JP2006325577A - アルコール生産システムおよびアルコール生産方法、ならびに糖生産方法 - Google Patents

アルコール生産システムおよびアルコール生産方法、ならびに糖生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生ごみを有効利用すると共に、酒製造で使用されているSaccharomyces cerevisiaeに属する酵母を用いても殺菌、pH調整および酵母への栄養源の添加等が不要であり、かつ、効率良くアルコールを生成することができるシステムを提供する。
【解決手段】 アルコール生産部10および廃液処理・利用部20を備えている。アルコール生産部10は、糖化部11、濃縮部12、第1発酵部13、蒸留部14および脱水部15を有し、バイオマス原料(生ごみ)W1からアルコール(燃料用アルコール)L1を生成する。糖化部11では、生ごみW1中に生息する微生物により乳酸A1が生成して糖化液L2のpHが低くなる。濃縮部12では、濃縮糖化液L3の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下の範囲に濃縮されると共に濃縮糖化液L3のpHが乳酸A1の濃縮により4.0近辺になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば生ごみなどの廃棄物から燃料用アルコールを得ることが可能なアルコール生産システムおよびアルコール生産方法に係り、特にアルコール発酵にお酒製造で使用するSaccharomyces cerevisiaeに属する酵母を用いる場合に有効なアルコール生産システムおよびアルコール生産方法、ならびに糖生産方法に関する。
近年、地球環境問題の観点からバイオマスの利用が注目されている。特に、次世代自動車燃料として期待されているエタノール等のアルコールをバイオマスから製造する技術についての研究開発が盛んに行われている。このアルコール生産は、バイオマス原料を、加水分解などの糖化工程により糖類に分解した後、酵母(微生物)を用いたアルコール発酵によりエタノールに変換することにより行われる。
一般的なバイオマス原料としては、サトウキビなどの糖質を含むものあるいはトウモロコシなどのデンプン質を含むものが多く用いられている。その他にも、バガスや稲わらのような草木系原料、木材チップ等の木質系原料、バイオマス等のセルロース系原料も原料として用いられている。しかし、これらの糖質やデンプン質原料は本来食用資源であり、これらの食用資源を長期的、安定的に工業用利用資源として用いることは、今後生じる人口増加問題と拮抗するため好ましくない。
そこで最近では、産業廃棄物等を用いたバイオマスが研究されており、例えば、セルロース系資源として利用可能な廃建材等からアルコールを生成する方法等が提案されている。
しかし、廃建材の中でも合板等の加工木材を用いる場合には、木材チップ等の未加工木材を用いた場合と比較して、発酵工程でのアルコールや有機酸の収率が低下するという問題があった。その原因は、加工木材には酢酸あるいはギ酸等が含まれている接着剤等が使用されており、これらが糖溶液中に含まれていると微生物による発酵を阻害する発酵阻害物質として作用するからである。この発酵阻害物質を除去する方法としては、イオン交換分離を採用することができるが、コストが高くなるなどの点で問題となる。そこで、糖溶液から発酵阻害物質糖を蒸発させて除去する前処理工程等を設けることにより、発酵収率を向上させる方法(第1の方法)などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルコール発酵としては、醸造食品関連分野で古くから行われている方法が利用されており、例えば、Saccharomyces cerevisiaeを用いた方法等が最も一般に用いられている。しかし、アルコール生産性を重視する工業用や燃料用エタノールを生産する時は、一般にpH5付近で用いられている。このため、培養液や発酵装置の殺菌や温度制御は避けることができない。
そこで、酵母についても、耐酸性および耐塩性を有する酵母の開発がなされている。このような耐酸性の酵母を用いる方法(第2の方法)により、例えば、バイオマス原料を硫酸等の酸で加水分解(糖化)したpH3以下の糖溶液を用いた場合においてもアルコール発酵が可能となる。更に、上記酵母は耐酸性および耐塩性の他、耐糖性および耐アルコール性を複合的に有しているため、培地や発酵装置の殺菌などが不要になる(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−187650号公報 特開2004−344084号公報
上述のように従来、2つの方法が提案されているが、それぞれ以下のような問題があった。すなわち、第1の方法では、上述のように培養液や発酵装置の殺菌や温度制御が不可避であることに加え、酢酸などの除去工程が発酵工程前に必要となることからプロセス的な負荷が大きくなる等の問題がある。一方、第2の方法では、耐酸性等を有する新たな酵母のスクリーニングが必要であり、また、アルコール発酵工程等において酵母に栄養源の添加が必要となることから経済的およびプロセス的な負荷が大きくなるなどの問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、産業廃棄物などの生ごみをバイオマス原料として有効利用すると共に、アルコール発酵に汎用のSaccharomyces cerevisiaeを用いても殺菌、温度制御およびpH調整等が不要であり、効率良くアルコールを生成することのできるアルコール生産システムおよびアルコール生産方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記のようなアルコールを生成するために有用な糖を効率良く回収できる糖生産方法を提供することにある。
本発明のアルコール生産システムは、生ごみを糖化して糖化液を生成すると共に、生ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させて糖化液の水素イオン指数(pH)を低くする糖化部と、糖化部において生成された糖化液を用いてアルコール発酵させる第1発酵部と、を備えたものである。なお、本明細書において「生ごみ」とは、家庭、ホテル、コンビニエンスストア等から廃棄される加熱前後の食物(残飯等)を含むごみをいい、その成分として、中性成分(糖質)、脂溶性成分(脂質等)あるいはイオン性成分(タンパク質、アミノ酸、有機酸、無機塩類等)等を含むものである。なお、生ごみには紙、木片等の「燃えるごみ」として通常廃棄されるものが混在していてもよい。
また、本発明のアルコール生産方法は、生ごみを糖化して糖化液を生成すると共に、生ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させて糖化液の水素イオン指数(pH)を低くする糖化工程と、糖化工程において生成された糖化液を用いてアルコール発酵させる第1発酵工程と、を含むものである。
本発明のアルコール生産システム、アルコール生産方法では、上記のような各部(工程)を有していることにより、以下のようにしてアルコールが生成される。
まず、糖化部(工程)では、生ごみ中に生息する微生物が生ごみを糖化して糖化液を生成する共に、乳酸や酢酸が生成され、糖化液の水素イオン指数(pH)が低くなる。これにより、雑菌の増殖が抑制され、糖化液の殺菌が不要となる。また、糖化部として回転ブレードを用いると、糖化液と糖化残渣を分離することが可能である。糖化反応が終了後、メッシュろ過した後、ろ液を圧搾ろ過もしくは遠心分離により糖化清澄液を得る。具体的な糖化方法としては、生ごみと水と酵素とを混合したのち、30℃以上、好ましくは50℃以上の温度で糖化する。その際、水の量を生ごみの湿潤重量に対して1/4以上、更には1/2以上とすることが好ましく、また、酵素の量を湿潤の生ごみ1kgに対して100mg以上、更には300mg以上とすることが好ましい。
次に、濃縮部(工程)において、糖化液に対して常圧濃縮または減圧濃縮が行われるようにしてもよい。このとき濃縮糖化液の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下(糖化液の濃縮割合を1.5倍以上5倍以下)になるまで糖化液を濃縮することにより、アルコール発酵に必要な栄養源が濃縮されると共に糖化液中の単糖類の濃度が高くなり、アルコール発酵で生成されるアルコール濃度が高くなる。これにより、濃縮糖化液中のアルコールの濃度は50g/l以上150g/l以下となる。また、乳酸の濃度が濃縮前の2倍以上、より具体的には10000mg/l以上、更には30000mg/l以上になるまで減圧濃縮することによって糖化液のpHがさらに低下し、これによっても雑菌の増殖が抑制される。また、濃縮部においては、乳酸の濃度を高くすることにより使用する酵母が好適に増殖することができるpH値となり、糖化液の特別なpH調整が不要となる。
上記のように濃縮過程において雑菌の増殖が抑制されるため、第1発酵部では、濃縮糖化液として、殺菌したものまたは殺菌していないものいずれも利用可能となり、また、pH調整したものまたはpH調整していないものいずれも利用可能となる。
第1発酵部でのアルコール発酵としては、回分発酵方式、繰り返し回分発酵方式または連続発酵方式を利用することができる。また、酵母としては、pH2.5以上pH5.5以下の範囲で増殖・発酵するSaccharomyces cerevisiaeに属する非凝集酵母および凝集性酵母のうちの少なくとも一方を利用することができる。より具体的には、流加発酵方式も含めた回分発酵方式が、繰り返し回分発酵としては、ガス発生量に基づいて自動化して行う装置を用いる方式あるいは1日に1回の回分発酵を繰り返す方式がそれぞれ利用可能である。また、連続発酵方式を利用し、酵母として凝集性酵母を用いる場合には、発酵装置として機械攪拌およびガス循環などの機能を有すると共に後段に沈降分離部を設けた発酵槽、上部もしくは後段に沈降分離部を有する塔型リアクタ、または流動部にドラフトチューブを有する塔型リアクタを利用することができる。また、連続発酵方式を適用すると共にアルコール発酵pH4.5以下、アルコールの濃度は50g/l以上150g/l以下、アルコール発酵温度を25℃以上および希釈率Dを0.05h-1以上としてアルコール発酵を行うことが好ましい。
上記濃縮部および上記第1発酵部において好適な条件とすることにより、アルコール発酵中に雑菌が増殖するのを完全に防ぐことが可能となる。
ここで、本システムおよび本生産方法では、第1発酵部に加えて、廃液処理・利用部として第2発酵部を備え、上記の蒸留部から排出された蒸留廃液をメタン発酵槽中で発酵させることによりバイオガスを生成するような構成とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、バイオガスを回収したのち、濃縮部あるいは蒸留部のエネルギー源として利用することができる。その際、バイオガスの発生量の5%以上10%以下の空気をメタン発酵槽中に導入してバイオガスと混合することにより、その混合ガス中の硫化水素の濃度を低減することが好ましく、更には、混合ガスを水槽とメタン発酵槽との間で循環させて硫化水素を空気酸化して硫黄にすることにより、混合ガス中の硫化水素の濃度を10ppm以下にすることが好ましい。
加えて、メタン発酵槽の後段に循環式生物学的脱窒槽を、その循環式生物学的脱窒槽の後段に硝化槽をそれぞれ設けることが好ましい。このような構成とすることにより、メタン発酵により生成するアンモニウムイオンを硝化槽で硝酸イオンに酸化したのち、この硝酸イオンを含む液の一部を脱窒槽に循環させることにより、メタン発酵後に残存する有機物と硝酸イオンとが同時に除去される。
また、本発明の糖生産方法は、生ごみに10%以下の乳酸菌培養液を添加したのち嫌気状態に保持し、雑菌が実質的に増殖しない程度の処理ごみを生成する生ごみ処理工程を備えたものである。
本発明の糖生産方法では、具体的には、以下のようにして糖が生成される。
まず、生ごみ処理工程では、生ごみに10%以下、好ましくは1%以下の乳酸菌培養液が添加されたのち嫌気状態で保持されるので、生ごみが乳酸発酵し、その鮮度が保持される。これにより、後の糖化工程において糖化液の回収率が向上し、糖化液中での酢酸等のアルコール発酵を阻害する有機酸(阻害有機酸)の生成等が抑制される。このようにして生ごみ処理部で処理された生ごみは処理ごみとなる。ここで、嫌気状態とは、生ごみが外気とほとんど触れないように密閉した状態のことを意味する。なお、上記生ごみ処理工程において、乳酸菌培養液が添加された生ごみを破砕することによりミンチ状の生ごみとしてもよい。
次に、糖化工程では、処理ごみと水と酵素とを混合したのち、例えば30℃以上、好ましくは50℃以上の温度で糖化すると共に、処理ごみ中に生息する微生物が処理ごみを糖化するのが好ましい。この際、回転ブレードを用いると、糖化液と糖化残渣を分離することが可能である。また、水の量は、処理ごみの湿潤重量に対して1/4以上、更には1/2以上とすることが好ましく、酵素の添加量は、湿潤の処理ごみ1kgに対して50mg以上、更には100mg以上とすることが好ましい。ここで、酵素には、耐酸性グルコアミラーゼもしくは耐酸性および耐熱性を有するグルコアミラーゼを用いるようにしてもよく、このような酵素の添加後、さらにセルラーゼ酵素を用いるようにしてもよい。これにより、酵素の添加量を減らすことができ、糖をより効率良く回収することが可能となる。上記のような過程において、主に乳酸が生成され、糖化液の水素イオン指数(pH)が低くなるため、雑菌の増殖が抑制され、糖化液の殺菌が不要となる。そして、糖化反応終了後、メッシュろ過し、そのろ液を圧搾ろ過もしくは遠心分離により糖化清澄液を得る。
次に、濃縮工程において、糖化液に対して常圧濃縮または減圧濃縮を行うことが好ましい。このとき濃縮糖化液の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下(糖化液の濃縮割合を1.5倍以上5倍以下)になるまで糖化液を濃縮することにより、アルコール発酵に必要な栄養源が濃縮されると共に糖化液中の単糖類の濃度が高くなり、アルコール発酵で生成されるアルコール濃度が高くなる。これにより、濃縮糖化液中のアルコールの濃度は50g/l以上150g/l以下となる。また、乳酸の濃度が濃縮前の2倍以上、より具体的には10000mg/l以上、更には30000mg/l以上になるまで減圧濃縮することによって糖化液のpHがさらに低下し、これによっても雑菌の増殖が抑制される。また、濃縮工程においては、乳酸の濃度を高くすることにより使用する酵母が好適に増殖することができるpH値となり、糖化液の特別なpH調整が不要となる。
上記のように濃縮過程において雑菌の増殖が抑制されるため、アルコール発酵の際に、濃縮糖化液として、殺菌したものまたは殺菌していないものいずれも利用可能となり、また、pH調整したものまたはpH調整していないものいずれも利用可能となる。
本発明のアルコール生産システムまたはアルコール生産方法によれば、糖化部(糖化工程)において、生ごみ中に生息する微生物により乳酸等を生成させて糖化液のpHを低くするようにしたので、殺菌,pH調整および酵母への栄養源の添加が不要になると共に、アルコールの生成濃度を高くするという効果を奏する。そして、これらの効果は、濃縮部(濃縮工程)において濃縮糖化液の全糖濃度を100g/l以上300g/l以下の範囲にし、さらに乳酸を濃縮することによりpHの値が自然に適性値になることによって、より顕著になる。
本発明の糖生産方法によれば、生ごみに10%以下、好ましくは1%以下の乳酸菌培養液を添加したのち嫌気状態で保持するようにしたので、生ごみの鮮度を保持することができるため、糖化液の回収率が向上し、糖(グルコース)を効率良く生成することができる。さらに、糖化液でのアルコール発酵を阻害する酢酸等の生成が抑制されるため、その後のアルコール生成を効率良く行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るアルコール生産システム1の構成例を表すものである。なお、本発明のアルコール生産方法については、アルコール生産システム1の作用に具現化されるものであるので合せて説明し、重複する内容についてはその説明を省略する。
本実施の形態のアルコール生産システム1は、アルコール生産部10および廃液処理・利用部20を備えている。アルコール生産部10は、糖化部11、濃縮部12、第1発酵部13、蒸留部14および脱水部15を有し、バイオマス原料(生ごみ.廃棄物)W1からアルコール(燃料用や工業用アルコール)L1を生成するものである。バイオマス原料W1は、例えば、産業廃棄物として排出される生ごみなどであり、従ってこのアルコール生産システム1は、ごみ処理問題についての一解決手段ともなっている。
廃液処理・利用部20は、蒸留部14に続く第2発酵部21と、第2発酵部21に続くコージェネレーション部22および循環式生物学的脱窒・硝化23と、循環式生物学的脱窒・硝化23に続く脱色部24とを備えている。なお、コージェネレーション部22において得られる蒸気は、濃縮部12および蒸留部14において利用することができるようになっている。
糖化部11は、生ごみW1と酵素を反応させ生ゴミに含まれるデンプン質や一部のセルロース等を糖化し糖化液L2を生成する工程である。糖化期間中に生ごみW1中に生息する微生物により主として乳酸発酵が起こり、生成する乳酸A1が主成分となる有機酸Aが含まれており、これにより、糖化液L2の水素イオン指数(pH)が、例えばpH2.5以上5.5以下に保たれる。糖化部11に用いる装置としては、生ゴミと酵素との接触がよい反応槽であればよく、例えば回転ドラムや回転ブレード等が好ましい。特に、回転ブレードは、糖化終了後、糖化液を回収したのち、糖化残渣を粗粉砕しつつ回収することができるので好ましい。具体的な糖化方法としては、生ごみと水と酵素とを混合したのち、30℃以上、好ましくは50℃以上の温度で糖化する。その際、水の量を生ごみの湿潤重量に対して1/4以上、更には1/2以上とすることが好ましく、また、酵素の量を湿潤の生ごみ1kgに対して100mg以上、更には300mg以上とすることが好ましい。
濃縮部12は、糖化液L2をメッシュ濾過、そして圧搾濾過して得られた糖化清澄液を濃縮して濃縮糖化液L3を生成するものである。この濃縮糖化液L3の全糖濃度は100g/l以上300g/l以下(糖化液の濃縮割合は1.5倍以上5倍以下)であることが好ましい。この理由は、アルコール発酵に必要な栄養源が濃縮されると共に糖化液L2中の単糖類の濃度が高められることにより第1発酵部(アルコール発酵部)13で生産されるアルコールL1の濃度を高めることができるからである。なお、濃縮糖化液中のアルコールの濃度は50g/l以上150g/l以下である。濃縮方法としては常圧濃縮または減圧濃縮が用いられる。
また、濃縮部12は、糖化により生成した乳酸A1の濃度が濃縮前の2倍以上、より具体的には10000mg/l以上、更には30000mg/l以上になるまで糖化液L2を濃縮してpHを低下させる機能も有しており、そのため雑菌の増殖が抑制されるようになっている。すなわち濃縮糖化液L3(糖化液L2)の殺菌が不要となる。ここで、乳酸A1の濃度が濃縮前の2倍以上になるまで糖化液L2が濃縮されることにより濃縮糖化液L3のpHが、例えば2.5以上5.5以下の範囲に自然となる。このpH 領域で第1発酵部13で使用する酵母は増殖するので、濃縮糖化液L3のpHを特別に調整する必要はない。
第1発酵部13は、濃縮糖化液L3をアルコール発酵させて醪L4を生成するものである。アルコール発酵に用いる酵母としては、pHが2.5以上5.5以下で増殖する非凝集酵母および凝集性酵母のうちの少なくとも一方が利用可能である。具体的には、非凝集酵母としては、Saccharomyces cereviciae EP1株など、凝集性酵母としてはSaccharomyces cereviciae KF-7 株、などがそれぞれ挙げられる。また、アルコール発酵の方式として
は、回分発酵、繰り返し回分発酵または連続発酵が利用可能である。回分発酵としては流加発酵方式でもよく、繰り返し回分発酵としてはガス発生量に基づいて自動化して行う装置を用いる方式あるいは1日に1回の回分発酵を繰り返す方式が好ましく、連続発酵方式としてはケモスタット方式が好ましい。
第1発酵部13に用いる発酵装置としては、機械攪拌およびガス循環などの機能を有すると共に後段に沈降分離部を設けた発酵槽、上部もしくは後段に沈降分離部を設けた塔型リアクタ、または流動部にドラフトチューブを有する塔型リアクタなどが利用可能である。特に、アルコール発酵として連続発酵方式を用いると共に酵母として凝集性酵母を用いる場合には、上記発酵槽を用いることが好ましい。また、連続発酵方式を適用すると共にアルコール発酵温度を25℃以上、好ましくは30℃以上とし、希釈率Dを0.05h-1以上、好ましくは0.2h-1以上、より好ましくは0.3h-1以上にしてアルコール発酵を行うことが好ましい。ここで希釈率D(h-1) とは数1に示したように、濃縮糖化液供給速度F(m3/h)を発酵槽の実容積V(m3)で除した値である。
(数1)
D=F/V
なお、上述したように、濃縮糖化液L3は乳酸濃度やpH により雑菌の増殖を抑制するものであり、殺菌処理あるいはpH調整を特に必要としないが、残存する雑菌を更に低減した状態あるいは好適なpHの状態で濃縮糖化液L3をアルコール発酵させる場合には、殺菌処理あるいはpH調整を施してもよい。
ここで、上記濃縮部(濃縮糖化液のpH4前後および乳酸濃度)および上記第1発酵部において好適な条件(発酵pH4前後で、Dを0.2h -1以上)とすることにより、アルコール発酵中に雑菌が増殖するのを完全に防ぐことが可能となる。
蒸留部14は、醪L4を蒸留し、粗アルコールL5と蒸留廃液L6とに分離するものである。
脱水部15は、粗アルコールL5を脱水して無水アルコールL1を生成するものである。この無水アルコールL1は、ガソリンに添加して使用される。わが国ではガソリンに対して3%添加することがすでに認められている。将来は添加割合がブラジルやアメリカのように増えていくものと期待される。
第2発酵部21は、蒸留廃液L6をメタン発酵槽21A中でメタン発酵することによりバイオガスG1を生成するものである。このバイオガスG1は、例えば、エネルギー源などとして有用なメタン(CH4)と、無用な炭酸ガスや硫化水素を含んでいる。硫化水
素はガスエンジンやボイラーを腐食させるので、一般には乾式脱硫や湿式脱硫、さらには生物脱硫が行われているが、二次汚染や処理コストの問題がある。そこで、第2発酵部21では、バイオガスG1の発生量の5%以上10%以下の空気をメタン発酵槽中に導入してバイオガスG1と混合することにより、バイオガスG1および空気を含む混合ガスG2中の硫化水素の濃度を、例えば、10ppm以下まで低減させることが好ましい。それでも硫化水素の濃度が高い場合には、図2に示したように、メタン発酵槽21Aに加えて後段に水槽21Bを設けて、メタン発酵槽21Aと水槽21Bとの間で混合ガスG2を循環させることにより、混合ガスG2中の硫化水素の濃度を低減すればよい。このように簡単に脱硫されたバイオガスG1は、濃縮部12あるいは蒸留部14のエネルギー源として利用可能となる。
コージェネレーション部22は、バイオガスG1(混合ガスG2)をエネルギー源として利用することにより、蒸気G3およびプラント電力E1にエネルギー変換するものである。この蒸気G3が濃縮部12および蒸留部14の熱源となる。すなわち、バイオガスG1を濃縮部12あるいは蒸留部14のエネルギー源として利用することができるようになっている。
また、第2発酵部21においては、タンパク質が加水分解されアミノ酸となり脱アミノされてアンモニウムイオンが生成される。またメタン発酵されなかった有機酸を含む有機物が残存する。そこで、メタン発酵槽21Aおよび水槽21Bの後段に、脱窒槽23Aを、更に脱窒槽23Aの後段に硝化槽23B(循環式生物学的脱窒・硝化部23)を設けることが好ましい。これにより、アンモニウムイオンが硝化槽23Bで硝酸イオンに酸化されたのち、この硝酸イオンを含む液の一部を脱窒槽23Aに循環し処理することにより、有機酸を含む有機物と硝酸イオンとを同時に除去することができる。このように高度処理された処理水は、そのままあるいは脱色された後、河川放流するか、糖化部11に加える水として再使用することも可能である。なお、メタン発酵槽21Aから排出される処理液は、上述のように処理することなく液肥L7として有効利用することも可能である。
脱色部24は、高度処理した処理水を脱色して処理水L8にして河川放流するものである。なお、この処理水L8は糖化部11で生ゴミに添加する水の代替として再使用することもできる。
次に、このような構成のアルコール生産システム1の作用について説明する。
まず、アルコール生産部10の糖化部11において、生ごみW1が例えば回転ブレードにより粉砕されつつ酵素により糖化されることによって糖化液L2が生成される。このとき生ゴミに生息する微生物により主として乳酸が生成され、糖化液L2の水素イオン指数(pH)が低くなる。
このpHの低下した糖化液L2は、糖化残渣と分離されたのちに濃縮部12で例えば減圧濃縮によりにより濃縮される。このとき濃縮糖化液L3の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下になるまで糖化液L2を濃縮し、更に濃縮糖化液L3のpHを低下させるために乳酸の濃度も濃縮前の2倍以上となるようにする。
濃縮部12で生じた濃縮糖化液L3は、第1発酵部13において、例えばSaccharomyces に属する凝集性酵母によりアルコール発酵される。なお、酵母としては、pH2.5以上pH5.5以下の範囲で増殖するものであれば、その他の凝集性酵母でもよく、また非凝集酵母でもよい。また、発酵方式としては、回分発酵方式、繰り返し回分発酵方式または連続発酵方式が用いられる。ここで生じた醪L4が蒸留部14で蒸留されることにより、粗アルコールL5と蒸留廃液L6とに分離される。そして、その粗アルコールL5が脱水部15において脱水されることによりアルコールL1となる。
一方、アルコール生産部10において発生した蒸留廃液L6は廃液処理・利用部20へ送られて以下のように処理あるいは利用される。
すなわち、この蒸留廃液L6は第2発酵部21に送られ、そのメタン発酵槽21A中でメタン発酵することによりバイオガスG1となる。このバイオガスG1は、エネルギー源として有用なメタン(CH4)と共に無用な炭酸ガスと硫化水素を含んでいる。硫化水
素は人体に悪影響を与えるだけでなくボイラーや発電機を腐食させる。そこで、第2発酵部21では、バイオガスG1の発生量の5%以上10%以下の空気がメタン発酵槽21A中に導入され、これがバイオガスG1と混合されることによって、その混合ガスG2中の硫化水素の濃度が10ppm以下まで低減させる。なお、それでも硫化水素の濃度が高い場合には、メタン発酵槽21Aと水槽21Bとの間で混合ガスG2を循環させることにより、混合ガスG2中の硫化水素の濃度が低減される。
また、このとき第2発酵部21では、タンパク質が加水分解されアミノ酸になり、脱アミノされてアンモニウムイオンを生成する。またメタン発酵されなかった有機酸を含む有機物が残存するが、アンモニウムイオンが循環式生物学的硝化槽23Bにおいて硝酸イオンに酸化され、この硝酸イオンを含む液の一部を脱窒槽23Aに循環することにより、有機物Aと硝酸イオンとが同時に除去される。
硫化水素が除去されたバイオガスG1(混合ガスG2)はコージェネレーション部22に送られて蒸気G3およびプラント電力E1にエネルギー変換される。このうち蒸気G3はアルコール生産部10の濃縮部12あるいは蒸留部14の熱源として利用される。また、メタン発酵処理水は液肥として有効利用されるだけでなく、第2発酵部により高度処理→脱色された後、あるいは高度処理後河川に放流される。高度処理水あるいは高度処理→脱色された処理水は生ゴミの加水として再利用される。もしくは循環式生物学的脱窒・硝化部23の脱窒槽23Aで曝気し、さらに硝化槽23Bで曝気することによりBOD 成分を酸化分解し、アンモニウムイオンは硝酸イオンに酸化されるので、この処理水を硝酸イオンを含む液肥として利用できる。なお、硝化槽23Bには浸漬平膜等を入れてもよい。
以上のアルコール生産システム1では、上記の処理を行うことによりアルコールL1を生成するものであるが、以下の特有の効果を奏するものである。
このアルコール生産システム1では、まず、糖化部11において、生ごみWに酵素を添加し糖化するが、このとき生ゴミに生息する微生物により主として乳酸が生成され、pH が酸性側にシフトすることにより、雑菌の増殖が抑制される。
次に、濃縮部12において、糖化液L2が濃縮されることにより、濃縮糖化液L3が生成すると共に濃縮糖化液L3の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下の範囲となるようにしたので、糖化液L3中の単糖類の濃度が高くなり、第1発酵部で生成アルコールL1濃度は高くなる。また、乳酸A1の濃度も濃縮前の2倍以上になるまで濃縮するようにしているので糖化液L2のpHが低下する。従って、この濃縮過程においても雑菌の増殖が抑制されるだけでなく、第1 発酵部でpH、乳酸濃度およびアルコール濃度により雑菌の増殖をほぼ完全に抑制できる。加えて、この濃縮部11においては、乳酸A1の濃度を高くすることにより、糖化液L2のpHを一定の範囲に調整するようにしているので、例えば、醸造用として一般に用いられているSaccharomyces cerevisiaeを好適に増殖させることができる。
このように本実施の形態のアルコール生産システム(方法)によれば、糖化部11において、生ごみW中に生息する微生物により乳酸が生成して糖化液L2のpHが低くなり、更に、濃縮部12において、濃縮糖化液L3の全糖濃度が100g/l以上300g/l以下の範囲に濃縮されると共に濃縮糖化液L3のpHが乳酸の濃縮によりpH約4になるので、殺菌やpH調整および酵母への栄養源の添加などが不要となる。さらに、第1発酵部で生成されるアルコール濃度が高くなり、かつ連続発酵においてD(濃縮糖化液の供給量を上げる。)を上げることにより雑菌が増殖する前に洗い出 (wash out) させることができるので、濃縮糖化液を殺菌することなく供給することができ、長期連続発酵が可能となる。
また、廃液処理・利用部20として第2発酵部21を備え、蒸留部14から排出された蒸留廃液L6をメタン発酵槽21A中でメタン発酵させることによりバイオガスG1を生成するようにしたので、バイオガスG1をアルコール生産部10における濃縮部12あるいは蒸留部14のエネルギー源として利用することが可能になる。その際、バイオガスG1の発生量の5%以上10%以下の空気をメタン発酵槽21A中に導入してバイオガスG1と混合させることにより、その混合ガスG2中の硫化水素の濃度を低くすることができ、更には、混合ガスG2を水槽21Bとメタン発酵槽21Aとの間で循環させて硫化水素を空気酸化して硫黄にすることにより、混合ガスG2中の硫化水素の濃度を10ppm以下より低くすることが可能になる。
また、メタン発酵槽21Aおよび水槽21Bの後段に循環式生物学的脱窒槽23Aを、循環式生物学的脱窒槽23Aの後段に硝化槽23Bを設けるようにしたので、メタン発酵後に残存する有機物と硝酸イオンとを同時に除去することができる。
以上、アルコール生産システム(方法)について説明したが、次に、図5を参照して、このようなシステム(方法)に有用な糖生産方法(第2の実施の形態)について説明する。
〔第2の実施形態〕
この糖生産方法は、生ごみ処理工程31、糖化工程32および濃縮工程33を含み、バイオマス原料(生ごみW1)から濃縮糖化液L3として糖を生成するものである。
生ごみ処理工程31では、生ごみW1に10%以下好ましくは1%以下の乳酸菌培養液L0を添加したのち嫌気状態で保持し、処理ごみW2を生成する。具体的には、図6(A)に示したように、例えば、容器41に充填された生ごみW1に乳酸菌培養液L0を添加したのち、この生ごみW1の上に水が入ったビニール袋42を載置して密閉することにより嫌気状態とする。この嫌気状態を保持することによって処理ごみW2となる。この際、図6(B)に示したように、生ごみ(W12,W13)を注ぎ足して処理することも可能であり、さらには、生ごみに乳酸菌培養液L0を添加した後、破砕することによりミンチ状にして処理するようにしても良い。また、添加する乳酸菌培養液L0の量は、生ごみW1の湿潤重量に対して1%以下の量でも十分である。
糖化工程32では、処理ごみW2と酵素Fとを反応させ処理ごみW2に含まれるデンプン質や一部のセルロース等を糖化し糖化液L2を生成する。具体的には、処理ごみW2と水と酵素Fとを混合したのち、30℃以上、好ましくは50℃以上の温度で糖化する。この際、水の量は処理ごみW2の湿潤重量に対して1/4以上、更には1/2以上とすることが好ましい。
また、酵素Fには、pH3程度でも働く耐酸性を有する酵素、例えば耐酸性グルコアミラーゼを使用してもよい。あるいは、耐酸性と耐熱性を有するグルコアミラーゼを用いてもよい。また、このような酵素の添加後、さらにセルラーゼ酵素を添加するようにしてもよい。これにより、糖をより効率良く回収することが可能となる。酵素Fの量については、湿潤の処理ごみW21kgに対して50mg以上、更には100mg以上とすることが好ましい。
以上のような糖化工程32に用いる装置としては、処理ごみW2と酵素Fとの接触がよい反応槽であればよく、例えば回転ドラムや回転ブレード等が好ましい。特に、回転ブレードは、糖化終了後、糖化液L2を回収したのち、糖化残渣Sを粗粉砕しつつ回収することができるので好ましい。
濃縮工程33では、糖化液L2をメッシュ濾過、そして圧搾濾過して得られた糖化清澄液を濃縮して濃縮糖化液L3を生成する。この濃縮糖化液L3の全糖濃度は100g/l以上300g/l以下(糖化液の濃縮割合は1.5倍以上5倍以下)であることが好ましい。この理由は、濃縮糖化液L3をアルコール製造に用いる場合に、アルコール発酵に必要な栄養源が濃縮されると共に、糖化液L2中の単糖類の濃度が高められることにより濃度の高いアルコールを生成することができるからである。なお、濃縮糖化液L3中のアルコール濃度は50g/l以上150g/l以下である。濃縮方法としては常圧濃縮または減圧濃縮が用いられる。
また、濃縮工程33は、糖化により生成した乳酸A1の濃度が濃縮前の2倍以上、より具体的には10000mg/l以上、更には30000mg/l以上になるまで糖化液L2を濃縮してpHを低下させる機能も有しており、そのため雑菌の増殖が抑制されるようになっている。すなわち濃縮糖化液L3(糖化液L2)の殺菌が不要となる。ここで、乳酸A1の濃度が濃縮前の2倍以上になるまで糖化液L2が濃縮されることにより濃縮糖化液L3のpHが、例えば2.5以上5.5以下の範囲に自然と調整される。なお、このpH領域でアルコール発酵で使用する酵母は増殖するので、濃縮糖化液L3に対してのpHの調整や殺菌処理を特に必要としないが、残存する雑菌を更に低減した状態あるいは好適なpHの状態で濃縮糖化液L3をアルコール発酵させる場合には、殺菌処理あるいはpH調整を施してもよい。濃縮工程33の好適な条件として、例えば、発酵pH4前後で、希釈率Dを0.2h-1以上とすることにより、アルコール発酵中に雑菌が増殖するのを完全に防ぐことが可能となる。
次に、この糖生産方法の作用・効果について説明する。
まず、生ごみ処理工程31において、生ごみW1に10%以下好ましくは1%以下の乳酸菌培養液L0を添加したのち嫌気状態で保持することにより、生ごみW1が乳酸発酵して、pHが低下するため、生ごみW1の鮮度が保持される。従って、糖化液L2の回収率の低下や、糖化液L2中での酢酸等のアルコール発酵を阻害する有機酸の生成が抑制される。このように生ごみW1が処理されることにより処理ごみW2が得られる。
続いて、糖化工程32において、処理ごみW2が例えば回転ブレードにより粉砕されつつ酵素Fにより糖化されることによって糖化液L2が生成される。また同時に、処理ごみW2中に生息する微生物によっても、主として乳酸発酵が起こり処理ごみW2が糖化される。その結果、乳酸A1を主成分とする有機酸Aが生成され、糖化液L2の水素イオン指数(pH)が、pH3〜4程度の酸性に保たれる。これによって、雑菌の増殖が抑制され、糖化液の殺菌が不要となる。
このpHの低下した糖化液L2は、糖化残渣Sと分離され、更に上述の濾過により糖化清澄液L3に精製されたのち、濃縮工程33で濃縮糖化液L3として糖が回収される。
このように本実施の形態の糖生産方法によれば、生ごみ処理工程31において、生ごみW1に10%以下好ましくは1%以下の乳酸菌培養液L0を添加したのち嫌気状態で保持するようにしたので、生ごみW1の鮮度が保持される。従って、糖化液L2の回収率の低下や、糖化液L2中での酢酸等のアルコール発酵を阻害する有機酸の生成を抑制することができるため糖を効率良く生成することが可能となる。このように生成された糖(グルコース)は、アルコールのみならず、グルコース電池などの燃料電池の原料としても利用され得る。
以下、第1の実施の形態についての具体的な実施例について説明する。
(実施例1−1,1−2)
実施例1−1,1−2では、ホテルから排出された生ごみW1を用いて回分発酵試験を行った。
まず、厨芥や食べ残し等の食品ごみ(生ごみ)20kgと、水(水道水)10lと、グルコアミラーゼとしてナガセケムテックス(株)のグルコチーム12gとを糖化槽に投入し、50℃の温度下で6時間攪拌した。そののち、メッシュろ過を行うことにより大きな固形分を除去し、更にフィルタープレスで微細な固形分を除去することにより約20kgの糖化液(糖化清澄液)L2を得た。ここで、湿潤重量とは食品ごみ中に混在する液状のごみも含めた重量(質量)を意味する。また、グルコチームには食品添加剤が半分含まれているので、実質的な酵素の投入量は6gである。
得られた糖化液L2の初期状態を分析した。その結果、初発グルコース濃度82g/l、pH4.10、全窒素濃度4.65g/l、NH4 + 性窒素濃度:4.35g/l、NO3 - 性窒素濃度:0.1g/l)であった。また、有機酸については乳酸濃度15700mg/l、酢酸1500mg/lであったことから乳酸発酵がかなり進んでいることが分かった。なお、一般の発酵では全糖濃度に対して硫安を1%添加する場合が多いが、本実施例では上記のように糖化液L2の全窒素濃度が初発グルコース濃度に対して5.7%と高かったことから硫安の添加は行わなかった。
(培地調製)
続いて、実施例1−1では、初期状態の糖化液L2を90ml採取して空滅菌した300mlの三角フラスコに投入し、実施例1−2では、初期状態の糖化液L2に栄養源である酵母エキス(YE;Yeast Extract )を10g/lとなるように添加したものを90ml採取して空滅菌した300mlの三角フラスコに投入した。更に、予め調製しておいた前培養液10mlをそれぞれの三角フラスコに投入することにより、実施例1−1の無添加培地および実施例1−2のYE添加培地を調製した。すなわち、実施例1−1,1−2では、糖化液に対して濃縮、pH調整および滅菌処理を行わずに各培地を調製した。前培養液の植菌量は一般には容積比で5〜10%であるが、ここでは上述したように殺菌処理していない糖化液に10%になるように前培養液を植菌した。これ以降の無殺菌の実施例についても同様である。前培養液については、5%YPD培地(グルコース5g/l,酵母エキス(YE)1g/l, ポリペプトン1g/l)にスラント(斜面培地;酵母を寒天培地に保存しておく方法)で保存しておいた凝集性酵母を1白金耳植菌したのち、30℃、160rpmで16時間振とう培養して調製した。
(回分発酵試験)
実施例1−1, 1−2の各培地が入った三角フラスコを30℃の恒温水槽に浸漬し、400rpmの条件下で回分発酵試験を行い、回分発酵試験開始から24時間後および48時間後におけるアルコール(エタノール)濃度の測定を行った。
Figure 2006325577
表1は発酵24時間後と48時間後の実施例1−1,1−2の生成エタノール濃度を示している。この結果から、発酵開始から24時間後では、実施例1−1(無添加培地)のエタノール濃度は実施例1−2(YE添加培地)のものに比べて約10g/l低かった。しかし、発酵開始から48時間後では、各実施例においてエタノール濃度の差は殆ど見られなかった。また、発酵開始から48時間後における発酵収率はYE添加培地では約95%であった。本結果から、酵母エキスを添加することにより発酵速度が向上することが分かった。ここで、発酵収率(W)とは、式1の反応式を全アルコールの生成反応と仮定して、数2に示したように、エタノールの理論収量(X)に対する実際の収量(Y)の割合を意味する。アルコールの理論収量(X)は、数3に示したように、その反応(質量)比(グルコース:アルコール=180:92)と濃縮糖化液L3中のグルコース量(Z)とにより求まる。
(式1)
C6H12O6→2C2H5OH+2CO2
(数2)
(発酵収率W)=(実際の収量Y)/(理論収量X)×100
(数3)
(理論収量X)={(濃縮糖化液L3中のグルコース量Z)×92}/180
(実施例2−1〜2−4)
実施例2−1〜2−4では、コンビニエンスストアから排出された生ごみW1から糖化液L2を作製したのち、更にこの糖化液L2を濃縮した濃縮糖化液L3を用いて無添加培地およびYE添加培地を調製すると共に、それぞれの培地に対して殺菌処理を行ったものと殺菌処理を行わなかったものについて回分発酵試験を行った。
まず、賞味期限切れ弁当等の比較的腐敗の少ない食品ごみ(生ごみ)と水(水道水)とを重量比が食品ごみ:水=2:1(生ごみの湿潤重量12.8kg,水道水約6kg)となるように糖化槽に投入し、更に、実施例1−1,1−2と同一のグルコアミラーゼ7.7gを投入して、50℃の温度下で6時間攪拌した。そののち、メッシュろ過を行うことにより大きな固形分を除去し、更にフィルタープレスで微細な固形分を除去することにより約12.5kgの糖化液(糖化清澄液)L2を得た。なお、グルコチームには食品添加剤が半分含まれているので、実質的な酵素の投入量は3.85gである。
続いて、得られた糖化液L2を5kgだけ10lのナスフラスコに入れ、エヴァポレーター(EYELA ROTARY VACUUM EVAPORATORN-11)を用いて10mmHgの減圧下、60℃もしくは80℃でグルコース濃度が約17%になるまで減圧濃縮することにより濃縮糖化液L3を得た。なお、濃縮糖化液L3の初期状態は、グルコース濃度174g/l、乳酸濃度9900mg/l、酢酸濃度640mg/lであった。
続いて、実施例2−1,2−2では無殺菌の濃縮糖化液L3、すなわちそのままの濃縮糖化液L3を90ml採取して空滅菌した300mlの三角フラスコに投入したのち、実施例2−1については実施例1−1と同様にして無添加培地を作製し、実施例2−2については実施例1−2と同様にしてYE添加培地を作製した。また、実施例2−3,2−4では濃縮糖化液L3を90ml採取して300mlの三角フラスコに投入したのち、滅菌器で120℃、15分間殺菌した。実施例2−3については実施例1−1と同様にして無添加培地を作製し、実施例2−4については実施例1−2と同様にしてYE添加培地を作製した。すなわち、実施例2−1〜2−4では、pH調整を行わずに各培地を調製した。
実施例2−1〜2−4についても実施例1−1,1−2と同様にして回分発酵試験を行い、エタノール濃度の測定を行った。
Figure 2006325577
表2は実施例2−1〜2−4の発酵24時間後と48時間後の生成エタノール濃度を示している。この結果から、試験開始から24時間後では、滅菌の有無に関わらず、いずれの実施例も濃縮により発酵速度が向上することが分かった。また、試験開始から48時間後では、無殺菌の実施例2−1,2−2の方が殺菌処理を行った実施例2−2,2−3よりも若干エタノール濃度は高く、特に、実施例2−1の発酵収率は約97%と高いものであった。なお、発酵収率の計算方法は実施例1−1,1−2と同様である。
また、濃縮糖化液L3を用いた実施例2−1から2−4は、糖化液L2を用いた実施例1−1(無添加培地)よりも発酵試験48時間後の発酵収率が5〜7%高く、糖化液を濃縮することにより発酵収率を向上させることができることも分かった。
以上により、濃縮糖化液の殺菌、YEなどの栄養源の添加、およびpH調整の有無に関わらず、高効率でエタノールを生成させることができることが分かった。
(実施例3−1,3−2)
実施例3−1,3−2では、実施例1−1,1−2と同様にして、ホテルから排出された生ごみW1から糖化液L2を別途作製したのち、実施例2−1,2−2と同様に糖化液L2を濃縮して乳酸濃度の高い濃縮糖化液L3(無殺菌)を用いて無添加培地およびYE添加培地を調製して回分発酵試験を行うことにより、乳酸濃度の影響を調べた。濃縮糖化液L3の初期状態については、グルコース濃度152.5g/l、乳酸濃度31100mg/l、酢酸濃度1200mg/l、pH4.3であった。
Figure 2006325577
表3は実施例3−1,3−2の発酵24時間後と48時間後の生成エタノール濃度を示している。この結果から、試験開始から24時間後および48時間後においてYE添加の有無に関わらず、いずれの実施例も同等のエタノール濃度が得られた。ここで、実施例2−1,2−2と比較すると、試験開始から24時間後および48時間後においてエタノール濃度が若干低く、実施例3−1,3−2の48時間後の発酵収率も90%と実施例2−1の97%と比較すると若干低かったが、90%強の高い発酵収率を得ることができた。よって、乳酸濃度は10000mg/l以上であることが好ましく、30000mg/l以上でも遜色はなくエタノール発酵が可能であることが分かった。なお、本実施例の発酵収率の計算方法についても実施例1−1,1−2と同様である。
(実施例4)
実施例4では、ホテルから排出された生ごみW1から糖化液L2を別途作製したのち濃縮して得られた濃縮糖化液L3を用いて連続発酵試験を行った。
糖化液L2については実施例1−1,1−2と同様にして作製し、実施例2−1,2−2と同様にして糖化液L2を濃縮することにより濃縮糖化液L3を得た。濃縮糖化液L3の初期状態については、グルコース濃度153g/l、乳酸濃度34900mg/l、酢酸濃度1400mg/l、pH4.0であった。なお、作製した濃縮糖化液L3は無殺菌であるので、連続発酵試験を開始するまで冷蔵庫に貯蔵した。
続いて、前培養液0.45lを連続発酵槽に投入したのち、濃縮糖化液(無殺菌・無添加培地)をチューブ式ポンプを用いて塔型リアクタの底部から供給することにより連続発酵試験を開始した。前培養液は実施例1−1で用いたものと同様にして調製したものを用いた。
連続発酵槽としては、実容量0.45lで上部に固気液三相分離部を備えたアクリル製の塔型リアクタを用いた。上部にはpH電極を挿入してpHを制御できるようにした。流動部には外部ジャケットを設けて恒温水を流すことにより、発酵温度を所定の温度に維持できるようにした。底部にはボールフィルターを設置して塔型リアクタ内にボールフィルターを通して除菌された空気を微量通気できるようにした。また、上部および底部に分岐管を付け、上部から底部へと発酵中の濃縮糖化液(槽内液)を循環できるようにした。
(連続発酵試験)
試験開始から試験開始3日目までは、試験開始前の濃縮糖化液L3のpHが4.0であったので槽内液のpHを4.3になるように制御し、発酵温度30℃、空気の通気量0.025vvmの条件で、希釈率Dが0.1h-1になるように供給した。試験開始3日目から試験開始20日目までは、D=0.2h-1、D=0.3h-1となるように希釈率Dを段階的に上げていった。更に、試験開始25日目から試験開始40日目までは、槽内液のpHを制御することなくD=0.3h-1の条件で連続発酵試験を継続して行った。
図3は、実施例4の連続発酵試験において段階的に希釈率を上げていったときの生成エタノール濃度の経日変化を示している。図4は、図3で各希釈率Dにおいて安定したデータを用いて希釈率Dに対するエタノールの生産性および希釈率Dに対する発酵収率を示した。これらの結果から、試験開始3日目でエタノール濃度が70g/lに達した。試験開始3日目から試験終了日(40日目)までは、上述のように希釈率Dを段階的に上げてもエタノール濃度は70g/l〜72g/lであり、ほとんど変化が見られなかったことから安定した連続発酵が可能であることが分かった。更に、試験開始25日目から試験開始40日目までは、発酵槽内のpHを制御をすることなくD=0.3h-1の条件下で試験を継続したが、槽内液のpHは約4.0に低下したものの、エタノール濃度には変化なく、生産性21g/l/h〜22g/l/h、発酵収率90%〜92%を達成することができた。ここで、生産性は生成エタノール濃度Pと希釈率Dの積により求められるものである(生産性=P×D)。なお、本実施例の発酵収率の計算方法についても実施例1−1,1−2と同様である。
次に、第2の実施の形態についての具体的な実施例および比較例について説明する。生ごみW1としては、湿潤重量1kg(水分を約80%含む)あたり全糖として118gの糖を含有するものを用いた。なお、全糖の定量は、生ごみ1kgに対して、水0.5kgを加えよく混合したものからサンプルとして10ml採取し、これに90mlの蒸留水と25%塩酸溶液10mlを加え、沸騰水溶液中で加水分解した後、この加水分解液のpHを中和したものを用いて、ソモギー・ネルソン法により行った。
(実施例5−1〜5−5)
実施例5−1〜5−5では、容器41に生ごみW1を投入したのち乳酸菌培養液L0を散布して3日間保持した処理ごみW2を用い、これに酵素Fを添加して50℃の反応温度下で糖化を行った。酵素Fとしては、実施例5−1ではグルコチーム20000、実施例5−2では長瀬酵素剤N−40、実施例5−3ではスミチーム、実施例5−4ではスミチームAL、実施例5−5ではスミチーム焼酎を用いた。更に、各実施例の他の糖化条件については表4に示した条件に調整した。
Figure 2006325577
上記条件下で、反応時間1時間後と6時間後の有機酸(乳酸および酢酸)濃度およびpHを測定したところ、各反応時間に対する乳酸濃度が6200mg/lと6250mg/l、酢酸濃度が1300mg/lと1310mg/l、pHは3.8と、測定値がほぼ一定であった。この結果より、雑菌がほとんど繁殖せず生ごみの鮮度が一定に保持されていることがわかった。
図7ないし図11には、各実施例における糖化を行った時間(反応時間(h))に対するグルコース濃度(g/l)の関係を示し、さらに表5には、糖化液のグルコース濃度および糖回収率についてまとめた。これらの結果から、実施例5−2(長瀬酵素剤N−40)において最も高いグルコース濃度および糖回収率が得られ、長瀬酵素剤N−40が他の酵素に比べて特に優れた耐酸性を有することがわかった。なお、グルコース濃度の定量は、F−キット・グルコース(ベーリンガー・マンハイム株式会社、輸入販売元J.K.インター
ナショナル)試薬を用いて行った。また、糖回収率は、式2により求めた(以下の実施例も同様)。
(式2)
(糖回収率)=(酵素反応により生成したグルコース濃度/ 生ごみと水混合物中の全糖濃度)×100
Figure 2006325577
(実施例6−1〜6−4)
実施例6−1〜6−4では、容器41に生ごみW1を投入したのち乳酸菌培養液L0を散布して3日間保持した処理ごみW2を用い、これに酵素Fを添加して60℃の反応温度下で糖化を行った。酵素Fとしては、実施例6−1では長瀬酵素剤N−40を212mg、実施例6−2では長瀬酵素剤N−40を170mg、実施例6−3では長瀬酵素剤N−40を127mg、実施例6−4ではグルコチーム20000を600mg(食品添加物50%含有)用いた。更に、各実施例の他の糖化条件については表6に示した条件に調整した。
Figure 2006325577
図12ないし図15には、各実施例における反応時間(h)に対するグルコース濃度(g/l)の関係を示し、さらに表7には、各実施例の糖化液のグルコース濃度と糖回収率についてまとめた。この結果、実施例6−1において最も高いグルコース濃度が得られ、糖回収率は85.5%にも達し、反応温度を50℃とした実施例5−2よりも9%近く向上した。また、実施例6−2、実施例6−3において、長瀬酵素剤N−40の添加量を削減した場合についても、81.9%、81.7%と高い糖回収率が得られた。一方、実施例6−4のグルコチーム20000については、糖回収率が24.4%となり、反応温度を50℃とした実施例5−1よりも著しく低下した。このことから、長瀬酵素剤N−40は、耐酸性に加え耐熱性にも優れた酵素であることがわかった。
Figure 2006325577
実施例5−1〜5−5および実施例6−1〜6−4の結果から、糖化工程で用いる酵素には、耐酸性あるいは耐酸性および耐熱性を有する酵素を使用することが有効であることがわかった。
(比較例1,2)
実施例5−1〜5−5に対する比較例1,2では、容器に生ごみW1を投入し、乳酸菌培養液L0を散布しないで室温(25℃〜33℃)で3日間放置した処理ごみW3を用いて糖化を行った。この処理ごみW3の表面にはカビが繁殖し、生ごみ特有の腐敗臭がしていた。
次に、処理ごみW3に酵素を添加して50℃の反応温度下で糖化を行った。酵素としては、比較例1ではグルコチーム20000、比較例2では長瀬酵素剤N−40を用いた。
上記条件下で、反応時間1時間後と6時間後の有機酸(乳酸および酢酸)濃度およびpHを測定したところ、乳酸濃度が7950mg/lと8520mg/l、酢酸濃度が1440mg/lと1910mg/l、pHの値も3.6程度とやや酸性側にシフトしていた。すなわち、有機酸濃度が実施例5−1〜5−5よりも高い値を示し、また時間経過と共に増加する傾向にあった。これは、主に生ごみにおける雑菌汚染によるものと考えられるため、この結果からも、乳酸菌培養液を用いなかった場合には、雑菌の繁殖により腐敗が進んでいることがわかった。
図16および図17には、各比較例における糖化を行った時間(反応時間(h))に対するグルコース濃度(g/l)の関係を示し、さらに表8には、糖化液のグルコース濃度と糖回収率についてまとめた。これらの結果から、比較例2(長瀬酵素剤N−40)の方が比較例1(グルコチーム20000)よりも高い糖回収率が得られるものの、乳酸菌培養液L0を用いた実施例5−1、5−2よりも糖回収率が低くなることが分かった。
Figure 2006325577
実施例5−1〜5−5および比較例1,2の結果から、乳酸菌培養液を散布して生ごみの鮮度を保持することによって、生ごみからの糖回収率が向上することがわかった。
本発明の第1の実施の形態に係るアルコール生産システムの構成を表すブロック 図である。 第2発酵部とそれに続く循環式生物学的脱窒・硝化部の構成を表すブロック図である。 実施例4の希釈率を段階的に変化させた時の生成エタノール濃度の経日変化を表す特性図である。 実施例4の希釈率に対するエタノールの生産性および希釈率に対する発酵収率を表す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る糖生産方法の構成を表すブロック図である。 生ごみ処理工程を説明するための図である。 実施例5−1の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例5−2の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例5−3の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例5−4の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例5−5の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例6−1の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例6−2の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例6−3の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 実施例6−4の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 比較例1の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。 比較例2の反応時間に対するグルコース濃度の関係を表す特性図である。
符号の説明
1…アルコール生産システム、2…アルコール生産方法、10…アルコール生産部、11…糖化部、12…濃縮部、13…第1発酵部、14…蒸留部、15…脱水部、20…廃液処理・利用部、21…第2発酵部、21A…メタン発酵槽、21B…水槽、22…コージェネレーション、23…循環式生物学的脱窒・硝化部、23A…脱窒槽、23B…硝化槽、24…脱色部、31…生ごみ処理工程、32…糖化工程、33…濃縮工程、41…容器、42…ビニール袋、A…有機酸、A1…乳酸、E1…プラント電力、G1…バイオガス、G2…混合ガス、G3…蒸気、L0…乳酸菌培養液、L1…燃料用アルコール、L2…糖化液、L3…濃縮糖化液、L4…醪、L5…粗アルコール、L6…蒸留廃液、L7…液肥、L8…処理水、S…糖化残渣、W1…生ごみ、W2、W3…処理ごみ

Claims (25)

  1. 生ごみを糖化して糖化液を生成すると共に、前記生ごみ中に生息する微生物により主 として乳酸を生成させて前記糖化液の水素イオン指数(pH)を低くする糖化部と、
    前記糖化部において生成された糖化液を用いてアルコール発酵させる第1発酵部と
    を備えたことを特徴とするアルコール生産システム。
  2. 前記糖化部において生成された糖化液を濃縮する濃縮部を有し、前記第1発酵部では前記濃縮部において生成された濃縮糖化液をアルコール発酵させる
    ことを特徴とする請求項1記載のアルコール生産システム。
  3. 前記糖化部において生成された糖化液を濃縮する濃縮部と、
    前記濃縮部において生成された濃縮糖化液をアルコール発酵させる第1発酵部と、
    前記第1発酵部により生成された醪を蒸留し、粗アルコールと蒸留廃液とに分離する蒸留部と、
    前記粗アルコールを脱水してアルコールを生成する脱水部と
    を備えたことを特徴とする請求項2記載のアルコール生産システム。
  4. 前記糖化部において、前記生ごみと、前記生ごみの湿潤重量に対して1/4以上の重量の水と、前記湿潤重量1kgに対して100mg以上の酵素とを混合したのち、30℃以上の温度で糖化する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  5. 前記糖化部において、前記生ごみを回転ブレードまたは回転ドラムの中で糖化し、生じた糖化残渣を前記糖化液から分離する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  6. 前記回転ブレードにより得られた糖化液を回収したのち、前記糖化残渣を粗粉砕しつつ回収する
    ことを特徴とする請求項5記載のアルコール生産システム。
  7. 前記濃縮部において、前記糖化液を常圧濃縮または減圧濃縮し、前記濃縮糖化液の全糖濃度を100g/l以上300g/l以下とすることによりアルコール発酵に必要な栄養源を濃縮する
    ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  8. 前記糖化液の濃縮割合を1.5倍以上5倍以下とする
    ことを特徴とする請求項7記載のアルコール生産システム。
  9. 前記濃縮部において、前記乳酸の濃度が濃縮前の2倍以上になるまで前記糖化液を減圧濃縮もしくは常圧濃縮しそのpHを低下させると共に、前記糖化液中の単糖類の濃度を高めることにより雑菌の増殖を抑制する
    ことを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  10. 前記濃縮部において、前記糖化液を濃縮して前記乳酸の濃度を10000mg/l以上になるまで濃縮し、前記糖化液のpHを低下させて雑菌の増殖による汚染を抑制することにより前記濃縮糖化液の殺菌を不要とする
    ことを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  11. 前記濃縮部において、前記乳酸の濃度を高くすることにより前記糖化液のpHを調整する
    ことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  12. 前記第1発酵部において、アルコール発酵として、回分発酵、繰り返し回分発酵または連続発酵を適用すると共に、酵母としてpH2.5以上pH5.5以下の範囲で増殖・発酵するSaccharomyces cerevisiaeに属する非凝集酵母および凝集性酵母のうちの少なくとも一方を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  13. 前記第1発酵部において、前記アルコールの濃度を50g/l以上150g/l以下、アルコール発酵pHを4.5以下、発酵温度を25℃以上および希釈率D(h -1)を0.05 h-1以上として雑菌が増殖する前に洗い出すことにより雑菌の増殖による汚染を抑制しつつ無殺菌の濃縮糖化液を連続発酵する
    ことを特徴とする請求項2ないし12のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  14. 前記第1発酵部において、アルコール発酵として連続発酵方式および凝集性酵母を用いると共に、発酵装置として機械攪拌およびガス循環などの機能を有すると共に後段に沈降分離部を設けた発酵槽、上部もしくは後段に沈降分離部を設けた塔型リアクタまたは流動部にドラフトチューブを有する塔型リアクタを用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  15. 廃液処理・利用部としてメタン発酵槽を有する第2発酵部を備え、前記メタン発酵槽において前記蒸留部で生成された蒸留廃液を発酵させることによりバイオガスを生成し、前記バイオガスを前記濃縮部および前記蒸留部の少なくとも一方のエネルギー源として利用する
    ことを特徴とする請求項2ないし14のいずれか1項に記載のアルコール生産システム。
  16. 前記第2発酵部において、バイオガスの発生量の5%以上10%以下の空気を前記メタン発酵槽中に導入して前記バイオガスと混合させることにより、前記バイオガスと空気を含む混合ガス中の硫化水素の濃度を低減させる
    ことを特徴とする請求項15記載のアルコール生産システム。
  17. 前記第2発酵槽後段に水槽を有し、前記混合ガスを前記メタン発酵槽と前記水槽との間で循環させることにより硫化水素を空気酸化させて硫黄とし、前記混合ガス中の硫化水素の濃度を10ppm以下に低減させる
    ことを特徴とする請求項15または16に記載のアルコール生産システム。
  18. 前記メタン発酵槽の後段に循環式生物学的脱窒槽を、前記循環式生物学的脱窒槽の後段に硝化槽をそれぞれ有し、メタン発酵により生成されたアンモニウムイオンを前記循環式生物学的硝化槽で硝酸イオンに酸化させたのち、この硝酸イオンを含む液の一部を前記脱窒槽に循環させることにより、前記メタン発酵後に残存する有機物と硝酸イオンとを同時に除去する
    ことを特徴とする請求項17に記載のアルコール生産システム。
  19. 前記硝化槽において得られた処理水または前記硝化槽の後段に設けた脱色部において得られた処理水を生ゴミに加える水の代替として前記糖化部に加える
    ことを特徴とする請求項18に記載のアルコール生産システム。
  20. 生ごみを糖化して糖化液を生成すると共に、前記生ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させて前記糖化液の水素イオン指数(pH)を低くする糖化工程と、
    前記糖化工程において生成された糖化液を用いてアルコール発酵させる第1発酵工程と
    を含むことを特徴とするアルコール生産方法。
  21. 前記糖化工程において生成された糖化液を濃縮する濃縮工程を含み、
    前記第1発酵工程では前記濃縮工程において生成された濃縮糖化液ををアルコール発酵させる
    ことを特徴とする請求項20記載のアルコール生産方法。
  22. 生ごみに10%以下の乳酸菌培養液を添加したのち嫌気状態に保持し、雑菌が実質的に増殖しない程度の処理ごみを生成する生ごみ処理工程
    を含むことを特徴とする糖生産方法。
  23. 前記乳酸菌培養液を添加したのち酵素を混合して糖化すると共に、前記処理ごみ中に生息する微生物により主として乳酸を生成させて前記糖化液の水素イオン指数(pH)を低くする糖化工程と、
    前記糖化工程において生成された糖化液を濃縮する濃縮工程
    を含むことを特徴とする請求項22記載の糖生産方法。
  24. 前記生ごみ処理工程において、前記乳酸菌培養液を添加した生ごみを破砕した後、嫌気状態に保持し、ミンチ状の処理ゴミを生成する
    ことを特徴とする請求項22または23記載の糖生産方法。
  25. 前記酵素が、耐酸性を有するグルコアミラーゼもしくは、耐酸性および耐熱性を有するグルコアミラーゼである
    ことを特徴とする請求項22ないし24に記載の糖生産方法。
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