JP2006348201A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】フタロシアニン顔料を用いた、顔料分散性、吐出安定性、保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの提供。
【解決手段】高分子分散剤、モノマー、フタロシアニン顔料、およびフタロシアニンスルホン酸アミン塩からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。

Description

本発明は、フタロシアニン顔料を用いた、顔料分散性、吐出安定性、保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
従来、耐水性の良好なインクジェットインキとしては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、染料は耐光性等の諸耐性で顔料に劣るため、着色剤として顔料を用いたインキが望まれている。しかしながら、顔料を安定して有機溶剤に分散することは困難であり、安定な分散性および吐出性を確保することも難しい。一方、高沸点溶剤を用いたインキは、非吸収性の受像体においては、インキ中の溶剤が揮発せず、溶剤の蒸発による乾燥は困難なので、非吸収性の基材への印字は不可能である。
揮発性の有機溶剤を用いたインキにおいては、使用する樹脂の密着性および溶剤の揮発によって非吸収性の基材においても良好な印字を形成することができる。しかしながら、揮発性の溶剤がインキの主成分となるためヘッドのノズル面において溶剤の揮発による乾燥が非常に早く、頻繁なメンテナンスを必要とする。また、インキは本質的に溶剤に対する再溶解性が必要とされるため、溶剤に対する耐性が十分得られないことがある。
このような特性を満足させるため、揮発性のないモノマー類を使用して、ヘッドでの乾燥を防ぎ、その一方、活性エネルギー線を与えることで硬化させる型のインキの利用もおこなわれている。活性エネルギー線硬化型インクジェットインキとしては、特許文献1ないし特許文献6において記載されているが、何れのインキも顔料としてフタロシアニン顔料をもちいた場合、顔料分散性、吐出安定性、保存安定性において実用上適さないものばかりであった。
特開平5−214280号公報 特開平9−183929号公報 特開2002−167537号公報 特表2004−518787号公報 特許第3619778号公報 特開2003−321628号公報
本発明は、フタロシアニン顔料をモノマー中に安定に分散し、吐出安定性、保存安定性が優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの提供を目的とする。
すなわち、本発明は、高分子分散剤、モノマー、フタロシアニン顔料、およびフタロシアニンスルホン酸アミン塩からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に本発明は、高分子分散剤が塩基性の官能基を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に本発明は、基材上に、上記記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにより画像を形成した後、該インキを活性エネルギー線で硬化してなる印刷物に関する。
本発明により、フタロシアニン顔料をモノマー中に安定に分散し、吐出安定性、保存安定性が優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインキを提供することができた。
本発明で用いる高分子分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、ポリアリルアミンと遊離のカルボン酸を有するポリエステルの縮合物もしくは造塩物、ポリ(エチレンイミン)−ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)グラフトポリマー等を用いることができる。
高分子分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、168、170(高分子共重合物)、180」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、22000(ベンジジンイエロースルホン酸アンモニウム塩)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられる。
本発明に使用する高分子分散剤は、フタロシアニンスルホン酸アミン塩に吸着して、フタロシアニン顔料に良好な分散安定性を付与するため、塩基性の官能基を有することが好ましい。塩基性の官能基としては一級、二級、または三級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラミジン等の含窒素ヘテロ環等を挙げることが出来、具体的にはルーブリゾール社製「ソルスパース24000GR、32000、33000、39000」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
分散剤はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明に使用するモノマーとしては、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート等が挙げられる。これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明のインクジェットインキには、上記モノマー以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、インクジェットインキ中に0.3〜15重量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明に使用するフタロシアニンスルホン酸アミン塩としては、フタロシアニンを濃硫酸等と反応させることで合成できる。安定な分散液を得るためには、分散媒であるモノマーに溶解しやすい疎水性のフタロシアニンスルホン酸アミン塩が好ましい。これは、フタロシアニン顔料にフタロシアニンスルホン酸アミン塩が吸着し易く、かつ脱離しにくいためである。
フタロシアニンスルホン酸アミン塩は、フタロシアニン顔料に対して2〜15重量%含まれることが好ましい。
本発明のインクジェットインキには、基材への濡れ性を向上させるために表面調整剤を加えることが好ましい。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
表面調整剤はインキ中に、0.001〜1重量%含まれることが好ましい。
本発明において活性エネルギー線として紫外線を使用するときは、光ラジカル重合開始剤をインキ中に配合する。光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、4、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤と増感剤は紫外線硬化性組成物総量に対して0.1〜20質量%,好ましくは,4〜12質量%の範囲で用いる。
本発明のインクジェットインキには、インキの経時での安定性、記録装置内での機上の安定性を高めるため、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、ピロガロール、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤をインキ中0.01〜5重量%配合することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明のインクジェットインキは、モノマー、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作成しておいてモノマーで希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インキ成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインキが調製される。インキは、孔径3μm以下さらには、1μ以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明のインクジェットインキは、25℃での粘度が5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が5〜50mPa・sのインキは、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また、本発明のインクジェットインキは、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインキとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明のインクジェットインキを使用するには、まずこのインクジェットインキをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
なお、活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、および太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」を表す。
(顔料誘導体製造例)
一般式(1)に示すフタロシアニンスルホン酸アミン塩、及びその誘導体については下記表1に示すような性状のものを公知の方法にて合成した。
(P−SO3)・X 一般式(1)
(式中、Pはフタロシアニンの有機色素残基、XはHまたはアミン塩、またはアンモニウム塩。)
Figure 2006348201
下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。この分散体はモノマー中に顔料および高分子分散剤、ベンズイミダゾロンスルホン酸を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7330(東洋インキ製 C.I.Pigment BLUE 15:3) 20.0部
・ソルスパーズ32000(アビシア社製 顔料分散剤) 4.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 75.2部
・表1に示した顔料誘導体B 0.8部
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インクジェットインキを得た。
・顔料分散体A 22.5部
・2−フェノキシエチルアクリレート 20.0部
・BYK−331(BYK Chemie社製 シリコン樹脂) 0.1部
・イソボロニルアクリレート 32.4部
・エトキシ化トリメチロ−ルプロパントリアクリレート 15.0部
・イルガキュア127(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
・イルガキュア819(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
(比較用ミルベース調整例1)
下記のような配合で顔料分散体Bを作成した。この分散体はモノマー中に顔料および高分子分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7330(東洋インキ製 C.I.Pigment BLUE 15:3) 20.0部
・ソルスパーズ32000(アビシア社製 顔料分散剤) 4.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 75.4部
・顔料誘導体A 0.6部
(比較用ミルベース調整例2)
下記のような配合で顔料分散体Cを作成した。この分散体はモノマー中に顔料および高分子分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7330(東洋インキ製 C.I.Pigment BLUE 15:3) 20.0部
・ソルスパーズ32000(アビシア社製 顔料分散剤) 4.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 75.2部
・顔料誘導体C 0.8部
(比較用ミルベース調整例3)
更に、下記のような配合で顔料分散体Dを作成した。この分散体はモノマー中に顔料および高分子分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約3時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7330(東洋インキ製 C.I.Pigment BLUE 15:3) 20.0部
・ソルスパーズ32000(アビシア社製 顔料分散剤) 6.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 74.0部
(比較例1)
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インクジェットインキを得た。
・顔料分散体B 22.5部
・2−フェノキシエチルアクリレート 20.0部
・BYK−331(BYK Chemie社製 シリコン樹脂) 0.1部
・イソボロニルアクリレート 32.4部
・エトキシ化トリメチロ−ルプロパントリアクリレート 15.0部
・イルガキュア127(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
・イルガキュア819(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
(比較例2)
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インクジェットインキを得た。
・顔料分散体C 22.5部
・2−フェノキシエチルアクリレート 11.8部
・イソボロニルアクリレート 42.6部
・エトキシ化トリメチロ−ルプロパントリアクリレート 13.0部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂) 0.1部
・イルガキュア379(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
・イルガキュア819(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
(比較例3)
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インクジェットインキを得た。
・顔料分散体D 22.5部
・イソボロニルアクリレート 57.4部
・エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 10.0部
・BYK−UV3510(BYK Chemie社製 シリコン樹脂) 0.1部
・イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
・イルガキュア819(チバスペシャルティケミカルズ社製 光ラジカル重合開始剤) 5.0部
実施例1および比較例1〜3のインキについて、次のような項目について評価した。(1)粘度、(2)分散粒径、(3)保存安定性(4)吐出安定性。それぞれの測定法を以下に示す。
(1)初期粘度:顔料分散体を25℃に調製し、E型粘度計にて測定した。
(2)分散粒径:顔料分散対をメチルエチルケトンで200倍〜1000倍に希釈し、マイクロトラックUPA150(日機装製、湿式粒度分布計)にて、体積基準の50%径を測定した。
(3)保存安定性:顔料分散体をボトル型のガラス容器に入れ、70℃の恒温機に2週間保存、経時促進させた後、経時前後での顔料分散体の粘度変化について測定した。この時の粘度測定は(1)の粘度測定と同様の方法で実施した。粘度の変化率が±10%以内なら○、±10%を越えたら×とした。
(4)吐出安定性:ヘッド温度を40℃に加温したピエゾヘッドを有するUVIJプリンターで印字を行い、印字物の印刷状態を目視により評価した。ノズル抜け無しノズル抜け、不吐出があるものは×、
実施例1、比較例1〜3のインキの評価結果を下記の表2にまとめた。
Figure 2006348201
実施例1のインキは顔料分散性、保存安定性、吐出安定性に優れていたが、フタロシアニンスルホン酸アミン塩を含まない比較例1〜3のインキは顔料分散性の悪いものが多く、また保存安定性、吐出安定性が不良であった。

Claims (3)

  1. 高分子分散剤、モノマー、フタロシアニン顔料、およびフタロシアニンスルホン酸アミン塩からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  2. 高分子分散剤が塩基性の官能基を有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  3. 基材上に請求項1または請求項2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキで画像形成した後、該インキを活性エネルギー線で硬化してなる印刷物。
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