(図示しない。)が接続されている。そして、作用極13と対極11には、これら両極の間に電圧が印加され電流が流すための回路が(図示しない。)が接続されている。
隔膜4は、後記するポンプ孔18に面する部分、即ち、ポンプ孔18に面する複数の貫通孔12に面する部分が、一括してダイアフラムの動作と同様に、膨張可能となるように、若干、緩みをもって形成されている。なお、バルブ部7の場合と同様に、各貫通孔12に対応して隔膜4を膨張するような構成としてもよい。
流路用基板5の下面には、図2(a)に示すように、ポンプ部17の複数の貫通孔12の全てを含めて対向するように、1つの大きなポンプ孔18が形成されている。このポンプ孔18は、ポンプ部17に対応して膨張する隔膜4を受け入れることのできる寸法の円、矩形等の形状で断面凹形に形成されている。
以上の構成の送液装置のポンプ部17を構成する部分の作用は次のとおりである。作用極13と参照極10間、及び作用極13と参照極10間、に電圧を印加しない時には、図2(a)に示すように、隔膜4は、ほぼ平坦な状態である。このような状態では、ポンプ部17は特に送液動作をしていない。
作用極13と参照極10間に適当な負の電圧を加えると、作用極13と対極11間には電流が流れ、電解液9中に電気分解が生じ、図2(b)に示すように、水素の気泡15が発生し、貫通孔12内を上昇する。すると、隔膜4を膨張させて、ポンプ孔18内の液を微小流路6に送り出し、ポンプ部17としての送液動作を行う。
そして、作用極13と参照極10間に上記段落0041の電位よりも十分に正の電位を加えると、泡が消えるので、隔膜4は図2(a)の状態に戻る。このような図2(a)と図2(b)の状態を繰り返すと、隔膜4は上下に往復動作して、ポンプ部17として送液動作を継続する。
(変形例)
図2(c)は、本発明の送液装置のポンプ部17の変形例を示す図である。この変形例は、図2(a)、(b)に示す構成とほぼ同じであるが、バルブ部7の変形例(図1(c)参照)と対応した構成であり、電解液蓄積板2と作用極用基板3との間に微細孔を有する親水性多孔質膜16(微細な透過孔を有するフィルター膜)を配置した構成を特徴とする。
以下、さらに、本発明の送液装置の具体的な構造をより実施に則して説明する。図3は、本発明に係る送液装置20の実施例の全体構成を説明する図であり、図3(a)は完成図であり、図3(b)は分解図である。
この実施例の送液装置20は、駆動モジュール19と流路用基板5とから成る。駆動モジュール19は、順次、積み重ねられた(積層された)、参照極・対極用基板1と、電解液蓄積板2と、作用極用基板3と、隔膜4とを備えている。この送液装置20に形成されている、バルブ部7及びポンプ部17は、上記基本的構造の説明のとおりである。
この実施例では、参照極・対極用基板1はガラス基板とした。この参照極・対極用基板1(ガラス基板1)上に、図3(a)、(b)に示すように、参照極10(銀/塩化銀)と対極11(銀)をそれぞれ形成した。参照極10と対極11における銀層の膜厚は980nmとした。ここで、参照極10(銀/塩化銀)は、「参照極10は銀/塩化銀から形成されている。」という意味、要するに銀と塩化銀から形成されている意味である。
参照極10(銀/塩化銀電極)は、銀層上に絶縁層としてポリイミド層が形成され、このポリイミド層には直径100μmのピンホール21が2つ形成されている。塩化銀層は1M KCl−HCl緩衝液(pH2.2)中にて定電流(0.1μA)で形成した。定電流は、ピンホール21から絶縁層で被覆された銀に導通し、ピンホール21に対応する銀層の部分から、銀層の一部(5%)が塩化銀に変化している。この構造によって、参照極10としての耐久性が、従来のものよりも大幅に改善され、又、電圧印加の効果が大きいという知見を得ている。
電解液蓄積板2は、シリコーンゴムシート(1mm厚)を使用した。このシリコーンゴムシートに周枠22を残して開口部8が形成されている。この開口部8は、バルブ部7及びポンプ部17の全てを包含する領域に対応して形成されている。開口部8と参照極・対極用基板1で形成されるスペースに、ゲル状の電解液9が収容されている。
作用極用基板3は、シリコン基板とした。この作用極用基板3(シリコン基板3)においてバルブ部7及びポンプ部17を形成する箇所に、異方性エッチングにより、それぞれ貫通孔12が形成されている。貫通孔12の表面には、熱酸化によりSiO2層を形成した後、貫通密着層となるクロム層を介して白金層を付与し、ガスを生成・消滅させる作用極13が形成されている。
白金を作用極13に用いたのは、水素過電圧を小さくし、水素ガスをスムーズに発生させるためである。また、作用極13の白金電極表面に白金黒が形成している。白金黒が電極表面に微細に凹凸状に形成されると、表面積が増えて、電解液との接触面積が増えるから、さらに効果的に気泡を発生させることができる。
なお、ポンプ部17用の貫通孔12は、図3(b)に示すように、円形や矩形で複数個、マトリクス状に形成するが、複数の貫通孔12のそれぞれには、作用極13の白金電極表面に白金黒を形成する。これにより、ポンプ部17を構成する部分(ポンプ部17)には、同じ構造の作用極13が並列的(マトリクス状)に多数形成されることとなり、ポンプ部17の吸引、送出できる容積を増すことができる。この実施例では、ポンプ部17の全作用極13面積は、3×3×πmmとし、バルブ部7の作用極13の面積は750×750×πμmとした。
この実施例では、微小流路6、バルブ孔14及びポンプ孔18の形成される流路用基板5は、polydimethylsiloxane(PDMS)基板で形成されている。具体的には、厚膜フォトレジスト(SU−8)によって形成した型に、PDMS(信越シリコーン製、KE−1300T)を流し込むことで作製した。
この実施例の流路用基板5には、図3(a)、(b)に示すように、左右一対の流路系23が形成されている。各流路系23は、ポンプ孔18、該ポンプ孔18に接続された排出流路24、排出流路24の途中に設けたバルブ孔14、サンプル導入口25、サンプル導入口25を排出流路のバルブ孔14の上流側に接続する導入流路26、及び導入流路26の途中に設けたバルブ孔14から成る。
それぞれの排出用流路24の下流端はY字路27となって合流し、一つの排出口28に向かう。流路用基板5に形成される微小流路6の幅は0.5 mmとした。導入口25から伸びる微小流路26は上記のとおり排出流路24に接続されるが、この接続部は、T字路で二つの方向へ分岐する。一方は、ポンプ孔18へ、もう一方は排出流路24の途中に設けられたバルブ孔14、Y字路27を介して排出口28へと延びている。
隔膜4として、シリコーンゴム膜が利用され、バルブ孔14及びポンプ孔18に面して若干緩みをもって形成されている。これにより、バルブ孔14及びポンプ孔18に面する部分はダイアフラム状に機能することができる。
送液装置20の組み立てにあたっては、図1〜3に示すように、対極11、参照極10を形成し参照極・対極用基板1電解液蓄積板2(ガラス基板)の上に電解液蓄積板2を載置し、その開口部8内にゲル状の電解液9を収容する。この上にさらに、作用極13を形成した作用極用基板3(シリコン基板)を載せる。
作用極用基板3(シリコン基板)の上にはダイアフラムとしての機能を有する隔膜4(シリコーンゴム膜)が重ねられ、さらに、微小流路6、バルブ孔14、ポンプ孔18等が形成された流路用基板5(PDMS基板)が張り合わされ、外部からアクリル板のホルダー(図示しない。)によってクランプされて固定し完成する。なお、送液サンプルとしては、例えば、KCl溶液等が送られる。
(作製工程)
以下、本発明に係る送液装置の具体的な作製工程を、図1〜3に加えて、図4〜6を参照し、順を追って説明する。以下の説明では、送液装置の1チップ分のしかも、例として、バルブ部の作製方法を説明するが、実際には1枚の基板上に多数の送液装置が一括して作製され、またポンプ部についても同様に作製される。
送液装置の作製工程は、大きく分けて次の4つの工程からなる。
1.作用極用基板3の作製
2.参照極・対極用基板1上に対極11及び参照極10の形成
3.流路用基板5の作製
4.送液装置の組み立て
1.作用極用基板の作製(図4及び図5参照)
この作製工程では、作用極用基板3としてシリコン基板(以下、「シリコン基板3」とする。)を利用する。
1.1 シリコン基板3の穴あけ加工
(1)基板の洗浄
(イ)シリコン基板3を沸騰させた、29%NH4OH:31%H2O2:純水=1:1:4の溶液中で5分間洗浄する。
(ロ)純水中で2回10分間ずつリンスする。
(ハ)自然乾燥させる。
(2)シリコン基板3の熱酸化
シリコン基板3を1050℃で400分ウェット熱酸化する。その結果、1.4mm厚のSiO2膜29が形成される。
(3)クロム層の形成
レジストパターンを形成したシリコン基板3の両面に、80nm厚のクロム層30をスパッタ装置(芝浦メカトロニクス製、CFS−4ES−231)により形成(アルゴン雰囲気3×10−1Pa中にて、出力100W、スパッタ時間は10分間。)する。((2)〜(3)は図4(a)参照)
(4)レジストパターン31の形成
(イ)ネガ型フォトレジストを片面(クロム層30表面)にスピンコーティングする(500rpmで5秒、続けて、2000rpmで10秒)。
(ロ)80℃で5分間ベーキングする。
(ハ)裏面にも(イ)と同様にスピンコーティングする。
(ニ)80℃で30分プリベークを行う。
(5)露光・現像
(イ)マスクアライナー(露光器)で、20秒間露光する。
(ロ)露光後、現像液中にて現像し、リンス液によりリンスした。また、裏面にもレジストを塗布し、150℃で30分ベーキングした。(図4(b)参照)
(6)クロムのエッチング
(イ)NaOH:K3Fe(CN)6:H2O=1:2:8 溶液中で、レジストパターン31で覆われていない部分のクロム30’をエッチングする。
(ロ)その後、シリコン基板3を純水で十分に洗浄し、自然乾燥した。
(7)熱酸化膜(SiO2膜29)のエッチング
(イ)50%HF:40%NH4F=1:6 溶液中で、レジストパターン31で覆われていない部分のSiO2膜29をエッチングする。
(ロ)その後、シリコン基板3を純水で十分に洗浄し、自然乾燥する。その結果、レジストで覆われていない部分にシリコンが露出した。(図4(c)参照)
(8)レジストパターン31の剥離
(イ)レジストパターン31を、99%H2SO4:30%H2O2=2:1の溶液中で剥離する。
(ロ)その後、純水で洗浄し、自然乾燥させる。
(9)シリコンの異方性エッチング
シリコン基板3を80℃の35%KOH+0.1%イソプロピルアルコール溶液中でエッチングする。(エッチング速度は、1.2mm/minである。)これにより、シリコン基板3上にバルブ孔14が形成された。(図4(d)参照)
(10)クロム層31の除去
NaOH:K3Fe(CN)6:H2O=1:2:8 溶液中でクロム層30を除去した。その後、シリコン基板3を純水で十分に洗浄し、自然乾燥した。
(11)SiO2膜29の除去
50%HF:40%NH4F=1:6 溶液中で、SiO2膜29除去した。その後、シリコン基板3を純水で十分に洗浄し、自然乾燥した。(図4(e)参照)
(12)シリコン基板3の洗浄
エッチングを施したシリコン基板3を、沸騰させた29%NH4OH:31%H2O2:純水=1:1:4 溶液中で5分間沸騰させ、さらに純水中で2回5分間ずつ沸騰させ、その後自然乾燥させた。
(13)シリコン基板3の熱酸化
シリコン基板3を1050℃で400分ウェット熱酸化する。その結果、1.4mm厚のSiO2膜32が形成された。(図4(f)参照)
1.2 シリコン基板3の作用極パターンの形成
(1)リフトオフパターンの形成
(イ)貫通孔14の内面等にPVA(ポリビニルアルコール)を塗布する。
(ロ)80℃で10分ベークする。
(ハ)ポジ型フォトレジスト33(SHIPLEY製、S1818)をスピンコーティングする。(500rpmで5秒、続けて2000rpmで20秒。)(図5(a)参照)
(ニ)その後、80℃で30分プリベークを行う。次にマスクアライナー(ミカサ製、MA−10型)で、60秒間露光する
(ホ)露光後、30℃で1分間トルエン処理する。
(ヘ)その後、80℃で15分間プリベ−クする。
(ト)プリベ−クされたシリコン基板3を現像液(SHIPLEY製、MF−319)を使用し、現像する。その後、純水でリンスし、窒素ガスで乾燥させる。
(チ)純水中に浸し、PVAを溶解させる。
(リ)窒素ガスで乾燥させる。
(2)白金層35の形成
レジストパターン33を形成したシリコン基板3(図5(b)参照)上に、約40mm厚のクロム層34、300mm厚の白金層35をスパッタ装置(芝浦メカトロニクス製、CFS−4ES−231)により形成(アルゴン雰囲気3.0×10−1Pa中において装置の出力は100W、時間はクロム:5分間、白金:30分間。)する。(図5(c)参照)
(3)リフトオフ
(イ)白金をスパッタしたシリコン基板3をアセトン中に浸漬して、レジストパターン33を剥離させる。
その後、再びアセトンで濯ぐ。
(ロ)窒素を吹きつけて乾燥させる。
(4)シリコン基板3のダイシング
(イ)ダイシングにあたり、パターンの形成されている面にポジ型フォトレジストを保護膜として形成する。
(ロ)その後、作製したシリコン基板3をダイシングソー(東京精密製、A−WD−10A)によりダイシング(1チップずつに切断)する。微小システムの1チップの大きさは20mm×18mmである。1枚のシリコンウェハから8チップ得られた。
(ハ)アセトンで2回洗浄し、チップ上の汚れを十分洗い落とし、自然乾燥させる。
1.3 作用極13の白金黒電極の形成
(イ)10 mMの塩酸にポリイミド基板作用極部を、白金対極(白金板)、市販の参照極10(堀場製作所製#2080A−06T、内部液:飽和KCl)ととも100mlビーカーに入れ、ポテンショスタットを用い、定電位(−1.2V)で作用極の表面の清浄を行う。電位を印加する時間は、バルブ部の作用極については、30秒間(ポンプ部の作用極については、13分間)。
(ロ)約1gの塩化白金酸(H2PtCl6)を30mlの純水に溶かして電解液を調製する(H2PtCl6:81.3mM)。また、鉛が共存すると良好な白金黒ができるため、この電解液に約10mgの酢酸鉛((CH3COO)2Pb)を添加する((CH3COO)2Pb:1.025mM)。
(ハ)この電解液に、作用極13を、白金対極(白金板)とマクロ参照極(堀場製作所製#2080A、内部液:飽和KCl)とともに100mlビーカーに入れ、ガルバノスタットを用い定電流でカソード分極し、白金の電析反応)を進行させる。印加電流とメッキ時間は、バルブ部については−0.1mAで1分間(ポンプ部については−0.3mAで2分間)。これによって、徐々に白金表面35’が黒くなっていくのがみられた。(図5(d)参照)
(ニ)このメッキ反応後、作用極13を水洗する。
(ホ)さらに、0.1MのH2SO4水溶液中でガルバノスタットを用い定電流で作用極13の硫酸処理を行う。バルブ部7については−0.1mAで30秒間電流を印加し、続けて0.1mAで30秒間、再び−0.1mAで30秒間電流を印加する。なお、ポンプ部17については−0.1mAで1分間電流を印加し、続けて0.1 mAで1分間、再び−0.1mAで1分間電流を印加する。この間スターラーによってよく液をかき混ぜ、発生した水素ガスが電極表面に留まらないようにする。
1.4 隔膜4の作製
この作製工程では、隔膜4としてシリコーンゴム膜(以下、「シリコーンゴム膜4」という。)を形成する。
(イ)ポジ型フォトレジスト36を、貫通孔12を埋設するかのように作用極13の部分に塗布する。(図5(e)参照)
(ロ)80℃で30分プリベークを行う
(ハ)シリコーンゴム4(信越シリコーン製 1液型RTVゴム)を500rpmで10秒、2000rpmで30秒スピンコーティングする。膜厚は7.0μmである。
(ニ)自然乾燥する。
(ホ)アセトン中に浸し、ポジ型フォトレジスト36を溶解させる。(図5(f)参照)
(ヘ)自然乾燥する。
(ト)内部電解液9(0.1M KCl−HCl緩衝液(pH 2.2))の入ったビーカー中に浸して真空ポンプ部17で真空をひき、穴の内部まで完全に溶液が満たされるよう注入する。
2.参照極・対極用基板上への対極11及び参照極10の形成(図6参照)
2.1 対極11及び参照極10の電極パターンの形成
(1)参照極・対極用基板1の洗浄
参照極・対極用基板1としてガラス基板(複数のガラス基板1に切断する前の原材料のガラス基板を以下「ガラス基板1’」(ウェハ)という。)を利用する。このガラス基板1’を、29%NH4OH:31%H2O2:純水=1:1:4の溶液中で3分間沸騰させ、さらに純水中で2回3分間ずつ沸騰させ、その後自然乾燥させる。
(2)レジストパターン37の形成
(イ)ポジ型フォトレジスト(SHIPLEY製、S1818)を、ガラス基板1’上にスピンコーティングする。(500rpmで5秒、続けて2000rpmで20秒。)
(ロ)その後、80℃で30分プリベークを行う。次にマスクアライナー(ミカサ製、MA−10型)で、60秒間露光する。
(ハ)露光後、30℃で1分間トルエン処理する。
(ニ)その後、80℃で15分間ポストベークする。
(ホ)プリベ−クされたガラス基板1’を現像液(SHIPLEY製、MF−319)を使用し、現像する。その後、純水でリンスし、窒素ガスで乾燥させ、レジストパターン37が形成される。(図6(a)参照)
(3)白金層39の形成
レジストパターン37を形成したガラス基板1’上に、約40mm厚のクロム層38、300mm厚の白金層39をスパッタ装置(芝浦メカトロニクス製、CFS−4ES−231)により形成。(アルゴン雰囲気3.0×10−1Pa中において装置の出力は100W、時間はクロム:5分間、白金:30分間。)(図6(b)参照)
(4)レジストパターン37の剥離
(イ)ガラス基板をアセトンで洗浄し、レジストパターン37を剥離させる。
(ロ)その後、もう一度アセトンで洗浄し、自然乾燥する。
(5)リフトオフパターンの形成
(イ)ポジ型フォトレジスト40をガラス基板1’上にスピンコーティングする。これも500rpmを5秒、続けて2000rpmで20秒行う。(図6(c)参照)
(ロ)80℃で30分間ベーキング。次に銀のマスクパターンをマスクアライナーで、60秒間露光する。
(ハ)露光後、30℃で1分間トルエン処理する。
(ニ)その後、80℃で15分間プリベークする。
(ホ)30℃で90秒間現像し、純水でリンスする。
(ヘ)窒素で乾燥させた。
(6)参照極10上に銀層41の形成
スパッタ装置で参照極10上に銀層41を形成する。(アルゴン雰囲気3×10−1Pa中において装置の出力は100W、時間は30分間。)銀層41の厚さは980nm。(図6(d)参照)
(7)リフトオフ
(イ)銀をスパッタした基板をアセトン中に浸漬して、レジストを剥離させる。
その後、再びアセトンで濯ぐ。(図6(e)参照)
(ロ)窒素を吹きつけて乾燥させる。
(8)ポリイミド42の塗布し参照極10表面に絶縁膜を形成
(イ)ポリイミドプレポリマー(東レ製、セミコファインSP−341)を700rpmで10秒、6000rpmで30秒スピンコーティングする。
(ロ)80℃で30分プリベークを行う。
(ハ)ポジ型フォトレジストを基板上にスピンコーティングする。これも500rpmを5秒行ない、続けて2000rpmで20秒行う。
(ニ)80℃で30分ベークする。
(9)ポジ型フォトレジストの露光、現像、ポリイミド42のエッチング
(イ)マスクアライナーで60秒露光する。
(ロ)露光後したガラス基板1’を現像液(SHIPLEY製、MF−319)を使用して60秒間現像し、同時にポリイミド42をエッチングする。すると、対極11側のポリイミド42が削除される(図6(f)参照)。その後、純水でリンスする。
(ハ)乾燥後、エタノールに浸漬し、フォトレジストを溶解・除去する。
(10)ポリイミド42のキュア
ポリイミド42を硬化させるために、140℃で30分、200℃で30分、300℃で60分キュアをする。
(11)参照極10及び対極11が形成されたガラス基板1’のダイシング
(イ)ダイシングにあたり、パターンの形成されている面にポジ型フォトレジストを保護膜として形成する。
(ロ)その後、作製したガラス基板1’をダイシングソー(東京精密製、A−WD−10A)によりダイシング(1チップずつに切断)する。本発明の送液装置20の1チップ(原材料であるガラス基板1’から切断した1つの送液装置分の「ガラス基板1」に相当する。)の大きさは20mm×22mmである。3インチのガラス基板1’から6チップ(ガラス基板1)が得られた。
(ハ)アセトンで2回洗浄し、上の汚れを十分洗い落とし、自然乾燥させる。(チップ上にゴミがついていると、塩化銀の形成がうまくいかないことがある。)
2.2 参照極10の塩化銀層の形成
(イ)1M KCl−HCl緩衝液(pH2.2)溶液中にチップ(ガラス基板1)の参照極10を、白金対極11(白金板)及び市販の参照極10(堀場製作所製#2080A−06T、内部液:飽和KCl)とともに、100mlビーカーに入れる。
(ロ)ガルバノスタットを使い0.1mAの定電流を流し、塩化銀層を形成する。形成時間は10分間。
(ハ)その後、チップ(ガラス基板1)をビーカーから取り出し、蒸留水で十分洗浄し、乾燥させる。これにより、チップ上の銀層に塩化銀層が形成された。
2.3 ゲル状電解液9の作製(図1、2参照)
(1)電解液蓄積板2の作製
(イ)シリコーンゴムシート(厚さ1mm)を口の字型に切り出し、開口部8を形成する。
(ロ)参照極10と対極11を持ったガラス基板1(チップ)に、口の字型のシリコーンゴムを接着する。接着剤として、プライマーを用いた。
(2)ゲルの作製
(イ)PVA−SbQ( SPP−US−130)と0.1M KCl−HCl緩衝液(pH2.2)を3:7の割合で混ぜる。
(ロ)マスクアライナーで15分露光し、光硬化させる。
3.流路用基板5(PMDS基板)の作製(図1〜3参照)
この作製工程では、流路用基板5としてPMDS基板(polydimethylsiloxane)を利用する。
(1)PMDS基板作製用の型の支持基板となるガラス板の洗浄
(イ)ガラス板を沸騰させた 29%NH4OH:31%H2O2:純水=1:1:4の溶液中で3分間洗浄する。
(ロ)純水中で2回3分間ずつリンスする。
(ハ)自然乾燥させる。
(2)ポリイミドによる密着層の形成
厚膜フォトレジスト(SU−8)の密着性を高めるため、ガラス板上にポリイミドの密着層を形成する。
(イ)ポリイミドプレポリマー(東芝ケミカル製、CT−4700)を500rpmで30秒、続けて6000rpmを30秒スピンコーティングする。
(ロ)オーブン80℃で15分間ベークする。
(ハ)マスクアライナーで90秒間露光する。
(3)ポリイミドのキュア
ポリイミドを硬化させるために、150℃で15分、200℃で15分、300℃で30分キュアをする。
(4)レジストパターンの形成
(イ)厚膜フォトレジスト(SU−8)を500rpmで20秒、840rpmで15秒スピンコーティングする。
(ロ)微小容器用のマスクを用いマスクアライナーで30分間露光する。
(ハ)露光後、専用の現像液(SU−8 developer)で現像し、純水で濯いだ後、乾燥させる。
以上で、PDMS基板作製用の型がガラス板上に形成された。膜厚は70〜72μm。
(5)微小流路6の形成されたPDMS基板の作製
(イ)PDMSを主成分とするシリコーンゴム(信越シリコーン製、KE−1300T)を適量とり、専用の硬化剤(信越シリコーン製CAT−1300)とKE−1300T:CAT−1300=10:1の割合で混合する。
(ロ)真空中におき、溶剤の脱泡を行う。
(ハ)上記(1)〜(4)で形成した型に流し込み、再び真空脱泡する。
(ニ)その後、24時間放置し、硬化させる。
(ホ)硬化後、PDMS基板をレジストパターンから剥がし、1チップごとに切り出す。吸引口25はドリル等によって開口する。
4.システムの組み立て(図1〜3参照)
ゲル状電解液9を開口部8に含む電解液蓄積板2(容器)を、対極11、参照極10の形成されたガラス基板1の上に載置する。そして、この電解液蓄積板2上に、シリコーンゴム膜4(ダイアフラムとして機能する膜)が上面に付与された作用極用基板(シリコン基板3)を載置する。最後に微小流路6の形成されたPDMS基板(流路用基板5)をその上に張り合わせ、外部からアクリル板によって作製したホルダーを用いてクランプして固定する。以上で、本発明に係る送液装置20が完成される。
以上、本発明に係る送液装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る送液装置は、ポンプ部、バルブ部等の送液に必要な要素を簡単な構造で高度に集積化し、電気化学的原理を用いて微量な流体を制御して送液できるような構成としているので、微少量の液体を送液が必要となる、化学、生物学、医学、物質工学、半導体工学、エレクトロニクス、微小化学分析、ナノテクノロジー等の研究分野及び工業分野等における微量な液体の送液装置に好適である。
送液装置のバルブ部の部分の基本構造及び実施例を説明する断面図を示す。 送液装置のポンプ部の部分の基本構造及び実施例を説明する断面図を示す。 送液装置の分解図及び完成図の斜視図を示す。 送液装置を作製する工程を示す図である。 送液装置を作製する工程を示す図である。 送液装置を作製する工程を示す図である。
符号の説明
1 参照極・対極用基板
1’参照極・対極用基板の材料であるガラス基板
2 電解液蓄積板
3 作用極用基板
4 隔膜
5 流路用基板
6 微小流路
7 バルブ部
8 開口部
9 電解液
10 参照極
11 対極
12 貫通孔
13 作用極
14 バルブ孔
15 気泡
16 親水性多孔質膜
17 ポンプ部
18 ポンプ孔
19 駆動モジュール
21 参照極ピンホール
22 周枠
23 流路系
24 排出流路
25 サンプル導入口
26 導入流路
27 Y字路
28 排出口
29 SiO
30 クロム層
31 レジストパターン
32 SiO
33 フォトレジスト
34 クロム層
35 白金層
35’白金表面
36 フォトレジスト
37 レジストパターン
38 クロム層
39 白金層
40 ポジ型フォトレジスト
41 銀層

Claims (8)

  1. 順次重ねられた、参照極・対極用基板、電解液蓄積板、作用極用基板、隔膜、及び流路用基板を備え、微少量の液体を送液する送液装置であって、
    前記参照極・対極用基板は、その表面に参照極と作用極が形成されており、
    前記電解液蓄積板は、前記参照極と作用極が内側に入る開口部を有し、該開口部と前記参照極・対極用基板で囲むスペース内に電解液が蓄積されており、
    前記作用極用基板は、該基板の板厚方向に貫通する貫通孔を有し、少なくとも該貫通孔の内面に作用極が形成されており、
    前記隔膜は、柔軟性のある材料で形成され、前記貫通孔に面する部分がダイアフラム状に膨張可能であり、
    前記流路用基板は、前記隔膜側の内面に微小流路が形成されているとともに、該内面に前記貫通孔に対応し、前記隔膜が膨張して入り込める断面凹形の孔が形成されていることを特徴とする送液装置。
  2. 前記作用極は、白金黒電極であることを特徴とする請求項1記載の送液装置。
  3. 前記断面凹形の孔は、バルブ又はポンプを構成するバルブ孔又はポンプ孔であることを特徴とする請求項1又は2記載の送液装置。
  4. 前記貫通孔は、隔膜方向に開いた形状であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の送液装置。
  5. 前記ポンプ孔の貫通孔が複数個形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の送液装置。
  6. 前記参照極は銀/塩化銀から形成されており、前記電解液中に一定濃度の塩化物イオンを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の送液装置。
  7. 前記流路基板は、シリコーンゴムから形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の送液装置。
  8. 前記電解液蓄積板と作用極用基板との間に、親水性多孔質膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の送液装置。
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