JP2006342205A - 発光性と芳香性とを有する合成樹脂シートおよび織布並びにその製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 携帯電話に於いて、匂いによる癒しの効果を持つとともに張付けることによって携帯電話の滑り止め、保護具として活用できる発光アクセサリーを提供する。
【解決手段】 携帯電話に於いて、暗所にあって光ることにより所在を視認しやすく、張付ける位置によって携帯電話の滑り止め、保護具として活用でき、さらに匂いによる癒しの効果を与える、主に携帯電話に使用される張付けシールを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光性と芳香性とを有する貼付けシール及びカードと、それに用いる素材に関するものである。
特許第2951902号公報
解決しようとする問題点は、従来より市販されている貼付けシール、被覆保護材あるいは名刺等のカード類において、独自性を付与することにより他との差別化を図る。
本発明は、貼付けシールあるいは名刺等のカード類の素材に、蛍光発光体と芳香剤とを含有させることにより、視覚と嗅覚を通じて他との差別化を図ることを特徴とする。
本発明の芳香性と発光性を有する貼付けシール及びカードは従来用いられている素材に蛍光発光体と芳香剤とを含有させて製品に付加価値を与えることにより使用用途の拡大をはかることができ、告知媒体として配布されている販売促進品としても適用できる。
本発明の1つである、蛍光発光体と芳香剤とを含有させたことを特徴とする、合成樹脂は、低分子量の化合物から、重合、重縮合、重付加などによって得られる高分子量の樹脂にいたる合成樹脂に、蓄光性蛍光体と芳香性の高いエッセンシャルオイル(植物精油)などを含有させたものである。
〈合成樹脂〉
本発明に用いられる合成樹脂は、石油、石炭、天然ガスのような化石資源を原料とした低分子量の化合物から、重合、重縮合、重付加などによって得られる高分子量の樹脂状物質を含むものである。
合成樹脂には、加熱すると軟化して塑性を示し任意の形に成形できるが、冷却すると固化する過程を可逆的に行うことができる熱可塑性樹脂と、加熱すると反応が起こって三次元高分子を生成すると同時に硬化を起こし、可塑性を再現できない熱硬化性樹脂とに大別することができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、などが挙げられる。これらの合成樹脂に微細な連通孔を形成させることにより内部に含有されて閉じ込められた状態にある芳香剤は徐々に気体の状態で微細な連通孔を透過することになる。
〈芳香剤〉
芳香剤としては、エッセンシャルオイル(植物精油)の使用が適したものといえる。エッセンシャルオイルは、自然の植物の花、葉、根、果皮、樹皮などを蒸留して抽出した芳香性の高い濃縮されたオイルであり。きわめて揮発性の高い芳香成分で、空気中で容易に蒸発するものである。他に温められたり、指で摺ることにより揮発する香料の使用も適したものといえる。
〈蛍光発光体〉
本発明に用いられる蛍光発光体としては、次の一般式で示される特定組成を有する蓄光性蛍光体があげられる。
(Ml‐p‐q、EupQq)O・n(Al‐mBm)
0.0001≦p≦0.5、
0.0001≦q≦0.5、
1.5≦n≦3.0、
0≦m≦0.5、
(ただし、組成式中のMはMg、Ca、Sr、Ba、及びZnからなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種であり、Qは共付活剤でありMn、Zr、Nb、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群より選ばれた少なくとも1種である。)これは、第2951902号特許公報に開示された「残光性蛍光体」と同様のものである。
紙類に。蛍光発光体と芳香剤とを混入させたことを特徴とする、貼付けシール及びカードは、和紙、洋紙、合成紙等の紙類に、前記蛍光発光体と芳香剤とを混入させたシートと、それを用いて作られた貼付けシール及びカードであり、素材である紙類に発光性と芳香性を持たせることによりその製品である貼付けシール及びカードに付加価値をもたせることになる。
蛍光発光体と芳香剤とが混入された不織布および蛍光発光体と芳香剤とが混入された糸を用いて織られたことを特徴とする織布は、前記蛍光発光体と芳香剤とを混入させた不織布及び、蛍光発光体と芳香剤とを混入させた糸を用いて織られたことを特徴とする織布である。
携帯電話に貼付けることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1つからなる貼付けシールは。前記蛍光発光体と芳香剤とを含有させた、合成樹脂、紙、或いは不織布および蛍光発光体と芳香剤とが混入された糸を用いて織られた織布からなる貼付けシールである。
はがき、封筒等の郵便物および書籍等の刊行物に貼付けることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1つからなる貼付けシールは、前記蛍光発光体と芳香剤とを混入させた、合成樹脂、紙、或いは不織布および蛍光発光体と芳香剤とが混入された糸を用いて織られた織布からなる貼付けシールである。
請求項1から請求項4のいずれか1つからなる名刺及びカードは、前記蛍光発光体と芳香剤とを混入させた、合成樹脂、紙、或いは不織布及び蛍光発光体と芳香剤とが混入された糸を用いて織られた織布からなる名刺およびカードである。
以下、本発明の、芳香性と発光性を有するフィルム及びシートと、その使用方法を、図に示しながらさらに詳しく説明する。
図1は、請求項1に記載の微細な連通孔を有する合成樹脂の一例を示す模式図である。合成樹脂2に、蛍光発光体10と芳香剤14とが含有された状態でクレーズ4が形成されている。クレーズ4は、合成樹脂2の表面に現れる表面クレーズと内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微細なひび状の模様を有する領域を言う。このクレーズは分子束(フィブリル)6と(ボイド)8から構成され、このうち連通孔が合成樹脂の厚み方向に貫通することにより通気性がもたらされる。
この発明に用いられる加工の容易な合成樹脂として、熱可塑性樹脂では特にアクリルやポリウレタン等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシやシリコーン等の樹脂があげられる。
また合成樹脂と天然樹脂を合わせてプラスチックまたは樹脂とよばれているプラスチックも、熱や圧力を加えることによって塑性流動性をもたせて目的とする形に成形できる高分子可塑性物質であり、熱可塑性プラスチックは加熱すると軟化し、冷却すると固化し可塑性を示し、熱硬化性プラスチックは、最初は低分子量の液体、または固体であり可塑性を示して成形できるため蛍光発光体と芳香剤の混入が容易であり加工に適した樹脂といえる。
以下、請求項1に記載の発明の1実施例をシリコーン樹脂を用いて説明する。シリコーン樹脂はケイ素樹脂ともいい、有機基をもつケイ素が酸素と交互に結合した結合を骨格にもった樹脂であり、シリコーンの原料としてはクロロトリメチルシラン(CHSiCl、ジクロロジメチルシラン(CHSiCl、トリクロロメチルシランCHSiClがある、それぞれ、塩素の数によって一官能性、二官能性、三官能性である。これらは水と容易に反応してシラノール(CH4‐nSi(OH) (n=1.2.3)となる。このとき発生する塩酸は脱水縮合を促進する。原料がRSiClとRSiClでは分子量があまり大きくないシリコーン油が生成し、RSiClでは直線分子であるシリコーンゴムが得られ、RSiClとRSiClでは一部橋かけ型の狭義のシリコーン樹脂が得られる。
シリコーン樹脂には耐熱性、耐水性、電気絶縁性に優れている。シリコーンのハードコート樹脂は三官能性のシロキサンを主成分としてガラスのように硬い膜を形成する。成形用にはシリカの粉末、着色料、触媒を加えた熱硬化性樹脂粉末がある。
上記シリコーン樹脂に蛍光発光体と芳香剤とを混入させることにより芳香性と発光性を有する合成樹脂が形成される。
蛍光発光体として用いられる蓄光性蛍光体は、下記原料を上記組成となるように、混合機中で十分に混合し、大気中で1200〜1600℃程度の温度で数時間1次焼成した後、弱還元性雰囲気中で1200〜1600℃程度の温度で2次焼成し、その焼成品を粉砕し、篩にかけることにより得られる。
蓄光性蛍光体の原料としては、SrO、Al、Eu、等の金属酸化物、SrCO、等の焼成時の高温で容易に酸化物になる化合物が適している。そのほかにも、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物等を用いることもできる。なお、発光特性が原料の純度に依存することから、これらの原料は99.9%以上の純度を有することが必要であり、さらには99.99%以上であることが好ましい。
蓄光性蛍光体の組成中に硼素が含まれることにより、硼アルミン酸として蛍光体母体(アルミネート)の結晶性が改善される。また、発光中心と捕獲中心が安定化し蓄光輝度が高められる等、残光時間(光の照射停止後、蓄光性蛍光体の残光を暗闇で視認できる時間)及び、残光輝度が改善される。硼素を組成に導入するためには、硼素を含んだ化合物をフラックスとして加え焼成する方法が有効である。このような化合物としては、硼酸あるいはアルカリ土類元素の硝酸塩が使用でき、特に硼酸が好ましい。添加した硼酸の殆どが蓄光性蛍光体の組成に導入される。硼素は、アルミニウムを置換する硼素量mが0.0001〜0.5の範囲に属するように添加されることが好ましく、より好ましいのは0.005〜0.25の範囲で、最も好ましいのは0.05付近である。この硼素の導入は蓄光性蛍光体の改善のみならず、ガラス状の蓄光性焼成体の熱膨張率を低下させるうえで有効である。
上記蓄光性蛍光体は、基本的に付活剤である2価のEuによる強い発光を呈するが、2価のEuは可視光から紫外域の広範囲に吸収があるため、自然光のような広範囲な波長域で励起され高効率の発光を示す。従って、太陽光はもちろん、白熱電球、蛍光灯のような人工の照明によっても励起され発光する。
蓄光性蛍光体に導入する付活剤、共付活剤は蛍光色や残光輝度に関係し、実用のためにはその濃度範囲が重要である。例えば、蓄光性蛍光体に導入する付活剤Euの濃度pの好ましい範囲は0.001〜0.06である。
共付活剤が、Mn、Zr、Nb、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群より選ばれた少なくとも1種であることについては既に説明したが、この共付活剤としては、前記群のうちから2種類を選んで使用することが好ましい。この2種類の使用の場合、第1の共付活剤と第2の共付活剤とに分けて考えることができる。第1の共付活剤としては、Dy、Nd、Pr、Ho及びErが主として使用される。蛍光体組成式中の2価金属MがSrの場合、Dy、Pr、Tm、Ho及びErは残光輝度向上に効果的であり、この場合発光色は青緑域にある。
第1の共付活剤としてDyを選択した場合、発光性能に及ぼすDy濃度qの最適範囲は0.0005〜0.03である。第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてMnを選択した場合、Mn濃度qの好ましい範囲は0.0001〜0.06で、さらに好ましい範囲は0.0005〜0.02である。第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてTmを選択した場合、Tm濃度qの好ましい範囲は0.0003〜0.02で、さらに好ましい範囲は0.0004〜0.01である。. 第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてLuを選択した場合、Lu濃度qの好ましい範囲は0.0001〜0.06で、さらに好ましい範囲は0.0004〜0.04である。第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてNdを選択した場合、Nd濃度qの好ましい範囲は0.0001〜0.08で、さらに好ましい範囲は0.0003〜0.04である。
第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてYbを選択した場合、Yb濃度qの好ましい範囲は0.0002〜0.04で、さらに好ましい範囲は0.0003〜0.01である。第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてZrを選択した場合、Zr 濃度qの好ましい範囲は0.002〜0.70である。 第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてErを選択した場合Er濃度qの好ましい範囲は0.0001〜0.03で、さらに好ましい範囲は0.0005〜0.02である。第1の共付活剤としてDyを選択し、第2の共付活剤としてPrを選択した場合、Pr濃度qの好ましい範囲は0.0001〜0.04で、さらに好ましい範囲は0.0005〜0.03である。
2価金属、付活剤、共付活剤の酸化物の総モル数と、アルミナ及び硼酸の総モル数がほぼ1:2、すなわちn=2である場合、硼素の置換が1モル%程度の低濃度では、仕込み組成から生成すべきSrAlの構造を示すが、硼素がこれよりも高濃度では、SrAl1425構造とSrAl1219構造の混合物となる。
これらの結晶構造の中で蓄光性蛍光体の母体として特に重要なのはSrAl1425構造であり、これは斜方晶系に属する。硼素を所定量導入することにより結晶構造が変化し、残光性が改善される。特にn=1.75付近の場合、ピーク波長490nmの青緑色発光が最も強くなり、原料仕込み量から期待される通りの高純度のSrAl1425構造の蓄光性蛍光体が得られる。この蓄光性蛍光体は耐熱性と耐候性に優れている。このSrAl1425構造の蓄光性蛍光体は1.5≦n≦3.0の範囲で得られ、特に1.7≦n≦2.1の範囲で主成分として得られる。
芳香剤として用いられるエッセンシャルオイル(植物精油)は、自然の植物の花、葉、根、果皮、樹皮などを蒸留して抽出した芳香性の高い高品質の大変濃縮されたオイルです。きわめて揮発性の高い芳香成分で、空気中で容易に蒸発する。エッセンシャルオイルの抽出法としては蒸気蒸留法、オレンジ等の柑橘系に使う圧搾法、溶剤抽出法(Abs.と標示)の3つがあげられている。
エッセンシャルオイルの香りは、トップノート、ミドルノート、ベースノートの3つに分類される。それぞれの特徴を次に記載する。1.トップノート きわめて揮発性が高く、香りが長続きすることはないがブレンドした際その芳香の第一印象をつくりだす。フルーツ系、メンソール系がある。2.ミドルノート 香りは、少し長続きし、ブレンドした時にゆっくりと漂ようフローラル系。3.ベースノート 揮発しにくく、香りが長続きしブレンドした他の香りを保留する働きをする。樹脂系、スパイス系がある。
上記蓄光性蛍光体と芳香剤を、和紙、洋紙、合成紙等の紙類に製紙時に混入することにより紙類に芳香性と発光性が付加されることになる。織物の場合、不織布においては同様に製織時に蓄光性蛍光体と芳香剤が混入されるが織布においては製糸の過程で混入されることが望ましい。
芳香性と発光性を有する合成樹脂、紙、不織布および織布を用いて作られた貼付けシール、名刺およびカードは、視覚と嗅覚に存在感を与えることにより告知媒体として配布されている販売促進品としての活用が期待される。
はがき、封筒等の郵便物および書籍等の刊行物に貼付ける場合にば他の郵便物および書籍等に移り香等のすることがないようにシール表面がフィルム等で被覆される。
本発明の貼付けシールはシリコーンやポリウレタン等の弾力性を有する合成樹脂を用いた場合、携帯電話に貼付けることにより滑り止め、緩衝材の役割を担うことになる。
請求項1に記載の蛍光発光体と芳香剤とを含有し微細な連通孔を有する合成樹脂の模式図。 本発明の一使用例として携帯電話に貼付けた状態の説明図。
符号の説明
2 合成樹脂
4 クレーズ
6 分子束(フィブリル)
8 連通孔(ボイド)
10 蛍光発光体
14 芳香剤
16 弾力性合成樹脂
18 携帯電話

Claims (7)

  1. 蛍光発光体と芳香剤とを含有させたことを特徴とする、微細な連通孔を有する合成樹脂。
  2. 蛍光発光体と芳香剤とを含有させたことを特徴とする紙。
  3. 蛍光発光体と芳香剤とを含有させたことを特徴とする不織布。
  4. 蛍光発光体と芳香剤とを混入させた糸を用いて織られたことを特徴とする織布。
  5. 携帯電話に貼付けることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1つからなる貼付けシール。
  6. はがき、封筒等の郵便物および書籍等の刊行物に貼付けることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1つからなる貼付けシール。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1つからなる名刺およびカード。
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