JP2006339460A - Manufacturing method of coil board - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電線等に流れる交流電流の測定に用いられるコイル基板の製造方法に関する。 The present invention relates to a method for manufacturing a coil substrate used for measuring an alternating current flowing in an electric wire or the like.
従来から、電気、電子部品、磁気検出センサ等において、電線等に流れる交流電流を測定するために空芯のコイルが用いられており、このような空芯のコイルは、鉄芯がないため軽量で、また鉄芯による飽和がないという利点がある。 Conventionally, air core coils have been used to measure alternating currents flowing in electric wires, etc. in electrical, electronic parts, magnetic detection sensors, etc., and such air core coils are lightweight because there is no iron core. In addition, there is an advantage that there is no saturation due to the iron core.
代表的な空芯のコイルとしてはロゴスキコイルがあり、このロゴスキコイルは、分電盤内で主幹ブレーカだけでなく各々の分岐ブレーカに流れる電流計測に従来用いられていた変流器のような電流センサに代わり、電流検出用コイルとして用いられ、その特徴である鉄芯による飽和がない点を生かして、ダイナミックレンジが広く、大電流を検出できる電流センサを実現している。 A typical air core coil is a Rogowski coil. This Rogowski coil is a current sensor such as a current transformer that has been used in the past to measure not only the main breaker but also each branch breaker in the distribution board. Instead, a current sensor that can be used as a current detection coil and has a wide dynamic range and can detect a large current is realized by taking advantage of the feature that there is no saturation due to the iron core.
ところで、電流検出用コイルとしてロゴスキコイルを用いる場合には、ロゴスキコイルを貫通する電線の位置による影響を抑えるために、コイルの巻きピッチのばらつきを抑えてコイルを精度良く巻く必要が生じる。加えて、ロゴスキコイルは、一般的な負荷電流に対する出力電圧が非常に小さいので、出力電圧を大きくするためには、コイルの単位長さ当たりの巻数を増やしたり、コイルの断面積を大きくすることが必要である。 By the way, when a Rogowski coil is used as the current detection coil, in order to suppress the influence of the position of the electric wire passing through the Rogowski coil, it is necessary to suppress the coil winding pitch variation and wind the coil with high accuracy. In addition, the Rogowski coil has a very small output voltage with respect to a general load current. To increase the output voltage, it is necessary to increase the number of turns per unit length of the coil or increase the cross-sectional area of the coil. is necessary.
したがって、このようなロゴスキコイルを製造するためには、コイルの巻きピッチのばらつきを抑えてコイルを精度良く巻く作業を、十分な出力電圧が得られるような巻数となるまで行わなくてはならず、このようなコイル巻き作業は非常に困難なものであるから、ロゴスキコイルの製造を容易に行うことができなかった。 Therefore, in order to manufacture such a Rogowski coil, the work of winding the coil with high accuracy while suppressing variations in the coil winding pitch must be performed until the number of turns is such that a sufficient output voltage is obtained, Since such a coil winding operation is very difficult, the Rogowski coil cannot be easily manufactured.
上記の問題を解決するために、近年では、プリント基板等の基板上にコイル線路を形成したコイル基板を用いることが行われている。このようなコイル基板を用いたロゴスキコイルの製造方法としては、プリント基板の表面側及び裏面側の両面に所定の導電パターンを形成するとともに、両面の導電パターンをプリント基板に形成したスルーホールを介して電気的に接続することでコイル線路を形成するものが提供されている(特許文献1)。
特許文献1のロゴスキコイルによれば、プリント基板にコイル線路を形成しているので、コイル巻きと比較するとピッチのばらつきを抑えることができていた。
According to the Rogowski coil of
しかしながら、特許文献1のロゴスキコイルでは、プリント基板の両面の導電パターンの接続を1ターン毎にスルーホールで行うために、穴あけ、めっき処理等工程が多く必要になり、製造コストが高くなるという問題があった。また、コイルのピッチを細かくするためには、スルーホールの穴径を小さくする必要があり、スルーホールの穴径を小さくした際には、プリント基板の表裏の導電パターンとスルーホールとの位置合わせを行うことが難しく、しかも、スルーホールの内周面にめっきが付着しにくくなって導通不良の原因となるので、製品の歩留りが低下してしまうという問題があった。
However, in the Rogowski coil disclosed in
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、製造コストを低減できるとともに、歩留りを向上できるコイル基板の製造方法を提供することである。 The present invention has been made in view of the above points, and an object thereof is to provide a method of manufacturing a coil substrate that can reduce the manufacturing cost and improve the yield.
上記の課題を解決するために、請求項1のコイル基板の製造方法の発明では、絶縁材料製のフィルムの一面に、凹部を長手方向が並行するように複数列設するとともに、フィルムの一面を仕切って前記凹部の長手方向一端側と他の凹部の長手方向他端側とをこれら凹部の底面よりもフィルムの一面側に位置する面を経て連結する経路を構成する仕切部を形成する第1工程と、第1工程の後にコイル線路形成用の導電層を前記フィルムの一面側全面を覆うように形成する第2工程と、第2工程の後に前記仕切部を覆う導電層の部位を除去して前記凹部と前記経路とを覆う導電層の部位が互いの連結部位を除いて絶縁されてなる蛇行状のコイル線路を形成する第3工程と、第3工程の後に導電層にめっき処理を行ってコイル線路の表面にめっき層を形成する第4工程とを有していることを特徴とする。
In order to solve the above-described problems, in the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項1のコイル基板の製造方法の発明によれば、凹部及び仕切部を形成したフィルムの一面に導電層を形成した後に、この導電層の不要部分を除去するだけでコイル線路を形成することができるから、従来のように基板の両面に形成した導電パターンをスルーホールで電気的に接続する場合に比べて、コイル線路用のスルーホールを形成する必要がなくなる。これによりスルーホールを形成するための穴あけやめっき処理等の複雑な加工工程や、導電パターンとスルーホールとの微細な位置合わせ作業等が必要なくなるので、製造コストを低減することができる。しかも、スルーホールの内周面にめっきが十分に付着しないことに起因する導通不良が生じることがないから、歩留りを向上することができる。
According to the invention of the method for manufacturing a coil substrate of
請求項2のコイル基板の製造方法の発明では、請求項1の構成に加えて、仕切部は、フィルムの一面に突設された壁部であり、第3工程において、仕切部の頂部に形成された導電層の部位を除去することを特徴とする。
In the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to claim 2, in addition to the configuration of
請求項2のコイル基板の製造方法の発明によれば、第3工程において、仕切部の頂部に形成された導電層の部位のみをエッチング液に浸漬して除去するので、フィルム全体をエッチング液に浸漬する場合とは異なり、導電層の形成条件や、エッチング液の濃度、エッチング時間等に左右されることなく除去したい部分のみを確実に除去することができ、これにより製造を容易に行え、歩留りを向上することができる。 According to the invention of the coil substrate manufacturing method of claim 2, in the third step, only the portion of the conductive layer formed on the top of the partitioning portion is immersed and removed in the etching solution, so that the entire film is used as the etching solution. Unlike the case of dipping, only the part to be removed can be surely removed without being affected by the formation conditions of the conductive layer, the concentration of the etching solution, the etching time, etc. Can be improved.
請求項3のコイル基板の製造方法の発明では、請求項1の構成に加えて、仕切部は、フィルムの一面に凹設された溝部であり、第3工程において、仕切部の内周面に形成された導電層の部位を除去することを特徴とする。
In the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項3のコイル基板の製造方法の発明によれば、仕切部を溝部とすることで仕切部に形成される導電層の厚みを小さくできるので、導電層の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差を大きくつけることができ、これにより第3工程においてエッチングの条件幅を広く設定することが可能になるから、コイル線路の形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
According to the invention of the manufacturing method of the coil substrate of
請求項4のコイル基板の製造方法の発明では、請求項2又は3の構成に加えて、第1工程では、フィルムの一面に凹部と仕切部とを形成した後に、フィルムの一面を平面形状の型で加熱プレスして、凹部の短手方向における内側面の開口縁部に凹部内へ突出する突出部を形成することを特徴とする。
In the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項4のコイル基板の製造方法の発明によれば、突出部を形成していることにより、第2工程時に凹部の短手方向の内側面に形成される導電層の厚みを小さくすることができるから、第3工程においてエッチングの条件幅をさらに広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
According to the invention of the method for manufacturing a coil substrate of
請求項5のコイル基板の製造方法の発明では、請求項2又は3の構成に加えて、第1工程では、フィルムの一面に所定の型を加熱プレスすることで凹部と仕切部とを形成するとともに、フィルムの一面側の温度がガラス転移温度から20度低い温度とガラス転移温度との範囲内にあるうちにフィルムを離型して、凹部の短手方向における内側面の開口縁部に凹部内へ突出する突出部を形成することを特徴とする。
In the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項5のコイル基板の製造方法の発明によれば、突出部を形成していることにより、第2工程時に凹部の短手方向の内側面に形成される導電層の厚みを小さくすることができるから、第3工程においてエッチングの条件幅をさらに広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
According to the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項6のコイル基板の製造方法の発明では、請求項1の構成に加えて、仕切部は、隣接する経路間に設けられる段差であることを特徴とする。 In addition to the configuration of the first aspect, the partition portion is a step provided between adjacent paths.
請求項6のコイル基板の製造方法の発明によれば、凹部及び仕切部を形成したフィルムの一面に導電層を形成した後に、この導電層の不要部分を除去するだけでコイル線路を形成することができるから、従来のように基板の両面に形成した導電パターンをスルーホールで電気的に接続する場合に比べて、コイル線路用のスルーホールを形成する必要がなくなる。これによりスルーホールを形成するための穴あけやめっき処理等の複雑な加工工程や、導電パターンとスルーホールとの微細な位置合わせ作業等が必要なくなるので、製造コストを低減することができる。しかも、スルーホールの内周面にめっきが十分に付着しないことに起因する導通不良が生じることがないから、歩留りを向上することができる。
According to the invention of the method for manufacturing a coil substrate according to
請求項7のコイル基板の製造方法の発明では、請求項1〜6のいずれか1項の構成に加えて、第2工程では、スパッタ法又は真空蒸着法を用いて、フィルムの一面に略直交する方向からフィルムの一面側に導体粒子を付着させて、導電層を形成することを特徴とする。 In addition to the structure of any one of Claims 1-6, in 2nd process, in the invention of the manufacturing method of the coil board | substrate of Claim 7, it is substantially orthogonal to one surface of a film using a sputtering method or a vacuum evaporation method. The conductive layer is formed by adhering conductive particles to one side of the film from the direction in which the film is formed.
請求項7のコイル基板の製造方法の発明によれば、導体粒子がフィルムの一面に略直交する方向からフィルムに付着するようにしているので、導電層を形成する面の面方向によって導電層の厚みを選択でき、例えば導電層で覆う必要がある面では導電層の厚みを大きくするようにし、導電層で覆う必要がない面では導電層の厚みを小さくするようにすれば、第3工程で導電層の厚みが小さい部位のみを容易に除去することが可能になる。そのため第3工程においてエッチングの条件幅を広く設定することができるようになり、これによりコイル線路の形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。 According to the coil substrate manufacturing method of the present invention, since the conductive particles are attached to the film from a direction substantially orthogonal to one surface of the film, the conductive layer is formed according to the surface direction of the surface on which the conductive layer is formed. The thickness can be selected. For example, if the thickness of the conductive layer is increased on the surface that needs to be covered with the conductive layer, and the thickness of the conductive layer is decreased on the surface that does not need to be covered with the conductive layer, the third step Only the portion where the thickness of the conductive layer is small can be easily removed. Therefore, it becomes possible to set a wide range of etching conditions in the third step, whereby the coil line can be easily formed and the yield can be improved.
このような構成のコイル基板の製造方法は、凹部及び仕切部を形成したフィルムの一面に導電層を形成した後に、この導電層の不要部分を除去するだけでコイル線路を形成することができるから、従来のように基板の両面に形成した導電パターンをスルーホールで電気的に接続する場合に比べて、コイル線路用のスルーホールを形成する必要がなくなり、これによりスルーホールを形成するための穴あけやめっき処理等の複雑な加工工程や、導電パターンとスルーホールとの微細な位置合わせ作業等が必要なくなるので、製造コストを低減することができるという効果があり、しかも、スルーホールの内周面にめっきが十分に付着しないことに起因する導通不良が生じることがないから、歩留りを向上することができるという効果がある。 In the method of manufacturing a coil substrate having such a configuration, a coil line can be formed simply by removing unnecessary portions of the conductive layer after forming the conductive layer on one surface of the film on which the concave portion and the partition portion are formed. Compared to the case where the conductive patterns formed on both sides of the substrate are electrically connected through the through holes as in the prior art, it is not necessary to form the through holes for the coil lines, thereby making the holes for forming the through holes. This eliminates the need for complicated processing steps such as metal plating and fine alignment work between the conductive pattern and the through hole, and can reduce the manufacturing cost, and the inner peripheral surface of the through hole. In this case, there is no conduction failure due to insufficient adhesion of the plating to the surface, so that the yield can be improved.
以下に、本発明の実施形態について図1〜図7を用いて説明する。 Embodiments of the present invention will be described below with reference to FIGS.
(実施形態1)
本実施形態のコイル基板1(図2参照)は、図1(a)(イ)に示すように、十分な可撓性を有するようにアクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性を有する熱可塑性樹脂を用いて例えば厚みが200μm〜500μmとなるように形成されたフィルム1aの一面(本実施形態では上面)に、蛇行状のコイル線路L(図1(a)(ニ)参照)を形成したものであり、以下にこのようなコイル基板1の製造方法について説明する。
(Embodiment 1)
As shown in FIGS. 1A and 1A, the
このコイル基板1の製造方法は、次に述べる第1工程〜第4工程の計4つの工程で構成されている。
The method for manufacturing the
第1工程は、図1(a)(イ)に示すような未加工のフィルム1aの上面に、図1(b)(イ)に示すような例えば5つの略矩形状の凹部2a〜2eを形成するとともに、図1(a)(ロ)に示すようにフィルム1aの上面を仕切ってコイル線路L用の経路4a〜4fを構成する仕切部となる壁部3を形成する工程である。そして、この第1工程では、所定の金型でフィルム1aの上面を加熱プレスすることによってフィルム1aの上面に凹部2a〜2e及び壁部3を形成する。すなわち、凹部2a〜2e及び壁部3の凹凸を反転させた形状を有する金型で、ガラス転移温度(Tg)以上となるまで加熱したフィルム1aの上面をプレスすることで金型形状を転写し、これによりフィルム1aの上面に凹部2a〜2e及び壁部3を形成するのである。
In the first step, for example, five substantially
この第1工程により図1(a)(ロ)に示すように、凹部2a〜2e及び壁部3が形成されたフィルム1aが得られ、ここで、凹部2a〜2eは、例えば短手方向の幅寸法が最大で70μm、深さが100μmに形成されており、フィルム1aの上面に長手方向が並行するように所定間隔で列設されている。また凹部2a〜2eは、底面側(下面側)から開口面側(上面側)へ向かうほど長手方向が拡開するように形成されており、これにより凹部2a〜2eの長手方向の内側面は、面方向が斜め上方を向いたなだらかな傾斜面となっている。さらに凹部2a〜凹部2eの短手方向の各内側面と、フィルム1aの上面の面方向との間の角度は、それぞれ5度程度となるようにしている。
As shown in FIGS. 1 (a) and 1 (b), the
一方、壁部3は、フィルム1aの上面に、例えば高さが5μm、幅が5μmとなるように突設されており、この壁部3によりフィルム1の上面を仕切ることで、凹部2aの一端側と凹部2bの他端側とを凹部2a,2bの底面よりも上方に位置する面(本実施形態ではフィルム1aの上面)を経て連結する略S字状の経路4aが構成されている。また、壁部3によって凹部2aの他端側と凹部2cの一端側を連結する経路4bと、凹部2bの一端側と凹部2dの他端側とを連結する経路4cと、凹部2cの他端側と凹部2eの一端側とを連結する経路4dとが構成され、これら経路4b〜4dは経路4aと同様に略S字状となっている。さらに、フィルム1aの上面には、壁部3によって凹部2dの一端側とコイル線路Lの入力端子形成部位(図示せず)とを連結する経路4eと、凹部2eの他端側とコイル線路Lの出力端子形成部位(図示せず)とを連結する経路4fとが形成されている。つまり、フィルム1aの上面は壁部3によって、凹部2a〜2e、経路4a〜4f、及び両端子形成部位からなるコイル線路L形成用の部位と、その他の部位とに仕切られているのである。
On the other hand, the
第2工程は、第1工程の後にコイル線路L形成用の導電層5をスパッタ法により少なくともフィルム1aの上面側全面を覆うように形成する工程である。ここで、導電層5の材料としてはCu、Ag、Al、Sn、Ni等の導電性を有する金属材料を用いている。そして、導電層5は、次のようにして形成される。まず、図1(b)(ロ)に示すように、フィルム1aの上面とスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットという)100の放出面101とが平行して対向するように、フィルム1aとターゲット100とを配置する。この後に、イオンをターゲット100の放出面101に衝突させることで放出面101から導体粒子102を放出させ、このような導体粒子102をフィルム1aの上面側に付着させることで、図1(a)(ハ)に示すようにフィルム1aの上面側全面を覆う導電層5が得られる。尚、このような導電層5は厚みが非常に小さいものであるから、図1(a)(ハ),(ニ)では、説明の簡略化のために導電層5を網掛けで示すようにしている。
The second step is a step of forming the
上述したように第2工程では、導電層5の形成時に、フィルム1aの上面とターゲット100の放出面101とを平行に対向させることで、ターゲット100から放出される導体粒子102がフィルム1aの上面に略直交する方向(上方)からフィルム1aに付着するようにしている。そのため、フィルム1aの上面側において、面方向が放出面101の面方向に略並行するような面ほど導電層5の厚みが大きくなり、面方向が放出面101の面方向に略直交するような面ほど導電層5の厚みが小さくなる。具体的には、図1(b)(ハ)に示すように、フィルム1aの上面において、凹部2a〜2eの底面や傾斜面、経路4a〜4fの上面、壁部3の上面等の面方向が略上方を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略並行する面)上に形成される導電層5の部位5aで厚みが大きく、凹部2a〜2eの短手方向内側面や、壁部3の側面等の面方向が上方に略直交する方向を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略直交する面)上に形成される導電層5の部位5bで厚みが小さくなり、例えば、導電層5を部位5aの厚みが300nm〜500nmとなるように形成した際には、部位5bの厚みは100nm程度と均一な値になる。
As described above, in the second step, when the
尚、この第2工程はスパッタ法に限られるものではなく、真空蒸着法を用いても同様な導電層5を形成することができる。
Note that the second step is not limited to the sputtering method, and the same
第3工程は、第2工程の後にコイル線路Lに不要な導電層5の部位(本実施形態では部位5b)をエッチングにより除去して、図1(a)(ニ)に示すように、凹部2a〜2eの底面及び傾斜面と、経路4a〜4fと、コイル線路Lの両端子形成部位とを覆う導電層5とが互いの連結部位を除いて絶縁されてなる蛇行状のコイル線路Lを形成する工程である。ここで、導電層5除去用のエッチング液としては、過硫酸類エッチング液(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等)や、過酸化水素水と硫酸とを混合したエッチング液等を用いている。そして、この第3工程のエッチング作業は、例えば、数%濃度(重量百分率濃度)のエッチング液中にフィルム1aを数十秒程度浸すことで行われ、これにより図1(a)(ニ),(b)(ニ)に示すように、厚みが小さい導電層5の部位5bのみが除去されて、厚みが大きい導電層5の部位5aはそのまま残ることになる。
In the third step, the portion of the
この第3工程によって、図1(a)(ニ)に示すように、コイル線路Lの両端子形成部位(図示せず)と、凹部2a〜2eの底面及び傾斜面と、経路4a〜4fとに形成された導電層5の部位5aからなる蛇行状のコイル線路Lがフィルム1aの上面に形成され、このコイル線路Lは、入力端子(図示せず)、経路4e、凹部2d、経路4c、凹部2b、経路4a、凹部2a、経路4b、凹部2c、経路4d、凹部2e、経路4f、出力端子(図示せず)の順に電流が流れる電路を有している。
By this third step, as shown in FIGS. 1A and 1D, both terminal forming portions (not shown) of the coil line L, the bottom and inclined surfaces of the
第4工程は、第3工程の後に導電層5にめっき処理を行ってコイル線路Lの表面にめっき層(図示せず)を形成する工程であり、例えば、電気めっき法を用いてコイル線路Lの表面に銅めっき層を形成する。ここで、銅めっき層の厚みは、コイル線路の抵抗値を考慮すると10μm〜20μm程度とすることが好ましい。また、めっき層を形成する方法としては、上記の電気めっき(電解めっき)に限らず、無電解めっきを用いることができ、めっき層の材料としては、Cuに限らず、Niや、CuとNiの合金等を用いることができる。
The fourth step is a step of plating the
このような第1工程〜第4工程を経て形成されたコイル基板1は、例えば、図2に示すように電線6に流れる電流Iを測定するための電流センサにロゴスキコイルとして用いられるものであり、コイル基板1は、図2に示すように、フィルム1aの例えば長手方向(本実施形態では凹部2aから凹部2eに向かう方向)が電線6の周囲を囲むように環状に曲げられた状態で使用される。加えて、ロゴスキコイルの出力電圧は測定対象となる電線6に流れる電流Iを微分したものであるから、ロゴスキコイルを用いた電流センサでは、図2に示すように、ロゴスキコイルとして用いているコイル基板1の出力電圧から電線6の電流Iを得るための信号処理部9をコイル基板1とともに用いている。ここで、信号処理部9は、例えばコイル基板1から得られた出力電圧を積分する積分回路(図示せず)と、積分回路の積分出力をセンサ仕様に応じた電圧まで増幅する増幅回路(図示せず)とを備え、コイル基板1で検出する電流Iに対応した電流波形に復元した検出出力を出力端子9aから出力するように構成されている。尚、フィルム1aの厚みは、図2に示すように環状に曲げることができるような厚みであればよく、勿論前述の値に限ったものではない。
The
以上述べた本実施形態のコイル基板1の製造方法によれば、凹部2a〜2e及び壁部3を形成したフィルム1aの一面に導電層5を形成した後に、この導電層5の不要部分を除去するだけでコイル線路Lを形成することができるから、従来のように基板の両面に形成した導電パターンをスルーホールで電気的に接続する場合に比べて、コイル線路用のスルーホールを形成する必要がなくなる。これによりスルーホールを形成するための穴あけやめっき処理等の複雑な加工工程や、導電パターンとスルーホールとの微細な位置合わせ作業等が必要なくなるので、製造コストを低減することができる。しかも、スルーホールの内周面にめっきが十分に付着しないことに起因する導通不良が生じることがないから、歩留りを向上することができる。
According to the method for manufacturing the
また、本実施形態の第2工程によれば、上述したように、導電層5を形成する面の面方向によって導電層5の厚みを選択できるため、導電層5で覆う必要がある面では導電層5の厚みを大きくするようにし、導電層5で覆う必要がない面では導電層5の厚みを小さくするようにすれば、第3工程で導電層5の厚みが小さい部位5bのみを容易に除去することが可能になる。つまり、導電層5の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差をつけることができるので、第3工程においてエッチングの条件幅を広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
Further, according to the second step of this embodiment, as described above, the thickness of the
(実施形態2)
本実施形態のコイル基板の製造方法は、第3工程に特徴があり、その他の構成は上記実施形態1と同様であるから説明を省略する。
(Embodiment 2)
The manufacturing method of the coil substrate according to the present embodiment is characterized by the third step, and the other configuration is the same as that of the first embodiment, and thus the description thereof is omitted.
すなわち、本実施形態の第3工程は、第2工程の後に、壁部3の頂部、つまりは壁部3の上面に形成された導電層5の部位5a1(図3(a)参照)のみをエッチングにより除去する工程であり、このエッチング作業は次のようにして行う。まず、図3(a)に示すように、エッチング液200で満たされた浴槽201にフィルム1aを、フィルム1aの上面とエッチング液200の液面とを対向させた状態(つまりはフィルム1aの上下を反転させた状態)で配置する。次に、図3(b)に示すように、フィルム1aの壁部3の上面に形成された導電層5の部位5a1のみをエッチング液200に所定時間だけ浸して導電層5のエッチングを行う。これにより図3(c)に示すように、壁部3の上面に形成された導電層5の部位5a1のみが除去されたフィルム1aが得られ、このフィルム1aでは、上記実施形態1と同様に、コイル線路Lが形成されることになる。
That is, in the third step of the present embodiment, only the portion 5a1 (see FIG. 3A) of the
本実施形態によれば、第3工程において、壁部3の頂部に形成された導電層5の部位5a1のみをエッチング液に浸漬して除去するので、フィルム1a全体をエッチング液に浸漬する場合とは異なり、導電層の形成条件や、エッチング液の濃度、エッチング時間等に左右されることなく除去したい部分のみを確実に除去することができ、これにより製造を容易に行え、歩留りを向上することができる。
According to the present embodiment, in the third step, only the portion 5a1 of the
(実施形態3)
本実施形態のコイル基板の製造方法は、第1工程に特徴があり、その他の構成は上記実施形態1と同様であるから説明を省略する。
(Embodiment 3)
The manufacturing method of the coil substrate according to the present embodiment is characterized by the first step, and the other configuration is the same as that of the first embodiment, and thus the description thereof is omitted.
すなわち、本実施形態の第1工程は、図1(a)(イ)に示すような未加工のフィルム1aの上面に、図4(a)に示すような例えば5つの略矩形状の凹部2a〜2eを形成するとともに、図4(b),(c)に示すようにフィルム1aの上面を仕切ってコイル線路L用の経路4a〜4fを構成する仕切部となる溝部30を形成する工程である。そして、この第1工程では、上記実施形態1と同様に所定の金型でフィルム1aの上面を加熱プレスすることによってフィルム1aの上面に凹部2a〜2e及び溝部30を形成する。
That is, the first step of the present embodiment includes, for example, five substantially
この第1工程により図4(a)に示すように、凹部2a〜2e及び溝部30が形成されたフィルム1aが得られ、ここで、凹部2a〜2eは、例えば短手方向の幅寸法が最大で80μm、深さが100μmに形成されており、フィルム1aの上面に長手方向が並行するように所定間隔で列設されている。また凹部2a〜2eは、底面側(下面側)から開口面側(上面側)へ向かうほど長手方向が拡開するように形成されており、これにより凹部2a〜2eの長手方向の内側面は、面方向が斜め上方を向いたなだらかな傾斜面となっている。さらに凹部2a〜凹部2eの短手方向の各内側面と、フィルム1aの上面の面方向との間の角度は、それぞれ2度程度となるようにしている。
As shown in FIG. 4 (a), the
一方、溝部30は、フィルム1aの上面に、開口幅が非常に狭く、また開口幅に対して深さが非常に大きくなるように凹設されており、例えば開口幅が10μm、深さが110μmとなるように形成されている。そして、この溝部30によりフィルム1の上面を仕切ることで、フィルム1aの上面に上記実施形態1と同様の経路4a〜4fが形成されている。つまり、フィルム1aの上面は溝部30によって、凹部2a〜2e、経路4a〜4f、及び両端子形成部位からなるコイル線路L形成用の部位と、その他の部位とに仕切られているのである。
On the other hand, the
このように壁部3の代わりに溝部30を仕切部として用いたフィルム1aに、上記の実施形態1と同様の第2工程を用いて導電層5を形成した際には、上記実施形態1と同様の理由から、フィルム1aの上面において、凹部2a〜2eの底面や傾斜面、経路4a〜4fの上面等の面方向が略上方を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略並行する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが大きく、凹部2a〜2eの短手方向内側面や、溝部30の内周面等の面方向が上方に略直交する方向を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略直交する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが小さくなる。
Thus, when the
このとき、本実施形態では、フィルム1aの上面を仕切ってフィルム1aの上面に経路4a〜4fを構成する仕切部として、図4(c)に示すような、開口幅が非常に狭く、また開口幅に対して深さが非常に大きい溝部30を用いているので、このような溝部30の内周面には、導体粒子が付着しにくく、これにより溝部30の内周面に形成される導電層5の厚みを非常に小さくすることができる。例えば、面方向が放出面101の面方向と略並行する面上に形成される導電層5の部位の厚みが300nm〜500nmとなるように導電層5を形成した際には、溝部30の内周面に形成される導電層5の部位の厚みを100nm以下とすることができる。そのため、第3工程において溝部30の内周面に形成された導電層5の部位を容易に除去できるようになる。
At this time, in this embodiment, as the partition part which partitions off the upper surface of the
以上述べたように、本実施形態によれば、上記実施形態1よりも、導電層5の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差を大きくつけることができるので、第3工程においてエッチングの条件幅をさらに広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
As described above, according to the present embodiment, the thickness difference between the portion where the
(実施形態4)
本実施形態のコイル基板の製造方法は、第1工程に特徴があり、その他の構成は上記実施形態3と同様であるから説明を省略する。
(Embodiment 4)
The manufacturing method of the coil substrate according to the present embodiment is characterized by the first step, and the other configuration is the same as that of the third embodiment, so that the description thereof is omitted.
すなわち、本実施形態の第1工程は、図1(a)(イ)に示すような未加工のフィルム1aの上面に、図4(a)に示すような例えば5つの略矩形状の凹部2a〜2eを形成するとともに、図4(b),(c)に示すようにフィルム1aの上面を仕切ってコイル線路L用の経路4a〜4fを構成する仕切部となる溝部30を形成する第1加熱プレス工程と、この第1加熱プレス工程の後に、図5(a)〜(c)に示すように、フィルム1aの一面を平面形状の金型300で加熱プレスして突出部7を形成する第2加熱プレス工程とを有している。ここで、第1加熱プレス工程については、上記実施形態3の第1工程と同様の工程であるから、説明を省略する。
That is, the first step of the present embodiment includes, for example, five substantially
第2加熱プレス工程では、突出部7は次のようにして形成される。まず、図5(a)に示すように、フィルム1aと金型300とをフィルム1aの上面と金型300の平坦面301とを対向させた状態で配置し、フィルム1aをガラス転移温度以上、好ましくはガラス転移温度よりも10度以上高い温度に加熱する。そして、図5(b)に示すように、フィルム1aの上面に金型300をプレスして、これによりフィルム1aの上端部を潰して、フィルム1aを上端部が下端部よりも側方へ突出した、所謂オーバーハング形状とすることで、図5(c)に示すように、凹部2a〜凹部2eの短手方向における内側面の開口縁部に凹部2a〜2e内へ突出する突出部7をそれぞれ形成するのである。このとき、溝部30にも同様な突出部が形成される。
In the second hot press process, the protrusion 7 is formed as follows. First, as shown in FIG. 5 (a), the
このような突出部7を備えるフィルム1aに、上記の実施形態3と同様の第2工程を用いて導電層5を形成した際には、上記実施形態3と同様の理由から、フィルム1aの上面において、凹部2a〜2eの底面や傾斜面、経路4a〜4fの上面等の面方向が略上方を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略並行する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが大きく、凹部2a〜2eの短手方向内側面や、溝部30の側面等の面方向が上方に略直交する方向を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略直交する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが小さくなり、また、溝部30の内周面に形成される導電層5の厚みが非常に小さくなる。
When the
加えて、本実施形態では、突出部7を形成していることにより、凹部2a〜2eの短手方向の内側面や溝部30の内周面に導体粒子が付着することを抑制でき、これにより凹部2a〜2eの短手方向の内側面や溝部30の内周面に形成される導電層5の厚みを上記実施形態3よりもさらに小さくすることができる。
In addition, in this embodiment, by forming the protruding portion 7, it is possible to suppress the conductor particles from adhering to the inner side surface in the short direction of the
したがって、本実施形態によれば、上記実施形態3よりも、導電層5の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差を大きくつけることができるので、第3工程においてエッチングの条件幅をさらに広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
Therefore, according to the present embodiment, it is possible to increase the difference in thickness between the portion where the
(実施形態5)
本実施形態のコイル基板の製造方法は、第1工程に特徴があり、その他の構成は上記実施形態3と同様であるから説明を省略する。
(Embodiment 5)
The manufacturing method of the coil substrate according to the present embodiment is characterized by the first step, and the other configuration is the same as that of the third embodiment, so that the description thereof is omitted.
すなわち、本実施形態の第1工程は、図1(a)(イ)に示すような未加工のフィルム1aの上面に、例えば5つの略矩形状の凹部2a〜2eと、フィルム1aの上面を仕切ってコイル線路L用の経路4a〜4fを構成する仕切部となる溝部30とを形成するとともに、図6(c)に示すように、フィルム1aに突出部8を形成する工程である。
That is, in the first step of the present embodiment, for example, five substantially
以下に、本実施形態の第1工程について、フィルム1aとしてガラス転移温度が100℃であるアクリルフィルムを用いた例を挙げて詳しく説明する。この第1工程では、凹部2a〜2e及び溝部30の凹凸を反転させた形状を有する金型400で、100℃(ガラス転移温度)以上となるまで加熱したフィルム1aの上面をプレスして金型形状を転写する。この後に、フィルム1aを冷却した際に、フィルム1aの下面側が60℃〜70℃程度、フィルム1aの上面側が85℃〜90℃の範囲内であるうちに、図6(a),(b)に示すように金型400をフィルム1aから上方へ離型させる。この離型時には、フィルム1aの上面側は完全に硬化が終了していない半硬化状態であるため、金型300の離型に伴なって上方へ引き伸ばされて、フィルム1aを上端部が下端部よりも側方へ突出した所謂オーバーハング形状となる。これにより図6(c)に示すように、凹部2a〜凹部2eの短手方向における内側面の開口縁部に凹部2a〜2e内へ突出する突出部8が形成される。このとき、溝部30においても同様な突出部8が形成される。
Below, the 1st process of this embodiment is demonstrated in detail, giving the example using the acrylic film whose glass transition temperature is 100 degreeC as the
このような突出部8を備えるフィルム1aに、上記の実施形態3と同様の第2工程を用いて導電層5を形成した際には、上記実施形態3と同様の理由から、フィルム1aの上面において、凹部2a〜2eの底面や傾斜面、経路4a〜4fの上面等の面方向が略上方を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略並行する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが大きく、凹部2a〜2eの短手方向内側面や、溝部30の側面等の面方向が上方に略直交する方向を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略直交する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが小さくなり、また、溝部30の内周面に形成される導電層5の厚みが非常に小さくなる。
When the
加えて、本実施形態では、突出部8を形成していることにより、凹部2a〜2eの短手方向の内側面や溝部30の内周面に導体粒子が付着することを抑制でき、これにより凹部2a〜2eの短手方向の内側面や溝部30の内周面に形成される導電層5の厚みを上記実施形態3よりもさらに小さくすることができる。
In addition, in this embodiment, by forming the protruding
したがって、本実施形態によれば、上記実施形態3よりも、導電層5の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差を大きくつけることができるので、第3工程においてエッチングの条件幅をさらに広く設定することができるようになり、これによりコイル線路Lの形成を容易に行え、また歩留りを向上することができる。
Therefore, according to the present embodiment, it is possible to increase the difference in thickness between the portion where the
尚、上記の例は、フィルム1aとしてガラス転移温度が100℃のアクリルフィルムを使用した場合であるが、フィルム1aとしてガラス転移温度が250℃と高いポリイミドフィルムを使用する場合には、フィルム1aの冷却時に、フィルム1aの下面側が200℃程度、フィルム1aの上面側が230℃〜235℃の範囲内であるうちに金型400の離型を行えばよい。また尚、このような金型400の離型は、少なくともフィルム1aの上面側の温度が、フィルムのガラス転移温度からガラス転移温度より20℃低い温度までの範囲内にあるうちに行えばよい。
In addition, although said example is a case where an acrylic film with a glass transition temperature of 100 degreeC is used as the
(実施形態6)
本実施形態のコイル基板の製造方法は、第1工程に特徴があり、その他の構成は上記実施形態1と同様であるから説明を省略する。
(Embodiment 6)
The manufacturing method of the coil substrate according to the present embodiment is characterized by the first step, and the other configuration is the same as that of the first embodiment, and thus the description thereof is omitted.
すなわち、本実施形態の第1工程は、図1(a)(イ)に示すような未加工のフィルム1aの上面に、図7(a),(b)に示すような例えば5つの略矩形状の凹部2a〜2eを形成するとともに、フィルム1aの上面を仕切ってコイル線路L用の経路4a〜4fを構成する仕切部となる段差31を形成する工程である。そして、この第1工程では、上記実施形態1と同様に所定の金型でフィルム1aの上面を加熱プレスすることによってフィルム1aの上面に凹部2a〜2e及び段差31を形成する。
That is, the first step of the present embodiment includes, for example, five substantially rectangular shapes as shown in FIGS. 7A and 7B on the upper surface of the
この第1工程により図7(a)に示すように、凹部2a〜2e及び段差31が形成されたフィルム1aが得られ、ここで、凹部2a〜2eは、例えば短手方向の幅寸法が最大で70μm、深さが90μm〜100μmに形成されており、フィルム1aの上面に長手方向が並行するように所定間隔で列設されている。また凹部2a〜2eは、底面側(下面側)から開口面側(上面側)へ向かうほど長手方向が拡開するように形成されており、これにより凹部2a〜2eの長手方向の内側面は、面方向が斜め上方を向いたなだらかな傾斜面となっている。さらに凹部2a〜凹部2eの短手方向の各内側面と、フィルム1aの上面の面方向との間の角度は、それぞれ2度程度となるようにしている。
As shown in FIG. 7 (a), the
一方、段差31は、隣接する経路4a〜4fが同一平面上に位置しないように、隣接する経路4a〜4fの面が上下に5μm〜10μmずれた位置に位置するように形成されている。そして、この段差31によりフィルム1の上面を仕切ることで、フィルム1aの上面に上記実施形態1と同様の経路4a〜4fが形成されている。つまり、フィルム1aの上面は段差31によって、凹部2a〜2e、経路4a〜4f、及び両端子形成部位からなるコイル線路L形成用の部位と、その他の部位とに仕切られているのである。
On the other hand, the
このように壁部3の代わりに段差31を仕切部として用いたフィルム1aに、上記の実施形態1と同様の第2工程を用いて導電層5を形成した際には、上記実施形態1と同様の理由から、フィルム1aの上面において、凹部2a〜2eの底面や傾斜面、経路4a〜4fの上面等の面方向が略上方を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略並行する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが大きく、凹部2a〜2eの短手方向内側面や、段差31の側面等の面方向が上方に略直交する方向を向いている面(面方向が放出面101の面方向と略直交する面)上に形成される導電層5の部位で厚みが小さくなり、例えば、面方向が放出面101の面方向と略並行する面上に形成される導電層5の部位の厚みが300nm〜500nmとなるように導電層5を形成した際には、段差31の側面に形成される導電層5の部位の厚みが100nm程度と均一な値となる。
As described above, when the
したがって、本実施形態によれば、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。尚、段差31による経路間の高低差が小さいと、導電層5の除去する部位と除去しない部位とで厚みの差を大きくつけることができなくなるので、このような段差31による高低差は、少なくとも5μm以上、好ましくは10μm程度とするのがよい。
Therefore, according to the present embodiment, the same effect as in the first embodiment can be obtained. If the height difference between the paths due to the
1a フィルム
2a〜2e 凹部
3 壁部
4a〜4f 経路
5 導電層
L コイル線路
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