JP2006330574A - 投影ヘッドピント位置測定方法および露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 投影ヘッドピント位置測定方法において、測定における信頼性を高めるとともに、測定の作業効率を高める。
【解決手段】 投影ヘッド10からこの投影ヘッド10により画像パターンを投影する感光材料1までの投影距離Fz(図1A参照)またはピント位置Pz(図1B参照)を変更しつつ、投影ヘッド10により、検査用画像パターンGkを感光材料1上の互いに異なる領域へそれぞれが縦横ともに1mm以上の大きさとなるように投影し、上記検査用画像パターンGkの露光された感光材料1を現像し、感光材料1中の上記検査用画像パターンGkの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と各領域に投影したときの投影距離Fzまたはピント位置Pzとの対応関係に基づいて、投影ヘッド10のピント位置を取得する。
【選択図】 図1
【解決手段】 投影ヘッド10からこの投影ヘッド10により画像パターンを投影する感光材料1までの投影距離Fz(図1A参照)またはピント位置Pz(図1B参照)を変更しつつ、投影ヘッド10により、検査用画像パターンGkを感光材料1上の互いに異なる領域へそれぞれが縦横ともに1mm以上の大きさとなるように投影し、上記検査用画像パターンGkの露光された感光材料1を現像し、感光材料1中の上記検査用画像パターンGkの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と各領域に投影したときの投影距離Fzまたはピント位置Pzとの対応関係に基づいて、投影ヘッド10のピント位置を取得する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、投影ヘッドピント位置測定方法および露光方法に関し、詳しくは、投影ヘッドによって投影する画像パターンのピント位置を取得する投影ヘッドピント位置測定方法、および上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用して露光を行う露光方法に関するものである。
従来より、画像を投影する投影ヘッドを備えた投影装置の1例として、DMD(デジタル・マイクロミラー・ディバイス)を搭載した複数の露光ヘッドを備え、感光材料に画像パターンを投影し露光する露光装置が知られている(特許文献1参照)。また、このような露光装置には、感光材料が載置された露光用のステージを露光ヘッドの下に1方向へ搬送して上記感光材料上に画像を露光するものが知られている。
上記露光装置では、感光材料上に画像を正確に投影するためのピント調節が必要となる。そのような場合には、露光ヘッドに対する感光材料の位置を段階的に変化させながら、上記位置を変化させる毎に露光ヘッドにより感光材料の互いに異なる微小領域にピント検査用の画像パターンを投影し露光する。その後、上記ピント検査用の画像パターンが露光された感光材料を現像し各微小領域に形成された画像パターンを顕微鏡で観察して、上記微小領域のうちの、画像パターンが最も鮮鋭性高く形成された微小領域を決定し、その微小領域が露光されたときの感光材料の位置を露光ヘッドのピント位置に定めている。
特開2004−001244号公報
しかしながら、上記最も鮮鋭性の高い画像パターンが形成された領域を決定する検査は顕微鏡で観察する検査となるため、検査に熟練を要し、さらに検査結果の信頼性が顕微鏡操作の熟練度に応じて変わるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、測定における信頼性を高めることができるとともに、測定の作業効率を高めることができる投影ヘッドピント位置測定方法、および上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用して露光を行う露光方法を提供することを目的とするものである。
本発明の投影ヘッドピント位置測定方法は、投影ヘッドのピント位置を測定する投影ヘッドピント位置測定方法において、基材上に積層された感光材料であって、露光後に現像すると、前記露光における露光状態、すなわち露光光量および露光寸法に応じて、基材上から感光材料が除去される領域と基材上から感光材料が除去されない領域とが定められる感光材料を用意し、投影ヘッドから該投影ヘッドにより画像パターンを投影する感光材料までの投影距離、または投影ヘッドにより画像パターンを投影する際の該投影ヘッドのピント位置を変更しつつ、前記投影ヘッドにより、光を照射する領域と光を照射しない領域とが混在する検査用画像パターンを感光材料上の互いに異なる領域へそれぞれが縦横ともに1mm以上の大きさとなるように投影し、前記検査用画像パターンの投影された前記感光材料を現像し、感光材料中の検査用画像パターンの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と各領域に投影したときの投影距離またはピント位置との対応関係に基づいて、投影ヘッドのピント位置を取得することを特徴とするものである。
前記感光材料上の各領域へ投影する検査用画像パターンの大きさは縦横ともに2mm以上の大きさであることがさらに望ましい。
前記検査用画像パターンは、前記現像によって感光材料が基材上から除去されないように投影される複数のライン部分と、前記現像によって感光材料が基材上から除去されるように前記ライン部分の間に投影されるスペース部分とからなるものとすることができる。
前記投影ヘッドのピント位置に投影される前記ラインの幅は、基材に対する感光材料の密着性限界寸法以上とすることが望ましい。前記ラインの幅は、前記密着性限界寸法の100%以上、150%以下であることがさらに望ましい。
前記投影ヘッドのピント位置に投影される前記スペースの幅は、投影ヘッドの解像性限界寸法以上であることが望ましい。前記スペースの幅は、前記解像性限界寸法の100%以上、150%以下であることがさらに望ましい。
前記感光材料を現像した後、感光材料および基材に対してエッチング処理を施し、その後、前記感光材料中の検査用画像パターンの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と前記各領域に投影したときの投影距離またはピント位置との対応関係に基づいて、前記投影ヘッドのピント位置を取得することもできる。
前記ピント位置を変更しつつ前記投影ヘッドのピント位置を取得する場合、該投影ヘッドのピント位置は、現像された前記感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各ピント位置の中心位置として取得することができる。
前記投影距離を変更しつつ前記投影ヘッドのピント位置を取得する場合、該投影ヘッドのピント位置は、現像された前記感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各投影距離によって示される各位置の中心位置として取得することができる。
前記検査用画像パターンは、変更したピント位置に応じて感光材料上の1方向へ並ぶように投影されるようにしたり、変更した投影距離に応じて感光材料上の1方向へ並ぶように投影されるようにしたりすることができる。
前記検査用画像パターンとして、ラインの幅および/またはスペースの幅の互いに異なる2種類以上のパターンを使用することができる。
前記検査用画像パターンとして、ラインの向きが互いに異なる2種類以上のパターンを使用することができる。
前記感光材料に歪が生じている場合、前記検査用画像パターンを、該検査用画像パターンが感光材料に歪が生じていないときと同等の状態で該感光材料上に投影されるように、前記歪分を相殺して投影することができる。
前記投影ヘッドピント位置測定方法は、投影ヘッドのピント位置を固定し、感光材料から投影ヘッドまでの投影距離を変更しながら、前記投影ヘッドにより画像パターンを感光材料上に投影して、前記感光材料上の各領域に投影し露光された各画像パターンの現像結果に基づいて投影ヘッドのピント位置を取得する場合、すなわち感光材料上に投影ヘッドのピント位置が位置したときの投影距離を取得する第1場合と、投影ヘッドから感光材料までの投影距離を固定し、投影ヘッドのピント位置をずらしながら前記投影ヘッドにより画像パターンを感光材料上に投影して、前記感光材料上の各領域に投影し露光された各画像パターンの現像結果に基づいてこの投影ヘッドのピント位置を取得する場合、すなわち感光材料上に投影ヘッドのピント位置が位置したときの上記投影ヘッドのピントの調節状態を取得する第2の場合を含むものである。
前記「露光光量に応じて基材上から感光材料が除去される領域と基材上から感光材料が除去されない領域とが定められる感光材料」は、露光後に現像すると、所定光量以上で露光された感光材料中の領域が基材上に残存し、前記所定光量以上で露光されなかった感光材料中の領域が基材上から除去される感光材料、あるいは上記態様とは反対に、露光後に現像すると、所定光量以上で露光された感光材料中の領域が基材上から除去され、前記所定光量以上で露光されなかった感光材料中の領域が基材上に残存する感光材料とすることができる。
前記「露光寸法に応じて基材上から感光材料が除去される領域と基材上から感光材料が除去されない領域とが定められる感光材料」は、所定光量以上で露光された領域が基材上に残存し、前記所定光量以上で露光されなかった領域が基材上から除去される感光材料の場合には、露光後に現像すると、所定の露光寸法以上の大きさを有する感光材料中の露光部分が基材上に残存し、前記所定の露光寸法未満の大きさを有する感光材料中の露光部分が基材上から除去される感光材料、あるいは上記態様とは反対に、所定光量以上で露光された領域が基材上から除去され、前記所定光量以上で露光されなかった領域が基材上に残存する感光材料の場合には、露光後に現像すると、所定の露光寸法以上の大きさを有する感光材料中の非露光部分が基材上に残存し、前記所定の露光寸法未満の大きさを有する感光材料中の非露光部分が基材上から除去される感光材料とすることができる。なお、上記所定の露光寸法は、後述する密着性限界寸法である。
前記感光材料が、露光された領域が基材上に残存し露光されなかった領域が基材上から除去される感光材料の場合には、露光後に現像すると、密着性限界寸法以上の大きさを有する感光材料中の露光部分が基材上に残存し、密着性限界寸法未満の大きさを有する感光材料中の露光部分が基材上から除去される。また、上記とは反対に、前記感光材料が、露光された領域が基材上から除去され、露光されなかった領域が基材上に残存する感光材料の場合には、露光後に現像すると、密着性限界寸法以上の大きさを有する感光材料中の非露光部分が基材上に残存し、密着性限界寸法未満の大きさを有する感光材料中の非露光部分が基材上から除去される。
前記投影ヘッドのピント位置とは、投影ヘッドによって画像パターンが正しく投影(結像)される位置、すなわち、投影ヘッドによって投影する画像パターンのピントが正しく合う位置を意味するものである。
前記投影距離を変更しつつ露光するとは、投影距離を段階的に変更する毎に露光を行う場合、および投影距離を連続的に変更しながら露光を行う場合を含むものを意味する。
前記投影ヘッドのピント位置を変更しつつ露光するとは、投影ヘッドのピント位置を段階的に変更する毎に露光を行う場合、および投影ヘッドのピント位置を連続的に変更しながら露光を行う場合を含むものを意味する。
前記感光材料上の互いに異なる領域は、同一感光材料上の互いに異なる領域であってもよいし、あるいは、感光材料の感度や、基材と感光材料の密着性等が同じであれば互いに異なる感光材料上の領域であってもよい。
密着性限界寸法とは、基材上に積層された感光材料が露光され現像されたときに、基材上に保持すことが可能な、感光材料からなる領域の最小寸法を意味するものである。したがって、感光材料の現像後、上記密着性限界寸法未満の大きさからなる領域が基材上に残ることはない。
解像限界寸法とは、投影ヘッドによって正しく投影することが可能なスペース部分の幅の最小寸法を意味するものである。したがって、感光材料の現像後、上記解像限界寸法未満の大きさのスペース部分が基材上に正確に形成されることはない。
前記「現像された前記感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各投影距離によって示される各位置の中心位置」は、例えば以下のようにして求めることができる。すなわち、上記2種類の投影距離のうちの第1の投影距離をT1、第2の投影距離をT2とすると、投影ヘッドによって投影された検査用画像パターンのピント位置が感光材料上に位置したときの投影距離Tpは、Tp=(T1+T2)/2の式によって求めることができる。そして、上記投影距離Tpによって示される位置を投影ヘッドのピント位置として取得することができる。
本発明の露光方法は、入射した光を変調する変調素子を2次元状に多数配列してなる空間光変調器を有する複数の露光ヘッドのそれぞれで、光源から発せられた光を空間光変調させて得られる画像パターンのそれぞれを、同一感光材料上に結像させて該感光材料を露光する露光方法であって、前記投影ヘッドピント位置測定方法を、前記複数の露光ヘッドで感光材料を露光する際のピント位置の測定に適用して各露光ヘッドのピント位置を測定し、該ピント位置に基づいて各露光ヘッドにより感光材料上に投影する画像パターンのピントずれを補正して前記露光ヘッドによる前記感光材料の露光を実行することを特徴とするものである。
本発明の投影ヘッドピント位置測定方法によれば、投影ヘッドから上記投影ヘッドにより画像パターンを投影する感光材料までの投影距離、または投影ヘッドにより画像パターンを投影する際のこの投影ヘッドのピント位置を変更しつつ、投影ヘッドにより、光を照射する領域と光を照射しない領域とが混在する検査用画像パターンを感光材料上の互いに異なる領域へそれぞれが縦横1mm以上となるように投影し、上記検査用画像パターンの投影された感光材料を現像し、感光材料中の検査用画像パターンの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と、上記各領域に投影したときの投影距離またはピント位置との対応関係に基づいて、投影ヘッドのピント位置を取得するようにしたので、従来のように顕微鏡を利用することなく、目視による上記各領域の濃度の観察によって容易に投影ヘッドのピント位置を取得することができ、投影ヘッドのピント位置の測定をより容易に実施することができる。これにより、測定における信頼性を高めることができるとともに、測定の作業効率を高めることができる。
また、検査用画像パターンを、感光材料が基材上から除去されないように投影される複数のライン部分と感光材料が基材上から除去されるように投影される複数のスペース部分とからなるものとすれば、各領域間に生じる濃度の差をより明確に表すことができ、上記測定の信頼性をさらに高めることができる。
すなわち、投影ヘッドのピント位置が感光材料上に正しく位置しているときに画像パターンの投影された領域における現像後のライン幅は、投影ヘッドのピント位置が感光材料上から外れるにしたがって広くなるように設定することができる。また、投影ヘッドのピント位置が感光材料上に正しく位置しているときに画像パターンの投影された領域における現像後のスペース幅は、投影ヘッドのピント位置が感光材料上から外れるにしたがって狭くなるように設定することができる。
上記のように設定することにより、上記各領域のうちの、ライン部分の占める面積に対するスペース部分の占める面積の比率(スペース面積/ライン面積)が最も大きくなる領域、すなわち、ライン部分を示す濃度が最も低くスペース部分を示す濃度が最も高い領域を、上記投影ヘッドのピント位置が感光材料上に正しく位置している状態で投影された領域として直接、あるいは間接的に見極めることができる。
例えば、ライン部分を構成する感光材料の色を黒色、スペース部分を構成する基材の色を白色とすれば、上記画像パターンの投影された各領域のうちの、ライン部分の占める面積に対するスペース部分の占める面積の比率が最も大きい領域においてライン部分を示す黒色の濃度が最も低くなり、この領域は投影ヘッドのピント位置が感光材料上に正しく位置したときに投影されたものであることがわかる。したがって、上記感光材料上に正しく画像パターンが投影されたときの投影ヘッドのピント位置を取得することができる。
また、上記間接的に上記領域を定める方式としては、例えば、現像された感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各投影距離によって示される各位置の中心位置または上記2種類の領域のそれぞれに対応する各ピント位置の中心位置を、投影ヘッドのピント位置として取得する方式等を採用することができる。
すなわち、投影ヘッドによって投影される画像パターンのピント位置の手前側(前ピン側ともいう)と後側(後ピン側ともいう)とに等距離だけ離れて配置された感光材料上に投影されるボケの生じた画像パターンは、略同等のボケ状態となる。したがって、ボケ状態の等しい上記互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各ピント位置の中心位置を、投影ヘッドのピント位置として取得することができる。例えば、投影ヘッドのピント位置の前ピン側から後ピン側の位置まで感光材料を移動させながら、上記感光材料の互いに異なる領域に検査用画像パターンを露光し、上記感光材料を現像することにより、上記ピント位置の前ピン側と後ピン側とのそれぞれにおいて上記互いに等しい濃度を表す2種類の領域が生じるように条件設定することができる。そして、上記前ピン側と後ピン側とで定めた互いに等しい濃度を表す領域のそれぞれに対応する各ピント位置の中心位置を、投影ヘッドのピント位置として取得することができる。
また、投影ヘッドによりピント位置に投影されるラインの幅を、基材に対する感光材料の密着性限界寸法以上、例えば密着性限界寸法の120%以上、150%以下となるように設定すれば、投影ヘッドのピント位置から感光材料までの距離の変化に対する現像後のラインの幅の変化の割合をより確実に大きくすることができる。これにより、上記各領域間の濃度差を確実に大きくすることができ、上記取得するピント位置の測定の信頼性をより高めることができる。
また、投影ヘッドにより上記ピント位置に投影されるスペースの幅を、投影ヘッドの解像性限界寸法以上、例えば解像性限界寸法の100%以上、150%以下となるように設定すれば、投影ヘッドのピント位置から感光材料までの距離の変化に対する現像後のスペースの幅の変化の割合をより確実に大きくすることができる。これにより、上記各領域間の濃度差を確実に大きくすることができ、上記取得するピント位置の測定の信頼性をより高めることができる。
さらに、投影ヘッドによりピント位置に投影されるラインの幅を、基材に対する感光材料の密着性限界寸法以上とするとともに、投影ヘッドにより上記ピント位置に投影されるスペースの幅を、投影ヘッドの解像性限界寸法以上にすれば、上記各領域間の濃度差をさらに大きくすることができ、上記取得するピント位置の測定の信頼性をさらに高めることができる。
また、前記検査用画像パターンを、変更したピント位置に応じて感光材料上の1方向へ並ぶように投影したり、あるいは、変更した投影距離に応じて感光材料上の1方向へ並ぶように投影すれば、目視による各領域の濃度を容易に比較することができ、測定における信頼性をより高めることができるとともに、投影ヘッドのピント位置を測定する際の作業効率もより高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1Aおよび図1Bは本発明の投影ヘッドピント位置測定方法の実施の形態示す概念図、図2は検査用画像パターンのライン部分とスペース部分とを示す図、図3は投影距離を変更しながら検査用画像パターンを感光材料上に投影する様子を示す図、図4は感光材料上の検査用画像パターンが投影され露光された領域を示す図、図5は感光材料を露光した様子を示す図、図6は3種類の検査用画像パターンを感光材料上に投影して現像した様子を示す図である。
図示の投影ヘッドピント位置測定方法は、投影ヘッド10によって感光材料1上に画像パターンを投影する際の投影ヘッド10のピント位置を取得するものである。
上記投影ヘッドピント位置測定方法は、例えば、図1Aに示すように、基材2上に積層された感光材料であって、露光後に現像すると、上記露光状態に応じて、基材2上から感光材料が除去される領域と基材2上から感光材料が除去されない領域とが定められる感光材料1を用意し、投影ヘッド10からこの投影ヘッド10により画像パターンを投影する感光材料1までの距離である投影距離Fzを変更しつつ、この投影ヘッド10により、光を照射する領域と光を照射しない領域とが混在する検査用画像パターンGkを感光材料1上の互いに異なる領域Rへそれぞれが縦横1mm以上の大きさとなるように投影し、上記検査用画像パターンGkの投影された感光材料1を現像し、感光材料1中の検査用画像パターンGkの投影された各領域Rが表すそれぞれの濃度と上記各領域に投影したときの上記各投影距離Fzとの対応関係に基づいて、投影ヘッド10の固定されているピント位置Pj1を取得するものである。
また、上記投影ヘッドピント位置測定方法としては、図1Bに示すように、投影ヘッド10に対する感光材料1の位置を固定し、投影ヘッド10のピント位置Pzを変更しつつ、この投影ヘッド10により、光を照射する領域と光を照射しない領域とが混在する検査用画像パターンGkを感光材料1上の互いに異なる領域Rへそれぞれが縦横1mm以上の大きさとなるように投影し、上記検査用画像パターンGkの露光された感光材料1を現像し、感光材料1中の検査用画像パターンGkの投影された各領域Rが表すそれぞれの濃度と上記各領域に投影したときの上記変更した各ピント位置Pzとの対応関係に基づいて、上記検査用画像パターンGkが感光材料1上に正しく投影されたときの投影ヘッド10のピント位置Pj2を取得する方法を採用することもできる。
上記用意する感光材料は、本実施の形態においては、露光後に現像すると、露光部分は残存し非露光部分は除去される感光材料であって、露光部分のうちの、密着性限界寸法より大きい感光材料中の露光部分が基材上に残存し、密着性限界寸法未満の感光材料中の露光部分が基材上から除去される感光材料である。
図2に示すように、検査用画像パターンGkは、感光材料が基材上から除去されないように投影されるライン部分(以後、ラインLという)と感光材料が基材上から除去されるように投影されるスペース部分(以後、スペースSという)とからなるものである。ここでは、露光され現像された感光材料の色は青色、基材の色は白色であるので、ライン部分は青色、スペース部分は白色となる。
上記投影ヘッド10によりピント位置Pj1に投影されるラインLの幅Lwは、感光材料1の密着性限界寸法以上であり、密着性限界寸法の100%以上、150%以下であることが望ましい。
ここで、基材2上に積層された感光材料1の密着性限界寸法は8μmである。したがって、例えば幅7μmからなる1本のラインを正確に投影して露光した感光材料1を現像した場合には、上記感光材料1中に露光された幅7μmのラインは基材2上に密着することなく、上記現像によって流されて基材2上から除去される。
一方、上記投影ヘッドによりピント位置に投影される上記スペースSの幅Swは、投影ヘッド10の解像性限界寸法以上であり解像性限界寸法の100%以上、150%以下であることが望ましい。ここで、露光ヘッド10の解像性限界寸法は概略10μmであるのでスペースSの幅Swは10μm〜12μmとする。
上記のような条件を考慮して、投影ヘッド10から感光材料1上に投影する検査用画像パターンGkとして以下に示すものを採用する。すなわち、ライン幅Lw=9μm、スペース幅Sw=10μmからなる検査用画像パターンGk1、ライン幅Lw=8μm、スペース幅Sw=11μmからなる検査用画像パターンGk2、ライン幅Lw=9μm、スペース幅Sw=12μmからなる検査用画像パターンGk3を採用する。
なお、上記ライン幅、スペース幅は、投影ヘッド10によりピント位置Pj1に投影されたときの寸法、すなわち、感光材料1上に正しく各ライン部分および各スペース部分が投影されたときの寸法である。また、上記検査用画像パターンGk1、Gk2、Gk3は、感光材料1上に1辺2mmの正方形形状の大きさとなるように投影される。なお、検査用画像パターンGk1、Gk2、Gk3をまとめて、検査用画像パターンGkともいう。
以下、投影ヘッド10から、この投影ヘッド10により画像パターンを投影する感光材料1までの投影距離Fzを変更して上記露光ヘッド10に対して固定されたピント位置Pj1を取得する場合について図1A、図3、および図4を参照して説明する。なお、始めに、検査用画像パターンGk2を用いて上記ピント位置Pj1を取得する場合について説明する。
投影ヘッド10によって投影される検査用画像パターンGk2の正確なピント位置は不明なので、感光材料1を位置させる初期位置を投影距離Fz=Fz(0)の位置に定める。そして、上記投影距離を、50μmピッチで段階的に変更するようにする。すなわち、図1Aに示すように、移送部5により、感光材料1を図中矢印Y方向へ移送するとともに、この感光材料1を図中矢印Z方向に50μmずつ段階的に移動させながら、感光材料1上に検査用画像パターンGk2を投影する。
ここでは、Fz(−1)={Fz(0)−50μm}、Fz(−2)={Fz(0)−100μm}、・・・Fz(−7)={Fz(0)−350μm}に定める。
また、Fz(+1)={Fz(0)+50μm}、Fz(+2)={Fz(0)+100μm}、・・・Fz(+7)={Fz(0)+350μm}に定める。
そして、投影ヘッド10からの投影距離Fz=Fz(−7)の位置に感光材料1を位置させて、検査用画像パターンGk2を領域R2(−7)に投影する(図3(a)参照)。
次に、感光材料1を、投影距離Fz=Fz(−6)となる位置に位置させるように図中−Z方向に50μm移動させ、検査用画像パターンGk2を感光材料1上の上記領域R2(−7)とは異なる領域R2(−6)に投影する(図3(b)参照)。
つづいて、感光材料1を、投影距離Fz=Fz(−5)となる位置に位置させるように図中−Z方向に50μm移動させ検査用画像パターンGk2を領域R2(−5)に投影する(図3(c)参照)。
以下、順次、同様に感光材料1の各領域への投影を実施して、最後に、感光材料1を投影距離Fz=Fz(+7)となる位置に位置させて検査用画像パターンGk2を領域R2(+7)に投影する。
なお、上記投影距離の変更は、投影ヘッド10の位置を固定し感光材料1の位置を移動させる場合に限らず、感光材料1の位置を固定し投影ヘッド10の位置を移動させたり、投影ヘッド10の位置と感光材料1の位置を共に移動させたりして実施してもよい。
感光材料1への検査用画像パターンGk2の投影が終了した後、上記感光材料1を現像する。
図5に示すように、投影ヘッド10のピント位置が前ピン側となる、投影距離Fz=Fz(−7)から投影距離Fz=Fz(−2)に感光材料1が位置したときに投影された、領域R2(−7)から感光材料1中の領域R2(−2)までは、感光材料1を示す青色の濃度が徐々に薄くなっている。これば、感光材料1からなる青色のラインLの幅が徐々に狭くなり、基材2からなる白色のスペースSの幅が徐々に広がったことを示している。
一方、投影ヘッド10のピント位置が後ピン側となる、投影距離Fz=Fz(−2)から投影距離Fz=Fz(+7)に感光材料1が位置したときに投影された、領域R2(−2)から領域R2(+7)までは、感光材料1を示す青色の濃度が徐々に濃くなっている。これは、一旦狭くなった感光材料1からなる青色のラインLの幅が徐々に広がり、これに対して一旦広くなった基材2からなる白色のスペースSの幅が徐々に狭くなったことを示している。
従って、露光され現像された感光材料を示す青色の濃度が最も薄くなった領域R2(−2)におけるラインLの幅が最も狭く、すなわち、この領域R2(−2)が検査用画像パターンGk2が正確に結像された領域である。したがって、この領域R2に対応する投影距離Fz=Fz(−2)によって示される位置、すなわち投影距離Fz=Fz(−2)に位置させた感光材料1上に投影ヘッド10のピント位置Pj1が位置していることがわかる。
また、現像された感光材料1中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域、例えば、領域R2(−5)に対応する投影距離Fz=Fz(−5)によって示される位置と領域R2(+1)に対応する投影距離Fz=Fz(+1)によって示される位置との中心位置を、上記投影ヘッド10のピント位置として取得することもできる。すなわち、検査用画像パターンGk2が正しく結像されるピント位置に対応する投影距離Fpを、Fp=(Fz(−5)+Fz(+1))/2の式によって求めることができ、この投影距離Fp、すなわち投影距離Fz=Fz(−2)で示される位置を上記投影ヘッド10のピント位置Pj1として取得するようにしてもよい。
なお、上記互いに等しい濃度を表す2種類の領域のうちの1つは、投影ヘッド10のピント位置の前ピン側において感光材料1が露光された領域であり、他の1つは、投影ヘッド10のピント位置の後ピン側で感光材料1が露光された領域である。
図6は3種類の検査用画像パターンを感光材料上に投影し露光した場合を示す図である。図6に示すように、露光ヘッド10により、上述の検査用画像パターンGk1、Gk2、Gk3の3種類の検査用画像パターンを感光材料1上に同時に投影しつつ、この感光材料1を上記Z方向に段階的に移動させながらこの感光材料1上の互いに異なる各領域を投影し、その後、感光材料1を現像することにより、投影ヘッド10のピント位置Pj1を取得するようにしてもよい。
上記のように投影され露光された感光材料1上の各領域は、画像パターンGk1を投影した列においては、上記現像された感光材料1中の各領域のうちの、最も青色の薄い濃度を示す領域R1(−2)が、上記投影ヘッド10のピント位置として取得される。
また、検査用画像パターンGk3を投影した列においては、上記現像された感光材料1中の各領域のうちの、最も青色の薄い濃度を示す領域R3(−2)が、上記投影ヘッド10のピント位置として取得される。
上記のように3種類の検査用画像パターンのそれぞれを使用して投影ヘッド10のピント位置を各種類毎に定めた後、例えば、それらの平均値を求める等のことにより、より正確に露光ヘッド10のピント位置PJ1を取得することもできる。上記のように、3種類の検査用画像パターンを用いることにより、例えば、パターン形状の違いによる露光・現像のバラツキや、密着性・解像性のバラツキがあっても正確な測定を行なうことができる。
上記感光材料1の露光特性、現像特性、および投影ヘッド10による感光材料1上への検査用画像パターンの投影条件等は、投影ヘッド10のピント位置が感光材料1上から外れるにしたがって、すなわち、検査用画像パターンの感光材料1上におけるボケが大きくなるにしたがって、その領域における現像後のライン幅が増大し上記領域における現像後のスペース幅が狭くなるように設定されている。上記設定により、投影ヘッドのピント位置を感光材料上に正しく位置させた状態で検査用画像パターンが投影された領域を見極めることができる。
図7は画像パターンGk1の投影を受けた感光材料が露光され現像された様子を示す図である。図7(a1)から(a7)は感光材料中の領域R1(−5)から領域R1(+1)それぞれの断面を示す図、図7(b1)から(b7)は上記領域R1(−5)から領域R1(+1)それぞれの濃度、すなわち感光材料1を示す青色の濃度を示す平面図である。
感光材料1上にピントが合った状態で検査用画像パターンが投影された領域R1(−2)は、図7(a4)に示すように、基材2上に残された感光材料1からなる各ラインLの幅L(−2)は9μm、スペースSの幅S(−2)は10μmである。この領域中においてラインLが占める割合は、9μm/(9μm+10μm)=0.474≒47.4%である。そして、この領域の濃度を、青色濃度47.4%と称することにする(図7(b4)参照)。
感光材料1上からわずかにピント位置がずれた状態で検査用画像パターンが投影された領域R1(−3)および領域R1(−1)は、図7(a3)および図7(a5)に示すように、基材2上に残された感光材料1からなる各ラインLの幅L(−3)、L(−1)は9μmより広くなり、スペースSの幅S(−3)、S(−1)は10μmより狭くなる。そして、これらの領域の青色濃度は約70%となる(図7(b3)および図7(b5)参照)。
上記の場合に比してさらにピント位置がずれた状態で検査用画像パターンが投影された領域R1(−4)および領域R1(0)は、図7(a2)および図7(a6)に示すように、基材2上に残された感光材料1からなる各ラインLの幅L(−4)、L(0)はさらに広くなり、スペースSの幅S(−4)、S(0)はさらに狭くなる。そして、これらの領域の青色濃度は約90%となる(図7(b2)および図7(b6)参照)。
上記の場合よりさらにピント位置がずれた状態で画像パターンが投影された領域R1(−5)および領域R1(+1)は、図7(a1)および図7(a7)に示すように、基材2上に残された感光材料1からなる各ラインLの幅はさらに広くなり互いに隣接するラインLは一体化してスペースSが消滅し、これらの領域はスペースの存在しない平らな領域となる。そして、これらの領域の青色濃度は約100%となる(図7(b2)および図7(b6)参照)。
上記のように、ピント位置の(ピントが合ったときの)ラインLの幅を、基材2に対する感光材料1の密着性限界寸法以上としたので、投影ヘッドのピント位置の感光材料1上からのずれ量に対する、上記領域中にラインLの占める面積の増大割合を極めて大きくすることができる。これとともに、ピント位置の(ピントが合ったときの)スペースSの幅を投影ヘッド10の解像性限界寸法以上としたので、投影ヘッドのピント位置の感光材料1上からのずれ量に対する、上記領域中にスペースSの占める面積の増大割合を極めて大きくすることができ、ピント位置の僅かなずれでも上記青色濃度を急激に変化させることができる。
なお、ラインLの幅が狭いほど、上記ピント位置のずれ量に対する上記ラインLの幅の変化量を大きくすることができるが、ラインLの幅を密着性限界寸法未満にするとピントが合って正しく投影されたラインLが現像によって基材2上から流れて除去されてしまうので、上記ラインLの幅は密着性限界寸法以上に設定する必要がある。
上記のようにラインの幅やスペースの幅を設定することにより、投影ヘッドのピント位置の変化量に対する上記青色濃度の変化量を極めて大きくすることができ、より正確に上記投影ヘッドのピント位置を取得することができる。
なお、検査用画像パターンGkは、投影距離を順次一定距離だけ変更しつつ、感光材料上の等間隔を置いた各領域に順番に投影することが望ましいが、上記投影距離の変更および検査用画像パターンGkを投影する各領域の間隔は必ずしも一定にする必要はない。
図8(a)は1組の互いに直交するラインを有する検査用画像パターンを示す図、図8(b)は2組の互いに直交するラインを有する検査用画像パターンを示す図である。
図示のように、検査用画像パターンとして、1組のラインL1とラインL2とを互いに直交させた検査用画像パターンGk′、あるいは2組のラインL1とラインL2とを互いに直交させた検査用画像パターンGk″を採用することによりピント位置の方向性を加味することができ、露光ヘッドのピント位置をさらに正確に定めることができる。
ずなわち、図中Y方向に延びるラインL1に関するピント位置と、図中X方向に延びるラインL2関するピント位置のそれぞれを個別に定めることができる。
なお、上記検査用画像パターンは、必ずしもラインとスペースとからなるものに限るものではない。
図9は図中X方向のピント位置の変動の検査を行うために複数組の検査用画像パターンを投影した感光材料上の各領域が現像された状態を示す図である。図示のように、上記投影距離あるいは上記ピント位置を変更しつつ、感光材料1中に検査用画像パターンGk1、Gk2、Gk3が投影される各領域(以後、投影領域群という)を、さらに記録媒体1中のX方向に並ぶように露光する。そして、上記感光材料1を現像して露光ヘッド10によって投影される画像パターンのピント位置を、それぞれの投影領域群RG(X1)、RG(X2)、・・・RG(X5)毎に求める。
ここでは、例えば、投影領域群RG(X1)においては領域R1(−2)、R2(−2)、R3(−2)の青色濃度が最も低くなり、投影距離Fz=Fz(−2)によって示される位置がピント位置として取得される。また、投影領域群RG(X2)においては領域R1(−1)、R2(−1)、R3(−1)の青色濃度が最も低くなり、投影距離Fz=Fz(−1)によって示される位置がピント位置として取得される。
また、例えば、投影領域群RG(X3)においては領域R1(0)、R2(0)、R3(0)の青色濃度が最も低くなり、投影距離Fz=Fz(0)によって示される位置がピント位置として取得され、投影領域群RG(X4)においても領域R1(0)、R2(0)、R3(0)の青色濃度が最も低くなり、投影距離Fz=Fz(0)によって示される位置がピント位置として取得される。
さらに、投影領域群RG(X5)においては領域R1(−2)、R2(−2)、R3(−2)の青色濃度が最も低くなり、投影距離Fz=Fz(−2)によって示される位置がピント位置として取得される。
上記の手法により、露光ヘッド10で投影される画像パターンのピント位置のX方向における変動を検出することができる。
なお、本発明の投影ヘッドピント位置測定方法を適用可能な投影ヘッドは、感光材料上へ画像パターンを投影してその感光材料を露光するために用いるものや、スクリーン上に画像パターンを投影するために用いられるもの等である。
上記用意する感光材料を、露光後に現像すると、非露光部分は残存し露光部分は除去される感光材料であって、非露光部分のうちの、密着性限界寸法より大きい感光材料中の非露光部分が基材上に残存し、密着性限界寸法未満の感光材料中の非露光部分が基材上から除去される感光材料としても、上記と同様に投影ヘッドピント位置を取得することができることは言うまでも無い。
なお、上記実施の形態においては、現像によって基材2上から感光材料1が除去された領域と除去されなかった領域とを利用して投影ヘッドピント位置を取得する態様を示したが、さらに、感光材料1および基材2にエッチング処理を加えることにより基材2中に上記と同様のライン部分とスペース部分とを形成して上記と同様に投影ヘッド10のピント位置を定めるようにしてもよい。
以下、投影ヘッド10に対する感光材料1の位置を固定し、投影ヘッド10のピント位置Pzを変更しつつ感光材料1上に上記検査用画像パターンGkを投影し、上記検査用画像パターンGkのピント位置Pzが感光材料1上に位置したときの投影ヘッド10のピント位置Pj2を取得する場合について説明する。
図1Bに示すように、投影ヘッド10の光軸方向(図1B中矢印Z方向)におけるこの投影ヘッド10と感光材料1との間隔は固定されており、かつ、投影ヘッド10のピント位置Pzのデフォーカスが可能な場合には、以下のようにして感光材料1上に位置する投影ヘッド10のピント位置を取得することができる。すなわち、投影ヘッド10によって画像パターンが正しく投影されるピント位置Pzを変更しながら(デフォーカスさせながら)、移送部5により感光材料1を上記光軸方向と直交する方向(図中矢印Y方向)に移動させつつ、投影ヘッド10により、検査用画像パターンGkを感光材料1上の互いに異なる領域Rへ投影する。
このようにして得られた上記検査用画像パターンGkの露光された感光材料1を現像し、感光材料1中の検査用画像パターンGkの投影された各領域Rが表すそれぞれの濃度と上記各領域に投影したときの上記変更した各ピント位置Pzとの対応関係に基づいて、感光材料1上に上記検査用画像パターンGkのピントが合ったときの投影ヘッド10のピント位置Pj2を取得することができる。
上記感光材料1を現像して得られた検査用画像パターンGkの露光された各領域R′には、上記説明済みの、ライン部分およびスペース部分と同様のものが形成されているので、上記と同様の手法を用いて投影ヘッド10のピント位置Pj2を取得することができる。
次に、上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用して露光を行う露光方法を実施する投影ヘッドを備えた投影装置の1例である露光装置について説明する。
図10は露光装置の光学系の概略構成を示す図、図11は露光装置全体の概略構成を示す斜視図、図12は露光ユニットに収容された露光ヘッドが感光材料を露光する様子示す斜視図、図13は後述するDMDの構成を拡大して示す斜視図、図14は微小ミラーの動作を示す斜視図であり、図14(A)はDMDをオフ状態とした場合の画素光ビームの軌跡を示す平面図、図14(B)はDMDをオン状態とした場合の画素光ビームの軌跡を示す平面図である。図15(A)はDMDを傾斜させない場合の各微小ミラーで反射させて形成された画素光ビームの感光材料上での軌跡を示す図、図15(B)はDMDを傾斜させた場合の画素光ビームの感光材料上での軌跡を示す図である。
図示の上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用して露光を行う露光方法を実施する露光装置200は、入射された光を変調する変調素子を2次元状に多数配列してなる空間光変調器であるDMD236を有する複数の露光ヘッド230(230A,230B・・・)のそれぞれで、光源238から発せられた光を空間光変調させ、空間光変調させて得られた画像パターンを感光部材201上に結像させてこの感光部材201を露光するものであり、上記投影ヘッドピント位置測定方法を複数の露光ヘッド230で感光材料201を露光する際の各露光ヘッド230のピント位置の測定に適用して、露光ヘッド230のそれぞれで投影する各画像パターンのピント位置を測定し、そのピント位置に基づいて各露光ヘッド230により感光部材201上に投影する各画像パターンのピント位置のずれを補正して上記露光ヘッド230による感光部材201の露光を実行するものである。
図示のように露光装置200は、光源238から発せられ光ファイバ240を通って射出された光を、微小光変調素子である微小ミラーMを2次元状に多数配列してなる空間光変調器であるDMD(デジタル・マイクロミラー・ディバイス)236により空間光変調させ、上記微小ミラーMそれぞれの光変調状態に応じて形成される各微小ミラーMに対応する画素光ビームLを感光部材201上に投影し、この感光部材201上に画像、例えば配線パターンを露光するものである。
上記露光装置200は、いわゆるフラットベッド型に構成したものであり、露光対象となる被露光部材である感光部材201を表面に吸着して保持する平板状のステージ214を備えている。4本の脚部216に支持された肉厚板状の設置台218の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド220が設置されている。ステージ214は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド220によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置200には、ステージ214をガイド220に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
設置台218の中央部には、ステージ214の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート222が設けられている。ゲート222の端部の各々は、設置台218の両側面に固定されている。このゲート222を挟んで一方の側には露光ユニット224が設けられ、他方の側には感光部材201の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ226が設けられている。露光ユニット224及び検知センサ226はゲート222に各々取り付けられて、ステージ214の移動経路の上方に固定配置されている。なお、露光ユニット224及び検知センサ226は、この露光装置200の各部の同期やタイミングを制御する露光装置コントローラ228に接続されている。
この露光ユニット224の内部には、図12に示すように、i行j列(例えば、2行4列)の略マトリックス状に配列された複数( 例えば、8個)の露光ヘッド230A,230B・・・(以後、これらをまとめて露光ヘッド230ともいう)が設置されている。
上記図12に示すように、露光ヘッド230A, 230B・・・による各露光エリア232は、例えば、搬送方向( 図中の矢印Y方向)を長辺とする矩形状に構成されている。この場合、感光部材201には、その露光の動作に伴って露光ヘッド230毎に帯状の露光済み領域234A,234B・・・(以後、これらをまとめて露光済み領域234ともいう)が形成される。
また、帯状の露光済み領域234が上記搬送方向と直交する直交方向(図中の矢印X方向)に隙間無く並ぶように、配列された各行の露光ヘッド230の各々は、列方向に所定間隔 ( 露光エリアの長辺の自然数倍)ずらして配置されている。すなわち、例えば、露光ヘッド230Aによる露光エリア232Aと露光ヘッド230Bによる露光エリア232Bとの間の露光できない部分は、露光ヘッド230Fによる露光エリア232Fとすることができる。
図10に示すように、各露光ヘッド230は、光源238から発せられ光ファイバ240を通って射出された光ビームを、空間光変調させる空間光変調器として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)236を備えている。このDMD236は、画像データ処理部とミラー駆動制御部等を備えた露光装置コントローラ228に接続されている。
この露光装置コントローラ228の画像データ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド230毎にDMD236の制御すべき微小ミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、DMDコントローラとしてのミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド230毎にDMD236における各微小ミラーの反射面の角度を制御する。
各露光ヘッド230に配されたDMD236の光の入射側には、図11に示すように、光源238からそれぞれ引き出されたバンドル状の光ファイバ240が配置されている。なお、光源238は、一般の光源として利用可能な紫外線ランプ(UVランプ)、キセノンランプ等で構成しても良い。
光源238は、図示しないがその内部に、複数の半導体レーザチップから射出されたレーザ光を合波して光ファイバに入力する合波モジュールが複数個設置されている。各合波モジュールから延びる光ファイバは、合波したレーザ光を伝搬する合波光ファイバであって、複数の光ファイバが1つに束ねられてバンドル状の光ファイバ240を構成している。
また各露光ヘッド230のDMD236における光の入射側には、図10に示すように、バンドル状光ファイバ240から出射された光をDMD236に向けて反射するミラー242が配置されている。
DMD236は、図13に示すように、SRAMセル(メモリセル)244上に、縦横2次元状に配列された多数の微小ミラーMが図示しない支柱により支持されて配置された長方形状のものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーMを格子状に配列したミラーデバイスとして構成されている。各ピクセルの最上部に支柱に支えられた微小ミラーMが設けられており、微小ミラーMの表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。
また、微小ミラーMの直下には、図示しないヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSで構成される上記SRAMセル244が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD236のSRAMセル244にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられた微小ミラーMが、対角線を中心としてDMD236が配置された基材側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図14(A)は、微小ミラーMがオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図14(B)は、微小ミラーMがオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD236の各ピクセルにおける微小ミラーMの傾きを、上記のように制御することによって、DMD236に入射された光はそれぞれの微小ミラーMの傾きに応じた方向へ反射せしめられる。
なお、図13には、DMD236の一部を拡大し、微小ミラーMが+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれの微小ミラーMのオンオフ(on/off)制御は、DMD236に接続された露光装置コントローラ228によって行われるもので、例えばオン状態の微小ミラーMで反射させた光は、DMD236における光の出射側に設けられた後述する結像光学系259(図10参照)を通して結像され感光部材201を露光する。またオフ状態の微小ミラーMで反射させた光は光吸収体(図示省略)に入射し吸収され感光部材201を露光しない。
また、DMD236は、その長方形状の長辺方向が搬送方向(図中の矢印Y方向)と所定角度θ(例えば、0.1°〜0.5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図15(A)はDMD236を傾斜させない場合の各微小ミラーで反射させて形成された画素光ビームLの上記搬送による感光部材201上での軌跡(以後、搬送軌跡という)を示し、図15(B)はDMD236を傾斜させた場合の画素光ビームLの搬送軌跡を示している。
上記のように、DMD236を傾斜させることにより、各微小ミラーMで反射された画素光ビームLの搬送軌跡が示す搬送線のピッチP2を(図15(B)参照)、DMD236を傾斜させない場合の搬送線のピッチPl(図15(A)参照)より狭くすることができ、感光部材201上に露光する画像の解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD236の傾斜角は微小であるので、DMD236を傾斜させた場合の搬送幅W2と、DMD236を傾斜させない場合の搬送輻W1とは略同一である。
また、異なる微小ミラー列により同じ搬送線上における略同一の位置(ドット)を重ねて露光(多重露光)するように配置することもできる。このような場合には、感光材料上の同一領域が多重露光され、より高い分解能で露光をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、このような高分解能での露光により、各露光ヘッド間のつなぎ自を目立たないようにすることができる。
次に、露光ヘッド230のDMD236における光の射出側に設けられた結像光学系259について説明する。図10に示すように、上記結像光学系259は、感光部材201上に、光源の像を結像させるため、DMD236の側から感光部材201の側へ向かう光路に沿って順に、レンズ系250,252、マイクロレンズアレイ254、対物レンズ系256,258の各光学要素が配置されて構成されている。
ここで、レンズ系250,252は拡大光学系として構成されており、DMD236で反射させてなる画素光ビームによって露光される感光部材201上の露光エリア232の大きさが所要の大きさとなるように拡大している。
図10に示すように、マイクロレンズアレイ254は、DMD236の各微小ミラーMに1対1で対応する複数のマイクロレンズ260が一体的に成形されたものであり、各マイクロレンズ260は、レンズ系250,252を通った各画素光ビームのそれぞれを個別に通すように配置されている。
このマイクロレンズアレイ254の全体は、矩形平板状に形成され、各マイクロレンズ260を形成した部分には、それぞれアパーチャ262(図10に図示)が一体的に配置されている。このアパーチャ262は、各マイクロレンズ260に1対1で対応して配置された開口絞りを成す。
対物レンズ系256,258は、例えば、等倍光学系として構成されている。また感光部材201は、対物レンズ系256,258を通して画素光ビームLが結像される位置に配置される。なお、結像光学系259における各レンズ系250,252,および対物レンズ系256,258は、図10においてそれぞれ1枚のレンズとして示されているが、複数枚のレンズ(例えば、凸レンズと凹レンズ)を組み合せたものであっても良い。
上述のように構成された露光ヘッド230で、光源238から発せられた光を感光部材201の表面上に結像させて画像を形成することができる。
次に、上記露光装置200により感光部材201上に画像を露光する動作について説明する。
始めに、上記各露光ヘッド230A,230B・・・のそれぞれに対して、上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用して各露光ヘッド230A,230B・・・により感光部材201上に画像パターンを結像させる際の各画像パターンのピント位置を測定する。その後、上記測定されたピント位置に基づいて各露光ヘッド230A,230B・・・により感光材料上に結像させる各画像のピント位置のずれを補正する。
光源238は、図示しないが、レーザ発光素子の各々から発散光状態で出射された紫外線等のレーザビームを、コリメータレンズによって平行光化して集光レンズで集光させ、マルチモード光ファイバのコアの入射端面へ入射させ上記光ファイバ中に合波させて、その光ファイバの出射端部に結合させた光ファイバ240に入射させる。
露光する画像パターンに応じた画像データが、DMD236に接続された露光装置コントローラ228に入力され、露光装置コントローラ228内のメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像パターンを構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光部材201を表面に吸着したステージ214は、図示しない駆動装置により、ガイド220に沿って搬送方向上流側から下流側に一定速度で移送される。ステージ214がゲート222の下を通過する際に、ゲート222に取り付けられた検知センサ226により感光部材201の先端が検出されると、メモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、画像データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド230毎に微小ミラーMを制御するための制御信号が生成される。
そして、露光装置コントローラ228のミラー駆動制御部により、光量分布を均一化するシェーディング調整と露光量の調整がなされた制御信号に基づいて各露光ヘッド230毎にDMD236の微小ミラーの各々がオンオフ制御される。
光ファイバ240から射出されミラー242で反射させた光ビームがDMD236に照射されると、DMD236の微小ミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ254の各対応するマイクロレンズ260を含むレンズ系を通して感光部材201上に結像される。このように、DMD236から出射された画素光ビームLが微小ミラー毎にオンオフされて、感光部材201がDMD236の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア)で露光が行なわれる。
また、感光部材201をステージ214と共に一定速度で移動させることにより、相対的に、感光部材201が 露光ユニット224によりステージ移動方向と反対の方向に移動し、各露光ヘッド230毎に帯状の露光済み領域234が形成され、感光部材201上に画像が露光される。
すなわち、DMD236により、露光形成する画像に対応した変調を施して生成した画素光ビームLを感光部材201上に照射することによって、この感光部材201上に上記画像が形成される。
露光ユニット224による感光部材201の露光が終了し、検知センサ226で感光部材201の後端が検出されると、ステージ214を、図示しない駆動装置により、ガイド220に沿って搬送方向最上流側にある原点に復帰させ、再度、ガイド220に沿って搬送方向上流側から下流側に一定速度で移動させる。
なお、本実施の形態に係る露光装置200では、露光ヘッド230に用いる空間光変調器としてDMDを用いたが、例えば、MEMS( Micro E1ectro Mechanica1Systems)タイプの空間光変調器( SLM;Speial Light Modulator )、グレーティングを一方向に複数配列して構成された、反射回折格子型のグレーティング・ライト・バルブ素子(GLV素子、シリコン・ライトマシーン社製、なお、GLV素子の詳細については米国特許第5311360号に記載されているので説明は省略する)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、又は液晶光シャッタ(FLC)等の透過型の空間光変調器等、MEMSタイプ以外の空間光変調器をDMDに代えて用いることができる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調器とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調器を意味している。
以下、上記露光装置200にピント位置自動調節部を付加した露光装置200Fに対して、上記本発明の投影ヘッドピント位置測定方法を適用する場合について説明する。図16はピント位置自動調節部の概略構成を示す図、図17は露光装置におけるピント位置自動調節部の取り付け位置を示す斜視図、図18はピント位置自動調節部の一部を構成するくさび型プリズムペアを拡大して示す拡大斜視図である。
上記露光装置200にピント位置自動調節部300を付加することにより、ステージ214上に載置され搬送される感光部材201に歪みが生じている場合、上記検査用画像パターンGkを、この検査用画像パターンGkが感光部材201に歪が生じていないときと同等の状態でこの感光部材201上に投影されるように、上記歪分を相殺して投影することができる。
より具体的には、例えば露光ヘッド230とこの露光ヘッド230によって露光される感光部材201上の露光領域との間隔を一定に保つことにより、露光ヘッド230のピント位置を上記搬送される、歪みを持った感光部材201上に自動的に位置させたり、さらに、露光ヘッド230のピント位置を、歪を持った感光部材201から図中矢印Z方向に一定距離hだけ離れた位置に自動的に位置させたりすることができる。
上記のように露光装置にピント位置自動調節部を付加することにより、感光部材201に歪みが生じている場合であっても、この感光部材201に歪が生じていない場合と同等に取り扱うことができる。したがって、このピント位置自動調節部を付加した露光装置では、感光部材201の歪を考慮することなく上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用することができる。すなわち、実際には感光部材201に歪があったとしても、この感光部材201に歪が無いものとして上記投影ヘッドピント位置測定方法を適用することができる。
上記ピント位置自動調節部300は、空気間隔調節部310と、測長部320と、制御部240とを備えている。
空気間隔調節部310は、ステージ214上に載置された基材2上に感光材料1を積層してなる上記感光部材201と結像光学系259との間に挿入され、上記感光部材201と結像光学系259との間の空気間隔を変更する。
測長部320は、ゲート222に配置され露光ヘッド230との位置関係が固定されており、露光ヘッド230により画像パターンが投影される上記感光部材201上の領域232Rまでの距離、あるいは上記領域232R近傍の感光部材201上の領域までの距離をレーザ光Leを利用して測定する。
制御部240は、測長部320によって得られた上記距離の測定値に応じて上記空気間隔を変更し、露光ヘッド230のピント位置を感光材料201上、あるいは感光材料201から図中Z方向に一定距離hだけ離れた位置に位置させるように制御する。
上記空気間隔調節部310は、図16および図18に示すように、くさび型プリズムペアを構成するくさび型プリズム312Aおよびくさび型プリズム312Bと、くさび型プリズム312Aに対してくさび型プリズム312Bを移動させる駆動部314とを備えている。
なお、上記くさび型プリズムペアには、例えば、ガラスやアクリル等の透明材料からなる平行平板をこの平行平板の平行平面H11、H22に対して斜めに傾く平面Hkで切断して得られる1対のくさび型プリズムを使用することができる。
駆動部314により上記くさび型プリズム312Aに対してくさび型プリズム312Bを移動させることによって、一対のくさび型プリズム312A、312Bの組み合わせで形成される平行平面板の実質的な厚さを変化させ、これにより感光部材201と結像光学系259との間の空気間隔の調節を行なう。ここで、平行平面板の実質的な厚さに平行平面板の屈折率を乗じた値が、平行平面板が示す空気間隔、すなわち平行平面板の厚さを空気の厚さに換算した値となる。
なお、空気間隔調節部310は、一対のくさび型プリズム312A、312Bの組み合わせによって形成される平行平面板の平行平面となる平面H22、H11が結像光学系259から射出される光束の光軸方向(図中矢印Z方向)と概略直交するように配置される。
以下、上記ピント位置自動調節部300の動作について説明する。
感光部材201がステージ214と共に副走査方向(図中矢印Y方向)に移送され、露光ヘッド230A、230B・・・のそれぞれにより画像パターンが上記副走査方向と直交する主走査方向(図中矢印X方向)に延びる帯状の領域232R内へ投影される。
ここで、感光材料201には上記Y方向に生じた反りやうねりがあり(例えば、100μm程度の反りやうねりがある)、上記X方向には反りやうねりは生じていないので、上記反りやうねりを測長部320によって測定する。すなわち、露光ヘッド230の位置を基準とした、この露光ヘッド230により画像パターンが投影される感光部材201上の領域232Rまでの距離、あるいは上記領域232R近傍の感光部材201上の領域233Rまでの距離を、レーザ光Leを利用して測定する。
例えば、ステージ214の上面を基準面とし、測長部320で測定した露光ヘッド230から上記基準面までの距離が30mmであり、感光部材201が厚さ1mmで歪がないものとすると、露光ヘッド230により画像パターンが投影される感光部材201上の領域232Rまでの距離は、上記側長部320によって29mmと測定されるはずである。
一方、歪を有する感光部材201に対して側長部320によって測定された露光ヘッド230からこの感光部材201上の領域232Rまでの測定距離の値が制御部240に入力されると、制御部240は、予め入力され記憶された感光部材201に歪が無い場合における露光ヘッド230から感光部材201までの理想距離の値(上記29mm)と上記測定距離の値との差を求める。
次に、制御部240は、上記理想距離の値と上記測定距離の値との差を示す差信号を駆動部314へ出力し、駆動部314がくさび形プリズム312Bを上記X方向に移動させて上記差分だけ露光ヘッド230のピント位置を図中Z方向に移動させる。これにより、露光ヘッド230のピント位置を上記歪の生じた感光部材201上に位置させることができる。
また、例えば、露光ヘッド230のピント位置を上記歪の生じた感光部材201の上記Z方向の上方側1mmの位置に位置させる場合には、上記理想距離として、上記感光部材201に歪が無い場合におけるこの感光部材201の上記Z方向の上方側1mmの位置までの距離を採用するようにすればよい。
なお、上記空気間隔調節部310は、上記のように感光部材201と結像光学系259との間に挿入される場合に限らず、上記対物レンズ系256とマイクロレンズアレイ254との間に配置するようにしても上記と同様の効果を得ることができる。
1 感光材料
2 基材
10 投影ヘッド
Fz 投影距離
Pz ピント位置
Gk 検査用画像パターン
2 基材
10 投影ヘッド
Fz 投影距離
Pz ピント位置
Gk 検査用画像パターン
Claims (15)
- 投影ヘッドのピント位置を測定する投影ヘッドピント位置測定方法において、
基材上に積層された感光材料であって、露光後に現像すると、前記露光における露光状態に応じて、前記基材上から前記感光材料が除去される領域と前記基材上から前記感光材料が除去されない領域とが定められる感光材料を用意し、
前記投影ヘッドから該投影ヘッドにより画像パターンを投影する前記感光材料までの投影距離、または前記投影ヘッドにより前記画像パターンを投影する際の該投影ヘッドのピント位置を変更しつつ、前記投影ヘッドにより、光を照射する領域と光を照射しない領域とが混在する検査用画像パターンを前記感光材料上の互いに異なる領域へそれぞれが縦横ともに1mm以上の大きさとなるように投影し、
前記検査用画像パターンの投影された前記感光材料を現像し、
前記感光材料中の前記検査用画像パターンの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と前記各領域に投影したときの前記投影距離または前記ピント位置との対応関係に基づいて、前記投影ヘッドのピント位置を取得することを特徴とする投影ヘッドピント位置測定方法。 - 前記検査用画像パターンが、前記現像によって前記感光材料が前記基材上から除去されないように投影される複数のライン部分と、前記現像によって前記感光材料が前記基材上から除去されるように前記ライン部分の間に投影されるスペース部分とからなるものであることを特徴とする請求項1記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記投影ヘッドのピント位置に投影される前記ラインの幅が、前記基材に対する前記感光材料の密着性限界寸法以上であることを特徴とする請求項2記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記ラインの幅が、前記密着性限界寸法の100%以上、150%以下であることを特徴とする請求項3記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記投影ヘッドのピント位置に投影される前記スペースの幅が、前記投影ヘッドの解像性限界寸法以上であることを特徴とする請求項2記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記スペースの幅が、前記解像性限界寸法の100%以上、150%以下であることを特徴とする特徴とする請求項5記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記感光材料を現像した後、前記感光材料および基材に対してエッチング処理を施し、その後、前記感光材料中の前記検査用画像パターンの投影された各領域が表すそれぞれの濃度と前記各領域に投影したときの前記投影距離または前記ピント位置との対応関係に基づいて、前記投影ヘッドのピント位置を取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記ピント位置を変更しつつ前記投影ヘッドのピント位置を取得する場合、該投影ヘッドのピント位置を、現像された前記感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各ピント位置の中心位置として取得することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記投影距離を変更しつつ前記投影ヘッドのピント位置を取得する場合、該投影ヘッドのピント位置を、現像された前記感光材料中の各領域のうちの、互いに等しい濃度を表す2種類の領域のそれぞれに対応する各投影距離によって示される各位置の中心位置として取得することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記検査用画像パターンを、前記変更した前記ピント位置に応じて前記感光材料上の1方向へ並ぶように投影することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記検査用画像パターンを、前記変更した前記投影距離に応じて前記感光材料上の1方向へ並ぶように投影することを特徴とする請求項1から7、および9のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記検査用画像パターンとして、前記ラインの幅および/または前記スペースの幅が互いに異なる2種類以上のパターンを使用することを特徴とする請求項2から11のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記検査用画像パターンとして、前記ラインの向きが互いに異なる2種類以上のパターンを使用することを特徴とする請求項2から11のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。
- 前記感光材料に歪が生じている場合、
前記検査用画像パターンを、該検査用画像パターンが前記感光材料に歪が生じていないときと同等の状態で該感光材料上に投影されるように、前記歪分を相殺して投影することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法。 - 入射した光を変調する変調素子を2次元状に多数配列してなる空間光変調器を有する複数の露光ヘッドのそれぞれで、光源から発せられた光を空間光変調させて得られる画像パターンのそれぞれを、同一感光材料上に結像させて該感光材料を露光する露光方法であって、
前記請求項1から14のいずれか1項記載の投影ヘッドピント位置測定方法を、前記複数の露光ヘッドで前記感光材料を露光する際のピント位置の測定に適用して各露光ヘッドのピント位置を測定し、該ピント位置に基づいて各露光ヘッドにより前記感光材料上に投影する画像パターンのピントずれを補正して前記露光ヘッドによる前記感光材料の露光を実行することを特徴とする露光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005157238A JP2006330574A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | 投影ヘッドピント位置測定方法および露光方法 |
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2005
- 2005-05-30 JP JP2005157238A patent/JP2006330574A/ja not_active Withdrawn
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