JP2006346654A - 乳化フィルター及びエマルジョン生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒度分布の狭いエマルジョンを効率的に生成可能で、メンテナンス性に優れた乳化フィルター及びこの乳化フィルターを備えたエマルジョン生成装置を提供する。
【解決手段】 分散相液を通過させて液滴を生成するための乳化フィルター1であって、電鋳により形成された金属膜2から構成されるとともに、金属膜2の一面2aから他面2dに向かう方向に貫通する複数の貫通孔2cが形成されており、金属膜2を電鋳で形成する際に空隙部を残すことによって貫通孔2cを画成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 分散相液を通過させて液滴を生成するための乳化フィルター1であって、電鋳により形成された金属膜2から構成されるとともに、金属膜2の一面2aから他面2dに向かう方向に貫通する複数の貫通孔2cが形成されており、金属膜2を電鋳で形成する際に空隙部を残すことによって貫通孔2cを画成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、液滴を生成するための乳化フィルター及び乳化フィルターを備えるエマルジョン生成装置に関する。
従来、ある種の均一な形状及び粒径を有する粒子の生成は、乳化重合や懸濁重合、ゾル−ゲル反応による粒子生成に代表されるように、分散媒中に液滴を形成し、得られた液滴を固化して粒子を得る手法が用いられている。また、液滴を得る手法として、撹拌翼によって高いせん断力を与えて分散媒中に液滴を分散させる手法が多用されている。しかしながら、この手法では、均一な液滴を得ることが難しく、後工程で液滴を固化し、固化した粒子を分級するなどの操作において製品の歩留まりが低くなったり、回収工程に送る不良品が多くなるという問題があった。また、高いせん断力を付与するための大きな動力を要し、エネルギー効率が悪いという問題もあった。
これに対して、近年、均一な形状および粒径を有する粒子を生成するためのエマルジョン生成装置には、分散相液を通過させることにより微細な粒子径を有する液滴を生成する、例えばセラミックや多孔質ガラスなどの多孔質膜を備えるものが提案されている(特許文献1参照)。この種のエマルジョン生成装置では、分散相液を多孔質膜の一面側に加圧状態で接触させ、この加圧力により多孔質膜内部の貫通孔を通過し他面側に押出された分散相液をせん断して液滴を生成することが可能とされている。この種のエマルジョン生成装置には、多孔質膜の他面側に連続相液が流通され押出された分散相液をこの連続相液の流動によってせん断するものや、多孔質膜に振動を与えて押出された分散相液をせん断するものがあり、これらの手法で生成された液滴が、連続相液中で、ともにその表面張力によって球状化されつつ分散されて、エマルジョンが生成される。
このようなエマルジョン生成装置は、従来用いられていた、撹拌翼により高いせん断力を与えて液滴を生成するものと比較して、均一な液滴を得ることができるため歩留まりが高く、高いせん断力を与えるための大きな動力を必要としないためエネルギー効率に優れるという利点を有している。
特許第3242776号公報
しかしながら、上記のエマルジョン生成装置においては、例えばセラミックや多孔質ガラスなどの多孔質膜が用いられており、この多孔質膜は、貫通孔が膜内部で複雑に入り組む構造とされているため、分散相液を通過させるために大きな圧力を必要とし、且つ液滴の生成速度が遅いという問題があった。また、複数の貫通孔の孔径を一定にすることには限界があり、特に微細粒径の粒子を生成する場合には、粒度分布を狭くすることが困難であった。
また、その構造上、貫通孔に固形物が目詰まりしやすく、目詰まりが生じた場合には、さらに液滴の生成速度が遅くなり、且つ目詰まりした物質を除去する際の洗浄性が悪いため、メンテナンスに多大な労力を要しその費用が増大するという問題もあった。
本発明は、上記事情を鑑み、粒度分布の狭い液滴を効率的に生成可能で、メンテナンス性に優れた乳化フィルター及びこの乳化フィルターを備えたエマルジョン生成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の乳化フィルターは、分散相液を通過させて液滴を生成するための乳化フィルターであって、電鋳により形成された金属膜から構成されるとともに、該金属膜の一面から他面に向かう方向に貫通する複数の貫通孔が形成されており、該貫通孔は前記金属膜を前記電鋳で形成する際に空隙部を残すことによって画成されるものであることを特徴とする。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、前記金属膜の前記一面から前記他面までの厚さが10〜150μmの範囲内とされ、前記貫通孔の軸線に直交する方向の最小寸法が平均で1〜50μmの範囲内とされていることが望ましい。
さらに、本発明の乳化フィルターにおいては、前記金属膜が、Ni、Cu、Au、Agのいずれかの金属または金属化合物で形成されていることが望ましい。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、前記貫通孔の少なくとも一部の断面形状がテーパー状を呈するように形成されていることが望ましい。
さらに、本発明の乳化フィルターにおいて、前記貫通孔は、前記一面または前記他面の平面視で、該貫通孔の最小寸法部分の開口形状が円形または楕円形となるように形成されていることが望ましい。
また、本発明の乳化フィルターにおいて、前記貫通孔は、前記一面または前記他面の平面視で、該貫通孔の最小寸法部分の開口形状が多角形状となるように形成されていてもよい。
さらに、本発明の乳化フィルターにおいては、前記貫通孔の内周部と開口部の少なくとも一部の表面に疎水性膜が形成されていることが望ましい。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、前記貫通孔の内周部と開口部の少なくとも一部の表面に親水性膜が形成されていてもよい。
本発明のエマルジョン生成装置は、分散相液の液滴が分散させられる連続相液の流路を規定するフィルター部を備え、前記分散相液を加圧しつつ前記フィルター部を通過させ、該フィルター部を通過した前記分散相液を前記連続相液中に分散させて前記液滴を生成するエマルジョン生成装置であって、前記フィルター部が前記乳化フィルターを備えることを特徴とする。
また、本発明のエマルジョン生成装置においては、前記フィルター部が、筒状に形成された本体部と、該本体部の外面に固着された前記乳化フィルターとから構成され、前記本体部には、内面から外面に向けて貫通する少なくとも1つの貫通部が形成され、前記乳化フィルターは、前記貫通孔が形成された部分が該貫通部と重なるように設けられていることが望ましい。
さらに、本発明のエマルジョン生成装置においては、前記本体部が略円筒状に形成されているとともに、前記貫通部が該本体部の軸線に沿って延設された長孔状のスリットとされていてもよい。
また、本発明のエマルジョン生成装置においては、前記本体部が前記外面に該本体部の軸線に沿って平行配置された少なくとも2つの平面を有しており、前記貫通部の開口部分が該平面内に配されているとともに、前記乳化フィルターは、少なくとも前記貫通孔が形成された部分が該貫通部と重なるように前記平面に固着されていてもよい。
さらに、本発明のエマルジョン生成装置においては、前記フィルター部と前記連続相液とを、前記貫通孔の軸線の垂直方向に相対移動させる移動手段を備えることがより望ましい。
本発明の乳化フィルターによれば、金属膜を電鋳で形成する際に空隙部を残すことで金属膜の一面から他面に向けた複数の貫通孔が金属膜に形成されており、例えば多孔質膜のように貫通孔が複雑に入り組んでいないため、乳化フィルターを分散相液が通過する際の抵抗を低減することができ、且つ目詰まりの発生を低減させることができる。また、貫通孔が、金属膜を電鋳によって形成する際に、この貫通孔部分が残されるように空隙部を形成することによって画成されるものであるため、例えばこのような空隙部のない金属膜に後から貫通孔を開けたりするのに比べ、極小径の貫通孔でもその内径を均一に形成することができる。これにより、分散相液の加圧力を低減することができ、メンテナンスを容易なものにすることが可能となる。そして、液滴の粒径を均一にすることができ、粒度分布の狭い高精度のエマルジョンを得ることが可能となる。
ちなみに、上記の効果を有する本発明の乳化フィルターは、例えば液体クロマトグラフィーカラム充填材などの均一充填を可能とする高い真球度と狭い粒度分布が要求される粒子や、例えば徐放機能を有する薬品担持体などの内部に他成分を所定の割合で保持することが可能で個々の均質性が求められる粒子、例えば液晶基材空隙保持材料などの非常に高い真球度と非常に狭い粒度分布を要求される粒子など、種々の機能性を有する高真球度で、均質、且つ狭い粒度分布を持つ粒子ないしは液滴の生成に適するものとされる。
本発明の乳化フィルターにおいては、電鋳で形成されることにより、その厚さを10〜150μmの範囲で、また、貫通孔の最小寸法を平均で1〜50μmの範囲内で、それぞれ略均一な大きさとすることが可能なため、微細粒径の液滴を精度よく生成することが可能となる。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、金属膜が、Ni、Cu、Au、Agのいずれかの金属または金属化合物で形成されることにより、電鋳を用いて確実に形成することが可能であるため、均一な貫通孔を形成することが可能となる。さらに、電鋳による金属膜の形成工程を繰り返すことによって厚さを大きくすることも比較的容易であるため、乳化フィルターの剛性を高めることも可能で、貫通孔を通過させる分散相液に応じて耐熱性や耐薬品性を付与することも可能となる。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、少なくとも一部の断面形状がテーパー状を呈するように貫通孔が形成されていることによって、貫通孔を通過する分散相液の流動抵抗を低減することができ、分散相液の加圧力を低減することができるため、生成される液滴の精度を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の乳化フィルターにおいては、最小寸法部分の開口形状が円形または楕円形となるように貫通孔が形成されていることにより、押出された分散相液に開口部分の端部を均等に当接させて応力を与えることができるため、生成された液滴を確実に均一な粒径の球状にすることができ、精度の向上を図ることができる。
また、本発明の乳化フィルターにおいては、最小寸法部分の開口形状が多角形状となるように貫通孔が形成されていることにより、押出された分散相液に多角形状の隅角部を当接させることができるため、分散相液に大きなせん断力を付加することができ、分散相液の切れをよくすることができる。これにより、確実に所定量ずつの分散相液を押出して粒径が均一な液滴を生成することが可能となる。
さらに、本発明の乳化フィルターにおいては、貫通孔の内周部と開口部の少なくとも一部の表面に、分散相液が親水性であるか、疎水性であるかに応じて疎水性膜または親水性膜が形成されることにより、押出された分散相液が乳化フィルターに付着することを防止でき、分散相液の切れをよくすることができる。これにより、液滴の粒径をさらに均一にすることが可能となる。
本発明のエマルジョン生成装置によれば、上記のいずれかの乳化フィルターを有するフィルター部を備えることによって、分散相液を通過させる加圧力を低減することができるとともに、メンテナンス性に優れたエマルジョン生成装置とすることができる。また、微細な粒径の液滴を均一に生成することが可能となる。これにより、エマルジョン生成に係る費用を低減することができるとともに、粒度分布の狭い高精度のエマルジョンを生成することが可能となる。
また、本発明のエマルジョン生成装置においては、筒状に形成された本体部の貫通部に、乳化フィルターの貫通孔が形成された部分を重ねつつ乳化フィルターを設置することによって、乳化フィルターが強固に本体部で支持されるため、加圧状態で分散相液を接触させて分散相液を通過させた際に、乳化フィルターが変位することを防止でき、均一な液滴を確実に生成することが可能となる。
さらに、本発明のエマルジョン生成装置においては、略円筒状に形成された本体部に、軸線に沿う長孔状のスリットの貫通部が形成されていることによって、本体部の外面に乳化フィルターを巻き回して設置することができるため、乳化フィルターを本体部に密着させて設置でき、これとともに貫通孔を貫通部に重ねることができる。これにより、乳化フィルターが強固に本体部に固定され、乳化フィルターに分散相液を加圧した際に貫通孔が変形することを防止でき、均一な液滴を生成することが可能となる。
また、本発明のエマルジョン生成装置においては、本体部に形成された平面に、矩形状の乳化フィルターを設置してフィルター部が構成されるため、本体部に乳化フィルターを設置する際に、乳化フィルターに応力が生じることを防止でき、これにより、乳化フィルターに形成された貫通孔が変形することを防止できるため、より均一な液滴を生成することが可能となる。
また、本発明のエマルジョン生成装置においては、フィルター部と連続相液とを貫通孔の軸線の垂直方向に相対移動させる移動手段を備えることで、乳化フィルターから押出された分散相液にせん断力を付加することができるため、液滴の切れをよくすることができ、均一な液滴を生成することが可能となり、粒度分布の狭い高精度のエマルジョンを生成することが可能となる。
以下、図1から図5を参照し、本発明の第1実施形態に係る乳化フィルターについて説明する。本発明の第1実施形態は、均一な液滴を生成可能な乳化フィルターに関するものである。
本実施形態の乳化フィルター1は、図1から図2に示すように、例えばNi(ニッケル)からなる略矩形薄膜状に形成された金属膜2から構成されている。この金属膜2には、その端部2bに沿って例えば格子状に等間隔で配列された複数の貫通孔2cが形成されている。貫通孔2cは、金属膜2の一面2aに凹設され一面2aから他面2dに向かう方向の平面視で円形形状を呈する第1貫通孔2eと、第1貫通孔2eの孔底(一面2aの一部)から他面2dに向けて一面2aに直交する方向に延設され、第1貫通孔2eとともに金属膜2を一面2aから他面2dまで貫通させる第2貫通孔2fとで構成されている。また、第2貫通孔2fは、その内面2gが一面2aに直交する方向の断面視で円弧形状を呈するように形成されているとともに、一面2aに平行する方向の断面視では円形をなし、且つ第1貫通孔2eの孔底から他面2dに向けてその内径を漸次大とするように形成されている。これにより、第2貫通孔2fの内面2gは、一面2aから他面2dに向かう方向に拡がるテーパー形状を呈するものとされている。
ここで、金属膜2に形成された複数の貫通孔2cの格子状に隣接するもの同士のそれぞれの離間距離(ピッチ)は、例えば10〜500μm程度の範囲内で略一定の大きさとされ、金属膜2の一面2aから他面2dまでの厚さT1は10〜150μmの範囲内で略一定の大きさとされている。また、第2貫通孔2fにおいて、第1貫通孔2eの孔底に開口する部分の貫通孔2cの最小孔径(貫通孔2cの軸線に直交する方向の最小寸法)は、平均で1〜50μmの範囲内で、他面2dに開口する部分の孔径(貫通孔2cの最大孔径)は、平均で10〜500μmの範囲内で、やはりそれぞれ略一定とされている。
このように構成される乳化フィルター1は、図3から図5に示すように、母材基板4上にレジスト5を形成するとともに、電解めっき液に浸漬させて形成される。母材基板4としては、例えば導電化処理を施した樹脂母型や離型被覆を施した金属母型や電鋳金属により卑の金属母型などを電解脱脂、浸漬脱脂などにより洗浄したものが用いられる。また、レジスト5は、電解めっき液の液性によって耐アルカリ用レジスト、耐酸性レジストなどが選択的に用いられ、母材基板4上に塗布され露光や現像処理が施されて形成されている。ここで、本実施形態においては、レジスト5が、図1に示した第1貫通孔2eを画成するように平面視に円形状で形成されている。
レジスト5が形成され母材基板4の表面4aの洗浄を行なった段階で、直流電源の陰極を電着層の母材基板4に接続しつつ陽極が接続された例えばNiなどの電解めっき液に浸漬させて厚付け電解めっきを施し(電鋳)、図4に示すような金属膜2を形成する。ここで、金属膜2は、レジスト5が形成されている以外の露出した母材基板4の表面4aからレジスト5の上面5a部分のみが露出状態で残されるように成長してゆき、さらに電鋳を継続することで、残されたレジスト5の上面5a部分に電解めっきが延出されるように成長する。このとき、レジスト5の上面5aに延出された電解めっきは、その外表面が凸曲面を呈するように成長する。レジスト5の上面5aが電解めっきで完全に被覆されない段階(空隙部2pが残されている段階)、具体的には、レジスト5の上面5aに位置する上面5aに略直交する電解めっきの対向する側面の離間が、図2に示した第2貫通孔2fの最小孔径となった段階で電解めっきの形成を終了する。電解めっきの外表面(側面)が凸曲面を呈するように形成されることで、第2貫通孔2fの断面形状がテーパー状で形成される。
最後に、母材基板4を剥離や溶解などによって除去し、レジスト5を剥離することで、図5に示すように、複数の貫通孔2cを有する金属膜2が形成される。
上記の構成からなる乳化フィルター1は、第2貫通孔2fの大きな孔径を有する金属膜2の他面2d側から分散相液が加圧状態で接触され、金属膜2の一面2a側に例えば一面2aに沿って層流状態で流通された連続相液を接触させて使用される。この場合には、加圧された分散相液が、第2貫通孔2fを通過して小さな孔径側が開口する金属膜2の一面2a側から押出され、押出された分散相液が層流状態で流通される連続相液によってせん断されて連続相液中に分散される。このせん断された分散相液(液滴)は、連続相液中で表面張力により球状化される。
したがって、上記の乳化フィルター1においては、金属膜2を電鋳で形成することにより、孔径の小さな複数の貫通孔2cを精度よく形成することができる。また、貫通孔2cが金属膜2の一面2aから他面2dに向けて直線方向に貫通するように形成され、例えば多孔質膜のように複雑に入り組んでいないため、分散相液を通過させる際に大きな加圧力を必要せず、貫通孔2c内に目詰まりが生じにくいものとされる。
また、第2貫通孔2fがテーパー形状を呈するように形成されていることにより、第2貫通孔2fを通過する分散相液の流動抵抗が小さいものとされているため、例えば多孔質膜と比較して、押出される分散相液の量を、加圧力を一定に保つことで一定とすることが可能とされ、粒径が均一な液滴を精度よく生成することが可能となる。
さらに、第2貫通孔2fが断面円形を呈するように形成されているため、一面2aに開口された貫通孔2cの最小寸法部分の開口形状が円形とされ、押出された分散相液に第2貫通孔2fの開口部分の端部を均等に当接させて応力を与えることができるため、生成された液滴を確実に均一な粒径の球状にすることができ、精度の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上記の第1実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、金属膜2が、Niによって形成されるものとしたが、Cu、Au、Agのいずれかの金属または金属化合物で形成されてもよいものであるとともに、電鋳で金属膜2を形成することが可能であれば他の金属で形成されてもよいものである。また、貫通孔2cは、格子状に設けられ、そのピッチが10〜500μm程度の範囲内で等間隔に配列されているものとしたが、貫通孔2cは、例えば千鳥状に設けられてもランダムに設けられてもよく、ピッチが限定される必要はないものである。さらに、貫通孔2cが第1貫通孔2eと第2貫通孔2fとから構成されるものとしたが、第1貫通孔2eを形成せず金属膜2の一面2aに直接第2貫通孔2fが開口形成されてもよいものである。また、貫通孔2cの一部の断面形状をテーパー状とせずに一面2aから他面2dに向かう方向に一定の孔径を有する貫通孔2cが形成されてもよいものである。
さらに、本実施形態の第2貫通孔2fは、断面円形状を呈するように形成されているものとしたが、レジスト5の形状を変化させることで楕円形状を呈するように形成されてもよいものである。加えて、図6や図7に示すように、多角形状を呈するように形成されてもよいものであり、この場合には、押出された分散相液に隅角部2hが当接されて、大きなせん断力を集中的に押出された分散相液に作用させることができるため、分散相液のせん断を好適に行なうことが可能となり、生成される液滴の粒径をより均一なものにすることが可能となる。
また、金属膜2は、図8に示すように、電鋳工程を繰り返すことにより積層されて形成されてもよく、この場合には、金属膜2の厚さが本実施形態に示した金属膜2よりも大きく形成されることから大きな剛性が付与されることとなり、大きな圧力を付加した場合においても貫通孔2cの変形などが生じることがないため、液滴の生成速度を大きくすることや生成される液滴の粒径精度の向上を図ることが可能となる。
ついで、図9を参照し、本発明の第2実施形態に係る乳化フィルターについて説明する。本実施形態の説明においては、第1実施形態に共通する構成について同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態の乳化フィルター1は、図9に示すように、金属膜2の一面2aを被覆するように形成された疎水性膜3が設けられている。この疎水性膜3は、貫通孔2cの第2貫通孔2fが開口する第1貫通孔2eの内面(開口部)2iに略等しい厚さで被覆形成されており、例えばポリ四フッ化エチレンを、例えばスパッタなどで形成したものとされている。
この疎水性膜3を備えた乳化フィルター1は、第1実施形態と同様に、金属膜2の他面2d側から分散相液が加圧状態で接触され、一面2a側に例えば一面2aに沿って層流状態で流通された連続相液を接触させて使用される。このとき、第2貫通孔2fを通過して小さな孔径側が開口する金属膜2の一面2a側から押出された分散相液は、開口部2iに疎水性膜3が形成されていることで開口部2iに付着することがないものとされ、一面2a側に層流状態で流通される連続相液によってせん断されて連続相液中に分散される。
したがって、上記の乳化フィルター1においては、貫通孔2cの開口部2iに疎水性膜3を形成することによって、貫通孔2cから押出された分散相液が一面2aに付着されることを防止でき、貫通孔2cより吐出される分散相液滴が形成するネック角を大きくすることができるため、流通する連続相液の付勢力で確実に分散相液をせん断することができる。よって、生成される液滴の粒径を均一にすることが可能となる。
なお、本発明は、上記の第2実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、疎水性膜3が貫通孔2cの開口部2iに被覆形成されているものとしたが、例えばシリカなどの親水性膜が形成されてもよいものであり、この親水性膜を形成した場合においても疎水性膜3と同様の効果を得ることが可能である。また、疎水性膜(または親水性膜)3は、例えば図10や図11に示すように、第2貫通孔2fの内面(内周部)2gや金属膜2の全表面に形成されてもよいものである。このとき、分散相液が付着性の強い物質である場合には付着防止効果により、例えば貫通孔2cの閉塞防止並びに金属膜2寿命の延伸を図ることができ、また上記と同様な作用により、生成される液滴の粒径をより均一にすることが可能となる。
ついで、図12から図15を参照し、本発明のエマルジョン生成装置の第1実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、前記実施形態に示した乳化フィルターと共通する構成について同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態のエマルジョン生成装置10は、図12から図15に示すように、例えばステンレス製で円筒状に形成された本体部11と、本体部11の外面11aに取り付けられた乳化フィルター1とからなるフィルター部12と、フィルター部12が配されたチャンバー13内に分散相液を加圧しつつ供給する分散相液供給システム14と、フィルター部12の本体部11の内孔11fに例えばトルエンを主成分とする連続相液を流通させる連続相液循環システム15とが主な構成要素とされている。
本実施形態の乳化フィルター1は、図13に示すように、矩形薄膜状の金属膜2で形成されており、この金属膜2には、その側端部2jに沿って上端2kから下端2mに向けて延設された互いに並列な複数列(図13では5列)の貫通孔形成部2nが設けられている。それぞれの貫通孔形成部2nは、金属膜2の他面2dの平面視で矩形状を呈しており、金属膜2の側端部2jに直交する方向に略等間隔で並設されている。また、それぞれの貫通孔形成部2nには、一面2aから他面2dに向けて貫通する複数の貫通孔2cが設けられ、金属膜2の貫通孔形成部2nを除く部分には貫通孔2cは形成されていない。
フィルター部12の本体部11は、図14から図15に示すように、内面11bから外面11aに向けて貫通する前記貫通孔形成部2nと同数の5つのスリット(貫通部)11cがそれぞれ軸線O1に沿う方向に延びるように、且つ周方向に並列に等間隔で配列されている。これらのスリット11cは、軸線O1方向に延びる長孔とされている。また、この本体部11の外面11aには、乳化フィルター1が他面2dを本体部11の径方向外方に向けスリット11cを完全に被覆するように巻き回されて、例えばレーザー溶接やろう付などによって本体部11に固着されている。このとき、乳化フィルター1は、貫通孔形成部2nがそれぞれのスリット11cと重なるように設置されている。
分散相液供給システム14は、図12に示すように、フィルター部12の乳化フィルター1が形成された部分を密閉状態で内部に納めるチャンバー13と、チャンバー13と第1の管16で接続され分散相液を密閉状態で貯留可能な分散相液タンク17と、分散相液タンク17と第2の管18で接続され分散相液タンク17内に圧力を付加する例えば窒素ガスボンベなどの圧力供給手段19とを主な構成要素としている。また、第1の管16には、レギュレーター16aが接続されており、チャンバー13内の圧力を調整することが可能とされている。ここで、本実施形態の分散相液は、粒径が10〜100nmのシリカが水中に20重量%の割合で均一分散されたものとされている。また、レギュレーター16aで調整されるチャンバー13内の圧力は2〜20kPaとされており、好ましくは3〜8kPaとされ、分散相液タンク17に圧力を付加する圧力供給手段19は、レギュレーター16aで調整される圧力よりも大きな圧力を供給可能なものとされる。さらに、このレギュレーター16aは、第1の管16に設けられているものとしたが、第2の管18に設けられてもよいものである。
連続相液循環システム15は、連続相液を貯留する連続相液タンク20と、本体部11の下端11dと連続相液タンク20とに接続されて連続相液を本体部11の内孔11fに送る第3の管21と、フィルター部12の本体部11の上端11eと連続相液タンク20とに接続されて本体部11の内孔11fを流通した連続相液を連続相液タンク20に回収する第4の管22と、第3の管21の本体部11と連続相液タンク20との間に介在され、連続相液を循環させる循環ポンプ23とから構成されている。ここで、この連続相液循環システム15は、それぞれの部材が密閉状態で形成された密閉回路とされ、連続相液タンク20に貯留された連続相液を、循環ポンプ23の駆動により回路内で循環させることが可能とされている。また、本体部11の内孔11fを流通する連続相液は、層流状態で流通される。なお、物質によっては連続相液タンク20がオープンのタンクでもよいものである。
上記の構成からなるエマルジョン生成装置10では、連続相液システム15の循環ポンプ23を駆動してフィルター部12の内孔11fに連続相液を一定流速の層流状態で流通させる。これと同時に、分散相液供給システム14の圧力供給手段19によって分散相液タンク17に圧力を付加しチャンバー13内に分散相液を供給して分散相液で充満させる。この段階で、レギュレーター16aを調整しチャンバー13内の圧力を所定の圧力とする。なお、連続相液はこのように層流状態で流通されることが好ましいが、これに限定されることはない。
この段階から、フィルター部12の乳化フィルター1には、その他面2d側に分散相液が所定圧力で付加されて乳化フィルター1の貫通孔2cを通過し始める。第1実施形態で示したように、乳化フィルター1の貫通孔2cを通過する分散相液はその流動抵抗が少ない状態で通過され、貫通孔2cの最小径の開口部分から押出された分散相液が本体部11の内孔11fを流通する連続相液によってせん断される。
せん断された液滴は、連続相液中に分散され、連続相液中で表面張力により球状化されて連続相液タンク20に送られる。この連続相液タンク20に送られた液滴は、連続相液中の液滴濃度が予め定めた濃度に達するまで連続相システム15の回路内を循環され、予め定めた濃度に達した段階で連続相液タンク20から抜き出される。
したがって、上記のエマルジョン生成装置10においては、スリット11cを有する本体部11に乳化フィルター1を設置したフィルター部12を備え、この乳化フィルター1の貫通孔2cが一面2aから他面2dに向けて、且つ一面2aに直交する方向に延設されて形成されているため、従来の多孔質膜と比較して、分散相液の加圧力を小さく設定することができる。また、貫通孔2cの目詰まりの発生が低減されるため、円滑に所定量の分散相液を連続相液側に押出すことができ、生成される液滴の粒径を均一なものにすることができる。また、貫通孔2cが一面2aに直交する方向に延設されていることで、洗浄性を向上させることができ、エマルジョン生成装置10のメンテナンスに要する費用を低減することも可能となる。
また、フィルター部12の本体部11が円筒状に形成されていることにより、連続相液の流路を規定することができる。さらに、本体部11にスリット11cが設けられていることにより、乳化フィルター1を外面11aに巻き回して固定することができ、このとき、スリット11cと乳化フィルター1の貫通孔形成部2nを重ねることができるため、このスリット11cを介して連続相液に分散相液を押出し、液滴を連続相液中に分散させることが可能となる。これにより、乳化フィルター1が強固に本体部11に固定され、乳化フィルター1に分散相液を加圧した際に貫通孔2cが変形し、生成される液滴の均一性が損なわれることを防止することができる。よって、高精度のエマルジョンを生成することが可能となる。
なお、本発明のエマルジョン生成装置も、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、連続相液をフィルター部12の内孔11fに層流状態で流通させ、フィルター部12の外方側から分散相液を加圧しつつ通過させるものとして説明を行なったが、フィルター部12の外方側に連続相液を流通させて、フィルター部12の内孔11fに分散相液を加圧状態で供給してもよいものである。この場合、本体部11の外面11aに設けられる乳化フィルター1は、貫通孔2cの最小孔径側の他面2dがフィルター部12の外方に向けて設置される。
また、本実施形態では、分散相液が、粒径が10〜100nmのシリカを水中に20重量%の割合で均一分散したものであり、連続相液がトルエンであるものとして説明を行なったが、乳化フィルター1は、他の分散相液と連続相液とによる液滴の生成にも適用可能であり、分散相液と連続相液は、この乳化フィルター1を用いてエマルジョンを生成可能であればその種類が限定される必要はない。
さらに、本実施形態で示したフィルター部12の本体部11には、長孔のスリット11cが複数設けられているものとして説明を行なったが、スリット11cは長孔に限定される必要はなく、且つその数や配置が限定されるものではない。また、本体部11がステンレス製の円筒状に形成されているものとしたが、筒状に形成されて内孔に連続相液または分散相液を流通または供給可能であれば、その材質や形状が限定される必要はない。
また、本実施形態では、乳化フィルター1から押出された分散相液が本体部11の内孔11fを層流状態で流通する連続相液によってせん断されてエマルジョンが生成されるものとしたが、例えば図12に示すように、フィルター部12の本体部11の下端11d側に、フィルター部12を本体部11の軸線O1方向(流路方向)に周期的に移動可能な例えばバイブレーターなどの移動手段24が取り付けられてもよい。この場合には、移動手段24を駆動してフィルター部12が貫通孔2cの軸線に垂直な方向に周期的に移動されることで、押出された分散相液にさらに大きなせん断力を作用させて確実にせん断することができ、液滴の粒径を確実に均一化することが可能となる。
ついで、図12および図16から図19を参照し、本発明のエマルジョン生成装置の第2実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、前記実施形態に共通する構成について同一符号を付し、その詳細についての説明を省略する。
本実施形態のエマルジョン生成装置は、第1実施形態に示したエマルジョン生成装置10に対して、フィルター部12のみが異なり他の構成は同様とされている。本実施形態のフィルター部12は、図16から図18に示すように、筒状に形成された例えばステンレス製の本体部11と、本体部11の外面11aに固着された2枚の乳化フィルター1とから構成されている。
本体部11は、軸線O1方向の平面視で外縁が円形に形成されているとともに、軸線O1に直交する上端(上端面)11eと下端(下端面)11dとを結ぶように形成された内孔11fが断面矩形状に形成されている。また、本体部11の上端面11eから若干下端面11d側の位置から、下端面11dから若干上端面11e側の位置までの部分の外面11aは、内孔11fを間にしつつ軸線O1に沿って平行配置された2つの平面11gとされている。この平面11gと内孔11fとの間の肉厚は、上端面11e側および下端面11d側の外縁円形を呈する部分と内孔11fとの間の肉厚に対して薄肉で形成されている。また、上端面11e側の外面11aと平面11gとは、傾斜する平面11hで連続とされ、同じく下端面11d側の外面11aと平面11gの下端面11d側とが傾斜する平面11hで連続とされている。さらに、本体部11の2つの平面11gには、それぞれ平面11gから内孔11fに連通するように貫通する複数の円形孔(貫通部)11iが千鳥状に形成されている。
一方、2枚の乳化フィルター1は、図19に示すように、本体部11の各平面11gと、この平面11gの平面視で同形状となる矩形薄板状に形成されているとともに、千鳥状に形成された本体部11の円形孔11i部分に対応して千鳥状に配置された複数の円形状の貫通孔形成部2nが設けられ、それぞれの貫通孔形成部2nには複数(多数)の貫通孔2cが群をなすように形成されている。これらの乳化フィルター1は、それぞれの平面11gに、例えばレーザー溶接やろう付などによって固着され、平面11gを被覆するように密着させつつ設置されている。ここで、乳化フィルター1は、その貫通孔2cが群をなすように形成された複数の貫通孔形成部2nがそれぞれの平面11gに形成された複数の円形孔11iとそれぞれ重なるように設けられている。また、乳化フィルター1は、貫通孔2cの大きな孔径で開口された他面2d側がフィルター部12の外面11a側に配されるように固着されている。
上記の構成からなるフィルター部12は、前述の実施形態と同様に、図12のエマルジョン生成装置10のチャンバー13内に乳化フィルター1が配されるように設置される。このように設置されたフィルター部12には、乳化フィルター1の一面2a側から分散相液が加圧され、貫通孔2cを通過した分散相液が本体部11の円形孔11iに押出される。押出された分散相液は、本体部11の内孔11fを流通する連続相液によってせん断され連続相液中に分散される。これにより、均一な粒径を有するエマルジョンが生成される。
したがって、上記のエマルジョン生成装置10においては、乳化フィルター1が貫通孔2cを本体部11の円形孔11iに重ねつつ本体部11の平面11gに設置されてフィルター部11が構成されていることによって、乳化フィルター1に一面2a側から分散相液を加圧して円形孔11iに分散相液を押出すことができ、内孔11fとともに円形孔11iに流通される連続相液によって液滴を連続相液中に分散させることができる。これにより、粒径が均一なエマルジョンを生成することが可能となる。
また、乳化フィルター1が本体部11の平面11gに設置される構成とされているため、乳化フィルター1を設置する際に応力が生じることを防止できる。これにより、貫通孔2cの変形が生じることなく乳化フィルター1を密着させて設置できるため、生成される液滴の粒径をより均一にすることが可能となる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、本体部11の平面11gには、内孔11fと連通する複数の円形孔(貫通部)11iが形成されているものとしたが、円形孔11iは各平面11gに1つずつ形成されてもよく、その数や形状は限定されるものではない。さらに、本体部11は筒状であればよいものであるため、上端面11e側や下端面11d側が断面円形で形成されている必要はなく、乳化フィルター1を設置する平面11gが形成されていればその他の部分の形状も特に限定を要するものではない。
1 乳化フィルター
2 金属膜
2a 一面
2c 貫通孔
2d 他面
2e 第1貫通孔
2f 第2貫通孔
2g 内面(内周部)
2i 開口部
2n 貫通孔形成部
2p 空隙部
3 疎水性膜(親水性膜)
10 エマルジョン生成装置
11 本体部
11a 外面
11b 内面
11c スリット(貫通部)
11f 内孔
11g 平面
11i 円形孔(貫通部)
12 フィルター部
14 分散相液供給システム
15 連続相液循環システム
24 移動手段
O1 軸線
2 金属膜
2a 一面
2c 貫通孔
2d 他面
2e 第1貫通孔
2f 第2貫通孔
2g 内面(内周部)
2i 開口部
2n 貫通孔形成部
2p 空隙部
3 疎水性膜(親水性膜)
10 エマルジョン生成装置
11 本体部
11a 外面
11b 内面
11c スリット(貫通部)
11f 内孔
11g 平面
11i 円形孔(貫通部)
12 フィルター部
14 分散相液供給システム
15 連続相液循環システム
24 移動手段
O1 軸線
Claims (13)
- 分散相液を通過させて液滴を生成するための乳化フィルターであって、
電鋳により形成された金属膜から構成されるとともに、該金属膜の一面から他面に向かう方向に貫通する複数の貫通孔が形成されており、該貫通孔は前記金属膜を前記電鋳で形成する際に空隙部を残すことによって画成されるものであることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1記載の乳化フィルターにおいて、
前記金属膜の前記一面から前記他面までの厚さが10〜150μmの範囲内とされ、前記貫通孔の軸線に直交する方向の最小寸法が平均で1〜50μmの範囲内とされていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1または請求項2に記載の乳化フィルターにおいて、
前記金属膜が、Ni、Cu、Au、Agのいずれかの金属または金属化合物で形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乳化フィルターにおいて、
前記貫通孔は、少なくとも一部の断面形状がテーパー状を呈するように形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の乳化フィルターにおいて、
前記貫通孔は、前記一面または前記他面の平面視で、該貫通孔の最小寸法部分の開口形状が円形または楕円形となるように形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の乳化フィルターにおいて、
前記貫通孔は、前記一面または前記他面の平面視で、該貫通孔の最小寸法部分の開口形状が多角形状となるように形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の乳化フィルターにおいて、
前記貫通孔の内周部と開口部の少なくとも一部の表面には、疎水性膜が形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の乳化フィルターにおいて、
前記貫通孔の内周部と開口部の少なくとも一部の表面には、親水性膜が形成されていることを特徴とする乳化フィルター。 - 分散相液の液滴が分散させられる連続相液の流路を規定するフィルター部を備え、前記分散相液を加圧しつつ前記フィルター部を通過させ、該フィルター部を通過した前記分散相液を前記連続相液中に分散させて前記液滴を生成するエマルジョン生成装置であって、
前記フィルター部が、請求項1から請求項8のいずれかに記載の乳化フィルターを備えることを特徴とするエマルジョン生成装置。 - 請求項9に記載のエマルジョン生成装置において、
前記フィルター部が、筒状に形成された本体部と、該本体部の外面に固着された前記乳化フィルターとから構成され、前記本体部には、内面から外面に向けて貫通する少なくとも1つの貫通部が形成され、前記乳化フィルターは、前記貫通孔が形成された部分が該貫通部と重なるように設けられていることを特徴とするエマルジョン生成装置。 - 請求項10に記載のエマルジョン生成装置において、
前記本体部が略円筒状に形成されているとともに、前記貫通部が該本体部の軸線に沿って延設された長孔状のスリットとされていることを特徴とするエマルジョン生成装置。 - 請求項10に記載のエマルジョン生成装置において、
前記本体部は、前記外面に該本体部の軸線に沿って平行配置された少なくとも2つの平面を有しており、前記貫通部の開口部分が該平面内に配されているとともに、前記乳化フィルターは、少なくとも前記貫通孔が形成された部分が該貫通部と重なるように前記平面に固着されていることを特徴とするエマルジョン生成装置。 - 請求項9から請求項12のいずれかに記載のエマルジョン生成装置において、
前記フィルター部と前記連続相液とを、前記貫通孔の軸線の垂直方向に相対移動させる移動手段を備えたことを特徴とするエマルジョン生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005179349A JP2006346654A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 乳化フィルター及びエマルジョン生成装置 |
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JP2005179349A JP2006346654A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 乳化フィルター及びエマルジョン生成装置 |
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JP2005179349A Withdrawn JP2006346654A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | 乳化フィルター及びエマルジョン生成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078223A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Optnics Precision Co Ltd | マイクロバブルおよび/またはマイクロ粒子を含む液体発生装置、およびマイクロバブルおよび/またはマイクロ粒子を含む液体、並びにマイクロバブルおよび/またはマイクロ粒子を含む液体の製造方法 |
JP2011224461A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Hang-Ichi:Kk | マイクロバブル発生装置 |
JP5947436B1 (ja) * | 2015-09-02 | 2016-07-06 | S.P.エンジニアリング株式会社 | 多孔質体アッセンブリおよびその製造方法 |
-
2005
- 2005-06-20 JP JP2005179349A patent/JP2006346654A/ja not_active Withdrawn
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