JP2006328260A - 熱交換媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換効率が高く、安全性の高い熱交換媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】カーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより熱交換媒体20を構成する。熱交換用金属材料22としては、熱伝導率が高いナトリウムやカリウムを用いる。この熱交換媒体20を原子炉に使用した場合には、熱交換効率が高く、高速中性子の吸収率が低いといった熱交換用金属材料22の特性を維持しつつ、疎水性のカーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより、熱交換用金属材料22と水との接触を回避することができ、水との接触による爆発の危険性が低い。
【選択図】 図2
【解決手段】カーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより熱交換媒体20を構成する。熱交換用金属材料22としては、熱伝導率が高いナトリウムやカリウムを用いる。この熱交換媒体20を原子炉に使用した場合には、熱交換効率が高く、高速中性子の吸収率が低いといった熱交換用金属材料22の特性を維持しつつ、疎水性のカーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより、熱交換用金属材料22と水との接触を回避することができ、水との接触による爆発の危険性が低い。
【選択図】 図2
Description
本発明は、高速増殖炉の冷却材などに用いられる熱交換媒体、特に、高速増殖炉の2次循環路の冷却材に適した熱交換媒体に関する。
実用化されている熱交換媒体の中で熱交換効率のよい熱交換用金属材料の1つとして、ナトリウムが知られている。
原子炉として周知の高速増殖炉では、高度の熱交換効率が要求されるため、通常、冷却材としてナトリウムが使用されている。高速増殖炉は、内部で核分裂反応が行われる原子炉容器と、原子炉容器内で発生した熱を除去するための第1冷却材を循環させる1次循環路と、第1冷却材を冷却するための第2冷却材を循環させる2次循環路と、第2冷却材を冷却するための第3冷却材を循環させる3次循環路とを備えている。例えば、第1冷却材及び第2冷却材としてはナトリウムが用いられ、第3冷却材としては水が用いられる。3次循環路内を循環する水は、2次循環路内を循環するナトリウムとの間で熱交換が行われることにより蒸発し、その蒸気によりタービンが回転されて発電が行われる(例えば、特許文献1、特許文献2)。
一方、ナトリウムは水と接触すると爆発的な化学反応を生じることが知られている。したがって、上記のような構成を有する高速増殖炉においては、2次循環路及び3次循環路の熱交換部の破損により、2次循環路内のナトリウムと3次循環路内の水とが接触した場合に、爆発的な化学反応が生じるという危険性がある。
このように爆発の危険性があるにもかかわらず、ナトリウムが高速増殖炉の冷却材として使用される理由としては、熱交換効率が高いことに加えて、原子炉容器内での核分裂反応により生じる高速中性子の吸収率が低いため発電効率が低下するのを防止できることなどが考えられる。
しかし、爆発の危険性があるという点から、ナトリウムは、高速増殖炉などの原子炉の冷却材以外には、熱交換媒体としてほとんど使用されていない。
特開2002−214386号公報
特開2000−97401号公報
このような背景の下では、熱交換効率が高く、原子炉以外にも一般的に使用できるような安全性の高い熱交換媒体が望まれていた。
また、ナトリウムに代表される熱交換用金属材料の特性を維持しつつ、水との接触による爆発の危険性が低い熱交換媒体を提供することができれば、高速増殖炉などの原子炉における安全性を向上できる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、熱交換効率が高く、安全性の高い熱交換媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、熱交換用金属材料の特性を維持しつつ、水との接触による爆発の危険性が低い熱交換媒体を提供することを目的とする。
本発明による熱交換媒体は、内部空間が形成されたカーボンナノ構造体と、上記カーボンナノ構造体の内部空間に収容された熱交換用金属材料とを備えて構成される。
このような構成によれば、熱伝導率が高いカーボンナノ構造体の内部空間に、熱伝導率が高い熱交換用金属材料を収容することにより、全体として熱伝導率が高い熱交換媒体を構成することができる。したがって、本発明の熱交換媒体によれば、熱交換用金属材料の特性を維持することができる。
また、疎水性のカーボンナノ構造体の内部空間に熱交換用金属材料が収容されているので、熱交換用金属材料と水との接触を回避することができる。したがって、本発明の熱交換媒体によれば、水との接触による爆発の危険性が低い。
本発明による熱交換媒体は、所定のガスと混合されることにより固気混相流として高速増殖炉の冷却材に使用されてもよい。
カーボンナノ構造体は摩擦係数が低いので、本発明のような構成を有する熱交換媒体を高速増殖炉の冷却材として使用した場合に、この熱交換媒体が循環する循環路を構成する管が摩擦により破損するのを抑制できる。特に、固気混相流として高速増殖炉の冷却材に使用することにより、摩擦を効果的に抑制することができる。したがって、高速増殖炉の冷却材に適した熱交換媒体を提供できる。
上記熱交換用金属材料は、熱伝導率が高く、熱交換に適した金属材料であって、ナトリウムやカリウムなどで構成することができる。
本発明による熱交換媒体において、上記カーボンナノ構造体が、カーボンナノチューブであれば、カーボンナノチューブの内部空間に熱交換用金属材料を収容することにより、熱交換媒体を構成することができる。
また、本発明による熱交換媒体において、上記カーボンナノ構造体が、フラーレンであれば、フラーレンの内部空間に熱交換用金属材料を収容することにより、熱交換媒体を構成することができる。
本発明によれば、熱交換効率が高く、原子炉以外にも一般的に使用できるような安全性の高い熱交換媒体を提供することができる。さらに、本発明の熱交換媒体を原子炉に使用した場合には、熱交換効率が高く、高速中性子の吸収率が低いといった熱交換用金属材料の特性を維持しつつ、疎水性のカーボンナノ構造体の内部空間に熱交換用金属材料を収容することにより、熱交換用金属材料と水との接触を断絶することができ、水との接触による爆発の危険性を回避することができる。この場合、本発明の熱交換媒体を所定のガスと混合することにより固気混相流とすれば高速増殖炉の冷却材として好適である。特に、高速増殖炉の2次循環路の第2冷却材として使用することによって、高速増殖炉内に入り組んだ1次循環路の設備を変更すること無く、従来の危険性を完全に回避できることになる。
図1は、本発明の実施の形態による熱交換媒体が適用される高速増殖炉1の一例を示した図であって、(a)は、高速増殖炉1の全体構成を示した概念図、(b)は、2次循環路4に適用されるポンプ7の構成を示す断面図である。
図1(a)に示すように、この高速増殖炉1は、原子炉容器2、1次循環路3、2次循環路4、3次循環路5、ポンプ6,7,8、熱交換器9,10及びタービン11を備えている。
原子炉容器2内には、ウランやプルトニウムなどの核分裂性物質が核燃料として収容されている。原子炉容器2内の炉心12では、核燃料を用いて核分裂反応が行われることにより、高速中性子が放出される。そして、核分裂反応により放出される高速中性子が、減速することなくそのまま次の原子核に衝突することにより、連鎖的に核分裂反応が行われる。
1次循環路3は、両端が原子炉容器2内に連通するループ状の管により構成されている。1次循環路3には、ポンプ6が介装されており、このポンプ6を駆動させることにより、図1(a)において矢印で示すように、1次循環路3内に第1冷却材を循環させることができる。核分裂反応により炉心12で発生した熱は、1次循環路3内を循環する第1冷却材により除去される。そして、加熱された第1冷却材が、1次循環路3に介装された熱交換器9で冷却され、再び炉心12へと導かれることにより、炉心12で発生する熱が連続的に除去される。
2次循環路4は、熱交換器9,10及びポンプ7が介装されたループ状の管により構成されている。ポンプ7を駆動させると、図1(a)において矢印で示すように、2次循環路4内に第2冷却材を循環させることができる。熱交換器9において、1次循環路3内を循環する第1冷却材との間で熱交換が行われることにより加熱された第2冷却材が、熱交換器10で冷却され、再び熱交換器9へと導かれることにより、1次循環路3内を循環する第1冷却材が連続的に冷却される。
3次循環路5は、熱交換器10、タービン11及びポンプ8が介装されたループ状の管により構成されている。ポンプ8を駆動させると、図1(a)において矢印で示すように、3次循環路5内に第3冷却材を循環させることができる。第3冷却材としては、例えば水が用いられる。3次循環路5内を循環する水は、2次循環路4内を循環する第2冷却材との間で熱交換が行われることにより蒸発し、その蒸気によりタービン11が回転されて発電が行われる。熱交換器10で発生した蒸気が、3次循環路5を循環する過程で冷却されて液化し、再び熱交換器10へと導かれることにより、2次循環路4内を循環する第2冷却材が連続的に冷却される。
本発明の実施の形態による熱交換媒体は、上記のような構成を有する高速増殖炉1において、第2冷却材として用いることができる。より具体的には、本発明の実施形態による熱交換媒体は、高速増殖炉1の2次循環路4において、所定のガスに混合されることにより固気混相流とされた第2冷却材として循環するように構成されている。高速増殖炉1の1次循環路3においては、液体状態の金属ナトリウムが第1冷却材として流動し、3次循環路5においては、第3冷却材としての水が加熱及び凝縮の相変化を伴って循環するように構成されている。
図1(b)に示すように、2次循環路4に適用されるポンプ7は、固気混相流としての第2冷却材を循環させるのに適した構成を有している。すなわち、2次循環路4を構成する管41内には、軸流ポンプにより構成されるポンプ7が、支持部材42により固定されている。ポンプ7は、キャンドモータ71に3つの回転推進翼72,73,74を取り付けた構造に構成されている。
このポンプ7が駆動されると、キャンドモータ71の回転により回転推進翼72,73,74が回転し、管41内の媒体が強制的に図中矢印の方向に流動させられる。ここで使用される媒体は、後述する本実施の形態の熱交換媒体としての内部に金属ナトリウムを含むカプセル状のカーボンナノ構造体であり、この固相の熱交換媒体を運搬する流体は、熱伝導率の高いガス、例えばヘリウムである。熱交換媒体を運搬する流体としては、ヘリウムガス以外にも水素ガスなどを使用できるが、使用上の安全性から、空気、炭酸ガス、水蒸気を環境に応じて選択して設定することが可能である。
本実施の形態では、カーボンナノ構造体の内部に金属ナトリウムを閉じ込めることによって、金属ナトリウムの化学反応を断絶しながらも、熱的な特性をそのままに維持させることによって、効率のよい熱伝導(すなわち冷却)ループを構築することができる。また、本発明の熱交換媒体は、高速増殖炉1の1次循環路3にも適用可能であると考えられるがこの事項については検証できていない。
本願発明者は、特表2004−538349号公報に開示されているようなカーボンナノ構造体による熱移動を検討するとともに、特開2003−252614号公報、特開2004−67499号公報に開示されているようなカプセル状のカーボンナノ構造体(カーボンナノカプセル)を製造する技術を応用して、以下に説明するような構成を有する熱伝導率の高い熱交換媒体を発明した。
図2の(a)〜(c)は、熱交換媒体20の構成例を示す概略図である。
図2(a)に示す熱交換媒体20は、カーボンナノチューブ21内に熱交換用金属材料22が収容されることにより構成されている。
カーボンナノチューブ21は、多数の炭素原子が結合することにより、両端部が閉塞された管状のクラスターとして構成されたカーボンナノカプセルである。
熱交換用金属材料22は、熱伝導率が高いナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属で構成することができる。熱交換用金属材料22をカーボンナノチューブ21の内部空間に収容させる方法としては、いわゆるボトルシップ合成法を用いることができる。すなわち、カーボンナノチューブ21にレーザ光を照射するなどして、カーボンナノチューブ21の一部に人工的に孔を開け、その孔からカーボンナノチューブ21の内部空間に金属原子を集積させる。その後、カーボンナノチューブ21を冷却すれば、開口した孔が収縮し、カーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22が収容された状態となる。
ただし、カーボンナノチューブ21の内部空間に熱交換用金属材料22を収容させる方法としては、上記のようなボトルシップ合成法を用いた方法に限らず、例えば、特開2002−128501号公報に開示されているような毛細管現象を利用する方法などであってもよい。
ナトリウムは、融点が97.81℃、沸点が881℃である。カリウムは、融点が63.5℃、沸点が765.5℃である。このように、ナトリウムやカリウムは、液体として存在する温度範囲が広いので、本実施の形態のような熱交換媒体20を、図1(a)に示す高速増殖炉1の第2冷却材として用いた場合には、2次循環路4内において、熱交換用金属材料22が液体として存在することとなる。熱交換用金属材料22は、カーボンナノチューブ21の内部空間に収容されているので、液体の状態であってもカーボンナノチューブ21の外部に漏れ出すことはない。
温度が300℃、圧力が1atmの条件下において、ナトリウムは、密度が880kg/m3、比熱が0.316kcal/kg・℃、粘度が3.43×10−4、動粘性係数が0.392×10−6、熱伝導率が60kcal/m・h・℃であり、カリウムは、密度が770kg/m3、比熱が0.185kcal/kg・℃、粘度が2.45×10−4、動粘性係数が0.318×10−6、熱伝導率が35kcal/m・h・℃である(堀 雅夫(監修)/基礎高速炉工学編集委員会(編):基礎高速炉工学、日刊工業新聞社(1993年10月)参照)。
このように、ナトリウムやカリウムは、それぞれ、水銀などの他の金属材料と比較して、相対的に、下記のような特性を有している。
・密度が低い
・比熱が大きい
・粘性が低い
・熱伝導率が高い
・密度が低い
・比熱が大きい
・粘性が低い
・熱伝導率が高い
そして、上記のような特性を有するナトリウムやカリウムを熱交換用金属材料22として用いれば、比較的軽量で高い熱容量を有し、循環路内での流動性に富み、熱交換効率が高い熱交換媒体20を構成することができる。なお、ナトリウムやカリウムの密度及び比熱を、カーボンナノチューブ21を構成する炭素と比較すると、密度は炭素の方が大きく、比熱は炭素の方が小さい。
ただし、熱交換用金属材料22は、上記のような特性を有する熱交換に適した金属材料であれば、ナトリウムやカリウムに限らず、ナトリウム及びカリウムの合金(NaK)などの他の金属材料であってもよい。
図2(b)に示す熱交換媒体20は、フラーレン23内に熱交換用金属材料22が収容されることにより構成されている。
フラーレン23は、いわゆるアーク放電法やレーザ蒸発法などで生成することができる。フラーレン23は、多数の炭素原子が結合することにより、中空球状のクラスターとして構成されている。このフラーレン23の内部空間に、上述したようなボトルシップ合成法や毛細管現象を利用した方法で、ナトリウムやカリウムなどの熱交換用金属材料22を収容させることにより、熱交換媒体20を構成することができる。
ただし、熱交換用金属材料22を収容するカーボンナノ構造体は、図2(a)に示すカーボンナノチューブ21や、図2(b)に示すフラーレン23に限らず、例えば、多数の炭素原子が結合することにより、中空円錐台形状のクラスターとして構成されるカーボンナノホーンなどであってもよい。これらのカーボンナノ構造体は、疎水性を有し、熱伝導率が高いという特性を有している。
また、図2(c)に示すように、図2(b)のフラーレン23、すなわち、内部空間に熱交換用金属材料22が収容された状態のフラーレン23を、更に、図2(a)のカーボンナノチューブ21の内部空間に収容することにより、2重構造の熱交換媒体20を構成してもよい。
本実施の形態の熱交換媒体20によれば、熱伝導率が高いカーボンナノ構造体の内部空間に、熱伝導率が高い熱交換用金属材料22を収容することにより、全体として熱伝導率が高い熱交換媒体20を構成することができる。また、カーボンナノ構造体は非常に軽く、そのため、核分裂反応により生じる高速中性子の吸収率も低いので、カーボンナノ構造体の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより、高速中性子の吸収率が低い熱交換媒体20を構成することができる。したがって、本実施の形態の熱交換媒体20によれば、熱交換用金属材料22の特性を維持することができる。
また、カーボンナノ構造体は摩擦係数が低いので、本実施の形態の熱交換媒体20を高速増殖炉1の冷却材として使用した場合でも、この熱交換媒体20が循環する循環路を構成する管(例えば、図1における2次循環路4の管41)が摩擦により破損するのを抑制できる。万が一、循環路を構成する管が破損して、循環路内を循環する熱交換媒体20が水と接触したような場合でも、疎水性のカーボンナノ構造体の内部空間に熱交換用金属材料22が収容されているので、熱交換用金属材料22と水との接触を回避することができる。したがって、本実施の形態の熱交換媒体20によれば、水との接触による爆発の危険性が低い。
このように、本実施の形態によれば、熱交換効率が高く、原子炉以外にも一般的に使用できるような安全性の高い熱交換媒体20を提供することができる。さらに、本実施の形態の熱交換媒体20を原子炉に使用した場合には、熱交換効率が高く、高速中性子の吸収率が低いといった熱交換用金属材料22の特性を維持しつつ、疎水性のカーボンナノ構造体の内部空間に熱交換用金属材料22を収容することにより、熱交換用金属材料22と水との接触を回避することができ、水との接触による爆発の危険性が低い。特に、本実施の形態の熱交換媒体20は、高速増殖炉1(の2次循環路4)の冷却材に適している。
また、カーボンナノ構造体は、水に限らず、他のあらゆる物質と反応し難い性質がある。したがって、本実施の形態の熱交換媒体20によれば、水以外の他の物質との接触による弊害の防止も期待できる。
ただし、本発明の熱交換媒体20は、高速増殖炉1の冷却材として用いることができるのみならず、他の原子炉の冷却材として用いることもできるし、原子炉に限らず、ヒートパイプなどの他の熱交換装置にも広範に用いることができる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
20 熱交換媒体
21 カーボンナノチューブ
22 熱交換用金属材料
23 フラーレン
21 カーボンナノチューブ
22 熱交換用金属材料
23 フラーレン
Claims (6)
- 内部空間が形成されたカーボンナノ構造体と、
上記カーボンナノ構造体の内部空間に収容された熱交換用金属材料とを備えたことを特徴とする熱交換媒体。 - 上記熱交換用金属材料が、ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換媒体。
- 上記熱交換用金属材料が、カリウムであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換媒体。
- 上記カーボンナノ構造体が、カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱交換媒体。
- 上記カーボンナノ構造体が、フラーレンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱交換媒体。
- 所定のガスと混合されることにより固気混相流として高速増殖炉の冷却材に使用されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱交換媒体。
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JP2005155345A JP2006328260A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 熱交換媒体 |
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JP2005155345A JP2006328260A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 熱交換媒体 |
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JP2006328260A true JP2006328260A (ja) | 2006-12-07 |
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2005
- 2005-05-27 JP JP2005155345A patent/JP2006328260A/ja active Pending
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