JP2006340126A - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子ファインダ使用時と撮像時のいずれにおいてもピントのずれが問題とならず、かつ電子ファインダ使用状態から撮像を行う場合のタイムラグを短くする。
【解決手段】 撮像装置は、撮像素子からの信号に基づいて生成された画像を表示する表示手段107と、撮影レンズからの光束を用いて焦点状態を検出する焦点検出手段121と、撮影光路内に配置された第1の状態と該光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能な光路分割手段111,122とを有する。第1の状態では、光路分割手段は、撮影レンズからの光束のうち一部を透過して撮像素子に向かわせ、他を反射して焦点検出手段に向かわせる。第1の状態において、第2の状態となったときに光束の結像位置が撮像素子の受光面に略一致するようにフォーカス制御を行う。さらに、撮像素子上に形成される物体像に対する表示手段に表示される物体像の倍率を、人の目の分解能に基づいて設定された所定値より小さい値とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像素子により撮像された物体像をモニタで観察しながら撮像を行うことができる撮像装置およびその制御方法に関するものである。
一眼レフデジタルカメラ等の撮像装置では、撮影レンズからの光束のうち一部をハーフミラーにより構成されるメインミラー(光路分割系)によって反射してファインダ光学系に導くことにより、被写体(物体)の光学的な観察を可能とする。また、ハーフミラーを透過した光束は、ハーフミラーの背後に配置されたサブミラーによって反射され、焦点検出ユニットに導かれる。焦点検出ユニットは、位相差検出方式等の焦点検出方式を用いて撮影レンズの焦点状態を検出し、該検出結果に基づいてフォーカスレンズを合焦位置に駆動するオートフォーカス(AF)が行われる。
さらに、ファインダ光学系による物体観察に加えて又はこれに代えて、ハーフミラーを透過した光を撮像素子に導いて電子ファインダによる物体像の表示を行うとともに、該ハーフミラーで反射した光を焦点検出ユニットに導いてAFを行うカメラも提案されている(特許文献1,2参照)。そして、これらのカメラでは、特に高精細な記録用静止画像の撮像を行う際には、上記ハーフミラーを撮影光路外に退避させる。
ここで、電子ファインダによる物体像の表示時(以下、電子ファインダ使用時という)には、ハーフミラーが撮影光路内に挿入されているため、ハーフミラーが撮影光路から退避した状態に対してハーフミラーの厚みに対応した分、撮像素子までの光路長が変わる。このため、ハーフミラーの挿入時(電子ファインダ使用時)において焦点検出結果に基づいてオートフォーカスを行っても、撮像素子上にピントが合わない場合がある。つまり、電子ファインダにぼけた画像が表示されてしまうおそれがある。
そこで、特許文献1,2にて開示されている撮像装置では、電子ファインダ使用時において、焦点検出結果をハーフミラーの挿入による光路長の変化に対応する量補正し、撮像素子上にピントが合うようにしている。
特開2002−6208号公報(段落0050、図6等) 特開2004−264832号公報(段落00119〜0123、図8等)
しかしながら、上記特許文献1,2にて開示された撮像装置のように、電子ファインダ使用時に撮像素子上にピントが合うようにオートフォーカスを行うと、逆にハーフミラーが撮影光路から退避した撮像時において撮像素子上にピントが合わなくなる。このため、該撮像時には、再びハーフミラーの退避による光路長の変化に応じたピント補正を行う必要がある。
ピント補正は、撮影レンズのフォーカシングレンズを駆動して行うが、特に広角系の撮影レンズのようにフォーカシングレンズの移動量に対するピント状態の変化が小さい撮影レンズにおいては、該ピント補正のためのフォーカシングレンズの駆動量が大きくなる。この場合、電子ファインダ使用状態から撮像動作が可能となるまでに非常に時間がかかる(タイムラグが大きくなる)という問題がある。
本発明は、光路分割系が撮影光路内に配置された電子ファインダ使用時と光路分割系が撮影光路から退避した状態での撮像時のいずれにおいてもピントのずれが問題とならず、かつ電子ファインダ使用状態から撮像を行う場合のタイムラグを短くすることができるようにした撮像装置を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号に基づいて生成された画像を表示する表示手段と、撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、撮影レンズから撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と該光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、第1の状態において撮影レンズからの光束のうち一部を透過して撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、焦点検出手段の検出結果に基づいて撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有する。そして、制御手段は、第1の状態において、第2の状態となったときに撮影レンズによる光束の結像位置が撮像素子の受光面に略一致するようにフォーカス制御を行う。さらに、表示手段に表示される物体像の撮像素子上に形成される物体像に対する倍率を、人の目の分解能に基づいて設定された所定値より小さい値とすることを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての撮像装置は、撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号に対して画像処理を行い画像を生成する画像処理手段と、該生成された画像を表示する表示手段と、撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、撮影レンズから撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と該光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、第1の状態において撮影レンズからの光束のうち一部を透過して撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、該焦点検出手段の検出結果に基づいて撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有する。そして、制御手段は、第1の状態において、第2の状態となったときに撮影レンズによる光束の結像位置が撮像素子の受光面に略一致するようにフォーカス制御を行い、かつ画像処理手段は、第1の状態において前記画像におけるエッジを強調する処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、光路分割手段が光路内に配置された第1の状態において、該光路分割手段が光路外に退避した第2の状態となったときに撮像素子の受光面にピントが合うようにフォーカス制御を行うため、第1の状態から第2の状態に切り換わったときにフォーカス制御(フォーカシングレンズの駆動)を行うことなく、ピントが合った画像を撮像することができる。しかも、第1の状態では、実際には撮像素子の受光面に対するピントずれが生じるが、表示手段には、人の目には該ピントずれ(ぼけ)が認識されない又は目立たない画像が表示されるため、結果的にぼけのほとんどない画像を観察することができる。したがって、第1の状態と第2の状態のいずれにおいてもピントのずれが問題とならず、かつ第1の状態から第2の状態に切り換わって撮像を行う場合のタイムラグを短くすることができる
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図4には、本発明の実施例1である撮像装置としての一眼レフデジタルカメラの概略構成を示している。本実施例のカメラは、CCDセンサ又はCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)を用いた単板式のデジタルカラーカメラであり、撮像素子を連続的又は単発的に駆動して動画像又は静止画像を得る。ここで、撮像素子は、その受光面で受光した光を画素毎に電気信号に変換する機能を有し、各画素に受光量に応じて蓄積された電荷を読み出すタイプのエリアセンサである。なお、「撮像」には、画像記録のために撮像素子を用いて物体(被写体)の画像を取得することと、ディスプレイに表示するため(観察するため)に撮像素子を用いて物体画像を取得することの両方の意味があるが、本実施例では、特に前者を撮像若しくは撮像動作という。
図4において、101はカメラ本体、102は結像光学系103を内蔵し、カメラ本体101に対して取り外し可能に装着される撮影レンズである。撮影レンズ102は、公知のマウント機構を介してカメラ本体101に電気的、機械的に接続される。また、焦点距離の異なる撮影レンズをカメラ本体101に選択的に装着することによって、様々な画角で撮像を行うことができる。
また、撮影レンズ102は、不図示の駆動機構を有する。該駆動機構を介して結像光学系103の一部の要素であるフォーカシングレンズ103bを光軸L1の方向に移動させることにより、物体に対するピント合わせを行うことができる。なお、フォーカシングレンズを柔軟性のある透明弾性部材や液体レンズで構成し、界面形状を変化させて屈折力を変えることで、物体に対するピント合わせを行うようにしてもよい。
106はパッケージ124に収納された撮像素子である。結像光学系103から撮像素子106に至る光路(以下、撮影光路という)中には、撮像素子106に物体像の必要以上に高い空間周波数成分が到達しないように、所定域の周波数成分のみを通過させる光学ローパスフィルタ156が設けられている。また、パッケージ124には、赤外線をカットする赤外カットフィルタも設けられている。
撮像素子106から読み出された電荷蓄積信号に対して、画像処理回路139は各種の画像処理を行い、画像信号を生成する。この生成された画像信号は、ディスプレイ107上に画像として表示される。ディスプレイ107は、カメラ本体101の背面に取り付けられており、撮影者はこのディスプレイ107を通じて、物体像を観察できる。なお、ディスプレイ107は、有機EL空間変調素子や液晶空間変調素子、微粒子の電気泳動を利用した空間変調素子など、消費電力が小さく、薄型の素子で構成するとよい。
本実施例では、特に撮像素子106として、増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(CMOSセンサ)を用いる。CMOSセンサは、エリアセンサ部のMOSトランジスタと、撮像素子駆動回路、AD変換回路および画像処理回路といった周辺回路とを同一工程で形成できるため、マスク枚数、プロセス工程がCCDセンサと比較して大幅に削減できるという特徴を有する。また、CMOSセンサは、任意の画素へのランダムアクセスが可能であるという特徴も有し、ディスプレイ用に間引いた読み出しが容易である。撮像素子106のこれらの特徴を利用して、本実施例では、高い表示レートでのリアルタイム動画表示と高精細静止画像の表示とを行う。
111は撮影光路の内外に回動可能であるとともに、撮影光路内で回動してその姿勢を変更することができるハーフミラーとしてのメインミラーである。105は物体像の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーン、112はペンタプリズムである。109は光学ファインダ像を観察するためのレンズであり、実際には3つのレンズ(図1に示す109−1、109−2、109−3を付したレンズ)で構成されている。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112およびレンズ109は、ファインダ光学系を構成する。また、メインミラー111を構成する材料の屈折率は、およそ1.5であり、メインミラー111の厚さは0.5mmである。
122はメインミラー111の背後に回動可能に設けられたサブミラーである。これらメインミラー111およびサブミラー122は、図1から図3に示すように、後述する3つの光路状態に切り換え可能な光路分割系を構成する。
まず、図2に示す第1の光路状態(第3の状態)では、メインミラー111およびサブミラー122が撮影光路内に配置される。そして、メインミラー111は、結像光学系103からの光束の一部をファインダ光学系に向けて反射するとともに、他を透過させる。メインミラー111を透過した光束は、サブミラー122で反射して後述する焦点検出ユニット121に導かれる。これにより、ファインダ光学系による物体像の観察と、焦点検出ユニット122による検出結果に基づくオートフォーカスが可能となる。焦点検出ユニット122は、位相差検出方式によって結像光学系103の焦点状態を検出する。
図1に示す第2の光路状態(第1の状態)では、メインミラー111が撮影光路内に配置され、サブミラー122は撮影光路外に退避する。そして、メインミラー111は、結像光学系103からの光束の一部を透過させて撮像素子106に向かわせ、他を焦点検出ユニット121に向けて反射する。これにより、ディスプレイ107による物体像のリアルタイム表示や高速連続撮像が可能となるとともに、焦点検出ユニット122による検出結果に基づくオートフォーカスが可能となる。すなわち、第2の光路状態では、ディスプレイ107による物体像の観察状態から光路分割系の駆動を伴わずに撮像を行うことができるので、信号処理系を高速化することで高速連続撮像が可能となる。また、この第2の光路状態では、ディスプレイ107に物体像を表示しながらも、位相差検出方式による高速な焦点調節を行うことが可能である。
図3に示す第3の光路状態(第2の状態)では、メインミラー111およびサブミラー122は撮影光路外に退避する。このため、結像光学系103からの光束は、撮像素子106に到達する。これにより、メインミラー111およびサブミラー122による光量落ちや色着き等がない状態での撮像が可能となる。この第3の光路状態は、大型のプリントなどに好適な高精細な静止画像を撮像するのに好適である。
これらの3つの状態を高速で切り換えるために、メインミラー111は、透明樹脂で軽量に形成されている。また、メインミラー111の裏面には、複屈折性を持つ高分子薄膜が貼り付けられており、画像のリアルタイム表示や高速連続撮像を行う際に、撮像素子106の全画素を用いずに画像を取得することに対応して、さらに強いローパス効果を付与する。
なお、メインミラー111の表面に、可視光の波長よりも小さなピッチを持つ微細な周期構造を樹脂によって形成し、いわゆるフォトニック結晶として作用させることによって、空気と樹脂との屈折率差による光の表面反射を低減し、光の利用効率を高めることも可能である。このように構成すると、第2の光路状態で、メインミラー111の裏面と表面での光の多重反射によってゴーストが発生するのを防ぐことができる。
メインミラー111とサブミラー122は、不図示の電磁モータとギア列からなるミラー駆動機構によって上記3つの光路状態に切り換えられる。
104は可動式のフラッシュユニット、113はフォーカルプレンシャッタ、119は電源を投入したり遮断したりするためのメインスイッチ、120はレリーズボタン、123はアイピースシャッタ開閉スイッチ、180はファインダ内表示ユニットである。レリーズボタン120は2段階に押し込むことができ、半押し状態でSW1がオンになることにより測光動作やAF動作が行われる。また、全押し状態でSW2がオンになることにより画像記録動作を行う。ファインダモード切換えスイッチ123は、第1の光路状態に対応するOVFモードと第2の光路状態に対応するEVFモードとを選択するためのスイッチである。
図5には、本実施例のカメラの電気的構成を示している。カメラは、光学処理系(撮像系)と、画像処理系と、記録再生系と、制御系とを有する。
光学処理系は結像光学系103および撮像素子106を含み、画像処理系はA/D変換器130および画像処理回路139(RGB画像処理回路131およびYC処理回路132)を含む。また、記録再生系は、記録処理回路133および再生処理回路134を含み、制御系は、カメラシステム制御回路135、操作検出回路136および撮像素子駆動回路137を含む。
138は外部のコンピュータ等に接続して、データの送受信をするための規格化された接続端子である。これらの電気回路は不図示の小型燃料電池によって駆動される。
光学処理系は、物体からの光を結像光学系103を介して撮像素子106の受光面、すなわち撮像面106aに結像する光学処理系であり、撮影レンズ102内に設けられた不図示の絞りを制御するとともに、必要に応じてフォーカルプレンシャッタ113を制御して、適切な光量の物体光を撮像素子106に露光する。撮像素子106は、正方画素が長辺方向に3700個、短辺方向に2800個並べられた合計約1000万個の画素を有する。各画素には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちいずれかのカラーフィルタが設けられており、1つのR画素と1つのB画素と2つのG画素の4画素が一組となった所謂ベイヤー配列が形成されている。
ベイヤー配列では、観察者が画像を見たときに強く感じやすいGの画素をRやBの画素よりも多く配置することで、総合的な画像性能を上げている。一般に、この方式の撮像素子を用いる画像処理では、輝度信号は主にGから生成し、色信号はR,G,Bから生成する。
撮像素子106から読み出された画像信号は、A/D変換器130を介して画像処理系に供給される。A/D変換器130は、各画素からの信号をその振幅に応じた、例えば10ビットのデジタル信号に変換して出力する。以降の画像処理はデジタル処理にて実行される。
画像処理系は、R,G,Bのデジタル信号から所望の形式の画像信号を得る。具体的には、R,G,Bの色信号を輝度信号Yおよび色差信号(R−Y),(B−Y)にて表わされるYC信号などに変換する。
RGB画像処理回路131は、A/D変換器130を介して撮像素子106から受けた3700×2800画素の画像信号を処理する。RGB画像処理回路131は、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路および補間演算による高解像度化を行う補間演算回路を有する。
YC処理回路132は、輝度信号Yおよび色差信号R−Y,B−Yを生成する。YC処理回路132は、高域輝度信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号YLを生成する低域輝度信号発生回路および色差信号R−Y,B−Yを生成する色差信号発生回路で構成されている。輝度信号Yは、高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合成することによって形成される。また、YC処理回路132は、第2の光路状態においては、生成された画像のうち物体の輪郭部分の色を濃くして強調するエッジ強調処理を行う。
記録再生系は、メモリへの画像信号の出力と、ディスプレイ107への画像信号の出力とを行う。記録処理回路133はメモリへの画像信号の書き込み処理および読み出し処理を行い、再生処理回路134はメモリから読み出した画像信号を再生してディスプレイ107に出力する。
また、記録処理回路133は、静止画像および動画像を表わすYC信号を所定の圧縮形式にて圧縮したり、圧縮データを読み出した際に伸張したりする圧縮伸張回路を内部に有する。圧縮伸張回路は、信号処理のためのフレームメモリなどを含み、このフレームメモリに画像処理系からのYC信号をフレーム毎に蓄積して、それぞれブロック毎に読み出して圧縮符号化する。圧縮符号化は、例えばブロック毎の画像信号を2次元直交変換、正規化およびハフマン符号化することにより行なわれる。
再生処理回路134は、輝度信号Yおよび色差信号R−Y,B−Yをマトリックス変換して、RGB信号等に変換する回路である。再生処理回路134によって変換された信号は、ディスプレイ107に出力され、可視画像が表示再生される。再生処理回路134とディスプレイ107の間はBluetoothなどの無線通信手段を介して接続されてもよい。このように構成すれば、このデジタルカメラで取得した画像を離れたところからモニタすることができる。
制御系は、メインスイッチ119、レリーズボタン120およびファインダモード切換えスイッチ123等の操作を検出する操作検出回路136と、その検出信号に応答してメインミラー111やサブミラー122を含む各部を制御するカメラシステム制御回路135とを有する。カメラシステム制御回路135は、撮像素子10における電荷蓄積の開始および蓄積された電荷の読み出しのためのタイミング信号も生成する。カメラシステム制御回路135は、撮像素子106を駆動する駆動信号を生成する撮像素子駆動回路137と、光学ファインダ内に情報表示を行うファインダ内表示ユニット180を制御する情報表示回路142とを制御する。
制御系は、外部操作に応じて光学処理系、画像処理系および記録再生系を制御する。例えば、レリーズボタン120に連動するSW2の状態を検出して、撮像素子106の駆動、RGB画像処理回路131の動作、記録処理回路133の圧縮処理などを制御し、さらに情報表示回路142によってファインダ内表示ユニット180の各セグメントの点灯を制御する。
次に、焦点調節に関わる構成について説明する。カメラシステム制御回路135には、AF制御回路140とレンズシステム制御回路141が接続されている。これらはカメラシステム制御回路135を中心にして各々の処理に必要とするデータを相互に通信している。
AF制御回路140は、撮影画面上の所定の1又は複数の位置に設けられた焦点検出領域に対応する焦点検出センサ167からの出力信号を得てる。そして、この出力信号に基づいて、結像光学系103の結像状態を示す焦点検出信号を生成する。デフォーカスが検出されると、これを結像光学系103の一部の要素であるフォーカシングレンズ103bの駆動量に変換し、該駆動量を表す信号をカメラシステム制御回路135を介してレンズシステム制御回路141に送信する。
また、移動する物体に対しては、レリーズボタン120が押されてから実際の撮像動作が開始されるまでのタイムラグを見込んだ位置へのフォーカシングレンズ103bの駆動量を指示する。また、物体の輝度が低く、十分な焦点検出精度が得られないと判定されるときには、フラッシュユニット104又は不図示の白色LEDや蛍光管を発光させて物体を照明する。
レンズシステム制御回路141は、フォーカシングレンズ103bの駆動量を受信すると、撮影レンズ102内の不図示の駆動機構によってフォーカシングレンズ103bを光軸L1の方向に駆動する。これにより物体に対してピントを合わせる。
また、レンズシステム制御回路141は、撮影レンズ102と相互通信することで、撮影レンズ102の各種レンズ情報を取得する。例えば、開放F値、最小F値、レンズの瞳位置情報、射出窓情報、撮像用光束の焦点位置(結像位置)と焦点検出用光束の焦点位置とを補正する補正値など、撮像装置101が必要とする様々なレンズ情報が送られる。該レンズ情報はカメラシステム制御回路135に送られ、焦点検出や測光の補正をする際に用いられる。
AF制御回路140によって、物体にピントが合ったことが検出されると、この情報はカメラシステム制御回路135に伝えられる。このとき、レリーズボタン120が押されてSW2がオン状態になると、前述したように、光学処理系、画像処理系および記録再生系による撮像動作が実行される。
図1から図3には、本発明の実施例におけるミラー駆動機構の構成を示している。まず、図2を用いて該ミラー駆動機構の構成を説明する。図2は、メインミラー111とサブミラー122とにより構成される光路分割系が第1の光路状態にある。この図において、図4に示した構成要素と同一の構成要素には、図4と同符号を付している。
図中、103aは結像光学系103を構成する複数のレンズのうち最も像側に位置するレンズである。また、126は撮影レンズ102が装着されるレンズマウントである。ミラー駆動機構は、カメラ本体101に固定されたミラーボックス179により保持されている。レンズマウント126はこのミラーボックス179の前端部に固定されている。
メインミラー111は、不図示のメインミラー受け板に保持されている。このメインミラー受け板における図4の紙面の奥行き方向両側にはピン173が設けられており、また、奥側にはピン174が設けられている。
170はメインミラー駆動レバー、171はメインミラー支持アームである。メインミラー駆動レバー170はミラーボックス179により保持された軸170aを中心に回動する。また、メインミラー支持アーム171は、ミラーボックス179により保持された軸171aを中心に回動する。
メインミラー支持アーム171は、図の紙面の奥行き方向において光軸L1に対して略対称形状を有する。接続部171bは、メインミラー支持アーム171の奥行き方向両側の部分を接続している。
メインミラー111およびメインミラー受け板の両側に設けられたピン173は、メインミラー支持アーム171の先端に設けられた貫通孔部171cに回動可能に嵌合している。これにより、メインミラー111は、ピン173を中心として回動可能となっている。メインミラー受け板におけるピン173とピン174との中間位置には、不図示のトーションバネによって矢印A方向の付勢力が付与されている。これにより、メインミラー111は、第2の光路状態に切り換わる方向に付勢される。
第1の光路状態においては、ミラーストッパー160,161がメインミラー111の移動軌跡内に挿入されている。また、ピン173とメインミラー駆動レバー170の第1カム面170bとの間およびピン174とメインミラー駆動レバー170の第2カム面170cとの間にはそれぞれ若干の隙間がある。メインミラー111は、ミラーストッパー160とミラーストッパー161に当接して、撮影光路内の所定位置に位置決めされる。このとき、メインミラー111は、ファインダ光学系が設けられたカメラ本体上側を向いた姿勢となる。
また、サブミラー122は、軸125回りでの回動が制御されて、メインミラー111からの透過光を反射するために、メインミラー111の背後における撮影光路内の所定位置に位置決めされる。
結像光学系103から射出してメインミラー111で反射した光束は、ファインダ光学系に導かれ、メインミラー111を透過した光束はサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。
なお、ミラーストッパー160,161が退避した状態や、メインミラー駆動レバー170が時計回り方向に回動した状態では、不図示のトーションバネによる矢印A方向の付勢力により、ピン173はメインミラー駆動レバー170の第1カム面170bに当接し、ピン174はメインミラー駆動レバー170の第2カム面170cに当接する。この結果、メインミラー駆動レバー170の回動した位置に応じて、第1のカム面170bと第2のカム面170cに沿ってピン173,174がそれぞれ摺動し、メインミラー111の姿勢(回動位置)が変化する。すなわち、メインミラー駆動レバー170の回動に従ってメインミラー支持アーム171が回動し、さらに両者によってピン173とピン174が拘束されている不図示のメインミラー受け板とメインミラー111とが一体的に従動する。これにより、図1に示す第2の光路状態と図3に示す第3の光路状態に切り換わる。
図1の第2の光路状態においては、前述したように、メインミラー111が撮影光路内に配置され、サブミラー122は撮影光路外に退避する。但し、メインミラー111は、焦点検出ユニット121が配置されたカメラ本体下側を向いた姿勢となる。そして、結像光学系103から射出してメインミラー111を透過した光束は撮像素子106に向かい、メインミラー111で反射した光束は焦点検出ユニット121に導かれる。
また、図3に示す第3の光路状態においては、メインミラー111およびサブミラー122は撮影光路よりも上方に退避する。このため、結像光学系103から射出した光束は、そのまま撮像素子106に到達する。
次に、焦点検出ユニット121について説明する。図1から図3において、164はコンデンサーレンズ、165は反射ミラー、166は再結像レンズ、167は焦点検出用センサである。
結像光学系103から射出して、サブミラー122(第1の光路状態)又はメインミラー111(第2の光路状態)で反射した光束は、ミラーボックスの下部に設けられたコンデンサーレンズ164に入射した後、反射ミラー165で反射されて、再結像レンズ166によって焦点検出用センサ167上に物体の2次像を形成する。
焦点検出用センサ167には、少なくとも2つの画素列が備えられており、該2つの画素列からそれぞれ出力された信号の波形は、結像光学系103によって形成された物体像の結像位置、つまりは結像光学系103の物体に対する焦点状態に応じて相対的にシフトする。いわゆる前ピン状態および後ピン状態では該出力信号の波形のシフト方向が逆になる。したがって、相関演算などの手法を用いてこのシフト量である位相差を、方向を含めて検出することにより、合焦を得るためのフォーカシングレンズ103bの駆動すべき量と方向を求めることができる。これが位相差検出方法である。
一般に、焦点検出には、絞り開放状態で入射する全光束のうちの一部を使用する。すなわち、焦点検出には、暗いFナンバーの光束が用いられる。また、機構の誤差を考慮すると、撮像素子106の位置と焦点検出用センサ167の位置とが厳密には光学的に共役とはいえない。この結果、物体像にピントが合った状態であっても、僅かな初期位相差Δが存在する。この初期位相差Δの存在自体は、これを2像の相関演算で検出された位相差から差し引けば、真の位相差を知ることができるので、通常は問題とはならない。
しかし、第1の光路状態でのサブミラー122の反射面の位置と、第2の光路状態でのメインミラー111の反射面の位置とが機構精度上完全には一致しないという問題はある。通常の部品加工精度では、およそ30μm程度は反射面の位置がその法線方向にずれる可能性があり、この量を小さくしようとすると、部品加工のためのコストが極めて高くなる。そこで、第1の光路状態と第2の光路状態とで初期位相差Δをそれぞれ設定し、光路分割系の状態に応じて焦点検出結果に対する補正量を異ならせる。これにより、何れの場合でも良好な精度で焦点検出を行うことが可能である。
このように、先ず初期位相差の考え方を使って、一組の信号の同一性を判定することで合焦検出を行うことができる。さらに、相関演算を用いた公知の手法、例えば特公平5−88445号公報に開示されている手法を用いて位相差を検出することにより、デフォーカス量を求めることができる。得られたデフォーカス量を結像光学系103のフォーカシングレンズ103bを駆動すべき量に換算すれば、自動焦点調節が可能である。以上のような位相差検出方式によるオートフォーカスでは、フォーカシングレンズを駆動すべき量と方向があらかじめ分かるので、多くの場合、合焦位置までのレンズ駆動は1回で済み、極めて高速に合焦状態を得ることができる。
次に、図2を用いて、第1の光路状態での光束の結像位置について説明する。結像光学系103から射出した物体からの光束(以下、物体光束という)L2のうち一部の光束はメインミラー111で反射してファインダ光学系に導かれ、メインミラー111を透過した光束はメインミラー111の背後に配置されたサブミラー122を介して焦点検出ユニット121に導かれる。
フォーカシングスクリーン105のマット面と、第3の光路状態での撮像素子106の撮像面106aは光学的に略等価な位置に配置されている。
このため物体光束L2がフォーカシングスクリーン105のマット面に結像する場合には、第3の光路状態に移行したときには物体光束L2は撮像素子106の撮像面106a上に結像する。そして、撮影者がレリーズボタン120を押してSW1をオン状態としたときには、第3の光路状態での物体光束L2の結像位置が撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致するようにAF動作を行う。ここにいう「略一致」とは、完全な一致又は実際上一致しているとみなしても差し支えない範囲での不一致を含む意味である。このことは、以下においても同じである。
これにより、物体光束L2は、第1の光路状態においてフォーカシングスクリーン105のマット面にも結像するため、撮影者はピントの合った物体像をファインダ光学系を通して観察することができる。
次に、図1を用いて、第2の光路状態での光束の結像位置について説明する。結像光学系103から射出した物体光束L2のうち一部はメインミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれ、メインミラー111を透過した光束は撮像素子106に到達する。メインミラー111の反射面は、第1の光路状態でのサブミラー122の反射面と略等価な位置に配置される。このため、結像光学系103の焦点状態が同じならば、第1の光路状態と第2の光路状態とでは、焦点検出ユニット121で得られる焦点検出結果は一致する。
撮影者がレリーズボタン120をSW1がオンになるまで押し込んだときには、図1中に拡大して示すように、第3の光路状態において物体光束L2の結像位置L2aが撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致するようにAF動作を行う。これにより、第2の光路状態では、メインミラー111の厚みに相当する光路長分、物体光束L2の結像位置L2aは撮像素子106の撮像面106aよりも後方となる。
ここで、メインミラー111の厚みtを0.5mm、メインミラー111の材料の屈折率dを1.5とした場合、メインミラー111を透過した物体光束L2の結像位置L2aの移動量Z1は以下の通りとなる。
Z1=t×(d−1)/d …(1)
=0.5×(1.5−1)/1.5
=0.17 mm
つまり、第2の光路状態では、撮像素子106の撮像面106aに対して移動量Z1=0.17mmだけ後ピン状態になっている。
図13および図14を用いて、従来のピント補正方法について説明する。図13は、従来のピント補正方法を採用したカメラにおける第2の光路状態を示している。本来、第2の光路状態では、光路中にメインミラー111が存在するため、物体光束L2の結像位置は、メインミラー111を透過しない場合と比べて移動量Z1だけ後方に移動する。このため、従来では、図13中に拡大して示すように、メインミラー111を透過した物体光束L2の結像位置L2aが撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致するように、焦点検出ユニット121による焦点検出結果を補正し、該補正後の焦点検出結果に基づいてフォーカシングレンズを駆動していた。このため、第2の光路状態においても、ピントの合った物体像をディスプレイ107で観察することができた。
図14は、図13の第2の光路状態から第3の光路状態に移行した直後の様子を示している。この状態では、メインミラー111が撮影光路から退避するため、メインミラー111の厚みに相当する光路長分(移動量Z1)、物体光束L2の結像位置L2aは撮像面106aの位置から前方に移動する。このため、従来の撮像装置では、第2の光路状態から第3の光路状態に移行したときに、フォーカシングレンズを駆動して、移動量Z1だけ物体光束L2の結像位置L2aを後方に移動させて該結像位置L2aを撮像面106aの位置に略一致させる必要がある。
ここで、撮影レンズ102は交換式であり、カメラ本体101には様々な焦点距離の撮影レンズが取り付けられる。焦点距離の長い望遠系の撮影レンズの場合には、フォーカシングレンズを至近端から無限端まで動かしたときの光軸L1方向のピント変化量(デフォーカス量)が10mm以上になるものが多い。このため、Z1=0.17mmのデフォーカス量を得るためのフォーカシングレンズの移動量はそれほど大きくはならない。フォーカシングレンズの移動量が小さければ、その駆動に要する時間も短くて済むため、レリーズタイムラグに与える影響は小さい。
しかし、焦点距離の短い広角系の撮影レンズの場合には、フォーカシングレンズを至近端から無限端まで動かしたときの光軸L1方向のピント変化量(デフォーカス量)は小さく、1mm程度のものも存在する。この場合、Z1=0.17mmのデフォーカス量を得るためのフォーカシングレンズの移動量が大きくなってしまう。フォーカシングレンズの移動量が大きいと、その駆動に要する時間も長くなる。そして、第3の光路状態に完全に移行しているにもかかわらず、フォーカシングレンズの駆動が完了していないためにレリーズができない事態が生じ、レリーズタイムラグの増大につながる。レリーズタイムラグの増大によって、撮影者がレリーズボタン120を押し込んでSW2がオン状態になっても、なかなか撮像動作が行われず、撮像したいシーンを撮り逃してしまうおそれがある。
そこで、本実施例では、図1に示すように、第2の光路状態においては、メインミラー111の存在によって物体光束L2の結像位置L2aが撮像面106aに対して移動量Z1後方に移動している状態を維持する。これにより、第2の光路状態から第3の光路状態に移行した直後では、物体光束L2の結像位置L2aは撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致する。このため、第3の光路状態に移行した直後に、フォーカシングレンズを駆動する必要がなくなる。したがって、フォーカシングレンズの駆動時間によって撮像動作が制限されることが回避できる。つまり、レリーズタイムラグを短縮することができる。
但し、第2の光路状態において物体光束L2の結像位置L2aが撮像面106aに対して移動量Z1後方に移動した状態となっていては、ディスプレイ107を観察している撮影者にピントがぼけた画像を見せてしまうおそれがある。
そこで、図6〜図8を用いて、移動量Z1だけ後ピン状態でも、ディスプレイ107を観察している撮影者にピントのぼけを認識させないための方法について説明する。図6には、撮像素子106の撮像面106aに物体光束L2が入射する様子を示している。
上述したように、第2の光路状態では、移動量Z1だけ後ピン状態になっている。このため、結像光学系103のF値に応じたぼけが発生する。物体光束L2の集光角度をθ1、結像位置の移動量Z1により発生するぼけ円の直径をφD1とする。本実施例は、レンズ交換式の一眼レフカメラを想定しているため、様々なF値の撮影レンズが取り付けられる可能性がある。同じ量のデフォーカスが発生した場合、最も大きなぼけが発生するのは、F値が最も小さい撮影レンズを取り付けた場合である。そこで、ここでは最もぼけが大きく発生する条件として、F値=1.0を想定する。結像光学系のF値が1.0の場合、tanθ1は以下のようになる。
tanθ1=1/2 …(2)
これに対し、結像位置の移動量Z1によって発生するぼけ円の直径φD1は、以下のように表せる。
D1=Z1×tanθ1×2 …(3)
(3)式に(1),(2)式の値を代入すると、
D1=0.17×(1/2)×2
=0.17 mm …(4)
つまり、第2の光路状態で発生するボケ円の大きさは、φD1=0.17mm程度の大きさとなる。
次に、図7を用いて、人の目で認識できるぼけ円の大きさを説明する。図7において、θ2は人の目でぼけを認識できる視認角度、Z2は人の目からディスプレイ107までの距離(以下、観察距離という)である。また、φD2はぼけ円の直径を表している。
人が静止画を見る場合、ぼけを認識できる角度は、一般的には、3分(3′)程度と言われている。ディスプレイ107に表示されている物体像を観察する場合には、下記の理由により、その2倍程度の視野角度を設定するのが妥当だと考えられる。
(1)表示される画像はリアルタイム表示された動画像である
(2)ディスプレイ107の解像度の影響で、それほど高精細な画像の表示は困難である。
そこで、本実施例では、人の目でぼけを認識できる視野角度θ2を6分(6′)と設定する。観察距離を375mmと設定した場合、人の目で認識できるぼけの直径D2は以下の通りになる。
D2=Z2×tanθ2×2
=375×tan(6′)×2
=0.65mm …(5)
つまり、ディスプレイ107に表示される物体像(動画像)のぼけの大きさがφ0.65mm以下ならば、撮影者は該物体像がぼけていると認識することが困難であると思われる。
図8を用いて、撮像素子106で発生するぼけ円の大きさφD1とディスプレイ107上で認識されるぼけ円の大きさφD2との関係を説明する。
撮像素子106上に形成された物体像はディスプレイ107上に表示される。この際、撮像素子106の撮像面106aとディスプレイ107の表示面107aとでは大きさが異なり(表示面107aの方が大きく)、特定の倍率で拡大されてディスプレイ107上に表示されることになる。この拡大倍率をcとする。この倍率cは、電子倍率と称されることもあり、撮像素子106により撮像された物体像がディスプレイ107において表示される際の倍率である。
撮像素子106の対角長さをa、ディスプレイ107の対角長さをbとした場合、電子倍率cは、
c=b/a …(6)
で表される。
これにより、撮像素子106で発生したぼけ円の大きさφD1は、ディスプレイ107上では電子倍率c分拡大されて表示されるため、ディスプレイ107上でのぼけ円の大きさは、
φc×D1
となる。このφc×D1が、ディスプレイ107上で認識されるぼけ円の大きさφD2より小さければ、撮影者はぼけた画像であると認識することが困難となる。すなわち、
c×D1<D2 …(7)
が成立すればよい。
(7)式に、(4),(5)式の値を代入すると、
c×0.17<0.65
よって、
c<3.8 …(8)
となる。
したがって、(8)式を満足するように撮像素子107とディスプレイ107とのサイズの関係を設定することで、第2の光路状態で撮影光路に挿入されたメインミラー111による光路長によって移動量Z1だけ物体光束L2の結像位置L2aを撮像素子106の撮像面106aからずらしても、ディスプレイ107に表示される画像は撮影者にはぼけた画像だと認識されない。
これにより、第2の光路状態から第3の光路状態に移行したときに、結像光学系103による物体光束L2の結像位置L2aは撮像素子106の撮像面106aの位置と略一致することになるため、フォーカシングレンズ103bを駆動してピント補正を行う必要がない。したがって、フォーカシングレンズ103bの駆動に要する時間によって撮像動作の開始が制限されることがなくなり、レリーズタイムラグを短縮することができる。
また、本実施例では、第2の光路状態において、ディスプレイ107に表示される画像をよりぼけを感じさせない画像とするために、前述したエッジ強調処理も行う。
図9を用いて、本実施例の撮像装置101における主としてカメラシステム制御回路135の動作シーケンスを説明する。この動作シーケンスは、カメラシステム制御回路135内のメモリカメラシステム制御回路135外のメモリ(いずれも図示せず)に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
まず、ステップS100では、カメラシステム制御回路135は、メインスイッチ119がオンであるか否かを調べる。オンの場合はステップS101に進む。ステップS101では、カメラの各電気回路を起動する。
ステップS200では、カメラシステム制御回路135は、ファインダモード切換えサブルーチンを実行する。このファインダモード切換えサブルーチンについては後述する。
ファインダモード切換えサブルーチンを終了した後、ステップS102では、カメラシステム制御回路135は、ファインダモード切換えスイッチ123の操作が行われたかどうかを調べる。ファインダモード切換えスイッチ123の操作が検出されたときには、ステップS200で再度、ファインダモード切換えサブルーチンを実行する。ファインダモード切換えスイッチ123の操作が検出されなかったときには、ステップS103に進む。
ステップS103では、カメラシステム制御回路135は、レリーズボタン120が押されてSW1がオン状態であるかどうかを調べる。SW1がオン状態でなかった場合にはステップS102に戻る。一方、SW1がオン状態であった場合には、ステップS104に進む。
ステップS104では、カメラシステム制御回路135は、AF制御回路140に対してAF開始信号を送り、焦点検出用センサ167の動作を開始させる。
ステップS105では、カメラシステム制御回路135は、ステップS104で得られた焦点検出結果(デフォーカス量および方向)に基づいて、合焦を得るためのフォーカシングレンズ103bの駆動量と駆動方向を演算し、これらの情報を含むレンズ駆動信号をレンズシステム制御回路141に送る。レンズシステム制御回路141は、該レンズ駆動信号に基づいてフォーカシングレンズ103bを駆動して、物体光束L2の結像位置L2aが撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致するようにピント合わせを行う。
次に、ステップS106では、カメラシステム制御回路135は、レリーズボタン120がさらに押し込まれてSW2がオン状態であるかどうかを調べる。SW2がオン状態でなかった場合にはステップS103に戻る。SW2がオン状態であった場合には、ステップS107に進む。
ステップS107では、図1〜図3に示した、ファインダ光学系内に設けられたアイピースシャッタ163を閉じる。このアイピースシャッタ163は、次のステップS108で第3の光路状態に移行したときに、ファインダ光学系の接眼部から入射した光がファインダ光学系を逆に辿って撮像素子106に到達するのを防ぎ、フレアやゴーストの発生を回避するために設けられている。
ステップS108では、カメラシステム制御回路135は、ミラー駆動機構に対してミラー駆動開始信号を送り、メインミラー111とサブミラー122を第3の光路状態の位置(退避位置)にセットする。メインミラー111とサブミラー122が撮影光路から退避することで、結像光学系103からの光束をダイレクトに撮像素子106に導くことができる。
次にステップS110では、カメラシステム制御回路135は、撮影レンズ102内の絞りを制御したり、必要に応じてさらにフォーカルプレンシャッタ113を制御したりして、適切な光量の物体光束L2を撮像素子106の撮像面106a上に結像させる。そして、撮像素子駆動回路137に撮像開始信号を送り、撮像素子106による撮像動作を行わせる。
続いてステップS111では、撮像素子106から読み出された信号が、A/D変換器130を介してRGB画像処理回路131に送られ、ホワイトバランス処理、ガンマ補正、補間演算処理が施される。さらに、YC処理回路132でYC処理が施されて画像処理が完了する。これらの画像処理により、高精細な画像の記録が可能となる。
ステップS112では、画像処理後の画像が記録処理回路133に送られ、記録処理回路133は該画像を所定の圧縮形式にて圧縮して記録媒体に記録する。
ステップS113では、画像処理後の画像が再生処理回路134に送られ、ディスプレイ107にて該画像のプレビュー表示が行われる。プレビュー表示後は、ファインダモード切換えサブルーチン(ステップS200)に戻り、ファインダモード切換えスイッチ123の状態に応じた光路状態を設定する。
次に、ファインダモード切換えサブルーチン(ステップS200)について、図10を用いて説明する。ここでは、最初に図2に示す第1の光路状態にあるものとして説明する。
ステップS201では、カメラシステム制御回路135は、ファインダモード切換えスイッチ123の状態を調べる。以下、第1の光路状態をOVF(Optical ViewFinder)モードといい、第2の光路状態をEVF(Electrical ViewFinder)モードという。EVFモードに設定されている場合はステップS202に進み、OVFモードが設定されている場合はステップS220に進む。
ステップS202では、カメラシステム制御回路135は、アイピースシャッタ163を閉じる。これにより、ファインダ光学系の接眼部から入射した光がファインダ光学系を逆に辿って撮像素子106に到達するのを防ぎ、フレアやゴーストの発生を回避できる。
ステップS203では、カメラシステム制御回路135は、ファインダ内表示ユニット180による情報表示を消す。このとき、すでにアイピースシャッタ163は閉じており、ファインダ光学系による物体観察はできないので、ファインダ内表示ユニット180を消灯することによって電力の無駄な消費をなくして電池の消耗を減ずることができる。
次にステップS204では、カメラシステム制御回路135は、メインミラー111の第2の光路状態に対応した位置への移動に備えて、サブミラー122をミラーボックス179の下部に退避させる。
続いてステップS205では、カメラシステム制御回路135は、ミラーストッパー160,161をメインミラー111の移動軌跡上から退避させる。ミラーストッパー160,161が退避した後、ステップS206では、メインミラー駆動レバー170を図2における反時計回り方向に回動させ、ミラー駆動機構内の不図示のバネの付勢力によってメインミラー111を第2の光路状態の位置まで駆動させる(図1参照)。この結果、メインミラー111で反射した光束は焦点検出ユニット121に導かれる。
第2の光路状態では、前述したように、ピン173とメインミラー駆動レバー170の第1カム面170bとの間、およびピン174とメインミラー駆動レバー170の第2カム面170cとの間に若干の隙間があり、メインミラー111はミラーストッパー175,176に当接して位置決めされる。この状態でのメインミラー111の反射面の位置は、第1の光路状態でサブミラー122の反射面があった位置である。このように構成することで、OVFモードとEVFモードとで焦点検出領域の位置がほとんど変化しないようにすることができる。
なお、第2の光路状態においては、前述したように、ピント位置の補正(すなわち、物体光束L2の結像位置L2aを撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致させるためのフォーカシングレンズ103bの駆動)は行わない。したがって、物体光束L2の結像位置L2aは、撮像素子106の撮像面106aの位置に対して移動量Z1だけ後方にずれたままとなる。しかし、撮像素子106とディスプレイ107とのサイズ(倍率)の関係を前述の通りに設定することで、撮影者はディスプレイ107に表示された画像のぼけを認識しない。
次に、ステップS207では、カメラシステム制御回路135は、フォーカルプレンシャッタ113の先幕を開けて、撮像素子116に連続的に物体光束L2を導き、ディスプレイ107上への画像表示を可能とする。そして、ステップS208では、ディスプレイ107の表示を開始させる。
次に、ステップS209では、カメラシステム制御回路135は、撮像素子106から読み出された信号に対して、前述したステップS111と同様のホワイトバランス処理、ガンマ補正、補間演算処理およびYC処理を施す。さらに、このステップでは、これらの画像処理に加えて、画像のエッジ強調処理を行うモードとする。これにより、移動量Z1だけ後ピンのディスプレイ表示画像を、よりぼけを感じさせない画像とすることができる。撮像素子106とディスプレイ107のサイズ(倍率)の関係を前述したように設定することで、ぼけた画像であると認識できないようにすることは十分可能であるが、これに加えてエッジ強調処理も行うことで、表示画像の解像感を上げ、撮影者にピントが合っている印象を与えることができる。但し、このエッジ強調処理は行わなくてもよい。
次に、ステップS210では、カメラシステム制御回路135は、撮像素子106にて所定の周期(例えば、1/60秒)で連続的に取得される物体画像をディスプレイ107上に表示する。こうして、一連のファインダモード切換えサブルーチンを終了する。
ここで、第2の光路状態において、ディスプレイ107上に表示される物体画像に対応する視野範囲は、物体光束L2がメインミラー111で屈折作用を受けるために、第3の光路状態にて撮像される物体画像に対応する視野範囲に比べて僅かに上下方向にずれた範囲となる。つまり、第2の光路状態の視野範囲と第3の光路状態の視野範囲とは上下方向にシフトした関係にあり、その結果、第2の光路状態では表示されるが第3の光路状態では撮像されない帯状の領域が存在する。このため、再生処理回路134は、その帯状の領域をディスプレイ107における非表示部とし、第2の光路状態での視野範囲の全体を表示しないように処理する。これにより、EVFモードにおいてディスプレイ107上で観察することができたにもかかわらず実際には撮像されない視野部分が生じることを防止できる。
次に、先のステップS201でOVFモードが設定されていた場合の動作シーケンスについて説明する。
ステップS220では、カメラシステム制御回路135は、前述したエッジ強調処理モードをオフにする。そして、ステップS221では、ディスプレイ107を消灯するとともに、撮像素子106での電荷蓄積動作を停止させる。
ステップS222では、フォーカルプレンシャッタ113の後幕を閉じ走行させ、撮像に備えて先幕および後幕駆動機構をチャージする。
ステップS223では、カメラシステム制御回路135は、続くステップでのメインミラー111の第3の光路状態に対応した位置への移動(退避)を可能にするために、ミラーストッパー160,161をメインミラー111の移動軌跡上から退避させる。
次に、ステップS224では、カメラシステム制御回路135は、メインミラー駆動レバー170を図2における時計回り方向に回動させて、メインミラー111とサブミラー122を図1に示す第1の光路状態での位置から図2に示す第2の光路状態での位置を経て、図3に示す第3の光路状態での位置へと移動させる。
そして、ステップS225では、ミラーストッパー160,161をメインミラー111の位置決めのための所定位置まで挿入する。このように、メインミラー111を第3の光路状態に対応した位置に移動させてからミラーストッパー160,161を挿入するので、ミラーストッパー160,161の挿入に際してメインミラー111と衝突する可能性がなく、OVFモードとEVFモードとの切換えをスムーズに行え、機構的な信頼性を高くすることができる。
次に、ステップS226では、カメラシステム制御回路135は、メインミラー駆動レバー170を反時計回り方向に回動させて、メインミラー111を第3の光路状態での位置から、ミラー駆動機構内の不図示のバネの付勢力によって、第1の光路状態での位置にセットする(図2参照)。このとき、メインミラー111はミラーストッパー160,161に当接して位置決めされる。
ステップS227では、カメラシステム制御回路135は、アイピースシャッタ163を開く。これにより、ファインダ光学系による物体観察が可能となる。
次に、ステップS228では、カメラシステム制御回路135は、不図示のフォーカスモード切換えスイッチによりマニュアルフォーカスモードが選択されているかオートフォーカスモードが選択されているかを判定する。オートフォーカスモードであればステップS229に進み、マニュアルフォーカスモードであればステップS207に進む。マニュアルフォーカスモードでは、焦点検出ユニット121による焦点検出を行う必要がなく、背景のぼけ具合の把握をファインダ光学系を介してよりもディスプレイ107を通した方が正確に行えるので、ディスプレイ107でのリアルタイム表示を行うためにステップS207に進む。
ステップS229では、カメラシステム制御回路135は、サブミラー122を焦点検出ユニット121に物体光束を導く第1の光路状態での位置にセットする。
次に、ステップS230では、ファインダ内表示ユニット180による情報表示を開始し、一連のファインダモード切換えサブルーチンを終了する。
本実施例によれば、第2の光路状態と第3の光路状態のいずれにおいてもピントのずれが問題とならず、かつ第2の光路状態から第3の光路状態に切り換わって撮像を行う場合のタイムラグを短くすることができる。しかも、本実施例では、ディスプレイ107上で物体をモニタしているときにも、位相差検出方式による高速な焦点調節を行うことができる。
図11および図12には、本発明の実施例2である撮像装置の構成を示している。本実施例の撮像装置は、ファインダ光学系を持たない点で実施例1の撮像装置と異なる。このため、光路分割系は、メインミラー111のみにより構成され、サブミラーを持たない。そして、該光路分割系は、図11に示すように物体光束L2を焦点検出ユニット121と撮像素子106とに分割する第2の光路状態(第1の状態)と、図12に示すように撮影光路から退避した第3の光路状態(第2の状態)との間でのみ切り換わる。
なお、本実施例において、実施例1と共通する構成要素には図1〜3と同一符号を付し、その説明を省略する。
メインミラー111は、不図示のメインミラー受け板に保持されている。このメインミラー受け板は、ミラーボックス179に設けられた軸178を中心に回動可能に支持されている。これにより、メインミラー受け板とメインミラー111は、ミラーボックス179に対して軸178を中心として一体的に回動する。メインミラー受け板は、不図示のトーションバネによって、図中の反時計回り方向に付勢されている。また、メインミラー受け板は、不図示のミラーストッパーに当接することで、図11に示す第2の光路状態に保持される。第2の光路状態では、結像光学系103から射出した物体光束L2のうちメインミラー111で反射した光束は焦点検出ユニット121に導かれ、メインミラー111を透過した光束は撮像素子106に導かれる。
図11に示す第2の光路状態から図12に示す第3の光路状態に移行する際には、不図示の電磁モータとギア列からなるミラー駆動機構により、メインミラー受け板とメインミラー111が図中の時計回り方向に駆動される。そして、第3の光路状態において、メインミラー受け板は不図示のミラーストッパーに当接することで保持される。
一方、第3の光路状態から第2の光路状態に移行する際には、ミラー駆動機構の駆動を解除し、上記トーションバネの付勢力によってメインミラー受け板とメインミラー111を軸178を中心として図中の反時計回り方向に回動させる。そして、メインミラー受け板をミラーストッパーに当接させることで第2の光路状態への移行が完了する。
本実施例でも、第2の光路状態において焦点検出ユニット121に光束が導かれるため、ディスプレイ107による物体画像のモニタ中においても、位相差検出方式による高速な焦点調節を行うことができる。
また、本実施例においても、図11に示すように、第2の光路状態では、結像光学系103から射出してメインミラー111を透過した物体光束L2が撮像素子106に到達する。このとき、不図示のカメラシステム制御回路は、第3の光路状態で物体光束L2の結像位置L2aが撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致するように結像光学系103内のフォーカシングレンズを駆動して焦点調節を行う。つまり、メインミラー111の撮影光路内への挿入による光路長の変化量に対応する移動量Z1だけ、撮像面106aより後方に結像位置L2aを設定する。
これにより、第2の光路状態から第3の光路状態に移行した直後において、フォーカシングレンズを駆動しなくても物体光束L2の結像位置L2aが撮像素子106の撮像面106aの位置に略一致する。したがって、フォーカシングレンズの駆動に要する時間によって撮像開始が制限されることがなく、レリーズタイムラグを短縮することができる。
そして、本実施例でも、撮像素子106とディスプレイ107とのサイズ(倍率)の関係を、実施例1にて説明した(8)式を満足するように設定することで、第2の光路状態でのディスプレイ表示画像ぼけを撮影者に認識させないようにすることができる。
さらに、実施例1と同様に、第2の光路状態において、撮像素子106から読み出された信号により生成される画像に対してエッジ強調処理を施すことで、より撮影者にぼけた画像であることを認識させにくくし、ピントが合っている印象を与えることができる。
なお、(8)式に示した、撮像素子に対するディスプレイの倍率cの上限値(所定値)を算出するに当たり、人の目の分解能として実施例1に挙げた値は例にすぎない。すなわち、目の分解能は、実際は視力や観察距離、周囲の明るさ等の条件によっても異なるし、視力1.0の人の目の分解能が1′(=60″)という説もある。本発明は、実施例に挙げた上限値に限定されるものではなく、標準的な条件下で一般的に言われている分解能としてもよいし、特殊な条件下での分解能としてもよい。いずれにせよ人の目の分解能を1つの要素として算出した上限値であればよい。
なお、光路分割系の構成や動作は、上記各実施例にて説明したものに限らず、実施例と同様の機能を達成するものであれば、どのようなものでもよい。
本発明の実施例1である撮像装置(第2の光路状態)の断面図。 実施例1の撮像装置(第1の光路状態)の断面図。 実施例1の撮像装置(第3の光路状態)の断面図。 実施例1の撮像装置の概略構成を示す図。 実施例1の撮像装置の電気的構成を示すブロック図。 撮像素子の撮像面に入射する物体光束を示した模式図。 目で認識できるぼけ円を説明するための模式図。 撮像素子上でのぼけ円がディスプレイ上で拡大される様子を示した模式図。 実施例1の撮像装置の動作シーケンスを示すフローチャート。 実施例1の撮像装置におけるファインダモード切換えサブルーチンを示すフローチャート。 本発明の実施例2である撮像装置(第2の光路状態)の断面図。 実施例2の撮像装置(第3の光路状態)の断面図。 従来の撮像装置(第2の光路状態)の断面図。 従来の撮像装置(第3の光路状態)の断面図。
符号の説明
101 カメラ本体
102 撮影レンズ
103 結像光学系
106 撮像素子
107 ディスプレイ
111 メインミラー
121 焦点検出ユニット
122 サブミラー
123 ファインダモード切換えスイッチ
135 カメラシステム制御回路
139 画像処理回路

Claims (7)

  1. 撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、
    該撮像素子からの信号に基づいて生成された画像を表示する表示手段と、
    前記撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、
    前記撮影レンズから前記撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と前記光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、前記第1の状態において前記撮影レンズからの光束のうち一部を透過して前記撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して前記焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、
    前記焦点検出手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記第1の状態において、前記第2の状態となったときに前記撮影レンズによる前記光束の結像位置が前記撮像素子の受光面に略一致するように前記フォーカス制御を行い、かつ前記撮像素子上に形成された物体像に対する前記表示手段に表示される物体像の倍率が、人の目の分解能に基づいて設定された所定値より小さい値であることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記所定値は、3.8であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像素子からの信号に対して画像処理を行って画像を生成する画像処理手段を有し、
    前記画像処理手段は、前記第1の状態において前記画像におけるエッジを強調する処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、
    該撮像素子からの信号に対して画像処理を行って画像を生成する画像処理手段と、
    該生成された画像を表示する表示手段と、
    前記撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、
    前記撮影レンズから前記撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と前記光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、前記第1の状態において前記撮影レンズからの光束のうち一部を透過して前記撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して前記焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、
    前記焦点検出手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記第1の状態において、前記第2の状態となったときに前記撮影レンズによる前記光束の結像位置が前記撮像素子の受光面に略一致するように前記フォーカス制御を行い、かつ前記画像処理手段は、前記第1の状態において前記画像におけるエッジを強調する処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  5. 前記撮影レンズにより形成された物体像の光学的な観察を可能とするファインダ光学系を有し、
    前記光路分割手段は、前記光路内に配置されて前記撮影レンズからの光束のうち一部を反射して前記ファインダ光学系に向かわせ、他を反射して前記焦点検出手段に向かわせる第3の状態に切り換え可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の撮像装置。
  6. 撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号に基づいて生成された画像を表示する表示手段と、前記撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、前記撮影レンズから前記撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と前記光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、前記第1の状態において前記撮影レンズからの光束のうち一部を透過して前記撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して前記焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、前記焦点検出手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    前記第1の状態において、前記第2の状態となったときに前記撮影レンズによる前記光束の結像位置が前記撮像素子の受光面に略一致するように、前記制御手段によって前記フォーカス制御を行うフォーカス制御工程と、
    前記撮像素子上に形成された物体像に対する前記表示手段に表示される物体像の倍率が、人の目の分解能に基づいて設定された所定値より小さくなるように、前記表示手段に表示する表示制御工程とを有することを特徴とする制御方法。
  7. 撮影レンズにより形成された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からの信号に対して画像処理を行って画像を生成する画像処理手段と、該生成された画像を表示する表示手段と、前記撮影レンズからの光束を用いて該撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、前記撮影レンズから前記撮像素子に至る光路内に配置された第1の状態と前記光路外に退避した第2の状態とに切り換えが可能であり、前記第1の状態において前記撮影レンズからの光束のうち一部を透過して前記撮像素子に向かわせ、かつ他を反射して前記焦点検出手段に向かわせる光路分割手段と、前記焦点検出手段の検出結果に基づいて前記撮影レンズのフォーカス制御を行う制御手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    前記第1の状態において、前記第2の状態となったときに前記撮影レンズによる前記光束の結像位置が前記撮像素子の受光面に略一致するように、前記制御手段によって前記フォーカス制御を行うフォーカス制御工程と、
    前記第1の状態において、前記画像処理手段によって前記画像におけるエッジを強調する処理を行う画像処理工程とを有することを特徴とする制御方法。
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