JP2006317401A - 免疫凝集阻止反応測定のための免疫反応性凝集剤ならびにそれを用いた測定方法および測定デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 多段階にわたるポリマー材料へのリガンド(エピトープ)の導入を必要とせず、少ない作製工程で簡易に作製でき、かつ立体障害の少ない新規な免疫反応凝集剤を提供し、あわせてこれを用いた測定方法および測定システムを提供する。
【解決手段】 免疫凝集阻止反応原理に基づいて検体中の被検物質を測定するための免疫反応性凝集剤であって、金粒子に対して、エピトープを含むペプチドを、前記ペプチドを構成するシステインの硫黄原子を介して前記金粒子表面に結合させたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 免疫凝集阻止反応原理に基づいて検体中の被検物質を測定するための免疫反応性凝集剤であって、金粒子に対して、エピトープを含むペプチドを、前記ペプチドを構成するシステインの硫黄原子を介して前記金粒子表面に結合させたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主として臨床検査分野において、免疫凝集阻止反応原理に基づいて、検体中の被検物質を測定するために使用される免疫反応性凝集剤、それを用いた測定方法および測定デバイスに関する。
免疫凝集阻止反応原理に基づいて検体中の被検物質を測定する方法では、被検物質と、被検物質に対する抗体と特異的に結合することができる凝集剤とを、抗体に対して競合的に反応させて抗原抗体凝集複合体(以下、凝集物という)を生成させることが行われる。この際、被検物質の濃度が高くなると、測定系内の凝集剤濃度が相対的に高くなるために、凝集反応が支配的になり抗原抗体凝集物が生成される。逆に、被検物質の濃度が低くなると、測定系内の凝集剤濃度が相対的に低くなるために、抗体と被検物質との反応が支配的になり、結果的に凝集剤と抗体との凝集反応が阻止された形になり、抗原抗体凝集物が生成されにくくなる。即ち、被検物質濃度に応じて、抗原抗体凝集物の生成が抑制される。このような凝集物生成の現象は、被検物質に応じた抗原抗体凝集物の大きさの変化を誘引しているので、その大きさの変化を光学量の変化量として把握することによって、被検物質濃度を測定することができる。
前記免疫凝集阻止反応は、被検物質に対する抗体と前記抗体と結合することができる凝集剤とを用意することができれば、基本的には測定原理として適用可能であり、特に、蛋白質より小さい分子量をもつペプチドやホルモン等の測定に効果的である。また、蛋白質であっても、抗体と結合するエピトープ数が1個から数個に限られている場合の測定には効果的である。
前記免疫凝集阻止反応原理を用いた測定例として、代表的なものにヘモグロビンA1c(HbA1c、ヘモグロビン・エーワンシー;糖化蛋白の一種)の測定がある。HbA1cとは、糖尿病患者の1〜3ヶ月間の長期血糖コントロールの目安として有用な検査項目として重要なマーカーとして知られている。HbA1cは、αβ鎖各2量体の計4量体のヘモグロビンのβ鎖アミノ基末端にグルコースが非酵素的に結合したものが、アマドリ転位して生成したフルクトシ化ヘモグロビンである。したがって、HbA1cを免疫学的に免疫凝集阻止原理で測定するためには、β鎖末端フルクトシルアミノ基末端を認識する抗体とβ鎖末端フルクトシルアミノ基末端を含む擬似抗原的な凝集剤とが必要になる。
ここで、本測定原理における重要な要件として、HbA1cのような被検物質が存在しないときに、抗体と凝集剤との反応により生成される抗原抗体凝集物が大きく感度が高いこと、そして、その再現性がよいこと、さらには、被検物質が存在したときの分解能に優れること等、が挙げられる。免疫反応の性能は、基本的には抗体の結合能力によるところが大きいが、本測定原理の場合は、それに加えて、凝集剤の結合価数が重要となってくる。
一般的に、免疫凝集阻止反応のための凝集剤は、ポリマーに対してエピトープを数個結合することによって作製されるが、本測定原理の、感度、再現性、さらには競合性をコントロールするためには、凝集剤の作製においてポリマー当りのエピトープ数を制御する必要があった。
このような課題に対して、これまでに、特許文献1に示されるような製造方法、即ち、制御されたリガンド(本発明でいうエピトープに相当)をポリマー材料に化学的に結合させる方法であって、(a)繰返し官能基を有するポリマー材料を用意し、(b)該ポリマー材料に、(i)前記繰返し官能基に対する反応性を有してそれに対する共有結合を形成し、かつ第2の官能基を有している活性化剤、および(ii)同様に該繰返し官能基に対する反応性を有し、それに対する共有結合を形成するが、該第2の官能基またはいかなる同等の反応性基をも有さないブロッキング材予め定められた比率の混合物の過剰量、を反応させることによって、該ポリマー材料上の繰返し官能基を誘導体化して制御しうる割合の第2の官能基を導入し、(c)制御しうるように導入された第2の官能基を介して、リガンドを該ポリマー材料に結合させる、という過程からなる方法が提案され、同時に、それにより製造された凝集剤を含む測定方法が提案された。
特開平1−155272号公報
しかしながら、上記のようなリガンド(エピトープ)のポリマー材料への導入は、多段階にわたる過程が必要という問題があった。即ち、ポリマーに官能基を導入するための段階、そして、それに対して、活性化剤とブロッキング剤とを所定の比率で加えて反応させる段階、さらに、過剰量のエピトープを反応させて導入する段階等を経る必要がある。これらの各段階には、当然、それぞれの分離精製作業が入るとともに、それぞれの段階ごとに導入率を評価しなければならないため、それらの操作も必要となる。また、この製造方法においては、導入されるエピトープ数はよく制御できるが、導入位置までは制御できず、凝集剤を微小範囲でみると、ポリマーに結合されるエピトープの密度が異なっている可能性があり、実際に作製ロット間差が表われる場合があった。このため、上述のごとき問題なしに簡易に作製できる凝集剤を構築することが強く望まれている。
それ故、本発明の第1の目的は、簡易に作製可能でかつロット間格差の少ない新規な免疫反応性凝集剤を提供することにある。また、第2の目的はこの免疫反応性凝集剤を用いる新規な測定方法を提供することにあり、第3の目的はこの免疫反応性凝集剤を用いる新規な測定システムを提供することにある。
本発明における請求項1の発明は、金粒子に対し、少なくとも1個のシステイン残基(本発明では「システイン」と略称する)を含むペプチドを、前記システインの硫黄原子を介して結合させたことを特徴とする免疫反応性凝集剤に係るものである。そして、請求項2の発明は、前記免疫反応性凝集剤において、前記ペプチドにエピトープを含むことを特徴とするものである。このような本発明の免疫反応性凝集剤は、従来のものに比べ簡易に作製することができ、立体障害が少なく、コストも低下できるという利点を有する。
請求項3の発明は、前記金粒子に結合されるペプチド数および/もしくはエピトープ数が、前記金粒子の粒径によって制御されていることを特徴とする免疫反応性凝集剤である。請求項4の発明は、前記エピトープと前記システインとの間にスペーサーとしてのペプチドが存在することを特徴とする免疫反応性凝集剤である。さらに、請求項5の発明は、前記ペプチドとして、エピトープでないペプチドとエピトープを含むペプチドとを併用し、エピトープでないペプチドに結合するシステインとエピトープを含むペプチドに結合するシステインとの比率を調整することによって、金粒子に結合するエピトープ数が制御されていることを特徴とする免疫反応性凝集剤である。また、請求項6の発明は、前記システインを含むペプチドを縮合してジスルフィド化合物を形成し、前記ジスルフィド化合物を金粒子に作用させることによって作製されたことを特徴とする免疫反応性凝集剤である。
これらの請求項3〜6の発明によれば、金粒子当りのエピトープ数を容易に制御でき、かつ立体障害も少ないので、被検物質や検体に応じて好適な免疫反応性凝集剤とすることができる。
一方、請求項7の発明は、免疫凝集阻止反応原理に基づく測定方法であって、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤と、被検物質とを、抗体に対して競合的に反応させることによって生成される抗原抗体凝集複合体の生成程度を、光学的に検出することによって、被検物質濃度を定量することを特徴とする免疫凝集阻止測定方法である。このような測定方法によれば前記凝集剤を使用して容易にかつ簡便に被検物質濃度を定量することが可能になる。
さらに、請求項8の発明は、免疫凝集阻止反応原理に基づく測定方法を実施するデバイスである。即ち、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤と抗体とを乾燥担持させたデバイスであって、前記デバイスに被検物質を含む液状の検体を導入することにより前記乾燥物を溶解・反応させることで生成される凝集物を光学的に検出することによって被検物質濃度を定量することを特徴とする免疫凝集阻止測定デバイスであり、また、請求項9の発明は、前記デバイスにおいて、前記抗体にポリマーが標識されていることを特徴とするものであって、このデバイスを用いて前記測定方法をより簡便に実施できるようにしたものである。
なお、本発明で言う「金粒子」とは、全体が金(Au)で構成されている粒子に限定されず、表面が金(Au)で構成されている金被覆粒子も本発明で言う「金粒子」の範疇に包含される。これらの金粒子としては、作製の容易性、粒径の制御の容易性の観点から、金コロイドが好適である。金粒子の大きさは、平均粒径にして5〜50nm、特に5〜15nmが好適である。このような小さい粒径の金粒子は、後述する凝集反応が効果的に起りやすく、かつ、粒子当りの必要ペプチドの数が少なくて済むので経済的である等の利点を有する。
一方、「ペプチド」とは、通常、1分子中に複数のアミノ酸残基を含むポリペプチドを意味するが、これを修飾したものでもよく、複数のポリペプチド同士を結合させたものでもよい。本発明では、このようなペプチドとして、分子中に少なくとも1個のシステインを含み、かつエピトープを含むペプチドが使用される。このようなペプチドとしては分子中に5〜20基程度のアミノ酸残基を含むものが適当である。
本発明の免疫反応性凝集剤は、上述のごとく、金粒子をベースとして、これにエピトープを含むペプチドを該ペプチドのC末端側のシステインのチオール基の硫黄原子を介して吸着させたものであるため、該凝集剤を簡易に作製することができる。
また、本発明の免疫反応性凝集剤におけるエピトープ数は、種々の手段で制御することが可能である。例えば、エピトープ数は金粒子の粒径によって制御することができる。一方、金粒子の粒径に依存せずにエピトープ数を制御する場合は、エピトープでないペプチドのC末端側付近システインとエピトープを含むペプチドのC末端側付近システインと金粒子に結合させ、その際の前記両システインの比率を選択・調整することにより、エピトープ数の制御された凝集剤を簡易に得ることができる。
さらに、システインのカルボニル基の作用による単分散性により、粒子状凝集剤を得ることもできる。また、本発明の免疫反応性凝集剤は、立体障害の影響が少なく、抗原抗体反応の効率的な免疫反応性凝集剤となる。
かくして、本発明の免疫反応性凝集剤を用いる測定方法および測定システムによれば、低コストで良好な精度にて検体中における被検物質の定量を簡便に実施することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(凝集剤の第1の実施形態)
本発明の凝集剤の第1の実施形態は、金粒子対して、分子中に少なくとも1つのエピトープ構造(エピトープ領域)を有するペプチドであって、該ペプチドの両末端側のいずれかに金粒子と親和性あるチオール基を持つシステインを有するものを、該システイン中の硫黄原子を介して前記金粒子と反応させることにより作製される微粒子状または該微粒子を含む液状の凝集剤である。このような凝集剤では、エピトープを金粒子表面上に敷き詰めさせることができ、抗体との衝突確率とほぼ同等の確率で抗原抗体反応が起こり、抗原抗体凝集複合体を短時間で生成しやすくなるという利点を有する。
(凝集剤の第1の実施形態)
本発明の凝集剤の第1の実施形態は、金粒子対して、分子中に少なくとも1つのエピトープ構造(エピトープ領域)を有するペプチドであって、該ペプチドの両末端側のいずれかに金粒子と親和性あるチオール基を持つシステインを有するものを、該システイン中の硫黄原子を介して前記金粒子と反応させることにより作製される微粒子状または該微粒子を含む液状の凝集剤である。このような凝集剤では、エピトープを金粒子表面上に敷き詰めさせることができ、抗体との衝突確率とほぼ同等の確率で抗原抗体反応が起こり、抗原抗体凝集複合体を短時間で生成しやすくなるという利点を有する。
前述のように、本発明の第1の実施形態は、エピトープ構造を有するペプチドの1個または複数個を、そのペプチドを構成するシステイン中の硫黄原子を介して金粒子表面と結合させたものであり、このような反応により免疫反応を効果的に行うことができる凝集剤を簡易に作製することができる。
一般的に、硫黄原子は金と結合し易いことが知られており、硫黄原子を介して金に結合させる方法は、固体表面に種々の分子を配向・集積させる方法の一つとして自己組織化単分子膜を構築する場合に利用されており、これを目的として様々なチオール試薬もしくはチオール試薬が縮合したジスルフィド化合物が市販されている。これらは、側鎖のアルキル基の作用により金粒子表面に対して垂直方向に配向される。
一方、エピトープの場合、目的とする抗原抗体反応を行わせるために、エピトープとなるペプチド領域全体を認識するように側面方向から抗体の結合部位と結合させる必要がある。しかしながら、上記に示すように金粒子表面に対して垂直に配向・集積させると、たとえ速度論的にも量的にも抗原抗体反応を行いやすいように多くのエピトープを金粒子に結合させても、立体障害の影響により、実質的には、抗原抗体反応の効率は悪くなる。
したがって、本発明の第1の実施形態では、金粒子に結合させるものは、システインから始まるペプチドを基本としている。あるいは、立体的障害が少ない末端付近にシステインがあるペプチドであってもよい。一般に、ペプチドの場合、アミド結合部分の平面構造性が約40%あるとされており、構造の自由度がやや制限される。そのため、金粒子を高密度に配向・集積させたとしても、ペプチド結合構造の幾何学的な影響で、エピトープの側面は立体的に埋もれることが少なく、抗原抗体反応性が良好に行われ、抗原抗体反応を利用した測定に用いる凝集剤として好適なものとなる。
即ち、本発明において前記金粒子に結合させるペプチドは、N末端側付近もしくはC末端側付近がシステインであって、かつ、ペプチド鎖中に免疫測定において測定対象となる被検物質のエピトープを含むものである。このようなペプチドの具体例としては、エピトープに相当するペプチドに直接システインを結合させたもの、もしくは、エピトープに相当するペプチドにエピトープとは異なる配列のシステインを含むペプチドを結合させたもの等が挙げられる。例えば、被検物質がHbA1cの場合、β鎖N末端のフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysをエピトープとし、これからなるペプチドもしくはこれを含むペプチドを金粒子に結合させてもよく、あるいは、フルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−とCysとの間にスペーサーとして免疫反応に影響を与えないペプチド(好ましくはアミノ酸残基の数が5〜10基のペプチド)を介在させたものを金粒子に結合させてもよい。
本発明の理解を助けるため、図1に、前述のような本発明における第1実施形態の凝集剤を例示する概念図を示す。この凝集剤では、図1に示すように、少なくとも1個のエピトープ領域3を含む複数個のペプチド2が各ペプチドの末端にあるシステイン(Cys)で金粒子1の表面に結合している。図2は、前記凝集剤におけるペプチド2と金粒子1との結合部分の詳細を示す拡大概念図であり、複数個のペプチド2がそれぞれのシステインに含まれる硫黄原子(S)を介して金粒子1の表面に結合している様子を示している。
このような本発明の第1の実施形態では、凝集剤において金粒子と結合するエピトープ数は、金粒子の平均粒径に依存する。即ち、金粒子の平均粒径が大きくなればなるほど、粒子表面積が大きくなるために、表面に配向・集積されるペプチド数が増え、したがってエピトープ数が多くなる。したがって、金粒子の平均粒を調整することによって該金粒子に結合するエピトープの数を制御することが可能である。
すでに金粒子の粒径の制御方法は確立されており、塩化金酸水溶液に対して、様々な種類の還元剤を所定の量で加えることによって、粒径の制御された金粒子を作製することができる。例えば、還元剤の種類や濃度および添加物等を選定することにより粒径を制御することができ、グルタチオンや他のチオール等の存在下で水素化ホウ素ナトリウムを添加することで、粒径2nm〜3nmの金粒子を作製することができる。さらに、沸騰中の塩化金酸溶液にクエン酸を加えることにより粒径10nm以上の金粒子を作製することができ、塩化金酸量に対しクエン酸量を少なくすることにより、粒径を大きくすることもできる。このように、金粒子の粒径の制御により所望のエピトープ数をもった凝集剤を作製することができる。
本発明では、エピトープのコストを考慮すると、金粒子の平均粒径は、前述のように5〜50nm、特に5nm〜15nmの範囲が好ましい。
(凝集剤の第2の実施形態)
本発明を実施する上で、抗体に対するエピトープ間の立体的な障害およびエピトープの金粒子に対する密度は、エピトープとシステインのチオール基との間のペプチド鎖の長さによっても制御することができる。そのペプチド鎖が長くなれば長くなるほど、形成されるエピトープの間隔は、金粒子から遠ざかるために、広くなり、エピトープ数を少なくすることなく、幾何学的に密度を小さくすることができ、立体障害も小さくなる。
(凝集剤の第2の実施形態)
本発明を実施する上で、抗体に対するエピトープ間の立体的な障害およびエピトープの金粒子に対する密度は、エピトープとシステインのチオール基との間のペプチド鎖の長さによっても制御することができる。そのペプチド鎖が長くなれば長くなるほど、形成されるエピトープの間隔は、金粒子から遠ざかるために、広くなり、エピトープ数を少なくすることなく、幾何学的に密度を小さくすることができ、立体障害も小さくなる。
このような第2の実施形態において、上記のごときペプチド鎖の長さが調整されたシステインと反応させる金粒子としては、既に第1の実施形態において説明した金粒子と同様のものが使用可能であり、本発明では、このようなペプチド鎖の長さの調整と既に述べた金粒子の粒径の調整とを併用してエピトープ数を制御することも可能である。
(凝集剤の第3の実施形態)
本発明の凝集剤における別のエピトープ数の制御方法としては、エピトープでないペプチドC末端側付近システインを、エピトープを含むペプチドのC末端側付近システインと所定の比率で金粒子に結合させる方法もある。例えば、HbA1cの場合、β鎖N末端のフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysをエピトープとし、一方で、Thr−Tyr−Cysをエピトープでないペプチドとし、この両者の比率を変えることで金粒子に結合させるエピトープ数を制御することができる。また、この方法は、立体障害を軽減させることもできるという付加的な効果もある。
(凝集剤の第3の実施形態)
本発明の凝集剤における別のエピトープ数の制御方法としては、エピトープでないペプチドC末端側付近システインを、エピトープを含むペプチドのC末端側付近システインと所定の比率で金粒子に結合させる方法もある。例えば、HbA1cの場合、β鎖N末端のフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysをエピトープとし、一方で、Thr−Tyr−Cysをエピトープでないペプチドとし、この両者の比率を変えることで金粒子に結合させるエピトープ数を制御することができる。また、この方法は、立体障害を軽減させることもできるという付加的な効果もある。
このような第3の実施形態においても、上記のごとき複数種のペプチドのシステインと反応させる金粒子として、前述の金粒子と同様のものが使用可能であり、エピトープ数の制御方法として第1の実施形態として述べた金粒子の粒径を調整する方法および/または第2の実施形態として述べたペプチド鎖の長さを調整する方法と併用することができる。
(凝集剤の第4の実施形態)
本発明の凝集剤では、ペプチドのシステイン同士が縮合してジスルフィド化合物となっていてもよい。一般的に、チオール基というのは酸化されやすく、ジスルフィド化合物を生成しやすい。しかし、ジスルフィド化合物であっても、上記のごとく、金粒子に対する硫黄原子の結合親和性により、通常のシステインと同様に利用することができる。
(凝集剤の第4の実施形態)
本発明の凝集剤では、ペプチドのシステイン同士が縮合してジスルフィド化合物となっていてもよい。一般的に、チオール基というのは酸化されやすく、ジスルフィド化合物を生成しやすい。しかし、ジスルフィド化合物であっても、上記のごとく、金粒子に対する硫黄原子の結合親和性により、通常のシステインと同様に利用することができる。
このとき、ジスルフィド化合物(−Cys−Cys−)の両端を、構造式;R1−S−S−R2(ここで、R1,R2は互いに同一または相異なるペプチド鎖を意味し、Sは硫黄原子を示す)で表されるエピトープを含むペプチドとすることでも、本発明の凝集剤を作製することができる。
さらに、前記ジスルフィド系の構造式におけるR1とR2の組合せを選択することによって、所望の機能を有する凝集剤を得ることも可能となる。例えば、前記のR1、R2のいずれか一方のみに乾燥担持状態でエピトープ構造を含むジスルフィド化合物を調製して、これを金粒子に作用させることで、常に、粒子の表面積全体に対して通常のシステインの場合のおよそ半分の量のエピトープを金粒子に結合することができる。さらに、前記のR1およびR2にはエピトープ構造を含まないジスルフィド化合物を調製し、これと前記R1、R2の少なくともいずれかに一方にエピトープ構造を含むジスルフィド化合物とを所定の比率で混合することで、容易に、凝集剤において金粒子当りのエピトープ数を制御することができる。
前記のR1とR2は、ジスルフィド基を通じて架橋された化合物であるため、金粒子に結合される際には、常に金粒子の表面上においてR1とR2とが隣接する。したがって、例えば、前記ジスルフィド化合物におけるR1とR2のペプチド鎖を異なる長さにすることによって、立体障害のない凝集剤を提供することも可能である。また、前記のR1をエピトープとし、R2をエピトープを含まない残基とした場合、R2に電荷や親水性を持たせるような官能基、例えば、スルフォニル基もしくはカルボキシル基等を含ませることにより、安定に液中に分散させ得る凝集剤を提供することもできる。
このようなジスルフィド化合物を金粒子に作用させた第4の実施形態においても、金粒子としては、第1の実施形態における金粒子と同様のものが使用可能であり、金粒子の粒径の調整による制御と併用することができる。さらに、必要に応じ、第2の実施形態および/または第3の実施形態に記載した制御方法と併用してもよい。
(凝集剤の剤型)
本発明の凝集剤の剤型は限定されないが、金コロイド液にエピトープ含有ペプチドを作用させたものは微粒子状の凝集剤を含む液体であり、通常、これを凍結乾燥状態にして使用する。凍結乾燥状態にしたときの形を保つために、糖類を含ませるのが好ましい。
(測定方法および測定デバイス)
上述のごとき本発明の凝集剤を用いる測定方法は、免疫凝集阻止反応原理に基づく方法である。即ち、本発明の測定方法では、前記金粒子に結合されているエピトープを含むペプチドを主体とする凝集剤と被検物質とを、抗体に対して競合的に反応させることによって生成される抗原抗体凝集複合体の生成程度を、光学的に検出することによって、検体中の被検物質濃度を定量する。
(凝集剤の剤型)
本発明の凝集剤の剤型は限定されないが、金コロイド液にエピトープ含有ペプチドを作用させたものは微粒子状の凝集剤を含む液体であり、通常、これを凍結乾燥状態にして使用する。凍結乾燥状態にしたときの形を保つために、糖類を含ませるのが好ましい。
(測定方法および測定デバイス)
上述のごとき本発明の凝集剤を用いる測定方法は、免疫凝集阻止反応原理に基づく方法である。即ち、本発明の測定方法では、前記金粒子に結合されているエピトープを含むペプチドを主体とする凝集剤と被検物質とを、抗体に対して競合的に反応させることによって生成される抗原抗体凝集複合体の生成程度を、光学的に検出することによって、検体中の被検物質濃度を定量する。
なお、本発明の抗原抗体凝集複合体を光学的に検出する方法としては、透過光、散乱光による測定方法等があり、透過光、散乱光のいずれも、凝集生成の大きさの変化に応じて変化するので、それを計測することで、被検物質を定量することができる。
たとえば、HbA1cアッセイの場合、金コロイド粒子のような金粒子にフルクトシル化ペプチドを修飾させた本発明の凝集剤とHbA1cとを、前記HbA1c特有のβ鎖末端のフルクトシル化ペプチドを認識する抗体に対して競合的に反応させ、生成した抗原抗体凝集複合体を透過した光量により測定することができる。
本発明において測定に用いる競合的反応させる抗体としては、凝集剤のエピトープに対して結合するものであり、通常の場合、モノクローナル抗体が好ましい。ここでモノクローナル抗体の性能として示されるエピトープへの結合親和性は、免疫凝集阻止反応による測定域の上限に影響を及ぼすため抗体濃度に考慮する必要がある。即ち、抗体濃度が高くなれば、測定域の上限は高濃度側へほぼ平行シフトする。逆に、抗体濃度が低くなれば、低濃度側へシフトする。一般的に、モノクローナル抗体のエピトープへの結合親和性は、酵素固層免疫アッセイ(ELISA)で評価され、インヒビション(固層抗原に対する遊離抗原の阻害反応)半値で示される。
測定に用いるモノクローナル抗体は、例えばラテックスのようなポリマーに修飾されていてもよい。ポリマー(ラテックス)標識モノクローナル抗体の使用は、結合価数が増大する、抗原を架橋させやすくして凝集を行わせる、等の効果があり、また、ラテックスの排他的空間により局所的に抗原・抗体濃度を挙げて、凝集反応を促進させる効果がある。さらには、抗原抗体凝集複合体を大きくすることができるという効果もある。また、ラテックスの粒径が大きくなると、わずかな抗原量で大きく凝集体を生成させることができることより、高感度測定も可能となる。
ラテックスへの抗体の標識は、一般的に、疎水的な吸着による方法と官能基を利用した化学結合による方法があり、本発明ではいずれの方法により標識したものであってもよい。
本発明による測定系を構築するには、エピトープ濃度と金粒子の粒径とポリマー(ラテックス)標識抗体について、系統的に考えて構築する必要がある。例えば、目標とする測定レンジがあった場合、そのレンジの上限から、測定できる抗体濃度を割り出す。次に、凝集剤により凝集に最適な金粒子濃度を求める。計算的には抗体濃度以下が好ましく、金粒子1個当りのエピトープ数が多くなるほど、金粒子濃度は少なくなる。この場合、金粒子の粒径は、立体障害の関係から、抗体と同じ大きさ付近の粒子径(約12nm)とする。金粒子1個当りのエピトープ数は、プロゾーンでの応答性とレンジにより判断される。これは、競合性を判断する場合、金粒子1個当りのエピトープ数が多いほど凝集しやすく凝集速度も向上するが、逆に、低濃度域では凝集阻止がおこりにくいという影響の程度を判断するためである。一方、目的とする抗原抗体凝集応答性を得るためのラテックス粒子径が決定される。そして、最終的に測定できる濃度になるようにラテックス標識を実施する。
本発明の凝集剤を用いて具体的に測定を行う方法としては、例えば、本発明の凝集剤と抗体とをマイクロプレート、マイクロフュージ等の基体に乾燥担持させたキットを作製し、この上に、被検物質(HbA1c等)を含む検体(血液等)を滴下し、前記乾燥物を溶解・反応させることにより、抗原抗体反応で生成される凝集物を、散乱光を利用して光学的に検出することによって、検体中の被検物質の定量を行う方法を採用することができる。
また、図3に例示するような、デバイスを使用して測定を行うこともできる。即ち、水平方向に回転可能な円盤40上に、検体注入孔41Aを有しかつ内部に本発明の凝集剤を乾燥担持している第1チャンバー41と、該第1チャンバー41と毛細管44にて連通しかつ内部に抗体試薬を乾燥担持している第2チャンバー42と、さらに該第2チャンバー42と毛細管44により連通している第3チャンバー43とを、円盤40の中心から外周方向に向けて順次配設してなる測定デバイス4と光学測定機器(図示せず)とを用いて測定することもできる。この方法では、前記第1チャンバー41に液状の検体を導入し、ここで該検体と本発明の凝集剤をと混合させて液状混合物とした後、この液状混合物を毛細管現象で第2チャンバー42手前まで移送する。次いで、前記円盤40を回転させて遠心力により検体と凝集剤との液状混合物を第2チャンバー42内部へ導入し、第2チャンバー42内で抗体試薬と反応させて凝集体を生成させる。その後、円盤40の回転を止めて、凝集体含有液を毛細管現象により第3チャンバー43手前まで移送し、再度円盤40を回転させて遠心力により凝集体含有液を第3チャンバー43内に導入し、第3チャンバー43内で凝集体含有液の濁度を光学的に計測し、検体中の被検物質を定量する。透過光により濁度を測定するには、例えば円盤40の下方の光源から円盤40の透孔を通して前記第3チャンバー43内に光を投射し、第3チャンバー43を透過した光を円盤40の上方に設置した検出器(図示せず)によって計測する方法などが採用される。
なお、図3では、円盤40の中心からそれぞれ90度の角度を隔てて放射状に計4組の前記デバイスを配置しているが、円盤40上に配置するデバイス数は1組またはそれ以上の任意の組数で適宜選定できる。
前記いずれの測定方法でも、本発明の凝集剤を使用すれば、良好な測定精度で再現性よく測定を行うことが可能である。
前述の説明から明らかな如く、本発明の測定デバイスは、免疫凝集阻止反応原理に基づく測定を実施するためのデバイスであり、前述のとおり本発明の凝集剤と前記抗体とを乾燥担持させたものに液状の検体を導入することにより前記乾燥物を溶解・反応させることにより、生成される凝集物を、光学的に検出することによって、被検物質濃度を定量するようにしたものである。
ここで凝集剤と抗体とを乾燥担持させる基体は、ガラスまたはプラスチック製のマイクロプレート、マイクロフュージ等でもよく、図3に示すような円盤上に配設した各チャンバーでもよい。
また、本発明の凝集剤と前記抗体とは、同じ場所に担持してもよく、図3のように別個のチャンバー内に担持してもよい。
また、本発明の凝集剤と前記抗体とは、同じ場所に担持してもよく、図3のように別個のチャンバー内に担持してもよい。
測定時には、生成される凝集物を、透過光、散乱光等を利用して光学的に検出することによって、検体中に含まれる被検物質の定量を行うことができる。
本発明の測定方法および測定デバイスでは、分子量約100〜約2000を有する抗原を測定する場合に特に効果が顕著である。例えば、薬物、代謝産物、ホルモン、ビタミンおよび同様の有機化合物のようなハプテン、あるいは、測定する上で重要なエピトープを持っているヘモグロビンA1c(HbA1c)のような蛋白質の測定の場合に特に有用であるが、上述した測定原理による他の被検物質の測定にも適用可能である。
また、本発明では、使用するモノクローナル抗体のエピトープを決定して、そのエピトープを有するペプチドを凝集剤として用いてもよい。エピトープ決定方法としては、数種類のペプチドをアレイ上で反応させるペプチドマッピング、あるいは、表面プラズモン共鳴(SPR)による測定方法等を採用することができる。
以下に、本発明の凝集剤、およびそれを使用した免疫凝集反応の実施例を、フルクトシル化ペプチド(該ペプチドの末端アミノ酸はシステインとする)を金コロイド粒子に結合させた凝集剤を例にして、詳細に説明する。ただし、以下の実施例は本発明の具体例を例示するものであって、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
なお、例中に示す%は特に断らない限り重量%を意味する。
(実施例1)
<金粒子の作製>
沸騰中の0.1(重量)%の塩化金酸水溶液200mlに対して1%クエン酸三ナトリウム水溶液4mlを素早く添加した。添加後、反応混合液が紫色を経て赤紫色に変化することを確認した後に、さらに15分間放置した。その後、室温に放置して、自然冷却を行った。こうして、金コロイド懸濁液を得た。懸濁液中の金粒子の粒径については、SEMと動的光散乱分光計により、平均粒径が約12nmであることを確認した。また、懸濁液の吸光度は520nmで0.95であった。ここで、1ml乾燥重量から、金の密度17g/mlを用いて、金重量を計算し、さらに、粒径から1個当りの金重量を算出し、1ml当りのおよその金粒子数を求めた。その結果、金粒子数は約1012個/mlとなった。これは約10-8Mに相当する。
<1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysの金粒子への結合>
前記金コロイド懸濁液1ml(10-11mol)に対して、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysの0.1mg/mlエタノール溶液(分子量734;1.36×10-04M)を1μl(1.36×10-10mol;約10倍量)反応させ、金粒子に1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysを結合させた。さらに、反応混合液内が1%Cys水溶液になるように調整した。その後、透析により、未反応物質を取り除くことにより、本発明の凝集剤(液状)を得た。
次いで、これを凍結乾燥し、形を保つためにこれに5%のスクロースを含ませて粉体状の凝集剤とした。
<本発明の凝集剤を用いた測定>
これらの評価は、ニンヒドリン反応、ならびにもしくはアミノ酸分析、フルクトシルアミン試験(Clin.Chem.Acta 127:87,1987)により行い、さらに、実際に、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−を認識するモノクローナル抗体を用いて、免疫凝集応答性を有することを確認した。
(実施例1)
<金粒子の作製>
沸騰中の0.1(重量)%の塩化金酸水溶液200mlに対して1%クエン酸三ナトリウム水溶液4mlを素早く添加した。添加後、反応混合液が紫色を経て赤紫色に変化することを確認した後に、さらに15分間放置した。その後、室温に放置して、自然冷却を行った。こうして、金コロイド懸濁液を得た。懸濁液中の金粒子の粒径については、SEMと動的光散乱分光計により、平均粒径が約12nmであることを確認した。また、懸濁液の吸光度は520nmで0.95であった。ここで、1ml乾燥重量から、金の密度17g/mlを用いて、金重量を計算し、さらに、粒径から1個当りの金重量を算出し、1ml当りのおよその金粒子数を求めた。その結果、金粒子数は約1012個/mlとなった。これは約10-8Mに相当する。
<1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysの金粒子への結合>
前記金コロイド懸濁液1ml(10-11mol)に対して、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysの0.1mg/mlエタノール溶液(分子量734;1.36×10-04M)を1μl(1.36×10-10mol;約10倍量)反応させ、金粒子に1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−Cysを結合させた。さらに、反応混合液内が1%Cys水溶液になるように調整した。その後、透析により、未反応物質を取り除くことにより、本発明の凝集剤(液状)を得た。
次いで、これを凍結乾燥し、形を保つためにこれに5%のスクロースを含ませて粉体状の凝集剤とした。
<本発明の凝集剤を用いた測定>
これらの評価は、ニンヒドリン反応、ならびにもしくはアミノ酸分析、フルクトシルアミン試験(Clin.Chem.Acta 127:87,1987)により行い、さらに、実際に、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Tyr−を認識するモノクローナル抗体を用いて、免疫凝集応答性を有することを確認した。
そして、前記のように調製した本発明の凝集剤と前記モノクローナル抗体とをマイクロプレート上に乾燥担持させたキットを作製し、この上に、検体としてHbA1cを含む血液を標準試薬を滴下し、前記乾燥物を溶解・反応させることにより、抗原抗体反応で生成される凝集物を、散乱光を利用して光学的に検出することによって、検体血液中のHbA1c量の定量を行った。その結果、良好な測定精度で再現性よく測定を行うことができた。
また、図3に示す円盤上に配設したデバイスを用い、本発明の凝集剤と前記モノクローナル抗体を用い、図3にて説明したような手順で検体血液中のHbA1cを測定した。この場合も、良好な測定精度で再現性よく測定を行うことができた。
本発明は、免疫凝集阻止反応原理に基づいて、薬物、代謝産物、ホルモン、ビタミン、これらと同様の有機化合物のようなハプテン、あるいは、測定する上で重要なエピトープを持っている例えばヘモグロビンA1c(HbA1c)のような蛋白質等の測定において、有効に利用することができる。
1 金粒子
2 ペプチド
3 ペプチドのエピトープ領域
4 測定デバイス
40 回転可能な円盤
41 第1チャンバー
41A 検体注入孔
42 第2チャンバー
43 第3チャンバー
44 各チャンバーを結ぶ毛細管
2 ペプチド
3 ペプチドのエピトープ領域
4 測定デバイス
40 回転可能な円盤
41 第1チャンバー
41A 検体注入孔
42 第2チャンバー
43 第3チャンバー
44 各チャンバーを結ぶ毛細管
Claims (9)
- 金粒子に対し、少なくとも1個のシステインを含むペプチドを、前記システイン中の硫黄原子を介して結合させたことを特徴とする免疫反応性凝集剤。
- 前記ペプチドにエピトープを含むことを特徴とする請求項1に記載の免疫反応性凝集剤。
- 前記金粒子に結合されるペプチド数および/もしくはエピトープ数が、前記金粒子の粒径によって制御されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の免疫反応性凝集剤。
- 前記エピトープと前記システインとの間にスペーサーとしてのペプチドが存在することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の野免疫反応性凝集剤。
- 前記ペプチドとして、エピトープでないペプチドとエピトープを含むペプチドとを併用し、エピトープでないペプチドに結合したシステインとエピトープを含むペプチドに結合したシステインとの比率を調整することによって、金粒子に結合されるエピトープ数が制御されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤。
- 前記システインを含むペプチドを縮合してジスルフィド化合物を形成し、前記ジスルフィド化合物を金粒子に作用させることで作製されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤。
- 免疫凝集阻止反応原理に基づく測定方法であって、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤と、被検物質とを、抗体に対して競合的に反応させることによって生成される抗原抗体凝集複合体の生成程度を、光学的に検出することによって、被検物質濃度を定量することを特徴とする免疫凝集阻止測定方法。
- 免疫凝集阻止反応原理に基づく測定方法を実施するためのデバイスであって、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の免疫反応性凝集剤と抗体とを乾燥担持させたデバイスであり、かつ、前記デバイスに被検物質を含む液状の検体を導入することにより前記乾燥物を溶解・反応させることで生成される凝集物を光学的に検出することによって被検物質濃度を定量するようにしたことを特徴とする免疫凝集阻止測定デバイス。
- 前記抗体にポリマーが標識されていることを特徴とする請求項8に記載の測定デバイス。
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JP2005142849A JP2006317401A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 免疫凝集阻止反応測定のための免疫反応性凝集剤ならびにそれを用いた測定方法および測定デバイス |
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WO2010007857A1 (ja) | 2008-07-14 | 2010-01-21 | アルフレッサファーマ株式会社 | 反応性物質が結合した微小粒子の安定化方法および該微小粒子含有試薬 |
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US8859294B2 (en) | 2010-03-17 | 2014-10-14 | Panasonic Corporation | Method for binding a protein consisting of protein A or consisting of at least one domain of the A to E domains of the protein A to the substrate |
CN111965277A (zh) * | 2020-08-06 | 2020-11-20 | 天津科德通生物科技有限公司 | 一种抗体纯化流出液自动收集装置 |
-
2005
- 2005-05-16 JP JP2005142849A patent/JP2006317401A/ja active Pending
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US9151765B2 (en) | 2007-10-30 | 2015-10-06 | Panasonic Healthcare Holdings Co., Ltd. | Method for producing agglutinating reagent, agglutinating reagent or product produced thereby, and method for measuring analysis object using the same, and test kit and analysis device |
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