JP2006326023A - 電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】塵埃による悪臭を長期間、効果的に脱臭できる電気掃除機用集塵袋を提供する。
【解決手段】塵埃吸引用の開口部2aを有すると共に電気掃除機(図示せず)内に装着される口芯2と、前記開口部2aより吸引された塵埃を捕集する袋状体4と、前記開口部2aに連通する排出口3dを有し粒状又は粉状の脱臭剤3aを収納した収納ケース3を備え、前記収納ケース3を前記口芯2の上流側に設けたもので、塵埃吸引時の吸引風により、脱臭剤3aが排出口3dより排出され、それが、吸引される塵埃と混合して袋状体4内に堆積することにより、塵埃と脱臭剤の接触面積が極めて広くなるので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できる。また、収納ケース3を口芯2の上流側に設けたことにより、袋状体4が満杯になる前に脱臭剤3aだけが先に無くなった場合に、脱臭剤3aのみを簡単に追加することができ、最後まで有効に袋状体4を利用することが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機に関するもので、特に、電気掃除機用集塵袋内に堆積した塵埃の脱臭に関するものである。
従来の、電気掃除機用集塵袋内に堆積した塵埃の脱臭方法として、紙パックや集塵フィルターに脱臭剤を含浸させて、その脱臭剤によって塵埃から発する臭いを脱臭するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。又、電気掃除機の電気掃除機用集塵袋を収納する集塵室内空間に消臭芳香剤を設置したものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−70871号公報 特許第2810090号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の脱臭方法では、脱臭剤が紙パックや集塵フィルターの濾材のみに含浸されているだけなので、その濾材と塵埃との接触面積が少なく、かつ、接触時間も瞬間的であるため、十分な脱臭効果が得られない、という課題があった。そのため、上記従来の紙パックや集塵フィルターを装着した電気掃除機を運転した時に、塵埃の種類や蓄積期間によっては、電気掃除機からの排気風に混じって悪臭が発せられ、不快なものであった。
又、特許文献2に記載された構成は、集塵室内空間に消臭芳香剤を設置することで、集塵室内に消臭成分を飛散させて、電気掃除機用集塵袋内の塵埃の消臭を行い、運転時の排気臭を緩和させるようにしたものであるが、消臭芳香剤は、塵埃の臭気に別に香りを混合させて、排気臭を緩和するため、根本的な臭気の除去には至らず、吸引した塵埃の種類によっては、不快な異臭として電気掃除機から排気されるという課題を有していた。
また、多量の塵埃を吸引して、長期に渡って保持できる集塵袋式掃除機では、吸引気流がほぼ全て塵埃中を通過するため、吸塵量の増加に従い、臭気発生量が増加し、集塵袋の許容量に近い状態では、臭気発生が大幅に増加するため、消臭芳香剤の消臭効果がほとんど得られないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電気掃除機用集塵袋内の塵埃量や、貯留期間に関係なく、電気掃除機使用時の排気に含まれる塵埃由来の臭気を大幅に低減し、使用勝手の良い電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用集塵袋は、塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、前記開口部に連通する排出口を有し粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースを備え、前記収納ケースを前記口芯の上流側に設けたもので、塵埃吸引時の吸引風により、収納ケース内の粒状又は粉状の脱臭剤が収納ケースより排出され、それが、吸引される塵埃と混合して袋状体内に堆積することにより、塵埃と脱臭剤の接触面積が極めて広く、しかも脱臭剤が、電気掃除機用集塵袋が廃棄或いは、袋状体が空にされるまで残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。また、収納ケースを口芯の上流側に設けたことにより、袋状体が満杯になる前に脱臭剤だけが先に無くなった場合に、脱臭剤のみを簡単に追加することができ、最後まで有効に袋状体を利用することが出来る。さらに、製造工程において収納ケースと口芯の接着不良等による収納ケースの脱落確認が容易に判別できる。
また、本発明の電気掃除機は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えたもので、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に使用することが出来る電気掃除機を提供することが出来る。
本発明の電気掃除機用集塵袋は、塵埃由来の悪臭が排気に含まれるのを大幅に低減し、かつ電気掃除機用集塵袋内の塵埃が許容量に達するまで長期に渡って脱臭効果を維持させることができ、また、収納ケースへの脱臭剤の追加投入が容易で、袋状体を有効活用出来る。
第1の発明は、塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、前記開口部に連通する排出口を有し粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースを備え、前記収納ケースを前記口芯の上流側に設けたもので、塵埃吸引時の吸引風により、収納ケース内の粒状又は粉状の脱臭剤が収納ケースより排出され、それが、吸引される塵埃と混合して袋状体内に堆積することにより、塵埃と脱臭剤の接触面積が極めて広く、しかも脱臭剤が、電気掃除機用集塵袋が廃棄或いは、袋状体が空にされるまで残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。また、収納ケースを口芯の上流側に設けたことにより、袋状体が満杯になる前に脱臭剤だけが先に無くなった場合に、脱臭剤のみを簡単に追加することができ、最後まで有効に袋状体を利用することが出来る。さらに、製造工程において収納ケースと口芯の接着不良等による収納ケースの脱落確認が容易に判別できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の収納ケースの少なくとも前部の少なくとも一部を、内部が透視できる材質で形成したもので、収納ケース内部の脱臭剤の残量を、外部より容易に把握することができる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の脱臭剤の残量の目安を示すマーキングを設けたもので、収納ケース内部の脱臭剤の残量を容易に把握することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の収納ケースに目盛りを付けてマーキングとしたもので、収納ケース内部の脱臭剤の残量を定量的に把握することができる。
第5の発明は、特に、第3の発明の収納ケースの下部に脱臭剤の色と異なる色を施してマーキングとしたもので、脱臭剤の残量が少なくなった事を利用者に容易に認知させることができる。特に、マーキングに赤色を用いた場合警告の色としての意味合いも強く、利用者はさらに容易に判断しやすくなる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明の脱臭剤としてゼオライトを用いたもので、熱的安定性に優れ、又電気掃除機用集塵袋の製造時の脱臭剤の取り扱いが容易である。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか一つの発明の脱臭剤に疎水性加工を施したもので、粒状又は粉状の脱臭剤が、電気掃除機用集塵袋の保管時或いは、使用時に周囲の湿気を吸引して団子状になったりすることが無いので、脱臭剤の収納ケースからの排出性が悪くなって脱臭性能が低下することが無い。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか一つの発明の脱臭剤の粒径或いは粉径を、袋状体の空気が通過する細孔より大きく設定したもので、塵埃と共に吸引された脱臭剤が、袋状体の細孔を通り抜けることが無いので、脱臭剤による脱臭効果を長期間に渡って維持できる。
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか一つの発明の脱臭剤に帯電防止加工を施したもので、電気掃除機用集塵袋の運搬時或いは、電気掃除機用集塵袋を装着した電気掃除機の移動や使用時に、収納ケース内の粒状又は粉状の脱臭剤が振動で互いに擦りあっても静電気が帯びないので、互いにくっつきあって、排出口から出にくくなることが無く、常に優れた脱臭効果を発揮することが出来る。
第10の発明は、特に、第1〜9のいずれか一つの発明の口芯と、収納ケースと、袋状体のそれぞれを可燃材料で形成したもので、電気掃除機用集塵袋を廃棄する際、材料分別する必要が無く、一般の燃えるごみとして廃棄できるので、後始末が簡単でしかも衛生的である。
第11の発明は、特に、第1〜10のいずれか一つの発明の収納ケースを、脱臭剤が追加投入できる構成としたもので、脱臭剤を使い果たした場合でも追加投入することができるので、脱臭効果を持続させたまま袋状体が満杯になるまで使用することができる。
第12の発明は、特に、第1〜11のいずれか一つの発明の収納ケースに脱臭剤投入用の蓋を設けたもので、脱臭剤を追加した後、蓋を閉じることで、脱臭剤が投入口からこぼれるのを防止できる。
第13の発明は、特に、第1〜12のいずれか一つの発明の排出口を覆う覆部材を設けたもので、覆部材で排出口が覆われているので、電気掃除機用集塵袋の運搬時に、収納ケースから脱臭剤が漏れ出ることが無いので、電気掃除機用集塵袋の使用時に支障をきたすことが無い。
第14の発明は、特に、第13の発明の覆部材を弾性材料で形成したもので、覆部材の排出口への取り付け、取り外しが容易になると共に、排出口の密閉性が向上するので、収納ケース内の脱臭剤の脱臭性能が、電気掃除機用集塵袋の保管時に低下することがない。
第15の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えたもので、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に使用することが出来る電気掃除機を提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の電気掃除機用集塵袋の展開斜視図で、図2は、同電気掃除機用集塵袋の収納ケースの斜視図、図3は、同電気掃除機用集塵袋を搭載した電気掃除機の全体斜視図、図4は、同電気掃除機の掃除機本体の断面図、図5は、同電気掃除機の要部断面図である。
図1において、本実施の形態における電気掃除機用集塵袋1(以下“集塵袋1”という)は、塵埃吸引用の開口部2aを有し、紙材又は樹脂材からなる口芯2と、口芯2の表面(電気掃除機に装着した時に、吸引風の上流側になる面)に取着されると共に粒状又は粉状の脱臭剤3aを収納する収納ケース3と、前面に塵埃吸引用の吸引口4aを有し、紙や布などからなる濾材で袋状に形成された袋状体4から構成されている。本実施の形態では、袋状体4を紙材で形成し、口芯2の裏面に接着して取り付けている。
図2において、収納ケース3は、口芯2の開口部2a(図1参照)と連通する開口部3bを備え、その開口部3bを形成すると共に口芯2の開口部2aから流入する吸引風の流れと平行な内周面3cには、収納ケース3の内部と開口部3bとを連通し、内部に収納された脱臭剤3aが排出される排出口3dが設けられている。また、収納ケース3の上端には、収納ケース3内に脱臭剤3aを投入した後に閉じられる蓋3eが設けられている(図は、蓋3eを開けた状態を示している)。
集塵袋1の組み立ての際には、言うまでもなく、収納ケース3の開口部3bと、口芯2の開口部2a及び袋状体4の吸引口4aが連通するように、それぞれの位置を合致させて取着される。
本実施の形態では、脱臭剤3aとして、取り扱いの容易なゼオライトを使用している。
次に、本実施の形態における集塵袋1が装着される電気掃除機について、図3、4を用いて説明する。
電気掃除機本体6(以下“掃除機本体6”という)は、後部に走行用の後輪7が一対、前部に同じく走行用の前輪キャスター8が設けられている。掃除機本体6の前面には、後述の集塵室15に連通する吸気口10が設けられ、この吸気口10にホース11の一端に設けた接続パイプ11aが接続され、ホース11の他端には、電気掃除機を使用する際に操作する先端パイプ11bが設けられている。さらに先端パイプ11bは、延長管12を介して床用吸い込み具13に接続される。
掃除機本体1の前部に、図4に示すように集塵袋1を装着自在に収納すると共に集塵蓋14で開閉自在に覆われる集塵室15が、後部に、吸引風を発生させる電動送風機16を収納する電動送風機室17が、背面に電動送風機室17と外部を連通し、電動送風機16からの排気風を排出する排気口19がそれぞれ配されている。18は、集塵室15と電動送風機室17とを仕切る隔壁で、集塵室15と電動送風機室17とを連通する格子状の開口18aが設けられている。
掃除機本体6の前部に設けた吸気口10の後端に、ゴム、塩化ビニール、シリコーンなどの弾性材料からなり後方に円環状のリップ20aを有するパッキン20が設けられている。
掃除機本体6への本実施の形態における集塵袋1の装着は、まず集塵袋1の口芯2の下端を掃除機本体6の底部に設けた溝部22に挿入し、口芯2の上端を、掃除機本体6に傾動自在に設けられたフック23に引っ掛けることにより完了する。なお口芯2が所定に位置に取り付けられている状態では、パッキン20のリップ20aが収納ケース3の開口部3bの周縁に圧接され、気密を保つようになっている。
次に、本実施の形態における集塵袋1を装着した電気掃除機の作用、動作について述べる。
掃除機本体6から導出した電源コード(図示せず)のプラグ(図示せず)を壁コンセント(図示せず)に差し込み、先端パイプ11bに設けたスイッチ11cを操作すると、電動送風機16の運転が開始し、それによって発生した吸引力が、ホース11、延長管12を経て、床用吸い込み具13の底面に設けた吸い込み口(図示せず)に作用し、周囲の空気と共に、床面の塵埃が吸引される。
床用吸い込み具13の吸い込み口から流入した空気は吸引風となって、塵埃と共に、延長管12、ホース11、吸気口10を経て、収納ケース3の開口部3b、口芯2の開口部2a、袋状体4の吸引口4aを通って、袋状体4内に流入し、そこで塵埃が捕集され、きれいになった空気が、電動送風機16を通って、排気口19から外部に排出される。
そして、塵埃を含んだ吸引風が、収納ケース3の開口部3bを通過する際に、図5に示すように、排出口3dを通して収納ケース3内にエゼクター効果による吸引力が作用し、内部に収納された粒状又は紛状の脱臭剤3aが、排出口3dから排出され、その排出された脱臭剤3aが塵埃と交じり合いながら、袋状体4内に入り奥側(電動送風機16側)から堆積していく。
このとき塵埃が袋状体4の中に流入する様子をミクロ的に観察すると、個々の塵埃の外周が粒状或いは粉状の脱臭剤3aで囲まれたような形となるため、塵埃と脱臭剤3aとの接触面積は極めて大きなものとなり、かつ、集塵袋1内で、塵埃が脱臭剤3aで囲まれたような形で保持されるようになる。その結果、脱臭剤3aの脱臭効果は遺憾なく発揮され、臭気は大幅に低減する。例えば臭気の強い犬・猫の毛を集めたものを吸引させて掃除機本体1からの排気風の臭いを嗅いで見たが、その臭いはほとんど感じない程度まで低減されていた。
また、脱臭剤3aは、集塵袋1が廃棄或いは、袋状体4が空にされるまで塵埃と共に残っているので、脱臭効果が大きくしかも長時間持続できるので、常に快適に掃除を行うことができる。
又、脱臭剤3aの粒径或いは粉径を、袋状体4の空気が通過する細孔(袋状体4を形成する紙材や布材の繊維間の隙間)より大きく設定すれば、塵埃と共に吸引された脱臭剤3aが、袋状体4の細孔を通り抜けることが無く、脱臭剤3aによる脱臭効果を長期間に渡って維持できる。
また、脱臭剤3aを形成するゼオライトに疎水性加工を施せば、粒状又は粉状のゼオライトが、集塵袋1の保管時或いは、使用時に周囲の湿気を吸引して団子状になったりすることが無いので、収納ケース3の排出口3dからの脱臭剤3aの排出性が悪くなり脱臭性能が低下することが無い。
また、収納ケース3を口芯2の上流側に設け、収納ケースの上流面(リップ20a側)を、内部を透視できるように、透明または半透明材料で形成すれば、内部の脱臭剤3aの残量が容易に外部から見られるので、使用途中で脱臭剤3aが切れたりすることがなく使用勝手が向上する。
さらに、図6(a)に示すように、収納ケース3の内部に、脱臭剤3aの残量の目安をあらわすマーキングとして、目盛り線3fを記すことにより、脱臭剤3aの残量が一目で判断することが出来る。また目盛り線3fの下側を赤色等の警告の意が強い色を用いることによって、利用者に脱臭剤3aが少量であることを伝えることが出来、脱臭剤3aが切れた状態で掃除を行うことを予防する効果がある。
また図6(b)に示すように、収納ケース3の下部に、内部の脱臭剤3aと異なる色でマーキング3gを記すことにより、脱臭剤3aが一定量を下回った状態になるとマーキング3gが現れる。これにより利用者により簡便に脱臭剤3aが少量であることを伝えることが出来る。さらに、マーキング3gに赤色などの警告の意が強い色を用いることによりさらにわかりやすくなる。
又、上記のように、収納ケース3を透明または半透明材料で形成し、収納ケース3の脱臭剤3aが入っている部分の前後に発光素子(図示せず)と受光素子(図示せず)を対向して設けて、脱臭剤3aの残量を検知し、少なくなったら、その旨を、音、光、振動等で使用者に報知するようにすれば、さらに使用勝手が良くなるものである。
又、収納ケース3を、透明の薄膜材料等で作成しても、収納ケース3内の脱臭剤3aの量が容易に把握することが出来る。また、脱臭剤3aを収納する収納ケース3を口芯2の上流側に設け、且つその収納ケース3に蓋3eを設けているので、脱臭剤3aを使い切らずに袋状体4が満杯になった場合、収納ケース3内の脱臭剤3aを取り出して、他の集塵袋1に利用したり、又、袋状体4が満杯になる前に脱臭剤3aだけが先に無くなった場合には、収納ケース3に脱臭剤3aを追加するなどして、最後まで有効に脱臭剤3aまたは集塵袋1を利用することが出来る。しかも収納ケース3が口芯2の上流側に設けられているので、上記脱臭剤3aの取り出し、追加が極めて簡単にできる。
また収納ケース3を口芯2の上流側に設けたことで、従来の集塵袋の生産工程後に収納ケース3を付ける工程を加えるだけでよく、設備投資が抑制される。さらに、収納ケース3が口芯2の前面にある構成なので、製造工程での収納ケース3の脱落不良が容易に判定できる。また、店頭での販売においては収納ケース3が口芯2より前面にあることから、通常の集塵袋との違いが一目で分かり商品の特長の訴求にもつながる。
また、口芯2と、収納ケース3と、袋状体4のそれぞれを可燃材料で形成することにより、集塵袋1を廃棄する際、材料分別する必要が無く、一般の燃えるごみとして廃棄できるので、後始末が簡単でしかも衛生的である。
さらに、粒状又は粉状の脱臭剤3aに帯電防止加工を施せば、集塵袋1の運搬時或いは、集塵袋1を装着した掃除機本体6の移動や使用時に、収納ケース3内の粒状又は粉状の脱臭剤3aが振動で互いに擦りあっても静電気を帯びないので、互いにくっつきあって、排出口3dから出にくくなることが無く、常に優れた脱臭効果を発揮することが出来る。
又本実施の形態では、袋状体4を紙材で形成したが、布材で形成し、さらに開閉自在の塵埃廃棄用の廃棄口(図示せず)を下流側端部に設け、袋状体4が塵埃で一杯になったら、前記廃棄口を開けて、中の塵埃を捨て、再度使うようにしても良い。この場合は、塵埃の廃棄の都度或いは、数回の塵埃の廃棄ごとに、収納ケース3に脱臭剤3aを補充する必要があるので、収納ケース3の蓋3eを開閉自在にしておき、使用者が必要に応じて脱臭剤3aを補充できるようにしておくと良い。
(実施の形態2)
図7(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態における電気掃除機用集塵袋の斜視図及び要部断面図である。なお、上記第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、集塵袋1の梱包時に、図7(a)、(b)に示すような、リング状でかつゴム、シリコーンや弾性復元力を有する樹脂等の弾性材で形成された覆部材25で、収納ケース3に設けた排出口3dを覆うようにしたもので、そうすることにより、集塵袋1の運搬時に、収納ケース3から脱臭剤3aが漏れ出ることが無いので、集塵袋の使用時に支障をきたすことが無い。
また、覆部材25を、弾性材でしかもリング状に形成しているので、排出口3dへの取り付け、取り外しが容易になると共に、排出口3dの密閉性が向上するので、収納ケース3内の脱臭剤3aの脱臭性能が、集塵袋1の保管時に低下することがない。
なお、上記覆部材25は、排出口3dを覆う形状のものであればどのようなものであっても良く、例えばU字状等種々のものが考えられる。また、排出口3dを覆う覆部材25の密閉性を向上させることにより湿気が進入して固形化するのを防止することができ、長期間粒状或いは粉状に維持して確実に供給可能な状態に維持することが出来る。
なお、排出口3dからの脱臭剤3aの排出性向上のために、収納ケース3の一部に、吸引風の一部が流入する空気流入口(図示せず)を設けた場合は、その空気流入口も上記覆部材25で覆うようにすることは、言うまでも無い。
また、上記第1、2の実施の形態で説明した集塵袋1を電気掃除機に使用することにより、優れた脱臭性能を長期間にわたって発揮し、常に快適に、また楽しく掃除作業を行うことができるものである。
なお、上記実施の形態では、脱臭剤3aとしてゼオライトを用いたが、吸着剤を用い、塵埃由来の臭気物質である低級脂肪酸類、アンモニア、アルデヒド等様々な臭気に対して吸着効果のある活性炭を用いても良い。
さらに、上記脱臭剤3aに抗菌剤または芳香剤を混合させることも可能である。抗菌剤の抗菌材料としては、無機系としては、銀系、亜鉛系、銅系、有機系としては、イソチオシアン酸アリル類、カテキン類等を用いるのが、細菌、真菌に対して優れた抗菌効果を発揮し、特に銀系は、少量で高い抗菌効果を発揮する点で特に好ましく、脱臭とともに殺菌作用も得ることが出来て安全性の向上も図れる。
ところで、長期旅行等により電気掃除機をしばらく放置した後に、掃除を行う際、収納ケース3内の脱臭剤3aが吸湿により固まって、脱臭剤3aの排出がスムーズに行われないケースが起こりうる。これを解決するために、収納ケース3に強制的に振動を与える振動手段(図示せず)を設け、この振動手段を、掃除機本体6の運転開始時に動作させるようにしても良い。なお、振動手段は、特に図示しないが、電気で振動する振動素子や、電源コードの引き出し操作或いは、後輪7の回転に機械的に連動して収納ケース3に振動を加える振動体などで形成すると良い。
又、集塵袋1の袋状体4の少なくとも一部に振動を与える振動手段を設けて、その振動手段を定期的或いは、不定期に動作させるようにすれば、袋状体4内の塵埃と脱臭剤3aが揺すられ、相互間の接触状態が変わり、より効果的に脱臭することが出来る。なお、袋状体4に振動を加える振動手段としては、上述の収納ケース3に振動を加える振動手段と同じ構成でも良い。
以上のように、本発明の電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機は、塵埃と脱臭剤との接触面積及び接触時間が従来に比べ飛躍的に多くなり、その結果脱臭効果は著しく良好なものとなるもので、電気掃除機に限らず、臭気を発する生ゴミ処理機等各種機器の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における電気掃除機用集塵袋の展開斜視図 同電気掃除機用集塵袋の収納ケースの斜視図 同電気掃除機用集塵袋を搭載した電気掃除機の全体斜視図 同電気掃除機の掃除機本体の断面図 同電気掃除機の要部断面図 (a)同電気掃除機用集塵袋の収納ケースの他の例を示す斜視図(b)同収納ケースの他の例を示す斜視図 (a)本発明の実施の形態2における電気掃除機用集塵袋の部分斜視図(b)同電気掃除機用集塵袋の要部断面図
符号の説明
1 電気掃除機用集塵袋(集塵袋)
2 口芯
2a 開口部
3 収納ケース
3a 脱臭剤
3d 排出口
3f 目盛り線(マーキング)
4 袋状体
6 電気掃除機本体(掃除機本体)
16 電動送風機

Claims (15)

  1. 塵埃吸引用の開口部を有すると共に電気掃除機内に装着される口芯と、前記開口部より吸引された塵埃を捕集する袋状体と、前記開口部に連通する排出口を有し粒状又は粉状の脱臭剤を収納した収納ケースを備え、前記収納ケースを前記口芯の上流側に設けた電気掃除機用集塵袋。
  2. 収納ケースの少なくとも前部の少なくとも一部を、内部が透視できる材質で形成した請求項1に記載の電気掃除機用集塵袋。
  3. 脱臭剤の残量の目安を示すマーキングを設けた請求項1又は2に記載の電気掃除機用集塵袋。
  4. 収納ケースに目盛りを付けてマーキングとした請求項3に記載の電気掃除機用集塵袋。
  5. 収納ケースの下部に脱臭剤の色と異なる色を施してマーキングとした請求項3に記載の電気掃除機用集塵袋。
  6. 脱臭剤としてゼオライトを用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  7. 脱臭剤に疎水性加工を施した請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  8. 脱臭剤の粒径或いは粉径を、袋状体の空気が通過する細孔より大きく設定した請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  9. 脱臭剤に帯電防止加工を施した請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  10. 口芯と、収納ケースと、袋状体のそれぞれを可燃材料で形成した請求項1〜9のいずれか1項に記載の電掃除機用集塵袋。
  11. 収納ケースを、脱臭剤が追加投入できる構成とした請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  12. 収納ケースに脱臭剤投入用の蓋を設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  13. 排出口を覆う覆部材を設けた請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋。
  14. 覆部材を弾性材料で形成した請求項13に記載の電気掃除機用集塵袋。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気掃除機用集塵袋が装着される集塵室と、前記集塵室内に空気を吸引するための電動送風機を備えた電気掃除機。
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