JP2006337136A - 中性子線量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲のエネルギーの中性子に対して感度特性の良好な線量測定を実現する。
【解決手段】熱中性子検出器20は、外界から飛来する熱中性子と、中・高速中性子が人体で減速・反射されて入射する熱中性子とを検出する。高速中性子検出器30は、ラジエータ32による高速中性子の反跳反応で生じた陽子を検出するが、同時にバックグラウンドγ線も検出してしまう。この検出信号を、波高弁別回路62は、バックグラウンドγ線を完全に除去するよりも低いしきい値で波高弁別する。波高弁別回路62の出力にはγ線の検出パルスが混じっているが、これは波形弁別処理部70で波形弁別を行うことで除去するので、高速中性子の検出パルスのみを抽出できる。高速中性子検出の波高弁別のしきい値を低くできるので、従来感度の悪かった0.01〜0.1MeV近傍の中性子も検出できるようになり、感度特性が向上した。
【選択図】図2

Description

本発明は、中性子の線量を求める測定装置に関する。
周知のように、中性子検出は、中性子に発熱的な核反応を引き起こさせ、その電離生成物、例えばα粒子、陽子、γ線等を検出することにより、あるいは中性子の照射による放射化を利用することにより行われる。ただし、このような検出器でも、透過力の高い中・高速の中性子の検出は困難であるため、ポリエチレン等の減速部材を用いて中性子を測定可能なエネルギー(熱中性子レベル)まで減速させ、これを検出器で検出している。
特許文献1に示される装置は、熱中性子を検出する検出器を中性子遮蔽部材で覆い、その遮蔽部材のうち人体側に穴を設けたものである。中・高速の中性子(熱外中性子)が外界から人体に入射した場合、その一部が人体内で反射されて熱中性子となり、穴を通って遮蔽部材内の検出器に達し、検出される。中・高速の中性子を検出可能な熱中性子まで減速するには大きな減速部材が必要であるが、この従来装置では、人体を減速部材として利用することで、検出装置自体の小型化を実現している。
また特許文献2に示される装置では、中性子が突入すると陽子が飛び出してくるラジエータを半導体検出器の直前に設けることで、比較的エネルギーの大きい中性子(熱外中性子)を検出できるようにしている。
特許第2500886号明細書 特許平02−205792号公報
特許文献1の装置は、低エネルギーの中性子をよく遮蔽する中性子遮蔽部材で検出器を覆うことでエネルギー補正を行ってはいるものの、補正は十分ではなく、検出感度のエネルギー依存性は高い。また、この装置は、人体を減速材として利用することで、ある程度高エネルギーの中性子を検出することができるが、人体を通り抜けてしまうほど高エネルギーの中性子は検出できない。また、高エネルギーの中性子は、1個当たりの人体へのダメージが大きいので、高エネルギーの中性子ほど感度のよい(すなわち同じ入射数に対してより大きい数値を出力する)ものが好ましいが、特許文献1の装置は人体の利用によりある程度高エネルギーの中性子まで検出はできても、その感度は図7の破線のグラフ100に示すように高エネルギーになるほど低下するため、そのような要請を満たさない。
特許文献2の装置は、反跳陽子を検出することで、高エネルギーの中性子に対する感度を高めているが、反跳陽子検出にはバックグラウンドγ線の影響がある。すなわち、熱中性子を核反応生成粒子で検出する検出器の場合、バックグラウンドのγ線の検出信号と核反応生成粒子の検出信号とは波高が顕著に異なるので、波高弁別を行うことでバックグラウンドγ線の影響を除去できるが、反跳陽子のうち比較的低エネルギーのものとバックグラウンドγ線とは波高にそれほど顕著な差がないので、波高弁別ではバックグラウンドγ線の影響を排除できない。したがって、バックグラウンドγ線と同等以下の波高の信号はバックグラウンドγ線の可能性があるため、従来は波高弁別により除去している。このため、特許文献2の方式の装置は、ある程度以上のエネルギーを持つ中性子しか検出できない。図7の一点鎖線のグラフ102は、特許文献2の方式の装置のエネルギー特性を示しており、約0.1MeV以下では感度が極めて低いことが分かる。
事故現場など未知の放射能環境に入る作業者が安全のために中性子線量測定装置を携帯することを考えると、その場に存在する中性子のエネルギーは未知なので、熱中性子から高速中性子にわたる広いエネルギー範囲について適切な感度のあることが望ましいが、上述の特許文献1と特許文献2の装置は、それぞれ単体ではそのような要請を満たすことはできない。特許文献1の装置は低エネルギー側、特許文献2の装置は高エネルギー側にそれぞれ感度がよいので、両者を組み合わせることも考えられるが、単に組み合わせただけでは、図7のグラフから分かるように、約0.01MeV〜約0.1MeVのエネルギー範囲は、特許文献1の装置も特許文献2の装置の感度が低く、両者の検出結果を組み合わせても十分な感度が得られない。
本発明は、広いエネルギー範囲にわたって感度のよい中性子線量測定装置を提供する。
本発明は、人体に装着される中性子線量測定装置であって、熱中性子との核反応による生成粒子を半導体検出器で検出する熱中性子検出部と、前記熱中性子検出部の半導体検出器の検出信号の中から、波高弁別により前記核反応による生成粒子の検出信号を抽出する第1弁別部と、前記第1弁別部により抽出された前記核反応による生成粒子の検出信号に基づき、熱中性子の線量を算出する熱中性子線量算出部と、高速中性子との相互作用により反跳粒子を発するラジエータと、前記ラジエータが発した反跳粒子を半導体検出器で検出する高速中性子検出部と、前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号の中から、波高弁別及び波形弁別により反跳粒子の検出信号を抽出する第2弁別部と、前記第2弁別部により抽出された反跳粒子の検出信号に基づき、高速中性子の線量を算出する高速中性子線量算出部と、前記熱中性子線量算出部及び前記高速中性子線量算出部がそれぞれ求めた線量に基づき、総合的な中性子線量を算出する総合線量算出部と、を備える。
望ましくは、前記第2弁別部における波高弁別の弁別しきい値は、バックグラウンドγ線の入射に応じて高速中性子検出部が出力する検出信号を完全には弁別除去しないレベルに設定される。
また1つの態様では、前記第2弁別部は、前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号における各検出パルスの立ち上がり時間に基づき、それら検出パルスの中から反跳粒子に対応する検出パルスを弁別する。
また1つの態様では、前記第2弁別部は、前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号をサンプリングしてデジタル値に変換するアナログ・デジタル変換器と、前記アナログ・デジタル変換器が出力するデジタルサンプリング値を時系列的に記憶するメモリと、該メモリに保持されたデジタルサンプリング値の系列が示す波形の立ち上がり時間に基づき、該波形が反跳陽子の検出信号に対応するものか否かを判定する判定部と、を備える。
高速中性子検出部の検出信号から反跳陽子の検出信号を弁別するのに、波高弁別と波形弁別を併用することで、波高弁別のしきい値を従来より下げることができる。したがって、高速中性子検出部にて従来より低いエネルギーの中性子まで検出することができる。これを熱中性子検出部と併用することで、広いエネルギー範囲にわたって良好な感度特性が得られる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について説明する。
図1に示すように、本実施形態の中性子線量測定装置10は、人体40(例えば腕や足、腰など)に装着して使用されることを想定したものであり、熱中性子検出器20と高速中性子検出器30とを内蔵している。
熱中性子検出器20は、熱中性子と核反応を起こして粒子を放出する核反応物質22の層又は板状部材を有する。ここで用いられる核反応物質は、6Liを含む物質(例えばLiF)や10Bを含む物質、ウランなど、熱中性子と反応して荷電粒子その他の粒子を発する物質であればなんでもよい。また中性子線量測定装置10内には、核反応物質22から発せられた粒子を検出する半導体検出器24を備える。この例では、半導体検出器24は、樹脂パッケージで覆われていない、いわゆる「ベア」の半導体(例えばシリコン(Si))検出器であり、核反応物質22よりも人体40に近い側に設けられる。
この熱中性子検出器20は、外界から入射する熱中性子を検出するとともに、当該検出器20を通過した中速又はある程度高速の中性子が人体40内で減速され反射される結果生じる熱中性子を検出する。
高速中性子検出器30は、中性子と水素原子の反跳反応を利用した検出器であり、水素原子を豊富に含んだポリエチレン等の材質でできた板状又はブロック上のラジエータ32と、入射した中性子によりラジエータ32内からはじき出された陽子(反跳陽子)を検出する半導体検出器34とを備える。この半導体検出器34もベアの半導体(例えばシリコン)検出器でよい。半導体検出器34はラジエータ32よりも人体40の側に設けられているので、外界から人体40に向かって入射する高速中性子はラジエータ32に入射し、これにより生じた反跳陽子が半導体検出器34で検出されることとなる。
図示例では、熱中性子検出器20と高速中性子検出器30はお互いに対する入射中性子をできるだけ遮らないよう、人体40の表面に平行に、横に並べて配置される。
以上に示した熱中性子検出器20と高速中性子検出器30とは、検出器それ自体としては、特許文献1や2に示された従来の熱中性子検出器及び高速中性子検出器と同じものでよい。本実施形態の特徴は、それら2種類の検出器20及び30を組み合わせたことと、高速中性子検出器30の検出信号の信号処理に工夫を加えたことである。以下、この点について説明する。
図2に中性子線量測定装置10の信号処理部の構成を示す。
この構成では、まず熱中性子検出器20内の半導体検出器24から出力される検出信号(微弱な電荷)は、前置増幅器50で低インピーダンスの電圧パルス信号に変換される。前置増幅器50は電荷有感型のものを用いることができる。前置増幅器50の出力信号は、比例増幅器52により十分な振幅まで比例増幅され、波形整形される。波高弁別回路54は、比例増幅器52の出力信号の中から、あらかじめ設定された閾値レベル以上の波高を持つものだけを弁別して出力する。中性子と核反応物質22との反応により生成される粒子は、バックグラウンドのγ線よりも遥かに高エネルギーなので、バックグラウンドの影響は波高弁別回路54により十分に除去できる。計数器56は、波高弁別回路54から出力されるパルス(これは入射した中性子を示す)を計数する。
以上に示した熱中性子検出器20の信号処理の構成は、従来公知のものと同様のものでよい。
一方、高速中性子検出器30の検出信号を処理する回路のうち、前置増幅器60及び比例増幅器62及び波高弁別回路64は上述の前置検出器50及び比例増幅器62及び波高弁別回路54と同じ機能を果たすものであり、従来の高速中性子の測定装置も備えているものである。ただし、そのうち波高弁別回路64は、従来の高速中性子の測定装置の波高弁別回路よりも、しきい値とする波高が低く設定される。例えば、従来装置では、バックグラウンドγ線の検出パルスを除去するため、約0.1MeVをしきい値としていたのに対し、本実施形態の波高弁別回路64はそれよりも一桁低い約0.01MeVをしきい値としている。したがって、この波高弁別回路64からは、従来装置の波高弁別回路よりもエネルギーの低い反跳陽子(したがって中性子)の検出パルスが出力されるようになるが、その代わりに高エネルギーのバックグラウンドγ線の検出パルスも併せて出力されることになる。本実施形態では、波高弁別回路64の出力する信号の中から、波形弁別により反跳陽子の検出パルスだけを抽出する。この抽出原理を、図3、図4A、図4Bを参照して説明する。
図3は、反跳陽子が入射した場合とγ線が入射した場合に、半導体検出器34内で生じる相互作用を模式的に示している。この図に示すように、反跳陽子は運動エネルギーが大きいにもかかわらず半導体内での飛程が短いので、非常に短時間に多量の電離を半導体内に生じさせる。一方、γ線は、半導体検出器34内の電子に衝突してコンプトン散乱を生じ、コンプトン電子を発生させるが、このコンプトン電子の飛程は陽子に比べて遥かに長い。したがって、例えば図示のようにコンプトン電子が半導体検出器34内を斜めに走り、半導体検出器34内でそのエネルギーの全てを使って電離を生じさせる場合を考えると、元となるγ線のエネルギーが反跳陽子と同等ならば、反跳陽子入射の場合とほぼ同量の電離を、反跳電子の場合よりも遥かに長い時間をかけて生じさせることとなる。このようなことから、図4Aに示すように、反跳陽子と同等のエネルギーを持つγ線が入射し、そのγ線のエネルギーが全て半導体検出器34内で電離に使われる場合、そのとき半導体検出器34から出力されるパルス120Aは、反跳陽子が入射した時に出力されるパルス110Aよりも波高が低く、より長時間続く信号となる。反跳陽子の検出パルスのパルス幅は0.1μsec程度であるのに対し、γ線の検出パルスのパルス幅は10μsecにも及ぶ。
そして、これら検出パルス110A及び120Aが比例増幅器62で増幅及び波形整形作用を受けると、図4Bに示すパルス110B及び120Bとなる。この図から分かるように、γ線に対応するパルス120Bのピークは、反跳陽子に対応するパルス110Bのピークよりも時間的に顕著に遅れたものとなる。
そこで本実施形態では、比例増幅器62の出力する個々のパルスの波形の特徴、例えばライズタイム(立ち上がり時間)を求め、このライズタイムの長短により反跳陽子の検出パルスとγ線の検出パルスとを弁別する。ライズタイムとしては、例えば、パルス波高がピーク波高の10%から90%までに達するまでの時間を求める。反跳陽子とγ線とを弁別するための立ち上がり時間のしきい値は、あらかじめ実験などにより求めることができる。
なお、コンプトン電子が半導体検出器34を通過する際の角度が図3の例よりも大きい(すなわち半導体検出器の検出面に対する垂直方向に、より近い)場合は、コンプトン電子は全運動エネルギーを失う前に半導体検出器34の外に出てしまうので、検出パルスの波高は上述の場合よりも低くなる。このようなパルスは、波高弁別回路64で除去されるので、ここでは考慮しなくてよい。
以上に説明したパルス波形弁別による検出パルスの種別弁別は、図2の例では、A/D変換器66,メモリ68,及び波形弁別処理部70により実行される。すなわち、波高弁別回路64の出力信号は、A/D変換器66により高速サンプリングされ、サンプリング時点ごとの波高を示すデジタルデータに変換される。A/D変換器66から出力された各時点の波高のデジタルデータはメモリ68に一旦記憶される。波形弁別処理部70は、メモリ68内に記憶されたデジタルデータ群からパルスの開始点とピークを求め、10−90%のライズタイムを求める。そして、このライズタイムがあらかじめ設定されたしきい値以下であれば当該パルスは反跳陽子によるものと判定し、計数器72に対してパルスを出力する。逆に、ライズタイムがしきい値よりも大きければ、当該パルスはγ線によるものと判定し、計数器72に対する出力パルスは生成しない。このような処理により、反跳陽子の検出に対応するパルスのみが弁別されることとなる。なお、以上の波形弁別処理部70は、上述の処理をソフトウエア的に実現するものもよいし、ハードウエア回路として実現するものでもよい。
計数器72は、波形弁別処理部70の出力するパルスを計数することで、反跳陽子の計数結果(すなわち中性子の計数結果)を求め、これを線量演算部80に入力する。なお、波形弁別処理部70をソフトウエア的に実現する場合は、計数器72の計数処理も同様にソフトウエア処理で実現できる。
線量演算部80は、計数器56及び72の計数結果(例えば計数率)に基づき中性子線量を求める。線量演算部80が求めた中性子線量は、当該測定装置が備える表示部に表示されるなどの形で出力される。
ここで、線量演算部80は、個々の計数器56及び72の計数結果に対してそれぞれ所定の係数を乗じることで、検出器20及び30の各々についての線量を求め、これらを足し合わせることで総合的な中性子線量を計算する。検出器20及び30のサイズ等を適切に定めることで、両計数結果に対する係数を同じ値とすることもできる。ここで、計数結果に対して乗じる係数は、中性子のエネルギーによらない定数でよい。これは、各検出器20及び30(検出信号の処理系を含む)の感度のエネルギー特性を合わせたものが、換算係数のエネルギー特性に近いからである。
すなわち、図5に示すように、本実施形態では、装着先である人体の減速効果により、熱中性子検出器20は図5の破線のグラフ100で示すような感度のエネルギー特性を呈する(図7のグラフ100に同じ)。一方、高速中性子検出器30は、波高弁別によりバックグラウンドγ線をカットしていた従来構成の場合は一点鎖線のグラフ102(図7のグラフ102に同じ)のような感度特性であったところが、本実施形態では、波高弁別のしきい値を約0.01MeVと従来より下げつつも、これに応じて検出されるバックグラウンドγ線を波形弁別処理部70でカットしているので、実線のグラフ104のような感度特性となる。したがって、2つの検出器20及び30を組み合わせた中性子線量測定装置10全体では、それら両検出器の感度特性(グラフ100と104)を足し合わせた感度特性となる。従来の高速中性子検出器と熱中性子検出器とを組み合わせただけでは感度が落ち込んでいた0.01〜0.1MeV近傍の感度を持ち上げることができた。なお、図5等に示したグラフにおける感度は、入力された中性子束の密度に対する、測定値として出力される中性子線量の比である。
これに対し、図6は、法令で定められる中性子束密度(cm-2)と中性子線量(pSv)との換算係数C(E)のエネルギー特性を示すグラフである。2つの検出器20及び30の感度特性を足し合わせた中性子線量測定装置10全体としての感度特性は、この換算係数のエネルギー特性にかなり近くなっていることが分かるであろう。
このように、本実施形態の中性子線量測定装置10は、熱中性子から高速中性子までの広いエネルギー範囲にわたり、法令に従ったエネルギー特性での線量測定を実現できる。
以上の例では、比例増幅器62の出力を波高弁別回路64で波高弁別した後、A/D変換器66〜波形弁別処理部70で更に波形弁別を行ったが、このような構成の代わりに、比例増幅器62の出力をA/D変換し、波高弁別と波形弁別の両方をデジタル処理でまとめて実行するようにしてもよい。
また、以上の例では波形弁別処理部70は入力された信号の中から反跳陽子(入射中性子に対応)の検出パルスのみを抽出していたが、この除去していたパルスはγ線の検出パルスを示す。そこで、このγ線の検出パルスを除去する代わりに、反跳陽子のパルスとは別に計数することで、γ線の計数率や線量を求めることもできる。この場合、γ線の感度特性を良好なものとするために、高速中性子検出器30内の半導体検出器34の前のラジエータ32の更に前に銅板等のフィルタを設けることも可能である。高速中性子検出器30が検出対象としている高速中性子は、γ線用のフィルタ程度ではほとんど影響を受けないので、中性子測定には悪影響がない。
以上の例では、中性子線量測定装置10は人体に装着するものであるとして説明したが、人体と同等程度以上の体積を持つ水槽など、人体と同等の減速作用をなす物体に装着して測定を行ってももちろんよい。
本実施形態に係る中性子線量測定装置の検出部の構成を示す図である。 本実施形態に係る中性子線量測定装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 反跳陽子が入射した場合とγ線が入射した場合に、半導体検出器内で生じる相互作用を模式的に示す図である。 同エネルギーの反跳陽子とγ線が入射した時の半導体検出器の出力パルスを模式的に示す図である。 同エネルギーの反跳陽子とγ線が入射した時の半導体検出器の出力パルスの、波形整形後の信号波形を模式的に示す図である。 各検出器の感度のエネルギー特性を示す図である。 中性子束密度から中性子線量への換算係数のエネルギー特性を示す図である。 従来の高速中性子検出器及び熱中性子検出器の感度のエネルギー特性を示す図である。
符号の説明
10 中性子線量測定装置、20 熱中性子検出器、22 核反応物質、24,34 半導体検出器、30 高速中性子検出器、32 ラジエータ、50,60 前置増幅器、52,62 比例増幅器、54,64 波高弁別回路、56,72 計数器、66 A/D変換器、68 メモリ、70 波形弁別処理部、80 線量演算部。

Claims (4)

  1. 人体に装着される中性子線量測定装置であって、
    熱中性子との核反応による生成粒子を半導体検出器で検出する熱中性子検出部と、
    前記熱中性子検出部の半導体検出器の検出信号の中から、波高弁別により前記核反応による生成粒子の検出信号を抽出する第1弁別部と、
    前記第1弁別部により抽出された前記核反応による生成粒子の検出信号に基づき、熱中性子の線量を算出する熱中性子線量算出部と、
    高速中性子との相互作用により反跳粒子を発するラジエータと、
    前記ラジエータが発した反跳粒子を半導体検出器で検出する高速中性子検出部と、
    前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号の中から、波高弁別及び波形弁別により反跳粒子の検出信号を抽出する第2弁別部と、
    前記第2弁別部により抽出された反跳粒子の検出信号に基づき、高速中性子の線量を算出する高速中性子線量算出部と、
    前記熱中性子線量算出部及び前記高速中性子線量算出部がそれぞれ求めた線量に基づき、総合的な中性子線量を算出する総合線量算出部と、
    を備える中性子線量測定装置。
  2. 前記第2弁別部における波高弁別の弁別しきい値は、バックグラウンドγ線の入射に応じて高速中性子検出部が出力する検出信号を完全には弁別除去しないレベルに設定されることを特徴とする請求項1記載の中性子線量測定装置。
  3. 前記第2弁別部は、前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号における各検出パルスの立ち上がり時間に基づき、それら検出パルスの中から反跳粒子に対応する検出パルスを弁別することを特徴とする請求項1記載の中性子線量測定装置。
  4. 前記第2弁別部は、
    前記高速中性子検出部の半導体検出器の検出信号をサンプリングしてデジタル値に変換するアナログ・デジタル変換器と、
    前記アナログ・デジタル変換器が出力するデジタルサンプリング値を時系列的に記憶するメモリと、
    該メモリに保持されたデジタルサンプリング値の系列が示す波形の立ち上がり時間に基づき、該波形が反跳陽子の検出信号に対応するものか否かを判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の中性子線量測定装置。
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