JP2006332481A - エッチング処理方法及びエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な処理フローであっても総装置面積(フットプリント)及び設備費を増加させることなく実施することができ、その結果、高品質なエッチング加工を低コストで実現することができ、多品種少量生産に適合し、仕様の変更によって仕掛品が無駄になるリスクが小さく、被処理体の搬送に関わる様々な問題が発生しない湿式エッチング処理方法、及びそれを実施するエッチング装置を提供すること。
【解決手段】 エッチング/リンス/乾燥処理槽1には、飛散したエッチング液を回収する外槽2、上蓋3、および、通常のエッチング槽に装着されることの多い撹拌ポンプ4、排出バルブ5、クイックダンプバルブ6、バブリング気泡発生装置7および気泡分散板8を設ける。さらに、処理槽1には、エッチング液供給装置20、純水供給装置30および乾燥ガス供給装置40を設け、単一の処理槽でエッチング処理、リンス処理および乾燥処理を行えるように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 エッチング/リンス/乾燥処理槽1には、飛散したエッチング液を回収する外槽2、上蓋3、および、通常のエッチング槽に装着されることの多い撹拌ポンプ4、排出バルブ5、クイックダンプバルブ6、バブリング気泡発生装置7および気泡分散板8を設ける。さらに、処理槽1には、エッチング液供給装置20、純水供給装置30および乾燥ガス供給装置40を設け、単一の処理槽でエッチング処理、リンス処理および乾燥処理を行えるように構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エッチング処理とリンス処理と乾燥処理とを実施する湿式エッチング処理方法及びそれを実施するエッチング装置に関するものである。
例えば、近年の液晶ディスプレイ(LCD)などの表示パネルの薄型化および軽量化に対応するためには、ガラス基板の薄型化が必要である。これは、表示パネルの厚さと重さにおいて、ガラス基板の厚さと重さが、それぞれ、大きな割合を占めているからである。
通常、表示パネルは、複数個分が一枚の大きなガラス基板に形成され、その後、各表示パネルに切り分けられて、製造される。
このとき用いられるガラス基板は、縦と横の大きさが550mm×650mm以上ある場合、厚さが0.6mm以下になると半導体プロセス等を適用することが困難となる。このため、従来、薄型化の目標として考えられている、厚さが0.4〜0.5mmのガラス基板を用いることができなかった。
そこで、縦と横の大きさが400mm×500mm以下のガラス基板を用いて薄型化を実現する方法が実施されたが、この方法には、ガラス基板1枚から得られる表示パネルの個数(理論個数)が少なくなるため、生産性が低くなるという問題点がある。
これらの問題を解決するために、後述の特許文献1では、縦と横の大きさが550mm×650mm以上あり、0.6mmを超える厚さをもつガラス基板を用い、1方のガラス基板に半導体プロセスなどを適用して画素アレイを形成し、もう一方のガラス基板にカラーフィルタなどを形成し、両者を貼り合わせてLCDパネルの大部分の構造を形成した後に、湿式エッチングによってガラス基板の表面をエッチングし、ガラス基板を薄型化する方法が提案され、実施されている。この方法によれば、大きなサイズの厚いガラス基板に対して半導体プロセスによる加工を行うことができるので、現状の表示パネル製造プロセスにガラス基板エッチングプロセスを加えるだけで、薄型かつ軽量のLCDパネルを生産性よく製造することができる。
図9は、特許文献1で提案されているガラス基板の製造装置に基づいて、従来のエッチング装置の構成を説明する概略図である。
図9に示すエッチング装置において、被処理体であるLCDガラス基板50は、前処理槽10で表面の汚れを除去された後、エッチング槽101でエッチング液に浸漬され、適当な厚さまでエッチングされる。エッチング液としては、例えば20質量%程度のフッ酸が用いられる。
図10は、エッチングの進行によって変化する、エッチング槽101内のLCDガラス基板50とエッチング液52の状態を示す概略説明図である。
LCDガラス基板50は、縦と横の大きさが600mm×720mm程度であり、材質は、例えばコーニング社製の7059(商品名)などである。図10(a)に示すように、LCDガラス基板50は、2枚のガラス基板50aと50bがシール剤51によって接着されて、形成されている。ガラス基板50aの内側の面には薄膜トランジスタ(TFT)が形成され、ガラス基板50bの内側の面にはカラーフィルタ(CR)が形成されている。
シール剤51は、ガラス基板50aと50bの周囲に被着されるほか、貼り合わされる各ガラス基板の内側の面にも格子状に被着される。この格子によって囲まれた個々の領域が、1個のLCDパネルの表示領域となる。貼り合わされたLCDガラス基板50は、エッチング処理によって所定の厚さまで薄型化された後、シール剤51が格子状に被着された領域で切断され、複数のLCDパネルに切り分けられる。
シール剤51には、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂が用いられる。エポキシ樹脂は、フッ酸への耐エッチング性があるので、LCDガラス基板50をフッ酸系エッチング液に浸漬した場合でも、貼り合わせた2枚のガラス基板50aと50bとの内面に形成された画素アレイなど、LCDガラス基板50内部をエッチング液52から保護することができる。
図10に示すように、初め、例えば厚さ1.4mmのLCDガラス基板50を上記のようにエッチングして、所定の厚さ、例えば1.0mmまで薄型化するには、30分間〜120分間エッチングを続けることが必要である。この間、エッチング液52には、エッチングの進行によって生じた不純物53が、イオン、コロイド粒子、ゾル状またはゲル状の状態で蓄積される。不純物53は、フッ化ケイ素酸や、フッ化ホウ素酸や、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムのフッ化物などである。
これらの不純物53は、図10(b)に示すように、不純物濃度が小さい間はイオンやコロイド粒子やゾルの状態でエッチング液52中に溶解または分散していることが多いが、図10(c)に示すように、不純物濃度が大きくなり、飽和状態になると、微粒子状の浮遊物54あるいはゲル状の浮遊物55になって、沈殿したりLCDガラス基板50に付着したりしやすくなる。LCDガラス基板50に微粒子状またはゲル状の浮遊物54または55が付着すると、エッチングが均一に進まなくなり、ガラス表面の面荒れの原因となる。
エッチング槽101で所定の厚さに薄型化されたLCDガラス基板50は、直接、リンス槽104において純水でリンス処理し、乾燥槽105において乾燥させていた。このようにすると、乾燥と同時に、エッチング反応生成物が白い粉状の物質となって、ガラス面などに析出することがある。従来、この白粉は、LCDガラス基板50を乾燥槽105から取り出した後、純水シャワーや、バブリングリンスや、有機溶剤を用いた拭き取りなどで除去していた。しかし、白粉の完全な除去は難しく、無理な除去を試みれば、ガラス基板にダメージを与え、品質を低下させるおそれが生じるとともに、白粉が飛散すれば、クリーンルームのクリーン度を低下させ、作業雰囲気を汚染するおそれもある。
そこで、図9に示すように、特許文献1では、エッチング処理後、リンス処理を行う前に、中間リンス処理および中間乾燥処理を、それぞれ、中間リンス槽102および中間乾燥槽103において行うガラス基板製造装置が提案されている。中間乾燥槽103には、乾燥手段の他に、純水と空気または窒素ガスなど二流体を噴射可能な流体ノズルが備えられており、流体ノズルからLCDガラス基板50に向けて噴射される流体による衝撃で、中間乾燥処理で析出する白粉の大部分を洗浄除去できるように構成されている。
さて、図9に示されているエッチング装置では、LCDガラス基板50は、まず左端の前処理槽10に導入されて前処理が施され、前処理が終わると、ガラス基板搬送機構106によって右隣のエッチング槽101へ移されてエッチング処理が施され、エッチング処理が終わると、ガラス基板搬送機構106によってさらに右側の処理槽へ移される。
この例のように、従来のエッチング装置では、処理フローの各処理に個別の処理槽を割り当て、これらの処理槽を工程順に配置した処理ラインを形成し、搬送機構によって被処理体をこの処理ラインに沿って槽から槽へと順々に転送することによって、被処理体に一連の処理が施される。この際、図9に示すエッチング装置において中間リンス槽102とリンス槽104とが設けられているように、機能的には1つの処理槽で実現できる処理であっても、処理フロー順に別の処理槽が設けられる。
上記の、いわゆる製造ライン方式の処理方式には、下記の(1)〜(3)の問題点がある。
(1)複雑な処理フローに対応するためには、総装置面積(フットプリント)が大きくな り、設備費がかさむ。
処理工程数が増加すると、それに比例して処理槽の数が増加する。例えば、エッチング処理を行った後、リンス処理および乾燥処理をそれぞれ数回づつ行うとすると、それらに対応して数個ずつのリンス槽および乾燥槽を配置する必要がある。また、前述したエッチング面の面荒れを防止するためにはダブルエッチングが効果的であるが、そのためにはリンス槽とエッチング槽とを追加する必要がある。以上の結果、1つの処理槽で20枚のLCDガラス基板50(縦と横の大きさが600mm×720mm程度)を同時処理可能なエッチング装置の総装置面積(フットプリント)は、3m×10mにもなる。このため、設備費がかさみ、また、処理槽の数が多いので保守に要する作業量や費用も大きくなる。
処理工程数が増加すると、それに比例して処理槽の数が増加する。例えば、エッチング処理を行った後、リンス処理および乾燥処理をそれぞれ数回づつ行うとすると、それらに対応して数個ずつのリンス槽および乾燥槽を配置する必要がある。また、前述したエッチング面の面荒れを防止するためにはダブルエッチングが効果的であるが、そのためにはリンス槽とエッチング槽とを追加する必要がある。以上の結果、1つの処理槽で20枚のLCDガラス基板50(縦と横の大きさが600mm×720mm程度)を同時処理可能なエッチング装置の総装置面積(フットプリント)は、3m×10mにもなる。このため、設備費がかさみ、また、処理槽の数が多いので保守に要する作業量や費用も大きくなる。
(2)少品種多量生産には適合するが、多品種少量生産には適合しない。
処理ライン上に並ぶ処理槽をすべて稼働させ、同時並行的に多くの被処理体を処理すれば、装置の稼働率は高くなるが、この方式で生産性を高めるためには各処理槽における処理時間がほぼ一致することが必要になり、処理内容が制約されることがある。また、1つの処理ラインで異なる処理フローを実施して、例えば厚さの異なるガラス基板など、多品種を製造することは難しい。異なる処理フローに対応するためには、処理ラインの変更が必要になるので、頻繁な処理フローの変更に対応することは難しく、また、処理ライン上に並ぶ被処理体はすべて仕掛品であるので、仕様の変更によって多くの仕掛品が無駄になるリスクが大きい。従って、製造ライン方式の処理方式は、少品種多量生産には適合するが、多品種少量生産には適合しない。
処理ライン上に並ぶ処理槽をすべて稼働させ、同時並行的に多くの被処理体を処理すれば、装置の稼働率は高くなるが、この方式で生産性を高めるためには各処理槽における処理時間がほぼ一致することが必要になり、処理内容が制約されることがある。また、1つの処理ラインで異なる処理フローを実施して、例えば厚さの異なるガラス基板など、多品種を製造することは難しい。異なる処理フローに対応するためには、処理ラインの変更が必要になるので、頻繁な処理フローの変更に対応することは難しく、また、処理ライン上に並ぶ被処理体はすべて仕掛品であるので、仕様の変更によって多くの仕掛品が無駄になるリスクが大きい。従って、製造ライン方式の処理方式は、少品種多量生産には適合するが、多品種少量生産には適合しない。
(3)被処理体の搬送に関わる様々な問題が発生する。
処理ラインに沿って各処理槽間を被処理体が移動することによって、一連の処理フローが被処理体に施される方式であることから、必然的に被処理体を移動させる大がかりな搬送手段が必要になる。また、実際に処理が行われる実処理時間以外に、各槽間で被処理体を移動させるのに要する搬送時間が必要になり、実際にかかる時間が長くなるので、生産性が低下する。また、搬送中に、被処理体からパーティクルが発生して飛散し、クリーンルームの雰囲気を汚染したり、逆に、雰囲気中のパーティクルが被処理体に付着して被処理体が汚染されたりする。
処理ラインに沿って各処理槽間を被処理体が移動することによって、一連の処理フローが被処理体に施される方式であることから、必然的に被処理体を移動させる大がかりな搬送手段が必要になる。また、実際に処理が行われる実処理時間以外に、各槽間で被処理体を移動させるのに要する搬送時間が必要になり、実際にかかる時間が長くなるので、生産性が低下する。また、搬送中に、被処理体からパーティクルが発生して飛散し、クリーンルームの雰囲気を汚染したり、逆に、雰囲気中のパーティクルが被処理体に付着して被処理体が汚染されたりする。
上記の製造ライン方式の代わりに、処理内容ごとに1つずつ、少数の処理槽を設け、これらの間を搬送ロボットなどの搬送手段で結び、この搬送手段によって処理フロー順に槽から槽へと被処理体を移動させる方式が考えられる(特許文献1の図6参照。)。この方式では、製造ライン方式の特徴である同時並行処理は行えないが、上記製造ライン方式の問題点の(1)および(2)は解消される。しかし、搬送手段が複雑になるとともに、上記(3)に記した被処理体の搬送に関わる様々な問題が発生する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、複雑な処理フローであっても総装置面積(フットプリント)及び設備費を増加させることなく実施することができ、その結果、高品質なエッチング加工を低コストで実現することができ、多品種少量生産に適合し、仕様の変更によって仕掛品が無駄になるリスクが小さく、被処理体の搬送に関わる様々な問題が発生しない湿式エッチング処理方法、及びそれを実施するエッチング装置を提供することにある。
即ち、本発明は、湿式エッチング法によって被処理体をエッチングするエッチング処理方法において、
少なくとも、エッチング処理と、前記エッチング処理後に前記被処理体をリンスする リンス処理と、前記リンス処理後に前記被処理体を乾燥させる乾燥処理とを、単一の処 理槽において実施する
ことを特徴とする、エッチング処理方法に係わり、また、このエッチング処理方法を実施するのに用いられるエッチング装置であって、
単一の処理槽に、少なくとも、エッチング液の供給手段と、エッチング排液の排出手 段と、リンス処理液の供給手段と、リンス廃液の排出手段と、前記乾燥処理を行う乾燥 手段とを備える
エッチング装置に係わるものである。
少なくとも、エッチング処理と、前記エッチング処理後に前記被処理体をリンスする リンス処理と、前記リンス処理後に前記被処理体を乾燥させる乾燥処理とを、単一の処 理槽において実施する
ことを特徴とする、エッチング処理方法に係わり、また、このエッチング処理方法を実施するのに用いられるエッチング装置であって、
単一の処理槽に、少なくとも、エッチング液の供給手段と、エッチング排液の排出手 段と、リンス処理液の供給手段と、リンス廃液の排出手段と、前記乾燥処理を行う乾燥 手段とを備える
エッチング装置に係わるものである。
本発明のエッチング処理方法は、湿式エッチング法によって被処理体をエッチングするエッチング処理方法であって、
少なくとも、エッチング処理と、前記エッチング処理後に前記被処理体をリンスする リンス処理と、前記リンス処理後に前記被処理体を乾燥させる乾燥処理とを、単一の処 理槽において実施する
ので、総装置面積及び設備費、並びに保守に要する作業量と費用を、前記単一の処理槽分に低減することができる。
少なくとも、エッチング処理と、前記エッチング処理後に前記被処理体をリンスする リンス処理と、前記リンス処理後に前記被処理体を乾燥させる乾燥処理とを、単一の処 理槽において実施する
ので、総装置面積及び設備費、並びに保守に要する作業量と費用を、前記単一の処理槽分に低減することができる。
また、前記エッチング処理と前記リンス処理と前記乾燥処理とからなる処理フローは、前記単一の処理槽を変更することなしに、順序や回数を自在に構成し変更することが可能であるから、頻繁な処理フローの変更に容易に対応することができ、多品種少量生産に適合する。また、前記単一の処理槽で処理できる個数以上の前記被処理体を処理することはないので、仕様の変更によって仕掛品が無駄になるリスクが小さい。
また、前記リンス処理と前記乾燥処理とを多数回繰り返したり、ダブルエッチングなど、前記エッチング処理を複数回繰り返したりするなどの複雑な処理フローを、設備費の増加をともなわずに実施することができるので、エッチング精度を向上させ、高品質なエッチング加工を低コストで実現することができる。
また、前記被処理体の搬送手段を、処理前に前記単一の処理槽へ前記被処理体を導入し、処理終了後に前記単一の処理槽から前記被処理体を搬出する、最小限の設備に簡略化することができ、設備費を抑えることができる。また、前記エッチング処理と前記リンス処理と前記乾燥処理との間で前記被処理体を搬送することがないので、実処理時間以外に搬送時間が必要になって生産性が低下する問題が生じることがなく、タクトタイムを安定化することができる。また、搬送中に、前記被処理体からパーティクルが発生して飛散し、クリーンルームの雰囲気を汚染したり、逆に、雰囲気中のパーティクルが前記被処理体に付着して前記被処理体が汚染されたりする問題を未然に防止することができ、エッチング品質を向上させることができる。
本発明のエッチング装置は、前記エッチング処理方法と表裏一体の関係にあり、前記エッチング処理方法を効果的に実施することを可能にするエッチング装置である。
本発明において、前記処理槽が、少なくとも、前記リンス処理液として純水を供給する供給手段と、前記被処理体に付着している前記純水を除去する乾燥手段とを備えており、前記リンス処理として、前記被処理体に付着しているエッチング液を純水を用いて除去し、前記乾燥処理として、前記被処理体に付着している前記純水を除去するのがよい。
また、前記処理槽が、前記リンス処理液としての純水を加熱する手段、及び/又は前記被処理体に超音波を照射する超音波洗浄手段を備えており、前記リンス処理として温水洗浄及び/又は超音波洗浄を行うのがよい。
また、前記処理槽が、前記乾燥手段として乾燥ガスの供給手段と水蒸気含有ガスの排出手段を備えており、乾燥ガスを通じることによって前記被処理体を乾燥させるのがよい。前記乾燥手段から供給するガスは、原理的には、水蒸気で飽和していないガスであれば何でもよいが、乾燥空気や乾燥窒素ガスなどの前記乾燥ガスである方が、前記被処理体を乾燥させる効果が高い。この際、前記乾燥ガス供給手段が前記乾燥ガスを加熱する手段を備えており、加温された乾燥ガスを通じるのがよい。高温であるほど、蒸気圧と蒸発速度とが大きくなり、前記被処理体を乾燥させる効果が高くなる。
また、前記エッチング処理の前に、前記被処理体表面の油脂分などの汚れを、低濃度のエッチング液を用いたライトエッチングによって除去する処理を行うのがよい。例えばガラス基板をエッチングする際、前記エッチング処理では15〜20質量%程度のフッ酸を用いるのに対し、前記ライトエッチング処理では0.5〜1.0質量%程度のフッ酸を用いる。
前記被処理体表面の汚れをそのままにして前記エッチング処理を行うと、汚れが付着している領域と、汚れが付着していない領域とでエッチング速度に差異を生じ、エッチングむらが発生する。これに対し、前記ライトエッチング処理によって表面を清浄化してから前記エッチング処理を行うと、前記被処理体表面の表面が均一にエッチングされ、エッチング品質が向上する。
前記ライトエッチング処理では、前記被処理体の表面のごく薄い層が低濃度のエッチング液によって除去され、前記被処理体表面の汚れが、いわゆるリフトオフによって除かれる。前記ライトエッチング処理は穏やかに行われ、エッチング量もわずかであるので、この処理によって、汚れが付着している領域と、汚れが付着していない領域とに、エッチングむらが生じることはない。
また、前記ライトエッチング処理で油脂分などの汚れを予め取り除いておくと、前記エッチング処理後の前記エッチング排液に油脂分などの汚れの原因物質が混入せず、前記エッチング排液のリサイクルが容易になる。
前記ライトエッチング処理は、前記処理槽或いはこの処理槽に近接して配置された前処理槽において行うのがよい。前記処理槽で行えば、前記ライトエッチング処理のために前記被処理体の搬送手段を設ける必要がない反面、油脂分などの汚れの原因物質が前記処理槽に持ち込まれるという問題点がある。前記処理槽に近接して配置された前処理槽において行えば、油脂分などの汚れの原因物質が前記処理槽に持ち込まれない利点がある反面、前記ライトエッチング処理のために前記被処理体の搬送手段を設ける必要が生じるという問題点がある。従って、両者の得失を勘案して、好ましい方を選択するのがよい。
また、前記エッチング処理後、前記リンス処理を行う前に、前記処理槽において中間リンス処理と第2のエッチング処理とを行うのがよい。図10を用いて説明したように、長時間エッチングを続けると、エッチング反応で生じた不純物53が、微粒子状の浮遊物54あるいはゲル状の浮遊物55になってLCDガラス基板50に付着し、エッチング面の面荒れの原因となる。従って、一度に全てのエッチングを行うのではなく、エッチング処理を前記エッチング処理と前記第2のエッチング処理などの複数回に分割し、その間に前記中間リンス処理によって、前記被処理体の表面に付着したエッチング反応生成物などの付着物を除去するようにすれば、エッチングの均一性を向上させ、エッチングむらを抑えることができる。
また、前記処理槽が、前記被処理体に流体を噴射するための流体噴射ノズルを備えているのがよい。そして、前記エッチング処理後、前記リンス処理を行う前に、前記処理槽において中間リンス処理と中間乾燥処理とを行ってから、前記被処理体に流体を噴射することによって、被処理体に付着している不純物を除去する処理を行うのがよい。
図9を用いて説明したように、前記エッチング処理後、前記リンス処理を行う前に、前記中間リンス処理と前記中間乾燥処理とを行うと、エッチング反応生成物などの前記不純物が前記被処理体の表面に白紛状に析出する。従って、この前記不純物を流体噴射によって洗浄除去すれば、前記不純物を効率よく除去できるので、前記処理槽がそのための前記流体噴射ノズルを備えているのがよい。
この際、前記流体噴射ノズルは、ガスと液体との二流体を噴射できる二流体ノズルであるのがよい。例えば、前記二流体ノズルは、純水とともに、空気や窒素ガス(N2)などのガスを混合噴射可能である。前記二流体ノズルによれば、液体とガスの衝撃力で効率よく前記不純物を除去することができる。
また、前記処理槽を複数個配置し、これらの処理槽を互いに独立に使用するのがよい。前記処理槽は総装置面積が小さくてすむので、従来のエッチング装置と同程度のスペースに複数個配置することができる。これらの前記処理槽に生産能力を分割し、それぞれの前記処理槽を各処理槽ごとの処理フローに基づいて独立させて運転するようにすれば,多品種少量生産が可能になる。また、仕様変更によって仕掛品が無駄になるリスクを、多品種化によって分散させることができる。
また、前記被処理体としてガラス基板をエッチングして、その厚さを減少させるのがよい。これは、既述したように、LCDガラス基板を薄型化する際の、重要な方法である。この例のように、ガラス基板をエッチングする場合には、前記エッチング液としてフッ酸又はフッ化水素を含有するフッ酸系エッチング液を用いるのがよい。例えば、緩衝剤が添加されたフッ化水素水溶液を用いるのがよい。
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的かつ詳細に説明する。
実施の形態1
実施の形態1は、本発明に基づくエッチング処理方法およびエッチング装置を、前記被処理体としての液晶表示装置(LCD)ガラス基板50のエッチングに適用して、その厚さを所定の厚さまで減少させる例について説明する。このLCDガラス基板50は、図10を用いて説明したように、2枚のガラス基板50aと50bとを貼り合わせて作製したガラス基板である。
実施の形態1は、本発明に基づくエッチング処理方法およびエッチング装置を、前記被処理体としての液晶表示装置(LCD)ガラス基板50のエッチングに適用して、その厚さを所定の厚さまで減少させる例について説明する。このLCDガラス基板50は、図10を用いて説明したように、2枚のガラス基板50aと50bとを貼り合わせて作製したガラス基板である。
図2は、本実施の形態に基づくエッチング処理のフローを示すフロー図である。図中、影を付けた工程が、本発明に基づく基本処理工程であって、LCDガラス基板50の厚さを減少させるエッチング処理と、その後のリンス処理および乾燥処理とを行う。本実施の形態では、請求項4に対応して、エッチング処理の前に、LCDガラス基板50の表面の汚れを、低濃度のエッチング液を用いたライトエッチングによって除去する前処理を行う。
図3は、本実施の形態に基づくエッチング装置の概念を説明する概念図である。
図3(a)に示すように、本実施の形態のエッチング装置では、エッチング処理と、エッチング処理後にLCDガラス基板50に付着しているエッチング液を純水を用いて除去するリンス処理と、リンス処理後にLCDガラス基板50に付着している純水を除去する乾燥処理とを、前記単一の処理槽であるエッチング/リンス/乾燥処理槽1において実施する。この装置では、前処理も処理槽1において行うので、処理槽は1つだけであり、各処理槽の間でLCDガラス基板50を搬送するガラス基板搬送機構は不要である。
図3(b)は、本実施の形態に基づくエッチング装置の別の例を示している。この装置では、前処理を行うための前処理槽10が、エッチング/リンス/乾燥処理槽1に近接して配置され、エッチング/リンス/乾燥処理槽1と前処理槽10との間でLCDガラス基板50を搬送するガラス基板搬送機構51が設けられている。
図1は、図3(b)に示したエッチング装置の具体的な構成を示す概略説明図である。
図1に示すように、エッチング/リンス/乾燥処理槽1には、飛散したエッチング液を回収するための外槽2および上蓋3が設けられ、また、通常のエッチング槽に装着されることの多い撹拌ポンプ4、排出バルブ5、クイックダンプバルブ6、バブリング気泡発生装置7および気泡分散板8が設けられている。さらに、処理槽1には、エッチング液供給装置20、純水供給装置30および乾燥ガス供給装置40が設けられ、エッチング処理、リンス処理および乾燥処理に必要なすべての材料が供給されるようになっており、単一の処理槽で上記3つの処理を行えるように構成されている。
以下、エッチング/リンス/乾燥処理槽1における基本処理工程について、図1を参照しながら詳述する。
まず、排出バルブ5およびクイックダンプバルブ6が閉じた状態で、適量のエッチング液をエッチング液秤量装置21によってエッチング液供給装置20からはかり取り、送り出しポンプ22によって処理槽1に導入する。被エッチング物がLCDガラス基板50である場合には、エッチング液として、例えば15〜20質量%程度のフッ酸を用いる。
次に、ガラス基板搬送機構51を用いてLCDガラス基板50をエッチング液中に浸漬し、エッチング処理を行う。LCDガラス基板50は、複数枚を平行に並べて同時に処理してもよい。エッチング中、撹拌ポンプ4によって処理槽1中のエッチング液を循環させ、エッチング液が均一になるようにする。また、ガス供給装置40から空気や窒素などのガスを導入し、バブリング気泡発生装置7から気泡を発生させるのがよい。この気泡には、エッチング液を撹拌し、ガラス基板50のエッチングで生じた不純物がゲル状になるのを防ぎ、溶けだした不純物がガラス基板50に再付着するのを防止する働きがある。気泡分散板8は、上記気泡を分散させ、上記気泡がガラス基板50に均一に作用するようにして、バブリング気泡発生装置7の効果を高める働きをする。
エッチング処理終了後、排出バルブ5およびクイックダンプバルブ6を開き、エッチング反応で生じた不純物を含むエッチング排液をエッチング排液排出管23へ排出する。クイックダンプバルブ6は短時間にエッチング排液を排出するのに効果的である。エッチング排液は、図示省略したエッチング排液処理システムによって不純物を除去又は減量した後、未使用のエッチング液と混合し、エッチング液として再利用するのがよい。エッチング排液を排出した後、排出バルブ5およびクイックダンプバルブ6を閉じ、純水供給装置30から処理槽1へ純水を導入して、LCDガラス基板50をリンスし、LCDガラス基板50に付着したエッチング液を除去する。
この際、ラインヒーター31などによって純水を加熱し、LCDガラス基板50を温水で洗浄したり、後述する超音波洗浄装置を用いて超音波洗浄したりして、洗浄効果を高めることができる。
リンス処理終了後、エッチング液を含んだ廃液を、図示省略した廃液排出管から排出する。廃液は、図示省略した廃液処理システムで無害化した後、自然界へ放流する。廃液排出後、乾燥ガス供給装置40から処理槽1へ乾燥窒素や乾燥空気などの乾燥ガスを導入し、LCDガラス基板50に付着した純水を蒸発させて除去する。この際、図示省略したラインヒーターなどによって乾燥ガスを加熱すれば、乾燥に要する時間を短縮することができる。水蒸気を含んだガスは、図示省略した排出路を通じて大気中などへ排出する。
処理槽1には、近接して、前処理またはLD/ULDを行うための前処理槽10が配置されている。以下、前処理槽10におけるライトエッチング処理について詳述する。
まず、排出バルブ11が閉じた状態で、適量のエッチング液をエッチング液秤量装置21によってエッチング液供給装置20からはかり取り、送り出しポンプ24によって前処理槽10に導入する。被エッチング物がLCDガラス基板50である場合には、エッチング液として、例えば0.5〜1.0質量%程度のフッ酸を用いる。
次に、ガラス基板搬送機構51を用いてLCDガラス基板50をエッチング液中に浸漬し、ライトエッチング処理を行う。LCDガラス基板50は、複数枚を平行に並べて同時に処理してもよい。ライトエッチング処理では、LCDガラス基板50の表面のごく薄い層が低濃度のエッチング液によって除去され、LCDガラス基板50の表面の汚れが、いわゆるリフトオフによって除かれる。ライトエッチング処理は穏やかに行われ、エッチング量もわずかであるので、汚れが付着している領域と、汚れが付着していない領域とに、この処理でエッチングむらが生じることはない。
エッチング処理終了後、排出バルブ11を開き、油脂などの汚れの原因物質や、エッチング反応で生じた不純物を含むエッチング排液をエッチング排液排出管25へ排出する。エッチング排液は、図示省略したエッチング排液処理システムによって汚れの原因物質や不純物を除去又は減量した後、未使用のエッチング液と混合し、エッチング液として再利用するのがよい。エッチング排液を排出した後、排出バルブ11を閉じ、純水供給装置30から前処理槽10へ純水を導入して、LCDガラス基板50をリンスし、LCDガラス基板50に付着したエッチング液を除去する。
この際、図示省略したラインヒーターなどによって純水を加熱し、LCDガラス基板50を温水で洗浄したり、後述する超音波洗浄装置を用いて超音波洗浄したりして、洗浄効果を高めることができる。
リンス処理終了後、エッチング液を含んだ廃液を、図示省略した廃液排出管から排出する。廃液は、図示省略した廃液処理システムで無害化した後、自然界へ放流する。廃液を排出した後、前述した基本処理を行う。前記被処理体表面の汚れをそのままにして前記エッチング処理を行うと、汚れが付着している領域と、汚れが付着していない領域とでエッチング速度に差異を生じ、エッチングむらが発生する。これに対し、前記ライトエッチング処理によって表面を清浄化してから前記エッチング処理を行うと、前記被処理体表面の表面が均一にエッチングされ、エッチング品質が向上する。
また、前記ライトエッチング処理で油脂分などの汚れを予め取り除いておくと、前記エッチング処理後の前記エッチング排液に油脂分などの汚れの原因物質が混入せず、前記エッチング排液のリサイクルが容易になる。
ここでは、処理槽1に近接して配置された前処理槽10においてライトエッチング処理を行う例を説明したが、処理槽1においてライトエッチング処理を行ってもよい。前処理槽10において行えば、油脂分などの汚れの原因物質が処理槽1に持ち込まれない利点がある反面、ライトエッチング処理のためにLCDガラス基板50の搬送機構60を設ける必要が生じる。処理槽1で行えば、ライトエッチング処理のために搬送機構60を設ける必要がない反面、油脂分などの汚れの原因物質が処理槽1に持ち込まれる問題点がある。従って、両者の得失を勘案して、好ましい方を選択するのがよい。
図4は、本実施の形態に基づく、別のエッチング/リンス/乾燥処理槽1の構成を示す説明図である。処理槽1は、超音波発生装置12を備えており、LCDガラス基板50に超音波を照射して超音波洗浄を行うことができるので、狭い隙間などに入り込んだエッチング液や不純物を効率よく除去することができる。処理槽1は、その他の点では図1に示した処理槽1と変わるところはなく、処理槽1の代わりに用いることができる。
図5は、実施の形態1の変形例に基づくエッチング処理のフローを示すフロー図であり、図中、影を付けた工程が、本発明に基づく基本処理工程である。本変形例では、請求項5に対応して、エッチング処理後、リンス処理を行う前に、処理槽1において中間リンス処理と第2のエッチング処理とを行う。
図10を用いて説明したように、長時間エッチングを続けると、エッチング反応で生じた不純物53が、微粒子状の浮遊物54あるいはゲル状の浮遊物55になってLCDガラス基板50に付着し、エッチング面の面荒れの原因となる。従って、一度に全てのエッチングを行うのではなく、エッチング処理を前記エッチング処理と前記第2のエッチング処理などの複数回に分割し、その間に前記中間リンス処理によって、前記被処理体の表面に付着したエッチング反応生成物などの付着物を除去するようにすれば、エッチングの均一性を向上させ、エッチングむらを抑えることができる。
図6は、実施の形態1の別の変形例に基づくエッチング処理のフローを示すフロー図であり、図中、影を付けた工程が、本発明に基づく基本処理工程である。この変形例では、請求項6に対応して、エッチング処理後、リンス処理を行う前に、処理槽1において中間リンス処理と中間乾燥処理とを行ってから、中間乾燥処理の一部として、LCDガラス基板50に流体を噴射することによって、LCDガラス基板50に付着している不純物を除去する処理を行う。
図9を用いて説明したように、エッチング処理後、リンス処理を行う前に、中間リンス処理と中間乾燥処理とを行うと、エッチング反応生成物などの不純物がLCDガラス基板50の表面に白紛状に析出する。従って、この不純物を流体噴射によって洗浄除去すれば、不純物を効率よく除去できるので、処理槽1が、LCDガラス基板50に流体を噴射するための流体噴射ノズルを備えているのがよい。
この際、流体噴射ノズルは、ガスと液体との二流体を噴射できる二流体ノズルであるのがよい。例えば、二流体ノズルは、純水とともに、空気や窒素ガス(N2)などのガスを混合噴射可能である。二流体ノズルによれば、液体とガスの衝撃力で効率よく前記不純物を除去することができる。
図7は、流体ノズルの構造を説明する斜視図(a)、上面図(b)、および上面図に7C−7C線で示した位置における断面図(c)である。図7に示されているのは二流体ノズルであり、第1の流体および第2の流体を独立して供給する2本の供給管9Cおよび9D、第2の流体の流量を調節するバルブ9E、そして、これらの流体が混合され、ノズル9Aから四方八方へ噴射されるノズルヘッド9Bなどで構成されている。なお、第1の流体の供給手段のみを設けたものが一流体ノズルである。
以上に説明したように、エッチング/リンス/乾燥処理槽1には、エッチング液供給装置20、純水供給装置30および乾燥ガス供給装置40などが設けられ、エッチング処理、リンス処理および乾燥処理に必要なすべての材料が供給されるようになっており、単一の処理槽で上記3つの処理を行えるように構成されている。このため、総装置面積及び設備費を前記単一の処理槽分に低減することができ、また、保守に要する作業量と費用を低減させ、プロセスの安定化と生産性の向上を実現することができる。
また、エッチング処理とリンス処理と乾燥処理とからなる処理フローは、エッチング装置を変更することなしに、順序や回数を自在に構成し変更することが可能であるから、頻繁な処理フローの変更に容易に対応することができ、多品種少量生産に適合する。また、処理槽1で処理できる個数以上のLCDガラス基板50を処理することはないので、仕様の変更によって仕掛品が無駄になるリスクが小さい。
また、リンス処理と乾燥処理とを多数回繰り返したり、ダブルエッチングなど、エッチング処理を複数回繰り返したりするなどの複雑な処理フローを、設備費の増加をともなわずに実施することができるので、エッチング精度を向上させ、高品質なエッチング加工を低コストで実現することができる。
また、LCDガラス基板50の搬送機構60を、処理前に処理槽1へLCDガラス基板50を導入し、処理後に処理槽1からLCDガラス基板50を搬出する、最小限の設備に簡略化することができ、設備費を抑えることができる。また、エッチング処理とリンス処理と乾燥処理との間でLCDガラス基板50を搬送することがないので、実処理時間以外に搬送時間が必要になって生産性が低下する問題が生じることがなく、タクトタイムを安定化することができる。また、搬送中に、LCDガラス基板50からパーティクルが発生して飛散し、クリーンルームの雰囲気を汚染したり、逆に、雰囲気中のパーティクルがLCDガラス基板50に付着してLCDガラス基板50が汚染されたりする問題を未然に防止することができ、エッチング品質を向上させることができる。
実施の形態2
実施の形態2は、請求項8および20に対応するエッチング処理方法およびエッチング装置であって、実施の形態1で説明したエッチング/リンス/乾燥処理槽1を複数個配置し、これらの処理槽を互いに独立に使用する例である。
実施の形態2は、請求項8および20に対応するエッチング処理方法およびエッチング装置であって、実施の形態1で説明したエッチング/リンス/乾燥処理槽1を複数個配置し、これらの処理槽を互いに独立に使用する例である。
図8は、本発明の実施の形態2に基づくエッチング装置の構成を示す概略説明図である。エッチング/リンス/乾燥処理槽1は、従来のエッチング装置に比べて総装置面積を約2/5の大きさに縮小することができるので、従来のエッチング装置が設けられていたスペースに複数台を配置することができる。
これらのエッチング/リンス/乾燥処理槽1は、それぞれ独立にエッチング処理、リンス処理および乾燥処理の処理内容を定めることができる。従って、各処理槽1ごとの処理フローに基づいてそれぞれの処理槽を運転し、生産能力を各処理槽1に分担させ、全体の調整を制御装置、例えば温度(板厚)コントローラによって行うようにすれば,多品種少量生産が可能になる。また、仕様変更によって仕掛品が無駄になるリスクを、多品種化によって分散させることができる。
例えば、図8に示すように、エッチング/リンス/乾燥処理槽1を5台配置し、0.6mmから1.0mmまで0.1mmずつ異なる板厚に5枚のLCDガラス基板50を薄型化する処理フローを同時に実施することができる。もちろん、これは一例であって、どの板厚のLCDガラス基板50をどれだけ作るかは、需要に応じて自在に変更することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
本発明のエッチング処理方法及びエッチング装置は、液晶ディスプレイなどの表示パネルの製造などに応用され、高品質なエッチング加工を総装置面積の小さい装置によって低コストで実現することができる。また、多品種少量生産に適合し、仕様の変更によって仕掛品が無駄になるリスクを小さく抑えることができる。
1…エッチング/リンス/乾燥槽、2…外槽、3…上蓋、4…撹拌ポンプ、
5…排出バルブ、6…クイックダンプバルブ、7…バブリング気泡発生装置、
8…気泡分散板、9A…ノズル、9B…ノズルヘッド、9C、9D…供給管、
9E…バルブ、10…前処理槽、11…排出バルブ、12…超音波発生装置、
20…エッチング液供給装置、21…エッチング液秤量装置、
22、24…送り出しポンプ、23、25…エッチング排液排出管、
30…純水供給装置、40…乾燥ガス供給装置、50…LCDガラス基板、
50a、50b…ガラス基板、51…シール剤、52エッチング液、53…不純物、
54…微細な粒子状の浮遊物、55…ゲル状の浮遊物、
60…LCDガラス基板搬送機構、70…制御装置(温度(板厚)コントローラ)、
101…エッチング槽、102…中間リンス槽、103…中間乾燥槽、
104…リンス槽、105…乾燥槽、106…LCDガラス基板搬送機構
5…排出バルブ、6…クイックダンプバルブ、7…バブリング気泡発生装置、
8…気泡分散板、9A…ノズル、9B…ノズルヘッド、9C、9D…供給管、
9E…バルブ、10…前処理槽、11…排出バルブ、12…超音波発生装置、
20…エッチング液供給装置、21…エッチング液秤量装置、
22、24…送り出しポンプ、23、25…エッチング排液排出管、
30…純水供給装置、40…乾燥ガス供給装置、50…LCDガラス基板、
50a、50b…ガラス基板、51…シール剤、52エッチング液、53…不純物、
54…微細な粒子状の浮遊物、55…ゲル状の浮遊物、
60…LCDガラス基板搬送機構、70…制御装置(温度(板厚)コントローラ)、
101…エッチング槽、102…中間リンス槽、103…中間乾燥槽、
104…リンス槽、105…乾燥槽、106…LCDガラス基板搬送機構
Claims (23)
- 湿式エッチング法によって被処理体をエッチングするエッチング処理方法において、
少なくとも、エッチング処理と、前記エッチング処理後に前記被処理体をリンスする リンス処理と、前記リンス処理後に前記被処理体を乾燥させる乾燥処理とを、単一の処 理槽において実施する
ことを特徴とする、エッチング処理方法。 - 前記リンス処理として、前記被処理体に付着しているエッチング液を、純水を用いて除去し、前記乾燥処理として、前記被処理体に付着している前記純水を除去する、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記リンス処理として温水洗浄及び/又は超音波洗浄を行う、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記エッチング処理の前に、前記処理槽或いはこの処理槽に近接して配置された前処理槽において、前記被処理体の表面の汚れを、低濃度のエッチング液を用いたライトエッチングによって除去する、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記エッチング処理後、前記リンス処理を行う前に、前記処理槽において中間リンス処理と第2のエッチング処理とを行う、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記エッチング処理後、前記リンス処理を行う前に、前記処理槽において中間リンス処理と中間乾燥処理とを行ってから、前記被処理体に流体を噴射することによって、被処理体に付着している不純物を除去する処理を行う、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- ガスと液体との二流体を噴射する、請求項6に記載したエッチング処理方法。
- 前記処理槽を複数個配置し、これらの処理槽を互いに独立に使用する、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記エッチング処理をフッ酸又はフッ化水素を含有するエッチング液を用いて行う、請求項1に記載したエッチング処理方法。
- 前記エッチング液として、緩衝剤が添加されたフッ化水素水溶液を用いる、請求項9に記載したエッチング処理方法。
- 前記被処理体としてガラス基板をエッチングして、その厚さを減少させる、請求項9に記載したエッチング処理方法。
- 請求項1に記載したエッチング処理方法を実施するのに用いられるエッチング装置であって、
単一の処理槽に、少なくとも、エッチング液の供給手段と、エッチング排液の排出手 段と、リンス処理液の供給手段と、リンス廃液の排出手段と、前記乾燥処理を行う乾燥 手段とを備える
エッチング装置。 - 前記処理槽に、前記リンス処理液として純水を供給する供給手段を備え、前記乾燥手段として、前記被処理体に付着している前記純水を除去する乾燥手段とを備えた、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記リンス処理液としての純水を加熱する手段及び/又は前記被処理体に超音波を照射する超音波洗浄手段を備えた、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記乾燥手段として乾燥ガスの供給手段と水蒸気含有ガスの排出手段を備えた、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記乾燥ガスを加熱する手段を備えた、請求項15に記載したエッチング装置。
- 前記処理槽或いはこの処理槽に近接して配置された前処理槽において、前記被処理体の表面の汚れを、低濃度のエッチング液によるライトエッチングによって除去する処理が行われる、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記被処理体に流体を噴射することによって、前記被処理体に付着している不純物を除去するための流体噴射ノズルを備えた、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記流体噴射ノズルとして二流体ノズルを備えた、請求項18に記載したエッチング装置。
- 前記処理槽が複数個配置され、これらの処理槽が互いに独立に使用される、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記エッチング処理がフッ酸又はフッ化水素を含有するエッチング液を用いて行われる、請求項12に記載したエッチング装置。
- 前記エッチング液として、緩衝剤が添加されたフッ化水素水溶液が用いられる、請求項21に記載したエッチング装置。
- 前記被処理体としてガラス基板をエッチングして、その厚さを減少させる、請求項21に記載したエッチング装置。
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JP2005156566A JP2006332481A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | エッチング処理方法及びエッチング装置 |
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KR20220028664A (ko) * | 2020-08-31 | 2022-03-08 | (주) 엔피홀딩스 | 초박형 글라스의 측면 가공 방법, 글라스의 측면 가공용 지그 및 이를 포함하는 글라스 가공 설비 |
-
2005
- 2005-05-30 JP JP2005156566A patent/JP2006332481A/ja active Pending
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