JP2006308645A - ホログラフィ光学系及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のホログラフィ光学系は、所望の回折光を生成するためのホログラ
ム要素(1A)を複数有し、各ホログラム要素(1A)又は各ホログラム要素の縮小投影像を所定面上に点在させると共に、その所定面にて生起する回折光の全体により、三次元画像を表示する。各ホログラム要素(1A)に微小素子(P)を小ピッチで配置すれば、各回折光の回折拡がり角度θは大きくなり、三次元画像の視野角を大きくすることができる。また、複数のホログラム要素(1A)は離散的に配列されるので、ホログラム要素の配置面のサイズを大きくしても、微小素子(P)の総数は抑えられる。
【選択図】 図3
Description
光波の振幅分布や位相分布を変調する素子は複数種類あり、LCD(液晶表示素子,Liquid Crystal Display)、PAL−SLM、或いは、両者を組み合わせたPPMが有望である(非特許文献1,2など)。なお、PAL−SLMは、平行配向液晶空間光変調器(Parallel-Aligned Nematic Liquid Crystal Spatial Light Modulator)の略であり、PPMは、プログラマブル位相変調ユニット(Programmable Phase Modulator)の略である。
"ハマホト通信バックナンバーVOL.15より「光アドレス型平行配行液晶空間光変調器PAL−SLM X7665」",浜松ホトニクス株式会社,[online],2002年,[平成17年3月28日検索],インターネット<URL:Http://www.hpk.co.jp/jpn/products/hamahot/email15.htm> "ハマホト通信バックナンバーVOL.25より「プログラマブル位相変調ユニット」",浜松ホトニクス株式会社,[online],2002年,[平成17年3月28日検索],インターネット<URL:Http://www.hpk.co.jp/jpn/products/hamahot/email25.htm>
なぜなら、回折光学素子の単位構造のサイズが大きくなると、回折角が小さくなるからである。例えば、簡単のために、回折光学素子を幅wのスリットとし、波長λの単色な平面波で照明する場合の回折拡がり角度θ(半角)は、θ<λ/wである。
そこで本発明は、大視野角かつ大面積でありながら実現性の高いホログラフィ光学系、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
なお、前記複数のホログラム要素を、前記所定面とは別の面に配列すると共に、前記ホログラフィ光学系に、前記複数のホログラム要素を個別に縮小投影し、その縮小投影像を前記所定面上に点在させる光学系アレイを備えてもよい。
また、前記ホログラム要素又は前記縮小投影像は、前記所定面上に不等間隔で配列されてもよい。
また、前記複数のホログラム要素の各々は、位相変調素子アレイ、振幅変調素子アレイ、振幅・位相変調素子アレイの何れかの微小光学素子アレイから構成されてもよい。
また、前記照明光束に、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の波長成分を含ませると共に、前記複数のホログラム要素に、前記赤色の波長成分のみの回折光を生成する赤色用ホログラム要素、前記青色の波長成分のみの回折光を生成する青色用ホログラム要素、及び、前記緑色の波長成分のみの回折光を生成する緑色用ホログラム要素の3種類を含ませてもよい。
図1、図2を参照して本発明の原理を説明する。
図1(A)は、実在する物体Iを観察眼Eが窓Hを通して観察する様子を示し、図1(B)は、窓Hと同じサイズのホログラムHOEによる虚像I’(物体Iの虚像)を観察眼Eが観察する様子を示している。何れの場合も、コヒーレントな照明光が用いられるとする。
図2(A)は、1つの窓Hを離散的な小さな窓の集合体H’に代えたときの様子を示し、図2(B)は、1つのホログラムHOEを離散的な小さなホログラムの集合体HOE’に代えたときの様子を示す。これら2つの観察でも、等価な関係が成り立つ。
図2(B)の観察を図1(B)の観察と比較する。図2(B)の観察では、1つのホログラムHOEの観察(図1(B))よりも観察眼Eに入射する光量が低下するので、虚像I’の見え方は暗くなる。しかし、ホログラムの集合体HOE’と虚像I’との間隔が十分に広ければ、1つのホログラムHOEの観察(図1(B))と同様に、虚像I’を観察することは可能である。
[第1実施形態]
図3、図4、図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。
図3(A)は、本表示装置の全体構成図である。図3(A)に示すとおり、レーザ光源11、コリメータレンズ12、ホログラム1、観察眼Eが順に配置される。ホログラム1には、駆動回路13が接続される。
駆動回路13は、ホログラム1内の各微小素子に駆動信号を与え、ホログラム1に入射する光波の振幅分布と位相分布とを制御する。制御された回折光は、観察眼Eに入射し、ホログラム1の背後の十分に離れた位置に三次元動画像(虚像)を表示する。
個々のホログラム要素1Aは、図3(B)内に拡大して示すように、複数の微小素子P(単位構造)を二次元状に配置してなる。複数の微小素子Pの全体は、入射した照明光束に対し回折光学素子として作用し、回折光を生成する。また、複数の微小素子Pは、与えられた駆動信号に応じてその状態を変化させ、ホログラム1に入射する光波の位相分布及び振幅分布を変調する。
また、ホログラム要素1A内の微小素子Pの数は、十分に大きい値(例えば、数十個)に設定されている。この数とホログラム要素1Aの配置間隔とは、ホログラム1全体に含まれる微小素子Pの数が、観察眼Eが虚像を鮮明に見るために必要最低限な値になるように定められる。
各マイクロレンズ(レンズ面L1,L2)は、両側テレセントリックに構成され、光源側からの入射光束の径を縮小する逆エキスパンダである。入射側のレンズ面L1のサイズはなるべく大きく確保され、射出側のレンズ面L2のサイズは、ホログラム要素1Aが外接する円と同じ又はそれより若干大きい程度に設定される。なお、図4では、マイクロレンズ(レンズ面L1,L2)が両凸レンズで表されているが、光源側に凸のメニスカスレンズであってもよい。
ここで、上述したとおり、各ホログラム要素1Aの単位構造サイズは十分に小さいので、各回折光の回折拡がり角度θは大きく、したがって、ホログラム要素1Aの全体が表示する三次元画像の視野角も大きい。
また、マイクロレンズアレイ1Bは、照明光束Lを個々のホログラム要素1Aに対しロスなく集光するので、照明光束Lの利用効率が高い。
なお、本実施形態のホログラム1では、ホログラム要素1Aが等間隔で配列されると、特定の方向に余分な回折光が生じて三次元動画像が劣化する虞がある。このため、ホログラム要素1Aは、不等間隔に配置されることが望ましい。図5には、一例として、ホログラム要素1Aがランダムに配置された様子を示した。
図6を参照して本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第1実施形態(図4)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部にある。
図6は、本実施形態のホログラム1の部分断面図(図3(B)のX−X’線における断面図)である。図6に示すように、このホログラム1においては、ホログラム要素1Aのサイズは大きく、その分だけホログラム要素1A同士の隙間は、狭められている。また、マイクロレンズアレイ1Bの配置箇所は、ホログラム要素1Aの配置面よりも観察眼E側である。
このうち、ホログラム要素1Aの配置領域の全体が、照明光束Lで一括照明される。照明された各ホログラム要素1Aは、回折光を生成する。
形成された縮小投影像1A’の所定面S上における配列座標は、複数のホログラム要素1Aの配置面上におけるそれと略同じになる。よって、縮小投影像1A’は、所定面S上に点在することになる。それらの各縮小投影像1A’から射出する各光束の重ね合わせが、観察眼Eに対し三次元動画像を表示する。
しかも、本実施形態のホログラム1では、縮小投影する分だけホログラム要素1Aのサイズを大きくすることができるので、第1実施形態のホログラム1よりも製造が容易である。
なお、本実施形態のホログラム1では、縮小投影像1A’が等間隔で配列されると、特定の方向に余分な回折光が生じて三次元動画像が劣化する虞がある。このため、ホログラム要素1A、マイクロレンズ(L1,L2)の少なくとも一方は、不等間隔に配置されることが望ましい。
図7を参照して本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第2実施形態(図6)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部にあり、主に縮小光学系を反射型に構成したことにある。
マイクロミラーアレイ1Dのマイクロミラー(ミラーM1,M2)は、マイクロレンズアレイ1Bのマイクロレンズ(レンズ面L1,L2)と同じ機能を持つ。よって、ホログラム要素1Aからの回折光は、ミラーM1,M2で順に反射した後、観察眼E側の所定面S上にホログラム要素1Aの縮小投影像1A’を形成する。
また、このホログラム1では、反射型の光学系(ミラーM1,M2)を利用したので、光路が折れ曲がり、光軸方向だけでなくその垂直方向にも若干のスペースを要する。このため、ホログラム要素1Aの配置間隔は、第2実施形態のそれよりも若干広めに設定される。
以上、本実施形態のホログラム1は、反射型の光学系(マイクロミラー)を利用し、第2実施形態と等価なホログラムを実現している。したがって、第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態のホログラム1では、縮小投影像1A’が等間隔で配列されると、特定の方向に余分な回折光が生じて三次元動画像が劣化する虞がある。このため、ホログラム要素1A、マイクロミラー(M1,M2)の少なくとも一方が、不等間隔に配置されることが望ましい。
図8を参照して本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第1実施形態(図4)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部にあり、主にホログラム要素1Aを反射型に構成したことにある。
このホログラム要素1Aの配置面の光源側に、マイクロレンズアレイ1Bが配置され、その配置面の観察眼E側に、マイクロミラーアレイ1Cが配置される。
このうち、マイクロレンズアレイ1Bの光源側のレンズ面L1の形成領域の全体が、平面波である照明光束Lで一括照明される。その照明光束Lは、各レンズ面L1で複数の部分光束に分割される。
各ホログラム要素1Aが生成する各回折光は、マイクロミラーアレイ1Cの非ミラー部分を透過して、観察眼Eへ向かう。それら各回折光の重ね合わせが、観察眼Eに対し三次元動画像を表示する。なお、マイクロミラーアレイ1Cのうち、回折光を透過させるべき面は、余分な回折光が発生しないような平面になっている。
また、本実施形態のホログラム1では、互いに隣接するホログラム要素1Aの間隙に光路が設けられ、かつその光路が折り畳まれるので、ホログラム要素1Aが反射型であるにも拘わらず、ホログラム1に入射する照明光束Lの進行方向と、ホログラム1から観察眼Eへ向かう回折光の進行方向とを略一致させることができる。これらの進行方向が一致すれば、ホログラム1の観察眼E側に広い空間を確保することができる。
[第5実施形態]
図9を参照して本発明の第5実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第4実施形態(図8)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部、特に、マイクロミラーアレイ1Cにある。
以上、本実施形態のホログラム1では、マイクロミラーアレイ1Cにプリズムの機能が付加されるので、第4実施形態と同様の効果に加え、回折効率のさらなる向上の効果が得られる。
[第6実施形態]
図10を参照して本発明の第6実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第4実施形態(図8)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部にあり、特に、マイクロレンズアレイ1Eが追加された点にある。
なお、本実施形態のホログラム1では、縮小投影像1A’が等間隔が配列されると、特定の方向に余分な回折光が生じて三次元動画像が劣化する虞がある。このため、ホログラム要素1A、マイクロレンズの少なくとも一方は、不等間隔に配置されることが望ましい。
[第7実施形態]
図11を参照して本発明の第7実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第6実施形態(図10)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部にあり、主に縮小光学系を反射型に構成したことにある。
マイクロレンズアレイ1Fの光源側の面には、ホログラム要素1Aと同数のマイクロレンズL1が、ホログラム要素1Aと同じ配列パターンで設けられている。マイクロレンズアレイ1Fの観察眼E側の面には、ホログラム要素1Aと同数のプリズム部L2,及び凹のマイクロミラーM1が、ホログラム要素1Aと同じ配列パターンで形成されている。
各ホログラム要素1Aにて生成された回折光は、マイクロレンズアレイ1Fの各マイクロミラーM1に入射し、その集光作用を受けて、所定面S上にホログラム要素1Aの縮小投影像1A’を個別に形成する。
以上、本実施形態のホログラム1は、反射型の光学系を利用して第6実施形態のホログラム1と等価なホログラムを実現している。反射型の光学系を利用すると、光学素子を単純化できるだけでなく、例えば、照明光束の波長を時分割で変調してカラーの三次元動画像を表示する際、色収差が生じないといった利点もある。
[第8実施形態]
図12、図13を参照して本発明の第8実施形態を説明する。本実施形態も、ホログラムを利用した三次元動画像表示装置の実施形態である。ここでは、第2実施形態(図6)との相違点のみ説明する。相違点は、ホログラム1の細部と照明光束Lの成分とにあり、ホログラム1をカラー表示可能に構成したことにある。
本表示装置の照明光束Lは、赤色、緑色、青色の3種類の波長成分を含む。ホログラム要素1Aの配置面の光源側には、フィルタアレイFが配置されている。
フィルタアレイFには、ホログラム要素1Aと同数のバンドパスフィルタが、ホログラム要素1Aと同じ配列パターンで配列されている。各バンドパスフィルタは、各ホログラム要素1Aを個別にカバーしている。
よって、フィルタRに対応するホログラム要素1Aは、赤色の波長成分のみからなる回折光を生成する赤色用ホログラム要素となり、フィルタGに対応するホログラム要素1Aは、緑色の波長成分のみからなる回折光を生成する緑色用ホログラム要素となり、フィルタBに対応するホログラム要素1Aは、青色の波長成分のみからなる回折光を生成する青色用ホログラム要素となる。
また、図13(B)は、フィルタR,G,Bの配列パターンの別の例を示す図である。図13(B)に示すように、幾つかのホログラム要素1Aからなるブロック毎に、3種類のフィルタR,G,Bを振り分けてもよい。
[その他]
なお、上述した各実施形態のホログラム要素1Aには、PPM,PAL−SLMなどを適用することができる。少なくとも、各実施形態のホログラム要素1Aは、入射した照明光束に対し回折光学素子として作用し、かつ、与えられた駆動信号に応じてその状態を変化させ、入射した照明光束の複素振幅分布を変調することができればよい。
また、上述した各実施形態の表示装置は、動画像を表示するものであるが、静止画像を表示する表示装置にも本発明は適用可能である。静止画像しか表示しないのであれば、非駆動型の回折光学素子(つまり、状態の変化しない回折光学素子)を用いることができる。
Claims (9)
- 所望の回折光を生成するためのホログラム要素を複数有し、各ホログラム要素又は各ホログラム要素の縮小投影像を所定面上に点在させると共に、その所定面にて生起する回折光の全体により、三次元画像を表示する
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1に記載のホログラフィ光学系において、
前記複数のホログラム要素は、前記所定面とは別の面に配列されており、
前記複数のホログラム要素を個別に縮小投影し、その縮小投影像を前記所定面上に点在させる光学系アレイを備えた
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1又は請求項2に記載のホログラフィ光学系において、
前記ホログラフィ光学系に投光される照明光束のサイズは、前記複数のホログラム要素の配置面の全体を一括照明可能なサイズであり、
前記照明光束を複数の光束に分割すると共に、各光束のサイズを、前記複数のホログラム要素が過不足無く照明されるよう個別に調整する光学系アレイを備えた
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のホログラフィ光学系において、
前記ホログラム要素又は前記縮小投影像は、前記所定面上に不等間隔で配列される
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のホログラフィ光学系において、
前記ホログラフィ光学系に投光される照明光束の進行方向と、前記ホログラフィ光学系から射出する前記回折光の進行方向とが略揃うように、前記複数のホログラム要素を経由する各光束を個別に偏向する光学系アレイを備えた
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のホログラフィ光学系において、
前記複数のホログラム要素の各々は、
位相変調素子アレイ、振幅変調素子アレイ、振幅・位相変調素子アレイの何れかの微小光学素子アレイからなる
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項6に記載のホログラフィ光学系において、
前記複数のホログラム要素の各々は、
反射型の前記微小光学素子アレイからなる
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のホログラフィ光学系において、
前記照明光束には、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の波長成分が含まれ、
前記複数のホログラム要素には、
前記赤色の波長成分のみの回折光を生成する赤色用ホログラム要素、前記青色の波長成分のみの回折光を生成する青色用ホログラム要素、及び、前記緑色の波長成分のみの回折光を生成する緑色用ホログラム要素の3種類が含まれる
ことを特徴とするホログラフィ光学系。 - 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のホログラフィ光学系と、
前記複数のホログラム要素の配置面を照明するための可干渉性の高い前記照明光束を生成する照明光学系と
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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