JP2006308842A - パターン転写方法、電子装置の製造方法、並びに液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面の凹凸が比較的大きい基板に対して、焦点ずれが小さく、高精度なパターン形成を行うことが可能なパターン転写方法を提供する。
【解決手段】 本発明のパターン転写方法は、露光装置EXPを用いた光照射によってマスクM1に形成されたパターンを基板Pに転写する方法であって、露光装置EXPの焦点深度と基板Pの表面高さ形状とに基づいて、パターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)を設定する工程と、パターンにおける複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の各々ごとに、焦点位置を変化させながら光照射を行う工程とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のパターン転写方法は、露光装置EXPを用いた光照射によってマスクM1に形成されたパターンを基板Pに転写する方法であって、露光装置EXPの焦点深度と基板Pの表面高さ形状とに基づいて、パターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)を設定する工程と、パターンにおける複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の各々ごとに、焦点位置を変化させながら光照射を行う工程とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パターン転写方法、電子装置の製造方法、並びに液体噴射装置に関する。
従来より、回路基板、電気光学装置(ディスプレイや表示光源)、及び半導体装置などの電子装置は、その製造過程においてフォトリソグラフィ法が多く用いられる。フォトリソグラフィ法は、光を利用してレジストが塗布された基板上に回路パターンを転写するもので、パターンの高精細化を図りやすいという利点を有する。
フォトリソグラフィ法におけるパターン転写には、一般に、露光装置(ステッパ、アライナ)が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−287325号公報
近年、露光装置では、パターン解像度の向上に伴い、焦点深度が浅くなる傾向にある。焦点深度が浅い場合、表面の凹凸が比較的大きい基板に対するパターン転写において、部分的に焦点ずれが生じやすい。
本発明は、表面の凹凸が比較的大きい基板に対して、焦点ずれが小さく、高精度なパターン形成を行うことが可能なパターン転写方法、及びそれを用いた電子装置の製造方法、並びに液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明のパターン転写方法は、露光装置を用いた光照射によってマスクに形成されたパターンを基板に転写する方法であって、前記露光装置の焦点深度と前記基板の表面高さ形状とに基づいて、前記パターンに対して複数のブロック領域を設定する工程と、前記パターンにおける前記複数のブロック領域の各々ごとに、焦点位置を変化させながら前記光照射を行う工程とを有することを特徴とする。
このパターン転写方法によれば、パターン転写の際に、パターンに対して設定された複数のブロック領域の各々ごとに焦点位置が変化するから、比較的大きい凹凸(例えば、100μm〜数mm程度)を有する基板に対しても、焦点ずれが防止される。
この場合、前記マスクにおける前記複数のブロック領域が互いに接していてもよく、前記マスクにおいて、前記複数のブロック領域が互いに離間していてもよい。
さらに、上記のパターン転写方法において、前記マスクにおける前記複数のブロック領域は、大きさが互いに異なる複数のブロック領域を含んでもよい。
前記複数のブロック領域のそれぞれの大きさは、各ブロック領域に対応する前記基板上の領域内での表面高さの変化量が前記焦点深度以下となるように定められるのが好ましい。
この場合、前記基板における前記表面高さの変化量が比較的小さい領域に対応するブロック領域は比較的大きく、前記基板における前記表面高さの変化量が比較的大きい領域に対応するブロック領域は比較的小さい。
これにより、パターン転写の際に、各ブロック領域ごとに基板の表面が焦点深度内におさまることから、焦点ずれが確実に防止される。
この場合、前記基板における前記表面高さの変化量が比較的小さい領域に対応するブロック領域は比較的大きく、前記基板における前記表面高さの変化量が比較的大きい領域に対応するブロック領域は比較的小さい。
これにより、パターン転写の際に、各ブロック領域ごとに基板の表面が焦点深度内におさまることから、焦点ずれが確実に防止される。
また、上記のパターン転写方法において、遮光部材を用いて前記マスクに対する光照射領域を設定する方法を採用することができる。
遮光部材を用いることにより、光照射領域の形状設定が容易となる。
遮光部材を用いることにより、光照射領域の形状設定が容易となる。
本発明の電子装置の製造方法は、本発明のパターン転写方法を用いることを特徴する。
例えば、前記電子装置は、液体噴射ヘッド、マイクロマシン(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)を含む。
この製造方法によれば、高精度なパターン形成により、高品質な液体噴射ヘッドを製造することができる。
例えば、前記電子装置は、液体噴射ヘッド、マイクロマシン(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)を含む。
この製造方法によれば、高精度なパターン形成により、高品質な液体噴射ヘッドを製造することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、本発明の製造方法で製造された液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
この液体噴射装置によれば、高品質な液体噴射ヘッドを備えることから、品質の向上が図られる。
この液体噴射装置によれば、高品質な液体噴射ヘッドを備えることから、品質の向上が図られる。
以下、本発明について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のパターン転写方法の概念を模式的に示す図であり、図2は、図1に示すA−A断面図であり、基板表面の凹凸の様子の一例を模式的に示している。
図1は、本発明のパターン転写方法の概念を模式的に示す図であり、図2は、図1に示すA−A断面図であり、基板表面の凹凸の様子の一例を模式的に示している。
図1に示すように、本発明のパターン転写方法では、マスクM1のパターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)を設定し、その複数のブロック領域の各々ごとに、露光装置EXPの焦点位置を変化させながら光照射(露光)を行う。
ここで、図1の例では、マスクM1上におけるパターン領域がX方向に関して4分割され、Y方向に関して4分割され、合計16分割されている。また、露光装置EXPは、4倍(縮小倍率1/4)の光学系504を有しており、マスクM1上のパターン領域は、レジストが塗布された基板P上に1/4の大きさで縮小投影される。また、図2に示すように、基板Pの表面は、+X方向に沿って、表面高さが互いに異なる少なくとも4つの領域(PA1,PA2,PA3,PA4)を有している。本例では、表面高さは、PA1>PA4>PA2>PA3 であり、表面高さの差は、(PA1−PA2)=Za、(PA2−PA3)=Zb、(PA4−PA3)=Zc、である。
マスクM1における複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)は、露光装置EXPの焦点深度と基板Pの表面高さ形状とに基づいて設定される。具体的には、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)はそれぞれ、各ブロック領域に対応する基板P上の領域(PA1,PA2,PA3,PA4,…)内での表面高さの変化量が露光装置EXPの焦点深度以下となるように、その大きさや形状が定められる。なお、複数のブロック領域の設定については後で詳しく説明する。
図3は、本発明のパターン転写方法に好ましく用いられる露光装置EXPの構成例を示している。
図3に示すように、露光装置EXPは、露光光ELを射出する光源501と、マスクM1に照射される露光光の領域を規定する遮光部材502と、マスクM1が搭載されるマスクステージ503と、マスクM1のパターンを基板Pに縮小投影する結像光学系504と、基板Pが搭載される基板ステージ505と、制御装置510とを含んで構成されている。
図3に示すように、露光装置EXPは、露光光ELを射出する光源501と、マスクM1に照射される露光光の領域を規定する遮光部材502と、マスクM1が搭載されるマスクステージ503と、マスクM1のパターンを基板Pに縮小投影する結像光学系504と、基板Pが搭載される基板ステージ505と、制御装置510とを含んで構成されている。
光源としては、エキシマレーザ光源など公知の様々な光源が用いられる。遮光部材502は、不図示の駆動装置を介して移動自在に構成されており、制御装置510の指令に基づき矩形状の開口の大きさや形状を変化させる。マスクステージ503は、X方向及びY方向に移動自在に構成されており、制御装置510の指令に基づきマスクM1をX方向あるいはY方向に移動させる。基板ステージ505は、X方向、Y方向、及びZ方向に移動自在に構成されており、制御装置510の指令に基づき基板PをX方向、Y方向、あるいはZ方向に移動させる。
図4は、マスクM1の一例を示す模式的な斜視図である。
図4に示すように、マスクM1は、パターンが形成されたパターン領域520を有しており、このパターン領域520は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)に分割されている。X方向及びY方向のそれぞれに関し、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の配列ピッチは同じである(等ピッチ配列)。また、本例では、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)同士が互いに接し、パターンが連続して形成されている。なお、図4のマスクM1では、複数のブロック領域は、すべて同じ大きさからなっているものの、これに限らず、互いに大きさや形状が異なる複数のブロック領域を含んでいてもよい。
図4に示すように、マスクM1は、パターンが形成されたパターン領域520を有しており、このパターン領域520は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)に分割されている。X方向及びY方向のそれぞれに関し、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の配列ピッチは同じである(等ピッチ配列)。また、本例では、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)同士が互いに接し、パターンが連続して形成されている。なお、図4のマスクM1では、複数のブロック領域は、すべて同じ大きさからなっているものの、これに限らず、互いに大きさや形状が異なる複数のブロック領域を含んでいてもよい。
このマスクM1に対して、露光光ELは、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)のそれぞれに対して照射される。また、露光光ELの照射領域は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の大きさや形状とほぼ一致するように規定される。露光光ELの照射領域の規定は、図3に示した遮光部材502によって行われる。大きさや形状が互いに異なる複数のブロック領域を含む場合には、そのブロック領域ごとに露光光ELの照射領域の規定が行われる。
図1に戻り、露光装置EXPでは、まず、基板P上の所定領域(第1領域PA1)に対してマスクM1上の第1ブロック領域B1のパターン転写が行われる。すなわち、マスクM1上の第1ブロック領域B1の中心が露光光ELの光軸LA上に配置されるとともに、その第1ブロック領域B1のみに露光光ELが照射され、これにより、第1ブロック領域B1のパターン像が基板P上の第1領域PA1に転写される。
次に、第1ブロック領域B1のパターンが転写された基板P上の第1領域PA1の隣の領域(第2領域PA2)に対して、マスクM1上の第2ブロック領域B2のパターン転写が行われる。すなわち、露光光の光軸LAに対して相対的にマスクM1がステップ移動(移動量Xa)するとともに、マスクM1に対して相対的に縮小倍率に応じた移動量(−Xa/4)だけ基板Pがステップ移動する。これにより、露光光ELの光軸LA上に、マスクM1上の第2ブロック領域B2の中心と、それに対応する基板P上の第2領域PA2の中心とが配置される。さらにこのとき、露光装置EXPの焦点位置が基板P上の第2領域PA2の表面高さに一致するように、焦点位置の調整が行われる。焦点位置の調整は、例えば、基板PをZ方向に移動(移動量Za)させることにより行われる。この他、光学系で焦点位置を調整してもよい。そして、マスクM1のパターン領域における第2ブロック領域B2のみに露光光が照射され、これにより、第2ブロック領域B2のパターン像が基板P上の第2領域PA2に転写される。
同様に、基板P上の第3領域PA3及び第4領域PA4に対して、マスクM1上の第3ブロック領域B3あるいは第4ブロック領域B4のパターン転写が行われる。すなわち、マスクM1と基板Pとの相対的な移動と、焦点位置の調整とが行われた後、マスクM1上の第3ブロック領域B3(あるいは第4ブロック領域B4)に露光光が照射され、これにより、第3ブロック領域B3(あるいは第4ブロック領域B4)のパターン像が基板P上の第3領域PA3(あるいは第4領域PA4)に転写される。
以後同様に、基板Pに対してマスクM1上の他のブロック領域のパターン転写が行われる。
以後同様に、基板Pに対してマスクM1上の他のブロック領域のパターン転写が行われる。
このように、本発明のパターン転写方法によれば、マスクM1のパターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)を設定し、その複数のブロック領域の各々ごとに、露光装置EXPの焦点位置を変化させながら光照射(露光)を行うことから、表面の凹凸が比較的大きい基板Pに対しても、その凹凸に応じて焦点位置が調整され、その結果、焦点ずれが防止される。したがって、本発明のパターン転写方法によれば、表面の凹凸が比較的大きい基板に対して、高精度なパターン転写を行うことができる。
図5は、マスクの他の形態例を示す模式的な斜視図である。
図5のマスクM2は、図4のマスクM1と同様に、パターンが形成されたパターン領域520を有しており、このパターン領域520は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)に分割されている。X方向及びY方向のそれぞれに関し、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の配列ピッチは同じである(等ピッチ配列)。また、このマスクM2においては、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)が互いに離間し、パターンが分断して形成されている。
図5のマスクM2は、図4のマスクM1と同様に、パターンが形成されたパターン領域520を有しており、このパターン領域520は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)に分割されている。X方向及びY方向のそれぞれに関し、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)の配列ピッチは同じである(等ピッチ配列)。また、このマスクM2においては、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)が互いに離間し、パターンが分断して形成されている。
すなわち、マスクM2において、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)同士の間に格子状の遮光部521が形成されている。なお、図5のマスクM2では、複数のブロック領域は、すべて同じ大きさからなっているが、これに限らず、図6に示すように、互いに大きさや形状が異なる複数のブロック領域を含んでいてもよい。大きさや形状が互いに異なる複数のブロック領域を含む場合には、遮光部521の幅が部分ごとに変化する。
図5のマスクM2に対して、露光光ELは、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)のそれぞれに対して照射される。また、露光光ELの照射領域は、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)のうちの最も大きいブロック領域全体を照射可能な大きさに規定される。露光光ELの照射領域の規定は、図3に示した遮光部材502によって行われる。複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)同士が互いに離間していることにより、照射領域の縁が遮光部521の間にあればよく、図4のマスクM1に比べて、照射領域の規定に要求される精度が低くて済む。また、このマスクM2では、複数のブロック領域(B1,B2,B3,B4,…)同士の間に格子状の遮光部521が形成されているから、大きさや形状が互いに異なる複数のブロック領域を含む場合にも、図6に示すように、1種類の露光光ELの照射領域の規定でよく、ブロック領域ごとの露光光ELの照射領域の規定が省略される。
次に、マスク上の複数のブロック領域の設定方法について説明する。
図7及び図8は、ブロック領域の設定方法を説明するための図である。
前述したように、本発明のパターン転写方法では、露光装置EXP(結像光学系504)の焦点深度と基板Pの表面高さ形状とに基づいて、マスクMにおけるパターンに対して各ブロック領域を設定する。具体的には、各ブロック領域に対応する基板P上の領域内での表面高さの変化量(最大高さと最小高さとの差)が露光装置EXPの焦点深度以下となるように、各ブロック領域の大きさや形状を定める。
図7及び図8は、ブロック領域の設定方法を説明するための図である。
前述したように、本発明のパターン転写方法では、露光装置EXP(結像光学系504)の焦点深度と基板Pの表面高さ形状とに基づいて、マスクMにおけるパターンに対して各ブロック領域を設定する。具体的には、各ブロック領域に対応する基板P上の領域内での表面高さの変化量(最大高さと最小高さとの差)が露光装置EXPの焦点深度以下となるように、各ブロック領域の大きさや形状を定める。
図7は、基板Pが一様に滑らかな傾斜面を有する例を示している。
ここで、基板表面の傾斜面の角度をθ、露光装置の焦点深度をd、縮小倍率を1/D、とする。露光光ELの光軸方向(Z方向)に垂直な所定の軸方向(X軸方向)に関して、ブロック領域Bの長さをLmとすると、基板P上に縮小投影されるブロック領域Bの長さLp=Lm/D である。したがって、ブロック領域Bに対応する基板P上の領域PA内での表面高さの変化量(最大高さと最小高さとの差)が露光装置EXPの焦点深度以下となる場合、次式(1)が成り立つ。
Lm≦D×d/tanθ …(1)
ここで、基板表面の傾斜面の角度をθ、露光装置の焦点深度をd、縮小倍率を1/D、とする。露光光ELの光軸方向(Z方向)に垂直な所定の軸方向(X軸方向)に関して、ブロック領域Bの長さをLmとすると、基板P上に縮小投影されるブロック領域Bの長さLp=Lm/D である。したがって、ブロック領域Bに対応する基板P上の領域PA内での表面高さの変化量(最大高さと最小高さとの差)が露光装置EXPの焦点深度以下となる場合、次式(1)が成り立つ。
Lm≦D×d/tanθ …(1)
すなわち、基板Pの表面高さの変化量が比較的小さい場合(θ:小)にはブロック領域Bは比較的大きく(Lm:大)設定され、基板Pの表面高さの変化量が比較的大きい場合(θ:大)にはブロック領域は比較的小さく(Lm:小)設定される。
図8は、基板Pが他段階に変化する段差を有する例を示している。
図8の例においても、基板Pの表面高さの変化量が比較的小さい場合(θ2:小)にはブロック領域は比較的大きく(Lm:大)設定され、基板Pの表面高さの変化量が比較的大きい場合(θ1:大)にはブロック領域は比較的小さく(Lm:小)設定される。
図8の例においても、基板Pの表面高さの変化量が比較的小さい場合(θ2:小)にはブロック領域は比較的大きく(Lm:大)設定され、基板Pの表面高さの変化量が比較的大きい場合(θ1:大)にはブロック領域は比較的小さく(Lm:小)設定される。
基板表面における比較的大きな凹凸形状(段差、斜面)はそれまでの処理過程で形成さされたものであり、設計事項であるから、パターン転写領域内での表面高さ形状は予め認識可能である。したがって、その表面高さ形状の設計値、並びに露光装置EXPの焦点深度に基づいて、マスクパターンにおける各ブロック領域の大きさや形状を定めることにより、パターン転写の際に、そのブロック領域ごとに基板の表面を焦点深度内におさめ、焦点ずれを防止することができる。
以上説明した本発明のパターン転写方法は、回路基板、電気光学装置(ディスプレイや表示光源)、及び半導体装置などの電子装置における製造過程に適用され、特に、比較的大きな凹凸形状を有する基板表面へのパターン転写に好ましく適用される。例えば、本発明のパターン転写方法は、液体噴出ヘッド、マイクロマシン(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)等の製造に好ましく適用される。
次に、上記のパターン転写方法を、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッドの製造過程に応用した例について説明する。
図9は、インクジェット式記録ヘッドの概略を示す図((a)平面図、(b)断面図)である。
このインクジェット式記録ヘッドIJHは、圧電素子を用いてインク滴を吐出するものであり、ノズル開口21に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一方面側に振動板を介して各圧力発生室12に対応して設けられる圧電素子300とを具備して構成されている。
このインクジェット式記録ヘッドIJHは、圧電素子を用いてインク滴を吐出するものであり、ノズル開口21に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一方面側に振動板を介して各圧力発生室12に対応して設けられる圧電素子300とを具備して構成されている。
図9に示すように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がその幅方向に複数並設されている。また、この圧力発生室12の列は、圧力発生室12の長手方向に複数列、例えば、本実施形態では、2列並設されている。そして、これら各圧力発生室12の列の並び方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。異方性エッチングを用いた圧力発生室12の形成方法は、例えば、特開2004−74428号公報、特開2004−66537号公報等に記載の技術を援用することができる。
この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がその幅方向に複数並設されている。また、この圧力発生室12の列は、圧力発生室12の長手方向に複数列、例えば、本実施形態では、2列並設されている。そして、これら各圧力発生室12の列の並び方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。異方性エッチングを用いた圧力発生室12の形成方法は、例えば、特開2004−74428号公報、特開2004−66537号公報等に記載の技術を援用することができる。
このような流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配列密度に合わせて最適な厚さを選択すればよく、圧力発生室12の配列密度が、例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度であれば、流路形成基板10の厚さは、220μm程度であればよいが、例えば、200dpi以上と比較的高密度に配列する場合には、流路形成基板10の厚さは100μm以下と比較的薄くするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10^-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜5μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが積層形成されて、圧電素子300を構成している。
ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板として作用する。
そして、このような圧電素子300は、本実施形態では、各圧力発生室12に対応してそれぞれ設けられているため、上述した各圧力発生室12の列に対応して圧電素子300の列が2列並設されている。
また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍から引き出されて各圧電素子300の列間に対向する領域の弾性膜50上まで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍から引き出されて各圧電素子300の列間に対向する領域の弾性膜50上まで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300を密封可能な圧電素子保持部31を有する封止基板30が接合されている。また、この封止基板30には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が設けられている。リザーバ部32は、本実施形態では、封止基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述したように、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、封止基板30の略中央部、すなわち、圧力発生室12の列間に対向する領域には、封止基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の先端部近傍がこの貫通孔33内で露出されている。このような封止基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、封止基板30の表面、すなわち、封止基板30の圧電素子保持部31とは反対側には、圧電素子300を駆動するための駆動部を有する駆動IC110(第1の駆動IC110A,第2の駆動IC110B)が実装されている。具体的には、封止基板30には、各圧電素子300と駆動IC110とを接続するための配線120(第1配線部121、第2配線部122)が所定パターンで形成され、この配線120上に駆動IC110が実装されている。例えば、本実施形態では、この駆動IC110は、フリップチップ実装により配線120と電気的に接続されている。なお、圧電素子300から引き出されたリード電極90と第1配線部121とは、封止基板30の貫通孔33内に延設される連結配線111によって接続されている。また、封止基板30の一端部に延設された第2配線部122には、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC)等の外部配線130を介して配線基板140が接続されている。この配線基板140には、例えば、外部からコネクタ(図示なし)が接続され、パソコン等の外部端末からコネクタを介して印刷データが入力されるようになっている。そして、このような配線基板140では、印刷データを駆動信号に変換し、その変換した駆動信号を外部配線130を介して封止基板30上の各駆動IC110に入力するようになっている。
また、配線基板140上には、信号制御回路デバイス200が設けられている。そして、配線基板140内で印刷データを変換した駆動信号は、信号制御回路デバイス200を介して封止基板30上の第2配線部122に供給され、更に、各駆動IC110に入力されるようになっている。
なお、本発明でいう駆動信号とは、例えば、駆動電源信号(VDD)及びグランド信号(GND)等の駆動ICを駆動させるための駆動系信号のほか、シリアル信号(SI)、あるいはクロック信号(SCLK)、ラッチ信号(LAT)等の各種制御系信号を含む。このような駆動信号は、各駆動IC110に入力されると、例えば、印刷データに基づいて選択された所定の圧電素子300に印加されるようになっている。なお、図9では、配線パターン120のレイアウトや各種パッドの数等を一部省略しているため、実際とは異なっている。また、本発明でいう制御データとは、各圧電素子300の駆動を制御するデータであり、例えば、印刷データに基づいて各圧電素子300に対して駆動信号を選択的に供給するためのデータである。
なお、本発明でいう駆動信号とは、例えば、駆動電源信号(VDD)及びグランド信号(GND)等の駆動ICを駆動させるための駆動系信号のほか、シリアル信号(SI)、あるいはクロック信号(SCLK)、ラッチ信号(LAT)等の各種制御系信号を含む。このような駆動信号は、各駆動IC110に入力されると、例えば、印刷データに基づいて選択された所定の圧電素子300に印加されるようになっている。なお、図9では、配線パターン120のレイアウトや各種パッドの数等を一部省略しているため、実際とは異なっている。また、本発明でいう制御データとは、各圧電素子300の駆動を制御するデータであり、例えば、印刷データに基づいて各圧電素子300に対して駆動信号を選択的に供給するためのデータである。
そして、このようなインクジェット式記録ヘッドIJHでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110A,110Bによって、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80とに駆動電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
図10は、上記のインクジェット式記録ヘッドにおける部分拡大図((a)平面図、(b)断面図)であり、圧電素子300と封止基板30上の配線120との接続部(連結配線111)を拡大して示している。
図10において、前述したように、圧電素子300が形成された流路形成基板10上に封止基板30が接合され、この封止基板30上の配線120上に駆動IC110(第1の駆動IC110A,第2の駆動IC110B)が実装されている。流路形成基板10上には、圧電素子300から引き出されたリード電極90が形成され、その先端部が封止基板30に設けられた貫通孔33内で露出している。そして、そのリード電極90の露出部分と封止基板30上の配線120(第1配線部121)とが連結配線111によって電気的に接続されている。
本実施形態では、封止基板30における貫通孔33の周囲の隔壁が傾斜面30aを有しており、この傾斜面30a上に連結配線111が形成されている。傾斜面30aは、流路形成基板10の表面と封止基板30の表面との間の段差(例えば400μm)に応じて形成されており、その傾斜角度(流路形成基板10の表面と傾斜面30aとの間の角度)はなるべく小さいのが好ましい。
連結配線111は、傾斜面30a上を通り、一端部が流路形成基板10上のリード電極90上に配され、他端部が封止基板30上の第1配線部121上に配されている。また、連結配線111は、所定の幅、所定のピッチ等を含むパターンに基づいて、圧電素子300の各々に配設されている。
また、連結配線111は、封止基板30における傾斜面30a上に形成される下地膜111aと、下地膜111a上に形成されるメッキ膜111bとを含む。下地膜111aは、封止基板30における傾斜面30aに形成されたバリヤ層(バリヤメタル)と、バリア層の表面に形成されたシード層(シード電極)とによって構成されている。バリヤ層は、メッキ膜111bの構成材料の拡散を防止するものであり、TiW(チタンタングステン)やTiN(チタンナイトライド)、TaN(タンタルナイトライド)等からなる。一方、シード層は、後述するメッキ膜111bをメッキ処理によって形成する際の電極になるものであり、CuやAu、Ag等からなる。メッキ膜111bは、CuやW等の電気抵抗の低い導電材料からなる。なお、poly−Si(ポリシリコン)にBやP等の不純物をドープした導電材料によりメッキ膜111bを形成する等により、上述したバリヤ層を不要とすることが可能である。
図11(a)〜(c)は、上記のインクジェット式記録ヘッドの製造方法の一例を示す図であり、特に、上記連結配線111の形成プロセスを示している。
この連結配線111の形成プロセスは、下地膜形成工程と、パターニング工程と、メッキ工程とを含む。
この連結配線111の形成プロセスは、下地膜形成工程と、パターニング工程と、メッキ工程とを含む。
まず、図11(a)に示すように、下地膜111aを形成する。具体的には、下地膜111aにおけるバリヤ層を形成し、その上にシード層を形成する。バリヤ層およびシード層の形成には、例えば真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD(Phisical Vapor Deposition)法や、CVD法、IMP(イオンメタルプラズマ)法、無電解メッキ法などを用いることができる。本実施形態では、下地膜111aの形成領域が段差を含むものの、その段差部分に傾斜面30aが形成されているから、その傾斜面30a上に下地膜111aが良好に形成される。
次に、図11(b)に示すように、連結配線111(メッキ膜111b)の形成領域をパターニングする。
具体的には、まず、封止基板30の表面を含む流路形成基板10の表面全体にレジストを塗布する。レジストとしては、メッキ用液体レジストまたはドライフィルムなどを採用することができる。なお、レジストは、後述の工程で用いるメッキ液およびエッチング液に対して耐性を持つことが必要である。レジストの塗布は、例えば、スピンコート法、ディっピング法、インクジェット法、ディスペンス法、スプレーコート法などによって行うことができる。レジストを塗布した後にプリベークを行うのが好ましい。本実施形態では、レジスト膜150の塗布領域が段差を含むものの、その段差部分に傾斜面30aが形成されているから、その傾斜面30a上にレジスト膜150が良好に形成される。
具体的には、まず、封止基板30の表面を含む流路形成基板10の表面全体にレジストを塗布する。レジストとしては、メッキ用液体レジストまたはドライフィルムなどを採用することができる。なお、レジストは、後述の工程で用いるメッキ液およびエッチング液に対して耐性を持つことが必要である。レジストの塗布は、例えば、スピンコート法、ディっピング法、インクジェット法、ディスペンス法、スプレーコート法などによって行うことができる。レジストを塗布した後にプリベークを行うのが好ましい。本実施形態では、レジスト膜150の塗布領域が段差を含むものの、その段差部分に傾斜面30aが形成されているから、その傾斜面30a上にレジスト膜150が良好に形成される。
続いて、形成すべきメッキ膜111bの平面形状に応じてレジスト膜150をパターニングする。具体的には、所定のパターンが形成されたマスクを用いて露光処理及び現像処理を行い、レジスト膜150に所望形状の開口部150a,150bを形成する。
ここで、図12は、傾斜面30aを含む領域に対する露光処理の様子を模式的に示す図である。
図12に示すように、本例では、マスクM3のパターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,…B7)が設定されている。複数のブロック領域(B1,B2,B3,…B7)は、露光装置EXPの焦点深度と基板10の表面高さ形状とに基づいて設定されている。具体的には、平坦部に対応するブロック領域B1,B2,B6,B7に比べて、傾斜面30aに対応するブロック領域B3,B4,B5が細く設定されている。
図12に示すように、本例では、マスクM3のパターンに対して複数のブロック領域(B1,B2,B3,…B7)が設定されている。複数のブロック領域(B1,B2,B3,…B7)は、露光装置EXPの焦点深度と基板10の表面高さ形状とに基づいて設定されている。具体的には、平坦部に対応するブロック領域B1,B2,B6,B7に比べて、傾斜面30aに対応するブロック領域B3,B4,B5が細く設定されている。
露光装置EXPは、マスクM3における各ブロック領域に露光光ELを照射するとともに、その各ブロック領域ごとに焦点位置を変化させる。これにより、各ブロック領域ごとに基板10の表面が焦点深度内におさまり、連結配線111(図11参照)のパターン像が高精度に基板10上のレジスト膜150に転写される。
そして、この露光処理の後にレジスト膜150に対して現像処理を行うことにより、図11(b)に示すように、形成すべきメッキ膜111bの平面形状に応じてレジスト膜150がパターニングされ、レジスト膜150に所望形状の開口部150a,150bが形成される。
次に、図11(c)に示すように、このレジスト膜150をマスクとしてメッキ処理を行う。すなわち、レジスト膜150に設けられた開口部150a,150bに、メッキ処理を用いて導電材料を充填してメッキ膜111bを形成する。メッキ処理には、例えば電気化学プレーティング(ECP)法を用いることができる。なお、メッキ処理における電極として、下地膜111aを構成するシード層を用いる。続いて、剥離液等を用いてレジスト膜150を剥離(除去)する。なお、剥離液にはオゾン水等を用いることができる。続いて、メッキ膜111bが形成されなかった領域において露出状態の下地膜111aをドライエッチング等によって除去する。
以上の工程により、図11(d)に示すように、流路形成基板10上のリード電極90と封止基板30上の配線120(第1配線部121)とを電気的に接続する連結配線111が形成される。なお、必要に応じて、連結配線111を覆うように封止膜あるいは保護膜を形成するとよい。
本例によれば、接続対象であるリード電極90と第1配線部121との間に段差があるものの、その段差部分に形成された傾斜面30aを介することで、メッキ処理などの簡素な処理を用いて確実に連結配線111を形成することができる。すなわち、垂直面に配線を形成する場合などに比べて、配線形成が容易かつ確実である。
さらに、本例では、連結配線111の形成領域が比較的大きい凹凸(リード電極90と第1配線部121との間の段差、傾斜面30a)を含むものの、連結配線111用のマスクパターンを複数のブロック領域に分け、その複数のブロック領域の各々ごとに焦点位置を変化させて、焦点ずれが比較的小さいパターン転写(露光処理)を行うから、高精度に連結配線111を形成することができる。
ここで、メッキ処理は、一括で複数の配線を形成することが可能であり、またフォトリソグラフィ技術との組み合わせにより、ワイヤボンディング法に比べて配線ピッチの微細化(例えば、100μm以下)を図ることが可能である。さらに、本例では、接続対象の電極90あるいは配線120上に配線材料を直接配置して連結配線111を形成することから、信頼性の高い電気的接続が可能となる。その結果、本例では、配線形成の処理の簡素化や配線ピッチの微細化並びに電気的接続の信頼性の向上が図られる。
なお、上記した例ではレジスト膜150の開口部150a,150bに充填する形でメッキ膜111bを形成したがこれに限らない。例えば、メッキ膜111bを基板10及び30の全面に形成し、その後パターニングすることにより所望パターンのメッキ膜111b(配線111)を形成してもよい。
また、封止基板30の傾斜面30aは、例えば、特開2004−74428号公報、特開2004−66537号公報等に記載の異方性エッチングを用いて形成することができる。
また、図13に示すように、封止基板30の開口部(貫通孔33)の内壁面に、樹脂等の別部材からなる絶縁部160を設けることにより斜面160aを形成してもよい。絶縁部160の形成材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)、ポリベンゾオキサゾール(PBO;polybenzoxazole)等の樹脂が挙げられる。絶縁部160は、液状樹脂をポッティングにより形成してもよいし、ドライフィルムを固着することにより形成してもよい。あるいは、流路形成基板10上の全面に絶縁部160の材料を配置した後に、パターニングにより絶縁部160を形成してもよい。この場合、重力等により、封止基板30の側面高さに応じて材料が斜めに配置され、その結果、傾斜面160aを有する絶縁部160が形成される。
また、図13に示すように、封止基板30の開口部(貫通孔33)の内壁面に、樹脂等の別部材からなる絶縁部160を設けることにより斜面160aを形成してもよい。絶縁部160の形成材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)、ポリベンゾオキサゾール(PBO;polybenzoxazole)等の樹脂が挙げられる。絶縁部160は、液状樹脂をポッティングにより形成してもよいし、ドライフィルムを固着することにより形成してもよい。あるいは、流路形成基板10上の全面に絶縁部160の材料を配置した後に、パターニングにより絶縁部160を形成してもよい。この場合、重力等により、封止基板30の側面高さに応じて材料が斜めに配置され、その結果、傾斜面160aを有する絶縁部160が形成される。
上記のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。
図14は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図14に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジに伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
図14に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジに伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
なお、液体噴射ヘッドの適用例として、印刷媒体に所定の画像や文字を印刷するインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、本発明はこれに限定されない。液体噴射ヘッドとしては、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等、他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
EXP…露光装置、P…基板、M,M1,M2,M3…マスク、B1,B2,B3,B4…ブロック領域、LA…光軸、PA1,PA2,PA3,PA4…基板上の領域、EL…露光光、IJH…インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、1A,1B…記録ヘッドユニット、10…流路形成基板、12…圧力発生室、111…連結配線、90…リード電極、120…配線、150…レジスト膜、150a,150b…開口部、300…圧電素子、501…光源、502…遮光部材、503…マスクステージ、504…結像光学系、505…基板ステージ、510…制御装置、520…パターン領域。
Claims (10)
- 露光装置を用いた光照射によってマスクに形成されたパターンを基板に転写する方法であって、
前記露光装置の焦点深度と前記基板の表面高さ形状とに基づいて、前記パターンに対して複数のブロック領域を設定する工程と、
前記パターンにおける前記複数のブロック領域の各々ごとに、焦点位置を変化させながら前記光照射を行う工程とを有することを特徴とするパターン転写方法。 - 前記マスクにおける前記複数のブロック領域が互いに接していることを特徴とする請求項1に記載のパターン転写方法。
- 前記マスクにおける前記複数のブロック領域が互いに離間していることを特徴とする請求項1に記載のパターン転写方法。
- 前記複数のブロック領域は、大きさが互いに異なる複数のブロック領域を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のパターン転写方法。
- 前記複数のブロック領域のそれぞれの大きさは、各ブロック領域に対応する前記基板上の領域内での表面高さの変化量が前記焦点深度以下となるように定められることを特徴とする請求項4に記載のパターン転写方法。
- 前記基板における前記表面高さの変化量が比較的小さい領域に対応するブロック領域は比較的大きく、前記基板における前記表面高さの変化量が比較的大きい領域に対応するブロック領域は比較的小さいことを特徴とする請求項5に記載のパターン転写方法。
- 遮光部材を用いて前記マスクに対する光照射領域を規定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のパターン転写方法。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載のパターン転写方法を用いることを特徴する電子装置の製造方法。
- 前記電子装置は、液体噴射ヘッド、マイクロマシンを含むことを特徴とする請求項8に記載の電子装置の製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法で製造された液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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JP2017509016A (ja) * | 2014-03-04 | 2017-03-30 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | データ処理装置を用いたリソグラフィ装置 |
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-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005131029A patent/JP2006308842A/ja not_active Withdrawn
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