JP2006313663A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率の良い燃料電池を提供する。
【解決手段】単位セル10のカソード触媒層29とカソードガス拡散層30との間にカソードガス拡散層30よりもガス拡散性が低いカソードマイクロ層31を備え、空気流路33を形成しカソードガス拡散層30と当接するリブ部33aのリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さを流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも小さくする。
【選択図】 図2

Description

本発明は燃料電池に関するものである。
従来、燃料電池の電解質膜を挟持する電極反応層に撥水層を設け、例えば水分を多く含んだガスが供給された場合に、電極触媒層の湿潤過多を防止し、燃料電池の発電効率の低下を抑制するものが、特許文献1に開示されている。
特開2000−251901号公報
しかし、セパレータにはガスを通すガス流路が設けられているので、単位セルを積層し、例えばテンションロッドなどによって締め付けると、ガス流路を形成し、ガス拡散層と当接するセパレータのリブと向かい合う領域(以下、リブ下領域とする)では、締め付けにより圧縮されたガス拡散層の細孔径が小さくなる。また、リブ下領域はガス流路からの距離が長いのでリブ下領域の電極触媒層面(以下触媒層)でのガス拡散性が悪くなる。
この結果、ガス流路と向かい合う領域(以下、流路下領域とする)に比べてリブ下領域において発電性が悪くなり、燃料電池の発電効率が低下するという問題があった。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、リブ下領域でのガス拡散性を向上させ、燃料電池の発電効率を向上することを目的とする。
本発明では、電解質膜と、電解質膜を挟持するアノード電極とカソード電極と、ガス流路を形成しアノード電極またはカソード電極と当接するリブ部を設けたセパレータと、を有する燃料電池において、少なくともカソード電極は、触媒と触媒を担持する担体とから構成する触媒層と、ガス拡散性の導電性部材から構成するガス拡散層と、触媒層とガス拡散層との間にガス拡散層よりもガス拡散性が低いマイクロ層と、を積層して構成する。そしてマイクロ層は、ガス流路と向かい合う領域のマイクロ層の厚さよりもセパレータのリブ部と向かい合う領域のマイクロ層の厚さを薄くする。
本発明によると、セパレータのリブ下領域へのガス拡散性を良くすることができ、燃料電池の発電効率を向上することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成について図1を用いて説明する。この実施形態は、燃料電池1と、燃料電池1の後述するアノード電極層(アノード電極)22に燃料ガスである水素を供給する水素ボンベ2と、水素ボンベ2とアノード電極層22との間に配設され、水素ボンベ2から供給される水素を加湿する加湿器3と、アノード電極層12に供給する水素の流量を調整する流量調整弁4と、を備える。
また、燃料電池1の後述するカソード電極層(カソード電極)23に酸化剤ガスである空気を供給するコンプレッサ5と、コンプレッサ5とカソード電極層23との間に配設され、空気を加湿する加湿器6と、カソード電極層23に供給する空気の流量を調整する流量制御弁7と、を備える。
また、燃料電池1によって発電された電力を消費する例えばモータなどの負荷8と、燃料電池1と負荷8との間に配設され、燃料電池1と負荷8との間での電力変換を行うインバータ9を備える。
さらに、燃料電池1に要求される負荷に応じて流量制御弁7などを制御するコントローラ15を備える。
燃料電池1は、単位セル10を例えば100枚程度積層したスタック11と、スタック11の両側に設けたエンドプレート12と、エンドプレート12の両端部からスタック11を締め付ける締結部材としてタイロッド13とナット14と、を備える。なお、スタック11によって発電した電力を取り出す集電板(図示せず)、スタック11の面圧を一定に保つ面圧保持機構としてプレッシャプレート(図示せず)などを設ける。
単位セル10について図2を用いて説明する。単位セル10は、固体高分子電解質膜(以下、電解質膜とする)21と、電解質膜21を挟持するアノード電極層22とカソード電極層23と、アノード電極層22の外側に設けたアノードセパレータ(セパレータ)24と、カソード電極23の外側に設けたカソードセパレータ(セパレータ)25と、を備える。
電解質膜21は、プロトン伝導性を有する例えばNafion(Dupont社製)などのパーフルオロスルホン酸ポリマーである。
アノード電極層22は、例えば白金などの触媒を担持するカーボンブラックなどによって構成するアノード触媒層26と、例えばカーボンペーパー(東レ社製、TGPO60)からなるアノードガス拡散層27と、アノード触媒層26とアノードガス拡散層27との間に形成されたアノードマイクロ層28と、を備える。
アノード触媒層26は、例えば白金などの触媒を担持するカーボンブラックによって構成する。なお、アノード触媒層26は例えば白金などの触媒を担持するカーボンブラックとNafion溶液とを混合したペーストを電解質膜2に塗布して形成する。
アノードマイクロ層28は、カーボンブラックと撥水性のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)によって構成し、高い撥水性を有する。アノードマイクロ層28はアノードガス拡散層27よりも細孔径が小さく、ガス拡散性が低い。なお、アノードマイクロ層28は、カーボンブラックとPTFEとを有するPTFE分散溶液をペースト化したもの(以下、ペーストAとする)をアノードガス拡散層27にスクリーン印刷などによって塗布して形成する。この実施形態ではカーボンブラックを使用したが、これに限られることはなく、多孔性のポリアセチレンなどの導電性ポリマーを使用しても良く、また多孔質アルミナ支持体に金薄層をコーティングした電子導電性のフィルムなどを使用してもよい。また、細孔の占める割合をアノードガス拡散層27よりも低くして、ガス拡散性を低くしてもよい。
アノードセパレータ24は、例えばカーボングラファイトなどで構成するカーボンセパレータであり、アノード電極層22に水素ボンベ2から水素を拡散させるための水素流路(ガス流路)32を備え、水素流路32を形成するリブ部32aがアノード電極層22と当接する。水素流路32は直線部と折り返し部とから構成するサーペンタイン形状である。なお、水素流路32はサーペンタイン形状に限られるものではない。
カソード電極層23は例えば白金などの触媒を担持するカーボンブラックなどによって構成するカソード触媒層(触媒層)29と、例えばカーボンペーパー(東レ社製、TGPO60)からなる厚さが均一のカソードガス拡散層(ガス拡散層)30と、カソード触媒層29とカソードガス拡散層30との間に形成されたカソードマイクロ層(マイクロ層)31と、を備える。なお、図2は単位セル10を締め付けた図であり、締め付けによりリブ下領域のカソードガス拡散層30の厚さが薄くなっている。
カソード触媒層29は、例えば白金などの触媒を担持するカーボンブラックによって構成し、アノード触媒層26と同様にして電解質膜2に形成する。
カソードマイクロ層31は、カーボンブラックとPTFEによって構成し、高い撥水性を有する。カソードマイクロ層31はカソードガス拡散層30よりも細孔径が小さく、ガス拡散性が低い。カソードマイクロ層31は単位セル10において、カソードセパレータ25の後述するリブ部33aと向かい合う面、つまりリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さが、後述する空気流路33と向かい合う面、つまり流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くなるように形成する。これにより、リブ下領域のガス拡散性を良くし、リブ下領域と流路下領域とにおける空気の拡散性を均一にし、単位セル10の発電効率を良くすることができる。またはリブ下領域における排水性を良くすることができ、リブ下領域でのフラッディングを抑制し、単位セル10の発電効率を良くすることができる。
カソードセパレータ25は、例えばカーボングラファイトなどで構成するカーボンセパレータであり、カソード電極層23に空気を拡散させるための空気流路(ガス流路)33を備え、空気流路33を形成するリブ部33aがカソード電極層23と当接する。
空気流路33は直線部と折り返し部とから構成するサーペンタイン形状である。空気流路33は折り返し部において圧力損失が大きくなり、折り返し部のリブ下領域では空気が折り返し部をショートカットする可能性があるので、図3に示すように折り返し部40における空気の流れを反対方向とする折り返し部の折り返し角度を180°未満とすることが望ましい。つまり折り返し部40によって連結する2つの直線部41間の距離を、折り返し部40からの距離が長くなるに連れて、長くすることが望ましい。これによりリブ下領域での空気のショートカットを抑制することができる。図3は空気流路33をサーペンタイン形状とした場合のカソードセパレータ25の拡大概略図である。なお、水素流路32も同様の形状としても良い。
なお、カソードマイクロ層32は、ペーストAを電解質膜2と対峙するカソードガス拡散層30にスクリーン印刷などによって塗布して形成する。カソードマイクロ層32の形成方法については後述する。
この実施形態においてアノードセパレータ24、カソードセパレータ25は、カーボンセパレータを用いたが、これに限られることはなく、例えばステンレスなどの金属セパレータを用いても良い。
以上より、単位セル10において、カソード触媒層29とカソードガス拡散層30との間にカソードガス拡散層30よりもガス拡散性が低く、かつ撥水性の高いカソードマイクロ層31を形成する。そしてリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さを流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くする。これにより、カソード電極層23において、リブ下領域においても空気を均一に拡散し、排水性を良くすることができる。特に、スタック11を締め付けた場合でもリブ下領域での空気の拡散性、排水性を良くすることができる。
次にカソードマイクロ層31の形成方法について説明する。
カソードマイクロ層31を形成する際には、まずスクリーン印刷によってカソードガス拡散層30にカソードマイクロ層31の厚さが所定のリブ下領域の厚さとなるようにペーストAを塗布する。
その後に、スリットが入った治具を用いて、流路下領域となる箇所にスリットが向かい合い、リブ下領域となる箇所にスリットを設けていない部分が向かい合うように治具を配置し、ペーストAを塗布する。これによりリブ下領域にはペーストAを塗布せず、流路下領域にのみペーストAを塗布することができ、リブ下領域のカソードマクロ層21の厚さが流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くなるようにカソードマイクロ層31を形成する。
単位セル10では、空気流路33に供給された空気はカソードガス拡散層30、カソードマイクロ層31を通り、カソード触媒層29に拡散するが、単位セル10を積層し、締め付けた場合には、空気流路33のリブ部33aと向かい合う面がリブ部33aによって圧縮され、カソードガス拡散層30の細孔径などが小さくなる。そのためリブ下領域では空気の拡散性が悪くなり、さらに空気流路33からの距離が長くなるので、空気の拡散性が更に悪くなる。また、リブ下領域では単位セル10における発電反応により生成した水の排水性が悪くなるので、リブ下領域ではフラッディングが生じ易くなる。そのため単位セル10の発電効率が悪くなる。
この実施形態ではカソード電極層23において、撥水性を有し、カソードガス拡散層30よりもガス拡散性の低いカソードマイクロ層31の厚さをリブ下領域では流路下領域よりも薄くし、リブ下領域における空気の拡散性を良くすることで、リブ下領域での発電効率を良くすることができる。さらにリブ下領域のおける排水性を良くすることで、燃料電池1の発電効率を良くすることができる。
また、単位セル10を積層し、締め付ける場合にリブ下領域においてカソードマイクロ層31の細孔径が小さくなる場合でもリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さを流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くすることで、リブ下領域におけるガス拡散性、または排水性の低下を抑制し、燃料電池1の発電効率を良くすることができる。
また、燃料電池システムを氷点下の条件下で停止する場合には、燃料電池1内での水分の凍結を防止するためにドライガス、例えば乾燥空気を供給し、燃料電池1内の水分をパージすることも可能であるが、この場合にリブ下領域でのガス拡散性を向上させ燃料電池1内の水分を容易にパージすることができる。
次にリブ下領域と流路下領域におけるカソードマイクロ層31の厚さの設定方法について説明する。
ある多孔質部材をガスが拡散・透過する場合の平均時間は
Figure 2006313663
と表すことができる。Dはガス拡散係数、ε1は細孔中に水滴がない場合の空孔率、ε2は水滴による空孔率の占有割合、dは部材の厚さである。
カソードガス拡散層30については、通常の分子拡散が行われるので、ガス拡散係数D1を、
1=1/3λν・・・式(2)
によって表すことができる。また、λはガスの平均自由行程、νはガスの熱運動による平均速度であり、それぞれ式(3)、式(4)によって表すことができる。
Figure 2006313663
Figure 2006313663
BはBoltzma定数、ρは空気の衝突断面積、pは大気圧、mは分子質量、Tは絶対温度である。カソードガス拡散層30では式(1)から式(4)によってガスの拡散・透過する平均時間を算出することができる。
一方、カソードマイクロ層31の細孔径を例えば40nmとすると、カソードマイクロ層31の細孔径は酸素の平均自由行程(大気圧、室温条件で130nm)よりも小さくなるので、ガスの拡散はクヌーセン拡散が支配的となる。このときのガス拡散係数D2は、
Figure 2006313663
によって表すことができる。なお、rは細孔の半径、Mは分子量である。カソードマイクロ層31では式(1)と式(5)とによってガスの拡散・透過する平均時間を算出することができる。
流路下領域とリブ下領域においてガスが拡散・透過する平均時間をそれぞれ算出し、流路下領域とリブ下領域とにおける平均時間が等しくなるようにカソードマイクロ層31の厚さを設定する。なお、カソードマイクロ層31の厚さの設定方法は上記方法に限られることはない。
カソードマイクロ層31の流路下領域とリブ下領域とでの厚さの設定の一例を示す。ここでは単位セル10の温度を70℃(343K)、大気圧、カソードガス拡散層30の空孔率を75%、水滴の空孔占有率を20%とし、カソードマイクロ層31の空孔率を30%、水滴の空孔占有率を50%とする。そしてカソードガス拡散層30とカソードマイクロ層31との合計厚さを150μmとし、空気流路33から0.3mmの距離にあるリブと向かい合う箇所のリブ下領域と、流路下領域とにおけるガスの拡散・透過時間を等しくなるようにリブ下領域と流路下領域とのカソードマイクロ層31の厚さを調整する。以上の条件を基に上記式(1)から式(5)を用いると例えばリブ下領域を5μmとし、流路下領域との厚さを110μmとすることで、リブ下領域と流路下領域とでのガス拡散・透過時間を等しくすることができる。
ここで、本発明のカソード電極を用いない場合、つまりカソードマイクロ層31の厚さをリブ下領域と流路下領域とで等しくした単位セルを用いた燃料電池(以下、比較例とする)と、この実施形態のカソード電極層23を用いた単位セル10を用いた燃料電池との単位セルあたりの電流・電圧特性を比較し、その結果を図4に示す。電流・電圧特性は発電条件として単位セルの温度を70℃(343K)、アノード電極層へ供給する水素の相対湿度を80%とし、カソード電極層へ供給する空気の相対湿度を50%とし、燃料電池における水素の利用率を65%とし、空気の利用率を40%とする。
その結果、単位セルから取り出す電流密度を例えば1A/cm2とした場合に、単位セルあたりの電圧は比較例では0.2Vとなり、この実施形態の電圧は0.5Vとなり、この実施形態の燃料電池は比較例よりも単位セルあたりの電圧が高くなる。つまり、燃料電池1から取り出すことのできる電力が大きくなり、燃料電池1の発電効率が向上する。
なお、この実施形態ではカソード電極層23においてのみ、空気流路33のリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さを流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くしたが、アノードマイクロ層28においても水素流路32のリブ下領域のアノードマイクロ層28の厚さを流路下流域のアノードマイクロ層28の厚さよりも薄くしても良い。
単位セル10を組み立てる場合には、カソード電極層23とカソードセパレータ25との位置がずれないように、つまりカソードマイクロ層31を薄くしたリブ下領域とカソードセパレータ25のリブ部33aとが当接するように、位置決めピンを設けて、カソード電極層23とカソードセパレータ25との位置が所定の位置となるように単位セル10を組み立てる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
単位セル10のカソード電極層23において、カソード触媒層29とカソードガス拡散層30との間に、撥水性を有しカソードガス拡散層30よりもガス拡散性の低いカソードマイクロ層31を設ける。そして、カソードセパレータ25の空気流路33を形成し、カソードガス拡散層30と当接するリブ部33aと向かい合うリブ下領域のカソードマイクロ層31の厚さを、空気流路33と向かい合う流路下領域のカソードマイクロ層31の厚さよりも薄くする。これにより、カソード電極層23において、リブ下領域への空気の拡散性を良くし、単位セル10のカソード触媒層29へ均一に空気を供給し、単位セル10、つまり燃料電池1の発電効率を良くすることができる。
また、ガスの流れが悪い、つまり排水性が悪いリブ下領域のカソードマイクロ層31を薄くすることで、燃料電池1の発電反応によって生成された水のリブ下領域での排水性を良くし、リブ下領域でのフラッディングを抑制することができる。これにより、燃料電池1の発電効率を更に良くすることができる。
また、単位セル10を積層し、締め付けた場合でもリブ下領域のガス拡散性、排水性を良くすることができ、燃料電池1の発電効率を良くすることができる。
さらに、燃料電池1の運転を終了し、例えば氷点下停止時に生じうる水分の凍結を防止するためにドライガスなどで燃料電池1内を乾燥させたい場合に、リブ下領域でのドライガスの拡散性を向上させ、燃料電池1内での水分の凍結を抑制することができる。
カソードマイクロ層31に撥水性を有することで、例えば空気が過剰加湿されている場合などにカソード触媒層29の水分過多を防止することができる。また、燃料電池1の発電反応によって生成された生成水をカソード触媒層29に保持できるので、カソード触媒層29のドライアウトを抑制することができる。
次に本発明の第2実形態の単位セル60について図5を用いて説明する。この実施形態ではカソード電極層50が第1実施形態と異なっており、ここではカソード電極層50を中心に説明する。図5ではカソード電極層50とカソードセパレータ25との間には説明のため空間を設ける。
カソード電極層50は、カソード触媒層(触媒層)51と、カソードガス拡散層(ガス拡散層)52と、カソード触媒層51とカソードガス拡散層52との間に設けられカソードガス拡散層52と当接する第1カソードマイクロ層(マイクロ層)53と、第1カソードマイクロ層53とカソード触媒層51との間に設けられた第2カソードマイクロ層54と、を備える。
カソードガス拡散層52は空気流路33に沿って波形状に形成する。なお、単位セル60を構成する場合に、波形状の凸部52aの頂部52bが空気流路33のリブ部33aの中心線(図5中、一点鎖線)と略一致するように波形状を形成する。つまりリブ部33aと凸部52aが向かい合うようにカソードガス拡散層52の波形状を形成する。
第1カソードマイクロ層53は、カーボンブラックと撥水性を有するPTFEによって構成し、高い撥水性を有する。カソードガス拡散層52と当接する面は、カソードガス拡散層52形状に応じて波形状に形成し、第2カソードマイクロ層54と当接する面は、略平面形状に形成する。つまり、第1カソードマイクロ層53は、リブ下領域において空気流路33からの距離が長くなるにつれて第1カソードマイクロ層53の厚さを薄くする。言い換えると、リブ部33aの中心線から空気流路33へ近くなるに従って第1カソードマイクロ層53の厚さを厚くする。なお、第1カソードマイクロ層53は、ペーストAをカソードガス拡散層52にスクリーン印刷などによって塗布して形成する。
第2カソードマイクロ層54は、第1カソードマイクロ層53よりもPTFEの含有量を低くしたペーストを使用し、第1カソードマイクロ層53よりも撥水性を低くする。第2カソードマイクロ層54の厚さはリブ下領域と流路下領域とで等しくする。
以上の構成によって、リブ下領域において空気流路33からの距離が長くなる程、第1カソードマイクロ層53の厚さを薄くし、リブ下領域における空気の拡散性をさらに均一にし、排水性をさらに良くすることができる。
この実施形態を用いた場合の単位セル60の電流・電圧特性を図4に示す。この実施形態では、単位セルから取り出す電流密度を例えば1A/cm2とした場合に、単位セル60あたりの電圧は0.52Vとなり、この実施形態の燃料電池は比較例よりも単位セルあたりの電圧が高くなる。つまり、燃料電池1から取り出すことのできる電力が大きくなる。発電条件は第1実施形態と同様とする。
なお、この実施形態では第1カソードマイクロ層53とカソード触媒層51との間に第2カソードマイクロ層54を設けたが、第2カソードマイクロ層54を設けずに第1カソードマイクロ層53とカソード触媒層51とを当接しても良い。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
この実施形態ではカソードガス拡散層52とカソード触媒層51との間に、第1カソードマイクロ層53と、第2カソードマイクロ層54とを備える。カソードガス拡散層52を空気流路33の沿って波形状として、第1カソードマイクロ層53においてカソードガス拡散層52と当接する面を波形状とし、第2カソードマイクロ層54と当接する面を平面形状とする。さらに、空気流路33のリブ部33aの中心線と第1カソードマイクロ層53の厚さが薄くなる凸部52aの頂部52bとが略一致するように単位セル60を構成する。これによってリブ下領域において空気流路33から距離が長くなる程、第1カソードマイクロ層53の厚さを薄くする。つまりリブ下領域において空気流路33から距離が長くなる程、カソード電極層50の単位セル60の積層方向における第1カソードマイクロ層53の構成比率を小さくする。そのためリブ下領域において、空気流路33からの距離が長くなり、空気の到達時間が長くなるが、第1カソードマイクロ層53を薄くすることでガス拡散性を良くすることができ、単位セル60の発電効率を良くすることができる。
また、リブ下領域の水の排水性を更に良くすることができ、リブ下領域でのフラッディングを抑制し、単位セル60の発電効率を更に良くすることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
例えば燃料電池車両に利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態の単位セルの概略構成図である。 本発明の空気流路の一例を示す概略図である。 本発明を用いた場合の単位セルの電流・電圧特性を示すマップである。 本発明の第2実施形態の単位セルの概略構成図である。
符号の説明
1 燃料電池
10、60 単位セル
15 コントローラ
21 電解質膜
22 アノード電極層(アノード電極)
23、50 カソード電極層(カソード電極)
26 アノード触媒層
27 アノードガス拡散層
28 アノードマイクロ層
29、51 カソード触媒層(触媒層)
30、52 カソードガス拡散層(ガス拡散層)
31 カソードマイクロ層(マイクロ層)
33 空気流路(ガス流路)
33a リブ部
40 折り返し部
41 直線部
52a 凸部
52b 頂部
53 第1カソードマイクロ層(マイクロ層)
54 第2カソードマイクロ層

Claims (5)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜を挟持するアノード電極とカソード電極と、
    ガス流路を形成し前記アノード電極または前記カソード電極と当接するリブ部を設けたセパレータと、を有する燃料電池において、
    少なくとも前記カソード電極は、
    触媒と前記触媒を担持する担体とから構成する触媒層と、
    ガス拡散性の導電性部材から構成するガス拡散層と、
    前記触媒層と前記ガス拡散層との間に前記ガス拡散層よりもガス拡散性が低いマイクロ層と、を積層して構成し、
    前記マイクロ層は、前記ガス流路と向かい合う領域の前記マイクロ層の厚さよりも前記セパレータの前記リブ部と向かい合う領域の前記マイクロ層の厚さが薄いことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記マイクロ層の細孔径は前記ガス拡散層の細孔径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記リブ部と向かい合う前記マイクロ層の厚さを、前記ガス流路に近づく程、厚くすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記マイクロ層は撥水性物質を有する撥水層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池。
  5. 前記ガス流路は、
    直線部と、
    2つの前記直線部を連結する折り返し部と、を有するサーペンタイン形状であり、
    前記折り返し部で連結する前記直線部は前記折り返し部からの距離が長くなる程、2つの前記直線部間の距離を長くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011198520A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Nihon Gore Kk 固体高分子形燃料電池ガス拡散層

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