JP2006347707A - エレベーター用巻上機 - Google Patents

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Kunio Kato
加藤  久仁夫
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Abstract

【課題】 安全装置を簡素化しても安全が確保でき、また据付や保守の手間も少なく出来、更に市場に安価に供給できるエレベーター用巻上機を得る。
【解決手段】 エレベーターのかごと釣合いおもりを主索を介して昇降させるとともに、内部に歯車式減速機及び潤滑油を備えたものにおいて、巻上機1の内部に設けられ、潤滑油6の油面7よりも上方に位置する突出壁9を備え、突出壁は、エレベーターのかごが定格速度で運転されている場合、減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油6の盛り上がり8とは干渉せず、エレベーターのかごが定格速度を超えて運転された場合には、減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油を減速機の歯車へ逆流させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エレベーター装置に関するもので、特に安全装置を簡素化できる小型エレベーター装置に好適なエレベーター用巻上機に関するものである。
従来のエレベーター装置においては、異常によってエレベーターの定格速度より増速した場合に、調速機の過速スイッチが作動して、ブレーキによってエレベーターを停止させる。また、更に増速した場合には非常止めを作動して、エレベーターを停止させる。そして、それでも止まらない場合は、エレベーターの昇降路のピット面に配置した緩衝器によって、エレベーターのかご又は釣合いおもりがピット面に激突することを防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、エレベーターのかごが軽く、また昇降行程が小さく、そして定格速度が低い小型エレベーター装置においては、異常によって増速する場合でも増速度合いが低く、また増速する距離も小さく、もとより定格速度が低いことから、緩衝器に衝突する場合でも、非常止めが動作する速度より低いことから、調速機を省略して、エレベーターの主索が切れた場合のみ非常止めが作動するように、安全装置を簡素化することができる。このような従来技術として、例えば、エレベーターをボールねじで昇降させており、ボールねじの効率が良いため、異常時に増速しすぎるため、遠心ブレーキを設けて、増速を抑えるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−120979号公報 特開2001−2341号公報
従来のエレベーター装置の巻上機では、ウォーム歯車を用いており、効率が良くないため、先に安全装置を簡素化できるエレベーター装置に適している。しかし、暑い季節には巻上機の潤滑油の粘度が低下して効率が良くなり、またエレベーターの駆動周りのばらつきにより効率が良いものがあり、これらの場合には、エレベーターが増速しすぎるため、安全装置を簡素化することができなかった。したがって、安全を確保した上で安全装置を簡素化して安く市場に供給できる小型エレベーター装置の場合でも、大容量の、また昇降行程も大きく、さらに高速で昇降するエレベーター装置と同じシステムの安全装置を持たなければならないため、価格も比較的高くなり、また据付や保守の手間も少なくならないため、小型エレベーター装置の普及の障害となっていた。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、安全装置を簡素化しても安全が確保でき、また据付や保守の手間も少なく出来、更に市場に安価に供給できるエレベーター用巻上機を提供するものである。
この発明に係るエレベーター用巻上機においては、エレベーターのかごと釣合いおもりを主索を介して昇降させるとともに、内部に歯車式減速機及び潤滑油を備えたものにおいて、巻上機の内部に設けられ、潤滑油の油面よりも上方に位置する突出壁を備え、突出壁は、エレベーターのかごが定格速度で運転されている場合、減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油の盛り上がりとは干渉せず、エレベーターのかごが定格速度を超えて運転された場合には、減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油を減速機の歯車へ逆流させるものである。
この発明によれば、かごが定格速度を超えた場合に、増速を抑制することが出来るため、安全装置を簡素化しても安全が確保でき、また据付や保守の手間も少なく出来、更に市場に安価に供給できるという効果がある。
実施の形態1.
図1及び図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベーター用巻上機を示す断面図であり、図1はエレベーターが定格速度以内で運転中の場合を示し、図2はエレベーターが定格速度を超えて運転中の場合を示している。
図1において、エレベーター用巻上機1に主軸2が回転自在に支持され、主軸2の巻上機1内部にはウォームホイール3が固着され、巻上機1の外部には駆動綱車(図示せず)が固着されている。前記駆動綱車にはエレベーターの主索(図示せず)が巻き掛けられ、主索の一端はエレベーターのかご(図示せず)と連結され、主索の他端は釣合いおもり(図示せず)と連結されている。4はウォーム歯車で、モータ5と連結されている。モータ5の回転がウォーム歯車4に伝達され、ウォーム歯車4とウォームホイール3により減速されてウォームホイール3の回転が主軸2、そして駆動綱車に伝達され、駆動綱車の回転により、エレベーターのかごと釣合いおもりが昇降する。
エレベーター用巻上機1の内部には、潤滑油6が油面7まで入れられている。8はエレベーターが定格速度で運転される場合に、ウォーム歯車4とウォームホイール3の回転により掻き揚げられる潤滑油6の盛り上がりである。9はエレベーター用巻上機1の内部壁に突出形成された潤滑油6を逆流させるための突出壁であり、上記潤滑油6の油面7よりも少し上方に位置するように設けられている。
図2に示すように、エレベーターが定格速度で運転される場合、潤滑油6はウォーム歯車4とウォームホイール3の回転により掻き揚げられ、潤滑油6の油面7の一側には盛り上がり8が発生する。この時、エレベーター用巻上機1の内部壁に突出形成された潤滑油6を逆流させるための突出壁9と潤滑油6の盛り上がり8とは互いに干渉しない。
しかし、エレベーターが異常に増速され、定格速度を超えて運転された場合には、図2に示すように、エレベーター用巻上機1内の潤滑油6の盛り上がり8は更に大きくなり、巻上機1の内部壁に突出形成された潤滑油6を逆流させるための突出壁9と干渉し、潤滑油6の一部が逆流してウォームホイール3に当たり回転を抑制する。更に増速すると、潤滑油6は突出壁9の下部に充満し、潤滑油6は行き場が無くなり、例えば汲み出しポンプの詰まったような状態になるため、更にウォームホイール3の回転をより一層抑制することになる。
この実施の形態1によれば、エレベーターが定格速度を超えた場合に、増速を抑制することが出来るため、安全装置を簡素化することができる。そして、定格速度以下においては、巻上機の内部壁の突出壁が潤滑油の盛り上がりと干渉せず、全く影響を及ぼさないため、エレベーター用巻上機の効率にも全く影響しないという効果がある。
実施の形態2.
ところで、上記実施の形態1の説明では、この発明をウォーム歯車4とウォームホイール3からなるウォーム減速機に利用した場合について説明したが、それに限られるものではなく、それ以外の例えばヘリカル減速機にも利用することができることは勿論である。また、エレベーター装置のみならず、例えば、エスカレーター等の乗客コンベアなどの定格速度を超えた場合に、減速機の効率を下げて、増速を抑制したい場合にも有効である。
この発明の実施の形態1におけるエレベーター装置の巻上機を示す断面図であり、エレベーターが定格速度以内で運転中の場合を示す。 この発明の実施の形態1におけるエレベーター装置の巻上機を示す断面図であり、エレベーターが定格速度を超えて運転中の場合を示す。
符号の説明
1 エレベーター用巻上機
2 主軸
3 ウォームホイール
4 ウォーム歯車
5 モータ
6 潤滑油
7 油面
8 盛り上がり
9 突出壁

Claims (3)

  1. エレベーターのかごと釣合いおもりを主索を介して昇降させるとともに、内部に歯車式減速機及び潤滑油を備えたエレベーター用巻上機において、
    前記巻上機の内部に設けられ、前記潤滑油の油面よりも上方に位置する突出壁を備え、
    前記突出壁は、前記エレベーターのかごが定格速度で運転されている場合、前記減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油の盛り上がりとは干渉せず、前記エレベーターのかごが定格速度を超えて運転された場合には、前記減速機の歯車によって掻き揚げられる潤滑油を減速機の歯車へ逆流させることを特徴とするエレベーター用巻上機。
  2. 歯車式減速機は、ウォーム歯車とウォームホイールからなるウォーム減速機であり、前記エレベーターのかごが定格速度を超えて運転された場合に掻き揚げられる潤滑油をウォームホイールに当てて回転を抑制することを特徴とする請求項1記載のエレベーター用巻上機。
  3. 歯車式減速機は、ヘリカル減速機であることを特徴とする請求項1記載のエレベーター用巻上機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109665406A (zh) * 2017-10-17 2019-04-23 陕西小溪机电科技有限公司 一种双机曳引装置

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