JP2006348745A - 建築仕上用塗材原料、これを用いた建築仕上用塗材、および建築仕上用パネル - Google Patents

建築仕上用塗材原料、これを用いた建築仕上用塗材、および建築仕上用パネル Download PDF

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Abstract

【課題】火山灰白洲を用いた建築仕上用塗材原料、建築仕上用塗材及び建築仕上用パネルと、これらの製造方法を提供する。
【解決手段】活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAの無加工原形のままを素材とし、乾燥シラスAを50〜65%、結合材Bを30〜40%、粘土材Cを3〜10%、シラスバルーンDを5〜10%、接着補強剤Eを0.08〜2%、着色顔料Fを0.1〜3%、スサ類Gを1〜5%として調合し、建築仕上用塗材1を構成する。また、建築仕上用塗材1に適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施したことにより、建築仕上用パネルを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、火山灰白洲(以下シラスと称す)を用いた建築仕上用塗材原料、これを用いた建築仕上用塗材、および建築仕上用パネルに関するものである。
近年、埋蔵量が豊富なシラスを活用すべく建築分野で種々の研究が成されているが、従来においては、このシラスを2次的に加工したものを建材として利用する場合が殆どであり、シラスを原形のまま無加工で商品化した建築仕上用塗材や建築仕上用パネルは存在しなかった。
すなわち、シラスとは俗称白色砂質堆積物であって、南九州に広く分布する白色粗鬆な火山噴出物およびそれに由来する2次堆積物の総称である。このシラスは、高温マグマの冷却により結晶分化作用が起こり、マグマ中の主成分SiO2,Al23,Fe23,FeO,MgO,CaO,Na2O,K2O等が互いに集まり鉱物として晶出して間もなく爆発的に噴出して形成されたものであり、約3割の結晶鉱物と残り約7割の非晶質火山ガラスから成っている。非晶質火山ガラスはマグマ中の揮発性成分が急激に放出して、多孔質の軽石状を成し、SiO2が65〜73%,Al23 が12〜16%, CaOが2〜4%,Na2Oが3〜4%,K2Oが2〜4%と鉄分1〜3%を含んでいる。そして、結晶鉱物は斜長石が最も多く、他に紫蘇輝石、石英、普通輝石、磁鉄工等が多少含まれている。
また、シラスを急速加熱すると水に浮くものがあり、これはシラスガラスの軟化と水分の蒸発が同時に起こって発泡し中空球状化する、所謂シラスバルーン(1970年、九州工業技術試験研究所開発)を形成することが知られている。このシラスバルーンの大きさは約30〜600μmで、低価格、不燃性、低カサ密度、高融点、低熱伝導率、低誘電率、無害、有毒ガスの無発生等の特徴を有し、最近では600〜3000μmのものも生産されている。シラスバルーンの主力用途としては、軽量で厚塗りが可能な工業用塗料等があり、近年、軽量で比較的強度を必要としない天井材等の建築用への使用が本格的となった。また、微粉砕シラスを用いた高分子複合材料の開発も進展しつつある。
さらに、従来は建築仕上用壁材としての左官仕上用壁材や塗壁用壁材等として、土壁と漆喰がある。この土壁は粘土に砂を入れてひび割れを防止させ、中壁用として東京藁、荒壁用として腐らせた黒い藁、根元藁、マニラ麻、カーボンファイバー等を混ぜたものであり、漆喰は消石灰を原料とし、のり、スサ、藁、紙等を練り合わせたものである。この他、植物性プランクトンである、所謂藻の堆積土である珪藻土が、壁下地材や耐火煉瓦、壁仕上材として使用されている。また、土壁の自硬性素材として、粘土の他に石灰、ドロマイトプラスター、セメント等があり、これらの材料を粘土に混ぜて固まる性質を強くして用いる方法が採られている。
しかしながら、上記した従来技術によれば、シラスを2次的に加工するものが殆どであり、豊富な資源であるシラスを原形のまま無加工で直接商品化したものは存在しなかった。これは、シラスの水に対する流動性が極めて高いことに起因している。
例えば、図3に示す資料は、シラス地表面が雨水等によって浸食され、地表面が擦り削られて深い谷が無数に出現した状態を示している。この資料は、シラスの水に対する流動性が高い事実を立証するものである。
この様な、水に対する高い流動性を有しているシラスを有効に活用するための研究が、シラスの原産地である鹿児島県等において永年なされてきたが、現実的には商品化に至っていないのが実情である。
そして、シラスを用いた塗材等が商品化されない最大の要因の一つは、壁等としてシラスを塗り付けたときに、シラスの表面にひび割れが生じることである。
また、他の一つは、シラスの、所謂水流れ現象である。これは、シラスに所定量の水を加えて混練したものを下地ボード等に塗り付けると、シラスの乾燥過程において、表面からの乾燥ではなく、含んでいた水が大量に流れ落ちる現象である。
このようなシラスのひび割れ現象、水流れ現象により、シラスが有する本来の特徴を活かして、建築用仕上用塗材や建築仕上用パネルとして有効に活用することができなかったのである。
一方、従来の化学物質や有機質材料の使用は、化学物質過敏症への対策やシックハウス対策が殆どなされておらず、さらに枯渇化している砂の代替建材としての活用が殆どなされていないのが実状であった。
加えて、従来においては、施工時のアルカリ性による人体への悪影響に対する対策や、室内の柱、廻り縁、額縁、巾木等の接点における木の変色あるいはシミ等の発生の防止対策、そして下地のボードのジョイント部分の処理に対するひびの発生の防止対策や、ボード面に下地処理としての接着補強剤を予め施こすことで剥離させないようにする等の施工上特別な工夫が必要であった。
そこで本発明は、叙上のような従来存した問題点に鑑み創出されたもので、豊富な資源である火山灰シラスを無加工原形のまま有効に活用することで、シラス本来の特徴であるソフト感、ラフ感等の地肌を外見上浮き出させることができ、しかも、化学物質過敏症への防止対策、シックハウス防止対策となり、さらに枯渇化している砂の代替建材としての活用を可能にし、省エネ化、省資源化、無公害化、無毒化、低価格化を図ると共に、無機質性、伸展性、着色性、耐火性、防火性、防音性、調湿性、抗菌性、蓄熱断熱性、消臭性、通気性等を有する建築仕上用塗材及び建築仕上用パネルと、これらの製造方法を提供することを目的としたものである。
また、本発明は、水とシラスの分離が主な原因として生じる、所謂シラスのひび割現象、水流れ現象を、保水性の高い粘土材等を混入することで解消し、シラスの塗材等としての商品化を実現することで、九州工業技術試験所、鹿児島県工業技術センター(特にセンター内の素材開発部)、宮崎県工業技術センター等において、高い評価を得ている。
市場においても、10トン3千円前後で取り引きされていたシラスが、本発明を活用することにより、10キロ1万円前後で取り引きされることとなり、極めて高い市場活性効果が生じているのである。
このため、本発明にあっては、建築仕上用塗材として、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスの無加工原形のままを素材としたことで、上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材とから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材と、粘土材とから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材と、粘土材と、スサ類とから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材と、粘土材と、スサ類と、シラスバルーンとから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材と、粘土材と、スサ類と、シラスバルーンと、着色顔料とから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
この他、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスと、結合材と、粘土材と、スサ類と、シラスバルーンと、着色顔料と、接着補強材とから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、結合材・粘土材・スサ類・シラスバルーン・着色顔料・接着補強材のうちのいずれか単独のものと、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスとからから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、結合材・粘土材・スサ類・シラスバルーン・着色顔料・接着補強材のうちの2以上の組合わせのものと、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスとから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラス50〜65%、結合材30〜40%、粘土材3〜10%、シラスバルーン5〜10%、接着補強剤0.08〜2%、着色顔料0.01〜3%、スサ類1〜5%を組成分として調合して成ることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、乾燥シラスが6に対し粘土材を1〜1.7の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と可塑性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスが10に対し結合材を4〜5の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と付着性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、乾燥シラスは、網篩い等により粒径約5mmφ以下に整え、混合している不純物を除去し、乾燥させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスは、主として大粒径・中粒径・小粒径のものから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、大粒径は、粒径約2.3mmφ〜1.1mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
また、中粒径は、粒径約1.0mmφ〜0.2mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
この他、小粒径は、粒径約0.1mmφ〜以下であることで、同じく上述した課題を解決した。
また、結合材は、セメントまたは石膏材から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、結合材は、セメント・石膏材・消石灰・合成樹脂エマルション等から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、接着補強剤は、非イオン性の水溶性セルロースエーテル、水溶性メチルセルロース、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等であることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、粘土材は、湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物であることで、同じく上述した課題を解決した。
建築仕上用塗材の製造方法としては、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス、結合材、粘土材、シラスバルーン、接着補強剤、着色顔料、スサ類に適宜の量の水を加えて混練することで、同じく上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス50〜65%、結合材30〜40%、粘土材3〜10%、シラスバルーン5〜10%、接着補強剤0.08〜2%、着色顔料0.01〜3%、スサ類1〜5%に適宜の量の水を加えて混練することで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、乾燥シラスが6に対し粘土材を1〜1.7の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と可塑性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスが10に対し結合材を4〜5の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と付着性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、乾燥シラスは、網篩い等により粒径約5mmφ以下に整え、混合している不純物を除去し、乾燥させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスは、主として大粒径・中粒径・小粒径のものから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
この他、大粒径は、粒径約2.3mmφ〜1.1mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
また、中粒径は、粒径約1.0mmφ〜0.2mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、小粒径は、粒径約0.1mmφ〜以下であることで、同じく上述した課題を解決した。
また、結合材は、セメントまたは石膏材から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、結合材は、セメント・石膏材・消石灰・合成樹脂エマルション等から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、接着補強剤は、非イオン性の水溶性セルロースエーテル、水溶性メチルセルロース、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等であることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、粘土材は、湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物であることで、同じく上述した課題を解決した。
建築仕上用パネルとしては、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス、結合材、粘土材、シラスバルーン、接着補強剤、着色顔料、スサ類に適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施したことで、同じく上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス50〜65%、結合材30〜40%、粘土材3〜10%、シラスバルーン5〜10%、接着補強剤0.08〜2%、着色顔料0.01〜3%、スサ類1〜5%に適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施したことで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、乾燥シラスが6に対し粘土材を1〜1.7の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と可塑性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスが10に対し結合材を4〜5の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と付着性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、乾燥シラスは、網篩い等により粒径約5mmφ以下に整え、混合している不純物を除去し、乾燥させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスは、主として大粒径・中粒径・小粒径のものから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
この他、大粒径は、粒径約2.3mmφ〜1.1mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
また、中粒径は、粒径約1.0mmφ〜0.2mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、小粒径は、粒径約0.1mmφ〜以下であることで、同じく上述した課題を解決した。
また、結合材は、セメントまたは石膏材から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、結合材は、セメント・石膏材・消石灰・合成樹脂エマルション等から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、接着補強剤は、非イオン性の水溶性セルロースエーテル、水溶性メチルセルロース、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等であることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、粘土材は、湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物であることで、同じく上述した課題を解決した。
建築仕上用パネルの製造方法としては、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス、結合材、粘土材、シラスバルーン、接着補強剤、着色顔料、スサ類に適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施した後に乾燥させることで、同じく上述した課題を解決した。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラス50〜65%、結合材30〜40%、粘土材3〜10%、シラスバルーン5〜10%、接着補強剤0.08〜2%、着色顔料0.01〜3%、スサ類1〜5%に適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施した後に乾燥させることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、結合材は、セメントまたは石膏材から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
また、結合材は、セメント・石膏材・消石灰・合成樹脂エマルション等から成ることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、乾燥シラスが6に対し粘土材を1〜1.7の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と可塑性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスが10に対し結合材を4〜5の比量で調合させることにより、乾燥シラス自体に硬化性と付着性を付与させたことで、同じく上述した課題を解決した。
この他、乾燥シラスは、網篩い等により粒径約5mmφ以下に整え、混合している不純物を除去し、乾燥させたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、乾燥シラスは、主として大粒径・中粒径・小粒径のものから成ることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、大粒径は、粒径約2.3mmφ〜1.1mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
また、中粒径は、粒径約1.0mmφ〜0.2mmφであることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、小粒径は、粒径約0.1mmφ〜以下であることで、同じく上述した課題を解決した。
また、接着補強剤は、非イオン性の水溶性セルロースエーテル、水溶性メチルセルロース、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等であることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、粘土材は、湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物であることで、同じく上述した課題を解決した。
本発明に係る建築仕上用塗材及び建築仕上用パネルと、これらの製造方法にあっては、化学物質を使用しない無加工原形のままによる自然素材だけで組成された乾燥シラス素材を使用することにより、ホルムアルデヒド等の化学物質の発生を抑え、化学物質過敏症への防止対策、シックハウス防止対策、さらに枯渇化している砂の代替建材としての活用を可能にし、健康的な住宅造りに寄与できる。また、過疎地における地域産業の活性化にも貢献できる。
さらに、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスが50〜65%、結合材が30〜40%、粘土材が3〜10%、シラスバルーンが5〜10%、接着補強剤が0.08〜2%、着色顔料が0.01〜3%、スサ類が1〜5%を組成分としているため、原料製造や現場による施工時に、電力や化石燃料等の大きなエネルギーや費用を必要とせず、公害も発生させない。また、無機質のため紫外線や熱に強く、しかも火災、水害、台風等による自然災害に対しても強く、加えてシラスが多孔質の軽石状のため通気性を有し、家の構造自体を結露等から保護し、湿気の除去や、カビ等を抑える抗菌性を発揮するものである。
そして、乾燥シラスの主成分は、構成比が65〜73%を占めるケイ酸/二酸化ケイ素(シリカ)である。負の電荷をもつケイ酸は、陽イオン金属類/アルミナ、鉄、マグネシウム、チタン、マンガン、また、正の電荷を持つカルシウム、ナトリウム、カリウム等の陽イオン、更に、水素と結び付いて中性の結晶体を構成し、所謂シラスを形成するものであるが、これらの混合物はマグマによる高温下で生成されることから、特殊な物性を備えている。特に、高温下で生成されるシラスバルーンは気体を内包して保温性、断熱性に優れた特質を有しており、この特質がシラスを壁材や建築資材・建築副資材等として利用する上での重要な要因となる。
また、ケイ酸はシリカゲル等、除湿剤の原材料として知られるように極めて吸湿性が高く、カリウムと結び付くとケイ酸カリウムとして強い保水性を持つ特質があることから、農業分野において、乾燥域の植物の根を保護する保水材としての使用も可能である。
更に、シラスの成分比の12〜16%を占めるアルミナは高温で焼成された化学種で、表面積の大きい多孔質構造により水分及びガス吸着力が極めて大きいという特質を有しており、ケイ酸の持つ吸湿性、ケイ酸カリウムの持つ吸湿保水性と併せて除湿や湿度調整に極めて高い効果を発揮する。
また、負の電荷を持つケイ酸に結び付くチタンは正の電荷を持ち、酸化チタンとして包括されることから、シラス素材に何らかの形で関与する場合には、水素や空気中の湿度/水分と反応して活性酸素種を生成し、空気や水分に溶存する有機物の分解や有機物分解に伴う消臭効果等の様々な清浄効果を発揮する。
加えて、シラス成分中の水素は酸素と結合して水酸基/ヒドロキシルラジカル(・OH)が生成され、また、活性の高い電位の交換過程で接触する水分子や酸素からはスーパーオキサイドアニオンラジカル(・02)等の活性酸素種/フリーラジカルが生成される。活性酸素種/フリーラジカルは強い殺菌力や有機物の分解力を有することから、こうした反応系を内包したシラス素材は表層及び内部を透過する空気の浄化、殺菌、消臭等に高い効果を発揮し、室内の空気を清浄化する特質を有する。
しかも、酸化チタン光触媒には、超親水化現象を発現する機能を有する。すなわち、通常の酸化チタン表面はチタン原子間を酸素が架橋して安定化した疎水性を有しているが、この酸化チタン表面に紫外線を照射すると一部の架橋酸素が脱落して酸素欠陥を生じ、ここに空気中の水が解離吸着して化学吸着水(水酸基)を生成して親水性となり、さらに水酸基上に水分子が物理吸着水として付き、親水性が安定的に維持されるのである。このような超親水化により防滴、防曇、水によるセルフクリーニング等の機能を付与するものである。
また、結合材は、乾燥シラスのバインダー材として機能し、粘土材は、現場施工における作業上の可塑性を付与し、シラスバルーンは、壁材表面の仕上がりをふわりとソフトな感じにする。
一方、接着補強剤は、施工時におけるコテの作業性を良好にし、乾いた状態における表面の粉化を防止する。スサ類は、バインダー材と割れ防止材として機能する。
本発明は以上のように構成されており、特に、豊富な火山灰シラスの自然な資源を無加工原形のまま有効活用させることで、シラス本来の特徴あるソフト感、ラフ感等の地肌を外見上浮き出させた建築仕上用塗材1と建築仕上用パネル3を形成することができる。しかも、化学物質過敏症への防止対策、シックハウス防止対策となり、さらに枯渇化している砂の代替建材としての活用を可能にし、省エネ化、省資源化、無公害化、無毒化、低価格化に加え、無機質性、伸展性、着色性、耐火性、防火性、防音性、調湿性、抗菌性、蓄熱断熱性、消臭性、通気性等の有効な効果を発揮させることができる。
これは本発明が、化学物質を使用しない無加工原形のままによる自然素材だけで組成された活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスA素材を用いたためであり、ホルムアルデヒド等の化学物質を含まず、化学物質過敏症への防止対策、シックハウス防止対策となり、さらに枯渇化している砂の代替建材としての活用を可能させ、健康住宅造りに寄与できる。また、過疎地における地域産業の活性化にも貢献できる。特に、ほぼ中性にして施工時における人体への悪影響がほとんどない。さらに、室内の柱や、辺り縁、額縁、巾木等の接点における木の変色、シミ等の発生は極めて少ない。そして、下地のボードのジョイント部分の処理に、クラフト紙を巾約5cmに貼るだけでヒビを発生させない工夫が可能となる。また、ヒビ割れ防止は、施工時における水分の浸透と乾燥を左右するスサ類Gの量の調整によりなし得る。しかも、下地2としてのボード面に下地処理としての接着補強剤を予め施こさなくても、建築仕上用塗材1が剥離するおそれがない。
この他、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAは、多孔質、白色、軽量であるため、家屋の仕上材として非常に好ましいものである。
また、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAは、無加工原形のまま用いるため、その採取が容易で、建築用仕上塗材1を安定的に供給できる。
さらに、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAは、その粒子分布が安定しており、種々の硬化剤との相性が良くなっている。
加えて、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAは、毒性がなく、人体に極めて良好である。
さらに、活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAを50〜65%、結合材Bを30〜40%、粘土材Cを3〜10%、シラスバルーンDを5〜10%、接着補強剤Eを0.08〜2%、着色顔料Fを0.01〜3%、スサ類Gを1〜5%を組成分としているため、原料製造や現場による施工時に電力や化石燃料等の大きなエネルギーや費用を必要とせずに建築仕上用塗材1を簡単に作成することができ、公害も発生させない。また、無機質のため紫外線や熱に強く、しかも火災、水害、台風等による自然災害に対しても強く、加えてシラスが多孔質の軽石状のため通気性を有し、家の構造自体を結露等から保護させ、湿気の調湿や、カビ等を抑える抗菌性を発揮させることができる。
結合材Bは、乾燥シラスAに対しバインダーとして機能する。また、粘土材Cは湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物によるものとしたので、作業上、種々の加工において可塑性を付与できる。そして、シラスバルーンDは、壁材表面の仕上がりをふわりとソフトな感じにすることができる。さらに、接着補強剤Eは、非イオン性の水溶性セルロースエーテル、あるいはヒドロキシプロピルメチルセルロース等によるものとしたので、鏝の作業性を良好にすることができ、且つ乾いた状態で壁材表面の粉化現象を防止し、人体、服等への付着を防ぐことができる。加えて、スサ類Gは、バインダー材として機能することができ、且つ壁材の割れをも防止することができる。
一方、乾燥シラスA、結合材B、粘土材C、シラスバルーンD、接着補強剤E、着色顔料F、スサ類Gに適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地2の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施した建築仕上用パネル3を構成したときは、施工現場における作業が極めて簡便となる。
上述したように、本発明は、水とシラスの分離を主な原因として生じる、所謂シラスのひび割れ現象、水流れ現象を、保水性の高い粘土材等を混入することで解消し、シラスの塗材等としての商品化を初めて実現したもので、九州工業技術試験所、鹿児島県工業技術センター(特にセンター内の素材開発部)、宮崎県工業技術センター等において、高い評価を得ている。
すなわち、乾燥シラスAの主成分は、構成比が65〜73%を占めるケイ酸/二酸化ケイ素(シリカ)である。負の電荷をもつケイ酸は、陽イオン金属類/アルミナ、鉄、マグネシウム、チタン、マンガン、また、正の電荷を持つカルシウム、ナトリウム、カリウム等の陽イオン、更に、水素と結び付いて中性の結晶体を構成し、所謂シラスを形成するものであるが、これらの混合物はマグマによる高温下で生成されることから、特殊な物性を備えている。特に、高温下で生成されるシラスバルーンDは気体を内包して保温性、断熱性に優れた特質を有しており、この特質がシラスを壁材や建築資材・建築副資材等として利用する上での重要な要因となる。
また、ケイ酸はシリカゲル等、除湿剤の原材料として知られるように極めて吸湿性が高く、カリウムと結び付くとケイ酸カリウムとして強い保水性を持つ特質があることから、農業分野において、乾燥域の植物の根を保護する保水材としての使用も可能である。
更に、シラスの成分比の12〜16%を占めるアルミナは高温で焼成された化学種で、表面積の大きい多孔質構造により水分及びガス吸着力が極めて大きいという特質を有しており、ケイ酸の持つ吸湿性、ケイ酸カリウムの持つ吸湿保水性と併せて除湿や湿度調整に極めて高い効果を発揮する。
また、負の電荷を持つケイ酸に結び付くチタンは正の電荷を持ち、酸化チタンとして包括されることから、シラス素材に何らかの形で関与する場合には、水素や空気中の湿度/水分と反応して活性酸素種を生成し、空気や水分に溶存する有機物の分解や有機物分解に伴う消臭効果等の様々な清浄効果を発揮する。
加えて、シラス成分中の水素は酸素と結合して水酸基/ヒドロキシルラジカル(・OH)が生成され、また、活性の高い電位の交換過程で接触する水分子や酸素からはスーパーオキサイドアニオンラジカル(・02)等の活性酸素種/フリーラジカルが生成される。活性酸素種/フリーラジカルは強い殺菌力や有機物の分解力を有することから、こうした反応系を内包したシラス素材は表層及び内部を透過する空気の浄化、殺菌、消臭等に高い効果を発揮し、室内の空気を清浄化する特質を有する。
しかも、酸化チタン光触媒には、超親水化現象を発現する機能を有する。すなわち、通常の酸化チタン表面はチタン原子間を酸素が架橋して安定化した疎水性を有しているが、この酸化チタン表面に紫外線を照射すると一部の架橋酸素が脱落して酸素欠陥を生じ、ここに空気中の水が解離吸着して化学吸着水(水酸基)を生成して親水性となり、さらに水酸基上に水分子が物理吸着水として付き、親水性が安定的に維持されるのである。このような超親水化により防滴、防曇、水によるセルフクリーニング等の機能を付与するものである。
この他、市場においても、10トン3千円前後で取り引きされていたシラスが、本発明を活用することにより、10キロ1万円前後で取り引きされることとなり、極めて高い市場活性効果が生じている。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。本発明に係る建築仕上用塗材1は、図1に示すように、後述する活性酸素種/フリーラジカルを生成する機能を有する乾燥シラスAを主成分として構成される。この乾燥シラスAは、それ自体に手を加えずに無加工で、素材の原形そのままのものである。そして、乾燥シラスAは、結合材Bと共に建築仕上用塗材1として使用される。結合材Bは、セメント・石膏材・消石灰・合成樹脂エマルション等からなる。この他、乾燥シラスAは、結合材B・粘土材C・シラスバルーンD・接着補強材E・着色顔料F・スサ類Gのうちのいずれか単独のものと、また、これらのうちの2以上の組合わせのものと一体となって使用される。
この建築仕上用塗材1は、乾燥シラスAが50〜65%で好ましくは53%と、結合材Bが30%〜40%で好ましくは35%と、粘土材Cが3〜10%で好ましくは4%と、シラスバルーンDが5〜10%で好ましくは7%と、接着補強剤Eが0.08〜2%で好ましくは1%と、着色顔料Fが0.01〜3%で好ましくは1%と、スサ類Gが1〜5%で好ましくは2%とを夫々混合して形成される。
具体的には、乾燥シラスAは、網篩い等により粒径約5mmφ以下に整え、混合している不純物を除去した後に乾燥させる。結合材Bは、乾燥シラスAのバインダー材としての、例えば石膏プラスター等を使用する。粘土材Cは、作業上の可塑性を付与するために使用している。シラスバルーンDは、表面の仕上がりをふわりとソフトな感じにするものとして使用されている。接着補強剤Eは、コテの作業性を良好にし、乾いた状態における表面の粉化を防止するために植物性のり等を使用している。この接着補強剤Eは、例えば綿花材0.03〜1%で好ましくは0.05%と、例えば海草を煮て粉状にしたつのまた0.05〜1%で好ましくは0.09%との混合等により形成することができる。スサ類Gは、バインダー材で、且つ割れ防止材としての、例えば麻スサや藁スサ等を使用している。
また、既調合原料製品として製造する場合には、乾燥シラスAが53%と、粘土材Cが4%と、シラスバルーンDが7%と、接着補強剤Eが1%と、着色顔料Fが1%と、スサ類Gが2%とを組成分として予め調合し、袋詰めもしくは瓶詰め等にしておく。また、結合材Bの35%は別袋に詰めておき、施工現場で両者を一緒に混合し、直接水を加えて混練させ、鏝等で塗布する。
前記した結合材Bとしての石膏プラスターは、収縮ひび割れ等に対し比較的強度を有する自硬性セメントであり、主成分は焼き石膏である。この焼き石膏は、半水石膏で水と混練させると水和反応を起こし、結晶水を得て二水石膏になり、次に結晶水以外の余剰水が発散して硬化するものである。石膏プラスターは、焼き石膏を主原料とし、硬化遅延材を添加し、硬化時間を調整した現場調合プラスターと、この現場調合プラスターに予め川砂、けい砂、軽量骨材、炭酸カルシウム等を混合して成る既調合プラスターとがあり、夫々用途に応じて使い分けるものである。
前記した粘土材Cとしては、湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物である、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン等を組成分として含む粘土を採用している。これは粘着性、可塑性、分散性に特に優れ、PH5.9、塑性指数22.1、粘度74μ97%Passを有するものである。
前記した接着補強剤Eとしては、天然のセルロース(パルプ繊維)を原料とし、このセルロースの水酸基の水素原子の一部をメチル基、ヒドロキシプロピル基、あるいはヒドロキシエチル基等で置換することにより、水素結合を消失させてセルロース分子間に水が入り込み易い、高い保水性を有するものとした非イオン性の水溶性セルロースエーテル、水溶性メチルセルロース、あるいはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を採用する。このとき、壁材の表面に対してできる限り照りや艶を持たせないような、例えば粘土約400〜4000mPa・s等の粘土グレードのものを採択すれば良い。
前記した着色顔料Fとしては、耐アルカリ性を有した無機質顔料や有機質顔料、さらには一部無機質・有機質顔料との混合体等があり、セメント、石灰、石膏プラスター等の粒子間に介在または付着することにより目的の色を現わすものである。例えば、酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化クローム、酸化亜鉛、鉛白、硫酸バリウム、白亜、炭素、カオリン、タルク、ベントナイト、ベンガラ、黄鉛、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化第二鉄、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメート、およびこれらのシリコン処理物等の無機質顔料、あるいはキナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等の有機質顔料等が着色顔料Fとして挙げられる。
また、前記乾燥シラスA自体に、より一層の硬化性と付着性を付与させるために、乾燥シラスAが例えば10に対し、結合材Bを4〜5の比量で調合させる。このとき、結合材Bと粘土材Cの量が多くて粘性が強す過ぎると塗布仕上げ状態で表面に小さな亀裂を生じてしまうので、これを避けるために結合材Bと粘土材Cを極力少量に抑えておくようにする。そして、乾燥シラスA自体が粗粒子から微細粒子に幅広くまたがるため、粒子同士の継ぎ効果を高める目的で前記した補強材としてのスサ類Gを使用してクラックの発生を防止している。
さらに、乾燥シラスA自体に可塑性を付与させるために、乾燥シラスAが例えば6に対し、粘土材Cを1〜1.7の比量で調合させる。
また、乾燥シラスAは、主として大粒径・中粒径・小粒径のものから成り、大粒径のものは、粒径約2.3mmφ〜1.1mmφ、中粒径のものは、粒径約1.0mmφ〜0.2mmφ、小粒径のものは、粒径約0.1mmφ〜以下となっている。そして、乾燥シラス自体を、大粒径のものを約5%、中粒径のものを約28%、小粒径のものを約57%に配分することで、建築士上用塗材1や建築士上用パネル3として好ましいものを提供できる。
この乾燥シラスAを構成する主原料となるケイ酸は、それ自体が負の電荷を帯びる特性を有することから、通常、正の電荷を帯びる陽イオン金属類/アルミニウム、鉄、マグネシウム、チタン、マンガン等を内包し、更に、陽イオンであるカルシウム、ナトリウム、カリウム等と結合し、また、水素と結合して負の電荷を持つ水酸基を生成する等、概ねこうした成分構成のケイ酸塩鉱物として自然界に存在する。この結合体が火山活動に伴うマグマの高温に曝されて焼成した物質が、所謂シラスで、この混合物は高温による生成過程で極めて細かい粒度分布と多孔質の構造を有する完全無機質の純天然セラミック素材として生成されている。
また、見掛比重が軽い(間隙が多い)ことから吸水性、保水性に優れた特質を有し、高温による発泡現象により生成され、気体を封じ込めた構造のシラスバルーンDは、極めて高い保温性、断熱性を備えている。こうした様々な特質を持つシラスは、壁材や建築副資材としての利用に適している。また、その特性の一つとして挙げられる極めて細かい粒度分布は、より粒度分布の粗い素材として対比した場合、遙かに広い有効接触表面積を実現しており、素材そのものが有する吸着性や吸湿性等の特質をより高める効果を発揮している。
更に、素材の70%を占める非結晶を構成する多孔質は、その接触表面積の広さを多次元的に広げる効果を発揮し、結果的に素材の接触表面積は人工的に生成された素材では考えられない程広く緻密で奥行きのある構造となっている。これは、例えば高度の水処理技術において集中水環境濾過システムにおける高性能濾材として多孔質のセラミックの使用が有効であることに通じ、両者の設計思想は同じ観点の上に立脚していると考えられ、こうした特質を持つシラスの壁材への利用は、住環境空気濾過と捉えることができる。
一般的に完全無機で高温処理のなされた純天然セラミック素材は、極めてニュートラルな特性を有し、表面に接触する他の化学種(例えば、湿気、水分、空気中の汚れ等に相当する微量の浮遊物や有機物等)の物性に対して悪影響(例えば、pHの変化に伴う酸化交代、還元交代等)を及ぼすことがない。従って、接触物が短期の物性変化/付着、凝固、沈殿、劣化、腐食、腐敗等を起こしにくい環境を保持する特質があることから、こうした素材に囲まれた住環境をより自然に近い状態に維持する効果がある。この様に、直接的に長期にわたって湿気や空気に触れる壁材や住環境に密着した長期の使用には極めて適したものとなる。
そして、乾燥シラスAの主成分は、構成比が65〜73%を占めるケイ酸/二酸化ケイ素(シリカ)である。負の電荷をもつケイ酸は、陽イオン金属類/アルミナ、鉄、マグネシウム、チタン、マンガン、また、正の電荷を持つカルシウム、ナトリウム、カリウム等の陽イオン、更に、水素と結び付いて中性の結晶体を構成し、所謂シラスを形成するものであるが、これらの混合物はマグマによる高温下で生成されることから、特殊な物性を備えている。特に、高温下で生成されるシラスバルーンは気体を内包して保温性、断熱性に優れた特質を有しており、この特質がシラスを壁材や建築資材・建築副資材等として利用する上での重要な要因となる。
また、ケイ酸はシリカゲル等、除湿剤の原材料として知られるように極めて吸湿性が高く、カリウムと結び付くとケイ酸カリウムとして強い保水性を持つ特質があることから、農業分野において、乾燥域の植物の根を保護する保水材としての使用も可能である。
更に、シラスの成分比の12〜16%を占めるアルミナは高温で焼成された化学種で、表面積の大きい多孔質構造により水分及びガス吸着力が極めて大きいという特質を有しており、ケイ酸の持つ吸湿性、ケイ酸カリウムの持つ吸湿保水性と併せて除湿や湿度調整に極めて高い効果を発揮する。
また、負の電荷を持つケイ酸に結び付くチタンは正の電荷を持ち、酸化チタンとして包括されることから、シラス素材に何らかの形で関与する場合には、水素や空気中の湿度/水分と反応して活性酸素種を生成し、空気や水分に溶存する有機物の分解や有機物分解に伴う消臭効果等の様々な清浄効果を発揮する。
加えて、シラス成分中の水素は酸素と結合して水酸基/ヒドロキシルラジカル(・OH)が生成され、また、活性の高い電位の交換過程で接触する水分子や酸素からはスーパーオキサイドアニオンラジカル(・02)等の活性酸素種/フリーラジカルが生成される。活性酸素種/フリーラジカルは強い殺菌力や有機物の分解力を有することから、こうした反応系を内包したシラス素材は表層及び内部を透過する空気の浄化、殺菌、消臭等に高い効果を発揮し、室内の空気を清浄化する特質を有する。
しかも、酸化チタンと光と水が関与した場合の有機物分解、清浄効果等を発揮させる、所謂酸化チタン光触媒の特徴については、例えば酸化チタンへの紫外線照射により電子と正孔との対を形成し、これが空気中の酸素や水と反応することによって強い酸化力のスーパーオキサイドイオンや水酸ラジカルを生成するという、所謂ホンダ・フジシマ効果として周知である。また、酸化チタン光触媒には、超親水化現象を発現する機能を有する。すなわち、通常の酸化チタン表面はチタン原子間を酸素が架橋して安定化した疎水性を有しているが、この酸化チタン表面に紫外線を照射すると一部の架橋酸素が脱落して酸素欠陥を生じ、ここに空気中の水が解離吸着して化学吸着水(水酸基)を生成して親水性となり、さらに水酸基上に水分子が物理吸着水として付き、親水性が安定的に維持されるのである。このような超親水化により防滴、防曇、水によるセルフクリーニング等の機能を付与するものである。
次に、本発明の使用の一例を説明する。例えば、施工現場において、乾燥シラスA53%、結合材B35%、粘土材C4%、シラスバルーンD7%、接着補強剤E1%、着色顔料F1%、スサ類G2%を組成分として予め調合した既調合原料製品に直接水を加えて混練し、鏝等で塗布する。このとき、乾燥シラスA本来の色が白灰色のため着色し易い利点があり、例えば、顔料着色材としては市販されている通常の左官用顔料を活用することができる。また、仕上げ表面の模様は、基本的に鏝等で厚さ約5mm程度に塗った後、硬化の程を見計らってから、鏝、ローラー、櫛等を利用して、擦り、けがき、押さえ、転がす等して形成する。そして、建築仕上用塗材1としては、室内の壁仕上材、外壁仕上材、土間、床材、天井等に広く応用することが可能である。このとき、建築仕上用塗材1を、鏝等を用いて塗り付けてもよいし、スプレーガン等を用いて吹き付けてもよい。また、刷毛等を用いて塗り付けてもよく、その手段は問わないものである。
また、図2に示すように、乾燥シラスA、結合材B、粘土材C、シラスバルーンD、接着補強剤E、着色顔料F、スサ類Gに適宜の量の水を加えて混練し、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、石綿板等の下地2の上に塗布し、各種デザインによる表面仕上加工を施した建築仕上用パネル3を構成してもよい。このように、予め建築仕上用パネル3を構成しておくと、施工現場における作業が極めて簡便となる。
本発明の一実施の形態を示した建築仕上用塗材の斜視図である。 本発明の一実施の形態を示した建築仕上用パネルの斜視図である。 シラス地表面が雨等により浸食された状態を示す資料である。
符号の説明
1…建築仕上用塗材
2…下地
3…建築仕上用パネル
A…乾燥シラス
B…結合材
C…粘土材
D…シラスバルーン
E…接着補強剤
F…着色顔料
G…スサ類

Claims (10)

  1. 主成分である乾燥シラスA、
    セメント、石膏材、消石灰、石灰、ドロマイトプラスターからなる群から選択される1種以上の結合材B、および
    湿気を帯びると可塑性を示し、乾くと剛性を呈する含水珪酸塩鉱物である粘土材C、
    を含み、自然素材のみで組成された建築仕上用塗材原料。
  2. シラスバルーンD、接着補強材E、着色顔料F、スサ類Gのうち少なくとも1種以上の材料をさらに含む、請求項1記載の建築仕上用塗材原料。
  3. 前記乾燥シラス10に対し、前記結合材を4〜5の比量で配合する、請求項1または2に記載の建築仕上用塗材原料。
  4. 前記乾燥シラス6に対し、前記粘土材を1〜1.7の比量で配合する、請求項1〜3のいずれかに記載の建築仕上用塗材原料。
  5. 前記乾燥シラスの粒径が5mmφ以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の建築仕上用塗材原料。
  6. 前記接着補強材が植物性のりである、請求項2〜5のいずれかに記載の建築仕上用塗材原料。
  7. 水と、請求項1〜6のいずれかに記載の建築仕上用塗材原料と、を混練してなる、建築仕上用塗材。
  8. 下地層と、前記下地層上に請求項7に記載の建築仕上用塗材を塗布して形成される塗布層と、を有する、建築仕上用パネル。
  9. 前記下地層が、石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル用耐水合板、または石綿板である、請求項8に記載の建築仕上用パネル。
  10. 前記塗布層に表面仕上加工が施されている、請求項8または9に記載の建築仕上用パネル。
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