JP2006317255A - センサ支持機構、センサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダ - Google Patents

センサ支持機構、センサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダ Download PDF

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Abstract

【課題】 情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくギャップ変動を大幅に減少させることができる変位検出装置用支持機構、センサ支持機構アセンブリ及び変位検出装置、並びに配線部材の応力の影響をより低減できるセンサ支持機構アセンブリ及び変位検出装置を提供する。
【解決手段】 固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、固定部材又は可動部材に固着される固定部と、変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部と、固定部とセンサ固着部との間を連結し互いに折返し方向に伸長する少なくとも3つの1対のばね性アーム部を有する板ばね部材とを備えており、これら少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうちの、一つの方向に伸長する少なくとも1つの1対のばね性アーム部の撓み角と他の方向に伸長する少なくとも2つの1対のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気抵抗効果(MR)素子を備えた磁気エンコーダ等の変位検出装置用の支持機構、支持機構センサアセンブリ及び変位検出装置に関し、特に、カメラ等の回転筒の変位検出に用いられるロータリエンコーダに使用される変位検出装置用支持機構、センサ支持機構アセンブリ及び変位検出装置に関する。
磁気ロータリエンコーダでは、近年、より高精度の回転角制御を行う必要性から、高分解能化及び小型化が進んでいる。このような高分解能化及び小型化が進むにつれて、磁気媒体と磁気センサの検出部との間隔(ギャップ)の影響が大きくなり、これを一定に保つことが要求される。
従って、高分解能化及び小型化を図るためには、磁気媒体と磁気センサとを接触させて摺動させる構造が有利であり、この接触式の摺動構造は最近の多くの磁気エンコーダで採用されている。しかしながら、一般的な平板形状の磁気センサを取付けて接触式の磁気ロータリエンコーダを構成する場合、磁気センサの取付け精度を高くできないことから、磁気センサが磁気媒体の着磁ピッチと垂直の方向へ傾く(磁気センサがピッチングする)可能性がある。このような場合、磁気媒体と磁気センサとがたとえその一部で接触していても、実際の検出部のギャップがばらついてしまい、センサ出力が大きく変動(低下)するという不都合がどうしても生じてしまう。
このような接触式の磁気ロータリエンコーダにおいて、磁気センサが磁気媒体に対して傾くことを防止するために、磁気媒体の変位方向と略平行する揺動中心をもって磁気センサを揺動する構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、磁気センサを支持する加圧ばねとして、撓む腕部分を折返す形に形成することにより、この磁気センサを均一な加圧力で加圧し、磁気媒体に対する磁気センサの傾きを防止する構造が提案されている(例えば、特許文献2)。
さらに、磁気ロータリエンコーダではなく、磁気ディスクドライブにおけるヘッド支持機構において、吊りばねと折返しばねの2枚の構造とすることにより、ディスク面と直交方向へは充分に追従して移動し、ディスクと平行面には実用上充分な硬さを持ち、これによってヘッドの傾きを生じさせることなくディスク面の上下移動に追従可能とするサスペンション構造についても提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2000−205808号公報 特開2003−240603号公報 特開昭62−51020号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている構造は、磁気センサの傾きを防止するためのものではあるものの、加圧点を揺動可能とする必要があるため、その部分の構造が複雑となり、また、板ばねの全長が長くなってしまうこともあって、小型化が難しい。さらに、磁気媒体に対する磁気センサの傾きを加圧によって強制的に調整する構造であることから、かなりの加圧力が要求される。
また、特許文献2に記載されている構造は、加圧ばねが折返し部を有しているため、ばね部分のある程度のコンパクト化は図れるものの、1回折返し構造であることから、そのコンパクト化の効果は充分ではない。さらに、1回折返し構造であるので、姿勢が全く変わらない状態で上下移動するように磁気センサを制御することは難しかった。このため、磁気媒体の位置変動やセンサの取付け位置のばらつき等が生じた場合に、磁気センサのピッチング角が変動し、その検出部の磁気媒体に対するギャップ変動が無視できないほどに大きくなってしまうという問題もあった。特に、加圧ばねの全長が短くなると、ピッチング角の変動に対するギャップ変動がより大きくなるため、この問題は無視できない。
特許文献3に記載されている構造は、磁気ディスクドライブ用であること及び吊りばねと折返しばねの2枚の構造であることから構造自体が複雑であり、しかも、折返しばねを用いてはいるが1回折返し構造であることから、姿勢が全く変わらない状態で上下移動するように磁気センサを制御することは難しかった。
さらに、このような従来の高分解能化及び小型化した磁気エンコーダでは、磁気センサの上下移動に追随してサスペンションが変形した際に、配線部材の応力が磁気センサに印加されてしまうことから、磁気センサの姿勢制御がより難しくなっている。特に、配線部材が短いとその上下動が磁気センサの姿勢制御に与える影響は大きくなる。
従って本発明の目的は、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基くギャップ変動を大幅に減少させることができる変位検出装置用支持機構、センサ支持機構アセンブリ及び変位検出装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、配線部材の応力の影響をより低減できるセンサ支持機構アセンブリ及び変位検出装置を提供することにある。
本発明によれば、固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、固定部材又は可動部材に固着される固定部と、変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部と、固定部とセンサ固着部との間を連結し互いに折返し方向に伸長する少なくとも3つの1対のばね性アーム部を有する板ばね部材とを備えており、これら少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうちの、一つの方向に伸長する少なくとも1つの1対のばね性アーム部の撓み角と他の方向に伸長する少なくとも2つの1対のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている変位検出装置用支持機構が提供される。
互いに折返し方向に伸長する少なくとも3つの1対のばね性アーム部による板ばね部材が固定部とセンサ固着部との間を連結しており、これら少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうちの一つの方向に伸長するものの撓み角と他の方向に伸長するものの撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている。このため、情報媒体の位置変動やセンサの取付け位置変動が生じ、支持機構の固定部と情報媒体との間の距離が変動した場合にも、即ち、センサ固着部に印加される荷重が変動した場合にも、このセンサ固着部は固定部と平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、従ってセンサの姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。そのため、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくセンサの検出部のギャップ変動を著しく減少させることができる。その結果、本発明の支持機構を用いれば、高分解能で安定した動作を行う変位検出装置を得ることが可能となる。
しかも、固定部とセンサ固着部との間を連結する板ばね部材が互いに折返し方向に伸長する少なくとも3つの1対のばね性アーム部で構成されているので、板ばね部材の全長が短くなり、支持機構全体をコンパクトに構成することが可能となるから、変位検出装置のさらなる小型化を図ることができる。
板ばね部材が、固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、1対の第1のばね性アーム部の先端部に連結されており、互いに折返し方向に伸長する少なくとも2つの1対の第2のばね性アーム部とを備えており、最後の1対の第2のばね性アーム部の先端がセンサ固着部に連結されていることが好ましい。
センサ固着部が、板ばね部材の中央部近傍に位置していることも好ましい。
少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうち、固定部に近い側に連結されている1対のばね性アーム部の長さが遠い側に連結されている1対のばね性アーム部の長さより長いことが好ましい。
板ばね部材が、切り込みが設けられた1枚の板ばねで構成されていることも好ましい。
本発明によれば、さらに、固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、固定部材又は可動部材に固着される固定部と、固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、1対の第1のばね性アーム部の先端が接続された第1の折返し部と、第1の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部と、1対の第2のばね性アーム部の先端が接続された第2の折返し部と、第2の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第3のばね性アーム部と、1対の第3のばね性アーム部の先端が接続されており変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部とを備えており、1対の第1のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の撓み角と、1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている変位検出装置用支持機構が提供される。
互いに折返し方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部、1対の第2のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部が固定部とセンサ固着部との間を連結しており、一つの方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の撓み角と他の方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている。このため、情報媒体の位置変動やセンサの取付け位置変動が生じ、支持機構の固定部と情報媒体との間の距離が変動した場合にも、即ち、センサ固着部に印加される荷重が変動した場合にも、このセンサ固着部は固定部と平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、センサの姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。そのため、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくセンサの検出部のギャップ変動を著しく減少させることができる。その結果、本発明の支持機構を用いれば、高分解能で安定した動作を行う変位検出装置を得ることが可能となる。
しかも、固定部とセンサ固着部との間を互いに折返し方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部、1対の第2のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部で連結しているので、支持機構の全長が短くなり支持機構全体をコンパクトに構成することが可能となるから、変位検出装置のさらなる小型化を図ることができる。
センサ固着部が1対の第1のばね性アーム部、1対の第2のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の中央部近傍に位置していることが好ましい。
1対の第1のばね性アーム部が1対の第2のばね性アーム部より長さが長く、1対の第2のばね性アーム部が1対の第3のばね性アーム部より長さが長いことも好ましい。
固定部、1対の第1のばね性アーム部、第1の折返し部、1対の第2のばね性アーム部、第2の折返し部、1対の第3のばね性アーム部及びセンサ固着部が、切り込みが設けられた1枚の板ばねで構成されていることが好ましい。
本発明によれば、さらにまた、以上述べた変位検出装置用支持機構と、この変位検出装置用支持機構のセンサ固着部に固着された変位検出用のセンサと、変位検出装置用支持機構に固着されており、センサの電極端子に電気的に接続されたリード導体を有する可撓性配線部材とを備えたセンサ支持機構アセンブリが提供される。
可撓性配線部材の先端部が変位検出装置用支持機構のセンサ固着部に固着されており、この可撓性配線部材の中間部が変位検出装置用支持機構の固定部に固着されており、この可撓性配線部材は先端部と中間部との間に遊びを有していることが好ましい。このような遊びを設けることにより、配線部材からセンサに印加される応力を大幅に低減できるため、ピッチング角を一定に保つ姿勢制御がより容易となる。
可撓性配線部材の遊びが、固定部の面内方向のコ字状の遊びであることも好ましい。
可撓性配線部材の先端部が変位検出装置用支持機構のセンサ固着部に固着されており、可撓性配線部材の中間部が変位検出装置用支持機構の固定部に固着されており、可撓性配線部材は先端部と中間部との間に幅が狭い狭幅部を有していることも好ましい。このような狭幅部を設けることにより、配線部材からセンサに印加される応力を大幅に低減できるため、ピッチング角を一定に保つ姿勢制御がより容易となる。
可撓性配線部材の中間部が変位検出装置用支持機構の固定部に高さ調整用の台座を介して固着されていることも好ましい。
可撓性配線部材の先端部が変位検出装置用支持機構のセンサ固着部に固着されており、可撓性配線部材の中間部は変位検出装置用支持機構の固定部から離隔していることも好ましい。
センサが、少なくとも1つのMR素子を有する磁気センサであることが好ましい。この場合、少なくとも1つのMR素子が、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子又はトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子であることがより好ましい。
本発明によれば、さらに、固定部材に装着された上述のセンサ支持機構アセンブリと、所定のピッチで情報が記録されておりかつ円筒状の可動部材にその円周方向に沿って取付けられている情報媒体とを備えており、センサ支持機構アセンブリのセンサが、情報媒体に接触した状態で信号検出を行う変位検出装置が提供される。
固定部材が固定筒であり、可動部材が固定筒と同軸に回転する回転筒であることが好ましい。
本発明によれば、情報媒体の位置変動やセンサの取付け位置変動が生じ、支持機構の固定部と情報媒体との間の距離が変動した場合にも、即ち、センサ固着部に印加される荷重が変動した場合にも、このセンサ固着部は固定部と平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、センサの姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。そのため、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくセンサの検出部のギャップ変動を著しく減少させることができる。その結果、本発明の支持機構を用いれば、高分解能で安定した動作を行う変位検出装置を得ることが可能となる。しかも、板ばね部材の全長が短くなり支持機構全体をコンパクトに構成することが可能となるから、変位検出装置のさらなる小型化を図ることができる。
図1は本発明の一実施形態として、磁気ロータリエンコーダの構成を概略的に示す斜視図であり、図2は図1に示した磁気ロータリエンコーダにおけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図であり、図3は図2のセンササスペンションアセンブリを逆方向から見た斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態の磁気ロータリエンコーダ(本発明の変位検出装置に対応する)10は例えばカメラの回転筒11の外周に沿ってその一部に接着剤等で固着されたテープ状の磁気媒体(本発明の情報媒体に対応する)12と、図示しない固定筒にハトメ等で固定されたセンササスペンションアセンブリ(本発明のセンサ支持機構アセンブリに対応する)13とから主として構成されている。
磁気媒体12は、テープ状の樹脂フィルム上に磁性層をコーティングし、この磁性層に所定の着磁ピッチで磁気記録を行ったものである。
センササスペンションアセンブリ13は、この磁気媒体12に磁気センサチップの摺動面が接触して摺動できるように固定筒に取付けられている。
図2及び図3により詳細に示されているように、センササスペンションアセンブリ13は、例えばステンレス板部材等に切り込みを設けることによって1枚の金属板ばね部材から形成されたサスペンション(本発明の支持機構に対応する)14と、先端部15aがサスペンション14の中央部に位置するセンサ固着部14bに固着されておりかつ中間部15bがサスペンション14の固定部14aに固着されており、接続導体を備えたフレクシブルプリント回路(FPC)部材(本発明の可撓性配線部材に対応する)15と、サスペンション14のセンサ固着部14bの位置においてFPC部材15の表面に接着剤等で固着された磁気センサチップ16とを備えている。
サスペンション14は、固定部14aから伸長する1対の第1のばね性アーム部14cと、これら第1のばね性アーム部14cの先端が接続された第1の折返し部14dと、第1の折返し部14dから折返し方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部14eと、これら第2のばね性アーム部14eの先端が接続された第2の折返し部14fと、第2の折返し部14fから折返し方向に伸長する1対の第3のばね性アーム部14gと、これら第3のばね性アーム部14gの先端が接続されたセンサ固着部14bとを備えている。
第1のばね性アーム部14cと第3のばね性アーム部14gとは同じ方向に伸長しており、これに対して第2のばね性アーム部14eは反対方向に伸長している。第1のばね性アーム部14cの長さは第2のばね性アーム部14eの長さより長くなるように、第2のばね性アーム部14eの長さは第3のばね性アーム部14gの長さより長くなるように設定されており、さらに、これら各ばね性アーム部の幅及び厚さは、第1のばね性アーム部14cと第3のばね性アーム部14gの撓み角(撓みによる角度変化)と、第2のばね性アーム部14eの撓み角(撓みによる角度変化)とが互いに打ち消し合うように設定されている。
図4は、本実施形態におけるサスペンション14の具体的な寸法の一例を説明するための図である。
同図に示すように、第1のばね性アーム部14cの長さをL、その幅をb/2、第2のばね性アーム部14eの長さをL、その幅をb/2、第3のばね性アーム部14gの長さをL、その幅をb/2とし、これらばね性アーム部が等しい厚さhを有するとする。
ここで、L=7.7mm、L=7.5mm、L=5.0mm、b=1.6mm、b=1.2mm、b=2.4、h=0.07mmとし、センサ固着部14bの荷重点14hに下側(図5の裏側)からP=5.0gの荷重が印加された場合の第1、第2及び第3のばね性アーム部14c、14e及び14gの撓みδ、δ及びδと、角度変化(ピッチング角度変化)θ、θ及びθとを求める。ただし、これらばね性アーム部はヤング率E=19000kg/mmのステンレス鋼で形成されているとする。また、各ばね性アーム部の断面2次モーメントI、I及びIは、I=b/12、I=b/12及びI=b/12で与えられるとする。
各ばね性アーム部の撓みは、
δ=PL /3EI=4P/bE・(L/h)=0.8756579mm、
δ=PL /3EI=4P/bE・(L/h)=1.078909mm、
δ=PL /3EI=4P/bE・(L/h)=0.1598384mm、
で与えられ、角度変化(ピッチング角度変化)は、
θ=PL /2EI=9.7736774度、
θ=PL /2EI=12.363397度、
θ=PL /2EI=2.7474215度、
で与えられる。
第1、第2及び第3のばね性アーム部14c、14e及び14gによる撓みによる角度変化の打ち消し合いにより、最終的な角度変化(ピッチング角度変化)はθ=θ+θ−θ=0.16度となる。
図5(A)及び(B)は、荷重を変化させた場合の最終的な撓みδ及びこの撓みのよる最終的な角度変化(ピッチング角度変化)θの特性をそれぞれ示している。荷重を2.0〜8.0gの範囲で変化させた場合にも、最終的な角度変化θはたかだか0.25度と非常に小さい。
荷重点14hの荷重を変化させることは、磁気媒体12の位置変動や磁気センサチップ16の取付け位置変動が生じ、サスペンション14の固定部14aと磁気媒体12との間の距離が変動したことに相当するから、本実施形態によれば、ピッチング角度変化が非常に小さく、サスペンション14のセンサ固着部14bは固定部14aと平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、磁気センサチップ16は姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。従って、磁気媒体12の位置変動及び磁気センサチップ16の取付け位置変動に基づく検出部のギャップ変動を著しく減少させることができ、高分解能で安定した動作を行う磁気ロータリエンコーダが提供できる。なお、磁気センサチップ16が、円筒の外周に沿って固着された磁気媒体12に沿って相対的に移動する本実施形態のごとき磁気ロータリエンコーダでは、磁気センサチップ16の円筒周方向の幅が非常に小さいため、この磁気センサチップが磁気媒体12の着磁ピッチ方向へたとえ傾いた(磁気センサチップがローリングした)としても、これによる検出部のギャップ変動は非常に小さいからその影響はほとんど無視できる。
本実施形態によれば、また、サスペンション14の板ばね部が、互いに折返し方向に伸長する第1、第2及び第3のばね性アーム部14c、14e及び14gで構成されているので、板ばね部の全長が短くなり、サスペンション14全体をコンパクトに構成することが可能となるから、磁気ロータリエンコーダのさらなる小型化を図ることができる。
図6は図2に示した磁気センサチップの構造をより詳細に示す斜視図及び分解斜視図である。
本実施形態における磁気センサチップ16は、同図(A)及び(B)に示すように、細長い直方体形状の基板60と、この基板60の表面60a上に積層形成された複数の、この場合2つの、GMR素子又はTMR素子61と、表面60a上に形成されており、GMR素子又はTMR素子61と電極端子62とを電気的に接続するリード導体63及びビアホール導体64と、基板60の表面60a、GMR素子又はTMR素子61及びリード導体63を覆い、ビアホール導体64が内部を貫通する保護膜である絶縁被覆膜65とから主として構成されている。絶縁被覆膜65の表面が摺動面65aを構成しており、この摺動面65aが磁気媒体12(図1)に接触している。電極端子62は絶縁被覆膜65の表面上に形成されている。
絶縁被覆膜65は、単層膜であっても良いが、好ましくは、多層膜であり、より好ましくは、基板側からアルミナ(Al)膜及びダイアモンドライクカーボン(DLC)膜の2層構造であり、最も好ましくは、基板側からAl膜、シリコン(Si)膜及びDLC膜の3層構造である。このような多層膜構造とすることにより、摩擦抵抗を低減化及び摩耗量の減少化を図ることが可能となる。
2つのGMR素子又はTMR素子61は、センササスペンションアセンブリ14の磁気媒体12に対する相対的な移動方向、即ち磁気媒体12の着磁ピッチ方向、と同じ方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。GMR素子又はTMR素子61の各々は、2つの直線部分をU字状に折返した直線ストリップ形状となっている。このように折り返しされているのは、GMR素子又はTMR素子61を高出力化及び高感度化するためである。
基板60は例えばアルティック(Al−TiC)から形成されている。電極端子62、リード導体63及びビアホール導体64は、例えば銅(Cu)等の導電体材料から形成されている。各GMR素子又はTMR素子61は、一般的な多層構造のGMR素子又はTMR素子から形成されている。
本実施形態において、FPC部材15は、樹脂フィルム上に接続導体及び接続パッドをパターニングし、接続導体部分を樹脂層で被覆したものであり、可撓性を有する配線部材である。このFPC部材15は、その先端部15aがサスペンション14のセンサ固着部14bに台座17を介して接着剤等で固着されており、その中間部15bがサスペンション14の固定部14aに台座18を介して接着剤等で固着されており、その他の部分はサスペンション14には固着されておらずフリーとなっている。特に本実施形態において、FPC部材15は、その先端部15aと中間部15bとの間に遊び15cを有している。この遊び15cは、サスペンション14の平面にほぼ平行な横方向の遊びであり、略コ字状となっている。このような遊び15cを設けることにより、FPC部材15の中間部15bをサスペンション14に固着できるので、センササスペンションアセンブリ全体をコンパクトに形成することが可能となる。
なお、FPC部材15の先端部に設けられた接続パッドと、磁気センサチップ16に形成された電極端子とはワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
図7は本実施形態のFPC部材の作用を説明するための側面図であり、同図(A)はサスペンション14の固定部14aと磁気媒体12との間の距離が大きい状態、同図(B)はサスペンション14の固定部14aと磁気媒体12との間の距離が小さい状態、即ち、磁気センサチップ16に大きな荷重が印加されて押し込まれている状態をそれぞれ示している。
FPC部材15は、同図(B)に示すように、磁気センサチップ16が押し込まれている状態において、平面状態となるように構成されている。そのために、中間部15bとサスペンション14の固定部14aとの間に高さ調整が可能な台座18が挿入されている。さらに、先端部15aとサスペンション14のセンサ固着部14bとの間に台座17(図2)が挿入されている。この平面状態では、FPC部材15が外部に与える力が最小となり、サスペンション14の姿勢制御に悪影響を与えることはない。なお、台座17は、場合によっては設けなくとも良い。
磁気媒体12の位置変動や磁気センサチップ16の取付け位置変動が生じ、サスペンション14の固定部14aと磁気媒体12との間の距離が大きくなった場合、サスペンション14の作用により固定部14aとセンサ固着部14bとが平行移動して両者の間隔が大きくなる。しかしながら、この場合は、同図(A)に示すように、FPC部材15のコ字状の遊び15cがねじれ曲げの自由運動を行って応力を吸収するので、FPC部材15からサスペンション14に印加される力は非常に僅かである。その結果、サスペンション14の姿勢制御に悪影響を与えることはない。従って、磁気センサチップ16を姿勢変化させることなく、平行な位置関係を保ちつつ上下移動することが可能となる。
なお、FPC部材をサスペンション14の各ばね性アーム部に沿って形成すれば、FPC部材がサスペンションに与える応力の影響は最小となるが、FPC部材は高価であるため、長い距離を引き回すとセンササスペンションアセンブリの製造コストが著しく高くなり、実用的ではない。
図8は、本発明の他の実施形態におけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態は、FPC部材15′の構造が異なるのみであり、その他の構造は図1の実施形態の場合と全く同様である。従って、図8において、図2と同様の構成要素には同じ参照番号が用いられている。
本実施形態におけるFPC部材15′は、樹脂フィルム上に接続導体及び接続パッドをパターニングし、接続導体部分を樹脂層で被覆したものであり、可撓性を有する配線部材である。このFPC部材15′は、その先端部15a′がサスペンション14のセンサ固着部14bに台座17を介して接着剤等で固着されているが、その他の部分はサスペンション14には固着されておらずフリーとなっている。また、前述の実施形態のごとき遊びも有していない。
なお、FPC部材15′の先端部に設けられた接続パッドと、磁気センサチップ16に形成された電極端子とはワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
本実施形態のごときFPC部材15′によれば、このFPC部材15′からサスペンション14に印加される力を小さくするために、FPC部材の全長が長くする必要があり、図1の実施形態の場合に比して、センササスペンションアセンブリ全体をコンパクトに形成することが難しいが、遊びを設ける必要がないためFPC部材自体の構造は簡単となる。
本実施形態のその他の構成、作用効果は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
図9は、本発明のさらに他の実施形態におけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態は、FPC部材15″の構造が異なるのみであり、その他の構造は図1の実施形態の場合と全く同様である。従って、図9において、図2と同様の構成要素には同じ参照番号が用いられている。
本実施形態におけるFPC部材15″は、樹脂フィルム上に接続導体及び接続パッドをパターニングし、接続導体部分を樹脂層で被覆したものであり、可撓性を有する配線部材である。このFPC部材15″は、その先端部15a″がサスペンション14のセンサ固着部14bに台座17を介して接着剤等で固着されており、その中間部15b″がサスペンション14の固定部14aに台座18を介して接着剤等で固着されており、その他の部分はサスペンション14には固着されておらずフリーとなっている。特に本実施形態において、FPC部材15″は、その先端部15a″と中間部15b″との間の一部に幅が狭い狭幅部15c″を有している。この狭幅部15c″を設けることにより、サスペンション14が変位した場合のFPC部材15″による規制力が小さくなり、しかも、FPC部材15″の中間部15b″をサスペンション14に固着できるので、センササスペンションアセンブリ全体をコンパクトに形成することが可能となる。
なお、FPC部材15″の先端部に設けられた接続パッドと、磁気センサチップ16に形成された電極端子とはワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
本実施形態のその他の構成、作用効果は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
なお、上述の実施形態においては、磁気媒体を可動部材である回転筒に設け、センササスペンションアセンブリを固定部材である固定筒に設けているが、これは逆であっても良い。また、センサとして、磁気センサの他に光学センサ等、種々のセンサを用いても良い。もちろん、本発明は、カメラ以外にも種々の用途を有するものである。また、上述の実施形態においては、情報媒体として磁気媒体を用いているが、参照位置情報を記録しておく磁気媒体以外のいかなる種類の媒体を用いても良いことは明らかである。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の一実施形態として、磁気ロータリエンコーダの構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示した磁気ロータリエンコーダにおけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。 図2のセンササスペンションアセンブリを逆方向から見た斜視図である。 図2に示したサスペンションの具体的な寸法の一例を説明するための図である。 荷重を変化させた場合の最終的な撓みδ及び最終的な角度変化θの特性図である。 図2に示した磁気センサチップの構造をより詳細に示す斜視図及び分解斜視図である。 図2に示したFPC部材の作用を説明するための側面図である。 本発明の他の実施形態におけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態におけるセンササスペンションアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。
符号の説明
10 磁気ロータリエンコーダ
11 回転筒
12 磁気媒体
13 センササスペンションアセンブリ
14 サスペンション
14a 固定部
14b センサ固着部
14c 第1のばね性アーム部
14d 第1の折返し部
14e 第2のばね性アーム部
14f 第2の折返し部
14g 第3のばね性アーム部
14h 荷重点
15、15′、15″ FPC部材
15a、15a′、15a″ 先端部
15b、15b″ 中間部
15c 遊び
15c″ 狭幅部
16 磁気センサチップ
17、18 台座
60 基板
60a 表面
61 GMR素子又はTMR素子
62 電極端子
63 リード導体
64 ビアホール導体
65 絶縁被覆膜
65a 摺動面
本発明によれば、固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、固定部材又は可動部材に固着される固定部と、固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、1対の第1のばね性アーム部の先端が接続された第1の折返し部と、第1の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部と、1対の第2のばね性アーム部の先端が接続された第2の折返し部と、第2の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第3のばね性アーム部と、1対の第3のばね性アーム部の先端が接続されており変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部とを備えており、1対の第1のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の撓み角と、1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されており、固定部、1対の第1のばね性アーム部、第1の折返し部、1対の第2のばね性アーム部、第2の折返し部、1対の第3のばね性アーム部及びセンサ固着部が単一の部材で形成されている変位検出装置用支持機構が提供される。
本発明は、磁気抵抗効果(MR)素子を備えた磁気エンコーダ等のロータリエンコーダにおけるセンサ支持機構、センサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダに関し、特に、カメラ等の回転筒の変位検出に用いられるロータリエンコーダに使用されるセンサ支持機構、センサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダに関する。
従って本発明の目的は、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基くギャップ変動を大幅に減少させることができるセンサ支持機構、センサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダを提供することにある。
本発明の他の目的は、配線部材の応力の影響をより低減できるセンサ支持機構アセンブリ及びロータリエンコーダを提供することにある。
本発明によれば、固定筒に対して同軸に回転する回転筒の相対的な変位を円筒表面で検出するロータリエンコーダにおけるセンサ支持機構であって、固定筒又は回転筒に固着される固定部と、固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、1対の第1のばね性アーム部の先端が接続された第1の折返し部と、第1の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部と、1対の第2のばね性アーム部の先端が接続された第2の折返し部と、第2の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第3のばね性アーム部と、1対の第3のばね性アーム部の先端が接続されており変位検出用のセンサが固着されるばね性を有するセンサ固着部とを備えており、1対の第1のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の撓み角と、1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されており、固定部、1対の第1のばね性アーム部、第1の折返し部、1対の第2のばね性アーム部、第2の折返し部、1対の第3のばね性アーム部及びセンサ固着部がばね性を有する単一の部材で形成されているセンサ支持機構が提供される。
互いに折返し方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部、1対の第2のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部が固定部とセンサ固着部との間を連結しており、一つの方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部の撓み角と他の方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されている。このため、情報媒体の位置変動やセンサの取付け位置変動が生じ、支持機構の固定部と情報媒体との間の距離が変動した場合にも、即ち、センサ固着部に印加される荷重が変動した場合にも、このセンサ固着部は固定部と平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、センサの姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。そのため、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくセンサの検出部のギャップ変動を著しく減少させることができる。その結果、本発明の支持機構を用いれば、高分解能で安定した動作を行うロータリエンコーダを得ることが可能となる。
しかも、固定部とセンサ固着部との間を互いに折返し方向に伸長する1対の第1のばね性アーム部、1対の第2のばね性アーム部及び1対の第3のばね性アーム部で連結しているので、支持機構の全長が短くなり支持機構全体をコンパクトに構成することが可能となるから、ロータリエンコーダのさらなる小型化を図ることができる。
本発明によれば、さらにまた、以上述べたセンサ支持機構と、このセンサ支持機構のセンサ固着部に固着された変位検出用のセンサと、センサ支持機構に固着されており、センサの電極端子に電気的に接続されたリード導体を有する可撓性配線部材とを備えたセンサ支持機構アセンブリが提供される。
可撓性配線部材の先端部がセンサ支持機構のセンサ固着部に固着されており、この可撓性配線部材の中間部がセンサ支持機構の固定部に固着されており、この可撓性配線部材は先端部と中間部との間に遊びを有していることが好ましい。このような遊びを設けることにより、配線部材からセンサに印加される応力を大幅に低減できるため、ピッチング角を一定に保つ姿勢制御がより容易となる。
可撓性配線部材の先端部がセンサ支持機構のセンサ固着部に固着されており、可撓性配線部材の中間部がセンサ支持機構の固定部に固着されており、可撓性配線部材は先端部と中間部との間に幅が狭い狭幅部を有していることも好ましい。このような狭幅部を設けることにより、配線部材からセンサに印加される応力を大幅に低減できるため、ピッチング角を一定に保つ姿勢制御がより容易となる。
可撓性配線部材の中間部がセンサ支持機構の固定部に高さ調整用の台座を介して固着されていることも好ましい。
可撓性配線部材の先端部がセンサ支持機構のセンサ固着部に固着されており、可撓性配線部材の中間部はセンサ支持機構の固定部から離隔していることも好ましい。
本発明によれば、さらに、固定筒に装着された上述のセンサ支持機構アセンブリと、所定のピッチで情報が記録されておりかつ回転筒にその円周方向に沿って取付けられている情報媒体とを備えており、センサ支持機構アセンブリのセンサが、情報媒体に接触した状態で信号検出を行うロータリエンコーダが提供される。
本発明によれば、情報媒体の位置変動やセンサの取付け位置変動が生じ、支持機構の固定部と情報媒体との間の距離が変動した場合にも、即ち、センサ固着部に印加される荷重が変動した場合にも、このセンサ固着部は固定部と平行な位置関係を保ちつつ上下移動し、センサの姿勢が、特にピッチング角度方向にほとんど変化しない。そのため、情報媒体の位置変動及びセンサの取付け位置変動に基づくセンサの検出部のギャップ変動を著しく減少させることができる。その結果、本発明の支持機構を用いれば、高分解能で安定した動作を行う変位検出装置を得ることが可能となる。しかも、板ばね部材の全長が短くなり支持機構全体をコンパクトに構成することが可能となるから、ロータリエンコーダのさらなる小型化を図ることができる。
これらの図に示すように、本実施形態の磁気ロータリエンコーダ10は例えばカメラの回転筒11の外周に沿ってその一部に接着剤等で固着されたテープ状の磁気媒体(本発明の情報媒体に対応する)12と、図示しない固定筒にハトメ等で固定されたセンササスペンションアセンブリ(本発明のセンサ支持機構アセンブリに対応する)13とから主として構成されている。
ここで、L=7.7mm、L=7.5mm、L=5.0mm、b=1.6mm、b=1.2mm、b=2.4mm、h=0.07mmとし、センサ固着部14bの荷重点14hに下側(図の裏側)からP=5.0gの荷重が印加された場合の第1、第2及び第3のばね性アーム部14c、14e及び14gの撓みδ、δ及びδと、角度変化(ピッチング角度変化)θ、θ及びθとを求める。ただし、これらばね性アーム部はヤング率E=19000kg/mmのステンレス鋼で形成されているとする。また、各ばね性アーム部の断面2次モーメントI、I及びIは、I=b/12、I=b/12及びI=b/12で与えられるとする。
2つのGMR素子又はTMR素子61は、センササスペンションアセンブリ13の磁気媒体12に対する相対的な移動方向、即ち磁気媒体12の着磁ピッチ方向、と同じ方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。GMR素子又はTMR素子61の各々は、2つの直線部分をU字状に折返した直線ストリップ形状となっている。このように折り返しされているのは、GMR素子又はTMR素子61を高出力化及び高感度化するためである。
本実施形態のごときFPC部材15′によれば、このFPC部材15′からサスペンション14に印加される力を小さくするために、FPC部材の全長長くする必要があり、図1の実施形態の場合に比して、センササスペンションアセンブリ全体をコンパクトに形成することが難しいが、遊びを設ける必要がないためFPC部材自体の構造は簡単となる。

Claims (19)

  1. 固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、前記固定部材又は前記可動部材に固着される固定部と、変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部と、前記固定部と前記センサ固着部との間を連結し互いに折返し方向に伸長する少なくとも3つの1対のばね性アーム部を有する板ばね部材とを備えており、前記少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうちの、一つの方向に伸長する少なくとも1つの1対のばね性アーム部の撓み角と他の方向に伸長する少なくとも2つの1対のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されていることを特徴とする変位検出装置用支持機構。
  2. 前記板ばね部材が、前記固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、該1対の第1のばね性アーム部の先端部に連結されており、互いに折返し方向に伸長する少なくとも2つの1対の第2のばね性アーム部とを備えており、最後の該1対の第2のばね性アーム部の先端が前記センサ固着部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の変位検出装置用支持機構。
  3. 前記センサ固着部が、前記板ばね部材の中央部近傍に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の変位検出装置用支持機構。
  4. 前記少なくとも3つの1対のばね性アーム部のうち、前記固定部に近い側に連結されている1対のばね性アーム部の長さが遠い側に連結されている1対のばね性アーム部の長さより長いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の変位検出装置用支持機構。
  5. 前記板ばね部材が、切り込みが設けられた1枚の板ばねで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の変位検出装置用支持機構。
  6. 固定部材に対する可動部材の相対的な変位を検出する変位検出装置用の支持機構であって、前記固定部材又は前記可動部材に固着される固定部と、該固定部から伸長する1対の第1のばね性アーム部と、該1対の第1のばね性アーム部の先端が接続された第1の折返し部と、該第1の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第2のばね性アーム部と、該1対の第2のばね性アーム部の先端が接続された第2の折返し部と、該第2の折返し部から折返し方向に伸長する1対の第3のばね性アーム部と、該1対の第3のばね性アーム部の先端が接続されており変位検出用のセンサが固着されるセンサ固着部とを備えており、前記1対の第1のばね性アーム部及び前記1対の第3のばね性アーム部の撓み角と、前記1対の第2のばね性アーム部の撓み角とが互いに打ち消し合うように構成されていることを特徴とする変位検出装置用支持機構。
  7. 前記センサ固着部が前記1対の第1のばね性アーム部、前記1対の第2のばね性アーム部及び前記1対の第3のばね性アーム部の中央部近傍に位置していることを特徴とする請求項6に記載の変位検出装置用支持機構。
  8. 前記1対の第1のばね性アーム部が前記1対の第2のばね性アーム部より長さが長く、前記1対の第2のばね性アーム部が前記1対の第3のばね性アーム部より長さが長いことを特徴とする請求項6又は7に記載の変位検出装置用支持機構。
  9. 前記固定部、前記1対の第1のばね性アーム部、前記第1の折返し部、前記1対の第2のばね性アーム部、前記第2の折返し部、前記1対の第3のばね性アーム部及び前記センサ固着部が、切り込みが設けられた1枚の板ばねで構成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の変位検出装置用支持機構。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の変位検出装置用支持機構と、該変位検出装置用支持機構の前記センサ固着部に固着された変位検出用のセンサと、前記変位検出装置用支持機構に固着されており、前記センサの電極端子に電気的に接続されたリード導体を有する可撓性配線部材とを備えたことを特徴とするセンサ支持機構アセンブリ。
  11. 前記可撓性配線部材の先端部が前記変位検出装置用支持機構の前記センサ固着部に固着されており、該可撓性配線部材の中間部が前記変位検出装置用支持機構の前記固定部に固着されており、該可撓性配線部材は前記先端部と前記中間部との間に遊びを有していることを特徴とする請求項10に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  12. 前記可撓性配線部材の前記遊びが、前記固定部の面内方向のコ字状の遊びであることを特徴とする請求項11に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  13. 前記可撓性配線部材の先端部が前記変位検出装置用支持機構の前記センサ固着部に固着されており、該可撓性配線部材の中間部が前記変位検出装置用支持機構の前記固定部に固着されており、該可撓性配線部材は前記先端部と前記中間部との間に幅が狭い狭幅部を有していることを特徴とする請求項10に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  14. 前記可撓性配線部材の前記中間部が前記変位検出装置用支持機構の前記固定部に高さ調整用の台座を介して固着されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  15. 前記可撓性配線部材の先端部が前記変位検出装置用支持機構の前記センサ固着部に固着されており、該可撓性配線部材の中間部は前記変位検出装置用支持機構の前記固定部から離隔していることを特徴とする請求項10に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  16. 前記センサが、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を有する磁気センサであることを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  17. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子が、巨大磁気抵抗効果素子又はトンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項16に記載のセンサ支持機構アセンブリ。
  18. 前記固定部材に装着された請求項10から17のいずれか1項に記載のセンサ支持機構アセンブリと、所定のピッチで情報が記録されておりかつ円筒状の前記可動部材にその円周方向に沿って取付けられている情報媒体とを備えており、前記センサ支持機構アセンブリの前記センサが、該情報媒体に接触した状態で信号検出を行うことを特徴とする変位検出装置。
  19. 前記固定部材が固定筒であり、前記可動部材が該固定筒と同軸に回転する回転筒であることを特徴とする請求項18に記載の変位検出装置。
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