JP2006343414A - プリズム素子及び光学系、画像生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 照明光学系の光強度分布について均一性を高めるとともに、干渉による効率低下を抑制し、輝度低下を最小限に抑える。
【解決手段】 光強度分布の均一化に用いられるプリズム素子1において、反射面である第1面2_1と第3面2_3との間に、偏光分岐面である第2面2_2を配置する。第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置された構成を有し、入射光が第1面2_1での反射後に第2面2_2で分岐する光路及び入射光が第2面2_2で直接分岐する光路を経て出射される。プリズム素子1において4つに分かれた光束が合成されることで平均化された光量分布を得る。
【選択図】図1
【解決手段】 光強度分布の均一化に用いられるプリズム素子1において、反射面である第1面2_1と第3面2_3との間に、偏光分岐面である第2面2_2を配置する。第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置された構成を有し、入射光が第1面2_1での反射後に第2面2_2で分岐する光路及び入射光が第2面2_2で直接分岐する光路を経て出射される。プリズム素子1において4つに分かれた光束が合成されることで平均化された光量分布を得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明光学系のビームプロファイル(光強度分布)の均一性を高めるとともに、部品点数の削減や小型化、低コスト化等に有効な技術に関する。
レーザ光源を用いて均一な光強度分布の照明光を得るための光学系が知られている。例えば、投射型画像表示装置等への適用において、一次元空間変調型の光変調素子に対して線状ビームを照射するとともに、該光変調素子を用いて光を変調して得られる一次元画像を、ガルバノメータ等の光走査手段で一次元方向に直交する方向に沿って走査しながらスクリーン上に投影することにより、二次元画像を形成することができる。
このような一次元光変調素子への照明においては、該素子の画素配列方向の所定範囲で光強度がほぼ一定範囲内に収まっている必要がある(所謂「トップハット」形状の分布)。
照明光学系において均一性の高いビームプロファイルを実現するためには、例えば、下記に示す構成形態が知られている。
(I)非球面レンズを用いたビーム整形光学系(FieldMapper)
(II)フライアイレンズ等を用いた重ね合わせ光学系(BeamIntegration)
(II)フライアイレンズ等を用いた重ね合わせ光学系(BeamIntegration)
上記(I)では、干渉縞が発生しないという長所を有するが、例えば、一次元光学系(ラインジェネレータレンズ系)等において、特殊非球面レンズへの入射ビームが所定の形状に決められている場合にしか適用できないという制約を受ける。あるいは、高い光学的精度を保証することや経年変化等による影響や信頼性等に関して充分な配慮が必要とされる。
また、上記(II)では、入射ビーム条件や精度に関して厳しい要求が課せられないという長所はあるものの、コヒーレント光の場合に、個々のレンズエレメント間の干渉が出射光の光量分布に影響を及ぼし、干渉縞の発生が問題となる。
従来の構成においては、入射光のビーム精度仕様(ビーム形状、大きさ、位置等)を緩和することと、干渉縞の発生を抑えることが相反的な結果をもたらすという問題がある。また、小型化や部品点数の削減等のためには、光学的に簡素な構成が求められることや、干渉縞の発生に起因する効率の低下や不安定化、あるいは照明光学系において発散角の増大による輝度低下等が問題になる。
そこで、本発明は、照明光学系の光強度分布について均一性を高めること及び干渉による効率低下を抑制し、輝度低下を最小限に抑えることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、光強度分布の均一化に用いられるプリズム素子や光学系、又はレーザ光源と照明光学系と光変調素子を備えた画像生成装置において、反射面である第1面及び第3面との間に位置される第2面が偏光分岐面とされ、同軸上に第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置された構成を有する。そして、入射光が第1面での反射後に第2面で分岐する光路及び入射光が第2面で直接分岐する光路を経て出射される。
本発明では、入射光のうち、第1面における反射光が、第2面で分岐し、第2面での反射光がそのまま出射され、第2面での透過光が第3面で反射されてから出射される。また、第2面に直接到達して分岐する光については、第2面での透過光がそのまま出射され、第2面での反射光が第3面で反射されてから出射される。このように4分される光が合成されることで光強度分布が平均化される。
本発明によれば、光強度分布の均一性を高めることで効率化を図ることができる。そして、上記(I)との比較において、入射光のビーム精度仕様が緩和されるとともに、上記(II)との比較において、干渉による効率低下や不安定化を引き起こさないことのみならず、上記した合成により平均化される軸方向に対して、発散角を増大させないため、輝度低下を最小限に抑えることができる。
また、上記第1面乃至第3面を有するプリズム素子を用いた構成によれば、単一部品で済み、各面の相対的な精度を充分に保証することが可能となる。よって、部品点数やコストの削減、光学的構成の簡素化、小型化等に有効であり、経年変化等の影響を受け難く信頼性の高い構成を実現できる。
上記第1面と第3面との相対平行度については、厳密な平行度(0°)は要求されないが、例えば、画像生成装置への適用において、照射時の位置ずれ等による画質劣化を防止するためには、相対平行度が0.5秒角以下であることが好ましい。
また、上記第2面を構成する偏光分岐膜の消光比を100:1以上として、干渉による強度変調を引き起こさないようにすることが好ましい。
レーザ光源と照明光学系と光変調素子を備えた画像生成装置への適用において、光強度分布の均一化により、効率化や画質向上等に寄与し、小型化、部品点数やコストの削減に有用である。
図1は本発明に係るプリズム素子の基本構成を示す概念図である。
プリズム素子1は、第1面「2_1」及び第3面「2_3」が反射面とされ、それらの間に位置される第2面「2_2」が偏光分岐面とされている。
本例では、光軸を含む平面でプリズム素子1を切断した場合の断面形状が平行四辺形とされ、石英やガラス等の透明基材を用いて形成され、第1面及び第3面が内部反射面、第2面がPBS膜(偏光分岐膜)とされているが、基材の外面に反射材を付設し又は反射膜を形成する等、各種形態での実施が可能である。
第1面乃至第3面は同軸上に平行又はほぼ平行の位置関係をもって配置され、例えば、第1面と第3面との間の中央に第2面が位置している。
図中のA面がプリズム素子1への入射面を示し、B面が出射面を示しており、「P1」、「P2」に示す光線(実線参照)がP偏光とされ、「S1」、「S2」に示す光線(破線参照)がS偏光とされる。
A面への入射光は、第1面2_1での反射後に第2面2_2で分岐する光路及び第2面2_2で直接分岐する光路を経てB面から出射される。つまり、P1、S1に示す光が、第1面2_1で反射した後、第2面2_2に到達する。P1に示す光が偏光分岐膜を透過した後に第3面2_3で反射してから外部に出射され、S1に示す光が偏光分岐膜にて反射してから外部に出射される。また、P2、S2に示す光については、第2面2_2に直接到達し、P2に示す光が偏光分岐膜を透過してそのまま外部に出射され、S2に示す光が偏光分岐膜で反射してから、さらに第3面2_3で反射して外部に出射される。
このように、A面から入射した光は、偏光分岐面及び2つの反射面によって4つの光路を経てB面から出射される。
図2は、プリズム素子1の光学的作用について説明するための図である。
(A)図は、上記P1、P2に係る入射光のビームプロファイル「Pfi(P)」がプリズム素子1を透過してビームプロファイル「Pfo(P)」に変換される様子を示している。尚、図中の「I」は強度軸を示し、「x」軸方向における光強度分布を概略的に示している。また、「P」に付した「1」、「2」の区別は、x軸方向において、ビームプロファイル「Pfi(P)」の中央を基準としてどちら側に位置するかを区別するための指標であり、「1」が図の左側、「2」が図の右側にそれぞれ対応する。
ビームプロファイル「Pfi(P)」は、その中央部で強度が高く、周辺にいくにつれて次第に強度が低下していく分布傾向をもっている。
P1に示す光は、プリズム素子1のA面から入射されて第1面2_1での反射後に、第2面2_2を透過し、さらに第3面2_3で反射してB面から出射する。よって、ビームプロファイル「Pfo(P)」ではI軸の右側部分の形成に寄与する。
他方、P2に示す光は、プリズム素子1のA面から入射されて第2面2_2を透過してそのままB面から出射する。よって、ビームプロファイル「Pfo(P)」ではI軸の左側部分の形成に寄与する。
従って、ビームプロファイル「Pfo(P)」全体では、x軸方向における周辺部で強度が高く、中央部で強度の低い分布傾向をもつように変換される。
(B)図は、上記S1、S2に係る入射光のビームプロファイル「Pfi(S)」がプリズム素子1を透過してビームプロファイル「Pfo(S)」に変換される様子を示している。尚、図中の「I」は強度軸を示し、「x」軸方向における光強度分布を概略的に示している。また、「S」に付した「1」、「2」の区別は、x軸方向において、ビームプロファイル「Pfi(S)」の中央を基準としてどちら側に位置するかを区別するための指標であり、「1」が図の左側、「2」が図の右側にそれぞれ対応する。
ビームプロファイル「Pfi(S)」、「Pfo(S)」は、いずれもそれらの中央部で強度が高く、周辺にいくにつれて次第に強度が低下していく分布傾向をもっている。
S1に示す光は、プリズム素子1のA面から入射されて第1面2_1での反射後に、さらに第2面2_2で反射してB面から出射する。よって、ビームプロファイル「Pfo(S)」ではI軸の左側部分の形成に寄与する。
他方、S2に示す光は、プリズム素子1のA面から入射されて第2面2_2での反射後に、さらに第3面2_3で反射してB面から出射する。よって、ビームプロファイル「Pfo(S)」ではI軸の右側部分の形成に寄与する。
従って、変換後のビームプロファイル「Pfo(S)」全体では、入射時のビームプロファイル「Pfi(S)」と同様の分布傾向をもつことになる。
このように、入射光束は、プリズム素子1において4つの光束に分離され、(C)図に概略的に示すように、それらを合成したビームプロファイルは、「Pfo(P)」、「Pfo(S)」が平均化されて光強度分布が均一化される。即ち、プリズム素子1は、入射光に係る片側の軸(x軸に直交する軸)における光量分布を変化させることなく、もう一方の軸(x軸)における光量分布を平均化して整形する作用を有する。
図3は、入射ビームに対して均一化された光強度分布の出力光を得るための光学系3を例示したものである。
本例では、レーザ光源を用いる場合において、照射対象(例えば、一次元光変調素子)への照明光学系に適用した構成を示す。尚、図3の(A)図は、レーザ光に係る所定軸(「Fast Axis」)方向における各光学素子の配置を示し、図3の(B)図はこれに直交する軸(「Slow Axis」)方向における各光学素子の配置を示している(本例では、「Slow Axis」が上記x軸に相当する。)。
図示しない半導体レーザ(レーザダイオード)から発した光は、コリメートレンズ(コリメータ)4、ビーム拡大系5、ビーム整形プリズム6、集光レンズ7を透過して、被照射面8に到達する。
コリメートレンズ4は、その焦点距離が、例えば、3.5mmとされ、レーザ光を平行光線化する役目をもつ。
ビーム拡大系5は、凹レンズ5a及び凸レンズ5bを用いて構成され、ビーム拡大率が2.33倍とされている。
コリメートレンズ4側に位置する凹レンズ5a(平凹レンズ)を透過した発散光は、凸レンズ5b(平凸レンズ)を透過して、本発明を適用したビーム整形プリズム6に入射される。
ビーム整形プリズム6は図3の(A)図においては殆ど光学的作用をもたないが、図3の(B)図では、図2にて説明したように、ビーム光量分布を平均化する整形作用を有する。
ビーム整形プリズム6を透過した光は、集光レンズ7を透過した後、被照射面8上の対象に照射される。尚、集光レンズ7は、例えば、焦点距離40mmのシリンドリカルレンズとされ、図3の(A)図でパワーをもち、図3の(B)図ではパワーをもたない。
図4及び図5は、本発明を適用したビーム整形プリズム6の構成例を示している。
平行六面体形状をもつビーム整形プリズム6は、石英やガラス(BK‐7等)を用いて5乃至10mm程度のサイズ(図5の「L」参照。)に形成され、その入射面及び出射面には、光軸回りに45°の角度をもって回転された状態で2分の1波長板(λ/2板)9、10が付設されている。そして、上記第1面及び第3面に相当する反射面が全反射面とされ、第2面にはPBSコートによる偏光分岐膜が形成されている。
偏光分岐膜の消光比については、100:1以上であることが実用上好ましい。その根拠は、同じ偏光方向である光束が上記したように異なる光路長で合成される場合、干渉による強度変調が起こってしまうことに関連する。つまり、PBS膜の消光比が低い場合にこのような現象が引き起こされる。画像生成装置への適用において、画面上で人間が色の変化として認知できるレベルは、各色の光強度に換算した場合に2〜3%に相当し、このような変調を引き起こさないためには、PBS膜の消光比が100:1以上であることが求められる。
また、プリズムの反射面、つまり、第1面と第3面との相対平行度については、0.5秒角以下であることが実用上好ましい。その根拠は、照射時の位置ずれに関連する。例えば、一次元光変調素子として、グレーティング・ライト・バルブ(Grating Light Valve、以下、「GLV」という。)を用いる場合、GLV素子上での集光スポット幅は約20μmであり、5μm(0.25ピクセルに相当する。)以上の集光位置ずれ(所謂「レジずれ」)が生じた場合に、画質の大幅な劣化を引き起こす虞がある。つまり、5μmの集光位置ずれは、焦点距離40mmの集光レンズ7でGLV素子を照明する場合に、集光レンズ7に入射する光線の傾きとして1秒角の傾きに相当する。ビーム整形プリズム6を通過して4本に分割された、それぞれの光束が相対的に1秒角以内の誤差で伝播するためには、プリズムの反射面の平行度が0.5秒角以内であることが求められる。
ビーム整形プリズム6において、入射面側の2分の1波長板9を介してプリズム内に入った光は、直線偏光成分(P偏光、S偏光)に応じて上記のように4つの光束に分かれて、出射面側の2分の1波長板10を介して外部に出る。尚、2分の1波長板10は、偏光依存性を低減させる役目を有する。また、2分の1波長板9、10についてはプリズムとは別個に設置することもできるが、本例のように一体型の素子構造を採用する方が、精度保証や無調整化等の観点から好ましい。
図6は、ビーム整形プリズム6を用いることによるプロファイルの均一化の効果を例示したグラフ図であり、(A)図は該プリズムによるビーム整形を行わない場合の強度分布を示し、(B)図は該プリズムによるビーム整形を行った場合の光強度分布を示している。尚、各グラフにおいて、横軸は所定の軸(「Slow Axis」)方向における位置(一次元光変調素子の画素配列方向の位置に相当する。)を任意単位で示し、縦軸には相対強度を示している。
(A)図では、ピーク強度は大きいが、有効幅(横幅)の狭い分布傾向を示すが、ビーム整形プリズム6の作用によって、(B)図に示すように、広い有効幅をもってほぼ一定した、ほぼトップハット状に近い分布が得られる。
尚、被照射面上での光強度分布の均一性が完全でない場合であっても、一次元光変調素子に係る変調制御を利用して均一化を図るプロファイル補正方法が知られている。その場合に、表示デバイスにおいて本来の映像表示に用いるべき階調数が減少してしまうことが問題となる。
本発明に係るビーム整形プリズム6を使用することにより、所定の軸方向において強度分布が平均化される結果、均一性が充分に高められるので、上記方法を用いたとしても、本来の映像表示に用いるべき階調数が不足するといった事態を招くことはない。
また、上記の例では、プリズム素子をビーム拡大系(エキスパンダー系)の直後に配置した構成例を示したが、本発明の適用においては、このような例に限らず、プリズム素子をコリメート光学系に配置する等、各種形態での実施が可能である。
図7は、本発明に係る画像生成装置を、前面投射型の画像表示装置に適用した場合の構成例について概要を例示したものである。
画像生成装置11は、レーザ光源を用いた光源部12、照明光学系13と、光変調素子を用いた光変調部14を備えており、照明光学系13からの光を光変調素子に照射し、該光変調素子を用いた光変調に基づいて画像を生成する装置である。本例において、光源部12から出力される光は、照明光学系13を経て光変調部14に到達し、ここで変調された光が色合成部15、光学系16(空間フィルタを含む。)、光散乱部17を経て、投射及び光走査系18に到達する。
光源部12には、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の波長毎に半導体レーザや固体レーザ等を用いたレーザ光源12R、12G、12Bが設けられており、図示しない電源部からの電力供給を受けて各色に応じた波長のレーザビームをそれぞれ出力する。
照明光学系13は、レーザビームを光変調部14に対して均一化された光強度分布をもって照射するために設けられている。例えば、図3に示すような、ビーム拡大系5、ビーム整形プリズム6、集光レンズ7を備えた光学系が用いられ、プリズム6が入射ビームに対して光強度分布の均一化のために用いられる。尚、R、G、Bの各色に応じた光学系13R、13G、13Bがそれぞれ設けられている。
光変調部14には、例えば、一次元型の光変調素子が使用される。R、G、Bの各色に対応した一次元光変調素子14R、14G、14Bを用いて構成され、上記光学系13R、13G、13Bを経て均一化された強度分布の線状ビームが各素子に照射される。尚、一次元光変調素子には、例えば、反射型回折格子を用いたGLV素子を使用することができる。複数の可動リボンが所定間隔で配置され、隣り合う可動リボンの間に固定リボンが配置された形態において、共通電極と可動リボンとの間に駆動電圧を印加することによって可動リボンが移動し、入射光に対する回折格子が構成される。つまり、駆動電圧の印加に応じた変位量をもって可動リボンが移動し、この状態(所謂ピクセルオン時)では入射光に対する反射型回折格子が構成される(1次回折光の発生)。また、可動リボンを動かさずに固定リボンとの間で変位量を揃えた状態(所謂ピクセルオフ時)では、1次回折光が発生しない(入射光に対する正反射のみ)。
光学系13R、13G、13Bからの光をそれぞれに対応した一次元光変調素子に照射すると反射光や回折光が発生されて、色合成部15では、変調された各色光が合成された後、光学系16に到達する。
光学素子や空間フィルタを含む光学系16は、所定位置に中間像を形成する。空間フィルタは、特定次数の回折光成分を選別する役目をもち、例えば、一次元光変調素子を用いて変調された光のうち、±1次回折光をとり出すためにシュリーレンフィルタが用いられる(画像表示に用いない0次光が遮光される。)。
光学系16による中間像の形成位置には、光散乱部17が配置されており、光散乱素子(所謂「ディフューザ」)が用いられる。
そして、光散乱部17の後段には、投射及び光走査系18が配置されており、上記中間像の投影機能及び光走査による二次元像化の機能を有する。例えば、下記に示す構成形態が挙げられる。
・投射系の後段に光走査系を配置する構成
・光走査系の後段に投射系を配置する構成
・投射系内に光走査系が包含されるようにした一体的構成
・光走査系の後段に投射系を配置する構成
・投射系内に光走査系が包含されるようにした一体的構成
光走査系には、例えば、ガルバノメータが用いられ、一次元像の入射光を受けて二次元像を形成する。即ち、一次元像の形成方向を「第一の方向」とするとき、該方向は一次元光変調素子の長軸方向に対応しており、該第一の方向に対して直交する「第二の方向」に沿って光走査を行うことにより二次元像が形成される。
光走査によって得られる二次元像は、投射光学系の作用によってスクリーン「SCN」上に拡大投影され、映像表示が行われる。
上記光変調部14の駆動制御については、図中に「VIDEO」で示す映像信号に応じて駆動制御部19により行われる。例えば、映像信号は色差信号からRGBの色信号に変換される。そして、γ(ガンマ)特性等の非線形特性が付与されている場合には、逆補正を行うことで線形特性への変換が行われた後、照明光源の色再現範囲への対応のための色空間変換処理等が行われる。駆動制御部19の出力信号は、一次元光変調素子14R、14G、14Bの駆動回路を介して、一次元光変調素子にそれぞれ供給され、これにより、色毎にレーザ光の変調制御が行われる。
光走査制御部20は、投射及び光走査系18を構成する光学素子の駆動制御(例えば、ガルバノミラーの回転制御)を行う。つまり、一次元光変調素子を用いた光変調により得られる一次元像を走査して二次元化するための制御を行うものであり、図中に「SYNC」で示す同期信号に従って制御信号を投射及び光走査系18に送出し、機構部の動作を制御する。
尚、本発明の適用においては、このような構成例に限らず、複数のプリズム素子を組み合わせた構成の光学系を用いるとともに、二次元光変調素子等を使った各種の装置(画像表示装置やプリンタ等)に幅広く適用することが可能である。
以上に説明した各構成によれば、入射ビームの精度仕様に厳しい要求が課せられることなく、しかも干渉による効率低下等を伴わないことや、上記のようにプロファイル合成により光強度分布が平均化される軸方向に対して、発散角を増大させないこと、即ち、輝度低下を最小限に抑えられるという利点が得られる他、前記(I)や(II)との比較において、例えば、下記に示す利点が得られる。
(I)との比較について
・位置精度の仕様が緩和されること。
・部品点数やコストの削減に有利であること。
・プロファイル形状の依存性が小さいこと。
・位置精度の仕様が緩和されること。
・部品点数やコストの削減に有利であること。
・プロファイル形状の依存性が小さいこと。
(II)との比較について
・干渉縞が殆ど発生しないこと(干渉縞の発生は偏光分岐膜の消光比に依存し、これを100:1以上に規定すれば干渉縞が色むらとして認識されなくなる。)。
・ビームの重ね合わせのための光学系が不要であること。
・部品点数やコストの削減に有利であること。
・干渉縞が殆ど発生しないこと(干渉縞の発生は偏光分岐膜の消光比に依存し、これを100:1以上に規定すれば干渉縞が色むらとして認識されなくなる。)。
・ビームの重ね合わせのための光学系が不要であること。
・部品点数やコストの削減に有利であること。
1…プリズム素子、2_1…第1面、2_2…第2面、2_3…第3面、3…光学系、11…画像生成装置、12R、12G、12B…レーザ光源、13R、13G、13B…照明光学系、14R、14G、14B…光変調素子
Claims (5)
- 光強度分布の均一化に用いられるプリズム素子であって、
第1面及び第3面が反射面とされ、第1面と第3面との間に位置される第2面が偏光分岐面とされており、
同軸上に上記第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置され、入射光が上記第1面での反射後に上記第2面で分岐する光路及び入射光が上記第2面で直接分岐する光路を経て出射される
ことを特徴とするプリズム素子。 - 請求項1に記載したプリズム素子において、
上記第1面と上記第3面との相対平行度が0.5秒角以下である
ことを特徴とするプリズム素子。 - 請求項1に記載したプリズム素子において、
上記第2面を構成する偏光分岐膜の消光比が100:1以上である
ことを特徴とするプリズム素子。 - 2つの反射面と1つの光分岐面を備え、入射ビームに対して均一化された光強度分布の出力光を得るための光学系であって、
第1面及び第3面が反射面とされ、第1面と第3面との間に位置される第2面が偏光分岐面とされており、
同軸上に上記第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置され、入射光が上記第1面での反射後に上記第2面で分岐する光路及び入射光が上記第2面で直接分岐する光路を経て出射される
ことを特徴とする光学系。 - レーザ光源と照明光学系と光変調素子を備え、該照明光学系からの光を光変調素子に照射し、該光変調素子を用いた光変調に基づいて画像を生成する画像生成装置において、
上記照明光学系が、入射ビームに対して均一化された光強度分布の出力光を得るための第1面乃至第3面を備え、該第1面及び第3面が反射面とされ、第1面と第3面との間に位置される第2面が偏光分岐面とされており、
同軸上に上記第1面乃至第3面が平行又はほぼ平行に配置され、入射光が上記第1面での反射後に上記第2面で分岐する光路及び入射光が上記第2面で直接分岐する光路を経て出射される
ことを特徴とする画像生成装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017090816A (ja) * | 2015-11-16 | 2017-05-25 | セイコーエプソン株式会社 | 照明装置及びプロジェクター |
-
2005
- 2005-06-07 JP JP2005167019A patent/JP2006343414A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017090816A (ja) * | 2015-11-16 | 2017-05-25 | セイコーエプソン株式会社 | 照明装置及びプロジェクター |
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