JP2006316180A - 耐火塗料 - Google Patents

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JP2006316180A JP2005140725A JP2005140725A JP2006316180A JP 2006316180 A JP2006316180 A JP 2006316180A JP 2005140725 A JP2005140725 A JP 2005140725A JP 2005140725 A JP2005140725 A JP 2005140725A JP 2006316180 A JP2006316180 A JP 2006316180A
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Takeshi Masuda
武 増田
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Abstract

【課題】 耐水性および耐光性に優れ、且つ発泡性の良好な耐火塗料を提供する
【解決手段】 (A)水性樹脂、(B)1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物、ジアリールアミノホスフェート化合物、アリールジアミノホスフェート化合物又はトリアミノホスフェート化合物から選ばれる少なくとも1種のリン酸エステルアミド化合物、(C)発泡剤、及び(D)多糖類及び/又は多価アルコール類を含有する耐火塗料。

【選択図】 なし

Description

本発明は、火災発生時に発泡して炭化層を形成し、火災の延焼を防止することができる耐火塗料に関するものである。
木材、合成樹脂等の基材を火災から保護する目的として、火災時の炎に晒されて加熱されると基材に塗布された塗膜が発泡して炭化層となり、この炭化層の断熱性により基材を火災から保護する耐火塗料が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、多価アルコール、リン系の難燃性発泡剤としてポリリン酸アンモニウム、合成樹脂を主成分とする耐火塗料が提案されている。
しかしながらポリリン酸アンモニウムは、化学構造上非常に加水分解を受け易く、このため、かかるポリリン酸アンモニウムを塗料に添加した場合、ポリリン酸アンモニウムの吸湿性、水溶性、加水分解性に起因して、梅雨時等の高温高湿度条件下では塗膜の表面にポリリン酸アンモニウムがブリードするといった現象が発生する。また、ポリリン酸アンモニウムは耐光性に乏しいので、塗膜が徐々に黄変し外観が損なわれるという難点があった。
特開2001−106982号公報
本発明は、前記の問題点を解消するためになされたもので、耐水性および耐光性に優れ、且つ発泡性の良好な耐火塗料を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、耐火発泡層を形成する発泡剤、難燃剤として発泡を促進するリン酸エステルアミド化合物、炭化層となる多糖類及び又は多価アルコール類を配合することにより、所期の目的を達成することを見出し、本発明を完遂するに至った。
即ち、本発明は、(A)水性樹脂、(B)化1の一般式で示される1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物、化2の一般式で示されるジアリールアミノホスフェート化合物、化3の一般式で示されるアリールジアミノホスフェート化合物又は化4の一般式で示されるトリアミノホスフェート化合物から選ばれる少なくとも1種のリン酸エステルアミド化合物、(C)発泡剤及び(D)多糖類及び/又は多価アルコール類を含有することを特徴とする耐火塗料である。
Figure 2006316180
(式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を示す。)
Figure 2006316180
(式中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR及びRは相互に結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2006316180
(式中、Arはアリール基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はRとRは相互に結合して環を形成していてもよく、また、RとRは相互に結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2006316180
(式中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR及びRは相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
本発明の耐火塗料によれば、屋内内装面の壁面、天井等の基材の表面に耐水性および耐光性に優れた塗膜を形成することができ、且つ火災時には該塗膜が発泡し炭化層を形成して火災の延焼を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の耐火塗料は、(A)水性樹脂、(B)前記化1の一般式で示される1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物、前記化2の一般式で示されるジアリールアミノホスフェート化合物、前記化3の一般式で示されるアリールジアミノホスフェート化合物又は前記化4の一般式で示されるトリアミノホスフェート化合物から選ばれる少なくとも1種のリン酸エステルアミド化合物、(C)発泡剤及び(D)多糖類及び/又は多価アルコール類を主成分として含有する耐火塗料である。
本発明の実施において使用される(A)水性樹脂は、塗膜形成成分であり、さらに下地との接着機能を有するものである。このような水性樹脂としては、通常知られている樹脂を用いることができる。例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルション、アクリル酸エステル系樹脂エマルション、エチレン系樹脂エマルション等の合成樹脂エマルションや水溶性アクリル樹脂、水性アルキッド樹脂等が挙げられる。
本発明の実施において使用される(B)前記化1〜化4の一般式で示されるリン酸エステルアミド化合物は、約250℃以上の熱を受けた際に、耐火塗膜成分中の有機物を脱水する脱水触媒として作用して不燃性のアンモニアガスの発生と、HOの脱離により火災の消火効果を発揮する成分であり、この成分は、さらに炭化物の生成を促進して塗膜の燃焼を抑制する。また、同時に、自らも防火性の無機質リン酸膜を形成し、耐火塗膜の耐火性を高める作用をする難燃成分である。
また、これらのリン酸エステルアミド化合物は、耐加水分解性に優れ、且つ紫外線による分解を受け難いので、難燃剤として塗料に添加した場合には、塗膜の耐水性と耐光性を高めることができる。
なお、塗料に添加した場合の分散性を高めるために、湿式粉砕等によりリン酸エステルアミド化合物の平均粒径を0.1〜2.0μmとすることが好ましい。
本発明の実施において使用される化1の一般式(I)で示されるリン酸エステルアミド化合物は、1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物である。
一般式(I)において、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基である。このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、なかでも、フェニル基が好ましい。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。このような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。
1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物の好ましい具体例として、1,4−ピペラジンジイルビス(ジフェニルホスフェート)を挙げることができる。
この化合物は、例えば特開平10−175985号公報に記載されているように、溶剤中、アミン触媒の存在下にピペラジンにジフェニルホスホロクロリデートを反応させることによって得ることができる。
本発明の実施において使用される化2の一般式(II)で示されるリン酸エステルアミド化合物は、ジアリールアミノホスフェート化合物である。
一般式(II)において、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基である。このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、なかでも、フェニル基が好ましい。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。
前記一般式(II)において、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR1及びR2は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。
前記一般式(II)において、前記低級アルキル基は、好ましくは、炭素原子数1から4のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル又はブチル基である。炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基等を例示することができるが、好ましくは、シクロヘキシル基である。アリール基は、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基であり、このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、なかでも、フェニル基が好ましい。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。また、アラルキル基は、好ましくは、ベンジル又はフェネチル基であり、これらはそのフェニル基上に炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。
更に、前記一般式(II)において、R1及びR2は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、通常、6員環であることが好ましく、従って、そのような6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ基等を挙げることができる。
従って、ジアリールアミノホスフェート化合物の好ましい具体例として、例えば、アミノジフェニルホスフェート、メチルアミノジフェニルホスフェート、ジメチルアミノジフェニルホスフェート、エチルアミノジフェニルホスフェート、ジエチルアミノジフェニルホスフェート、プロピルアミノジフェニルホスフェート、ジプロピルアミノジフェニルホスフェート、オクチルアミノジフェニルホスフェート、ジフェニルウンデシルアミノホスフェート、シクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、ジシクロヘキシルアミノジフェニルホスフェート、アリルアミノジフェニルホスフェート、アニリノジフェニルホスフェート、ジ−o−クレジルフェニルアミノホスフェート、ジフェニル(メチルフェニルアミノ)ホスフェート、ジフェニル(エチルフェニルアミノ)ホスフェート、ベンジルアミノジフェニルホスフェート、モルホリノジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
このようなジアリ−ルアミノホスフェ−ト化合物は、特開2000−154277号公報に記載されているように、有機溶剤中、アミン触媒の存在下にジアリールホスホロクロリデートに有機アミン化合物を反応させることによって得ることができる。
特に、本発明によれば、一般式(II)で表されるリン酸アミドにおいて、Ar1及びAr2は好ましくはフェニル又はトリル基であり、R1及びR2は一方が水素原子であり、他方がフェニル又はシクロヘキシル基であるものである。このようなリン酸アミドとして、例えば、アニリノジフェニルホスフェート、ジ−o−クレジルフェニルアミノホスフェート又はシクロヘキシルアミノジフェニルホスフェートを挙げることができる。
本発明の実施において使用される化3の一般式(III)で示されるリン酸エステルアミド化合物は、アリールジアミノホスフェート化合物である。
前記一般式(III)において、Ar1はアリール基であり、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基である。このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、なかでも、フェニル基が好ましい。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。
前記一般式(III)において、R1、R2、R3
及びR4はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR1とR2は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成してもよく、また、R3とR4も同様に、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成してもよい。
前記一般式(III)において、前記低級アルキル基は、好ましくは、炭素原子数1から4のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル又はブチル基である。炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基等を例示することができるが、好ましくは、シクロヘキシル基である。アリール基は、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基であり、このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、好ましくは、フェニル基である。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。また、アラルキル基は、好ましくは、ベンジル又はフェネチル基であり、これらはそのフェニル基上に炭素原子数1から4の低級アルキル基を有していてもよい。
更に、前記一般式(III)において、R1とR2は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、通常、6員環であることが好ましく、従って、そのような6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、
モルホリノ基等を挙げることができる。同様に、R3とR4も、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、通常、6員環であることが好ましく、従って、そのような6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ基等を挙げることができる。R1とR2の組合わせとR3とR4の組合わせのうち、一方のみが環を形成していてもよく、両方共が環を形成していてもよい。
従って、アリールジアミノホスフェ−ト化合物の好ましい具体例として、例えば、ジアミノフェニルホスフェート、アミノメチルアミノフェニルホスフェート、ビス(メチルアミノ)フェニルホスフェート、アミノエチルアミノフェニルホスフェート、ビス(エチルアミノ)フエニルホスフェート、アミノプロピルアミノフェニルホスフェート、ビス(プロピルアミノ)フェニルホスフェート、アミノオクチルアミノフェニルホスフェート、アミノウンデシルアミノフェニルホスフェート、アミノシクロヘキシルアミノフェニルホスフェート、ビスシクロヘキシルアミノフェニルホスフェート、ビスアリルアミノフェニルホスフェート、アミノアニリノフェニルホスフェート、ジアニリノフェニルホスフェート、アニリノメチルアミノフェニルホスフェート、エチルアミノフェニルアミノフェニルホスフェート、ビスベンジルアミノフェニルホスフェート、ジモルホリノフェニルホスフェート等を挙げることができる。
このようなアリールジアミノホスフェ−ト化合物は、特開2000−154277号公報に記載されているように、有機溶剤中、アミン触媒の存在下にアリールホスホロジクロリデートに有機アミン化合物を反応させることによって得ることができる。
特に、本発明によれば、一般式(III)で表されるアリールジアミノホスフェ−ト化合物のうち、Ar1がフェニル基であり、R1とR2のうち、一方が水素原子であり、他方がフェニル又はシクロヘキシル基であるものが好ましく用いられる。そのようなリン酸アミドの具体例として、ビスシクロヘキシルアミノフェニルホスフェートやジアニリノフェニルホスフェートを挙げることができる。
本発明の実施において使用される化4の一般式(IV)で示されるリン酸エステルアミド化合物は、トリアミノホスフェート化合物である。
前記一般式(IV)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR1
及びR2 は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、また、R3とR4も、同様に、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよく、更に、R5とR6も、同様に、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。
前記一般式(IV)において、前記低級アルキル基は、好ましくは、炭素原子数1から4のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル又はブチル基である。炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基等を例示することができるが、好ましくは、シクロヘキシル基である。アリール基は、好ましくは、炭素原子数6〜18のアリール基であり、このようなアリール基として、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等を挙げることができ、好ましくは、フェニル基である。これらのアリール基は、炭素原子数1から4の低級アルキル基を1個以上、好ましくは、1〜3個の範囲で有していてもよい。そのような低級アルキル基を有するアリール基として、例えば、トリル、キシリル、メチルナフチル基等を挙げることができる。また、アラルキル基は、好ましくは、ベンジル又はフェネチル基であり、これらはそのフェニル基上に炭素原子数1から4の低級アルキル基を有していてもよい。
更に、前記一般式(IV)において、R1とR2は相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。この場合、環は、通常、6員環であることが好ましく、従って、そのような6員環として、例えば、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ基等を挙げることができる。同様に、R3とR4も、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。更に、同様に、R5とR6も、同様に、相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。R1
とR2 の組合わせとR3とR4の組合わせとR5とR6の組合わせのうち、いずれかの組合わせのみが環を形成していてもよく、いずれかの二つの組合わせが環を形成していてもよく、すべての組合わせが環を形成していてもよい。
従って、トリアミノホスフェート化合物の好ましい具体例として、例えば、トリアミノホスフェート、ジアミノメチルアミノホスフェート、ビス(メチルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノエチルアミノホスフェート、ビス(エチルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノプロピルアミノホスフェート、ビス(プロピルアミノ)アミノホスフェート、ジアミノオクチルアミノホスフェート、ジアミノウンデシルアミノホスフェート、ジアミノシクロヘキシルアミノホスフェート、トリシクロヘキシルアミノホスフェート、アミノビスアリルアミノホスフェート、ジアミノアニリノホスフェート、トリアニリノホスフェート、ビスアニリノメチルアミノホスフェート、ビスアニリノエチルアミノホスフェート、トリベンジルアミノホスフェート、トリピペリジノホスフェート等を挙げることができる。
このようなトリアミノホスフェート化合物は、特開昭49−53241号公報に記載されているように、有機溶剤中、オキシ塩化リンに有機アミン化合物を反応させることによって得ることができる。
特に、本発明によれぱ、一般式(IV)で表されるトリアミノホスフェート化合物のうち、R1とR2のうち、一方が水素原子であり、他方がフェニル又はシクロヘキシル基であるものが好ましく用いられる。そのようなリン酸アミドの具体例として、トリシクロヘキシルアミノホスフェートやトリアニリノホスフェートを挙げることができる。
本発明の実施において使用される(C)発泡剤としては、加熱された際に窒素やアンモニア等の不燃性ガスを発生し得るものであれば、種々のものを用いることができるが、具体的には、例えば、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、グアニジン及びスルファミン酸グアニジン、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミンなどの窒素含有化合物を挙げることができる。この(C)成分は、耐火塗膜の燃焼により生成した炭化物をより一層膨張させることができ、これにより耐火塗膜の断熱性をより高める。
本発明の実施において使用される(D)多糖類及び/又は多価アルコール類は、前記の発泡剤の発泡中に熱によって炭化して、気泡を内部に含む多孔質の炭化層を形成する成分である。例えば、グルコース、蔗糖などの多糖類、及びモノペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、トリエチレングリコール、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、イノシトールなどの多価アルコール類を挙げることができる。
本発明の耐火塗料に含有する前記(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の配合割合は、重量比で(A):(B):(C):(D)=100:70〜400:20〜160:20〜160であり、好ましくは(A):(B):(C):(D)=100:100〜300:35〜120:35〜120である。
各成分の配合割合がこの比率を外れると、火災発生時における延焼防止効果が不十分となる。例えば、(B)成分が70重量部より少ないと炭化層の生成が不十分で発泡量も十分に得られず、400重量部より多い場合は、発泡層中の気泡が粗大となり十分な耐火性能が得られない。
また、(C)発泡剤については、その配合割合が20重量部より少ない場合は十分な発泡量が得られず、160重量部より多い場合は発泡層中の気泡が粗大となり十分な耐火性能が得られない。
(D)多糖類及び/又は多価アルコール類については、その配合割合が20重量部より少ない場合は、十分な炭化層を形成することができないし、160重量部より多い場合は、十分な炭化層を形成する前に多糖類や多価アルコール類の溶融・軟化により塗膜の垂れが生じ、耐火性能が低下する。
本発明の実施においては、前記主成分の他に、必要に応じて無機質充填剤を用いてもよい。無機質充填剤としては、通常の塗料用のものを制限なく使用でき、例えば珪石、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、シリカ等を挙げることができる。また、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の公知の難燃性充填剤を併用することも可能である。このような無機質充填剤を用いる場合の配合割合は、合成樹脂の樹脂固形分100重量部に対して100重量部以下とするのが適当である。
本発明の実施においては、更に必要に応じて、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤、分散剤等を適宜使用しても良い。本発明の耐火塗料は、前記の各成分を常法に従って攪拌混合することにより製造できる。
本発明の耐火塗料は、壁紙、合板、木材、石綿セメント板、コンクリート、モルタル、FRP、プラスチック類、金属面に直接又はプライマー処理を施した上に、ハケ、コテ、ローラー、スプレー等の一般の塗装方法で塗布することができ、平滑塗装だけでなく、厚膜で凹凸のあるパターンを形成することも可能である。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜4、比較例1〜3〕
表1に記載の成分および配合量(単位:重量部)の組成を有する耐火塗料を調製した。
なお、水性樹脂(1)として、アクリル酸エステル系樹脂エマルション、水性樹脂(2)として、酢酸ビニル系樹脂エマルションを使用した。
また、リン酸エステルアミド化合物(1)〜(4)として、各々1,4−ピペラジンジイルビス(ジフェニルホスフェート)、アミノジフェニルホスフェート、ジアニリノフェニルホスフェート、トリアニリノホスフェートを使用した。
得られた耐火塗料について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。
(耐火性試験)
プライマー処理を施したベニヤ板(150mm×200mm×4mm厚)の表面に、実施例および比較例で調製した塗料を1kg/mの量で塗布し、試験片を作成した。これらの試験片を乾燥した後、ガスバーナーで5分間燃焼し、以下の基準に従い耐火性能を○×で判定した。
○:5分間燃焼後、発泡層が均一で、発泡厚みがあり、下地のベニヤ板が燃焼しない。
×:5分間燃焼後、塗膜、下地のベニヤ板が燃焼する。
Figure 2006316180

Claims (1)

  1. (A)水性樹脂、(B)化1の一般式で示される1,4−ピペラジンジイルビス(ジアリールホスフェート)化合物、化2の一般式で示されるジアリールアミノホスフェート化合物、化3の一般式で示されるアリールジアミノホスフェート化合物又は化4の一般式で示されるトリアミノホスフェート化合物から選ばれる少なくとも1種のリン酸エステルアミド化合物、(C)発泡剤及び(D)多糖類及び/又は多価アルコール類を含有することを特徴とする耐火塗料。
    Figure 2006316180
    (式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を示す。)
    Figure 2006316180
    (式中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR及びRは相互に結合して環を形成していてもよい。)
    Figure 2006316180
    (式中、Arはアリール基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はRとRは相互に結合して環を形成していてもよく、また、RとRは相互に結合して環を形成していてもよい。)
    Figure 2006316180
    (式中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を示し、又はR及びRは相互に結合して、リン原子に結合している窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
JP2005140725A 2005-05-13 2005-05-13 耐火塗料 Pending JP2006316180A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011141974A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Tosoh F-Tech Inc 含フッ素リン酸エステルアミドを含む非水電解液
JP2019167507A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 株式会社エフコンサルタント 水性被覆材

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