JP2006318289A - 需給バランス計算による生産依頼数決定システム、方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】安全在庫数量と生産依頼数量の決定を容易化し、また精度を高める。
【解決手段】生産依頼数決定システム100の基準在庫数量算出部1が、出荷予測計画情報に定められた出荷予定数量を、品番マスタに定められた基準在庫日数分加算して基準(安全)在庫数量と、前記出荷計画表上の出荷数量に応じて変動する基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する。次いで、在庫バランス計算部2が、基準時点の在庫数量に、前記生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、在庫変動表を生成する。次いで、生産依頼数量計算部3が、前記在庫変動表における特定の時期の在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れた場合に、該時点の在庫数量が少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジ内に収まるよう前時点の生産依頼数を計算・出力する。
【選択図】図1
【解決手段】生産依頼数決定システム100の基準在庫数量算出部1が、出荷予測計画情報に定められた出荷予定数量を、品番マスタに定められた基準在庫日数分加算して基準(安全)在庫数量と、前記出荷計画表上の出荷数量に応じて変動する基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する。次いで、在庫バランス計算部2が、基準時点の在庫数量に、前記生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、在庫変動表を生成する。次いで、生産依頼数量計算部3が、前記在庫変動表における特定の時期の在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れた場合に、該時点の在庫数量が少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジ内に収まるよう前時点の生産依頼数を計算・出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、生産・出荷の計画立案、計画調整のための情報を提供する生産依頼数決定システム、生産依頼数量決定方法、及び、生産依頼数決定プログラムに関する。
製品の製造に際し、出荷数量を見越して生産依頼数量を決定するという考え方自体は知られている。販売(出荷)計画情報が集計された時点(例えば月初、週初)で、その結果を基に生産部門、流通部門の各在庫の把握が行われ、生産依頼が行われている。また例えば、特開2004−287487号公報、特開2005−25529号公報、特開平7−21278号公報に、販売(出荷)予測量から安全在庫数量(基準在庫数量)を求め、現在の在庫量と比較して生産依頼数量を決定可能な生産システムが提案されている。
従来技術の第一の問題点として、数量ベースでの安全在庫の算出の困難性が挙げられる。この点例えば、特許文献1では過去の実績に基づいて基準在庫量を設定することが記載されているが、この方式では出荷(販売)予測を反映させることができず在庫の不足を来たす可能性がある。また例えば、品番毎に日数や特定の係数を定めておき安全在庫を管理することが知られているが、出荷(販売)計画との整合性を取るための負担が大きく簡便な方式しか採用されていないのが現状である。例えば、特許文献2では、単純に計画や直近の受注実績に基づいた基準受注台数と基準在庫日数を乗じて安全在庫数を設定するとしている。また、特許文献3では、販売計画量に品番毎の係数を乗じて基準在庫数を算出するとしている。
第二の問題点は、上記安全在庫数量から導き出した生産依頼数量が適正なものであるか否かを見極めることの困難性が挙げられる。これは、実際の販売(出荷)数量と、前記生産依頼数量に基づいた将来の在庫数量とのずれがどの程度不整合を起こしているのかの判断材料が不足していることにも起因している。出荷・販売に影響を来たさない範囲で在庫数量を最小化する方式では、上記不整合を早期に検知し、段取り替えの変更、人員配置の入れ替え、原材料の調達・調整等を行い、生産量を追随させる必要がある。
本発明は上記した各事情に鑑みてなされたものであって、適正な安全在庫数量と将来の在庫数量を見積もり、これらに基づいて生産依頼数量の決定をなしうる生産依頼数決定システム、生産依頼数量決定方法、及び、生産依頼数決定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の視点によれば、コンピュータを用いて、各商品の在庫数量に適った生産依頼数量を計算し提示する生産依頼数量決定方法であって、以下の各工程を含んで構成される生産依頼数量決定方法が提供される。まず、前記コンピュータにおいて、所定の時間単位でスケジュールされた出荷計画表と、予め定められた商品毎の基準在庫時間を定めた品番マスタとの入力が行われ、対象の品番(商品)について、予め定められた基準在庫時間分、前記出荷計画表に示された出荷数量を加算してゆき、将来の各時点における基準在庫数量と該基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する工程が行われる。続いて、前記コンピュータにおいて、基準時点の在庫数量に、所定の時間単位でスケジュールされた生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、前記所定の時間単位による在庫変動表を生成する工程が行われる。更に、前記コンピュータにおいて、前記在庫変動表の在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れたか否かの確認処理が行われ、特定の時点の在庫数量が該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れている場合に、該時点の在庫数量が少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジに収まるよう前時点の生産依頼数を計算し、前記コンピュータの出力装置に出力して提示する工程が行われる。
また、本発明の第2の視点によれば、所定の時間単位でスケジュールされた出荷計画表と生産計画表を有し、各商品の在庫数量に適った生産依頼数量を提示する生産依頼数提示システムであって、前記安全在庫量(基準在庫量)を算出する基準在庫数量算出部と、将来の在庫数量を見積もる在庫バランス計算部と、前記安全在庫量(基準在庫量)と将来の在庫数量に基づいて生産依頼数を決定する生産依頼数量計算部とを備える生産依頼数決定システム又はこれを組み込んだ生産管理システムが提供される。より具体的には、基準在庫数量算出部は、予め定められた基準在庫時間分、前記出荷計画表に示された出荷数量を加算してゆき、将来の各時点における基準在庫数量と該基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する。また、前記在庫バランス計算部は、基準時点の在庫数量に、前記生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、前記所定の時間単位による在庫変動表を生成する。また、前記生産依頼数量計算部は、前記在庫変動表における特定の時点の在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れた場合に、該時点の在庫数量が少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジに収まるよう前時点の生産依頼数を計算し提示する。
また、本発明の第3の視点によれば、任意のコンピュータに生産依頼数決定システムを構成し、または、コンピュータに上記生産依頼数量決定方法を実行させるためのコンピュータプログラムが提供される。
本発明によれば、安全在庫数量と将来の在庫数量の見積もりを容易化し、またこれらに基づいた的確な生産依頼数量を決定することが可能となる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る生産依頼数決定システムの構成を表した図である。図1を参照すると、基準在庫数量算出部1と、在庫バランス計算部2と、生産依頼数量計算部3と、記憶部4と、を備えた生産依頼数決定システム100が示されている。
基準在庫数量算出部1は、品番マスタに登録され品番毎の基準在庫日数等の情報と、出荷計画表に定められた出荷予定数量とを用いて、将来の各時点における各品番の基準在庫数量と、その過不足判定レンジ(上限、下限)を算出し、記憶部4の基準在庫数量記憶域に出力する。
在庫バランス計算部2は、現時点の在庫数量から出荷計画表、生産計画表に登録された入出庫数量を使用して、将来の各時点の在庫数量の推移(在庫変動表)を算出し、記憶部4の基準在庫数量記憶域に出力する。また、在庫バランス計算部2は、将来の各時点の在庫数量と、基準在庫数量算出部1で算出された基準在庫数量の過不足判定レンジを用いて、将来の在庫数量の過不足の判定を行う。
生産依頼数量計算部3は、在庫バランス計算部2での判定の結果、過不足が生ずると判断される場合に、生産依頼数量を計算する。例えば、在庫数量が過不足判定レンジの上限値を上回る場合には基準在庫数量になるよう生産依頼数量の減産を提示し、過不足判定レンジの下限値を下回る場合には基準在庫数量になるよう生産依頼数量の増産を提示する。
記憶部4は、少なくとも基準在庫数量記憶部41、在庫数量記憶部42、生産依頼数量記憶部43とを含んで構成される。
続いて、本実施形態に係る生産依頼数決定システムの動作について具体的なデータを用いて詳細に説明する。図2は、品番マスタに登録された情報を表した図である。図2を参照すると、品番「A1111」に基準在庫日数は20日である。そして、品番「A1111」の在庫が過剰であると判断する上限しきい値として25日が基準在庫上限フィールドに設定され、品番「A1111」の在庫が不足していると判断する下限しきい値として15日が基準在庫下限フィールドに設定されている。同様に、品番「B2222」については、基準在庫日数として14日が設定され、基準在庫上限、基準在庫下限、としてそれぞれ20日、7日が設定されている。
図3は、出荷計画表の一例を表した図である。図3を参照すると、品番「A1111」と、品番「B2222」と、の週単位の出荷計画が定められている。例えば、品番「A1111」は、第1週に21単位出荷され、第2週、第3週に20単位出荷され、第4週に32単位出荷されることになっている。
図4は、生産計画表の一例を表した図である。図4を参照すると、品番「A1111」と、品番「B2222」と、の週単位の生産計画が定められている。例えば、品番「A1111」は、第1週に25単位生産(入庫)され、第2週に80単位生産され、第4週に10単位生産されることになっている。
図5は、品番「A1111」と、品番「B2222」の在庫数量情報を表した図である。ここでは、品番「A1111」は63単位の在庫があり、品番「B2222」は10単位の在庫があるものとして説明する。
図6は、以上の上記図2乃至図5の情報を用いて生産依頼数決定システムにより生成される情報をまとめて表した図である。図6の第1行「1.出荷予測数量」は、出荷計画表から入手される情報であり、第5行「5.生産計画数量」は、生産計画表から入手される情報である。一方、第2行〜第4行「2.基準在庫上限数量」、「3.基準在庫数量」、「4.基準在庫下限数量」からなる基準在庫数量記憶部に記憶される値は、基準在庫数量算出部1により生成される。また、第6行「6.週初在庫数量」からなる在庫数量記憶部に記憶される値は、在庫バランス計算部2により生成される。また、第7行〜第9行「7.アラーム状況」、「8.生産依頼数量減少分」、「9.補正後生産依頼数」からなる生産依頼数量記憶部に記憶される値は、在庫バランス計算部2及び生産依頼数量計算部3により生成される。以下、基準在庫数量算出部1、在庫バランス計算部2、生産依頼数量計算部3、それぞれの動作について順を追って説明する。
図7は、基準在庫数量算出部1の動作を表したフローチャートである。まずはじめに、基準在庫数量算出部1は、出荷計画表から対象品番の所定週分(例えば、20週分)の出荷予測情報を取り込む(ステップS1−1)。続いて、基準在庫数量算出部1は、取りこんだ出荷予測情報を、図6の第1行に示したように記録部4の所定領域に記憶する(ステップS1−2)。
続いて、基準在庫数量算出部1は、対象品番の基準在庫日数等の必要な情報を、図2に例示する品番マスタより取り込む(ステップS1−3)。続いて、基準在庫数量算出部1は、ステップS1−1〜S1−3で取得した各情報を用いて将来の各時点の基準在庫上限数量、基準在庫数量、基準在庫下限数量をそれぞれ計算し、記憶部4に出力していく(ステップS1−4)。
上記基準在庫上限数量、基準在庫数量、基準在庫下限数量は、より具体的には、各週を基点として品番マスタに設定された日数分将来の出荷予測数量を合算することにより算出できる。例えば、品番「A1111」の場合、基準在庫上限日数は25日(3週間+4日)であり、その分の出荷予測数量を合算することにより基準在庫数量を算出する。図6の例では、第1行「1.出荷予測数量」に示されたとおり、1週目からの出荷予測数量は、21、20、32、24であるので、21+20+32+24*4/7=87が得られ、図6の第2行「2.基準在庫上限数量」の第1列(第1週)に87がセットされる。同様に、次に2週目から25日分であれば、20+32+24+xx*4/7=96が計算され、第2行「2.基準在庫上限数量」の第2列(第2週)に96がセットされる。なお、ここでは、最終週の端数分は日別に按分し、端数を切り上げるルールを採用している。
基準在庫数量、基準在庫下限数量も同様に計算され、これらの計算結果は図6の基準在庫数量記憶部4を構成する第3行、第4行にそれぞれ記憶される。
図8は、在庫バランス計算部2の動作を表したフローチャートである。まずはじめに、在庫バランス計算部2は、生産計画表から対象品番の所定週分(例えば、20週分)の生産計画情報を取り込む(ステップS2−1)。続いて、在庫バランス計算部2は、取りこんだ生産計画情報を、図6の第5行に示したように記録部4の所定領域に記憶する(ステップS2−2)。
続いて、在庫バランス計算部2は、以下の手順により週初在庫数量の計算と出力を行う(ステップS2−3)。まず、対象品番の現時点の在庫情報を在庫数量情報より取り込み、在庫数量記憶部42を構成する図6の第6行「6.週初在庫数量」の第1列(第1週)にセットする。続いて、在庫バランス計算部2は、第1週目の在庫数量から図6の第1行第1列の「出荷予測数量−第1週」に書き込まれた値を減じ、更に、図6の第5行第1列の「生産計画数量−第1週」に書き込まれた値を加えて第2週の在庫数量を計算し、図6の第6行「6.週初在庫数量」の第2列(第2週)にセットする。例えば、図6の例では、第1週目の週初在庫数量は63、第1週目の出荷予測数量は21、第1週目の生産計画数量は25であるので、第2週目の週初在庫数量は、63−21+25=67となる。
在庫バランス計算部2は、以下同様の要領で、前週の在庫数量を用いて第3週目以降の在庫数量の計算を行っていき、図6の第6行「6.週初在庫数量」の対応欄にセットする。例えば、第3週目の週初在庫数量は、上記計算した第2週の週初在庫数量67が用いられ、67−20+80=127がセットされる。
更に、在庫バランス計算部2は、上記ステップS2−3で計算された各週の週初在庫数量と、基準在庫数量の過不足判例レンジ(上限、下限)と比較し、過不足をチェックする(ステップS2−4)。ここで、特定の週の週初在庫数量が基準在庫数量上限を超えている場合には、第7行「7.アラーム状況」の対応位置に「過剰」がセットされる。同様に、特定の週の週初在庫数量が基準在庫数量下限値を下回る場合には、図6の第7行「7.アラーム状況」の対応位置に「不足」がセットされる。例えば、図6の例では、第3週目の週初在庫数量は127単位であり、基準在庫上限数量は111単位であるため、週初在庫数量が過不足判定レンジの上限を超えているため、図6に示されたとおり、第3週のアラーム状況として「過剰」がセットされる。
図9は、生産依頼数量計算部3の動作を表したフローチャートである。まずはじめに、生産依頼数量計算部3は、在庫バランス計算部2により指摘されたアラーム状況を回避するために、生産計画数量を補正すべく生産依頼数量減少分を算出し、記録部4の所定領域に記憶する(ステップS3−1)。生産依頼数量減少分は、図6の第7行「7.アラーム状況」にアラーム(過剰または不足)が設定されている週の週初在庫数量と基準在庫数量との差により算出され、「8.生産依頼数量減少分」の前週の位置にセットされる。
例えば、図6の例では、第7行「7.アラーム状況」の第3列(第3週)に「過剰」が設定されている。この場合、第3週目の週初在庫数量127と基準在庫数量86との差分41(=127−86)が計算され、第8行「8.生産依頼数量減少分」の第2列(第2週)に出力される。
続いて、生産依頼数量計算部3は、ステップS3−1で算出された生産依頼数量減少分と対応時点の生産計画数量との差を計算し、図6の第9行に示したように記録部4の所定領域に記憶する(ステップS3−2)。例えば、図6の例では、第8行「8.生産依頼数量減少分」の第2週目に生産依頼数量減少分がセットされているため、第5行「5.生産計画数量」との差分が計算され、補正後の生産依頼数として39単位(=80単位−41単位)が求められる。
最後に、上記ステップS3−2で算出された補正後の生産依頼数を用いて生産依頼計画の更新が行われる(ステップS3−3)。これにより、翌週のアラーム状況は回避されるはずである。
また、生産依頼数決定システムが取り扱う品番毎に、上記した処理を繰り返し行うことにより、その他の品番、例えば「B2222」についても生産依頼数の補正を行うことが可能となる。
以上のとおり本実施形態に係る生産依頼数決定システムによれば、図10に図示したように、品番毎に、出荷予測数量に基いた在庫の過不足の判断基準(基準在庫数量及びその過不足判定レンジ)を設け、出荷予測数量と生産計画数量により妥当な在庫量を自動計算し、その過不足を検知することが可能となっている。また、上記基準在庫数量は、より簡便な基準在庫日数を設定するだけで算出することが可能となっている。
また上記自動計算した結果をもって、生産計画数量の補正案を提示することが可能となっており、また、補正後の生産計画表を用いて再度計算を繰り返すことにより、更にその先の在庫量の過不足をシミュレートし過不足の発生を予測することが可能となっている。
続いて、上記した第1の実施形態とは反対にアラーム状況が「不足」になる場合の例を第2の実施形態として説明する。図11は、品番「A1111」について上記第1の実施形態とは別の月の出荷計画表が適用された場合に生成される情報をまとめて表した図である。
第1の実施形態と同様に基準在庫日数上限は25日で変わらないとしても、図11の第1行「1.出荷予測数量」に示されたとおり、1週目からの出荷予測数量は、24、35、34、25であるので、24+35+34+25*4/7=108が得られ、図11の第2行「2.基準在庫上限数量」の第1列(第1週)に108がセットされる。同様に、次に2週目から25日分であれば、35+34+25+xx*4/7=108が計算され、第2行「2.基準在庫上限数量」の第2列(第2週)に108がセットされる。なお、本実施形態でも、最終週の端数分は日別に按分し、端数を切り上げるルールを採用している。
同様に、在庫バランス計算部2は、生産計画表から生産計画数量を取り込み、週初在庫計算と出力を行っていき、最後に、各週のアラーム状況をチェックする。例えば、図11の例では、第3週目の週初在庫数量は56単位であり、第3週の基準在庫下限数量63単位を下回っている。よって、在庫バランス計算部2は、第3週のアラーム状況として「不足」がセットされる。
そして、この場合も生産依頼数量計算部3が、上記アラーム状況を検知して、生産計画数量を補正すべく生産依頼数量減少分を算出する。図11の例では第3週にアラーム状況に「不足」が設定されているため、第3週目の週初在庫数量56と基準在庫数量79との差分−23(=56−79)が計算され、第8行「8.生産依頼数量減少分」の第2列(第2週)に出力される。
第1の実施形態と同様に、図11の例では、第8行「8.生産依頼数量減少分」の第2週目に生産依頼数量減少分(負の値のため増加分)がセットされているため、生産依頼数量計算部3により、第5行「5.生産計画数量」との差分が計算され、補正後の生産依頼数として33単位(=10単位−(−23)単位)が求められる。
最後に、上記のようにして算出された補正後の生産依頼数を用いて生産依頼計画の更新が行われ、翌週のアラーム状況は回避される。
以上のとおり本実施形態においても、図12に図示したように、品番毎に、出荷予測数量に基いた在庫の過不足の判断基準(基準在庫数量及びその過不足判定レンジ)を設け、出荷予測数量と生産計画数量により妥当な在庫量を自動計算し、その過不足を検知し、適正な措置を提示することが可能となっている。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、その原理からも明らかなとおり、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では現時点から、週を単位とし、20週間先まで計算するものとして説明したが、計算する時間単位や計算(予測)期間は、本システムの取り扱う商品(製品)の特性等によって適宜変更することが可能である。
また、上記した各実施形態では、基準在庫日数と、その過不足判定レンジを日数で表すものとして説明したが、その他の時間単位を用いても良いことは勿論である。例えば、日程計画に変更する場合は、入力となる出荷予測数量、生産計画数量、出力となる生産依頼計画数量はすべて日別の数量として扱われる。この場合において、上記した実施形態のように、基準在庫日数を使用した基準在庫数量の計算が可能であるが、上記した実施形態のように、比率計算(端数の按分)は不要となる。
また、上記した各実施形態では、過不足判定レンジ(上限・下限)も日数で予め品番毎に設定しておくものとして説明したが、基準在庫数量から所定の幅にて固定することとしても良い。
また、実際の運用においては生産依頼から出荷されるまでの日程のずれ(リードタイム)が発生する。例えば、上述のように、日程計画にて生産依頼をする場合には、パラメータとして生産計画と出荷計画の相対的な紐付けを行うためのリードタイムパラメータを設定することで、ずれをなくすことも可能である。また、上記リードタイム相当分を基準在庫日数の一部として取り扱う方法も採用可能である。
1 基準在庫数量算出部
2 在庫バランス計算部
3 生産依頼数量計算部
4 記憶部
41 基準在庫数量記憶部
42 在庫数量記憶部
43 生産依頼数量記憶部
100 生産依頼数決定システム
2 在庫バランス計算部
3 生産依頼数量計算部
4 記憶部
41 基準在庫数量記憶部
42 在庫数量記憶部
43 生産依頼数量記憶部
100 生産依頼数決定システム
Claims (10)
- 所定の時間単位でスケジュールされた出荷計画表と生産計画表を有し、各商品の在庫数量に適った生産依頼数量を提示する生産依頼数提示システムであって、
予め定められた基準在庫時間分、前記出荷計画表に示された出荷数量を加算してゆき、将来の各時点における基準在庫数量と該基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する基準在庫数量算出部と、
基準時点の在庫数量に、前記生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、前記所定の時間単位による在庫変動表を生成する在庫バランス計算部と、
前記在庫変動表における特定の時点の在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れた場合に、該時点の在庫数量が少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジに収まるよう前時点の生産依頼数を計算し提示する生産依頼数量計算部と、を備えること、
を特徴とする生産依頼数決定システム。 - 生産依頼数量計算部は、前記生産依頼数として、前記適正在庫数量の過不足判定レンジから外れた時点の在庫数量が、前記適正在庫数量の過不足判定レンジの中央値との差分を提示すること、
を特徴とする請求項1に記載の生産依頼数決定システム。 - 前記過不足判定レンジの上限値及び下限値も、前記出荷計画表の各時間単位における出荷数量を、予め定められた商品毎の上限在庫日数分及び下限在庫日数分加算して決定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の生産依頼数決定システム。 - 請求項1乃至3いずれか一に記載の生産依頼数決定システムを含んで構成された生産管理システム。
- コンピュータを用いて、各商品の在庫数量に適った生産依頼数量を計算し提示する生産依頼数量決定方法であって、
所定の時間単位でスケジュールされた出荷計画表と、予め定められた基準在庫時間を定めた品番マスタを入力し、予め定められた基準在庫時間分、前記出荷計画表に示された出荷数量を加算してゆき、将来の各時点における基準在庫数量と該基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する工程と、
基準時点の在庫数量に、所定の時間単位でスケジュールされた生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、前記所定の時間単位による在庫変動表を生成する工程と、
前記在庫変動表における在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れたか否かを確認し、該時点の在庫数量が過不足判定レンジから外れている場合に、少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジに収まるよう前時点の生産依頼数を計算し提示する工程と、を含むこと、
を特徴とする生産依頼数量決定方法。 - 前記コンピュータは、前記生産依頼数として、前記適正在庫数量の過不足判定レンジから外れた時点の在庫数量と、前記適正在庫数量の過不足判定レンジの中央値との差分を提示すること、
を特徴とする請求項5に記載の生産依頼数決定方法。 - 前記コンピュータは、前記過不足判定レンジの上限値及び下限値についても、前記出荷計画表の各時間単位における出荷数量を、予め定められた商品毎の上限在庫日数分及び下限在庫日数分加算して決定すること、
を特徴とする請求項5又は6に記載の生産依頼数決定方法。 - コンピュータを用いて、各商品の在庫数量に適った生産依頼数量を計算し提示するための生産依頼数量決定プログラムであって、
所定の時間単位でスケジュールされた出荷計画表と、予め定められた基準在庫時間を定めた品番マスタを入力し、予め定められた基準在庫時間分、前記出荷計画表に示された出荷数量を加算してゆき、将来の各時点における基準在庫数量と該基準在庫数量の過不足判定レンジを決定する処理と、
基準時点の在庫数量に、所定の時間単位でスケジュールされた生産計画表に示された次時点の生産分を加算する処理と、前記出荷計画表に示された次時点の出荷分を減算する処理を繰り返して、前記所定の時間単位による在庫変動表を生成する処理と、
前記在庫変動表における在庫数量が、該当時点の前記基準在庫数量の過不足判定レンジから外れたか否かを確認し、該時点の在庫数量が過不足判定レンジから外れている場合に、少なくとも前記基準在庫数量の過不足判定レンジに収まるよう前時点の生産依頼数を計算し提示する処理と、を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記生産依頼数として、前記適正在庫数量の過不足判定レンジから外れた時点の在庫数量と、前記適正在庫数量の過不足判定レンジの中央値との差分を提示すること、
を特徴とする請求項8に記載のプログラム。 - 前記過不足判定レンジの上限値及び下限値についても、前記出荷計画表の各時間単位における出荷数量を、予め定められた商品毎の上限在庫日数分及び下限在庫日数分加算して決定すること、
を特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
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