JP2006340730A - 転写因子−e2f−5 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】これらは、ヒトおよびマウスE2F−5である。それらは、DP−1およびp130と相互作用し得る。
【選択図】 なし
Description
WagnerおよびGreen, Nature 352, 189-190, 1991 Helinら, Cell 70 (1992), 337-350 Kaelinら, Cell 70 (1992), 351-364
(a)E2F−5、
(b)図1Aまたは9Aのタンパク質、
(c)(a)または(b)の突然変異体、対立遺伝子変異体または種同族体、
(d)(a)または(b)に少なくとも70%相同なタンパク質、
(e)DPタンパク質、pRb、p107および/またはp130と複合体を形成する能力を有する(a)から(d)のいずれか1つの断片、または
(f)少なくとも15のアミノ酸長の(a)から(e)のいずれかの断片、
を含んでなるポリペプチド(好ましくは実質的に単離された形態のもの)を提供する。
(a)図1Aまたは9Aに示すヌクレオチドの配列、
(b)(a)に相補的な配列、
(c)(a)または(b)のいずれかの中の配列と選択的にハイブリッド形成する能力を有する配列、
(d)第1の態様で定義されたポリペプチドをコードする配列、または、
(e)(a)から(d)の中の配列のいずれかの断片、
を含んでなるポリヌクレオチドに関する。
(a)本発明の抗体を用意し、
(b)抗体−抗原複合体の形成を許容する条件下、該サンプルを該抗体と共にインキュベーションし、そして
(c)該抗体−抗原複合体が存在すれば、これを検出する、
ことを含んでなる前記方法を提供する。
(A)(i) DPポリペプチド、
(ii) 上記第1の態様のポリペプチド、および
(iii) 推定化学療法剤、
を、成分(i)と(ii)とが(iii)の不存在下で複合体を形成する条件下で接触させ、そして
(B)成分(iii)が上記複合体を阻害しうる程度を測定する、
ことを含んでなる前記スクリーニング方法を提供する。
(a)図1Aまたは9Aのタンパク質、
(b)その対立遺伝子変異体または種同族体、または
(c)(a)に少なくとも70%相同なタンパク質、
の10以上のアミノ酸の断片も含まれる。
実施例1
概要
E2FDNA結合部位は、細胞周期中に発現が厳しく調節されている多数の遺伝子中で見いだされる。E2F転写因子の活性は、E2Fトランス活性化ドメインに結合しこれを阻害しうる特異的なリプレッサー分子との結合により調節される。E2F−1、2および3の場合、該リプレッサーは、網膜芽細胞腫遺伝子pRbの産物である。E2F−4は、pRb関連p107とは相互作用するが、pRb自体とは相互作用しない。最近、網膜芽細胞腫遺伝子ファミリーの第3のメンバーであるp130をコードするcDNAが単離された。p130も、主に細胞周期のG0期でE2FDNA結合活性と相互作用する。本発明者らは、本明細書において、E2F遺伝子ファミリーの第5のメンバーのクローニングを報告する。ヒトE2F−5cDNAは、346−アミノ酸のタンパク質(推定分子量38kDa)をコードする。E2F−5は、E2F−1(57%の類似度)よりもE2F−4(78%の類似度)と密接に関連している。E2F−5は、DP−1と協同的にコンセンサスE2F部位へ結合する点で、他のE2Fと類似している。本発明者らは、特異的なE2F−5抗血清を使用することにより、生理学的条件下でE2F−5が優先的にp130と相互作用することを示す。
緒言
E2Fは、E2F様およびDP様サブユニットよりなるヘテロ二量体転写因子のグループに与えられている名称である[27]。E2FDNA結合部位は、細胞周期中に発現が調節されるいくつかの遺伝子のプロモーター中に存在し、これらのE2F部位の存在がこれらの遺伝子の細胞周期調節発現に寄与することを示す証拠が存在する[13, 28, 38]。
材料および方法
酵母二ハイブリッドスクリーニング
「ベイト」プラスミドpPC97-p107を含有する酵母Y190株[17]を、酢酸リチウム法[34]を用いて、14.5日齢のCD1マウス胎児ライブラリー[8]で形質転換した。ヒスチジンが無く25mM3−アミノトリアゾールで補足されたプレート上での成長に関して200万個の形質転換体を選択し、ついで、既に記載されている[12]とおりに、β−ガラクトシダーゼ活性に関して分析した。二重陽性酵母コロニーに由来するcDNAライブラリープラスミドを、種々のGal4-DBD融合プラスミド(pPC97-p107、pPC97-bmiおよびpPC97(挿入なし))による再形質転換により標的特異性に関して試験した。部分マウスE2F−5cDNAを用いて、更に別のヒトcDNAライブラリーをスクリーニングした。本明細書に記載の完全長ヒトE2F−5cDNAを、T84結腸癌ライブラリー(Stratagene)から単離した。
pPC97[8]のGal4DNA結合ドメイン(アミノ酸1〜147)とインフレーム(in frame)となっているp107のポケット領域(アミノ酸240〜816)をクローニングすることにより、pPC97-p107を得た。pGEX-2T中でアミノ酸89〜200(A)またはアミノ酸89〜346(B)をコードするヒトE2F−5cDNA断片をクローニングすることにより、pGST-E2F-5(A)および(B)を構築した。トランスフェクション実験には、以下のプラスミドを使用した。pSG-Gal4-E2F-1は、ヒトE2F−1のアミノ酸284〜437を含有している[19]。pJ3-Gal4-E2F-4およびpJ3-Gal4-E2F-5は、pJ3Ω中、Gal4のDNA結合ドメインとインフレームとなっているE2F−4またはE2F−5のヒトcDNAの断片(E2F−4の場合はアミノ酸276〜412をコードし、E2F−5の場合はアミノ酸222〜346をコードする)をクローニングすることにより得た[33]。pJ3-E2F-5は、完全長ヒトE2F−5cDNA(3'非コーディング配列の最後の184ヌクレオチドを欠く)を哺乳動物発現ベクターpJ3Ω中にクローニングすることにより構築した。E2F−5の翻訳開始コドンの後には、モノクローナル抗体12CA5により認識される10アミノ酸のエピトープ(HA)が続く。
U2−OSおよびCAMA細胞を、それぞれ10%または20%のウシ胎児血清で補足されたダルベッコの改変イーグル培地(Dulbecco'smodified Eagle medium)(DMEM)中で培養した。
5μg (Gal4)5-CAT[25]または2μg E2F4-CAT[20]、0.2μg RSV−ルシフェラーゼおよびヘリング精子担体DNA(全量を20μg/10cmプレートとする)と共に、示されている発現ベクターでU2−OS細胞を一過性にトランスフェクションした。既に記載されているとおりに[2, 3]、CATおよびルシフェラーゼ活性に関して細胞をアッセイした。
E2F−5発現分析のために、細胞系のパネルから全細胞質RNAを調製した。20mgの全細胞RNAを、記載されているとおりに[4]、1%ホルムアルデヒドアガロースゲル中で電気泳動し、ニトロセルロースに移し、[32P]−標識部分ヒトE2F−5cDNA(nt. 666〜1038)でプローブする。ついで、各レーンにローディングされるRNAの量を制御するために、同じフィルターをラットα−チューブリンcDNAでプローブした。
E2F−5に対する抗体を産生させるために、GST-E2F-5(A)および(B)(プラスミドの項を参照されたし)タンパク質を E. coli 中で産生させ、グルタチオン−セファロースビーズを用いて精製した。等量の両タンパク質をウサギに注射した。3回の免疫の後、ポリクローナル血清を得た。
一過性にトランスフェクションされたU2−OS細胞のゲル遅延アッセイを、既に記載されている方法[20]を少し改変することにより行った。20μlの反応容量中、コンセンサスE2FDNA結合部位を特定する0.5ngの[32P]−標識オリゴヌクレオチド(Santa Cruz Biotechnology)と共に、20mMHEPES(pH7.4)、0.1M KCl、1mMMgCl2、0.1mMEDTA、7%グリセロール、1mMNaFおよび1μg 超音波処理サケ精子DNAを含有する結合緩衝液中で10μgの全細胞抽出物を使用した。室温で20分間インキュベーションする間に、DNA−タンパク質複合体を形成させる。該反応生成物を、0.25×TBE中の3.5%ポリアクリルアミドゲル上、90V、室温、2.5時間で分離した。ついで、前記ゲルを乾燥し、フィルムに露出させた。
結果
p107結合タンパク質の単離
p107と相互作用するポリペプチドをコードするcDNAを同定するために、酵母二ハイブリッドスクリーニングを行った[14]。染色体に位置する2つのGal4誘導レポーター遺伝子(HIS3およびLacZ)[12]を含有する酵母Y190株[17]を、Gal4のDNA結合ドメイン(DBD)に融合したp107のポケット領域(アミノ酸240〜816)を含有する「ベイト」プラスミド、および14.5日齢CD1マウス胎児cDNAライブラリー(ここで、それぞれのcDNAは、Gal4のトランス活性化ドメインに個々に融合されている)[8]で同時形質転換した。合計200万の形質転換体を、ヒスチジンを欠くプレート上での選択に付した。β−ガラクトシダーゼの発現に関して、87個の生存コロニーをスクリーニングした。cDNA含有プラスミドを16個の二重陽性酵母コロニーからレスキューした。他のGal4−DBD融合体をコードするプラスミドで再形質転換することにより、p107結合の特異性を確認した。16個のハイブリッドタンパク質全てが、Gal4−p107と特異的に相互作用することが判明した。該酵母からレスキューされた16個のcDNAライブラリープラスミドが10個の異なる遺伝子に由来することが、DNA配列分析により示された。3個のcDNAは、同じ遺伝子に由来しており、4個の公知E2Fに対して有意な相同性を示した。このため、本発明者らは、このcDNAによりコードされるタンパク質をE2F−5と命名した。
E2F−1およびE2F−4は、ポケットタンパク質結合部位と重なるカルボキシル末端トランス活性化ドメインを含有する[3, 18]。E2F−5もトランス活性化ドメインを含有するか否かを調べるために、本発明者らは、哺乳動物発現ベクターpJ3Ω中でヒトE2F−5のカルボキシル末端をGal4のDNA結合ドメインと融合させた。U2−OS骨肉腫細胞を、5つの上流Gal4部位を保持するCATレポーター遺伝子で一過性にトランスフェクションするか、あるいは、該レポーター遺伝子とGal4-E2F発現ベクターとで同時トランスフェクションした。図3に示すとおり、Gal4レポータープラスミドとGal4-E2F-5 発現ベクターとの同時トランスフェクションにより、CATレポーター遺伝子が50倍活性化された。Gal4-E2F-1またはGal4-E2F-4による同時トランスフェクションでは、CATレポーター遺伝子の活性化が2〜3倍高かった(図3)。本発明者らは、E2F−5は、強力なカルボキシル末端トランス活性化ドメインを含有すると結論する。
E2F−1とE2F−4とは共に、効率的なDNA結合のためには、DP−1との二量体形成を必要とする[1, 3, 20, 26]。E2F−5がコンセンサスE2FDNA結合部位に結合するか否か、およびDNAに結合するためにE2F−5がDP−1二量体形成を必要とするか否かを調べるために、本発明者らは、一過性トランスフェクション実験を行った。コアプロモーターが4つの上流E2F部位に結合しているCATレポータープラスミドで、ヒトU2−OS骨肉腫細胞をトランスフェクションした。図4に示すとおり、E2F-CATレポータープラスミドは、該骨肉腫細胞に単独でトランスフェクションされた場合には、低い活性しか有さない。DP−1またはE2F−5発現ベクターで別々にトランスフェクションしても、E2F-CATレポーターの活性化は生じなかった(図4、トラック2および6)。DP−1とE2F−5発現ベクターとの同時トランスフェクションにより、CATレポーターの強力な用量依存的相乗活性化が生じた(図4、トラック3〜5)。これらのデータが示すとおり、E2F−5はコンセンサスE2F部位に結合でき、DNA結合はDP−1依存的である。これらの結果に基づき、本発明者らは、E2F−5がE2F遺伝子ファミリーの真のメンバーであると結論する。
E2F−1およびE2F−4のトランス活性化ドメインはポケットタンパク質相互作用表面と重なるため、これらのE2Fのトランス活性化は、ポケットタンパク質結合により抑制される。E2F−5トランス活性化に対するポケットタンパク質発現の効果を調べるために、本発明者らは、一過性トランスフェクションアッセイを用いた。E2F−1とE2F−4とは共に、それらのそれぞれのポケットタンパク質に対する効率的な結合のためにはDP−1二量体形成を必要とするため[3, 20]、本発明者らは、E2F−5およびDP−1活性化転写に対するポケットタンパク質発現の効果を測定した。E2F−5およびDP−1と共にE2F-CATレポータープラスミドでU2−OS細胞をトランスフェクションした。図5(トラック3)に示すとおり、E2F−5とDP−1との同時トランスフェクションにより、E2F-CATレポーター遺伝子が100倍以上活性化された。E2F−5刺激転写は、pRb、p107およびp130発現ベクターでの同時トランスフェクションにより、用量依存的に阻害された。無傷のポケットドメインを欠く、pRbの変異体(pRbΔ22)およびp107の変異体(p107DE)は、E2F−5トランス活性化を抑制する能力を有していなかった(図5、トラック6および9)。重要なことは、pRbおよびp107のこれらの変異形態が、成長阻害活性をも欠くことである[41]。したがって、この実験では、E2F−5の好ましい結合相手の明確な同定はできなかったが、該実験が示したところによると、ポケットタンパク質結合によりE2F−5トランス活性化が阻害され、pRbおよびp107が成長停止を起こす能力とそれらがE2F−5トランス活性化を阻害する能力との間に密接な相関が存在する。この実験で用いるU2−OS細胞がpRb−またはp107−誘導成長停止に不感受性である[41]ことを指摘しておくことは重要である。したがって、観察された、E2F−5トランス活性化に対する効果は、pRbまたはp107の非特異的細胞周期効果によるものではないらしい。
E2F−5によるポケットタンパク質結合の特異性をさらに調べるために、本発明者らは、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を行った。U2−OS細胞を、pRb、p107またはp130発現ベクターと共に又はこれらを用いることなく、DP−1およびE2F−5発現ベクターで一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションの2日後に、全細胞抽出物を、トランスフェクションされた細胞から調製し、コンセンサスE2F部位を特定する[32P]−標識オリゴヌクレオチドと共にインキュベーションした。DNA−タンパク質複合体を、ポリアクリルアミドゲル上で分離し、ラジオグラフィーにより可視化した。図6に示すとおり、E2F−5およびDP−1発現ベクターのトランスフェクションは、模擬(mock)トランスフェクション細胞では観察されなかった新規複合体の出現につながる(図6、レーン1および2を比較されたし)。p130発現ベクターの同時トランスフェクションにより、この複合体のスーパーシフト(supershift)が生じたが、p107またはpRb発現ベクターの場合にはこれは生じなかった(図6、レーン3〜5)。これらのデータは、試験したこれらの3つのタンパク質のうちで、p130がE2F−5/DP−1ヘテロ二量体に対して最も高い親和性を有することを示唆する。
生理学的条件下では、E2F−1はpRbに、E2F−4はp107にそれぞれ優先的に結合する[3, 15, 19, 24]。しかしながら、一過性トランスフェクション実験では、E2F−1およびE2F−4活性化遺伝子発現は、pRbとp107との両方により抑制されうる[3, 40]。この特異性の喪失は、おそらく、これらのタンパク質の一過性の過剰発現により生じるのであろう。網膜芽細胞腫タンパク質ファミリーの3つのメンバーのどれが、生理学的条件下でE2F−5と相互作用するかを検討するために、本発明者らは、ヒトE2F−5に対するポリクローナルウサギ抗血清を産生させた。in vitroで転写および翻訳されたE2F−1、E2F−4およびE2F−5を用いる最初の免疫沈降実験において、ポリクローナルE2F−5血清がE2F−5を特異的に認識することが示された(データは示していない)。ついで、E2F−5抗血清を逐次免疫沈降実験で使用した。CAMA乳癌細胞を、[32P]−オルトホスフェートで代謝的に標識し、非イオン性デタージェントライゼートを調製した。これらのライゼートを、pRb特異的抗体、p107抗体またはp130特異的抗血清を用いる免疫沈降法に付した。pRb、p107またはp130で共免疫沈降させたタンパク質を、SDS含有緩衝液中で煮沸することにより遊離させ、希釈し、E2F−5特異的抗血清で再免疫沈降させた。図6のパネルBに示すとおり、p130免疫沈降物からは、47kDaのタンパク質がE2F−5抗血清により特異的に再免疫沈降されたが、pRbまたはp107免疫沈降物からは再免疫沈降されなかった。この47kDaのタンパク質は、SDSポリアクリルアミドゲル上、一過性にトランスフェクションされたE2F−5と共移動する(データは示していない)。対照として、本発明者らは、pRbおよびp107免疫沈降物がそれらの各々のE2Fを含有するか否かを確認した。図6のパネルCに示すとおり、pRbは確かにE2F−1と共免疫沈降し、p107はE2F−4を沈降させた。総合すると、これらのデータからは、E2F−5がin vivoでp130と優先的に相互作用することが示される。
考察
本発明者らは、本明細書において、E2F遺伝子ファミリーの第5のメンバーの単離を報告する。E2F−5は、真のE2Fファミリーメンバーの特徴のすべてを有する。すなわち、それは、高度に保存されたDNA結合ドメイン、DP−1二量化ドメインおよびカルボキシル末端トランス活性化ドメインを有する。さらに、E2F−5は、DP−1と協同的にコンセンサスE2FDNA結合部位に結合し、E2F部位含有レポーター遺伝子の発現を活性化しうる。
謝辞
マウス胎児cDNAライブラリーおよび酵母発現ベクターを贈呈していただいたP. Chevray、酵母Y1090株を贈呈していただいたS. Elledge、Gal4-bmi酵母発現ベクターを贈呈していただいたM. Alkema、p130発現ベクターを贈呈していただいたG. Hannon、ヒト細胞系RNAを贈呈していただいたA. Bes-Gennissen、およびノーザンブロットを調製していただいたY. Ramosに感謝の意を表する。
実施例1の参照文献
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2. Beijersbergen,R.L., E.M.Hijmans, L.Zhu およびR.Bernards1994.c−MycとpRb関連タンパク質p107との相互作用によりc−Myc媒介性トランス活性化の阻害が生じる(Interaction of c-Myc with the pRb-related protein p107 results in inhibition of c-Myc-mediated transactivation). Embo J. 13:4080-4086.
3.Beijersbergen,R.L., R.Kerkhoven, L.Zhu, L.Carlee, P.M.Voorhoeve およびR.Bernards. 1994. E2F遺伝子ファミリーの新規メンバーであるE2F−4は、発癌活性を有し、in vivoでp107と結合する(E2F-4, a new member of the E2F gene family, has oncogenic activity and associates with p107 in vivo). Genes, Dev. 8:2680-2690.
4.Bernards,R., S.K.DessainおよびR.A.Weinberg. 1986. N−myc増幅は、神経芽細胞腫においてMHCクラスI抗原発現のダウンモジュレーションを起こす(N-myc amplification causes down-modulation of MHC class I antigen expression in neuroblastoma). Cell. 47:667-674.
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6.Chellappan,S.P., S.Hiebert, M.Mudryj, J.M.HorowitzおよびJ.R.Nevins 1991.E2F転写因子はpRbタンパク質の細胞標的である(The E2F transcription factor is a cellular target for the RB protein). Cell 65:1053-1061.
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実施例2
概要
転写因子DRTF1/E2Fは、それが細胞周期進行のキーとなるレギュレーター(例、網膜芽細胞腫抑制遺伝子産物および関連ポケットタンパク質、サイクリンおよびサイクリン依存性キナーゼ)と相互作用することにより、細胞増殖の制御に関与している。2つの異なるタンパク質ファミリー(DPおよびE2F)のメンバーがDP/E2Fヘテロ二量体として相互作用する場合に、DRTF1/E2FDNA結合活性が生じる。ここでは、本発明者らは、E2F−5と称される、E2Fタンパク質ファミリーの新規メンバーの単離および特徴づけを報告する。E2F−5は、マウスDP−1に対する結合能を有する分子に関して14.5d.p.c.マウス胎児ライブラリーをスクリーニングする酵母二ハイブリッドアッセイにより単離されたが、DPタンパク質ファミリーのすべての公知メンバーとも相互作用する。哺乳動物細胞抽出物に存在する一般的なDRTF1/E2FDNA結合活性(E2F部位を介して協同的DNA結合活性および転写活性化を起こす相互作用)により、E2F−5はDP−1との生理学的ヘテロ二量体として存在する。強力な転写活性化ドメインは、酵母および哺乳動物細胞の両方で機能し、E2F−5のC末端領域に存在する。pRbよりむしろpRb関連タンパク質p107の発現が、E2F−5の転写活性を不活性化する。E2F−5と該ファミリーの他のメンバーとの配列の比較から、E2F−5は、E2F−1、−2および−3よりも、E2F−4に対する類似度が大きいことが示される。E2F−5とE2F−4との構造的および機能的類似性は、E2Fタンパク質のサブファミリーを定義づけるものである。
緒言
細胞転写因子DRTF1/E2Fは、細胞周期進行と同調した転写に関与していることを示す証拠がかなり存在する。例えば、DRTF1/E2Fは、主要な標的の1つであり、それを介して、網膜芽細胞腫癌抑制遺伝子産物(pRb)が、細胞増殖に対するその負の効果を奏すると考えられる(La Thangue, 1994)。したがって、DRTF1/E2Fの転写活性および標的遺伝子[その多くは、細胞周期進行に必要なタンパク質をコードしている(Nevins, 1992)]の活性を調節することにより、pRbは、初期細胞周期を経る進行に影響を及ぼしうる。ヒト腫瘍細胞中に生じる、Rb中の天然の突然変異は、DRTF1/E2Fに結合しないタンパク質をコードする(Bandaraら, 1992; Heibertら, 1992; ZamanianおよびLa Thangue, 1992)が、このことは、調節解除するDRTF1/E2Fと異常細胞成長との間の相関性を強調するものである。さらに、アデノウイルスE1a、ヒトパピローマウイルスE7、SV40ラージT抗原などのウイルス性癌タンパク質の形質転換活性は、それらがpRbおよび関連タンパク質の隔離によりDRTF1/E2Fを調節解除する能力と相関しており(Nevins, 1992)、このことは、この見解をさらに支持するものである。
結果
E2F−5の単離
E2Fタンパク質ファミリーの多様性を調べるために、本発明者らは、酵母二ハイブリッドに基づく方法(FieldsおよびSong, 1989)により、新規メンバーを同定した(図8)。DP−1はE2Fファミリーメンバーの通常の生理学的反応の相手であるため(Bandaraら, 1993; Bandaraら, 1994)、本発明者らは、ベイトとしてDP−1を使用することを選択した。14.5d.p.c.マウス胎児(ChevrayおよびNathans, 1992)から調製された活性化ドメインタグ付きcDNAライブラリーを、LexA−DP−1と相互作用する能力を有するハイブリッドタンパク質に関してスクリーニングした。同定されたクローンの1つは、いくつかの基準によりLexA−DP−1と特異的に相互作用するハイブリッドタンパク質をコードしていた。該cDNA配列の部分分析は、E2Fファミリーメンバーとの広範な類似性を示し、したがって、完全タンパク質配列をコードするcDNAクローンを、F9ECcDNAライブラリーからさらに単離した。E2Fファミリーの他のメンバーとのタンパク質配列の比較により、該cDNAクローンが新規メンバーをコードしていることが示された。E2F−1、−2、−3および−4として既に単離されているE2Fタンパク質に採用されている名称に従い、本発明者らは、このクローンをE2F−5と称する。
DPファミリーメンバーがE2Fファミリーメンバーと相互作用する場合に、一般的なDRTF1/E2FDNA結合活性が生じる(La Thangue, 1994)。DP−1およびE2F−1では、該相互作用により協同的転写活性化、DNA結合、およびpRbとの相互作用が生じる(Bandaraら, 1993; Helinら, 1993; Krekら, 1993)。したがって、本発明者らは、E2F−5がDPファミリーメンバーと協同作用しうるか否かの判定に関心があった。
酵母および哺乳動物細胞の両方で、E2F−5の転写活性化能を評価した。酵母で転写活性をアッセイするために、E2F−5のC末端領域(残基198〜335)をLexAに融合し、LexA結合部位により駆動されるレポーター構築物の活性を評価した(図11a)。pLEX.E2F-5の存在下では、該ベクター単独で発現させた場合よりも、該レポーターの活性がかなり大きかったので(図11b)、E2F−5タンパク質は強力なトランス活性化ドメインを含有する。同様に、LexA E2F-1は、転写活性化能を有していた(図11b)。したがって、E2F−5は、酵母において転写を効率的に活性化する。
E2F−5が、哺乳動物細胞から調製された抽出物中に限定される一般的なDRTF1/E2FDNA結合活性の生理学的DNA結合成分であるか否かを判定するために、異なるペプチド配列に対する2つの異なる抗E2F−5ペプチド血清(共に、GST−E2F−5融合タンパク質と特異的に反応する抗血清である)を調製した(データは示していない)。
E2F−5のDNA結合特性を調べるために、本発明者らは、E2F−5をGST融合タンパク質として発現させ精製した。E2F−1は、単独でアッセイした場合には、有意なDNA結合活性を有していたが(図14、トラック1〜4を比較されたし)、既に得られている結果(Bandaraら,1993)と一致して、GST−DP−1は、E2F部位に対する結合においてGST−E2F−1と協同作用した。これに対して、E2F−5は単独では、DNA結合活性はほとんど検出できなかった(図14、トラック5〜7)。しかしながら、E2F−5とDP−1との間の協同作用は、E2F−1とDP−1との間のものよりも相当大きかった(図13、トラック8〜10)。したがって、E2F−5とDP−1とはDNA結合活性について協同作用する。
本発明者らは、種々の細胞系でE2F−5RNAのレベルを測定し、さらに、E2F−5レベルとE2Fファミリーの他のメンバーとを比較することに関心があった。このために、種々の白血病細胞系およびF9EC細胞の非同時培養物からRNAを調製し、ノーザンブロッティングによりE2F−5RNAのレベルを評価した。E2F−5RNAの量は、細胞系によってかなり異なっていた。F9EC細胞およびいくつかの白血病細胞系、例えばDAUDIおよびRAGIは、高レベルで発現した(図15、トラック1、7および8)。これに対して、HL60およびTF1は、低レベルのE2F−5RNAを含有していた(図15、トラック4および6)。E2F−5RNAレベルのこのプロフィールは、E2F−1のレベルとかなり異なっていた。例えば、K562、HL60およびTF1細胞には、E2F−5と比べて、有意なレベルのE2F−1RNAが存在していた(図15、トラック3、4および6)。EL4細胞では、明らかにこの逆であり、E2F−5レベルが高く、E2F−1が低かった(図15、トラック10)。E2F−5RNAレベルは細胞型に影響され、E2F−5とE2F−1との間のRNAレベルには相関性がほとんどないと、本発明者らは結論する。
考察
E2F−5およびE2F−4は、E2Fタンパク質のサブファミリーである
本発明者らは、E2Fタンパク質ファミリーの第5のメンバーであるE2F−5の単離および特徴づけを報告する。潜在的ロイシンジップ、マークトボックス(marked box)およびポケットタンパク質結合領域などの、E2F−5中のドメインの多くは、E2Fファミリーの他のメンバーと保存されているが、DNA結合ドメインの外のN末端配列が欠けていることは、E2F−4と同様の構造的構成を示すものである(Beijersbergenら, 1994; Ginsbergら, 1994)。E2Fファミリーの残りのメンバー、すなわちE2F−1、−2および−3は、伸長したN−末端を有し、その内部に、サイクリンAと相互作用する能力を有するドメインが存在する(Krekら, 1994)。このドメインの役割は、サイクリンA/cdk2キナーゼをDP−1/E2Fヘテロ二量体へリクルートすることであり、ついでそれは、DP−1のリン酸化を引き起こし、その機能的影響は、DP−1/E2Fヘテロ二量体のDNA結合活性の減少であると示唆されている(Krekら, 1994)。そのような機構は、細胞周期進行のより後期におけるE2F部位依存性遺伝子の転写活性の調節に重要かもしれない。E2F−5(およびE2F−4)中にサイクリンA結合ドメインが存在しないことは、E2F−5/DP−1ヘテロ二量体のDNA結合活性が、他の機構によりダウンレギュレーションされうることを示唆する。確かに、これが達成される可能なシナリオは、p107および/またはp130タンパク質によるものであろう。なぜなら、これらのタンパク質のスペーサー領域は、サイクリンA/cdk2複合体またはサイクリンE/cdk2複合体のいずれかに結合しうるからである(Leesら, 1993; Cobrinikら, 1993; Hannonら, 1993; Liら, 1993)。これらのポケットタンパク質が、サイクリンA結合E2Fファミリーメンバーの役割を代替し、サイクリン/cdk複合体をDP/E2Fヘテロ二量体へリクルートしている可能性がある。
DNA結合および転写活性において、E2F−5はDP−1と協同作用する。この点で、E2F−5は、E2Fファミリーの他のメンバーと同様の性質を有する。しかしながら、注目すべき興味深いことは、E2F−5とDP−1との間の協同作用が、例えば同等の実験条件でE2F−1とDP−1との間で観察される協同作用よりも、かなり大きいことである(例えば、図14を参照されたし)。このアッセイが細胞内の機能的特性を反映するのであれば、過剰のDP−1が存在する細胞内環境では、E2F−5およびE2F−1が同等に増加した場合、E2F−5/DP−1DNA結合活性レベルの方が比較的大きくなると考えられる。さらに、特定のE2F/DPヘテロ二量体にとって好ましい標的遺伝子があれば、DNA結合活性のこれらの相違は、転写活性の相違を反映するかもしれない。
材料および方法
酵母株、培地および方法
この研究で使用したサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株は、以下のとおりであった:W3031a(Mata ade2-100trp1-1 leu2-3, 112 his3-11 ura3); CTY10-5d(Matα ade2 trp1-901 leu2-3, 112 his3-200 gal4 gal80 URA3::lexAop-lacZ)およびPCY2(Matαgal14 gal80 URA3::GAL1-lacZ lys2-801 his3-200 trp1-63 leu2 ade2-101 )およびJZ1(Joossら, 1994; Matα lys2-801 ade2-10 leu2Δ1 trpΔ63 his3Δ200 URA3::lexAop-CYC1-lacZ)。酵母株をYPDまたはYNB培地中で増殖させ、酢酸リチウム法の改変法により形質転換した。コロニー着色β−ガラクトシダーゼ活性アッセイ(colony colourβ-galactosidase activity assay)を通常の方法で行った。少なくとも3つの別個の形質転換体について、中期対数期培養物中、個々の形質転換体のβ−ガラクトシダーゼ活性を定量した。
pPC67は、GAL4タンパク質のトランス活性化ドメインをコードする酵母配列の下流と融合した14.5d.p.c.のCD−1マウス胎児オリゴdTプライミングcDNAライブラリーである(GAD; ChevrayおよびNathans, 1992)。特異的にクローニングしたポリdTプライミングcDNAのλZapII F9ECライブラリーから、完全なcDNAクローンを単離した(Scholerら, 1990)。
40μg pPC67ライブラリーDNAを、40μg pLEX(HIS).DP-1と共にCTY10-5d中に同時形質転換した。選択寒天プレート上で成長している約400,000の形質転換体を、in situ濾紙β−ガラクトシダーゼアッセイによりスクリーニングした。該ライブラリープラスミドをレスキュー(rescue)するために、青色のコロニーを単離し、ヒスチジンの存在下で選択液体培地中で飽和するまで成長させ、pLEX(HIS).DP-1をキュアリングした。選択最少寒天上にレプリカプレーティングした後、β−ガラクトシダーゼについてアッセイした場合に青色を与えないTrp+His-コロニーからのプラスミドDNAを、E. coli HW87中にエレクトロポレーションした。プラスミドを回収し、pLEX(HIS).DP-1または対照プラスミド(pLEX(HIS))のいずれかでCTY10-5d中に再度形質転換した。pLEX(HIS).DP-1が存在する場合にのみ青色コロニーを与えるTrp+表現型を付与するプラスミドを、さらなる分析のために選択した。完全長cDNAを得るために、該挿入物を切り出し、放射能標識し、これを用いて、λZapII F9ECライブラリーからの約105のプラークをスクリーニングし、それから完全長E2F−5cDNAを単離し、pBluescript中にレスキューした。
既に記載されている通常のリン酸カルシウム沈殿法により(ZamanianおよびLa Thangue, 1992)、トランスフェクションおよびアッセイを行った。内部対照としてのpCMV-βgalに由来するβ−ガラクトシダーゼ活性を、既に記載されているとおりに測定した(ZamanianおよびLa Thangue, 1992)。
E2F−5に由来する2つの異なるペプチド配列に対して産生させたウサギ抗血清(抗−E2F−5(1)、抗−E2F−5(2)と称する)を調製し、F9EC細胞抽出物中のDRTF1/E2FDNA結合活性に対する効果を評価した[既に記載されているとおりに行った(Girlingら,1993)]。E2F結合部位は、アデノウイルスE2aプロモーターから取った(La Thangueら, 1990)。相同性(+)または無関係な(−)ペプチドのいずれかを該DNA結合アッセイへ加えて、既に記載されているとおりに(Girlingら, 1993)特異性を評価した。DP−1のC末端配列由来のペプチドに対して、抗DP−1(24)抗血清を産生させた。GST融合タンパク質を用いて行うDNA結合アッセイは、既に記載されているとおりである(Bandaraら, 1993; 1994)。通常の方法により、GST−DP−1、−E2F−1(Bandaraら, 1993)および−E2F−5(アミノ酸残基2〜335)を発現させ精製した。
通常の方法により、示されている細胞系から調製したRNA上で、RNAレベルのノーザン分析を行った。E2F−5プローブは、3'非翻訳領域中に伸長する840のヌクレオチドを含有していた。E2F−1プローブは、PCRにより調製された遺伝子の完全コーディング配列を含有していた。GAPDH用のプローブは、内部対照として使用した。
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Claims (9)
- (a) 配列番号2または配列番号4で表される配列からなるタンパク質、
(b)配列番号2または配列番号4で表される配列において、1個のアミノ酸が付加、欠失または置換された(a)に記載のタンパク質の突然変異体、
(c)(a)のタンパク質に対して少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、哺乳類転写因子として機能し得るタンパク質、または
(d)DPタンパク質、p107またはp130と複合体を形成する能力を有する、少なくとも30アミノ酸の(a)から(c)のいずれか1つの断片、
を含んでなるポリペプチド。 - (a)配列番号1または配列番号3で表されるヌクレオチドの配列、
(b)(a)に相補的な配列、
(c)請求項1に記載のポリペプチドをコードする配列、または
(d)少なくとも25ヌクレオチド長の(a)から(c)のいずれかの配列の断片、
を含んでなるポリヌクレオチド。 - 請求項2に記載のポリヌクレオチドおよびその相補的配列を含んでなる二本鎖ポリヌクレオチド。
- 検出可能な標識を有する、請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項2または3に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項3または4に記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
- 請求項1に記載のポリペプチドをコードするコーディング配列を含んでなる複製可能な組換えベクターである、請求項5に記載のベクター。
- 請求項5に記載のベクターを含んでなる宿主細胞または請求項6に記載の組換えベクターにより形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞。
- 請求項5に記載の組換えベクターにより形質転換された宿主細胞であって、コーディング配列が、該宿主細胞による該コーディング配列の発現を可能にする能力を有する制御配列に機能を発揮できるように結合していることを特徴とする前記宿主細胞。
- 組換えベクターのコーディング配列の発現を可能にする条件下で請求項7または8に記載の宿主細胞を培養し、発現されたポリペプチドを回収することを含んでなる、請求項1に記載のポリペプチドの製造法。
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