JP2006326517A - 浄水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小規模でありながら水質の良い浄水が得られる浄水装置を提供すること。
【解決手段】 浄水装置1は、供給された原水SW中の浮遊粒子を凝集剤により凝集処理する凝集反応槽10と、凝集反応槽10からの処理水TWを受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体12底部の汚泥排出口14から排出する沈殿槽11とを備えてなり、沈殿槽11内に嫌気性微生物棲息用の菌床が設けられ、菌床を通過する水の流速が25m/日以上110m/日以下に設定されている。沈殿槽11の槽本体12は竪型に形成され、槽本体12上部に水出口15が設けられている。沈殿槽11の下流に生物活性炭槽21が配備されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 浄水装置1は、供給された原水SW中の浮遊粒子を凝集剤により凝集処理する凝集反応槽10と、凝集反応槽10からの処理水TWを受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体12底部の汚泥排出口14から排出する沈殿槽11とを備えてなり、沈殿槽11内に嫌気性微生物棲息用の菌床が設けられ、菌床を通過する水の流速が25m/日以上110m/日以下に設定されている。沈殿槽11の槽本体12は竪型に形成され、槽本体12上部に水出口15が設けられている。沈殿槽11の下流に生物活性炭槽21が配備されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、山間部などで好適に使用される小規模な浄水装置に関するものである。
日本国内では、都市部全般にわたり上水道の設置がほぼ行き渡っている。この上水道用の浄水設備としては、原水中の浮遊粒子を凝集剤により凝集処理する凝集反応槽と、凝集反応槽で生じた処理水中の汚泥をろ材によりろ過するろ過槽と、ろ過槽からの処理水中の油分や有害成分を活性炭により吸着除去する活性炭槽とを備えた設備が知られている。かかる都市部向けの浄水設備は大規模であり広い敷地に建設されている。この浄水設備における水の流通方向は概ね横方向であり、流速は120〜150m/日と高速である。このような浄水設備に関連した設備が、例えば下記の特許文献1に開示されている。
ところで、山間部などの過疎地のように住居が点在している地域では上水道設備を利用していないところが多い。これは、上水道用の浄水設備が大規模になる一方で住民の数が少ないことと、広い設備面積を必要としながら山間部などでは狭い土地しかないことが原因である。そのため、当該地区の住民はやむなく井戸水を飲料水および生活用水として使用してきた。井戸水は気候により水質が変化するが、水質が多少悪化した場合でも使用せざるを得なかった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、小規模でありながら水質の良い浄水が得られる浄水装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る浄水装置は、供給された原水中の浮遊粒子を凝集剤により凝集処理する凝集反応槽と、凝集反応槽からの処理水を受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体底部の汚泥排出口から排出する沈殿槽とを備えてなり、沈殿槽内に嫌気性微生物棲息用の菌床を設け、菌床を通過する水の流速を25m/日以上110m/日以下に設定したものである。
また、前記構成において、沈殿槽の槽本体が竪型に形成され、槽本体の汚泥排出口上方位置に、凝集反応槽からの処理水を受け入れる水入口が設けられ、槽本体の水入口上方位置に、菌床が設けられ、槽本体の菌床上方位置に、菌床で得られた浄水を排出する水出口が設けられているものである。
そして、前記構成において、菌床は、槽本体内に傾斜姿勢で配備された筒体と、傾斜した筒体内の内面天井部に配備された嫌気性微生物棲息用のスポンジ状体とから構成されているものである。
更に、前記した各構成において、沈殿槽の下流に、沈殿槽からの浄水を好気性条件下で生物活性炭処理する生物活性炭槽を配備したものである。
本発明に係る浄水装置において、凝集反応槽で凝集処理された処理水は、浮遊粒子の凝集により生じた汚泥が沈殿槽で槽本体底部の汚泥排出口から排出されて浄化される。そして、沈殿槽内の菌床を通過する水の流速は25m/日以上110m/日以下であるので、菌床が嫌気性雰囲気となり嫌気性微生物が菌床に定着して増殖する。そこで、処理水が菌床を通過するときに、嫌気性微生物により水中の有機物が嫌気的分解により除去される。従って、比較的遅い流速で小規模な浄水装置でありながら水質の良い浄水を得ることができる。これにより、本発明の小規模な浄水装置は、山間部などの偏狭地でも設置することができ、川や井戸の水を原水として上水化することができる。
また、沈殿槽が竪型に形成され、水入口より導入された凝集反応槽からの処理水が菌床、水出口へと縦方向に流通する場合は、従来技術のように横向きに流通するものと比べて、設置平面積を小さくすることができる。しかも、本発明の沈殿槽は、凝集により生じた汚泥を沈降除去する元来の沈殿槽の機能はもとより嫌気的分解槽の機能も併せ持ち、あたかもこれら2槽を上下一体に構成したものと同等なので、2槽を別々に平置した場合と比べて、よりいっそうの設置面積低減化を図ることができる。
そして、傾斜した筒体内の内面天井部に嫌気性微生物棲息用のスポンジ状体を配備した菌床を用いる場合は、スポンジ状体の嫌気性微生物により生じた汚泥がスポンジ状体から離れて沈降し、筒体の内面底部で受け止められて滑り落ち筒体の下端開口からうまく転落して汚泥排出口へ向かう。従って、スポンジ状体で生じた汚泥を効率よく排出して、嫌気性微生物による分解効率を低下させない。加えて、この菌床の構成部品はいずれも構成が簡素であるので、入手が容易で安価な菌床を提供することができる。
前記した沈殿槽までの処理でも十分に清浄化された浄水が得られるが、沈殿槽の下流に更に生物活性炭槽を配備した場合は、沈殿槽の嫌気的な菌床で分解しきれなかった有機物、または嫌気的な菌床による分解対象以外の有機物が分解除去されるので、よりいっそう良質な浄水を得ることができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係る浄水装置の全体を示す概要構成図、図2は前記浄水装置の平面配置を示す平面構成図、図3は前記浄水装置の側面配置を示す側面構成図である。
各図において、この実施形態に係る浄水装置1は例えば水処理能力が30トン/日の小規模装置であり、川や池などの原水SWを汲み上げるポンプP1と、ポンプP1からの原水SWを一時収容する着水槽2と、着水槽2から送られてくる原水SWの槽内水位を一定に調整するフロート弁4を有する水位調整槽3と、水位調整槽3からの原水SWにポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤および苛性ソーダなどのpH調整剤を加えて撹拌機M1により混合する混和槽5と、混和槽5からの凝集剤およびpH調整剤入りの原水SWを撹拌機M2により緩やかに撹拌して原水SW中の微細な浮遊粒子を凝集処理する凝集反応槽10と、凝集反応槽10で得られた処理水TWを受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体12底部の汚泥排出口14から排出する沈殿槽11とを備えている。尚、前記した着水槽2は水位調整槽3よりも高い水位を得る位置にオーバーフローラインが設けられ、水位調整槽3、混和槽5、凝集反応槽10、および沈殿槽11は同じ水位となるように構成されている。凝集剤は凝集剤タンク6に貯留されていて注入ポンプ7の駆動により混和槽5に注入される。pH調整剤はアルカリタンク8に貯留されていて注入ポンプ9の駆動により混和槽5に注入される。
各図において、この実施形態に係る浄水装置1は例えば水処理能力が30トン/日の小規模装置であり、川や池などの原水SWを汲み上げるポンプP1と、ポンプP1からの原水SWを一時収容する着水槽2と、着水槽2から送られてくる原水SWの槽内水位を一定に調整するフロート弁4を有する水位調整槽3と、水位調整槽3からの原水SWにポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤および苛性ソーダなどのpH調整剤を加えて撹拌機M1により混合する混和槽5と、混和槽5からの凝集剤およびpH調整剤入りの原水SWを撹拌機M2により緩やかに撹拌して原水SW中の微細な浮遊粒子を凝集処理する凝集反応槽10と、凝集反応槽10で得られた処理水TWを受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体12底部の汚泥排出口14から排出する沈殿槽11とを備えている。尚、前記した着水槽2は水位調整槽3よりも高い水位を得る位置にオーバーフローラインが設けられ、水位調整槽3、混和槽5、凝集反応槽10、および沈殿槽11は同じ水位となるように構成されている。凝集剤は凝集剤タンク6に貯留されていて注入ポンプ7の駆動により混和槽5に注入される。pH調整剤はアルカリタンク8に貯留されていて注入ポンプ9の駆動により混和槽5に注入される。
更に、浄水装置1は、沈殿槽11で得た浄水を送水するポンプP2と、槽内に砂などのろ材19を充填してポンプP2からの浄水をろ過するろ過槽17と、ろ過槽17からの浄水を空気曝気したのち活性炭23により好気的な生物活性炭処理を行なう生物活性炭槽21と、生物活性炭槽21からの浄水に次亜塩素酸ソーダなどの殺菌剤を注入する殺菌剤槽26および注入ポンプ27と、殺菌後の浄水CWを一時貯留する浄水槽30と、浄水槽30の浄水CWを逆洗水としてろ過槽17または沈殿槽11へ送水するポンプP3とを備えている。図中符号、31は運転時間、水処理量、薬剤注入量などの制御条件を設定するための操作盤、32は前記した各機器が設置される例えばコンクリート製の基台、45は着水槽2、沈殿槽11、ろ過槽17、生物活性炭槽21からの逆洗水や汚泥を排出するための排水主管である。この浄水装置1は、横幅Lが3m、奥行Wが1.8m、高さHが2.2mと、非常にコンパクトに構成されている。
沈殿槽11の槽本体12は、図4に示すように、縦に長い竪型の有底角筒状に形成されている。槽本体12の下部は下に行くほど細くなるテーパ状に形成されており、その最底部に汚泥排出口14が設けられている。槽本体12の上面開口は上蓋33で封止されている。槽本体12における汚泥排出口14の上方位置には、凝集反応槽10からの処理水TWを受け入れる水入口13が設けられている。この水入口13の高さ位置は凝集反応槽10の底部の水出口よりも低い位置に設定されている。槽本体12における水入口13の上方位置には、菌床ユニット34が設けられている。槽本体12における菌床ユニット34の上方位置、すなわち槽本体12の上端部近傍には、菌床ユニット34で生成した浄水CWを排出する水出口15が設けられている。
菌床ユニット34は、図4および図5に示すように、平面視正方形状の支持フレーム35と、支持フレーム35内で前後左右に整列して配置された多数の菌床40,40,40,・・・とからなっている。これらの菌床40,40,40,・・・は上下3段に分けて配置されている。この場合、菌床40,40,40,・・・は1段につき約230個、3段合計で700本弱が設置されている。
支持フレーム35は、図6に示すように、平面視略正方形の四つ角に4本の竪棒36,36,36,36が縦向きに配置され、これらの竪棒36,36,36,・・・に上下通水自由な3枚の支持板38,38,38が上下に適宜間隔で固設されている。各支持板38上には網材39がそれぞれ載置固定されている。上記した支持フレーム35の各材料は例えばステンレス鋼材で構成されている。そして、各網材39上には、約230個の菌床40が同じ向きに傾斜した姿勢で載置される。上下隣合った網材39,39における菌床40の傾斜方向はそれぞれ逆になっている。
支持フレーム35は、図6に示すように、平面視略正方形の四つ角に4本の竪棒36,36,36,36が縦向きに配置され、これらの竪棒36,36,36,・・・に上下通水自由な3枚の支持板38,38,38が上下に適宜間隔で固設されている。各支持板38上には網材39がそれぞれ載置固定されている。上記した支持フレーム35の各材料は例えばステンレス鋼材で構成されている。そして、各網材39上には、約230個の菌床40が同じ向きに傾斜した姿勢で載置される。上下隣合った網材39,39における菌床40の傾斜方向はそれぞれ逆になっている。
個々の菌床40は、図7に示すように、傾斜姿勢で配置される例えば合成樹脂パイプ製の筒体41と、傾斜した筒体41内の内面天井部に配備された嫌気性微生物棲息用の多数のスポンジ状体42,42,・・・とから主に構成されている。筒体41の傾斜角度θは例えば60度である。筒体41は所定の角度範囲で傾斜していることが重要である。かかる所定の傾斜角度範囲は35〜75度が好ましい。傾斜角度θが35度を下回ると、スポンジ状体42で生じて沈降した汚泥Fが筒体41の内面底部で滑落することなく堆積して処理水TWの流通に支障を来たすおそれがある。また、傾斜角度θが小さくなると筒体41に係る横寸法が大きくなるため、沈殿槽11の平面積を大きく採らざるを得ず、浄水装置1の設置スペースが大きくなる。一方、傾斜角度θが75度を上回ると、処理水TWが筒体41内を通過する際に、スポンジ状体42を設けていない側に偏って流れ、スポンジ状体42と接する頻度が少なくなって嫌気性微生物による分解反応効率が低下するおそれがある。また、或るスポンジ状体42で生じた汚泥Fが下方位置のスポンジ状体42に降りかかって覆ってしまい処理水TWと嫌気性微生物との接触を阻害するおそれがある。
スポンジ状体42は例えばポリウレタン板を回転丸ノコで矩形状に切断することによりスポンジ状に毛羽立った立方状体として簡単に得られる。この立方状体は例えば20mm角の大きさである。スペーサ43は例えばポリプロピレン製のチューブを約10mm長ずつ切断して得たものである。前記のスポンジ状体42にステンレス鋼製の線材44を突き刺して貫通した後、線材44の先端にスペーサ43を通すという作業を繰り返すことにより、スポンジ状体42とスペーサ43を交互に配置した連繋物が得られる。かかるの連繋物の両端から突出した線材44,44をそれぞれ折り曲げて筒体41両端の外周端面に係止させることにより、菌床40ができあがる。
菌床40の筒体41内を通過する水の流速は、筒体41内を嫌気性雰囲気とするため、25m/日以上110m/日以下にする必要がある。かかる流速は、浄水装置における高速システム(120〜150m/日)と低速システム(4〜10m/日)の間の、いわば中速システムの流速といえる。筒体41内を通過する水の流速が110m/日を超えると、筒体41内を嫌気性雰囲気に保持できないために嫌気性微生物がスポンジ状体42に定着せず、微生物による分解処理を行なえない。筒体41内を通過する水の流速が25m/日を下回ると、水処理能力が低くなりすぎて実用機として適さなくなる。
菌床40の筒体41内を通過する水の流速は、筒体41内を嫌気性雰囲気とするため、25m/日以上110m/日以下にする必要がある。かかる流速は、浄水装置における高速システム(120〜150m/日)と低速システム(4〜10m/日)の間の、いわば中速システムの流速といえる。筒体41内を通過する水の流速が110m/日を超えると、筒体41内を嫌気性雰囲気に保持できないために嫌気性微生物がスポンジ状体42に定着せず、微生物による分解処理を行なえない。筒体41内を通過する水の流速が25m/日を下回ると、水処理能力が低くなりすぎて実用機として適さなくなる。
上記した生物活性炭槽21とろ過槽17は生物活性炭槽21を上側とし、ろ過槽17を下側にして上下一体に構成されている。ろ過槽17内には砂などのろ材19が充填され、ろ過槽17におけるろ材19の上方位置には沈殿槽11からの浄水を取り入れる水入口18が設けられている。ろ過槽17におけるろ材19の下方位置には、ろ過後の浄水を取り出す水出口20が設けられている。生物活性炭槽21内には活性炭23が充填され、生物活性炭槽21における活性炭23の上方位置にろ過槽17の水出口20と配管接続された水入口22が設けられている。生物活性炭槽21における活性炭23の下方位置には、生物活性炭処理後の浄水を取り出す水出口25が設けられている。また、生物活性炭槽21における活性炭23の上方位置に、空気注入ライン24が接続されている。空気注入ライン24先端の吹出しノズルは生物活性炭槽21内に配置され、空気吹き出し方向を上向きにして取り付けられている。すなわち、生物活性炭槽21では、沈殿槽11からの浄水を空気曝気することにより好気性条件下で生物活性炭処理するようになっている。
また、ポンプP2からろ過槽17の水入口18までの間には、沈殿槽11からの浄水量を計測する流量計16が配備されている。そして、浄水槽30の下部には、生物活性炭槽21の水出口25からの浄水CWを取り入れる水入口28と、ポンプP3の駆動により逆洗用の水を取り出す水取出口29が設けられている。尚、この浄水装置1では、ろ過槽17または沈殿槽11の逆洗中も浄水生成運転を継続できるように、2組の沈殿槽11、ポンプP2、流量計16、ろ過槽17、および生物活性炭槽21を並列に設け、一方の組を通水停止して逆洗を行ない、他方の組で浄水生成運転を行なうようになっている。無論、2組を同時に稼動して処理量を増やした浄水生成運転を行なっても構わない。
引続き、上記した構成の浄水装置1による浄水生成動作を説明する。まず、ポンプP1で汲み上げられた原水SWは着水槽2に一時貯留されたのち、水頭差により水位調整槽3に送水される。水位調整槽3内の原水SWはフロート弁4の作動により所定の水位に調整され、混和槽5に供給される。混和槽5では、原水SWに凝集剤タンク6からの凝集剤が所定量添加され、所定のpH値となるようにアルカリタンク8からのpH調整剤が添加され、撹拌機M1で混和される。
そして、混和槽5で凝集剤などを添加された原水SWが凝集反応槽10に流入し撹拌機M2で緩やかに撹拌されることにより、原水SW中の微細な浮遊粒子が互いに凝集して粒径の大きなフロックとなり水中を浮遊する。かかる凝集処理が施された処理水TWは水入口13から沈殿槽11に供給される。沈殿槽11の槽本体12内において、処理水TWは上向きに流れて菌床ユニット34に向かう。一方、処理水TW中のフロックは更に凝集して汚泥となり槽底部に沈降し定期的に汚泥排出口14から排水主管45へ排出される。
そして、混和槽5で凝集剤などを添加された原水SWが凝集反応槽10に流入し撹拌機M2で緩やかに撹拌されることにより、原水SW中の微細な浮遊粒子が互いに凝集して粒径の大きなフロックとなり水中を浮遊する。かかる凝集処理が施された処理水TWは水入口13から沈殿槽11に供給される。沈殿槽11の槽本体12内において、処理水TWは上向きに流れて菌床ユニット34に向かう。一方、処理水TW中のフロックは更に凝集して汚泥となり槽底部に沈降し定期的に汚泥排出口14から排水主管45へ排出される。
菌床ユニット34の最下段の菌床40に達した処理水TWは、筒体41の下端開口から流入する。流入した処理水TWは筒体41内でスポンジ状体42,42,・・・を順次通過する。かかる処理水TWが筒体41内を通過する流速は約35m/日である。処理水TWの流速が25m/日以上110m/日以下のときに、筒体41内が嫌気性雰囲気になる。これにより、嫌気性雰囲気下で棲息する細菌やバクテリアなどの嫌気性微生物がスポンジ状体42,42,・・・で増殖する。
そこで、処理水TWが筒体41内でスポンジ状体42,42,・・・を通過するとき、棲息している嫌気性微生物により処理水TW中の有機物が嫌気的分解され、分解しきれなかった有機物や無機質は凝集して汚泥Fとなり筒体41内の底面に沈降する。この汚泥Fは傾斜した筒体41の底面上を滑落して下端開口から転落し、槽本体12の汚泥排出口14へ向かう。下段の菌床40,40,40,・・・で分解処理された処理水は筒体41の上端開口から流出し、中段の菌床40,40,40,・・・および上段の菌床40,40,40,・・・において、下段の菌床40,40,40,・・・のときと同様に嫌気性微生物による分解処理が施されて浄水となる。上位段の菌床40,40,40,・・・で生じた汚泥Fは筒体41の下端開口から転落して下位段の菌床40,40,40,・・・の筒体41内外を通過して沈降し、槽本体12の汚泥排出口14へ向かう。
そこで、処理水TWが筒体41内でスポンジ状体42,42,・・・を通過するとき、棲息している嫌気性微生物により処理水TW中の有機物が嫌気的分解され、分解しきれなかった有機物や無機質は凝集して汚泥Fとなり筒体41内の底面に沈降する。この汚泥Fは傾斜した筒体41の底面上を滑落して下端開口から転落し、槽本体12の汚泥排出口14へ向かう。下段の菌床40,40,40,・・・で分解処理された処理水は筒体41の上端開口から流出し、中段の菌床40,40,40,・・・および上段の菌床40,40,40,・・・において、下段の菌床40,40,40,・・・のときと同様に嫌気性微生物による分解処理が施されて浄水となる。上位段の菌床40,40,40,・・・で生じた汚泥Fは筒体41の下端開口から転落して下位段の菌床40,40,40,・・・の筒体41内外を通過して沈降し、槽本体12の汚泥排出口14へ向かう。
前記した菌床ユニット34の嫌気性分解処理で生成した浄水は、濁度が6〜20ppmと十分に清浄化されていて上水道に使用できるものである。但し、本実施形態では、より水質を高めるため、菌床ユニット34で生成した浄水をろ過槽17および生物活性炭槽21にかけるようにした。すなわち、沈殿槽11で得られた浄水はポンプP2によりろ過槽17へ送られてろ材19の層で水中の固形分が漉し取られたのち、生物活性炭槽21へ圧送される。
生物活性炭槽21では、ろ過槽17からの浄水中で空気注入ライン24からの空気を上向きに噴射して空気中の酸素を十分に溶け込ませる。空気注入ライン24から噴射された空気のほとんどは、生物活性炭槽21の上端部に設けられた空気放出口(図示省略)から槽外へ放出される。そうして、十分な酸素が溶け込んだ浄水は活性炭23の層に通されて、沈殿槽11の菌床40で分解しきれなかった有機物、または菌床40による分解対象以外の有機物が、活性炭23の微細孔中に棲息している好気性微生物により分解除去される。これにより、濁度が0.01ppm程の清浄な浄水CWが得られる。濁度が0.1ppmを下回るとクリプトスポリジューム菌による影響を考慮せずに済むとされていることから、この浄水CWは極めて良質な水である。かかる浄水CWは殺菌剤槽26から適量の殺菌剤が添加されたのち浄水槽30に一時貯留される。浄水槽30の浄水CWは需要により取り出して飲用その他に使用され、あるいはポンプP3の駆動によりろ過槽17または沈殿槽11の逆洗用として用いられる。
生物活性炭槽21では、ろ過槽17からの浄水中で空気注入ライン24からの空気を上向きに噴射して空気中の酸素を十分に溶け込ませる。空気注入ライン24から噴射された空気のほとんどは、生物活性炭槽21の上端部に設けられた空気放出口(図示省略)から槽外へ放出される。そうして、十分な酸素が溶け込んだ浄水は活性炭23の層に通されて、沈殿槽11の菌床40で分解しきれなかった有機物、または菌床40による分解対象以外の有機物が、活性炭23の微細孔中に棲息している好気性微生物により分解除去される。これにより、濁度が0.01ppm程の清浄な浄水CWが得られる。濁度が0.1ppmを下回るとクリプトスポリジューム菌による影響を考慮せずに済むとされていることから、この浄水CWは極めて良質な水である。かかる浄水CWは殺菌剤槽26から適量の殺菌剤が添加されたのち浄水槽30に一時貯留される。浄水槽30の浄水CWは需要により取り出して飲用その他に使用され、あるいはポンプP3の駆動によりろ過槽17または沈殿槽11の逆洗用として用いられる。
以上に述べた実施形態の浄水装置1によれば、処理水が沈殿槽11の菌床40を通過するときに、嫌気性微生物により水中の有機物が嫌気的分解により除去されるので、比較的遅い流速の小規模な装置であっても水質の良い浄水を得ることができる。これにより、この浄水装置1は、山間部などの偏狭地に設置することができ、川や井戸の水を原水として上水化することができる。
また、凝集反応槽10からの処理水TWを竪型の沈殿槽11内で縦方向に流通させて処理するので、従来技術のように横向きに流通するものと比べて、沈殿槽11の設置平面積を小さくすることができる。また、沈殿槽11は、元来の沈殿槽と嫌気的分解槽をあたかも上下一体に設けたものと同等であるので、よりいっそうの設置面積低減化を図ることができる。加えて、ろ過槽17と生物活性炭槽21が上下一体配置であることも、浄水装置1の更なる設置面積低減化に寄与している。
そして、傾斜した筒体41内の内面天井部に嫌気性微生物棲息用のスポンジ状体42を配備した菌床40を用いたので、スポンジ状体42で生じた汚泥を効率よく排出することができ、嫌気性微生物による分解効率を低下させることがない。加えて、この菌床ユニット34および菌床40を入手容易で安価に提供することができる。
また、凝集反応槽10からの処理水TWを竪型の沈殿槽11内で縦方向に流通させて処理するので、従来技術のように横向きに流通するものと比べて、沈殿槽11の設置平面積を小さくすることができる。また、沈殿槽11は、元来の沈殿槽と嫌気的分解槽をあたかも上下一体に設けたものと同等であるので、よりいっそうの設置面積低減化を図ることができる。加えて、ろ過槽17と生物活性炭槽21が上下一体配置であることも、浄水装置1の更なる設置面積低減化に寄与している。
そして、傾斜した筒体41内の内面天井部に嫌気性微生物棲息用のスポンジ状体42を配備した菌床40を用いたので、スポンジ状体42で生じた汚泥を効率よく排出することができ、嫌気性微生物による分解効率を低下させることがない。加えて、この菌床ユニット34および菌床40を入手容易で安価に提供することができる。
尚、本発明に係る浄水装置が、上記の実施形態に示した、水処理能力、各機器の寸法、形状、構造、材質に限定されないことは言うまでもない。例えば、沈殿槽に設けられる菌床の形態を上記した実施形態以外の態様にしてもよい。あるいは、上記の実施形態でろ過槽17を下側とし生物活性炭槽21を上側に配置したが、それらを上下逆に配置しても構わない。
1 浄水装置
6 凝集剤タンク
7 注入ポンプ
10 凝集反応槽
11 沈殿槽
12 槽本体
13 水入口
14 汚泥排出口
15 水出口
21 生物活性炭槽
23 活性炭
24 空気注入ライン
34 菌床ユニット
40 菌床
41 筒体
42 スポンジ状体
F 汚泥
SW 原水
TW 処理水
θ 傾斜角度
6 凝集剤タンク
7 注入ポンプ
10 凝集反応槽
11 沈殿槽
12 槽本体
13 水入口
14 汚泥排出口
15 水出口
21 生物活性炭槽
23 活性炭
24 空気注入ライン
34 菌床ユニット
40 菌床
41 筒体
42 スポンジ状体
F 汚泥
SW 原水
TW 処理水
θ 傾斜角度
Claims (4)
- 供給された原水中の浮遊粒子を凝集剤により凝集処理する凝集反応槽と、凝集反応槽からの処理水を受け入れて浮遊粒子の凝集により生じた汚泥を槽本体底部の汚泥排出口から排出する沈殿槽とを備えてなり、沈殿槽内に嫌気性微生物棲息用の菌床を設け、菌床を通過する水の流速を25m/日以上110m/日以下に設定したことを特徴とする浄水装置。
- 沈殿槽の槽本体が竪型に形成され、槽本体の汚泥排出口上方位置に、凝集反応槽からの処理水を受け入れる水入口が設けられ、槽本体の水入口上方位置に、菌床が設けられ、槽本体の菌床上方位置に、菌床で得られた浄水を排出する水出口が設けられている請求項1に記載の浄水装置。
- 菌床は、槽本体内に傾斜姿勢で配備された筒体と、傾斜した筒体内の内面天井部に配備された嫌気性微生物棲息用のスポンジ状体とから構成されている請求項1または請求項2に記載の浄水装置。
- 沈殿槽の下流に、沈殿槽からの浄水を好気性条件下で生物活性炭処理する生物活性炭槽を配備した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の浄水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155357A JP2006326517A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 浄水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155357A JP2006326517A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 浄水装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006326517A true JP2006326517A (ja) | 2006-12-07 |
Family
ID=37548801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005155357A Withdrawn JP2006326517A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 浄水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006326517A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008069173A1 (ja) | 2006-12-04 | 2008-06-12 | Ajinomoto Co., Inc. | 調味料の製造法 |
KR102526156B1 (ko) * | 2022-07-08 | 2023-04-25 | 국립생태원 | 기체공급튜브를 포함하는 이중필터장치 및 이를 포함하는 시스템 |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005155357A patent/JP2006326517A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008069173A1 (ja) | 2006-12-04 | 2008-06-12 | Ajinomoto Co., Inc. | 調味料の製造法 |
KR102526156B1 (ko) * | 2022-07-08 | 2023-04-25 | 국립생태원 | 기체공급튜브를 포함하는 이중필터장치 및 이를 포함하는 시스템 |
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A521 | Written amendment |
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